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特許7191307電子メール管理システム、電子メール管理装置、電子メール管理方法、電子メール管理プログラムおよび記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】電子メール管理システム、電子メール管理装置、電子メール管理方法、電子メール管理プログラムおよび記録媒体
(51)【国際特許分類】
   H04L 51/21 20220101AFI20221212BHJP
【FI】
H04L51/21
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021143995
(22)【出願日】2021-09-03
【審査請求日】2021-09-22
【早期審査対象出願】
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】509215400
【氏名又は名称】株式会社プロット
(74)【代理人】
【識別番号】100136098
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 修平
(74)【代理人】
【識別番号】100137246
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 勝也
(72)【発明者】
【氏名】津島 裕
(72)【発明者】
【氏名】菰田 貴行
(72)【発明者】
【氏名】坂田 英彦
【審査官】鈴木 香苗
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-219480(JP,A)
【文献】特開2009-301186(JP,A)
【文献】特開2016-082436(JP,A)
【文献】特開2017-028368(JP,A)
【文献】特開2009-124194(JP,A)
【文献】特開2014-087023(JP,A)
【文献】特開2011-101337(JP,A)
【文献】特開2010-282363(JP,A)
【文献】特開2003-271524(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 51/21
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の端末装置から送信される複数の電子メールの送信を管理する電子メール管理システムであって、
前記第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した前記電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの前記電子メールの送信を制御する管理サーバーを備え、
前記管理サーバーは、
前記第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部と、
前記電子メールの送信先に前記電子メールを送信するよう制御する送信制御部と、
前記電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する抽出部と、
前記電子メール受信部により受信された前記第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する時間計測部と、
前記時間計測部により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内である場合において再び前記第1の端末装置から前記第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する第1判断部と、
前記第1判断部により前記所定の時間内に前記第2の電子メールを受信したと判断されれば、前記抽出部により抽出された前記所定の情報が前記第2の電子メールに含まれているか否かを判断する第2判断部と、
前記電子メール受信部により前記第1の電子メールを受信すれば、前記第1の電子メールを送信せずに前記管理サーバーに一旦保留し、前記第2判断部により前記第2の電子メールに前記所定の情報が含まれていると判断されれば、前記第2の電子メールを送信せずに前記管理サーバーに保留するよう制御する保留制御部と、を含み、
前記送信制御部は、前記第1判断部により前記所定の時間内に前記第2の電子メールを受信していないと判断された場合において、前記経過時間が前記所定の時間を超えた時に、前記保留制御部により保留された前記第1の電子メールの保留状態を解除して送信するよう制御し、
前記管理サーバーは、前記保留制御部により前記第2の電子メールを保留するよう制御すれば、前記第2の電子メールを保留していることを報知するよう制御する報知制御部をさらに含む、電子メール管理システム。
【請求項2】
前記所定の情報は、電子メールの件名の情報を含む電子メールのヘッダ情報および電子メールの本文の内容の情報のうちの少なくともいずれか1つを有する、請求項1に記載の電子メール管理システム。
【請求項3】
前記送信制御部は、前記電子メール受信部により受信された前記第1の電子メールが所定の条件を具備していれば、前記抽出部、前記時間計測部、前記第1判断部、前記第2判断部および前記保留制御部を作動させずに前記第1の電子メールを前記第1の電子メールの送信先に送信するよう制御する、請求項1または請求項2に記載の電子メール管理システム。
【請求項4】
前記所定の条件は、前記第1の電子メールの送信元がホワイトリストデータに含まれている場合である、請求項3に記載の電子メール管理システム。
【請求項5】
前記管理サーバーは、所定の動作を検知することにより前記保留制御部により保留された電子メールの保留状態を解除して前記送信制御部により送信するよう制御する保留解除制御部をさらに含む、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の電子メール管理システム。
【請求項6】
第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した前記電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの前記電子メールの送信を制御する電子メール管理装置であって、
前記第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部と、
前記電子メールの送信先に前記電子メールを送信するよう制御する送信制御部と、
前記電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する抽出部と、
前記電子メール受信部により受信された前記第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する時間計測部と、
前記時間計測部により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内である場合において再び前記第1の端末装置から前記第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する第1判断部と、
前記第1判断部により前記所定の時間内に前記第2の電子メールを受信したと判断されれば、前記抽出部により抽出された前記所定の情報が前記第2の電子メールに含まれているか否かを判断する第2判断部と、
前記電子メール受信部により前記第1の電子メールを受信すれば、前記第1の電子メールを送信せずに前記電子メール管理装置に一旦保留し、前記第2判断部により前記第2の電子メールに前記所定の情報が含まれていると判断されれば、前記第2の電子メールを送信せずに前記電子メール管理装置に保留するよう制御する保留制御部と、を含み、
前記送信制御部は、前記第1判断部により前記所定の時間内に前記第2の電子メールを受信していないと判断された場合において、前記経過時間が前記所定の時間を超えた時に、前記保留制御部により保留された前記第1の電子メールの保留状態を解除して送信するよう制御し、
前記電子メール管理装置は、前記保留制御部により前記第2の電子メールを保留するよう制御すれば、前記第2の電子メールを保留していることを報知するよう制御する報知制御部をさらに含む、電子メール管理装置。
【請求項7】
第1の端末装置から送信される複数の電子メールの送信を管理する電子メール管理システムに用いられる電子メール管理方法であって、
前記電子メール管理システムは、前記第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した前記電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの前記電子メールの送信を制御する管理サーバーを備え、
前記管理サーバーは、
前記第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部と、
前記電子メールの送信先に前記電子メールを送信するよう制御する送信制御部と、を備え、
前記電子メール管理方法は、
前記電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する工程と、
前記電子メール受信部により受信された前記第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する工程と、
計測された経過時間が予め設定された所定の時間内である場合において再び前記第1の端末装置から前記第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する工程と、
前記所定の時間内に前記第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出された前記所定の情報が前記第2の電子メールに含まれているか否かを判断する工程と、
前記電子メール受信部により前記第1の電子メールを受信すれば、前記第1の電子メールを送信せずに前記管理サーバーに一旦保留し、前記第2の電子メールに前記所定の情報が含まれていると判断されれば、前記第2の電子メールを送信せずに前記管理サーバーに保留するよう制御する工程と、を含み、
前記送信制御部は、前記所定の時間内に前記第2の電子メールを受信していないと判断された場合において、前記経過時間が前記所定の時間を超えた時に、保留された前記第1の電子メールの保留状態を解除して送信するよう制御し、
前記電子メール管理方法は、
前記第2の電子メールを保留するよう制御すれば、前記第2の電子メールを保留していることを報知するよう制御する工程をさらに含む、電子メール管理方法。
【請求項8】
第1の端末装置から送信される複数の電子メールの送信を管理する電子メール管理システムに用いられる電子メール管理システム用プログラムであって、
前記電子メール管理システムは、前記第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した前記電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの前記電子メールの送信を制御する管理サーバーを備え、
前記管理サーバーを、
前記第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部、
前記電子メールの送信先に前記電子メールを送信するよう制御する送信制御部、
前記電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する抽出部、
前記電子メール受信部により受信された前記第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する時間計測部、
前記時間計測部により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内である場合において再び前記第1の端末装置から前記第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する第1判断部、
前記第1判断部により前記所定の時間内に前記第2の電子メールを受信したと判断されれば、前記抽出部により抽出された前記所定の情報が前記第2の電子メールに含まれているか否かを判断する第2判断部、および
前記電子メール受信部により前記第1の電子メールを受信すれば、前記第1の電子メールを送信せずに前記管理サーバーに一旦保留し、前記第2判断部により前記第2の電子メールに前記所定の情報が含まれていると判断されれば、前記第2の電子メールを送信せずに前記管理サーバーに保留するよう制御する保留制御部、として機能させるための電子メール管理システム用プログラムであり、
前記送信制御部は、前記第1判断部により前記所定の時間内に前記第2の電子メールを受信していないと判断された場合において、前記経過時間が前記所定の時間を超えた時に、前記保留制御部により保留された前記第1の電子メールの保留状態を解除して送信するよう制御し、
前記管理サーバーを、
前記保留制御部により前記第2の電子メールを保留するよう制御すれば、前記第2の電子メールを保留していることを報知するよう制御する報知制御部として機能させるための電子メール管理システム用プログラム。
【請求項9】
第1の端末装置から送信される複数の電子メールの送信を管理する電子メール管理システムに用いられる電子メール管理システムに用いられ、コンピューター読み取り可能な記録媒体であって、
前記電子メール管理システムは、前記第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した前記電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの前記電子メールの送信を制御する管理サーバーを備え、
前記管理サーバーを、
前記第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部、
前記電子メールの送信先に前記電子メールを送信するよう制御する送信制御部、
前記電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する抽出部、
前記電子メール受信部により受信された前記第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する時間計測部、
前記時間計測部により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内である場合において再び前記第1の端末装置から前記第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する第1判断部、
前記第1判断部により前記所定の時間内に前記第2の電子メールを受信したと判断されれば、前記抽出部により抽出された前記所定の情報が前記第2の電子メールに含まれているか否かを判断する第2判断部、および
前記電子メール受信部により前記第1の電子メールを受信すれば、前記第1の電子メールを送信せずに前記管理サーバーに一旦保留し、前記第2判断部により前記第2の電子メールに前記所定の情報が含まれていると判断されれば、前記第2の電子メールを送信せずに前記管理サーバーに保留するよう制御する保留制御部、として機能させるための電子メール管理システム用プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体であり、
前記送信制御部は、前記第1判断部により前記所定の時間内に前記第2の電子メールを受信していないと判断された場合において、前記経過時間が前記所定の時間を超えた時に、前記保留制御部により保留された前記第1の電子メールの保留状態を解除して送信するよう制御し、
前記管理サーバーを、
前記保留制御部により前記第2の電子メールを保留するよう制御すれば、前記第2の電子メールを保留していることを報知するよう制御する報知制御部として機能させるための電子メール管理システム用プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、電子メール管理システム、電子メール管理装置、電子メール管理方法、電子メール管理プログラムおよび記録媒体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電子メールを送信する際の誤送信の抑制に関する技術が、特開2013-101684号公報(特許文献1)に開示されている。特許文献1によると、プログラムにより1以上の宛先について送信可否の確認を要求する処理を実行させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-101684号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1によると、電子メールの送信先の電子メールアドレス(宛名)を分解して一定期間内にその電子メールのメールアドレスに送信したことがあるか否かを判断して、電子メールの誤送信の有無を判断することとしている。しかし、このような技術では、単に過去の電子メールの送信履歴のみで誤送信の有無を判断しているため、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信の抑制について、不十分である。複数の電子メールを送信する際のより確実な電子メールの誤送信の抑制が求められる。
【0005】
この発明の目的は、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信をより確実に抑制することができる電子メール管理システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係る電子メール管理システムは、第1の端末装置から送信される複数の電子メールの送信を管理する。電子メール管理システムは、第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの電子メールの送信を制御する管理サーバーを備える。管理サーバーは、第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部と、電子メールの送信先に電子メールを送信するよう制御する送信制御部と、電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する抽出部と、電子メール受信部により受信された第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する時間計測部と、時間計測部により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内において電子メール受信部により再び第1の端末装置から第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する第1判断部と、第1判断部により所定の時間内に第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出部により抽出された所定の情報が第2の電子メールに含まれているか否かを判断する第2判断部と、第2判断部により第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断されれば、第2の電子メールを送信せずに管理サーバーに保留するよう制御する保留制御部と、を含む。
【0007】
この発明に係る電子メール管理システムによると、第1の端末装置から送信された2通目の電子メールである第2の電子メールを、計測された経過時間が予め設定された所定の時間内である場合において管理サーバーが受信した際に、1通目の電子メールである第1の電子メールに含まれている所定の情報を第2の電子メールが含むか否かを判断している。そして、所定の情報を含むと判断されれば、第2の電子メールを送信せず、保留するようにしている。そうすると、第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断され、第2の電子メールが保留された際に、第2の電子メールを送信するか否かを改めて判断することができる。このような構成によれば、電子メールの作成および送信に際し、例えば周期的に同じ件名の電子メールを作成して送信することを繰り返すループのプログラムを組み込んだ場合に、2回目以降に作成して送信する第2の電子メールについて、所定の情報を含むと判断されれば、一旦保留されることになる。そうすると、意図せずループのプログラムにより複数の電子メールの送信を繰り返すことを回避することができる。その結果、このような電子メール管理システムによると、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信をより確実に抑制することができる。
【0008】
上記電子メール管理システムにおいて、所定の情報は、電子メールの件名の情報を含む電子メールのヘッダ情報および電子メールの本文の内容の情報のうちの少なくともいずれか1つを有してもよい。上記のような情報を含む第2の電子メールは、誤送信のおそれが高い。したがって、さらに確実に複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信を抑制することができる。
【0009】
上記電子メール管理システムにおいて、管理サーバーは、保留制御部により第2の電子メールを保留するよう制御すれば、第2の電子メールを保留していることを報知するよう制御する報知制御部をさらに含んでもよい。このようにすることにより、第2の電子メールが送信されずに保留状態であることを、例えば、管理サーバーを管理する管理者に知らせることができる。したがって、より迅速な処理を行うことができる。
【0010】
上記電子メール管理システムにおいて、保留制御部は、電子メール受信部により第1の電子メールを受信すれば、第1の電子メールを送信せずに一旦保留してもよい。送信制御部は、第1判断部により所定の時間内に第2の電子メールを受信していないと判断された場合および第2判断部により所定の情報が第2の電子メールに含まれていないと判断された場合において、経過時間が所定の時間を超えた時に、保留制御部に保留された第1の電子メールの保留状態を解除して送信するよう制御してもよい。このようにすることにより、第1判断部により所定の時間内に第2の電子メールを受信していないと判断された場合および第2判断部により所定の情報が第2の電子メールに含まれていないと判断された場合において、第1の電子メールについては、所定の期間経過後に送信することができる。したがって、最初に送信される電子メールにおいて、電子メールの送信を円滑に行うことができる。
【0011】
上記電子メール管理システムにおいて、送信制御部は、電子メール受信部により受信された電子メールが所定の条件を具備していれば、抽出部、時間計測部、第1判断部、第2判断部および保留制御部を作動させずに電子メールを電子メールの送信先に送信するよう制御してもよい。このようにすることにより、例えばいわゆる送信者がホワイトリストのデータに含まれている場合には、電子メールを遅滞させることなく送信することができる。したがって、電子メールの送信を円滑に行うことができる。
【0012】
上記電子メール管理システムにおいて、管理サーバーは、所定の動作を検知することにより保留制御部により保留された電子メールの保留状態を解除して送信制御部により送信するよう制御する保留解除制御部をさらに含んでもよい。このようにすることにより、第2の電子メールについて、誤送信ではないと判断された場合において、第2の電子メールについて円滑に送信することができる。
【0013】
この発明に係る電子メール管理装置は、第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの電子メールの送信を制御する。電子メール管理装置は、第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部と、電子メールの送信先に電子メールを送信するよう制御する送信制御部と、電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する抽出部と、電子メール受信部により受信された第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する時間計測部と、時間計測部により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内において電子メール受信部により再び第1の端末装置から第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する第1判断部と、第1判断部により所定の時間内に第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出部により抽出された所定の情報が第2の電子メールに含まれているか否かを判断する第2判断部と、第2判断部により第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断されれば、第2の電子メールを送信せずに管理サーバーに保留するよう制御する保留制御部と、を含む。
【0014】
このような電子メール管理装置によると、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信をより確実に抑制することができる。
【0015】
この発明に係る電子メール管理方法は、第1の端末装置から送信される複数の電子メールの送信を管理する電子メール管理システムに用いられる電子メール管理方法である。電子メール管理システムは、第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの電子メールの送信を制御する管理サーバーを備える。管理サーバーは、第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部と、電子メールの送信先に電子メールを送信するよう制御する送信制御部と、を備える。電子メール管理方法は、電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する工程と、電子メール受信部により受信された第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する工程と、計測された経過時間が予め設定された所定の時間内において電子メール受信部により再び第1の端末装置から第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する工程と、所定の時間内に第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出された所定の情報が第2の電子メールに含まれているか否かを判断する工程と、第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断されれば、第2の電子メールを送信せずに管理サーバーに保留するよう制御する工程と、を含む。
【0016】
このような電子メール管理方法によると、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信をより確実に抑制することができる。
【0017】
この発明に係る電子メール管理システム用プログラムは、第1の端末装置から送信される複数の電子メールの送信を管理する電子メール管理システムに用いられる電子メール管理システム用プログラムである。電子メール管理システムは、第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの電子メールの送信を制御する管理サーバーを備える。電子メール管理システム用プログラムは、管理サーバーを、第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部、電子メールの送信先に電子メールを送信するよう制御する送信制御部、電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する抽出部、電子メール受信部により受信された第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する時間計測部、時間計測部により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内において電子メール受信部により再び第1の端末装置から第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する第1判断部、第1判断部により所定の時間内に第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出部により抽出された所定の情報が第2の電子メールに含まれているか否かを判断する第2判断部、および第2判断部により第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断されれば、第2の電子メールを送信せずに管理サーバーに保留するよう制御する保留制御部、として機能させるための電子メール管理システム用プログラムである。
【0018】
このような電子メール管理システム用プログラムによると、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信をより確実に抑制することができる。
【0019】
この発明に係る記録媒体は、第1の端末装置から送信される複数の電子メールの送信を管理する電子メール管理システムに用いられる電子メール管理システムに用いられ、コンピューター読み取り可能な記録媒体である。電子メール管理システムは、第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの電子メールの送信を制御する管理サーバーを備える。記録媒体は、管理サーバーを、第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部、電子メールの送信先に電子メールを送信するよう制御する送信制御部、電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する抽出部、電子メール受信部により受信された第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する時間計測部、時間計測部により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内において電子メール受信部により再び第1の端末装置から第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する第1判断部、第1判断部により所定の時間内に第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出部により抽出された所定の情報が第2の電子メールに含まれているか否かを判断する第2判断部、および第2判断部により第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断されれば、第2の電子メールを送信せずに管理サーバーに保留するよう制御する保留制御部、として機能させるための電子メール管理システム用プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体である。
【0020】
このような記録媒体によると、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信をより確実に抑制することができる。
【発明の効果】
【0021】
このような電子メール管理システムによると、電子メールの誤送信をより確実に抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1図1は、この発明の一実施形態に係る電子メール管理システムの外観を概略的に示す図である。
図2図2は、図1に示す電子メール管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。
図3図3は、電子メール管理システムを利用して、第1の端末装置から送信される電子メールの管理を行う際の全体的な処理の流れを示すフローチャートである。
図4図4は、管理者における保留された電子メールの処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、この発明の実施の形態を説明する。なお、以下の図面において同一または相当する部分には同一の参照番号を付しその説明は繰返さない。
【0024】
図1は、この発明の一実施形態に係る電子メール管理システムの外観を概略的に示す図である。図2は、図1に示す電子メール管理システムの概略的な構成を示すブロック図である。図1および図2を参照して、この発明の一実施形態に係る電子メール管理システム11は、第1の端末装置13aから送信される複数の電子メールの送信を管理する。電子メール管理システム11は、第1の端末装置13aから送信される電子メールの受信および受信した電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの電子メールの送信を制御する管理サーバー12を備える。本実施形態においては、第1の端末装置13aから第2の端末装置15a,15b,15c,15d,15eに電子メールを送信する場合について説明する。管理サーバー12は、必要に応じて設けられるネットワークを介して第1の端末装置13aと通信可能に接続されている。すなわち、第1の端末装置13aと管理サーバー12との間に例えばイントラネットが構築されていてもよい。管理サーバー12は、必要に応じて設けられるネットワークを介して第2の端末装置15a,15b,15c,15d,15eと通信可能に接続されている。すなわち、第2の端末装置15a,15b,15c,15d,15eと管理サーバー12との間に例えばインターネットが構築されていてもよい。本実施形態においては、管理サーバー12は、いわゆるメールサーバーとしての機能を有する。また、管理サーバー12は、電子メール管理装置として機能する。
【0025】
第1のユーザー16aは、自らの所有する第1の端末装置13aを利用して、管理サーバー12を介して、第2のユーザー18a,18b,18c,18d,18eがそれぞれ所有する第2の端末装置15a,15b,15c,15d,15eに電子メールを送信することができる。なお、第1の端末装置13aの一例としては、第1のユーザー16a自身が所有するデスクトップ型のパーソナルコンピューター(Personal Computer(PC))が挙げられるが、もちろんこれに限らず、ノートPCやタブレットPC、スマートフォン等のモバイル型の端末装置であっても良い。第2のユーザー18a,18b,18c,18d,18eがそれぞれ所有する第2の端末装置15a,15b,15c,15d,15eについても同様である。また、後述する管理者17aが所有する管理者端末装置14aについても同様である。
【0026】
管理サーバー12は、管理者17aによって管理されている。管理者17aは、管理サーバー12に記憶されるデータを管理サーバー12に接続されたディスプレイ(図示せず)を介して確認することができる。また、管理者17aは、管理サーバー12に接続されたマウスおよびキーボード(いずれも図示せず)により、管理サーバー12に蓄積されたデータの編集や入力を行うことができる。管理者17aの認証については、例えば管理サーバー12へのログイン時におけるパスワード認証により行われる。
【0027】
管理者17aは、自ら管理者端末装置14aを所有する。管理者端末装置14aは、必要に応じて設けられるネットワークを介して管理サーバー12と通信可能に接続されている。なお、管理者端末装置14aは、例えば携帯端末装置であって、無線通信で管理サーバー12と通信可能に構成されていてもよい。なお、管理サーバー12には、他の端末装置や他の携帯端末装置が接続されていてもよい。
【0028】
次に、管理サーバー12の具体的な構成について説明する。管理サーバー12は、管理サーバー自身を制御する管理サーバー制御部21と、第1の端末装置13a等、他の電子機器と接続するための管理サーバーインターフェース部22と、種々のデータを記憶する管理サーバーハードディスク23と、を含む。管理サーバー12は、管理サーバーインターフェース部22により、他の電子機器へのデータの送信および他の電子機器からのデータの受信を行うことができる。管理サーバーインターフェース部22は、第1の端末装置13aから送信された電子メールを受信する電子メール受信部として機能する。
【0029】
管理サーバー制御部21は、抽出部26と、送信制御部27と、時間計測部28と、保留制御部29と、第1判断部31と、第2判断部32と、報知制御部33と、保留解除制御部34と、を含む。抽出部26は、管理サーバーインターフェース部22により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する。送信制御部27は、電子メールの送信先に電子メールを送信するよう制御する。時間計測部28は、管理サーバーインターフェース部22により受信された第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する。第1判断部31は、時間計測部28により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内である場合において管理サーバーインターフェース部22により再び第1の端末装置13aから第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する。第2判断部32は、第1判断部31により所定の時間内に第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出部26により抽出された所定の情報が第2の電子メールに含まれているか否かを判断する。保留制御部29は、第2判断部32により第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断されれば、第2の電子メールを送信せずに管理サーバー12に保留するよう制御する。報知制御部33は、保留制御部29により第2の電子メールを保留するよう制御すれば、第2の電子メールを保留していることを報知するよう制御する。保留解除制御部34は、所定の動作を検知することにより保留制御部29により保留された電子メールの保留状態を解除して送信制御部27により送信するよう制御する。また、保留制御部29は、管理サーバーインターフェース部22により第1の電子メールを受信すれば、第1の電子メールを送信せずに一旦保留する。送信制御部27は、第1判断部31により所定の時間内に第2の電子メールを受信していないと判断された場合および第2判断部32により所定の情報が第2の電子メールに含まれていないと判断された場合において、経過時間が所定の時間を超えた時に、保留制御部29に保留された第1の電子メールの保留状態を解除して送信するよう制御する。また、送信制御部27は、管理サーバーインターフェース部22により受信された電子メールが所定の条件を具備していれば、抽出部26、時間計測部28、第1判断部31、第2判断部32および保留制御部29を作動させずに電子メールを電子メールの送信先に送信するよう制御する。これらの構成については、後に詳述する。
【0030】
次に、電子メール管理システム11を用いて電子メールの管理、具体的には電子メールの送信および受信の管理を行う流れについて説明する。図3は、電子メール管理システム11を利用して、第1の端末装置から送信される電子メールの管理を行う際の全体的な処理の流れを示すフローチャートである。ここでは、第1の端末装置13aから第2の端末装置15aに第1の電子メールを送信した後、第2の電子メールをループのプログラムにより作成し、第2の端末装置15b,15c,15d,15eに順次送信する場合について説明する。また、第2の端末装置15aにインストールされている電子メールのソフトウェアに設定されている電子メールアドレスを「aaa@x.co.jp」とし、第2の端末装置15bにインストールされている電子メールのソフトウェアに設定されている電子メールアドレスを「bbb@y.co.jp」とし、第2の端末装置15cにインストールされている電子メールのソフトウェアに設定されている電子メールアドレスを「ccc@z.co.jp」とし、第2の端末装置15dにインストールされている電子メールのソフトウェアに設定されている電子メールアドレスを「ddd@w.com」とし、第2の端末装置15eにインストールされている電子メールのソフトウェアに設定されている電子メールアドレスを「eee@u.jp」とする。この各電子メールアドレスのデータについては、第1の端末装置に含まれるハードディスクに格納されている。
【0031】
図3を参照して、まず、第1の電子メールの作成者であり送信者である第1のユーザー16aは、第1のユーザー16a自身の所有する第1の端末装置13aを利用して第1の電子メールを作成し、第1の端末装置13aから第2のユーザー18aの所有する第2の端末装置15aへ第1の電子メールを送信する(図3におけるステップS11、以下「ステップを省略する。」)。この時、まず第1のユーザー16aは、第1の端末装置13aにインストールされている電子メール送受信機能を有するソフトウェアを利用して、第1の電子メールを作成する。具体的には、第1の電子メールについては、送信先の電子メールアドレスを第2の端末装置15aにインストールされている電子メールのソフトウェアに設定されている電子メールアドレス「aaa@x.co.jp」として作成する。なお、電子メールの作成時には、送信元の電子メールアドレスとして、第1の端末装置13aにインストールされている電子メールのソフトウェアに設定されている電子メールアドレスが電子メールの内容に組み込まれる。電子メールの件名については、「vvv」としている。電子メールの本文には、第1のユーザー16aから第2のユーザー18aへ伝えたい情報が組み込まれる。必要に応じて、電子メールに添付ファイルが添付される。そして、第1のユーザー16aによって作成された第1の電子メールが、第1の端末装置13aから管理サーバー12を経由して第2の端末装置15aへ送信される。
【0032】
次に、管理サーバー12は、第1の端末装置13aから第1の電子メールを受信したか否かを判断する(S12)。具体的には、第1の端末装置13aから管理サーバーインターフェース部22により第1の端末装置13aから送信された第1の電子メールを受信したか否かを判断する。
【0033】
第1の電子メールを受信したと判断されれば(S12において、YES)、次に、送信制御部27は、第1の電子メールが所定の条件を具備しているか否かを判断する(S13)。所定の条件を具備していると判断されれば(S13において、YES)、抽出部26、時間計測部28、第1判断部31、第2判断部32および保留制御部29を作動させずに、第1の電子メールを送信先である第2の端末装置15aに送信するよう制御する(S14)。そして処理を終了する。この所定の条件については、例えば、管理サーバーハードディスク23に記憶されたいわゆる送信者のホワイトリストのデータに第1の電子メールを作成した第1のユーザー16aが該当するか否かである。送信者のホワイトリストのデータに第1のユーザー16aが該当すれば、送信制御部27は、第1の電子メールを第2の端末装置15aに送信して処理を終了する。
【0034】
所定の条件を具備していないと判断されれば(S13において、NO)、抽出部26は、受信された第1の電子メールに含まれる所定の情報を抽出する(S15)。所定の情報は、電子メールの件名の情報を含む電子メールのヘッダ情報および電子メールの本文の内容の情報のうちの少なくともいずれか1つを有する。本実施形態においては、所定の情報は、電子メールの件名を含む。ここでは、第1の電子メールの件名である「件名:vvv」という情報が抽出される。この第1の電子メールの件名の情報「vvv」は、例えば管理サーバーハードディスク23に記憶される。
【0035】
その後、第1の電子メールは、管理サーバー12に一旦保留される(S16)。すなわち、第1の電子メールは、送信先である第2の端末装置15aに送信されていない状態である。また、時間計測部28は、第1の電子メールを受信した時から時間の計測を開始する(S17)。そして、管理サーバー12は、待機状態となる。
【0036】
次に、第1判断部31は、時間計測部28により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内である場合において管理サーバーインターフェース部22により再び第1の端末装置13aから第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する(S18において、NO、S19)。所定の時間については、管理者17aが任意に設定可能であり、例えば第1のユーザー16aの電子メールの送信頻度等に依拠する。所定の時間としては、具体的には、例えば、30秒が設定される。すなわち、待機状態の管理サーバー12において、再び第1の端末装置13aからの電子メールを受信したか否かを判断する。この場合、ループのプログラムにより作成され、第2の端末装置15bに当てて送信された第2の電子メールを受信することになる。
【0037】
次に、第2判断部32は、第1判断部31により所定の時間内に第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出部26により抽出された所定の情報が第2の電子メールに含まれているか否かを判断する(S19において、YES、S20)。この場合、第1の電子メールが送信されてから例えば10秒後に管理サーバーインターフェース部22が受信した第2の電子メールの件名に「vvv」が含まれているか否かを判断する。
【0038】
次に、保留制御部29は、第2判断部32により第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断されれば、具体的には電子メールの件名が同じであると判断されれば(S20において、YES)、第2の電子メールを管理サーバー12に保留するよう制御する(S21)。保留制御部29は、例えば、第2の電子メールを管理サーバーハードディスク23に記憶するよう制御する。
【0039】
その後、報知制御部33は、保留制御部29により第2の電子メールを保留するよう制御すれば、第2の電子メールを保留していることを報知するよう制御する(S22)。この場合、報知制御部33は、管理者17aの所有する管理者端末装置14aに警告を発する電子メールを送信したり、チャットツールを利用して報知する。この報知により、管理者17aは、第2の電子メールが管理サーバー12に保留されている状態を認識して、その後の処理を行うことができる。
【0040】
なお、第2判断部32により第2の電子メールに所定の情報が含まれていないと判断されれば(S20において、NO)、第2の電子メールを第1の電子メールとして保留を継続する(S23)。そして、待機状態とする。この動作を、第2の端末装置15c,15d,15eへの第2の電子メールの送信が終わるまで続ける。送信制御部27は、第1判断部31により所定の時間内に第2の電子メールを受信していないと判断された場合(S18において、YES)および第2判断部32により所定の情報が第2の電子メールに含まれていないと判断された場合において、経過時間が所定の時間を超えた時に、保留制御部29により保留された第1の電子メールの保留状態を解除して送信するよう制御する(S24)。
【0041】
次に、管理者17aにおける保留された電子メールの処理について説明する。図4は、管理者17aにおける保留された電子メールの処理の流れを示すフローチャートである。
【0042】
図4を参照して、管理者17aの所有する管理者端末装置14aは、報知制御部33により管理者端末装置14aに送信された警告の電子メールを受信する(S31において、YES)。管理者17aは、この警告の電子メールを見て、第2の電子メールが管理サーバー12に保留されていることを知る。そうすると、管理者17aは、管理サーバー12が設置されている箇所に赴き、操作を行う。
【0043】
管理者17aは、第2の電子メールが誤送信であるか否かの判断材料を求める。具体的には、管理サーバー12は、管理者17aからの入力により、第2の電子メールの検査の要求を受け付ける(S32において、YES)。そうすると、管理サーバー12は、第2の電子メールの検査を実施する(S33)。具体的には例えば、第2の電子メールの本文内における文字列の検索結果を表示したり、電子メールの送信先の電子メールアドレスに紐付いた第2のユーザー18bの名前の表示等を行って、管理者17aに誤送信か否かの判断材料である検査結果を表示する(S34)。
【0044】
その後、管理者17aは、表示された検査結果を見て、第2の電子メールを送信するか否かを判断する。第2の電子メールの送信が誤送信ではないと管理者17aが判断すれば、管理サーバー12により、第2の電子メールの保留を解除して、送信の指示を行う。
【0045】
そうすると、保留解除制御部34は、所定の動作を検知することにより保留制御部29により保留された電子メールの保留状態を解除して送信制御部27により送信するよう制御する(S35において、YES、S36)。所定の動作としては、例えば管理サーバー12における保留解除ボタンのクリックの検知である。一方、第2の電子メールの送信が誤送信であると管理者17aが判断すれば、管理サーバー12により、第2の電子メールの破棄の指示を待ち(S35において、NO、S37)、第2の電子メールの破棄の指示を受け付ければ(S37において、YES)、第2の電子メールを破棄する(S38)。すなわち、第2の電子メールは、第2の端末装置15aに送信されることなく、管理サーバー12において消去される。
【0046】
上記電子メール管理システム11によると、第1の端末装置から送信された2通目の電子メールである第2の電子メールを、計測された経過時間が予め設定された所定の時間内である場合において管理サーバーが受信した際に、1通目の電子メールである第1の電子メールに含まれている所定の情報を第2の電子メールが含むか否かを判断している。そして、所定の情報を含むと判断されれば、第2の電子メールを送信せず、保留するようにしている。そうすると、第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断され、第2の電子メールが保留された際に、第2の電子メールを送信するか否かを改めて判断することができる。このような構成によれば、電子メールの作成および送信に際し、例えば周期的に同じ電子メールを作成して送信することを繰り返すループのプログラムを組み込んだ場合に、2回目以降に作成して送信する第2の電子メールについて、所定の情報を含むと判断されれば、一旦保留されることになる。そうすると、意図せずループのプログラムにより複数の電子メールの送信を繰り返すことを回避することができる。その結果、このような電子メール管理システムによると、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信をより確実に抑制することができる。
【0047】
本実施形態においては、所定の情報は、電子メールの件名の情報を含む電子メールのヘッダ情報および電子メールの本文の内容の情報のうちの少なくともいずれか1つを有する。上記のような情報を含む第2の電子メールは、誤送信のおそれが高い。したがって、さらに確実に電子メールの誤送信を抑制することができる。
【0048】
本実施形態において、管理サーバー12は、保留制御部29により第2の電子メールを保留するよう制御すれば、第2の電子メールを保留していることを報知するよう制御する報知制御部33を含む。よって、第2の電子メールが送信されずに保留状態であることを、管理サーバー12を管理する管理者17aに知らせることができる。したがって、より迅速な事後処理を行うことができる。
【0049】
本実施形態において、保留制御部29は、管理サーバーインターフェース部22により第1の電子メールを受信すれば、第1の電子メールを送信せずに一旦保留する。送信制御部27は、第1判断部31により所定の時間内に第2の電子メールを受信していないと判断された場合および第2判断部32により所定の情報が第2の電子メールに含まれていないと判断された場合において、経過時間が所定の時間を超えた時に、保留制御部29に保留された第1の電子メールの保留状態を解除して送信するよう制御する。よって、第1判断部31により所定の時間内に第2の電子メールを受信していないと判断された場合および第2判断部32により所定の情報が第2の電子メールに含まれていないと判断された場合において、第1の電子メールについては、所定の期間経過後に送信することができる。したがって、最初に送信される電子メールにおいて、電子メールの送信を円滑に行うことができる。
【0050】
本実施形態において、送信制御部27は、管理サーバーインターフェース部22により受信された電子メールが所定の条件を具備していれば、抽出部26、時間計測部28、第1判断部31、第2判断部32および保留制御部29を作動させずに電子メールを電子メールの送信先に送信するよう制御する。よって、例えばいわゆる送信者がホワイトリストのデータに含まれている場合には、電子メールを遅滞させることなく送信することができる。したがって、電子メールの送信を円滑に行うことができる。
【0051】
なお、上記の実施の形態においては、送信者がホワイトリストのデータに含まれている場合について説明したが、これに限らず、ホワイトリストのデータについては、送信先の電子メールアドレスのデータであってもよいし、送信先の電子メールアドレスの一部であってもよい。具体的には、例えば、ホワイトリストのデータがアットマーク(@)よりも後に配列される文字列の全部または一部のデータであってもよい。すなわち、例えばあるドメインを示す文字列のデータをホワイトリストのデータとして含んでいてもよい。もちろん、ホワイトリストのデータがアットマーク(@)よりも前に配列される文字列の全部または一部のデータであってもよい。また、ホワイトリストのデータを指定した文字列のデータとして、ホワイトリストのデータとしての指定した文字列のデータが電子メールの件名または電子メールの本文に含まれている場合には、電子メールを保留せずに送信することとしてもよい。
【0052】
本実施形態において、管理サーバー12は、所定の動作を検知することにより保留制御部29により保留された電子メールの保留状態を解除して送信制御部27により送信するよう制御する保留解除制御部34を含む。よって、第2の電子メールについて、誤送信ではないと判断された場合において、第2の電子メールについて円滑に送信することができる。
【0053】
ここで、大量の電子メールを送信する場合について検討すると、以下の通りである。最初に管理サーバー12に到達する電子メールを第1の電子メールとすると、所定の時間内に第1の端末装置13aから管理サーバー12に送信される2通目以降の電子メールは全て、本実施形態における第2の電子メールに相当することになる。具体的には、例えば、数秒間にメール送信数数100通以上であった場合等が挙げられる。このように、大量の電子メールを誤送信した場合でも、2通目以降の電子メールは、第2の電子メールとして管理サーバー12に一旦保留されることとなり、大量の誤送信の電子メールが送信されるおそれを大きく低減することができる。
【0054】
なお、上記の実施の形態においては、送信制御部27は、管理サーバーインターフェース部22により第1の電子メールを受信すれば、第1の電子メールのデータ、具体的には例えば第1の電子メールの件名の情報を含む電子メールのヘッダ情報および電子メールの本文の内容の情報を記憶した後、即時に第1の電子メールを第2の端末装置15aに送信するよう制御することとしてもよい。このようにすることにより、第1の電子メールについては、遅滞なく送信することができると共に、2通目の電子メールである第2の電子メールについて、誤送信のおそれを低減することができる。
【0055】
なお、上記の実施の形態においては、第1の端末装置13aは、第1のユーザー16aが自ら所有する端末装置とすることとしたが、これに限らず、第1の端末装置13aは、特定の条件下において特定の処理を繰り返すループのプログラム、この場合は特定の条件下において定期的に電子メールの送信処理を行うループのプログラムを含むメールサーバーである場合も含むものである。すなわち、第1の端末装置13aは、管理サーバー12に対して、電子メールを送信する端末である。この場合、管理サーバー12は、いわゆる電子メールのリレーサーバーに相当することになる。
【0056】
また、上記の実施の形態においては、第2の電子メールをループのプログラムにより作成する場合について説明したが、これに限らず、第1の電子メールについても、ループのプログラムにより作成する場合も含まれるものである。
【0057】
なお、上記の実施の形態においては、S38において、第2の電子メールを破棄することとしたが、保留されている第1の電子メールも併せて破棄することにしてもよい。すなわち、保留されている第1の電子メールおよび第2の電子メールについて、一括で削除可能な構成としてもよい。この場合、管理サーバー制御部21は、保留されている電子メールの一括削除の指示を受け付ければ、保留されている電子メールを一括で削除するよう制御する。このようにすることにより、不要な電子メールの削除処理の効率化を図ることができる。
【0058】
また、上記の実施の形態において、所定の動作を検知することにより保留制御部29により保留された電子メールの保留状態を解除して送信制御部27により送信するよう制御する保留解除制御部34は、保留されている複数の電子メールについて送信するよう制御することにしてもよい。すなわち、第1の電子メール、複数の第2の電子メールについて、一括で送信するよう制御することにしてもよい。このようにすることにより、保留されている電子メールの送信処理の効率化を図ることができる。
【0059】
また、この発明に係る電子メール管理装置は、第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの電子メールの送信を制御する。電子メール管理装置は、第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部と、電子メールの送信先に電子メールを送信するよう制御する送信制御部と、電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する抽出部と、電子メール受信部により受信された第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する時間計測部と、時間計測部により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内において電子メール受信部により再び第1の端末装置から第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する第1判断部と、第1判断部により所定の時間内に第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出部により抽出された所定の情報が第2の電子メールに含まれているか否かを判断する第2判断部と、第2判断部により第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断されれば、第2の電子メールを送信せずに管理サーバーに保留するよう制御する保留制御部と、を含む。
【0060】
このような電子メール管理装置によると、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信をより確実に抑制することができる。
【0061】
なお、この発明に係る電子メール管理方法は、第1の端末装置から送信される複数の電子メールの送信を管理する電子メール管理システムに用いられる電子メール管理方法である。電子メール管理システムは、第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの電子メールの送信を制御する管理サーバーを備える。管理サーバーは、第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部と、電子メールの送信先に電子メールを送信するよう制御する送信制御部と、を備える。電子メール管理方法は、電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する工程と、電子メール受信部により受信された第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する工程と、計測された経過時間が予め設定された所定の時間内において電子メール受信部により再び第1の端末装置から第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する工程と、所定の時間内に第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出された所定の情報が第2の電子メールに含まれているか否かを判断する工程と、第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断されれば、第2の電子メールを送信せずに管理サーバーに保留するよう制御する工程と、を含む。
【0062】
このような電子メール管理方法によると、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信をより確実に抑制することができる。
【0063】
また、この発明に係る電子メール管理システム用プログラムは、第1の端末装置から送信される複数の電子メールの送信を管理する電子メール管理システムに用いられる電子メール管理システム用プログラムである。電子メール管理システムは、第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの電子メールの送信を制御する管理サーバーを備える。電子メール管理システム用プログラムは、管理サーバーを、第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部、電子メールの送信先に電子メールを送信するよう制御する送信制御部、電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する抽出部、電子メール受信部により受信された第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する時間計測部、時間計測部により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内において電子メール受信部により再び第1の端末装置から第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する第1判断部、第1判断部により所定の時間内に第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出部により抽出された所定の情報が第2の電子メールに含まれているか否かを判断する第2判断部、および第2判断部により第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断されれば、第2の電子メールを送信せずに管理サーバーに保留するよう制御する保留制御部、として機能させるための電子メール管理システム用プログラムである。
【0064】
このような電子メール管理システム用プログラムによると、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信をより確実に抑制することができる。
【0065】
なお、この発明に係る記録媒体は、第1の端末装置から送信される複数の電子メールの送信を管理する電子メール管理システムに用いられる電子メール管理システムに用いられ、コンピューター読み取り可能な記録媒体である。電子メール管理システムは、第1の端末装置から送信される電子メールの受信および受信した電子メールに含まれる送信先の電子メールアドレスへの電子メールの送信を制御する管理サーバーを備える。記録媒体は、管理サーバーを、第1の端末装置から送信された電子メールを受信する電子メール受信部、電子メールの送信先に電子メールを送信するよう制御する送信制御部、電子メール受信部により受信された第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する抽出部、電子メール受信部により受信された第1の電子メールを受信した時からの経過時間を計測する時間計測部、時間計測部により計測された経過時間が予め設定された所定の時間内において電子メール受信部により再び第1の端末装置から第1の電子メールの後に送信された第2の電子メールを受信したか否かを判断する第1判断部、第1判断部により所定の時間内に第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出部により抽出された所定の情報が第2の電子メールに含まれているか否かを判断する第2判断部、および第2判断部により第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断されれば、第2の電子メールを送信せずに管理サーバーに保留するよう制御する保留制御部、として機能させるための電子メール管理システム用プログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体である。
【0066】
このような記録媒体によると、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信をより確実に抑制することができる。
【0067】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、どのような面からも制限的なものではないと理解されるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって規定され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0068】
この発明に係る電子メール管理システム、電子メール管理装置、電子メール管理方法、電子メール管理プログラムおよび記録媒体は、複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信の抑制が要求される場合に、特に有効に利用される。
【符号の説明】
【0069】
11 電子メール管理システム、12 管理サーバー、13a 第1の端末装置、14a 管理者端末装置、15a,15b,15c,15d,15e 第2の端末装置、16a 第1のユーザー、17a 管理者、18a,18b,18c,18d,18e 第2のユーザー、21 管理サーバー制御部、22 管理サーバーインターフェース部、23 管理サーバーハードディスク、26 抽出部、27 送信制御部、28 時間計測部、29 保留制御部、31 第1判断部、32 第2判断部、33 報知制御部、34 保留解除制御部。
【要約】      (修正有)
【課題】複数の電子メールを送信する際の電子メールの誤送信をより確実に抑制する電子メール管理システム、装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】電子メール管理システム11は、管理サーバー12を備える。管理サーバー12は、第1の電子メールに含まれ、予め設定された所定の情報を抽出する抽出部26と、経過時間を計測する時間計測部28と、計測された経過時間が予め設定された所定の時間内である場合において再び第1の端末装置13aから第2の電子メールを受信したか否かを判断する第1判断部31と、所定の時間内に第2の電子メールを受信したと判断されれば、抽出部26により抽出された所定の情報が第2の電子メールに含まれているか否かを判断する第2判断部32と、第2の電子メールに所定の情報が含まれていると判断されれば、第2の電子メールを送信せずに管理サーバー12に保留するよう制御する保留制御部29と、を含む。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4