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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】改善された塞栓防御デバイスおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/01 20060101AFI20221212BHJP
【FI】
A61F2/01
【請求項の数】 14
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020198858
(22)【出願日】2020-11-30
(62)【分割の表示】P 2017513344の分割
【原出願日】2015-05-21
(65)【公開番号】P2021058601
(43)【公開日】2021-04-15
【審査請求日】2020-12-23
(31)【優先権主張番号】62/001,349
(32)【優先日】2014-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516348773
【氏名又は名称】スウァット メディカル エービー
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】クラヴィックラー,エリク
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2010/0324589(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0074152(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0103075(US,A1)
【文献】特表2012-501704(JP,A)
【文献】国際公開第2012/171720(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0074148(US,A1)
【文献】特許第6806670(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61F 2/00-2/01
A61B 17/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上行大動脈から下行大動脈へ塞栓の砕片の偏向のために、少なくとも頸動脈を含む側部脈管の心門を覆うように大動脈弓に一時的に位置づけるための、折り畳み可能で経腔的に送達可能な塞栓防御デバイスであって、該塞栓防御デバイスは、
周囲および該周囲内に血液浸透性ユニットを備えたフレームと、
前記血液浸透性ユニットの長手方向の長さに沿って延びるように配置された少なくとも1つのテザーであって、テザーは冠状方向に前記塞栓防御デバイスを持ち上げるために、引く力である牽引力を加えるように配置され、前記長手方向の長さは、前記血液浸透性ユニットの遠位領域と近位領域との間にある、テザーと
を備えている、塞栓防御デバイス。
【請求項2】
前記テザーが、前記フレームの下に配置され、かつ前記周囲および/または前記血液浸透性ユニットに対して前記牽引力を加えるように構成されている、牽引ユニットである、請求項1に記載の塞栓防御デバイス。
【請求項3】
前記血液浸透性ユニットが、前記大動脈弓に配置されたときに前記周囲から前記心門の方へと凸状に形成される表面を有するメッシュである、請求項1または2に記載の塞栓防御デバイス。
【請求項4】
前記塞栓防御デバイスが、塞栓が前記頸動脈へと流れるのを防ぐために大動脈の心尖にわたって配されるように適合される、請求項1から3のいずれか1つに記載の塞栓防御デバイス。
【請求項5】
送達ユニットへの接続のために接続点が前記周囲に囲まれるか、または前記周囲に統合される、請求項1から4のいずれか1つに記載の塞栓防御デバイス。
【請求項6】
前記送達ユニットが、屈曲部を備えて予め形成される、請求項5に記載の塞栓防御デバイス。
【請求項7】
複数のテザーを備える、請求項1から6のいずれか1つに記載の塞栓防御デバイス。
【請求項8】
少なくとも1つの小穴を備えており、前記テザーの1つ以上が前記少なくとも1つの小穴に通される、請求項1から7のいずれか1つに記載の塞栓防御デバイス。
【請求項9】
前記テザーが前記血液浸透性ユニットに取り付けられ、それにより前記牽引力が加えられると、前記血液浸透性ユニットがその平面から持ち上げられる、請求項1から8のいずれか1つに記載の塞栓防御デバイス。
【請求項10】
前記血液浸透性ユニットが火山状の形状である、請求項1から9のいずれか1つに記載の塞栓防御デバイス。
【請求項11】
前記塞栓防御デバイスに対する第1のチャネルと、前記テザーに対する第2のチャネルとを備えるカテーテルを備えている、請求項1から10のいずれか1つに記載の塞栓防御デバイス。
【請求項12】
少なくとも1つの放射線不透性の基準マーカーを更に備える、請求項1から11のいずれか1つに記載の塞栓防御デバイス。
【請求項13】
前記テザーが経腔的な送達ユニットに対して移動可能に配置される、請求項1から12のいずれか1つに記載の塞栓防御デバイス。
【請求項14】
上行大動脈から下行大動脈へ塞栓の砕片の偏向のために大動脈弓に一時的に位置づけるための、折り畳み可能で経腔的に送達可能な塞栓防御デバイスであって、該塞栓防御デバイスは、
周囲および該周囲内に血液浸透性ユニットを備えたフレームであって、大動脈弓に配置されたときに冠状方向に面する上部領域と、該上部領域とは反対の方向に面する対向領域とを有している、フレームと、
前記血液浸透性ユニットの遠位領域から近位領域まで延びる長手方向の長さに沿って配置されたテザーであって、前記冠状方向に前記塞栓防御デバイスを持ち上げるために前記対向領域から押す力を加えるように配置された少なくとも1つのテザーと
を備えている、塞栓防御デバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、心臓上の手順用の塞栓防御装置およびカテーテルの分野に一般的に関係する。特に、本発明は、一般にTAVI処置か電気生理学処置、あるいは剥離処置のような心臓上の特別の処置で血管内の処置およびそのような処置用導入器の間に塞栓の砕片の片寄りによる大脳の保護のためのデバイス、システムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この節は、利用者に本開示の種々の態様に関係し得る技術の種々の態様を手ほどきするように意図され、該種々の態様は以下に記述しおよび/または請求した。この考察は、本開示の種々の態様についてのよりよい理解を促進するために利用者に背景的事項を提供することにおいて有用であると考えられる。従って、先行技術の容認としてではなくこの考え方でこれらの陳述が読まれることになっていることは理解される。
【0003】
血管内の処置は、様々な心臓・脈管の外科の問題を扱うためにますます頻繁に使用されている。動脈閉塞は血管形成術、動脈内膜切除術、および/または最小の侵襲性の血管内のアプローチを使用するステント術で治療することができる。動脈瘤は血管内の手枝によって治療することができる。血管内の外科手術のための別の使用は心臓弁膜症の治療である。弁形成術は血管内に行われ、経皮的な弁置換術は確立している処置になりつつある。Transcatheter Aortic Heart Valve(TAVI)は、最小の侵襲性の手枝で必要な場所に操作することができる折り畳める大動脈弁に関する処置である。
【0004】
大脳塞栓術は、そのような血管内の処置および他の心臓外科、心肺バイパスおよびカテーテルベースの介入心臓処置、電気生理学処置などの既知の合併症処置である。塞栓の粒子は、血栓、アテローマおよび脂質、プラークを含み得、プラークは病気にかかった脈管および弁に見出だされ、移動して、塞栓血症に帰着する。塞栓の粒子は、外科あるいはカテーテルの手技によって移動するようになり、血流に入りうる。移動された塞栓の粒子は、このように脳の下流で塞栓化し得る。
【0005】
大脳塞栓症は神経心理学的な欠乏、脳卒中および死亡などに結びつく場合がある。大脳塞栓症の予防は患者に役立ち、これらの処置の結果を改善する。塞栓防御デバイスは血管内の手順と互換性をもつべきである、そして例えば、大動脈弓を介する心臓への通過を妨げない。
【0006】
様々な塞栓防御デバイスは当該技術で知られている。
【0007】
いくつかの塞栓防御デバイスは国際公開WO2012/009558A2公報、又は国際公開WO2012/085916A2に開示され、これらは、すべての目的のためにそれらの全体を本明細書に取り込まれている。しかしながら、これらのデバイスは脈管に医原性の損害を提供するかもしれず、どの中で、それらは例えば大動脈弓の側部脈管に延びる弯曲部かアームによって位置づけられる。弯曲部またはアームは、アーチへの固定を提供するが、側部脈管への心門での塞栓の粒子をこすり取る危険性を特に増加させる。デバイスは、さらにアーチによって実行される血管内の処置を制限して、大動脈弓にかなり高いやや高い側面を持っている。
【0008】
大動脈弓の側枝脈管の塞栓の保護用のより有利なロープロファイル・プレーナー・デバイスは、例えば、国際公開WO2010/026240A1に開示されるか、あるいは国際特許出願第PCT/EP2012/058384に記載され、これは国際公開WO2012152761として本出願の優先日の後に公開され、全体がすべての目的のため本明細書に組込まれる。
【0009】
国際公開WO2012009558では、傘状偏向デバイスは中心に送達・ワイヤーを接続して示される。デバイスは保護されるべき側部脈管の1つを介して送達され、ガイドワイヤーは側部脈管に残る。中心に接続されたガイドワイヤーは、引かれ得る場所にデバイスを入れる。しかしながら、これは、心拍毎の大動脈の移動によるいわゆる呼吸吸入管損失へと潜在的に導く。砕片は傘の端に集まり、引き戻され、大動脈移動に十分に追随しなかった時、傘の中心がロックされると、側部脈管に時々吸収され得る。塞栓の防護率は、国際公開WO2012009558に記載されたデバイスの中で最適ではない。
【0010】
米国特許出願公開US2004/0073253A1では、塞栓粒子の捕捉が開示されており、それは大腿部のアプローチを介して大動脈弓に位置する。デバイスの遠位端での止め金は移植位置で大動脈より大きな直径を持っており、大動脈の壁に対して半径方向外向きに押圧する。所定の位置にある場合、デバイスは大動脈弓を閉ストランドし、大腿部のアプローチ中に実行されるインデックス処置を可能にしない。
【0011】
国際公開WO00/43062では、大動脈弓を区画し、後者から側部脈管空間を密閉する。塞栓フィルターは側部脈管・空間へ潅流された血液に適用されるか、あるいは分流器に加えて大動脈弓中の血液を濾過するかもしれない。しかしながら、血液が大動脈弓から側部脈管まで直接流れることができず、体外の血液取扱デバイスが必要であるとともに、デバイスは複雑になる。
【0012】
米国出願公開2002/0133115A1では、薬剤物質を捕捉する方法が磁石を含めて提供される。しかしながら、技術水準のデバイスはさらに改善され得る。1つの問題は、周囲で不十分な密閉によりその頚動脈への周囲でデバイスを横切って回避することにより、塞栓の粒子を含み得る血液は、デバイスの効率を害するかもしれないということである。
【0013】
心臓から放出された高圧血流中のデバイスの「Sailing(航行)」は、本開示の例によって回避される別の問題である。デバイスは、大動脈弓中の偏向デバイスの安定した位置決めを提供するものとする。
【0014】
先行技術のデバイスに関する更なる問題は、処置を実行する前に導入器のようなカテーテル装置の位置を決める際に不十分な精度である。それは、合併症およびそのために縮小された患者安全性のための危険を増加させる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従って、先行技術の努力にもかかわらず、血管内の処置を許すことができる類型の更なる塞栓防止デバイス、とりわけ心臓の処置の間に大脳の脈管構造を防御するデバイス、及びそのような処置のための導入器などの改善されたカテーテル装置のニーズがある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
従って、本開示の実施形態は、好ましくは当該技術の1つ以上の欠失、欠点あるいは問題を軽減するか、緩和するか、除去しようと努力することであり、例えば、前記同定された、心臓外科および介入心臓学および電気生理学処置などの医療処置中に患者の大動脈弓脈管に一時的な塞栓の保護を提供するために添付された特許請求の範囲のテザーに従ってデバイス又は方法によって、単一又は組み合わせて上記のように同定される。大動脈の血流中の塞栓の粒子は脳に導く頚動脈を含む大動脈弓側枝・脈管に入ることを妨げられる。
【0017】
展開と除去用システムを含む塞栓の片寄りのためのシステムおよび方法が本明細書に開示される。
【0018】
開示の1つの態様によれば、カテーテル装置が開示され、該カテーテル装置は、心臓弁(6)で位置するための1ルーメンおよび遠位端を備えた細長いシース(503)、上行大動脈から下行大動脈へ塞栓の砕片の片寄りのための大動脈弓において一時的に位置するための塞栓防御デバイス(200)を含み、該塞栓防御デバイスは接続点(131)から近位へ伸びる経血管送達ユニット(130)に連結可能であり、周囲を備えたフレーム、前記周囲内の血液浸透性ユニットであって、塞栓の粒子が前記大動脈弓の側部脈管内の大動脈弁下流への血流と共に該血液浸透性ユニットを通って患者の脳へ通過するのを防ぐための血液浸透性ユニット、および前記カテーテルから前記大動脈弓に延びる組織並置保持ユニット(300、350)を有し、前記カテーテル装置が前記大動脈弓の内壁への前記周囲の組織並置が、安定および辺縁の密閉の改善のために前記力に支援されるそのような前記大動脈弓の中で位置する場合、前記塞栓防御デバイスの前記接続点への安定化力オフセットの適用のために、および前記大動脈弓の内壁に、心臓から離れて、および前記周囲の縦の伸長に垂直な方向に前記安定化力を提供するために、前記周囲などの保持点(502)で前記塞栓防御デバイスに付けられる。加えて、関連する方法が開示される。
【0019】
図で示されるようにフレームは細長く延びてもよい。デバイス200はこのように、本質的に平面であり得る。それは、さらに特定の実施形態において8:1と18:7の間の長さ対幅の比率を含み得る。デバイスは、10mmから120mm(例えば25mm、45mm、60mm、75mm、90mm、105mm)まで長さが変化し得、および5mmから70mm(例えば10mm、20mm、30mm、40mm、50mmあるいは60mm)まで幅が変化しうる。デバイス200の長さは、とりわけ実施形態において約80mmから90mmまでであり得、例えば、80mm、82mm、84mm、86mm、88mm又は90mmであり得る。あるいはそうでなければ腕頭動脈の開口部の上流の上行大動脈の上部壁と、左ストランド骨下動脈の開口部の下流の下行大動脈の上部壁との間の距離を接近させるために必要であり得る。デバイス200の幅は、10mmから35mmまで10mmであり得、例えば15mm、20mm、25mm、30mmあるいは35mmであり得る。あるいはそうでなければ大動脈の内径に接近し得る。「本質的に平坦な」という用語は、高々80mmの曲率半径を言い得、例えば0mm、5mm、10mm、20mm、30mm、40mm、50mm、60mm又は70mmであり得る。送達ユニット130も上部大動脈壁を軽く押圧するためにあらかじめ形成され得、デバイスが血管壁に沿って残り、かつ大腿部を貫く付属品の通過に排除することを可能にし、それは例えばTAVI処置などの心臓血管治療で使用され得る。この予め形成はさらに大動脈の脈管ウォールに水平なデバイスの展開を促進するために、例えば5°、10°、15°、20°、25°、30°、35°、40°、45°、50°、55°、60°、65°、70°、75°、80°、85°又は90°などの曲げを含み得る。
【0020】
接続点131はプランジャー(例えばカテーテル内に配置された送達ワイヤーに接続されたプランジャーに脈管内デバイス200を接続するために使用することができる。ラッチを備えたロック機構は接続点131で提供され得る。糸が通された結合部は、送達ユニットを付けるために接続点131で提供されるかもしれない。例えば、接続点の糸はプランジャー上の糸と係合し得る。接続点131は一例においてデバイス200をプランジャーに接続するための解放及びリリース及び回収フック含み得る。いくつかの例では、デバイス200の一部であり得るフックはラッチ又は線材ストランドを含み得る。他の例において、血液浸透性ユニット、カテーテルあるいは送達ワイヤーはループで終わり得、ラッチを介して螺着され得る。そのように螺着されると、ループ状の端部が取り付けられたワイヤー又はカテーテルは、フックにカチッと閉められ得、適所にデバイスを押し込むか、大動脈から位置からずれてデバイスを引き得る。いくつかの例において、血液浸透性ユニットからストランドがほつれないか、又は解けないか、脈管壁あるいはカテーテルのインナーチューブを引っ掻かないように、フックはボール状の先端で終わり得る。他の実施形態では、デバイス終端の止め金は、例えばカテーテルまたは送達ワイヤーの端部でクラスプ内、あるいはクラスプ上に押され得る。また、2つのクラスプはそのような圧縮によって連結され得る。
【0021】
更に他の例において、デバイス200は、他の塞栓防御デバイスを備えた使用に適合され得る。例えば米国特許第8,062,324号公報および第7,232,453号公報に記載されており、参照によってすべての目的のためのその全体が各々本明細書に組み込まれる。
【0022】
いくつかの実施形態では、デバイスは右回りにあるいは左回りにそれぞれ回転し得る。
【0023】
デバイスは、ユニットを保持する少なくとも1つの組織並置部をさらに含んでいるが。それはデバイスの送達軸又はガイドワイヤーではない。組織並置保持ユニット部は、デバイスにおける接続点に対してオフセットした力の適用のために提供される。力が大動脈弓中の塞栓防御デバイスの安全な位置決めに寄与するので、力は安定化力と呼ばれ得る。接続点に対するオフセットは、例えば周囲にあり得る。また、それは周囲に隣接し得る。さらに、それは周囲内の血液浸透性ユニットの中心に存在しうる。デバイスが大動脈弓内に位置する場合、力は大動脈弓の内壁の方へ加えられるか向けられる。大動脈弓の内壁への周囲のこの方法組織並置の中で、力に支援される。例えば、牽引力、そのようなもの、適用された、内壁に対してデバイスの周囲を引いてもよい。牽引力は送達・カテーテルなどに対して適用され得、或いは心臓から遠ざかる方向に、大動脈の壁に対して塞栓防御デバイスを上昇させる、好ましくは冠状方向(「上方へ」/患者の頚部か頭の方へ)上昇させる。(安定化)力は移植時の際、適所にデバイスをロックすることを支援する。
【0024】
塞栓防御デバイスは、このように確実に栓子が頚動脈に流れ込むのを防ぐために大動脈の先端を横切って置くことができる。それが砕片の例えば側部脈管の心門からの生成を防ぐので、発明性のある解決法は医原性ではない。医原性は、医師か外科医による処置に起因する患者の悪条件に関係がある。例えば、側部脈管に伸びるか、危険を冒して内部の血管壁又は心門からプラークを擦り落とす劣った塞栓防御防御デバイスのアーム、アンカー、送達軸体、弯曲部などは必要でなく、本開示のおかげで回避され得る。
【0025】
周囲における改善された密封のおかげで塞栓の粒子は、その周囲でデバイスを横切って頚動脈までバイパスすることが回避される。高圧血流中のデバイスの「Sailing(航行)」は、回避された心臓から放出した。大動脈弓中の偏向デバイスの安定した位置決めが提供される。
【0026】
塞栓防御デバイスは、好ましくは塞栓の粒子をそらすための偏向板であり得る。代替的に、又は加えて、それは、塞栓の粒子をつかむためのフィルターであり得る。
【0027】
実施形態においてデバイスは側部チャネル・カテーテルを介して例えば、大腿部のアプローチを介して送達し得る。側部チャネル・カテーテルなどは、国際特許出願第PCT/EP2012/0058384に記載され、それは国際公開第WO2012152761として本出願の優先日の後に公開され、これは参照によってすべての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。カテーテルは、塞栓防御デバイス用の一つである多数の側チャネルによって改善され得る。テザーは同じチャネルあるいはカテーテルの他のチャネルで広がり得る。ピッグテール・カテーテルはそのような補助の側チャネルで提供され得る。ピッグテール・カテーテルはさらに国際公開公報WO2012/094195A1号公報に記載されたものなどのように大動脈弓の大動脈弁および/または内壁の環形に対してカテーテルを安定させるために使用され得る。同公報は、参照によってすべての目的のためにその全体が本明細書に組み込まれる。国際公開公報WO2012/094195A1号における関連する記載並びに国際公開公報WO2012/094195A1号の図(10Aと10B)を特に参照されたい。
【0028】
デバイスは実施形態において、国際公開公報WO2010/026240A1に記載されているように側部脈管を介して送達され得る。
【0029】
デバイスは実施形態において大動脈を介して、例えば、直接の大動脈アプローチによって送達され得、例えば、「METHOD FOR DELIVERY OF AN EMBOLIC PROTECTION UNIT」と題し、本願と出願人が同一であり、出願と同日に出願された米国出願、及びその優先権である2012年11月14日付で出願された米国出願第61/726,540に記載されている。両方の出願は、参照によってすべての目的のためのそれらの全体を本明細書に組み込まれている。
【0030】
安定化力と呼ばれる前記力は牽引力に含み得る。その後、並置保持/支持ユニットは能動的な牽引ユニットであり得、それは、例えばその場所で遠位状に少なくとも1つの操作可能なテザー300を接続している、接続先端部131とオフセットする。牽引ユニットかテザーの遠位の結合位置310は、デバイスに牽引力を提供するための塞栓防御デバイス200にフレーム133、周囲180および/または血液浸透性ユニット132に位置し得る。
【0031】
テザー300には1つ以上の遠位端がある。遠位端は例えば塞栓防御デバイス200の周囲180に接続されている。テザーの300の遠位端は、フィルターまたは偏向板の膜のような血液浸透性ユニット132に接続され得る。例えば、膜が柔軟でかつ、または弾性の場合、膜は牽引によって移動され得る。したがって、牽引は膜を上昇し得る。
テザー、より正確にはテザーラインは、周囲の密閉する程度を制御するために提供される。
テザーは大動脈の組織/大脳動脈への並置の方向に提供される。テザーは、末梢部に接続される塞栓防御デバイスに伝えられたテザーへの引く行為によって能動的な牽引を提供し得る。牽引力は、塞栓防御デバイスの送達デバイスの引く力と異なってもよい、したがって、デバイスの周囲がその付属の送達デバイスより大きい程度で大動脈弓移動に続くように、力が選択されると、風を吸い込む効果を有利に回避する。
【0032】
テザーは送達ユニット130に対して移動可能である。送達ユニット130はこれらの実施形態におい、例えば、ボーデンケーブル原理のように安定化力を加えることができる。代替的に、又は加えて、例えば、側部脈管の中でしっかり固定された使用で送達デバイスのまわりに同軸状に配置された円錐形のフィルターの形の収集デバイスは、塞栓防御デバイスに必要とされる安定化力を提供できる反対の点を提供し得る。このように、送達デバイスが「送達された」場所、例えば導入器のポートあるいはポートの外側の近位端でロックされるように、デバイス200は大動脈弓において位置し得る。その後、本明細書に記述されるように、テザーはまだ移動可能で、密閉を改善し得る。
【0033】
本発明のデバイスのうちのどれでも、送達ユニット130は図1に示されるように、前もって形成された屈曲部を含み得る。前もって形成された屈曲部は、5°と90°の間に存在し得る。いくつかの態様では、デバイス100はさらにフィルター(図示せず)(例えば、カテーテル160の外部から拡張可能)を含んでおり、該フィルターは、一時的に、大動脈弓に位置づけるために経血管的に送達可能な塞栓防御デバイス200に近位(例えば、前もって形成された屈曲部の近位)に位置する。フィルターは側枝血管を濾過するための大きさにできる。経血管的に送達可能な塞栓防御デバイス200の中央部材などの送達ユニット130は、それゆえ第2のフィルターを通過することができる。フィルターは、粒子が側部脈管の下流の大動脈弓から通過するのを防ぐ能力を持つことができる。フィルターは側部脈管の管壁との係合のために伸長可能であり得る。それは風を吸い込む効果に関する損失を防いで、牽引力の適用を可能にする固定点を提供し得る。フィルターは、カテーテルおよび/またはフィルターの尖端を通過する送達ワイヤーを備えた円錐形状であり得る。カテーテルおよび/または送達ワイヤーがフィルターに、例えばカテーテルのワイヤーの外周又は送達ワイヤーの外周に沿ったすべての点において接続される限り、フィルターは、カテーテルおよび/またはフィルター内の任意の先端部を通過する送達ワイヤーを備えた本質的に平坦であり得る。フィルターの最も広い部分の幅は、とりわけストランド骨下の動脈の解剖学的な幅、例えば2、4、6又は8mmの幅に適合するように予め寸法を決めるか、予め形成され得る。他の形状が使用されてもよい。
【0034】
テザーはマルチフィラメント・テザーであり得、狭いルーメン操作に有利なとりわけ柔軟な解決を提供する。
【0035】
テザーは、血液浸透性ユニットを横切ってデバイスの前端まで直接に及ぶかもしれない。したがって、中央のラインは引き上げられ得、周囲は内壁に逆らって伸ばされる。テザーは、前端への上昇力を提供する。テザーが中央のラインでガイドされる場合(例えば、糸は小環を介して糸が通されると)、それは、デバイスに沿って送達される漸進的な上昇力を提供し得、それは周囲でとりわけ有効な封止および/または安定化を可能にする。
【0036】
少なくとも1つのテザーは長手方向に弾性を有し得、つまり、それは長手方向に伸縮自在であり、非伸縮の長手方向の伸びに戻る。テザーはその全長に沿って弾性であり得る。テザーは1つ以上の弾性部あるいは弾性要素を含み得る。弾性部はバネとして作用するテザーの螺旋状に巻かれた部分であり得る。弾性部は螺旋状に巻かれたストランドの管状の編組であり得る。弾性部は弾性材、好ましくはゴムのような生物学的適合性の材料から製造され得る。このように、牽引力は可変である。これはテザーラインの破断を防ぐために有利であり得る。なぜなら、非線形の伸びが操作者によって「感じられ」得るからである。テザーが塞栓防御デバイスの密閉を改善するために所望の牽引を適用する張力デバイスである場合、この可変牽引力はさらに有利であり得る。テザーはこの位置において、その近位端でロックされ得る。例えば導入器ポートから伸びること。弾性は、大動脈弓関係詞の生理的な動作を償うためにデバイスの近位端を提供し、かつ、または維持間に組織並置を拘束するかもしれない。前方に記述されたさく癖の馬結果と関係する問題が回避される。
作用力は、大動脈弓が鼓動する心臓および血液脈波により移動している一方、改善された辺縁の密閉を維持するのに適切なあるテザー内に提供される。
【0037】
血液浸透性ユニットは、小環、管状の屈曲要素、ローラーなどの少なくとも1つのガイドユニットを有し得る。ガイドユニットはテザーをその遠位端を近位に受け取り得、そこで、血液浸透性ユニットなどのデバイス、フランジ又は周囲に取り付けられる。小環などのガイドユニットは、デバイスにおける局所的に制御可能な並置を提供する。牽引力はデバイスの異なる分野に送達され得る。
【0038】
デバイスは付着点を有し得、そこで、テザーの遠位端がデバイスに接続され、牽引力は付着点を経てデバイスの周囲へと伝達可能である。随意に、ラジオパク、1つ以上の標準マーカーがデバイスに設けられ得る。標準マーカーは付着点に設けられ得る。標準マーカーは有利なX線の視認性及び操作、デバイスの位置フィードバック及び制御を提供する。
【0039】
いくつかの例において、テザーは、心門を介して側部脈管内へ近位に伸びている。その結果、牽引力が心門に関してデバイスを中心におく。テザーラインを引くと、それは適所にデバイスをロックするためにその周囲において大動脈の内壁に向かってデバイスを引く。このように、デバイスは、テザーのお蔭で選択された側部脈管感謝の心門に関して自己整合する。この機能を得るためにこの開示を読むと、当業者はテザーのために適切なガイドユニットを提供し得る。
【0040】
デバイスは、周囲に沿って遠位状に付けられた多数のテザーを含み得る。代替的に、又は追加的に、単一の近位のテザーラインは、複数の(副)テザーラインへと遠位的に分か得る。例えば、テザーは、Yの形状で分岐され得る。近位に操作される単一のテザーは、その2つの遠位端点を経て塞栓防御デバイスに対して牽引力を遠位に送達し得る。複数のエンドポイントを備えた例は図8に示される。多数のテザーは、多数の遠位端を有するテザーと共に使用され得るか、又は結合され得る。多数のテザーは、デバイスの近位、例えば、その基部に集められ得る。このように、デバイスは、デバイスの周囲に沿って平等に分散した直進性の力を提供する。デバイスは、有利にこのように大動脈弓の内部形状に適合し得る。その適合は、テザーにおける長手方向の弾性を提供することによりさらにもっと増強され得る。例えば、枝分かれさせられた(副)テザーラインは、弾性材料から提供され得、その一方でメインラインは実質的に弾性がないが柔軟である。
【0041】
いくつかの実施例において、デバイスは周囲の異なる、好ましくは向き合った関節間に伸びる少なくとも1つのリブを有し得、テザーは、リブで末梢部に取り付けられる。テザーは、このようにリブに牽引力を適用し得る。リブは、次に大動脈の内壁組織に向けてデバイスの周囲へ力を伝え得る。リブは梁かヨークであり得る。それは拡張したデバイスの長手方向の軸に関して縦又は横に配列され得る。デバイスにそのような複数のリブがあるかもしれない。多数の花弁状部材又はウィング状部材を有するデバイスは、有利な力配分を得るために、花弁状部材又はウィング状部材の1つ以上に1つ以上のリブを有し得る。リブはデバイスに構造支持材を提供し得る。「構造支持材を提供する」という用語は、デバイスの形状および剛さに寄与する特性を言う。脈管内のデバイス200の剛さは、血液浸透性ユニット、周囲および/または放射状支持部材の剛さによって決定され得る。例えば、デバイス200は、より重いゲージ・ワイヤーの介在物、あるいはより堅い中央の部材、ヨークあるいは放射状支持部材の介在物によって堅くなり得る。更に、あるゲージの多数のワイヤーはデバイスの剛さを増加させるためにともに巻くことができる、例えば、デバイスは、脈管内のデバイス200の剛さを増加させるために2、3、4又は5以上ワイヤーを含み得る。
【0042】
例えば、デバイスの花弁又はウィング状の部材は、大動脈の血流に関して上流に配列され得る。代替的に、あるいは追加的に、デバイスは花弁状の部材を有し得るか、デバイスのウィング状部材が大動脈の血流に関して下流に配列され得る。1つ以上、あるいは花弁状部材またはウィング状部材の各々は、本明細書に記述されるようなテザー、プッシャ、バネのような組織並置保持ユニットを有し得る。ウィングは、組織並置保持ユニットによって大動脈の血流に関して上流に配列された花弁状部材又はウィング状部材を提供することは充分であり得る。下流に配列された花弁状またはウィング状部材は、デバイスの血液浸透性ユニットを通過していく大動脈中の拍動性の血流によって大動脈の内壁組織に十分に押しつけられ得る。しかしながら、接続点からの下流方向に配列された花弁状またはウィング状部材において組織並置保持ユニットを有することは、大動脈における圧力変化中にユニットを保持するそのような組織並置に有利に支援され得る。大動脈圧は拡張期に、より低く、心収縮期中によりも漏る傾向があり得る。組織並置保持ユニットは心拡張期に十分に支持的であるように測定され得、収縮期圧サポートのために寸法を決めるよりも身体中への挿入により有利にする(より小さく、より少ない量)。
【0043】
組織並置保持ユニットは、拍動性の血流によって引き起こされた血液浸透性ユニットの移動を制限し得る。上述したデバイスの「移動」は組織並置ユニットによって制限されるか或いは回避される。例えば、リブを有することはこの制限のある移動範囲のために提供され得る。リブおよび/またはテザーは血液浸透性ユニットの移動を制限する。デバイスにテザーを接続したことはそのとき直進性の牽引力のために提供され得、とりわけ改善された密閉のために提供され得る。なぜなら、拍動性の圧力変化によって引き起こされた周囲の力が心臓の鼓動の拍動流中に平等に分散されるからである。
【0044】
リブは、血液浸透性ユニットを超えて近位へ伸びるようなヨークであり得る。「超える」とは、ユニットを通る血流の下流のユニットの濾過された側を意味する。「下に」とは、この文脈の中で対向する側を意味する。ヨークは、好ましくは少なくともデバイスの一部の長手方向に伸び得る。遠位のテザー端部は、リブに直接付けられ得る。遠位のテザー端部はリブにおけるガイドユニットによって周囲にガイドされ得、牽引力の有利な配分を提供する。「上に」位置するリブは、同時に血液浸透性ユニットの移動を制限し得、したがって組織例えば心門との接触を回避し、そのような回避された接触によって砕片の生成を回避する。本開示の例のデバイスは追加のリブ部材を含み得る。該リブ部材は、上に位置するか、及び/又は選択的に浸透性ユニット132の下に位置する。
【0045】
デバイスは多数のテザー、あるいは多数のストランドにその遠位で分割する単一のテザーを含み得る。一例において、2つのテザーあるいはストランドが、デバイスの基部からY字形状で周囲に遠位状に付けられる。
【0046】
デバイスは少なくとも1つの小環を含み得、そこでは1以上のテザーは、少なくとも1つの小環を介して糸が通されている。小環は、好ましくは枢動点において、および/またはデバイスの基部において提供され得る。組織例えば、心門とのテザーの接触は、したがって小環のお蔭で回避され、および小片の生成は、伸ばされた時に組織とテザーとの接触を防ぐことにより回避される。
【0047】
血液浸透性ユニットは柔軟であり得る。それは例えば定義された有孔性又は穴を備えた平坦な(実質的に平面の)膜である。テザーは、膜に遠位状に取り付けられ得る。こうしてテザーの膜への取り付け位置を含む例えば火山状の形状部へ加えられた引張り力は、膜の平面から膜を上げ得る。火山状の形状は、有利にデバイスの効率を増加させ得る。火山状の形状の頂部は側部脈管の一部へ、心門内へ伸びるように配列され得る。粒子の閉込は、火山状形状部の内部の漏斗形状部によって提供され得、その中を血液が流れる。高めたフィルター効率はその結果になるだろう。
【0048】
牽引ユニットは、代替的にあるいは追加的に更に受動牽引ユニットを含み得る。受動牽引ユニットは操作者によって操作されないが、安定化力および改善された辺縁の密閉に自動的に提供する。受動牽引ユニットはバネであり得る。受動牽引ユニットは、送達部又はデバイスに対して牽引力を提供するために、フレームの一部など、例えば体温によって活性化される形状記憶要素を有し得る。例えば、デバイスは、デバイスの周囲から伸びる「小翼部」を含み得、それは形状記憶部を有している。別の例はテザーを例えば、デバイスの基部から伸ばすために活性化される形状記憶バネである。テザーの一部は形状記憶部として提供され得る。そのようなテザーは細長い形で送達され得、ついで記憶誘導形状に変更され、牽引力を提供するためにテザーを短くする。記憶が誘導された形状は、螺旋状のコイルであり得、記憶が活性化されたテザーの弾性、とりわけ有利な圧力および/または移動補正を可能にする。デバイスは、デバイスの周囲から、例えばフレームから放射状に外へ伸びるフランジユニットを有し得る。
【0049】
フランジユニットは、牽引力が提供されるプリテンション用の血液浸透性ユニットの面に関して角度が付けられ得る。フランジユニットはさらに改善された密閉に備え得る。密閉が大動脈における血圧によって支援されるからである。フランジユニットは織物で製造され得る。織物は織られていてもよい。織物は有利な密閉および生物学的適合性を提供するために、PTFE糸から織られ得る。織物はデバイスのフレームのまわりのカラーとして配列され得る。カラーは、フレームに取り付けられたフィルター膜の反対の方向に伸び得る。フランジユニットは内壁組織に向かうデバイスの周囲で凹部を回避することを提供する。塞栓の粒子がそのような凹部に集まり得るので、これは特に有利である。その後、デバイスが除去されると、これらの集められた粒子は、側部脈管内に流され得る。周囲に集まる粒子の回避はこの潜在的な問題を低減する。
【0050】
組織並置保持ユニットは押圧ユニットを含み得、当該力は、フレーム、周囲および/または血液浸透性ユニットに対する押圧力を含む。押圧ユニットは押圧力を提供し、内壁の周囲を押圧する。
【0051】
組織並置保持ユニットは磁気要素を含み得、力は磁力を含む。
【0052】
本開示の他の態様によれば、大動脈弓におけるカテーテル装置(500)の位置決め方法(900))が開示され、該方法は、偏向板および/またはフィルターなどの塞栓防御デバイス(200)を大動脈弓に経血管的に送達する工程(901)、前記塞栓防御デバイスの接続先端部(131)から近位へ伸びる経血管送達ユニット(130)に塞栓防御デバイスが接続されてなる塞栓防御デバイス(200)を大動脈弓に経血管的に送達する工程(901)、前記大動脈弓において塞栓防御デバイスを位置決めする工程(902)、デバイスのフレームを拡大する工程(903)、前記大動脈弓における血液浸透性ユニットを平坦にして、側部脈管内の粒子が患者の脳まで到達するのを防ぐために頚動脈を含む側部脈管の心門を少なくとも覆うように前記塞栓防御デバイスの周囲に前記大動脈弓の内壁との並置をもたらす工程(904)、及び前記カテーテルから前記大動脈弓に伸び、前記保持点(502)において前記塞栓防御デバイスに取り付けられてなる少なくとも1つの組織並置保護ユニット(300、350)によって安定化力を加える工程(905)を含み、前記カテーテル装置が、前記大動脈弓の内壁への前記周囲の組織並置が、安定および辺縁の密閉の改善のために前記安定化力によって支持されるように前記大動脈弓において位置するとき、前記力は、前記周囲におけるなど、前記塞栓防御デバイスの接続点に対してオフセットし、前記大動脈弓の内壁に向かい、心臓から離れ、前記周囲の長手方向に対して直角の方向に安定化力を提供する前記大動脈弓の内壁の方に向けられてなることを特徴としている。このようにして大動脈弓の内壁の周囲の組織並置が力によって支持される。
【0053】
この方法は既知の方法ほど医原性ではない。それは、塞栓防御デバイスの周囲の改善された密閉を提供する。
【0054】
それは、さらに大動脈弓の心門から砕片の生成を防ぐ。支持された並置は、大動脈弓の内壁の周囲の並置を改善しており、その結果、改善された並置が内壁に対する周囲の改善された密閉を提供する。
【0055】
力は改善された密閉用のデバイスに対して実質的に近位の方向に加えられ得る。力を加えることは牽引ユニットによって牽引力を適用することを含み得る。牽引力は大動脈弓の適所にデバイスをロックするために内壁に対してデバイスの周囲を引くことを含み得る。牽引力は、牽引力の提供のためにフレーム、周囲および/または血液浸透性ユニットに遠位状に接続された少なくとも1つのテザーによって適用され得る。
【0056】
デバイスは、右鎖骨下動脈からの腕頭動脈、左の頚動脈あるいは左鎖骨下動脈などの側部脈管の1つを介して大動脈弓に送達され得る。それは大腿部のアプローチ中でのように下行大動脈経由で大動脈弓に配達されるかもしれない、例えば、主なカテーテルの側面のチャネルで。それは上行大動脈の壁を通って大動脈弓に配達されるかもしれない。それは「直接の大動脈」アプローチと呼ばれるアプローチである。
【0057】
本開示の別の態様によれば、大動脈弓の中で流れる塞栓がその側部脈管に入るのを防ぐ方法(1000)は、大動脈弓に塞栓防御を進める工程(1001)、及び側部脈管の各々の心門をカバーするように、防御デバイスを操作する工程(1002)、その周囲で前記デバイスを密閉して改善するために前記防御デバイスに力を加える工程(1003)、前記塞栓防御デバイスの遠位の保持点とカテーテル上の遠位の接続点(501)の間で接続された遠位のガイド要素(350)によって前記デバイスにおいて接続点に対してオフセットした力を適用する工程を含み、防御デバイスは、側枝・脈管の各々の中への大動脈弓からの血流を許すが、栓子が大動脈弓の管腔を妨害せずに、第1及び第2の側部脈管に入るのを防ぐ。
【0058】
本開示のさらなる態様によれば、大動脈から頚動脈への塞栓のフローを制限する方法が提供される。当該方法は上行大動脈と下行大動脈の間で拡張するべき大動脈弓に、塞栓防御デバイスを送達することを含み、その結果、頚動脈に入る塞栓の砕片を防ぐために大動脈弓へ、塞栓防御デバイス又はその要素の位置を決める。さらに、当該方法は塞栓防御デバイスの遠位状に接続された少なくとも1つのテザー部材を近位に伸ばす工程を含み、こうして並置の程度と、大動脈弓の内部血管壁に対する塞栓防御デバイスの流体密封性の程度をする工程を含む。
【0059】
本開示の更なる態様によれば、心臓で血管内の処置を行なうための方法(1100)であって、該方法は、次の脈管のうちの1つを通って大動脈弓に(1101)塞栓防御デバイスを送達する工程、右ストランド骨下動脈から腕頭動脈、左頚動脈、左ストランド骨下動脈又は大腿部の流入路の中などの下行大動脈;あるいは上行大動脈の壁を通って;その周囲で前記デバイスを密閉して改善するために前記保護デバイス(1101)に安定化力を加えて、頚動脈に入る塞栓の砕片を防ぐ大動脈弓内で塞栓防御デバイスの位置を決める工程、前記デバイスの送達シャフトではなく、少なくとも1つの組織並置によって前記デバイスの接続点にオフセットする力を適用する工程を含み、前記力によって並置および大動脈弓の内部血管壁に対する塞栓防御デバイスの流体密封性の程度を制御する工程;下行大動脈、左鎖骨下動脈あるいは大動脈の血管壁を通って心臓まで第1のカテーテルを送達する工程(1102)であって、前記塞栓防御デバイスの遠位保持点とカテーテル上の遠位接続点(501)の間で接続された少なくとも1つの遠位ガイド要素(350)を伸ばすことにより、前記安定化力を心臓に適用する(1103)血管内の処置に関する少なくとも1つの工程を実行し、前記第1のカテーテルを送達する工程は、当該第1のカテーテルに取り付けられたバルーンを前記上行大動脈弓中のバルーンを拡大して置く工程を含む。
【0060】
力を加える工程は前記塞栓防御デバイスの遠位に接続された、少なくとも1つのテザー部材又は押圧ユニットを近位に延ばす工程を含み得る。
【0061】
塞栓防御デバイスを送達する工程は経血管的になされ得、当該塞栓防御デバイスを送達後に第1のカテーテルを送達する工程がなされ得る。
【0062】
第1のカテーテルを送達する工程は、第1のカテーテルの遠位端を適所にロックするために上行の大動脈弓中のバルーンを拡張して第1のカテーテルに取り付けられたバルーンを置く工程を含み得る。バルーンは、前記カテーテルとドーナツ形状の内輪の間でフィルターを有するドーナツ形状を有し得る。
【0063】
前記方法で使用される塞栓防御デバイスは、第2のカテーテルの遠位端あるいは第1のカテーテルの別のチャネルから伸び得る。その結果、塞栓防御デバイスの位置が第1のカテーテルの位置から独立して調節され得る。
【0064】
第1のカテーテルを送達する工程は、血管内の処置と無関係に、第1のカテーテルの別のチャネルを介して塞栓防御デバイスを送達する工程と同時に実行され得る。
【0065】
心臓の血管内の処置は、心臓弁の除去、人工弁の配置あるいは心臓弁の再建に関する少なくとも1つの工程を含み得る。塞栓防御デバイスは大動脈弓から取り除かれた後、血管内処置がなされる。
【0066】
本開示のさらなる実施形態は従属請求項で定義され、本発明の第2の態様およびその後の態様の特徴は、第1の態様に準用するものである。
【0067】
本開示のいくつかの実施例は、シース、カテーテル、あるいはテザーのおかげで心臓の上を血管内処置で使用されるワイヤーを通すことを可能にする大動脈内の塞栓防御デバイスのロープロファイルを提供する。
【0068】
本開示のいくつかの実施例は、さらにアンカー、アーム、デバイスなどから伸びる弓の回避を提供する。それは組織損傷/原因砕片をこすり取り押し流され得る。
【0069】
本開示のいくつかの実施例は、塞栓防御デバイスの追加の部分を回避し、該塞栓防御デバイスは大動脈又は側部脈管の内壁、とりわけ大動脈弓の心門に隣接した部分あるいは近辺と組織接触する。
【0070】
「保持する」という用語は、本明細書で使用されるように、支持する、支援する、保持する、支持する、のうちの1つを意味する。本開示によるデバイスの組織並置は、特定の実施形態に依存して、押圧力あるいは牽引力支持、支援又は支援並置によって提供され得る。
【0071】
本明細書に使用された用語「テザー」は安全性テザーと混同されないだろう、もし必要ならば塞栓防御デバイスの回収を可能にする単純な安全性ラインである。本明細書に使用されるようなテザーは、塞栓防御デバイスあるいはその選択された部分全体の抑制された伸ばすことを可能にするラインである。引張りは内部の脈管にデバイスを伸ばすことを提供するためにテザーの近位に適用される。引張りが内部の血管壁に逆らってデバイスの固定を支援するように、テザーは塞栓防御デバイスの遠位に接続されるか取付けられる。このように、デバイスの周囲での流体流動は制御可能で、血液が単にデバイスの血液浸透性ユニットを通過するように、テザーへの牽引の程度によって止めることができる。本明細書に使用されるように、「テザー」あるいは「ストランド」は任意の細長い構造を言い、
例えば、ポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリプロピレン、多孔性ウレタン、ニチノール、フルオロポリマー(Teflon登録商標)、コバルト・クロム合金(CoCr)、及びパラ系アラミド(Kevlar登録商標)、又は織物、例えばナイロン、ポリエステル、(Dacron登録商標)、絹などの任意の非分解性の材料から製造されたコード、ファイバー、フィラメント、ケーブル及び糸。
【0072】
実施形態の発明性のある改善を含むデバイスは、患者の大動脈弓への一時的な経血管送達のために考案された折り畳める塞栓防御デバイスを含み、該デバイスは選択的に浸透性の材料あるいはユニットを含む保護ユニットを有し、大動脈弓で複数の大動脈の側枝脈管への血流により塞栓物質が通過するのを防ぐのに適し、保護ユニットは、接続点又は接続領域あるいは付着点に経血管送達ユニットに永久あるいは解放可能に取り付けられ(身体への導入に先立つ組み立てのために)、選択的に浸透性ユニット、および選択的に浸透性ユニットの周囲で少なくとも部分的に配列された保護ユニットのための第1の支承部材で提供される。デバイスの拡張した状態で、接続点は第1の支承部材によって囲まれるか、あるいは第1の支承部材と一体的であり、そこでは、経血管送達ユニットは保護ユニットに対し中心から外れて、接続点に接続される。いくつかの実施形態では、接続点又は接続領域若しくは付着点は第1の支承部材によって囲まれる。
【0073】
接続点は、選択的に浸透性ユニット、あるいは第1の支承部材で提供され得る。
【0074】
接続点は、保護ユニットが大動脈弓に位置する場合に、大動脈弓の内部から、および心門領域から離間して大動脈の側枝・脈管に適応させるために考案された選択的に浸透性ユニットの表面上で提供されるかもしれない。
【0075】
いくつかの実施形態では、保護ユニットが拡張した状態で大動脈弓の中に位置する場合、選択的に浸透性ユニットは、接続点から大動脈弓の下行大動脈に第1の方向に伸びるために考案された第1の部分、および接続点から大動脈弓の上行大動脈の方へ、第1の方向の反対の第2の方向に伸びるように考案された第2の部分を含んでいる。
【0076】
いくつかの実施形態では、保護ユニットが拡張状態に大動脈弓の中に位置する場合、選択的に浸透性ユニットは非対称的に大動脈弓の下行大動脈への第1の方向、および大動脈弓の上行大動脈への第2の方向に接続点から伸びるように配列される。
【0077】
本出願の文脈で使用された「折り畳む」といる用語は、デバイスの寸法がカテーテルなどの管状の送達ユニットにおいて配列できるような短い寸法に低減できることを意味する。送達ユニットから解放されるか、又は押圧された時、折り畳みユニットは拡張可能である。拡張可能とは、例えば、形状記憶効果および/または弾力のある弾性によって自己拡張できることを含む。折り畳みユニットは、送達ユニットへの、および患者から引き取るために再度折り畳むものである。
【0078】
それは強調されるべきである、この開示の中で使用されるとき、「含む/有する」という用語は前述した特徴、整数、工程あるいは成分の存在を特定するために取られるが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、成分あるいはその群の存在や追加を妨げない。
【図面の簡単な説明】
【0079】
本発明の実施形態の叙上および他の態様、特徴並びに利点は、本開示の実施形態の次の記載から明らかになりかつ解明され得、添付の図面に言及される。
図1図1は大動脈弓において展開したその拡張した構成で経血管送達ユニットに取り付けられた保護デバイスの概略図であり、該デバイスはテザーを含む。
図2図2はテザーを備えた塞栓防御デバイスを例証する斜視図である。
図3図3はテザーを備えた塞栓防御デバイスを例証する平面図である。
図4図4は、カテーテル中及びカテーテルの外側でテザーを備え、大動脈求弓に送達される塞栓防御デバイスを示す概略図である。
図5図5は、拡大した図4のデバイスであって、より詳細に該デバイスを示す斜視図である。
図6図6は、カテーテル中及びカテーテルの外側でテザーを備え、大動脈求弓に送達される塞栓防御デバイスを示す概略図である。
図7図7は、拡大した図6のデバイスであって、より詳細に該デバイスを示す斜視図である。
図8図8は多数のテザーを備えた塞栓防御デバイスを例証する平面図である。
図9図9A及び9Bは、側部チャネルを備えたカテーテルと、テザーを備えた塞栓防御デバイスを例証する概略図である。
図10図10は、側部チャネルおよびテザーを備えた塞栓防御デバイスを備えた大腿部のアプローチを介して送達されるカテーテルを例証する概略図である。
図11図11は、側部チャネルと、ヒンジ及びテザーを備えた塞栓防御デバイスを有するカテーテルを例証する概略図である。
図12図12は、側部チャネルおよび多数のテザーを備えた塞栓防御デバイスを備えた大腿部のアプローチによって送達されるカテーテルを例証する概略図である。
図13図13は、側部チャネルと、押圧ユニットを備えた塞栓防御デバイスを有するカテーテルであって、大腿部のアプローチを介して送達されるカテーテルを例証する概略図である。
図14図14は、フランジユニット400を備えた塞栓防御デバイスを概略図である;
図15図15は方法600を例証するフローチャートである。
図16図16a-図16cは、本発明の実施形態によるカテーテル装置の概略図である。
図17図17a-図17cは、発明の実施形態によるカテーテル装置の概略図である;
図18図18a-図18eは、発明の実施形態によるカテーテル装置の概略図である;
図19図19a-図19bは、発明の実施形態によるカテーテル装置の概略図である;
図20図20a-図20cは、発明の実施形態によるカテーテル装置の概略図である;
図21図21は、発明の実施形態による方法を例証するフローチャートである;
図22図22a-図22bは、本発明の実施形態による方法を例証するフローチャートである。
図23図23a-図23dは、本発明の実施形態によるカテーテル装置の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0080】
添付図面を参照して特定の例を記述する。しかしながら、この発明は様々な形態で具体化され得、本明細書に述べられた実施形態に限定されるように解釈されるべきでない。もっと正確に言えば、この開示が完全になり完成し、本発明の範囲が当業者に完全に伝達されるように、これらの実施形態が提供されるだろう。添付図面で例証された実施形態の詳細な記載に使用される用語は、本発明の限定とするように意図されてない。図面で、類似した数字は類似した要素を言う。
【0081】
図1は、大動脈弓100と複数の側枝脈管の概略図を示し、第3の側枝脈管116、第2の側枝・脈管118および第1の側枝脈管120を含む。大動脈弁6は図面のうちのいくつかで例証される。通常は、大動脈の3つの枝管が、3つの別個の心門中の大動脈弓100の躯幹から分離する。第3の側枝・脈管116は腕頭動脈と呼ばれる。第2の側枝・脈管118は左総頚動脈と呼ばれる。また、第1の側枝・脈管120は左ストランド骨下動脈と呼ばれる。側枝・脈管は、大動脈弓100上の別位置から発生して、通常3つの別個の動脈幹として大動脈弓から分離する。腕頭動脈116は大動脈弓の最大の直径枝管で、分岐を通常生じさせ、該分岐から、右鎖骨下動脈115が伸長し、血液を、例えば、右腕、および右総頚動脈117へと導き頚部と頭に動脈血を伝える。左総頚動脈118は、通常大動脈弓100から直接分岐する。その後、総頚動脈117および118は、頚部と頭の部位に血液を供給する、外部および内頚動脈へ分岐する。左および右鎖骨下動脈120、115は、結局椎骨動脈、内胸動脈および他の脈管のために予定された血液に動脈の経路を提供し、上腕、頚部、髄膜および脳の胸郭壁、脊髄および部分に酸素で処理された血液を供給する。
【0082】
図2は、ワイヤーの支承部材133を有する塞栓防御デバイスの斜視図である。ワイヤーの2本の枝管が、送達ユニット130との交差部196で互いに交差する。ワイヤーは付着点131で、例えば締め付け、溶接、接着によって連結される。
【0083】
患者の大動脈弓100への一時的な経血管送達および大動脈弓100中の、あるいは大動脈弓を横切った仮位置決めのために考案された折り畳み可能な塞栓防御デバイス200が提供される。デバイスのいくつかの例が以下に述べられる。前記デバイスは、大動脈弓100に適切に位置した時、その拡張した状態で大動脈弓100の側枝脈管116、118、120の少なくとも1つに塞栓物質150が入るのを防ぐために折り畳み可能な保護ユニット140を有する。好ましくは、少なくとも左・右の頚動脈118および117は、大動脈弓100の中にある塞栓物質150から保護される。側枝脈管116、118、120がすべてカバーされ得る。
【0084】
塞栓防御デバイス200の例は、選択的に浸透性ユニット132の周囲180で少なくとも部分的に配列される保護ユニット140のための第1の支承部材133をさらに含んでいる。選択的に浸透性ユニット132は血液に対しては浸透性であるが、塞栓物質に対しては不浸透性である。選択的に浸透性ユニット132は、適切な方法で第1の支承部材133に接続されるか、又は取り付けられる。代替的に、選択的に浸透性ユニット132は第1の支承部材133と一体的であり得る。
【0085】
保護ユニット140は選択的に浸透性の材料あるいは選択的に血流(図1の中の矢印)と共に大動脈弓100の複数の大動脈の側枝・脈管116、118、120内への塞栓物質150の通過を選択的に防ぐのに適したユニット132を含んでいる。塞栓防御デバイス200を通す場合、側枝・脈管内の血流は実質的に妨害されない。保護ユニット140は、接続点又は接続領域、若しくは選択的に浸透性ユニット132で提供される付着点131において経血管送達ユニット130に永久に接続されるか、あるいは取り付けられている。保護ユニットがその支持要素と一体的であり、かつ支持要素に取り付けられていないが、経血管ユニット130から保護ユニット140まで横切っている場合、例えば前記接続点又は接続領域が提供され得る。
【0086】
選択的に浸透性ユニット132の特性に依存して、塞栓物質は選択的に浸透性ユニット132の中に閉じ込められ得る。選択的に浸透性ユニット132はフィルター素材を含み得る。代替的にあるいは追加的に、浸透性ユニット132は多孔性物質を含み得、或いは多孔性物質から製造され得る。本開示のデバイスのすべての例では、選択的に浸透性ユニット132の素材は編組材料、織物又は、クラスター化された材料を含み得る。特定の態様では、選択的に浸透性ユニット132材料は積層されたメッシュを含み得る。例えば、メッシュはポリマーフィルム、例えば穿孔されたポリマーフィルムを含み得る。代替的に、又は追加的に、選択的に浸透性ユニット132は、心門から遠ざかるように配向された表面に沿って塞栓物質が滑る特性を有し得、これによって側部脈管を過ぎた塞栓の砕片をそらす。本開示のデバイスの任意の例において、保護ユニット140および/または浸透性ユニット132は、ドロウンフィルトチュービング(Drawn Filled Tubing)を含んでいるかもしれない、例えばニチノールの外層および/またはタンタル、および/または白金を含むコアを含む。
【0087】
第1の支承部材133は、大動脈弓100の血管壁部分の組織への並置に適合する。第1の支承部材133は大動脈弓100の内側で、かつ心門から離間した大動脈の側部脈管116、118、120の複数の心門を包囲するように形成される。このように、選択的に浸透性ユニット132は図1で示されるように、保護ユニット140が大動脈弓100に位置する場合に、大動脈弓100中の二次の液量から大動脈の側枝・脈管116、118、120の第1の液量を分離するように配列される。血流は、大動脈弓100中の第2の液量から、通過する選択された大きさ塞栓粒子を妨げる選択的に浸透性ユニット132を介して大動脈の側枝の第1の液量まで生じる。
【0088】
塞栓防御デバイスは、通常、カテーテル160を介して経血管状に大動脈弓へと送達される。送達は、図の例として特に例証されたもの以外に異なる脈管を通ってなされ得る。
【0089】
本開示の1つの態様によれば、大動脈弓の中で一時的に位置するための折り畳み得る、経血管状に送達し得る塞栓防御デバイス200は、連結可能か、あるいは接続点131から近位に伸びる、経血管状送達ユニット130に固定して接続される。デバイス200は周囲180を備えたフレームの形態の第1の支承部材と、塞栓粒子150が大動脈弓100の側部脈管を介して患者の脳まで通過するのを防ぐための周囲180内の血液浸透性ユニット132を有する。デバイスは、ユニットを保持する少なくとも1つの組織並置保持ユニットをさらに含むが、それはデバイスの送達軸体ではない。組織並置保持ユニットは、デバイスの接続点に対してオフセットする力の印加のために提供される。
【0090】
組織並置保持ユニットは大動脈弓の内壁へのデバイス200の組織並置の支持のために設けられる。
【0091】
接続点に対するオフセットは、例えば周囲180に存在する。さらに、それは周囲180に隣接し得る。また、周囲180内の血液浸透性ユニット132の中心に存在し得る。
【0092】
デバイスが大動脈弓中で位置する場合、安定化力と呼ばれる力は、大動脈弓100の内壁の方へ加えられるか指図される。力は、矢印301によって図に例証された例に存在する。
【0093】
このように、大動脈弓100の内壁への周囲180の組織並置は、矢印301によって例証されるような力によって支援される。それは限定的な柔軟性と弾性を有するので、大動脈弓は反力を提供する。力と反力のこの平衡は、周囲180の改善された密閉を伴う。さらに、デバイスが多かれ少なかれ適所にロックされるので、それは、塞栓防御デバイスで大動脈弓の制限された運動を提供し得る。しかしながら、例えば、いわゆるウインドサッカー効果の欠点を防ぐために、本明細書に記載されるように、大動脈弓の移動はまだ存在し得、補償され得る。
【0094】
例えば、そのように適用された牽引力は、内壁に対してデバイスの周囲を引き得る。力は、移植時に適所にデバイスをロックすることを支援する。
【0095】
塞栓防御デバイス200は、このように塞栓が頚動脈に流れ込むのを防ぐために大動脈のアペックスを横切って置くことができるので信頼性がある。それが例えば側部脈管の心門からの砕片の生成を防ぐので、発明性のある解決は医原性ではない。医原性は、医師又は外科医による処置に起因する患者の悪条件に関係がある。内部血管壁又は心門からプラークを擦り落とす側部脈管へ伸びる塞栓防御デバイス内部のアーム、アンカー、デリバリー軸、弓などは、本開示のおかげで必要とされない。塞栓防御デバイス200は、塞栓粒子をそらすための偏向板であり得る。代替的にあるいは追加的に、それは、実施例において、塞栓粒子をつかむためのフィルターであり得る。デバイスは実施例においてカテーテル2の側部チャネル7を介して例えば大腿部のアプローチを介して送達し得る。側部チャネル・カテーテル2などが、国際特許出願PCT/EP2012/0058384に記載されており、それは国際公開第WO2012152761として本出願の優先日後に公開され、参照によってすべての目的のためのその全体が本明細書に組み入れられる。カテーテルは多数の側部チャネルによって更に改善促進され得、1つの側部チャネル7は、大動脈弓100に塞栓の防御デバイス200を送るために提供される。テザー300は、塞栓防御デバイス200および送達ユニット130と同じチャネルあるいはカテーテルの他のチャネル中に延び得る。ピッグテール・カテーテルはそのような補助の側部チャネル中に提供されるかもしれない。ピッグテール・カテーテルはさらに大腿部のデリバリー・アプローチ中のカテーテルを安定させるために使用され得、大動脈弓の大動脈弁および内壁の環帯に対してカテーテル2を支持する。例えば国際公開第WO2012/094195A1に記載され、参照によってすべての目的のためのその全体が本明細書に組み入れられる。
国際公開第WO2012/094195A1の図(10Aと10B)及び国際公開第WO2012/094195A1の関連する記載参照。
【0096】
デバイス200は実施例において国際公開第WO2010/026240A1記載されているように側部脈管を介して送達し得る。
【0097】
デバイスは実施例において例えば所謂直接の大動脈アプローチにより大動脈100の壁を通って送達し得る。
【0098】
前記力301は並置支援ユニットの種類に依存する牽引力を含むか、牽引力であり得る。
並置保持/支援ユニットは、ついで、能動的牽引ユニットであり得、それは、接続点をオフセットした位置で遠位状に接続された少なくとも1つの操作可能なテザー300を有する。テザーの遠位接続位置は、牽引力を提供するために塞栓防御デバイスのフレーム、周囲および/または血液浸透性ユニットに位置づけられ得る。テザーは1つ以上の遠位端を有する。遠位端は例えば塞栓防御デバイスの周囲に接続される。テザーの遠位端は、フィルターまたは偏向板の膜のような血液浸透性ユニットに接続され得る。例えば、膜が柔軟でかつ、または弾性の場合、膜は牽引によって移動され得る。
【0099】
テザー、より正確には、テザーラインは周囲の密閉の程度を制御するために提供される。
テザーは大動脈の組織/大脳動脈への並置の方向に提供される。テザーは、末梢部に接続される塞栓防御デバイスに伝えられたテザーへの引く行為によって能動的な牽引を提供し得る。
【0100】
テザーは送達ユニット130に対して長手方向に移動自在であり得る。このようにデバイス200は、送達デバイスが送達ユニット130によって「送達された」場所に固定されるように、大動脈弓において例えば、導入器のポートの、あるいはそのポートの外側の近位端で位置づけられ得る。その後、本明細書に記載されるように、テザー300はまだ移動可能で、密閉を改善し得る。
【0101】
テザー300はマルチフィラメントであり得、狭い管腔操縦には特に有利な柔軟な解決を提供する。
【0102】
テザー300は、血液浸透性ユニットを横切ってデバイスの前端まで直接に及び得る。
したがって、中央のラインは引き上げられ得、周囲は内壁に逆らって伸ばされる。
テザーは、前端への上昇力を提供する。テザーが中央のラインにおいて、例えば、小環を介して糸が通されてガイドされる場合、それは、デバイスに沿って分布した直進性の持ち上げ力を提供し得る。例えば、図2、6、7および8を参照されたい。
【0103】
少なくとも1つのテザー300は長手方向に弾性を有し得る。即ち、それは長手方向に伸縮自在であり、かつ弾力的に伸ばされていない長手方向の伸長に戻る。テザーはその全長に沿って弾性であり得る。テザーは1つ以上の弾性部あるいは弾性要素を含み得る。弾性部はバネとして作用するテザーの螺旋状に巻かれた部分であり得る。弾性部は螺旋状に巻かれたストランドの管状の編組であり得る。弾性部は弾性材、好ましくはゴムのような生物学的適合性の材料から製造され得る。このように、牽引力は可変である。非線形の伸長が操作者によって「感じられ」得るので、これは、テザーラインの破断を防ぐためには有利であり得る。テザーが塞栓防御デバイスの密閉を改善するために所望の牽引を適用する張力デバイスである場合、この可変牽引力はさらに有利であり得る。テザーは、例えば、導入器ポートから伸びて、この位置の近位端で固定され得る。弾性は、デバイス及び/又はテザーの近位端に対する大動脈弓の生理的な動作の補償を提供し、同時に組織並置の拘束を維持する。作用力は改善された周辺の密閉を維持するのに適切な特定の範囲内に提供され、同時に大動脈弓は、心臓の鼓動および血液脈波により移動する。
【0104】
血液浸透性ユニット132は、小環、管状要素、ローラー、開いたポケット織物部分などの少なくとも1つのガイドユニット320を有し得る。ガイドユニットはテザーをその近位で受け取り得、血液浸透性ユニット、フランジ又は周囲などのデバイスに取り付けられる。小環などのガイドユニットは、デバイスにおける局所的に制御可能な並置を提供する。牽引力はデバイスの異なる領域に送達され得る。
【0105】
デバイスは取付点を有し得、テザーの遠位端がデバイスに接続され、牽引力が周囲へのデバイスの取付点を介して伝達可能である取付点を有し得る。随意に、1つ以上の放射線不透過性の標準マーカーがデバイスに提供され得る。標準マーカーは付着点に設けられ得る。そのような放射線不透過性の要素に付けるか、又は脈管内デバイスに組み入れることができ、例えば、患者の身体の内部にある場合、デバイス200の配向性の同定を提供するために、フレーム133、選択的に浸透性のユニット、ヨーク、スケルトンあるいは他の放射状の支承部材、テザー、小環などに付けられる。放射線不透過性の要素はビードか鉗子であり得る。鉗子の場合には、要素がデバイス200上にクリンプ(crimp)処理され得る。放射線不透性物質はワイヤーまたはテザーに組み入れることができる。フレーム、ヨークあるいは浸透性ユニット132の部分はDFTワイヤーから製造され得る。そのようなワイヤーは、例えば、タンタル、白金および外素材のコア並びに例えばニチノールの外側材料を含み得る。放射線不透過性の要素あるいは標準マーカーは有利なX線の視認性およびナビゲーション、デバイスの位置フィードバックおよび制御を提供する。
【0106】
いくつかの実施例において、牽引力が心門に関してデバイスの中心になるように、テザーは選択された側部脈管の心門を介して近位状に伸びる。テザーライン300を引く場合、それは適所にデバイスをロックするために大動脈の内壁に対して周囲でデバイスを引く。このように、デバイスは、テザーのお蔭で選択された側部脈管感謝の心門に関して自己整合する。この機能を得るためにこの開示を読むと、当業者はテザーのために適切なガイドユニットを提供し得る。
【0107】
デバイスは、周囲に沿って遠位状に付けられた多数のテザーを含み得る。代替的に、又は追加的に、単一の近位のテザーラインは、複数の(副)テザーラインへと遠位的に分か得る。例えば、テザーは、Yの形状で分岐され得る。近位に操作される単一のテザーは、その2つの遠位端点を経て塞栓防御デバイスに対して牽引力を遠位に送達し得る。
【0108】
複数のエンドポイントを備えた例は図8に示される。多数のテザーは、多数の遠位端を有するテザーと共に使用され得るか、又は結合され得る。多数のテザーは、デバイスにおいてその基部330において(図7および8)近位状に集められ得る。このように、デバイスは、デバイスの周囲に沿って平等に分散した直進性の力を提供する。デバイスは、有利にこのように大動脈弓100の内部形状に適合し得る。その適応は、テザーにおいて長手方向に弾性部を提供することによりさらにもっと増強され得る。例えば、主管路が実質的に弾性がない一方で、分岐した(副)テザーラインは弾性材から提供され得る。
【0109】
いくつかの実施例において、デバイスは周囲での異なる、好ましくは対向する関節間に伸びる少なくとも1つのリブ135などの内部構造あるいは外部スケルトンを有し得、テザーは、リブで末梢部に取り付けられる。テザー300は、このようにリブ135に牽引力を適用し得、次には大動脈の内壁組織に向かうデバイス200の周囲180に力を伝える。リブ135は梁又はヨークであり得る。それは拡張したデバイス200の前後軸に関して長手方向(図6および7)あるいは横方向(図4および5)に配列され得る。
【0110】
デバイスには複数のそのようなリブ135が存在し得る。
【0111】
例えば、この内部構造、例えばリブ135は、操作者が大動脈弓内のデバイスの配向を制御し、操作者がデバイスを大動脈弓のある特徴に対して押しつけるか、押すか、引くことを可能にする。例えば側部脈管の1つ以上の心門から、およびその心門上で、離間して大動脈弓壁に対してデバイスを押すことを可能にする。外部のスケルトンは内部構造に接続され得る。外部のスケルトンはフレーム133であり得、デバイスのために追加的な構造用支持材を提供することができ、デバイスの選択的に浸透性ユニット132間の密閉および血管壁の生成を促進することができる。代替的に、浸透性ユニット132は、フレーム133の境界線を越えて伸びることにより血管壁に対する密閉を浸透性ユニット自体が生成しうる。
【0112】
デバイス200は、治療部位への送達の容易さのためにその前後軸に沿った折り畳みができる。デバイス200は、介入の心臓学で使用される共通の送達方法との適合性をもつ、例えばTAVI処置。デバイスは、側部チャネル・カテーテルを含むなどの送達しシステムへ統合され得る。回収に際して、デバイス200は元の展開方向に実質的に似ているオ方向で引っ込まされ得る。
【0113】
多数の花弁状部あるいはウィング状部を有するデバイス200は、有利な力配分を得るために花弁状部かウィング状部の1以上の上に1以上のリブを有し得る。
【0114】
例えば、デバイスの花弁状部かウィング状部は、大動脈の血流に関して上流に配列され得る。代替的に、あるいは追加的に、デバイス200は花弁状部を持ち得る。あるいは、デバイスのウィングは大動脈の血流に関して下流に配列され得る。花弁状部またはウィング状部の1つ以上、あるいは各々は、本明細書に記載されるようなテザー、プッシャ、バネのような、組織並置保持ユニットを持ち得る。ウィングは、組織並置保持ユニットによって大動脈の血流に関して上流に配列された花弁状又はウイング状部材を提供することは充分であり得る。下流に配列された花弁状またはウィング状部材は、デバイスの血液浸透性ユニットを通過していく大動脈中の拍動性の血流によって大動脈の内壁組織に十分に押しつけられ得る。しかしながら、接続点からの下流方向に配列された花弁状またはウィング状部材において組織並置保持ユニットを有することは、大動脈における圧力変化中にユニットを保持するそのような組織並置に有利に支援され得る。大動脈圧は拡張期に、より低く、心収縮期中によりも漏る傾向があり得る。組織並置保持ユニットは心拡張期中に充分に支持するための寸法であり得、および収縮期圧サポートのための寸法より身体中への挿入により有利である(より小さく、より少ない量)である。
【0115】
組織並置保持ユニットは、拍動性の血流によって引き起こされる血液浸透性ユニット132の移動を制限し得る。例えば、リブ135を持っていることはこの制限のある移動範囲を提供し得る。リブおよび/またはテザーは、血液浸透性ユニットの移動を制限し得る。デバイス200にテザー300を接続したことは、直進性の牽引力を提供し得、拍動性の圧力変化によって引き起こされた周囲180上の力が心臓の鼓動の拍動流中に平等に分布されるので、特に密閉を改善した。
【0116】
リブ135は血液浸透性ユニット132を超えて近位状に伸びるヨークであり得る。ヨークは、デバイス200の少なくとも一部の長手方向に伸び得る。遠位のテザー端部は、リブ135に直接付けられ得る。遠位のテザー端部はリブにおいてガイドユニットにより周囲180へガイドされ得、牽引力の有利な分布を提供する。
【0117】
デバイス200は多数のテザー、あるいは多数のストランドに遠位状に分割する単一のテザーを含み得る。実施例において、2つのテザーあるいはストランドが、デバイスの基部からY形状の周囲へ遠位状に付けられている(図8参照)。
【0118】
デバイス200は少なくとも1つの小環を含み得、1以上のテザーは、少なくとも1つの小環を介して糸が通されている。小環は、デバイス200の枢動点および/または基部330に好ましくは提供され得る。血液浸透性ユニットは柔軟であり得る。それは例えば定義された有孔性あるいは穴部を備えた平坦な膜である。有孔性または穴部は、微小なワイヤー、網又はメッシュ若しくは有孔フィルムの一部であり得、又は含まれ得る。例えば、50-950ミクロン(例えば50、60、70、80、85、90、100、120、135、150、250、350、450、550、650、750、850、950ミクロン以上)の穴部あるいは有孔性のメッシュ又はシート。有孔フィルムはデバイスと共に介在物に先立って穿孔され得る。フィルムは、また例えばレーザードリルまたは電気火花によって)穿孔されたデバイスと共にポスト介在物であり得る。有孔フィルムが存在する実施例では、穴は一定又は変化した穴パターン、一定又は変化した穴密度、及び/又は一定又は変化した穴の大きさをもつことができる。血液浸透性ユニット132は編まれるか、縫われるか、クラスターに分けられるか、結合されるか、又は結ばれるかされ得る。
血液浸透性ユニット132は非分解性の材料であり得る。例えばポリカーボネート、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、拡張ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリプロピレン、多孔性のウレタン、ニチノール、フルオロポリマー(Teflonョ)、コバルト・クロム合金(CoCr)、およびパラアラミド(Kevlarョ)又は織物、例えばナイロン、ポリエステル(Dacronョ)、又は絹。血液浸透性ユニット132は、材料の組合せであり得る(例えばDFTとニチノールワイヤーの組合せ)。血液浸透性ユニット132もトロンボゲン形成反応を防ぐために反血栓形成の物質で覆われ得る。デバイス200の大きさは様々な患者群(例えば小児、成体、又は特定の大動脈の解剖学的分類)に適用させるためにあらかじめ分類されあらかじめ形成され得る。
【0119】
テザーは、膜に遠位状に取り付けられ得る。こうしてテザーの膜への取り付け位置を含む例えば火山状の形状部へ加えられた引張り力は、膜の平面から膜を上げ得る。火山状の形状は、有利にデバイスの効率を増加させ得る。火山形状の兆部は側部脈管の一部の、心門へと伸びるように配列され得る。粒子の閉込は、火山状の形状の内部の血液が流れる漏斗形状によってこのように改善され得る。高めたフィルター効率はその結果になるだろう。
【0120】
牽引ユニットは受動的牽引ユニットを含み得る。受動的牽引ユニットは操作者bによって操作されないが、改善された密閉を自動的に提供する。受動牽引ユニットはバネであり得る。受動牽引ユニットは、送達部又はデバイスに対して牽引力を提供するために、フレームの一部など、例えば体温によって活性化される形状記憶要素を有し得る。例えば、デバイスは、デバイスの周囲から伸びる「小翼」を含み得、それは形状記憶性を有する。
別の例はテザーを例えば、デバイスの基部から伸ばすために活性化される形状記憶バネである。テザーの一部は形状記憶部として提供され得る。そのようなテザーは細長い形状で送達され得、次に、引張力を提供するためにテザーを短くして、記憶が誘導された形状に変更した。記憶が誘導された形状は、螺旋状のコイルであり得、記憶が活性化されたテザーの弾性、とりわけ有利な圧力および/または移動補正を可能にする。
【0121】
デバイスは、デバイス200の周囲180から放射状に外へ伸びるフランジユニット400を有し得、例えば、フレーム132から伸びる。図14参照。フランジユニットは、牽引力が提供されるプリテンション用の血液浸透性ユニットの面に関して角度が付けられ得る。密閉が大動脈の中で血圧に支援されるので、フランジユニットはさらに改善された密閉を提供し得る。フランジユニット400は織物で製造され得る。織物は織られていてもよい。織物は有利な密閉および生物学的適合性を提供するために、PTFE糸から織られ得る。織物はデバイスのフレームのまわりのカラーとして配列され得る。カラーは、フレームに取り付けられたフィルター膜の反対の方向に伸び得る。フランジユニット400は内壁組織へのデバイスの周囲で凹部を縮小するか回避することに備える。塞栓の粒子がそのような凹部に集まり得るので、これは特に有利である。その後、デバイスが除去されると、これらの集められた粒子は、側部脈管内に流され得る。周囲に集まる粒子の回避はこの潜在的な問題を低減する。
【0122】
図10は、側部チャネルおよびテザーを備えた塞栓防御デバイスを備えた大腿部のアプローチを介して送達されるカテーテルを例証する概略図である。図で示されるように、デバイスは大動脈の内壁組織への引張力の上方移動変換を可能にするヒンジ板340を含んでいる。引張りはこのように押圧力に変換される。
【0123】
組織並置保持ユニットは押圧ユニット350(図13)を含み得、力は、フレーム、周囲および/または血液浸透性ユニットに対する押圧力を含んでいる。押圧ユニットは押圧力を提供し、内壁の周囲を押圧する。
【0124】
組織並置保持ユニットは磁気要素を含み得、力は磁力を含む。
【0125】
磁力は以下のように提供され得る。デバイス200は、第1の磁気極性の磁気要素を含む。第2の磁気要素は大動脈弓の外部に配列され得る。第2の磁気要素には第1の磁気極性と反対の磁気極性がある。このように、第1及び第2の磁気要素は互いに引きつける。デバイス200は、周囲180の密閉を改善する力を提供する大動脈弓壁に向かって引かれるだろう。当業者は、第2の磁気要素を適用するために適切なタイミングおよび位置を認識するだろう。例えば、塞栓防御デバイスが大動脈弓の中に位置した後、それは患者の胸部上で適切な方向に身体の外部で配列され得る。
【0126】
反発性の磁力は同じ原理に基づくが、同一の極性の第1と第2磁気要素に基づいて得られる。デバイス200が側部チャネル7から解放されて位置する時、第2の磁気要素は、例えば部分であるか、あるいは、カテーテル7若しくはその側部チャネルを介して進み得る。このように、デバイスを内部の大動脈の壁に押しつける力が提供される。
【0127】
磁気要素はテザー、プッシャーなどに加えて、或いは代替的に提供され得る。
【0128】
本明細書に記載された医療機器は、使用のために医療の専門家への配分用滅菌容器で一般に包装される。物品は、電子線照射器、γ線照射、紫外線放散、化学的滅菌法および/または無菌の生産および包装手順の使用のような様々なアプローチを使用して滅菌することができる。ラベルは、例えば物品が完全に機能する状態で残ると予想される適切な日付で、物品に付けることができる。構成部品は、個々にあるいはともにパッケージにすることができる。本明細書に記載された各種機器は、便宜上キットで一緒に包むことができる。
キットは例えば更に、食品と薬の投与による介在物のために指定された情報など使用及び/又は警告説明書でラベルを付けることを含む。そのようなラベル付けは、包装の外部、および/または包装内の離型紙上に存在し得る。
【0129】
デバイス200は、大動脈弓において、偏向板および/またはフィルターなどの塞栓防御デバイスの位置決め方法で使用されてもよい、示される。前記方法は大動脈弓に経血管状に塞栓防御デバイスまで送達することを含んでおり、デバイスの接続点131から近位状に伸びる経血管送達ユニット130に接続されている。さらに、前記方法は大動脈弓中のデバイスの位置を決めることを含んでいる。前記位置決めは、デバイスのフレームを拡張し、大動脈弓における血液浸透性ユニットを平坦にすることを含んでおり、また、デバイスの周囲を大動脈弓の内壁に並置させ側部脈管の心門を少なくとも覆うことは、頚動脈を含んでいる。こうしてデバイスは、塞栓粒子が大動脈の側部脈管を経て患者の脳まで通って進むのを防いでいる。
【0130】
方法600の例では、デバイス200は、左橈骨動脈における導入器を介したアクセスで標準セルディンガー法および透視を使用することにより、大動脈弓100に位置づけられる。一旦折り畳み得る保護装置がカテーテルから送達される/解放されると、それは拡大し、塞栓化した粒子ではなく血液を介在させて、左・右の頚動脈を覆うように置かれる。心臓血管の介在又は心臓手術が終わると、デバイスは再びカテーテル内に引っ込ませられる。
【0131】
塞栓物質が患者の大動脈弓から血流と共に側枝脈管に入るのを防ぐ方法600では、工程610によって例証されるように、折り畳み得る塞栓防御デバイス200は末梢血脈管の中で折り畳まれた状態で皮膚を通して導入される。これは、図15で概略的に示される。工程620によって例証されるように、折り畳み得る塞栓防御デバイス200は、末梢血脈管および表版枝管脈管120によって大動脈弓100の中で折り畳まれた状態で経血管状に送達される。この目的のために、デバイス200は送達カテーテル160内で折り畳まれ、送達カテーテルを経て大動脈弓100の内部の展開部位へ導入される。
【0132】
デバイス200は、その付着点でプッシャかワイヤーのような経血管送達ユニット130に付けられている。折り畳み得る塞栓防御デバイスの塞栓保護ユニット200は、大動脈弓100中で拡張し、工程630によって例証される。
【0133】
拡張工程は、付着点131から保護ユニットの第1の部分145、および保護ユニットの第2の部分146を非対称的に拡張する工程を含み得る(図1を参照)。第1の部分145は、大動脈弓100の下行大動脈114への第1の方向に拡張する。第2の部分146は、大動脈弓100の上行大動脈112への第2の方向に拡張する。非対称の配置は、防御されるために他の側枝脈管116および118に関して送達脈管120からのデバイス200の位置決めを促進する。この方法ステージは工程640によって例証される。
【0134】
大動脈弓100中の保護ユニット200の位置決め工程は、工程650によって例証されるように、大動脈弓100の血管壁部分の組織への保護ユニット200の選択的に浸透性のユニット132の第1の支承部材133を並置する工程を含む。保護ユニット200の第1の支承部材133は、保護ユニットの選択的に浸透性のユニット132の周囲180で少なくとも部分的に配列される。
【0135】
前記方法は第1の支承部材133により大動脈弓100中の大動脈の側枝脈管116、118、120の複数の心門を包囲し、心門から離間して保護ユニット200の位置を決める工程を含んでいる。この方法ステージは工程660によって例証される。
【0136】
したがって、方法工程670で例証されるように、保護ユニット200はその拡張した状態で大動脈弓100に位置づけられる。塞栓の物質150は、保護ユニット200の選択的に浸透性の物質によって大動脈弓100の複数の大動脈の側枝脈管116、118、120の中への血流と共に通過するのを有効に妨げられる。方法工程680を参照。
【0137】
前記方法は保護ユニット200が大動脈弓100に位置する場合に、大動脈弓中の第2の液量から大動脈の側枝脈管の第1の液量を同時に分離することを提供する。
【0138】
前記方法は、送達方向の反対方向に拡張した保護ユニット200を引き、側枝脈管の心門を包囲する大動脈弓100の脈管組織部分に対して伸長し、締めることを含み得る。この具現化された方法ステージは、工程690によって例証される。
【0139】
さらに、前記方法は、デバイスのデリバリー軸ではなく、少なくとも1つの組織並置保持ユニットによってデバイスに力を加える工程700を含んでいる。力は、周囲においてなど、デバイスの接続点にオフセットされて加えられる。デバイスが大動脈弓の中に位置する場合、力は大動脈弓の内壁の方に向けられる。このようにして大動脈弓の内壁の周囲の組織並置が力によって支持される。
【0140】
この方法は既知の方法ほど医原性ではない。それは、塞栓防御装置の周囲にさらに改善された密閉を提供する。それは、さらに大動脈弓の心門から砕片の生成を防ぐ。それはいくつかの既知の塞栓防御装置につちえの問題であり得る。
【0141】
支持された並置は、大動脈弓の内壁の周囲の並置を改善しており、その結果、改善された並置が内壁に対する周囲の改善された密閉を提供する。
【0142】
力は改善された密閉用のデバイスに対して実質的に近位の方向に加えられ得る。
【0143】
力を加えることは牽引ユニットによって牽引力を適用することを含み得る。牽引力は大動脈弓の適所にデバイスをロックするために内壁に対してデバイスの周囲を引くことを含み得る。牽引力は、牽引力の提供のためにフレーム、周囲および/または血液浸透性ユニットに遠位状に接続された少なくとも1つのテザーによって適用され得る。
【0144】
デバイスは、右鎖骨下動脈からの腕頭動脈、左の頚動脈あるいは左鎖骨下動脈などの側部脈管の1つを介して大動脈弓に送達され得る。それは例えば主カテーテルの側部チャネルにおける大腿部のアプローチでのように下行大動脈経由で大動脈弓に送達され得る。それは上行大動脈の壁を通って大動脈弓に送達され得る。それは「直接大動脈」アプローチと呼ばれるアプローチである。
【0145】
大動脈弓の中を流れる栓子がその側枝脈管に入るのを防ぐ方法800で使用され得るデバイス200が提供される。前記方法は、大動脈弓まで塞栓の保護を進める工程801と、それが側枝脈管の各々の心門を覆うように防御装置を操作する工程802を含む。方法は、その周囲でデバイスを密閉して改善するために防御装置に力を加える工程803をさらに含んでいる。力の適用は、デバイスのデリバリー軸ではなく、少なくとも1つの組織並置保持ユニットによってデバイスの接続点に対してオフセットした力を適用することを含んでいる。このように、防御装置は、側枝脈管の各々の中への大動脈弓からの工程804の血流を許し、栓子が大動脈弓の管腔を妨害せずに、第1及び第2の側枝脈管に入るのを防ぐ。
【0146】
大動脈から頚動脈の中への塞栓のフローを制限する方法810で使用され得るデバイス200が提供される。前記方法は、大動脈弓に塞栓防御装置を送達する工程811を含んでおり、上行大動脈と下行大動脈の間に伸び、大動脈弓へ塞栓防御装置あるいはその構成部品の位置を決め、頚動脈を入力する塞栓の砕片を防ぐ。さらに、それは、塞栓防御装置に遠位状に接続された少なくとも1つのテザー部材を近位へ伸ばし、大動脈弓の内部血管壁に対する塞栓防御装置の並置と流体密封性の程度を制御する工程812を含む。
【0147】
心臓上で血管内の処置を実行する方法820で使用され得るデバイス200が開示される。前記方法は、次の脈管のうちの1つを通って大動脈弓に塞栓防御装置を送達する工程821を含む。
右ストランド骨下動脈から腕頭動脈、左頚動脈、左ストランド骨下動脈又は大腿部の流入路の中などの下行大動脈;あるいは前記方法は、上行大動脈の壁を通って大動脈弓に塞栓防御装置を送達する。それは、頚動脈を入力する塞栓の砕片を防ぐために大動脈弓へ塞栓防御装置の位置を決める工程822をさらに含んでいる。前記方法は、その周囲でデバイスを密閉して改善するために防御装置に力を加える工程823を含んでおり、それはデバイスのデリバリー軸ではなく、少なくとも1つの組織並置保持ユニットによってデバイスで接続点に対してオフセットした力を適用することを含んでいる。このように、前記方法は作用力による大動脈弓の内部の血管壁に対する塞栓防御デバイスの並置及び流体密封性の程度を制御することを可能にする。さらに、前記方法は、最初のカテーテルを大動脈弓において下行大動脈、左鎖骨下動脈あるいは大動脈の血管壁を介して心臓まで送達し、心臓の血管内の処置に関係する少なくとも1つの工程への影響を及ぼす工程824を含んでいる。
【0148】
力を加える工程は、塞栓防御デバイスに遠位状に接続された少なくとも1つのテザー部材を近位に伸ばすことを含んでいる。
【0149】
塞栓防御デバイスを送達する工程は経血管的になされ得、当該塞栓防御デバイスを送達後に第1のカテーテルを送達する工程がなされ得る。
【0150】
第1のカテーテルを送達する工程は、第1のカテーテルの遠位端を適所にロックするために上行の大動脈弓中のバルーンを拡張して第1のカテーテルに取り付けられたバルーンを置く工程を含み得る。バルーンは、前記カテーテルとドーナツ形状の内輪の間でフィルターを有するドーナツ形状を有し得る。
【0151】
方法で使用される塞栓防御デバイスは、第2のカテーテルの遠位端あるいは第1のカテーテルの個別のチャネルから伸び、その結果、塞栓防御デバイスの場所が第1のカテーテルの場所から独立して調節することができる。
【0152】
第1のカテーテルを送達する工程は、血管内の処置と無関係に、第1のカテーテルの別のチャネルを介して塞栓防御デバイスを送達する工程と同時に実行され得る。心臓の血管内の処置は、心臓弁の除去、人工弁の配置あるいは心臓弁の再建に関する少なくとも1つの工程を含み得る。
【0153】
これは、経皮的な弁置換術を含む弁形成術のように、心臓弁膜症の治療を含み得る。その処置は、最小の侵襲性の手枝で折り畳み得る大動脈の心臓弁の移植に関する経カテーテル大動脈の心臓弁術(TAVI)であり得る。
【0154】
塞栓防御デバイスは大動脈弓から取り除かれた後、血管内処置がなされる。
【0155】
<カテーテル装置は塞栓保護ユニットを含んでいる。>
【0156】
図16a-c、17a-c、18a-c、19a-b、20a-cはカテーテル装置(500)を例証し、該カテーテル装置は、心臓弁(6)において、上行大動脈から下行大動脈まで塞栓の砕片の偏向のために大動脈弓に一時的に位置づけるための塞栓防御デバイス(200)を位置づけるための管腔および遠位端を備えた細長いシース(503)を含み、該塞栓保護装置は接続点(131)から近位へ伸びる経血管送達ユニット(130)に連結可能であり、該塞栓保護装置は、周囲を備えたフレーム、前記周囲内の血液浸透性ユニットであって、塞栓の粒子が前記大動脈弓のわきの脈管内の大動脈弁下流への血流と共に該血液浸透性ユニットを通って患者の脳へ通過するのを防ぐための血液浸透性ユニット、および前記大動脈弓に、前記カテーテルから及び、前記塞栓防御デバイスの前記接続点への安定化力オフセットの適用のために保持点(502)で前記塞栓防御デバイスに付けられている少なくとも1つの組織並置保持ユニット(300と350)、を有し、前記カテーテル装置が、前記大動脈弓の内壁への前記周囲の組織並置が安定化および周辺の密閉の改善のために前記力に支援されるように前記大動脈弓の中で位置するときに、前記塞栓防御デバイスは、前記周囲などで、前記心臓から遠位状に、および前記周囲の縦の伸長に垂直な方向に前記大動脈弓の内壁に向かって前記安定化力を提供する。
【0157】
安定化力は牽引力を含み得、前記並置保持ユニットは能動的牽引ユニットを含み得、該能動的牽引ユニットは少なくとも1つの操作可能なテザー(300)を有し、該テザー(300)は前記接続点でオフセットした前記保持点で遠位状に、例えばは前記牽引力を提供するために前記フレーム、周囲および/または血液浸透性ユニットに接続される。
【0158】
前記機械的組織並置ユニットは押圧ユニット(350)を含み得、そして、前記力は、前記内壁への前記押圧力および前記周囲の押圧を提供するための前記フレーム、周囲および/または血液浸透性ユニットに対する押圧力を含む。
【0159】
少なくとも1つのテザーあるいは押圧ユニットは長手方向の弾性であり得、これによって前記力は、塞栓防御デバイスに対する前記大動脈弓の生理的な動作を補償し同時に前記組織並置を維持するために可変である。これは上述されるような利点を提供する。
【0160】
血液浸透性ユニットは少なくとも1つガイドユニット、例えばテザー又は押圧ユニットをその遠位端で近位状に受け取るための小環をガイドし得、該ガイドユニットの遠位端で前記血液浸透性ユニット、フランジあるいはテザーに付けられる。これは上述されるような利点を提供する。
【0161】
塞栓防御デバイスは付着点を有し得、前記テザー又は押圧ユニットの遠位端が接続され、随意に、前記付着点で放射線不透過性の標準マーカーが付着される。これは上述されるような利点を提供する。
【0162】
手術中のテザーは近位状に、選択された側脈管内に心門を介して伸び、その結果、牽引力は前記心門に関してデバイスを中心に位置づけ、適所にデバイスをロックするために前記内壁に対してデバイスを引き、これによってデバイスは、前記選択された側部脈管の心門に関して自己整合する。これは上述されるような利点を提供する。
【0163】
カテーテル装置は、前記周囲に沿って遠位状に付けられた多数のテザーを含む。これは上述されるような利点を提供する。
【0164】
フレームは、異なる、前記周囲の関節間に伸びる少なくとも1つのリブを含み得、そこでは、前記テザー又は押圧ユニットは、前記リブで遠位状に付けられる。これは上述されるような利点を提供する。
【0165】
異なる関節は対向する関節であり得る。これは上述されるような利点を提供する。
【0166】
リブは前記血液浸透性ユニットを超えて近位状に伸びるヨークであり得る。これは上述されるような利点を提供する。
【0167】
ヨークは、前記塞栓防御デバイスの少なくとも一部の長手方向に伸び得る。これは上述されるような利点を提供する。
【0168】
カテーテル装置は多数のテザーあるいは多数のストランドに遠位状に分割する単一のテザーを含み得る。これは上に記述されるような利点を提供する。
【0169】
2つのテザーあるいはストランドは、前記塞栓防御デバイスの基部からY形状に前記周囲に遠位状に付けられ得る。これは上に記述されるような利点を提供する。
【0170】
カテーテル装置は少なくとも1つの小環を含み得、そこでは1以上のテザー又は押圧ユニットは、少なくとも1つの小環を介して糸が通されている。これは上に記述されるような利点を提供する。
【0171】
前記1以上のテザーは、前記デバイスの基部の枢動点の少なくとも1つの小環を通して糸が通されている。これは上に記述されるような利点を提供する。
【0172】
血液浸透性ユニットは定義された有孔性あるいは穴部を備えた平坦な膜のように、柔軟であり得、テザー又は押圧ユニットが前記膜に遠位状に付けられ、その結果、牽引力あるいは押し力は、加えられた時、前記膜の平ら膜を上昇させる。これは上に記述されるような利点を提供する。
【0173】
牽引又は押圧力は、適用された時、前記膜の平面から前記膜を上昇させ得る。その結果、前記膜の火山形状が前記テザー又は押圧ユニットの取付位置で前記膜に提供される。これは上に記述されるような利点を提供する。
【0174】
牽引ユニットあるいは押圧ユニットは牽引又は押圧力を提供するために、受動的牽引ユニットを含み得る。これは上に記述されるような利点を提供する。
【0175】
受動的牽引あるいは押圧ユニットはバネまたは形状記憶素子であり得る。これは上に記述されるような利点を提供する。
【0176】
周囲は、前記フレームから放射状に外へ伸びるフランジユニットを含み得る。これは上に記述されるような利点を提供する。
【0177】
フランジユニットは、予め引張用の前記血液浸透性ユニットの面に関して角度が付けられうる。前記安定化力は予め引張に対して提供し得る。これは上に記述されるような利点を提供する。
【0178】
組織並置保持ユニットは磁気要素を含み得、前記安定化力は磁力を含む。これは上に記述されるような利点を提供する。
【0179】
図(16a-c、17a-c、18c、19a-b)で例証されるように、押圧ユニットは前記塞栓防御デバイス保持点と、前記カテーテル上の遠位の接続点(501)の間で接続された遠位ガイド要素(350)を含み、そして、前記遠位ガイド要素は、塞栓防御デバイスが折り畳まれ、実質的に前記カテーテルのシースに一致する送達状態と、塞栓防御装置が拡張する展開状態とを有し、それによって前記周囲は、大動脈弓の内壁との実施的に並置状態にあり、それによって、前記送達状態から前記展開状態に移動すると、前記遠位ガイド要素は塞栓防御デバイスを前記内壁に向けてガイドする。ガイド要素が防御デバイスを正しい位置に有効にガイドするので、これは大動脈の壁に対する塞栓防御デバイスの改善された密閉を提供する。押圧ユニットによって働かせられたガイド要素および関連する力の移動は、図16b-cにおいて矢印'301および301によって例証される。
さらに、心のずれが有効に防がれるように、遠位のガイド要素は、カテーテルに対して塞栓防御装置を有効に安定させる。
【0180】
遠位のガイド要素は、前記保持点で前記塞栓防御デバイスの遠位部に接続され得る。図16a-cで例証されるように、塞栓防御デバイスの遠位部で支持を有することによって、その整列が改善される。代替的に又は追加的に、さらなるガイド要素(350')は、図で18c示されるような塞栓防御デバイスの長さに沿って提供され得る。
【0181】
遠位のガイド要素は形状記憶材料を含み得、拘束がない場合に展開した状態に向かおうとすることで前記送達状態から弾力的に展開した状態に移動可能である。これは、ガイド要素の有効かつ単純な展開を提供し、それによって塞栓防御デバイスを提供する。弾力のあるガイド要素は、塞栓の保護フィルターがカテーテル装置に関して移動することを可能にし得、それによって、鼓動する心臓を随伴し、密閉を維持する。
【0182】
代替的にあるいは追加的に、遠位のガイド要素は、前記送達ユニットの押圧動作によって、前記送達状態から前記展開状態まで移動可能であり得る。したがって、送達ユニットは、安全な展開のためにガイド要素と共に有効に塞栓防御デバイスを解放することができる。
【0183】
遠位のガイド要素は、前記遠位の接続点のまわりで枢動自在であり得る。これは、カテーテルからの効率的な展開方法を可能にする。
【0184】
遠位のガイド要素は、前記カテーテルに対する前記塞栓防御デバイスのためのサポート支柱として形成され得る。したがって、フィルターの増強された支持が維持される一方で、組織と直接接触して安定する要素を有する先行技術のデバイスの場合の組織を破損する危険がない。組織損傷および塞栓の解放の危険性は、支援により組織に直接接近するときに生じ得るが、大幅に低減される。
【0185】
カテーテル装置は開口部(504)を含み得、該開口部を介して、塞栓防御デバイスが展開可能である。図17a参照。これはロープロファイルのカテーテル装置を可能にし、それは、アーチおよびカテーテルの外側のより多くの利用可能空間において滑らかに滑る。
【0186】
開口部は、前記シースの長手方向における前記塞栓防御デバイスの長さに実質的に沿って伸び得る。これは、塞栓防御デバイスのより容易な解放を可能にする。
【0187】
塞栓防御装置は、遠位方向に前記送達ユニットを押圧することによって前記開口部から送達し得、これによって前記遠位のガイド要素は、前記壁に対してフレームをガイド及び支援するために展開した状態を仮定する。それによって、配備の容易さはデバイスを使用するのにコンパクトさと容易さを提供する。
【0188】
カテーテル装置は、前記塞栓防御デバイス用の長さ方向の区画(505)を含み得る。前記塞栓防御デバイスは、塞栓防御デバイスが解放前に正確に位置づけられ、他の構成部品あるいは操作具との干渉を回避することを確認し得る解放前に専用スペースを有し得る。
【0189】
塞栓防御デバイスは前記長手方向の区画において予め設けられ得る。これは、それが単に拡張されることだけで必要であるので、塞栓防御デバイスが正確に位置付けられ、処置を単純化する確実性を増加させる。
【0190】
塞栓防御デバイスは前記開口部を介して前記区画の圧縮した形状から移動可能であり得る。区画は圧縮したフィルターに適合するような寸法にされ、開口部は両方が圧縮した形状でフィルターを抑制するような寸法にされ、送達ユニットによって押圧される場合に、以下に説明されるように拡張器によって、あるいは区画を超えて位置づけられた抑制部を除去することによって、フィルターがそこを通って送達されることを可能にする。
【0191】
カテーテル装置は、前記シースにおいて移動可能な長手方向の拡張器(506)を含み得る。そこでは前記長手方向の区画は、前記長手方向の拡張器によって配列される、図17b。一旦塞栓防御デバイスが展開し、拡張器が引っ込められると、圧縮した塞栓防御デバイスのためのスペースは、後でそれを削除することができ、カテーテル装置を使用するために再びコンパクトさと容易さを可能にする。
【0192】
開口部は前記シース中で配列され得、近位の方向に前記長手方向の拡張器を引っ込めるとき、塞栓防御デバイスが前記開口部を介して前記長手方向の区画から押し出され得る。したがって、上述されるように、塞栓保護デバイスの解放及びその展開、区画の除去および拡張器の引っ込めることは、増強されより安全な処置のために単一の動作で提供される。
【0193】
代替的に、図17cに例証されるように、カテーテル装置は前記シースの外側で放射状に抑制する外部シース(507)を含み得、前記塞栓防御デバイスを圧縮した形状で抑制するのに適し、塞栓防御デバイスを展開した状態で解放するために伸縮自在である。これは、安全な処置および増加した患者安全性を提供する塞栓防御デバイスの展開の効率的な方法を提供する。
【0194】
カテーテル装置は前記シースの外側で放射状におよび抑制する外部シース(507)を含み、塞栓防御デバイスを圧縮した形状で抑制するのに適し、前記塞栓防御デバイスを展開した状態に解放するために近位の方向に伸縮自在であり、これによって前記遠位のガイド要素は、前記壁に対してフレームをガイド及び支援するために展開した状態を仮定する。
【0195】
カテーテル装置は、前記上行大動脈のカテーテルを中心に位置づけるのに適した、中心化ユニット(508'および508)を含み得、前記中心化ユニットは放射状に拡張可能な構造を含む。これは、心臓上にカテーテルの遠位部の正確な位置決めを可能にするが、それは正確な処置の実行には基本である。カテーテルの最適な位置決めを可能にし、同時に処置から解放され塞栓から大動脈弓の側枝脈管を有効に防御するなる相乗効果は、それによって提供され、大動脈弓を介して実行された処置の安全性を最適化し、高め、後の合併症の危険を減少させる。
【0196】
放射状に拡張可能な構造は、膨張可能なバルーン'509および509を509"を含み得る。
これは、組織に対する安全な中心化と柔軟な並置を可能にする。
【0197】
膨張可能なバルーンは、図18bで例証されるように、前記カテーテルの放射状の外周のまわりに配置された複数の膨張可能な要素(509'および509、509")を含み得る。周辺に配置されることにより、例えば膨張可能な要素の各々の間で類似の角度を有することにより均一に配置されることにより、安全で効率的な中心化が提供される。デバイスは単に1つ又は2つの拡張可能な要素を含み得る。この場合、拡張可能な要素は、位置512(図18c)でカテーテルに有利に付けられ得、カテーテルがその緩んだ直線形状、即ち図18cの左の部分(参照符号512で示されている)に向かおうとする場合、大動脈弓の壁に対して最も激しく押圧しようとする。したがって、カテーテルのこの側の近傍に位置した単一あるいは二重の拡張可能な部分は、大動脈弓の中心に向かうカテーテルを押圧するのに十分になりえる。
【0198】
拡張可能な2つの部分は、1つの拡張可能な部分上のカテーテルの位置の増加した安定性を提供し得る。拡張可能な1つの部分は大動脈弓中でより少ないスペースを占め得る。フィー・スペースは拡大する部分の使用により増加されるかもしれない、それは大部分はバルーンのように半径方向に単に拡大する。それは、ほとんど球形状に対立するものとして、主として半径方向に膨張した状態で細長く伸ばされ、これは図18bの例証の場合である。下に言及されるように、拡張可能な構造もNiTinolまたはプラスチックなどの別の柔軟性材料から形成され得、さらに以下に述べられ、それは膨張を要求しないが、その代り、放射状に外へ押され、例えば、カテーテルの長手方向に伸びる材料のストリップ又はバンド、若しくは拡張可能なメッシュである。
【0199】
拡張可能な構造は実質的に滑らかな方法でカテーテルの外側表面に制限し得る。図18dの例証を参照されたい。カテーテルを進めるとき、これは、組織壁に向かってより少ない摩擦を生成する。バルーンを有する場合、バルーンは、膨張しなかった時、しわのない非常に平滑な面を有する従順な材料から形成され得る。
【0200】
複数の膨張可能な要素は、個々に及び独立して膨張可能であり得る。したがって、カテーテル装置の遠位の先端の位置は、選択的に異なる放射状の要素を膨張させて空気を抜くことによって心臓に対して調整され得る。
【0201】
放射状に拡張可能な構造'508および508は、代替的にNiTinolあるいは別の形状記憶合金若しくはプラスチックなどの形状記憶材料を含み得、そして、拘束がない場合に展開した状態に向かおうとすることにより圧縮した抑制された形状から拡張した展開した状態に弾力的に移動可能であり、形状記憶材料は、前記上行大動脈のカテーテルを中心化するために展開した状態で前記カテーテルの放射状周囲の周りの周辺に配置される。
これは安全で容易な中心化を提供する。外装507あるいは補足外装は膨張を抑制するために拡張可能な構造に関して使用され得、その後、近位へ引っ込ませられ、拡張可能な構造にその拡張した記憶形状を仮定させる。
【0202】
カテーテルは遠位の中心化ユニット(508'および508)を含み得、前記上行大動脈のカテーテルを中心化するのに適し、カテーテルは近位の中心化ユニット(図示せず)を含み得、前記下行大動脈のカテーテルを中心するのに適し、前記近位の中心化ユニットは放射状に拡張可能な構造を含む。これは、さらにカテーテルの位置決めを改善するかもしれない。
【0203】
上述されるようなカテーテル装置は、患者の心臓弁領域への、あるいはその処置用の器具を安定させるために医療機器の経血管送達で使用されてもよい。例えば、電気生理学処置あるいは剥離処置など。
【0204】
図23a-cは中央の支持構造物510を例証する。それはフレーム133を横切って伸びる。この中枢機構510は、大動脈弓に対する付着力を増加させ得、それは血液浸透性の材料自体をサポートし得る、その結果、良好な密閉が得られる。中枢機構はその近位端と遠心端の間の如何なる位置においてもフレーム133を横切って伸び得る。図23aおよび図23cにおいて、送達ユニット130は中枢機構に接続される。これはフィルターの中央部位で一層の増加した押し力に備えるかもしれない。さらに、図で23c示されるように、これは大動脈弓の最も近位の枝管脈管で組織の近位部と並置した状態で近位の伸長部512を有することを可能にする。送達ユニットが近位のフレーム(図23b)に接続されるとき、その場合と比較して、送達ユニット130から近位の伸長に適用される制限がないので、近位の伸長は、組織に非常に柔軟で、かつ従順であることを可能にし、それは密閉能力を増加させる。
【0205】
図23dは、血液浸透性の材料132がフレーム133を超えた距離511を拡張するかもしれないことを例証する。これは個別の吸収するユニットを付ける必要なしにデバイスを製造するのに容易であることを提供する。それは、組織への柔軟な付着およびデバイスの良好な密閉能力を可能にする能力を有する。
【0206】
図21は、大動脈弓中のカテーテル装置(500)の位置を決める方法(900)を例証し、該方法は、大動脈弓における、偏向板および/またはフィルターのような塞栓防御デバイス(200)を経血管状に送達する工程(901)を含み、前記塞栓防御デバイスは塞栓防御デバイスの接続点(131)から近位に伸びる経血管送達ユニット(130)に接続され、前記方法は、前記大動脈弓において塞栓防御デバイスを位置決めする工程(902)であって、デバイスのフレームを拡大する工程(903)と前記大動脈弓における血液浸透性ユニットを平坦にする工程を含み、もたらす(904)、側部脈管内の粒子が患者の脳まで通過するのを防ぐために頚動脈を含む側部脈管の心門を少なくともカバーするように前記塞栓防御デバイスの周囲に前記大動脈弓の内壁との並置をもたらしてなる大動脈弓において塞栓防御デバイスを位置決めする工程(902);および、前記カテーテルから前記大動脈弓に伸びる少なくとも1つの組織並置保持ユニット(300と350)によって安定化力を加える工程(905)であって、前記保持点(502)で前記塞栓防御デバイスに付けられ、前記力は、前記周囲でのように前記塞栓防御デバイスの前記接続点に対してオフセットして適用され、前記大動脈弓の内壁に向かって、前記心臓から離れて、前記周囲の長手方向の伸長に対して垂直な方向に前記安定化力を提供する前記大動脈弓の内壁の方へ向けられ、前記カテーテル装置が前記大動脈弓の中で位置づけられ、その結果、前記大動脈弓の内壁への前記周囲の組織並置が、安定および辺縁の密閉の改善のために前記安定化力によって支持される。
【0207】
支持された並置が前記大動脈弓の前記内壁への前記周囲の並置を改善し、その結果、改善された並置が前記内壁に対する前記周囲の改善された密閉を提供する。
【0208】
前記方法は前記改善された密閉のために前記デバイスに対する実質的に近位の方向に前記安定化力を加える工程を含み得る。
【0209】
前記安定化力を加える工程は牽引ユニットによって牽引力を適用する工程を含み得る。
【0210】
前記方法は、前記引張力によって、前記大動脈弓中の適所にデバイスをロックするために前記内壁に対して前記心臓から離れて前記デバイスの周囲を引く工程を含む。
【0211】
前記方法は前記引張力の提供のために前記フレーム、周囲および/または血液浸透性ユニットに遠位状に接続された少なくとも1つのテザーによって前記牽引力を適用する工程を含んでいるかもしれない。
【0212】
塞栓防御デバイスは、右鎖骨下動脈からの腕頭動脈、左の頚動脈、左鎖骨下動脈あるいは大腿部のアプローチ中で、あるいは上行大動脈を通るなど下行大動脈のような前記側部脈管の1つを介して前記大動脈弓に送達されるかもしれない。
【0213】
前記安定化力を加えることは押圧ユニットによって押し力を適用する工程(906)を含んでいるかもしれない。
【0214】
前記押圧力を適用する工程(907)は、塞栓防御デバイスを折り畳んだ状態から展開した状態までガイドすることを含むかもしれない、前記塞栓防御デバイスは前記塞栓防御装デバイスの保持点と前記カテーテル上の遠位の接続点(501)の間に接続された遠位のガイド要素(350)によって、大動脈弓の内壁との並置に広げられる。これは上述されるような利点を提供する。
【0215】
前記方法は前記遠位のガイド要素によって前記フレームの遠位端を支持する工程(908)を含むかもしれない。これは上述されるような利点を提供する。
【0216】
前記方法は前記送達ユニットによって前記カテーテル中の長手方向の区画(505)から塞栓防御デバイスを押す工程(909)を含み得、これによって、前記遠位のガイド要素は、前記壁に対してフレームをガイドし、支持するために展開した状態を仮定する。これは上述されるような利点を提供する。
【0217】
前記方法は長手方向の区画(505)から前記塞栓防御デバイスを押す工程(910)を含み得、前記塞栓防御デバイスは近位の方向に前記縦の拡張器を引っ込ませる時、拡張器(506)の中で配列され、前記カテーテル内に移動可能である。これは上述されるような利点を提供する。
【0218】
前記方法は、放射状に拡張可能な構造を含む中心化ユニット(508、508'、509、509´、509")によって前記上行大動脈のカテーテル(911)を中心化する工程を含むかもしれない。これは上述されるような利点を提供する。
【0219】
方法は前記カテーテルの放射状の外周のまわりで周辺に配置された、複数の膨張可能な要素(509、509'、509")によってカテーテルを中心化する工程(912)を含み得る。これは上述されるような利点を提供する。
【0220】
前記方法は拘束がない場合に展開した状態の方へ努力することにより圧縮した抑制された形状から拡張した展開した状態まで弾力的に移動可能な形状記憶材料によってカテーテルを中心化する工程(913)を含み得、形状記憶材料は、前記上行大動脈のカテーテルを中心化するために展開した状態で前記カテーテルの放射状周囲の周りの周辺に配置される。これは上述されるような利点を提供する。
【0221】
前記方法は、患者の心臓弁領域への医療機器の経血管送達(914)あるいは電気生理学処置(915)あるいは剥離処置(916)による処置などの処置用の器具を安定させることを含むかもしれない。
【0222】
図22aは、大動脈弓の中で流れる塞栓がその側部脈管に入るのを防ぐ方法(1000)を例証し、前記大動脈弓に(1001)塞栓の保護を進める工程と、そしてそれが側枝脈管の各々の心門を覆うように防御装置を操作する工程(1002)を含み、その周囲で前記デバイスを密閉して改善するために前記防御装置に(1003)力を加える工程を含み、前記塞栓防御装置の遠位の保持する点とカテーテル上の遠位の接続点(501)の間で接続された遠位のガイド要素(350)によって前記デバイスにおける接続点に対してオフセットした力を加える工程を含み、、前記防御デバイスは、側枝脈管の各々への大動脈弓からの血流を許すが、塞栓が大動脈弓の管腔を妨害せずに、第1及び第2の側枝脈管が入るのを防ぐ。
【0223】
図22bは心臓上で血管内の処置を実行するための方法(1100)を例証し、該方法は、次の脈管のうちの1つを通って大動脈弓に(1101)塞栓防御デバイスを送達する工程:右ストランド骨下動脈から腕頭動脈、左頚動脈、左ストランド骨下動脈又は大腿部の流入路の中などの下行大動脈;あるいは上行大動脈の壁を通って;頚動脈に入る塞栓の砕片を妨げて大動脈弓へ、塞栓防御デバイスの位置を決めるために、その周囲で前記デバイスを密閉して改善するために前記防御装置に(1101)安定化力を加える工程、前記力によって大動脈弓の内部の血管壁に対する塞栓防御デバイスの並置と流体密封性の程度を制御する前記デバイスの送達軸ではなく、少なくとも1つの組織並置保持ユニットによって前記デバイスの接続点に対してオフセットした力を適用する工程を含み、および、下行大動脈、少なくとも1つの遠位のガイド要素(350)を伸ばすことにより安定化力を心臓に適用する(1103)血管内の処置に関連する少なくとも1つの工程を達成する心臓への大動脈弓の左鎖骨下動脈あるいは大動脈血管壁を通って第1のカテーテルを送達する工程(1102)であって、前記塞栓防御装置の遠位の保持する点とカテーテル上の遠位の接続点(501)の間で接続されてなる工程を含み、前記送達する工程が上行大動脈弓中のバルーンを拡大して第1のカテーテルにマウントされたバルーンを置くことを含む。
【0224】
前記バルーンは、前記カテーテルと前記ドーナツ形状の内輪の間のフィルターを有するドーナッツ形状であり得る。
【0225】
塞栓防御デバイスは、第2のカテーテルの遠位端あるいは第1のカテーテルの個別のチャネルから伸びるかもしれない、その結果、塞栓防御デバイスの位置が第1のカテーテルの位置から独立して調節されうる。
【0226】
第1のカテーテルを送達する工程は、前記血管内の処置と無関係の第1のカテーテルの個別のチャネルを介して前記塞栓防御デバイスを送達することで同時に実行され得る。
【0227】
心臓の血管内の処置は、心臓弁の除去、人工弁の配置あるいは心臓弁の修復と関係する少なくとも1つの工程を含んでいるかもしれない。
【0228】
塞栓防御デバイスは大動脈弓から取り除かれた後、血管内処置がなされる。
【0229】
本発明は、特定の実施形態に関して上述された。しかしながら、上述した以外の実施形態は、本発明の範囲内で等しく可能である。上述されたものとはハードウェアまたはソフトウェアによって方法を行なう、異なる方法工程は、本発明の範囲内で提供されるかもしれない。本発明の異なる特徴および工程は記述されたもの以外の組合せで組み合わせられ得る。本発明の範囲は添付された特許請求の範囲によってのみ限定されている。
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