(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】コンテナ
(51)【国際特許分類】
B65D 6/18 20060101AFI20221212BHJP
【FI】
B65D6/18 A
(21)【出願番号】P 2018226954
(22)【出願日】2018-12-04
【審査請求日】2021-10-14
(73)【特許権者】
【識別番号】591006944
【氏名又は名称】三甲株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112472
【氏名又は名称】松浦 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100202223
【氏名又は名称】軸見 可奈子
(72)【発明者】
【氏名】山内 寿敏
【審査官】矢澤 周一郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-280056(JP,A)
【文献】特開2001-287738(JP,A)
【文献】特開2002-362555(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 6/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面形状が四角形のベース部の外縁部に、互いに対向する1対の第1側壁の下端部と、それらとは別方向で互いに対向する1対の第2側壁の下端部とが回動可能に連結され、前記1対の第1側壁及び前記1対の第2側壁が起立した組立状態から、前記ベース部上に前記1対の第2側壁が倒されてから前記1対の第1側壁が倒されて折畳状態になり、その折畳状態で前記1対の第1側壁同士が上下に重なり合うコンテナにおいて、
前記1対の第1側壁の両側部から内側に突出して前記組立状態で前記1対の第2側壁の外面に重なる複数の支持突部と、
前記1対の第1側壁に形成され、前記折畳状態で下側に位置したときに上側の前記第1側壁の前記複数の支持突部を受容する複数の突部受容部と、を有し、
それら複数の突部受容部には、
前記第1側壁の横方向の端面より内側に離れた位置で前記第1側壁を厚さ方向に貫通する
孔形状の突部受容部が含まれているコンテナ。
【請求項2】
前記ベース部の外縁部には、前記折畳状態で下側の第1側壁の前記支持突部を受容するベース部側突部受容部が備えられている請求項1に記載のコンテナ。
【請求項3】
前記貫通構造の突部受容部は、前記組立状態で前記第1側壁の内側から前記第2側壁によって覆われる請求項1又は2請求項に記載のコンテナ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ベース部の外縁部に、1対の第2側壁及び1対の第1側壁の下端部が回動可能に連結され、ベース部上に1対の第2側壁を倒してから1対の第1側壁を倒して折畳状態になるコンテナに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種のコンテナとして、1対の第1側壁の両側部から内側に突出する複数の支持突部が、組立状態で第2側壁に外側から重なって第2側壁の外側への傾動を規制するものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述したコンテナには、折畳状態で1対の第1側壁が上下に重なり合うものがある。そのようなコンテナでは、第1側壁同士の重ね合わせ高さが折畳状態のコンテナ全体の高さに影響を与える。このため、第1側壁同士の重ね合わせ高さを抑えるべく、各第1側壁の外面には複数の突部受容部が設けられ、折畳状態で下側の第1側壁の複数の突部受容部に上側の第1側壁の複数の支持突部が受容されるようになっている。しかしながら、第1側壁同士の重ね合わせ高さを更に低くして、折畳状態のコンテナの高さを更に低くしたいという要望がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためになされた請求項1の発明は、平面形状が四角形のベース部の外縁部に、互いに対向する1対の第1側壁の下端部と、それらとは別方向で互いに対向する1対の第2側壁の下端部とが回動可能に連結され、前記1対の第1側壁及び前記1対の第2側壁が起立した組立状態から、前記ベース部上に前記1対の第2側壁が倒されてから前記1対の第1側壁が倒されて折畳状態になり、その折畳状態で前記1対の第1側壁同士が上下に重なり合うコンテナにおいて、前記1対の第1側壁の両側部から内側に突出して前記組立状態で前記1対の第2側壁の外面に重なる複数の支持突部と、前記1対の第1側壁に形成され、前記折畳状態で下側に位置したときに上側の前記第1側壁の前記複数の支持突部を受容する複数の突部受容部と、を有し、それら複数の突部受容部には、前記第1側壁の横方向の端面より内側に離れた位置で前記第1側壁を厚さ方向に貫通する孔形状の突部受容部が含まれているコンテナである。
【0007】
請求項2の発明は、前記ベース部の外縁部には、前記折畳状態で下側の第1側壁の前記支持突部を受容するベース部側突部受容部が備えられている請求項1に記載のコンテナである。
【0008】
請求項3の発明は、前記貫通構造の突部受容部は、前記組立状態で前記第1側壁の内側から前記第2側壁によって覆われる請求項1又は2に記載のコンテナである。
【発明の効果】
【0009】
請求項1のコンテナでは、第1側壁の両側部から内側に突出する複数の支持突部が、組立状態で、1対の第2側壁の外面に重なって第2側壁の外側への傾動を規制する。また、折畳状態では、上側の第1側壁の複数の支持突部が下側の第1側壁の複数の突部受容部に受容される。ここで、本発明のコンテナでは、複数の突部受容部に、第1側壁を厚さ方向に貫通する孔形状の突部受容部が含まれているので、上側の第1側壁の支持突部と下側の第1側壁との干渉による第1側壁同士の重ね合わせ高さの制限がなくなり、そのような制限があった従来のものより第1側壁同士の重ね合わせ高さを抑えることができる。これにより、折畳状態のコンテナの高さを従来より低くすることができる。
【0010】
また、貫通構造の突部受容部は、第1側壁の横方向の端面に開放した切欠き形状であってもよいが孔形状とすれば、切欠き形状とした場合に比べて第1側壁の強度が高くなると共に、異物が引っ掛かることがなくなる。
【0011】
請求項2のコンテナでは、ベース部の外縁部には、折畳状態で下側の第1側壁の支持突部を受容するベース部側突部受容部が備えられているので、支持突部とベース部との干渉による第1側壁とベース部の重ね合わせ高さの制限が減るか無くなり、第1側壁とベース部の重ね合わせ高さを抑えることができる。また、折畳状態で支持突部が突部受容部を貫通して下方に突出しても、その突出部分をベース部側突部受容部に受容することができる。
【0012】
請求項3のコンテナでは、貫通構造の突部受容部は、組立状態で第1側壁の内側から第2側壁によって覆われるので見栄えがよくなり、収容物の飛び出しや収容物や異物の引っ掛りを防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】本実施形態に係るコンテナの組立状態の斜視図
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、
図1~
図13に示されたコンテナ10の実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態のコンテナ10は、平面形状が長方形で上面が開口した直方体状をなし、前記長方形の1対の長辺部分に位置する1対の第1側壁11と、1対の短辺部分に位置する1対の第2側壁21とのそれぞれの下端部が、底に位置するベース部30にそれぞれ回動可能に連結されている。
【0015】
以下、第1側壁11と第2側壁21とを区別しない場合には、単に「側壁11,21」という。なお、本実施形態では、コンテナ10の平面形状が長方形で第1側壁11が第2側壁21より長いが、その逆でもよく、コンテナ10の平面形状は正方形であってもよい。
【0016】
側壁11,21とベース部30との連結部分は、例えば以下の構造になっている。即ち、
図2及び
図4に示すように、側壁11,21の下面からは、複数のヒンジアーム61が垂下され、それら複数の下端部から両側方にヒンジ突部61A,61Aが突出している。また、
図6に示すように、ベース部30のうち1対の長辺側の外縁部からは1対の土手部31が突出し、それらより低い1対の土手部32が短辺側の外縁部から突出している。
【0017】
両土手部31,32には、前述の複数のヒンジアーム61に対応した複数のヒンジ凹部60が形成されている。そして、各ヒンジアーム61のヒンジ突部61Aが各ヒンジ凹部60の内部に係合して、側壁11,21が、
図1に示すように、土手部31,32上で起立した起立姿勢と、
図9に示すように、ベース部30上に重ねられた折畳姿勢との間で回動する。また、
図1に示すように、全ての側壁11,21が起立したコンテナ10の組立状態では、1対の第2側壁21は、1対の第1側壁11の間に収まる。そして、1対の第2側壁21を先に折り畳み、それら第2側壁21の上に1対の第1側壁11を重ねるように折り畳むことで
図9に示すようにコンテナ10を折畳状態にすることができる。
【0018】
なお、以下の説明においては、土手部31,32を区別する場合には、一方の土手部31を「長辺側土手部31」といい、他方の土手部32を「短辺側土手部32」ということとする。
【0019】
図6に示すように、長辺側土手部31の両端部は、短辺側土手部32側へと直角曲げられてコーナー土手部31Sになっている。また、ベース部30の下面には、外縁部より内側の領域に下面リブ35L(
図11参照)が格子状に張り巡らされている。そして、下面リブ35Lが形成された部分全体が、ベース部30の外縁部より下方に突出した下面突部35になっている。
【0020】
図1に示すように、コンテナ10の組立状態の強度を上げるために、第1側壁11の上縁部には第1フラップ40が回動可能に連結され、第2側壁21の上縁部には第2フラップ50が回動可能に連結されている。以下、第1フラップ40と第2フラップ50とを区別しない場合には、単に「フラップ40,50」という。
【0021】
本実施形態のフラップ40,50は、側壁11,21の上縁部に沿って延びる帯板状をなし、それらの内面には補強リブ(図示せず)が張り巡らされ、外面は平坦になっている。そして、ベース部30と側壁11,21との連結と同様に、
図7に示すように、側壁11,21の上部に形成された複数のヒンジ凹部60内に、フラップ40,50から延びた複数のヒンジアーム61のヒンジ突部(図示せず)が係合して、各フラップ40,50が同図に示された水平姿勢と、そこから上方に90°回動した起立姿勢(図示せず)との間で回動する。
【0022】
1対の第1フラップ40は、水平姿勢になると1対の第2側壁21の内面間に丁度収まる長さをなし、第2フラップ50は水平姿勢になると、水平姿勢の1対の第1フラップ40の間に丁度収まる長さをなしている。また、水平姿勢のフラップ40,50の外面(上面)は面一になりかつ、側壁11,21の上面より下方に位置する。そして、コンテナ10が段積されたときに、上段側のコンテナ10の下面突部35が、下段側のコンテナ10の側壁11,21の内側に嵌合する。
【0023】
図7に示すように、第1フラップ40の長手方向の両端面からは側壁係合突部43が突出し、それらに対応して第2側壁21の上部にフラップ係合孔29が形成されている。そして、第1フラップ40が水平姿勢になると、側壁係合突部43がフラップ係合孔29に係合して、第2側壁21の外側への傾動を規制しかつ第1フラップ40に上方から受ける荷重が第2側壁21で受け止められる。また、第2フラップ50の長手方向の両端面からはフック形状のフラップ係合突部51が突出し、それらに対応した形状のフラップ係合孔41が第1フラップ40の端寄り位置に形成されている。そして、フラップ40,50が水平姿勢になると、フラップ係合突部51とフラップ係合孔41とが係合してフラップ40,50同士が連結される。
【0024】
コンテナ10が折畳状態にされるときには、フラップ40,50が起立姿勢にされた状態で側壁11,21が折り畳まれる。そして、図示しないが、1対の第2側壁21も1対の第2フラップ50も、互いに重なり合うことなく、それぞれベース部30上に折り畳まれる。その状態で、第2側壁21及び第2フラップ50の外面は、ベース部30の後述する第1のベース部側突部受容部34(
図6参照)の底面と略面一になる。
【0025】
一方、1対の第1側壁11は、
図9に示すように折畳状態で互いに重ねられる。その際、第1フラップ40は、図示しないが他方の第1側壁11の基端部に重ねられる。その状態で、
図12に示すように、上側の第1側壁11及び第2フラップ50の外面は、長辺側土手部31の上面31Jより下方に位置し、それらの間の高低差h1は、コンテナ10の下面からの下面突部35の突出量h2と略同一になっている。そして、同図に示すように、折畳状態のコンテナ10の上に他のコンテナ10が段積されたときに、上段側のコンテナ10の下面突部35が、下段側の折畳状態のコンテナ10の1対の長辺側土手部31及び1対のコーナー土手部31Sの内側に嵌合する。
【0026】
図9に示すように、コンテナ10が折畳状態になると、第1側壁11の横方向の両端部(即ち、両側部)は、1対の短辺側土手部32の上方に位置する。そして、第1側壁11の両側部の後に詳説する突出部分(第1支持突部71,第2支持突部73等)と短辺側土手部32との干渉を回避するために短辺側土手部32には、
図6に示すように、第1のベース部側突部受容部34と、第2のベース部側突部受容部33と第3のベース部側突部受容部36とが形成されている。
【0027】
第1のベース部側突部受容部34は、短辺側土手部32の横方向の両端部を段付き状に陥没させてなる。各第1のベース部側突部受容部34の全長は、例えば、横方向の全長の1/5~1/4の長さをなしている。そして、各第1のベース部側突部受容部34のうち横方向の略中央より短辺側土手部32全体の中央側に、前述した第2のベース部側突部受容部33が形成されている。第2のベース部側突部受容部33は、短辺側土手部32のうち第1のベース部側突部受容部34の底面より下側部分の外面側を段付き状に陥没させてなる。さらに、短辺側土手部32のうち1対の第1のベース部側突部受容部34に挟まれた部分には、その中心部に前述のヒンジ凹部60が配置され、そのヒンジ凹部60の両側に前述した第3のベース部側突部受容部36が形成されている。第3のベース部側突部受容部36は、短辺側土手部32の内面側を段付き状に陥没させてなる。
【0028】
上記した組立状態の側壁11,21同士の連結強度を高くするために、第1側壁11の両側部には、
図3に示すように上側から順番に、第1支持突部71、サイドフック72、第2支持突部73、第3支持突部74が間隔を空けて設けられている。
【0029】
第1支持突部71は、縦長の長方形の突片構造をなし、第1支持突部71の上面は第1側壁11全体の上面と面一であると共に、第1支持突部71の外面は第1側壁11全体の横方向の端面11Tと面一になっている。また、第1支持突部71の内面には、上下方向の中間に段差面が備えられ、第1支持突部71のうち段差面より上側が肉厚くなっている。そして、その肉厚部分を四角形の係合孔71Aが貫通している。
【0030】
サイドフック72は、第1側壁11の内面から水平に突出してから下方に屈曲したフック形状をなしている。また、サイドフック72は、第1側壁11の横方向の前記端面11Tより僅かに内側に配置されている。
【0031】
第2支持突部73は、第1側壁11の内面から突出しかつ上下方向に細長い突片の先端部から上下に1対の係止突部75を突出させた形状をなし、第1側壁11の横方向から見るとT字形状をなしている。また、第2支持突部73は、上記したサイドフック72と同様に、第1側壁11の横方向の前記端面11Tより僅かに内側に配置されている。さらに、第2支持突部73のうち第1側壁11の横方向の中央側を向いた面には、上下方向の中央部分の先端から基端までを段付き状に陥没させて凹部73Aが形成されている。
【0032】
第3支持突部74は、第1支持突部71の肉厚部分と略同一の形状をなして、四角形の係合孔74Aを備えている。
【0033】
一方、第2側壁21の両側部には、第1側壁11の第1支持突部71、サイドフック72、第2支持突部73、第3支持突部74に対応して、
図4に示すように上側から順番に、第1係合突部22、フック係合孔23、突部係合孔24、第2係合突部25が間隔を空けて設けられている。
【0034】
第1係合突部22は、第2側壁21の外面から突出した角柱体構造をなしている。また、第1係合突部22のうち第2側壁21の横方向の端面21Tとは反対側の角部は斜めにカットされている。さらに、第1係合突部22の外面の縦リブ21A及び横リブ21Bは、第1係合突部22の周囲で低くなっている。また、第2係合突部25も第1係合突部22と略同一形状をなし、第1係合突部22の外面の縦リブ21A及び横リブ21Bは、第2係合突部25の周囲で低くなっている。
【0035】
フック係合孔23は、第2側壁21の横方向の端面21Tに端面開口23Kを有し、その端面開口23Kより内部が下方に広くなっている。また、フック係合孔23は、端面開口23K以外を第2側壁21の縦リブ21A及び横リブ21Bによって包囲されて、第2側壁21の厚さ方向でフック係合孔23に奥行きが設けられている。フック係合孔23内の奥側(奥行き方向のうち第2側壁21の内面側)には内部突壁23Wが設けられている。内部突壁23Wは、縦長の板状をなし、フック係合孔23内における端面開口23Kとの対向面と上下の両面とに接続されている。
【0036】
突部係合孔24は、第2側壁21の横方向の端面21Tに端面開口24Kを有し、その端面開口24Kより内部が上下に広くなっている。また、突部係合孔24は、端面開口24K以外を第2側壁21の縦リブ21A及び横リブ21Bによって包囲されて、第2側壁21の厚さ方向で突部係合孔24に奥行きが設けられている。突部係合孔24内の奥側には、内部突壁24Wが設けられている。内部突壁24Wは、縦長の板状をなし、突部係合孔24内における端面開口24Kとの対向面から片持ち梁状に突出している。また、
図5に示すように、両内部突壁23W,24Wの内面は、第2側壁21全体の内面と面一になっている。
【0037】
上記した第1側壁11の第1支持突部71、サイドフック72等と第2側壁21の第1係合突部22、フック係合孔23等とは以下のようにして係合する。折畳状態から1対の第1側壁11を起立姿勢にしてから第2側壁21を起こすと、
図8に示すように、第2係合突部25が第3支持突部74の係合孔74Aに係合し、次いで、第2支持突部73が突部係合孔24に係合し、次いで、サイドフック72がフック係合孔23に係合し、最後に、第1係合突部22が第1支持突部71の係合孔71Aに係合する。また、
図7に示すように、第2支持突部73の凹部73Aに突部係合孔24の内部突壁24Wが嵌合する。
【0038】
なお、第2支持突部73及びサイドフック72は、第1側壁11の端面11Tより第1側壁11の横方向の中央側に位置しているので、端面11T側に位置している場合に比べて第2側壁21が起立姿勢に近づく際の早い段階でフック係合孔23及び突部係合孔24に係合し、1対の第1側壁11の外側への開き変形が抑えられる。
【0039】
そして、第2側壁21が起立姿勢になると、第1~第3の支持突部71,73,74により、第1側壁11が起立姿勢より外側に倒れることが規制されると共に、第1~第3の支持突部71,73,74及びサイドフック72によって1対の第1側壁11の外側への開き変形が抑えられる。
【0040】
また、
図3に示すように、第1側壁11の横方向の両端寄り位置の上部には、可撓片15が設けられている。可撓片15は、第1側壁11の一部をスリット11Sによって上下方向に延びる片持ち梁状に切り離してなり、可撓片15の先端部に設けられた起立係合突部16が、第1側壁11の内面から突出している。そして、第2側壁21が起立する過程で第2側壁21が起立係合突部16を通過し、第2側壁21が起立姿勢になったところで第2側壁21の内面に起立係合突部16が係合して、第2側壁21が起立姿勢に保持される。
【0041】
さて、コンテナ10を折畳状態にしたときには、前述したように第1側壁11同士が上下に重なり合う。その際に、上側の第1側壁11のサイドフック72は、下側の第1側壁11の縦リブ11A同士の間に空間に収容される。また、第3支持突部74は、第1側壁11同士の重なり合わない範囲に位置する。そして、第1支持突部71、第2支持突部73、起立係合突部16に対しては、第1側壁11同士の間で干渉しないようにするために
図3に示すように、第1側壁11に第1突部受容部77、第2突部受容部76、切欠き部78が形成されている。
【0042】
具体的には、第1突部受容部77は、第1側壁11の下端寄り位置に配置されかつ上下方向に長い長方形をなし、その一方の長辺が第1側壁11の端面11Tに開口している。なお、第1突部受容部77に対する下隣に第3支持突部74が配置されている。
【0043】
図3に示すように、第2突部受容部76は、第1側壁11の上端寄り位置でかつ、第1側壁11のうち横方向の端面11Tより内側に離れた位置に配置され、第1側壁11を厚さ方向に貫通する孔形状をなしている。また、第2突部受容部76は、上下方向に帯状に延び、その上端部にサイドフック72が配置されている。
【0044】
図2に示すように、切欠き部78は、第1突部受容部77の横隣に配置され、縦リブ11Aの一部を例えば台形状に切り欠いてなる。
【0045】
そして、コンテナ10が折畳状態になると、
図11に示すように、上側の第1側壁11の第2支持突部73が下側の第1側壁11の第2突部受容部76を貫通して、下側の第2支持突部73より僅かに下方に突出すると共に、図示しないが上側の第1側壁11の第1支持突部71が下側の第1側壁11の第1突部受容部77を貫通して下側の第2支持突部73より僅かに下方に突出する。さらに、図示しないが上側の第1側壁11の起立係合突部16が下側の第1側壁11の切欠き部78に受容される。
【0046】
また、コンテナ10を折畳状態にしたときには、前述したように第1側壁11の両側部が短辺側土手部32の上方に位置する。そして、
図10及び
図11に示すように、短辺側土手部32の第3のベース部側突部受容部36に、下側の第1側壁11の第2支持突部73とサイドフック72とが受容される。また、上側の第1側壁11の第2支持突部73のうち下側の第1側壁11の第2突部受容部76を貫通してその下方に突出した部分も第3のベース部側突部受容部36に受容される(
図11参照)。
【0047】
さらに、
図9に示すように、短辺側土手部32の第1のベース部側突部受容部34には、下側の第1側壁11の第1と第3の支持突部71,74が受容されると共に、第1支持突部71の先端部が第2のベース部側突部受容部33に受容される。また、上側の第1側壁11の第1支持突部71のうち下側の第1側壁11の第1突部受容部77を貫通してその下方に突出した部分も第1のベース部側突部受容部34に受容される(
図12参照)。
【0048】
このように本実施形態のコンテナ10では、第1と第2の突部受容部76,77が、第1側壁11を厚さ方向に貫通する貫通構造をなし、折畳状態で上側の第1側壁11の第1と第2の支持突部71,73が下側の第1側壁11の第1と第2の突部受容部76,77を貫通する。これにより上側の第1側壁11の第1と第2の支持突部71,73と下側の第1側壁11との干渉による第1側壁11同士の重ね合わせ高さの制限がなくなり、そのような制限があった従来のものより第1側壁11同士の重ね合わせ高さを抑えることができる。
【0049】
また、ベース部30の第1~第3のベース部側突部受容部33,34,36は、折畳状態で、下側の第1側壁11の第1~第3の支持突部71,73,74を受容すると共に、第1及び第3のベース部側突部受容部34,36が貫通構造の第1と第2の突部受容部76,77を貫通した第1と第2の支持突部71,73の下端部を受容するので、支持突部とベース部30との干渉による第1側壁11とベース部30の重ね合わせ高さの制限も無くなり、第1側壁11とベース部30の重ね合わせ高さも抑えることができる。これらにより、折畳状態のコンテナ10の全体の高さを抑えることができ、コンテナ10同士の段積み高さを抑えることができる。
【0050】
また、第2突部受容部76は、第1側壁11の横方向の端面11Tに開口した切欠き形状をなしているのに対し、第1突部受容部77は孔形状をなしているので、切欠き形状とした場合に比べて第1側壁11の側部の強度が高くなると共に、異物が引っ掛かることがなくなる。なお、第1と第2の突部受容部76,77は、
図3に示すように、組立状態で第1側壁11の内側から第2側壁21によって覆われるので見栄えがよくなり、収容物の飛び出しや収容物や異物の引っ掛りを防ぐことができる。
【0051】
なお、前記実施形態では、第1~第3の支持突部71,73,74が、特許請求の範囲の「支持突部」に相当し、第1と第2の突部受容部76,77が、特許請求の範囲の「突部受容部」に相当し、第1~第3のベース部側突部受容部33,34,36が、特許請求の範囲の「ベース部側突部受容部」に相当する。
【0052】
[他の実施形態]
(1)前記実施形態のコンテナ10では、折畳状態で第1と第2の支持突部71,73が第1と第2の突部受容部76,77を貫通してそれらの下方に突出していたが、折畳状態で第1と第2の支持突部71,73の一方又は両方が第1と第2の突部受容部76,77を下方に突出する位置まで貫通しなくてもよい。
【0053】
(2)また、前記実施形態のコンテナ10では、第1と第2の突部受容部76,77の両方とも第1側壁11を貫通していたが、複数の突部受容部のうち一部の突部受容部のみが側壁を貫通した構成としてもよい。
【0054】
(3)前記実施形態のコンテナ10には、フラップ40,50が備えられていたが、フラップを備えていてなくてもよい。
【符号の説明】
【0055】
10 コンテナ
11 第1側壁
11T,21T 端面
21 第2側壁
30 ベース部
33,34,36 第1~第3のベース部側突部受容部(ベース部側突部受容部)
71 第1支持突部(支持突部)
73 第2支持突部(支持突部)
74 第3支持突部(支持突部)
76 第2突部受容部(突部受容部)
77 第1突部受容部(突部受容部)