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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】液体排出方法
(51)【国際特許分類】
   B08B 5/02 20060101AFI20221212BHJP
【FI】
B08B5/02 Z
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2017090260
(22)【出願日】2017-04-28
(65)【公開番号】P2018187549
(43)【公開日】2018-11-29
【審査請求日】2020-02-21
【審判番号】
【審判請求日】2021-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000102511
【氏名又は名称】SMC株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100077665
【弁理士】
【氏名又は名称】千葉 剛宏
(74)【代理人】
【識別番号】100116676
【弁理士】
【氏名又は名称】宮寺 利幸
(74)【代理人】
【識別番号】100191134
【弁理士】
【氏名又は名称】千馬 隆之
(74)【代理人】
【識別番号】100136548
【弁理士】
【氏名又は名称】仲宗根 康晴
(74)【代理人】
【識別番号】100136641
【弁理士】
【氏名又は名称】坂井 志郎
(74)【代理人】
【識別番号】100180448
【弁理士】
【氏名又は名称】関口 亨祐
(72)【発明者】
【氏名】妹尾 満
(72)【発明者】
【氏名】張 護平
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】鶴江 陽介
【審判官】窪田 治彦
(56)【参考文献】
【文献】特開昭56-95384(JP,A)
【文献】特許第5123744(JP,B2)
【文献】特開2008-136994(JP,A)
【文献】特開2002-96034(JP,A)
【文献】特開昭53-80086(JP,A)
【文献】実開昭51-122479(JP,U)
【文献】特開2005-59111(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B08B 5/02, B23B 47/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークの上面に形成されて鉛直下方に沿って延在するとともに、直径が一定である等径部を有する有底穴から、圧縮気体によるブローで水を排出する液体排出方法であって、
前記有底穴の等径部の直径をDhoとするとき、下記の式(1)で表される面積比Sraが3~10の範囲内となる内径Din及び外径Doutを有するブローノズルを前記有底穴に挿入する挿入工程と、
前記ブローノズルから前記圧縮気体を前記有底穴内に吐出して該圧縮気体で前記有底穴内に進入した水を押し出すことのみで、前記有底穴内に進入した水を前記有底穴外に排出する排出工程と、
を有し、
前記圧縮気体として圧縮エアを用い、
前記挿入工程で、前記ブローノズルの前記有底穴への挿入長さを、前記等径部の深さの1/4以上に設定し、
且つ前記排出工程で、前記ブローノズルからの前記圧縮気体の吐出圧を0.05MPa以上~0.5MPa以下に設定するとともに、前記圧縮気体を1~20秒間吐出することを特徴とする液体排出方法。
ra={(π/4)Dho 2-(π/4)Dout 2}/(π/4)Din 2 …(1)
【請求項2】
請求項1記載の液体排出方法において、前記ブローノズルとして、内径Din及び外径Doutが一定である直管を用いることを特徴とする液体排出方法。
【請求項3】
請求項1又は2記載の液体排出方法において、前記挿入工程で、前記ブローノズルの前記有底穴への挿入長さを、前記等径部の深さの1/2以上に設定することを特徴とする液体排出方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有底穴に貯留された液体を前記有底穴から排出する液体排出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
所定の部材に対し、別の部材をネジやボルト等の締結部材を介して連結する、いわゆる機械的接合が広汎に行われている。この連結のため、所定の部材には、締結部材が進入する有底のネジ穴ないしボルト穴(以下、「連結用穴」とも表記する)が形成される。
【0003】
多くの部材は、連結用穴の形成等の加工が終了した後、機械的接合がなされる前に切粉除去のために洗浄される。このため、連結用穴に洗浄液が貯留される。この洗浄液が連結用穴に残留した状態で機械的接合を行うと、連結用穴の内壁や締結部材に錆が発生する懸念がある。これを回避するべく、連結用穴から洗浄液を排出する、いわゆる水切り処理が行われる。特許文献1には、この水切り処理や異物除去を行うためのエアブロー装置が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特許第5123744号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の図3図5に示されるように、この技術では、底部が鉛直上方を臨む連結用穴に対してブローノズルを下方から挿入し、圧縮エアを鉛直上方に指向して吐出する。従って、鉛直上方を臨む上面に形成された連結用穴から異物を除去するためには、ワークの姿勢を、上面が鉛直下方を臨むように変更する必要がある。
【0006】
ところで、特許文献1では、連結用穴が形成されたワークとしてシリンダブロックが例示されている。このような重量物の姿勢を手作業で変更することは、困難であるとともに煩雑である。そこで、姿勢変更機構を設けることが想起されるが、この場合、洗浄装置の構成が複雑となるとともに設備投資が高騰するという不具合が惹起される。
【0007】
本発明は上記した問題を解決するためになされたもので、ワークの姿勢変更を不要とし、且つ簡素な構成で有底穴から液体を排出することが可能な液体排出方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記の目的を達成するために、本発明は、ワークの上面に形成されて鉛直下方に沿って延在するとともに、直径が一定である等径部を有する有底穴から、圧縮気体によるブローで液体を排出する液体排出方法であって、
前記有底穴の等径部の直径をDhoとするとき、下記の式(1)で表される面積比Sraが3~10の範囲内となる内径Din及び外径Doutを有するブローノズルを前記有底穴に挿入する挿入工程と、
前記ブローノズルから前記圧縮気体を前記有底穴内に吐出して該圧縮気体で前記有底穴内に進入した液体を押し出すことのみで、前記有底穴内に進入した液体を前記有底穴外に排出する排出工程と、
を有し、
前記挿入工程で、前記ブローノズルの前記有底穴への挿入長さを、前記等径部の深さの1/4以上に設定し、
且つ前記排出工程で、前記ブローノズルからの前記圧縮気体の吐出圧を0.05MPa以上に設定することを特徴とする。
ra={(π/4)Dho 2-(π/4)Dout 2}/(π/4)Din 2 …(1)
なお、有底穴から排出される液体は水である。また、本発明では、圧縮気体として圧縮エアを用いる。以下の説明においても同様である。
【0009】
式(1)中の分母はブローノズルの吐出口の開口面積であり、分子は、有底穴の内壁とブローノズルの外壁との間に形成される間隙の水平方向断面積である。液体は前記間隙を通過して排出されるので、間隙の水平方向断面積は、液体排出路の水平方向断面積と換言することができる。すなわち、本発明では、圧縮気体を吐出する吐出口の開口面積と、液体排出路の水平方向断面積との比を3~10の範囲内とし、且つブローノズルの有底穴への挿入長さと圧縮気体の吐出圧を適宜設定するようにしている。このように吐出条件を規定することにより、有底穴が上方に臨んで開口している場合であっても、該有底穴から液体が容易に排出される。
【0010】
すなわち、この場合、ワークの姿勢変更を行うことなく、上方に臨んで開口した有底穴から液体を排出することができる。従って、姿勢変更機構が不要となるので、簡素な構成で有底穴から液体を排出することが可能となる。また、設備投資が高騰することを回避することもできる。
【0011】
なお、式(1)中のπ/4が約分できることは勿論である。すなわち、式(1)を以下のように変形することもできる。
ra=(Dho 2-Dout 2)/Din 2
【0012】
排出工程におけるブローノズルからの圧縮気体の吐出圧は大きい程よいが、吐出圧が過度に大きな圧縮気体を得ることは容易ではなく、また、供給ライン等を耐圧構造にする必要があるために設備投資が高騰する。従って、吐出圧は0.5MPa以下に設定する。
【0013】
また、吐出圧が0.05MPa以上であるため、圧縮気体の吐出時間は1~20秒間とすれば十分である。
【0014】
ブローノズルとしては、内径及び外径が一定である直管、換言すれば、円筒形状体を用いることが好ましい。このような簡素な形状のブローノズルは作製が容易である。このため、コストの低廉化を図ることができる。
【0015】
挿入工程では、ブローノズルの有底穴への挿入長さを、等径部の深さの1/2以上とすることが好ましい。この場合、吐出圧を比較的低圧に設定したり、吐出時間を比較的短く設定したりすることが可能である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、圧縮気体を吐出する吐出口の開口面積と、有底穴中の液体排出路となる部分の水平方向断面積との比を3~10の範囲内に設定するとともに、ブローノズルの有底穴への挿入長さや圧縮気体の吐出圧等、圧縮気体を吐出する際の吐出条件を適宜設定するようにしている。その結果として、上方に臨んで開口した有底穴であっても、該有底穴中の液体を容易に排出することができる。
【0017】
従って、有底穴が形成されたワークの姿勢を変更して該有底穴の開口を下方に向けるための姿勢変更機構等が不要である。このため、簡素な構成でありながら、有底穴から液体を排出することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】本実施の形態に係る液体排出方法を実施するためのブロー装置のシステム構成図である。
図2図1のブローノズルを有底穴に挿入した状態を示す要部拡大斜視図である。
図3図1のブローノズルを有底穴に挿入した状態を示す要部拡大縦断面図である。
図4】面積比Sraと、(ブローノズルの挿入長さ/等径部の深さ)とを変更したときに水が排出されたか否かを示すグラフである。
図5】面積比Sraと、圧縮エアの吐出圧とを変更したときに水が排出されたか否かを示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明に係る液体排出方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
先ず、本実施の形態に係る液体排出方法を実施するためのブロー装置につき、図1を参照して概略説明する。このブロー装置10は、圧縮エア(圧縮空気)供給源であるコンプレッサ12と、圧縮エアを吐出するブローノズル14と、コンプレッサ12からブローノズル14に供給される圧縮エアが流通する供給ライン16とを有する。コンプレッサ12は、例えば、いわゆる工場エアを供給する。
【0021】
供給ライン16には、上流側から、フィルタ18、減圧弁20、流量計22、開閉弁24が設けられる。開閉弁24は、一旦開放されると、タイマ26に予め設定された時間が経過するまで開状態を維持する。換言すれば、開閉弁24はタイマ26の作用下に閉止する。
【0022】
ブローノズル14は、この場合、支持体28の下端面に図示しない管継手を介して支持されている。支持体28内の供給ライン16には圧力計30が設けられており、この圧力計30によって、ブローノズル14から吐出される圧縮エアの吐出圧が表示される。
【0023】
図2及び図3に示すように、本実施の形態において、ブローノズル14は、内径Din及び外径Doutが一定である直管(円筒形状体)からなる。このような形状をなすブローノズル14の素材としては銅が例示されるが、特にこれに限定されるものではない。
【0024】
前記支持体28は、図示しない3機のアクチュエータによって前後方向、左右方向及び上下方向に変位することが可能である。この際、支持体28は、図示しない案内レールに案内される。
【0025】
図1には、ワークであるブロック体32が併せて示されている。ブロック体32の上面には、図1図3に示すように、穿孔加工によって有底穴40が形成されている。該有底穴40は、テーパー状に縮径するテーパー部42と、直径が一定である等径部44とを有し、等径部44の内壁に図示しないネジ部が形成されたネジ穴であり、鉛直下方(下面)に向かって延在する。なお、図2及び図3中のHは有底穴40の等径部44の深さ、すなわち、開口からテーパー部42と等径部44との境界までの距離を表し、Lはブローノズル14の挿入長さを表す。また、図2及び図3中のDhoは、等径部44の直径(換言すれば、開口径)である。
【0026】
ここで、挿入長さLは、有底穴40の開口からブローノズル14の先端までの距離として定義される。従って、例えば、「挿入長さLが有底穴40の深さHの1/4である」とは、ブローノズル14の先端(吐出口)が、等径部44の深さHの1/4となる位置であることを意味する。このことから諒解されるように、(挿入長さL/等径部44の深さH)の算出値が1に近づく程、ブローノズル14の先端が、有底穴40の、テーパー部42と等径部44との境界に近接する。
【0027】
次に、本実施の形態に係る液体排出方法につき説明する。この液体排出方法は、有底穴40に予め貯留された液体Wを、ブローノズル14から吐出した圧縮エアによって有底穴40から排出するものである。
【0028】
ここで、ブローノズル14としては、有底穴40の水平方向断面積に対して所定の面積比を有するものを選定する。具体的には、下記の式(1)で表される面積比Sraが3~10の範囲となる内径Din及び外径Doutを有するものである。
ra={(π/4)Dho 2-(π/4)Dout 2}/(π/4)Din 2
=(Dho 2-Dout 2)/Din 2 …(1)
【0029】
分母である(π/4)Din 2から、吐出口の開口面積SA1が算出される。一方、分子である{(π/4)Dho 2-(π/4)Dout 2}から、有底穴40の内壁とブローノズル14の外壁との間に形成される間隙、すなわち、図2中にハッチングで示した部分の水平方向断面積SA2が求められる。この間隙が、液体排出路となる。要するに、式(1)中の分子は液体排出路の水平方向断面積を表し、面積比Sraは、吐出口の開口面積SA1に対する液体排出路の水平方向断面積SA2の比を表す。
【0030】
面積比Sraが3よりも小さいと、液体排出路の面積が小さくなるので液体Wを有底穴40から排出することが容易でなくなる。また、10よりも大きいと、圧縮エアの供給面積が小さくなるのでブロー圧が十分でなくなるため、この場合も液体Wを有底穴40から排出することが容易でなくなる。一層好適な面積比Sraは、5~9である。
【0031】
次に、挿入工程を行う。すなわち、前記アクチュエータを動作させることで支持体28を変位させ、ブローノズル14の位置と有底穴40の位置を合わせるとともにブローノズル14を下降する。これにより、上記のようにして選定したブローノズル14の先端を、図2及び図3に示すように有底穴40に挿入する。この際、ブローノズル14の挿入長さLが過度に小さいと、該ブローノズル14から吐出された圧縮エアが有底穴40の底部に到達することが困難となることから、有底穴40の底部近傍の液体Wが排出されずに残留する一因となる。これを回避するべく、挿入長さLを、等径部44の深さHの1/4以上とする。
【0032】
挿入長さLを、等径部44の深さHの1/2以上とすることが一層好ましい。この場合、ブローノズル14の先端(吐出口)が有底穴40の底部に一層近接するので、有底穴40の底部近傍の液体Wを容易に排出し得るようになる。
【0033】
次に、排出工程を行う。すなわち、開閉弁24を開状態とするとともにタイマ26を作動させる。これにより、コンプレッサ12から供給された圧縮エアが供給ライン16を流通し始める。必要に応じ、この流通過程で、圧縮エアの圧力が減圧弁20によって調節される。圧縮エアは、このようにして調節された圧力を吐出圧として、ブローノズル14から吐出される。圧縮エアの流量は流量計22によって制御され、且つ吐出圧は圧力計30によって表示される。
【0034】
このようにしてブローノズル14から圧縮エアが吐出されると、有底穴40内に貯留された液体Wが圧縮エアによって押し出される。すなわち、有底穴40から液体Wが排出される。
【0035】
圧縮エアの吐出圧が過度に小さいと、液体Wへの押圧力が小さいために液体Wを有底穴40から排出することが困難となる。従って、圧縮エアの吐出圧は0.05MPa以上に設定することが好ましい。なお、一般的な工場エアの最大供給圧力は、0.5MPa程度である。圧縮エアの吐出圧は、この範囲内で十分である。すなわち、圧縮エアの吐出圧は0.05~0.5MPaに設定することができる。
【0036】
ブローノズル14からの圧縮エアの吐出が開始されてから所定の時間が経過した後、タイマ26が作動して開閉弁24を閉止する。これにより、圧縮エアの吐出が終了する。以下、吐出の開始から終了までの時間を「吐出時間」という。吐出圧が0.05~0.5MPaであれば、吐出時間は1~20秒の範囲内で十分である。
【0037】
ここで、有底穴40に水を予め貯留し、面積比Sra及び挿入長さLを様々に変更したときに有底穴40から水が排出されたか否かをグラフとして図4に示す。なお、圧縮エアの吐出圧は0.05~0.5MPa、吐出時間は1~20秒に設定し、ブロー後にブロック体32の上下を逆にして液滴が落下したときを「水が残留した」と判断するとともに、落下しなかったときを「水が排出された」と判断した。図4には、水が残留した場合を▲、排出された場合を○で示している。また、横軸は、(挿入長さL/等径部44の深さH)の値を表す。
【0038】
また、図5は、面積比Sra及び吐出圧を様々に変更したときに有底穴40から水が排出されたか否かを示すグラフである。吐出時間の設定、及び水が排出されたか否かの判断基準は上記と同様である。また、図5中の「▲」及び「○」についても上記と同様に、水が残留した場合、排出された場合をそれぞれ示している。
【0039】
図4及び図5を参照し、上記式(1)で求められる面積比Sraが3~10、挿入長さLが等径部44の深さHの1/4以上であるとき、吐出圧力を0.05~0.5MPa、吐出時間を1~20秒に設定することで有底穴40から水が排出されることが明らかである。
【0040】
従って、このブロック体32に対し、有底穴40(ネジ穴)にネジを螺合することで他の部材を連結する(機械的接合を行う)際、有底穴40に水が残留していることに起因してネジや有底穴40の内壁に錆が発生することが回避される。すなわち、ブロック体32と他の部材を十分な強度で連結することができる。また、水(液体)が残留しないので衛生的である。
【0041】
さらに、本実施の形態では、外径Dout及び内径Dinが一定である直管(円筒形状体)をブローノズル14として用いることができる。このような簡素な形状のブローノズル14は作製が容易であり、また、このことからコストの低廉化を図ることもできる。
【0042】
しかも、本実施の形態によれば、上面に形成された有底穴40に対し、吐出口が下方を臨む姿勢となったブローノズル14を挿入しても、吐出条件を上記のように設定することで有底穴40から液体Wを排出することができる。このため、ワークの姿勢を、有底穴40の開口が下方を臨むように変更する必要がない。従って、姿勢変更機構が不要である。このため、ブロー装置10の構成が簡素となるとともに、設備投資が高騰することを回避することができる。
【0043】
本発明は、上記した実施の形態に特に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0044】
例えば、有底穴40はネジ穴に限定されるものではなく、ネジ部が形成されていない単純穴であってもよい。また、有底穴40は、等径部44のみを有するものであってもよい。
【0045】
また、圧縮エアに代替して圧縮窒素等を用いることも可能である。この場合においても、上記した吐出条件に設定することにより、有底穴40から液体Wを排出することができる。
【符号の説明】
【0046】
10…ブロー装置 12…コンプレッサ
14…ブローノズル 16…供給ライン
20…減圧弁 24…開閉弁
26…タイマ 30…圧力計
32…ブロック体 40…有底穴
42…テーパー部 44…等径部
W…液体
図1
図2
図3
図4
図5