(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】歩行型作業機
(51)【国際特許分類】
A01B 33/12 20060101AFI20221209BHJP
A01B 35/04 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
A01B33/12 B
A01B35/04 D
(21)【出願番号】P 2021137958
(22)【出願日】2021-08-26
(62)【分割の表示】P 2017117164の分割
【原出願日】2017-06-14
【審査請求日】2021-09-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000001052
【氏名又は名称】株式会社クボタ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】弁理士法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】前田 伸治
(72)【発明者】
【氏名】渡 剛
(72)【発明者】
【氏名】山中 貞雄
(72)【発明者】
【氏名】中島 雅大
(72)【発明者】
【氏名】打谷 賢
(72)【発明者】
【氏名】瀬崎 恵一
【審査官】小島 洋志
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-171429(JP,A)
【文献】特開2012-29608(JP,A)
【文献】特開2012-15(JP,A)
【文献】特開2012-249534(JP,A)
【文献】特開2011-62178(JP,A)
【文献】特開2015-2745(JP,A)
【文献】米国特許第5787991(US,A)
【文献】英国特許出願公告第1593837(GB,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01B 33/12
A01B 35/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
耕起ロータと、
前記耕起ロータの後方に設けられると共に、可撓性を有し、左右両側に畝を形成する畝立てマットと、
前記畝立てマットの後面に分散配置された状態で固定されており、且つ、前記畝立てマットのうち前記耕起ロータにより耕起された耕耘土の作用によって後方へ移動する部分と共に後方へ移動可能な複数の規制部材と、
前記複数の規制部材から、何れか一つの前記規制部材、または、前記規制部材の組み合わせを選ぶことが可能な選択部と、を備え、
前記選択部は、前記選択部によって選択された前記規制部材の後方への移動を規制するように構成されており、
前記選択部による選択状態にかかわらず、前記畝立てマットのうち後方への移動が規制される部分における下端部の左右方向の長さが当該部分における上端部の左右方向の長さよりも短くなるように構成されている歩行型作業機。
【請求項2】
前記規制部材における幅方向内側の縁部の形状は、前記規制部材の幅方向内側に隣り合う前記規制部材における幅方向外側の縁部の形状に沿っている請求項1に記載の歩行型作業機。
【請求項3】
前記選択部による選択状態に応じて、前記畝立てマットのうち後方への移動が規制される部分における上端部の左右方向の長さが変化するように構成されており、
前記選択部による選択状態にかかわらず、前記畝立てマットのうち後方への移動が規制される部分における下端部の左右方向の長さ、及び、前記畝立てマットにおける当該下端部の位置が一定であるように構成されている請求項1または2に記載の歩行型作業機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圃場の畝立て作業を行うための歩行型作業機に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような歩行型作業機として、例えば、特許文献1に記載のものが既に知られている。この歩行型作業機は、耕起ロータ(特許文献1では「駆動軸」及び「正逆転爪」)と、耕起ロータの後方に設けられた畝立てマット(特許文献1では「平板」)と、を備えている。この畝立てマットは、可撓性を有するゴム板等によって構成されている。
【0003】
また、この畝立てマットの後側には、規制部材(特許文献1では「金属板」)が隣接配置されている。この規制部材は、前側から耕耘土が作用したときに畝立てマットにおける中央側部分の後方への移動を規制し、畝立てマットにおける左右両側部分の後方への折れ曲がり線を規定している。
【0004】
このような構成によって、特許文献1に記載の歩行型作業機は、左右両側に畝を形成する。そして、形成される畝の形状は、畝立てマットにおける左右両側部分の後方への折れ曲がり線に沿う形状となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
栽培する作物の種類や土壌の状態によって、最適な畝の形状は異なる。しかしながら、特許文献1に記載の歩行型作業機では、形成される畝の形状を変更することができない。
【0007】
本発明の目的は、形成される畝の形状を変更可能な歩行型作業機を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の特徴は、
耕起ロータと、
前記耕起ロータの後方に設けられると共に、可撓性を有し、左右両側に畝を形成する畝立てマットと、
前記畝立てマットの後面に分散配置された状態で固定されており、且つ、前記畝立てマットのうち前記耕起ロータにより耕起された耕耘土の作用によって後方へ移動する部分と共に後方へ移動可能な複数の規制部材と、
前記複数の規制部材から、何れか一つの前記規制部材、または、前記規制部材の組み合わせを選ぶことが可能な選択部と、を備え、
前記選択部は、前記選択部によって選択された前記規制部材の後方への移動を規制するように構成されており、
前記選択部による選択状態にかかわらず、前記畝立てマットのうち後方への移動が規制される部分における下端部の左右方向の長さが当該部分における上端部の左右方向の長さよりも短くなるように構成されていることにある。
【0009】
本発明であれば、選択部によって選択された規制部材の後方への移動が規制される。そして、選択部によって選択された規制部材における機体幅方向外側の縁部によって、畝立てマットの折れ曲がり線が規定される。
【0010】
即ち、選択する規制部材を変更することによって、畝立てマットの折れ曲がり線が変化することとなる。そして、畝立てマットの折れ曲がり線の変化に伴い、形成される畝の形状も変化する。
【0011】
これにより、本発明であれば、選択する規制部材を変更することによって、形成される畝の形状を変更することができる。
【0012】
さらに、本発明において、
前記規制部材における幅方向内側の縁部の形状は、前記規制部材の幅方向内側に隣り合う前記規制部材における幅方向外側の縁部の形状に沿っていると好適である。
【0013】
規制部材における幅方向内側の縁部の形状によっては、畝立てマットにおける左右両側部分が後方へ折れ曲がる際、機体幅方向に隣接する2つの規制部材が互いに近接することにより、互いに干渉する事態が想定される。
【0014】
ここで、上記の構成によれば、規制部材における幅方向内側の縁部の形状は、規制部材の幅方向内側に隣り合う規制部材における幅方向外側の縁部の形状に沿っている。これにより、畝立てマットにおける左右両側部分が後方へ折れ曲がる際、機体幅方向に隣接する2つの規制部材が互いに近接した場合であっても、互いに干渉しにくい。
【0015】
さらに、本発明において、
前記選択部による選択状態に応じて、前記畝立てマットのうち後方への移動が規制される部分における上端部の左右方向の長さが変化するように構成されており、
前記選択部による選択状態にかかわらず、前記畝立てマットのうち後方への移動が規制される部分における下端部の左右方向の長さ、及び、前記畝立てマットにおける当該下端部の位置が一定であるように構成されていると好適である。
【0016】
【0017】
【0018】
【0019】
【0020】
【0021】
【0022】
【0023】
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図3】歩行型作業機における後部の拡大左側面図である。
【
図4】畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
【
図6】畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
【
図7】畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
【
図10】第1別実施形態における畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
【
図11】第2別実施形態における畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
【
図12】第3別実施形態における畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
【
図13】第4別実施形態における畝立てマット及び規制機構の構成を示す背面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明を実施するための形態について、図面に基づき説明する。尚、以下の説明においては、
図1から
図3、
図5、
図9に示す矢印Fの方向を「前」、矢印Bの方向を「後」として、
図2、
図4、
図5に示す矢印Lの方向を「左」、矢印Rの方向を「右」とする。また、
図1、
図3、
図4、
図9に示す矢印Uの方向を「上」、矢印Dの方向を「下」とする。
【0026】
〔歩行型作業機の全体構成〕
図1及び
図2に示すように、歩行型作業機Aには、エンジン2及び左右の車輪3が設けられている。左右の車輪3の後方には、耕耘装置1が設けられている。耕耘装置1は、耕起ロータ4、ロータカバー5、畝立てマット7、規制機構8、抵抗棒9、整地板12を有している。
【0027】
このように、歩行型作業機Aは、耕起ロータ4を備えている。
【0028】
耕起ロータ4の上部は、ロータカバー5によって覆われている。また、ロータカバー5の上方には、ハンドル6が設けられている。
図1に示すように、ハンドル6は、後上がりに延びている。
【0029】
図1及び
図3に示すように、耕起ロータ4の後方には、畝立てマット7が設けられている。
図3及び
図4に示すように、畝立てマット7は、板状の部材であり、可撓性を有するゴム板等により構成されている。
【0030】
また、
図3及び
図4に示すように、畝立てマット7の後側には、規制機構8が隣接配置されている。規制機構8は、基本規制部材13、選択部14、複数の規制部材15を有している。基本規制部材13は、ボルトb1によって、畝立てマット7の後面における左右方向中央側部分に固定されている。
【0031】
このように、歩行型作業機Aは、畝立てマット7の後面における左右方向中央側部分に固定された基本規制部材13を備えている。
【0032】
基本規制部材13及び複数の規制部材15は、非可撓性であり、例えば金属等により構成されている。
【0033】
図3及び
図4に示すように、基本規制部材13は、上端部13cを軸芯として上下揺動可能な状態で設けられている。即ち、畝立てマット7及び基本規制部材13は、上端部13cを軸芯として一体的に上下揺動する。
【0034】
また、
図4に示すように、複数の規制部材15は、畝立てマット7の後面に分散配置された状態で、ボルトb2によって固定されている。そして、複数の規制部材15は、基本規制部材13の左右に振り分け配置されている。
【0035】
このように、歩行型作業機Aは、畝立てマット7の後面に分散配置された状態で固定された複数の規制部材15を備えている。
【0036】
本実施形態においては、
図4に示すように、複数の規制部材15は、第1規制部材151及び第2規制部材152により構成されている。第1規制部材151は、基本規制部材13の左側に配置されている。また、第2規制部材152は、基本規制部材13の右側に配置されている。
【0037】
また、
図1及び
図3に示すように、歩行型作業機Aの後部には、ブラケット10及び抵抗棒9が設けられている。ブラケット10は、幅狭の角パイプ状である。また、ブラケット10は、ロータカバー5の後部を貫通する状態で設けられている。
【0038】
抵抗棒9は、上下方向に延びる棒状の部材であり、ブラケット10に挿入された状態で設けられている。また、
図3に示すように、ブラケット10の左側面には、開口部10aが設けられている。そして、開口部10aには、固定ピン11が挿入されている。
【0039】
図3に示すように、抵抗棒9には、複数の固定孔9aが設けられている。そして、固定ピン11が、複数の固定孔9aのうちの一つに挿入されることによって、抵抗棒9は、ブラケット10に固定される。
【0040】
図1に示すように、抵抗棒9は、側面視において、耕起ロータ4の後部と重複する位置に設けられている。そして、抵抗棒9が圃場に接地することによって、圃場面に対する耕起ロータ4の高さが規定される。
【0041】
図3に示すように、基本規制部材13の下部には、規制機構固定ピン19が固定されている。規制機構固定ピン19は、下方に延びる状態で設けられている。また、抵抗棒9の下部には、基板20が固定されている。基板20は、後方へ張り出す状態で設けられている。そして、基板20には、ピン孔20aが設けられている。
【0042】
図3に示すように、規制機構固定ピン19がピン孔20aに挿入されることによって、基本規制部材13と抵抗棒9とが連結される。これにより、基本規制部材13の上下揺動は規制される。
【0043】
耕起ロータ4により耕起された耕耘土は、耕耘装置1の前進に伴い、畝立てマット7へ前側から作用する。このとき、基本規制部材13と抵抗棒9とが連結されていれば、
図4、
図6、
図7に示すように、規制機構8によって、畝立てマット7における左右方向の中央側部分の後方への移動は規制される。一方で、畝立てマット7における左右両側部分の後方への移動は規制されていない。
【0044】
このため、
図4に示すように、畝立てマット7における左右両側部分は、後方へ折れ曲がる。即ち、規制機構8によって、畝立てマット7における左右両側部分の後方への折れ曲がり線が規定される。そして、
図6及び
図7に示すように、畝立てマット7の左右両側に畝が形成される。
【0045】
このように、歩行型作業機Aは、耕起ロータ4の後方に設けられると共に、可撓性を有し、左右両側に畝を形成する畝立てマット7を備えている。
【0046】
〔整地板の構成〕
図1に示すように、規制機構8の後側には、整地板12が設けられている。整地板12は、上端部12aを軸芯として上下揺動可能な状態で設けられている。そして、整地板12は、
図1に実線及び仮想線で示すように、使用状態と非使用状態とに亘って揺動可能である。
【0047】
整地板12は、使用状態であるとき、畝立てマット7の後側に隣接している。また、整地板12は、非使用状態であるとき、使用状態よりも高い位置に振り上げられている。
【0048】
整地板12が使用状態である場合、耕耘装置1の前進に伴い、整地板12の下端部12bによって、圃場の表面が均平される。
【0049】
図4に示すように、基本規制部材13は、左右方向に延びる第1基本規制部131と、上下方向に延びる第2基本規制部132と、を有している。第1基本規制部131は、畝立てマット7の後面における左右方向中央側部分の上部に固定されている。第2基本規制部132は、第1基本規制部131における左右方向中央部から下方へ延びる状態で設けられている。そして、第2基本規制部132には、保持具21が固定されている。
【0050】
第1基本規制部131には、スリット部131aが形成されている。これにより、スリット部131aが形成されていない場合に比べて、第1基本規制部131は軽量となっている。
【0051】
また、
図3に示すように、整地板12には、挟持部材22及びフック部材23が設けられている。挟持部材22は、保持具21と嵌合可能である。
図1に示すように、挟持部材22と保持具21とを嵌合させることによって、使用状態の整地板12が保持具21に連結される。そして、これにより、整地板12が使用状態に状態保持される。
【0052】
図3に示すように、ブラケット10の後部には、凹部10bが設けられている。また、フック部材23の一端が、揺動可能な状態で、整地板12の後側の面に支持されている。そして、フック部材23の遊端部は、凹部10bに係合可能な形状を有している。
【0053】
また、
図3に示すように、挟持部材22と保持具21との嵌合が解除されている状態で、フック部材23の遊端部を凹部10bに係合させることによって、整地板12が非使用状態に状態保持される。
【0054】
〔規制機構の構成〕
図4に示すように、第1規制部材151における幅方向内側の縁部151aの形状は、第1規制部材151の幅方向内側に隣り合う基本規制部材13における幅方向外側の縁部13aの形状に沿っている。
【0055】
また、第2規制部材152における幅方向内側の縁部152aの形状は、第2規制部材152の幅方向内側に隣り合う基本規制部材13における幅方向外側の縁部13bの形状に沿っている。
【0056】
また、選択部14は、第1選択部141及び第2選択部142により構成されている。第1選択部141は、第1基本規制部131における左側部分に支持されている。また、第2選択部142は、第1基本規制部131における右側部分に支持されている。
【0057】
そして、選択部14は、複数の規制部材15から、何れか一つの規制部材15、または、規制部材15の組み合わせを選ぶことが可能であるように構成されている。
【0058】
このように、歩行型作業機Aは、複数の規制部材15から、何れか一つの規制部材15、または、規制部材15の組み合わせを選ぶことが可能な選択部14を備えている。
【0059】
選択部14について詳述すると、第1選択部141は、略L字型の形状を有している。そして、第1選択部141は、係止部141aと、操作部141bと、を有している。係止部141aは、機体左右方向に延びる状態で設けられている。操作部141bは、係止部141aの右端部から、係止部141aの長手方向と直交する方向に延びている。
【0060】
また、第2選択部142も、略L字型の形状を有している。そして、第2選択部142は、係止部142aと、操作部142bと、を有している。係止部142aは、機体左右方向に延びる状態で設けられている。操作部142bは、係止部142aの左端部から、係止部142aの長手方向と直交する方向に延びている。
【0061】
そして、
図4及び
図5に示すように、第1基本規制部131における左側部分の下部に、第1筒状支持部133が固定されている。また、第1基本規制部131における右側部分の下部に、第2筒状支持部134が固定されている。第1筒状支持部133及び第2筒状支持部134は、何れも、筒状に形成されると共に、機体左右方向に開口している。
【0062】
第1選択部141における係止部141aは、操作部141bが第1筒状支持部133よりも右側に位置する状態で、第1筒状支持部133に挿入されている。また、第2選択部142における係止部142aは、操作部142bが第2筒状支持部134よりも左側に位置する状態で、第2筒状支持部134に挿入されている。
【0063】
この構成により、第1選択部141は、第1筒状支持部133を介して、基本規制部材13に支持されている。また、第2選択部142は、第2筒状支持部134を介して、基本規制部材13に支持されている。
【0064】
また、この構成により、第1選択部141及び第2選択部142は、何れも、機体左右方向にスライド移動可能な状態で、基本規制部材13に支持されている。また、第1選択部141は、機体左右方向に沿う軸芯P1周りに回動可能である。また、第2選択部142は、機体左右方向に沿う軸芯P2周りに回動可能である。尚、軸芯P1は第1筒状支持部133の中心を通っており、軸芯P2は第2筒状支持部134の中心を通っている。
【0065】
図4及び
図5に示すように、第1基本規制部131における左側部分の下端部に、第1突部135が立設されている。また、第1基本規制部131における右側部分の下端部に、第2突部136が立設されている。第1突部135及び第2突部136は、何れも、機体後方へ向けて突出する状態で設けられている。
【0066】
また、第1筒状支持部133の右隣の位置に、第1付勢機構137が設けられている。第1付勢機構137は、下方向き姿勢の操作部141bが前方へ揺動する方向へ、第1選択部141を軸芯P1周りに付勢するように構成されている。
【0067】
また、第2筒状支持部134の左隣の位置に、第2付勢機構138が設けられている。第2付勢機構138は、下方向き姿勢の操作部142bが前方へ揺動する方向へ、第2選択部142を軸芯P2周りに付勢するように構成されている。
【0068】
〔第1選択部及び第2選択部のスライド移動について〕
ここで、第1選択部141のスライド移動について詳述する。第1選択部141が、
図4に実線で示す位置に位置しているとき、操作部141bの右端部が、第1突部135に接当している。この状態においては、第1選択部141の右側へのスライド移動は、第1突部135によって規制されている。
【0069】
この状態において、作業者が操作部141bを手で保持し、第1付勢機構137の付勢力に抗して、操作部141bを後方へ揺動させることにより、操作部141bが後方向き姿勢となり、操作部141bの右端部が第1突部135に接当しない状態となる。これにより、第1選択部141の右側へのスライド移動が可能となる。
【0070】
そして、第1選択部141を右側へスライドさせた後、作業者が操作部141bから手を離すと、第1付勢機構137の付勢力により、操作部141bは下方へ揺動し、下方向き姿勢となる。これにより、第1選択部141は、
図4に仮想線で示す位置に位置する。
【0071】
第1選択部141が、
図4に仮想線で示す位置に位置しているとき、操作部141bの左端部が、第1突部135に接当している。この状態においては、第1選択部141の左側へのスライド移動は、第1突部135によって規制されている。
【0072】
この状態において、作業者が操作部141bを手で保持し、第1付勢機構137の付勢力に抗して、操作部141bを後方へ揺動させることにより、操作部141bが後方向き姿勢となり、操作部141bの左端部が第1突部135に接当しない状態となる。これにより、第1選択部141の左側へのスライド移動が可能となる。
【0073】
そして、第1選択部141を左側へスライドさせた後、作業者が操作部141bから手を離すと、第1付勢機構137の付勢力により、操作部141bは下方へ揺動し、下方向き姿勢となる。これにより、第1選択部141は、
図4に実線で示す位置に位置する。
【0074】
以上で説明したように、作業者は、操作部141bを操作することにより、第1選択部141の位置を変更することができる。即ち、操作部141bの操作によって、第1選択部141における係止部141aのスライド移動を操作することができる。
【0075】
そして、第1選択部141が、
図4に実線で示す位置に位置しているとき、係止部141aは、第1規制部材151の後側に位置する。このとき、第1規制部材151は、第1選択部141によって選択された状態である。第1規制部材151が選択されているとき、第1規制部材151の後方への移動は、係止部141aによって規制される。
【0076】
また、第1選択部141が、
図4に仮想線で示す位置に位置しているとき、係止部141aは、第1規制部材151の後側に位置しない。このとき、第1規制部材151は、第1選択部141によって選択されていない状態である。第1規制部材151が選択されていないとき、第1規制部材151の後方への移動は、係止部141aによって規制されない。
【0077】
また、第2選択部142のスライド移動については、以上で説明した第1選択部141のスライド移動と同様である。即ち、操作部142bの操作によって、第2選択部142における係止部142aのスライド移動を操作することができる。そして、第2選択部142が、
図4に実線で示す位置に位置しているとき、係止部142aは、第2規制部材152の後側に位置する。このとき、第2規制部材152は、第2選択部142によって選択された状態である。第2規制部材152が選択されているとき、第2規制部材152の後方への移動は、係止部142aによって規制される。
【0078】
また、第2選択部142が、
図4に仮想線で示す位置に位置しているとき、係止部142aは、第2規制部材152の後側に位置しない。このとき、第2規制部材152は、第2選択部142によって選択されていない状態である。第2規制部材152が選択されていないとき、第2規制部材152の後方への移動は、係止部142aによって規制されない。
【0079】
このように、選択部14は、基本規制部材13に支持されていると共に、スライド移動可能な係止部141a、142aと、係止部141a、142aを操作する操作部141b、142bと、を有している。
【0080】
また、選択部14は、係止部141a、142aのスライド移動により、係止部141a、142aが規制部材15の後側に位置する姿勢と、係止部141a、142aが規制部材15の後側に位置しない姿勢と、の間で姿勢変更可能である。
【0081】
また、選択部14は、選択部14によって選択された規制部材15の後方への移動を規制する。
【0082】
〔畝立てマットの折れ曲がり〕
図6に示すように、選択部14によって第1規制部材151及び第2規制部材152が何れも選択されている場合、第1規制部材151における機体幅方向外側の縁部151bと、第2規制部材152における機体幅方向外側の縁部152bと、によって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第1折れ曲がり線T1である。
【0083】
そのため、選択部14によって第1規制部材151及び第2規制部材152が何れも選択されている場合、
図6に示すように、畝の側面は、第1折れ曲がり線T1に沿う形状に形成される。
【0084】
このように、各規制部材15における機体幅方向外側の縁部151b、152bによって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。
【0085】
また、
図7に示すように、選択部14によって第1規制部材151及び第2規制部材152が何れも選択されていない場合、基本規制部材13における機体幅方向外側の縁部13a、13bによって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第2折れ曲がり線T2である。
【0086】
そのため、選択部14によって第1規制部材151及び第2規制部材152が何れも選択されていない場合、
図7に示すように、畝の側面は、第2折れ曲がり線T2に沿う形状に形成される。
【0087】
このように、選択部14によって何れの規制部材15も選ばれていない場合、基本規制部材13における機体幅方向外側の縁部13a、13bによって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。
【0088】
図4、
図6、
図7に示すように、第2折れ曲がり線T2は、第1折れ曲がり線T1よりも急傾斜である。また、畝立てマット7の折れ曲がり線が、第1折れ曲がり線T1である場合と、第2折れ曲がり線T2である場合と、において、畝と畝との間の溝における底部の幅は同一である。
【0089】
そして、畝立てマット7の折れ曲がり線が第1折れ曲がり線T1である場合の畝と畝との間の溝における上端部の幅Wは、畝立てマット7の折れ曲がり線が第2折れ曲がり線T2である場合の畝と畝との間の溝における上端部の幅Yよりも幅広である。
【0090】
〔接当部に関する構成〕
図8及び
図9に示すように、ロータカバー5は、カバー本体部50及び後端部フレーム51を有している。後端部フレーム51は、カバー本体部50の後端部に、ボルトb3によって締結されている。
図4に示すように、後端部フレーム51は、機体左右方向に延びる状態で設けられている。
【0091】
図4、
図8、
図9に示すように、後端部フレーム51は、左右2つの接当部510を有している。そして、接当部510には、それぞれ、穴510aが形成されている。
【0092】
第1規制部材151の上端部には、第1爪部151cが形成されている。また、第2規制部材152の上端部には、第2爪部152cが形成されている。第1爪部151c及び第2爪部152cは、接当部510における穴510aに挿入可能に構成されている。
【0093】
そして、畝立てマット7のうち、第1規制部材151及び第2規制部材152が重なっている部分は、接当部510に後側から接当可能に構成されている。接当部510により、畝立てマット7のうち、第1規制部材151及び第2規制部材152が重なっている部分の前方への移動が規制される。
【0094】
この構成により、歩行型作業機Aが後進する際等に、畝立てマット7の左右両端部が前方へ移動し、耕起ロータ4に巻き込まれる事態を回避しやすくなる。
【0095】
以上で説明した構成によれば、選択部14によって選択された規制部材15の後方への移動が規制される。そして、選択部14によって選択された規制部材15における機体幅方向外側の縁部151b、152bによって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。
【0096】
即ち、選択する規制部材15を変更することによって、畝立てマット7の折れ曲がり線が変化することとなる。そして、畝立てマット7の折れ曲がり線の変化に伴い、形成される畝の形状も変化する。
【0097】
これにより、以上で説明した構成であれば、選択する規制部材15を変更することによって、形成される畝の形状を変更することができる。
【0098】
〔第1別実施形態〕
上記実施形態では、複数の規制部材15は、第1規制部材151及び第2規制部材152により構成されている。
【0099】
しかしながら、本発明はこれに限定されない。以下では、本発明に係る第1別実施形態について、上記実施形態とは異なる点を中心に説明する。以下で説明している部分以外の構成は、上記実施形態と同様である。また、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付している。
【0100】
図10は、本発明に係る第1別実施形態における規制機構8の構成を示す図である。
図10に示すように、規制機構8は、基本規制部材13、選択部14、複数の規制部材15を有している。
【0101】
そして、この第1別実施形態においては、複数の規制部材15は、第1規制部材151、第2規制部材152、第3規制部材153、第4規制部材154により構成されている。第1規制部材151及び第3規制部材153は、基本規制部材13の左側に配置されている。また、第2規制部材152及び第4規制部材154は、基本規制部材13の右側に配置されている。
【0102】
また、第3規制部材153及び第4規制部材154は、第1規制部材151及び第2規制部材152よりも機体幅方向外側に配置されている。
【0103】
図10に示すように、第1規制部材151における幅方向内側の縁部151aの形状は、第1規制部材151の幅方向内側に隣り合う基本規制部材13における幅方向外側の縁部13aの形状に沿っている。
【0104】
また、第2規制部材152における幅方向内側の縁部152aの形状は、第2規制部材152の幅方向内側に隣り合う基本規制部材13における幅方向外側の縁部13bの形状に沿っている。
【0105】
また、第3規制部材153における幅方向内側の縁部153aの形状は、第3規制部材153の幅方向内側に隣り合う第1規制部材151における幅方向外側の縁部151bの形状に沿っている。
【0106】
また、第4規制部材154における幅方向内側の縁部154aの形状は、第4規制部材154の幅方向内側に隣り合う第2規制部材152における幅方向外側の縁部152bの形状に沿っている。
【0107】
このように、規制部材15における幅方向内側の縁部の形状は、規制部材15の幅方向内側に隣り合う規制部材15における幅方向外側の縁部の形状に沿っている。
【0108】
また、規制部材15における幅方向内側の縁部の形状は、規制部材15の幅方向内側に隣り合う基本規制部材13または規制部材15における幅方向外側の縁部の形状に沿っている。
【0109】
そして、第1選択部141が、
図10に示す位置に位置しているとき、係止部141aは、第1規制部材151及び第3規制部材153の後側に位置する。このとき、第1規制部材151及び第3規制部材153は、第1選択部141によって選択された状態である。第1規制部材151及び第3規制部材153が選択されているとき、第1規制部材151及び第3規制部材153の後方への移動は、係止部141aによって規制される。
【0110】
また、第2選択部142が、
図10に示す位置に位置しているとき、係止部142aは、第2規制部材152及び第4規制部材154の後側に位置する。このとき、第2規制部材152及び第4規制部材154は、第2選択部142によって選択された状態である。第2規制部材152及び第4規制部材154が選択されているとき、第2規制部材152及び第4規制部材154の後方への移動は、係止部142aによって規制される。
【0111】
ここで、選択部14によって第1規制部材151及び第2規制部材152が選択されており、第3規制部材153及び第4規制部材154が選択されていない場合、第1規制部材151における機体幅方向外側の縁部151bと、第2規制部材152における機体幅方向外側の縁部152bと、によって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第1折れ曲がり線T1である。
【0112】
そのため、選択部14によって第1規制部材151及び第2規制部材152が選択されており、第3規制部材153及び第4規制部材154が選択されていない場合、畝の側面は、第1折れ曲がり線T1に沿う形状に形成される。
【0113】
また、選択部14によって第1規制部材151、第2規制部材152、第3規制部材153、第4規制部材154が何れも選択されていない場合、基本規制部材13における機体幅方向外側の縁部13a、13bによって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第2折れ曲がり線T2である。
【0114】
そのため、選択部14によって第1規制部材151、第2規制部材152、第3規制部材153、第4規制部材154が何れも選択されていない場合、畝の側面は、第2折れ曲がり線T2に沿う形状に形成される。
【0115】
また、選択部14によって第1規制部材151、第2規制部材152、第3規制部材153、第4規制部材154が何れも選択されている場合、第3規制部材153における機体幅方向外側の縁部153bと、第4規制部材154における機体幅方向外側の縁部154bと、によって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第3折れ曲がり線T3である。
【0116】
そのため、選択部14によって第1規制部材151、第2規制部材152、第3規制部材153、第4規制部材154が何れも選択されている場合、畝の側面は、第3折れ曲がり線T3に沿う形状に形成される。
【0117】
尚、第1規制部材151における幅方向内側の縁部151aの形状は、第1規制部材151の幅方向内側に隣り合う基本規制部材13における幅方向外側の縁部13aの形状に沿っていなくても良い。
【0118】
また、第2規制部材152における幅方向内側の縁部152aの形状は、第2規制部材152の幅方向内側に隣り合う基本規制部材13における幅方向外側の縁部13bの形状に沿っていなくても良い。
【0119】
また、第3規制部材153における幅方向内側の縁部153aの形状は、第3規制部材153の幅方向内側に隣り合う第1規制部材151における幅方向外側の縁部151bの形状に沿っていなくても良い。
【0120】
また、第4規制部材154における幅方向内側の縁部154aの形状は、第4規制部材154の幅方向内側に隣り合う第2規制部材152における幅方向外側の縁部152bの形状に沿っていなくても良い。
【0121】
〔第2別実施形態〕
上記実施形態では、選択部14は、第1選択部141及び第2選択部142により構成されている。そして、第1選択部141及び第2選択部142は、何れも、略L字型の形状を有している。
【0122】
しかしながら、本発明はこれに限定されない。以下では、本発明に係る第2別実施形態について、上記実施形態とは異なる点を中心に説明する。以下で説明している部分以外の構成は、上記実施形態と同様である。また、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付している。
【0123】
図11は、本発明に係る第2別実施形態における規制機構8の構成を示す図である。
図11に示すように、規制機構8は、基本規制部材13、選択部24、複数の規制部材15を有している。そして、選択部24は、パンタグラフ状に構成されている。
【0124】
選択部24について詳述すると、選択部24は、左右の係止部241a、242aと、上下の操作部241b、242bと、を有している。さらに、選択部24は、第1部材243、第2部材244、第3部材245、第4部材246を有している。第1部材243、第2部材244、第3部材245、第4部材246は、何れも長尺の板状である。
【0125】
図11に示すように、第1部材243、第2部材244、第3部材245、第4部材246は、菱形となるように配置されている。そして、第1部材243の上側端部と、第2部材244の上側端部と、が相対回動可能にピン連結されている。また、第1部材243の下側端部と、第3部材245の上側端部と、が相対回動可能にピン連結されている。また、第2部材244の下側端部と、第4部材246の上側端部と、が相対回動可能にピン連結されている。また、第3部材245の下側端部と、第4部材246の下側端部と、が相対回動可能にピン連結されている。
【0126】
左右の係止部241a、242aのうち、左側の係止部241aは、第1部材243の下側端部と第3部材245の上側端部とのピン連結部位に取り付けられている。また、右側の係止部242aは、第2部材244の下側端部と第4部材246の上側端部とのピン連結部位に取り付けられている。
【0127】
上下の操作部241b、242bのうち、上側の操作部241bは、第1部材243の上側端部と第2部材244の上側端部とのピン連結部位に取り付けられている。また、下側の操作部242bは、第3部材245の下側端部と第4部材246の下側端部とのピン連結部位に取り付けられている。
【0128】
上側の操作部241bは、上下方向に延びる第1長孔13dに沿って、上下方向にスライド操作可能である。また、下側の操作部242bは、上下方向に延びる第2長孔13eに沿って、上下方向にスライド操作可能である。尚、第1長孔13d及び第2長孔13eは、基本規制部材13に形成されている。
【0129】
図11に示すように、作業者が、上下の操作部241b、242bを上下方向にスライド操作することにより、左右の係止部241a、242aが左右方向にスライド移動する。
【0130】
ここで、左右の係止部241a、242aのスライド移動について詳述する。選択部24が、
図11に実線で示す姿勢であるとき、作業者が上下の操作部241b、242bを手で保持し、上下の操作部241b、242bが互いに近接する方向にスライド操作することにより、第1部材243、第2部材244、第3部材245、第4部材246の姿勢が変化する。
【0131】
これにより、第1部材243、第2部材244、第3部材245、第4部材246により形成されている菱形の上下幅が狭まり、左右幅が広がる。これに伴い、左右の係止部241a、242aが、機体左右方向外側へスライド移動する。
【0132】
その結果、選択部24は
図11に仮想線で示す姿勢となる。
【0133】
また、選択部24が、
図11に仮想線で示す姿勢であるとき、作業者が上下の操作部241b、242bを手で保持し、上下の操作部241b、242bが互いに離間する方向にスライド操作することにより、第1部材243、第2部材244、第3部材245、第4部材246の姿勢が変化する。
【0134】
これにより、第1部材243、第2部材244、第3部材245、第4部材246により形成されている菱形の上下幅が広がり、左右幅が狭まる。これに伴い、左右の係止部241a、242aが、機体左右方向内側へスライド移動する。
【0135】
その結果、選択部24は
図11に実線で示す姿勢となる。
【0136】
選択部24が、
図11に仮想線で示す位置に位置しているとき、左右の係止部241a、242aは、第1規制部材151及び第2規制部材152の後側に位置する。このとき、第1規制部材151及び第2規制部材152は、選択部24によって選択された状態である。第1規制部材151及び第2規制部材152が選択されているとき、第1規制部材151及び第2規制部材152の後方への移動は、左右の係止部241a、242aによって規制される。
【0137】
そして、選択部24によって第1規制部材151及び第2規制部材152が何れも選択されている場合、第1規制部材151における機体幅方向外側の縁部151bと、第2規制部材152における機体幅方向外側の縁部152bと、によって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第1折れ曲がり線T1である。
【0138】
そのため、選択部24によって第1規制部材151及び第2規制部材152が何れも選択されている場合、畝の側面は、第1折れ曲がり線T1に沿う形状に形成される。
【0139】
また、選択部24が、
図11に実線で示す位置に位置しているとき、左右の係止部241a、242aは、第1規制部材151及び第2規制部材152の後側に位置しない。このとき、第1規制部材151及び第2規制部材152は、選択部24によって選択されていない状態である。第1規制部材151及び第2規制部材152が選択されていないとき、第1規制部材151及び第2規制部材152の後方への移動は、左右の係止部241a、242aによって規制されない。
【0140】
そして、選択部24によって第1規制部材151及び第2規制部材152が何れも選択されていない場合、基本規制部材13における機体幅方向外側の縁部13a、13bによって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第2折れ曲がり線T2である。
【0141】
そのため、選択部24によって第1規制部材151及び第2規制部材152が何れも選択されていない場合、畝の側面は、第2折れ曲がり線T2に沿う形状に形成される。
【0142】
〔第3別実施形態〕
上記実施形態では、選択部14は、第1選択部141及び第2選択部142により構成されている。そして、第1選択部141及び第2選択部142は、何れも、略L字型の形状を有している。
【0143】
しかしながら、本発明はこれに限定されない。以下では、本発明に係る第3別実施形態について、上記実施形態とは異なる点を中心に説明する。以下で説明している部分以外の構成は、上記実施形態と同様である。また、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付している。
【0144】
図12は、本発明に係る第3別実施形態における規制機構8の構成を示す図である。
図12に示すように、規制機構8は、基本規制部材33、選択部34、複数の規制部材35を有している。
【0145】
基本規制部材33は、台形状に形成されている。また、複数の規制部材35は、第1規制部材351及び第2規制部材352により構成されている。第1規制部材351は、基本規制部材33の左側に配置されている。また、第2規制部材352は、基本規制部材33の右側に配置されている。
【0146】
そして、基本規制部材33と第1規制部材351とは、第1丁番36により連結されている。また、基本規制部材33と第2規制部材352とは、第2丁番37により連結されている。第1丁番36及び第2丁番37により、畝立てマット7のうち、第1規制部材351及び第2規制部材352が重なっている部分の前方への移動が規制される。
【0147】
この構成により、歩行型作業機Aが後進する際等に、畝立てマット7の左右両端部が前方へ移動し、耕起ロータ4に巻き込まれる事態を回避しやすくなる。
【0148】
また、
図12に示すように、選択部34は、第1選択部341及び第2選択部342により構成されている。そして、第1選択部341及び第2選択部342は、何れも、棒状に形成されている。
【0149】
第1選択部341は、ロータカバー5の後端部における左側部分に支持されている。また、第2選択部342は、ロータカバー5の後端部における右側部分に支持されている。
【0150】
第1選択部341は、係止部341aと、操作部341bと、を有している。係止部341aは、第1選択部341における下側部分に設けられている。また、操作部341bは、第1選択部341における上側部分に設けられている。
【0151】
第2選択部342は、係止部342aと、操作部342bと、を有している。係止部342aは、第2選択部342における下側部分に設けられている。また、操作部342bは、第2選択部342における上側部分に設けられている。
【0152】
そして、
図12に示すように、第1選択部341は、機体前後方向に沿う軸芯P3周りに左右揺動可能である。また、第2選択部342は、機体前後方向に沿う軸芯P4周りに左右揺動可能である。
【0153】
ここで、第1選択部341の左右揺動について詳述する。第1選択部341が、
図12に仮想線で示す位置に位置しているとき、作業者が操作部341bを手で保持し、第1選択部341を左方へ揺動させることにより、第1選択部341は、
図12に実線で示す位置に位置する。
【0154】
第1選択部341が、
図12に実線で示す位置に位置しているとき、作業者が操作部341bを手で保持し、第1選択部341を右方へ揺動させることにより、第1選択部341は、
図12に仮想線で示す位置に位置する。
【0155】
以上で説明したように、作業者は、操作部341bを操作することにより、第1選択部341の位置を変更することができる。即ち、操作部341bの操作によって、第1選択部341における係止部341aの左右揺動を操作することができる。
【0156】
そして、第1選択部341が、
図12に実線で示す位置に位置しているとき、係止部341aは、第1規制部材351の後側に位置する。このとき、第1規制部材351は、第1選択部341によって選択された状態である。第1規制部材351が選択されているとき、第1規制部材351の後方への移動は、係止部341aによって規制される。
【0157】
また、第1選択部341が、
図12に仮想線で示す位置に位置しているとき、係止部341aは、第1規制部材351の後側に位置しない。このとき、第1規制部材351は、第1選択部341によって選択されていない状態である。第1規制部材351が選択されていないとき、第1規制部材351の後方への移動は、係止部341aによって規制されない。
【0158】
また、第2選択部342の左右揺動については、以上で説明した第1選択部341の左右揺動と同様である。即ち、操作部342bの操作によって、第2選択部342における係止部342aの左右揺動を操作することができる。そして、第2選択部342が、
図12に実線で示す位置に位置しているとき、係止部342aは、第2規制部材352の後側に位置する。このとき、第2規制部材352は、第2選択部342によって選択された状態である。第2規制部材352が選択されているとき、第2規制部材352の後方への移動は、係止部342aによって規制される。
【0159】
また、第2選択部342が、
図12に仮想線で示す位置に位置しているとき、係止部342aは、第2規制部材352の後側に位置しない。このとき、第2規制部材352は、第2選択部342によって選択されていない状態である。第2規制部材352が選択されていないとき、第2規制部材352の後方への移動は、係止部342aによって規制されない。
【0160】
図12に実線で示すように、選択部34によって第1規制部材351及び第2規制部材352が選択されている場合、第1規制部材351における機体幅方向外側の縁部351bと、第2規制部材352における機体幅方向外側の縁部352bと、によって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第4折れ曲がり線T4である。
【0161】
そのため、選択部34によって第1規制部材351及び第2規制部材352が選択されている場合、畝の側面は、第4折れ曲がり線T4に沿う形状に形成される。
【0162】
また、
図12に仮想線で示すように、選択部34によって第1規制部材351及び第2規制部材352が何れも選択されていない場合、基本規制部材33における機体幅方向外側の縁部33a、33bによって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第5折れ曲がり線T5である。
【0163】
そのため、選択部34によって第1規制部材351及び第2規制部材352が何れも選択されていない場合、畝の側面は、第5折れ曲がり線T5に沿う形状に形成される。
【0164】
〔第4別実施形態〕
上記実施形態では、選択部14は、第1選択部141及び第2選択部142により構成されている。そして、第1選択部141及び第2選択部142は、何れも、略L字型の形状を有している。
【0165】
しかしながら、本発明はこれに限定されない。以下では、本発明に係る第4別実施形態について、上記実施形態とは異なる点を中心に説明する。以下で説明している部分以外の構成は、上記実施形態と同様である。また、上記実施形態と同様の構成については、同じ符号を付している。
【0166】
図13は、本発明に係る第4別実施形態における規制機構8の構成を示す図である。
図13に示すように、規制機構8は、選択部44、複数の規制部材45を有している。尚、本発明に係る第4別実施形態においては、上記実施形態における基本規制部材13に相当する部材は設けられていない。
【0167】
複数の規制部材45は、第1規制部材451、第2規制部材452、第3規制部材453、第4規制部材454により構成されている。第1規制部材451及び第3規制部材453は、畝立てマット7における左側部分に固定されている。また、第2規制部材452及び第4規制部材454は、畝立てマット7における右側部分に固定されている。
【0168】
そして、第3規制部材453及び第4規制部材454は、第1規制部材451及び第2規制部材452よりも機体幅方向外側に配置されている。
【0169】
また、
図13に示すように、選択部44は、第1選択部441、第2選択部442、第1筒状部443、第2筒状部444、支持部445を有している。第1選択部441及び第2選択部442は、何れも、棒状に形成されている。
【0170】
支持部445は、上下方向に延びる状態で設けられている。支持部445の上端部は、ロータカバー5の後端部に支持されている。そして、第1筒状部443は、支持部445の下端部から左方に延びる状態で設けられている。また、第2筒状部444は、支持部445の下端部から右方に延びる状態で設けられている。
【0171】
第1筒状部443及び第2筒状部444は、何れも、筒状に形成されている。そして、第1選択部441は第1筒状部443に挿入されている。また、第2選択部442は第2筒状部444に挿入されている。
【0172】
この構成により、第1選択部441及び第2選択部442は、何れも、機体左右方向にスライド移動可能な状態で、第1筒状部443及び第2筒状部444に支持されている。
【0173】
第1選択部441が、
図13に仮想線で示す位置に位置しているとき、第1選択部441は、第1規制部材451及び第3規制部材453の後側に位置している。このとき、第1規制部材451及び第3規制部材453は第1選択部441によって選択された状態である。
【0174】
第1規制部材451及び第3規制部材453が第1選択部441によって選択されているとき、第1規制部材451及び第3規制部材453の後方への移動は第1選択部441によって規制される。
【0175】
また、第2選択部442が、
図13に仮想線で示す位置に位置しているとき、第2選択部442は、第2規制部材452及び第4規制部材454の後側に位置している。このとき、第2規制部材452及び第4規制部材454は第2選択部442によって選択された状態である。
【0176】
第2規制部材452及び第4規制部材454が第2選択部442によって選択されているとき、第2規制部材452及び第4規制部材454の後方への移動は第2選択部442によって規制される。
【0177】
選択部44によって第1規制部材451、第2規制部材452、第3規制部材453、第4規制部材454が選択されている場合、第3規制部材453における機体幅方向外側の縁部453bと、第4規制部材454における機体幅方向外側の縁部454bと、によって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第6折れ曲がり線T6である。
【0178】
そのため、選択部44によって第1規制部材451、第2規制部材452、第3規制部材453、第4規制部材454が選択されている場合、畝の側面は、第6折れ曲がり線T6に沿う形状に形成される。
【0179】
第1選択部441が、
図13に実線で示す位置に位置しているとき、第1選択部441は、第1規制部材451の後側に位置しており、第3規制部材453の後側に位置していない。このとき、第1規制部材451は第1選択部441によって選択された状態であり、第3規制部材453は第1選択部441によって選択されていない状態である。
【0180】
第1規制部材451が第1選択部441によって選択されており、第3規制部材453が第1選択部441によって選択されていないとき、第1規制部材451の後方への移動は第1選択部441によって規制され、第3規制部材453の後方への移動は第1選択部441によって規制されない。
【0181】
また、第2選択部442が、
図13に実線で示す位置に位置しているとき、第2選択部442は、第2規制部材452の後側に位置しており、第4規制部材454の後側に位置していない。このとき、第2規制部材452は第2選択部442によって選択された状態であり、第4規制部材454は第2選択部442によって選択されていない状態である。
【0182】
第2規制部材452が第2選択部442によって選択されており、第4規制部材454が第2選択部442によって選択されていないとき、第2規制部材452の後方への移動は第2選択部442によって規制され、第4規制部材454の後方への移動は第2選択部442によって規制されない。
【0183】
選択部44によって第1規制部材451及び第2規制部材452が選択されており、第3規制部材453及び第4規制部材454が選択されていない場合、第1規制部材451における機体幅方向外側の縁部451bと、第2規制部材452における機体幅方向外側の縁部452bと、によって、畝立てマット7の折れ曲がり線が規定される。このときの折れ曲がり線は、第7折れ曲がり線T7である。
【0184】
そのため、選択部44によって第1規制部材451及び第2規制部材452が選択されており、第3規制部材453及び第4規制部材454が選択されていない場合、畝の側面は、第7折れ曲がり線T7に沿う形状に形成される。
【0185】
〔その他の実施形態〕
(1)2つの接当部510は設けられていなくても良い。
【0186】
(2)後端部フレーム51は設けられていなくても良い。
【0187】
(3)第1規制部材151における幅方向内側の縁部151aの形状は、第1規制部材151の幅方向内側に隣り合う基本規制部材13における幅方向外側の縁部13aの形状に沿っていなくても良い。
【0188】
(4)第2規制部材152における幅方向内側の縁部152aの形状は、第2規制部材152の幅方向内側に隣り合う基本規制部材13における幅方向外側の縁部13bの形状に沿っていなくても良い。
【0189】
(5)規制部材15の設けられる個数は、3つであっても良いし、5つ以上であっても良い。
【0190】
(6)抵抗棒9の代わりに、高さ変更可能な尾輪が設けられていても良い。
【0191】
(7)畝立てマット7及び基本規制部材13は、上下揺動不能な状態で、耕起ロータ4の後方に設けられていても良い。
【0192】
(8)基本規制部材13は、畝立てマット7の後面に固定されていなくても良い。例えば、基本規制部材13は、支持部材を介してロータカバー5に支持されており、畝立てマット7の後方に配置されていても良い。また、基本規制部材13は、ロータカバー5に直接的に支持されており、畝立てマット7の後方に配置されていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0193】
本発明は、車輪と耕起ロータとを別々に備える形式の歩行型作業機ばかりではなく、車輪を備えず、耕起ロータのみを備える形式の歩行型作業機にも適用することができる。
【符号の説明】
【0194】
4 耕起ロータ
7 畝立てマット
14、24、34、44 選択部
15、35、45 規制部材
A 歩行型作業機