IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社吉野工業所の特許一覧

<>
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図1
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図2
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図3
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図4
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図5
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図6
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図7
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図8
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図9
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図10
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図11
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図12
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図13
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図14
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図15
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図16
  • 特許-支持体付き容器及びその製造方法 図17
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】支持体付き容器及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B65D 25/20 20060101AFI20221212BHJP
   B65D 1/02 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
B65D25/20 V
B65D1/02 221
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018248244
(22)【出願日】2018-12-28
(65)【公開番号】P2020104938
(43)【公開日】2020-07-09
【審査請求日】2021-07-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000006909
【氏名又は名称】株式会社吉野工業所
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100154003
【弁理士】
【氏名又は名称】片岡 憲一郎
(72)【発明者】
【氏名】前田 信也
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】特開平10-086927(JP,A)
【文献】特開平06-099986(JP,A)
【文献】特開2005-047587(JP,A)
【文献】実開平06-006240(JP,U)
【文献】特開平08-183535(JP,A)
【文献】特開2000-109086(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 25/20
B65D 1/02
B65D 30/16
B65D 77/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の口部と前記口部に連なる胴部とを備えたボトル形状を成し、前記胴部が前記口部よりも薄肉に形成されている合成樹脂製のブロー成形容器と、
前記口部の外周面に装着された環状の固定部と前記固定部に連なる支持部とを備え、前記支持部が前記胴部の底部分にまで延びて前記ブロー成形容器の接地部の一部を構成する支持体とを有し、
前記支持体を装着した合成樹脂製のプリフォームをブロー成形することで前記ブロー成形容器と前記支持体とが一体化されており、
前記プリフォームは、筒状の前記口部と、前記口部の下端に一体に連なりブロー成形により延伸される有底円筒状の延伸部とを備えた略試験管形状のものであり、
前記支持部が、それぞれ互いに周方向に間隔を空けて並ぶ複数の環状枠片で構成されており、
それぞれの前記環状枠片が、
前記固定部から前記胴部の外周面に沿って前記胴部の底部分にまで延びる第1枠片部と、
前記第1枠片部と前記固定部の軸線との間において前記固定部から前記胴部の底部分にまで延びる第2枠片部と、
前記胴部の底部分に沿って延びるとともに前記第1枠片部と前記第2枠片部とに一体に連なる第3枠片部と、を備え、
前記環状枠片の内側領域において、前記ブロー成形容器の外側面同士が密着していることを特徴とする支持体付き容器。
【請求項2】
前記固定部が、前記口部の外周面に一体に設けられた鍔部と前記胴部との間に装着されている、請求項1に記載の支持体付き容器。
【請求項3】
前記第1枠片部に、前記第1枠片部を前記固定部の軸線に垂直な方向に貫通する貫通孔が設けられ、
前記ブロー成形容器の一部が前記貫通孔に配置されている、請求項1または2に記載の支持体付き容器。
【請求項4】
前記支持体の少なくとも一部が、前記胴部の外周面に設けられた溝部に配置されている、請求項1~の何れか1項に記載の支持体付き容器。
【請求項5】
前記支持体の少なくとも一部が、前記胴部に埋設されている、請求項1~の何れか1項に記載の支持体付き容器。
【請求項6】
請求項1~の少なくとも何れか1項に記載の支持体付き容器の製造方法であって、
合成樹脂材料を射出成形して、筒状の口部と前記口部の下端に一体に連なりブロー成形により延伸される有底円筒状の延伸部とを備えた略試験管形状のプリフォームを形成する工程と、
合成樹脂材料を射出成形して、環状の固定部と前記固定部に連なる支持部とを備え、前記支持部が、それぞれ互いに周方向に間隔を空けて並ぶ複数の環状枠片で構成されている支持体を形成する工程と、
前記口部に前記固定部を嵌合させて前記支持体を前記プリフォームに装着する工程と、
前記支持体が装着された前記プリフォームをブロー成形する工程と、を有することを特徴とする支持体付き容器の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、支持体付き容器及びその製造方法に関する。
に関する。
【背景技術】
【0002】
シャンプー、リンス、液体石鹸、化粧水などの化粧料、薬品あるいは食品調味料などを内容物として収容する容器として、容器本体の口部に押下げヘッドを備えたポンプディスペンサーを装着し、押下げヘッドを押下げ操作することで内容物を容易に取り出すことができるようにしたものが知られている。
【0003】
一方で、上記内容物を収容する詰替え用の容器として、例えば、樹脂製のシート材を貼り合わせて袋状に形成したパウチ容器、薄肉の延伸ポリプロピレン(OPP)製の容器、押出ブロー成形法(EBM)により胴部を薄肉に形成した合成樹脂製のボトル容器などの、薄肉化により樹脂材料を減少させた環境対応型の容器が知られている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2016-11148号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ポンプディスペンサーを装着して使用される容器にも、環境対応のために薄肉化が求められている。しかし、特許文献1に示されるような薄肉容器は、容器単体では強度が低く、押下げヘッドの押下げ操作力を支持することができないため、押下げヘッドを備えたポンプディスペンサーを使用することができないという問題点を有していた。
【0006】
本発明は、このような問題点を解決することを課題とするものであり、その目的は、薄肉でありながらポンプディスペンサーを装着して使用することが可能な支持体付き容器及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の支持体付き容器は、筒状の口部と前記口部に連なる胴部とを備えたボトル形状を成し、前記胴部が前記口部よりも薄肉に形成されている合成樹脂製のブロー成形容器と、前記口部の外周面に装着された環状の固定部と前記固定部に連なる支持部とを備え、前記支持部が前記胴部の底部分にまで延びて前記ブロー成形容器の接地部の一部を構成する支持体とを有し、前記支持体を装着した合成樹脂製のプリフォームをブロー成形することで前記ブロー成形容器と前記支持体とが一体化されており、前記プリフォームは、筒状の前記口部と、前記口部の下端に一体に連なりブロー成形により延伸される有底円筒状の延伸部とを備えた略試験管形状のものであり、前記支持部が、それぞれ互いに周方向に間隔を空けて並ぶ複数の環状枠片で構成されており、それぞれの前記環状枠片が、前記固定部から前記胴部の外周面に沿って前記胴部の底部分にまで延びる第1枠片部と、前記第1枠片部と前記固定部の軸線との間において前記固定部から前記胴部の底部分にまで延びる第2枠片部と、前記胴部の底部分に沿って延びるとともに前記第1枠片部と前記第2枠片部とに一体に連なる第3枠片部と、を備え、前記環状枠片の内側領域において、前記ブロー成形容器の外側面同士が密着していることを特徴とする。
【0008】
本発明の支持体付き容器は、上記構成において、前記固定部が、前記口部の外周面に一体に設けられた鍔部と前記胴部との間に装着されているのが好ましい。
【0011】
本発明の支持体付き容器は、上記構成において、前記第1枠片部に、前記第1枠片部を前記固定部の軸線に垂直な方向に貫通する貫通孔が設けられ、前記ブロー成形容器の一部が前記貫通孔に配置されているのが好ましい。
【0015】
本発明の支持体付き容器は、上記構成において、前記支持体の少なくとも一部が、前記胴部の外周面に設けられた溝部に配置されているのが好ましい。
【0016】
本発明の支持体付き容器は、上記構成において、前記支持体の少なくとも一部が、前記胴部に埋設されているのが好ましい。
【0017】
本発明の支持体付き容器の製造方法は、上記何れかの支持体付き容器の製造方法であって、合成樹脂材料を射出成形して、筒状の口部と前記口部に連なる延伸部とを備えたプリフォームを形成する工程と、合成樹脂材料を射出成形して、環状の固定部と前記固定部に連なる支持部とを備え、前記支持部が、それぞれ互いに周方向に間隔を空けて並ぶ複数の環状枠片で構成されている支持体を形成する工程と、前記口部に前記固定部を嵌合させて前記支持体を前記プリフォームに装着する工程と、前記支持体が装着された前記プリフォームをブロー成形する工程と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、薄肉でありながらポンプディスペンサーを装着して使用することが可能な支持体付き容器及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】第1の実施形態に係る支持体付き容器の正面視での半断面図である。
図2図1に示す支持体付き容器の側面視での半断面図である。
図3図1に示す支持体付き容器の平面図である。
図4図1におけるA-A線に沿う断面図である。
図5】(a)は、胴部の両側を凹ませた状態の支持体付き容器の平面図であり、(b)は、それぞれ胴部の両側を凹ませた状態の複数の支持体付き容器を重ねて配置した状態を示す図である。
図6】胴部の片側を反転させた状態の支持体付き容器の平面図である。
図7図1に示す支持体付き容器を製造するためのプリフォーム組立体の正面視での半断面図である。
図8】(a)は、第2の実施形態に係る支持体付き容器の正面視での半断面図であり、(b)は、同図(a)におけるB-B線に沿う断面図である。
図9】(a)は、図8に示す支持体付き容器を製造するためのプリフォーム組立体の正面視での半断面図であり、(b)は、同図(a)におけるC-C線に沿う断面図である。
図10】(a)は、図8に示す支持体付き容器の変形例の正面視での半断面図であり、(b)は、同図(a)におけるD-D線に沿う断面図である。
図11】(a)は、図10に示す支持体付き容器を製造するためのプリフォーム組立体の正面視での半断面図であり、(b)は、同図(a)におけるE-E線に沿う断面図である。
図12】(a)は、第3の実施形態に係る支持体付き容器の正面視での半断面図であり、(b)は、同図(a)におけるF-F線に沿う断面図である。
図13】(a)は、図12に示す支持体付き容器を製造するためのプリフォーム組立体の正面視での半断面図であり、(b)は、同図(a)におけるG-G線に沿う断面図である。
図14】(a)は、図12に示す支持体付き容器の変形例の正面視での半断面図であり、(b)は、同図(a)におけるH-H線に沿う断面図である。
図15】(a)は、図14に示す支持体付き容器を製造するためのプリフォーム組立体の正面視での半断面図であり、(b)は、同図(a)におけるI-I線に沿う断面図である。
図16】(a)は、図14に示す支持体付き容器のさらに変形例の正面視での半断面図であり、(b)は、同図(a)におけるJ-J線に沿う断面図である。
図17】(a)は、図16に示す支持体付き容器を製造するためのプリフォーム組立体の正面視での半断面図であり、(b)は、同図(a)におけるK-K線に沿う断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本実施の形態に係る支持体付き容器を、より具体的に例示説明する。
【0021】
図1図4に示す第1の実施形態に係る支持体付き容器1は、例えば、シャンプー、リンス、液体石鹸、化粧水などの化粧料、薬品あるいは食品調味料などを内容物として収容する用途に用いることができるものである。支持体付き容器1は、押下げヘッドを備えたポンプディスペンサーが装着され、押下げヘッドを押下げ操作することで内容物を取り出すことができるポンプ付き容器として使用することができる。
【0022】
支持体付き容器1は、合成樹脂製のブロー成形容器10と合成樹脂製の支持体20とを有している。本実施の形態においては、ブロー成形容器10と支持体20は共にポリエチレンテレフタレート樹脂製となっており、ブロー成形容器10と支持体20は互いに溶着して一体化されている。
【0023】
なお、本明細書及び特許請求の範囲においては、上下方向は、図1図2に示すように、支持体付き容器1を正立姿勢とした状態における上下方向を意味するものとし、径方向は、支持体付き容器1の軸線Oを通るとともに軸線Oに垂直な方向を意味するものとする。
【0024】
ブロー成形容器10は支持体付き容器1の容器本体を成すものであり、口部11と、口部11の下端に一体に連なる胴部12とを備えたボトル形状となっている。
【0025】
図3に示すように、口部11は支持体付き容器1の軸線Oを中心とした円筒状となっており、その外周面には雄ネジ11aが一体に設けられている。ポンプディスペンサーの装着筒部を雄ネジ11aにネジ結合させることにより、口部11にポンプディスペンサーを装着することができる。
【0026】
図1図2に示すように、口部11の雄ネジ11aよりも下方側における外周面には鍔部11bが一体に設けられている。鍔部11bはネックリングとも呼ばれるものであり、口部11の外周面から径方向外側に向けて突出するとともに口部11の全周に亘って延びる円環状に形成されている。
【0027】
口部11の鍔部11bの下方側の部分は大径部11cとなっている。大径部11cの外径は、口部11の雄ネジ11aが設けられている部分の外径よりも大きく、鍔部11bの外径よりも小さくなっている。
【0028】
本実施の形態では、口部11は円筒状となっているが、筒状であれば、例えば角筒状や楕円筒状等とすることもできる。この場合、口部11の外周面に、雄ネジ11aに替えて装着筒部を打栓により装着するためのアンダーカット係合用の突起を設けた構成とすることができる。
【0029】
胴部12は、口部11の大径部11cの下端に一体に連なるとともに径方向外側に向けて拡がる肩部分12aと、肩部分12aの外周縁に一体に連なる略円筒状の胴本体部分12bと、胴本体部分12bの下端に一体に連なって胴本体部分12bの下端を閉塞する底部分12cとを有している。図2に示すように、胴部12の底部分12cの一部は、環状の接地部13を構成しており、接地部13を支持面に当接させることでブロー成形容器10を起立姿勢で支持面に配置することができる。
【0030】
胴部12は前記口部11よりも薄肉となっており、上下方向及び径方向に変形することができる。
【0031】
ここで、胴部12の肉厚は、例えば、口部11にポンプディスペンサーを装着し、接地部13を支持面に当接させてブロー成形容器10を起立姿勢に配置した状態で押下げヘッドを押下げ操作したときに、胴部12が押下げヘッドに加えられる押下げ力に抗することができずに上下方向に押し潰される程度の厚みに形成されたものとすることができる。この場合、胴部12は、例えば袋状に形成されて、上下方向及び径方向に変形自在であるとともに変形後に自身の弾性力によっては元の形状に復元しない程度の肉厚に形成されたものとしてもよく、あるいは、上下方向及び径方向に変形自在であるが、変形後に自身の弾性力によって元の形状に復元することができる程度の肉厚に形成されたものとしてもよい。
【0032】
支持体20は、ポリエチレンテレフタレート樹脂の射出成形品となっており、固定部21と支持部22とを一体に備えている。
【0033】
固定部21は円環状に構成されており、鍔部11bと胴部12の肩部分12aとの間において、ブロー成形容器10の口部11の大径部11cの外周面に嵌合するように装着されている。固定部21は、上端面が鍔部11bに当接し、下端面が肩部分12aに当接することで、口部11ないし胴部12に対して上下方向に移動できないように固定されている。
【0034】
支持部22は、固定部21の軸線Oを挟んだ一方側に一体に連なるとともに固定部21から胴部12の外周面に沿って胴部12の底部分12cにまで延びる第1枠部22aと、固定部21の軸線Oを挟んだ他方側に一体に連なるとともに固定部21から胴部12の外周面に沿って胴部12の底部分12cにまで延びる第2枠部22bと、胴部12の底部分12cに沿って延びるとともに第1枠部22aと第2枠部22bとに一体に連なる第3枠部22cと、を備えた環状の枠体に構成されている。第1枠部22aと第2枠部22bは、軸線Oを挟んで互いに対称に配置されている。
【0035】
胴部12の外周面には、胴本体部分12bから底部分12cに亘って胴部12の内側に向けて凹む溝部14が設けられており、胴本体部分12bにおいて第1枠部22a及び第2枠部22bは溝部14の内部に配置され、底部分12cにおいて第3枠部22cは溝部14の内部に配置されている。図3に示すように、溝部14の内部に配置された第1枠部22a及び第2枠部22bのそれぞれの径方向外側を向く外面は胴本体部分12bの溝部14が設けられていない部分の外周面と同一面状である。また、溝部14の内部に配置された第3枠部22cの下側を向く外面は底部分12cの溝部14に隣接する部分の外面と同一面状である。
【0036】
第3枠部22cの第1枠部22aと連なる部分及び第2枠部22bと連なる部分は、それぞれ接地部23となっている。接地部23は、第3枠部22cの底部分12cの中央に配置される部分よりも下方に向けて突出しており、ブロー成形容器10の底部分12cに設けられた接地部13と同一面状となっている。すなわち、第3枠部22cに設けられた接地部23は、ブロー成形容器10の接地部13とともにブロー成形容器10ないし支持体付き容器1の接地部を構成している。したがって、支持体付き容器1を支持面に起立姿勢で配置すると、ブロー成形容器10の接地部13に加えて支持体20の接地部23が支持面に当接する。
【0037】
支持体20の軸線Oに沿う上下方向の荷重に対する強度は、ブロー成形容器10の胴部12の軸線Oに沿う上下方向の荷重に対する強度よりも大きくなっている。
【0038】
口部11に押下げヘッドを備えたポンプディスペンサーを装着した支持体付き容器1を正立姿勢で支持面に配置し、押下げヘッドを押下げ操作すると、口部11に軸線Oに沿う下向きの荷重が加わる。このとき、下向きの荷重は、口部11から胴部12に加えられるとともに鍔部11bを介して口部11に装着された固定部21にも加えられる。よって、当該下向きの荷重は、胴部12に加えて、胴部12よりも軸線Oに沿う上下方向の荷重に対する強度が大きい支持体20によっても支持される。
【0039】
このように、上記構成を有する支持体付き容器1によれば、環境対応を考慮して胴部12を押下げヘッドの押下げ操作による下向き荷重を支持できない程度の薄肉に形成した場合であっても、口部11に装着されたポンプディスペンサーの押下げヘッドが押下げ操作されたときに加わる下向きの荷重を、胴部12に加えて支持体20によっても支持することで、支持体付き容器1を、押下げヘッドを押下げ操作したとき加わる軸線Oに沿う下向きの荷重に耐え得る強度を有するものとして、胴部12が下向きの荷重により押し潰されることを防止することができる。これにより、支持体付き容器1を、胴部12を薄肉化することで使用樹脂材料を低減して環境対応性を高めつつ、口部11にポンプディスペンサーを装着して使用することが可能なものとすることができる。
【0040】
支持体付き容器1は、ブロー成形容器10と支持体20の色を互いに相違させた構成とすることもできる。これにより、支持体付き容器1に加飾性を付与して、その美観を高めることができる。
【0041】
また、上記構成を有する支持体付き容器1では、胴部12は薄肉に形成されて変形自在であるので、図5(a)に示すように、胴部12の支持部22が設けられていない部分の軸線Oを挟んだ両側を内側に反転させるように変形させることができる。これにより、胴部12を減容化して、図5(b)に示すように、多数の支持体付き容器1を輸送する際のスペース効率を高めることができる。また、胴部12に内容物を充填した後、内容物の注出に伴って胴部12を減容化させる構成とすることができる。
【0042】
なお、図6に示すように、胴部12の支持部22が設けられていない部分の軸線Oを挟んだ一方側を、支持部22を基準として胴部12の軸線Oを挟んだ他方側に向けて反転させることにより、胴部12を減容化させるようにしてもよい。
【0043】
また、本実施の形態では、ブロー成形容器10及び支持体20を、それぞれポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)製としたので、ブロー成形容器10を軽量で透明性が高く、且つリサイクル性の高い容器としつつ、廃棄時にブロー成形容器10と支持体20とを分別する必要を無くすことができる。
【0044】
上記構成を有する支持体付き容器1は、図7に示すプリフォーム組立体30をブロー成形して製造される。プリフォーム組立体30は、ブロー成形容器10を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製のプリフォーム31に、ブロー成形容器10に装着されているものと同一の構成ないし形状の支持体20を装着したものである。
【0045】
プリフォーム31は、射出成形型を用いてポリエチレンテレフタレート樹脂を射出成形することにより、ブロー成形容器10の口部11と同一形状の口部11と、口部11の下端に一体に連なりブロー成形により延伸される有底円筒状の延伸部31aとを有する略試験管形状に形成されている。延伸部31aの外径は、口部11の大径部11cの外径と同一となっている。なお、プリフォーム31は、ブロー成形容器10と同一形状の口部11を有しているので、プリフォーム31においても口部11を構成する各部に図1と同一の符号を付してある。
【0046】
支持体20は、射出成形型を用いてポリエチレンテレフタレート樹脂を射出成形することにより、ブロー成形容器10に装着されているものと同一形状に形成されている。
【0047】
次に、支持体付き容器1の製造方法について説明する。
【0048】
まず、合成樹脂材料を射出成形して、筒状の口部11と口部11に連なる延伸部31aとを備えたプリフォーム31を形成する。
【0049】
また、合成樹脂材料を射出成形して、環状の固定部21と固定部21に連なる支持部22とを備えた支持体20を形成する。
【0050】
プリフォーム31及び支持体20は、プリフォーム組立体30を製造する前に予め形成されていればよく、その形成の順序は問わない。
【0051】
プリフォーム31と支持体20とが用意されると、次に、プリフォーム31の口部11に固定部21を嵌合させて支持体20をプリフォーム31に装着してプリフォーム組立体30を製造する。このとき、固定部21は延伸部31aの下端側から大径部11cの外周面に嵌合され、鍔部11bに当接して軸方向に位置決めされる。
【0052】
次に、プリフォーム31を所定の温度にまで加熱した後、プリフォーム組立体30をブロー成形用の金型(不図示)に装着する。プリフォーム組立体30が金型に装着された状態において、支持体20の支持部22は、その外側を向く外面が金型のキャビティの内面に当接するように配置される。そして、金型を型締めし、口部11を通してプリフォーム31の内部に加圧エアー等の加圧流体を供給してプリフォーム31をブロー成形する。
【0053】
なお、ブロー成形においてプリフォーム31の内部に供給する加圧流体としては、加圧エアーに限らず、加圧した液体を使用することもできる。この場合、液体として、最終的にブロー成形容器10に充填される内容物を用いることもできる。
【0054】
ブロー成形により、プリフォーム31の延伸部31aが金型のキャビティの内面に沿った所定の形状に成形され、ブロー成形容器10が形成される。このとき、上記の通り、支持体20の支持部22は、その外側を向く外面が金型のキャビティの内面に当接するように配置されているので、ブロー成形において延伸部31aが支持部22に沿って支持部22を内側から覆うように成形されて、ブロー成形容器10の胴部12の外周面には、支持部22が配置される溝部14が形成される。
【0055】
このように、支持体20を装着したプリフォーム31をブロー成形して支持体付き容器1を形成することにより、ブロー成形容器10と支持体20とが互いに溶着して一体化された支持体付き容器1を製造することができる。
【0056】
なお、上記実施の形態では、ブロー成形容器10に装着されているものと同一の形状の支持体20をプリフォーム31に装着し、ブロー成形において支持体20が形状を保ったまま変形しない構成としているが、支持体20の支持部22を、図7に示すものよりも幅及び高さが小さい形状とし、プリフォーム31を所定の温度にまで加熱する際に、支持部22をプリフォーム31とともに所定の温度にまで加熱し、ブロー成形の際に支持部22をプリフォーム31の延伸部31aとともに延伸させて図1に示す形状とする構成としてもよい。当該構成とすることにより、プリフォーム組立体30の金型への設置作業を容易にすることができる。
【0057】
図8(a)は、第2の実施形態に係る支持体付き容器の正面視での半断面図であり、図8(b)は、図8(a)におけるB-B線に沿う断面図である。図9(a)は、図8に示す支持体付き容器を製造するためのプリフォーム組立体の正面視での半断面図であり、図9(b)は、図9(a)におけるC-C線に沿う断面図である。なお、図8図9において、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
【0058】
第2の実施形態に係る支持体付き容器2では、支持体20を構成する支持部22は、軸線Oを挟んで配置される一対の環状枠片24で構成されている。
【0059】
それぞれの環状枠片24は、固定部21から胴部12の外周面に沿って胴部12の底部分12cにまで延びる第1枠片部24aと、第1枠片部24aと軸線Oとの間において固定部21から胴部12の底部分12cにまで延びる第2枠片部24bと、胴部12の底部分12cに沿って延びるとともに第1枠片部24aと第2枠片部24bとに一体に連なる第3枠片部24cと、を備えている。図8(b)に示すように、一対の環状枠片24は、それぞれの第1枠片部24a及び第2枠片部24bが径方向に沿って一直線上に並ぶように軸線Oを挟んで対称に配置されている。第2枠片部24bは、その径方向内側を向く面が、大径部11cの内周面と同一面状となるように真っ直ぐに延びている。また、第3枠片部24cの一部は、ブロー成形容器10ないし支持体付き容器1の接地部の一部を構成する接地部23となっている。
【0060】
ブロー成形容器10の胴部12の外側面(外周面)は、環状枠片24が設けられている部分において径方向内側に向けて折り込まれており、それぞれの環状枠片24は当該折り込まれた部分において胴部12の外側面に挟まれている。また、胴部12の当該折り込まれた部分においては、環状枠片24の第1枠片部24a、第2枠片部24b及び第3枠片部24cにより区画される内側領域Aにおいて、胴部12の外側面同士が密着している。このような構成により、それぞれの環状枠片24はブロー成形容器10の胴部12に強固に保持されている。
【0061】
したがって、上記構成を有する支持体付き容器2によれば、胴部12を薄肉化することで使用樹脂材料を低減して環境対応性を高めつつ、口部11にポンプディスペンサーを装着して使用することが可能なものとすることができるという効果を生じさせることができるとともに、支持体20の支持強度をより高めることができ、また、支持体20をより確実にブロー成形容器10に固定保持させることができる。
【0062】
上記構成を有する支持体付き容器2は、図9に示すプリフォーム組立体30をブロー成形して製造される。プリフォーム組立体30は、ブロー成形容器10を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製のプリフォーム31に、図8に示すブロー成形容器10に装着されているものと同一の、一対の環状枠片24を備えた構成ないし形状の支持体20を装着したものである。支持体20の環状枠片24は、第2枠片部24bの径方向内側を向く面が、大径部11cの内周面と同一面状となるように真っ直ぐに延びた形状となっているので、固定部21を延伸部31aの下端側から大径部11cの外周面に嵌合させて支持体20をプリフォーム31に装着することができる。そして、図7に示す場合と同様の手順で図9に示すプリフォーム組立体30を製造し、そのプリフォーム組立体30をブロー成形用の金型に配置し、プリフォーム31に加圧流体を供給してブロー成形を行うことで、図8に示すように、一対の環状枠片24が胴部12の折込み部分に挟み込まれるとともに環状枠片24の内側領域Aにおいて胴部12の外側面が互いに密着した構成の支持体付き容器2を製造することができる。
【0063】
支持体付き容器2は、支持部22が一対の環状枠片24を有する構成に限らず、3つ以上の環状枠片24が周方向に間隔を空けて並べて配置された構成とすることもできる。
【0064】
図10(a)は、図8に示す支持体付き容器の変形例の正面視での半断面図であり、図10(b)は、図10(a)におけるD-D線に沿う断面図である。また、図11(a)は、図10に示す支持体付き容器を製造するためのプリフォーム組立体の正面視での半断面図であり、図10(b)は、図10(a)におけるE-E線に沿う断面図である。なお、図10図11において、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
【0065】
支持部22を、軸線Oを挟んで配置される一対の環状枠片24を有する構成とした場合には、図10に示すように、第1枠片部24aに、第1枠片部24aを軸線Oに垂直な方向に貫通する貫通孔24dを設け、ブロー成形容器10の一部を貫通孔24dに配置した構成とすることもできる。ブロー成形容器10の一部が第1枠片部24aに設けられた貫通孔24dに配置されることにより、第1枠片部24aを胴部12に強固に固定保持させることができる。したがって、ブロー成形容器10と支持体20とを、互いに溶着しない異なる合成樹脂材料で形成した場合であっても、支持部22を胴部12に一体化させることができる。
【0066】
図10に記載の構成を有する支持体付き容器2は、図11に示すプリフォーム組立体30をブロー成形して製造される。プリフォーム組立体30は、ブロー成形容器10を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製のプリフォーム31に、図10に示すブロー成形容器10に装着されているものと同一の構成ないし形状の支持体20を装着したものである。そして、図7に示す場合と同様の手順で図11に示すプリフォーム組立体30を製造し、そのプリフォーム組立体30をブロー成形用の金型に配置し、プリフォーム31に加圧流体を供給してブロー成形を行うことで、図10に示すように、一対の環状枠片24が胴部12の折込み部分に挟み込まれ、環状枠片24の内側領域Aにおいて胴部12の外側面が互いに密着するとともに、胴部12の外側面の一部がブロー成形において貫通孔24dに入り込んで当該貫通孔24dに配置された構成の支持体付き容器2を製造することができる。
【0067】
なお、支持体付き容器2は、支持部22が一対の環状枠片24を有する構成に限らず、3つ以上の環状枠片24が周方向に間隔を空けて並べて配置された構成とすることもできる。
【0068】
図12(a)は、第3の実施形態に係る支持体付き容器の正面視での半断面図であり、図12(b)は、図12(a)におけるF-F線に沿う断面図である。また、図13(a)は、図12に示す支持体付き容器を製造するためのプリフォーム組立体の正面視での半断面図であり、図13(b)は、図13(a)におけるG-G線に沿う断面図である。なお、図12図13において、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
【0069】
支持体20を構成する支持部22は、それぞれ径方向に沿って配置されるとともに互いに周方向に間隔を空けて並ぶ複数枚の板片25を備えた構成とすることもできる。図12には、第3の実施形態に係る支持体付き容器3として、支持体20を構成する支持部22が軸線Oを挟んで配置される2枚の板片25で構成されている場合を示す。
【0070】
2枚の板片25は、それぞれ径方向内側を向く面が大径部11cの内周面と同一面状となるように軸線Oと平行に真っ直ぐに固定部21から底部分12cにまで延び、径方向外側を向く面が胴部12の外周面に沿って軸線Oと平行に真っ直ぐに肩部分12aから底部分12cにまで延び、上方を向く面が肩部分12aに沿って延び、下方を向く面が底部分12cに沿って延びる平らな板状に形成されており、下方を向く面の一部が接地部23となっている。
【0071】
それぞれの板片25は、ブロー成形容器10の胴部12に設けられた溝部14に配置され、その径方向外側を向く面は胴部12の外周面と同一面状となっている。
【0072】
上記の通り、支持体20を構成する支持部22を板片25で構成することにより、支持部22を環状枠片24で構成した場合に比べて、支持部22の下向きの荷重に対する強度をより高めることができる。これにより、口部11に装着されたポンプディスペンサーの押下げヘッドが押下げ操作されたときに加わる下向きの荷重を支持体20によって、より確実に支持することができる。
【0073】
支持体付き容器3は、板片25に加装部26を設けた構成とすることもできる。加装部26は、例えば、板片25の表面に文字、図柄等の彫刻を施すことで設けることができる。この場合、彫刻の凸部にホットスタンプ法による印刷を施すこともできる。なお、加装部26は、彫刻により設ける方法に限らず、ラベル(シール)を貼付して設ける方法、各種の印刷により設ける方法等を採用することもできる。板片25に加装部26を設けるとともに、ポリエチレンテレフタレート樹脂等の透明な材質でブロー成形容器10を構成することにより、ブロー成形容器10の外側から板片25に設けた加装部26が透けて視認できる構成として、支持体付き容器1の加飾性ないし美観を高めることができる。
【0074】
また、支持体付き容器3においても、ブロー成形容器10と支持体20の色を互いに相違させた構成とすることもできる。これにより、支持体付き容器1に加飾性を付与して、その美観を高めることができる。
【0075】
図12に記載の構成を有する支持体付き容器3は、図13に示すプリフォーム組立体30をブロー成形して製造される。プリフォーム組立体30は、ブロー成形容器10を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製のプリフォーム31に、図12に示すブロー成形容器10に装着されているものと同一の一対の板片25を備えた構成ないし形状の支持体20を装着したものである。そして、図7に示す場合と同様の手順で図13に示すプリフォーム組立体30を製造し、そのプリフォーム組立体30をブロー成形用の金型に配置し、プリフォーム31に加圧流体を供給してブロー成形を行うことで、図12に示すように、一対の板片25が胴部12の溝部14に配置された構成の支持体付き容器3を製造することができる。
【0076】
図14(a)は、図12に示す支持体付き容器の変形例の正面視での半断面図であり、図14(b)は、図14(a)におけるH-H線に沿う断面図である。また、図15(a)は、図14に示す支持体付き容器を製造するためのプリフォーム組立体の正面視での半断面図であり、図15(b)は、図15(a)におけるI-I線に沿う断面図である。なお、図12図13において、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
【0077】
支持体付き容器3は、図14に示すように、支持部22が、周方向に等間隔に並ぶ4枚の板片25を有する構成とすることもできる。この構成により、支持部22を一対の板片25を有する構成とした場合に比べて、支持部22の下向きの荷重に対する強度をより高めることができる。また、この構成によれば、支持体付き容器1の接地部には、周方向に均等に並ぶ4つの接地部23が設けられることになるので、支持体付き容器1を正立姿勢で配置したときの安定性を高めることができる。さらに、この構成によれば、胴部12が4枚の板片25により区画されて、平面視で4つの花弁を有する花様の形態となるので、支持体付き容器1の外観の美観を高めることができる。
【0078】
図14に記載の構成を有する支持体付き容器3は、図15に示すプリフォーム組立体30をブロー成形して製造される。プリフォーム組立体30は、ブロー成形容器10を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製のプリフォーム31に、図14に示すブロー成形容器10に装着されているものと同一の4つの板片25を備えた構成ないし形状の支持体20を装着したものである。そして、図7に示す場合と同様の手順で図15に示すプリフォーム組立体30を製造し、そのプリフォーム組立体30をブロー成形用の金型に配置し、プリフォーム31に加圧流体を供給してブロー成形を行うことで、図14に示すように、4つの板片25が胴部12の溝部14に配置された構成の支持体付き容器3を製造することができる。
【0079】
図16(a)は、図14に示す支持体付き容器のさらに変形例の正面視での半断面図であり、図16(b)は、図16(a)におけるJ-J線に沿う断面図である。また、図17(a)は、図16に示す支持体付き容器を製造するためのプリフォーム組立体の正面視での半断面図であり、図17(b)は、図17(a)におけるK-K線に沿う断面図である。なお、図12図13において、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付してある。
【0080】
支持体付き容器3は、図16に示すように、4つの板片25のそれぞれが、胴本体部分12bの外周面よりも径方向内側に埋設された構成とすることもできる。すなわち、図16に示す変形例の支持体付き容器3においては、4つの板片25の径方向外側を向く面は、胴部12の胴本体部分12bの外周面よりも径方向内側に配置され、4つの板片25の径方向外側を向く面と胴本体部分12bの外周面との間において、胴本体部分12bの外側を向く外側面は互いに密着している。すなわち、4つの板片25は、胴本体部分12bの径方向内側に向けて折り込まれた部分に覆われた状態となって胴部12に埋設されている。なお、それぞれの板片25の下端は胴部12の底部分12cから外部に露出しており、当該露出した部分に接地部23が設けられている。また、それぞれの板片25の上端も肩部分12aにおいて外部に露出している。
【0081】
図16に示す変形例の支持体付き容器3によれば、胴本体部分12bの外周面に板片25が露出しない構成として、支持体付き容器3の外観をシンプルで美観の高いものとすることができる。
【0082】
なお、4つの板片25のそれぞれ少なくとも一部のみを胴部12に埋設された構成とすることもできる。
【0083】
図16に記載の構成を有する支持体付き容器3は、図17に示すプリフォーム組立体30をブロー成形して製造される。プリフォーム組立体30は、ブロー成形容器10を形成するためのポリエチレンテレフタレート樹脂製のプリフォーム31に、図16に示すブロー成形容器10に装着されているものと同一の4つの板片25を備えた構成ないし形状の支持体20を装着したものである。そして、図7に示す場合と同様の手順で図17に示すプリフォーム組立体30を製造し、そのプリフォーム組立体30をブロー成形用の金型に配置し、プリフォーム31に加圧流体を供給してブロー成形を行うことで、図16に示すように、4つの板片25が胴部12に埋設された構成の支持体付き容器3を製造することができる。
【0084】
なお、支持体付き容器3は、支持部22が一対または4つの板片25を有する構成に限らず、3つ乃至5つ以上の板片25が周方向に間隔を空けて並べて配置された構成とすることもできる。
【0085】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【0086】
例えば、前記実施の形態においては、ブロー成形容器10と支持体20とを、共にポリエチレンテレフタレート製としたが、これらを例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)やポリエチレン樹脂(PE)等の他の合成樹脂材料で形成することもできる。
【0087】
また、前記実施の形態においては、ブロー成形容器10と支持体20とを同一の合成樹脂材料で形成するようにしているが、これに限らず、ブロー成形容器10と支持体20とを異なる合成樹脂材料で形成し、内容物を注出して空となった支持体付き容器1、2、3を破棄する際に、支持体20をブロー成形容器10から容易に取り外すことができる構成とすることもできる。
【0088】
さらに、支持体付き容器1、2、3は、口部11にポンプディスペンサー以外の注出具を装着して使用されるものであってもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 支持体付き容器
2 支持体付き容器
3 支持体付き容器
10 ブロー成形容器
11 口部
11a 雄ネジ
11b 鍔部
11c 大径部
12 胴部
12a 肩部分
12b 胴本体部分
12c 底部分
13 接地部
14 溝部
20 支持体
21 固定部
22 支持部
22a 第1枠部
22b 第2枠部
22c 第3枠部
23 接地部
24 環状枠片
24a 第1枠片部
24b 第2枠片部
24c 第3枠片部
24d 貫通孔
25 板片
26 加装部
30 プリフォーム組立体
31 プリフォーム
31a 延伸部
O 軸線
A 内側領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17