(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】組立て式栽培ボックス
(51)【国際特許分類】
A01G 9/02 20180101AFI20221209BHJP
A01G 31/00 20180101ALI20221209BHJP
【FI】
A01G9/02 103K
A01G31/00 612
(21)【出願番号】P 2021528388
(86)(22)【出願日】2019-08-16
(86)【国際出願番号】 CN2019100933
(87)【国際公開番号】W WO2020140438
(87)【国際公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-05-20
(31)【優先権主張番号】201910007934.0
(32)【優先日】2019-01-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517149405
【氏名又は名称】福建省中科生物股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】FUJIAN SANAN SINO-SCIENCE PHOTOBIOTECH CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Photoelectric Industrical Park, Hengshan Village, Hutou Town, Anxi County Quanzhou, Fujian 362411, CN
(74)【代理人】
【識別番号】100146374
【氏名又は名称】有馬 百子
(72)【発明者】
【氏名】黎 志銀
(72)【発明者】
【氏名】王 雅縁
(72)【発明者】
【氏名】占 卓
【審査官】坂田 誠
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-19667(JP,A)
【文献】特開2011-206031(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2014/0208642(US,A1)
【文献】登録実用新案第3171466(JP,U)
【文献】国際公開第2012/050067(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/050816(WO,A1)
【文献】特表2018-516821(JP,A)
【文献】特開2019-58097(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01G 9/02
A01G 31/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
層状に積み重ねて配置される2以上の栽培ケースを含み、前記栽培ケースは
、ケース本体
(3)及びケースカバー
(1)を有し、
前記ケースカバー(1)の内部にキャビティが形成され、光源モジュール(8)及び放熱モジュール(13)が前記キャビティ内に設置され、
ケース本体
(3)の底部に接続口
(17)が設けられ、
前記ケースカバー
(1)の上部に接続部
(16)が設けられ、
前記栽培ケースの前記ケースカバー
(1)の上部の
前記接続部
(16)は、
当該栽培ケースの上層に積み重ねられている前記栽培ケースの前記ケース本体
(3)の底部の
前記接続口
(17)と係合
することにより積層接続を実現している
ことを特徴とする、組立て式栽培ボックス。
【請求項2】
前記光源モジュール
(8)は、前記キャビティ内に
間隔をあけて設置された複数のランプを含むことを特徴とする、請求項
1に記載の組立て式栽培ボックス。
【請求項3】
前記放熱モジュール
(13)は
、前記ランプの間に間隔をあけて設置された放熱ダクト
(7)と、放熱ファン
(6)及び放熱フィン
(5)を含み、
前記放熱ダクト
(7)は
、それぞれ前記放熱フィン
(5)に接続され、且つ
前記キャビティ
の壁の
前記放熱ダクト
(7)の
放熱流路入口
(9)と
放熱流路出口
(10)を介して外部と連通し、前記放熱ダクト
(7)内に冷却媒体が流動し、前記冷却媒体は
放熱流路入口
(9)から放熱ダクト
(7)を経て
前記キャビティ内に入り、
前記キャビティ内の熱を吸収した後に
放熱流路出口
(10)から排出され
、
前記放熱ダクト(7)の放熱流路入口
(9)は、当該栽培ケースの前記ケースカバー(1)の上部の前記接続部(16)に接続され、前記放熱ダクトの出口(10)は、当該栽培ケースの前記ケース本体(3)の底部の前記接続口(17)まで延在して前記接続口(17)に接続されている
ことを特徴とする、請求項
2に記載の組立て式栽培ボックス。
【請求項4】
複数の前記ランプが
、平行に且つ取り外し可能にキャビティ内に設置され、前記放熱フィン
(5)は、2つのランプの間に均一に配置され、且つ2つのランプの方向と垂直であり、前記放熱ファン
(6)は
、放熱フィン
(5)の間に設置されることを特徴とする、請求項
3に記載の組立て式栽培ボックス。
【請求項5】
前記ケースカバー
(1)とケース本体
(3)との間に凝縮水収集器
(11)が設けられ、前記凝縮水収集器
(11)は
、前記ケースカバー(1)側からケース本体
(3)側に向かって凸の形状であることを特徴とする、請求項3に記載の組立て式栽培ボックス。
【請求項6】
前記ケースカバー
(1)の上部の
前記接続部
(16)は
、軟質ゴム錐形接続プラグであり、前記ケース本体
(3)の底部の
前記接続口
(17)は
、錐形接続口であることを特徴とする、請求項1に記載の組立て式栽培ボックス。
【請求項7】
層状に積み重ねて配置される2以上の栽培ケースを含み、前記栽培ケースは、ケース本体(3)及びケースカバー(1)を有し、
前記ケースカバー(1)の内部にキャビティが形成され、光源モジュール(8)が前記キャビティ内に設置され、
ケース本体(3)の底部に接続口(17)が設けられ、
前記ケースカバー(1)の上部に接続部(16)が設けられ、
前記栽培ケースの前記ケースカバー(1)の上部の前記接続部(16)は、当該栽培ケースの上層に積み重ねられている前記栽培ケースの前記ケース本体(3)の底部の前記接続口(17)と係合することにより積層接続を実現し、
前記ケース本体(3)内には、放熱モジュール
(25)が内壁の片側に設置され、
前記放熱モジュール
(25)は放熱器本体を含み、放熱器本体の上部に放熱ファン
(6)が設けられ、放熱器本体の側面にそれぞれ冷却液供給口
(22)及び冷却液排出口
(23)が設けられ、前記放熱器本体はさらに複数の放熱フィン
(24)を含み、放熱フィン
(24)はファン吹出口に位置し、前記放熱器本体の底部にさらに凝縮水収集器
(11)が接続されることを特徴とする、請求項1に記載の組立て式栽培ボックス。
【請求項8】
前記ケース本体の側面に観察窓が設けられ、前記ケース本体の上部にL形スライドレールが設けられることを特徴とする、請求項1
または7に記載の組立て式栽培ボックス。
【請求項9】
前記
栽培ケースは、完全密閉式
であるか、または、
前記ケース本体(3)が水槽
として使用されることを特徴とする、請求項1に記載の組立て式栽培ボックス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は植物工場の分野に関し,具体的には組立て式栽培ボックスに関する。
【背景技術】
【0002】
植物工場は現代の施設農業の発展における高度な段階であり、高額な投資、高度な技術、精密な設備による生産システムであり、バイオテクノロジー、エンジニアリング技術及びシステム管理を統括し、将来の農業が発展する方向を代表するものである。
【0003】
植物工場は1957年から現在まで発展してきたが、高額な設備投資はその普及に影響を及ぼす最も顕著な要因になっており、生産性が低い。植物工場の設備投資は主に前期の建設コスト及び後期の運営コストを含み、前期の建設コストの大部分は空調設備システム及び設備の構築に投資される。後期の運用コストが高い主な理由は、大面積のランプ照明によって工場内が高温になるという課題に対して、大型空調設備で絶えず冷却する必要があるため、植物工場の後期の運用における電力消費が大きくなり、運用コストが上昇することである。従来の植物工場の栽培設備は主にパイプライン栽培、ラック栽培及びモジュール栽培であるが、この3種類の形式には、いずれも栽培設備の構築が煩雑で、光線の利用効率が低くコストが高いという問題が存在しており、且つ設備が一旦構築されると変更又は移動が難しく、故障が発生してもメンテナンスがしにくい。生産性が低く、設備投資が高額であることはこれまで述べたとおりであるが、従来の冷却技術はいずれもエアコンを用いて大面積の工場建屋を冷却しており、そのため栽培設備を密集して積み重ねることができないことが、生産性が低い要因でもある。
【0004】
このことから分かるように、現在の植物工場は生産性が低く、栽培設備の構築が煩雑で、光線の利用効率が低く、コストが高く、メンテナンスがしにくく、スペース利用率が低い。本発明は組立て式栽培ボックスを提供し、従来の植物工場に比較して、本発明は植物工場の構築コスト及び運用コストを大幅に削減することができ、スペース配置に対する要件が低く、操作性に優れており、扱いが簡単で、取り付けが不要であり、手間を省き、密集して積み上げることができ、空調システムへの投資を削減して、植物の成長温度をより正確に制御することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記技術的課題を解決するために、組立て式栽培ボックスを提供し、植物工場の構築コスト及び運用コストを削減し、スペース配置に対する要件を低下させ、空調システムへの投資を削減する必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を実現するために、本発明は組立て式栽培ボックスを提供し、少なくとも1つの栽培ケースを含み、前記栽培ケースはケース本体及びケースカバーを有し、前記ケースカバーに光源モジュールが設けられ、前記ケースカバー又はケース本体に放熱モジュールが設けられ、ケース本体の底部に接続口を有し、前記ケースカバーの上部に接続部が設けられ、ケースカバーの上部の接続部はケース本体の底部の接続口と係合し、上下層の栽培ケースの積層はめ込み接続を実現し、前記キャビティ内に光源モジュール及び放熱モジュールが設けられる。
【0007】
さらに、前記栽培ケースの数は2つ以上であり、2つ以上の栽培ケースは、下層の栽培ケースのケースカバーにある接続部を上層の栽培ケースにある接続口にはめ込むことにより積層接続を実現する。
さらに、前記ケースカバーの内部にキャビティが形成され、前記光源モジュール及び放熱モジュールはキャビティ内に設置される。
さらに、前記光源モジュールはキャビティ内に設置された複数のランプを含む。
【0008】
さらに、前記放熱モジュールはランプの間に間隔をあけて設置された放熱ダクト、放熱ファン及び放熱フィンを含み、前記放熱ダクトはそれぞれ前記放熱フィンに接続され、且つキャビティ壁の放熱ダクトの入口と出口を介して外部と連通し、前記放熱ダクト内に冷却媒体が流動し、前記冷却媒体は入口から放熱ダクトを経てキャビティ内に入り、キャビティ内の熱を吸収した後に出口から排出される。
【0009】
さらに、複数の前記ランプは平行に、また取り外し可能にキャビティ内に設置され、前記放熱フィンは2つのランプの間に均一に配置され、且つ2つのランプの方向と垂直であり、前記放熱ファンは放熱フィンの間に設置される。
さらに、前記ケースカバーとケース本体との間に凝縮水収集器が設けられ、前記凝縮水収集器は放熱流路と連通する。
【0010】
さらに,前記ケースカバー上部の接続部は軟質ゴム錐形接続プラグであり,前記ケース本体底部の接続口は錐形接続口である。軟質ゴム錐形接続プラグと錐形接続口を係合することで密封効果を達成し、これにより栽培ケース間の放熱流路の接続を実現して、放熱管路を一つずつ接続するという操作の複雑さを軽減する。
【0011】
さらに、前記放熱モジュールはケース本体内壁の片側に設置され、前記放熱モジュールは放熱器本体を含み、放熱器本体の上部に放熱ファンが設けられ、放熱器本体の側面にそれぞれ冷却液供給口及び冷却液排出口が設けられ、前記放熱器本体はさらに複数の放熱フィンを含み、放熱フィンはファン吹出口に位置し、前記放熱器本体の底部にさらに凝縮水収集器が接続される。
さらに、前記ケース本体の側面に観察窓が設けられる。
さらに、前記ボックス本体の上部にL形スライドレールが設けられる。
さらに、前記ケース本体は完全密閉式、水槽式又は中空式である。
従来技術と比較して、上記技術的解決手段は以下の利点を有する。
【0012】
1.本発明の設備は組み立てが簡単であり、ケースを積み重ねる方式で組立て式栽培ボックスを実現し、栽培設備のコストを削減し、スペース配置のコストが低く、操作性に優れており扱いが簡単である。
2.本発明においてランプは透過性がない栽培ケース内に配置され、光の利用率を向上させ、光の損失を減少させる。
【0013】
3.本発明は独立した冷却システムを設計し、エアコンシステムへの投資を削減することができ、エアコンによる冷却に比較してバランス及び安定性を有し、植物の成長温度をより正確に制御することができる。
4.本発明の組立て式栽培ボックスはスペース利用率が高く且つメンテナンスが容易である。
5.本発明における凝縮水収集装置の設計は凝縮水の循環利用を実現することができ、節水効果を達成する。
【0014】
6.本発明は栽培ケース間のCO2補給管路及び冷却システム管路の接続を実現でき、1つずつ接続するという操作の複雑さを軽減し、CO2補給システムは栽培植物の成長サイクルを短縮し、生産量を効果的に増加して、収益を向上させる。
7.本発明の密閉システムの設計は、植物への水補給を必要とせず、無人運転ができるという機能を実現し、全自動無人工場を実現して、人件費を削減する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】は実施例1の組立て式栽培ボックスにおける各栽培ケースの斜視図である。
【
図2】は実施例1の栽培ケースを重ねた後の栽培ボックスの斜視図である。
【
図3】は実施例1の栽培ケースの上部カバーにある放熱モジュールの概略図である。
【
図4】は実施例1の栽培ケース本体の内部の構造概略図である。
【
図5】は実施例1の栽培ケース本体内の放熱流路の接続概略図である。
【
図6】は放熱流路の接続概略図におけるA位置の部分拡大図である。
【
図7】は放熱流路の接続概略図におけるB位置の部分拡大図である。
【
図8】は実施例1の栽培ケースの上部の構造模式図である。
【
図9】は実施例1のL形スライド溝の拡大概略図である。
【
図10】は実施例1の完全密閉式栽培ケースの図である。
【
図11】は実施例2の水槽式栽培ケースの図である。
【
図12】は実施例3の中空式栽培ケースの図である。
【
図14】は実施例4の放熱モジュールの構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、具体的な実施例と共に図面を参照しながら、技術的解決手段の技術的内容、構造の特徴、実現する目的及び効果について詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
図1-
図10に示すとおり、本実施例は植物工場の分野に応用され、組立て式栽培ボックスであって、栽培ケース本体は全密閉式であり、漢方薬材の栽培に適しており、少なくとも1つの栽培ケースを含み、栽培ケースは栽培ケース本体3及びケースカバー1を有し、ケースカバー1の内部にキャビティが形成され、光源モジュール8及び放熱モジュール13が設けられ、前記光源モジュール8は照明キャビティ21内に設置された複数のランプであり、複数のランプは平行で且つ取り外し可能である。放熱モジュール13はランプの間に設置された放熱ダクト7、放熱ファン6及び放熱フィン5を含み、放熱ダクト7はそれぞれ放熱フィン5に接続され且つキャビティ壁の放熱流路入口9と放熱流路出口10を介して外部と連通し、放熱流路内に冷却媒体が流動し、冷却媒体は放熱流路入口9を介して放熱キャビティ14内に入り、キャビティ内の熱を吸収した後に放熱流路出口10から排出され、放熱フィン5は2つのランプの間に均一に配置され、ランプの方向と垂直であり、放熱ファン6は放熱フィン5の間に設置される。
【0018】
ケース本体の底部に錐形接続口17を有し、上部に軟質ゴム錐形接続部16が設けられ、ケースカバー上部の錐形接続部16は錐形接続口17と係合し、それにより上下層の栽培ケースを積層し、はめ込み接続することができる。ケースカバー1とケース本体3との間に、放熱流路と連通する凝縮水収集器11が設けられ、ケース本体の側面に観察窓2を有し、この窓から植物の成長を観測することができる。ケース本体の上部にL形スライド溝18が設けられ、照明キャビティはL形スライド溝18を介して栽培ケース本体の上部に固定され、単独の栽培ケースに通電するだけで栽培のために使用することができ、又は栽培ケースを重ねた栽培群を形成して工場式の栽培を実現することもできる。
【実施例2】
【0019】
図11に示すとおり、本実施例は植物工場の分野に応用され、組立て式栽培ボックスであって、栽培ケース本体が水槽式である場合、野菜、苗の水耕栽培に適しており、少なくとも1つの栽培ケースを含み、栽培ケースは栽培ケース本体3及びケースカバーを有し、ケースカバーの内部にキャビティが形成され、光源モジュール及び放熱モジュールが設けられ、前記光源モジュールは照明キャビティ内に設置された複数のランプであり、複数のランプは平行で且つ取り外し可能である。放熱モジュールはランプの間に設置された放熱ダクト、放熱ファン及び放熱フィンを含み、放熱ダクトはそれぞれ放熱フィンに接続され且つキャビティ壁の放熱流路入口と放熱流路出口を介して外部と連通し、放熱流路内に冷却媒体が流動し、冷却媒体は放熱流路入口を介して放熱キャビティ14内に入り、キャビティ内の熱を吸収した後に放熱流路出口から排出され、放熱フィンは2つのランプの間に均一に配置され、ランプの方向と垂直であり、放熱ファンは放熱フィンの間に設置される。
【0020】
ケース本体の底部に錐形接続口を有し、上部に軟質ゴム錐形接続部が設けられ、ケースカバー上部の錐形接続部は錐形接続口と係合し、それにより上下層の栽培ケースを積層し、はめ込み接続することができる。ケースカバーとケース本体との間に,放熱流路と連通する凝縮水収集器が設けられ、ケース本体の側面に観察窓を有し、この窓から植物の成長を観測することができる。ケース本体の上部にL形スライド溝が設けられ、照明キャビティはL形スライド溝を介して栽培ケース本体の上部に固定され、単独の栽培ケースに通電するだけで栽培のために使用することができ、又は栽培ケースを重ねた栽培群を形成して工場式の栽培を実現することもできる。
【0021】
本実施例2の基本構造は実施例1とほぼ同じであり、相違点は、
図11に示すように、本実施例の栽培ケース本体3が水槽式であり、即ち該栽培ケース本体3の内部に凹部を有し、水槽として使用されることである。
【実施例3】
【0022】
図12に示すとおり、本実施例は植物工場の分野に応用され、組立て式栽培ボックスであって、栽培ケース本体が中空式である場合、組織培養に適しており、少なくとも1つの栽培ケースを含み、栽培ケースは栽培ケース本体3及びケースカバーを有し、ケースカバーの内部にキャビティが形成され、光源モジュール及び放熱モジュールが設けられ、前記光源モジュールは照明キャビティ内に設置された複数のランプであり、複数のランプは平行で且つ取り外し可能である。放熱モジュールはランプの間に設置された放熱ダクト、放熱ファン及び放熱フィンを含み、放熱ダクトはそれぞれ放熱フィンに接続され且つキャビティ壁の放熱流路入口と放熱流路出口を介して外部と連通し、放熱流路内に冷却媒体が流動し、冷却媒体は放熱流路入口を介して放熱キャビティ14内に入り、キャビティ内の熱を吸収した後に放熱流路出口から排出され、放熱フィンは2つのランプの間に均一に配置され、ランプの方向と垂直であり、放熱ファンは放熱フィンの間に設置される。
【0023】
ケース本体の底部に錐形接続口を有し、上部に軟質ゴム錐形接続部が設けられ、ケースカバー上部の錐形接続部は錐形接続口と係合し、それにより上下層の栽培ケースを積層し、はめ込み接続することができる。ケースカバーとケース本体3との間に、放熱流路と連通する凝縮水収集器が設けられ、ケース本体の側面に観察窓を有し、この窓から植物の成長を観測することができる。ケース本体の上部にL形スライド溝が設けられ、照明キャビティはL形スライド溝を介して栽培ケース本体の上部に固定され、単独の栽培ケースに通電するだけで栽培のために使用することができ、又は栽培ケースを重ねた栽培群を形成して工場式の栽培を実現することもできる。
【0024】
本実施例3の基本構造は実施例1とほぼ同じであり、相違点は、
図12に示すように、本実施例の栽培ケース本体3が中空式であり、即ち該栽培ケース本体3の内部に中空式の凹溝を有することである。
【実施例4】
【0025】
図13及び
図14に示すように、本実施例4と他の実施例との相違点は以下のとおりである。本実施例において、放熱モジュール25は栽培ケース本体3に設置され、前記放熱モジュール25はケース本体内壁の片側に設置され、前記放熱モジュールは放熱器本体を含み、放熱器本体の上部に放熱ファン6が設けられ、放熱器本体の側面にそれぞれ冷却液供給口22及び冷却液排出口23が設けられ、前記放熱器本体はさらに複数の放熱フィン24を含み、放熱フィンはファン吹出口に位置し、前記放熱器本体の底部にさらに凝縮水収集器11が接続される。
【0026】
本発明の有益な効果は以下のとおりである。従来の植物工場と比較して、本発明は密閉システムを設計し,植物への水補給を必要とせず、無人運転ができるという機能を実現している。栽培ケース本体の正面及び背面から見えるように観察窓を設計し、植物の成長を観察しやすい。本発明は複数のケース本体を有し,異なる栽培の要件に応じて異なるケース本体を組み合わせることができ、ケース本体を積み重ねる方式によって組立て式栽培ボックスを実現し、植物工場の建設及び栽培設備のコストを削減する。本発明のCO2補給システムは植物の成長サイクルを短縮し、生産量を効果的に増加して、収益を向上させる。冷却システムは栽培植物の成長温度を安定的に制御でき、空調装置への設備投資及び後期の運用における電力消費を削減する。本発明の凝縮水装置の設置は、凝縮水の循環利用により節水を実現し、光を透過しない栽培ケースの設計は光の利用率を向上させ、全密閉式システムは植物に全密閉の成長環境を提供して、病虫害の発生を減少させる。
【0027】
説明すべき点であるが、本明細書において、第1及び第2などの関係用語は、一つの実体又は操作を他の実体又は操作と区別するために用いられているに過ぎず、必ずしもそれらの実体又は操作の間にいずれかの実際の関係又は順序が存在することを要求又は暗示するものではない。さらに、「含む」、「包含」又はその任意の他の類語には、非排他的な包含を意図しており、これにより一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は端末装置は、それらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素も含まれ、又はさらにそのプロセス、方法、物品又は端末装置に固有の要素も含まれる。より多くの限定がない場合、「…を含む」又は「…を包含する」という語句によって限定される要素は、前記要素を含むプロセス、方法、物品又は端末装置にさらに他の要素が存在することを排除するものではない。また、本明細書において、「より大きい」、「より小さい」、「超える」等はその数を含まないと理解され、「以上」、「以下」、「以内」等はその数を含むものと理解される。
【0028】
上記のとおり各実施例を説明したが、当業者であれば創造的な概念を基本的に理解した後、これらの実施例に対して別の変更及び修正を行うことができ、従ってこれまでの記載は本発明の実施例に過ぎず、本発明の特許の保護範囲を限定するものではなく、本発明の明細書及び図面の内容を利用してなされる等価構造又は等価フローの変換、又は他の関連する技術分野における直接又は間接的な運用は、いずれも本発明の特許の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0029】
1.ケースカバー;2.観察窓;3.栽培ケース;4.積層構造;5.放熱フィン;6.放熱ファン;7.内部に配置された複数列の放熱ダクト;8.光源モジュール;9.放熱流路入口;10.放熱流路出口;11.凝縮水収集器;12.CO2吸気流路;13.放熱モジュール;14.放熱キャビティ;15半透膜;16.軟質ゴム錐形接続部;17.錐形接続口;18.L形スライド溝;19.斜面把持位置;20.フランジストッパ;21.照明キャビティ;22.冷却液供給口;23.冷却液排出口;24.放熱フィン;25.放熱モジュール。