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  • 特許-糸ゴム切断検出装置 図1
  • 特許-糸ゴム切断検出装置 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】糸ゴム切断検出装置
(51)【国際特許分類】
   B65H 63/032 20060101AFI20221212BHJP
【FI】
B65H63/032 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2017030918
(22)【出願日】2017-02-22
(65)【公開番号】P2018135183
(43)【公開日】2018-08-30
【審査請求日】2019-06-18
【審判番号】
【審判請求日】2021-03-26
(73)【特許権者】
【識別番号】000122298
【氏名又は名称】王子ホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】弁理士法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】竹内 一秀
【合議体】
【審判長】藤本 義仁
【審判官】吉村 尚
【審判官】松田 直也
(56)【参考文献】
【文献】特開2001-62178(JP,A)
【文献】特開2000-225212(JP,A)
【文献】特開2009-67532(JP,A)
【文献】特開平09-290957(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 7/00-7/20
B65H43/00-43/08
B65H55/00-55/04
B65H61/00-63/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
糸ゴム接触部であって、中空に張られた糸ゴムに引っ掛けられることにより、装置内における糸ゴムの延在方向以外の前記糸ゴム接触部と前記糸ゴムとの相対位置が一定にされる糸ゴム接触部と、
糸ゴム接触部が糸ゴムの延在方向に変位することを規制する延在方向変位規制部と、
糸ゴム接触部を糸ゴムの延在方向以外へ変位する方向へ付勢する付勢部と、
付勢部によって糸ゴム接触部が変位したことを検知する近接スイッチと、
糸ゴムが切れた際に付勢部によって糸ゴム接触部が所定方向へ所定値以上移動したことを前記近接スイッチにより検知した場合に糸ゴムが切れたものと判断する判断部と、
糸ゴム接触部の変位によって変位する被検知部と、
を備え、
近接スイッチは、近接スイッチを含むあらかじめ定められた範囲内に被検知部が位置したことを検出することができ、
被検知部と近接スイッチとは、糸ゴム接触部が変位した場合に、被検知部と近接スイッチとが水平方向に並ぶときに、被検知部と近接スイッチとの距離が最も近くなるように構成されている、糸ゴム切断検出装置。
【請求項2】
中空に張られた糸ゴムに引っ掛けられて重力方向の変位が規制される糸ゴム接触部と、
糸ゴム接触部が糸ゴムの延在方向に変位することを規制する延在方向変位規制部と、
糸ゴム接触部の重力方向の変位を検知する近接スイッチと、
糸ゴム接触部の変位によって変位する被検知部と、
を備え、
近接スイッチは、近接スイッチを含むあらかじめ定められた範囲内に被検知部が位置したことを検出することができ、
被検知部と近接スイッチとは、糸ゴム接触部が変位した場合に、被検知部と近接スイッチとが水平方向に並ぶときに、被検知部と近接スイッチとの距離が最も近くなるように構成されている、糸ゴム切断検出装置。
【請求項3】
延在方向変位規制部は、装置内における所定位置を中心に回動するアーム部であり、一端側に糸ゴム接触部が固定接続され、糸ゴムが切れた際に糸ゴムによる規制が解除されて回動し、
前記近接スイッチは延在方向変位規制部の回動を検知する、
請求項2に記載の糸ゴム切断検出装置。
【請求項4】
前記近接スイッチは、前記被検知部としての、糸ゴム接触部と固定接続された前記アーム部において前記糸ゴム接触部が設けられていない側の先端が、前記あらかじめ定められた範囲である検出範囲に存するか否かを検知する、
請求項3に記載の糸ゴム切断検出装置。
【請求項5】
前記近接スイッチは、前記糸ゴム接触部が、前記あらかじめ定められた範囲である検出範囲に存するか否かを検知する、
請求項2に記載の糸ゴム切断検出装置。
【請求項6】
糸ゴム接触部は、
貫通孔を備え、
中空に張られた糸ゴムが当該貫通孔を通され、
糸ゴムの鉛直方向略上側に位置する貫通孔の縁部が糸ゴムに当接するように引っ掛けられている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の糸ゴム切断検出装置。
【請求項7】
糸ゴム接触部は、さらに、糸ゴムに引っ掛けられた状態において貫通孔の鉛直上側以外の位置において外部空間とつながった連通孔を備えた、
請求項6に記載の糸ゴム切断検出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糸ゴムの切断を検知する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、製造工程における糸切れを検出する方法が種々提案されている。たとえば特許文献1には、凝固浴に吐出される繊維束に対して、ラインレーザーを照射し、それを特定の位置に設置したカメラで撮影し、画像処理装置を用いて解析を行うことで、紡糸ノズル面のどの位置で単糸切れが発生しているかを特定する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-44382号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本件は、糸ゴムの切断を検知する装置に関する新規の発明に関する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために、本願発明者は、中空に張られた糸ゴムに引っ掛けられて装置内における糸ゴムの延在方向以外の相対位置が一定にされる糸ゴム接触部と、糸ゴム接触部が糸ゴムの延在方向に移動することを規制する延在方向移動規制部と、糸ゴム接触部を糸ゴムの延在方向以外へ移動する方向へ付勢する付勢部と、付勢部によって糸ゴム接触部が移動したことを検知する検知部と、糸ゴムが切れた際に付勢部によって糸ゴム接触部が所定方向へ所定値以上移動したことを検知した場合に糸ゴムが切れたものと判断する判断部と、を備えた糸ゴム切断検出装置を見出した。
また、上記構成において、検知部が、付勢部によって糸ゴム接触部が移動した速度を検知するようにし、判断部が、糸ゴムが切れた際に付勢部によって糸ゴム接触部が所定方向へ所定速度以上で移動したことを検知した場合に糸ゴムが切れたものと判断するようにした糸ゴム切断検出装置も見出した。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、糸ゴムの切断状態を良好に検出可能な装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】切断検出装置100の構成を示す説明図である。
図2】5台の切断検出装置100bを配した状態を示す説明図である。
図3】切断検出装置100cを配した状態を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本件を実施するための形態を説明する。下記の実施形態はあくまでも例示に過ぎず、この実施形態で明示しない種々の変形や技術の適用を排除する意図はない。本実施形態の各構成は、その趣旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。また、必要に応じて取捨選択することができ、適宜組み合わせることもできる。
【0009】
A1.切断検出装置100の配置および構成:
図1は、切断検出装置100の構成を示す説明図である。図1は、図の上側が鉛直上側/図の下側が鉛直下側(重力方向)となっている。切断検出装置100は、第1フレーム110と、アーム120と、フック130(糸ゴム接触部)と、回転軸部140と、第2フレーム170と、近接センサ180(検知部)と、第3フレーム190と、を備える。なお、アーム120は、図1に示すように第1フレーム110に片持ちされた構成でもよく両持ちされた構成としてもよい。図2は、図1の左方向から眺めた様子が示されており、5台並んだ切断検出装置100bは、それぞれ第1フレーム110に片持ち支持されているため、それぞれの幅(図2の横方向の長さ)を小さくすることができる。また、図3に示すように、2つの第1フレーム110と1つの回転軸部140cによって複数(図では5台)の切断検出装置100cを支持するようにしてもよい。
【0010】
第1フレーム110は、回転軸部140を介して回転可能にアーム120を支持する。アーム120の一方の先端には、フック130が固定接続されている。アーム120の他方の先端(アーム120におけるフック130が設けられていない側の端部)を被検知部125と呼ぶ。被検知部125は、アーム120における近接センサ180の検知範囲DA内に入りうる部分である。すなわち、フック130と被検知部125とは、回転軸部140を挟んで逆の側に位置している。
【0011】
アーム120は、回転軸部140の回転の中心(中間部)である中心軸Oを中心に、回動可能である。本実施形態においては、アーム120は、フック130が回転軸部140よりも鉛直方向上方側に位置する状態から、被検知部125が回転軸部140よりも鉛直方向下方側に位置する所定の姿勢まで回転可能とされている。中心軸Oからフック130の位置する側(一端側)は、中心軸Oから被検知部125が位置する側よりも重くされている。そのため、アーム120及びフック130は、何らの支え等がなければ、図1に実線で示す位置から破線で示す位置Spに(図のAg方向へ)中心軸Oを回動中心として回動する。なお、図中Spの状態でアーム120及びフック130が回動するのを止めるための、アーム120及びフック部130の少なくとも一部と当接してアーム120の回動を規制する図示しない受け部が設けられている。このため、アーム120及びフック130は、図1において実線で示す姿勢から、図のAg方向へ中心軸Oを中心として回動すると、受け部によって図中Spの状態で静止されることとなる。
【0012】
フック130は、糸ゴムが通される空間(貫通孔)Sptを備える。貫通孔Sptは、アーム120が第1フレーム110に組みつけられ、フック130が中心軸Oよりも鉛直方向上方に位置する場合に、鉛直方向上側とならない位置において(糸ゴム接触部が糸ゴムに引っ掛けられた状態において貫通孔の鉛直上部以外の位置において)、外部空間とつながる連通孔が設けられている。すなわち、フック130は、図1における実線で示す位置に存する状態で、図の上側以外の位置に連通孔が設けられている。
【0013】
フック130は、連通孔を通して貫通孔Spt内に糸ゴムT1が導入され、糸ゴムT1の上に掛けられて支持される。このため、糸ゴムT1が中空に張られた状態において、アーム120は、図1において実線で描かれている(フック130が中心軸Oよりも鉛直方向上側に存する)姿勢をとる。
【0014】
フック130は、アーム120を支持する第1フレーム110が装置内でおける相対位置が不動である(装置に固定されている)ため、糸ゴムT1の延在方向(図1の左右方向)へは実質的に動かない(移動が規制されている)。
【0015】
第2フレーム170は、近接センサ180を支持している。近接センサ180は、被検知部125が中心軸O側の近接センサ180の先端を含むあらかじめ定められた範囲DA内に位置したことを検出する近接スイッチである。近接センサ180は、図1に破線で示すアーム120が水平の姿勢を取った際に、被検知部125との距離が最も近くなるように第2フレーム170に支持されている。
【0016】
第3フレーム190は、一対の第1フレーム110と第2フレーム170とを支持している。すなわち、第3フレーム190は、紙おむつの製造ラインが設けられている工場の床などに設置され、第1フレーム110の装置内での相対位置を不動としている。図示しない受け部も、第1フレーム110に固定されるようにすれば、装置内での相対位置が不動となる。
すなわち、アーム120は、回転軸部140や第1フレーム110、第1フレームが固定される第3フレーム190とともに、糸ゴム接触部であるフック130が糸ゴムT1の延在方向に移動することを規制している(延在方向移動規制部)。また、本実施形態においては、アーム120におけるフック130が設けられた側の重みによって、アーム120が回動し、当該側が重力方向に移動するように構成されている(付勢部)。なお、本明細書においては、対象物が、それまで存在した位置から、重力方向について異なる位置に移動した場合には、「重力方向に移動する」と表記する。すなわち、本明細書においては、「重力方向に移動する」は、重力方向に沿って直線的に移動する場合に限られない。
【0017】
A2.切断検出装置100の作用および効果:
図1において実線で示すように、フック130が糸ゴムT1に引っ掛けられ、アーム120が水平状態から傾いた姿勢に保持されている場合、アーム120の先端の被検知部125は近接センサ180の検知範囲DA外にあるため、近接センサ180は被検知部125を検知しない。図示しない糸ゴムが切れたか否かを判断する判断部は、近接センサ180が被検知部125を検出していない場合、糸ゴムは切れていないものと判断する。
糸ゴムT1が切れると、上記したようにアーム120におけるフック130側はAg方向(鉛直下方向)とするように回動し、図に破線で示す状態となる。この状態において被検知部125は検出範囲DAにあるため、近接センサ180は被検知部125を検知する。判断部は、近接センサ180が被検知部125を検知した場合、糸ゴムが切れたものと判断する。
【0018】
本実施形態においては、糸ゴムT1が切れてしまったか否かを、糸ゴムT1自身を観察するのではなく、糸ゴムT1の切断に起因したアーム120等の動きを検出するようにしている。すなわち、本装置は、近接センサ180によって被検知部125の有無を判定するだけであり、かつ、被検知部125は糸ゴムT1が切れた場合に近接センサ180の検出範囲DAを確実に通過する/含まれるため、糸ゴムT1自身を光学センサ等によって観測する場合と比べて観測が極めて容易かつ確実となる。
【0019】
本実施形態においては、回転可能に支持されたアーム120の両端部に、糸ゴム接触部としてのフック130と、検知部としての近接センサ180に検知される被検知部125とが設けられている。そして、糸ゴムT1が切断されると、糸ゴムT1によって回動が制限されていたアーム120が回動する(移動規制が解除されて回動する;図1の例ではフック130付加側が鉛直下方向へ回動する。変形例2のようにフック130側が鉛直下以外の方向へ回動する構成も含む。)。このようにアーム120が所定の角度範囲内で回転可能に支持されていれば、糸ゴムT1が切れた後に元に戻す(貫通孔Sptに糸ゴムT1をかけなおす)ために回転軸部140を中心にアーム120を回動させるだけですむ。
【0020】
本実施形態においては、切断検出装置100は、中心軸Oを中心とするアーム120の回動によって糸ゴムT1の切断を検知している。このため、光学センサなどで糸ゴムT1自体を検知することによって糸ゴムT1の切断を検知する態様に比べて、糸ゴムが擦り切れたくずや埃(以下、適宜「ごみ」と表記する。)などによる誤検出等を防止したりすることができる。
本実施形態においては、接触式のセンサではなく近接センサ180によって被検知部125を検出している。このため、検出部分等にごみがたまってセンサが動かなくなってしまったり誤検出してしまったりする可能性を低くすることができる。
本実施形態においては、カメラや光学センサではなく近接センサ180によって糸ゴムT1の切断を検出している。カメラや光学センサはごみが付着することで糸ゴムの切断を誤検出してしまう危険性があるが、このような危険性を低減することが可能となる。
以上のように検知部としては近接センサ180が好適に用いられるが、接触式のセンサやカメラ、光学センサなどのその他のセンサを用いることを排除するものではない。
【0021】
糸ゴムT1が切れていない状態において被検知部125が水平方向よりも鉛直下向きにできるため、水平方向よりも鉛直上向きになってしまう場合などと比べて被検知部125へごみが付着してしまう危険性を低くすることができる。
近接センサ180の向きを図1に示すように水平方向Dhとすることで、水平方向よりも鉛直上向きになってしまう場合などと比べて近接センサ180にごみが付着してしまう危険性を低くすることができ、また、付着してしまったごみが自重で落ちやすくなる。
【0022】
B.変形例:
この発明は上記実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
【0023】
B1.変形例1:
貫通孔Sptは外部空間と連通して糸ゴムを通しやすくすることが好ましいが、連通孔はなくてもよい。連通孔の位置は、上記した通りにフック130が糸ゴムT1に引っ掛けられた場合に接触する位置及びその近傍以外であればよく、たとえば切断検出装置が設置された状態において、側方が開いている形状など、他の形状とすることもできる。
貫通孔Sptの形状は適宜設定できるが、糸ゴムT1への負荷が小さくなるように設定することが好ましい。たとえば糸ゴムT1が平面部を有するゴムである場合、貫通孔Sptにおけるゴムと接触する部位(図1の実線で示す状態において図上側(鉛直上側)の部位)は平らにすれば、ゴムの一点に負荷がかかってしまうことを防止することも可能となる。
【0024】
B2.変形例2:
上記実施形態においては、アーム120は、フック130が接続された側が重みによって(重力によって)下方へ移動(回動)するようにされているが、重力以外の力を用いてこのような回動方向を実現することもできる。たとえばバネを利用してアームに回転力(図1の例ではAg方向の力)を付与してもよい(付勢部)。このように構成すれば、中心軸Oを基準としてフック130が設けられた側を他端125側よりも軽くするといった構成も可能となる。さらには、このような構成とすれば、アーム120におけるフック130が存する側が重力方向に回動する構成だけでなく、任意の方向(たとえば図2における左右方向など)へ移動する構成も採用しえる。
なお、フック130が重力方向へ移動する場合には、貫通孔Sptの鉛直上側が糸ゴムT1と接触し、この部位以外において連通孔を設けることが好ましいが、上記のようにアーム120の移動方向を重力方向下側以外へ移動(付勢)するようにする場合、貫通孔Sptにおける当該移動(付勢)方向と反対側縁部において糸ゴムT1と当接する(引っかかる)ため、この位置以外において連通孔を設けることが望ましい。
【0025】
B3.変形例3:
上記実施形態においては、近接センサ180は、被検知部125が検出範囲DAにある場合に糸ゴムT1が切れたものと判定したが、フック130が糸ゴムT1に引っ掛けられた状態(図1の実線で示す状態)にける被検知部125が検出範囲DAに存するように配置してもよい。この場合、判断部は、検出範囲DAに被検知部125が存する場合には糸ゴムが切れていないと判断し、近接センサ180が被検知部125を検知できなくなった場合(被検知部125が検出範囲DAにいなくなった場合)に糸ゴムT1が切れたものと判断する。
【0026】
B4.変形例4:
上記実施形態においては、検知部として近接センサ180を用いるなどして検出範囲DAにおける被検知部125の有無によって糸ゴムT1の切断を判定していたが、検知部が検知範囲DA内における被検知部125の移動速度を監視し、所定以上の速度で移動(回動)した場合に糸ゴムが切れたものと判定するようにしてもよい。そのような態様においては、検知部は、検知範囲DA内に被検知部125が存在するか否かを検知しうる。さらに、検知範囲DA内に被検知部125が存在する場合に、検知部は、被検知部125の移動速度を検知しうる。検知範囲DA内に被検知部125が存在し、かつ、被検知部125の移動速度が所定値より大きい場合に、検知部は、糸ゴムの切断を告知するための所定の信号を、図示しない判断部(制御部)に対して出力する。判断部は、その信号を検知部からすると、糸ゴムが切断したと判定する。そして、判断部は、その信号が検知部から出力されていない状態においては、糸ゴムは切断されていないものと判定する。
【0027】
B5.変形例5:
上記実施形態においては、被検知部125をアーム120におけるフック130が設けられていない側の端部としたが、他の部位を被検知部とすることもできる。すなわち、アーム120における他の部位を被検知部125としてもよく、アーム120に別部材を付加して当該別部材を被検知部125とすることもできる。
【0028】
B6.変形例6:
糸ゴムT1切断前後の被検知部125の移動は、上記したような回転軸部140を中心とするアーム120の回動に起因するもの以外の構成も採用しえる。
たとえば、フック130が糸ゴムT1にぶら下がる構成とされ、糸ゴムT1が切れた際に自重で落下するようにし、検知部は落下したフック130を/落下するフック部130を検知するようにしてもよい(付勢部・検知部)。この構成においては被検知部はフック130と一体とされたり付加されたりしている。なお、この構成を採用する場合、糸ゴムT1の搬送に伴ってフック130が搬送方向に移動してしまわないように、装置内での相対位置が不動な部分からフック130を糸やばねなどで吊り下げるなどする(延在方向移動規制部)。
【0029】
B7.変形例7:
上記実施形態においては、糸ゴムT1が切れてアーム120が回動し、被検知部125近接センサ180が近接センサ180の検知範囲DAに入った状態(図1における破線で示す状態)を維持するための図示しない受け部を設けたが、この受け部はなくてもかまわない。
【符号の説明】
【0030】
100,100b,100c…切断検出装置
110,110c…第1フレーム
120…アーム
125…被検知部
130…フック
140,140b,140c…回転軸部
170…第2フレーム
180…近接センサ
190,190c…第3フレーム
Ag…重力
Al3…中間品L3の搬送方向を示す矢印
Ap1…吸水性マットP1の搬送方向を示す矢印
As1…表面シートS1の搬送方向を示す矢印
As2…バックシートS2の搬送方向を示す矢印
As3…バックカバーシートS3の搬送方向を示す矢印
Cp1…カッター
DA…近接センサ180検知範囲
Dh…水平方向
Dvd…フック130を基準とする鉛直方向の下方
L1,L2,L3…中間品
O…回転の中心軸
P1…吸水性マット
Rs2…バックシートS2を巻き付けたロール
Rs3…バックカバーシートS3を巻き付けたロール
Rt1…糸ゴムT1を巻き付けたロール
Rt2…糸ゴムT2を巻き付けたロール
S1…表面シート
S2…バックシート
S3…バックカバーシート
Sp…フック130が落下した際に位置する空間
Spt…糸ゴムを受け入れるための空間
T1,T2…糸ゴム
図1
図2
図3