(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】診断システム、診断方法、及びコンピュータプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/06 20120101AFI20221212BHJP
G16H 50/00 20180101ALI20221212BHJP
【FI】
G06Q10/06
G16H50/00
(21)【出願番号】P 2022032992
(22)【出願日】2022-02-14
【審査請求日】2022-02-14
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和3年12月13日、https://checkup.parcys.comにて公開 (刊行物等) 令和3年12月13日、https://y-guazu.com/press/7514にて公開 (刊行物等) 令和3年12月13日、https://www.akiradrive.comにて公開 (刊行物等) 令和3年12月13日、https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000081688.htmlにて公開
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】522083536
【氏名又は名称】株式会社イグアス
(74)【代理人】
【識別番号】110002790
【氏名又は名称】One ip弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】中村 あきら
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-224256(JP,A)
【文献】特開2004-220217(JP,A)
【文献】特開2017-189381(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 10/00 - 80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
受診者が操作する受診者端末に、少なくともコミュニケーション能力に関する能力設問を提示する設問提示部と、
前記能力設問に対する回答を、前記受診者端末を介して取得する回答受付部と、
前記能力設問に対する回答と、あらかじめ複数の項目に対する配点とが対応付けられて記憶されている記憶部と、
取得した前記能力設問に対する回答に基づき、前記配点に応じて前記項目ごとに能力値を算出する診断部と、
前記受診者とは異なる複数の第2受診者における所定のプログラムの受講前後における各前記能力値の変化率に基づいて、当該受診者の前記プログラムの受講後の推定能力値を前記項目ごとに算出するシミュレーション部と、
前記能力値および前記推定能力値を、前記受診者端末に表示する結果出力部と、
を備える、
診断システム。
【請求項2】
前記シミュレーション部は、前記プログラムを所定の第1期間継続した時点での第1変化率に基づいて当該受診者の前記第1期間後の前記推定能力値を算出し、前記プログラムを前記第1期間より長い第2期間継続した時点での第2変化率に基づいて当該受診者の前記第2期間後の前記推定能力値を算出する、
請求項1記載の診断システム。
【請求項3】
前記プログラムは複数用意されていて、
前記シミュレーション部は、受講する前記プログラムによって異なる変化率を参照し、第1の前記プログラムを受講する場合の第3変化率に基づいて前記第1の前記プログラム受講後の前記推定能力値を算出し、第2の前記プログラムを受講する場合の第4変化率に基づいて前記第2の前記プログラム受講後の前記推定能力値を算出する、
請求項1又は2記載の診断システム。
【請求項4】
前記設問提示部は、前記受診者の属性に関するプロフィール設問を前記受診者の端末に前記提示し、
前記第2受診者は、前記プロフィール設問の回答が当該受診者と同一又は所定範囲内の受診者であり、
前記診断部は、前記第2受診者における前記変化率に基づいて、当該受診者の前記能力値を推定する、
請求項1乃至3のいずれかに記載の診断システム。
【請求項5】
前記結果出力部は、前記第2受診者の前記プログラム後の前記能力値に基づいて算出される比較能力値を、当該受診者の前記能力値とともに前記受診者端末に表示する、
請求項4記載の診断システム。
【請求項6】
前記診断部は、前記回答に基づいて前記受診者の性格タイプを決定し、
前記シミュレーション部は、前記受診者と同一の前記性格タイプと診断されている前記第2受診者の前記変化率に基づいて、当該受診者の前記能力値を推定する、
請求項1乃至5のいずれかに記載の診断システム。
【請求項7】
第3受診者に前記プログラムを実施するトレーナーが操作するトレーナー端末とネットワークを介して接続され、
前記記憶部は、前記トレーナー端末を介して取得される、前記トレーナーの前記第3受診者に対するアドバイスを、当該第3受診者の前記性格タイプと対応付けて記憶し、
前記結果出力部は、前記受診者と同一の前記性格タイプに対応付けられて記憶されている前記アドバイスの少なくとも一部を、前記受診者端末に出力する、
請求項6記載の診断システム。
【請求項8】
前記記憶部は、前記アドバイスを前記第3受診者の悩み
タイプと対応付けて記憶し、
前記回答受付部は、前記受診者端末を介して前記受診者の悩み
タイプを受け付け、
前記結果出力部は、前記受診者と同一の前記性格タイプに対応付けられ、かつ受け付けられた前記悩み
タイプと対応付けて記憶されている前記アドバイスの少なくとも一部を、前記受診者端末に出力する、
請求項7記載の診断システム。
【請求項9】
コミュニケーション能力に関する能力設問に対する回答と、あらかじめ複数の項目に対する配点とが対応付けられて記憶されている診断システムによる診断方法であって、
受診者が操作する受診者端末に、少なくとも前記能力設問を提示する設問提示ステップと、
前記能力設問に対する回答を、前記受診者端末を介して取得する回答受付ステップと、
取得した前記能力設問に対する回答に基づき、前記配点に応じて前記項目ごとに能力値を算出する診断ステップと、
前記受診者とは異なる複数の第2受診者における所定のプログラムの受講前後における各前記能力値の変化率に基づいて、当該受診者の前記プログラムの受講後の推定能力値を前記項目ごとに算出するシミュレーションステップと、
前記能力値および前記推定能力値を、前記受診者端末に表示する結果出力ステップと、
をコンピュータが実行する、診断方法。
【請求項10】
コミュニケーション能力に関する能力設問に対する回答と、あらかじめ複数の項目に対する配点とが対応付けられて記憶されている診断システムを制御するコンピュータプログラムであって、
受診者が操作する受診者端末に、少なくとも前記能力設問を提示する設問提示命令と、
前記能力設問に対する回答を、前記受診者端末を介して取得する回答受付命令と、
取得した前記能力設問に対する回答に基づき、前記配点に応じて前記項目ごとに能力値を算出する診断命令と、
前記受診者とは異なる複数の第2受診者における所定のプログラムの受講前後における各前記能力値の変化率に基づいて、当該受診者の前記プログラムの受講後の推定能力値を前記項目ごとに算出するシミュレーション命令と、
前記能力値および前記推定能力値を、前記受診者端末に表示する結果出力命令と、
をコンピュータに実行させる、コンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、診断システム、診断方法、及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるコミュニケーション能力を向上させるためのプログラムが知られている。コミュニケーション能力は自己の潜在意識や感情により形成されている内面的な能力であるため、受診者自身が能力を把握するのは困難な場合が多い。また、受診者がプログラム後の自身の状態を想像することは一層難しい。その結果、プログラム前の受診者がプログラムの有効性等をイメージしにくい場合があった。そこで、受診者が自身の状態を的確に把握するとともに、プログラム後の見通しを持つことが可能になる技術が必要とされている。
【0003】
特許文献1には、対象者に問題を出題し、回答について行動特性の観点から点数を付与したり、分析結果に基づいて能力を複数のアビリティゾーンに区分けし、各アビリティゾーンの能力指標に基づいて分析したりした上で、アドバイスを出力する診断システムが記載されている。しかしながら、このシステムは現状の分析を行うに留まっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、受診者が自身の状態を的確に把握するとともに、プログラム後の見通しを持つことが可能になることを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る診断システムは、受診者が操作する受診者端末に、少なくともコミュニケーション能力に関する能力設問を提示する設問提示部と、前記能力設問に対する回答を、前記受診者端末を介して取得する回答受付部と、前記能力設問に対する回答と、あらかじめ複数の項目に対する配点とが対応付けられて記憶されている記憶部と、前記配点に応じて前記項目ごとに能力値を算出する診断部と、前記受診者とは異なる複数の第2受診者における所定のプログラム前後における各前記能力値の変化率に基づいて、当該受診者の前記プログラム後の推定能力値を前記項目ごとに算出するシミュレーション部と、前記能力値および前記推定能力値を、前記受診者端末に表示する結果出力部と、を備える。
【0007】
前記シミュレーション部は、前記プログラムを所定の第1期間継続した時点での第1変化率に基づいて当該受診者の前記第1期間後の前記能力値を推定し、前記プログラムを前記第1期間より長い第2期間継続した時点での第2変化率に基づいて当該受診者の前記第2期間後の前記能力値を推定するものとしてもよい。
【0008】
前記プログラムは複数用意されていて、前記シミュレーション部は、受講する前記プログラムによって異なる変化率を参照し、第1の前記プログラムを受講する場合の第3変化率に基づいて前記第1の前記プログラム受講後の前記推定能力値を算出し、第2の前記プログラムを受講する場合の第4変化率に基づいて前記第2の前記プログラム受講後の前記推定能力値を算出するものとしてもよい。
【0009】
前記設問提示部は、前記受診者の属性に関するプロフィール設問を前記受診者の端末に前記提示し、前記第2受診者は、前記プロフィール設問の回答が当該受診者と同一又は所定範囲内の受診者であり、前記診断部は、前記第2受診者における前記変化率に基づいて、当該受診者の前記能力値を推定するものとしてもよい。
【0010】
前記結果出力部は、前記第2受診者の前記プログラム後の前記能力値に基づいて算出される比較能力値を、当該受診者の前記能力値とともに前記受診者端末に表示するものとしてもよい。
【0011】
前記診断部は、前記回答に基づいて前記受診者の性格タイプを決定し、前記シミュレーション部は、前記受診者と同一の前記性格タイプと診断されている前記第2受診者の前記変化率に基づいて、当該受診者の前記能力値を推定するものとしてもよい。
【0012】
第3受診者に前記プログラムを行うトレーナーが操作するトレーナー端末とネットワークを介して接続され、前記記憶部は、前記トレーナー端末を介して取得される、前記トレーナーの前記第3受診者に対するアドバイスを、当該第3受診者の前記性格タイプと対応付けて記憶し、前記結果出力部は、前記受診者と同一の前記性格タイプに対応付けられて記憶されている前記アドバイスの少なくとも一部を、前記受診者端末に出力するものとしてもよい。
【0013】
前記記憶部は、前記アドバイスを前記第3受診者の悩み情報と対応付けて記憶し、前記回答受付部は、前記受診者端末を介して前記受診者の悩み情報を受け付け、前記結果出力部は、前記受診者と同一の前記性格タイプに対応付けられ、かつ受け付けられた前記悩み情報と対応付けて記憶されている前記アドバイスの少なくとも一部を、前記受診者端末に出力するものとしてもよい。
【0014】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係る診断方法は、コミュニケーション能力に関する能力設問に対する回答と、あらかじめ複数の項目に対する配点とが対応付けられて記憶されている診断システムによる診断方法であって、受診者が操作する受診者端末に、少なくとも前記能力設問を提示する設問提示ステップと、前記能力設問に対する回答を、前記受診者端末を介して取得する回答受付ステップと、前記配点に応じて前記項目ごとに能力値を算出する診断ステップと、前記受診者とは異なる複数の第2受診者における所定のプログラム前後における各前記能力値の変化率に基づいて、当該受診者の前記プログラム後の推定能力値を前記項目ごとに算出するシミュレーションステップと、前記能力値および前記推定能力値を、前記受診者端末に表示する結果出力ステップと、をコンピュータが実行する。
【0015】
上記目的を達成するため、本発明の一の観点に係るコンピュータプログラムは、コミュニケーション能力に関する能力設問に対する回答と、あらかじめ複数の項目に対する配点とが対応付けられて記憶されている診断システムを制御するコンピュータプログラムであって、受診者が操作する受診者端末に、少なくとも前記能力設問を提示する設問提示命令と、前記能力設問に対する回答を、前記受診者端末を介して取得する回答受付命令と、前記配点に応じて前記項目ごとに能力値を算出する診断命令と、前記受診者とは異なる複数の第2受診者における所定のプログラム前後における各前記能力値の変化率に基づいて、当該受診者の前記プログラム後の推定能力値を前記項目ごとに算出するシミュレーション命令と、前記能力値および前記推定能力値を、前記受診者端末に表示する結果出力命令と、をコンピュータに実行させる。
【0016】
なお、コンピュータプログラムは、各種のデータ読取可能な記録媒体に格納して提供したり、インターネット等のネットワークを介してダウンロード可能に提供したりすることができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、受診者が自身の状態を的確に把握するとともに、プログラム後の見通しを持つことが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明の実施形態に係る診断システムの構成及び機能を示した機能ブロック図である。
【
図2】上記診断システムに記憶されるテーブルの1例を示す図であって、(a)パートナーシップ力テーブル、(b)比較能力値テーブル、(c)変化率テーブル、の例である。
【
図3】上記診断システムに記憶されるテーブルの1例を示す図であって、(a)悩みテーブル、(b)プログラム履歴テーブル、の例である。
【
図4】上記診断システムにおいて実行される処理フローの1例を示す図である。
【
図5】上記診断システムに接続される受診者端末に表示される設問画面の(a)第1例、(b)第2例である。
【
図6】上記受診者端末に表示される結果画面の第1例である。
【
図7】上記受診者端末に表示される結果画面の(a)第2例、(b)第3例である。
【
図8】上記受診者端末に表示される画面の1例であって、(a)結果画面の第4例、(b)シミュレーション結果画面の例である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
●概要
以下、本発明の実施形態に係る診断システムについて、図を参照して説明する。
本実施形態に係る診断システムは、受診者にコミュニケーション能力に関する設問を提示し、回答結果に応じて受診者の能力を推定し、結果を出力するものである。
【0020】
また、診断システムは、受診者がコミュニケーション能力を高めるプログラムを受講した場合の、能力値の変化を推定し、受診者に提示する。プログラムは、受診者の意識改革や考え方の改善を目的に行われる種々の行為を含む概念であり、その形式は限定されない。プログラムは、例えば臨床心理士又は心理カウンセラー等のトレーナーと対話を行う形式で行われる、所謂カウンセリングであってもよいし、1人の講師が複数の受診者に授業を行う講義形式であってもよいし、リアルタイムに送受信を行うオンライン授業の他、録画済みの配信動画を閲覧して学習する形式であってもよい。また、プログラムは、ロールプレイング等を通した実践的トレーニングであってもよい。さらに、プログラムは、複数の受診者同士が対話を行うコミュニティで行われるオンライン又は実世界におけるリアルタイムな対話でもよいし、SNS形式で意見交換を行う行為であってもよい。また、これらが混在していてもよい。
【0021】
さらに、診断システムは、プログラム受講履歴と連携し、プログラム受講後の受講者の能力値や、プログラムにおいてトレーナーから受診者に与えられたアドバイスを収集し、別の受診者の診断やアドバイスに活用することができるものである。
【0022】
診断システムは、例えばパーソナルコンピュータにおいて所定のコンピュータプログラムを実行することで実現される他、機能の一部又は全部がクラウドコンピュータにより実現されていてもよい。また、診断システムは、複数のハードウェア構成により成っていてもよく、機能の一部又は全部が、受診者端末に備えられていてもよい。
【0023】
図1に示されるように、診断システム1は、例えば受診者端末2(21、22)およびトレーナー端末3とネットワークNWを通じて互いに接続されている。
受診者端末2は、受診者が使用する端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートホンである。受診者端末2は、診断システム1から提示される設問を表示する表示部と、受診者が設問に対する回答を入力する入力部とを少なくとも備える。ここでは受診者端末2は、2個表されているが、個数は任意である。
【0024】
トレーナー端末3は、受診者にプログラムを実施するトレーナーが使用する端末であり、例えばパーソナルコンピュータ、タブレット端末又はスマートホンである。トレーナー端末3は、少なくとも受診者へのアドバイスを入力する入力部を備える。受診者端末2とトレーナー端末3とでリアルタイムで音声又は動画を送受信することにより、オンラインミーティングを行える構成であってもよい。トレーナー端末3の個数は2個以上であってもよく、任意である。
【0025】
診断システム1は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などの演算装置、CPUによって実行されるコンピュータプログラム、RAM(Random Access Memory)やROM(Read Only Memory)等の内部メモリ等を備えたサーバ等によって実現される。診断システム1はこれにより、主として、設問提示部11、回答受付部12、診断部13、シミュレーション部14、結果出力部15、プログラム情報抽出部16、通信処理部17、および記憶部1Aからなる機能ブロックを構成する。
【0026】
図2および
図3に示すように、記憶部1Aは、主としてパートナーシップ力テーブルT101、比較能力値テーブルT102、変化率テーブルT103、悩みテーブルT104およびプログラム履歴テーブルT105を格納する。
【0027】
図2(a)に示すパートナーシップ力テーブルT101は、コミュニケーション能力に関する設問(以下、「能力設問」ともいう。)に対する回答と、あらかじめ複数の項目に対する配点とが対応付けられて記憶されている。より具体的には、パートナーシップ力テーブルT101では、能力設問に対する回答と、各性格タイプに対する配点が対応付けられている。本実施形態においては、性格タイプは6通りである。パートナーシップ力テーブルT101では、1個の回答に対し複数の性格タイプに加点されてもよいし、1の性格タイプに1点又は複数点が加点されるようになっていてもよい。この構成によれば、1個の回答に対して1個の性格タイプに1点のみが加点される構成に比べて、各回答を様々な性格タイプに段階的に反映することができる。
【0028】
また、パートナーシップ力テーブルT101は、能力設問に対する回答と、コミュニケーションに関する複数の能力値に対する配点とが対応付けられている。本実施形態においては、能力値は、自己肯定感、傾聴力、幸福度、対話力、信頼関係構築力の5種類であり、これらを総称してパートナーシップ力とも称される。パートナーシップ力テーブルT101においては、1個の回答に対し複数の能力値に加点されてもよいし、1の能力値に1点又は複数点が加点されるようになっていてもよい。
【0029】
図2(b)に示す比較能力値テーブルT102は、受診者の属性と、診断結果の画面において比較対象として表示される能力値(「比較能力値」ともいう。)とを対応付けるテーブルである。受診者の属性は、例えば性別、年齢、年収、居住地又は結婚歴であり、性格とは別に受診者の環境を表す情報である。比較能力値は、結婚生活又はパートナーシップがうまくいっている人の能力値である。比較能力値として、例えば各属性の受診者がプログラムを継続して受講した後の能力値の平均値が格納されている。また、比較能力値は、プログラム受講後の各属性の受診者のうち、上位の所定パーセントに含まれる受診者の能力値の平均を採用してもよい。比較能力値テーブルT102は、プログラム受講後の受診者のデータを取得すると更新されるようになっていてもよい。
【0030】
図2(c)に示す変化率テーブルT103は、受診者がプログラムを受けた場合の各能力値の変化率を格納するテーブルである。変化率テーブルT103には、プログラム期間に応じて複数の変化率が格納されている。本実施形態においては、変化率テーブルT103には、プログラムを3か月継続した場合の第1変化率と、プログラムを6か月継続した場合の第2変化率とが格納されている。
なお、3か月は特許請求の範囲における第1期間の例、6か月は特許請求の範囲における第2期間の例である。
【0031】
また、変化率テーブルT103は、受診者がプログラムを受けた場合の各能力値の変化率を、性格タイプごとに格納している。プログラムの受講による習熟度合いや習熟ペースは受診者の性格によるところがある。また、本願発明が意図するプログラムは心理的な能力向上の側面があるため、性格の影響は一層顕著である。その点、性格タイプにより変化率を異ならせる構成によれば、受診者のプログラム受講後の能力値をより精度よく推定することができる。
【0032】
さらに、プログラムが複数用意されている場合に、変化率テーブルT103は、受講するプログラムによって異なる変化率を格納してもよい。変化率テーブルT103は、プログラムの種別ごとに異なる変化率を格納してよく、すなわち例えばカウンセリングを受ける場合の変化率と、動画学習を受ける場合の変化率とをそれぞれ格納してよい。さらに、変化率テーブルT103は,プログラムの内容ごとに異なる変化率を格納してもよい。例えば、プログラムの講座ごとに異なる変化率を格納してもよく、学習動画の識別情報やトレーナーの識別情報と変化率とを対応付けて格納してもよい。また、複数のプログラムを組み合わせて利用した場合の変化率を、それぞれ格納してもよい。
【0033】
なお、本実施形態においては性格タイプにより変化率を異ならせる構成としたが、能力値と変化率とを対応付けたテーブルを参照し、能力値により変化率を異ならせてもよい。また、この場合、複数の能力値のうち特定の能力値、例えば傾聴力又は対話力といった、トレーナーのアドバイスを聞き入れる能力に関わる能力値により変化率を異ならせる構成であってもよい。さらに能力値に応じて変化率の補正値を格納しておき、性格タイプにより決定した変化率を、補正値により補正する構成としてもよい。
【0034】
変化率テーブルT103は、編集可能に構成されている。変化率テーブルT103は、例えば診断システム1の管理者による変化率の修正により変更されてもよい。また、変化率テーブルT103は、診断部13が取得する受診者のプログラム受講前後の能力値に基づいて、自動で変更されてもよい。この場合、変化率テーブルT103を更新する処理部は、受診者のプログラム受講履歴を参照し、当該受診者の能力値の変化を、受講されたプログラムに対応付けられる変化率に反映する。
【0035】
図3(a)に示す悩みテーブルT104は、受診者の悩みタイプ、受診者がコミュニケーションに悩んでいる相手のタイプ、および受診者への表示文H1~H4を互いに対応付けるテーブルである。
【0036】
図3(b)に示すプログラム履歴テーブルT105は、受診者に対して行われたプログラムの履歴を格納するテーブルである。プログラム履歴テーブルT105は、トレーナー端末3を介して取得される、受診者に対するアドバイスを、当該受診者の性格タイプと対応付けて記憶する。アドバイスは、プログラム中又はプログラム後に、トレーナーにより入力される文字情報であってもよいし、トレーナーが話している音声又は動画であってもよい。また、アドバイスは、当該音声又は動画を音声認識により文字起こししたデータであってもよい。
【0037】
また、プログラム履歴テーブルT105は、アドバイスを受診者の悩みタイプと対応付けて記憶してもよい。さらに、プログラム履歴テーブルT105は、受講したプログラムの種別又は識別情報が合わせて記憶されていてもよい。
【0038】
設問提示部11は、受診者端末2の表示部を介して受診者に設問を提示し、設問への回答入力を受け付ける機能部である。設問提示部11は、受診者が操作する受診者端末2に、少なくともコミュニケーション能力に関する設問(以下、「能力設問」ともいう。)を提示する。能力設問は、例えばコミュニケーションに関わる性格や、人間関係におけるトラブル時の対処方法等に関する設問が含まれる。各設問には、回答形式が合わせて記憶されていてよい。回答形式が選択形式の場合には、選択肢が合わせて記憶されている。また、回答の入力規則が記憶されていてもよい。
【0039】
また、設問提示部11は、受診者の属性に関するプロフィール設問を受診者の端末に提示する。プロフィール設問は、例えば受診者の属性、すなわち年齢、年収、居住地域等を問う設問である。
【0040】
回答受付部12は、能力設問およびプロフィール設問に対する回答を、受診者端末2を介して取得する機能部である。
回答受付部12は、受診者端末2を介して受診者の悩み情報を受け付けてもよい。悩み情報は、診断システム1より提示される悩みタイプの選択肢から受診者に選択してもらう形式の他、自由入力を受け付ける形式であってもよい。この場合、回答受付部12は、自由入力により入力された悩み情報を解析し、内容の近い悩みタイプを抽出してもよい。また、回答受付部12は、自由入力により入力された悩み情報から、悩みを示す特徴的な用語を抽出し、次回以降に表示する選択肢に追加してもよい。
【0041】
診断部13は、パートナーシップ力テーブルT101を参照して、受診者のパートナーシップ力を診断する機能部である。診断部13は配点に応じて項目ごとに能力値を算出する。診断部13は、パートナーシップ力テーブルT101を参照し、能力設問に対する回答に基づいて受診者の性格タイプを決定する。
【0042】
すなわち、診断部13は、プロフィール設問の回答、すなわち属性が当該受診者と同一又は所定範囲内の受診者における変化率に基づいて、当該受診者の能力値を推定する。
【0043】
シミュレーション部14は、受診者とは異なる複数の受診者における所定のプログラムの受講前後における各能力値の変化率に基づいて、当該受診者のプログラムの受講後の推定能力値を項目ごとに算出する。シミュレーション部14は、受診者の性格タイプおよび能力値のいずれか、又は両方を参照して変化率を決定してよい。より具体的には例えば、シミュレーション部14は、同じ性格タイプの受診者の変化率に基づいて、当該受診者の推定能力値を算出してもよい。また、シミュレーション部14は、プログラム受講前の各能力値と当該受診者の各能力値との差が所定未満である受診者の変化率に基づいて、当該受診者の推定能力値を算出してもよい。また、シミュレーション部14は、特定の設問に対する回答を参照して変化率を決定又は修正してもよい。
【0044】
シミュレーション部14は、複数時点における能力値を推定してもよい。具体的には、シミュレーション部14は、プログラムの受講を所定の3か月継続した時点での第1変化率に基づいて当該受診者の3か月後の能力値を推定し、プログラムの受講を6か月継続した時点での第2変化率に基づいて当該受診者の6か月後の能力値を推定する。3か月は第1期間の例、6か月は第2期間の例である。シミュレーション部14は、受診者と同一の性格タイプと診断されている受診者の変化率に基づいて、当該受診者の能力値を推定してもよい。
【0045】
また、シミュレーション部14は、変化率テーブルT103を参照し、受講が想定されるプログラムに応じて異なる推定能力値を算出してもよい。変化率テーブルT103は、プログラムに応じて異なる変化率が格納されているためである。したがって例えば、シミュレーション部14は、プログラムの種別ごとに異なる推定能力値を算出する。
【0046】
さらに、シミュレーション部14は、プログラムを行わなかった場合の予測を行ってもよい。シミュレーション部14は、各能力値又は複数の能力値の合計に基づいて、現状の能力値で人間関係を所定年数続けた場合のリスクを予測してもよい。具体的には、記憶部1Aに各能力値又は複数の能力値の合計と、起こり得るリスクを説明する説明文とを対応付けて記憶しておき、シミュレーション部14は、これを参照して該当するリスクを決定する。この構成によれば、プログラムを受講しなかった場合の状況を受診者に具体的に提示し、リスクを把握させることができる。ひいては、受診者にプログラムを受講させる契機とすることができる。
【0047】
さらにまた、シミュレーション部14は、受診者が将来において相性の良いタイプの人と出会える確率を算出してもよい。シミュレーション部14は、受診者の能力値と比較能力値との乖離状況を参照し、確率を計算する。受診者の能力値が比較能力値と同等以上である場合には大きい点数を付与する一方、受診者の能力値が比較能力値に対して小さいほど小さい点数を付与する。また、各能力値に付与される点数の合計が大きいほど出会える確率は大きくなる。能力値が小さいほどコミュニケーション能力が低く、相性の良い人の人数が少なくなるためである。確率は、例えば「100人に1人」といった、出会う母数に対する人数で算出される。この構成によれば、能力値を向上させることに対する受診者のモチベーションを一層高めることができる。
【0048】
結果出力部15は、診断部13により診断された受診者の能力値を受診者端末2に表示する機能部である。また、結果出力部15は、シミュレーション部14により推定される、プログラムを所定期間継続した場合の推定能力値を、受診者端末2に表示する。結果画面は、例えば受診者端末2に出力される他、トレーナー端末3に出力されてもよい。
【0049】
結果出力部15は、シミュレーション部14により推定される、受講が想定されるプログラムと、当該プログラムを受講した場合の推定能力値とを対応付けて受診者端末2に表示する。この構成によれば、能力値の向上が見込めるプログラムがより具体的になる。また、結果出力部15は、推定能力値が最も高くなるプログラムを推奨するプログラムとして受診者端末2に表示してもよい。この構成によれば、受講すべきプログラムが受診者にとって明確になり、受講する契機を与えることができる。
【0050】
結果出力部15は、同じ属性の受診者におけるプログラム後の能力値に基づいて算出される比較能力値を、当該受診者の能力値とともに受診者端末2に表示する。能力値と比較能力値は、例えば縦又は横の棒グラフで併記される他、レーダーチャートにより表示されてもよい。この構成によれば、受診者は不足している能力値を明確に把握することができる。また、同じ属性の受診者と比較可能に表示される構成によれば、比較対象を一層身近に感じ、受診者の向上心を高めることができる。
【0051】
結果出力部15は、プログラム履歴テーブルT105を参照し、受診者と同一の性格タイプに対応付けられ、かつ受け付けられた悩みタイプと対応付けて記憶されているアドバイスの少なくとも一部を、受診者端末2に出力してもよい。また、これに代えて又は加えて、結果出力部15は、受診者端末2を介して受け付けた相手タイプと対応付けて記憶されているアドバイスの少なくとも一部を受診者端末2に出力してもよい。なお、出力の態様は文章の他、音声や動画であってもよい。
【0052】
なお、結果画面に表示される情報は記憶部1Aに記憶されており、結果出力部15は回答の入力後に適宜のタイミングで記憶部1Aの情報を参照し、結果画面を生成することができる。結果画面の例については、後述する。
【0053】
プログラム情報抽出部16は、プログラムの記録からプログラム情報を抽出し、プログラム履歴テーブルT105に格納する機能部である。プログラム情報抽出部16は、受診者の識別情報と、当該受診者のプログラムの実施日時、プログラムで相談が行われた悩みタイプおよび相手のタイプを抽出する。なお、これらの情報は、トレーナー端末3から選択入力又は自由記述により入力されてもよい。また、プログラム情報抽出部16は、プログラムにおいてトレーナーからアドバイスされた内容を抽出する。さらに、プログラム情報抽出部16は、トレーナーが入力した報告書の内容を抽出し、プログラム履歴テーブルT105に格納してもよい。
【0054】
プログラム情報抽出部16は、1回のプログラム記録に複数の悩みタイプを対応付け、悩みタイプごとにアドバイス内容を抽出して格納してもよい。このようにして格納されたアドバイス内容は結果出力部15により参照され、別の受診者に対してアドバイスとして表示される。アドバイス内容の抽出は、文ごとに、使用されている単語を解析することで行う他、適宜のAI技術により行うことができる。本構成によれば、診断システム1はプログラム履歴を蓄積するにつれてトレーナーのアドバイスを学習し、悩みに対してより精度の高い、またバリエーションの豊富なアドバイスを表示できるようになる。
【0055】
通信処理部17は、受診者端末2およびトレーナー端末3と、インターネット等のネットワークNWを介して各種のデータの送受信を実行する。
具体的に、受診者端末2との間では、受診者のプロフィール設問および能力設問に対する回答や、悩み情報を受信する。また、トレーナー端末3との間では、受診者の回答内容や能力値を送信したり、プログラムの履歴を受信する。
なお、受診者端末2およびトレーナー端末3を介した受診者およびトレーナーのデータや通知のやり取りは、所定のウェブサイト上に設けた受診者およびトレーナーそれぞれのマイページ等を介して行ったり、受診者およびトレーナーの電子メールを介して行ったりするなど、各種の態様によることができる。
【0056】
●処理の流れ
図4は、診断システム1が実行する処理の流れの1例を示すフローチャートである。
まず、設問提示部11により受診者端末2に、設問を表示する(S101)。次いで、受診者端末2に入力される回答を受け付ける(S102)。次いで、診断部13により、回答に基づいて受診者の性格タイプを決定する(S103)。また、診断部13により、回答に基づいて受診者の能力値を算出する(S104)。なお、ステップS103とステップS104は順不同である。
【0057】
次いで、シミュレーション部14により、受診者の回答に基づいて、受診者がプログラムを受けた場合の能力値の変化率を決定する(S105)。次いで、シミュレーション部14により、変化率に応じてプログラム後の能力値を推定する(S106)。シミュレーション部14は、期間に応じた推定能力値を複数算出してもよい。次いで、結果出力部15により、推定能力値をシミュレーション結果として受診者端末2の表示部上に表示する(S107)。
【0058】
●画面例
図5は、受診者端末2に表示される設問画面G100の1例である。
図5(a)に示す画面G100では、設問が表示される設問欄G101と、設問に対する回答が表示される回答欄G102とが交互に表示されている。設問欄G101は、設問を受診者に問いかけるオペレータアイコンG101aと、設問内容を表示する設問文欄G101bとを含み、各設問文欄G101bの左方にオペレータアイコンG101aが表示されている。また、設問文欄G101bと回答欄G102とでは、少なくとも背景色又は文字色が互いに異なっている。
【0059】
設問画面G100では、設問に対する回答の入力を受け付けると、次に設定されている設問が、当該回答の下方に表示される。設問と回答を繰り返すにつれ、設問画面G100は自動的に上方へスクロールするようになっている。また、1個前の設問に対する回答を再選択する旨の指令を受け付ける再選択領域G103が選択されると、入力を受け付けた際に表示されている設問の下方に、当該1個前の設問が再度表示される。
【0060】
上述の一連の構成によれば、設問への回答に際し、受診者にオペレータとチャットで対話しているような印象を与えることができる。また、回答すべき設問が1問ずつ表示されるため、複数の設問が1画面にまとめて表示される態様に比べて、圧迫感なく回答を促すことができる。
【0061】
回答を入力する入力欄G104は、設問画面G100の下部に表示される。なお、回答の入力規則は設問によってあらかじめ対応付けられて記憶され、入力規則に沿った回答欄が表示される。例えば、年収については数値入力のみを受け付ける入力欄が表示される一方、住まいについては都道府県の単一の選択入力を受け付ける入力欄が表示される。
【0062】
図5(b)は、設問画面G100における設問に回答した後に表示される設問画面G110の例である。この設問画面G110には、能力設問が提示されている。当該画面では、オペレータアイコンG101aの右方に、下方に表示される設問はパートナーシップに関するものである旨のメッセージG111が表示されている。当該構成によれば、プロフィール設問と能力設問との区別が受診者にとっても明確である。メッセージG111の下方にはパートナーシップに関する設問欄G112が表示されている。また、選択された回答の内容を示す回答欄G113が設問欄G112の下方に表示されている。
【0063】
図6に示すように、設問への回答がすべて終わると、タイプ診断結果画面G120が表示される。当該画面G120には、回答に基づいて診断されたタイプの名称欄G121と、タイプの説明を表示する説明欄G122とが表示されている。
【0064】
図7、8は、タイプ診断結果画面G120を下方にスクロールすることで表示される結果画面G130、G140、G150、G160の例である。タイプ診断結果画面G120、結果画面G130、G140、G150およびG160は、画面遷移を介さず一連のウェブページとして表示される。
【0065】
図7(a)に示す結果画面G130には、受診者と同一又は所定範囲内の属性を有する他の受診者であって、結婚・パートナーシップがうまくいっている人の能力値、すなわち比較能力値を併記して表示する旨の案内文G131と、能力値ごとの比較結果欄G132とが表示されている。比較結果欄G132は例えば、比較能力値との乖離状況を示す評価欄G132a、当該受診者の能力値を表示する能力値欄G132b、比較能力値欄G132c、能力値と比較能力値との差分値を含むメッセージ欄G132dとを含んでいる。
【0066】
図7(b)に示す結果画面G140には、受診者の能力値と比較能力値とを同一軸で描画するレーダーチャートが表示されている。
【0067】
図8(a)に示す結果画面G150は、受診者へのメッセージが表示される画面である。このメッセージは、受診者の性格タイプ又は各能力値に応じて選択的に表示される。なお、メッセージは、受診者の性格タイプ又は各能力値に応じて複数の文章が選択された上で、これらの文章が列挙される構成であってもよい。また、メッセージの左方にはトレーナーの氏名および顔写真が表示されている。
【0068】
図8(b)に示す結果画面G160は、シミュレーション部14により推定される推定能力値が表示される画面である。結果画面G160には、現在の状態を示すレーダーチャート欄G161、3か月間プログラムを継続した場合の推定能力値と、現在の状態とを重畳的に描画したレーダーチャート欄G162、6か月間プログラムを継続した場合の推定能力値と、現在の状態とを重畳的に描画したレーダーチャート欄G163、等が表示されている。また、レーダーチャート欄G161~G163には、各能力値の平均値が重畳的に描画されている。この構成によれば、プログラムを継続することで能力値が向上する見通しが視覚的に明らかである。
【0069】
以上の本発明の実施形態に係る診断システムによれば、受診者が自身の状態を的確に把握するとともに、プログラム後の見通しを持つことができる。
【0070】
なお、以上の本実施形態に係る診断システムにおいて、各端末又は装置の機能構成は一例であり、本例で示した機能部が、本例とは異なる端末又は装置に備えさせることもできる。
【符号の説明】
【0071】
1 診断システム
11 設問提示部
12 回答受付部
13 診断部
14 シミュレーション部
15 結果出力部
16 プログラム情報記憶部
17 通信処理部
1A 記憶部
T101 パートナーシップ力テーブル
T102 変化率テーブル
T103 悩みテーブル
T104 プログラム履歴テーブル
2 受診者端末
3 トレーナー端末
【要約】
【課題】受診者が自身の状態を的確に把握するとともに、プログラム後の見通しを持つことができる。
【解決手段】受診者が操作する受診者端末2に、少なくともコミュニケーション能力に関する能力設問を提示する設問提示部11と、能力設問に対する回答を、受診者端末を介して取得する回答受付部12と、能力設問に対する回答とあらかじめ複数の項目に対する配点とが対応付けられて記憶されている記憶部1Aと、配点に応じて項目ごとに能力値を算出する診断部13と、受診者とは異なる複数の第2受診者における所定のプログラムの受講前後における各能力値の変化率に基づいて、当該受診者のプログラムの受講後の推定能力値を項目ごとに算出するシミュレーション部14と、能力値および推定能力値を、受診者端末に表示する結果出力部15と、を備える、診断システム1。
【選択図】
図1