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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-08
(45)【発行日】2022-12-16
(54)【発明の名称】牛の監視システム
(51)【国際特許分類】
   A01K 29/00 20060101AFI20221209BHJP
【FI】
A01K29/00 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2022509766
(86)(22)【出願日】2020-03-23
(86)【国際出願番号】 JP2020012650
(87)【国際公開番号】W WO2021191950
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-04-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001210
【氏名又は名称】弁理士法人YKI国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】岩村 光貴
【審査官】吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-033365(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0012614(KR,A)
【文献】内村誠、松岡恭二、武石秀一、宇都宮茂夫,ウシの乗駕行動を指標とした発情モニタリングシステムの開発,大分県農林水産研究センター畜産試験場試験成績報告書,日本,2009年12月,No. 38,pp. 23 - 27
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 29/00
JSTPlus(JDreamIII)
JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の牛が飼育されている牛舎の内部の画像を撮像し、撮像した動画データを格納するカメラ装置と、
前記カメラ装置と通信回線で接続されたサーバと、
を備える牛の監視システムであって、
前記カメラ装置は、動体を検知した際に動体検知信号を出力する動体検知機能を有し、動体を検知した際に、動体を検知した時刻の前後における設定時間分の前記動画データを記録動画データとして生成し、前記動体検知信号と生成した前記記録動画データとを前記サーバに出力し、
前記サーバは、前記動体検知信号と前記記録動画データとを受信した際に、前記記録動画データから動体を検知した時刻の所定時間だけ後の時刻の少なくとも1つのフレーム画像を抽出し、
抽出した前記フレーム画像とマウンティング状態の基準画像との比較に基づいて牛の発情判定を行い、
前記所定時間は、牛が発情しておらず他の牛にマウンティングされた際にすぐに逃げてしまう時間よりも長く、牛が発情している場合に他の牛にマウンティングされている継続時間よりも短いこと、
を特徴とする牛の監視システム。
【請求項2】
請求項に記載の牛の監視システムであって、
前記サーバは、前記動体検知信号と前記記録動画データとを受信した際に、前記記録動画データから動体を検知した時刻からの経過時間が異なる複数の所定時刻における複数の前記フレーム画像を抽出し、
抽出した複数の前記フレーム画像とマウンティング状態の基準画像との比較に基づいて、牛の発情判定を行うこと、
を特徴とする牛の監視システム。
【請求項3】
請求項に記載の牛の監視システムにおいて、
前記複数の所定時刻は、前記所定時間の間の時刻であること、
を特徴とする牛の監視システム。
【請求項4】
請求項1からのいずれか1項に記載の牛の監視システムであって、
前記サーバと通信するユーザの携帯端末を含み、
前記サーバは、前記記録動画データを受信した際に、受信した前記記録動画データを保存し、
前記サーバは、牛が発情状態にあると判定した場合に、発情検出連絡メールを前記ユーザの前記携帯端末に送信し、
前記ユーザの前記携帯端末は、前記サーバから受信した前記発情検出連絡メールに応じて前記サーバと通信し、前記サーバから前記記録動画データを受信すること、
を特徴とする牛の監視システム。
【請求項5】
請求項に記載の牛の監視システムであって、
前記サーバは、マウンティング状態の複数の基準画像と、その基準画像を基礎として前記発情判定を行った場合の発情検出成功回数と発情検出成功率とを関連付けて格納した基準画像データベースを備え、
前記ユーザの前記携帯端末は、前記ユーザの発情判断結果が発情確認の場合には発情確認信号を送信し、前記ユーザの発情判断結果が発情なしの場合には発情未確認信号を前記サーバに送信し、
前記サーバは、前記発情確認信号を受信した場合には、前記発情判定の際に基礎としたマウンティング状態の基準画像の前記発情検出成功回数を増加させるとともに前記発情検出成功率を増加させること、
を特徴とする牛の監視システム。
【請求項6】
請求項に記載の牛の監視システムであって、
前記サーバは、前記発情判定の際にマウンティング状態の複数の基準画像と一又は複数の前記フレーム画像との間でパターンマッチングを実行し、前記パターンマッチングの結果に基づいて前記発情判定を行い、
前記サーバは、マウンティング状態の複数の基準画像の中で前記発情検出成功回数が多い基準画像から順次パターンマッチングを実行すること、
を特徴とする牛の監視システム。
【請求項7】
請求項に記載の牛の監視システムであって、
前記サーバは、前記発情判定の際にマウンティング状態の複数の基準画像と一又は複数の前記フレーム画像との間でパターンマッチングを実行し、前記パターンマッチングの結果に基づいて前記発情判定を行い、
前記サーバは、マウンティング状態の複数の基準画像の中で前記発情検出成功率が高い基準画像から順次パターンマッチングを実行すること、
を特徴とする牛の監視システム。
【請求項8】
請求項からのいずれか1項に記載の牛の監視システムであって、
前記基準画像データベースは、更に、マウンティング状態の複数の基準画像と、その基準画像を基礎として前記発情判定を行った回数である参照回数とを関連付けて格納し、
前記サーバは、前記発情判定の際にマウンティング状態の複数の基準画像と一又は複数の前記フレーム画像との間でパターンマッチングを実行し、前記フレーム画像とのマッチング指数が所定の閾値を越えた際に比較したマウンティング状態の基準画像の参照回数を増加させ、
前記サーバは、マウンティング状態の基準画像の中で参照回数が多い基準画像から順次パターンマッチングを実行すること、
を特徴とする牛の監視システム。
【請求項9】
請求項1からのいずれか1項に記載の牛の監視システムであって、
前記カメラ装置は、所定の範囲での動体の検知が可能であり、
所定の範囲は、立っている状態の牛の背中の高さよりも高い範囲であること、
を特徴とする牛の監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、牛の発情状態を監視する牛の監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
子牛の生産、販売を行う牧場においては、牛の繁殖成績が経営に大きく影響する。繁殖は、飼育者が牛の行動を観察して牛の発情したタイミングを判断し、そのタイミングに人工授精を行う方法が一般的である。このため、牛の発情したタイミングを判断することが重要となる。
【0003】
しかし、牛の発情行動は夜間に発生することが多いため、飼育者が夜間に牛舎に待機して牛の行動を観察する必要があり、飼育者の負担が大きくなる原因となっていた。
【0004】
このため、牛舎に設置したカメラで牛の画像を撮像し、撮像した画像に基づいて牛の発情のタイミングを検出する方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2018-33365号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、特許文献1に記載されている従来技術は、牛舎に設置したカメラで牛のフレーム画像を取得し、取得したフレーム画像をサーバに転送してサーバで発情検出処理を行うので、常時、画像の取得とサーバへの画像送信を行わなければならず、通信データが多くなってしまう場合があった。また、特許文献1に記載されている従来技術では、サーバが動画情報を用いて牛が発情状態の動作を行っているかによって牛の発情を検出するので、サーバの動作が複雑で処理に時間が掛かってしまう場合があった。
【0007】
そこで、本発明は、少ないデータ通信量で短時間に牛の発情検出を的確に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の牛の監視システムは、複数の牛が飼育されている牛舎の内部の画像を撮像し、撮像した動画データを格納するカメラ装置と、前記カメラ装置と通信回線で接続されたサーバと、を備える牛の監視システムであって、前記カメラ装置は、動体を検知した際に動体検知信号を出力する動体検知機能を有し、動体を検知した際に、動体を検知した時刻の前後における設定時間分の前記動画データを記録動画データとして生成し、前記動体検知信号と生成した前記記録動画データとを前記サーバに出力し、前記サーバは、前記動体検知信号と前記記録動画データとを受信した際に、前記記録動画データから動体を検知した時刻の所定時間だけ後の時刻の少なくとも1つのフレーム画像を抽出し、抽出した前記フレーム画像とマウンティング状態の基準画像との比較に基づいて牛の発情判定を行い、前記所定時間は、牛が発情しておらず他の牛にマウンティングされた際にすぐに逃げてしまう時間よりも長く、牛が発情している場合に他の牛にマウンティングされている継続時間よりも短いことを特徴とする。
【0009】
このように、カメラ装置が動体を検知した際に、動体を検知した時刻の前後における設定時間分の前記動画データを記録動画データとしてサーバに送信することにより牛の発情判定を行うので、少ないデータ通信量で牛の発情判定を行うことができる。また、記録動画データから動体を検知した時刻の所定時間後の少なくとも1つのフレーム画像を抽出し、抽出したフレーム画像と基準画像との比較に基づいて牛の発情判定を行う。ここで、所定時間は、牛が発情しておらず他の牛にマウンティングされた際にすぐに逃げてしまう時間よりも長く、牛が発情している場合に他の牛にマウンティングされている継続時間よりも短い時間である。これにより、牛が発情している場合には、他の牛にマウンティングされている状態のフレーム画像を抽出し、牛が発情していない場合には、他の牛にマウンティングされていない状態のフレーム画像を抽出できる。そして、抽出した画像とマウンティング状態の基準画像のパターンマッチングを行うことにより、牛が発情しているかどうかを確実に判定することができる。このように、動体検知の時刻よりも所定時間だけ後の時刻の少なくとも1つのフレーム画像で牛の発情判定を行うので、簡便な方法で短時間に牛の発情判定を行うことができる。
【0010】
本発明の牛の監視システムにおいて、前記サーバは、前記動体検知信号と前記記録動画データとを受信した際に、前記記録動画データから動体を検知した時刻からの経過時間が異なる複数の所定時刻における複数の前記フレーム画像を抽出し、抽出した複数の前記フレーム画像とマウンティング状態の基準画像との比較に基づいて、牛の発情判定を行ってもよい。ここで、前記複数の所定時刻は、前記所定時間の間の時刻でもよい。
【0011】
このように、所定時間の間の動体を検知した時刻からの経過時間が異なる複数の所定時刻における複数のフレーム画像を用いて牛がスタンディング状態を保持しているかどうかを判定するので、より的確に牛の発情状態を検出することができる。
【0012】
本発明の牛の監視システムにおいて、前記サーバと通信するユーザの携帯端末を含み、前記サーバは、前記記録動画データを受信した際に、受信した前記記録動画データを保存し、前記サーバは、牛が発情状態にあると判定した場合に、発情検出連絡メールを前記ユーザの前記携帯端末に送信し、前記ユーザの前記携帯端末は、前記サーバから受信した前記発情検出連絡メールに応じて前記サーバと通信し、前記サーバから前記記録動画データを受信してもよい。
【0013】
これにより、ユーザは、牛舎から離れた場所にいても動画で牛の様子を確認することができる。
【0014】
本発明の牛の監視システムにおいて、前記サーバは、マウンティング状態の複数の基準画像と、その基準画像を基礎として前記発情判定を行った場合の発情検出成功回数と発情検出成功率とを関連付けて格納した基準画像データベースを備え、前記ユーザの前記携帯端末は、前記ユーザの発情判断結果が発情確認の場合には発情確認信号を送信し、前記ユーザの発情判断結果が発情なしの場合には発情未確認信号を前記サーバに送信し、前記サーバは、前記発情確認信号を受信した場合には、前記発情判定の際に基礎としたマウンティング状態の基準画像の前記発情検出成功回数を増加させるとともに前記発情検出成功率を増加させてもよい。
【0015】
ここで、前記サーバは、前記発情判定の際にマウンティング状態の複数の基準画像と一又は複数の前記フレーム画像との間でパターンマッチングを実行し、前記パターンマッチングの結果に基づいて前記発情判定を行い、前記サーバは、マウンティング状態の複数の基準画像の中で前記発情検出成功回数が多い基準画像から順次パターンマッチングを実行してもよいし、マウンティング状態の複数の基準画像の中で前記発情検出成功率が高い基準画像から順次パターンマッチングを実行してもよい。
【0016】
このように、ユーザの判断結果に基づいて基準画像の発情検出成功回数と発情検出成功率を更新し、発情検出成功回数が多い基準画像、或いは発情検出成功率の高い基準画像に基づいて発情判定を行うことにより、より的確に短時間で発情判定を行うことができる。
【0017】
本発明の牛の監視システムにおいて、前記基準画像データベースは、更に、マウンティング状態の複数の基準画像と、その基準画像を基礎として前記発情判定を行った回数である参照回数とを関連付けて格納し、前記サーバは、前記発情判定の際にマウンティング状態の複数の基準画像と一又は複数の前記フレーム画像との間でパターンマッチングを実行し、前記フレーム画像とのマッチング指数が所定の閾値を越えた際に比較したマウンティング状態の基準画像の参照回数を増加させ、前記サーバは、マウンティング状態の基準画像の中で参照回数が多い基準画像から順次パターンマッチングを実行させてもよい。
【0018】
これにより、牛の発情判定をより短時間に行うことができる。
【0019】
本発明の牛の監視システムにおいて、前記カメラ装置は、所定の範囲での動体の検知が可能であり、所定の範囲は、立っている状態の牛の背中の高さよりも高い範囲としてもよい。
【0020】
これにより、より確実に牛の発情動作のきっかけとなるマウンティング動作を的確に検出することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、少ないデータ通信量で短時間に牛の発情検出を的確に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】実施形態の牛の監視システムの構成を示す系統図である。
図2図1に示す牛の監視システムのサーバを形成するコンピュータのハードウェア構成図である。
図3図1に示すサーバのデータ記憶部に格納されている基準画像データベースのデータ構造を示す図である。
図4図1に示すカメラ装置の構成を示す機能ブロック図である。
図5図4に示すカメラ装置の記憶部の第1メモリと第2メモリの画像格納時間を示す説明図である。
図6図1に示すカメラ装置の動体検知範囲を示す図である。
図7】牛のマウンティング動作、スタンディング動作の際のマウンティング牛の頭部の高さの時間変化を示すグラフである。
図8図1に示す牛の監視システムの動作を示すシーケンス図である。
図9図1に示す牛の監視システムのカメラ装置の動作を示すフローチャートである。
図10図1に示す牛の監視システムの通信装置の動作を示すフローチャートである。
図11図1に示す牛の監視システムのサーバの動作を示すフローチャートである。
図12図1に示す牛の監視システムのサーバの動作を示すフローチャートである。
図13図1に示すユーザの携帯端末の動作を示すフローチャートである。
図14図11に示す発情検出処理を示すフローチャートである。
図15図11に示す発情検出処理の他の実施形態を示すフローチャートである。
図16図12に示す基準画像データベース更新処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら実施形態の牛の監視システム100について説明する。図1に示すように、実施形態の牛の監視システム100は、牛舎10の内部の画像を撮像するカメラ装置20と、カメラ装置20に接続されたサーバ40と、サーバ40と通信する携帯端末50とを含んでいる。なお、牛は2頭に限らず、牛舎10の中で多数飼育されていても良い。
【0024】
図1に示すように、サーバ40は、情報の処理を行う演算部42と、データ記憶部43と、通信部41とを有するコンピュータである。演算部42は、カメラ装置20あるいはユーザの携帯端末50との間の信号、動画データ、メールの授受を制御する。サーバ40の演算部42、データ記憶部43、通信部41は、図2に示す汎用コンピュータ150によって実現できる。
【0025】
図2に示すように、汎用コンピュータ150は、情報処理を行うプロセッサであるCPU151と、情報処理の際にデータを一時的に記憶するROM152、RAM153と、プログラムやユーザのデータ等を格納するハードディスクドライブ(HDD)154と、入力手段として設けられたマウス155と、キーボード156、及び表示装置として設けられたディスプレイ157とを含んでいる。CPU151とROM152とRAM153とHDD154とはデータバス160によって接続されている。また、マウス155とキーボード156とディスプレイ157とは入出力コントローラ158を介してデータバス160に接続されている。また、データバス160には通信手段として設けられたネットワークコントローラ159が接続されている。
【0026】
演算部42、通信部41は、図3に示す汎用コンピュータ150のハードウェアとCPU151で動作するプログラムとの協調動作により実現される。また、データ記憶部43は図2に示す汎用コンピュータ150のHDD154によって実現される。なお、HDD154に代えて、外部の記憶手段をネットワーク経由で利用することによって実現してもよい。
【0027】
通信部41は、信号、動画データ、メールの通信を行う。なお、サーバ40は、ネットワークに接続されていれば、例えば、クラウド上のサーバ装置でもよいし、牧場110から離れた遠隔地にあるデータセンター等に設置したサーバ装置でもよい。
【0028】
データ記憶部43は、記録動画データベース101と、基準画像データベース102と、ユーザデータベース103とを格納している。記録動画データベース101は、カメラ装置20から受信したカメラ装置20の第2メモリ25に保存されている短期間の画像データを格納するデータベースである。ユーザデータベース103は、牛の監視システム100のユーザである牧場110のオーナー、あるいは、牧場110に勤務する従業者のメールアドレス、住所、電話番号等を格納する。
【0029】
基準画像データベース102は、牛の発情判定の際に用いる基準画像を格納するデータベースであり,記録動画データベース101に格納された動画データから抽出したフレーム画像とパターンマッチングを行う際に参照する画像データを格納したデータベースである。画像は、例えば、図6に示すような牛のマウンティング状態の様々な画像を含んでいる。図3に示すように、基準画像データベース102は、画像のID番号と、その画像を撮像した方向と、マウンティングされているスタンディング牛のID番号と、画像の作成日と、参照回数と、発情検出成功回数と、発情検出成功率とを関連付けて格納したデータベースである。
【0030】
ここで、参照回数は、その基準画像を基礎として発情判定を行った回数であり、発情検出成功回数は、その基準画像を基礎として発情判定を行って発情検出に成功した回数であり、発情検出成功率は、その基準画像を基礎として発情判定を行った回数である参照回数に対する発情検出に成功した回数の割合であり、発情検出成功率=発情検出成功回数/参照回数である。
【0031】
図1に示すように、カメラ装置20は、牧場110の牛舎10の内部に設置されて、牛舎10の内部を撮像し、牛11、12の動画を取得する。カメラ装置20は、カメラ21と、カメラ21が撮像した動画データの処理を行うCPU22と、動画データを格納する記憶部23とで構成されている。記憶部23は、後で説明する第1メモリ24、第2メモリ25の2つの動画データ格納領域を有している。CPU22と記憶部23とはデータバスで接続されてコンピュータを構成する。カメラ装置20は、通信装置26とセキュリティの確保された遠隔通信網35を介してサーバ40と接続されている。ここで、通信装置26は、カメラ装置20と遠隔通信網35を接続するゲートウェイ装置である。
【0032】
カメラ装置20はCPU22がプログラムを実行することにより構成される機能ブロックを有している。本実施形態では、カメラ装置20は、図4に示すように、記録動画データを生成する記録動画データ生成部201と、動体検知信号を生成する動体検知信号生成部202の2つの機能ブロックを有している。
【0033】
記録動画データ生成部201は、動体検知信号生成部202からの動体検知信号と第1メモリ24からの動画データとが入力され、動体検知信号が入力された時刻t1の前後における設定時間分の動画データを記録動画データとして生成し、第2メモリ25に出力する。
【0034】
動体検知信号生成部202は、カメラ21から入力された動画データを分析して画像中に動体を検知した場合には、動体検知信号を生成して記録画像データ生成部と通信装置26に出力する。
【0035】
次に、カメラ装置20の構成と機能について説明する。先に説明したように、カメラ装置20の記憶部23は、第1メモリ24、第2メモリ25の2つの動画データ格納領域を有している。図5に示すように、第1メモリ24は、カメラ21で撮像した、1日、あるいは数日、あるいは一週間程度の長期間の動画データを更新しながら保存しておくものである。例えば、1日分の動画データを保存する場合、第1メモリ24には現時点から1日前までの動画データが保存され、それ以前の動画データは順次消去されていく。数日、一週間分の動画データを保存する場合も同様である。第1メモリ24に格納される動画データには撮像時刻が入っている。図5に示すように、第2メモリ25は、第1メモリ24に格納された動画データの中から、ある時刻t1の前後の設定時間分の短期間の動画データを1つまたは複数保存するものである。1つの動画データは、時刻t1の前の時刻t2から時刻t1までの前設定時間と時刻t1から時刻t1の後の時刻t3までの後設定時間との合計設定時間分の長さとなっている。前設定時間、後設定時間は、例えば、30秒でもよいし、1分、あるいは5分でもよく自由に設定することができる。記憶部23は、外部から動画要求信号が入力された場合に、第2メモリ25に格納されている動画データを外部に出力することができるよう構成されている。
【0036】
カメラ装置20は、動体検知機能を有しており、動体検知を行う範囲を設定可能である。本実施形態の牛の監視システム100では、図6に示すようすに、カメラ装置20は、牛の背中の高さよりも少し高い位置にカメラ21の光軸が略水平となるように設置されており、動体検知範囲を立っている状態の牛の背中の高さよりも高い範囲の高さh1~高さh2に設定している。
【0037】
次に図6,7を参照しながら牛12が発情している状態の牛11、12の行動について説明する。牛舎10の中には雌の牛11,12が飼育されている。図6の時刻t0に示すように牛11,12が通常の状態では、牛11,12の頭部の高さは動体検知範囲の下側に位置しており、カメラ装置20は牛11,12が移動しても動体を検知しない。図6に示すように、牛11は頭部を牛12の背中に載せるマウンティング行動をとる場合がある。この場合牛11の頭部の高さは、図7の実線a,破線bで示すように動体検知範囲に入る。このため、牛11がマウンティングを行うとカメラ装置20は牛11の頭部を動体として検知し、動体検知信号生成部202は動体検知信号を記録動画データ生成部201と通信装置26とに出力する。
【0038】
ここで、牛12が発情していない場合には、牛12は牛11にマウンティングされるとすぐに逃げてしまうので、牛11の頭部の高さは、図7の破線bに示すようにすぐに元の高さに戻り動体検知範囲から外れてしまう。
【0039】
一方、牛12が発情している場合には、牛12は牛11にマウンティングされてもすぐに逃げない状態を保持する。このため、牛11は牛12の上に乗りかかった状態を継続し、牛12は牛11にマウンティングされた状態を継続する。このため、牛11の頭部の高さは、図7の実線aに示すように、動体検知範囲にある状態をしばらく継続する。このように牛11のマウンティング状態が継続する状態を牛12のスタンディング状態という。
【0040】
そして、図6の時刻t4にマウンティング行動が終了し、牛11が頭を牛12の背中から下ろして通常の状態の戻ると、牛11の頭部の高さは動体検知範囲の下側に戻る。
【0041】
そこで、カメラ装置20の記録動画データ生成部201は、図7に示す時刻t1に動体検知信号生成部202から動体検知信号が入力されると、時刻t1の前の時刻t2からか時刻t4の後の時刻t3までの間の動画データを記録画像データとして第2メモリ25に格納する。
【0042】
次に、図8図16を参照しながらカメラ装置20、通信装置26、サーバ40、携帯端末50の動作について説明する。
【0043】
図8図9のステップS101に示すように、カメラ装置20は、カメラ21から動画データを取得し、図9のステップS102に示すように動画データを第1メモリ24に格納していく。そして、図9のステップS103でカメラ装置20の動体検知信号生成部202で動体を検知したかどうか判断する。動体の検知が無い場合には、カメラ装置20は、図9のステップS101に戻ってカメラ21からの動画データの取得と取得した動画データの格納とを繰り返し実行する。
【0044】
一方、通信装置26は、図10のステップS201に示すようにカメラ装置20に対してポーリングを行っている。ポーリングは、例えば、1回/分程度の頻度で行ってもよい。
【0045】
カメラ装置20の動体検知信号生成部202は、図6,7を参照して説明したように牛11がマウンティングを行い牛11の頭部を動体として検知した場合には、図9のステップS103でYESと判断して、図9のステップS104に進み動体検知信号を生成する。動体検知信号は、動体を検知したことと検知時刻を含む信号である。
【0046】
また、カメラ装置20は、図9のステップS104において図4に示す記録動画データ生成部201で記録動画データを生成する。図4に示すように、記録動画データ生成部201は、第1メモリ24に格納されている動画データを読みだす。そして、長時間の動画データの中から発情検出信号が入力された図7に示す時刻t2から時刻t3までの動画データを抽出して記録動画データを生成する。生成された記録動画データは、第2メモリ25に格納される。
【0047】
ここで、時刻t2は動体検知信号の入力前で牛11がマウンティングを開始する前の時刻であり、時刻t3はスタンディング状態の後、通常の状態に戻った時刻である。従って、記録動画データは、牛11のマウンティング動作及び牛12のスタンディング動作を確認できる動画データである。
【0048】
そして、カメラ装置20は、動体検知信号を生成した後に、図9のステップS105に示すように通信装置26からのポーリングを受信したら、図9のステップS106に示すように、動体検知信号を通信装置26に送信する。
【0049】
通信装置26は、図10のステップS202に示すように、カメラ装置20から動体検知信号を受信したら、図10のステップS203に進み、カメラ装置20に対して記録動画データ要求信号を出力する。
【0050】
カメラ装置20は、図9のステップS107に示すように通信装置26から記録動画データ要求信号を受信するまで待機する。そして、カメラ装置20は、通信装置26から記録動画データ要求信号を受信したら、図9のステップS108に示すように、第2メモリ25に格納されている記録動画データを通信装置26に送信する。
【0051】
通信装置26は、図10のステップS204に示すように、カメラ装置20から記録動画データを受信するまで待機し、記録動画データを受信したら図10のステップS205に進んで、サーバ40に対して動体検知信号を送信する。
【0052】
図11のステップS301に示すように、サーバ40は、通信装置26から動体検知信号を受信するまで待機し、動体検知信号を受信したら、図11のステップS302に示すように、通信装置26に対して記録動画データ要求信号を送信する。
【0053】
通信装置26は、図10のステップS206に示すように、サーバ40からの記録動画データ要求信号を受信するまで待機し、記録動画データ要求信号を受信したら図10のステップS207に進んで記録動画データをサーバ40に送信する。
【0054】
サーバ40は、図11のステップS303に示すように、記動画像データを受信するまで待機し、記録動画データを受信したら、図11のステップS304に進み、データ記憶部43の記録動画データベース101に記録動画データを格納、保存する。
【0055】
サーバ40は、記録動画データをデータ記憶部43に保存したら、図11のステップS305に進み、記録動画データベース101から記録動画データを読み出して発情検出処理を行う。発情検出処理は後で図14、15を参照して説明する。サーバ40は、図11のステップS306で発情検出と判定した場合には、図11のステップS307に進み、データ記憶部43のユーザデータベース103から牧場110のオーナー、又は牧場110に勤務する従業員のメールアドレスを読み出す。そして、そのメールアドレスに牛12の発情が検出されたことを連絡する発情検出連絡メールを送信する。
【0056】
牧場110のオーナー等のユーザは発情検出連絡メールを受信すると、牛12の発情が検出されたことを知ることができる。また、携帯端末50に送信された発情検出連絡メールをユーザが確認した際に、記録動画を確認したい場合には、ユーザは、携帯端末50からサーバ40にアクセスして記録動画データ要求信号を送信する。
【0057】
サーバ40は、発情検出連絡メール送信後、図12のステップS308に示すように、携帯端末50から記録動画データ要求信号を受信するまで待機する。そして、記録動画データ要求信号を受信したら、図12のステップS309に示すように、携帯端末50に記録動画データを送信する。
【0058】
牧場110のオーナーは、サーバ40から記録動画データが送信されたら、その動画を携帯端末50のディスプレイに表示して確認する。先に説明したように、記録動画データは、牛11のマウンティング動作及び牛12のスタンディング動作を確認できる動画データであるから、ユーザは記録動画により、牛11,12の行動及び牛12の発情状態を確認できる。
【0059】
オーナーは、携帯端末50のディスプレイに表示された動画を確認し、図6に示すように牛11,12がマウンティング、スタンディングの状態を所定の時間継続しており、マウンティングされた牛12が発情していることと判断したら携帯端末50の発情確認ボタンを押す。図13のステップS321に示すように携帯端末50はオーナーのボタン入力があったら図13のステップS322で発情確認ボタンかどうか判断し、ステップS322でYESと判断した場合には、発情確認信号をサーバ40に出力する。一方、ユーザがマウンティングの後に牛12がすぐに逃げた場合ており、牛12が発情していないと判断した場合には、発情未確認ボタンを押す。すると、携帯端末50は、図13のステップS322でNOと判断してステップS324に進んでサーバ40に発情未確認信号を送信する。
【0060】
サーバ40は図12のステップS310で携帯端末50からの発情確認信号又は発情未確認信号の入力を待って、これらの信号が入力されたら図12のステップS311に進んで基準画像データベース更新処理を行う。記録画像データベース更新処理は後で図16を参照して説明する。
【0061】
次に図14を参照しながら発情検出処理について説明する。図14のステップS401に示すように、サーバ40は、カウンタNを初期値の1にセットする。そして、図14のステップS402で記録動画データを読み出して、ステップS403に進んで動体検知信号が入力された図7に示す時刻t1の所定時間後の時刻t5の1つのフレーム画像を抽出する。
【0062】
ここで、所定時間は、図7の破線bに示すように、牛12が発情しておらず、牛11にマウンティングされた際にすぐに逃げてしまう時間よりも長い時間であればよい。牛12は発情している場合には、1分程度は逃げずにマウンティングされた状態を継続する。逆に牛12が発情していない場合には、牛12は2~3秒程度で逃げてしまう。従って、所定時間を10秒から30秒程度に設定すると、牛12が発情している場合には、牛11にマウンティングされている状態のフレーム画像を抽出し、牛12が発情していない場合には、牛11にマウンティングされていない状態の1つのフレーム画像を抽出できる。そして、抽出した画像とマウンティング状態の基準画像のパターンマッチングを行うことにより、牛12が発情しているかどうかを確実に判定することができる。
【0063】
そして、図14のステップS404に進んで画像ID番号が1の基準画像と抽出した1つのフレーム画像とのパターンマッチングを行う。そして、図14のステップS405に進んで、マッチング指数が所定値を超えたかどうか判断する。そして、ステップS405でYESと判断した場合には、図14のステップS408に進んで発情検出と判定し、図14のステップS409に進んで画像ID番号1の参照回数を1だけ増加させる。
【0064】
一方、図14のステップS405でNOと判断した場合には、サーバ40は、図14のステップS406に進んでカウンタNが基準画像データベース102に格納されている基準画像の個数であるNendになったかどうか判断し、ステップS406でNOと判断した場合には、ステップS407でカウンタNを1だけインクレメントしてステップS404からステップS407を繰り返す。そして、画像ID番号がNの際にステップS405でYESと判断した場合には、ステップS408に進んで発情検出と判定してステップS409で発情判定の基礎となった画像ID番号がNの基準画像の参照回数を1だけ増加させる。
【0065】
また、ステップS406でYESと判断した場合には、抽出した1つのフレーム画像は基準画像データベース102に格納された基準画像とマッチングするものがなく、発情検出の判定を行わずに処理を終了する。
【0066】
ここで、マッチング指数は、例えば、フレーム画像と基準画像との類似度を示す指標であってもよい。
【0067】
このように、以上説明した発情検出処理では、動体検知の時刻t1よりも所定時間だけ後の時刻t5の1つのフレーム画像を用いて牛の発情判定を行うので、簡便な方法で短時間に牛の発情判定を行うことができる。
【0068】
以上の説明では、サーバ40は、ステップS404~ステップS409を基準画像データベース102に格納されている基準画像の画像ID番号の順に行うこととして説明したが、これに限らず、参照回数の多いものから順次パターンマッチングを行うようにしてもよい。これにより、マッチング指数が所定値を超えた回数が多い基準画像から順次パターンマッチングを実行するので、ステップS404~ステップS409の繰り返し回数が少なくなり、短時間に発情検出の判定を行うことができる。
【0069】
次に、図15を参照しながら他の発情検出処理について説明する。先に図14を参照して説明したと同様の動作については簡単に説明する。図15に示すように、サーバ40はカウンタK,Nを初期値の1にセットし、検出フラグSFを初期値の0にセットする。そして、ステップS502で記録動画データを読み出し、ステップS503で図7に示す動体を検知した時刻t1からの経過時間が異なる所定時刻における複数のフレーム画像を抽出する。複数のフレーム画像は、例えば、先に図14を参照して説明した時刻t1の後の10秒から30秒程度の所定時間の間にΔt時間ごとに抽出したKend個のフレーム画像でもよい。
【0070】
そして、サーバ40は、図15のステップS504でK=1のフレーム画像と画像ID番号が1の基準画像とのパターンマッチングを行う。そして、サーバ40は、K=1のフレーム画像と基準画像のマッチング指数が所定値を超えるまでステップS504~S507を繰り返して実行し、画像ID番号がNの基準画像とのパターンマッチングの際にステップS505でYESと判断した場合には、ステップS508に進んで検出フラグSFを1だけインクレメントしてステップS509で発情判定の基礎となった画像ID番号がNの基準画像の参照回数を1だけ増加させる。
【0071】
そしてサーバ40は、図15のステップS510でカウンタKが抽出したフレーム画像の個数Kendかどうか判断し、NOの場合には、ステップS511でKを1だけインクレメントしてステップS503に戻り、ステップS503~S511を繰り返して実行する。
【0072】
そして、図15のステップS510でYESと判断した場合には、ステップS512に進んで検出フラグSFが閾値以上かどうかを判断し、ステップS512でYESと判断した場合には牛がスタンディング状態を保持していると判断してステップS513に進んで発情検出と判定する。一方、ステップS512でNOと判断した場合には、発情検出と判定せずに処理を終了する。
【0073】
以上説明した発情検出処理では、動体検知の時刻t1よりも所定時間だけ後の複数の異なる時刻における複数のフレーム画像を用いて牛がスタンディング状態を保持しているかを判定し、それにより牛の発情判定を行うので、より的確に牛の発情判定を行うことができる。
【0074】
ここで、検出フラグSFは、Δtに応じていろいろな数値とすることができる。Δtを牛12が発情していない場合に牛12が逃げる2~3秒程度とした場合には、2以上、例えば、2~10程度としてもよい。これにより、検出フラグSFの大小により牛12のスタンディング状態がどの程度継続しているかどうかを検出でき、これにより牛12の発情判定を行うことができる。なお、Δtの時間を所定時間と同一の時間とした場合には検出フラグSFを1としてもよい。
【0075】
先に説明した発情検出処理と同様、サーバ40は、ステップS504~ステップS509において参照回数の多いものから順次パターンマッチングを行うようにしてもよい。これにより、ステップS504~ステップS509の繰り返し回数が少なくなり、短時間に発情検出の判定を行うことができる。
【0076】
次に、図16を参照しながら基準画像データベース更新処理について説明する。サーバ40は、図16のステップS701に示すように、携帯端末50から発情確認信号又は発情未確認信号が入力されるまで待機する。そして、発情確認信号又は発情未確認信号が入力されたらステップS702に進んで発情確認信号かどうか判断する。ステップS702でYESと判断した場合には、サーバ40は、ステップS703に進んで、図14のステップS405又は図15のステップS505でYESと判断した基準画像Nの発情検出回数を1だけ増加させるとともに、発情検出成功率を発情検出成功率=発情検出回数/参照回数として計算し、発情検出成功率を更新する。
【0077】
そして、サーバ40は、図14に示すステップS404~ステップS409、或いは、図15に示すステップS504~ステップS509において発情検出成功回数の多いもの、あるいは、発情検出成功率の高いものら順次パターンマッチングを行うようにしてもよい。これにより、発情検出判定の精度を向上させることができる。
【0078】
以上説明したように、実施形態の牛の監視システム100は、カメラ装置20が動体を検知した際に、動体を検知した時刻の前後における設定時間分の動画データを記録動画データとしてサーバ40に送信することにより牛の発情判定を行うので、少ないデータ通信量で牛の発情判定を行うことができる。
【0079】
また、録動画データから動体を検知した時刻の所定時間だけ後の時刻のフレーム画像を抽出することにより抽出したフレーム画像と基準画像との比較に基づいて牛の発情判定を行う。ここで所定時間は、牛12が発情している場合には、牛11にマウンティングされている状態、つまり、牛12のスタンディング状態のフレーム画像を抽出し、牛12が発情していない場合には、牛11にマウンティングされていない状態のフレーム画像を抽出できるよう時間である。これにより、牛11がマウンティング動作を行ったことを動体検知で捉え、その後のマウンティングされている牛12がスタンディング状態を保持しているかどうかを動体検知後の所定時間後のフレーム画像と基準画像を比較することによって牛の発情判定を行うことができる。
【0080】
また、実施形態の牛の監視システム100では、サーバ40が図14に示すステップS404~ステップS409、或いは、図15に示すステップS504~ステップS509において発情検出成功回数の多いもの、あるいは、発情検出成功率の高いものら順次パターンマッチングを行うようにすることにより、発情検出判定の精度を向上させることができる。
【0081】
更に、サーバ40が図14に示すステップS404~ステップS409、或いは、図15に示すステップS504~ステップS509において参照回数の多いものから順次パターンマッチングを行うようにしてもよい。これにより、短時間に発情検出の判定を行うことができる。
【符号の説明】
【0082】
10 牛舎、11,12 牛、11、12 牛、20 カメラ装置、21 カメラ、22 CPU、23 記憶部、24 第1メモリ、25 第2メモリ、26 通信装置、35 遠隔通信網、40 サーバ、41 通信部、42 演算部、43 データ記憶部、50 携帯端末、100 牛の監視システム、101 記録動画データベース、102 基準画像データベース、103 ユーザデータベース、110 牧場、150 汎用コンピュータ、151 CPU、152 ROM,153 RAM,154 HDD、155 マウス、156 キーボード、157 ディスプレイ、158 入出力コントローラ、159 ネットワークコントローラ、160 データバス、201 記録動画データ生成部、202 動体検知信号生成部。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16