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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】卓上型ロールペーパホルダ
(51)【国際特許分類】
   A47K 10/36 20060101AFI20221212BHJP
   B65D 25/52 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
A47K10/36 N
B65D25/52 C
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022067233
(22)【出願日】2022-03-29
【審査請求日】2022-04-28
(31)【優先権主張番号】P 2021172719
(32)【優先日】2021-09-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(31)【優先権主張番号】P 2021195766
(32)【優先日】2021-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】521461568
【氏名又は名称】三森 治美
(74)【代理人】
【識別番号】100088867
【弁理士】
【氏名又は名称】西野 卓嗣
(72)【発明者】
【氏名】三森 治美
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】実開昭51-046652(JP,U)
【文献】特開2011-120849(JP,A)
【文献】特開2004-249055(JP,A)
【文献】特開平02-302233(JP,A)
【文献】メール便可 スヌーピー 簡単組み立て ロールペーパーカバー(トイレットペーパーホルダー),日本,おもちゃの三洋堂,2020年07月30日,https://store.shopping.yahoo.co.jp/sanyodo-shop/4961971402964.html#,2022年7月12日検索、レビューの日付の最も古いものを発行年月日とした。
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 10/32-10/38
B65D 23/00-25/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工具類を使用することなく組立分解が自在となるように、各部品が着脱自在に接合されて、使用時に内部にロールペーパを載置する卓上型ペーパホルダであって、
卓上に載置される底板と、
前記底板の相互に平行な辺に着脱自在に立設される2枚の側板と、
前記両側板の上部近傍に着脱自在に装着され、下部に前記ロールペーパを切断するカッタが固設されている天板と、
前記ロールペーパを回転可能に保持する保持軸と、が具備され、
前記両側板には相互に対峙する部分に前記保持軸が挿抜自在に挿入される保持軸挿入部が開設され
前記保持軸の断面形状は楕円形で、保持軸挿入部の保持軸受け部は四角形の凹所に形成されていることを特徴とする卓上型ペーパホルダ。
【請求項13】
前記両側板の、天板の装着部の下部に、前記ロールペーパの引き出し部を前記天板から垂下されたガイド板に圧接する圧接軸が回転自在に装着され、前記両側板には相互に対峙する部分に前記圧接軸が挿抜自在に挿入される圧接軸挿入部が開設され、前記圧接軸挿入部は、前記側板の縁部から内部にかけて切込溝が削設されることによって形成されている請求項1記載の卓上型ペーパホルダ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレットペーパ、キッチンペーパなどのロールペーパを保持する卓上型ロールペーパホルダであって、工具を使用することなく組立分解が容易であって、輸送時には全体の体積を小型化することが可能なものである。
なお本件では、便宜上「ロールペーパ」と称しているが、ロール状の樹脂製ラップやアルミホイルなども事実上同義語であることはいうまでもない。
【背景技術】
【0002】
従来、トイレットペーパホルダやキッチンペーパホルダなどのロールペーパを保持するペーパホルダは一般に壁面に固設されているものが多く、持ち運びは不可能であった。
【0003】
また、持ち運びが可能なペーパホルダとしては下記のような物が提案されている。
【先行技術文献】
【0004】
【文献】特開2016-150239号公報
【0005】
【文献】特開2001-37674号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前述の特許文献に記載されたペーパホルダは卓上にも載置でき、携行が可能であるが、ペーパホルダ自体の分解組立は容易ではなく、また分解組立が可能であっても工具が必要となっていた。
従って、ペーパホルダの輸送時の体積は組立状態の体積よりもさらに大となり、輸送コストは高くならざるを得ない。また、分解して体積を小さくすれば輸送コストは安くなるが、その場合購入者が自宅などで組み立てねばらず、そのための工具が必要となり、メーカはペーパホルダを組み立てるための工具を同梱する必要がある。
そのような工具は一度組み立ててしまえば後は不要となって廃棄されるため、工具のコストがロスになると共に、結局地球環境に負荷をかけることになり好ましくない。
【0007】
本発明は、係る従来装置の課題に鑑み、工具を使用することなく組立分解が容易な卓上型ペーパホルダを実現し、輸送時には分解しコンパクトにして輸送コストの低減を図り、併せて不要な工具の廃棄をなくし、地球環境に配慮するものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、工具類を使用することなく組立分解が自在となるように、各部品が着脱自在に接合され、使用時に内部にロールペーパを載置する卓上型ペーパホルダであって、卓上に載置される底板と、前記底板の相互に平行な辺に着脱自在に立設される2枚の側板と、前記両側板の上部近傍に着脱自在に装着され、下部に前記ロールペーパを切断するカッタが固設されている天板と、前記ロールペーパを回転可能に保持する保持軸と、が具備され、前記両側板には相互に対峙する部分に前記保持軸が挿抜自在に挿入される保持軸挿入部が開設されていることを特徴とする卓上型ペーパホルダである。
【0009】
本発明では、相互に着脱自在に接合される底板、側板、天板を釘や接着剤を使用することなく直に組立て、保持軸を保持軸挿入部に挿入するだけで迅速に卓上型ペーパホルダを実現することができる。従って、前記保持軸をロールペーパの中空の巻芯に挿入するか、複数本の前記保持軸上にロールペーパを直接載置すれば、直ちに所望の長さのペーパを引き出し切断することができる。
【0010】
(2)前記保持軸の断面形状は非円形に形成されていることが望ましい。
前記保持軸の断面形状が円形であると、保持軸挿入部の保持軸受け部と前記保持軸との間での抵抗が小さく、ロールペーパがその延出端部から引っ張られると、当該ロールペーパはその慣性によって回転し過ぎて、その延出部が必要以上に延出してしまい弛んでしまう恐れがあるが、前記保持軸の断面形状が非円形に形成されていると、当該保持軸と前記保持軸挿入部の保持軸受け部との間の抵抗が大となり(転がり摩擦が滑り摩擦に変化)、ロールペーパがその延出端部から引っ張られても、当該ロールペーパは引っ張られた寸法で直ちに停止し、その延出部が弛んでしまう恐れはなくなる。
【0011】
(3)前記保持軸の断面形状は四角形に形成されていることが望ましい。
保持軸の断面形状が四角形に形成されていると、前述と同様に、当該保持軸と前記保持軸挿入部の保持軸受け部との間の抵抗が大となり、ロールペーパがその延出端部から引っ張られても、当該ロールペーパは引っ張られた寸法で直ちに停止し、その延出部が弛んでしまう恐れはなくなる。
【0012】
(4)前記保持軸の断面形状は楕円形で、保持軸挿入部の保持軸受け部は四角形の凹所に形成されていることが望ましい。
前記保持軸の断面形状は楕円形で、保持軸挿入部の保持軸受け部は四角形の凹所に形成されていると、前述と同様に、当該保持軸と前記保持軸挿入部の保持軸受け部との間の抵抗が大となり、ロールペーパがその延出端部から引っ張られても、当該ロールペーパは引っ張られた寸法で直ちに停止し、その延出部が弛んでしまう恐れはなくなる。
【0013】
(5)保持軸挿入部は、前記各側板の中央部近傍に開設されていることが望ましい。
前記保持軸挿入部が各側板の中央部近傍に開設され、当該保持軸挿入部に保持軸を挿入すると、当該保持軸にロールペーパの中空の巻芯を挿入するだけで、前記ロールペーパは卓上型ペーパホルダに回転可能に装着されることになる。
【0014】
(6)保持軸挿入部は、各側板の下辺部近傍に複数個開設されていてもよい。
前記保持軸挿入部が各側板の下辺部近傍に複数個開設され、当該保持軸挿入部に複数本の保持軸を挿入すると、当該保持軸上にロールペーパを直に載置するだけで、前記ロールペーパは卓上型ペーパホルダに回転可能に装着されることになる。
この場合、保持軸にロールペーパの中空の巻芯を挿入することはないので、中空の巻芯を有さないロールペーパを装着するのに適している。
【0015】
(7)保持軸挿入部は、前記側板の中央部近傍に開設され、更に下辺部近傍に複数個開設されていることが望ましい。
前記保持軸挿入部が、前記側板の中央部近傍に開設され更に下辺部近傍に複数個開設され、当該保持軸挿入部に選択的に保持軸を挿入すると、中央部近傍の保持軸にロールペーパの中空の巻芯を挿入するか、若しくは下辺近傍の複数本の保持軸上にロールペーパを直に載置するだけで、前記ロールペーパは卓上型ペーパホルダに回転可能に装着されることになる。
【0016】
(8)保持軸挿入部は、前記側板の縁部から内部にかけて切込溝によって形成されていることが望ましい。
前記保持軸挿入部が前記側板の縁部から内部にかけて切込溝によって形成されると、側板などの各部品が組み立てられた後でも、前記保持軸を前記側板の縁部から切込溝にそって所定に位置まで摺動挿入することができる。
即ち、保持軸を側板の縁部から切込溝にそってその延在方向(水平方向)と交差する方向(垂直方向)に移動させることができる。
【0017】
(9)保持軸は、両端部の内側に小径部が形成され、当該小径部が前記側板の保持軸挿入部の切込開口から内部へ摺動挿入されることが望ましい。
前記保持軸の両端部の内側に小径部が形成されると、相対的に両端部は大径となり、当該保持軸を保持軸挿入部に沿って摺動挿入する際およびペーパホルダ使用時に外れにくくなる。
【0018】
(10)底板の前記側板が立設される両縁部に、外側が狭く内側が広い台形の凹所が削設され、前記側板の下端縁は前記凹所に見合う形状となっており、前記底板と前記側板はあり形大入れ継ぎによって接合されることが望ましい。
前記底板の前記側板が立設される両縁部に、外側が狭く内側が広い台形の凹所即ちあり溝が形成され、前記側板の下端縁は前記あり溝に見合う形状となっており、前記底板と前記側板はあり形大入れ継ぎによって接合されるので、釘や接着剤が不要で、また工具なども使用することなく、底板と側板を容易にかつ堅固に接続することができる。
【0019】
(11)側板の上部近傍には縁部から内部にかけて組立用の切込溝が削設され、天板にも縁部から内部にかけて組立用の切込溝が削設されており、前記両切込溝を交差させて噛合わせることにより前記側板と前記天板が接合せることが望ましい。
側板の切込溝と天板の切込溝が噛合わされることにより、釘や接着剤が不要で、また工具なども使用することなく、前記側板と前記天板を容易にかつ堅固に接続することができる。
【0020】
(12)前記両側板の、天板の装着部の下部に、前記ロールペーパの引き出し部を前記天板の下面に圧接する圧接軸が回転自在に装着されていることが望ましい。
前記天板の装着部の下部に、前記ロールペーパの引き出し部を前記天板の下面に圧接する圧接軸が回転自在に装着されていると、引き出されたロールペーパは前記天板と圧接軸によって挟持され、前記圧接軸の下流側のロールペーパにはテンションが付与され、切断しやすくなる。
【0021】
(13)前記両側板には相互に対峙する部分に前記圧接軸が挿抜自在に挿入される圧接軸挿入部が開設されていることが望ましい。
前記両側板の相互に対峙する部分に前記圧接軸が挿抜自在に挿入されると、必要に応じて適宜圧接軸を装着することができる。
【0022】
(14)前記圧接軸挿入部は、前記側板の縁部から内部にかけて切込溝が削設されることによって形成されていることが望ましい。
前記圧接軸挿入部が、前記側板の縁部から内部にかけて切込溝が削設されることによって形成されていると、前記圧接軸を前記側板の縁部から容易に装着することができる。
【0023】
(15)前記天板の、前記圧接軸が圧接される部分に、ロールペーパの引き出し部にテンションを付与するための摩擦部材が装着されていることが望ましい。
前記天板の、前記圧接軸が圧接される部分に、摩擦部材が装着されていると、引き出されたロールペーパは前記摩擦部材と圧接軸によって挟持され、前記圧接軸の下流側のロールペーパにはより高いテンションが付与され、一層切断しやすくなる。
また、ロールペーパを切断した反動で、当該ロールペーパが逆転しその切断端部が奥に引き込まれ、再度必要な時に切断端部が取り出しにくくなるということはなくなる。
【0024】
(16)前記両側板の、天板の装着部の下部に、前記ロールペーパの引き出し部を前記天板から垂下されたガイド板に圧接する圧接軸が回転自在に装着され、前記両側板には相互に対峙する部分に前記圧接軸が挿抜自在に挿入される圧接軸挿入部が開設され、前記圧接軸挿入部は、前記側板の縁部から内部にかけて切込溝が削設されることによって形成されていることが望ましい多。
かように構成されていると、引き出されたロールペーパは前記ガイド板と圧接軸によって挟持され、前記圧接軸の下流側のロールペーパにはより高いテンションが付与され、一層切断しやすくなる。
また、ロールペーパを切断した反動で、当該ロールペーパが逆転しその切断端部が奥に引き込まれ、再度必要な時に切断端部が取り出しにくくなるということはなくなる。
【発明の効果】
【0025】
本発明では、相互に着脱自在に接合される底板、側板、天板を釘や接着剤を使用することなく直に組立て、保持軸を保持軸挿入部に挿入するだけで迅速に卓上型ペーパホルダを実現することができる。
従って、輸送時には各部品を分解して全体の体積をコンパクトにし、組立時には工具類を使用することなく容易に組み立てることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】 本発明の一実施の形態のロールペーパが装着された状態の斜視図である。
図2】 本発明の一実施の形態の左側面図である。
図3】 本発明の一実施の形態の図2とは異なる実施例の左側面図である。
図4】 本発明の一実施の形態の各部品を分解し平面に並べた状態の平面図である。
図5】 本発明の一実施の形態の斜視図である。
図6】 本発明の一実施の形態の天板を外した状態の斜視図である。
図7】 本発明の一実施の形態の天板を外し、ロールペーパが装着された状態の斜視図である。
図8】 本発明の一実施の形態の天板を外し、ロールペーパが装着された状態の図3に対応する斜視図である。
図9】 本発明の他の実施の形態のロールペーパが装着された状態の斜視図である。
図10】本発明の他の実施の形態の手前の側板を外した状態の左側面図である。
図11】本発明の他の実施の形態の部品を分解し平面に並べた状態の平面図である。
図12】本発明の更に他の実施の形態の手前の側板を外した状態の左側面図である。
図13】本発明の一実施の形態の保持軸挿入部の保持軸受け部の拡大図である。
図14】本発明の一実施の形態の保持軸挿入部の保持軸受け部と保持軸のの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図1ないし図8を参照しつつ、本発明の一実施の形態を説明する。なお図1において矢印A視方向が正面図となる。先ず、図1において、各部品はいずれも厚さが8mmないし12mmの木製の板から形成され、卓上に載置される底板1と、当該底板1の相互に平行な側縁に着脱自在に立設される2枚の側板2と、前記両側板2の上部近傍に着脱自在に装着され、下部にロールペーパ3を切断するカッタ4が固設されている天板5が着脱自在に接合され、組み立てられている。
前記カッタ4は、図2、3に示すように薄いプラスチック板のような軟質の接続片16に固着され、前記接続片16の上端部は前記天板5の下面に固着されている。
なお、カッタ4は下端縁がギザギザに形成された従来周知のものである。
【0028】
より具体的には、図4において、前記底板1の前記側板2が立設される左右の両縁部には、外側が狭く内側が広い台形の凹所(あり溝)6が削設され、前記側板2の下端縁7は前記凹所6に見合う形状となっており、前記側板2の下端縁7を前記側板2の凹所7に鉛直方向上方(図2矢印B方向)から差し込むことにより、前記底板1と前記側板2は着脱自在なあり形大入れ継ぎによって接合される。
なお、前記底板1の机上に接触する面には滑止部材が固着されている。
【0029】
また、図2図4において、前記側板2の上部近傍には左側縁部から斜め右下方向の内部にかけて組立用の切込溝8が削設され、前記天板5の両端縁近傍に縁部から内部にかけて組立用の切込溝9が削設されており、両切込溝8、9を交差させて噛み合わせ、前記天板5を左上方から斜右下方(図2矢印C方向)に向けて差し込むことにより、前記側板2と前記天板5が接合される。
前記天板5には猫の顔を模した模様が施され(彫刻され)、全体的にも猫を模した形状となっている。
【0030】
更に、図4に示すような、ロールペーパ3を回転可能に保持する円柱状の保持軸10が備えられている。当該保持軸10は前記両側板2間に架けられる寸法を有し、両端近傍には小径部11が削設されている。
【0031】
前記両側板2の中央部近傍の相互に対峙する部分に、前記保持軸10が挿抜自在に挿入される保持軸挿入部12が、前記側板2の縁部から内部にかけて切込溝が削設されることによって形成されている。当該保持軸挿入部12の幅は、前記保持軸10の直径よりも小で、小径部11の直径よりも大となるように設定されている。
【0032】
そして図2に示すように、先ず前記保持軸10にロールペーパ3の中空の巻芯13を挿入し、その後前記保持軸10を保持軸挿入部12に沿って矢印D方向に挿入すると、ロールペーパ3は前記保持軸10に回転自在に保持されることになる。
この際、ロールペーパ3の巻芯13の内径は保持軸10の外径よりも充分大きいので、保持軸10はロールペーパ3の中空の巻芯13の上端の一部に接触して保持することになる。
【0033】
また、前記両側板2の下辺部近傍の相互に対峙する部分に、水平方向に相互に離間した位置にも、前記保持軸10が挿抜自在に挿入される他の一対の保持軸挿入部14、15が、前記側板2の前後の縁部から内部にかけて切込溝が削設されることによって形成されている。当該保持軸挿入部12の幅も、前記保持軸10の直径よりも小で、小径部11の直径よりも大となるように設定されている。
【0034】
そして図3に示すように、2本の前記保持軸10を2個の保持軸挿入部14、15に沿って(矢印E方向、F方向)に挿入し、それら2本の保持軸10上にロールペーパ3を直接載置すると、当該ロールペーパ3は前記2本の保持軸10に回転自在に保持されることになる。
【0035】
従って、中空の巻芯13を有するロールペーパ3は、当該巻芯13に1本の保持軸10を挿通した状態でペーパホルダに載置してもよく(図2図7)、また2本の保持軸10上にロールペーパ3を直接載置してもよい(図3図8)。
一方、中空の巻芯13の存在しないロールペーパ3については、2本の保持軸10上にロールペーパ3を直接載置すればよい。
【0036】
なお、ペーパホルダを搬送する場合には、図4に示すように各部品を分解して、幅広の部品である底板1、側板2、天板5を重ねれば、その高さ(総厚さ)は3~4cm程度に収まり体積を最小限にして輸送することができる。
本実施の形態では、各部品は木材にて形成されているが、プラスチックでも金属でも形成が可能であることはもちろんである。
【0037】
次に、図9ないし図11を参照しつつ、本発明の一実施の形態を説明するが前記第1の形態と共通する部分には同一の符号を付し説明は省略する。
前記両側板2の、天板5の装着部の下部に、前記ロールペーパ3の引き出し部を前記天板5の下面に圧接する圧接軸17を回転自在に装着するための、前記両側板2には相互に対峙する部分に前記圧接軸17が挿抜自在に挿入される圧接軸挿入部18が開設されている。
【0038】
なお、圧接軸17は前記保持軸10と同様の構造となっている。
前記圧接軸挿入部18は、前記側板2の後ろ側縁部から内部にかけて切込溝19が削設されることによって形成されている。
また、前記天板5の、前記圧接軸17が圧接される部分に、ロールペーパ3の引き出し部にテンションを付与するための表面に微細な凹凸が形成された摩擦部材20が装着されている。
【0039】
次に、図12ないし図14に従いさらに他の実施の形態について説明する。図12図10に類似する形態を呈しており、図10と同一部分には同一の符号を付して説明は省略し、異なる部分のみについて説明する。
保持軸12および圧接軸17の断面は楕円形を呈しており、保持軸挿入部12の保持軸受け部21および圧接軸挿入部18の圧接軸受け部22は矩形を呈している。
また接続片16は図12において左上方に延在し前記圧接軸17に対応する部位で垂下しており、前記接続片16自体の弾性により前記圧接軸17に圧接されている。
【0040】
かように、保持軸12の断面が楕円形状を呈していると、当該保持軸12と前記保持軸挿入部12の保持軸受け部21との間の抵抗が大となり、ロールペーパがその延出端部から引っ張られても、当該ロールペーパ3は引っ張られた寸法で直ちに停止し、その延出部が弛んでしまう恐れはなくなる。
なお図13は保持軸受け部21の形状を示し、図14は前記保持軸受け部21内に挿入されている断面が4角形の保持軸10を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
1 底板
2 側板
3 ロールペーパ
4 カッタ
5 天板
6 凹所(あり溝)
7 下端縁
8 切込溝
9 切込溝
10 保持軸
11 小径部
12 保持軸挿入部
13 中空の巻芯
14 保持軸挿入部
15 保持軸挿入部
16 接続片
17 圧接軸
18 圧接軸挿入部
19 切込溝
20 摩擦部材
21 保持軸受け部
22 圧接軸受け部
【要約】
【課題】 従来のペーパホルダは工具を使用することなく組立分解をすることは極めて難しく、体積が大きい状態であるため流通コストは高いものとならざるを得なかった。
【解決手段】工具類を使用することなく組立分解が自在となるように、各部品が着脱自在に接合され、卓上に載置される底板と、板の相互に平行な辺に着脱自在に立設される2枚の側板と、両側板の上部近傍に着脱自在に装着され、下部に前記ロールペーパを切断するカッタが固設されている天板と、ロールペーパを回転可能に保持する保持軸と、が具備されている、卓上型ペーパホルダである。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14