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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】脛骨整列装置及びそのユニット
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/56 20060101AFI20221209BHJP
   A61B 17/15 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
A61B17/56
A61B17/15
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2020572454
(86)(22)【出願日】2019-07-09
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 KR2019008445
(87)【国際公開番号】W WO2020013584
(87)【国際公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】10-2018-0080025
(32)【優先日】2018-07-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520159455
【氏名又は名称】コレンテク カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】弁理士法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】オ,スン フン
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-049462(JP,A)
【文献】特開2018-086200(JP,A)
【文献】実開昭59-143408(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0155911(US,A1)
【文献】特表平03-503252(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0094751(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00-17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
膝関節置換術のための脛骨切削ガイドに結合可能な上部、及び前記上部と上下にスライディング可能に結合する下部を含み、
前記上部は、前記脛骨切削ガイドを前記上部に装着させるカッティングガイド結合部、及び前記上部と下部とを連結する連結部を含み、
前記カッティングガイド結合部は、前記脛骨切削ガイドに上下移動可能に結合可能な締結部材と、前記締結部材をスライディング可能に収容する収容部材とを含み、
前記締結部材は、締結部材の上端に前記カッティングガイド結合部の挿入方向に突出して前記脛骨切削ガイドに挿入されて結合可能な結合部を含み、
前記収容部材は、収容部材の上端に前記カッティングガイド結合部の挿入方向に突出して前記脛骨切削ガイドに挿入されて結合可能な結合部を含み、
前記脛骨切削ガイドが前記締結部材の結合部と収容部材の結合部を収容する内部空間の高さは、前記締結部材の結合部の高さと前記収容部材の結合部の高さを合算した高さより高く、
前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔が広まって脛骨切削ガイドと強固に結合するロック状態となり、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔が狭くなって脛骨切削ガイドと緩く結合する解除状態となることを特徴とする、
脛骨整列装置。
【請求項2】
前記カッティングガイド結合部は、脛骨切削ガイドに様々な角度で結合又は分離可能である、請求項1に記載の脛骨整列装置。
【請求項3】
前記カッティングガイド結合部は、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔を調節するレバー部材を含む、請求項1に記載の脛骨整列装置。
【請求項4】
前記レバー部材は、前記レバー部材の回転を可能にする回転ボディー部と、前記ロック状態で前記締結部材を上側に加圧する板ばね部と、前記レバー部材のロック状態と解除状態を調整可能なハンドル部と、前記ロック状態で前記レバー部材の回転を防止する回転防止段と、前記板ばね部と前記回転ボディー部との間に空間を形成する溝部とを含む、請求項3に記載の脛骨整列装置。
【請求項5】
前記カッティングガイド結合部は、前記解除状態のとき、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔を密着させる密着手段を含む、請求項4に記載の脛骨整列装置。
【請求項6】
前記締結部材の結合部は、その一端が上方に突出した突出面を含む結合面を有する、請求項5に記載の脛骨整列装置。
【請求項7】
前記結合面は、曲面からなり、前記結合部の内側に凹入した凹面と、前記凹面から延長形成されて前記結合部の外側に突出した凸面を含み、前記凸面は突出面を構成する、請求項6に記載の脛骨整列装置。
【請求項8】
前記締結部材は、前記結合部の挿入深さを制限するストッパーを含む、請求項7に記載の脛骨整列装置。
【請求項9】
前記上部は、前記脛骨切削ガイドの結合高さを微細に調節可能な微細調整部を含む、請求項1に記載の脛骨整列装置。
【請求項10】
前記下部は、治療対象の足首に固定されて脛骨整列装置を固定する足首鉗子部、前記上部と下部との結合長を調節可能な高さ調節部、及び前記高さ調節部と前記足首鉗子部とを連結する連結部を含み、
前記高さ調節部は、前記上部の連結部と前記下部の連結部とを連結する第1部材、前記上部の連結部の上下移動を調節する第2部材、及び前記第2部材の位置を固定する弾性部材を含む、請求項1~9のいずれかに記載の脛骨整列装置。
【請求項11】
前記第2部材は、前記上部の連結部が前記第2部材と接触して下部棒を固定させるロック状態となり、前記上部の連結部と前記第2部材とが間隔を形成して前記上部の連結部を上下にスライディングさせることが可能な解除状態となることを特徴とする、請求項10に記載の脛骨整列装置。
【請求項12】
前記第2部材は、前記上部の連結部と接触を形成する接触部、前記第2部材を回転させる回転結合部、及び前記第2部材のロック状態と解除状態を調整可能なハンドル部を含む、請求項11に記載の脛骨整列装置。
【請求項13】
前記接触部は、前記上部の連結部が貫通する収容ホールを含み、前記収容ホールは、前記第2部材のロック状態時に前記上部の連結部と前記第2部材とが接触するように形成されたことを特徴とする、請求項12に記載の脛骨整列装置。
【請求項14】
前記下部は、治療対象の足首に固定されて脛骨整列装置を固定する足首鉗子部を含み、前記足首鉗子部は、治療対象の足首に固定される鉤形状の足首鉗子、前記足首鉗子と前記下部の連結部とを連結する足首鉗子連結部、前記足首鉗子連結部を治療対象の前位又は後位方向にスライディングさせるスライディング調整部、前記足首鉗子連結部の位置を固定するラチェットボタン、及び前記ラチェットボタンの離脱を防止する連結ボルトを含む、請求項1~9のいずれかに記載の脛骨整列装置。
【請求項15】
前記足首鉗子部は、洗浄水の流入を円滑にして洗浄効率を高める洗浄溝を備えていることを特徴とする、請求項14に記載の脛骨整列装置。
【請求項16】
前記スライディング調整部は、前記ラチェットボタンが挿入される両側面を貫通する洗浄溝を含み、
前記ラチェットボタンは、前記連結ボルトが挿入される下端の両側面を貫通する洗浄溝を含む、請求項15に記載の脛骨整列装置。
【請求項17】
請求項1~9のいずれか一項の脛骨整列装置と膝関節置換術のための脛骨切削ガイドとを含む脛骨整列装置ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、治療対象の脛骨と大腿骨を含む膝関節に用いられる膝関節置換術(Total Knee Anrthroplasty)に関し、より詳細には、人工膝関節手術時に、脛骨切削ガイドに結合可能な上部と、前記上部と上下にスライディング可能に結合する下部を含み、前記上部は、前記脛骨切削ガイドを前記上部に装着させるカッティングガイド結合部と、前記上部と下部を連結する連結部を含み、前記下部は、治療対象の足首に固定されて脛骨整列装置を固定する足首鉗子部を含み、前記カッティングガイド結合部は、カッティングガイドに様々な角度で結合又は分離可能であり、前記カッティングガイド結合部は、前記脛骨切削ガイドに上下移動可能に結合可能な締結部材と、前記締結部材をスライディング可能に収容する収容部材を含み、前記締結部材は、締結部材の上端に前記カッティングガイド結合部の挿入方向に突出して前記脛骨切削ガイドに挿入されて結合可能な結合部を含み、前記収容部材は、収容部材の上端に前記カッティングガイド結合部の挿入方向に突出して前記脛骨切削ガイドに挿入されて結合可能な結合部を含み、前記締結部材の結合部は、前記収容部材の結合部に対して間隔調節可能に構成され、脛骨切削ガイドに様々な角度で脱着可能である脛骨整列装置に関する。
【背景技術】
【0002】
膝関節とは、膝を囲んでいる3個の骨である大腿骨(Femur)、脛骨(Tibia)、膝蓋骨(Patella)がなす関節のことを意味し、人の体重を支え、関節運動によって歩いたり走ったりするなどの脚を用いる運動に関連した中枢的な関節に該当する。
【0003】
大腿骨端には関節軟骨(Articular Cartilage)が存在し、脛骨端には半月状軟骨(Meniscus)が存在するが、老化や激しい運動などにより軟骨が損傷すると骨と骨が直接ぶつかって深刻な疼痛を誘発することがある。
【0004】
膝関節置換術(Total Knee Arthroplasty)は、このように膝関節が損傷したとき、大腿骨と脛骨の一部を切開して人工膝関節を挿入する手術で、大腿骨端に大腿骨結合部材を連結し、脛骨端に脛骨要素を挿入固定し、その上にベアリング部材を設置して人工膝関節を施す。このような人工膝関節置換手術において手術後副作用を防止し、置換された人工膝関節の寿命を延長させるためには、損傷した膝関節の正確な折骨が非常に重要である。
【0005】
このため、膝関節置換術手術のとき、治療対象の脛骨近位部を切削する前に、長さ調節が可能な棒状の脛骨整列装置(Tibial Alignment Assembly)を用いて、一方は治療対象の足首に固定し、他方は脛骨切削ガイドに結合して、治療対象の脛骨近位部に当ててみることによって正確な切削面を導出している。
【0006】
このような前記脛骨整列装置は、治療対象に応じて正確な長さを調節する必要があり、これは手術の正確性及び効果と直結する。また、脛骨切削ガイドとの結合及び分解が容易に行われ、手術の容易性を確保すると同時に手術器具間の衝突を防止し、整列された位置を保持し、正確で安全な手術が行なわれる必要がある。
【0007】
しかし、従来技術は、カッティングガイドへの前記脛骨整列装置の結合及び分解に困難があるだけでなく、アラインメントの長さの微細調節も難しいという問題があった。具体的に、既存器具では、脛骨切削ガイドと脛骨整列装置間の結合及び分解の半径又は経路が一直線に限定されており、手術中にそれら装置を容易に脱着できず、手術の容易性が確保し難く、特に、脛骨整列装置の狭い分解半径によって分解時に他の手術器具との衝突が生じ、切削面の情報を提供するために整列されている手術器具の位置が乱れたり結合が解除される問題を招いた。このため、不正確な手術となり、治療効果の低下及び患者の苦痛を誘発し、深刻な場合には再手術しなければならず、治療対象に時間的、経済的損失を負わせた。
【0008】
また、従来の脛骨整列装置は、整列棒の長さを調節する部分にボルトやラチェットを使用したが、前記ねじのピッチ又はラチェットの溝の単位間隔によって、精密な高さ調節が困難であり、このため、正確な膝関節置換術の施術及び手術の容易性、手術経過、患者の苦痛及び経済的負担においてた問題を招いている。
【0009】
また、手術器具は感染などの安全性の理由で洗浄が重要であり、そのためには器具の洗浄性を高める設計が必要である。しかし、従来の脛骨整列装置は、治療対象の足首部位に直接結合する足首鉗子部(ankle clamp)に別個の洗浄溝が設けられておらず、多くの部品が結合すると洗浄水がよく届かない隙間は洗浄し難く、不完全な洗浄による細菌感染などの危険があった。
【0010】
米国特許第8,758,354号明細書は、図1に示す脛骨整列装置を開示している。図1を参照すると、前記脛骨整列装置は、脛骨近位部切削時に正確な切削面に関する情報を提供するための装置である。
【0011】
しかしながら、前記指摘の通り、このような従来の脛骨整列装置は、脛骨切削ガイドと一直線にしか結合又は分解できないため、脱着が容易でなく、前記脛骨切削ガイドを円滑に除去し難く、手術過程中に他の器具と衝突する問題を誘発する。また、上部棒(Proximal Rod)及び下部棒(Distal Rod)の結合長を調節する部分がラチェット形式になっており、精密な長さ調節が難しいという問題があった。しかも、足首鉗子部(Ankle Clamp)も、手術前後に装置の洗浄を容易にする洗浄溝などの構成がないため、細菌などの感染がない安全な手術を保障できない問題があった。
【0012】
したがって、脛骨切削ガイドとの結合及び分解が容易であり、精密な高さ調整が可能であり、足首鉗子部の洗浄を容易にすることによって、正確で安全な膝関節置換術を施行できる脛骨整列装置の導入の必要性が増大している実情である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、前記のような問題点を解決するために案出されたものであり、
【0014】
本発明の目的は、膝関節置換術のための脛骨切削ガイドに結合可能な上部、及び前記上部と上下にスライディング可能に結合する下部を含み、前記上部は、前記脛骨切削ガイドを前記上部に装着させるカッティングガイド結合部、及び前記上部と下部とを連結する連結部を含み、前記下部は、治療対象の足首に固定されて脛骨整列装置を固定する足首鉗子部を含み、膝関節置換術手術時に施術者に正確な脛骨切削面の位置に関する情報を知らせる脛骨整列装置を提供することにある。本発明の他の目的は、前記カッティングガイド結合部は、脛骨切削ガイドに様々な角度で結合又は分離可能であり、脛骨切削ガイドと脛骨整列装置の結合及び分解半径の範囲を広めて手術の便宜性及び安全性を向上させる脛骨整列装置を提供することにある。
【0015】
本発明のさらに他の目的は、前記カッティングガイド結合部は、前記脛骨切削ガイドに上下移動可能に結合可能な締結部材と、前記締結部材をスライディング可能に収容する収容部材を含み、脛骨切削ガイドと流動的な結合を形成する脛骨整列装置を提供することにある。
【0016】
本発明のさらに他の目的は、前記締結部材は、締結部材の上端に前記カッティングガイド結合部の挿入方向に突出して前記脛骨切削ガイドに挿入されて結合可能な結合部を含み、前記収容部材は、収容部材の上端に前記カッティングガイド結合部の挿入方向に突出して前記脛骨切削ガイドに挿入されて結合可能な結合部を含み、前記締結部材の結合部は、前記収容部材の結合部に対して間隔調節が可能なように構成され、脛骨切削ガイドと様々な角度で脱着可能である脛骨整列装置を提供することにある。
【0017】
本発明のさらに他の目的は、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔が広まって脛骨切削ガイドと強固に結合するロック状態となり、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔が狭くなって脛骨切削ガイドと緩く結合する解除状態となることを特徴とし、施術者の前記ロック状態及び解除状態の操作によって前記結合部の容易な挿入及び固定を可能にして手術の便宜性を向上させる脛骨整列装置を提供することにある。
【0018】
本発明のさらに他の目的は、前記カッティングガイド結合部は、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔を調節するレバー部材を含み、小さな力でも前記締結部材の結合部を押し上げて前記結合部を固定させると同時に、施術者にとって前記ロック状態及び解除状態間の確認及び切替を容易にする脛骨整列装置を提供することにある。
【0019】
本発明のさらに他の目的は、前記レバー部材の回転を可能にする回転ボディー部を含み、前記レバー部材を前記収容部材に対して固定及び回転させて前記状態間の切替を可能にする脛骨整列装置を提供することにある。
【0020】
本発明のさらに他の目的は、前記ロック状態で前記締結部材を上側に加圧する板ばね部を含み、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔を広めることによって前記レバー部材回転時に部材の損傷を防止し、前記締結部材の固定が可能である脛骨整列装置を提供することにある。
【0021】
本発明のさらに他の目的は、ハンドル部を含み、施術者にとって前記ロック及び解除状態間の切替を容易にする脛骨整列装置を提供することにある。
【0022】
本発明のさらに他の目的は、前記ロック状態で前記レバー部材の回転を防止する回転防止段を含み、結合後に前記ロック状態を保持することによって、手術中に前記カッティングガイド結合部の離脱を防止して安全な手術を可能にする脛骨整列装置を提供することにある。
【0023】
本発明のさらに他の目的は、溝部を含み、前記レバー部材が回転できるように前記板ばね部が下側に降り得る空間を提供する脛骨整列装置を提供することにある。
【0024】
本発明のさらに他の目的は、前記カッティングガイド結合部は、前記解除状態のとき、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔を密着させる密着手段を含み、前記解除状態で前記締結部材と収容部材との離隔を防止して容易な手術を可能にする脛骨整列装置を提供することにある。
【0025】
本発明のさらに他の目的は、前記締結部材の結合部は、その一端が上方に突出した突出面を含む結合面を含み、前記カッティングガイド結合部の結合後に前記締結部材結合部の離脱を防止する脛骨整列装置を提供することにある。
【0026】
本発明のさらに他の目的は、前記結合面は、曲面からなり、前記結合部の内側に凹入した凹面と、前記凹面から延長形成されて前記結合部の外側に突出した凸面を含み、前記凸面は突出面を構成し、前記ロック状態時に凸面によって前記結合部の固定力を向上させると同時に、前記解除状態時に結合部の挿入及び離脱を円滑にする脛骨整列装置を提供することにある。
【0027】
本発明のさらに他の目的は、前記締結部材は、前記結合部の挿入深さを制限するストッパーを含み、施術者に容易な手術を可能にする脛骨整列装置を提供することにある。
【0028】
本発明のさらに他の目的は、前記上部は、前記カッティングガイドの結合高さを微細に調節可能な微細調整部を含み、正確なカッティング面の設定を可能にして手術の正確性を高める脛骨整列装置を提供することにある。
【0029】
本発明のさらに他の目的は、前記下部は、高さ調節部を含み、前記上部と下部との結合長を調節できる脛骨整列装置を提供することにある。
【0030】
本発明のさらに他の目的は、前記高さ調節部は、第1部材を含み、前記上部の連結部と前記下部の連結部とを連結及び固定することができる脛骨整列装置を提供することにある。
【0031】
本発明のさらに他の目的は、前記高さ調節部は、第2部材を含み、前記上部の連結部の上下移動を調節することができる脛骨整列装置を提供することにある。
【0032】
本発明のさらに他の目的は、前記高さ調節部は、弾性部材を含み、前記第2部材によって、施術者が調整した高さを維持することができる脛骨整列装置を提供することにある。
【0033】
本発明のさらに他の目的は、前記第2部材は、前記上部の連結部が前記第2部材と接触して前記下部棒を固定させるロック状態となり、前記上部の連結部と前記第2部材とが間隔を形成して前記上部の連結部を上下にスライディングさせ得る解除状態となることを特徴とし、前記ロック状態と解除状態の相互切替によって容易な手術を可能にする脛骨整列装置を提供することにある。
【0034】
本発明のさらに他の目的は、前記第2部材は、接触部を含み、前記上部の連結部との接触によって摩擦力を形成することによって、前記上部の連結部を固定することができる脛骨整列装置を提供することにある。
【0035】
本発明のさらに他の目的は、前記第2部材は、回転結合部を含み、前記第2部材を第1部材に固定すると同時に回転させることによって、前記上部の連結部及び前記第2部材を接触させることができる脛骨整列装置を提供することにある。
【0036】
本発明のさらに他の目的は、前記第2部材は、ハンドル部を含み、前記第2部材のロック状態と解除状態を容易に調整可能である脛骨整列装置を提供することにある。
【0037】
本発明のさらに他の目的は、前記接触部は、前記上部の連結部が貫通する収容ホールを含み、前記収容ホールは、前記第2部材のロック状態時に前記上部の連結部と前記第2部材とが接触するように形成され、前記上部の連結部との接触面積を増加させて前記ロック状態時固定力を向上させる脛骨整列装置を提供することにある。
【0038】
本発明のさらに他の目的は、前記足首鉗子部は、足首鉗子を含み、治療対象の足首に強固に固定される脛骨整列装置を提供することにある。
【0039】
本発明のさらに他の目的は、前記足首鉗子部は、前記足首鉗子と前記下部の連結部とを連結する足首鉗子連結部、及び前記足首鉗子連結部を治療対象の前位又は後位方向にスライディングさせるスライディング調整部を含み、脛骨整列装置と治療対象の脛骨が形成する角度を調節することができる脛骨整列装置を提供することにある。
【0040】
本発明のさらに他の目的は、前記足首鉗子部は、ラチェットボタンを含み、前記足首鉗子連結部の位置を固定可能である脛骨整列装置を提供することにある。
【0041】
本発明のさらに他の目的は、前記足首鉗子部は、連結ボルトを含み、前記ラチェットボタンの離脱を防止する脛骨整列装置を提供することにある。
【0042】
本発明のさらに他の目的は、前記足首鉗子部は、洗浄溝を有し、洗浄水の流入を円滑にして洗浄効率を高める脛骨整列装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0043】
本発明は、上記の目的を達成するために次のような構成を有する実施例によって具現される。
【0044】
本発明の一実施例によれば、本発明に係る脛骨整列装置は、膝関節置換術のための脛骨切削ガイドに結合可能な上部、及び前記上部と上下にスライディング可能に結合する下部を含み、前記上部は、前記脛骨切削ガイドを前記上部に装着させるカッティングガイド結合部、及び前記上部と下部とを連結する連結部を含むことを特徴とする。
【0045】
本発明の他の実施例によれば、前記カッティングガイド結合部は、脛骨切削ガイドに様々な角度で結合又は分離可能であることを特徴とする。
【0046】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記カッティングガイド結合部は、前記脛骨切削ガイドに上下移動可能に結合可能な締結部材と、前記締結部材をスライディング可能に収容する収容部材とを含むことを特徴とする。
【0047】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記締結部材は、締結部材の上端に前記カッティングガイド結合部の挿入方向に突出して前記脛骨切削ガイドに挿入されて結合可能な結合部を含み、前記収容部材は、収容部材の上端に前記カッティングガイド結合部の挿入方向に突出して前記脛骨切削ガイドに挿入されて結合可能な結合部を含み、前記締結部材の結合部は、前記収容部材の結合部に対して間隔調節可能に構成され、脛骨切削ガイドに様々な角度で脱着可能であることを特徴とする。
【0048】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔が広まって脛骨切削ガイドと強固に結合するロック状態となり、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔が狭くなって脛骨切削ガイドと緩く結合する解除状態となることを特徴とする。
【0049】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記カッティングガイド結合部は、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔を調節するレバー部材を含むことを特徴とする。
【0050】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記レバー部材は、前記レバー部材の回転を可能にする回転ボディー部と、前記ロック状態で前記締結部材を上側に加圧する板ばね部と、前記レバー部材のロック状態と解除状態を調整可能なハンドル部と、前記ロック状態で前記レバー部材の回転を防止する回転防止段と、前記レバー部材が回転できるように前記板ばね部が下側に降り得る空間を提供する溝部とを含むことを特徴とする。
【0051】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記カッティングガイド結合部は、前記解除状態のとき、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔を密着させる密着手段を含むことを特徴とする。
【0052】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記締結部材の結合部は、その一端が上方に突出した突出面を含む結合面を有することを特徴とする。
【0053】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記結合面は、曲面からなり、前記結合部の内側に凹入した凹面と、前記凹面から延長形成されて前記結合部の外側に突出した凸面を含み、前記凸面は突出面を構成することを特徴とする。
【0054】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記締結部材は、前記結合部の挿入深さを制限するストッパーを含むことを特徴とする。
【0055】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記上部は、前記カッティングガイドの結合高さを微細に調節可能な微細調整部を含むことを特徴とする。
【0056】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記下部は、前記上部と下部との結合長を調節可能な高さ調節部、及び前記高さ調節部と前記足首鉗子部とを連結する連結部を含み、前記高さ調節部は、前記上部の連結部と前記下部の連結部とを連結する第1部材、前記上部の連結部の上下移動を調節する第2部材、及び前記第2部材の位置を固定する弾性部材を含むことを特徴とする。
【0057】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記第2部材は、前記上部の連結部が前記第2部材と接触して前記下部棒を固定させるロック状態となり、前記上部の連結部と前記第2部材とが間隔を形成して前記上部の連結部を上下にスライディングさせ得る解除状態となることを特徴とすることを特徴とする。
【0058】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記第2部材は、前記上部の連結部と接触を形成する接触部、前記第2部材を回転させる回転結合部、及び前記第2部材のロック状態と解除状態を調整可能なハンドル部を含むことを特徴とする。
【0059】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記接触部は、前記上部の連結部が貫通する収容ホールを含み、前記収容ホールは、前記第2部材のロック状態時に前記上部の連結部と前記第2部材とが接触するように形成されたことを特徴とする。
【0060】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記足首鉗子部は、治療対象の足首に固定される鉤形状の足首鉗子、前記足首鉗子と前記下部の連結部とを連結する足首鉗子連結部、及び前記足首鉗子連結部を治療対象の前位又は後位方向にスライディングさせるスライディング調整部、前記足首鉗子連結部の位置を固定するラチェットボタン、及び前記ラチェットボタンの離脱を防止する連結ボルトを含むことを特徴とする。
【0061】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記足首鉗子部は、洗浄水の流入を円滑にして洗浄効率を高める洗浄溝を備えていることを特徴とする。
【0062】
本発明のさらに他の実施例によれば、前記スライディング調整部は、前記ラチェットボタンが挿入される両側面を貫通する洗浄溝を含み、前記ラチェットボタンは、前記連結ボルトが挿入される下端の両側面を貫通する洗浄溝を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0063】
本発明は、上記の実施例と後述する構成との結合及び使用関係によって次のような効果を得ることができる。
【0064】
本発明は、膝関節置換術のための脛骨切削ガイドに結合可能な上部、及び前記上部と上下にスライディング可能に結合する下部を含み、前記上部は、前記脛骨切削ガイドを前記上部に装着させるカッティングガイド結合部、及び前記上部と下部とを連結する連結部を含み、前記下部は、治療対象の足首に固定されて脛骨整列装置を固定する足首鉗子部を含み、膝関節置換術手術時に施術者に正確な脛骨切削面の位置に関する情報を知らせる効果を提供する。
【0065】
本発明は、前記カッティングガイド結合部が、脛骨切削ガイドに様々な角度で結合又は分離可能であり、脛骨切削ガイドと脛骨整列装置の結合及び分解半径の範囲を広めて手術の便宜性及び安全性を向上させる効果を提供する。
【0066】
本発明は、前記カッティングガイド結合部が、前記脛骨切削ガイドに上下移動可能に結合可能な締結部材と、前記締結部材をスライディング可能に収容する収容部材を含み、脛骨切削ガイドと流動的な結合を形成する効果を提供する。
【0067】
本発明は、前記締結部材が、締結部材の上端に前記カッティングガイド結合部の挿入方向に突出して前記脛骨切削ガイドに挿入されて結合可能な結合部を含み、前記収容部材が、収容部材の上端に前記カッティングガイド結合部の挿入方向に突出して前記脛骨切削ガイドに挿入されて結合可能な結合部を含み、前記締結部材の結合部が前記収容部材の結合部に対して間隔調節が可能に構成され、脛骨切削ガイドと様々な角度で脱着可能な効果を提供する。
【0068】
本発明は、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔が広まって脛骨切削ガイドと強固に結合するロック状態となり、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔が狭くなって脛骨切削ガイドと緩く結合する解除状態となることを特徴とし、施術者の前記ロック状態及び解除状態の操作によって前記結合部の容易な挿入及び固定を可能にして手術の便宜性を向上させる効果を提供する。
【0069】
本発明は、前記カッティングガイド結合部が、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔を調節するレバー部材を含み、小さな力でも前記締結部材の結合部を押し上げて前記結合部を固定させると同時に施術者にとって前記ロック状態及び解除状態間の確認及び切替を容易にする効果を提供する。
【0070】
本発明は、前記レバー部材の回転を可能にする回転ボディー部を含み、前記レバー部材を前記収容部材に対して固定及び回転させて前記状態間の切替を可能にする効果を提供する。
【0071】
本発明は、前記ロック状態で前記締結部材を上側に加圧する板ばね部を含み、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔を広めることによって前記レバー部材回転時に部材の損傷を防止し、前記締結部材の固定が可能な効果を提供する。
【0072】
本発明は、ハンドル部を含み、施術者にとって前記ロック及び解除状態間の切替を容易にする効果を提供する。
【0073】
本発明は、前記ロック状態で前記レバー部材の回転を防止する回転防止段を含み、結合後に前記ロック状態を保持することによって、手術中に前記カッティングガイド結合部の離脱を防止して安全な手術を可能にする効果を提供する。
【0074】
本発明は、溝部を含み、前記レバー部材が回転できるように前記板ばね部が下側に降り得る空間を提供する効果を有する。
【0075】
本発明は、前記カッティングガイド結合部が、前記解除状態のとき、前記締結部材の結合部と前記収容部材の結合部との間隔を密着させる密着手段を含み、前記解除状態で前記締結部材と収容部材との離隔を防止して容易な手術を可能にする効果を提供する。
【0076】
本発明は、前記締結部材の結合部が、その一端が上方に突出した突出面を含む結合面を含み、前記カッティングガイド結合部の結合後に前記締結部材結合部の離脱を防止する効果を提供する。
【0077】
本発明は、前記結合面が、曲面からなり、前記結合部の内側に凹入した凹面と、前記凹面から延長形成されて前記結合部の外側に突出した凸面を含み、前記凸面は突出面を構成し、前記ロック状態時に凸面によって前記結合部の固定力を向上させると同時に、前記解除状態時に結合部の挿入及び離脱を円滑にする効果を提供する。
【0078】
本発明は、前記締結部材が、前記結合部の挿入深さを制限するストッパーを含み、施術者にとって容易な手術を可能にする効果を提供する。
【0079】
本発明は、前記上部が、前記カッティングガイドの結合高さを微細に調節可能な微細調整部を含み、正確なカッティング面の設定を可能にして手術の正確性を高める効果を提供する。
【0080】
本発明は、前記下部が高さ調節部を含み、前記上部と下部との結合長を調節できる効果を提供する。
【0081】
本発明は、前記高さ調節部が第1部材を含み、前記上部の連結部と前記下部の連結部とを連結及び固定することができる効果を提供する。
【0082】
本発明は、前記高さ調節部が第2部材を含み、前記上部の連結部の上下移動を調節できる効果を提供する。
【0083】
本発明は、前記高さ調節部が弾性部材を含み、前記第2部材によって施術者が調整した高さを保持できる効果を提供する。
【0084】
本発明は、前記第2部材が、前記上部の連結部が前記第2部材と接触して前記下部棒を固定させるロック状態となり、前記上部の連結部と前記第2部材とが間隔を形成して前記上部の連結部を上下にスライディングさせ得る解除状態となることを特徴とし、前記ロック状態と解除状態の相互切替によって容易な手術を可能にする効果を提供する。
【0085】
本発明は、前記第2部材が接触部を含み、前記上部の連結部との接触によって摩擦力を形成することによって、前記上部の連結部を固定することができる効果を提供する。
【0086】
本発明は、前記第2部材が回転結合部を含み、前記第2部材を第1部材に固定すると同時に回転させることによって、前記上部の連結部及び前記第2部材を接触させることができる効果を提供する。
【0087】
本発明は、前記第2部材がハンドル部を含み、前記第2部材のロック状態と解除状態を容易に調整できる効果を提供する。
【0088】
本発明は、前記接触部が、前記上部の連結部が貫通する収容ホールを含み、前記収容ホールが、前記第2部材のロック状態時に前記上部の連結部と前記第2部材とが接触するように形成され、前記上部の連結部との接触面積を増加させて前記ロック状態時に固定力を向上させる効果を提供する。
【0089】
本発明は、前記足首鉗子部が足首鉗子を含み、治療対象の足首に強固に固定される効果を提供する。
【0090】
本発明は、前記足首鉗子部が、前記足首鉗子と前記下部の連結部とを連結する足首鉗子連結部、及び前記足首鉗子連結部を治療対象の前位又は後位方向にスライディングさせるスライディング調整部を含み、脛骨整列装置と治療対象の脛骨が形成する角度を調節できる効果を提供する。
【0091】
本発明は、前記足首鉗子部がラチェットボタンを含み、前記足首鉗子連結部の位置を固定させる効果を提供する。
【0092】
本発明は、前記足首鉗子部が連結ボルトを含み、前記ラチェットボタンの離脱を防止する効果を提供する。
【0093】
本発明は、前記足首鉗子部が洗浄溝を有し、洗浄水の流入を円滑にして洗浄効率を高める効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0094】
図1】従来の脛骨整列装置の一実施例を示す図である。
【0095】
図2】本発明の一実施例に係る脛骨整列装置の斜視図である。
【0096】
図3】本発明の他の実施例に係る脛骨整列装置の分解斜視図である。
【0097】
図4】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における締結部材の斜視図である。
【0098】
図5】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における収容部材の斜視図である。
【0099】
図6】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置におけるレバー部材の斜視図である。
【0100】
図7】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における上部の斜視図である。
【0101】
図8】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における上部の結合前の断面図である。
【0102】
図9】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における上部の結合過程時の断面図である。
【0103】
図10図9のA部分の詳細図である。
【0104】
図11】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における上部の結合後の断面図である。
【0105】
図12】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における上部棒の斜視図である。
【0106】
図13】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における下部棒の斜視図である。
【0107】
図14】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における微細調整部の断面図である。
【0108】
図15】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における微細調整部の使用状態図である。
【0109】
図16】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における第1部材の斜視図である。
【0110】
図17】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における第2部材の斜視図である。
【0111】
図18】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における連結部の斜視図である。
【0112】
図19】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における高さ調節部の斜視図である。
【0113】
図20】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における高さ調節部のロック状態時の断面図である。
【0114】
図21図20のB部分の詳細図である。
【0115】
図22】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における高さ調節部の解除状態時の断面図である。
【0116】
図23】本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置足首鉗子部の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0117】
以下では、本発明に係る脛骨整列装置を、添付の図面を参照して詳細に説明する。図中、同一の構成要素は、異なる図面においても可能なかぎり同一の符号で表していることに留意しなければならない。また、本発明の要旨を却って曇らせ得る公知機能及び構成に関する詳細な説明は省略する。特に定義がない限り、本明細書における全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する技術者が理解する当該用語の一般的な意味と同じであり、仮に本明細書に使われる用語の意味と衝突する場合には、本明細書に使われる定義にしたがう。
【0118】
図2は、本発明の一実施例に係る脛骨整列装置の斜視図であり、図3は、本発明の他の実施例に係る脛骨整列装置の分解斜視図である。
【0119】
図2及び図3を参照して説明すると、本発明である脛骨整列装置1は、膝関節置換術のための脛骨切削ガイドCに結合可能な上部10と、該上部10と上下にスライディング可能に結合できる下部30とを含む。また、前記脛骨整列装置1は、膝関節置換術のための脛骨切削ガイドCをさらに含み、一つのユニットをなすことができる。
【0120】
後述するように、前記上部10と下部30はその間に、相互間の結合長を調整できる手段を含むことができ、治療対象の脛骨長に応じて装置の高さを調整することによって、適切な脛骨切断面に関する情報を個別に提供することができる。
【0121】
前記上部10は、治療対象の脛骨近位部の近くに位置し、脛骨切削ガイドCと結合して、正確な脛骨近位部切断面の基準に関する情報を提供する。前記上部10はまた、カッティングガイド結合部11、連結部13、微細調整部15を含むことができる。
【0122】
前記カッティングガイド結合部11は、前記上部10の上端に位置して脛骨切削ガイドCと結合する部分であり、後述するように、脛骨切削ガイドCと様々な角度で結合可能である。これによって、手術の安全性及び容易性を確保することができ、他の手術器具との衝突を防止して正確な手術を可能にする。前記カッティングガイド結合部11はまた、締結部材111、収容部材113、レバー部材115、密着手段117を含むことができる。
【0123】
前記連結部13は中空の円筒形の棒状であり、一端は前記カッティングガイド結合部11の下部30に結合し、他端は、後述する下部30の連結部33に収容されて、脛骨整列装置1を支持すると同時に、高さ延長時に延長される長さを提供する。好ましくは、前記連結部13は、上部棒131と下部棒133を含むことによって、後述する微細調整部15を用いて両棒間の長さを微細に調整し、精密な手術を可能にすることができる。
【0124】
前記微細調整部15は、前記連結部13に結合可能であり、後述する上部棒131及び下部棒133間の結合長を調整することによって、脛骨整列装置1の固定の前だけでなく、固定の後にも微細な高さ調節を可能にし、精密な手術を可能にすることができる。好ましくは、前記微細調整部15は、後述するマイクロノブ151をさらに含むことができる。
【0125】
前記下部30は、治療対象の脛骨遠位部の近くに位置し、前記上部10とスライディング可能に結合し、治療対象の足首に脛骨整列装置1を固定させて、正確な切断面に関する情報を取得できるようにする。前記下部30はまた、高さ調節部31、連結部、足首鉗子部35を含むことができる。
【0126】
前記高さ調節部31は、前記上部10及び下部30との間で前記上部10及び下部30の連結部13,33を収容する金属のハウジングの形態で提供され得る。前記高さ調節部31は、一端に、装置が伸縮するか否かを決定できるボタンを備えることができ、前記上部10及び下部30を連結すると同時に結合長を調節し、脛骨整列装置1の高さを全体的に調節可能にする。前記高さ調節部31はまた、後述する第1部材311、第2部材313、弾性部材315を含むことができる。
【0127】
前記下部30の連結部33は、長い円筒形の金属棒で構成され、中空の内部を有することによって、前記高さ調節部31と足首鉗子部35とを連結し、前記上部10の連結部13を内部に収容でき、これによって、装置全体の高さを確保すると同時に高さ調節可能にする。好ましくは、前記下部30の連結部33は、両端に前記高さ調節部31と足首鉗子部35との結合深さを制限する係止段331が形成され得る。
【0128】
前記足首鉗子部35は、Y字状の胴体において鎌状の部材をY字状の上部の両端に備えた鉤又は挟みの形状を有することによって、治療対象の足首に安定して固定され、脛骨切削面の位置に関する正確な情報を取得可能にする。前記足首鉗子部35はまた、後述する足首鉗子351、足首鉗子連結部353、ラチェットボタン355、スライディング調整部357、連結ボルト359を含むことができる。
【0129】
図4は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における締結部材の斜視図であり、図5は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における収容部材の斜視図であり、図6は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置におけるレバー部材の斜視図であり、図7は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における上部の斜視図である。
【0130】
図4図7を参照すると、前記上部10は、カッティングガイド結合部11、連結部13、微細調整部15を含むことができ、前記カッティングガイド結合部11はまた、締結部材111、収容部材113、レバー部材115、密着手段117を含むことができる。
【0131】
図4に示すように、前記締結部材111は、金属材質の中間が曲がった短い四角棒に、内部に前記レバー部材115を収容するための空き空間が形成された形状を有することができ、一端は脛骨切削ガイドCに挿入されて所定の固定力を確保し、他端は、ハウジングの形態で提供される収容部材113の内部に挿入されて前記収容部材113と上下に移動可能に結合し、後述するロック状態及び解除状態間の切替を可能にすることができる。前記締結部材111はまた、後述する結合部1111、ストッパー1113、ボディー部1115を含むことができる。
【0132】
前記締結部材111の結合部1111は、前記締結部材111のボディー部1115の上端から、下記形状(以下、‘逆L’状とよぶ)
にカッティングガイド結合部11への挿入方向に向いて突出形成され、前記脛骨切削ガイドCに挿入及び結合可能である。前記結合部1111は、図7に示すように、後述する収容部材113の結合部1131と間隔調節可能に構成され、脛骨切削ガイドCに様々な角度で結合及び分解可能にすることができる。好ましくは、前記結合部1111は、挿入及び固定後に前記結合部1111を強固に結合し、挿入反対方向への離脱を防止するために、その一端が上方に突出した突出面1111bを含む結合面1111aを有することができる。より好ましくは、前記結合面1111aは、前記結合部1111の挿入と離脱を容易にするための曲面で構成され得る。より好ましくは、図4図8に示すように、前記結合面1111aは、前記結合部1111の内側に凹入した凹面1111cと、前記凹面から延長形成されて前記結合部1111の外側に突出した凸面1111dを含むことができる。
【0133】
前記凹面1111cは、前記結合部1111の上側結合面1111aに、内側に凹入した形状に形成され、前記カッティングガイド結合部11と脛骨切削ガイドCの結合及び解体時に、前記締結部材111の結合部1111が脛骨切削ガイドCの結合スロットSの外側縁に掛かることなく円滑に挿入及び離脱されるようにすることができる。
【0134】
前記凸面1111dは、前記締結部材結合部1111の挿入方向の端部から曲面状に上方に突出し、前記カッティングガイド結合部11と脛骨切削ガイドCの結合後、所定の傾斜を有する脛骨切削ガイドCの結合スロットSの上面に前記凸面1111dの凸部分が掛かることによって、前記カッティングガイド結合部11の離脱を防止する構成であり、前記凸面1111dは前記突出面1111bを構成できる。
【0135】
前記ストッパー1113は、前記締結部材111の上端から外側に突出形成され、前記結合部1111が適切な深さで挿入されて前記結合部1111が脛骨切削ガイドCの結合スロットSと密着して強固に固定され得る位置に形成される。前記結合部1111の挿入深さを制限することができる。好ましくは、施術者と治療対象の安全のために、前記ストッパー1113の縁部は丸くすることができる。より好ましくは、脛骨切削ガイドCとの密着による固定力の確保のために、前面は垂直面1113aで形成され、装置操作の安全及び手術時の引っ掛かりを防止するために、後面は傾斜面1113bで形成され得る。
【0136】
前記ボディー部1115は、前記‘逆L’状の締結部材111の垂直方向のボディーをなす構成であり、また、レバー部材収容ホール1115aと回転結合ホール1115bを含むことができる。
【0137】
前記レバー部材収容ホール1115aは、前記締結部材111のボディー部1115の内部に、前記カッティングガイド挿入部11の挿入及び離脱方向Iに貫通して前記レバー部材115を収容する四角の空いた空間であり、前記レバー部材115が回転して前記レバー部材収容ホール1115aの上面を押し上げ得る空間を提供する。
【0138】
前記回転結合ホール1115bは、前記締結部材111のボディー部1115に前記カッティングガイド挿入部11の挿入及び離脱方向Iと直交する水平方向に貫通した空間であり、前記レバー部材115の回転ボディー部1151とヒンジ結合するための構成である。前記回転結合ホール1115bは、上下に移動する前記締結部材111の移動範囲を確保するために、上下に長い形状の溝で形成され得る。
【0139】
図5に示すように、前記収容部材113は、上下面が開いた短い四角棒状のハウジングで構成されてよく、このようなハウジング形状の内部に前記締結部材111、前記連結部13及び前記レバー部材115を収容するためのホールが形成され、ヒンジ結合のためのホールがハウジング形状の側面に形成され得る。前記収容部材113は、前記締結部材111と上下にスライディング可能に結合することによって、後述するように、前記締結部材111と収容部材113の結合部1131との間の間隔を調節し、図7に示すように、様々な角度で脛骨整列装置1を結合及び解体でき、結合時に強固な固定力を確保することができる。前記収容部材113は、また、後述する結合部1131、ボディー部1133を含むことができる。
【0140】
前記収容部材113の結合部1131は、前記収容部材113の一側面上端に‘逆L’状に前記カッティングガイドの結合部の挿入方向に突出形成され、前記脛骨切削ガイドCに結合可能である。好ましくは、前記収容部材113の結合部1131は、該結合部の上面に、前記締結部材111を前記収容部材113に固定させるための密着手段117を含むことができる。より好ましくは、前記締結部材111の結合部1111の下面と接触する収容部材113の結合部1131の上面に、前記密着手段117を収容するための磁石収容溝1131aを含むことができる。より好ましくは、脛骨切削ガイドCの強固な固定のために、前記結合部1131はT字状の断面を有し、前記結合部1131の下面の縁部分に、前記結合部1131の内側に凹入したガイド溝1131bを含むことができる。
【0141】
前記ボディー部1133は、前記収容部材113のボディーをなす部分であり、上述したように、中空のハウジングの形状を有し、前記締結部材111を収容して上下に移動可能にする。前記収容部材113のボディー部1133は、締結部材収容ホール1133a、レバー部材収容ホール1133b、ヒンジ結合ホール1133cをさらに含むことができる。
【0142】
前記締結部材収容ホール1133aは、前記収容部材113のボディー部1133の内部を垂直に貫通して形成された四角の空いた空間であり、上端には前記締結部材111のボディー部1115が内部に収容されて上下に移動可能に結合でき、下端には前記連結部13の上部棒131の一端が挿入されて連結され得る。
【0143】
前記レバー部材収容ホール1133bは、前記収容部材113のボディー部1133の内部に前記カッティングガイド挿入部11の挿入及び離脱方向Iに貫通して前記レバー部材115を収容する四角の空いた空間であり、前記レバー部材115が回転して前記レバー部材収容ホール1115aの上面を押し上げ得る空間を提供する。
【0144】
前記ヒンジ結合ホール1133cは、前記収容部材113のボディー部1133に、前記カッティングガイド挿入部11の挿入及び離脱方向Iと直交する水平方向に貫通したホールであり、前記レバー部材115の回転ボディー部1151とヒンジ結合して前記レバー部材115の回転のための軸を提供することができる。
【0145】
図6に示すように、前記レバー部材115は、前記締結部材111の結合部1111と前記収容部材113の結合部1131との間の間隔を調節する構成であり、後述する回転ボディー部1151、板ばね部1153、ハンドル部1155、回転防止段1157、溝部1159を含むことができる。
【0146】
前記回転ボディー部1151は、前記レバー部材115の中央を貫通する空いたホールに、前記ホール内に前記レバー部材115と前記収容部材113を連結する円柱状のピンが挿入及び固定されて前記収容部材113とヒンジ結合を形成することによって、前記レバー部材115が前記収容部材113に対して回転できるようにする。
【0147】
前記板ばね部1153は、前記レバー部材115と一定間隔を維持しつつ前記レバー部材115の上端を覆う板状の弾性部材315であり、前記レバー部材115の回転時に前記レバー部材115の内側に後退して前記レバー部材115の容易な回転を可能にし、後述するロック状態で前記締結部材111を上側に加圧して前記カッティングガイド結合部11と脛骨切削ガイドC間の結合力を提供する役割を担うことができる。好ましくは、前記板ばね部1153の上面は曲面で形成され、前記レバー部材115の回転を容易にさせることができる。
【0148】
前記ハンドル部1155は、前記レバー部材115から外側方向に延長形成され、施術者にとって少ない力でも前記レバー部材115を回転させることができ、施術者が前記レバー部材115のロック状態と解除状態を容易に調整できるようにする。好ましくは、前記ハンドル部1155の端部の外周面に溝を形成し、施術者の操作時に指が滑る現象を防止することによって、前記ハンドル部1155の安定した操作を可能にすることができる。
【0149】
前記回転防止段1157は、前記板ばね部1153のある地点からレバー部材115の外側方向に突出形成され、施術者が前記レバー部材115を操作しないとき、前記板ばね部1153の復原力又は弾性力によるレバー部材115の回転を防止する回転止め段の役割を担うことによって、後述するロック状態にあるレバー部材115を固定させ、安全な手術を可能にする。
【0150】
前記溝部1159は、前記板ばね部1153と前記回転ボディー部1151との間に形成された長い溝であり、前記板ばね部1153と前記回転ボディー部1151との間に一定の間隔を形成することができる。図11に示すように、施術者が前記ハンドル部1155を下側に操作する場合、前記板ばね部1153が前記締結部材111を上側に加圧することによって、前記板ばね部1153の上部が前記レバー部材収容ホール1115aの上面に掛かって回転が制限されるが、前記溝部1159は、板ばね部が下側に降り得る一定の空間を提供することによって、前記レバー部材115の容易な回転を可能にすることができる。これによって、前記溝部1159の間隔は、後述するカッティングガイド結合部11の解除状態では広くなり、ロック状態では狭くなる。
【0151】
前記密着手段117は、好ましくは磁石で構成され、前記収容部材113の結合部1131の磁石収容溝1131aに挿入され、別の力を加えることなく、後述するカッティングガイド結合部11の解除状態で自然に前記結合部1111,1131間の間隔を密着させることができる。
【0152】
図8は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における上部の結合前の断面図であり、図9は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における上部の結合過程時の断面図であり、図10は、図9のA部分の詳細図であり、図11は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における上部の結合後の断面図である。
【0153】
以下に、前記部材の結合関係及び前記カッティングガイド結合部11の結合過程及び解除過程について説明する。図7に示すように、前記締結部材111が前記収容部材113の締結部材収容ホール1133aの上端に上下にスライディング可能に結合し、前記収容部材113の締結部材収容ホール1133aの下端には前記連結部13の上部棒131が連結され、前記締結部材111及び収容部材113の内部に形成されたレバー部材収容ホール1115a,1133bに前記回転可能なレバー部材115が挿入されて回転可能に固定されることで、前記カッティングガイド結合部11を構成できる。
【0154】
まず、図8図9図11の順になされる結合過程について説明する。前記脛骨整列装置1と脛骨切削ガイドCの結合前には、図8に示すように、前記締結部材111は前記収容部材113の内部に収容され、前記収容部材113の結合部1131の上面に備えられた密着手段117又は磁石によって下側に固定される。これによって、前記締結部材111の結合部1111と前記収容部材113の結合部1131との間隔が密着する。
【0155】
図9及び図10を参照すると、施術者は、このように密着手段117によって前記結合部1111,1131間の間隔が密着した状態で前記結合部1111,1131を脛骨切削ガイドCの結合スロットSに挿入する。図10に示すように、結合過程中に施術者が前記結合部を結合スロットに様々な角度αで容易に挿入及び離脱させ得るようにするために、前記脛骨切削ガイドCが前記締結部材111の結合部1111と収容部材113の結合部1131を収容する内部空間C1の高さhは、前記締結部材111の結合部1111の高さh1と前記収容部材113の結合部1131の高さh2を合算した高さ(h1+h2)より高くてよく、前記レバー部材115を下に操作することによって前記締結部111の結合部1111が上側に最大限に上がった高さh3よりは低くてよい。これによって、施術者は、前記カッティングガイド結合部11と脛骨切削ガイドCの結合及び分解時に、広い結合及び分解半径αを有することができ、手術の便宜性及び安全性を確保することができる。
【0156】
次に、図11を参照すると、施術者が前記締結部材111の結合部1111及び収容部材113の結合部1131を脛骨切削ガイドCの結合スロットSに挿入した後、前記レバー部材115を下に回転させると、前記板ばね部1153が前記締結部材111を上側に加圧し、前記締結部材111が上側に移動することによって、前記締結部材111の結合部1111と前記収容部材113の結合部1131との間隔gが広まる。これによって、前記締結部材111の結合部1111の上側が脛骨切削ガイドCの結合スロットSの上面を加圧し、前記カッティングガイド結合部11は前記脛骨切削ガイドCに強固に固定されるロック状態となる。
【0157】
逆に、前記結合過程の逆順である図11図9図8の順になされる分解過程について説明すると、施術者が前記レバー部材115のハンドル部1155を上に回転させると、前記板ばね部1153の前記締結部材111の下面に対する加圧が止まり、これによって前記締結部材111が再び下に降り、前記締結部材111及び収容部材113間の結合部1111,1131間の間隔が狭くなる。これによって、前記カッティングガイド結合部11は、施術者が前記結合部1111,1131を脛骨切削ガイドCの結合スロットSから容易に離脱させ得る解除状態となる。このような分解過程においても、上述した結合過程におけると同様に、前記カッティングガイド結合部11と脛骨切削ガイドCとの間に広い分解半径を有することができ、前記締結部材111及び収容部材113の結合部1111,1131の容易な離脱が可能であると同時に、周辺の手術器具との衝突を防止し、手術の便宜性及び安全性を確保することができる。
【0158】
言い換えると、前記カッティングガイド結合部11は、前記レバー部材115のハンドル部1155を上下に操作することによって、前記締結部材111の結合部1111と前記収容部材113の結合部1131との間隔が広まって脛骨切削ガイドCと強固に結合するロック状態になるか、前記結合部1111,1131間の間隔が狭まって前記結合部1111,1131を脛骨切削ガイドCの結合スロットSから様々な角度で脱着できる解除状態になり得、このような簡単な操作でカッティングガイド結合部11及び脛骨切削ガイドC間に結合を形成したり解除することによって、手術の容易性を向上させると同時に、周辺の手術器具との衝突を防止し、安全で正確な手術を可能にすることができる。
【0159】
図12は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における上部棒の斜視図であり、図13は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における下部棒の斜視図であり、図14は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における微細調整部の断面図であり、図15は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における微細調整部の使用状態図である。
【0160】
図12図15を参照すると、上述したように、前記連結部13は上部棒131と、下部棒133を含むことができ、前記微細調整部15は、マイクロノブ151を含むことができる。
【0161】
前記上部棒131は、短い円柱状の金属棒であり、一端は、前記収容部材113の締結部材収容溝1133aの下端の四角形状に合う四角柱で形成されて前記収容部材113と結合し、他端は、前記下部棒133の内部空間に合う円柱で形成され、前記下部棒133と連結される。前記上部棒131は、収容部材挿入部1311、ピン溝1313、下部棒挿入部1315をさらに含むことができる。
【0162】
前記収容部材挿入部1311は、四角柱状に形成され、前記収容部材113の締結部材収容溝1133aの下端に挿入及び固定される。好ましくは、前記収容部材挿入部1311は、下側に前記四角柱状を囲む円形の係止段1311aを形成し、前記締結部材111と前記上部棒131との結合深さを調節することができる。
【0163】
前記ピン溝1313は、前記上部棒131の一端と他端との間に円柱を取り囲む空いた空間の周縁を形成し、前記マイクロノブ151のピンホール1515に挿入されるピン1517と噛み合って、前記上部棒131に対して前記マイクロノブ151の位置を固定すると同時に、前記マイクロノブ151を回転可能に可動的に結合させることができる。
【0164】
前記下部棒挿入部1315は、前記上部棒131の下端に延長形成された円柱状の棒であり、後述するマイクロノブ151の回転によって、前記下部棒133の上部棒収容部1331に上下にスライディング可能に挿入され得る。好ましくは、前記下部棒挿入部1315の外側面に下記形状(以下、‘逆コ’状とよぶ)
に凹入したスライディング溝1315aを形成し、一定範囲以上のスライディング時に、前記下部棒133のピンホール1331aに結合するピン1517及びこれによる前記上部棒131の移動を制限することによって、前記上部棒131のスライディング範囲を制限することができる。
【0165】
前記下部棒133は、円柱状の長い棒で形成され、一端には、前記上部棒131を収容する上部棒収容部1331を含むことができ、他端には、前記高さ調節部31及び前記下部30の連結部33に挿入される下部挿入部1333を含むことができる。
【0166】
前記上部棒収容部1331は、前記下部棒133の上端に空いた内部空間を形成し、前記上部棒131の下部棒挿入部1315を収容することができる。前記上部棒収容部1331は、前記下部棒133の収容部1331の外周面を貫通するピンホール1331aを含み、前記ピンホール1331aにピン1331bを挿入することによって前記上部棒131と下部棒133を固定すると同時に、前記上部棒のスライディング溝1315aで提供される範囲内で上下にスライディング可能にすることができる。また、前記収容部1331の外周面にねじ山1331cを形成し、後述するマイクロノブ151のねじ山1511と噛み合って前記上部10の長さを微細に調整することによって、正確な手術を可能にすることができる。
【0167】
前記下部挿入部1333は、細い円柱状の棒であり、前記下部30の高さ調節部31及び連結部33に貫通挿入される。好ましくは、前記挿入部1333の外側面には、前記下部棒133が上下にスライディングされる高さに沿って、後述する接触部3135との接触のためのスライディング面1333aをさらに含むことができる。
【0168】
前記微細調整部15は、上述したように、前記上部10の連結部13のピン溝1313にピン結合可能なマイクロノブ151を含むことができる。
【0169】
好ましくは、前記マイクロノブ151は、図14に示すように、内周面にねじ山1511及び係止段1513をさらに含むことができる。より好ましくは、前記マイクロノブ151の外部面の上側に、前記上部棒131のピン溝1313の位置に形成されるピンホール1515をさらに含み、前記ピンホール1515にピン1517を挿入及び固定して前記上部棒131と前記マイクロノブ151を固定させると同時に、前記マイクロノブ151が前記上部棒131に対して一定の位置で回転可能にすることができる。より好ましくは、前記マイクロノブ151の外周面上に凹凸を形成し、施術者がノブを回転させる時に摩擦力を提供することによって操作の正確性及び便宜性を図ることができる。
【0170】
次に、微細調整部151の操作による前記脛骨整列装置1の微細な高さ調節について説明する。
【0171】
図14及び図15に示すように、前記マイクロノブ151の一端は、前記上部棒131のピン溝1313にピン結合によって回転可能に可動的に結合し、他端は、マイクロノブ151の内部に形成されたねじ山1511によって前記下部棒133に連結される。前記上部棒131と下部棒133は相互にピン1331bで結合して固定され、前記下部棒挿入部1333のスライディング溝1333aの表面に前記ピンホール1515に挿入されたピン1517が密着することによって、上下スライディング範囲が制限されると同時に、施術者の前記マイクロノブ151の操作時に上部棒131が共に回転する現象を防止することができる。これによって、前記上部棒131と下部棒133が安定して固定された状態で施術者がマイクロノブ151をゆっくり回転させながら前記脛骨整列装置1の高さを微細に調節し、正確な切断面に関する情報を得ることができる。
【0172】
図16は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における第1部材の斜視図であり、図17は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における第2部材の斜視図であり、図18は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における連結部の斜視図であり、図19は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における高さ調節部の斜視図である。
【0173】
図16図19を参照すると、上述したように、前記下部30は、高さ調節部31、連結部33、足首鉗子部35を含むことができ、前記高さ調節部31は、第1部材311、第2部材313、弾性部材315を含むことができる。
【0174】
前記第1部材311は、図16に示すように、内部に前記上部10の下部棒133が貫通する垂直方向の空いた空間が形成された‘逆コ’状の部材であり、上側には前記上部10の下部棒133が上下にスライディング可能に緩く連結され、下側には前記下部30の連結部33の上端が固定され、前記上部10の下部棒133が下にスライディング時に前記下部30の連結部33の内部に収容され得るようにすることができる。前記第1部材311は、垂直貫通ホール3111、水平貫通ホール3113、回転結合ホール3115、弾性部材収容溝3117をさらに含むことができる。
【0175】
前記垂直貫通ホール3111は、前記‘逆コ’状の第1部材311を垂直に貫通する空いた空間であり、前記‘逆コ’状の第1部材の水平方向のボディーを貫通する第1ホール3111aと第2ホール3111bを含むことができる。
【0176】
前記第1ホール3111aは、前記第1部材311の上端に垂直方向に貫通形成され、上側から前記上部10の下部棒133の下部挿入部1333が挿入されて上下にスライディング可能に前記上部10の下部棒133を収容することができる。
【0177】
前記第2ホール3111bは、前記第1部材311の下端に垂直方向に貫通形成され、上側一部には前記下部棒133を収容してスライディング可能な程度の空間が形成され、下側一部には前記下部30の連結部33の上端と結合するための空いた空間が形成されることによって、前記第2ホール3111bの内部空間に前記上部10の下部棒133が挿入貫通すると同時に、下端に前記下部30の連結部33の上端が結合し得る。
【0178】
前記水平貫通ホール3113は、前記‘逆コ’状の第1部材311を水平に貫通する空いた空間であり、前記第2部材313の一端を収容して前記第2部材313の回転空間を確保可能にする。
【0179】
前記回転結合ホール3115は、前記水平貫通ホール3113の貫通方向に直交する方向に前記第1部材311のボディーを貫通するように形成され、前記第2部材313の回転結合部3137の回転軸が収容され得る。
【0180】
前記弾性部材収容溝3117は、‘逆コ’状の下端に内側に凹入した形状に形成され、前記弾性部材315の一端を収容して固定させることができる。
【0181】
前記第2部材313は、図17に示すように、‘逆L’状の部材であり、‘逆L’状の水平方向のボディーには、前記第2部材313を垂直に貫通する垂直貫通ホール3131が形成され、‘逆L’状の垂直方向のボディーには、前記第2部材を水平に貫通する水平貫通ホール3133が形成され得る。前記第2部材313は、接触部3135、回転結合部3137、ハンドル部3139を含むことができる。
【0182】
前記垂直貫通ホール3131は、前記‘逆L’状の第2部材313を垂直に貫通する空いた空間として形成され、前記上部10の下部棒133を内部に収容する役割を担うことができる。
【0183】
前記水平貫通ホール3133は、前記‘逆L’状の第2部材313を水平に貫通する空いた空間として形成され、前記‘逆コ’状の第1部材311の下部を収容することによって、前記第2部材の回転半径を確保することができる。
【0184】
前記接触部3135は、前記第2部材313の垂直貫通ホール3131の外周面上に形成され、前記第2部材313が回転することによって前記上部10の下部棒133と接触して摩擦力を形成し、後述するロック状態時に、前記上部10の下部棒133を強固に固定する役割を担うことができる。好ましくは、前記接触部3131は前記下部棒133の接触面と相補的な形状を有し、前記下部棒133を安定的に接触及び固定すると同時に、接触による摩擦力を最大化することができる。
【0185】
前記回転結合部3137は、前記第2部材313をなす‘逆L’状の上部10の端部に形成され、前記第1部材311の水平貫通ホール3113に一部挿入固定されることによって、前記第2部材313を回転可能にして前記接触部3131と前記上部10の下部棒133との間隔を調節可能にする。
【0186】
前記ハンドル部3139は、前記第2部材313をなす‘逆L’状の縦部材の外側面に形成され、施術者が前記第2部材313を操作して回転させ得るようにする。好ましくは、前記ハンドル部3135は、操作の容易性のために、下側に行くほど下端が外側に曲がるように形成され得る。
【0187】
前記弾性部材315は、図19に示すように、前記第2部材313の水平貫通ホール3133の上面に位置して前記第2部材313を上側に加圧し、後述するロック状態において前記第2部材313と前記上部10の下部棒133とを接触させることによって、前記上部10の下部棒133を固定させ、安全な手術を可能にする。好ましくは、前記弾性部材315はバネで構成され得る。
【0188】
前記下部30の連結部33は、中空の長い円柱であり、一端は前記第1部材311の下端に連結及び固定され、他端は前記足首鉗子部35に連結及び固定され、内部に、上下にスライディングする前記上部10の下部棒133を収容することができる。好ましくは、前記下部30の連結部33は、両端に、挿入深さを制限し、固定後に回転を防止するための係止段331をさらに含むことができる。
【0189】
図20は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における高さ調節部のロック状態時の断面図であり、図21は、図20のB部分の詳細図であり、図22は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置における高さ調節部の解除状態時の断面図である。次に、前記高さ調節部31の高さ調節過程について説明する。
【0190】
上述したように、ボルトやラチェットのメカニズムを採用している従来の装置では正確な位置を取るには限界があるが、本発明である脛骨整列装置1は、前記第2部材313の回転によってスライディング可能な前記上部10の連結部13と接触を形成したり間隔を形成し、正確な長さ調整及び固定を可能にすることができる。
【0191】
図22を参照すると、施術者が前記第2部材313の下端の前記ハンドル部3139を下に操作すると、前記接触部3135が前記上部10の下部棒133のスライディング面1333aと間隔を形成し、施術者は前記下部棒133を上下にスライディングさせて脛骨整列装置1の全体的な高さを調節することができる。逆に、図20及び図21に示すように、施術者が前記ハンドル部3139を操作しない場合、前記弾性部材315によって前記第2部材313が上側に加圧されて回転及び固定され、これによって、前記接触部3131が前記上部10の下部棒133のスライディング面1333aと接触を形成し、再び前記下部棒133が強固に固定される。このような過程は、前記ハンドル部3139の簡単な操作によってなされ、他のねじやラチェットを用いた操作方式に比べて遥かに容易な高さ調節を可能にする。
【0192】
言い換えると、本発明である脛骨整列装置1の高さ調節部31は、施術者の操作によって、前記上部10の下部棒133が前記第2部材313の接触部3131と接触して前記下部棒133を固定させるロック状態になるか、前記上部10の連結部13と前記第2部材313とが間隔を形成して前記上部10の連結部13を上下にスライディング可能にさせる解除状態になり得、前記ハンドル部3139の簡単な操作によって前記ロック及び解除状態の相互間切替が容易になされることによって、手術の安全性及び便宜性を図ることができる。
【0193】
図23は、本発明のさらに他の実施例に係る脛骨整列装置1の足首鉗子部35の斜視図である。
【0194】
図23を参照して説明すると、前記足首鉗子部35は、足首鉗子351、足首鉗子連結部353、ラチェットボタン355、スライディング調整部357、連結ボルト359、洗浄溝3551,3571を含むことができる。
【0195】
前記足首鉗子351は、前記足首鉗子部35の‘Y’字状の上部と類似な形状を有し、端部に鉤状の部材が回転可能に取り付けられ、治療対象の足首への前記脛骨整列装置1の脱着を可能にする。
【0196】
前記足首鉗子連結部353は、前記スライディング調整部357を貫通する長い棒の形状を有し、一端に前記足首鉗子351が連結され、他端には前記連結ボルト359が結合して、前記足首鉗子351を脛骨整列装置1に連結する。前記足首鉗子連結部353は、治療対象の前位又は後位方向にスライディング可能であり、下面には鋸歯状のねじ山が形成され、後述するラチェットボタン355内のねじ山と噛み合って前記脛骨整列装置1を移動及び固定させ、前記脛骨整列装置1の結合角度を適度に調節することができる。
【0197】
前記ラチェットボタン355は、内部空間が形成された四角柱の部材であり、前記スライディング調整部357の上面に形成されたホールに挿入され、前記内部空間の底面にはねじ山が形成され、前記足首鉗子連結部353のスライディングを調節することができる。前記ラチェットボタン355を押下すると、前記足首鉗子連結部353とラチェットボタン355との間に間隔が形成され、前記足首鉗子連結部353が治療対象の前位及び後位方向にスライディング可能になり、前記ラチェットボタン355を操作しない場合、前記足首鉗子連結部353がラチェットボタン355と強固に噛み合って脛骨整列装置1を安定して固定させることができる。好ましくは、前記ラチェットボタン355は、器具の洗浄効率を高めるために、前記連結ボルト359が挿入される下端の両側面を貫通する洗浄溝3551をさらに含むことができる。
【0198】
前記スライディング調整部357は、前記ラチェットボタン355、スライディング連結部及び連結ボルト359を取り囲むハウジングの形態で提供され、上端に前記下部30の連結部33及び前記ラチェットボタン355を収容するための垂直貫通ホールが形成され、側面には前記連結ボルト359を収容するための水平貫通ホールが形成され得る。好ましくは、前記スライディング調整部357は、前記ラチェットボタン355が挿入される両側面に洗浄効率を高めるための洗浄溝3571をさらに含むことができる。
【0199】
前記連結ボルト359は、長い棒状であり、その一端が前記足首鉗子351と連結され、前記スライディング調整部357、ラチェットボタン355を水平に貫通連結して固定するように構成され得る。好ましくは、前記連結ボルト359の一端は前記足首鉗子351とねじ結合し、他端は回転を容易にするためのノブを具備し、前記足首鉗子部35を前記脛骨整列装置1に対して容易に結合及び解体可能にすることができる。
【0200】
以上の詳細な説明は、本発明を例示するものである。また、前述した内容は本発明の好ましい実施形態を図示して説明するものであり、本発明は様々な他の組合せ、変更及び環境における使用が可能である。すなわち、本明細書に開示された発明の概念の範囲、述べられた開示内容と均等な範囲及び/又は当業界における技術又は知識の範囲内で変更又は修正が可能である。前述した実施例は本発明の技術的思想を具現するための最良の状態を説明するものであり、本発明の具体的な適用分野及び用途において要求される様々な変更も可能である。したがって、以上の発明の詳細な説明は、開示された実施状態で本発明を制限しようとする意図ではない。また、添付する特許請求の範囲は、他の実施状態も含むものとして解釈されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23