(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】半導体製造プロセスにおけるシリコン又はシリコン化合物のパターンを形成するための新規方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/304 20060101AFI20221209BHJP
G03F 7/20 20060101ALI20221209BHJP
G03F 7/40 20060101ALI20221209BHJP
【FI】
H01L21/304 647A
G03F7/20 521
G03F7/20 501
H01L21/304 651B
G03F7/40 521
H01L21/304 648G
(21)【出願番号】P 2021539454
(86)(22)【出願日】2020-01-17
(86)【国際出願番号】 KR2020000841
(87)【国際公開番号】W WO2020162667
(87)【国際公開日】2020-08-13
【審査請求日】2021-07-06
(31)【優先権主張番号】10-2019-0014849
(32)【優先日】2019-02-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】516210942
【氏名又は名称】ヨンチャン ケミカル カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】YOUNG CHANG CHEMICAL CO.,LTD
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】イ スジン
(72)【発明者】
【氏名】キム ギホン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンフン
(72)【発明者】
【氏名】イ スンヒョン
【審査官】小池 英敏
(56)【参考文献】
【文献】特表2007-505497(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2007-0036201(KR,A)
【文献】特開2009-075285(JP,A)
【文献】特開2004-146594(JP,A)
【文献】特表2008-546186(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/304
G03F 7/20
G03F 7/40
H01L 21/302
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体製造プロセスにおける、シリコン又はシリコン化合物層に酸化シリコンのパターンの存在下でポリ層又はその他の化合物層を蒸着する工程において、
i)パターニングされた酸化シリコンの上に有機膜と無機膜を順次積層し、パターン形成のためのフォトレジストを塗布した後、露光と現像を経てフォトレジストパターンを形成するステップと、
ii)
前記ステップで形成されたフォトレジストパターンを用いてエッチングが可能なガスでドライエッチングを行うことにより、エッチングするステップと、
iii)ポリ層又はその他の化合物層の蒸着前に、前記エッチング工程によって発生した不純物により発生するリフティングを防止するために、有機膜が残っているパターンウェーハを
0乃至1,000rpmの速度で回転させながら、洗浄液を
1乃至200mL/sの速度で1秒~200秒噴射して50乃至300mLの噴射量で噴射し、0~180秒静置した後、スピンドライ(spin dry)工程で乾燥させるステップと、
iv)ポリ層又はその他の化合物層を蒸着した後、ドライエッチングを行うステップと、を含んでなる、シリコン又はシリコン化合物のパターンを形成する方法。
【請求項2】
エッチング対象物に有機膜と無機膜を積層する方法は、コーティングするか、或いは化学的又は物理的に蒸着する方法であることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン又はシリコン化合物のパターンを形成する方法。
【請求項3】
エッチング対象物に積層する有機膜は、炭素含有量が30%乃至100%であることを特徴とする、
請求項2に記載のシリコン又はシリコン化合物のパターンを形成する方法。
【請求項4】
パターン形成のための光源は、13.5nm、198nm、248nm、365nmの波長を有するもの、及びE-beamを含むことを特徴とする、請求項1に記載のシリコン又はシリコン化合物のパターンを形成する方法。
【請求項5】
洗浄液は、ポリマー残存物を洗い流すことができる物質1乃至100重量%、溶媒0乃至99重量%、界面活性剤0乃至3重量%、及びアルカリ化合物0乃至10重量%で構成されるものを使用すること特徴とする、請求項1に記載のシリコン又はシリコン化合物のパターンを形成する方法。
【請求項6】
ポリマー残存物を除去する物質は、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系溶剤、及び炭化水素系溶剤の中から選択される1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする、
請求項5に記載のシリコン又はシリコン化合物のパターンを形成する方法。
【請求項7】
アルカリ化合物は、アミン類又はアンモニウム水酸化物から選択される1種又は2種以上の混合物であることを特徴とする、
請求項5に記載のシリコン又はシリコン化合物のパターンを形成する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体製造プロセスにおける、有機炭素膜を用いた微細パターンの形成工程において、ポリマードライエッチング時に下部に残存する異物を除去してパターンのリフティング(Lifting)を防止するために洗浄液を用いた洗浄方法を含む、シリコン又はシリコン化合物のパターンを形成するための新規な方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、半導体デバイスの小型化及び集積化に伴い、微細パターンの実現が求められており、このような微細パターンを形成する方法としては、露光装備の開発又は追加工程の導入によるフォトレジストパターンの微細化が効率的である。
半導体を製造する工程において、過去には波長365nmのi-line光源を用いて半導体基板にパターンを形成したが、さらに微細なパターンを形成するために、より小さな波長帯の光源を必要とするようになった。
【0003】
実際に、KrF(248nm)をはじめとしてArF(198nm)、EUV(extreme ultra violet-極紫外線、13.5nm)光源を用いたリソグラフィ(lithography)、ArFリソグラフィの二重露光(ダブルパターニングリソグラフィ)技術が開発され、現在商用化されたか或いは商用化中であり、これを用いてより微細なパターンを実現することができるようになった。
【0004】
アスペクト比(aspect ratio)の大きい微細化パターンを実現するために、従来のように厚い厚さ(>500nm)のフォトレジストを使用すると、フォトレジストのパターンアスペクト比が高くなってパターン崩壊が発生するので、アスペクト比の大きいパターンの実現に障害となっている。パターン崩壊に関連して、フォトレジストの厚さを減らすと、後続のドライエッチング(Dry etch)工程において、基板(substrate)に対するマスク(mask)としての役割を十分に果たすことができなくなるので、このような理由から、パターンを実現するために必要とされる深さだけ深いパターンを作ることができなくなる。
【0005】
かかる問題点を解決するために、アモルファス炭素膜(ACL:amorphous carbon layer)やSOC(spin on carbon)又はSOH(spin on hardmask)などのハードマスク(Hardmask)と呼ばれる有機炭素膜材料を用いて工程を行っている。
【0006】
エッチングが行われる膜を形成した後、プラズマを用いた選択的ドライエッチングによってパターンを形成する方法を適用する。
【0007】
工程順序を簡略にみると、酸化シリコン基板層の上に有機炭素膜であるSOC層をコーティングし、無機膜であるSiON層を化学気相蒸着法で蒸着し、その上にフォトレジストをコーティング及び露光してパターニングを行う。パターニングされたフォトレジストを用いてSiON層をハロゲンプラズマでエッチングした後、酸素プラズマで有機炭素膜層をエッチングし、基板層である酸化(Oxide)層をハロゲンプラズマを用いてエッチングする。「酸化層(Aフィルム)」をハロゲンプラズマでエッチングした後、このパターンに「ポリ層(Poly層)又はその他の化合物層(Bフィルム)」を化学気相蒸着法で蒸着し、最終基板層をハロゲンプラズマを用いてエッチングする。
【0008】
微細化パターンを実現するためにハードマスクを導入する工程でパターンが微細化していくにつれてパターンのアスペクト比がさらに高くなっており、これによりドライエッチング工程で実現することができるパターンに問題が発生している。ドライエッチング工程中に発生する有機炭素膜ポリマーの残存物及びヒュームにより発生する異物によって、後続の膜工程の進行時にリフティングが発生するという問題がある。
本発明の発明者は、現在の工程上に発生する問題を解決するために、新規工程の開発に関する研究を行った。研究の結果、ドライエッチング(Dry etch)の後に湿式洗浄工程を追加することで、さらに微細なパターンを形成することができる技術を開発した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、半導体製造プロセスにおける、有機炭素膜を用いた微細パターンの形成工程において、ポリマードライエッチング時に下部に残存する異物を除去してパターンのリフティング(Lifting)を防止するための新規な洗浄方法を含む、ハードマスクパターンを形成するための新規方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、所望のパターンを形成するために、シリコン又はシリコン化合物層のエッチング工程後に残っているパターンの下部に残存する不純物により発生するリフティング問題を解決するために、洗浄液を用いた洗浄工程を用いてパターンを形成する方法に関する。
より詳しくは、半導体製造プロセス中の酸化物又はシリコン、シリコン化合物層のエッチング工程において、エッチング対象物に有機膜と無機膜を順番に適切な厚さで積層するが、まず、炭素が多量に含まれている有機炭素膜層をコーティングし、SiON層を化学気相蒸着法で蒸着した後、その上にフォトレジストをコーティングしてパターニングを行う。パターニングされたフォトレジストを用いてSiON層をハロゲンプラズマでエッチングした後、酸素プラズマで有機炭素膜層をエッチングし、基板層である酸化層をハロゲンプラズマを用いてエッチングする。酸化層をハロゲンプラズマでエッチングした後、このパターンにポリ層(Poly層)又はその他の化合物層を化学気相蒸着法で蒸着し、最終基板層をハロゲンプラズマを用いてエッチングすることにより、形成しようとするパターンを作る。
【0011】
微細パターンを形成するために有機炭素膜のコーティング後に酸化物又はシリコン、シリコン化合物層を蒸着してドライエッチングによってパターンを形成するとき、パターンの下部に有機炭素膜層によるポリマー異物及びヒュームによる残存物が残るため、無機膜の蒸着時にリフティングが発生するという問題が生じる。
このようなリフティングが発生する問題を解決するために、新規の洗浄液を用いて洗浄工程を行うことにより、パターンの下部に存在する異物を除去して所望の微細パターンを形成する。
【0012】
ここで、有機炭素膜とは、スピンコーティング又は化学的・物理的蒸着方法でウェーハ上に塗布することが可能な炭素含有量30%乃至100%の膜質を意味する。
前記有機炭素膜層のうち、スピンコーティングが可能なSOCのスピン塗布厚さは、特に限定されないが、100Å乃至30,000Åの厚さであることができ、150℃乃至400℃の温度で1分乃至5分間ベーク工程を行うことができる。
前記化学的又は物理的蒸着方法で形成可能な層は、蒸着装備でプラズマを用いて0.01乃至10torrの圧力で100Å乃至10,000Åの厚さに形成することができる。
前記洗浄液は、ポリマー残存物を洗い流すことができる物質1乃至100重量%、溶媒0乃至99重量%、界面活性剤0乃至3重量%、及びアルカリ化合物0乃至10重量%で構成される。
【0013】
選択可能なポリマー残存物を洗い流すことができる物質としては、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系及び炭化水素系溶剤の中から選択される1種以上を使用することができる。
【0014】
選択可能な溶媒としては、有機炭素膜と無機膜パターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。
【0015】
選択可能な界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤よりなる群から選択される1種又は2種以上の混合物を使用することができる。
【0016】
選択可能なアルカリ化合物は、アミン類及びアンモニウム水酸化物から選択されるものを使用することができる。
【0017】
前記洗浄液の洗浄方法は、ウェーハを0乃至1,000rpmの速度で回転させながら、1乃至200mL/sの速度で1秒以上噴射し、0秒以上静置した後、スピンドライ(spin dry)過程で行われる。
【0018】
前記化学的又は物理的蒸着方法で形成可能なポリ層(Poly層)又はその他の化合物層は、蒸着装備でプラズマを用いて0.01乃至10torrの圧力で100Å乃至10,000Åの厚さに形成することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明による新規の洗浄方法で微細パターンを形成する方法は、酸化シリコン基板層上に有機炭素膜層とSiON層を形成して1次ドライエッチングすることにより、形成しようとするパターンを形成し、ポリ層(Poly層)又はその他の化合物層を化学気相蒸着法で蒸着して2次ドライエッチングすることにより、パターンを形成する。
ポリ層(Poly層)又はその他の化合物層の蒸着の際に、1次ドライエッチング時にパターンの下部に残る有機炭素膜残存物とヒュームによる残存物によってリフティングが発生して、パターンに不良が発生する。これを解決するために、1次ドライエッチングの後に洗浄工程を追加することにより、パターンの下部層に残っている残存物を除去する。
パターンの下部層に残っている残存物が除去されることにより、ポリ層(Poly層)又はその他の化合物層の蒸着の際にパターンがリフティングされる問題が解決され、所望の高アスペクト比(high aspect ratio)を有するシリコン又はシリコン化合物のパターンを形成することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明は、半導体製造プロセスにおいて微細シリコンパターンを形成するために、パターンの下部に残っている有機炭素膜残存物及びヒュームによる残存物を除去するための洗浄工程を行うことにより、リフティングなしに所望のパターンを形成する新規の洗浄方法に関する。
【0021】
本発明における新規の洗浄方法で微細パターンを形成する方法は、基板層の上に有機炭素膜層を形成し、SiON層を化学気相蒸着法で蒸着し、その上にフォトレジストをコーティングし、露光してマスクを形成するステップ、前記マスクを用いて1次ドライエッチングして、形成しようとするパターンをエッチングするステップ、前記基板に洗浄液を用いて洗浄するステップ、及び前記基板にポリ層(Poly層)又はその他の化合物層を化学気相蒸着法で蒸着し、2次ドライエッチングするステップによってパターンが形成される。
有機炭素膜層とは、炭素含有量が30%乃至100%のものであって、膜層を形成する方法は、スピンコーティング、化学的又は物理的蒸着方法がいずれも可能である。
【0022】
前記有機炭素膜層のうち、スピンコーティングが可能なSOCのスピン塗布厚さは、特に限定されないが、100Å乃至30,000Åの厚さであることができ、150℃乃至400℃の温度で1分乃至5分間ベーク工程を行うことができる。
前記化学的又は物理的蒸着方法で形成可能なSiON層は、蒸着装備でプラズマを用いて0.01乃至10torrの圧力で100Å乃至10,000Åの厚さに形成することができる。
【0023】
前記洗浄液は、ポリマー不純物を除去することができる物質1乃至100重量%、溶媒0乃至99重量%、界面活性剤0乃至3重量%、及びアルカリリー化合物0乃至10重量%で構成される。
【0024】
選択可能なポリマー不純物除去可能物質としては、アルコール系溶剤、アミド系溶剤、ケトン系溶剤、エステル系および炭化水素系溶剤の中から選択される1種以上を使用することができる。
【0025】
選択可能な溶媒としては、有機炭素膜と無機膜パターンを溶解しなければ特に制限はなく、一般的な有機溶剤を含む溶液を使用することができる。
選択可能な界面活性剤は、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、陽イオン性界面活性剤及び両性界面活性剤よりなる群から選択される1種又は2種以上の混合物使用することができる。
【0026】
選択可能なアルカリ化合物は、アミン類及びアンモニウム水酸化物から選択されるものを使用することができる。
【0027】
前記洗浄液の洗浄方法は、ウェーハを0乃至1,000rpmの速度で回転させながら、1乃至200mL/sの速度で1秒以上噴射し、0秒以上静置した後、スピンドライ(spin dry)過程で行われる。
【0028】
前記化学的又は物理的蒸着方法で形成可能なポリ層(Poly層)又はその他の化合物層は、蒸着装備でプラズマを用いて0.01乃至10torrの圧力で100Å乃至10,000Åの厚さに形成することができる。
【0029】
本発明の目的及び技術的構成とそれによる作用効果に関する詳細な事項は、本発明の好適な実施例を参照した以降の詳細な説明によってより明確に理解できる。
【0030】
前記有機炭素膜層のうち、スピンコーティングが可能なSOCのスピン塗布厚さは、特に限定されないが、100Å乃至30,000Åの厚さであることでき、150℃乃至400℃の温度で1分乃至5分間ベーク工程を行うことができる。
【0031】
前記化学的又は物理的蒸着方法で形成可能なSiON層は、蒸着装備でプラズマを用いて0.01乃至10torrの圧力で100Å乃至10,000Åの厚さに形成することができる。
【0032】
前記形成されたマスクを用いてパターニングを形成し、蒸着された膜をエッチングすることができるエッチングガスを用いて、1次ドライエッチングを行う。
【0033】
次に、1次ドライエッチングされた基板を洗浄液で処理する。
前記洗浄工程に使用する洗浄液は、ポリマー残存物を洗い流すことができる物質1乃至100重量%、溶媒0乃至99重量%、界面活性剤0乃至3重量%、及びアルカリ化合物0乃至10重量%で構成される。
【0034】
前記洗浄液の洗浄方法は、ウェーハを0乃至1,000rpmの速度で回転させながら、1乃至200mL/sの速度で1秒以上噴射し、0秒以上静置した後、スピンドライ(spin dry)過程で行われる。
【0035】
次に、前記基板に化学的又は物理的蒸着方法で形成可能なポリ層(Poly層)又はその他の化合物層を蒸着する。Poly層は、蒸着装備でプラズマを用いて0.01乃至10torrの圧力で100Å乃至10000Åの厚さに形成することができる。
前記蒸着された膜をエッチングすることができるエッチングガスを用いて2次ドライエッチングして膜のパターンを完成する。そして、洗浄液を用いて洗浄することにより、リフティング現象を防止して所望のパターンを完成する。
【0036】
以上、本発明の好適な実施方法を具体的に記述した。
以下では、本発明の好適な実施例及び比較例を説明する。しかし、下記の実施例は本発明の好適な一実施例に過ぎず、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【実施例】
【0037】
実施例1乃至実施例10と比較例1及び比較例2
実施例1
パターニングされた基板層の上に、有機炭素膜であるSOC(spin on carbon;主に炭素から構成された重合体水溶液)層を1,000Åにコーティングし、400℃の温度で3分間ベーク工程を行い、無機膜であるSiON層を化学気相蒸着法で300Åの厚さに蒸着した後、KrF用フォトレジストを2,000Åの厚さにコーティングし、(株)ニコン製の204B KrF露光装備によって24mjで露光することにより、サイズ200nmのパターンを持つマスクを形成した。前記形成されたマスクを用いて蒸着された膜に対して、エッチングガスを用いて、基板層である酸化層まで1次ドライエッチングを行った後、1次ドライエッチングされた基板に、イソプロピルアルコール80%、エチレングリコール17.9%、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド2%、及びポリオキシエチレンラウリルエステル0.1%が含有された洗浄液を、表1に記載された噴射量で塗布して工程を行った後、Poly層を化学気相蒸着法で300Åの厚さに蒸着し、2次ドライエッチングを行ってパターン形成工程を完成した。
【0038】
実施例2乃至実施例10
表1に記載された噴射量で塗布して工程を行った以外は、実施例1と同様にして工程を行い、パターン形成工程を完成した。
【0039】
比較例1及び比較例2
表1に記載された噴射量で塗布して工程を行った以外は、実施例1と同様にして工程を行い、パターン形成工程を完成した。
表1に記載されたように洗浄液をスピン塗布方式で塗布する工程を行っていない以外は、実施例1と同様にして工程を行い、パターン形成工程を完成した。
【0040】
特性測定
前記実施例1乃至実施例10と比較例1及び比較例2に対してリフティング有無を評価し、その結果をリフティング有無の評価値で示した。リフティング有無の評価値に対する基準は、次のとおりである。
<リフティング有無の評価値>
0:100%リフティング生成
1:90%リフティング生成
2:80%リフティング生成
3:70%リフティング生成
4:60%リフティング生成
5:50%リフティング生成
6:40%リフティング生成
7:30%リフティング生成
8:20%リフティング生成
9:10%リフティング生成
10:0%リフティング生成
【0041】
【0042】
前記表1に示されているように、第一に、比較例1及び比較例2で噴射量が0~10mLである場合には、リフティング生成有無の評価値が0~1であって、非常に不良な結果を示した。
【0043】
第二に、実施例1及び実施例2で噴射量が20~30mLである場合には、リフティング生成有無の評価値が4~6であって望ましい結果を示した。
第三に、実施例3で噴射量が40mLである場合には、リフティング生成有無の評価値が8であってさらに望ましい結果を示した。
第四に、実施例4乃至実施例10で噴射量が50~300mLである場合には、リフティング生成有無の評価値がいずれも10であって最も望ましい結果を示した。