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特許7191222真空圧縮袋に用いる一方向排気通路および当該一方向排気通路を有する真空圧縮袋
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】真空圧縮袋に用いる一方向排気通路および当該一方向排気通路を有する真空圧縮袋
(51)【国際特許分類】
   B65D 30/24 20060101AFI20221209BHJP
【FI】
B65D30/24 D
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021528398
(86)(22)【出願日】2019-11-20
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-18
(86)【国際出願番号】 CN2019119733
(87)【国際公開番号】W WO2020103868
(87)【国際公開日】2020-05-28
【審査請求日】2021-06-25
(31)【優先権主張番号】201811390395.5
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201821929122.9
(32)【優先日】2018-11-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】511024816
【氏名又は名称】中山市太力家庭用品制造有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】石正兵
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-227333(JP,A)
【文献】特開2017-105491(JP,A)
【文献】特表2003-507264(JP,A)
【文献】実開平01-073145(JP,U)
【文献】特許第4586728(JP,B2)
【文献】特開2000-072187(JP,A)
【文献】国際公開第2014/011025(WO,A2)
【文献】中国実用新案第201030995(CN,Y)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 30/24
B65D 33/01
B65D 81/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋本体が二股構造を有する真空圧縮袋に用いられ、前記真空圧縮袋の袋本体は、フロントパーツと、バックパーツと、少なくとも1つの接続パーツと、を含み、そのうち、前記接続パーツが折線に沿って第1接続面と第2接続面に分けられている、真空圧縮袋に用いる一方向排気通路において、
前記一方向排気通路は柔軟な材質であり、真空圧縮袋内に設置され、かつフロントパーツと第1接続面との間、および/またはバックパーツと第2接続面との間に位置しており、前記一方向排気通路は、吸気口と、順に連通している水平空気路、傾斜空気路および垂直空気路と、排気口とを含み、前記水平空気路の片端は袋本体の内部空間と連通する吸気口であり、他端は傾斜空気路と連通しており、真空圧縮袋の袋本体上には外界と連通する排気口が設けられており、前記垂直空気路の底端が前記排気口と連通し、頂端が傾斜空気路と連通することで、水平空気路と傾斜空気路とが接する位置および傾斜空気路と垂直空気路とが接する位置に、少なくとも2つの屈折点が形成されることを特徴とする、
真空圧縮袋に用いる一方向排気通路。
【請求項2】
前記一方向排気通路が、フロントパーツと第1接続面、および/またはバックパーツと第2接続面が圧着されて成ることを特徴とする、請求項1に記載の真空圧縮袋に用いる一方向排気通路。
【請求項3】
前記排気口が、袋本体の底辺/もしくは頂辺上、または側辺の底辺/もしくは頂辺に近い位置に設置されていることを特徴とする、請求項2に記載の真空圧縮袋に用いる一方向排気通路。
【請求項4】
前記一方向排気通路が真空圧縮袋の袋角部分に設置されていることを特徴とする、請求項3に記載の真空圧縮袋に用いる一方向排気通路。
【請求項5】
前記水平空気路は真空圧縮袋本体の頂辺/または底辺に沿って設置されており、前記吸気口は前記真空圧縮袋本体の頂辺/または底辺の中心に向いており、前記排気口は前記真空圧縮袋本体の側辺上の、袋本体の頂辺/または底辺に近接して設置されていることを特徴とする、請求項3に記載の真空圧縮袋に用いる一方向排気通路。
【請求項6】
前記水平空気路は第1水平空気路および第2水平空気路を含み、前記第1水平空気路と第2水平空気路とは互いに平行であり、前記吸気口は前記第1水平空気路の片端に位置し、前記第1水平空気路の他端は第2水平空気路の片端と連通し、かつ第1水平空気路と第2水平空気路との間には屈折点が形成され、水平空気路にU字形構造を形成させており、前記第2水平空気路の他端が傾斜空気路と連通していることを特徴とする、請求項5に記載の真空圧縮袋に用いる一方向排気通路。
【請求項7】
前記傾斜空気路が直線傾斜空気路または弧形傾斜空気路であることを特徴とする、請求項6に記載の真空圧縮袋に用いる一方向排気通路。
【請求項8】
前記吸気口、水平空気路、傾斜空気路、垂直空気路および排気口の直径が20~60mmであることを特徴とする、請求項6に記載の真空圧縮袋に用いる一方向排気通路。
【請求項9】
前記水平空気路/または第1水平空気路、第2水平空気路の長さは40~150mmであり、前記傾斜空気路の長さは100~250mmであり、前記垂直空気路の長さは100~300mmであることを特徴とする、請求項6に記載の真空圧縮袋に用いる一方向排気通路。
【請求項10】
前記傾斜空気路と袋本体の側辺とが鈍角αを形成し、かつαの角度が120°~160°であることを特徴とする、請求項6に記載の真空圧縮袋に用いる一方向排気通路。
【請求項11】
請求項1~10のいずれかに記載の一方向排気通路を含む真空圧縮袋であって、その袋本体は、フロントパーツと、バックパーツと、少なくとも1つの接続パーツと、を含み、前記接続パーツは折線によって第1接続面と第2接続面に分けられており、
前記第1接続面の両側辺はそれぞれ前記フロントパーツの両側辺の少なくとも一端、即ち上段および/または下段と圧着されて第1上側辺または第1下側辺を形成し、第1側辺と総称されており、それに対応して、前記第2接続面の両側辺はそれぞれ前記バックパーツの両側辺の少なくとも一端、即ち上段および/または下段と圧着されて第2上側辺および/または第2下側辺を形成し、第2側辺と総称されており、前記フロントパーツおよびバックパーツの両側辺の残りの部分は互いに圧着されて第3側辺を形成し、前記第1側辺、第2側辺および第3側辺が共同で前記袋本体の側辺を構成しており、前記袋本体の上端、もしくはフロントパーツの頂辺および前記バックパーツの頂辺が袋口を形成し、または前記第2接続面の前記折線に平行な外辺縁と前記バックパーツの頂辺が前記袋本体の袋口を形成しており、袋口部分には袋口を密封するためのファスナー機構が設置されている真空圧縮袋において、前記袋本体内にさらに一方向排気通路が設けられていることを特徴とする、
真空圧縮袋。
【請求項12】
前記接続パーツはトップパーツであり、前記袋本体の上部とともに二股構造を形成しており、前記トップパーツは折線に沿って第1頂面および第2頂面に分けられており、前記第2頂面の前記折線に平行な外辺縁は前記バックパーツの頂辺と圧着されて第1頂辺を形成し、前記第1頂面の前記折線に平行な外辺縁と前記フロントパーツの頂辺との間には袋口が形成されており、前記第1頂面の両側辺はそれぞれ前記フロントパーツの両側辺の上段と圧着されて第1上側辺を形成し、前記第2頂面の両側辺はそれぞれ前記バックパーツの両側辺の上段と圧着されて第2上側辺を形成し、前記フロントパーツおよびバックパーツの両側辺の残りの部分が圧着されて第3側辺を形成していることを特徴とする、請求項11に記載の真空圧縮袋。
【請求項13】
前記第1頂面とフロントパーツの間、および第2頂面とバックパーツの間に形成された4つの袋角部分にそれぞれ1本の前記一方向排気通路が設置されていることを特徴とする、請求項12に記載の真空圧縮袋。
【請求項14】
前記接続パーツはボトムパーツであり、前記袋本体の下部とともに二股構造を形成しており、前記ボトムパーツは折線に沿って第1底面および第2底面に分けられており、前記第1底面の前記折線に平行な外辺縁は前記フロントパーツの底辺と圧着されて第1底辺を形成し、前記第2底面の前記折線に平行な外辺縁と前記バックパーツの底辺との間には第2底辺が形成されており、前記第1底面の両側辺はそれぞれ前記フロントパーツの両側辺の下段と圧着されて第1下側辺を形成し、前記第2底面の両側辺はそれぞれ前記バックパーツの両側辺の下段と圧着されて第2下側辺を形成し、前記フロントパーツおよびバックパーツの両側辺の残りの部分、即ち両側辺を含む中段および上段は互いに圧着されて第3側辺を形成しており、前記第1下側辺、第2下側辺および第3側辺が共同で前記袋本体の側辺を構成しており、前記フロントパーツとバックパーツの頂辺が袋口を形成していることを特徴とする、請求項11に記載の真空圧縮袋。
【請求項15】
前記第1下側辺と第2下側辺とが圧着されて補強側辺を形成していることを特徴とする、請求項14に記載の真空圧縮袋。
【請求項16】
前記第1底面とフロントパーツの間、および第2底面とバックパーツの間に形成された4つの袋角部分にそれぞれ1本の前記一方向排気通路が設置されていることを特徴とする、請求項14に記載の真空圧縮袋。
【請求項17】
前記接続パーツは、それぞれトップパーツとボトムパーツである2つを含み、前記袋本体上部とともに上部と下部が同時に分岐する構造を形成しており、
前記トップパーツは折線に沿って第1頂面および第2頂面に分けられており、前記第2頂面の前記折線に平行な外辺縁は前記バックパーツの頂辺と圧着されて第1頂辺を形成し、前記第1頂面の前記折線に平行な外辺縁と前記フロントパーツの頂辺との間には袋口が形成されており、前記第1頂面の両側辺はそれぞれ前記フロントパーツの両側辺の上段と圧着されて第1上側辺を形成し、前記第2頂面の両側辺はそれぞれ前記バックパーツの両側辺の上段と圧着されて第2上側辺を形成しており、
前記ボトムパーツは折線に沿って第1底面および第2底面に分けられており、前記第1底面の前記折線に平行な外辺縁は前記フロントパーツの底辺と圧着されて第1底辺を形成し、前記第2底面の前記折線に平行な外辺縁と前記バックパーツの底辺との間には第2底辺が形成されており、前記第1底面の両側辺はそれぞれ前記フロントパーツの両側辺の下段と圧着されて第1下側辺を形成し、前記第2底面の両側辺はそれぞれ前記バックパーツの両側辺の下段と圧着されて第2下側辺を形成しており、前記フロントパーツおよびバックパーツの両側辺の残りの部分が圧着されて第3側辺を形成していることを特徴とする、
請求項11に記載の真空圧縮袋。
【請求項18】
前記一方向排気通路の傾斜空気路と袋本体の側辺とが形成する鈍角αの部分に、さらに破れを防止する弧形ホットプレスブロックが設置されていることを特徴とする、請求項11に記載の真空圧縮袋。
【請求項19】
前記第1側辺、第2側辺および第3側辺は合流点Aを形成しており、前記弧形ホットプレスブロックの水平接線と合流点Aとの間の距離は5~20mmであり、前記第1側辺は第1上側辺または第1下側辺であり、前記第2側辺は第2上側辺または第2下側辺であることを特徴とする、請求項18に記載の真空圧縮袋。
【請求項20】
前記トップパーツの頂面には挟持層が設けられており、前記挟持層と前記トップパーツの頂面との間に硬質押さえ板を可動に挿接するための収容空間が形成されていることを特徴とする、請求項12に記載の真空圧縮袋。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は真空圧縮袋の分野に関し、具体的には、真空圧縮袋に用いる一方向排気通路および当該一方向排気通路を有する真空圧縮袋に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の真空圧縮袋にはいずれも真空抽気弁が設置されており、図1~2に示しているのは、ある従来の真空圧縮袋であって、包装袋本体の下部が分岐して、袋本体を直立させることができることを特徴としており、フロントパーツ1と、バックパーツ2と、ボトムパーツ3を含み、前記ボトムパーツ3はフロントパーツ1とバックパーツ2が構成する袋本体の下部に接続されて、袋本体下部のY字形を有する二股構造を形成している。
【0003】
そのうち、前記ボトムパーツ3は折線に沿って第1底面31および第2底面32に分けられている。第1底面31の前記折線に平行な外辺縁はフロントパーツ1の底辺と圧着されており、同様に、前記第2底面32の折線に平行な外辺縁は前記バックパーツ2の底辺と圧着されている。第1底面31の両側辺のX1段はそれぞれ前記フロントパーツ1の両側辺の下段Y1段と圧着され、第2底面32の両側辺X2段はそれぞれ前記バックパーツ2の両側辺の下段Y2段と圧着されており、前記フロントパーツ1の両側辺上段Z1段およびバックパーツ2の両側辺上段Z2段が圧着されて袋本体を構成している。前記フロントパーツ1の頂辺および前記バックパーツ2の頂辺の間には袋口が形成されており、袋口部分にはさらにファスナー機構5が設けられ、袋本体には真空抽気弁4が設けられている。その欠点は以下の通りである。
【0004】
前記真空圧縮袋は、使用時に真空抽気弁を介して真空抽気ポンプと連結しなければ、袋本体を真空にすることができず、使い勝手が非常に悪い。つまり、ユーザは別途、真空抽気ポンプを購入しなければならず、電動真空抽気ポンプの購入を選択した場合は、間違いなく消費者にかなりの予定外の出費をもたらす。安価な手動真空抽気ポンプを使用して空気を抜く場合は、その過程で労力と時間を消費し、しかも排気効率は低く、特にサイズの比較的大きな真空袋の場合は、抽気効率がさらに低く、空気抜きに要する時間がさらに長くなる。
【0005】
上記の技術的欠陥に対して、本発明者は簡単な排気方式を研究し、開発した。つまり、真空圧縮袋の底部に排気のための一方向排気通路を直接に設置したのであるが、研究開発の過程で、一方向排気通路の構造の多くには、排気がスムーズではなく、および/または空気が漏れるといった現象が存在することがわかった。例えば、一方向排気通路が袋本体底部に設置された2本の互いにずらされた空気路の場合(図13、15を参照)、比較的スムーズな排気を実現することはできるが、2、3日経過すると、外界の空気が一方向排気通路を通って袋本体内に逆流してしまうので、一方向排気通路は袋本体の密封性を保証することができない。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の目的は、真空圧縮袋に用いる一方向排気通路を提供することにあり、当該一方向排気通路は設計が簡単で、排気速度が速く、しかも排気後の密封性が高い。
【0007】
本発明の第2の目的は、一方向排気通路を有する真空圧縮袋を提供することにある。
【0008】
本発明の第1の目的は、以下の技術手法によって実現される。
【0009】
袋本体が二股構造を有する真空圧縮袋に用いられる、真空圧縮袋のための一方向排気通路であって、真空圧縮袋の袋本体は、フロントパーツと、バックパーツと、少なくとも1つの接続パーツと、を含み、そのうち、接続パーツは折線に沿って第1接続面と第2接続面に分けられており、
一方向排気通路は柔軟な材質であり、真空圧縮袋内に設置され、かつフロントパーツと第1接続面との間、および/またはバックパーツと第2接続面との間に位置しており、一方向排気通路は、吸気口と、順に連通している水平空気路、傾斜空気路および垂直空気路と、排気口と、を含み、水平空気路の片端は袋本体の内部空間と連通する吸気口であり、他端は傾斜空気路と連通しており、真空圧縮袋の袋本体上には外界と連通する排気口が設けられており、垂直空気路の底端が排気口と連通し、頂端が傾斜空気路と連通することで、水平空気路と傾斜空気路とが接する位置および傾斜空気路と垂直空気路とが接する位置に、少なくとも2つの屈折点が形成されることを特徴としている。
【0010】
好適には、一方向排気通路は、フロントパーツと第1接続面、および/またはバックパーツと第2接続面を圧着して成る。
【0011】
本発明の一方向排気通路は、袋本体の2つの異なる袋パーツを圧着して成り、通路壁は柔軟な袋本体壁であり、真空圧縮袋の排気が完了すると、一方向排気通路が大気圧の作用で平らに圧縮され、一方向排気通路を遮断して、一方向排気通路の密封を実現する。
【0012】
本発明の一方向排気通路は、水平空気路と、傾斜空気路と、垂直空気路と、を組み合わせるように設計されており、傾斜空気路の両端は、吸気口に接続された水平空気路および排気口に接続された垂直空気路とそれぞれ連通しており、排気時に、人為的に袋本体に圧力をかけると、気体を吸気口からスムーズに一方向排気通路に引き込み、水平空気路、傾斜空気路、垂直空気路を順に通過して排気口に到達させることができるので、真空圧縮袋内の気体を比較的楽に外部に排出することができる。その後、真空圧縮袋および一方向排気通路は大気圧の作用下で収縮して平らに圧縮され、一方向排気通路を遮断して密封を実現する。本発明の一方向排気通路には、水平空気路と傾斜空気路とが接する位置および傾斜空気路と垂直空気路とが接する位置に2つの屈折点が形成されているので、気体が一方向排気通路を通過する際に、流動方向を二度変更する必要があり、それによって気体が逆流する難易度が増え、さらに袋本体を密封した後の負圧作用が加わることで、気体が一方向排気通路を通って袋本体内に逆流することが困難になるので、真空圧縮袋の密封性が大幅に向上し、袋本体に真空状態を長く保持させることができる。
【0013】
本発明の接続パーツはボトムパーツでもトップパーツでもよい。接続パーツがボトムパーツの場合、袋本体は下部二股構造となり、接続パーツがトップパーツの場合は、袋本体は上部二股構造となり、接続パーツが2つで、それぞれがトップパーツとボトムパーツである場合は、袋本体の上下部分がそれぞれ二股構造を有する。
【0014】
本発明の排気口は、袋本体の底辺/もしくは頂辺上、または側辺の底辺/もしくは頂辺に近い位置に設置することができる。
【0015】
本発明で推奨している実施形態では、一方向排気通路は真空圧縮袋の角部分に設置されている。真空圧縮袋内の気体がほとんど排出されると、その内部圧力の強さは外部より小さくなり、大気圧の作用で、真空圧縮袋が押されて収縮し変形するが、袋角部分は空間自由度が相対的に大きいので、袋本体が圧縮変形した後でも、その位置が受ける影響は相対的に小さく、そのため、一方向排気通路をこの位置に設置することで、排気口が袋本体の変形によって早々に遮断されにくくなり、真空圧縮袋内の気体をスムーズに外部に排出することを保証する。
【0016】
本発明では、真空圧縮袋内の気体をより速く外部に排出するために、水平空気路が真空圧縮袋本体の頂辺/または底辺に沿って設置され、吸気口は真空圧縮袋本体の頂辺/または底辺の中心に向いており、排気口は真空圧縮袋本体の側辺上の、袋本体の頂辺/または底辺に近接して設置されている。真空圧縮袋が押されて排気を行う過程では、袋本体内部の空気が主に袋本体の頂部または底部の位置に集中しているので、吸気口を真空圧縮袋本体の頂辺/または底辺の中心に向かって設置することで、空気をより迅速に袋本体外部に排出することができる。
【0017】
本発明では、気体が一方向排気通路を通過する際に流動方向を変える回数を増やすことで、気密性をさらに高めている。本発明は、好適には、水平空気路は第1水平空気路および第2水平空気路を含み、第1水平空気路と第2水平空気路とは互いに平行であり、吸気口は第1水平空気路の片端に位置し、第1水平空気路の他端は第2水平空気路の片端と連通し、かつ第1水平空気路と第2水平空気路との間には屈折点が形成され、水平空気路にU字形構造を形成されている。第2水平空気路の他端は傾斜空気路と連通している。このように設計された一方向排気通路は、合計4つの屈折点を形成し、さらに気密性を高めている。
【0018】
本発明の好適な実施形態は以下の通りである。
【0019】
傾斜空気路は直線傾斜空気路でもよいし、弧形傾斜空気路でもよい。直線傾斜空気路であろうと弧形傾斜空気路であろうと、排気および密封の効果を達成することができる。
【0020】
吸気口、水平空気路、傾斜空気路、垂直空気路および排気口の直径は20~60mmである。この範囲内の直径であれば、一方向排気通路に理想的な排気効果を実現させることができる。
【0021】
水平空気路/または第1水平空気路、第2水平空気路の長さは40~150mmであり、傾斜空気路の長さは100~250mmであり、垂直空気路の長さは100~300mmである。この長さであれば、一方向排気通路を十分に長くすることができるので、気体が逆流しにくくなり、真空圧縮袋の密封性がさらに強化される。
【0022】
傾斜空気路と袋本体との側辺は鈍角αを形成し、かつαの角度は120°~160°である。この範囲の角度であれば、理想的な密封効果を実現することができる。
【0023】
本発明の第2の目的は、以下の技術手法によって実現される。
【0024】
一方向排気通路を有する真空圧縮袋であって、その袋本体は、フロントパーツと、バックパーツと、少なくとも1つの接続パーツと、を含み、接続パーツは折線によって第1接続面と第2接続面とに分けられている。
【0025】
第1接続面の両側辺はそれぞれフロントパーツの両側辺の少なくとも一端、即ち上段および/または下段と圧着されて第1上側辺または第1下側辺を形成し、第1側辺と総称されており、それに対応して、第2接続面の両側辺はそれぞれバックパーツの両側辺の少なくとも一端、即ち上段および/または下段と圧着されて第2上側辺および/または第2下側辺を形成し、第2側辺と総称されており、フロントパーツおよびバックパーツの両側辺の残りの部分は互いに圧着されて第3側辺を形成しており、第1側辺、第2側辺および第3側辺が共同で袋本体の側辺を構成しており、袋本体の上端、もしくはフロントパーツの頂辺およびバックパーツの頂辺に袋口が形成され、または第2接続面の折線に平行な外辺縁とバックパーツの頂辺が袋本体の袋口を形成しており、袋口部分には袋口を密封するためのファスナー機構が設置されており、
袋本体内にさらに一方向排気通路が設けられていることを特徴としている。
【0026】
本発明では、フロントパーツと第1接続面との間の圧着、および/またはバックパーツと第2接続面との間の圧着によって一方向排気通路を形成することができる。このようにして形成された一方向排気通路では、物を真空圧縮袋に入れた後、一方向排気通路が早く遮断され過ぎて気体をスムーズに外に排出できないということが起こらない。
【0027】
本発明の真空圧縮袋は、様々な形式を取ることができる。
【0028】
本発明の接続パーツはトップパーツであってよく、袋本体の上部とともに二股構造を形成する。トップパーツは折線に沿って第1頂面および第2頂面に分けられており、第2頂面の折線に平行な外辺縁は、バックパーツの頂辺と圧着されて第1頂辺を形成し、第1頂面の折線に平行な外辺縁とフロントパーツの頂辺との間には袋口が形成されている。第1頂面の両側辺はそれぞれフロントパーツの両側辺の上段と圧着されて第1上側辺を形成し、第2頂面の両側辺はそれぞれバックパーツの両側辺の上段と圧着されて第2上側辺を形成し、フロントパーツおよびバックパーツの両側辺の残りの部分が圧着されて第3側辺を形成している。
【0029】
好適には、第1頂面とフロントパーツとの間、および第2頂面とバックパーツとの間に形成される4つの袋角部分に、それぞれ1本の一方向排気通路が設置されている。このように設計された真空圧縮袋は、真空圧縮袋内部の気体が同時に4本の一方向排気通路を通って外部に排出されることで、押圧による排気の効率を高め、排気をよりスピーディにすることができる。
【0030】
本発明の接続パーツはボトムパーツであってもよく、袋本体の下部とともに二股構造を形成する。ボトムパーツは折線に沿って第1底面および第2底面に分けられており、第1底面の折線に平行な外辺縁はフロントパーツの底辺と圧着されて第1底辺を形成し、第2底面の折線に平行な外辺縁とバックパーツの底辺との間には第2底辺が形成されており、第1底面の両側辺はそれぞれフロントパーツの両側辺の下段と圧着されて第1下側辺を形成し、第2底面の両側辺はそれぞれバックパーツの両側辺の下段と圧着されて第2下側辺を形成し、フロントパーツおよびバックパーツの両側辺の残りの部分、即ち両側辺の中段および上段は互いに圧着されて第3側辺を形成しており、第1下側辺、第2下側辺および第3側辺が共同で袋本体の側辺を構成しており、フロントパーツとバックパーツの頂辺が袋口を形成している。
【0031】
本発明の第1下側辺および第2下側辺は、圧着されて補強側辺を形成している。
【0032】
好適には、第1底面とフロントパーツとの間、および第2底面とバックパーツとの間に形成される4つの袋角部分に、それぞれ1本の一方向排気通路が設置されている。
【0033】
本発明の接続パーツは、トップパーツおよびボトムパーツの2つを含むこともでき、それぞれが袋本体の上部および下部とともに二股構造を形成する。つまり、袋本体は二股構造を有する上部と、二股構造を有する下部の組み合わせである。袋本体の側辺は、第1上側辺、第2上側辺および第3側辺が上部二股を形成し、第1下側辺、第2下側辺および第3側辺が下部二股を形成しており、第3側辺が袋本体側辺の中段となる。
【0034】
本発明は、以下のように改良することもできる。
【0035】
一方向排気通路の傾斜空気路と袋本体の側辺が形成する鈍角αの部分に、さらに破れを防止する弧形ホットプレスブロックを設置する。真空圧縮袋が押圧排気されると、弧形ホットプレスブロックが袋本体の受ける荷重を分担し、応力を分散させて袋本体の強度を高め、袋本体が応力集中部分で破れることを防止するので、真空圧縮袋の使用寿命を向上させることができる。
【0036】
第1側辺、第2側辺および第3側辺は合流点Aを形成しており、一方向排気通路の傾斜空気路の鈍角α側にホットプレス方式で破れを防止する弧形ホットプレスブロックが形成されている状況において、弧形ホットプレスブロックの水平接線と合流点Aとの間の距離は5~20mmであり、この距離範囲内であれば、比較的良好な破れ防止効果がある。第1側辺は第1上側辺または第1下側辺であってよく、第2側辺は第2上側辺または第2下側辺であってよい。
【0037】
好適には、トップパーツの頂面には挟持層が設けられており、挟持層とトップパーツの頂面との間には、硬質押さえ板を可動に挿接するための収容空間が形成されている。
【0038】
本発明を既存の技術を比較すると、以下のような有益な効果がある。
【0039】
1.本発明の一方向排気通路は、真空圧縮袋内に物を詰め込んでも、袋口を密封し、真空圧縮袋を押圧するだけで、袋本体内の空気を一方向排気通路を通して外部に排出することができ、一方向排気通路と袋本体とが、内外の気圧差の作用により押されて変形し、真空密封を実現するので、真空抽気ポンプを別途手配する必要がなく、操作が簡便で、コストが低い。
【0040】
2.本発明の一方向排気通路は少なくとも2つの屈折点を含み、気流が一方向排気通路を通過する際に、少なくとも2回、方向を変更する必要があるので、外部の空気が一方向排気通路を通って袋本体内に進入する難易度が有効に高まり、真空圧縮袋に真空状態を保持させることができる。
【0041】
3.真空圧縮袋が押されて圧縮変形した場合、袋角部分の空間自由度が相対的に大きく、袋本体が圧縮変形した後でも、その位置が受ける影響が相対的に小さいので、一方向排気通路をこの位置に設置することで、袋本体の変形による早過ぎる遮断が困難になり、真空圧縮袋内の気体をスムーズに外部に排出することを保証している。
【0042】
4.本発明では、吸気口を真空圧縮袋本体の頂部/または底部の中心に向かって設置しており、真空圧縮袋が押されて排気を行う過程では、袋本体内部の空気が主に袋本体の頂部または底部寄りの位置に集中しているので、このように設計することで、空気をより迅速に袋本体外部に排出することができる。
【0043】
5.本発明の排気口が袋本体側部の袋本体角部から離れた位置に設けられている場合、合流点A付近の位置で袋本体が圧縮されて排気する際に、空気路が容易に広がり、それにより気体が逆流し、密封効果に影響を及ぼす。そこで、排気口を袋本体の側部または底部の角部に近い位置に設けることで、押圧排気の過程で真空圧縮袋が合流点A部分で破れてしまう問題を有効に防止することができる。
【0044】
6.吸気口、水平空気路、傾斜空気路、垂直空気路および排気口の直径は20~60mmであり、この範囲内の直径であれば、一方向排気通路に理想的な排気効果を実現させることができる。
【0045】
7.水平空気路の長さは40~150mmであり、傾斜空気路の長さは100~250mmであり、垂直空気路の長さは100~300mmであり、この長さであれば、一方向排気通路を十分に長くすることができるので、気体が逆流しにくくなり、真空圧縮袋の密封性がさらに強化される。
【0046】
8.傾斜空気路と袋本体の側辺とが鈍角αを形成し、かつαの角度は120°~160°であり、この範囲の角度であれば、理想的な密封効果を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
以下では、図面を通して本発明についてさらなる説明を行う。
【0048】
図1図1は、二股構造を有する従来の真空圧縮袋の立体概略図である。
図2図2は、二股構造を有する従来の真空圧縮袋の分解概略図である。
図3図3は、実施例1の一方向排気通路を有する真空プラスチック袋の正面図である。
図4図4は、実施例2の一方向排気通路を有する真空プラスチック袋の正面図である。
図5図5は、実施例3の一方向排気通路を有する真空プラスチック袋の正面図1である。
図6図6は、実施例3の一方向排気通路を有する真空プラスチック袋の正面図2である。
図7図7は、実施例4の一方向排気通路を有する真空プラスチック袋の正面図である。
図8図8は、実施例5の一方向排気通路を有する真空プラスチック袋の立体図である。
図9図9は、図8のI部分の拡大図である。
図10図10は、実施例6の一方向排気通路を有する真空プラスチック袋の立体図である。
図11図11は、実施例7の一方向排気通路を有する真空プラスチック袋の立体図である。
図12-16】図12~16は、比較例1~5の一方向排気通路を有する真空プラスチック袋の正面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 フロントパーツ
2 バックパーツ
3 ボトムパーツ
31 第1底面
32 第2底面
4 真空抽気弁
5 ファスナー機構
6 一方向排気通路
60 吸気口
61 水平空気路
611 第1水平空気路
612 第2水平空気路
62 傾斜空気路
63 垂直空気路
64 排気口
7 弧形ホットプレスブロック
81 第1下側辺
82 第2下側辺
83 第3側辺
84 第1上側辺
85 第2上側辺
86 補強側辺
9 トップパーツ
91 第1頂面
92 第2頂面。
【発明を実施するための形態】
【0050】
以下では、具体的な実施例を通して本発明についてさらなる説明を行う。
【0051】
実施例1
図3に示すように、一方向排気通路6は真空圧縮袋内に設置されており、一方向排気通路6は、順に連通している水平空気路61と、傾斜空気路62と、垂直空気路63と、を含み、水平空気路61と傾斜空気路62の接続部分には第1の屈折点が形成され、傾斜空気路62と垂直空気路63の頂端が接続されて第2の屈折点が形成され、水平空気路61の傾斜空気路62から遠い方の一端に吸気口60が設けられている。真空圧縮袋の袋本体上には排気口64が設けられ、垂直空気路63の底端が排気口64と連通している。
【0052】
真空圧縮袋は袋本体が二股構造を有する真空圧縮袋であり、二股構造は袋本体の底部に位置している。真空圧縮袋の袋本体は、フロントパーツ1と、バックパーツ2と、ボトムパーツ3と、を含み、ボトムパーツ3は中央部の折線に沿って第1底面31および第2底面32に分けられており、第1底面31の両側辺はそれぞれフロントパーツ1の両側辺の下端段と圧着されて第1下側辺を形成し、第2底面32の両側辺はそれぞれバックパーツ2の両側辺の下端段と圧着されて第2下側辺を形成し、フロントパーツ1およびバックパーツ2の両側辺の残りの部分が互いに圧着されて第3側辺を形成しており、第1下側辺、第2下側辺および第3側辺が共同で真空圧縮袋の側辺を構成している。
【0053】
フロントパーツ1とバックパーツ2の頂辺の間には袋口が形成されており、袋口部分には袋口を閉じるためのファスナー機構5が設けられている。
【0054】
2本の一方向排気通路6はフロントパーツ1と第1底面31の間に圧着され、それぞれ真空プラスチック袋の左右両側にあり、水平空気路61は袋本体底辺に密着し、垂直空気路63は第1下側辺に密着しており、傾斜空気路62と第3側辺が鈍角αを形成し、αの角度は120°~160°であり、吸気口60は袋本体底辺の中心に向いており、排気口64は第1下側辺の底端に設けられている。使用時には、物を真空圧縮袋の中に入れた後、ファスナー機構5によって袋口を閉じ、真空圧縮袋の袋本体を押圧すると、袋本体内の空気を一方向排気通路6を通して外部に排出することができる。一方向排気通路6の通路壁は柔軟な袋本体壁であり、真空圧縮袋の排気後、一方向排気通路6が大気圧の作用で平らに圧縮され、一方向排気通路6を遮断して、袋本体の密封を実現する。外部の空気が一方向排気通路6を通って袋本体内に逆流しようとすると、一方向排気通路6の第1屈折点と第2屈折点によって空気が流動方向を2回変更しなければならず、巨大な抵抗が形成される。
【0055】
押圧の過程では、袋本体内の気体が袋本体底部の中心位置に集中しやすいので、吸気口60が真空圧縮袋の袋本体底辺の中心に向いていると、袋本体内の空気をよりスピーディに外部に排出することに役立つ。
【0056】
実施例2
図4に示すように、本実施例2と実施例1の違いは次の通りである。
【0057】
一方向排気通路6にはさらに弧形ホットプレスブロック7が設置されており、弧形ホットプレスブロック7は、具体的には傾斜空気路62と第3側辺とによって形成される鈍角αの部分に位置しており、弧形ホットプレスブロック7によって、押圧排気の過程でこの部分に形成される応力の集中が分散される。
【0058】
第1下側辺、第2下側辺および第3側辺は合流点Aを形成しており、弧形ホットプレスブロック7の水平接線と合流点Aとの間の距離はdで、dは5~20mmであり、この距離範囲内であれば、比較的良好な破れ防止効果がある。
【0059】
実施例3
図5に示すように、実施例3と実施例2の違いは次の通りである。
【0060】
水平空気路61は第1水平空気路611および第2水平空気路612を含み、第1水平空気路611と第2水平空気路612は互いに連通しており、第1水平空気路611と第2水平空気路612の間には屈折点が形成され、水平空気路61にU字形構造を形成させている。吸気口60は第1水平空気路611の第2水平空気路612から遠い方の片端に位置しており、第2水平空気路612の第1水平空気路611から遠い方の片端は傾斜空気路62と連通している。
【0061】
このように設計された一方向排気通路6は、屈折点の数が2つから4つに増えており、外部の空気が一方向排気通路6を通って袋本体内に逆流しようとすると、方向を4回変更しなければならず、抵抗がさらに増加して、密封性がアップしている。
【0062】
図6に示すように、第1水平空気路611および第2水平空気路612の長さはL1で、かつL1の長さは40~150mmの間であり、傾斜空気路62の長さはL2で、かつL2の長さは100~250mmの間であり、垂直空気路63の長さはL3で、かつL3の長さは100~300mmの間である。この長さであれば、一方向排気通路6を十分に長くすることができるので、気体が逆流しにくくなり、真空圧縮袋の密封性がさらに強化される。
【0063】
前記吸気口60、水平空気路61、傾斜空気路62、垂直空気路63および排気口64の直径は20~60mmである。この範囲内の直径であれば、一方向排気通路6に理想的な排気効果を実現させることができる。
【0064】
実施例4
図7に示すように、実施例4と実施例3の違いは次の通りである。
【0065】
傾斜空気路62は弧形空気路である。
【0066】
実施例2、実施例3の直線型傾斜空気路62であっても、本実施例4の弧形傾斜空気路62であっても、良好に密封効果を得ることができる。
【0067】
実施例5
図8、9に示すように、実施例5と実施例3の違いは次の通りである。
【0068】
真空圧縮袋の中にはいずれも4本の一方向排気通路6が設置されており、その中の2本の一方向排気通路6はフロントパーツ1と第1底面31との間に設置され、2本の一方向排気通路6の垂直空気路63はそれぞれ左右両側の第1下側辺81に密着し、かつ第1下側辺81、第2下側辺82および第3側辺83が形成する合流点Aに近接している。他の2本の一方向排気通路6はバックパーツ2と第2底面32との間に設置され、2本の一方向排気通路6の垂直空気路63はそれぞれ左右両側の第2下側辺82に密着し、かつ第1下側辺81、第2下側辺82および第3側辺83が形成する合流点Aに近接している。つまり、第1底面31とフロントパーツ1との間、第2底面32とバックパーツ2との間に形成される4つの袋角部分に、それぞれ1本の一方向排気通路6が設置されているのである。
【0069】
実施例6
図10に示すように、実施例6と実施例5の違いは次の通りである。
【0070】
真空圧縮袋は上下ともに二股構造を有しており、その袋本体は、フロントパーツ1と、バックパーツ2と、ボトムパーツ3のほかに、さらにトップパーツ9を含む。トップパーツ9は折線に沿って第1頂面91および第2頂面92に分けられており、第1頂面91の両側辺はそれぞれフロントパーツ1の両側辺の上端段と圧着されて第1上側辺84を形成し、第2頂面92の両側辺はそれぞれバックパーツ2の両側辺の上端段と圧着されて第2上側辺85を形成し、第1頂面91の外辺縁とフロントパーツ1の頂辺との間には袋口が形成され、袋口部分にはファスナー機構5が設置されている。
【0071】
第3側辺83はフロントパーツ1とバックパーツ2の両側辺の残りの部分である。第1下側辺81、第2下側辺82および第3側辺83は合流点A1を形成し、第1上側辺84、第2上側辺85および第3側辺83が合流点A2を形成している。
【0072】
実施例7
図11に示すように、実施例7と実施例6の違いは次の通りである。
【0073】
第1下側辺81と第2下側辺82は、圧着されて補強側辺86を形成している。
【0074】
比較例1~5
図12~16に示すように、比較例1~5の袋本体は実施例1、実施例3と同じであるが、排気通路の構造が異なっている。
【0075】
図12に示すように、比較例1の一方向排気通路は、順に連通している水平空気路と傾斜角度の異なる2段の傾斜空気路を含み、吸気口は水平空気路の片端に位置し、排気口は2段目の傾斜空気路の末端に位置している。
【0076】
図13に示すように、比較例2の一方向排気通路は、並列に設置された3本の垂直空気路を含み、3つのU字形構造を形成している。
【0077】
図14に示すように、比較例3の一方向排気通路は、互いに垂直な1本の水平空気路と1本の垂直空気路とを含む。
【0078】
図15に示すように、比較例4の一方向排気通路は、並列に設置された複数の傾斜空気路を含み、かつ隣り合う傾斜空気路がU字形構造を形成している。
【0079】
図16に示すように、比較例5の一方向排気通路は1本の水平空気路含み、かつ吸気口と排気口とがそれぞれ水平空気路の両端に位置している。
【0080】
実施例1~7と比較例1~5の真空密封効果について試験を行った。袋本体内に物を入れた後、ファスナー機構により袋口を密封し、袋本体を押して袋本体内の空気を外部に排出し、袋本体内に真空状態を形成した後、真空状態の真空圧縮袋を30日間放置し(真空圧縮袋の一般的な基準によると、密封状態で30日間放置して空気が漏れないことが密封性の最低基準である)、かつ空気漏れの状況が始まった日を記録した。
【0081】
実験結果は下表の通りである。
【0082】
【0083】
上の表の実験結果から、比較例1~4の構造の一方向排気通路は、わずか1~3日の間に空気漏れの状況が発生しており、密封効果は低く、真空圧縮袋の使用のニーズを達成することはできないことがわかる。比較例5は30日間空気漏れの状況は発生しなかったが、袋本体内に占める空間がかなり大きいため、使用には向かない。
【0084】
実施例1~7では30日間空気漏れ現象は発生せず、しかも一方向排気通路が占める袋本体内の空間も比較的小さいので、使用のニーズを十分満たすことができる。
【0085】
指摘しておかなければならないが、上記の実施例は本発明に対するさらなる説明であって、限定ではない。当業者による本発明の技術手法における意味や範囲内での調整や変更は、すべて本発明の保護範囲内に含まれると見なさなければならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16