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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】タンク装置
(51)【国際特許分類】
   E03D 9/14 20060101AFI20221212BHJP
   E03D 1/32 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
E03D9/14
E03D1/32
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020157200
(22)【出願日】2020-09-18
(65)【公開番号】P2022050981
(43)【公開日】2022-03-31
【審査請求日】2022-05-24
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100088694
【弁理士】
【氏名又は名称】弟子丸 健
(74)【代理人】
【識別番号】100095898
【弁理士】
【氏名又は名称】松下 満
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100170634
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 航介
(72)【発明者】
【氏名】刀根 佑輔
(72)【発明者】
【氏名】頭島 周
(72)【発明者】
【氏名】篠原 祐紀
(72)【発明者】
【氏名】渋谷 幸司
【審査官】神尾 寧
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-031616(JP,A)
【文献】特開2020-051236(JP,A)
【文献】特開2009-108669(JP,A)
【文献】特開2017-025623(JP,A)
【文献】特開2018-104978(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03D 9/14
E03D 1/30-1/38
E03D 11/00
F16L 55/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
貯留された洗浄水を水洗大便器に供給するためのタンク装置であって、
横方向に延びる横面及び縦方向に延びる縦面を含む内壁面により画成された内部空間内に洗浄水を貯留するタンク本体と、
給水口から前記タンク本体の内部空間に洗浄水を供給する給水部材と、を備え、
前記給水部材は、前記内部空間を画成する内壁面に向かって洗浄水を吐水し、
前記内壁面の前記洗浄水が吐水される領域には、表面に凹部及び/又は凸部が形成されてなる整流部が設けられており、前記内壁面の少なくとも前記整流部が設けられた領域は、外方に向かって突出するように形成されている、
ことを特徴とするタンク装置。
【請求項2】
前記凹部及び/又は凸部は、洗浄水の流れの下流側に向かって延在する、
請求項1に記載のタンク装置。
【請求項3】
前記給水部材は、前記縦面に向かって前記洗浄水を吐水し、
前記整流部は、前記縦面に形成されている、
請求項1又は2に記載のタンク装置。
【請求項4】
前記整流部の下流側の壁面は断面視において直線状に形成されている、
請求項1~の何れか1項に記載のタンク装置。
【請求項5】
前記整流部の上流側には断面視において内方から外方に向かって傾斜する傾斜面が形成されている、
請求項1~の何れか1項に記載のタンク装置。
【請求項6】
前記タンク本体は、
前記給水口が内部に配置された連結タンクと、
前記連結タンクに吐出された洗浄水が供給され、供給された洗浄水を貯留する貯水タンクと、を含み、
前記整流部は前記連結タンク内の内壁面に形成されている、
請求項1~の何れか1項に記載のタンク装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンク装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、水洗大便器は、タンク装置と便器本体とを備え、タンク装置に貯留された洗浄水を便器内に吐出することにより、便器の洗浄を行っている。タンク装置には、外部から水道管を介して洗浄水が供給されており、洗浄水はタンク上方の吐水口から水面に向かって吐水される。このようなタンク装置では、吐水された洗浄水がタンク内の水面に衝突するため、水叩き音が発生し、使用者に不快感を与えてしまった。
【0003】
これに対して、特許文献1には、吐水口の下方に傾斜面を設けることにより、吐出された洗浄水をタンク壁面に沿わせるように供給し、水叩き音を抑えることができる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-51236号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、洗浄水が傾斜面に衝突した際に、全周に向かって飛び散って広がり、広範囲に洗浄水が広がって水たまりが生じてしまう。このように傾斜面上に生じた水たまりに洗浄水が叩きつけられることにより、依然として水叩き音が生じてしまうという問題があった。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みなされたものであり、その目的は、給水時の洗浄水の広がりを抑え、水叩き音を抑制することができるタンク装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のタンク装置は、貯留された洗浄水を水洗大便器に供給するためのタンク装置であって、横方向に延びる横面及び縦方向に延びる縦面を含む内壁面により画成された内部空間内に洗浄水を貯留するタンク本体と、給水口からタンク本体の内部空間に洗浄水を供給する給水部材と、を備え、給水部材は、内部空間を画成する内壁面に向かって洗浄水を吐水し、内壁面の洗浄水が吐水される領域には、表面に凹部及び/又は凸部が形成されてなる整流部が設けられている、ことを特徴とする。
上記構成の本発明によれば、内壁面の洗浄水が吐出される領域に凹部及び/又は凸部が形成されてなる整流部が設けられているため、整流部に衝突した洗浄水が広がるのを抑制することができるとともに、整流部により洗浄水が下流側に案内されるため、洗浄水が停留するのを抑え、水叩き音を抑制することができる。
【0008】
本発明において、好ましくは、凹部及び/又は凸部は、洗浄水の流れの下流側に向かって延在する。
上記構成の本発明によれば、整流部に吐出された洗浄水が凹部及び/又は凸部により下流側に案内されて速やかに下流側に流れるため、洗浄水の停留を防止し、水叩き音を抑制できる。
【0009】
本発明において、好ましくは、給水部材は、縦面に向かって洗浄水を吐水し、整流部は、縦面に形成されている。
上記構成の本発明によれば、整流部が縦面に形成されているため、吐出された洗浄水が速やかに下流側に誘導される。これにより、洗浄水が面状に広がるのを抑制することができる。
【0010】
本発明において、好ましくは、内壁面の少なくとも整流部が設けられた領域は、外方に向かって突出するように形成されている。
上記構成の本発明によれば、内壁面の整流部が設けられた領域が外方に向かって突出しているため、整流部に吐出された洗浄水が広がることを抑制することができる。
【0011】
本発明において、好ましくは、整流部の下流側の壁面は断面視において直線状に形成されている。
上記構成の本発明によれば、整流部に吐出された洗浄水が速やかに下流側に流れるため、洗浄水の広がりを防止できる。
【0012】
本発明において、好ましくは、整流部の上流側には断面視において内方から外方に向かって傾斜する傾斜面が形成されている。
上記構成の本発明によれば、整流部に吐出された洗浄水が上流側に広がることを防止でいるとともに、整流部から上流側に水が広がった場合であっても、速やかに洗浄水を整流部に誘導することができる。
【0013】
本発明において、好ましくは、タンク本体は、給水口が内部に配置された連結タンクと、連結タンクに吐出された洗浄水が供給され、供給された洗浄水を貯留する貯水タンクと、を含み、整流部は連結タンク内の内壁面に形成されている。
上記構成の本発明によれば、給水圧により勢いよく給水口から吐出された洗浄水を連結タンク内の整流部で受け、その後、貯水タンクに供給するため、給水圧が作用して勢いよく吐出する洗浄水が直接水面にたたきつけられるのを防止し、水叩き音をより抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、給水時の洗浄水の飛び散りを抑えながら水叩き音を抑制することができるタンク装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の一実施形態による水洗大便器装置を示す斜視図である。
図2】本発明の一実施形態による水洗大便器装置の構成を示す構成図である。
図3図1に示す水洗大便器装置のタンク装置の水平断面図である。
図4図3におけるIV-IV断面図である。
図5図4に示すタンク装置における連結タンクの拡大鉛直断面図である。
図6図5におけるVI-VI断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明のタンク装置を含む水洗大便器装置の一実施形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置を示す斜視図である。また、図2は、本発明の一実施形態による水洗大便器装置の構成を示す構成図である。図1に示すように、本実施形態による水洗大便器装置1は、便器本体2と、タンク装置4とを備える。
【0017】
便器本体2は、汚物を受けるボウル部2aと、ボウル部2aの底部から延びる排水トラップ管2bと、を有する。ボウル部2aにはタンク装置4から延びる吐水管6が接続されている。
【0018】
タンク装置4には外部から洗浄水が供給される給水管8が接続されている。給水管8には止水栓18が設けられており、タンク装置4への洗浄水の供給を制御することができる。また、タンク装置4から吐水管6が便器本体2に延びており、タンク装置4から便器本体2に洗浄水が供給され、排便後の洗浄を行うことができる。
【0019】
タンク装置4は、バルブユニット12と、タンク本体10と、を備える。タンク本体10は、連結タンク14と、貯水タンク16とを含む。給水管8はバルブユニット12を介して連結タンク14に接続されている。連結タンク14は貯水タンク16に接続されている。
【0020】
バルブユニット12は、給水管8に設けられた定流量弁20と、定流量弁20の下流に設けられたダイヤフラム式の電磁弁22とを備える。定流量弁20は、給水管8を流れ込む洗浄水の流量を一定にする。電磁弁22は、ダイヤフラム22Aを電磁的に開閉させることにより、連結タンク14を介する貯水タンク16への洗浄水の供給を制御する。
【0021】
図3は、図1に示す水洗大便器装置のタンク装置の水平断面図である。図4は、図3におけるIV-IV断面図である。図5は、図4に示すタンク装置における連結タンクの拡大鉛直断面図である。図6図5におけるVI-VI断面図である。
図3及び図4に示すように、連結タンク14は、ハウジング24を有する。
連結タンク14は、貯水タンク16の上方に着脱可能に接続されている。ハウジング24は、横方向に延びるように形成された横面(底面)27Bと、横面27Bの周りに立設するように形成された筒状に縦面(側面)27Aと、縦面27Aの上方を閉鎖する天板27Cと、を有する。ハウジング24は、横面27Bと、縦面27Aと、天板27Cとからなる内壁面により、内部に略円柱状の内部空間24Cが画成されている。
【0022】
ハウジング24の底面27Bの一側には、下方に向かって延びる筒状の給水開口部24Aが形成されており、また、一方の側壁(図5の右側側壁)の下部にはオーバーフロー開口24Bが形成されている。オーバーフロー開口24Bには、オーバーフロー管6A(図1図2)が接続されており、オーバーフロー管6Aは、吐水管6に接続されている。このオーバーフロー開口24Bの下端高さがオーバーフロー水位となる。また、オーバーフロー開口24Bには、逆止弁30(図2)が取り付けられている。逆止弁30はハウジング24の内部空間24Cからオーバーフロー管6Aへ水が流れるのを可能にし、オーバーフロー管6Aからハウジング24の内部空間24Cへの流れを妨げる。ハウジング24の給水開口部24Aは、貯水タンク16のタンク本体32の開口部32Bに着脱可能に接続されている。
【0023】
ハウジング24の縦面27Aの一部の領域(図5において左側の領域)には、外方に向かって突出する突出部42が形成されている。突出部42は、水平断面の形状が円弧状であり、突出部42を形成する壁面は、給水開口部24Aを形成する壁面と連続している。すなわち、図5に示すように、突出部42の内壁面は縦断面において給水開口部24Aと同一直線状となっている。突出部42の上部には傾斜面44が形成されている。傾斜面44は下方に向かうにつれて、外方に向かって突出し、突出部42に連続するような形状となっている。
【0024】
突出部42内の内面には整流部46が形成されている。整流部46には複数の凸部46Aが形成されており、隣接する凸部46Aの間には凹部46Bが形成されている。凸部46Aは、略鉛直方向(縦方向)に延びており、すなわち、洗浄水の流れの下流方向である給水開口部24Aに向かって延びている。また、凸部46Aは、横方向断面において矩形状であり、給水開口部24Aの中心に向かって立設されている。本実施形態では、5本の凸部46Aが、周方向に等間隔で並列されている。
【0025】
ハウジング24の一方の(図5の右側の)縦面27Aの上部には、給水管8に接続され、給水口26Aからハウジング24内の内部空間24Cに洗浄水を給水する給水部材26が設けられている。給水部材26は、給水口26Aから吐出された洗浄水が整流部40に当たるように設けられている。より詳細には、横断面視(平面視)において、給水口26Aの吐水方向が整流部40の横方向中央に向けられるとともに、縦断面視(垂直断面視)において、給水口26Aの吐水方向が整流部40の高さ方向中央よりも上方に向けられている。
【0026】
貯水タンク16は、タンク本体32と、ポンプユニット34と、フロートスイッチ36と、水抜き栓38と、を備える。タンク本体32は、水平断面視でコの字型に形成されており、内部に貯留部32Aが形成されている。また、タンク本体32の上部には開口部32Bが形成されており、開口部32Bにはハウジング24の給水開口部24Aが接続されている。これにより、ハウジング24の内部空間24Cはタンク本体32の貯留部32Aと連通している。
【0027】
ポンプユニット34には、通水管34A及び吐水管6が接続されている。通水管34Aの先端は、タンク本体32の貯留部32Aの内部空間の下部に配置されている。水洗大便器装置1の使用者によりポンプユニット34が駆動されると、ポンプユニット34はタンク本体32の貯留部32A内の洗浄水を通水管34Aから吸い込み、吐水管6へと送出する。吐水管6へ送出された洗浄水は、便器本体2のボウル部2aに吐出される。
【0028】
フロートスイッチ36は、タンク本体32内の水位を検知する。フロートスイッチ36はバルブユニット12の電磁弁22に連動している。電磁弁22はタンク本体32内の水位が所定の水位以下の場合には給水管8を開放し、所定の水位まで到達すると給水管8を閉鎖する。
【0029】
水抜き栓38は、タンク本体32の底面に設けられている。水抜き栓38は、常時は閉鎖されており、必要に応じて開放され、これにより、タンク本体32内の洗浄水を外部に排出することができる。
【0030】
以下、本実施形態の水洗大便器装置1の作動について説明する。
貯水タンク16のタンク本体32内の貯留部32Aには洗浄水が貯留されている。使用者がリモコンなどにより水洗大便器装置1の洗浄スイッチを起動すると、ポンプユニット34が駆動され、タンク本体32の貯留部32A内の洗浄水が吐水管6に送出され、便器本体2のボウル部2aに吐出される。この際、連結タンク14のオーバーフロー開口24Bに逆止弁30が取り付けられているため、オーバーフロー管6Aに吐水管6から洗浄水が流れ込んでも、連結タンク14のハウジング24内に流れこむのを防止できる。
【0031】
タンク本体32の貯留部32A内の洗浄水が吐出され、貯留部32A内の水位が低下すると、フロートスイッチ36が水位の低下を検出する。フロートスイッチ36により水位の低下が検知されると、電磁弁22により給水管8が開放され、連結タンク14の給水部材26の給水口26Aから洗浄水が連結タンク14のハウジング24内へ整流部46に向かって供給される。
【0032】
給水口26Aから吐出された洗浄水は、整流部46に衝突する。この際、整流部46には凸部46A及び凹部46Bが形成されているため、洗浄水は周囲に広がることなく、図5及び図6に矢印Aで示すように、凸部46A及び凹部46Bに案内されて、下方(下流側)に案内される。また、整流部46が外方に向かって突出する突出部42に形成されているため、洗浄水が突出部42から外側に向かって広がることを抑制できる。
【0033】
また、給水口26Aから吐水される洗浄水の勢いが強い場合には、整流部46に洗浄水が衝突した際に上方に向かって洗浄水が広がるが、整流部46の上方に傾斜面44が形成されているため、上方に向かって広がった洗浄水は、図5に矢印Bで示すように、整流部46に向けて誘導され、凸部46Aに沿って流れることになる。
【0034】
そして、整流部46の壁面(凹部46Bの底面)と、給水開口部24Aとが縦断面において直線状に形成されているたね、整流部46に吐出された洗浄水が、そのまま下流側に流れ洗浄水が広がることを抑制できる。
【0035】
連結タンク14のハウジング24内に供給された洗浄水は、給水開口部24Aを介してタンク本体32の開口部32Bを通り、タンク本体32内の貯留部32Aに注ぎ込まれる。そして、フロートスイッチ36がタンク本体32の貯留部32A内の所定の高さまで洗浄水の水位が達したのを検知すると、電磁弁22により給水管8が閉鎖される。
【0036】
ここで、フロートスイッチ36や電磁弁22の故障により、貯留部32A内の水位が所定の高さまで到達しても、電磁弁22により給水管8が閉鎖されない場合には、貯留部32Aへの洗浄水の供給が続けられる。そして、洗浄水の水位が連結タンク14のハウジング24のオーバーフロー開口24Bの下端まで到達すると、洗浄水はオーバーフロー開口24Bからオーバーフロー管6Aへ流れこみ、吐水管6を介して便器本体2のボウル部2aに排出される。
【0037】
本実施形態によれば、以下の効果が奏される。
本実施形態では、内壁面の洗浄水が吐出される領域に凹部46B及び凸部46Aが形成されてなる整流部46が設けられているため、整流部46に衝突した洗浄水が広がるのを抑制することができるとともに、整流部46により洗浄水が下流側に案内されるため、洗浄水が停留するのを抑え、水叩き音を抑制することができる。
【0038】
また、本実施形態では、凹部46B及び凸部46Aは、洗浄水の流れの下流側に向かって延在しているため、整流部46に吐出された洗浄水が凹部46B及び凸部46Aにより下流側に案内されるため、洗浄水の停留を防止し、水叩き音を抑制できる。
【0039】
また、本実施形態では、給水部材26は、縦面27Aに向かって洗浄水を吐水し、整流部46は、縦面27Aに形成されているため、吐出された洗浄水が速やかに下流側に誘導される。これにより、洗浄水が面状に広がるのを抑制することができる。
【0040】
また、本実施形態では、内壁面の整流部46が設けられた領域は、外方に向かって突出部に形成されている。これにより、内壁面の整流部46が設けられた突出部42が外方に向かって突出しているため、整流部46に吐出された洗浄水が広がることを抑制することができる。
【0041】
また、本実施形態では、整流部46の下流側の給水開口部24Aの壁面は断面視において直線状に形成されている。これにより、整流部46に吐出された洗浄水が速やかに下流側に流れるため、洗浄水の広がりを防止できる。
【0042】
また、本実施形態では、整流部46の上流側には断面視において内方から外方に向かって傾斜する傾斜面44が形成されている。これにより、整流部46に吐出された洗浄水が上流側に広がることを防止でいるとともに、整流部46から上流側に水が広がった場合であっても、速やかに洗浄水を整流部46に誘導することができる。
【0043】
また、本実施形態では、タンク本体10が連結タンク14及び貯水タンク16を含み、整流部46は連結タンク14内の内壁面に形成されている。これにより、給水圧により勢いよく給水口26Aから吐出された洗浄水を連結タンク14内の整流部46で受け、その後、貯水タンク16に供給するため、給水圧が作用して勢いよく吐出する洗浄水が直接水面にたたきつけられるのを防止し、水叩き音をより抑制することができる。
【0044】
なお、本実施形態では、整流部40は縦面27Aに形成されているが、本発明は、これに限定されない。例えば、給水部材26の給水口26Aから横面(底面)27Bに向かって洗浄水を供給する場合には、横面27Bに整流部40を設ければよい。この場合には、整流部40は、給水開口部24Aに向かうように伸びる凹部及び凸部により構成すればよい。また、本実施形態では、整流部40には、複数の凸部46Aと、複数の凹部46Bとが交互に形成されているが、凸部46Aのみ、又は、凹部46Bのみを形成してもよい。
【0045】
また、本実施形態では、整流部40を下流側、すなわち、給水開口部24Aに向かうように延在する凹部及び凸部により形成したが、これに限らず、例えば格子状の溝(凹部)又は凸部や、細かい凹凸からなる粗面により形成してもよい。
【0046】
また、本実施形態では、タンク装置4が、連結タンク14と、貯水タンク16とからなる場合について説明したが、これに限らず、貯水タンクのみからなり貯水タンクに直接給水するような構成のタンク装置にも本発明を適用することができる。この場合には、貯水タンクの洗浄水が吐出される内壁面に整流部を形成すればよい。
【符号の説明】
【0047】
1 :水洗大便器装置
2 :便器本体
2a :ボウル部
2b :排水トラップ管
4 :タンク装置
6 :吐水管
6A :オーバーフロー管
8 :給水管
10 :タンク本体
12 :バルブユニット
14 :連結タンク
16 :貯水タンク
18 :止水栓
20 :定流量弁
22 :電磁弁
22A :ダイヤフラム
24 :ハウジング
24A :給水開口部
24B :オーバーフロー開口
24C :内部空間
26 :給水部材
26A :給水口
27A :縦面
27B :横面
27C :天板
30 :逆止弁
32 :タンク本体
32A :貯留部
32B :開口部
34 :ポンプユニット
34A :通水管
36 :フロートスイッチ
38 :水抜き栓
40 :整流部
42 :突出部
44 :傾斜面
46 :整流部
46A :凸部
46B :凹部
図1
図2
図3
図4
図5
図6