(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】シート止着具
(51)【国際特許分類】
A44B 13/00 20060101AFI20221212BHJP
A47C 31/02 20060101ALI20221212BHJP
B68G 7/05 20060101ALI20221212BHJP
B60N 2/58 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
A44B13/00
A47C31/02 B
B68G7/05 B
B60N2/58
(21)【出願番号】P 2020520981
(86)(22)【出願日】2018-05-25
(86)【国際出願番号】 JP2018020133
(87)【国際公開番号】W WO2019225001
(87)【国際公開日】2019-11-28
【審査請求日】2020-07-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000006828
【氏名又は名称】YKK株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100187193
【氏名又は名称】林 司
(74)【代理人】
【識別番号】100181766
【氏名又は名称】小林 均
(72)【発明者】
【氏名】足立 武文
【審査官】金丸 治之
(56)【参考文献】
【文献】特許第5740480(JP,B2)
【文献】実開平03-087498(JP,U)
【文献】特開昭61-191307(JP,A)
【文献】実開昭63-194605(JP,U)
【文献】特開2009-148407(JP,A)
【文献】実公平06-035721(JP,Y2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A44B 13/00
A47C 31/02
B68G 7/05
B60N 2/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1シート部材(6) のシート辺縁部(6a)に固定される長尺の第1止着部材(10,50) と、第2シート部材(7) のシート辺縁部(7a)に固定される長尺の第2止着部材(20,60) とを有し、前記第1止着部材(10,50) に前記第2止着部材(20,60) が係合することにより前記第1シート部材(6) に前記第2シート部材(7) を止着可能なシート止着具(1,2) であって、
前記第1止着部材(10,50) は、前記第1シート部材(6) に固定される平坦な固定面(11a,51a) を備える第1本体部(11,51) と、前記第1本体部(11,51) の一端部に一体的に設けられるとともに前記第2止着部材(20,60) の一部を内側に収容して係合させる第1係合部(12,52) と、前記第1止着部材(10,50) の長手方向に対して交差する交差方向に沿って形成される複数の第1スリット部(16,56)と、前記第1止着部材(10,50) の長手方向に沿って連続する第1連続部(17,57) とを有し、
複数の前記第1スリット部(16,56) は、前記第1止着部材(10,50) が前記第1本体部(11,51) の前記固定面(11a,51a) に平行な方向に湾曲可能に設けられ、
前記第1止着部材(10,50) を前記第1本体部(11,51) の前記固定面(11a,51a) に対して直交する方向から見たときに、前記第1スリット部(16,56) は、前記第1止着部材(10,50) における前記第1係合部(12,52) が配されている側の端縁から前記交差方向に沿って連続的に形成される複数の係合側第1スリット部(16b,56b) を有し、
前記第2止着部材(20,60) は、前記第2シート部材(7) に固定される平坦な固定面(21a,61a) を備える第2本体部(21,61) と、前記第2本体部(21,61) の一端部から延出するとともに前記第1係合部(12,52) に係合する第2係合部(22,62) と、前記第2止着部材(20,60) の長手方向に対して交差する交差方向に沿って形成される複数の第2スリット部(26,66)と、前記第2止着部材(20,60) の長手方向に沿って連続する第2連続部(27,67) とを有し、
複数の前記第2スリット部(26,66) は、前記第2止着部材(20,60) が前記第2本体部(21,61) の前記固定面(21a,61a) に平行な方向に湾曲可能に設けられ、
前記第2止着部材(20,60) を前記第2本体部(21,61) の前記固定面(21a,61a) に対して直交する方向から見たときに、前記第2連続部(27,67) は、前記第2止着部材(20,60) における前記第2本体部(21,61) が配されている側の端縁部に設けられ、前記第2スリット部(26,66) は、前記第2止着部材(20,60) における前記第2係合部(22,62) が配されている側の端縁から前記交差方向に沿って連続的に形成され、
前記第1スリット部(16,56) の長手方向における寸法を第1スリット幅寸法(W1)とし、長手方向に互いに隣接する前記第1スリット部(16,56) 間の距離を第1スリット離間間隔(D1)とし、前記第2スリット部(26,66) の長手方向における寸法を第2スリット幅寸法(W2)とし、長手方向に互いに隣接する前記第2スリット部(26,66) 間の距離を第2スリット離間間隔(D2)とした場合、前記第1スリット幅寸法(W1)は、前記第2スリット離間間隔(D2)よりも小さく設定され、前記第2スリット幅寸法(W2)は、前記第1スリット離間間隔(D1)よりも小さく設定されている
ことを特徴とするシート止着具。
【請求項2】
前記第1スリット幅寸法(W1)は、50%以上の前記第1スリット部(16,56) において、前記第2スリット離間間隔(D2)よりも小さく設定され、前記第2スリット幅寸法(W2)は、50%以上の前記第2スリット部(26,66) において、前記第1スリット離間間隔(D1)よりも小さく設定されてなる請求項
1記載のシート止着具。
【請求項3】
複数の前記第1スリット部(16,56) と複数の前記第2スリット部(26,66) とは、それぞれ前記第1止着部材(10,50) 及び前記第2止着部材(20,60) の長手方向に一定のピッチ間隔(P1,P2) で形成され、
前記第1スリット部(16,56) の前記ピッチ間隔(P1)と、前記第2スリット部(26,66) の前記ピッチ間隔(P2)とは同じ大きさに設定されてなる、
請求項
1又は2記載のシート止着具。
【請求項4】
前記第1止着部材(10,50) の前記第1係合部(12,52) は、前記第1止着部材(10,50) の長手方向に直交する横断面において略U字状又は略C字状を呈する形状を備え、
前記第1係合部(12,52) に、前記第1係合部(12,52) の内側に配されるとともに前記第2係合部(22,62) の少なくとも一部を収容する収容空間部(13,53) と、前記収容空間部(13,53) に連通する開口部(14,54) とが、前記第1止着部材(10,50) の長手方向に沿って設けられてなる、
請求項1~
3のいずれかに記載のシート止着具。
【請求項5】
前記第1止着部材(10,50) の前記第1連続部(17,57) は、前記第1係合部(12,52) において前記開口部(14,54) に隣接するとともに前記開口部(14,54) を介して互いに対向して配される一対の開口隣接端部(18,58) に少なくとも設けられてなる請求項
4記載のシート止着具。
【請求項6】
前記第1止着部材(10,50) を前記第1本体部(11,51) の前記固定面(11a,51a) に対して直交する方向から見たときに、前記第1スリット部(16,56) は、前記第1止着部材(10,50) における前記第1本体部(11,51) が配されている側の端縁から前記交差方向に沿って連続的に形成される複数の本体側第1スリット部(16a,56a) を有し、
複数の前記本体側第1スリット部(16a,56a) と複数の前記係合側第1スリット部(16b,56b) とは、互いに前記第1止着部材(10,50) の長手方向における同じ位置に形成されてなる、
請求項
1記載のシート止着具。
【請求項7】
前記第2止着部材(20)の前記第2係合部(22)は、前記第2止着部材(20)の長手方向に直交する横断面において略U字状を呈する形状を備え、
前記第2係合部(22)は、前記第2本体部(21)から屈曲して延出する第2基端壁部(22a) と、前記第2基端壁部(22a) から屈曲して延出する第2中間壁部(22b) と、前記第2中間壁部(22b) から屈曲して延出する第2先端壁部(22c) とを有してなる、
請求項1~
6のいずれかに記載のシート止着具。
【請求項8】
前記第2止着部材(60)の前記第2係合部(62)は、前記第2止着部材(60)の長手方向に直交する横断面において略T字状を呈する形状を備え、
前記第2係合部(62)は、前記第2本体部(61)に連結するとともに前記第2本体部(61)に対して傾斜した方向に延びる首部(62a) と、前記首部(62a) の先端部に配されるとともに前記首部(62a) に対して交差方向に延びる係合頭部(62b) と、前記首部(62a) の基端部に配されるとともに前記第1止着部材(50)を当接させる当接部(62c) と、前記当接部(62c) と前記係合頭部(62b) の間に凹設される挿入溝部(62d) とを有してなる、
請求項1~
6のいずれかに記載のシート止着具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一対のシート部材のシート辺縁部同士を止着するシート止着具に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、自動車や鉄道などの車両用の座席は、座面部や背面部、また、ヘッドレストやアームレストなどの部位を有する。これらの座席を形成する各部位は、合成樹脂の発泡体により形成されるクッション体(基材とも言う)と、クッション体の表面を被覆するカバー部材や表皮部材等のシート部材とにより形成されることが多い。
【0003】
また、クッション体にシート部材を被せて取り付ける作業を行う場合、一対のシート部材の対向するシート辺縁部同士を重ね合せて止着することがある。この場合、一方のシート部材のシート辺縁部に、他方のシート部材のシート辺縁部を止着して繋ぎ合わせ、且つ、シート辺縁部同士の止着状態を維持するために、シート止着具が使用される。このようなシート止着具を用いることにより、シート辺縁部同士を止着する作業を比較的簡単に行うことができる。また、シート部材の繋ぎ合わせた部分を比較的綺麗に仕上げることができるため、製品の外観品質が高められる。
【0004】
このようなシート止着具は、上述した車両用の座席の他、航空機や船舶の座席、学校やオフィスビルで使用される座席、運動用器具類のクッション、住居用のソファーやベッドなどの家具類といった表面にシート部材が被せられる製品にも多く使用されている。また、シート止着具は、クッション体等の表面を被覆するシート部材に限らず、テント等の架設物のシート辺縁部の止着、輸送用の梱包物カバーの辺縁部の止着などにも使用されることがある。
【0005】
このようなシート部材に用いられるシート止着具の一例が、例えば特許第5740480号公報(特許文献1)に記載されている。
この特許文献1のシート止着具は、図示を省略するが、第1シート部材のシート辺縁部に固定される合成樹脂製の第1止着部材と、第2シート部材のシート辺縁部に固定される合成樹脂製の第2止着部材とを有する。
【0006】
特許文献1の第1止着部材は、シート辺縁部に固定される第1固定部と、第1固定部の一端部に一体的に設けられる第1係合部とを有する。第1係合部は、第1止着部材の長手方向に直交する断面を見たときに略C字状を呈する形状を備えている。また、第1係合部は、第1本体部から延出するとともに第1本体部と平行に配される第1係合基端部と、第1係合基端部の一端部から曲がりながら延出する第1係合延出部と、第1係合基端部から突出する第1突起部とを有する。一方、第2止着部材は、シート辺縁部に固定される第2固定部と、第2固定部の一端に連続するとともに断面がU字状又はC字状を呈する第2係合部とを有する。
【0007】
このような特許文献1のシート止着具を用いることにより、第1シート部材に第2シート部材を止着する作業を円滑に、また効率的に行うことができる。また特許文献1では、第2止着部材を第1止着部材に一時的に係止する仮保持状態に保持し、その後、仮保持状態の第2止着部材を第1止着部材に向けて回動させることにより、第2止着部材が第1止着部材に本保持状態で係止される。これにより、止着させた第1シート部材及び第2シート部材に皺等を生じ難くして、第1シート部材及び第2シート部材を製品に綺麗に取り付けることができる。
【0008】
また、例えば特許第3863789号公報(特許文献2)には、トリムカバー(シート部材)の端部に取り付けられ、座席のシートフレームに設けられた係止部に係止されるトリムカバー取付部材が記載されている。この特許文献2に記載されているトリムカバー取付部材について、
図22~
図24を参照しながら簡単に説明する。
【0009】
特許文献2のトリムカバー取付部材80は、
図22に示すようなシートクッション90に用いられる。このシートクッション90は、シートフレーム91と、このシートフレーム91に取り付けられるパッド材92と、このパッド材92を被覆するトリムカバー93と等によって形成される。シートフレーム91の先端部はパッド材92よりも突出して形成されており、この突出した先端部に、U字状に曲げられて形成された係止部94が設けられている。一方、トリムカバー93の端末部93aには、トリムカバー取付部材としてのJ字状のフック部材80が縫着されている。
【0010】
特許文献2のフック部材(トリムカバー取付部材)80は、
図23及び
図24に示すように、トリムカバー93の端末部93aが縫着される取付面部81と、この取付面部81に対向して配置されるフック面部82と、フック面部82の上端に設けられたフック83と、取付面部81の下端とフック面部82の下端を繋ぐ底面部84と備えている。
【0011】
フック部材80の一部には、フック面部82の上端が切り欠けられた切欠部85と、取付面部81の一部が打ち抜かれた円形の打抜部86とが設けられている。これらの切欠部85及び打抜部86は、打ち抜き加工によって、フック部材80の長手方向に所定の間隔で複数設けられている。このような切欠部85及び打抜部86が設けられていることにより、フック部材80を、
図24に示したように、トリムカバー93が縫着される取付面部81に対して直交する方向に容易に曲げることが可能となる。
【0012】
このような特許文献2のフック部材(トリムカバー取付部材)80を用いることにより、シートフレーム91のコーナー部の曲がり具合に合わせて、トリムカバー取付部材80をその取付面部81に対して直交する方向に容易に曲げることができる。このため、フック部材80をシートフレーム91のコーナー部に追随させながらシートフレーム91の係止部94に係止させることができる。それによって、トリムカバー93がシートクッション90のコーナー部を被覆できるため、座席のコーナー部における外観品質を向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【文献】特許第5740480号公報
【文献】特許第3863789号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
車両用の座席に、例えば第1シート部材及び第2シート部材などの複数枚のシート部材を繋げて被覆させる場合、座席の形状やデザイン等によっては、第1シート部材のシート辺縁部の一部又は全部と第2シート部材のシート辺縁部の一部又は全部とを、当該シート辺縁部に平行な方向に湾曲させた形態で形成し、更に、その第1シート部材の湾曲させたシート辺縁部に対し、第2シート部材の湾曲させたシート辺縁部を止着することが求められることがある。
【0015】
しかし、例えば前記特許文献1に記載されているシート止着具では、第1シート部材に固定される第1止着部材も、第2シート部材に固定される第2止着部材も、長手方向に直交する横断面が長手方向の全体に亘って一定の形状を呈する長尺の部材であるため、第1止着部材及び第2止着部材を湾曲させることができなかった。このため、第2シート部材の湾曲させたシート辺縁部を、第1シート部材の湾曲させたシート辺縁部に止着する場合には、第1止着部材及び第2止着部材を短く切断し、その切断された小片状の複数の第1止着部材及び第2止着部材を、湾曲させた第1シート部材及び第2シート部材にそれぞれ間欠的に取り付けることによって、シート辺縁部の湾曲部分同士を止着させることが可能となる。
【0016】
しかしこの場合、小片状の複数の第1止着部材及び第2止着部材を第1シート部材及び第2シート部材に取り付ける作業が煩雑になる。また、小片状の複数の第1止着部材及び第2止着部材が間欠的に取り付けられることにより、小片状の第1止着部材及び第2止着部材が取り付けられている部分と取り付けられていない部分とによって比較的大きな凹凸の模様が形成される。このように形成される凹凸の模様は、第2シート部材を第1シート部材に止着したときにシート外面に見え易くなり、その結果、座席の外観品質の低下を招くという問題があった。
【0017】
一方、前記特許文献2に記載されているトリムカバー取付部材(フック部材)80の場合、上述したように、トリムカバー取付部材80の取付面部81に対して直交する方向には曲げることができるものの、トリムカバー取付部材80の形態上、その取付面部81に平行する方向に曲げることができない。従って、前記特許文献2に記載されているトリムカバー取付部材80を用いる場合でも、第1シート部材のシート辺縁部をそのシート辺縁部と平行に湾曲させた部分に対し、第2シート部材の湾曲させたシート辺縁部を止着させる際に、前記特許文献1の場合と同様の問題が生じることが考えられる。
【0018】
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、第1シート部材のシート辺縁部に対し、第2シート部材のシート辺縁部を、第1シート部材のシート辺縁部に平行な方向に湾曲させた状態で止着することが可能で、且つ、その湾曲部分のシート表面に凹凸の模様が表出しないようにする又は表出し難くすることが可能なシート止着具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明により提供されるシート止着具は、第1シート部材のシート辺縁部に固定される長尺の第1止着部材と、第2シート部材のシート辺縁部に固定される長尺の第2止着部材とを有し、前記第1止着部材に前記第2止着部材が係合することにより前記第1シート部材に前記第2シート部材を止着可能なシート止着具であって、前記第1止着部材は、前記第1シート部材に固定される平坦な固定面を備える第1本体部と、前記第1本体部の一端部に一体的に設けられるとともに前記第2止着部材の一部を内側に収容して係合させる第1係合部と、前記第1止着部材の長手方向に対して交差する交差方向に沿って形成される複数の第1スリット部と、前記第1止着部材の長手方向に沿って連続する第1連続部とを有し、複数の前記第1スリット部は、前記第1止着部材が前記第1本体部の前記固定面に平行な方向に湾曲可能に設けられ、前記第1止着部材を前記第1本体部の前記固定面に対して直交する方向から見たときに、前記第1スリット部は、前記第1止着部材における前記第1係合部が配されている側の端縁から前記交差方向に沿って連続的に形成される複数の係合側第1スリット部を有し、前記第2止着部材は、前記第2シート部材に固定される平坦な固定面を備える第2本体部と、前記第2本体部の一端部から延出するとともに前記第1係合部に係合する第2係合部と、前記第2止着部材の長手方向に対して交差する交差方向に沿って形成される複数の第2スリット部と、前記第2止着部材の長手方向に沿って連続する第2連続部とを有し、複数の前記第2スリット部は、前記第2止着部材が前記第2本体部の前記固定面に平行な方向に湾曲可能に設けられ、前記第2止着部材を前記第2本体部の前記固定面に対して直交する方向から見たときに、前記第2連続部は、前記第2止着部材における前記第2本体部が配されている側の端縁部に設けられ、前記第2スリット部は、前記第2止着部材における前記第2係合部が配されている側の端縁から前記交差方向に沿って連続的に形成され、前記第1スリット部の長手方向における寸法を第1スリット幅寸法とし、長手方向に互いに隣接する前記第1スリット部間の距離を第1スリット離間間隔とし、前記第2スリット部の長手方向における寸法を第2スリット幅寸法とし、長手方向に互いに隣接する前記第2スリット部間の距離を第2スリット離間間隔とした場合、前記第1スリット幅寸法は、前記第2スリット離間間隔よりも小さく設定され、前記第2スリット幅寸法は、前記第1スリット離間間隔よりも小さく設定されていることを特徴とするものである。
【0024】
本発明のシート止着具において、前記第1スリット幅寸法は、50%以上の前記第1スリット部において、前記第2スリット離間間隔よりも小さく設定され、前記第2スリット幅寸法は、50%以上の前記第2スリット部において、前記第1スリット離間間隔よりも小さく設定されていることが更に好ましい。
【0025】
更に、複数の前記第1スリット部と複数の前記第2スリット部とは、それぞれ前記第1止着部材及び前記第2止着部材の長手方向に一定のピッチ間隔で形成され、前記第1スリット部の前記ピッチ間隔と、前記第2スリット部の前記ピッチ間隔とは同じ大きさに設定されていることが好ましい。
【0026】
また本発明のシート止着具において、前記第1止着部材の前記第1係合部は、前記第1止着部材の長手方向に直交する横断面において略U字状又は略C字状を呈する形状を備え、前記第1係合部に、前記第1係合部の内側に配されるとともに前記第2係合部の少なくとも一部を収容する収容空間部と、前記収容空間部に連通する開口部とが、前記第1止着部材の長手方向に沿って設けられていることが好ましい。
【0027】
この場合、前記第1止着部材の前記第1連続部は、前記第1係合部において前記開口部に隣接するとともに前記開口部を介して互いに対向して配される一対の開口隣接端部に少なくとも設けられていることが好ましい。
【0028】
更に本発明のシート止着具において、前記第1止着部材を前記第1本体部の前記固定面に対して直交する方向から見たときに、前記第1スリット部は、前記第1止着部材における前記第1本体部が配されている側の端縁から前記交差方向に沿って連続的に形成される複数の本体側第1スリット部を有し、複数の前記本体側第1スリット部と複数の前記係合側第1スリット部とは、互いに前記第1止着部材の長手方向における同じ位置に形成されていることが好ましい。
【0030】
更に本発明において、前記第2止着部材の前記第2係合部は、前記第2止着部材の長手方向に直交する横断面において略U字状を呈する形状を備え、前記第2係合部は、前記第2本体部から屈曲して延出する第2基端壁部と、前記第2基端壁部から屈曲して延出する第2中間壁部と、前記第2中間壁部から屈曲して延出する第2先端壁部とを有することが好ましい。
【0031】
また本発明では、前記第2止着部材の前記第2係合部は、前記第2止着部材の長手方向に直交する横断面において略T字状を呈する形状を備え、前記第2係合部は、前記第2本体部に連結するとともに前記第2本体部に対して傾斜した方向に延びる首部と、前記首部の先端部に配されるとともに前記首部に対して交差方向に延びる係合頭部と、前記首部の基端部に配されるとともに前記第1止着部材を当接させる当接部と、前記当接部と前記係合頭部の間に凹設される挿入溝部とを有していても良い。
【発明の効果】
【0032】
上述のような本発明により提供されるシート止着具では、第1止着部材に、当該第1止着部材を第1本体部の固定面に対して平行な方向に湾曲可能な(言い換えると第1シート部材のシート辺縁部に平行な方向に湾曲可能な)複数の第1スリット部が形成されている。また、第2止着部材には、当該第2止着部材を第2本体部の固定面に対して平行な方向に湾曲可能な(言い換えると第2シート部材のシート辺縁部に平行な方向に湾曲可能な)複数の第2スリット部が形成されている。
【0033】
従って、例えば第1シート部材のシート辺縁部と第2シート部材のシート辺縁部とを、そのシート辺縁部に平行な方向に湾曲させた形態で形成した場合に、本発明のシート止着具を用いることにより、第1止着部材及び第2止着部材を、例えば前述した特許文献1の場合のように短く切断することなく、第1シート部材及び第2シート部材の各シート辺縁部に長尺の状態のまま湾曲させて安定して固定することができる。また、第1シート部材に固定した第1止着部材に、第2シート部材に固定した第2止着部材を係合させることによって、第1シート部材の湾曲したシート辺縁部に対し、第2シート部材の湾曲したシート辺縁部を容易に且つ円滑に止着することができる。その結果、例えば従来のように短く切断された小片状の第1止着部材及び第2止着部材による凹凸の模様が形成されることがないため、当該凹凸の模様に起因して製品の外観品質が低下することを防止できる。
【0034】
このような本発明のシート止着具において、第1スリット部の長手方向における寸法を第1スリット幅寸法とし、長手方向に互いに隣接する第1スリット部間の距離を第1スリット離間間隔とし、第2スリット部の長手方向における寸法を第2スリット幅寸法とし、長手方向に互いに隣接する第2スリット部間の距離を第2スリット離間間隔とした場合、少なくとも一部の第1スリット部において、第1スリット幅寸法は、第2スリット離間間隔よりも小さく設定されている。また、少なくとも一部の第2スリット部においても、第2スリット幅寸法は、第1スリット離間間隔よりも小さく設定されている。
【0035】
これにより、第2止着部材を第1止着部材に係合させたときに、第1止着部材の一部(第1係合部)が第2止着部材の第2スリット部内に入り込むことや、第2止着部材の一部(第2係合部)が第1止着部材の第1スリット部内に入り込むことを効果的に防止し、例えば第1止着部材と第2止着部材とが長手方向に相対的に動く場合等に、両部材間で相互に引っ掛かることを生じ難くすることができる。
【0036】
特にこの場合、上述の第1スリット幅寸法は、第1止着部材に形成される50%以上の第1スリット部(すなわち、半数以上の第1スリット部)において、好ましくは全ての第1スリット部において、第2スリット離間間隔よりも小さく設定されている。また、上述の第2スリット幅寸法は、第2止着部材に形成される50%以上の第2スリット部において、好ましくは全ての第2スリット部において、第1スリット離間間隔よりも小さく設定されている。これにより、第2止着部材を第1止着部材に係合させた状態で第1止着部材と第2止着部材とが長手方向に相対的に動いても、第1止着部材及び第2止着部材間で相互に引っ掛かることを、更に生じ難くすることができる。
【0037】
上述のような本発明のシート止着具において、複数の第1スリット部と複数の第2スリット部とは、長手方向に一定のピッチ間隔で形成されている。また、第1スリット部のピッチ間隔と、第2スリット部のピッチ間隔とは同じ大きさに設定されている。これにより、第1止着部材と第2止着部材とを、上述した所定の平行な方向に、互いに同じような曲率で容易に湾曲させることができる。これにより、例えば湾曲させた第1止着部材に対し、同じように湾曲させた第2止着部材を円滑に係合させて、第2シート部材を第1シート部材に安定して止着することができる。
【0038】
また本発明のシート止着具において、第1止着部材の第1係合部は、横断面視で略U字状又は略C字状を呈する形状を備えている。また、この第1係合部には、第2係合部の少なくとも一部を収容する収容空間部と収容空間部に連通する開口部とが、長手方向に沿って設けられている。これにより、第1止着部材の第1係合部に、第2止着部材の第2係合部を円滑に且つ安定して係合させることができる。なお本発明における第1止着部材の第1係合部は、横断面視で略U字状又は略C字状を呈する形状ではなく、例えば局部的に曲がりくねった部分を有するようなその他の形状に形成されていても良い。
【0039】
またこの場合、第1止着部材の第1連続部は、第1係合部において開口部に隣接するとともに開口部を介して互いに対向して配される一対の開口隣接端部に少なくとも設けられている。このように本発明の第1止着部材では、第1係合部における一対の開口隣接端部に第1連続部が設けられており、第1スリット部が形成されていない。これにより、第2止着部材の第2係合部を、第1止着部材の上記開口部を介して収容空間部に挿入して係合させる際に、例えば第2止着部材の第2係合部に複数の第2スリット部が設けられていても、その第2係合部を、第1係合部の上述した一対の開口隣接端部に引っ掛けさせることなく、第1係合部の収容空間部に円滑に挿入して第1係合部に安定して係合させることができる。
【0040】
更に本発明のシート止着具において、第1止着部材を第1本体部の固定面に対して直交する方向から見たときに、第1スリット部は、第1本体部の端縁から第1連続部の形成部位まで交差方向に沿って連続的に形成される複数の本体側第1スリット部と、第1係合部の端縁から第1連続部の形成部位まで交差方向に沿って連続的に形成される複数の係合側第1スリット部とを有する。また、複数の本体側第1スリット部と複数の係合側第1スリット部とは、互いに長手方向の対応した同じ位置に一定のピッチ間隔で形成されている。これにより、第1止着部材を、第1本体部の固定面に平行な方向に容易に湾曲させることができる。また、第2止着部材の第2係合部を、第1止着部材の第1係合部に円滑に且つ安定して係合させることができる。
【0041】
本発明において、第2止着部材を第2本体部の固定面に対して直交する方向から見たときに、第2連続部は第2本体部の端縁部に設けられており、第2スリット部は、第2係合部の端縁から第2連続部の形成部位まで交差方向に沿って連続的に形成されている。これにより、第2止着部材を、第2本体部の固定面に平行な方向に容易に湾曲させることができる。また、第2止着部材を第1止着部材に係合して第2シート部材を第1シート部材に止着したときに、第2シート部材を第2連続部に沿って折り返すことができる。それにより、第2シート部材の折り返し部分に、第2スリット部の有無による小さな凹凸の模様が表出することがないため、第2シート部材の折り返し部分を、凹凸のない又は凹凸の少ない滑らかな表面に仕上げることができる。
【0042】
更に本発明において、第2止着部材の第2係合部は、第2基端壁部、第2中間壁部、第2先端壁部を有するとともに、これらの壁部によって横断面で略U字状を呈する形状を備えている。これにより、第2止着部材を、第1止着部材の第1係合部に円滑に且つ安定して係合させることができる。
【0043】
また本発明において、第2止着部材の第2係合部は、横断面で略T字状を呈する形状を備えていても良い。この場合、第2係合部は、第2本体部に対して傾斜して配される首部と、首部の先端部に配される係合頭部と、首部の基端部に配されるとともに第1止着部材(特に、第1止着部材の第1係合部)を当接させる当接部と、当接部と係合頭部の間に凹設される挿入溝部とを有する。
【0044】
これにより、第2止着部材の第2係合部を、第1止着部材の第1係合部に円滑に且つ安定して係合させることができる。更にこの場合、第2係合部を第1係合部に係合させた後、第1係合部の先端部が第2係合部の挿入溝部に挿入されるように第2止着部材を移動させ、更に第2止着部材を第1止着部材の第1本体部から離れるように回動させることにより、第2止着部材を第1止着部材から容易に且つ安定して取り外すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【
図1】本発明の実施例1に係るシート止着具を用いてシート部材を止着した状態を模式的に示す模式図である。
【
図2】実施例1に係るシート止着具の第1止着部材を示す斜視図である。
【
図3】
図2の第1止着部材を第1本体部の固定面に対して直交する方向から見た平面図である。
【
図4】
図3に示したIV-IV線における横断面を示す断面図である。
【
図5】実施例1に係るシート止着具の第2止着部材を示す斜視図である。
【
図6】
図5の第2止着部材を第2本体部の固定面に対して直交する方向から見た平面図である。
【
図7】
図6に示したVII-VII線における横断面を示す断面図である。
【
図8】
図2の第1止着部材及び
図5の第2止着部材を、第1本体部及び第2本体部の固定面に平行な方向に湾曲させた状態を示す斜視図である。
【
図9】実施例1に係るシート止着具の仮係合状態を模式的に示す断面図である。
【
図10】実施例1に係るシート止着具の本係合状態を模式的に示す断面図である。
【
図11】本発明の実施例2に係るシート止着具を用いてシート部材を止着した状態を模式的に示す模式図である。
【
図12】実施例2に係るシート止着具の第1止着部材を示す斜視図である。
【
図13】
図12の第1止着部材を第1本体部の固定面に対して直交する方向から見た平面図である。
【
図14】
図13に示したXIV-XIV線における横断面を示す断面図である。
【
図15】実施例2に係るシート止着具の第2止着部材を示す斜視図である。
【
図16】
図15の第2止着部材を第2本体部の固定面に対して直交する方向から見た平面図である。
【
図17】
図16に示したXVII-XVII線における横断面を示す断面図である。
【
図18】
図12の第1止着部材及び
図15の第2止着部材を、第1本体部及び第2本体部の固定面に平行な方向に湾曲させた状態を示す斜視図である。
【
図19】実施例2に係るシート止着具の仮係合状態を模式的に示す断面図である。
【
図20】実施例2に係るシート止着具の本係合状態を模式的に示す断面図である。
【
図21】実施例2に係る第2止着部材の取り外しを模式的に説明する断面図である。
【
図22】従来のシートクッションを示す断面図である。
【
図23】従来のトリムカバー取付部材を示す斜視図である。
【
図24】従来のトリムカバー取付部材が曲げられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0046】
以下、本発明の好適な実施の形態について、実施例を挙げて図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は、以下で説明する実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明と実質的に同一な構成を有し、かつ、同様な作用効果を奏しさえすれば、多様な変更が可能である。
【実施例1】
【0047】
図1は、本実施例1に係るシート止着具を用いてシート部材を止着した状態を模式的に示す模式図である。
図2~
図4は、シート止着具の第1止着部材を模式的に示す斜視図、平面図、及び断面図である。
図5~
図7は、シート止着具の第2止着部材を模式的に示す斜視図、平面図、及び断面図である。
【0048】
本実施例1のシート止着具1は、
図1に示すように、クッション体5の表面に、表皮部材となる第1シート部材6及び第2シート部材7を被せて取り付ける際に、第1シート部材6と第2シート部材7の境界部において第1シート部材6のシート辺縁部6aに、第2シート部材7のシート辺縁部7aを連続的に止着するために用いられる。
【0049】
このような本実施例1のシート止着具1は、自動車等の車両用の座席に主に用いられるが、例えば航空機や船舶の座席、学校やオフィスビルで使用される座席、運動用器具類のクッション、住居用のソファーやベッドなどの家具類といった製品にも同様に使用することが可能である。
【0050】
本実施例1のシート止着具1は、第1シート部材6のシート辺縁部6aに固定される細長い第1止着部材10と、第2シート部材7のシート辺縁部7aに固定されるとともに第1止着部材10に係合させる細長い第2止着部材20とを有する。この場合、第1止着部材10及び第2止着部材20は、それぞれアウター部材及びインナー部材と言われることもある。なお本実施例1において、第1止着部材10及び第2止着部材20の長手寸法(長手方向における寸法)は、それらが固定される第1シート部材6及び第2シート部材7のシート辺縁部6a,7aの長さに応じて適宜変更することが可能である。
【0051】
本実施例1において、第1止着部材10と第2止着部材20とは、それぞれ合成樹脂材料の押出成形や射出成形等を行って長尺の一次成形体を成形し、その後、得られた一次成形体に対し、後述する第1スリット部16及び第2スリット部26を形成する切断加工を行うことにより製造されている。このような合成樹脂製の第1止着部材10及び第2止着部材20は、弾性を備えている。なお本発明において、第1止着部材10及び第2止着部材20の材質は特に限定されず、任意に変更することが可能である。
【0052】
この場合、上述した押出成形又は射出成形の成形工程において、一次成形体が成形されて搬送される方向を機械方向(MD)と規定した場合、その一次成形体から製造される第1止着部材10及び第2止着部材20における機械方向は、第1止着部材10及び第2止着部材20の長手方向となる。更に、第1止着部材10及び第2止着部材20は、
図2及び
図5等に示すように、一方向に長く連続的に延びて形成されているため、第1止着部材10及び第2止着部材20の長手方向は、第1止着部材10及び第2止着部材20の延長方向又は長さ方向と言い換えることもできる。
【0053】
本実施例1の第1止着部材10は、第1シート部材6のシート辺縁部6aに固定される第1本体部11と、その第1本体部11の一端部に一体的に設けられる第1係合部12と、第1係合部12の内側に設けられるとともに第2止着部材20の一部を収容する収容空間部13と、第1係合部12の一部に開口するとともに収容空間部13に連通する開口部14とを有する。
【0054】
第1止着部材10の第1本体部11は、長手方向に細長い平板状に形成されている。この第1本体部11は、第1シート部材6に接して固定される固定面となる平面状の第1面11aと、その第1面11aの反対側に配される平面状の第2面11bとを有する。
【0055】
この場合、第1本体部11の第1面(固定面)11aは、クッション体5に対して外側を向く外側表面となり、第1本体部11の第2面11bは、クッション体5に対面する内側表面となる。なお本発明では、第1本体部11の第1面(固定面)11aに平行な方向のうちの第1止着部材10の長手方向に沿った方向を第1止着部材10の前後方向と言い、第1止着部材10の長手方向に直交する方向を第1止着部材10の左右方向と言うことがある。更に、第1本体部11の第1面(固定面)11aに対して直交する方向を、第1止着部材10の上下方向と言うことがある。
【0056】
また第1止着部材10において、第1本体部11における第1面11aの先端部(第1係合部12に連結する側とは反対の側の端部)は、第1面11aと第2面11bとの間の間隔である第1本体部11の厚さ寸法を先端に向けて漸減させるような湾曲面又は傾斜面に形成されている。
【0057】
第1係合部12は、第1止着部材10の長手方向に直交する横断面(
図4)において、第1本体部11側に開口して略C字状を呈する形状を備えている。この第1係合部12は、第1本体部11から連続して形成されるとともに第1本体部11と平行に配される第1基端壁部12aと、第1基端壁部12aから略90°に屈曲して延出する第1中間壁部12bと、第1中間壁部12bから屈曲して延出する第1先端壁部12cと、第1基端壁部12aの第1本体部11に隣接する端部から第1先端壁部12cに向けて突出する第1突起部12dとを有する。この場合、第1突起部12dの第1本体部11側に向く外壁面の位置が第1本体部11と第1係合部12との境界となる。
【0058】
第1係合部12の第1基端壁部12a、第1中間壁部12b、及び第1先端壁部12cにおけるそれぞれの厚さ寸法を、第1止着部材10の横断面を見たときの第1係合部12の内周面と外周面との間の最少間隔と規定する。この場合、第1係合部12の第1基端壁部12a、第1中間壁部12b、及び第1先端壁部12cは、第1本体部11よりも厚さ寸法を大きくして形成されている。特に本実施例1において、第1中間壁部12bの厚さ寸法は、第1基端壁部12a及び第1先端壁部12cの厚さ寸法よりも大きく設定されている。
【0059】
第1止着部材10の横断面において、第1中間壁部12bは、第1基端壁部12aに対して直交する方向に配されている。第1先端壁部12cは、第1中間壁部12bに対して内周面側の角度が90°未満となるように、言い換えると、第1先端壁部12cの先端部に向けて第1基端壁部12aの内周面と第1先端壁部12cの内周面の間の間隔を漸減させるように、第1基端壁部12aに対して傾斜して配されている。
【0060】
第1係合部12の収容空間部13に向いて配される内周面は、第1基端壁部12a、第1中間壁部12b、及び第1先端壁部12cに形成される平坦面と、第1基端壁部12a及び第1中間壁部12b間の連結部分に形成される湾曲面と、第1中間壁部12b及び第1先端壁部12c間の連結部分に形成される湾曲面と、第1突起部12dの後述する内壁面とを有する。
【0061】
第1係合部12の第1突起部12dは、第1止着部材10の横断面を見たとき略三角形を呈する形状を有する。この場合、第1突起部12dは、第1本体部11側に向く外壁面と、収容空間部13に向く内壁面とを有する。第1突起部12dの外壁面は、第1本体部11の第1面(固定面)11aに直交して配されている。
【0062】
第1突起部12dの内壁面は、第1基端壁部12aに向けて下り傾斜するとともに、第1基端壁部12aの内周面に対して略45°の角度で傾斜する傾斜面に形成されている。このように第1突起部12dの内壁面が傾斜して形成されていることにより、第2止着部材20を、後述するように第1止着部材10に仮係合状態で保持してから本係合状態に係合させる際に、第2止着部材20の第2係合部22の全体を第1係合部12の収容空間部13内に円滑に進入させて収容するこができる。
【0063】
第1係合部12の収容空間部13は、第1基端壁部12a、第1中間壁部12b、第1先端壁部12c、及び第1突起部12dに囲まれて形成されている。この収容空間部13は、第1止着部材10の長手方向に沿って連続的に形成されているとともに、第2止着部材20の後述する第2本体部21の一部と第2係合部22とを収容可能な大きさを有する。
【0064】
この収容空間部13に連通する開口部14は、第1係合部12における第1先端壁部12cの先端部と、第1突起部12dの先端部との間に設けられている。この場合、第1先端壁部12cの先端部と第1突起部12dの先端部とには、後述する第1連続部17が形成されているため、開口部14は、2つの第1連続部17に挟まれるようにして、第1止着部材10の長手方向に沿って連続して形成されている。
【0065】
ここで、例えば
図4に示すように第1先端壁部12cの先端部と第1突起部12dの先端部との間の最短距離を開口部14の大きさ14aと規定した場合、第1止着部材10における開口部14の大きさ14aは、例えば
図9及び
図10に示すように第2止着部材20における第2係合部22や第2本体部21を挿通可能なように、第2止着部材20における第2係合部22の厚さ寸法、及び第2本体部21の厚さ寸法よりも大きく設定されている。
【0066】
本実施例1の第1止着部材10においては、第1止着部材10の長手方向に対して直交する直交方向(長手方向に対して90°の角度で交差する交差方向)に沿って形成される複数の第1スリット部16と、第1スリット部16が設けられていない部分として第1止着部材10の長手方向に連続して繋げられている第1連続部17とが形成されている。
【0067】
なお、上述したように第1スリット部16は前記直交方向に沿って設けられているが、本実施例1の第1スリット部16は、第1止着部材10の長手方向と平行な平行方向ではない方向、すなわち、第1止着部材10の長手方向に対して90°以外の所定の角度(例えば45°)で交差する交差方向に沿って形成されていても良い。
【0068】
本実施例1において、複数の第1スリット部16は、第1止着部材10が第1本体部11の第1面(固定面)11aに平行な左右方向に湾曲可能な形態(位置、形状、大きさ)で設けられている。
具体的に説明すると、本実施例1における複数の第1スリット部16は、第1止着部材10の長手方向に一定のピッチ間隔P1をもって、互いに平行に形成されている。この場合、第1スリット部16の形成ピッチ間隔P1は、第1スリット部16の長手方向における寸法である第1スリット幅寸法W1と、長手方向に互いに隣接する第1スリット部16間の長手方向における距離である第1スリット離間間隔D1との合計の大きさである。また、第1スリット幅寸法W1は、第1スリット離間間隔D1よりも小さく設定されている。
【0069】
第1止着部材10の第1スリット部16は、第1止着部材10を第1本体部11の固定面11aに対して直交する上下方向から見た平面視(
図3を参照)において、第1本体部11に設けられる本体側第1スリット部16aと、第1係合部12に設けられる係合側第1スリット部16bとを有する。
【0070】
特に各第1スリット部16は、一対の本体側第1スリット部16a及び係合側第1スリット部16bをそれぞれ有しており、一対の本体側第1スリット部16aと係合側第1スリット部16bとは、互いに第1止着部材10の長手方向の同じ位置に対応して形成されている。
【0071】
本体側第1スリット部16aは、第1本体部11の先端縁から第1係合部12の近傍まで、直線状に配されている。第1止着部材10の上記平面視(
図3)において、本体側第1スリット部16aは、直交方向(長手方向に直交する左右方向)における寸法が、第1本体部11の直交方向における寸法に対し、第1本体部11の先端縁から70%以上となる範囲まで、特に80%以上となる範囲まで形成されていることが好ましい。
【0072】
係合側第1スリット部16bは、第1係合部12における第1基端壁部12aの一部と、第1中間壁部12bと、第1先端壁部12cの一部とに亘って連続して設けられている。また、係合側第1スリット部16bは、第1止着部材10の上記平面視において、第1止着部材10の左右方向における第1係合部12が配されている側の端縁(すなわち、第1本体部11の先端縁とは反対側の第1止着部材10の端縁)から、第1係合部12の第1先端壁部12cの先端部の近傍位置まで配されている。
【0073】
また第1止着部材10の横断面を見たときに(
図4を参照)、係合側第1スリット部16bにおける前記直交方向(左右方向)の端部として、第1基端壁部12aに形成されるスリット端面16cと、第1先端壁部12cに形成されるスリット端面16cとが設けられている。この場合、第1基端壁部12aに形成されるスリット端面16cと、第1先端壁部12cに形成されるスリット端面16cとは、第1止着部材10の平面視(
図3)において重なる位置に配されている。これにより、第1止着部材10を、後述するように第1本体部11の第1面11aと平行な左右方向に、より容易に曲げることができる。
【0074】
第1止着部材10の第1連続部17は、例えば
図4に示すように、第1係合部12の開口部14を挟むように当該開口部14に隣接して形成されている。すなわち、本実施例1の第1連続部17は、第1係合部12における第1先端壁部12cの先端部を含む開口隣接端部18と、第1突起部12dを含む開口隣接端部18とに上下に分かれて、且つ適切な強度を確保可能な横断面積を備えて設けられている。この場合、第1止着部材10における上下の開口隣接端部18は、
図4に破線で囲まれて示されているように、開口部14に隣接するとともに開口部14を介して互いに対向して配される部分である。更に本実施例1の場合、第1連続部17は、第1係合部12における第1基端壁部12aの第1本体部11に連結する側の端部と、第1本体部11の第1係合部12(第1基端壁部12a)に連結する側の端部とにも設けられている。
【0075】
上述のように複数の第1スリット部16及び第1連続部17が第1止着部材10に設けられていることにより、第1止着部材10を、
図2の仮想線や
図8によって示すように、上下方向に分割して配される2つの第1連続部17を軸(中心)にして、第1本体部11の第1面(固定面)11aに対して平行な左右方向に容易に湾曲させることができる。また、第1止着部材10の材料コストを低減できるとともに、第1止着部材10を軽量化することができる。
【0076】
本実施例1の第2止着部材20は、第2シート部材7のシート辺縁部7aに固定される第2本体部21と、その第2本体部21の一端部に一体的に設けられる第2係合部22と、第2係合部22の内側に形成される内側空間部23とを有する。
【0077】
第2止着部材20の第2本体部21は、長手方向に細長い平板状に形成されている。この第2本体部21は、第2止着部材20が第1止着部材10に本係合状態で保持されたときに第1止着部材10に対向するとともに第2シート部材7に接して固定される固定面となる平面状の第1面21aと、その第1面21aの反対側に配される平面状の第2面21bとを有する。
【0078】
この場合、第2本体部21の第1面21aは、クッション体5に向くように配される内側表面となり、第2本体部21の第2面21bは、クッション体5に対して外側を向く外側表面となる。なお本発明では、第2本体部21の第1面(固定面)21aに平行な方向のうちの第2止着部材20の長手方向に沿った方向を第2止着部材20の前後方向と言い、第2止着部材20の長手方向に直交する方向を第2止着部材20の左右方向と言うことがある。更に、第2本体部21の第1面(固定面)21aに対して直交する方向を、第2止着部材20の上下方向と言うことがある。
【0079】
また第2止着部材20において、第2本体部21における第2面21bの先端部(第2係合部22に連結する側とは反対の側の端部)は、第1面21aと第2面21bとの間の間隔である第2本体部21の厚さ寸法を先端に向けて漸減させるような湾曲面又は傾斜面に形成されている。
【0080】
第2係合部22は、第2止着部材20の長手方向に直交する横断面(
図7)において、上方側に開口した略U字状を呈する形状を備えている。この第2係合部22は、第2本体部21に連結するとともに第2本体部21から略90°に屈曲して延出する第2基端壁部22aと、第2基端壁部22aから屈曲して延出する第2中間壁部22bと、第2中間壁部22bから屈曲して延出する第2先端壁部22cとを有する。
【0081】
この場合、第2係合部22の第2基端壁部22a及び第2中間壁部22bにおける厚さ寸法は、第2本体部21の厚さ寸法と同じ大きさに、又は第2本体部21の厚さ寸法より僅かに小さく設定されている。第2係合部22の第2先端壁部22cにおける厚さ寸法は、第2基端壁部22a及び第2中間壁部22bの厚さ寸法よりも小さく設定されている。
【0082】
第2止着部材20の横断面(
図7)において、第2基端壁部22aは、第2本体部21に対して直交する方向に配されている。第2係合部22の第2中間壁部22bは、第2基端壁部22aに対して内周面側の角度が90°よりも大きくなるように、第2本体部21に対して傾斜する方向に第2基端壁部22aの先端部から延びている。
【0083】
第2先端壁部22cは、第2基端壁部22aと平行な方向に第2中間壁部22bの先端部から延びている。また、第2係合部22における第2基端壁部22aと第2先端壁部22cとの間の間隔は、第1止着部材10の第1先端壁部12cを第2係合部22の内側空間部23に挿入可能なように、第1先端壁部12cの厚さ寸法よりも大きく設定されている。
【0084】
本実施例1の第2止着部材20には、第2止着部材20の長手方向に対して直交する直交方向(長手方向に対して90°の角度で交差する交差方向)に沿って形成される複数の第2スリット部26と、第2スリット部26が設けられていない部分として第2止着部材20の長手方向に連続して繋げられている第2連続部27とが形成されている。なお、本実施例1の第2スリット部26は、第1スリット部16の場合と同様に、第2止着部材20の長手方向に対して90°以外の所定の角度で交差する交差方向に沿って形成されていても良い。
【0085】
複数の第2スリット部26は、第2止着部材20が第2本体部21の第1面(固定面)21aに平行な左右方向に湾曲可能な形態(位置、形状、大きさ)で設けられている。
具体的に説明すると、本実施例1における複数の第2スリット部26は、第2止着部材20の長手方向に一定のピッチ間隔P2をもって、互いに平行に形成されている。この場合、第2スリット部26の形成ピッチ間隔P2は、第2スリット部26の長手方向における寸法である第2スリット幅寸法W2と、長手方向に互いに隣接する第2スリット部26間の長手方向における距離である第2スリット離間間隔D2との合計の大きさである。
【0086】
また、第2スリット幅寸法W2は、第2スリット離間間隔D2よりも小さく設定されている。各第2スリット部26は、第2止着部材20を第2本体部21の固定面21aに対して直交する方向から見た平面視において(
図6を参照)、第2止着部材20の左右方向における第2係合部22が配されている側の端縁から、第2本体部21の先端部の近傍まで前記直交方向(左右方向)に連続して設けられている。このような複数の第2スリット部26により、第2係合部22は、小片状に分割された形態で長手方向に沿って形成されている。
第2止着部材20の第2連続部27は、第2係合部22から離れた第2本体部21の先端部に設けられている。
【0087】
上述のように複数の第2スリット部26及び第2連続部27が第2止着部材20に設けられていることにより、第2止着部材20を、第2連続部27を軸(中心)にして、
図5の仮想線や
図8によって示すように、第2本体部21の固定面21aに対して平行な左右方向に容易に湾曲させることができる。また、第2止着部材20の材料コストを低減できるとともに、第2止着部材20を軽量化することができる。
【0088】
本実施例1の第1止着部材10と第2止着部材20の関係において、第1止着部材10に設けた第1スリット部16の形成ピッチ間隔P1と、第2止着部材20に設けた第2スリット部26の形成ピッチ間隔P2とは同じ大きさに設定されている。また、第1止着部材10の第1スリット幅寸法W1は、第2止着部材20の第2スリット離間間隔D2よりも小さく設定されており、且つ、第2止着部材20の第2スリット幅寸法W2は、第1止着部材10の第1スリット離間間隔D1よりも小さく設定されている。
【0089】
上述のような関係で第1スリット部16及び第2スリット部26が形成されていることにより、第2止着部材20を第1止着部材10に本係合状態で保持して第1シート部材6に第2シート部材7を止着したときに、第2止着部材20が第1止着部材10に対して長手方向に動いたとしても、第1止着部材10の第1係合部12を、第2止着部材20の第2スリット部26に入り込み難くすることができ、また、第2止着部材20の第2係合部22を、第1止着部材10の第1スリット部16に入り込み難くすることができる。これにより、第1止着部材10と第2止着部材20とを相互に引っ掛かり難くして、第1止着部材10及び第2止着部材20がそれぞれ適切に移動することが可能となるため、第1シート部材6及び第2シート部材7に皺が生じることや、第1シート部材6や第2シート部材7が局部的に引っ張られて伸びた状態になること等を抑制できる。なお本発明において、第1止着部材10の第1スリット幅寸法W1と第2止着部材20の第2スリット離間間隔D2の上述した関係、及び、第2止着部材20の第2スリット幅寸法W2と第1止着部材10の第1スリット離間間隔D1の上述した関係は、第1止着部材10及び第2止着部材20の少なくとも一部で成立していれば良い。
【0090】
上述のような本実施例1のシート止着具1において、第1止着部材10は、第1本体部11の第1面11a上に第1シート部材6のシート辺縁部6aを重ね合わせた状態で、第1本体部11を第1シート部材6のシート辺縁部6aに縫製加工により縫着することにより、第1シート部材6に固定されている。
【0091】
第2止着部材20は、第2本体部21の第1面21a上に第2シート部材7のシート辺縁部7aを重ね合わせた状態で、第2本体部21を第2シート部材7のシート辺縁部7aに縫製加工により縫着することにより、第2シート部材7に固定されている。この場合、第2本体部21の第2面21bは第2シート部材7に直接固定されていない。
【0092】
なお本発明において、第1止着部材10及び第2止着部材20を第1シート部材6及び第2シート部材7に固定する手段は特に限定されるものではなく、例えば接着や溶着等の従来から知られているその他の固定手段を用いることができる。
【0093】
次に、第1シート部材6に固定された第1止着部材10に、第2シート部材7に固定された第2止着部材20を係合させることによって、
図1に示したように、第2シート部材7を第1シート部材6に止着する方法について説明する。この場合、第1シート部材6と第2シート部材7は、クッション体5の表面に被せられている。
【0094】
また、第1止着部材10は、第1シート部材6の湾曲したシート辺縁部6aに、例えば
図8に示すように第1本体部11の第1面(固定面)11aに対して平行な方向(左右方向)に湾曲させた状態で縫着されている。また、第2止着部材20も、第2シート部材7の湾曲したシート辺縁部7aに、
図8に示すように第2本体部21の第1面(固定面)21aに対して平行な方向(左右方向)に湾曲させた状態で縫着されている。
【0095】
先ず、作業者は、湾曲状態の第2止着部材20を把持して、第2止着部材20の第2係合部22を、湾曲状態の第1止着部材10に近づける。更に、第2係合部22の第2先端壁部22cを、第1止着部材10の開口部14から収容空間部13に、第2止着部材20の長手方向に沿って順番に挿入すると同時に、第1止着部材10における第1先端壁部12cの先端部を第2係合部22の内側空間部23に挿入する。
【0096】
このとき、第1止着部材10の第1連続部17は、上述したように、第1係合部12の開口部14に隣接する第1先端壁部12cの先端部を含む開口隣接端部18と、第1突起部12dを含む開口隣接端部18とに設けられている。このため、第2係合部22が第2スリット部26によって小片状に分割されていても、その第2係合部22の第2先端壁部22cを、第1止着部材10の第1連続部17によって挟まれている開口部14に容易に且つ円滑に挿し込んで、収容空間部13に案内することができる。
【0097】
なお本実施例1では、第2係合部22を第1係合部12の開口部14に挿入し易くするために、第1係合部12の開口部14に隣接する第1先端壁部12cの先端部を含む開口隣接端部18と、第1突起部12dを含む開口隣接端部18とに第1連続部17が設けられている。しかし本実施例1では、例えば第1係合部12の開口部14に隣接する開口隣接端部18に第1連続部17を設ける代わりに、第2係合部22における第2先端壁部22cの先端部に長手方向に連続する第2連続部27を設け、且つ、第1係合部12の全体に第1スリット部16を設けることによって第1係合部12を小片状に分割することも可能である。これによっても、第2係合部22を第1係合部12の開口部14に挿入し易くすることができる。
【0098】
そして、第1先端壁部12cの先端部が第2係合部22の内側空間部23に挿入されることにより、
図9に示したように、第1止着部材10の第1先端壁部12cを、第2係合部22における第2基端壁部22aの内周面に当接させるとともに、第2中間壁部22b及び第2先端壁部22cの少なくとも一方の内周面(本実施例1の場合は、第2中間壁部22b及び第2先端壁部22cの両方の内周面)にも当接させることができる。
【0099】
このとき、第2止着部材20は、クッション体5に被せられる第2シート部材7によって引っ張られる張力を受けることにより、シート止着具1には、第2止着部材20の第2先端壁部22cが第1止着部材10の第1先端壁部12cに安定して引っ掛かるとともに、第2止着部材20の第2基端壁部22aの内周面を第1止着部材10の第1先端壁部12cに押し当てる方向の応力が加えられる。これによって、第2止着部材20は、第1止着部材10に対して、所定の角度で一時的に係止される仮係合状態で保持される。また、この仮係合状態のときに、作業者は、第1シート部材6及び第2シート部材7の位置などを調整することにより、第1シート部材6及び第2シート部材7に生じる皺や弛み等を取り除くことができる。
【0100】
続いて、作業者は、仮係合状態で係止されている湾曲状の第2止着部材20を、
図9に第1矢印31で示すように、その第2本体部21が第1止着部材10に近付く方向に押圧することにより、第2止着部材20を回動させる。このとき、第2止着部材20が第2シート部材7のシート辺縁部7aを巻き込みながら、第2止着部材20の第2中間壁部22bが、第2先端壁部22cに続いて、第1止着部材10の開口部14から収容空間部13に挿入される。それとともに、第1止着部材10の第1先端壁部12cの先端部が第2係合部22の内側空間部23から抜け出る。また同時に、第1止着部材10の第1先端壁部12cが、収容空間部13を広げるように弾性変形する。
【0101】
更に、第2止着部材20が続けて回動することにより、第2止着部材20の第2基端壁部22aが、第2中間壁部22bに続いて、第1止着部材10の開口部14から収容空間部13に挿入される。これによって、第2係合部22の全体を第1止着部材10の収容空間部13に容易に且つ円滑に挿入して嵌め込むことができる。この場合、第2係合部22の全体が第1止着部材10の収容空間部13に挿入された時点で、弾性変形した第1止着部材10の第1先端壁部12cが弾性復帰し、それによって、
図10に示すように、第1先端壁部12cの先端部を、第2止着部材20の第2本体部21の第2面21bと、当該第2面21bに連続して形成される第2基端壁部22aの一面とに当接させることができる。
【0102】
また、第1止着部材10の第1先端壁部12cが上述のように弾性復帰することにより、第1止着部材10と第2止着部材20が部分的に衝突し、その衝突により小さな衝突音や触感を生じさせることができる。このため、
図10に示すように、第1止着部材10及び第2止着部材20が第1シート部材6及び第2シート部材7によって覆い隠されて、外側(図面の上側)から見えない場合であっても、作業者は、小さな衝突音や触感を感知することによって、第2係合部22の全体が第1止着部材10の収容空間部13に挿入されたことを確認できる。
【0103】
そして、上述のように第2係合部22の全体が第1止着部材10の収容空間部13に挿入されて保持されることにより、
図1及び
図10に示すように、第1止着部材10における第1先端壁部12cの先端部に、第2止着部材20の第2本体部21と第2基端壁部22aとを当接させることができる。それとともに、第1止着部材10における第1中間壁部12bと第1基端壁部12aの連結部分(又はその近傍)に、第2止着部材20における第2中間壁部22bと第2先端壁部22cの連結部分(又はその近傍)を当接させることができる。
【0104】
このように第2止着部材20が、第1止着部材10に対して2箇所で当接することにより、第2止着部材20を適切な係合力で第1止着部材10に本係合状態で安定して係合(嵌合)させることができる。これによって、湾曲状態で第1シート部材6に固定された第1止着部材10と、湾曲状態で第2シート部材7に固定された第2止着部材20とが接続されるため、
図1に示したように、第2シート部材7の湾曲したシート辺縁部7aを、第1止着部材10及び第2止着部材20の長手方向に沿って、第1シート部材6の湾曲したシート辺縁部6aに連続的に止着することができる。
【0105】
更に、上述のように第2止着部材20を本係合状態で係合させた場合、互いに係合した第1止着部材10及び第2止着部材20は、第1シート部材6及び第2シート部材7からそれぞれ引っ張られるような張力を受ける。このため、シート止着具1には、
図10に第2矢印32で示すような、第2止着部材20の第2本体部21が第1止着部材10から離間するように第2止着部材20を回動させる方向の応力が加えられる。
【0106】
この場合、第1止着部材10は、第2止着部材20を上述した2箇所で当接させているため、これらの当接部分で第2止着部材20を回動させる方向の力を受け止めて、第2止着部材20を支持することができる。これにより、第2止着部材20が第1止着部材10から外れることを効果的に防いで、本係合状態を安定して維持することができる。
【0107】
以上のように、本実施例1のシート止着具1では、第1止着部材10に複数の第1スリット部16が形成されているとともに、第2止着部材20に複数の第2スリット部26が形成されている。このため、例えば
図1に示したように、第1シート部材6及び第2シート部材7の各シート辺縁部6a,7aが、それぞれのシート辺縁部6a,7aと平行な方向に同じような曲率で湾曲させて形成されている場合でも、第1止着部材10及び第2止着部材20を長尺の状態のまま対応させるように湾曲させて、それぞれのシート辺縁部6a,7aに安定して固定することができる。
【0108】
更に、第1シート部材6及び第2シート部材7に湾曲状態で固定した第1止着部材10及び第2止着部材20を互いに本係合状態で係合させることにより、第1シート部材6の湾曲したシート辺縁部6aに対し、第2シート部材7の湾曲したシート辺縁部7aを、上述したような簡単な作業で容易に且つ円滑に、また短時間で止着することができる。また、本実施例1のシート止着具1の場合、従来のように第1止着部材10及び第2止着部材20が小片状に短く切断されていないため、例えば小片状の第1止着部材及び第2止着部材による凹凸の模様が形成されることもない。このため、当該凹凸の模様に起因して製品の外観品質が低下することを防止できる。
【0109】
また、本実施例1のシート止着具1では、第1シート部材6のシート辺縁部6aに第2シート部材7のシート辺縁部7aを止着したときに、
図10に示したように、第2シート部材7を、第2止着部材20の第2本体部21の先端部に接触させて折り返している。この場合、第2止着部材20の第2本体部21の先端部に、長手方向に連続する第2連続部27が設けられている。このため、本実施例1の第2止着部材20では、例えば第2本体部21の先端部に複数の第2スリット部26が設けられているような変形例に係る第2止着部材に比べて、第2シート部材7を、第2連続部27に沿って綺麗に折り返すことができる。
【0110】
その上、例えば第2本体部21の先端部に複数の第2スリット部26が設けられている場合には、第2本体部21の先端部で第2シート部材7が折り返されたときに、その第2シート部材7の折り返し部分の外表面に、複数の第2スリット部26によって小片状に分割された第2本体部21の凹凸模様が表出する可能性が考えられる。しかし本実施例1のように第2本体部21の先端部に第2連続部27が設けられていることにより、上述のような凹凸模様の問題が生じることを回避して、第2シート部材7の折り返し部分を平滑な形態に仕上げることができるため、製品の外観品質が損なわれることを効果的に防止できる。
【実施例2】
【0111】
図11は、本実施例2に係るシート止着具を用いてシート部材を止着した状態を模式的に示す模式図である。
図12~
図14は、シート止着具の第1止着部材を模式的に示す斜視図、平面図、及び断面図である。
図15~
図17は、シート止着具の第2止着部材を模式的に示す斜視図、平面図、及び断面図である。
【0112】
本実施例2のシート止着具2は、前述の実施例1のシート止着具1と同様に、例えば車両、航空機、船舶等の座席に好適に使用されるものであり、座席用の第1シート部材6と第2シート部材7の境界部において第1シート部材6のシート辺縁部6aに、第2シート部材7のシート辺縁部7aを連続的に止着するために用いられる。
【0113】
本実施例2のシート止着具2は、第1シート部材6のシート辺縁部6aに縫着等により固定される細長い第1止着部材50と、第2シート部材7のシート辺縁部7aに縫着等により固定されるとともに第1止着部材50に係合させる細長い第2止着部材60とを有する。
【0114】
また、本実施例2の第1止着部材50と第2止着部材60は、押出成形や射出成形等によって長尺の一次成形体を成形し、その後、得られた一次成形体に対し、第1スリット部56及び第2スリット部66を形成する切断加工を行うことにより製造されている。このように製造される第1止着部材50及び第2止着部材60は、弾性を備えている。
【0115】
本実施例2の第1止着部材50は、第1シート部材6のシート辺縁部6aに固定される第1本体部51と、その第1本体部51の一端部に一体的に設けられる第1係合部52と、第1係合部52の内側に設けられるとともに第2止着部材60の一部を収容する収容空間部53と、第1係合部52の一部に開口するとともに収容空間部53に連通する開口部54とを有する。
【0116】
第1止着部材50の第1本体部51は、長手方向に細長い平板状に形成されている。この第1本体部51は、第1シート部材6に接して固定される固定面となる平面状の第1面51aと、その第1面51aの反対側に配される平面状の第2面51bとを有する。また、第1本体部51の厚さ寸法(第1本体部51の第1面51aと第2面51b間の寸法)は、第1本体部51における第1係合部52から最も離れた先端部を除いて一定の大きさに設定されている。
【0117】
第1係合部52は、第1止着部材50の長手方向に直交する横断面(
図14)において、斜め上側に開口して略C字状を呈する形状を備えている。この第1係合部52は、第1本体部51から連続して形成される第1基端壁部52aと、第1基端壁部52aの先端部から曲がりながら延出する第1延出部52bと、第1基端壁部52aの第1面から上方に突出する第1突起部52cとを有する。この場合、第1突起部52cの第1本体部51側に向く外壁面の延長線上が第1本体部51と第1係合部52との境界となる。また、第1基端壁部52aの第1面及び第2面は、第1本体部51の第1面51a及び第2面51bとそれぞれ同じ方向を向く表面を言う。
【0118】
第1係合部52の第1基端壁部52aは、第1本体部51と平行に配され、且つ、第1本体部51と同じ厚さ寸法を有して形成されている。第1延出部52bは、第1止着部材50の横断面視において、第1基端壁部52aの先端部から、第1基端壁部52aの第1面側に折り返すように曲がりながら延出している。この場合、第1延出部52bが第1基端壁部52aに対して曲がり始める部位が第1基端壁部52aと第1延出部52bとの境界となる。また、第1延出部52bは、第1延出部52bの先端部を除いて、第1基端壁部52aと同じ厚さで形成されている。一方、第1延出部52bの先端部は、第1基端壁部52aよりも薄く形成されている。
【0119】
第1突起部52cは、第1基端壁部52aの第1面に突設されており、当該第1面から第1延出部52bの先端部に向けて突出している。第1突起部52cは、
図14に示すように、第1本体部51側に配される外壁面と、収容空間部53側に配される内壁面と、第1基端壁部52aの第1面から離れるとともに外壁面の上端部と内壁面の上端部間に配される頂端面とを有する。
【0120】
この場合、第1突起部52cの外壁面は、第1基端壁部52aの第1面に対して直交している。第1突起部52cの内壁面は、
図14に示すように、当該内壁面と第1基端壁部52aの第1面との間の角度θが90°未満となるように配されている。特に本実施形態の場合、第1突起部52cの内壁面と第1基端壁部52aの第1面との間の角度θは40°以上70°以下に設定されている。なお本発明において、第1突起部52cの内壁面は、第1基端壁部52aの第1面との間の角度が90°となるように、又は90°よりも大きくなるように形成されていても良い。
【0121】
第1係合部52の収容空間部53は、第1基端壁部52a、第1延出部52b、及び第1突起部52cに囲まれて形成されている。この収容空間部53は、第1止着部材50の長手方向に沿って形成されているとともに、第2止着部材60の第2係合部62(特に係合頭部62b)の大きさに対応して設けられている。なお本発明の第1止着部材50では、第1突起部52cの形成位置や突出方向を変更すること等によって、第1係合部52の収容空間部53を第1延出部52b及び第1突起部52cのみによって囲まれるように形成することも可能である。
【0122】
収容空間部53に連通する開口部54は、第1延出部52bの先端部と第1突起部52cの間に設けられている。この開口部54の大きさ54aを、
図14に示すように、第1延出部52bの先端部と第1突起部52cとの間の最短距離と規定した場合、開口部54の大きさ54aは、第2止着部材60の第2係合部62に配される挿入溝部62dから係合頭部62bの第2本体部61側の端部までの最少長さL(
図17を参照)よりも僅かに小さく設定されている。
【0123】
また、この開口部54は、第1延出部52bの先端部と第1突起部52cとの間の最短距離を結ぶ仮想上の直線が、第1本体部51の第1面51a及び第1基端壁部52aの第1面に対して90°未満の傾斜した角度で、好ましくは70°以下の傾斜した角度で配されるように形成されている。このように開口部54を第1本体部51の第1面51a及び第1基端壁部52aの第1面に対して傾斜させるように設けることにより、第1延出部52bの第1基端壁部52aから曲がりながら延出する延出長さを短くすることが可能となり、その結果、第1延出部52bを比較的小さなサイズで、また、小さな横断面積を有するように形成することが可能となる。
【0124】
本実施例2において、第1係合部52における第1延出部52bの先端部と第1突起部52cとには、後述する第1連続部57が形成されているため、開口部54は、2つの第1連続部57に挟まれるようにして、第1止着部材50の長手方向に沿って連続して形成されている。
【0125】
本実施例2の第1止着部材50には、前述の実施例1の第1止着部材10と同様に、第1止着部材50の長手方向に対して直交する直交方向に沿って形成される複数の第1スリット部56と、第1スリット部56が設けられていない部分として第1止着部材50の長手方向に連続する第1連続部57とが形成されている。なお、本実施例2の第1スリット部56は、第1止着部材50の長手方向に対して90°以外の所定の角度で交差する交差方向に沿って形成されていても良い。
【0126】
複数の第1スリット部56は、第1止着部材50の長手方向に一定のピッチ間隔P1をもって、互いに平行に形成されている。この場合、第1スリット部56の形成ピッチ間隔P1は、長手方向の第1スリット幅寸法W1と、長手方向の第1スリット離間間隔D1との合計の大きさである。また、第1スリット幅寸法W1は、第1スリット離間間隔D1よりも小さく設定されている。
【0127】
第1止着部材50の第1スリット部56は、第1止着部材50を第1本体部51の第1面(固定面)51aに対して直交する方向から見た平面視において(
図13を参照)、第1本体部51に設けられる本体側第1スリット部56aと、第1係合部52に設けられる係合側第1スリット部56bとを有する。特に各第1スリット部56は、一対の本体側第1スリット部56a及び係合側第1スリット部56bをそれぞれ有しており、一対の本体側第1スリット部56aと係合側第1スリット部56bとは、互いに第1止着部材50の長手方向の同じ位置に対応して形成されている。
【0128】
本体側第1スリット部56aは、第1本体部51の先端縁から、第1係合部52の一部(第1基端壁部52aの一部及び第1突起部52cの一部)を含む部分まで、直線的に配されている。すなわち、第1止着部材50の平面視において、本体側第1スリット部56aは、第1止着部材50の直交方向(長手方向に直交する左右方向)における寸法が、第1本体部51の直交方向における寸法よりも大きくなるように形成されている。またこの場合、本体側第1スリット部56aの前記直交方向における寸法が、例えば第1止着部材50の全体の前記直交方向における寸法に対し、第1本体部51の先端縁から50%以上となる範囲まで形成されていることが好ましい。
【0129】
係合側第1スリット部56bは、第1係合部52における第1延出部52bの一部分に連続的に設けられている。この係合側第1スリット部56bは、第1止着部材50の平面視において、第1止着部材50の左右方向における第1係合部52が配されている側の端縁から、第1係合部52の第1延出部52bの先端部の近傍まで配されている。
【0130】
第1止着部材50の横断面(
図14)を見たとき、係合側第1スリット部56bにおける前記直交方向(左右方向)の端部として、第1延出部52bに形成される上側のスリット端面56cと下側のスリット端面56cとが設けられている。この場合、上側のスリット端面56cと、下側のスリット端面56cとは、第1止着部材50の平面視(
図13)において重なる位置に配されている。これにより、第1止着部材50を、後述するように第1本体部51の第1面51aと平行な方向に、より容易に曲げることができる。
【0131】
第1止着部材50の第1連続部57は、例えば
図14に示すように、第1係合部52の開口部54を挟むように当該開口部54に隣接する開口隣接端部58に形成されている。すなわち、本実施例2の第1連続部57は、第1係合部52における第1延出部52bの先端部により形成される開口隣接端部58と、第1突起部52cの一部及び第1基端壁部52aの一部を含む開口隣接端部58とに、上下に分かれて、且つ適切な強度を確保可能な横断面積を備えて設けられている。
【0132】
上述のように複数の第1スリット部56及び第1連続部57が、本実施例2の第1止着部材50に設けられていることにより、第1止着部材50を、上下方向に分割して配される2つの第1連続部57を軸(中心)にして、
図12の仮想線や
図18によって示すように、第1本体部51の第1面(固定面)51aに対して平行な左右方向に容易に湾曲させることができる。また、第1止着部材50の材料コストを低減できるとともに、第1止着部材50を軽量化することができる。
【0133】
本実施例2の第2止着部材60は、第2シート部材7のシート辺縁部7aに固定される第2本体部61と、第2本体部61の一端部から屈曲して延出する第2係合部62と、第2係合部62から突出する突片部63とを有する。
【0134】
第2本体部61は、長手方向に細長い板状に形成されている。この第2本体部61は、第1シート部材6に接して固定される固定面となり、且つ第2止着部材60が第1止着部材50に本係合状態で保持されたときに第1止着部材50に対向する第1面(固定面)61aと、第1面61aの反対側に配される平面状の第2面61bとを有する。この場合、第2本体部61の第1面61aは、クッション体5に向くように配される内側表面となり、第2本体部61の第2面61bは、クッション体5に対して外側を向く外側表面となる。
【0135】
また、第2本体部61における第1面61aの先端部(第2係合部62に連結する側とは反対の側の端部)は、第2本体部61の厚さ寸法を先端に向けて漸減させるような傾斜面又は湾曲面に形成されている。更に、第2本体部61の第1面61aには、第2シート部材7のシート辺縁部7aに対する第2止着部材60の位置決めを行うための位置決め用突起部64が設けられている。なお本発明では、この位置決め用突起部64を設けずに第2止着部材を形成することも可能である。
【0136】
第2止着部材60の第2係合部62は、第2本体部61に対し、第2本体部61の第1面61a側に屈曲して形成されるとともに、長手方向に直交する横断面が略T字状を呈する形状を有する。この第2係合部62は、第2本体部61に対して傾斜した方向に延出する首部62aと、首部62aの先端部に配される係合頭部62bと、首部62aの基端部に配される当接部62cと、当接部62cと係合頭部62bの間に凹設される挿入溝部62dとを有する。この場合、第2本体部61と第2係合部62の境界は、第2止着部材60の横断面を見たときに(
図17を参照)、首部62aの第2本体部61側に向く表面の平面部分を係合頭部62b側とは反対の側に向けて延ばして得られる仮想上の直線部分又はその近傍部分となる。
【0137】
第2係合部62における首部62aは、第2本体部61に連結するとともに、第2本体部61に対して所定の角度で傾斜して延びるように配されている。係合頭部62bは、首部62aとともに略T字状の横断面を呈するように、首部62aの先端部から、首部62aに対して交差する方向(特に直交する方向)に直線状に延出している。
【0138】
この場合、係合頭部62bは、首部62aに対して第2本体部61側に延出する第1頭部と、第1頭部とは反対側に延出する第2頭部とを有する。また本実施形態において、係合頭部62bの第1頭部と第2頭部とは、首部62aの中心位置を基準にして互いに略同じ長さで延出している。
【0139】
第2係合部62の当接部62cは、第2止着部材60が第1止着部材50に本係合状態で保持されたときに第1止着部材50における第1延出部52bの先端部(特に先端面)を当接させる部分である。この当接部62cは、突片部63に隣接して配されている。
【0140】
第2係合部62の挿入溝部62dは、当接部62cと係合頭部62bの第2頭部との間に、第2止着部材60の長手方向に沿って設けられている。挿入溝部62dは、挿入溝部62dの底面となる溝底部と、一対の溝側壁部とを有する。また、一対の溝側壁部の間隔となる挿入溝部62dの溝幅寸法W3は、第1止着部材50の第1延出部52bを挿入可能な大きさに、すなわち、第1延出部52bの先端部の厚さよりも少し大きく設定されている。特に、挿入溝部62dは、挿入溝部62d内で第1延出部52bの僅かな移動を許容できると同時に、挿入溝部62d内で第1延出部52bががたつかない程度の大きさで形成されていることが好ましい。
【0141】
第2止着部材60の突片部63は、第2係合部62から、首部62aに対して直交する方向に突出している。なお本発明では、第2止着部材の大きさや形状に応じて、突片部63が、第2係合部62ではなく、第2本体部61から突出するように形成されていても良い。また、突片部63を設けずに第2止着部材を形成することも可能である。
【0142】
本実施例2の第2止着部材60には、第2止着部材60の長手方向に対して直交する直交方向(長手方向に対して90°の角度で交差する交差方向)に沿って形成される複数の第2スリット部66と、第2スリット部66が設けられていない部分として第2止着部材60の長手方向に連続する第2連続部67とが形成されている。なお、本実施例2の第2スリット部66は、第2止着部材60の長手方向に対して所定の角度で交差する交差方向に沿って形成されていても良い。
【0143】
複数の第2スリット部66は、第2止着部材60の長手方向に一定のピッチ間隔P2をもって、互いに平行に形成されている。この場合、第2スリット部66の形成ピッチ間隔P2は、前述の実施例1の場合と同様に、長手方向の第2スリット幅寸法W2と、長手方向の第2スリット離間間隔D2との合計の大きさである。また、第2スリット幅寸法W2は、第2スリット離間間隔D2よりも小さく設定されている。
【0144】
各第2スリット部66は、第2止着部材60を第2本体部61の固定面61aに対して直交する方向から見た平面視において(
図16を参照)、第2止着部材60の左右方向における第2係合部62が配されている側の端縁から、第2本体部61の先端部の近傍まで直交方向に連続して設けられている。このような複数の第2スリット部66が設けられていることにより、第2係合部62は、小片状に分割された形態で長手方向に沿って形成されている。
第2止着部材60の第2連続部67は、第2本体部61の第2係合部62から離れた先端部に設けられている。
【0145】
上述のように複数の第2スリット部66及び第2連続部67が第2止着部材60に設けられていることにより、第2止着部材60を、第2連続部67を軸(中心)にして、
図15の仮想線や
図18によって示すように、第2本体部61の固定面61aに対して平行な左右方向に容易に湾曲させることができる。また、第2止着部材60の材料コストを低減できるとともに、第2止着部材60を軽量化することができる。
【0146】
更に、本実施例2の第1止着部材50と第2止着部材60の関係においても、第1止着部材50に設けた第1スリット部56の形成ピッチ間隔P1と、第2止着部材60に設けた第2スリット部66の形成ピッチ間隔P2とは同じ大きさに設定されている。また、第1止着部材50の第1スリット幅寸法W1は、第2止着部材60の第2スリット離間間隔D2よりも小さく設定されており、且つ、第2止着部材60の第2スリット幅寸法W2は、第1止着部材50の第1スリット離間間隔D1よりも小さく設定されている。
【0147】
これにより、本実施例2のシート止着具2においても、前述の実施例1の場合と同様に、第1止着部材50と第2止着部材60とを相互に引っ掛かり難くすることができるため、第1止着部材50及び第2止着部材60がそれぞれ適切に動くことが可能となる。それにより、第1シート部材6及び第2シート部材7に皺が生じることや、第1シート部材6や第2シート部材7が局部的に引っ張られて伸びた状態になること等を抑制できる。
【0148】
次に、第1シート部材6に固定された第1止着部材50に、第2シート部材7に固定された第2止着部材60を係合させることによって、
図11に示したように、第2シート部材7を第1シート部材6に止着する方法について説明する。この場合、第1シート部材6と第2シート部材7は、クッション体5の表面に被せられている。
【0149】
また、第1止着部材50は、第1シート部材6の湾曲したシート辺縁部6aに、第1本体部51の第1面(固定面)51aに対して平行な方向(左右方向)に湾曲させた状態で縫着されている。第2止着部材60は、第2シート部材7の湾曲したシート辺縁部7aに、第2本体部61の第1面(固定面)61aに対して平行な方向(左右方向)に湾曲させた状態で縫着されている。
【0150】
先ず、作業者は、湾曲状に固定されている第2止着部材60を把持して、第2止着部材60の第2係合部62を湾曲状の第1止着部材50に近づける。更に、第2係合部62の係合頭部62bの一部(第2頭部)を、
図19に示すように、第1止着部材50の開口部54から収容空間部53に挿入し、且つ、第2係合部62の挿入溝部62d内に第1係合部52における第1延出部52bの先端部を挿入する。それとともに、第2係合部62の係合頭部62bを第1止着部材50の第1突起部52cの頂端面に当接させる。
【0151】
このとき、第1止着部材50の第1連続部57は、上述したように、第1係合部52の開口部54に隣接する第1延出部52bの先端部と、第1突起部52cの一部とに設けられている。このため、第2スリット部66が形成されることによって第2係合部62が小片状に分割されていても、その第2係合部62の係合頭部62bを、第1止着部材50の第1連続部57によって挟まれている開口部54に容易に且つ円滑に挿し込んで、収容空間部53に案内することができる。
【0152】
なお本実施例2では、第2係合部62を第1係合部52の開口部54に挿入し易くするために、第1係合部52の開口部54に隣接する第1延出部52bの先端部と第1突起部52cの一部とに第1連続部57が設けられている。しかし本実施例2では、例えば第1係合部52の開口部54に隣接する開口隣接端部58に第1連続部57を設ける代わりに、第2係合部62の係合頭部62bと首部62aの一部とに長手方向に連続する第2連続部67を設け、且つ、第1係合部52の全体に第1スリット部56を設けることによって第1係合部52の全体を小片状に分割することも可能である。これによっても、第2係合部62を第1係合部52の開口部54に挿入し易くすることができる。
【0153】
そして、上記作業によって第2止着部材60の第2係合部62を、第1止着部材50の第1延出部52bと第1突起部52cに同時に当接させることによって、第2止着部材60は、第1止着部材50に対して、第1止着部材50の第1延出部52bが第2係合部62の挿入溝部62dに挿入された状態で一時的に係止される仮係合状態で保持される。また、この仮係合状態のときに、作業者は、第1シート部材6及び第2シート部材7の位置などを調整することにより、第1シート部材6及び第2シート部材7に生じる皺や弛み等を取り除くことができる。
【0154】
続いて、作業者は、仮係合状態で係止されている湾曲状の第2止着部材60を、
図19に第3矢印33で示すように、その第2本体部61が第1止着部材50に近付くように押圧することにより、第2止着部材60を回動させる。このとき、第2止着部材60は、その係合頭部62bが第1止着部材50の第1延出部52bに当接している部分又は引っ掛かっている部分を支点として、当該支点部分を中心に回動する。
【0155】
これにより、第2止着部材60が第2シート部材7のシート辺縁部7aを巻き込みながら、第1延出部52bの先端部を第2止着部材60の挿入溝部62dから抜出させて、第2係合部62の当接部62cに向けて移動させることができる。それとともに、係合頭部62bの一部(第1頭部)を第1突起部52cの頂端面に摺接させながら、第1止着部材50の開口部54に近付けることができる。
【0156】
更に第2止着部材60を第1止着部材50に向けて回動させることにより、第1止着部材50及び第2止着部材60の少なくとも一方を弾性変形させながら、係合頭部62bを、第1突起部52cを越えて収容空間部53内に移動させることができ、それによって、係合頭部62bの全体を第1止着部材50の収容空間部53に容易に且つ円滑に挿入して嵌め込むことができる。
【0157】
この場合、係合頭部62bが第1突起部52cを越えた時点で、弾性変形した第1止着部材50及び第2止着部材60の少なくとも一方が弾性復帰するため、第2止着部材60の係合頭部62bを第1突起部52cの内壁面に引っ掛けることができる。
【0158】
また、係合頭部62bが上述のように第1突起部52cを越えたときに上記弾性復帰が生じることにより、第1止着部材50と第2止着部材60が部分的に衝突し、その衝突により小さな衝突音や触感を生じさせることができる。このため、
図20に示すように、第1止着部材50及び第2止着部材60が第1シート部材6及び第2シート部材7によって覆い隠されて、外側(図面の上側)から見えない場合であっても、作業者は、小さな衝突音や触感を感知することによって、係合頭部62bの全体が第1止着部材50の収容空間部53に挿入されたことを確認できる。
【0159】
そして、上述のように係合頭部62bの全体が第1止着部材50の収容空間部53に挿入されて保持されることにより、
図11及び
図20に示すように、第1止着部材50の第1延出部52bの先端縁と第2止着部材60の当接部62cとが当接し、また、第1止着部材50の第1突起部52cの内壁面と第2止着部材60の係合頭部62bとが当接する。更に本実施形態の場合、第1止着部材50の第1延出部52bの先端部と第2止着部材60の突片部63とを互いに広く当接させることができる。
【0160】
このように第2止着部材60が、第1止着部材50に対して2箇所以上の部分で当接することにより、第2止着部材60を適切な係合力で第1止着部材50に本係合状態で安定して係合(嵌合)させることができる。これによって、湾曲状態で第1シート部材6に固定された第1止着部材50と、湾曲状態で第2シート部材7に固定された第2止着部材60とが接続されるため、
図11に示したように、第2シート部材7の湾曲したシート辺縁部7aを、第1止着部材50及び第2止着部材60の長手方向に沿って、第1シート部材6の湾曲したシート辺縁部6aに連続的に止着することができる。
【0161】
更に、上述のように第2止着部材60を本係合状態で係合させた場合、互いに係合した第1止着部材50及び第2止着部材60は、第1シート部材6及び第2シート部材7からそれぞれ引っ張られるような張力を受ける。このため、シート止着具2には、
図20に第4矢印34で示すような、第2止着部材60の第2本体部61が第1止着部材50から離間するように第2止着部材60を回動させる方向の応力が加えられる。
【0162】
この場合、第1止着部材50は、第1延出部52bの先端縁と、第1突起部52cの内壁面と、第1延出部52bの先端部の外周面とにおいて、
図20に第5矢印35で示すような第2止着部材60から加えられる力を受け止めて、第2止着部材60を支持することができる。これにより、第2止着部材60が第1止着部材50から外れることを効果的に防いで、本係合状態を安定して維持することができる。
【0163】
特に本実施形態の場合、第1突起部52cの内壁面が第1基端壁部52aの第1面に対し、上述のように鋭角の傾斜角度で配されているため、例えばこの傾斜角度が90°又は鈍角となる場合に比べて、当該第1突起部52cの内壁面で第2止着部材60の係合頭部62bをより安定して支持することがきる。
【0164】
一方、
図11及び
図20に示したように第2止着部材60が第1止着部材50に本係合状態で係止されている状態から、第2止着部材60を第1止着部材50から取り外して分離する場合、作業者は、第2止着部材60を把持し、
図21に示すように第1止着部材50の第1延出部52bが、第2止着部材60の当接部62c及び突片部63から離間して挿入溝部62dに挿入されるように、第2止着部材60を第1シート部材6及び第2シート部材7からの張力に抗して移動させる。これにより、第2止着部材60の位置が本係合状態からずらされる。
【0165】
続いて、第2止着部材60を、第1止着部材50の第1延出部52bが挿入溝部62dに挿入された状態のまま、係合頭部62bが第1止着部材50の第1延出部52bに当接している部分を中心にして、
図21に第6矢印36で示すように回動させる。これにより、第1止着部材50及び第2止着部材60の少なくとも一方を弾性変形させながら、係合頭部62bを第1止着部材50の収容空間部53から円滑に抜出させて、第2止着部材60を第1止着部材50から容易に且つ円滑に脱離させることができ、その結果、第2シート部材7のシート辺縁部7aを、第1シート部材6のシート辺縁部6aから容易に分離させることができる。
【0166】
以上のように、本実施例2のシート止着具2では、第1止着部材50に複数の第1スリット部56が形成されているとともに、第2止着部材60に複数の第2スリット部66が形成されている。このため、例えば
図11に示したように、第1シート部材6及び第2シート部材7の各シート辺縁部6a,7aが、それぞれのシート辺縁部6a,7aと平行な方向に同じような曲率で湾曲させて形成されている場合でも、第1止着部材50及び第2止着部材60を長尺の状態のまま対応させるように湾曲させて、それぞれのシート辺縁部6a,7aに安定して固定することができる。
【0167】
更に、第1シート部材6及び第2シート部材7に湾曲状態で固定した第1止着部材50及び第2止着部材60を互いに本係合状態で係合させることにより、第1シート部材6の湾曲したシート辺縁部6aに対し、第2シート部材7の湾曲したシート辺縁部7aを、上述したような簡単な作業で容易に且つ円滑に、また短時間で止着することができる。また、本実施例2のシート止着具2の場合も、前述の実施例1の場合と同様に、従来のように第1止着部材及び第2止着部材が小片状に短く切断されないため、小片状の第1止着部材及び第2止着部材による凹凸の模様が形成されることもない。このため、当該凹凸の模様に起因して製品の外観品質が低下することを防止できる。
【0168】
また、本実施例2のシート止着具2では、第1シート部材6のシート辺縁部6aに第2シート部材7のシート辺縁部7aを止着したときに、
図20に示したように、第2シート部材7を、第2止着部材60の第2本体部61の先端部に接触させて折り返している。この場合、第2止着部材60の第2本体部61の先端部に、長手方向に連続する第2連続部67が設けられている。このため、本実施例2の第2止着部材60においても、前述の実施例1の第2止着部材20と同様に、第2シート部材7を第2連続部67に沿って綺麗に折り返すことができるとともに、第2シート部材7の折り返し部分を平滑な形態に仕上げることができる。
【0169】
更に、本実施例2の第2止着部材60には、第2係合部62から突出するとともに第1止着部材50の第1係合部52を当接させる突片部63が設けられている。一方、本実施例2における第1止着部材50の第1係合部52には、上述した複数の係合側第1スリット部56bが一定のピッチ間隔P1で設けられているため、係合側第1スリット部56bが設けられている部分と、設けられていない部分とによって第1係合部52に凹凸の模様が形成されている。
【0170】
この場合、例えば第2止着部材60に上述の突片部63が設けられていなければ、第2止着部材60を第1止着部材50に本係合状態で保持したときに、第2シート部材7の張力によって第2シート部材7が第1止着部材50の第1係合部52に押し当てられることが考えられる。その結果、第1止着部材50の第1係合部52に形成される上述の凹凸の模様が、第2シート部材7の外表面に表出する可能性がある。
【0171】
しかし本実施例2のように第2止着部材60に突片部63が設けられていることにより、第2止着部材60を第1止着部材50に本係合状態で保持したときに(
図20を参照)、第2止着部材60の突片部63が第1止着部材50の第1係合部52に当接するとともに第1係合部52の一部を上から被覆することができる。
【0172】
これにより、第1止着部材50の第1係合部52に、上述した係合側第1スリット部56bによる凹凸の模様が形成されていても、第2止着部材60の突片部63によって、第1止着部材50の第1係合部52を第2シート部材7に接触させ難くすることができる。その結果、第1係合部52に形成されている凹凸の模様が第2シート部材7の外表面に表出することを防止すること(又は、凹凸の模様を第2シート部材7の外表面に表出し難くすること)ができる。
【0173】
なお、上述した実施例1及び実施例2のシート止着具1,2は、第1シート部材6のシート辺縁部6aと第2シート部材7のシート辺縁部7aとが、それぞれのシート辺縁部6a,7aと平行な方向に湾曲した形態に形成されている場合に特に好適に使用されるだけでなく、例えば第1シート部材のシート辺縁部と第2シート部材のシート辺縁部とがそれぞれ直線状に形成されている場合にも同様に好適に使用することができる。すなわち、実施例1及び実施例2のシート止着具1,2を用いることによって、第1シート部材6の直線状のシート辺縁部6aに対して、第2シート部材7の直線状のシート辺縁部7aを容易に且つ円滑に止着することができる。
【符号の説明】
【0174】
1,2 シート止着具
5 クッション体
6 第1シート部材
6a シート辺縁部
7 第2シート部材
7a シート辺縁部
10 第1止着部材
11 第1本体部
11a 第1面(固定面)
11b 第2面
12 第1係合部
12a 第1基端壁部
12b 第1中間壁部
12c 第1先端壁部
12d 第1突起部
13 収容空間部
14 開口部
14a 開口部の大きさ
16 第1スリット部
16a 本体側第1スリット部
16b 係合側第1スリット部
16c スリット端面
17 第1連続部
18 開口隣接端部
20 第2止着部材
21 第2本体部
21a 第1面(固定面)
21b 第2面
22 第2係合部
22a 第2基端壁部
22b 第2中間壁部
22c 第2先端壁部
23 内側空間部
26 第2スリット部
27 第2連続部
31~36 第1矢印~第6矢印
50 第1止着部材
51 第1本体部
51a 第1面(固定面)
51b 第2面
52 第1係合部
52a 第1基端壁部
52b 第1延出部
52c 第1突起部
53 収容空間部
54 開口部
54a 開口部の大きさ
56 第1スリット部
56a 本体側第1スリット部
56b 係合側第1スリット部
56c スリット端面
57 第1連続部
58 開口隣接端部
60 第2止着部材
61 第2本体部
61a 第1面(固定面)
61b 第2面
62 第2係合部
62a 首部
62b 係合頭部
62c 当接部
62d 挿入溝部
63 突片部
64 位置決め用突起部
66 第2スリット部
67 第2連続部
D1 第1スリット離間間隔
D2 第2スリット離間間隔
L 第2止着部材の挿入溝部から係合頭部の第2本体部側の端部までの長さ
P1,P2 ピッチ間隔
W1 第1スリット幅寸法
W2 第2スリット幅寸法
W3 挿入溝部の溝幅寸法
θ 第1突起部の内壁面と第1基端壁部の第1面との間の角度