(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】誘電体材料の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01B 3/00 20060101AFI20221212BHJP
【FI】
H01B3/00 A
(21)【出願番号】P 2022094090
(22)【出願日】2022-06-10
【審査請求日】2022-06-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】311018921
【氏名又は名称】株式会社TBM
(74)【代理人】
【識別番号】100106002
【氏名又は名称】正林 真之
(74)【代理人】
【識別番号】100120891
【氏名又は名称】林 一好
(74)【代理人】
【識別番号】100131705
【氏名又は名称】新山 雄一
(72)【発明者】
【氏名】角 祐一郎
(72)【発明者】
【氏名】水野 英二
(72)【発明者】
【氏名】林 宏幸
【審査官】北嶋 賢二
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-158560(JP,A)
【文献】特開平04-014282(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プロピレン単独重合体と、
重質炭酸カルシウムとを質量比
54.0:45.9~24.0:75.9で含む樹脂組成物を原材料とする誘電体材料の製造方法において、
前記製造方法が、
原材料配合、製造条件、製造設備に関わる条件が異なるシートを選択、集合し、各集合ごとに、各シートの密度及び比誘電率に基づき両変数間のCORREL係数を求める関数計算のプロセスと、
前記関数計算プロセスにおいて、CORREL係数が0.9以上で、できる限り1.0
に近い係数が算出された集合を選び、密度及び比誘電率の相関図を作成して、直線状のライン及びその延長上で、所望の比誘電率に対するシート密度を特定し、該密度周辺の製造条件をもとにシート製造の最適条件を選定する、製造条件選定のプロセスを設定し、
誘電体材料製造工程で、上記プロセスで選定した各条件に基づき製造を行う誘電体材料製造方法であって、
前記無機物質が、該無機物質に対して、炭酸カルシウムを70質量%以上含み、
前記誘電体材料製造工程において得られる誘電体材料が、1.0以上3.7以下の比誘電率(10GHz,25℃)、0.0001以上0.003以下の誘電正接(10GHz,25℃)の両方を満たす、製造方法。
【請求項2】
前記関数計算のプロセスの段階で、原材料配合、製造条件、製造設備に関わる条件において、相互に関連が強い履歴を有するシートを4試料以上選択した集合を関数計算の対象とする、請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
前記誘電体材料の厚さが、下記(式1)を満たす、請求項1に記載の製造方法。
(式1)
(前記誘電体材料の厚さの最大値-前記誘電体材料の厚さの最小値)×100/(前記誘電体材料の厚さの平均値)(単位:%)≦4%
【請求項4】
前記誘電体材料製造工程で延伸に使用する成形直後のシートの密度が1.6g/mL以下である請求項1に記載の製造方法。
【請求項5】
前記誘電体材料製造工程の延伸における延伸条件が、4倍以下の縦延伸である請求項1に記載の製造方法。
【請求項6】
前記誘電体材料製造工程における延伸の条件が、4倍以下の縦延伸及び4倍以下の横延伸の組み合わせである請求項1に記載の製造方法。
【請求項7】
前記誘電体材料製造工程において得られる誘電体材料が、1.0以上3.0以下の比誘電率(10GHz,25℃)、0.0001以上0.001以下の誘電正接(10GHz,25℃)の両方を満たす、請求項1に記載の製造方法。
【請求項8】
前記誘電体材料製造工程において、成形直後の密度が1.6g/mL以下のシートを、延伸処理することなく、誘電体材料とする請求項1に記載の製造方法。
【請求項9】
前記樹脂組成物が、帯電防止剤を実質的に含まない、請求項1に記載の製造方法。
【請求項10】
誘電体材料製造工程において、検査もしくは試験の目的で、生産中の試料を採取し、請求項1に記載のCORREL関数を用いる二つのプロセスを利用し、CORREL係数を確認して工程管理を行う方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、誘電体材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、第5世代移動通信システム(5G)関連の実証試験等が各国で進展している。
5Gでは、高速大容量通信の実現のために、ギガヘルツ帯の高い周波数の電気信号が使われる。そのため、このようなシステムでは、伝送損失を低減させるために、比誘電率及び誘電正接のいずれもが低い誘電体材料を使用することが要求される。
【0003】
誘電体材料の原材料としては、大別してプラスチックとセラミックスが使われている。
しかし、前記のいずれの物質も単独では、特に、比誘電率及び誘電正接のいずれもが低い誘電体材料を得ることが難しく、ポリマー系マトリックスに無機物質の粉体をフィラーとして充填した複合材料が注目されている(例えば、非特許文献1)。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【文献】「高周波用誘電体コンポジット開発におけるセラミックス粉体フィラー」、粉砕、No.58(2015)、22~27頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
無機物質のうち、石灰石は安価であり、入手し易いものの、その主成分である炭酸カルシウムが、樹脂と混練し成形する工程で凝集物をつくり易く、シート構造を一定にすることが難しいため、誘電特性が優れたシートが安定的に得られなかった。
従って、炭酸カルシウムを主成分とする誘電体材料を安定的に得られる製造技術、できれば比誘電率及び誘電正接の2特性のいずれも低下する製造技術が望まれてきた。
【0006】
本発明は以上の実情に鑑みてなされたものであり、比誘電率或いは誘電正接を低下させ易い、更には特に前記の2特性のいずれもが低減されたポリオレフィン樹脂と無機物質を主成分とする複合材料からなる誘電体材料の製造技術の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明者らは、ポリオレフィン樹脂に、主成分として炭酸カルシウムを含む無機材料を高配合した樹脂組成物を原材料にして、製造条件を検討しながら、小型の混練押出成形機を使用して、厚さが均一なシートを製造し、シートの物性と誘電特性との関係を検討した。その結果、密度と比誘電率の間に次のような関係があることを見出した。
即ち、成形直後及び延伸の過程で起こるシートの密度及び比誘電率の変化を、2変数間のCORREL係数により数値化でき、同係数が0.9以上のほぼ直線関係の範囲の相関図を作成すれば、必要とする比誘電率に対応するシート密度を介して、誘電体材料製造の最適製造条件が選定可能となる。
上記の直線関係はほぼ一定の密度領域にあり、密度と比誘電率に関するほぼ直線的な相関関係を検出することにより、比誘電率については、上記の課題解決が進むといえる。
【0008】
一方、誘電正接については、上記のようなシートの特性との相関性は認められなかった。
無機物質を高配合した樹脂組成物は誘電正接が低下し易いが、しかし0.001以下に低下させることは難しかった。そこで、本発明のなかで、下記の方法も考案した。
即ち、原材料比率、混練条件の若干の変更によって、成形直後のシート密度を下げることにより、更に延伸を行なう場合は勿論、延伸の工程がなくても、誘電正接が低下したシートが得られる。
【0009】
この方法を前記の比誘電体製造方法に組み合わせることにより、比誘電率と誘電正接の両特性が低下した誘電体材料の製造が可能になった。
【0010】
上記の一連の方法は、新しい原材料を使用する場合、製造工程の新設、或いは異常の場合などに役立つほか、CORREL関数の直線関係の延長により推定して、特に製品の比誘電率の範囲拡大にも利用できる。
また、日常操業に利用することにより、製品品質の向上、生産工程の効率改善等に役立つと期待できる。更に製造方法の条件を予め確定できれば, 製造工程の調整等の作業が軽減され、製品の均一性等品質に重きをおいた操業が期待できる。
【0011】
上記の方法は、測定値から直接判定する実用的方法であることに加えて、本発明が目的とする誘電特性が低い範囲に適しており、従って、前項の課題は解決可能と考え、本発明を完成するに至ったが、具体的にはその内容は次のようになる。
【0012】
(1)ポリオレフィン樹脂と、無機物質とを質量比70:30~20:80で含む樹脂組成物を原材料とする誘電体材料の製造方法において、
前記製造方法が、
原材料配合、製造条件、製造設備に関わる条件が異なるシートを選択、集合し、各集合ごとに、各シートの密度及び比誘電率に基づき両変数間のCORREL係数を求める関数計算のプロセスと、
前記関数計算プロセスにおいて、CORREL係数が0.9以上で、できる限り1.0に近い係数が算出された集合を選び、密度及び比誘電率の相関図を作成して、直線状のライン及びその延長上で、所望の比誘電率に対するシート密度を特定し、該密度周辺の製造条件をもとにシート製造の最適条件を選定する、製造条件選定のプロセスを設定し、
誘電体材料製造工程で、上記プロセスで選定した各条件に基づき製造を行う誘電体材料製造方法であって、
前記無機物質が、該無機物質に対して、炭酸カルシウムを70質量%以上含み、
前記誘電体材料製造工程において得られる誘電体材料が、1.0以上3.7以下の比誘電率(10GHz,25℃)、0.0001以上0.003以下の誘電正接(10GHz,25℃)の両方を満たす、製造方法。
【0013】
(2)前記関数計算のプロセスの段階で、原材料配合、製造条件、製造設備に関わる条件において、相互に関連が強い履歴を有するシートを4試料以上選択した集合を関数計算の対象とする、(1)に記載の製造方法。
【0014】
(3)前記誘電体材料の厚さが、下記(式1)を満たす、(1)に記載の製造方法。
(式1)
(前記誘電体材料の厚さの最大値-前記誘電体材料の厚さの最小値)×100/(前記誘電体材料の厚さの平均値)(単位:%)≦4%
【0015】
以下の(4)項~(8)項には、前記[0008]~[0009]に記載した考案が含まれる。
【0016】
(4)前記誘電体材料製造工程で延伸に使用する成形直後のシート密度が1.6g/mL以下である(1)に記載の製造方法。
【0017】
(5)前記誘電体材料製造工程の延伸における延伸条件が4倍以下の縦延伸である(1)に記載の製造方法。
【0018】
(6)前記誘電体材料製造工程における延伸の条件が、4倍以下の縦延伸及び4倍以下の横延伸の組み合わせである(1)に記載の製造方法。
【0019】
(7)前記誘電体材料製造工程において得られる誘電体材料が、1.0以上3.0以下
の比誘電率(10GHz,25℃)、0.0001以上0.001以下の誘電正接(10
GHz,25℃)の両方を満たす、(1)に記載の製造方法。
【0020】
(8)前記誘電体材料製造工程において、成形直後の密度が1.6g/mL以下のシートを、延伸処理することなく、誘電体材料とする(1)に記載の製造方法。
【0021】
(9)前記樹脂組成物が、帯電防止剤を実質的に含まない、(1)に記載の製造方法。
【0022】
(10)誘電体材料製造工程において、検査もしくは試験の目的で、生産中の試料を採取し、(1)に記載のCORREL関数を用いる二つのプロセスを利用し、CORREL係数を確認して工程管理を行う方法。
【0023】
(11)ポリオレフィン樹脂と、無機物質とを含む誘電体材料であって、前記ポリオレフィン樹脂と、前記無機物質の質量比は70:30~20:80であり、
前記無機物質が、該無機物質に対して、炭酸カルシウムを70質量%以上含み、誘電特性において、1.0以上3.7以下の比誘電率(10GHz,25℃)及び0.0001以上0.003以下の誘電正接(10GHz,25℃)の両方を満たす誘電体材料。
【0024】
(12)前記誘電特性において、1.0以上3.0以下の比誘電率(10GHz,25℃)及び0.0001以上0.001以下の誘電正接(10GHz,25℃)の両方を満たす、(11)に記載の誘電体材料。
【0025】
(13)前記誘電特性において、1.0以上2.0以下の比誘電率(10GHz,25℃)及び0.0001以上0.001以下の誘電正接(10GHz,25℃)の両方を満たす、(11)に記載の誘電体材料。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、比誘電率及び誘電正接のいずれもが低減され、且つ、均一な厚さを有する、ポリオレフィン樹脂及び無機物質を主成分とする複合材料からなる誘電体材料の製造技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】シート密度と比誘電率の相関を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態について説明するが、本発明はこれに限定されない。
【0029】
<発明の要旨>
本発明の誘電体材料の製造方法(以下、「本発明の製造方法」ともいう。)は、ポリオレフィン樹脂と、無機物質とを含む樹脂組成物を原材料とする誘電体材料の製造方法である。
【0030】
上述のとおり、高速大容量通信を実現する観点から、比誘電率及び誘電正接のいずれもが低い誘電体材料を得ることが求められている。
この観点から、材料となり得る成分の誘電特性を検討すると、ポリオレフィン樹脂は、比誘電率は小さいが、誘電正接が大きい傾向にある。他方で、無機物質は、比誘電率は大きいが、誘電正接が小さい傾向にある。
そこで、当然のことながら、これらを組み合わせた複合材料をつくれば、期待した材料が得られるはずである。
【0031】
ここで、資源として最も魅力がある無機物質は炭酸カルシウムとされているが、前述のように、シートの製造工程で、凝集や分散性不良等を発生させる問題を有する。
そこで、上記問題点も解決しながら、均一な複合材料をつくることを念頭に、まず基本となる誘電特性に関与するシートの物性について検討した。
【0032】
詳しくは、製造条件を検討しながら、小型混練押出成形機でシートを作成し、厚み分布を測定して、均一なシートを選び出し、シートの物性と誘電特性の相関性をCORREL関数によって検討した。その結果、特に、本発明が目的とする比誘電率が低い範囲で、シートの密度と比誘電率の間に極めて良好な相関関係があることが分かった。
そこで、比誘電率に重点を置き、ポリオレフィン樹脂と、炭酸カルシウムを主成分とする無機物質とからなる樹脂組成物について、成形直後並びに延伸後のシートについて、密度及び比誘電率の相関関係の変化を詳しく検討した。
【0033】
この作業において、原材料、製造条件、製造装置等で関連が強い履歴のシートを集合して、シートの密度及び比誘電率の両変数間のCORREL係数を調べたところ、0.9以上という極めて良好な相関関係があることを見出した。
【0034】
上記の現象を誘電体材料の製造に利用するには、相関係数が最も1.0に近い集合で作成される相関図(散布図)上で、要求される比誘電率に対応するシート密度を特定し、該密度に対応するシートの組成、混練、成形、及び延伸の各条件を採用すればよいことになる。
なお、無機物質を混合したシートは不均一になりやすいことからシート厚みの均一性も必要条件とすることが好ましい。
【0035】
一方において、シートの誘電正接については、密度との相関関係は明確でなかった。
即ち、無機材料を混合することにより誘電正接は低下し、その数値(10GHz、25℃)は容易に0.003以下となるが、0.001以下に下げることは難しかった。
上記課題について、本発明者らは、誘電体材料製造工程で成形直後の密度を1.5~1.6g/mL以下に低下させて、得られたシートを(1)延伸処理、好ましくは縦延伸及び横延伸を組み合わせて逐次延伸を行なう(実施例表1及び2参照)、(2)もしくは、延伸処理することなく、誘電体材料として使用する(実施例表1参照)ことによって、解決できることも見出した。
また、帯電防止剤の併用は、誘電正接を0.001以下に低下させることに僅かであるが妨げとなった。
【0036】
以上の結果を含めることにより、比誘電率及び誘電正接の2特性がいずれもが低い誘電体材料の製造方法を完成させることができた。
【0037】
本発明に至る実験結果は、実施例の表1及び表2にまとめたが、二つの表の16例の実施例のそれぞれの密度及び比誘電率の両数値を相関図として
図1に示した。16例の試料の両数値の変化に関するCORREL係数は0.981で、ほぼ直線関係にあり、極めて良好な相関であった。
【0038】
図1の結果に示されたように、ポリオレフィン樹脂と炭酸カルシウムを主体とする無機物質を混練、成形、延伸した過程で、CORREL係数が0.9以上と規則性が反映された集合において、密度が1.5~1.6以下になったころから密度と比誘電率の相関がほぼ直線関係となった。あえて推察するならば、この時点で、シート構造(複合材料)が出来上がり、その時点以降は、成形もしくは延伸の進行により、シート構造は、密度と極めて良好な相関関係を保持しながら空隙が拡大して、誘電特性が低下すると考えられる。
【0039】
以下本発明に付随する原材料、誘電体材料の製造方法、CORREL関数の応用、誘電正接を低下させる場合の条件設定、誘電体材料の特性について説明する。
【0040】
<原材料>
【0041】
[樹脂組成物]
本発明における樹脂組成物は、ポリオレフィン樹脂及び無機物質を、質量比(ポリオレフィン樹脂:無機物質)70:30~20:80で含む。ただし、前記2物質の内容(組成)によっては65:35~30:70が好ましい。
【0042】
[ポリオレフィン樹脂]
ポリオレフィン樹脂は、内部に炭化水素の二重結合を有する樹脂の総称で、エチレン及びプロピレンなどの単独重合体及び共重合体の樹脂が含まれる。
代表的なポリオレフィン樹脂としては、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂等が挙げられる。
【0043】
(ポリプロピレン系樹脂)
ポリプロピレン系樹脂は共重合による違いによって次の3種に分かれる。
(1)ホモポリマー(プロピレンのみによる単独重合体)
(2)ランダムコポリマー(通常はエチレンを4.5質量%以下の割合で共重合体に含む)
(3)ブロックポリマー(エチレン・プロピレン重合体を含有する組成物)
【0044】
(ポリエチレン系樹脂)
ポリエチレン系樹脂は、密度や分子量によって、実用上数種類に分類されており、主なものは次の3種類といえる。
(1)高密度ポリエチレン(HDPE)
(2)低密度ポリエチレン(LDPE)
(3)直鎖状低密度ポリエチレン (LLDPE)
【0045】
本発明の効果が奏され易いという観点から、本発明におけるポリオレフィン樹脂は、
プロピレン単独重合体のみからなることが最も好ましく、ポリエチレン系樹脂の高密度ポリエチレンも比較的成形しやすく、十分適性がある。しかし誘電特性以外の必要特性などによっては、上記の種類を広範囲に検討することも必要となる。
また、2種類もしくは3種類の混合も有効である。
【0046】
[無機物質]
無機物質としては、誘電体材料の原材料として必要なものを使用できる。ただし、無機物質は、該無機物質に対して、炭酸カルシウムを70質量%以上含む必要がある。
無機物質は、1種又は2種以上の組み合わせを使用できる。
【0047】
本発明における炭酸カルシウムは、重質炭酸カルシウム、及び軽質炭酸カルシウムのいずれであっても良い。
「重質炭酸カルシウム」とは、CaCO3を主成分とする天然原料(石灰石等)に対して機械的処理(粉砕等)を行うことで得られるものである。重質炭酸カルシウムは、合成法(化学的沈殿反応等)によって製造される軽質炭酸カルシウムとは明確に区別される。
また、市販の炭酸カルシウム粉末には表面処理したものがあるが、混練成形に効果があり、且つ本発明の目的に適するものであれば使用を検討するべきである。
【0048】
炭酸カルシウム以外の無機物質としては、金属(カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、チタン、鉄、亜鉛等)の炭酸塩(炭酸カルシウムを除く。)、硫酸塩、珪酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、及び酸化物が挙げられる。
具体的には、炭酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、シリカ、アルミナ、クレー、タルク、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、珪砂、チタン酸バリウム、ベントナイト、ドロマイト等が挙げられる。
【0049】
無機物質は合成のものであっても良く、天然鉱物由来のものであっても良い。
【0050】
無機物質の形状は、特に限定されないが、実用でCORREL係数が0.9以上のものが得られる形態が必要である。
【0051】
無機物質の平均粒子径は、好ましくは0.5μm以上9.0μm以下であるが、実用でCORREL係数が0.9以上のものが得られる平均粒子径が必要である。
なお、本発明において「平均粒子径」とは、JIS M-8511に準じた空気透過法による比表面積の測定結果から算出した値を意味する(実施例参照)。
【0052】
本発明における無機物質は、該無機物質に対して、炭酸カルシウムを85質量%以上含むことが好ましい。
【0053】
[その他の成分]
樹脂組成物には、上記のほか、シート成形及び誘電体材料の原材料として必要な成分を配合する。このような成分として、帯電防止剤(アルカンスルホン酸ナトリウム、脂肪酸ジエタノールアミド等)、酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤等)、滑剤、カップリング剤、流動性改良材、紫外線吸収剤、難燃剤、安定剤、可塑剤等が挙げられる。
添加剤の種類や配合量は、得ようとする効果等に応じて適宜選択できる。
【0054】
帯電防止剤については、本発明者らの検討結果では、誘電正接の低下に僅かではあるが妨げとなっていたので、用途上特に必要の場合を除き、樹脂組成物中に含まれないことが望ましい。
【0055】
<誘電体材料の製造方法>
【0056】
[混練、成形によるシートの製造方法]
本発明の方法は、押出成形方式を利用することが好ましい。この方式には、Tダイを使用する方法と環状ダイを使用するインフレーション法があるが、製品の精度等から前者が好ましい。
この方式では、シリンダー内のスクリューにより、樹脂組成物を溶融し混練を行い、各成分を均一に分散させると同時に、強い剪断応力を作用させる。炭酸カルシウムを主成分とする無機物質を高配合した樹脂組成物は、上記工程で、粘度が上昇するため、二軸スクリューを備えた同方向二軸混練機で混練することが好ましい。
混練した樹脂組成物は、直接押出成形によりシートに製造できるが、一旦ペレットとした後、成形することも可能である。
【0057】
[シートの延伸方法]
本発明では、CORREL関数を使用し、延伸の度合いを予測可能にして、延伸工程を安定化更に効率化する一方で、延伸工程を省略して直接誘導体材料として使用する方法も考案した。しかし、製品としての精度、特性等も考慮し、延伸して密度を調整して誘導体材料とする方法も引き続き必要と考えている。
延伸は、本発明で対象となるシートの履歴及び目的によって、シートの走行と平行な方向へ延伸する縦延伸のみ行う一軸延伸と、縦延伸を行った後、引き続きシートの走行と直角の方向に横延伸を行う逐次二軸延伸とのいずれかを行う方法がとられる。なお、これらの製法の実施には、前記の延伸を目的に製造されたそれぞれの設備を利用できる。
【0058】
<CORREL関数の応用>
【0059】
[関数計算のプロセス]
関数計算のプロセスは、誘電体材料製造条件を仮定して、(1)樹脂組成物の混練及び成形により成形(未延伸)シートを得ること、(2)得られた成形シートを延伸すること、 (3)成形後から延伸後に至るまでの密度及び比誘電率の変化に基づくCORREL関数を求めることからなる。
【0060】
(対象試料の作製)
誘電体材料製造条件で取り上げる原材料、製造条件及び製造設備に関わる条件で、相互に関連が強い試料を集合して関数計算の対象とする。本明細書の実施例でも、原材料の配合、製造条件及び製造設備に関わる範囲で関連が強い試料を選択している。
CORREL係数の計算には、4試料以上、好ましくは5試料以上必要とする。
計算にあわせて散布図(本明細書では相関図と記載)を作成し、正確を期することも必要である。
【0061】
(試料作製条件の記録)
CORREL関数の対象となる試料作成の際には、次のプロセスにおいて誘電体材料の製造の最適条件として選定される場合に備えて、成形シートの作製条件を記録する。
作製条件としては、原材料の種類及びその比率、混練条件(温度、時間、スクリュー
回転数等)、成形条件(温度、シートの厚さ、引取り速度等)延伸条件(縦、横の区別、温度、回数等)などについて、できる限り詳細に記録する。
【0062】
(関数算出に使用する試料について)
関数算出のプロセスで使用する樹脂組成物の測定試料と、誘電体材料製造工程で使用される樹脂組成物とは、原材料の種類、配合率が同じで且つ製造の条件が同じであれば、測定試料が異なっていても差し支えない。例えば、関数特定のプロセスで小型混練押出成形機を使用したような場合である。なお、同一の場合とは、大型機を使用して実験を行なうような場合である。
【0063】
(関数計算プロセスで使用する混練押出成形装置)
小型の混練押出成形装置を使用すれば、対象の試料数を多数調製できる。一方大型の混練押出成形装置(誘電体材料の大量生産を可能とするもの)を使えば、実験が大掛かりになるが、生産に直結したデータが得られる。
上記のような差はあるが、両者により測定される内容については、次のような実験結果があり、本発明者らはいずれにおいても有効な結果が得られると考えている。
【0064】
本発明者らの実験で、前記のように、小型の混練押出成形装置を使用した場合には、条件を大きく変更しても均一なシートが得られ易かった。その後の検討で、大型の混練押出成形装置を使用した場合でも、装置の特性に応じて条件を選べば、シートの密度と比誘電率の関係は小型機の場合と一致させることができた。
詳しくは、大型機では、成形後のシート密度を1.40まで低下させてシートの均一性の改善を図った。その結果として、表1の小型機及び表2の大型機のそれぞれのシート密度と比誘電率の相関は、一つの図にまとめた相関図(
図1)に示されたように、同一の直線関係にのることが実証された。
【0065】
(密度及び比誘電率の測定)
成形シート及び延伸シートについて、それぞれの密度及び比誘電率を測定する。
本発明における密度(単位:g/mL)、比誘電率及び誘電正接の測定方法は、実施例の項に記載されている。
【0066】
(CORREL係数の算出)
未延伸シート及び延伸シートのそれぞれについて測定した密度及び比誘電率の数値について、両変数の相関関数を数値化するため、CORREL関数を用いて、密度及び比誘電率の2つの変数の相関係数を算出する。なお、CORREL関数の計算は「support.microsoft.com/ja-jp/office/correl関数」を利用できる。
【0067】
[製造条件選定のプロセス]
製造の最適条件選定のプロセスにおいては、関数算出のプロセスで、相関係数が0.9以上で、最も1に近いCORREL関数が得られた集合に属するシートの製造条件を、誘電体材料の製造の最適条件として選定する。
即ち、相関図を併用して、必要とする比誘電率から対応する密度を求め、その密度に近い試料シートの記録をもとに、誘電体材料の製造条件を選定する。
【0068】
[誘電体材料製造工程における適用]
誘電体材料製造工程においては、製造の最適条件選定プロセスで選定された条件と同条件で、誘電体材料を製造する。
この場合に得られた誘電体材料は、その密度及び比誘電率が、関数選定のプロセスで特定したCORREL係数の集合に属するものといえる。
【0069】
<誘電正接を低下させる場合の条件設定>
発明の要旨に記したように、本発明者らは、誘電正接の低減方法についても検討し、誘電体材料製造工程で成形直後の密度を1.5~1.6g/mL以下に低下させて、解決できることも見出した(実施例参照)。
上記の結果を利用して、次のような技術が具体化された。
誘電体材料製造工程で、成形直後の密度を1.5~1.6g/mL以下に低下させて
(1)成形後のシートに対し縦延伸、好ましくは縦延伸及び横延伸を組み合わせて逐次延伸を行なうことにより、比有電率及び誘電正接の2特性いずれもが低い誘電体材料を製造することができる。もしくは、
(2)成形後のシートを延伸処理することなく、直接誘電体材料とすることにより、特に誘電正接を低下させることが可能である。
上記(1)及び(2)の技術は、CORREL関数によって選択された規則性が良好な条件内で行われる。従って、(1)の場合は縦延伸終了まで、(2)の場合は混練、成形終了後まで、CORREL関数の相関係数を基準に製造の最適条件を選定する。
【0070】
<誘電体材料の特性>
本発明の製造方法から得られる誘電体材料は、比誘電率及び誘電正接のいずれもが低減され、かつ、均一な厚さを有する。
【0071】
本発明の製造方法から得られる誘電体材料の比誘電率は、温度25℃、測定周波数10GHzでの測定値が、1.0以上3.7以下である。
なお、比誘電率の上限は、好ましくは3.0以下であり、更に好ましくは2.0以下である。
【0072】
本発明の製造方法から得られる誘電体材料の誘電正接は、温度25℃、測定周波数10GHzでの値が、0.0001以上0.003以下である。
なお、誘電正接の上限は、好ましくは0.001以下である。
【0073】
本発明の製造方法から得られる誘電体材料の厚さは、下記(式1)を満たすことが好ましい。下記式1を満たす誘電体材料は、その表面に凹凸が少なく、厚さが均一であると判断できる。
(式1)
(誘電体材料の厚みの最大値-誘電体材料の厚さの最小値)×100/(誘電体材料の厚みの平均値)(単位:%)≦4%
【0074】
誘電体材料の厚さ及びその最大値、最小値、平均値の測定方法、算出方法は実施例の項に記載されている。
比誘電率及び誘電正接の測定方法についても実施例の項に記されている。
【実施例】
【0075】
以下に、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0076】
実施例の結果は表1及び表2にまとめた。
上記の表には、評価に必要な測定結果のほか、実施例ごとに変更した製造条件、製造装置の区別等も記載した。また混練・成形後のシート密度も重要なデータとして併記した。
CORREL関数によって特定され、且つシートの誘電特性が本出願の請求項1の範囲を満たす完成シートのみ実施例とし、その他は比較例とした。
【0077】
<誘電体材料の製造及び評価>
以下の製造条件及び製造装置で誘電体材料を作成してその評価を行なった。
【0078】
(1)[成形(未延伸)シートの作製]
各表の「原材料配合」の項に示す比率で、混練押出成形装置を用いて、230℃で混練を行い、シートに成形した。
【0079】
[原材料]
使用した原材料の詳細は以下のとおりである。
(ポリオレフィン樹脂)
プロピレン単独重合体(融点160℃、MFR0.5g/10min)を使用(PPと表示)した。
(無機物質)
重質炭酸カルシウム(粉末に脂肪酸表面処理、平均粒径2.2μm)。
なお、平均粒径は、比表面積測定装置(商品名「SS-100型」、島津製作所社製)を用い、JIS M-8511に準拠して空気透過法による比表面積の測定結果から計算した。
(添加剤)
A:酸化防止剤(フェノール系酸化防止剤)
B:酸化防止剤(ホスファイト系酸化防止剤)
C:帯電防止剤(アルカンスルホン酸ナトリウム)
D:帯電防止剤(脂肪酸ジエタノールアミド)
【0080】
(混練押出成形装置)
混練及び成形には、以下のいずれかを用いた。
小型:小型混練押出成形装置(同方向回転型ニ軸混練Tダイ式押出成形装置、φ20mm、L/D=25、ベント付き)
大型:大型混練押出成形装置(同方向回転型二軸混練Tダイ式押出成形機、φ100 mm、L/D=44,2ベント方式)
【0081】
(2)[成形(未延伸)シートの延伸]
上記(1)で得られた未延伸シートを延伸し、延伸に伴う密度及び比誘電率を測定した。
(延伸条件)
延伸は、卓上二軸延伸機(井元製作所製)を用いて行い、温度は100℃に設定した。
その他の延伸条件(延伸方向及び延伸倍率)を各表の「延伸」の項に示した。
なお、「延伸倍率」について、2つの数字が記載されている欄では、左側に縦延伸の倍率を記載し、右側に横延伸の倍率を記載した。
【0082】
(3)[シートの特性の測定]
上記で作製したシートについて、以下の項目を測定した。
(密度)
密度は、JIS Z 8807に記載の幾何学的測定に基づき測定した。
(比誘電率及び誘電正接)
比誘電率及び誘電正接は、「ネットワークアナライザ―N5247A」(Agilent社製)を用いて、スプリットポスト誘電体共振器法に基づき測定した。測定は、室温25℃相対湿度55%、測定周波数10GHzで行った。
(厚みの平均値)
厚みは、JIS K 7130に従い測定した。なお、試験片のサイズは3cm×4cmに設定し、測定箇所は中央部と四隅の5か所に設定した。各測定箇所につき1度ずつ測定を行い、得られた値の平均値を算出した。
(厚みの均一性)
厚みの均一性は、上記の厚みの測定結果に基づき、以下の式から算出した。
厚みの均一性(単位:%)=(シートの厚みの最大値-シートの厚みの最小値)×100/(シートの厚みの平均値)
【0083】
(4)[CORREL関数の計算]
上記測定が終了したシートのなかから、原材料の配合、使用した製造条件及び製造装置等で、関連があると考えられる組み合わせをつくり、それぞれの集合で、その集合に属するシートの密度と比誘電率の2つの数字の相関関係をCORREL関数で計算し、集合ごとに相関係数を算出した。
【0084】
<実施例の結果の総括>
表1の結果は小型機による実験結果で、実施例の9例の各シートの密度と比誘電率における相関係数は、0.995と極めて良好な数値となった。
表1の集合は、ポリプロピレン樹脂と炭酸カルシウムの配合比率を変え、それぞれの配合比率ごとに、延伸条件を変化させた試料、もしくは無延伸の試料の集合である。
なお、比較例1-3は、樹脂組成物がポリプロピレン樹脂のみの例で、無延伸のフィルムを同じ混練成形装置で作成し、比誘電率が2.24と正常な測定値が得られることを確認した。
【0085】
表2の結果は大型機による実験結果で、実施例の8例の各シートの密度と比誘電率における相関係数は、0.974と、大型機でも極めて良好な数値となった。
表2の集合は、ポリプロピレン樹脂と炭酸カルシウムの配合比率が39:60の原材料を混練、成形後、延伸条件を変化させた試料もしくは無延伸の試料の集合である。
【0086】
表1及び2をまとめて、密度と比誘電率の相関を検討したところ、
図1のような相関図(相関係数 0.981)が得られた。この相関図は次のような結果を示している。
ポリオレフィン樹脂としてポリプロピレン樹脂、無機物質として炭酸カルシウムを混合して作られた樹脂組成物について、原料配合率、混練、成形の条件、延伸条件及び製造装置のそれぞれで条件を選定し、それらを組み合わせることによって、密度と比誘電率の相関関係におけるCORREL係数が1.0に近いほぼ直線関係になった。
このような直線関係が得られれば、本発明が目的とする、必要な比誘電率から対応するシート密度を介して製造条件を選定することは容易である。
【0087】
本実施例では、上記の直線関係の範囲が、比誘電率の場合1.4以上3.7以下、シート密度の場合、0.3以上1.5以下にあることで、本発明の目的とする範囲と一致している。
【0088】
更に、CORREL関数による相関以外に、表1、2の実験結果の解析により、以下のような現象が見出された。
(1)
誘電体材料製造工程で成形直後の密度を1.5g/mL以下に低下させ、表1の実施例1-1~4の場合は、成形後のシート密度が1.46又は1,27ー トに対し縦延伸処理することにより、また表2の実施例の2-3~5の場合は、成形後のシート密度が1.40の成形シートに対し逐次延伸することにより、いずれもシート密度による比誘電率の低下と同時に誘電正接が0.001以下に低下した。
なお、上記逐次延伸の場合、過度の延伸を行なうと実施例2-6の例のように誘電正接はかえって上昇した。
(2)上記(1)と同じように、成形直後の密度を1.5g/mL以下、具体的には成形後の密度が1.46又は1.27である成形シートを延伸処理することなく、完成シート(誘電体材料)とした場合も、誘電正接が0.001以下に低下した。
(3)帯電防止剤を併用した場合、誘電正接がやや低下しにくいが、本発明の検討では10-4に極めて近い測定値が得られた。
【0089】
以上を総合して、CORREL関数を使用して比誘電率を低下させる技術に対して、上記[0087]の技術を組み合わせると、比誘電率及び誘電正接のいずれもが低い値である誘電体材料を、良好な再現性で製造することが可能である。
【0090】
【0091】
【要約】
【課題】本発明の課題は、比誘電率及び誘電正接のいずれもが低減され、かつ、均一な厚みを有する、ポリオレフィン樹脂及び無機物質を含む複合材料からなる誘電体材料の製造技術を提供することである。
【解決手段】本発明は、混練成形から延伸における密度及び比誘電率の両変数間の変化をCORREL関数によって解析し、同係数が0.9以上のほぼ直線的相関部分で、所望の比誘電率に対応した製造条件を決め、他方、前記技術の範囲内で、混練成形による密度低下により誘電正接の低下を計ることを特徴とする、誘電体材料の製造方法を提供する。
【選択図】
図1