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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】製本装置
(51)【国際特許分類】
   B42C 5/00 20060101AFI20221212BHJP
   B42C 9/00 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
B42C5/00
B42C9/00
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2018203084
(22)【出願日】2018-10-29
(65)【公開番号】P2020069653
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-09-06
(73)【特許権者】
【識別番号】390002129
【氏名又は名称】デュプロ精工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100138014
【弁理士】
【氏名又は名称】東山 香織
(72)【発明者】
【氏名】和田 晃
(72)【発明者】
【氏名】松田 圭司
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開2012-179837(JP,A)
【文献】特開2013-146924(JP,A)
【文献】特開2004-238174(JP,A)
【文献】実公昭28-005104(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B42C 5/00
B42C 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
用紙束の背に切目を形成する刃先が外周部に設けられた切目形成ローラと、
前記刃先によって切目が形成された用紙束の背に接着剤を塗布する接着剤塗布部とを備えた製本装置であって、
前記刃先を有する切目形成刃は、切目形成ローラの回転軸の軸方向に沿って、複数並設され
前記刃先の用紙束の背への接触量を増減するよう用紙束に対する切目形成ローラの位置を相対移動する接触量調整部を備え、
前記接触量調整部は、製本条件に応じて、用紙束の背への刃先の接触量を切目処理中の所定のタイミングで増大可能に構成される製本装置。
【請求項2】
用紙束の背に切目を形成する刃先が外周部に設けられた切目形成ローラと、
前記刃先によって切目が形成された用紙束の背に接着剤を塗布する接着剤塗布部とを備えた製本装置であって、
前記刃先を有する切目形成刃は、切目形成ローラの回転軸の軸方向に沿って、複数並設され、
前記切目形成ローラは、正逆回転可能に設置され、
前記切目形成ローラの回転方向は、切目処理中の所定のタイミングで変更可能に構成される製本装置
【請求項3】
用紙束の背の一端側から他端側へ前記用紙束の背に順次切目を形成するよう前記用紙束を切目形成ローラに対し相対移動する搬送部とを備え、
製本条件に応じて、搬送部による用紙束の切目形成ローラに対する相対移動方向と、用紙束に接触することによって背に切り目を形成している刃先の進行方向とが、切目形成処理中の所定のタイミングで逆方向から順方向へ切り替え可能に構成される請求項に記載の製本装置。
【請求項4】
切目形成ローラは交換可能に設置される請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の製本装置。
【請求項5】
回転軸方向で隣接する切目形成刃に設けられた刃先の周方向における突出位置がずれて設置される請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の製本装置。
【請求項6】
各部の動作を制御する制御部を備え、
前記制御部は、用紙束の製本条件に基づいて刃先の用紙束の背への接触量、切目形成ローラの回転動作の少なくともいずれかを含む切目処理動作を制御する請求項1乃至請求項のいずれか一項に記載の製本装置。
【請求項7】
製本条件は、用紙束の背の厚さ、前記用紙束を構成する用紙の厚さ、種類、表面処理状態、硬さ、コシの強さ、環境温度、環境湿度の少なくともいずれかを含み、
切目形成処理動作は、用紙束と刃先との距離、用紙束と刃先との接触時間または用紙束と刃先との接触回数の少なくともいずれかを含む刃先の用紙束の背への接触量、切目形成ローラの回転速度または回転方向の少なくともいずれかを含む切目形成ローラの回転動作、切目形成処理回数の少なくともいずれかを含む請求項に記載の製本装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製本装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、用紙束の背に接着剤を塗布することで冊子を得る製本装置が知られている。下記特許文献1には、ミーリングカッター及びガリカッターを備えた製本装置について記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4326543号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1では、ミーリングカッター及び研削ガリカッターはそれぞれ円形環状の刃元部の外周に上方に向けて突出する切削刃を有する。用紙束の背面処理の際、用紙束の長手方向の天または地の一方の端部から他方の端部へミーリングカッター及び研削ガリカッターを旋回させつつ順次研削する。
【0005】
研削により冊子の接着強度を向上させるには、ミーリングカッター及び研削ガリカッターがある程度の大きさを有することが必要となる。そして、当該ミーリングカッター及び研削ガリカッターを旋回させつつ用紙束の長手方向に沿って移動させるために、大きいスペースを必要とする。また、用紙束の長手方向に移動しつつ研削するので、時間がかかり、用紙束の背を効率がよく研削し、研削後の背に塗布される接着剤の強度を向上させることが困難となる。
【0006】
本発明の目的は、用紙束の背に塗布される接着剤の強度を向上可能な製本装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するため、本発明の製本装置は、用紙束の背に切目を形成する刃先が外周部に設けられた切目形成ローラと、前記刃先によって切目の形成された用紙束の背に接着剤を塗布する接着剤塗布部とを備えた製本装置であって、前記刃先を有する切目形成刃は、切目形成ローラの回転軸の軸方向に沿って、複数並設され、前記刃先の用紙束の背への接触量を増減するよう用紙束に対する切目形成ローラの位置を相対移動する接触量調整部を備え、前記接触量調整部は、製本条件に応じて、用紙束の背への刃先の接触量を切目処理中の所定のタイミングで増大可能に構成される
【0010】
更に、本発明の製本装置は、用紙束の背に切目を形成する刃先が外周部に設けられた切目形成ローラと、前記刃先によって切目が形成された用紙束の背に接着剤を塗布する接着剤塗布部とを備えた製本装置であって、前記刃先を有する切目形成刃は、切目形成ローラの回転軸の軸方向に沿って、複数並設され、前記切目形成ローラは、正逆回転可能に設置され、前記切目形成ローラの回転方向は、切目形成処理中の所定のタイミングで変更可能に構成される。
【0011】
更に、前記各構成において、用紙束の背の一端側から他端側へ前記用紙束の背に順次切目を形成するよう前記用紙束を切目形成ローラに対し相対移動する搬送部とを備え、製本条件に応じて、搬送部による用紙束の切目形成ローラに対する相対移動方向と、用紙束に接触することによって背に切目を形成している刃先の進行方向とが、切目形成処理中の所定のタイミングで逆方向から順方向へ切り替え可能に構成される。
【0012】
更に、前記構成において、切目形成ローラは交換可能に設置される。
【0013】
更に、前記各構成において、回転軸方向で隣接する切目形成刃に設けられた刃先の周方向における突出位置がずれて設置される。
【0014】
更に、前記各構成において、各部の動作を制御する制御部を備え、前記制御部は、用紙束の製本条件に基づいて刃先の用紙束の背への接触量、切目形成ローラの回転動作の少なくともいずれかを含む切目形成処理動作を制御する。
【0015】
更に、前記構成において、製本条件は、用紙束の背の厚さ、前記用紙束を構成する用紙の厚さ、種類、表面処理状態、硬さ、コシの強さ、環境温度、環境湿度の少なくともいずれかを含み、切目形成処理動作は、用紙束と刃先との距離、用紙束と刃先との接触時間または用紙束と刃先との接触回数の少なくともいずれかを含む刃先の用紙束の背への接触量、切目形成ローラの回転速度または回転方向の少なくともいずれかを含む切目形成ローラの回転動作、切目形成処理回数の少なくともいずれかを含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によると、刃先を有する切目形成刃は、切目形成ローラの回転軸の軸方向に沿って、複数並設され、前記刃先の用紙束の背への接触量を増減するよう用紙束に対する切目形成ローラの位置を相対移動する接触量調整部を備え、前記接触量調整部は、製本条件に応じて、用紙束の背への刃先の接触量を切目処理中の所定のタイミングで増大可能に構成されるので、複数の切目形成刃によって用紙束の背を効率よく切目形成処理でき、背に塗布される接着剤の強度を向上可能である。また、切目形成ローラの用紙束への接触量を調整し、切目形成の深さを適正な量にできる。そして、製本条件に応じ切目形成の深さを適正な量にできる。
【0019】
更に、本発明によると、切目形成ローラは、正逆回転可能に設置され、前記切目形成ローラの回転方向は、切目形成処理中の所定のタイミングで変更可能に構成されるので、切目形成ローラの回転方向を変更することで、適正に切目形成処理できる。
【0020】
更に、製本条件に応じて、搬送部による用紙束の切目形成ローラに対する相対移動方向と、用紙束に接触することによって背に切目を形成している切目形成刃の進行方向とが、切目形成処理中の所定のタイミングで逆方向から順方向へ切り替え可能に構成される場合は、用紙束の切目形成ローラに対する相対移動方向と、背に切目を形成している刃先の進行方向とが順方向へ切り替えられることで、適正に切目形成処理できる。
【0021】
更に、切目形成ローラは交換可能に設置される場合には、用紙束または用紙の種類等に応じて切目形成ローラを交換でき、より適正に用紙束を切目形成処理できる。
【0022】
更に、回転軸方向で隣接する切目形成刃に設けられた刃先の周方向における突出位置がずれて設置される場合は、切目形成処理の際、切目形成ローラの回転の負荷を分散できる。
【0023】
更に、制御部は、用紙束の製本条件に基づいて刃先の用紙束の背への接触量、切目形成ローラの回転動作の少なくともいずれかを含む切目形成処理動作を制御する場合は、製本条件に応じて適正に切目形成ローラの回転動作を調整可能である。
【0024】
更に、製本条件は、用紙束の背の厚さ、前記用紙束を構成する用紙の厚さ、種類、表面処理状態、硬さ、コシの強さ、環境温度、環境湿度の少なくともいずれかを含み、
切目形成処理動作は、用紙束と刃先との距離、用紙束と刃先との接触時間または用紙束と刃先との接触回数の少なくともいずれかを含む刃先の用紙束の背への接触量、切目形成ローラの回転速度または回転方向の少なくともいずれかを含む切目形成ローラの回転動作、切目形成処理回数の少なくともいずれかを含む場合は、各種製本条件に応じて切目形成刃の用紙束の背への接触量、切目形成ローラの回転動作、切目形成処理回数の少なくともいずれかを調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明の一実施形態に係る製本装置の模式縦断面図である。
図2】前記製本装置の平面図である。
図3】前記製本装置の切目形成部の拡大縦断面図である。
図4】前記切目形成部の拡大正面図である。
図5】前記切目形成部の切目形成ローラの斜視図である。
図6】前記切目形成ローラの切目形成刃の拡大図である。
図7】前記製本装置の使用態様図である。
図8】前記製本装置の使用態様図である。
図9】前記製本装置の使用態様図である。
図10】本発明の他の実施形態に係る製本装置の模式縦断面図である。
図11】前記製本装置の平面図である。
図12】本発明のさらに他の実施形態に係る製本装置の模式縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態にかかる製本装置の模式縦断面図である。図2は、前記製本装置の平面図である。製本装置1は、保持部2と、背支持部3と、切目形成部5、接着剤塗布部4、回収部8、搬送部9、制御部(図示省略)を備える。
【0027】
保持部2は、直立させた状態の用紙束Sを保持する。保持部2は、用紙束Sを保持するための保持ユニット20を備える。保持ユニット20は、クランプ21、操作部22を備える。
【0028】
クランプ21は、用紙束Sを前後両側から保持する。操作部22は、クランプ21を用いて用紙束Sを保持及び解放する動作を、手動操作により行うために設けられる。操作部22は、クランプ21の前方に設置される。操作部22は回転操作部36及び操作レバー37を備える。
【0029】
背支持部3は、保持部2により保持された用紙束Sの背Bを下方より支持する。背支持部3は、支持台31と、ニップ部32を備える。支持台31の上面は、用紙束Sの背Bを下方より支持する。支持台31上には、用紙束Sに表紙を付ける際に、表紙が載置される。支持台31は、図示しない支持台移動部によって図1において二点鎖線で示すように上下方向に移動可能に構成される。支持台31は、用紙束Sの背Bが突き当たる突当位置と、用紙束Sを搬送部9によって水平方向に移動する際に突当位置から下方へ待避した待機位置と、用紙束Sに表紙を付ける際に位置する表紙接着位置との間で移動される。
【0030】
本実施形態では、支持台31が上下方向に昇降する構成としたが、これに替えて、支持台31は、揺動軸を軸心に揺動可能に構成されてもよい。
【0031】
ニップ部32は、支持台31の上面に設けられる。ニップ部32は、用紙束Sの下端の前後側面を両側から挟む一対のニップ部材321を備える。一対のニップ部材321は、それぞれ保持部2により保持される用紙束Sの背Bの長手方向に平行に延在される。一対のニップ部材321は、図示しないニップ部材移動部の駆動により互いに近接および離間するよう移動可能とされる。ニップ部材移動部は、用紙束Sに表紙を付ける際に、支持台31の上面において一対のニップ部材321を、用紙束Sの背Bを前後両側から挟む方向に移動させる。
【0032】
切目形成部5は、背支持部3と接着剤塗布部4の間に設置される。図3は切目形成部5の拡大断面図であり、図4は切目形成部5を前方から見た図である。切目形成部5は、切目形成ローラ51、切目形成ローラ51の駆動部53、回収部54、接触量調整部56及び位置検出部57を備える。切目形成ローラ51は、用紙束Sの背に切目を形成するための刃先58が外周部に設けられている。刃先58を有する切目形成刃59は、切目形成ローラ51の回転軸の軸方向に沿って、複数並設される。
【0033】
図5は、一例として示す切目形成ローラ51の斜視図である。同図では、回転軸方向で隣接する切目形成刃59の刃先58の周方向における突出位置は、ずれて設置される。
図6は切目形成ローラ51に配設される複数の切目形成刃59を側方から見た拡大図である。切目形成刃59は、円板状の刃部材61の外周部に、複数の刃先58が突出して形成される。同図では、1個の刃部材61に、第1刃先581~第8切先588からなる8個の刃先58が設けられている。第1刃先581~第8切先588は、いずれも正三角形状に形成され、刃部材61の外周部に等間隔で放射状に突出して設けられている。
【0034】
図6(a)の図面上、最も手前に配置された切目形成刃59である第1切目形成刃591は、第1刃先581が図中鉛直上方に向けて突出している。そして、第1切目形成刃591の刃部材61の外周には、第1刃先581から反時計回りに45°ずつ離間して第2切先582~第8切先588が設けられる。第1切目形成刃591の後方には、第2~4切目形成刃592~594が周方向に所定量ずつ位相をずらせて設置される。このため、第1切目形成刃591の第1刃先581と第2刃先582の間には、第2~4切目形成刃592~594の第1刃先581が反時計回りにずれて順次突出している。
【0035】
図6(b)では、第1切目形成刃591を実線で、第2切目形成刃592を破線で示す。第2切目形成刃592は第1切目形成刃591の設置角度に対し、同図において反時計回りに11.25°位相をずらせて設置される場合を示す。同図(c)では、第2切目形成刃592を実線で、第3切目形成刃593を破線で示す。第3切目形成刃593は、第2切目形成刃592よりさらに反時計回りに11.25°位相をずらせて取り付けられる。同図(d)では、第3切目形成刃593を実線で、第4切目形成刃594を破線で示す。第4切目形成刃594は、第3切目形成刃593よりさらに11.25°反時計回りに位相がずれている。
【0036】
第4切目形成刃594の後方に設置される細い実線で示す切目形成刃59は、同図(a)と同じ位相で取り付けられ、第1刃先581が鉛直上方に向けて突出するよう取付けられる。全ての切目形成刃59は、この第1乃至第4切目形成刃591~594の位相が繰り返され、配置される。
【0037】
尚、切目形成刃に設けられる刃先の数、刃先の形状、周方向の突出位置、隣接する切目形成刃の刃先58の突出位置等は、図6に示したものに限定されない。刃先の数は1~7個のいずれかであってもよく、9個以上でもよい。切先の形状は、正三角形状に替えて、先端が鋭角に形成された三角形状であってもよく、正方形状、長方形状、多角形状等他の形状であってもよい。さらに、先端に向けて周面が湾曲して形成されてもよく、先端が直線状で刃の根本が細く先端に向けて広がった鉤状としてもよい。刃先が鉤状の場合、効率よく切目を形成可能である。
【0038】
また、隣接する切目形成刃が、刃先の周方向の突出位置がずれて設置されず、同じ位相であってよい。図5に示すように、切目形成刃59の刃先58の突出位置がずれて設置される場合、切目形成ローラ51の軸部60の回転に伴って、切目形成刃59の刃先58が用紙束Sの下部に接触する際に、隣接する切目形成刃59の刃先58が同時に接触するのに替えて、異なるタイミングで用紙束Sへ接触させることができる。そして、切目形成処理における駆動部53の負荷を分散させることができる。
【0039】
切目形成刃59の刃先58及び刃部材61の材質は、用紙束Bに切り目を形成可能であれば特に限定されず、金属、セラミックスなど用いることができ、例えば鉄、銅、真鍮、アルミニウム、ステンレス等が挙げられる。刃部材61の厚さは、0.1mm~10mm程度とすることが好ましく、0.5mm~5mm程度とすることがより好ましい。
【0040】
刃部材61の中央部は開口した開口部63が設けられる。開口部63の内周面には、軸部60に対し刃部材61を取り付けるための係止爪62が複数設けられる。
【0041】
隣接する切目形成刃59の間には、所定長さを有する円筒状のスペーサー64が設置される。隣接する切目形成刃59の軸方向における間隔は、例えば、3mmとすることができる。隣接する切目形成刃59の間隔は0.5mm乃至50mm程度とすることが好ましい。
【0042】
切目形成ローラ51の軸部60は、左右の側壁11に設けられた軸受65によって回動自在に軸支される。軸受65は、左右の側壁11に設けられた案内窓12に上下方向に移動可能に設置される。案内窓12は、切目形成ローラ51が接触量調整部56によって上下方向に移動するのを案内する。案内窓12内の軸受65の上方には、付勢部材66が設置される。図3,4では、付勢部材66が巻きバネにより構成される場合を示すがこれに限定されない。付勢部材66は、軸受65を下方に向けて付勢する
【0043】
切目形成ローラ51は、正逆回転可能に設置され、切目形成ローラ51の回転方向は、切目形成処理中の所定のタイミングで変更可能に構成される。切目形成ローラ51は交換可能に設置することもできる。その場合、図示省略するが、切目形成ローラ51を容易に交換するための機構を設置することが好ましい。切目形成ローラ51の直径、形状、切目形成刃59や刃先58のサイズ、形状、個数、隣接する切目形成刃59や刃先58の間隔等を、製本条件に合わせ好ましい切目形成ローラ61に交換することで、より適正に製本処理できる。
【0044】
駆動部53は、切目形成ローラ51を回転させる。駆動部53は、モータ67、連結部68を備える。図2では、駆動部53が右側の側板11の外方に設けられる場合を示す。切目形成ローラ51は連結部68を介してモータ67に連結される。
【0045】
回収部54は、切目形成部5で用紙束Sの背Bを切裂くことで生じた用紙Pの切れ端や破片、紙粉等を回収する。回収部54は、覆板部70、フィルター部71及び吸引部72を備える。覆板部70は、前板701、後板702及び左右一対の側板703を備える。覆板部70の下部はフィルター部71に連通している。吸引部72は吸引ファン721を備える。
【0046】
接触量調整部56は、刃先58の用紙束Sの背Bへの接触量を増減するよう用紙束Sに対する切目形成ローラ51の位置を相対移動する。接触量調整部56は、製本条件に応じて、用紙束Sの背Bへの刃先58の接触量を切目形成処理中の所定のタイミングで増大可能に構成される。
【0047】
接触量調整部56は、切目形成ローラ51を用紙束Sの背Bに接触可能な接触位置と、用紙束Sの背Bから所定量下方へ離間し、待避した待機位置との間で移動させる。また、接触位置における刃先58と用紙束Sとの距離を調整する。接触量調整部56は、接触量調整モータ74、連結部75、カム部76を備える。
【0048】
接触量調整モータ74及び連結部75は、図4において、右側の側板11の右方に示される。連結部75はウォームギア80を備える。ウォームギア80のウォーム85は、接触量調整モータ74の駆動軸に連結される。ウォーム85に歯合するウォームホイール86は、カム部76のカムシャフト89に設置される。
【0049】
カム部76は、カムシャフト89、偏心カム94、カムフォロア95、カムフォロア軸支部97を備える。カムシャフト89は左右の側壁11に回転自在に軸支される。カムシャフト89は、ウォームホイール86の回転に伴い回転される。カムシャフト89には、側壁11と覆板部70の側板703の間の位置に、左右一対の偏心カム94がそれぞれ設置される。カムフォロア95は、ベアリングにより構成される。カムフォロア95は、偏心カム94の上方に設置され、該偏心カム94の上部に転接する。
【0050】
カムフォロア軸支部97は、左右一対設けられ、それぞれカムフォロア95を軸支する。る。カムフォロア軸支部97の一方の端部は、覆板部70の側板703に連結される。カムフォロア軸支部97の他方の端部は、側壁11の案内窓13に設置された軸受98に回動自在に軸支される。軸受98は、案内窓13内を上下方向に移動可能に設置される。案内窓13は、偏心カム94の回動に伴ってカムフォロア95を介しカムフォロア軸支部97が上下方向に移動するのを案内する。
【0051】
案内窓13には、上記した軸受65と同様に、付勢部材99が設置される。付勢部材99は、案内窓13の上部に設置される。付勢部材99は、軸受98を下方に向けて付勢する
【0052】
位置検出部57は、接触位置と待機位置との間で接触量調整部56により移動される切目形成ローラ51の位置を検出する。位置検出部57は、エンコーダにより構成される。エンコーダは、カムシャフト89の回転量を検出し、制御部に送信する。エンコーダがカムシャフト89の回転量を検出することで、制御部は偏心カム94に転接するカムフォロア95及び切目形成ローラ51の上下方向の位置を把握する。
【0053】
切目形成ローラ51は、搬送部9によって後方へ向けて往路を移動する用紙束Sの下面に接触して用紙束Sの背Bの端面を傷付けることで、用紙束Sの背Bの表面積を増大させ、用紙束Sの背Bに接着剤Gを浸透しやすくし、接着力の向上に寄与する。
【0054】
接着剤塗布部4は、用紙束Sの背Bに接着剤Gを塗布する。接着剤塗布部4は、接着剤貯留槽41、塗布ローラ42、掻落しローラ43、ローラ駆動部44、塗布量調整部45を備える。接着剤貯留槽41は、ホットメルト等の接着剤Gを槽内に収容する。図示省略するが、接着剤貯留槽41はヒーターを内蔵している。接着剤貯留槽41は、塗布ローラ42の回転軸421を軸心に揺動可能に設置される。
【0055】
塗布ローラ42は、保持ユニット20によって保持される用紙束Sの背Bの長手方向に平行して延在される。塗布ローラ42の下部は、接着剤貯留槽41の内部に収容され、貯留されている接着剤Gに浸漬されている。塗布ローラ42の頂部は、用紙束Sの背Bの高さより所定量低い位置となるよう調整されている。
【0056】
用紙束Sが搬送部9によって、接着剤塗布部4に移動されたとき、塗布ローラ42の周面の接着剤が用紙束Sの背Bに接触し、接着剤Gを塗布する。塗布ローラ42の回転軸421は接着剤貯留槽41の側板411及び側壁11の双方に回動自在に軸支される。塗布ローラ42の回転軸421の一方の端部は、ローラ駆動部44に連結される。
【0057】
掻落しローラ43は、塗布ローラ42と切目形成部5との間に設置される。掻落しローラ43は、塗布ローラ42に平行して延在される。掻落しローラ43は、接着剤貯留槽41の側板411に回動自在に軸支される。掻落しローラ43の下部は、接着剤貯留槽41の内部に収容されている。掻落しローラ43の外周面にはスクレーパー433が接触している。スクレーパー433は、用紙束Sの背Bから掻落した余分な接着剤Gを掻落しローラ43から擦り落とす。ローラ掻落しローラ43の回転軸431は、連結機構432によって塗布ローラ42の回転軸421に連結される。塗布ローラ42がローラ駆動部44によって回動されると、掻落しローラ43は塗布ローラ42の回転方向と逆の方向に回転される。尚、掻落しローラ43を塗布ローラ42の回転方向と逆の方向に回転させるのに変えて同じ方向に回転させてもよい。
【0058】
塗布量調整部45は、図2において、接着剤塗布部4の後端部に設置される場合を示す。なお、塗布量調整部45の設置位置は、図2に示す位置に限定されず、接着剤塗布部4の右端部であってもよく、他の位置でもよい。塗布量調整部45は、調整操作部452及び支持棒451を備える。調整操作部452は、支持棒451の下部に連結される。調整操作部452が回動操作されると、支持棒451の設置位置が上下方向に移動される。なお、支持棒451の構成に替えて、偏心カムを用いてもよい。
【0059】
支持棒451は接着剤貯留槽41の後端部に設置された上板415の下方に立設される。支持棒451の上端部は、上板415を下方より支持する。
【0060】
調整操作部45の操作によって支持棒451の設置高さが調整されると、図1において二点鎖線で示すように、接着剤貯留槽41が揺動され、掻落しローラ43の設置高さが変化する。支持棒451が通常より高い位置にあるときは、水平姿勢の接着剤貯留槽41の後部が前部より押し上げられる。これより、掻落しローラ43の高さが通常より低い位置に移動される。掻落しローラ43の用紙束Sの背Bへの接触量が少なくなり、塗布ローラ42により塗布された接着剤Gを掻き落とす量が少なくなる。
【0061】
逆に、支持棒451が通常より低い位置にあるとき、接着剤貯留槽41の後部が前部より低い位置となる。この場合、掻落しローラ43の高さが通常より高い位置に調整される。掻落しローラ43の用紙束Sの下面への接触量が多くなり、一旦塗布された接着剤Gを掻き落とす量が多くなる。
【0062】
回収部8は、製本後の用紙束Sを回収する。回収部8は、背支持部3の前方に設置される。回収部8は、回収窓81及び回収板82を備える。製本により得られた冊子は、回収窓81から下方へ落下され、傾斜配置された回収板82上で回収される。
【0063】
搬送部9は、用紙束Sを背支持部3、切目形成部5、接着剤塗布部4、及び回収部8の間で水平方向に往復移動させる。搬送部9は、用紙束Sを保持した保持ユニット20を移動させる。搬送部9は、一対の案内部材91と、搬送駆動部92とを備える。案内部材91は、一対の側壁11の外側に設置される。案内部材91は保持ユニット20の移動方向に沿って延在する。
【0064】
搬送駆動部92は、搬送モータ921及び図示しない動力伝達部を備える。動力伝達部は、ベルト及び複数のプーリなどにより構成される。保持ユニット20は、動力伝達部のベルトに固定される。搬送駆動部92の駆動に伴って保持ユニット20が案内部材91に案内されつつ往復走行する。
【0065】
制御部は、各部の動作を制御する。制御部は、保持部2、背支持部3、切目形成部5、接着剤塗布部4、回収部8及び搬送部9の動作を制御する。制御部は、操作ボタンや操作パネル等から構成される図示しない入力操作部、及び所定位置に設置された各種センサから入力された情報に基づき各部を作動及び停止させる。
【0066】
制御部は、用紙束Sの製本条件に基づいて切目形成刃59の刃先58の用紙束Sの背Bへの接触量を制御する。製本条件には、用紙束Sの背Bの厚さ、用紙束Sを構成する用紙Pの厚さ、用紙束Sまたは用紙Pの種類、用紙Pの表面処理状態、用紙束Sまたは用紙Pの硬さ、用紙束Sまたは用紙Pのコシの強さ、製本装置1が設置される場所の環境温度、環境湿度等のうち少なくともいずれかが含まれる。
【0067】
用紙束Sの種類としては、例えば、カタログ、フォトブック、文集、旅行用のしおり等が挙げられる。用紙Pの種類としては、例えば、コート紙、マット紙、上質紙、コピー用紙、藁半紙、再生紙等が挙げられる。
【0068】
製本条件は、図示省略するが、用紙束Sの厚さ検出器、接着剤の温度検出器、接着剤の粘度計測器、製本装置1の設置環境の温度検出器または湿度検出器等を設けることによって自動で取得することが可能である。また、作業者が入力操作部を操作することで、切目形成ローラ51の用紙束Sへの接触量を設定可能に構成し、これより製本条件を取得してもよい。更に、作業者が入力操作部によって用紙束Sの種類や用紙の種類、接着剤の種類、環境温度や環境湿度等を入力操作し、設定できるよう構成してもよい。
【0069】
また、制御部は、保持部2により保持されつつ、切目形成ローラ51の上方を通過する用紙束Sの移動動作を調整するよう搬送部9を制御する。制御部は、用紙束Sを切目形成部5において切目形成処理する回数を制御する。制御部は搬送部9を制御し、用紙束Sを背支持部3から後方へ移動させる際に切目形成ローラ51に接触させその後接着剤を塗布することで、切目形成処理を1回のみするよう制御することができる。
【0070】
また、制御部は、用紙束Sを背支持部3から接着剤塗布部4へ移動される間に切目形成ローラ51に複数回接触させることで、切目形成処理を複数回実行するよう制御することができる。その際、例えば、制御部は、接触量調整部を制御し、用紙束Sが切目形成部5を通過して用紙束Sが切目形成ローラ51に接触され、1回目の切目形成処理が行われた後、用紙束Sを前方へ逆走させ、再度切目形成ローラ51に接触させることで2回目の切目形成処理を行うことができる。更に必要により、用紙束Sを切目形成ローラ51に接触させる回数を3回以上とするよう制御することも可能である。
【0071】
また、制御部は、製本条件に基づき、切目形成ローラ51の回転動作を調整するよう駆動部53を制御することができる。制御部は、切目形成ローラ51の回転速度を制御することができる。コート紙、マット紙等の塗工紙や、光沢加工、平滑加工等が施された用紙を製本処理する際には、これらの用紙は硬く密度が高いことが多く、切り目を形成する際大きな負荷がかかりやすい。この場合、切目形成ローラ51の回転速度を、用紙の種類が塗工紙でないときより速くするよう駆動部53を制御する。これより、処理速度を低下させることなく十分に用紙を切り裂くことができ、処理可能となる。
【0072】
用紙が塗工紙や加工紙でないときや、用紙が柔らかいとき等には、切目形成ローラ51にあまり負荷がかからない。この場合、搬送部9により用紙束Sを、切目形成部5を通過させる速度を遅くするよう制御可能である。これより、駆動部53の負担を低減しつつ適正に切り目を形成できる。一方、用紙が塗工紙でなく柔らかいときであっても製本処理に要する時間を短縮したいときには、切目形成ローラ51の回転速度を速くしてもよい。
【0073】
次に、本発明の製本装置の動作を説明する。
作業者は図示しない操作ボタンを操作し、支持台移動部を駆動し、支持台31を、用紙束Sの保持位置まで上昇させる。作業者により一対のクランプ21の間に用紙束Sが挿入される。その際用紙束Sは、接着を行う背Bの部分が下面となる向きとされ、直立した状態とされる。そして、用紙束Sの背Bの部分が支持台31上面で支持されて揃えられる。作業者が回転操作部36を所定方向に所定量回転する。
【0074】
その後、作業者が、図示しない操作ボタンまたは操作パネルを操作すると、支持台移動部が駆動され、支持台31が待機位置まで下降される。用紙束Sに表紙を付ける場合には、作業者によって待機位置に至った支持台31の上に表紙が載置される。
【0075】
作業者によって接着剤塗布開始の操作が行われると、搬送モータ921が駆動され、用紙束Sを保持した状態で、保持ユニット20が案内部材91に案内されつつ背支持部3から接着剤塗布部4へ向けて移動される。
【0076】
保持ユニット20が切目形成ローラ51の設置位置に至ると、接触位量調整部56により接触位置へと移動され、駆動部53の駆動により回転される切目形成ローラ51の切目形成刃59の刃先58が、用紙束Sの背Bに接触する。これより、用紙束Sの背Bの部分に切目を形成する。
【0077】
その際、切目形成ローラ51が待機位置にある状態で、制御部は接触量調整モータ74を駆動する。接触量調整モータ74の駆動によりウォーム85が回動し、ウォームホイール86を回転させ、カムシャフト89を回転させる。これより、偏心カム94が回転され、カムフォロア95を所定量持ち上げる。
【0078】
カムフォロア軸支部97及び軸受65は、付勢部材66,99の付勢力に抗して上方へ移動され、切目形成ローラ51及び覆板部70が用紙束Sの接触位置へ至る。切目形成ローラ51の位置は、エンコーダを用いてカムシャフト89の回転量を検出することで制御部に把握される。
【0079】
制御部は、用紙束Sの製本条件に基づいて刃先58の用紙束Sの背Bへの接触量を制御することができる。そして、制御部は、用紙束Sの製本条件に基づいて切目形成ローラ51の回転動作を制御することが可能である。例えば、用紙Pがコート紙、マット紙等の塗工紙であったり、光沢加工、平滑加工等が施されていたりするために用紙Pが硬く密度が高いようなとき、制御部は、用紙束Sまたは用紙Pの硬さが軟らかく密度が低いときより切目形成ローラ51の回転速度を速くすることができる。搬送部9による用紙束Sの搬送速度が用紙束Sまたは用紙Pの硬さや密度に関わらず同等か、または硬い紙質や密度が高いときの方が遅い場合、切目形成ローラ51の回転速度を速くすることによって用紙束Sの背Bにより多くの切目を形成することができる。
【0080】
また、例えば、制御部は、用紙束Sまたは用紙Pの厚さが厚いときに薄いときより、刃先58と用紙束Sとの距離を短くするよう制御することができる。この場合、制御部は、用紙束Sまたは用紙Pの厚さが厚いときの方が薄いときより、待機位置から接触位置へ切目形成ローラ51を移動する際の接触量調整モータ74の駆動量を大きくし、切目形成ローラ51がより高い位置に位置するよう制御する。
【0081】
なお、切目形成ローラ51の高さは位置検出部57によって検出される。これより、用紙束Sが切目形成ローラ51に接触する際に、複数の刃先58が、用紙束Sの背Bにより深く接触され、用紙束Sにより大きい切目形成が形成される。そして、用紙束Sの背Bに多くの切り目を形成して表面積を増大させ、背接着剤塗布部4で塗布される接着剤Gの背Bへの浸透力を高め接着強度を向上可能である。
【0082】
また、制御部は、用紙束Sと刃先58との接触時間を調整することも可能である。例えば、制御部は、用紙束Sの厚さが厚いときや、用紙束Sまたは用紙Pの種類が切目形成を形成困難なものであるときに、用紙束Sの厚さが薄いときや切目形成が容易なときよりも搬送部9による用紙束Sの搬送速度を遅くするよう制御する。切目形成ローラ51の回転速度が同じ場合には、搬送部9によって用紙束Sの搬送速度を遅くする方が、速いときより刃先58が用紙束Sに接触し切目を形成する回数が多くなる。これより、用紙束Sの背Bにより多くの切目を形成することができる。
【0083】
そして、制御部は、用紙束Sと刃先58との接触回数を増減することも可能である。例えば、制御部は、用紙束Sまたは用紙Pの表面処理状態が光沢加工、平滑加工など施されているために、用紙Pの密度が高くなり、用紙Pが硬くなり、刃先58にかかる負荷が大きい等といった理由で切目形成を形成困難なものであるときに、切目形成が容易なときよりも、用紙束Sと刃先58との接触回数を多くするよう制御する。接触回数を多くするには、搬送部9による用紙束Sの搬送速度を同じにして、切目形成ローラ51の回転速度を速くするという方法がある。また、これに加えまたはこれに替えて、上記したように、切目形成ローラ51の回転速度を同等としつつ、搬送部9による用紙束Sの搬送速度を遅くするという方法がある。これより、用紙束Sの背Bにより多くの切目を形成することができる。
【0084】
逆に、制御部は、用紙束Sまたは用紙Pの厚さが薄いとき、切目形成を形成容易な種類や表面処理状態のときに、刃先58と用紙束Sとの距離を長くして、接触する深さを少なくしたり、搬送部9による用紙束Sの搬送速度を速くしたり、用紙束Sと刃先58との接触回数を少なくするよう搬送部9と切目形成ローラ51の速度を調整したりすることができる。これより、切目形成処理時に生じる騒音を低減できる。搬送部9による搬送速度を速くする場合には、切目形成処理を短時間で迅速に行いつつ必要な強度を有する適正な製本処理を実行可能である。
【0085】
また、例えば、制御部は、環境温度や環境湿度によれば用紙束Sの背Bに切目を形成することが困難となるとき、すなわち、製本装置1の設置場所の温度が低いために、背Bに切目を形成することが困難となるような場合には切目形成ローラ51の回転方向を正逆いずれかの方向に調整することができる。搬送部9による用紙束Sの切目形成ローラ51に対する相対移動方向と、用紙束Sに接触することによって用紙束Sの背Bに切目を形成している刃先58の進行方向とが、逆方向であるときは容易に効率よく切目形成を形成可能である。また、順方向であるときは、騒音を抑制できる。製本装置1の設置場所の湿度が低いために、切目を形成することが困難となるような場合には、切目形成ローラ51を高速で回転することで、切目形成をより確実に形成可能である。
【0086】
更に、制御部は、用紙束Sの製本条件に基づいて切目形成処理回数を制御することも可能である。例えば、制御部は、用紙束Sまたは用紙Pのコシの強さが強いときに、弱いときより切目形成処理回数を多くすることができる。本実施形態における切目形成処理回数とは、制御部が、用紙束Sを切目形成ローラ51に接触しつつ切目形成部5を通過させる回数である。搬送部9によって背支持部3から接着剤塗布部4へ向けて用紙束Sを搬送させる際、往路で切目形成ローラ51によって用紙束Sの背Bに切目形成を形成した後、接着剤塗布部4へ進む前に一旦停止し、搬送方向を切り替え、前方へ向けて用紙束Sを搬送しつつ再度切目形成処理を実行してもよい。
【0087】
そして、2回目の切目形成処理の後、搬送方向を再度切り替えて用紙束Sを接着剤塗布部4へ向けて進む際に、更にもう一度切目形成処理を実行することによって3回目の切目形成処理を実行することができる。
【0088】
一方、2回目の切目形成処理の後、制御部が接触量調整部56を制御し、3回目の切目形成処理を行わずに、接着剤塗布部4へ用紙束Sを搬送してもよい。すなわち、制御部は2回の切目形成処理の後、接触量調整モータ74を駆動し、切目形成ローラ51を接触位置から待機位置へ移動し、切目形成ローラ51に用紙束Sを接触させずに用紙束Sを後方へ搬送してもよい。切目形成処理を実行中は搬送部9による用紙束Bの搬送速度を低下させるよう制御している場合には、3回目の切目形成処理を省略することで製本に要する時間を短縮可能である。また、更に必要により、切目形成処理回数を3回以上としてもよい。
【0089】
切目形成処理回数を2回以上とすることで、用紙束Sの厚さ方向で均一な切目を形成することができる。特に、用紙束Sの背Bの一端側から他端側へ用紙束Sの背Bに順次切目を形成するよう用紙束Sを切目形成ローラ51に対し相対移動する場合においては、製本条件により、切目形成処理が均一に形成されにくくなることがある。この場合、切目形成回数を偶数回とすることで、用紙束Sの切目形成ローラ51との相対移動方向での切目形成処理の不均一性を解消できる。
【0090】
用紙束Sの背Bの一端側から他端側へ用紙束Sの背Bに順次切目を形成する場合について、図7を用いて説明する。同図は用紙束Sの切目形成処理の動作を説明する拡大図である。同図(a)は、切目形成処理前の状態を示す。搬送部9の搬送によって用紙束Sが切目形成ローラ51に対し、同図において左方へ相対移動する。用紙束Sの背Bは、同図における左側から右側へ順次切目が形成される。
【0091】
切目形成ローラ51の回転方向が、同図において時計回りCである場合を考える。この場合、搬送部9による用紙束Sの切目形成ローラ51に対する相対移動方向Fと、用紙束Sに接触することによって背Bに切目を形成している刃先58の進行方向Dは、逆方向となる。すなわち、用紙束Sが切目形成ローラ51の上方を通過し、用紙束Sの下端部の背Bを切目形成処理する場合、用紙束Sに接触することによって背Bに切目を形成している刃先581は、主として切目形成ローラ51の上部に回転してくる刃となる。この切目形成ローラ51の上部の刃先581は、該切目形成ローラ51の時計回りCの回転に伴って同図において右方に進行する。搬送部9による用紙束Sの切目形成ローラ51に対する相対移動方向Fと、用紙束Sに接触することによって背Bに切目を形成している刃先581の進行方向Dとは、逆方向となっている。
【0092】
用紙束Sの左端の用紙Pu1が切目形成ローラ51に接触し、切目形成処理が開始された後、同図(b)に示すように、用紙束Sの厚さ方向の中ほどまでは、順調に切目形成処理される。この用紙束Sの厚さ方向の前半部分の処理では、刃先58が用紙Pの一方の側、同図では左側から接触する。用紙束Sの前半部分の用紙Puは、右側に所定量の後半部分の用紙Pdが存在することで右側へ撓もうとするのを抑えられる。
【0093】
その後、用紙束Sの後半部分の切目形成処理の際、製本条件によっては、同図(c)に示すように、右側に所定量の用紙Pが存在しなくなるために、用紙Ptが右方へ撓んでしまい、用紙Pと切目形成ローラ51との接触量が低減され、適切な切目形成が形成されないことがある。そして、同図(d)に示すように、用紙束Sの厚さ方向で切目形成Kが十分に形成されない部分Tが生じることがある。用紙束Sと切目形成ローラ51とが順次接触する方向で下流側となる後半部分の用紙Pdが、前半部分の用紙Puより切目形成Kの深さが少なくなっており、用紙束Sのうち右端に近いほど用紙Pの背Bの切目形成Kの長さが短くなっている。
【0094】
この問題に対し、切目形成処理回数を偶数の回数とすることで、切目形成Kの長さが不十分な用紙束Sと切目形成ローラ51との接触方向下流側の用紙Pdを偶数回目の切目形成処理で十分に切目形成処理することができ、全体として均一な切目を形成することができる。
【0095】
また、均一な切目を形成するために、用紙束Sの切目形成処理中の所定のタイミングで、切目形成処理動作を変更することとしてもよい。図8は、切目形成ローラ51の回転方向を、切目形成処理中の所定のタイミングで変更する場合について示している。同図では、製本条件に応じて、搬送部9による用紙束Sの切目形成ローラ51に対する相対移動方向Fと、用紙束Sに接触することによって背Bに切目を形成している刃先581の進行方向Dとが、切目形成処理中の所定のタイミングで逆方向D1から順方向D2へ切り替えられている。
【0096】
切目形成ローラ51が、用紙束Sの背Bの厚さ方向半分乃至5分の4程度まで切目形成したとき、切目形成ローラ51の回転方向を同図(c)に示すように、反時計回りVに切り替える。すると、搬送部9による用紙束Sの切目形成ローラ51に対する相対移動方向Fと、用紙束Sに接触することによって背Bに切目を形成している切目形成ローラ51の上部に位置する刃先581の進行方向D2とが、同じ方向となる。
【0097】
右側に示す用紙束Sの後半部分の用紙Pdは、切目形成ローラ51が反時計回りVに回転するために、同図における右側から刃先581が接触し、切目形成Kが形成される。刃先581の右側からの接触によって用紙Pdが左方に撓もうとしても、後半部分の用紙Pdの左側には、すでに切目形成処理済みの前半部分の用紙Puが用紙束Sの厚さの半分乃至5分4程存在する。
【0098】
このため、後半部分の用紙Pdが左側へ撓もうとすることを抑えることができる。用紙束Sの厚さ方向の後半部分でも前半部分と同等の長さの切目形成Kを形成することができる。このように、用紙束Sの切目形成処理中の所定のタイミングで、切目形成処理動作を変更することで、切目形成処理回数を2回実施しなくても1回の切目形成処理で均一な切目形成を形成できる。
【0099】
また、用紙束Sの厚さ方向で切目形成が十分に形成されない部分が生じることに対する他の方法として、接触量調整部56によって、製本条件に応じ、用紙束Sの背Bへの刃先58の接触量を切目形成処理中の所定のタイミングで増減させることもできる。制御部は、切目形成の過剰または不足するタイミングで、接触量調整モータ74を駆動し、用紙束Sに対する切目形成ローラ51の位置を相対移動するよう制御する。
【0100】
そして、図9(c)に示すように、用紙Ptが撓むことで切目形成ローラ51による切目形成の形成が困難となる部分で、刃先58が、用紙束Sの背Bにより深く接触する位置へ切目形成ローラ51を移動する。用紙Ptが撓んでも、接触量の増大した刃先58によって、接触量の少ない前半部分の用紙Puと同等の切目形成を後半部分の用紙Pdにも形成することができる。これより、1回の切目形成処理で、均一な切目形成を形成可能である。
【0101】
制御部は、用紙束Sが切目形成ローラ51に接触して、用紙束Sの背Bの一端側から他端側へ用紙束Sの背Bを順次切目形成処理している間に、接触量調整モータ74を所定量駆動し、連結部75を介して偏心カム94の回転角度を必要な所定量変更してもよい。偏心カム94の回転により、用紙束Sの背Bへの刃先58の接触量を増減することができる。
【0102】
切目形成処理の後、保持ユニット20に保持された用紙束Sが搬送部9によって接着剤塗布部4に搬送されると、用紙束Sの背Bに接着剤Gが塗布される。その際、ローラ駆動部44の駆動により、塗布ローラ42および掻落しローラ43が回転される。塗布ローラ42の上部は、用紙束Sの移動方向と同じ方向に所定の周速度で回転される。一方、掻落ローラ43の上部は用紙束Sの移動方向とは反対の向きに、所定の周速度で回転される。
【0103】
塗布ローラ42の下部は、接着剤貯留槽41の接着剤Gに浸漬されており、保持ユニット20に保持された用紙束Sが接着剤貯留槽41の上方を通過する間に、接着剤Gが付着した塗布ローラ42の頂面領域が用紙束Sの背Bに接触することによって用紙束Sの背Bに接着剤Gが塗布される。
【0104】
保持ユニット20が接着剤貯留槽41の後端部に至ると、搬送部9は保持ユニット20の後方への搬送を停止する。そして、搬送部9は、保持ユニット20を停止位置から折り返して前方へ搬送開始し、再び接着剤貯留槽41の上方を通過させる。
【0105】
復路の移動方向と同じ方向に上部が回転する塗布ローラ42の当該上部に用紙束Sが再度接触し、用紙束Sに再度接着剤Gが塗布され、より多くの接着剤Gを付着させる。
【0106】
掻落しローラ43の上部は、用紙束Sの移動方向とは反対の向きに回転している。用紙束Sが掻落しローラ43の上方に至ると、用紙束Sの背Bが掻落しローラ43に接触する。これより、用紙束Sに付着した余分な接着剤Gが掻き落とされる。作業者は、調整操作部452を回動操作することで、掻落しローラ43の設置高さを調整することで、掻落しローラ43によって用紙束Sから取り除かれる余分な接着剤Gの量を調整することができる。
【0107】
用紙束Sが復路を搬送される際、切目形成ローラ51は接触量調整部56によって下方の待機位置まで移動される。これより、用紙束Sが切目形成部5を通過する際、切目形成ローラ51が用紙束Sに接触しないようになっている。
【0108】
用紙束Sが背支持部3に到達すると搬送部9は保持ユニット20の移動を停止する。用紙束Sに表紙を付ける場合、所定のタイミングで支持台移動部が駆動され、支持台31が表紙接着位置まで上昇される。それによって、表紙が用紙束Sの背に押し付けられる。また、ニップ部材駆動部が駆動され、一対のニップ部材321が用紙束Sを表紙の外側から掴む。これより、表紙が用紙束Sの前後両側に押し付けられる。
【0109】
その後、ニップ部材駆動部の駆動により一対のニップ部材321が所定量離間される。また、支持台移動部の駆動により支持台31が待機位置まで下降される。さらに、搬送部9の搬送モータ921が駆動され、保持ユニット20を前方の回収部8まで移動させる。
【0110】
保持ユニット20が、案内部材91に案内されつつ製本装置1の前側へ移動され、回収部8に至ると、保持ユニット20の搬送が停止される。作業者は、操作レバー37を操作し、一対のクランプ21を所定量離間させ、用紙束Sを解放する。用紙束Sは、回収窓81から下方へ落下され、回収板82に回収される。
【0111】
作業者は、操作レバー37を解放操作することで、容易に用紙束Sをクランプ21から解放することができる。その後、搬送部9は、保持ユニット20を支持台31の上方位置まで移動する。引き続き同じ厚さの用紙束Sを製本する場合には、作業者は新たな用紙束Sの背Bを支持台31上で揃えた後、操作レバー37を解放位置から保持位置へ移動する操作を行う。これより、作業者は容易に用紙束Sをクランプ21で保持することができる。
【0112】
(第2の実施形態)
第2の実施形態について以下に説明する。図10は第2の実施形態に係る製本装置1Aの模式縦断面図である。図11は、前記製本装置1Aの平面図である。第2の実施形態では、上記第1の実施形態の接着剤塗布部4に替えて、用紙束Sの背Bの長手方向に沿って走行可能な接着剤Gの塗布ユニット47が設けられる。図11では、塗布ユニット47が待機位置に位置する場合を示す。塗布ユニット47は前後のレール48に案内され、図示しない塗布ユニット走行モータの駆動により用紙束Sの背Bの長手方向に沿って走行される。
【0113】
塗布ユニット47の待機位置は、用紙束Sの搬送部9による搬送経路の外側に位置する。接着剤塗布部4は、例えば、電磁誘導コイル等の加熱手段49を備える。電磁誘導コイルは、接着剤貯留槽41Aが待機位置に位置する場合に、接着剤貯留槽41Aに非接触状態で、強磁性体材料が誘導加熱されることにより接着剤を加熱することができる。
【0114】
接着剤貯留槽41Aには、内部に貯留されている接着剤に、一部が浸漬するように塗布ローラ42Aが配置される。塗布ローラ42Aは、接着剤貯留槽41Aの側板411Aに軸支されている。塗布ローラ42Aは、回転軸421Aに連結されているローラ駆動部44Aによって回転される。
【0115】
接着剤貯留槽41Aの前後外方には、一対のローラ46が設置される。ローラ46は、レール48に係合している。なお、塗布ローラ42Aの両側方には、該塗布ローラ42Aの表面に付着した余分な接着剤を掻き落とすための図示しないスクイジーを設置してもよい。
【0116】
塗布ユニット47は、用紙束Sの背Bに、塗布ローラ42Aの表面に付着した接着剤を接触させた状態でスライド可能に構成される。
【0117】
接着剤を塗布する際は、ローラ駆動部44Aを駆動させて塗布ローラ42Aを回転させる。そして、塗布ユニット走行モータを駆動させて塗布ユニット47を用紙束Sに沿って移動させる。塗布ユニット47が移動することにより、塗布ローラ42Aを介して用紙束Sの背部分に接着剤Gが塗布される。このときの塗布ローラ42Aの回転方向は、用紙束Sの厚みに応じて、接着剤の塗布量が異なり、用紙束Sの厚みが薄い場合は、用紙束Sの背Bへの接着剤の塗布量が少なくなり、接着力が弱くなる。したがって、塗布ローラ42Aの回転方向を用紙束Sの厚さに応じて調整し、厚いときは薄いときより用紙束Sの移動方向に対し、塗布ローラ42Aが逆方向に回転することで、より多くの接着剤を付与可能である。
【0118】
(第3の実施形態)
第3の実施形態について以下に説明する。図12は第3の実施形態に係る製本装置1Bの模式縦断面図である。本第3の実施形態では、図1に示す第1の実施形態の切目形成部5に替えて、用紙束Sの背Bの長手方向に沿って走行可能な切目形成ローラ51Bを備えた切目形成ユニット55が設けられる。切目形成ユニット55は前後のレール551に案内され、図示しない切目形成ユニット走行モータの駆動により用紙束Sの背Bに沿って走行される。
【0119】
本第3の実施形態では切目形成ローラ51Bの待機位置が、用紙束Sの搬送部9による搬送経路の外側に位置する。切目形成ローラ51Bは 切目形成ユニット55の側板552に回動自在に軸支されている。切目形成ローラ51Bは、駆動部53Bによって回転される。
【0120】
切目形成ユニット55の前後側方には、一対のローラ553が設置される。ローラ553は、レール552に係合している。
【0121】
切目形成ユニット55は、用紙束Sの背Bに切目形成ローラ51Bを接触させた状態でスライド可能に構成される。
【0122】
用紙束Sを切目形成処理する際は、駆動部53Bを駆動させて切目形成ローラ51Bを回転させる。そして、切目形成ユニット走行モータを駆動させて切目形成ユニット55を用紙束Sの長手方向に沿って移動させる。切目形成ユニット55が移動することにより、用紙束Sの長手方向に沿って順次用紙束Sが切目が形成される。
【0123】
尚、本発明に係る製本装置は、保持部が用紙束を立設状態で保持したが、これに限定されず、横向き、斜めなど他の方向で保持してもよい。また、切目形成部5は、用紙束Sの下面を切目形成処理したが、横向きに保持された用紙束の鉛直面や斜め向きの背を切目形成処理してもよく、用紙束の上面が背となるよう保持することによって用紙束の上面を切目形成処理してもよい。また、接着剤塗布部は、ヒーター等の加熱手段を内蔵し、ホットメルトなどの接着剤を加熱して使用する場合を示したが、アクリル、EVAや酢酸ビニル等の水系接着剤等他の接着剤を用いてもよい。
【0124】
また、刃先58の用紙束Sの背Bへの接触量を増減するよう用紙束Sに対する切目形成ローラ51の位置を相対移動する接触量調整部56を備えたが、切目形成ローラを用紙束に対し相対移動できないよう側壁の所定位置に軸支させてもよい。また、切目形成ローラ51は、正逆回転可能に設置されたが、用紙束の搬送方向に対し切目形成刃が逆方向で接触するか、または順方向で接触するかのいずれか一方向にのみ回転するよう構成してもよい。
【0125】
また、搬送部9は、用紙束Sを切目形成ローラ51に対し移動させたが、切目形成ローラを用紙束に対し移動させ、切目形成処理してもよい。また、切目形成ローラは、回転軸方向で隣接する切目形成刃の周方向における突出位置がずれて設置されたが、隣接する切目形成刃が全て同じ突出位置であってもよく、一部のみずれても構わない。
【符号の説明】
【0126】
B 背、S 用紙束、1,1A,1B 製本装置、4 接着剤塗布部、9 搬送部、51,51B 切目形成ローラ、59 切目形成刃、56 接触量調整部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12