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特許7191136情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20221209BHJP
【FI】
G06Q30/06 330
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021020256
(22)【出願日】2021-02-10
(65)【公開番号】P2022122787
(43)【公開日】2022-08-23
【審査請求日】2021-05-19
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】319013263
【氏名又は名称】ヤフー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】梶山 智
(72)【発明者】
【氏名】森河内 みなみ
(72)【発明者】
【氏名】今野 彩音
【審査官】梅岡 信幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-215949(JP,A)
【文献】特開2006-260164(JP,A)
【文献】特開2019-056980(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ及び取引対象とは関係なく取引対象のカテゴリとは異なる特定のコンセプトに基づくテーマごとに、テーマと対応する取引対象であって、カテゴリの異なる複数の取引対象を抽出するために、テーマと対応する取引対象を自動的に抽出する際に、カテゴリ及びランキングを考慮せず無作為に取引対象を抽出し、抽出後にカテゴリごとに取引対象を分類する抽出部と、
テーマを変更する変更部と、
テーマごとに、抽出されたカテゴリの異なる複数の取引対象に対して、1カテゴリにつき表示対象となる1つの取引対象を無作為に決定し、決定されたカテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示するとともに、テーマが変更された際に、変更後のテーマと対応する取引対象の画像を一覧表示する表示部と
を備え
前記表示部は、
複数のテーマを切り替えてテーマごとに対応する取引対象の画像を一覧表示し、
同じテーマであっても、画面を表示又は更新するたびに、毎回表示される取引対象を変更する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
カテゴリごとに、表示対象となる1つの取引対象を決定する決定部
をさらに備え、
前記表示部は、カテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する際に、1カテゴリにつき1つの取引対象の画像を表示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記表示部は、テーマごとに、毎回異なる取引対象の画像を一覧表示する
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記表示部は、一覧表示された取引対象の画像のいずれかが選択された場合、画面を遷移し、選択された画像の取引対象の詳細情報へのリンクと、該取引対象と類似の他の取引対象の画像とを一覧表示する
ことを特徴とする請求項1~3のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項5】
利用者の行動に応じて、テーマを推定する推定部
をさらに備える
ことを特徴とする請求項1~4のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記推定部は、前記利用者により指定された検索クエリに基づいて少なくとも1つのテーマを推定する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記推定部は、前記利用者により電子商取引用のサイト内検索エンジンに入力された検索クエリに基づいて少なくとも1つのテーマを推定する
ことを特徴とする請求項5又は6に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記変更部は、利用者のスライド操作に応じてテーマを変更する
ことを特徴とする請求項1~7のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記変更部は、利用者のテーマ選択操作に応じてテーマを変更する
ことを特徴とする請求項1~8のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記変更部は、一定時間ごとに自動的にテーマを変更する
ことを特徴とする請求項のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記抽出部は、テーマと対応する取引対象の1つとして、テーマと関連性を有する物事と対応する取引対象を抽出する
ことを特徴とする請求項1~10のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記抽出部は、カテゴリの異なる複数の取引対象を抽出する際に、実店舗で取り扱っている取引対象を抽出する
ことを特徴とする請求項1~11のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記表示部は、カテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する際に、売れ筋の取引対象の画像を他の取引対象の画像とは異なる表示態様で表示する
ことを特徴とする請求項1~12のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記表示部は、一覧表示された取引対象の画像のいずれかがフォーカスされた場合、該画像の取引対象のカテゴリの名称を表示する
ことを特徴とする請求項1~13のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記表示部は、カテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する際に、画面の左右上下端部に表示される画像のうちいずれか1つの画像と、その対角線上の画像とを他より大きく表示することで、視線誘導を行う
ことを特徴とする請求項1~14のうちいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項16】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
ユーザ及び取引対象とは関係なく取引対象のカテゴリとは異なる特定のコンセプトに基づくテーマごとに、テーマと対応する取引対象であって、カテゴリの異なる複数の取引対象を抽出するために、テーマと対応する取引対象を自動的に抽出する際に、カテゴリ及びランキングを考慮せず無作為に取引対象を抽出し、抽出後にカテゴリごとに取引対象を分類する抽出工程と、
テーマを変更する変更工程と、
テーマごとに、抽出されたカテゴリの異なる複数の取引対象に対して、1カテゴリにつき表示対象となる1つの取引対象を無作為に決定し、決定されたカテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示するとともに、テーマが変更された際に、変更後のテーマと対応する取引対象の画像を一覧表示する表示工程と
を含み、
前記表示工程では、
複数のテーマを切り替えてテーマごとに対応する取引対象の画像を一覧表示し、
同じテーマであっても、画面を表示又は更新するたびに、毎回表示される取引対象を変更する
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項17】
ユーザ及び取引対象とは関係なく取引対象のカテゴリとは異なる特定のコンセプトに基づくテーマごとに、テーマと対応する取引対象であって、カテゴリの異なる複数の取引対象を抽出するために、テーマと対応する取引対象を自動的に抽出する際に、カテゴリ及びランキングを考慮せず無作為に取引対象を抽出し、抽出後にカテゴリごとに取引対象を分類する抽出手順と、
テーマを変更する変更手順と、
テーマごとに、抽出されたカテゴリの異なる複数の取引対象に対して、1カテゴリにつき表示対象となる1つの取引対象を無作為に決定し、決定されたカテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示するとともに、テーマが変更された際に、変更後のテーマと対応する取引対象の画像を一覧表示する表示手順と
をコンピュータに実行させ
前記表示手順では、
複数のテーマを切り替えてテーマごとに対応する取引対象の画像を一覧表示し、
同じテーマであっても、画面を表示又は更新するたびに、毎回表示される取引対象を変更する
ことを特徴とする情報処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザにより商品欄の商品の選択があった場合に、当該商品のカテゴリ(分類)により商品データベースを検索し、ヒットした商品データをショッピングページの商品欄にレイアウトし、従前の商品欄の表示に代えて表示する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-271995号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、商品のカテゴリにより商品データベースを検索するため、同じカテゴリの商品しか表示されない。ECサイト(Electronic Commerce Site)やオンラインモール(電子商店街)等においても実店舗での買い物と同様にユーザと商品との偶発的な出会いを創出し、ユーザに買い物の楽しさやワクワク感を提供し、新たな需要を掘り起こすための技術が求められている。
【0005】
本願は、上記に鑑みてなされたものであって、利用者に対して、意図せぬ取引対象との偶発的な出会いの機会を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願に係る情報処理装置は、ユーザ及び取引対象とは関係なく取引対象のカテゴリとは異なる特定のコンセプトに基づくテーマごとに、テーマと対応する取引対象であって、カテゴリの異なる複数の取引対象を抽出するために、テーマと対応する取引対象を自動的に抽出する際に、カテゴリ及びランキングを考慮せず無作為に取引対象を抽出し、抽出後にカテゴリごとに取引対象を分類する抽出部と、テーマを変更する変更部と、テーマごとに、抽出されたカテゴリの異なる複数の取引対象に対して、1カテゴリにつき表示対象となる1つの取引対象を無作為に決定し、決定されたカテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示するとともに、テーマが変更された際に、変更後のテーマと対応する取引対象の画像を一覧表示する表示部とを備え、前記表示部は、複数のテーマを切り替えてテーマごとに対応する取引対象の画像を一覧表示し、同じテーマであっても、画面を表示又は更新するたびに、毎回表示される取引対象を変更することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
実施形態の一態様によれば、利用者に対して、意図せぬ取引対象との偶発的な出会いの機会を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。
図2図2は、実施形態に係る情報処理システムの構成例を示す図である。
図3図3は、実施形態に係る端末装置の構成例を示す図である。
図4図4は、実施形態に係る情報提供装置の構成例を示す図である。
図5図5は、利用者情報データベースの一例を示す図である。
図6図6は、履歴情報データベースの一例を示す図である。
図7図7は、テーマ情報データベースの一例を示す図である。
図8図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。
図9図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムを実施するための形態(以下、「実施形態」と記載する)について図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施形態により本願に係る情報処理装置、情報処理方法及び情報処理プログラムが限定されるものではない。また、以下の実施形態において同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略される。
【0010】
〔1.情報処理方法の概要〕
まず、図1を参照し、実施形態に係る情報処理装置が行う情報処理方法の概要について説明する。図1は、実施形態に係る情報処理方法の概要を示す説明図である。なお、図1では、利用者に対して取引対象のカテゴリに関係なく様々な取引対象に関する情報を提示する場合を例に挙げて説明する。
【0011】
図1に示すように、情報処理システム1は、端末装置10と情報提供装置100とを含む。端末装置10と情報提供装置100とは、それぞれネットワークN(図2参照)を介して有線又は無線で互いに通信可能に接続される。本実施形態では、端末装置10は、情報提供装置100と連携する。
【0012】
端末装置10は、利用者U(ユーザ)により使用されるスマートフォンやタブレット等のスマートデバイスであり、4G(Generation)やLTE(Long Term Evolution)等の無線通信網を介して任意のサーバ装置と通信を行うことができる携帯端末装置である。また、端末装置10は、液晶ディスプレイ等の画面であって、タッチパネルの機能を有する画面を有し、利用者Uから指やスタイラス等によりタップ操作、スライド操作、スクロール操作等、コンテンツ等の表示データに対する各種の操作を受付ける。なお、画面のうち、コンテンツが表示されている領域上で行われた操作を、コンテンツに対する操作としてもよい。また、端末装置10は、スマートデバイスのみならず、デスクトップPC(Personal Computer)やノートPC等の情報処理装置であってもよい。
【0013】
情報提供装置100は、各利用者Uの端末装置10と連携し、各利用者Uの端末装置10に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する情報処理装置であり、サーバ装置やクラウドシステム等により実現される。例えば、情報提供装置100は、各利用者Uの端末装置10に対して、アプリやブラウザ等を介して、ECサイトやオンラインモール等の電子商取引サービスを提供する。あるいは、情報提供装置100は、ECサイトやオンラインモール等の電子商取引サービスを提供する外部サーバと連携し、電子商取引サービスを仲介してもよいし、電子商取引サービスの処理を担当してもよい。
【0014】
また、情報提供装置100は、各利用者Uの端末装置10に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供する情報処理装置であってもよい。例えば、情報提供装置100は、Webサービスとして、インターネット接続、検索サービス、SNS(Social Networking Service)、電子決済、ゲーム、宿泊・チケット予約、動画・音楽配信等のサービスを提供してもよい。実際には、情報提供装置100は、上記のようなWebサービスを提供する各種サーバと連携し、Webサービスを仲介してもよいし、Webサービスの処理を担当してもよい。
【0015】
なお、情報提供装置100は、利用者Uに関する利用者情報を取得可能である。例えば、情報提供装置100は、利用者Uの性別、年代、居住地域といった利用者Uの属性に関する情報を取得する。そして、情報提供装置100は、利用者Uを識別するための識別情報(利用者ID等)とともに利用者Uの属性に関する情報を記憶して管理する。
【0016】
また、情報提供装置100は、利用者Uの端末装置10から、あるいは利用者ID等に基づいて各種サーバ等から、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得する。例えば、情報提供装置100は、利用者Uの位置や日時の履歴である位置履歴を端末装置10から取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を検索サーバ(検索エンジン)から取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴をコンテンツサーバから取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uの商品購入や決済処理の履歴である購入履歴を電子商取引サーバや決済処理サーバから取得する。また、情報提供装置100は、利用者Uのマーケットプレイスへの出品の履歴である出品履歴や販売履歴を電子商取引サーバや決済サーバから取得してもよい。また、情報提供装置100は、利用者Uの投稿の履歴である投稿履歴を口コミの投稿サービスを提供する投稿サーバやSNSサーバから取得する。
【0017】
本実施形態では、端末装置10は、情報提供装置100と連携し、商品やサービス等の取引対象の画像を一覧表示する際に、取引対象のカテゴリ(分類)を考慮せず、テーマごとに、テーマと対応する取引対象を抽出し、抽出された取引対象の画像を一覧表示する。ここでは、一覧表示として、画像を縦横に並べて表示するグリッド表示を例に説明する。なお、画像は、静止画に限らず、動画であってもよい。このとき、端末装置10は、同じテーマに対応する取引対象であってカテゴリの異なる複数の取引対象を抽出し、当該テーマにつき、抽出されたカテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する。また、端末装置10は、カテゴリごとに、表示対象(サムネイル等)となる1つの取引対象を無作為(ランダム)に又は所定の条件や規則(ルール)に従って決定し、カテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する際に、1カテゴリにつき1つの取引対象の画像を表示する。
【0018】
すなわち、テーマは、取引対象のカテゴリ(分類)とは異なる概念である。テーマは任意である。例えば、テーマは、時期的/季節的なものや、時事的なもの/流行に関するものであってもよい。また、具体的であってもよいし、抽象的であってもよい。本実施形態では、端末装置10は、テーマに応じてカテゴリの異なる複数の取引対象を自動的に抽出し、抽出された取引対象の画像を一覧表示する。
【0019】
また、端末装置10は、テーマごとに、毎回異なる取引対象の画像を一覧表示してもよい。すなわち、端末装置10は、同じテーマであっても、画面を表示するたびに、表示される取引対象の画像を変更してもよい。例えば、テーマを変更せずに画面の更新が行われた場合や、選択中のテーマの再選択が行われた場合、毎回異なる取引対象の画像が一覧表示される。また、端末装置10は、一覧表示されている取引対象の画像を一定時間ごと(例えば10秒おき)に別の取引対象の画像に切り替えてもよい。
【0020】
また、端末装置10は、一覧表示された取引対象の画像のいずれかが選択された場合、画面を遷移し、選択された画像の取引対象の詳細情報へのリンク(link)と、該取引対象と同じカテゴリの他の取引対象の画像とを一覧表示する。取引対象の詳細情報は、商品やサービス等の販売ページや紹介ページ、施設やイベント等の案内ページ等である。また、他の取引対象の画像が選択された場合、上記と同様に、画面を遷移し、選択された他の画像の取引対象の詳細情報へのリンクと、該取引対象と同じカテゴリのさらに他の取引対象の画像とを一覧表示する。
【0021】
なお、選択された画像の取引対象と同じカテゴリの他の取引対象の画像を一覧表示するのは、一例に過ぎない。すなわち、カテゴリを基準とした他の取引対象の画像の一覧表示は、選択された画像の取引対象と類似の他の取引対象の画像を一覧表示するための手段の1つに過ぎない。実際には、カテゴリを基準として使用しなくてもよい。例えば、端末装置10は、機械学習による画像認識等の技術を用いて、選択された画像と類似の画像の他の取引対象を抽出し、抽出された他の取引対象の画像を一覧表示するようにしてもよい。このように、取引対象のカテゴリは重要ではない。
【0022】
また、端末装置10は、利用者Uにより指定された検索クエリに基づいて少なくとも1つのテーマを推定し、推定されたテーマと対応する取引対象を抽出し、抽出された取引対象の画像を一覧表示してもよい。すなわち、テーマは、検索クエリとして使用されたキーワード自体に限らず、当該キーワードに関連する事項や当該キーワードから連想される事項等であってもよいし、検索クエリが入力された場所や日時に関連する事項等であってもよい。
【0023】
また、端末装置10は、利用者Uの操作に応じて又は自動的にテーマを変更し、変更後のテーマと対応する取引対象の画像を一覧表示してもよい。例えば、端末装置10は、利用者Uのスライド操作(フリック、スワイプ等)に応じて、画面を遷移する際にテーマを変更し、一覧表示される取引対象の画像を変更してもよい。また、端末装置10は、利用者Uの操作に応じて複数のテーマの中から1つのテーマを選択し、選択されたテーマと対応する取引対象の画像を一覧表示してもよい。このとき、端末装置10は、テーマごとのボタンを表示し、利用者Uがいずれかのボタンを押した際に、利用者Uが押したボタンに対応するテーマが選択されたと判断して、選択されたテーマと対応する取引対象の画像を一覧表示してもよい。また、端末装置10は、一定時間ごと(例えば30秒おき)に、自動的にテーマを変更してもよい。
【0024】
これにより、利用者Uは、テーマごとの取引対象のザッピング(zapping)が可能になる。ザッピングとは、例えばテレビ視聴において、リモコンでチャンネルを頻繁に切り替えながら視聴する行為である。これと同様に、利用者Uは、特に取引対象やそのカテゴリを意識することなく、テーマを切り替えながら、テーマごとに、カテゴリの異なる様々な取引対象の画像の提示を受けることができる。そのため、利用者Uは、意図せぬ取引対象と偶然に出会うこともできる。
【0025】
〔1-1.基本動作〕
例えば、図1に示すように、利用者Uは、端末装置10を用いて、検索クエリ(キーワード等)を指定する(ステップS1)。例えば、利用者Uは、端末装置10を用いて、所定のアプリを起動し、絞り込み検索用の画面D1を表示する。そして、利用者Uは、端末装置10を用いて、画面D1に表示された検索窓(検索ボックス)にキーワードを入力する。あるいは、画面D1に表示されたキーワード群の中から任意のキーワードを選択する。このとき、端末装置10は、画面D1において利用者Uが複数のキーワードを入力又は選択できるようにしてもよい。なお、実際には、既存の検索エンジンを利用してもよい。例えば、ECサイトやオンラインモール等で利用されている電子商取引用のサイト内検索エンジンを利用してもよい。
【0026】
続いて、情報提供装置100は、利用者Uの端末装置10からのアクセスを受け付ける(ステップS2)。例えば、情報提供装置100は、端末装置10から、利用者Uにより指定された検索クエリ(入力又は選択されたキーワード)を受け付ける。このとき、情報提供装置100は、端末装置10から、利用者Uを識別するための識別情報と端末装置10の位置情報とを取得してもよい。なお、実際には、情報提供装置100は、既存の検索エンジンにおいて利用者Uにより指定された検索クエリ(入力又は選択されたキーワード)を受け付けてもよい。例えば、情報提供装置100は、ECサイトやオンラインモール等で利用されている電子商取引用のサイト内検索エンジンにおいて利用者Uにより指定された検索クエリ(入力又は選択されたキーワード)を受け付けてもよい。
【0027】
続いて、情報提供装置100は、利用者Uの端末装置10からのアクセスに応じて、テーマを推定する(ステップS3)。例えば、情報提供装置100は、端末装置10から利用者Uにより指定された検索クエリ(入力又は選択されたキーワード)に基づいて、少なくとも1つのテーマを推定する。テーマは、キーワード自体であってもよいし、当該キーワードに関連する事項や当該キーワードから連想される事項等であってもよい。また、利用者Uとキーワードとの組合せに関連する事項や利用者Uがキーワードを入力した場所や日時に関連する事項等であってもよい。
【0028】
このとき、情報提供装置100は、あらかじめキーワードと紐づけられたテーマを取得することで、テーマを推定するようにしてもよい。あるいは、情報提供装置100は、例えばキーワードとテーマをデータセットとして、RNN(Recurrent Neural Network)やLSTM(Long short-term memory)等を用いた機械学習を経て、テーマを推定するための学習モデルを生成し、この学習モデルにキーワードを入力し、出力としてテーマを取得することで、テーマを推定するようにしてもよい。
【0029】
なお、上記のキーワードの代わりに、又は上記のキーワードに加えて、利用者Uの属性情報や履歴情報等を使用してもよい。例えば、情報提供装置100は、利用者U(又は同じ属性を持つ利用者群)の興味・関心や日常の行動等に基づいて、少なくとも1つのテーマを推定してもよい。また、情報提供装置100は、例えば直近1週間以内に利用者U(又は同じ属性を持つ利用者群)により検索された個々の検索クエリの検索数(検索ボリューム)に基づいて、少なくとも1つのテーマを推定してもよい。
【0030】
続いて、情報提供装置100は、取引対象のカテゴリ(分類)を考慮せず、テーマと対応する取引対象を抽出する(ステップS4)。例えば、情報提供装置100は、同じテーマに対応する取引対象であってカテゴリの異なる複数の取引対象を抽出する。テーマと対応する取引対象は、テーマ自体ではなく、テーマと関連性を有する物事と対応する取引対象であってもよい。テーマと関連性を有する物事とは、例えばテーマから派生した物事や、テーマから連想される物事等であってもよい。
【0031】
このとき、情報提供装置100は、テーマと対応する取引対象として、あらかじめテーマと紐づけられた取引対象を抽出してもよいし、自然言語処理における単語分散表現(単語ベクトル)を利用してテーマに近い取引対象を推定した上で抽出してもよい。単語分散表現(単語ベクトル)のモデルとしては、RNN(Recurrent Neural Network)やLSTM(Long short-term memory)等のモデルを利用してもよい。例えば、「Word2Vec」、「seq2seq」又は「Attention」等を利用してもよい。
【0032】
なお、実際には、情報提供装置100は、テーマに合ったカテゴリをいくつか推定し、推定されたカテゴリに該当する取引対象をカテゴリごとに抽出してもよい。あるいは、情報提供装置100は、テーマと対応する取引対象を抽出する際にはカテゴリを考慮せず無作為に取引対象を抽出し、抽出後にカテゴリごとに取引対象を分類してもよい。
【0033】
続いて、情報提供装置100は、カテゴリの異なる複数の取引対象に対して、カテゴリごとに、表示対象となる1つの取引対象を決定する(ステップS5)。例えば、情報提供装置100は、各カテゴリに分類された取引対象の中からカテゴリサムネイル(CS)とする取引対象を無作為に選択する。本実施形態では、情報提供装置100は、カテゴリの異なる複数の取引対象に対して、1カテゴリにつき1つの取引対象を決定する。
【0034】
なお、実際には、情報提供装置100は、同一カテゴリにつき2以上の取引対象を表示対象とすることが許容されている場合には、許容されている範囲内で、同一カテゴリにつき2以上の取引対象を決定してもよい。例えば、情報提供装置100は、ある特定のカテゴリについて3つの取引対象を表示対象とすることが許容されている場合には、その特定のカテゴリについては3つの取引対象を表示対象として決定する。
【0035】
続いて、情報提供装置100は、利用者Uの端末装置10に対して、テーマに対応する取引対象に関する情報を提供する(ステップS6)。例えば、情報提供装置100は、利用者Uの端末装置10に対して、テーマに対応する取引対象の画像を一覧表示するためのレイアウト情報を提供する。
【0036】
続いて、利用者Uの端末装置10は、情報提供装置100から提供された情報に基づいて、テーマごとに、カテゴリの異なる取引対象の画像を一覧表示する(ステップS7)。例えば、利用者Uにより入力又は選択されたキーワードに基づいて、テーマとして、「クリスマス」が推定されたものとする。利用者Uの端末装置10は、「クリスマス」をテーマとした画面D2を表示する。画面D2には、「クリスマス」をテーマとした取引対象として、クリスマスツリーや、クリスマスケーキ、プレゼント、玩具、サンタクロース、クリスマスリース等のカテゴリの異なる様々な取引対象が表示されている。本実施形態では、表示される取引対象の画像は、1カテゴリにつき1つの取引対象である。すなわち、同一のテーマについて、カテゴリごとに取引対象が1つずつ表示される。本実施形態では、端末装置10は、テーマごとに、カテゴリの異なる取引対象の画像を一画面内に一覧表示する。
【0037】
また、端末装置10は、カテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する際に、売れ筋の取引対象の画像を他の取引対象の画像とは異なる表示態様で表示してもよい。例えば、情報提供装置100は、売れ筋の取引対象の画像を他の取引対象の画像よりも大きく表示してもよい。また、端末装置10は、一覧表示された取引対象の画像のいずれかがフォーカスされた場合、該画像の取引対象のカテゴリの名称を表示してもよい。なお、画像がフォーカスされた場合とは、例えば利用者Uにより画像が軽くタッチされた場合や、マウスオーバー(ロールオーバー)された場合、カーソル(ポインタ)により画像が指定された場合、あるいは顔画像認識等の技術を利用して利用者Uの視線が画像に向けられていると認識した場合(利用者Uの視線を検出した場合)等である。
【0038】
また、端末装置10は、カテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する際、利用者Uの視点から外れやすい左右上端や左右下端の画像を他より大きく表示してもよい。このとき、端末装置10は、左上端と右下端の画像を他より大きく表示したり、右上端と左下端の画像を他より大きく表示したりして、利用者Uの視点が画面全体に行き渡るように視線誘導をしてもよい。すなわち、端末装置10は、複数の画像がグリッド表示された矩形の画面において、画面の左右上下端部に表示される画像のうちいずれか1つの画像と、その対角線上の画像とを他より大きく表示することで、視線誘導を行う。
【0039】
続いて、利用者Uの端末装置10は、利用者Uの操作に応じて画面を遷移する(ステップS8)。例えば、情報提供装置100は、一覧表示された取引対象の画像のいずれかが選択された場合、画面を遷移し、選択された画像の取引対象の詳細情報へのリンクと、該取引対象と同じカテゴリの他の取引対象の画像とを一覧表示する。図1に示す例では、情報提供装置100は、画面D2に一覧表示された取引対象の画像の中から、選択画像TGとしてクリスマスツリーの画像が選択された場合、画面D2から画面D3に遷移し、選択されたクリスマスツリーの詳細情報へのリンクと、同じカテゴリの他のクリスマスツリーの画像とを一覧表示する。
【0040】
また、図示は省略するが、利用者Uの端末装置10は、画面を遷移するための利用者Uのスライド操作(フリック、スワイプ等)や、画面D2に表示された各テーマに対応したチャンネルCHの選択に応じて、又は一定時間ごと(例えば30秒おき)に自動的にテーマを変更し、変更後のテーマに対応した取引対象の画像を一覧表示する。すなわち、端末装置10は、利用者Uの操作に応じて、又は自動的にテーマを切り替える。また、端末装置10は、テーマを切り替えることで、テーマに対応した取引対象も切り替える。なお、同じテーマが再度選択された場合には、前回とは異なる取引対象の画像を一覧表示する。また、情報提供装置100は、テーマが切り替えられなくても、一覧表示されている取引対象の画像を一定時間ごと(例えば10秒おき)に別の取引対象の画像に切り替えてもよい。これにより、利用者Uは、テーマごとの取引対象のザッピング(zapping)をすることができる。
【0041】
従来のECサイトやオンラインモール等では、単なるカテゴリの階層構造により、利用者に取引対象を提示していた。すなわち、まずカテゴリの一覧を提示し、あるカテゴリが選択された際に、さらに細分化されたカテゴリを提示して、利用者に提示される取引対象を絞り込んでいた。また、クリスマス特集やバレンタインデー特集等を企画して利用者に取引対象を提示する場合も、ECサイトやオンラインモール等の運営者側が利用者に提示したい取引対象を選定して、Webサイト等に掲載していた。しかし、これでは、利用者は、通常、カテゴリごとのランキング上位の取引対象や、ECサイトやオンラインモール等の運営者側がピックアップした取引対象等にしか触れることができないため、意図せぬ取引対象との偶発的な出会いの機会はほとんどなかった。
【0042】
本実施形態では、まずカテゴリやランキングありきの発想から脱却し、テーマを決めて、テーマに対応した取引対象を抽出して一覧表示する。取引対象については、テーマに対応しているか否かが基準であり、カテゴリが同じであるか異なっているかは関係ない。また、運営者側の恣意的な取引対象の選定を避けるために、テーマは任意であるものとする。上記の説明では、利用者が指定した検索クエリや、利用者の属性等に基づいて、利用者を基準にテーマを推定している。また、テーマに対応する取引対象は、カテゴリごとのランキング等に関係なく無作為に抽出されると好ましい。テーマは1つとは限らず、複数のテーマを切り替えてテーマごとに対応する取引対象の画像を一覧表示することも可能である。また、同じテーマであっても、毎回表示される取引対象を変更することも可能である。これにより、従来とは異なるアプローチで、利用者に対して、意図せぬ取引対象との偶発的な出会いの機会を提供することができる。
【0043】
〔2.情報処理システムの構成例〕
次に、図2を用いて、実施形態に係る情報提供装置100が含まれる情報処理システム1の構成について説明する。図2は、実施形態に係る情報処理システム1の構成例を示す図である。図2に示すように、実施形態に係る情報処理システム1は、端末装置10と情報提供装置100とを含む。これらの各種装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。ネットワークNは、例えば、LAN(Local Area Network)や、インターネット等のWAN(Wide Area Network)である。
【0044】
また、図2に示す情報処理システム1に含まれる各装置の数は図示したものに限られない。例えば、図2では、図示の簡略化のため、端末装置10を1台のみ示したが、これはあくまでも例示であって限定されるものではなく、2台以上であってもよい。
【0045】
端末装置10は、利用者Uによって使用される情報処理装置である。例えば、端末装置10は、スマートフォンやタブレット端末等のスマートデバイス、フィーチャーフォン、PC(Personal Computer)、PDA(Personal Digital Assistant)、通信機能を備えたゲーム機、カーナビゲーションシステム、スマートウォッチやヘッドマウントディスプレイ等のウェアラブルデバイス(Wearable Device)、スマートグラス等である。
【0046】
また、かかる端末装置10は、LTE(Long Term Evolution)、4G(4th Generation)、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)等の無線通信網や、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等の近距離無線通信を介してネットワークNに接続し、情報提供装置100と通信することができる。
【0047】
情報提供装置100は、例えばPCやサーバ装置、あるいはメインフレーム又はワークステーション等である。なお、情報提供装置100は、クラウドコンピューティングにより実現されてもよい。
【0048】
〔3.端末装置の構成例〕
次に、図3を用いて、端末装置10の構成について説明する。図3は、端末装置10の構成例を示す図である。図3に示すように、端末装置10は、通信部11と、表示部12と、入力部13と、測位部14と、センサ部20と、制御部30(コントローラ)と、記憶部40とを備える。
【0049】
(通信部11)
通信部11は、ネットワークN(図2参照)と有線又は無線で接続され、ネットワークNを介して、情報提供装置100との間で情報の送受信を行う。例えば、通信部11は、NIC(Network Interface Card)やアンテナ等によって実現される。
【0050】
(表示部12)
表示部12は、位置情報等の各種情報を表示する表示デバイスである。例えば、表示部12は、液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(Organic Electro-Luminescent Display)である。また、表示部12は、タッチパネル式のディスプレイであるが、これに限定されるものではない。
【0051】
(入力部13)
入力部13は、利用者Uから各種操作を受け付ける入力デバイスである。また、入力部13は、例えば、文字や数字等を入力するためのボタン等を有する。また、表示部12がタッチパネル式のディスプレイである場合、表示部12の一部が入力部13として機能する。なお、入力部13は、利用者Uから音声入力を受け付けるマイク等であってもよい。マイクはワイヤレスであってもよい。本実施形態では、入力部13は、利用者Uから検索クエリ(キーワード等)の指定を受け付ける。例えば、入力部13は、表示部12に表示された画面の検索窓(検索ボックス)に入力されたキーワードを受け付ける。
【0052】
(測位部14)
測位部14は、GPS(Global Positioning System)の衛星から送出される信号(電波)を受信し、受信した信号に基づいて、自装置である端末装置10の現在位置を示す位置情報(例えば、緯度及び経度)を取得する。すなわち、測位部14は、端末装置10の位置を測位する。なお、GPSは、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一例に過ぎない。
【0053】
また、測位部14は、GPS以外にも、種々の手法により位置を測位することができる。例えば、測位部14は、位置補正等のための補助的な測位手段として、下記のように、端末装置10の様々な通信機能を利用して位置を測位してもよい。
【0054】
(Wi-Fi測位)
例えば、測位部14は、端末装置10のWi-Fi(登録商標)通信機能や、各通信会社が備える通信網を利用して、端末装置10の位置を測位する。具体的には、測位部14は、Wi-Fi通信等を行い、付近の基地局やアクセスポイントとの距離を測位することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0055】
(ビーコン測位)
また、測位部14は、端末装置10のBluetooth(登録商標)機能を利用して位置を測位してもよい。例えば、測位部14は、Bluetooth(登録商標)機能によって接続されるビーコン(beacon)発信機と接続することにより、端末装置10の位置を測位する。
【0056】
(地磁気測位)
また、測位部14は、予め測定された構造物の地磁気のパターンと、端末装置10が備える地磁気センサとに基づいて、端末装置10の位置を測位する。
【0057】
(RFID測位)
また、例えば、端末装置10が駅改札や店舗等で使用される非接触型ICカードと同等のRFID(Radio Frequency Identification)タグの機能を備えている場合、もしくはRFIDタグを読み取る機能を備えている場合、端末装置10によって決済等が行われた情報とともに、使用された位置が記録される。測位部14は、かかる情報を取得することで、端末装置10の位置を測位してもよい。また、位置は、端末装置10が備える光学式センサや、赤外線センサ等によって測位されてもよい。
【0058】
測位部14は、必要に応じて、上述した測位手段の一つ又は組合せを用いて、端末装置10の位置を測位してもよい。
【0059】
(センサ部20)
センサ部20は、端末装置10に搭載又は接続される各種のセンサを含む。なお、接続は、有線接続、無線接続を問わない。例えば、センサ類は、ウェアラブルデバイスやワイヤレスデバイス等、端末装置10以外の検知装置であってもよい。図3に示す例では、センサ部20は、加速度センサ21と、ジャイロセンサ22と、気圧センサ23と、気温センサ24と、音センサ25と、光センサ26と、磁気センサ27と、画像センサ(カメラ)28とを備える。
【0060】
なお、上記した各センサ21~28は、あくまでも例示であって限定されるものではない。すなわち、センサ部20は、各センサ21~28のうちの一部を備える構成であってもよいし、各センサ21~28に加えてあるいは代えて、湿度センサ等その他のセンサを備えてもよい。
【0061】
加速度センサ21は、例えば、3軸加速度センサであり、端末装置10の移動方向、速度、及び、加速度等の端末装置10の物理的な動きを検知する。ジャイロセンサ22は、端末装置10の角速度等に基づいて3軸方向の傾き等の端末装置10の物理的な動きを検知する。気圧センサ23は、例えば端末装置10の周囲の気圧を検知する。
【0062】
端末装置10は、上記した加速度センサ21やジャイロセンサ22、気圧センサ23等を備えることから、これらの各センサ21~23等を利用した歩行者自律航法(PDR:Pedestrian Dead-Reckoning)等の技術を用いて端末装置10の位置を測位することが可能になる。これにより、GPS等の測位システムでは取得することが困難な屋内での位置情報を取得することが可能になる。
【0063】
例えば、加速度センサ21を利用した歩数計により、歩数や歩くスピード、歩いた距離を算出することができる。また、ジャイロセンサ22を利用して、利用者Uの進行方向や視線の方向、体の傾きを知ることができる。また、気圧センサ23で検知した気圧から、利用者Uの端末装置10が存在する高度やフロアの階数を知ることもできる。
【0064】
気温センサ24は、例えば端末装置10の周囲の気温を検知する。音センサ25は、例えば端末装置10の周囲の音を検知する。光センサ26は、端末装置10の周囲の照度を検知する。磁気センサ27は、例えば端末装置10の周囲の地磁気を検知する。画像センサ28は、端末装置10の周囲の画像を撮像する。
【0065】
上記した気圧センサ23、気温センサ24、音センサ25、光センサ26及び画像センサ28は、それぞれ気圧、気温、音、照度を検知したり、周囲の画像を撮像したりすることで、端末装置10の周囲の環境や状況等を検知することができる。また、端末装置10の周囲の環境や状況等から、端末装置10の位置情報の精度を向上させることが可能になる。
【0066】
(制御部30)
制御部30は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM、入出力ポート等を有するマイクロコンピュータや各種の回路を含む。また、制御部30は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路等のハードウェアで構成されてもよい。制御部30は、送信部31と、受信部32と、処理部33と、表示制御部34と、変更部35とを備える。
【0067】
(送信部31)
送信部31は、例えば入力部13を用いて利用者Uにより入力された各種情報や、端末装置10に搭載又は接続された各センサ21~28によって検知された各種情報、測位部14によって測位された端末装置10の位置情報等を、通信部11を介して情報提供装置100へ送信することができる。本実施形態では、送信部31は、入力部13が受け付けた検索クエリ(キーワード等)を、通信部11を介して情報提供装置100に送信する。
【0068】
(受信部32)
受信部32は、通信部11を介して、情報提供装置100から提供される各種情報や、情報提供装置100からの各種情報の要求を受信することができる。本実施形態では、受信部32は、通信部11を介して、情報提供装置100から、テーマに対応する取引対象に関する情報を受信する。例えば、受信部32は、通信部11を介して、情報提供装置100から、テーマに対応する取引対象の画像を一覧表示するためのレイアウト情報を受信する。
【0069】
(処理部33)
処理部33は、表示部12等を含め、端末装置10全体を制御する。例えば、処理部33は、送信部31によって送信される各種情報や、受信部32によって受信された情報提供装置100からの各種情報を表示部12へ出力して表示させることができる。
【0070】
(表示制御部34)
表示制御部34は、テーマに対応する取引対象に関する情報に基づいて、テーマに対応する取引対象の画像を表示部12に一覧表示する。このとき、表示制御部34は、情報提供装置100と連携し、商品やサービス等の取引対象の画像を一覧表示する際に、取引対象のカテゴリ(分類)を考慮せず、テーマごとに、テーマと対応する取引対象の画像を一覧表示する。なお、画像は、静止画に限らず、動画であってもよい。このとき、表示制御部34は、同じテーマに対応する取引対象であってカテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する。また、表示制御部34は、カテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する際に、1カテゴリにつき1つの取引対象の画像を表示する。
【0071】
また、表示制御部34は、テーマごとに、毎回異なる取引対象の画像を一覧表示してもよい。すなわち、表示制御部34は、同じテーマであっても、画面を表示するたびに、表示される取引対象の画像を変更してもよい。例えば、テーマを変更せずに画面の更新が行われた場合や、選択中のテーマの再選択が行われた場合、毎回異なる取引対象の画像が一覧表示される。また、表示制御部34は、一覧表示されている取引対象の画像を一定時間ごと(例えば10秒おき)に別の取引対象の画像に切り替えてもよい。
【0072】
また、表示制御部34は、一覧表示された取引対象の画像のいずれかが選択された場合、画面を遷移し、選択された画像の取引対象の詳細情報へのリンクと、該取引対象と同じカテゴリの他の取引対象の画像とを一覧表示する。取引対象の詳細情報は、商品やサービス等の販売ページや紹介ページ、施設やイベント等の案内ページ等である。また、他の取引対象の画像が選択された場合、上記と同様に、画面を遷移し、選択された他の画像の取引対象の詳細情報へのリンクと、該取引対象と同じカテゴリのさらに他の取引対象の画像とを一覧表示する。
【0073】
なお、選択された画像の取引対象と同じカテゴリの他の取引対象の画像を一覧表示するのは、一例に過ぎない。すなわち、カテゴリを基準とした他の取引対象の画像の一覧表示は、選択された画像の取引対象と類似の他の取引対象の画像を一覧表示するための手段の1つに過ぎない。実際には、カテゴリを基準として使用しなくてもよい。例えば、表示制御部34は、機械学習による画像認識等の技術を用いて、選択された画像と類似の画像と認識された他の取引対象の画像を一覧表示するようにしてもよい。
【0074】
また、表示制御部34は、利用者Uの操作に応じてテーマが変更された際に、変更後のテーマと対応する取引対象の画像を一覧表示してもよい。例えば、表示制御部34は、利用者Uのスライド操作(フリック、スワイプ等)に応じて、画面を遷移する際にテーマを変更し、一覧表示される取引対象の画像を変更してもよい。また、表示制御部34は、利用者Uの操作に応じて複数のテーマの中から1つのテーマが選択された際に、選択されたテーマと対応する取引対象の画像を一覧表示してもよい。例えば、表示制御部34は、利用者Uがテーマごとのボタンのうちいずれかのボタンを押した際に、利用者Uが押したボタンが示すテーマと対応する取引対象の画像を一覧表示してもよい。
【0075】
また、表示制御部34は、カテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する際に、売れ筋の取引対象の画像を他の取引対象の画像とは異なる表示態様で表示してもよい。例えば、表示制御部34は、売れ筋の取引対象の画像を他の取引対象の画像よりも大きく表示してもよい。また、表示制御部34は、カテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する際に、画面の左右上下端部に表示される画像のうちいずれか1つの画像と、その対角線上の画像とを他より大きく表示することで、視線誘導を行うようにしてもよい。また、表示制御部34は、一覧表示された取引対象の画像のいずれかがフォーカスされた場合、該画像の取引対象のカテゴリの名称を表示してもよい。
【0076】
(変更部35)
変更部35は、利用者Uの操作に応じて又は自動的にテーマを変更する。例えば、変更部35は、利用者Uのスライド操作に応じて、画面を遷移する際にテーマを変更する。あるいは、変更部35は、テーマごとのボタンを表示し、利用者Uがいずれかのボタンを押した際に、利用者Uが押したボタンに対応するテーマが選択されたと判断して、テーマを変更する。また、変更部35は、一定時間ごと(例えば30秒おき)に、自動的にテーマを変更してもよい。
【0077】
なお、変更部35は、表示制御部34と一体化していてもよい。例えば、表示制御部34は、変更部35を含んでいてもよい。
【0078】
(記憶部40)
記憶部40は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、光ディスク等の記憶装置によって実現される。かかる記憶部40には、各種プログラムや各種データ等が記憶される。
【0079】
〔4.情報処理装置の構成例〕
次に、図4を用いて、実施形態に係る情報提供装置100の構成について説明する。図4は、実施形態に係る情報提供装置100の構成例を示す図である。図4に示すように、情報提供装置100は、通信部110と、記憶部120と、制御部130とを有する。
【0080】
(通信部110)
通信部110は、例えば、NIC(Network Interface Card)等によって実現される。また、通信部110は、ネットワークN(図2参照)と有線又は無線で接続される。
【0081】
(記憶部120)
記憶部120は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)等の半導体メモリ素子、又は、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。図4に示すように、記憶部120は、利用者情報データベース121と、履歴情報データベース122と、テーマ情報データベース123とを有する。
【0082】
(利用者情報データベース121)
利用者情報データベース121は、利用者Uに関する利用者情報を記憶する。例えば、利用者情報データベース121は、利用者Uの属性等の種々の情報を記憶する。図5は、利用者情報データベース121の一例を示す図である。図5に示した例では、利用者情報データベース121は、「利用者ID(Identifier)」、「年齢」、「性別」、「自宅」、「勤務地」、「興味」といった項目を有する。
【0083】
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「年齢」は、利用者IDにより識別される利用者Uの年齢を示す。なお、「年齢」は、例えば35歳など、利用者IDにより識別される利用者Uの具体的な年齢であってもよい。また、「性別」は、利用者IDにより識別される利用者Uの性別を示す。
【0084】
また、「自宅」は、利用者IDにより識別される利用者Uの自宅の位置情報を示す。なお、図5に示す例では、「自宅」は、「LC11」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「自宅」は、地域名や住所であってもよい。
【0085】
また、「勤務地」は、利用者IDにより識別される利用者Uの勤務地(学生の場合は学校)の位置情報を示す。なお、図5に示す例では、「勤務地」は、「LC12」といった抽象的な符号を図示するが、緯度経度情報等であってもよい。また、例えば、「勤務地」は、地域名や住所であってもよい。
【0086】
また、「興味」は、利用者IDにより識別される利用者Uの興味を示す。すなわち、「興味」は、利用者IDにより識別される利用者Uが関心の高い対象を示す。例えば、「興味」は、利用者Uが検索エンジンに入力して検索した検索クエリ(キーワード)等であってもよい。なお、図5に示す例では、「興味」は、各利用者Uに1つずつ図示するが、複数であってもよい。
【0087】
例えば、図5に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uの年齢は、「20代」であり、性別は、「男性」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、自宅が「LC11」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、勤務地が「LC12」であることを示す。また、例えば、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「スポーツ」に興味があることを示す。
【0088】
ここで、図5に示す例では、「U1」、「LC11」及び「LC12」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「LC11」及び「LC12」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。以下、他の情報に関する図においても、抽象的な値を図示する場合がある。
【0089】
なお、利用者情報データベース121は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報データベース121は、利用者Uの端末装置10に関する各種情報を記憶してもよい。また、利用者情報データベース121は、利用者Uのデモグラフィック(人口統計学的属性)、サイコグラフィック(心理学的属性)、ジオグラフィック(地理学的属性)、ベヘイビオラル(行動学的属性)等の属性に関する情報を記憶してもよい。例えば、利用者情報データベース121は、氏名、家族構成、出身地(地元)、職業、職位、収入、資格、居住形態(戸建、マンション等)、車の有無、通学・通勤時間、通学・通勤経路、定期券区間(駅、路線等)、利用頻度の高い駅(自宅・勤務地の最寄駅以外)、習い事(場所、時間帯等)、趣味、興味、ライフスタイル等の情報を記憶してもよい。
【0090】
(履歴情報データベース122)
履歴情報データベース122は、利用者Uの行動を示す履歴情報(ログデータ)に関する各種情報を記憶する。図6は、履歴情報データベース122の一例を示す図である。図6に示した例では、履歴情報データベース122は、「利用者ID」、「位置履歴」、「検索履歴」、「閲覧履歴」、「購買履歴」、「投稿履歴」といった項目を有する。
【0091】
「利用者ID」は、利用者Uを識別するための識別情報を示す。また、「位置履歴」は、利用者Uの位置や移動の履歴である位置履歴を示す。また、「検索履歴」は、利用者Uが入力した検索クエリの履歴である検索履歴を示す。また、「閲覧履歴」は、利用者Uが閲覧したコンテンツの履歴である閲覧履歴を示す。また、「購買履歴」は、利用者Uによる購買の履歴である購買履歴を示す。また、「投稿履歴」は、利用者Uによる投稿の履歴である投稿履歴を示す。なお、「投稿履歴」は、利用者Uの所有物に関する質問を含んでいてもよい。
【0092】
例えば、図6に示す例において、利用者ID「U1」により識別される利用者Uは、「位置履歴#1」の通りに移動し、「検索履歴#1」の通りに検索し、「閲覧履歴#1」の通りにコンテンツを閲覧し、「購買履歴#1」の通りに所定の店舗等で所定の商品等を購入し、「投稿履歴」の通りに投稿したことを示す。
【0093】
ここで、図6に示す例では、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購買履歴#1」及び「投稿履歴#1」といった抽象的な値を用いて図示するが、「U1」、「位置履歴#1」、「検索履歴#1」、「閲覧履歴#1」、「購買履歴#1」及び「投稿履歴#1」には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
【0094】
なお、履歴情報データベース122は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、履歴情報データベース122は、利用者Uの所定のサービスの利用履歴等を記憶してもよい。また、履歴情報データベース122は、利用者Uの実店舗の来店履歴又は施設の訪問履歴等を記憶してもよい。また、履歴情報データベース122は、利用者Uの電子決済での決済履歴等を記憶してもよい。
【0095】
(テーマ情報データベース123)
テーマ情報データベース123は、テーマごとに対応するカテゴリや取引対象に関する各種情報を記憶する。図7は、テーマ情報データベース123の一例を示す図である。図7に示した例では、テーマ情報データベース123は、「テーマ」、「カテゴリ」、「取引対象」といった項目を有する。
【0096】
「テーマ」は、テーマを示す。なお、テーマは、利用者Uにより指定された検索クエリ(入力又は選択されたキーワード)に基づいて推定されるテーマである。テーマは、キーワード自体であってもよいし、当該キーワードに関連する事項や当該キーワードから連想される事項等であってもよい。また、利用者Uとキーワードとの組合せに関連する事項や利用者Uがキーワードを入力した場所や日時に関連する事項等であってもよい。また、テーマは、利用者Uの属性情報や履歴情報等に基づいて推定されるテーマであってもよい。
【0097】
また、「カテゴリ」は、テーマに対応するカテゴリを示す。また、「取引対象」は、テーマに対応する取引対象を示す。さらに、カテゴリに対応する取引対象を示す。なお、「取引対象」として、取引対象を識別するための識別情報と、取引対象の画像情報を記憶していてもよい。実際には、「取引対象」として、取引対象を識別するための識別情報のみ記憶し、取引対象の画像情報は当該識別情報と紐づけて別途記憶していてもよい。
【0098】
なお、カテゴリは一例に過ぎない。実際には、一般的な取引対象のカテゴリに限らず、取引対象の共通性に基づく任意のグループであってもよい。また、機械学習による画像認識等により類似の画像と認識される取引対象のグループであってもよい。また、実際には、「カテゴリ」の項目を省略してもよい。すなわち、「テーマ」と「取引対象」の項目のみでもよい。
【0099】
例えば、図7に示す例において、「テーマ#A」に対応する「カテゴリ#A1」には、「取引対象#A11」や「取引対象#A12」等が含まれていることを示す。別の観点では、「テーマ#A」に対応する取引対象として、「取引対象#A11」や「取引対象#A12」等があることを示す。
【0100】
ここで、図7に示す例では、「テーマ#A」、「カテゴリ#A1」、「取引対象#A11」及び「取引対象#A12」等といった抽象的な値を用いて図示するが、「テーマ#A」、「カテゴリ#A1」、「取引対象#A11」及び「取引対象#A12」等には、具体的な文字列や数値等の情報が記憶されるものとする。
【0101】
なお、テーマ情報データベース123は、上記に限らず、目的に応じて種々の情報を記憶してもよい。例えば、テーマ情報データベース123は、テーマと紐づけて、利用者Uを識別するための識別情報(利用者ID等)を記憶してもよい。例えば、利用者IDとテーマとの組に対して、カテゴリや取引対象を紐づけてもよい。また、テーマ情報データベース123は、テーマと紐づけて、位置情報を記憶してもよい。例えば、位置情報とテーマとの組に対して、カテゴリや取引対象を紐づけてもよい。また、テーマ情報データベース123は、テーマと紐づけて、日時に関する情報を記憶してもよい。例えば、日時とテーマとの組に対して、カテゴリや取引対象を紐づけてもよい。
【0102】
(制御部130)
図4に戻り、説明を続ける。制御部130は、コントローラ(Controller)であり、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等によって、情報提供装置100の内部の記憶装置に記憶されている各種プログラム(情報処理プログラムの一例に相当)がRAM等の記憶領域を作業領域として実行されることにより実現される。図4に示す例では、制御部130は、取得部131と、推定部132と、抽出部133と、決定部134と、提供部135とを有する。
【0103】
(取得部131)
取得部131は、通信部110を介して、利用者Uにより指定された検索クエリ(キーワード等)を取得する。例えば、取得部131は、利用者Uが検索窓にキーワードを入力して検索を行った際に、通信部110を介して、当該キーワードを取得する。
【0104】
また、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uに関する利用者情報を取得する。例えば、取得部131は、利用者Uの端末装置10から、利用者Uを識別するための識別情報(利用者ID等)や、利用者Uの位置情報、利用者Uの属性情報等を取得する。また、取得部131は、利用者Uのユーザ登録時に、利用者Uを識別するための識別情報や、利用者Uの属性情報等を取得してもよい。そして、取得部131は、利用者情報を、記憶部120の利用者情報データベース121に登録する。
【0105】
また、取得部131は、通信部110を介して、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報(ログデータ)を取得する。例えば、取得部131は、利用者Uの端末装置10から、あるいは利用者ID等に基づいて各種サーバ等から、利用者Uの行動を示す各種の履歴情報を取得する。そして、取得部131は、各種の履歴情報を、記憶部120の履歴情報データベース122に登録する。
【0106】
(推定部132)
推定部132は、利用者Uの端末装置10からのアクセスに応じて、テーマを推定する。例えば、推定部132は、利用者Uにより指定された検索クエリ(入力又は選択されたキーワード)に基づいて少なくとも1つのテーマを推定する。このとき、推定部132は、利用者Uにより電子商取引用のサイト内検索エンジンに入力された検索クエリに基づいて少なくとも1つのテーマを推定してもよい。
【0107】
このとき、推定部132は、あらかじめキーワードと紐づけられたテーマを取得することで、テーマを推定するようにしてもよい。あるいは、推定部132は、例えばキーワードとテーマをデータセットとして、RNN(Recurrent Neural Network)やLSTM(Long short-term memory)等を用いた機械学習を経て、テーマを推定するための学習モデルを生成し、この学習モデルにキーワードを入力し、出力としてテーマを取得することで、テーマを推定するようにしてもよい。
【0108】
なお、上記のキーワードの代わりに、又は上記のキーワードに加えて、利用者Uの属性情報や履歴情報等を使用してもよい。例えば、推定部132は、利用者U(又は同じ属性を持つ利用者群)の興味・関心や日常の行動等に基づいて、少なくとも1つのテーマを推定してもよい。また、例えば直近1週間以内に検索された個々の検索クエリの検索数(検索ボリューム)に基づいて、少なくとも1つのテーマを推定してもよい。
【0109】
(抽出部133)
抽出部133は、推定されたテーマと対応する取引対象を抽出する。例えば、抽出部133は、同じテーマに対応する取引対象であってカテゴリの異なる複数の取引対象を抽出する。テーマと対応する取引対象は、テーマ自体ではなく、テーマと関連性を有する物事と対応する取引対象であってもよい。テーマと関連性を有する物事とは、例えばテーマから派生した物事や、テーマから連想される物事等であってもよい。
【0110】
このとき、抽出部133は、テーマと対応する取引対象として、あらかじめテーマと紐づけられた取引対象を抽出してもよいし、自然言語処理における単語分散表現(単語ベクトル)を利用してテーマに近い取引対象を推定した上で抽出してもよい。単語分散表現(単語ベクトル)のモデルとしては、RNN(Recurrent Neural Network)やLSTM(Long short-term memory)等のモデルを利用してもよい。例えば、「Word2Vec」、「seq2seq」又は「Attention」等を利用してもよい。
【0111】
なお、実際には、抽出部133は、上記の手法で、テーマに合ったカテゴリをいくつか推定し、推定されたカテゴリに該当する取引対象をカテゴリごとに抽出してもよい。あるいは、抽出部133は、テーマと対応する取引対象を抽出する際にはカテゴリを考慮せず無作為に取引対象を抽出し、抽出後にカテゴリごとに取引対象を分類してもよい。
【0112】
また、抽出部133は、機械学習による画像認識等の技術を用いて、テーマと対応する取引対象の画像と類似の画像の他の取引対象を抽出してもよい。また、抽出部133は、カテゴリの異なる複数の取引対象を抽出する際に、実店舗で取り扱っている取引対象を抽出してもよい。
【0113】
(決定部134)
決定部134は、カテゴリの異なる複数の取引対象に対して、カテゴリごとに、表示対象(サムネイル等)となる1つの取引対象を決定する。このとき、決定部134は、カテゴリごとに、表示対象となる1つの取引対象を無作為(ランダム)に又は所定の条件や規則(ルール)に従って決定する。例えば、決定部134は、各カテゴリに分類された取引対象の中からカテゴリサムネイル(CS)とする取引対象を無作為に選択する。本実施形態では、決定部134は、カテゴリの異なる複数の取引対象に対して、1カテゴリにつき1つの取引対象を決定する。
【0114】
なお、実際には、決定部134は、同一カテゴリにつき2以上の取引対象を表示対象とすることが許容されている場合には、許容されている範囲内で、同一カテゴリにつき2以上の取引対象を決定してもよい。例えば、決定部134は、ある特定のカテゴリについて3つの取引対象を表示対象とすることが許容されている場合には、その特定のカテゴリについては3つの取引対象を表示対象として決定する。
【0115】
(提供部135)
提供部135は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10に対して、テーマに対応する取引対象に関する情報を提供する。例えば、提供部135は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10に対して、テーマに対応する取引対象の画像を一覧表示するためのレイアウト情報を提供する。
【0116】
また、提供部135は、通信部110を介して、各利用者Uの端末装置10に対して、各種アプリケーション(以下、アプリ)等に対するAPI(Application Programming Interface)サービス等と、各種データを提供する。また、提供部135は、通信部110を介して、各利用者Uの端末装置10に対して、ECサイトやオンラインモール等の電子商取引サービスを提供する。また、提供部135は、通信部110を介して、各利用者Uの端末装置10に対して、オンラインで何らかのWebサービスを提供してもよい。
【0117】
〔5.処理手順〕
次に、図8を用いて実施形態に係る端末装置10及び情報提供装置100による処理手順について説明する。図8は、実施形態に係る処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、端末装置10の制御部30及び情報提供装置100の制御部130によって繰り返し実行される。
【0118】
端末装置10の処理部33は、利用者Uが所定のアプリを起動した際に、表示部12に検索クエリを指定可能な画面を表示し、入力部13を用いて利用者Uにより指定された検索クエリ(入力又は選択されたキーワード)を受け付ける(ステップS101)。
【0119】
続いて、端末装置10の送信部31は、通信部11を介して、利用者Uにより指定された検索クエリを情報提供装置100に送信する(ステップS102)。このとき、送信部31は、検索クエリとともに、利用者Uを識別するための識別情報(利用者ID等)と端末装置10の位置情報とを情報提供装置100に送信してもよい。また、送信部31は、外部の検索サーバ等を経由して、検索クエリを情報提供装置100に送信してもよい。例えば、送信部31は、通信部11を介して、利用者IDと検索クエリを外部の検索サーバ等に送信する。そして、外部の検索サーバ等が、利用者IDと検索クエリを情報提供装置100に送信する。
【0120】
続いて、情報提供装置100の取得部131は、通信部110を介して、利用者Uにより指定された検索クエリ(入力又は選択されたキーワード)を取得する(ステップS103)。このとき、取得部131は、通信部110を介して、検索クエリとともに、利用者Uを識別するための識別情報(利用者ID等)と端末装置10の位置情報とを取得してもよい。
【0121】
続いて、情報提供装置100の推定部132は、利用者Uにより指定された検索クエリに基づいて少なくとも1つのテーマを推定する(ステップS104)。このとき、推定部132は、検索クエリとともに、利用者Uを識別するための識別情報(利用者ID等)と端末装置10の位置情報とに基づいて少なくとも1つのテーマを推定してもよい。利用者Uを識別するための識別情報(利用者ID等)は、利用者Uの属性情報や履歴情報と紐づけられている。
【0122】
続いて、情報提供装置100の抽出部133は、推定されたテーマと対応する取引対象を抽出する(ステップS105)。例えば、抽出部133は、同じテーマに対応する取引対象であってカテゴリの異なる複数の取引対象を抽出する。テーマと対応する取引対象は、テーマ自体ではなく、テーマと関連性を有する物事と対応する取引対象であってもよい。すなわち、抽出部133は、テーマと対応する取引対象の1つとして、テーマと関連性を有する物事と対応する取引対象を抽出してもよい。
【0123】
続いて、情報提供装置100の決定部134は、カテゴリの異なる複数の取引対象に対して、カテゴリごとに、表示対象(サムネイル等)となる1つの取引対象を決定する(ステップS106)。例えば、決定部134は、各カテゴリに分類された取引対象の中からカテゴリサムネイル(CS)とする取引対象を無作為に選択する。
【0124】
続いて、情報提供装置100の提供部135は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10に対して、テーマに対応する取引対象に関する情報を提供する(ステップS107)。例えば、提供部135は、通信部110を介して、利用者Uの端末装置10に対して、テーマに対応する取引対象の画像を一覧表示するためのレイアウト情報を提供する。
【0125】
続いて、端末装置10の表示制御部34は、端末装置10の表示部12に、テーマに対応する取引対象に関する情報に基づいて、テーマに対応する取引対象の画像を一覧表示する(ステップS108)。なお、画像は、静止画に限らず、動画であってもよい。このとき、表示制御部34は、同じテーマに対応する取引対象であってカテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する。また、表示制御部34は、カテゴリごとに、表示対象(サムネイル等)となる1つの取引対象の画像を表示する。また、表示制御部34は、テーマごとに、毎回異なる取引対象の画像を一覧表示してもよい。また、表示制御部34は、一覧表示されている取引対象の画像を一定時間ごと(例えば10秒おき)に別の取引対象の画像に切り替えてもよい。
【0126】
続いて、端末装置10の変更部35は、利用者Uの操作に応じて又は自動的にテーマを変更する(ステップS109)。例えば、変更部35は、利用者Uのスライド操作(フリック、スワイプ等)に応じて、画面を遷移する際にテーマを変更する。あるいは、変更部35は、テーマごとのボタンを表示し、利用者Uがいずれかのボタンを押した際に、利用者Uが押したボタンに対応するテーマが選択されたと判断して、テーマを変更する。また、変更部35は、一定時間ごと(例えば30秒おき)に、自動的にテーマを変更してもよい。表示制御部34は、テーマが変更された場合、変更後のテーマに対応する取引対象の画像を一覧表示する。
【0127】
続いて、端末装置10の表示制御部34は、一覧表示された取引対象の画像のいずれかが選択された場合、画面を遷移し、選択された画像の取引対象の詳細情報へのリンクと、該取引対象と同じカテゴリの他の取引対象の画像とを一覧表示する(ステップS110)。取引対象の詳細情報は、商品やサービス等の販売ページや紹介ページ、施設やイベント等の案内ページ等である。また、他の取引対象の画像が選択された場合、上記と同様に、画面を遷移し、選択された他の画像の取引対象の詳細情報へのリンクと、該取引対象と同じカテゴリのさらに他の取引対象の画像とを一覧表示する。
【0128】
〔6.変形例〕
上述した端末装置10及び情報提供装置100は、上記実施形態以外にも種々の異なる形態にて実施されてよい。そこで、以下では、実施形態の変形例について説明する。
【0129】
上記の実施形態において、情報提供装置100が実行している処理の一部又は全部は、実際には、端末装置10が実行してもよい。例えば、スタンドアローン(Stand-alone)で(端末装置10単体で)処理が完結してもよい。この場合、端末装置10に、上記の実施形態における情報提供装置100の機能が備わっているものとする。また、上記の実施形態では、端末装置10は情報提供装置100と連携しているため、利用者Uから見れば、情報提供装置100の処理も端末装置10が実行しているように見える。すなわち、他の観点では、端末装置10は、情報提供装置100を備えているともいえる。
【0130】
また、上記の実施形態において、ECサイトやオンラインモール等の電子商取引サービスにおいて、テーマごとに、テーマに対応する取引対象の画像を一覧表示する場合を例に説明しているが、実際には、電子商取引サービスに限定されない。例えば、情報提供装置100は、レストラン等でメニューを表示する端末装置に対して、テーマごとに、カテゴリを問わずテーマに対応する料理や飲料等を一覧表示してもよい。
【0131】
また、上記の実施形態において、取引対象の代わりに、広告や案内を一覧表示してもよい。例えば、情報提供装置100は、利用者Uの端末装置10に対して、「デート」というテーマについて、和食/中華/フレンチ/イタリアン等のジャンル別のレストラン等や、酒場、喫茶店、デートスポット、ホテル、衣料品店、宝飾店等のテーマに関連する店舗・施設やその取引対象等の広告や案内を一覧表示してもよい。このとき、情報提供装置100は、利用者Uの位置情報や、デート予定地に関するキーワード等を取得すると、より正確な広告や案内を一覧表示することができる。
【0132】
また、上記の実施形態において、情報提供装置100は、OMO(Online Merges with Offline)において、テーマごとに、テーマに対応する取引対象の画像を一覧表示するようにしてもよい。例えば、情報提供装置100は、取引対象の画像として、実店舗で取り扱っている取引対象に関する情報をあらかじめ収集しておき、利用者Uの端末装置10に対して、収集された取引対象に関する情報のうち、テーマに対応する取引対象に関する情報を抽出して、抽出された取引対象の画像を一覧表示する。また、情報提供装置100は、一覧表示された取引対象の画像のうち、特に実店舗で売れ筋の取引対象の画像については、他の取引対象の画像とは異なる表示態様で目立つように表示してもよい。例えば、情報提供装置100は、実店舗での売れ筋商品の画像については、他の商品の画像よりも大きく表示してもよい。これにより、端末装置10における取引対象の画像の一覧表示は、実店舗に存在する取引対象の広告機能を発揮することができる。
【0133】
〔7.効果〕
上述してきたように、本願に係る情報処理装置(端末装置10及び情報提供装置100)は、テーマごとに、テーマと対応する取引対象であって、カテゴリの異なる複数の取引対象を抽出する抽出部133と、テーマごとに、抽出されたカテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する表示部12とを備える。なお、表示部12は、表示制御部34又は提供部135と読み替えてもよい。
【0134】
また、本願に係る情報処理装置は、カテゴリごとに、表示対象となる1つの取引対象を決定する決定部134をさらに備える。そして、表示部12は、カテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する際に、1カテゴリにつき1つの取引対象の画像を表示する。
【0135】
また、表示部12は、テーマごとに、毎回異なる取引対象の画像を一覧表示する。
【0136】
また、表示部12は、一覧表示された取引対象の画像のいずれかが選択された場合、画面を遷移し、選択された画像の取引対象の詳細情報へのリンクと、該取引対象と類似の他の取引対象の画像とを一覧表示する。
【0137】
また、本願に係る情報処理装置は、利用者からのアクセスに応じて、テーマを推定する推定部132をさらに備える。
【0138】
例えば、推定部132は、利用者Uにより指定された検索クエリに基づいて少なくとも1つのテーマを推定する。
【0139】
また、推定部132は、利用者Uにより電子商取引用のサイト内検索エンジンに入力された検索クエリに基づいて少なくとも1つのテーマを推定する。
【0140】
また、推定部132は、利用者Uにより電子商取引用のサイト内検索エンジンに入力された検索クエリに基づいて少なくとも1つのテーマを推定する。
【0141】
また、本願に係る情報処理装置は、テーマを変更する変更部35をさらに備える。そして、表示部12は、変更後のテーマと対応する取引対象の画像を一覧表示する。
【0142】
例えば、変更部35は、利用者Uのスライド操作に応じてテーマを変更する。
【0143】
また、変更部35は、利用者Uのテーマ選択操作に応じてテーマを変更する。
【0144】
また、変更部35は、一定時間ごとに自動的にテーマを変更する。
【0145】
また、抽出部133は、テーマと対応する取引対象の1つとして、テーマと関連性を有する物事と対応する取引対象を抽出する。
【0146】
また、抽出部133は、カテゴリの異なる複数の取引対象を抽出する際に、実店舗で取り扱っている取引対象を抽出する。
【0147】
また、表示部12は、カテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する際に、売れ筋の取引対象の画像を他の取引対象の画像とは異なる表示態様で表示する。
【0148】
また、表示部12は、一覧表示された取引対象の画像のいずれかがフォーカスされた場合、該画像の取引対象のカテゴリの名称を表示する。
【0149】
また、表示部12は、カテゴリの異なる複数の取引対象の画像を一覧表示する際に、画面の左右上下端部に表示される画像のうちいずれか1つの画像と、その対角線上の画像とを他より大きく表示することで、視線誘導を行う。
【0150】
上述した各処理のいずれかもしくは組合せにより、本願に係る情報処理装置は、利用者に対して取引対象のカテゴリに関係なく様々な取引対象に関する情報を提示することができる。これにより、従来とは異なるアプローチで、利用者に対して、意図せぬ取引対象との偶発的な出会いの機会を提供することができる。
【0151】
〔8.ハードウェア構成〕
また、上述した実施形態に係る端末装置10や情報提供装置100は、例えば図9に示すような構成のコンピュータ1000によって実現される。以下、情報提供装置100を例に挙げて説明する。図9は、ハードウェア構成の一例を示す図である。コンピュータ1000は、出力装置1010、入力装置1020と接続され、演算装置1030、一次記憶装置1040、二次記憶装置1050、出力I/F(Interface)1060、入力I/F1070、ネットワークI/F1080がバス1090により接続された形態を有する。
【0152】
演算装置1030は、一次記憶装置1040や二次記憶装置1050に格納されたプログラムや入力装置1020から読み出したプログラム等に基づいて動作し、各種の処理を実行する。演算装置1030は、例えばCPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等により実現される。
【0153】
一次記憶装置1040は、RAM(Random Access Memory)等、演算装置1030が各種の演算に用いるデータを一次的に記憶するメモリ装置である。また、二次記憶装置1050は、演算装置1030が各種の演算に用いるデータや、各種のデータベースが登録される記憶装置であり、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、フラッシュメモリ等により実現される。二次記憶装置1050は、内蔵ストレージであってもよいし、外付けストレージであってもよい。また、二次記憶装置1050は、USBメモリやSD(Secure Digital)メモリカード等の取り外し可能な記憶媒体であってもよい。また、二次記憶装置1050は、クラウドストレージ(オンラインストレージ)やNAS(Network Attached Storage)、ファイルサーバ等であってもよい。
【0154】
出力I/F1060は、ディスプレイ、プロジェクタ、及びプリンタ等といった各種の情報を出力する出力装置1010に対し、出力対象となる情報を送信するためのインターフェイスであり、例えば、USB(Universal Serial Bus)やDVI(Digital Visual Interface)、HDMI(登録商標)(High Definition Multimedia Interface)といった規格のコネクタにより実現される。また、入力I/F1070は、マウス、キーボード、キーパッド、ボタン、及びスキャナ等といった各種の入力装置1020から情報を受信するためのインターフェイスであり、例えば、USB等により実現される。
【0155】
また、出力I/F1060及び入力I/F1070はそれぞれ出力装置1010及び入力装置1020と無線で接続してもよい。すなわち、出力装置1010及び入力装置1020は、ワイヤレス機器であってもよい。
【0156】
また、出力装置1010及び入力装置1020は、タッチパネルのように一体化していてもよい。この場合、出力I/F1060及び入力I/F1070も、入出力I/Fとして一体化していてもよい。
【0157】
なお、入力装置1020は、例えば、CD(Compact Disc)、DVD(Digital Versatile Disc)、PD(Phase change rewritable Disk)等の光学記録媒体、MO(Magneto-Optical disk)等の光磁気記録媒体、テープ媒体、磁気記録媒体、又は半導体メモリ等から情報を読み出す装置であってもよい。
【0158】
ネットワークI/F1080は、ネットワークNを介して他の機器からデータを受信して演算装置1030へ送り、また、ネットワークNを介して演算装置1030が生成したデータを他の機器へ送信する。
【0159】
演算装置1030は、出力I/F1060や入力I/F1070を介して、出力装置1010や入力装置1020の制御を行う。例えば、演算装置1030は、入力装置1020や二次記憶装置1050からプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行する。
【0160】
例えば、コンピュータ1000が情報提供装置100として機能する場合、コンピュータ1000の演算装置1030は、一次記憶装置1040上にロードされたプログラムを実行することにより、制御部130の機能を実現する。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器から取得したプログラムを一次記憶装置1040上にロードし、ロードしたプログラムを実行してもよい。また、コンピュータ1000の演算装置1030は、ネットワークI/F1080を介して他の機器と連携し、プログラムの機能やデータ等を他の機器の他のプログラムから呼び出して利用してもよい。
【0161】
〔9.その他〕
以上、本願の実施形態を説明したが、これら実施形態の内容により本発明が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能である。さらに、前述した実施形態の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【0162】
また、上記実施形態において説明した各処理のうち、自動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を手動的に行うこともでき、あるいは、手動的に行われるものとして説明した処理の全部又は一部を公知の方法で自動的に行うこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。例えば、各図に示した各種情報は、図示した情報に限られない。
【0163】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【0164】
例えば、上述した情報提供装置100は、複数のサーバコンピュータで実現してもよく、また、機能によっては外部のプラットフォーム等をAPI(Application Programming Interface)やネットワークコンピューティング等で呼び出して実現するなど、構成は柔軟に変更できる。
【0165】
また、上述してきた実施形態及び変形例は、処理内容を矛盾させない範囲で適宜組み合わせることが可能である。
【0166】
また、上述してきた「部(section、module、unit)」は、「手段」や「回路」などに読み替えることができる。例えば、取得部は、取得手段や取得回路に読み替えることができる。
【符号の説明】
【0167】
1 情報処理システム
10 端末装置
12 表示部
13 入力部
34 表示制御部
35 変更部
100 情報提供装置
110 通信部
120 記憶部
121 利用者情報データベース
122 履歴情報データベース
123 テーマ情報データベース
130 制御部
131 取得部
132 推定部
133 抽出部
134 決定部
135 提供部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9