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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20221212BHJP
   G03G 15/00 20060101ALI20221212BHJP
   B65H 7/06 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
G03G21/00 370
G03G15/00 480
B65H7/06
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2018073417
(22)【出願日】2018-04-05
(65)【公開番号】P2019184746
(43)【公開日】2019-10-24
【審査請求日】2021-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100123559
【弁理士】
【氏名又は名称】梶 俊和
(74)【代理人】
【識別番号】100177437
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 英子
(72)【発明者】
【氏名】今野 佑哉
【審査官】飯野 修司
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-174967(JP,A)
【文献】特開2014-186077(JP,A)
【文献】特開2005-249832(JP,A)
【文献】特開平05-289439(JP,A)
【文献】米国特許第05404200(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 15/00
B65H 7/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送路に配置され、記録媒体を搬送する搬送手段と、
帯電されたトナー像を担持する像担持体と、
転写位置で前記像担持体に担持されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、
前記転写手段に転写電圧を印加する転写電圧印加部と、
前記像担持体上のトナーを清掃する清掃手段と、
前記搬送路において記録媒体のジャムが発生したことを検出する検出手段と、
発生したジャムの種類を判断する判断手段と、
前記検出手段によりジャムが発生したことが検出された場合に、前記搬送手段の駆動を停止させるよう制御する制御手段と、を備える画像形成装置であって、
前記制御手段は、前記判断手段により判断されたジャムの種類及び前記記録媒体の搬送方向における長さに基づき、前記転写位置に記録媒体が有るか否かを判断し、
i)前記検出手段によりジャムが発生したことが検出され、前記制御手段が前記転写位置に記録媒体が無いと判断した場合、
前記制御手段は、前記転写電圧印加部によって前記トナー像が帯電された極性と同じ極性の前記転写電圧を印加した状態で、ジャムとなった記録媒体の除去を待つことなく前記清掃手段による清掃を開始させるように制御し、
ii)前記検出手段によりジャムが発生したことが検出され、前記制御手段が前記転写位置に記録媒体が有ると判断し、かつ、前記転写位置に有る記録媒体が前記ジャムとなった記録媒体とは別の記録媒体である場合、前記判断手段が、前記搬送手段によって前記転写位置にある記録媒体を搬送させることにより前記転写位置に記録媒体が無い状態にすることができると判断すると、
前記制御手段は、前記ジャムとなった記録媒体の除去を待つことなく前記清掃手段による清掃を開始させるように制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記検出手段によりジャムが発生したことが検出され、前記制御手段が前記転写位置に記録媒体が有ると判断した場合、
前記制御手段は、前記搬送路から記録媒体が除去された後に前記清掃手段による清掃を開始させるように制御することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記搬送路に配置され、記録媒体の有無を検知するセンサを含む検知手段を備え、
前記判断手段は、前記センサによる検知結果に基づいてジャムの種類を判断することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記センサは、前記転写位置よりも上流に位置しており、
前記判断手段は、前記センサの検知結果、前記センサと前記転写位置との距離、及び記録媒体の搬送速度に基づき前記転写位置に記録媒体が有るか否かを判断することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記センサは、第1のセンサであり、前記第1のセンサよりも前記搬送方向における下流に配置された第2のセンサをさらに備え、
前記判断手段は、前記第1のセンサにより記録媒体の有りを検知してから所定時間が経過しても前記第2のセンサにより記録媒体の有りを検知できない場合に、ジャムの種類を遅延ジャムであると判断することを特徴とする請求項又は請求項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記判断手段は、前記センサにより記録媒体の有りを検知してから所定時間が経過しても記録媒体の無しを検知できない場合に、ジャムの種類を滞留ジャムであると判断することを特徴とする請求項又は請求項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御手段は、前記搬送手段により前記転写位置にある記録媒体を搬送させて前記転写位置に記録媒体が無い状態となった後に、前記清掃手段による清掃を開始させるように制御することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御手段は、前記搬送手段により前記転写位置にある記録媒体を搬送させて前記転写位置に記録媒体が無い状態となる前に、前記検出手段により新たなジャムが発生したことが検出された場合、前記清掃手段による清掃を開始させないように制御することを特徴とする請求項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御手段は、前記ジャムとなった記録媒体が前記転写位置にある記録媒体よりも前記搬送方向の上流に位置する場合、前記搬送手段により前記転写位置にある記録媒体を前記搬送方向の下流に搬送させるように制御することを特徴とする請求項又は請求項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御手段は、前記搬送手段により前記転写位置にある記録媒体を搬送させて前記画像形成装置外に排出させても前記ジャムとなった記録媒体と衝突しない場合、前記転写位置にある記録媒体を前記画像形成装置外に排出させるように制御することを特徴とする請求項又は請求項に記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御手段は、前記搬送手段により前記転写位置にある記録媒体を搬送させて、前記転写位置にある記録媒体の後端が前記転写位置よりも下流に位置するまで前記転写位置にある記録媒体を搬送させても前記ジャムとなった記録媒体と衝突しない場合、前記転写位置にある記録媒体の後端が前記転写位置よりも下流に位置するように前記転写位置にある記録媒体を搬送させるように制御することを特徴とする請求項又は請求項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
第1面に画像が形成された記録媒体の前記第1面とは異なる第2面に印刷するための両面搬送路を備え、
前記制御手段は、前記搬送手段により前記転写位置にある記録媒体を前記両面搬送路に向けて搬送しても前記ジャムとなった記録媒体と衝突しない場合、前記転写位置にある記録媒体を前記両面搬送路に向けて搬送させるように制御することを特徴とする請求項又は請求項に記載の画像形成装置。
【請求項13】
前記像担持体は、画像形成動作における回転方向と逆の方向に回転することが可能であり、
少なくとも前記転写位置よりも上流に設けられた前記搬送手段は、前記搬送方向と逆の方向に記録媒体を搬送することが可能であり、
前記制御手段は、前記搬送手段により前記転写位置にある記録媒体を搬送させて、前記転写位置にある記録媒体の先端が前記転写位置よりも上流に位置するまで前記転写位置にある記録媒体を搬送させても前記ジャムとなった記録媒体と衝突しない場合、前記転写位置にある記録媒体の先端が前記転写位置よりも上流に位置するように前記転写位置にある記録媒体を搬送させるように制御することを特徴とする請求項又は請求項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
前記像担持体を駆動させる駆動部を有し、
前記制御手段は、前記検出手段によりジャムが発生したことが検出された場合に、前記駆動部によって前記像担持体を駆動する駆動状態から前記像担持体を停止する停止状態とするように制御し、前記転写位置に記録媒体が無いと判断した場合、前記像担持体を前記停止状態から前記駆動状態に移行させて前記像担持体を駆動させることで前記清掃手段による清掃を開始させるように制御することを特徴とする請求項1から請求項1のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項15】
感光ドラムと、
前記感光ドラムの表面に形成された前記トナー像を前記像担持体の表面に転写する1次転写部材と、
前記1次転写部材に1次転写電圧を印加する1次転写電圧印加部と、を有し、
前記検出手段によりジャムが発生したことが検出され、前記制御手段が前記転写位置に記録媒体が無いと判断した場合、
前記制御手段は、前記1次転写電圧印加部によって前記トナー像が帯電された極性と同じ極性の前記1次転写電圧を印加した状態で、ジャムとなった記録媒体の除去を待つことなく前記清掃手段による清掃を開始させるように制御することを特徴とする請求項1から請求項1のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、電子写真方式により画像を形成し、形成した画像を記録媒体に転写する画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電子写真方式のカラー画像形成装置では、各色の作像部から順次中間転写体に画像を転写し、更に中間転写体から記録媒体に一括して画像を転写する構成が採られている。このような画像形成装置において、印刷動作中に記録媒体の紙詰まりやドア開閉や画像形成装置内のユニットの異常動作等を検知した場合、記録媒体へ転写する前のトナー画像が、作像部及び中間転写体に残った状態で、画像形成装置は画像形成動作を停止する。以下、記録媒体へ転写する前のトナー画像を未転写トナーという。その場合、未転写トナーによる画像不良を防ぐために、画像形成装置は、紙詰まりを起こした記録媒体がユーザによって除去されてから、画像形成装置が画像形成動作を再開する前に、各色の作像部や中間転写体上の未転写トナーの清掃動作を行う。清掃動作が完了した後に画像形成動作を再開することが可能となるため、清掃動作に要する時間の分だけ、画像形成動作が完了するまでのユーザの待ち時間は延びてしまう。これに対し、清掃動作時に、画像形成部に印加される電圧を清掃動作用に調整した値にすることで、清掃動作に要する時間を短縮する方法が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-038119号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術では、清掃動作に要する時間は短縮されるが、紙詰まりを起こした記録媒体がユーザによって取り除かれた後に清掃動作が行われる。そのため、ユーザが紙詰まりに気付き記録媒体を取り除いた後、画像形成動作が再開されるまでに、清掃動作に要する時間の分だけ、ユーザを待たせてしまう。
【0005】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、画像形成動作が中断してから画像形成動作を再開するまでのユーザの待ち時間を減らすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
【0007】
搬送路に配置され、記録媒体を搬送する搬送手段と、帯電されたトナー像を担持する像担持体と、転写位置で前記像担持体に担持されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記転写手段に転写電圧を印加する転写電圧印加部と、前記像担持体上のトナーを清掃する清掃手段と、前記搬送路において記録媒体のジャムが発生したことを検出する検出手段と、発生したジャムの種類を判断する判断手段と、前記検出手段によりジャムが発生したことが検出された場合に、前記搬送手段の駆動を停止させるよう制御する制御手段と、を備える画像形成装置であって、前記制御手段は、前記判断手段により判断されたジャムの種類及び前記記録媒体の搬送方向における長さに基づき、前記転写位置に記録媒体が有るか否かを判断し、
i)前記検出手段によりジャムが発生したことが検出され、前記制御手段が前記転写位置に記録媒体が無いと判断した場合、前記制御手段は、前記転写電圧印加部によって前記トナー像が帯電された極性と同じ極性の前記転写電圧を印加した状態で、ジャムとなった記録媒体の除去を待つことなく前記清掃手段による清掃を開始させるように制御し、
ii)前記検出手段によりジャムが発生したことが検出され、前記制御手段が前記転写位置に記録媒体が有ると判断し、かつ、前記転写位置に有る記録媒体が前記ジャムとなった記録媒体とは別の記録媒体である場合、前記判断手段が、前記搬送手段によって前記転写位置にある記録媒体を搬送させることにより前記転写位置に記録媒体が無い状態にすることができると判断すると、前記制御手段は、前記ジャムとなった記録媒体の除去を待つことなく前記清掃手段による清掃を開始させるように制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成動作が中断してから画像形成動作を再開するまでのユーザの待ち時間を減らすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1~3の画像形成装置の断面図
図2】実施例1~3の画像形成装置のハードウェア構成図及び実施例1の制御ブロック図
図3】実施例1の清掃動作可否判断処理を示すフローチャート
図4】実施例1の搬送路の要部を示す図
図5】実施例2の画像形成装置の制御ブロック図
図6】実施例2の清掃動作可否判断処理を示すフローチャート
図7】実施例3の画像形成装置の制御ブロック図
図8】実施例3の清掃動作可否判断処理を示すフローチャート
図9】実施例3の画像形成装置内の記録媒体の位置を示した図
図10】実施例3の画像形成装置内の記録媒体の位置を示した図
図11】実施例3の画像形成装置内の記録媒体の位置を示した図
図12】実施例3の画像形成装置内の記録媒体の位置を示した図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明に係わる実施の形態を、図面を参照して詳しく説明する。ただし、この実施の形態に記載されている構成要素はあくまで例示であり、特に特定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0011】
<全体構成と画像形成プロセス>
カラー電子写真方式の画像形成装置の全体構成について、図1を参照して概略を説明する。実施例1に示す画像形成装置は、電子写真画像形成プロセスを利用したレーザプリンタである。図1に示すカラーの画像形成装置は、プリンタ100に対して着脱可能な作像部を4個備える。4個の作像部は、同一構造であるが、異なる色、すなわち、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)のトナー(現像剤)による画像を形成する点で相違する。なお、特定の色の説明を行う場合を除き、以下、YMCKの符号を省略する。
【0012】
各作像部は、感光ドラム1、クリーニングブレード21(感光ドラムのクリーニング手段)、及び帯電ローラ(不図示)、現像ローラ(不図示)、露光装置(不図示)により構成される。感光ドラム1は、回転過程で、帯電ローラにより負極性の電位に一様に帯電処理される。感光ドラム1上には、露光装置による画像露光を受けることにより目的のカラー画像(Y、M、C、K成分像)に対応した静電潜像が形成される。感光ドラム1上に形成された静電潜像は、現像ローラを介して感光ドラム1上に各色のトナーが付着されることにより、負極性のトナーで構成されるトナー像として現像される。
【0013】
中間転写ユニットは、像担持体である中間転写ベルト8、駆動ローラ9、2次転写対向ローラ10、導電ローラ7から構成される。また、1次転写ローラ6は、感光ドラム1に対向して中間転写ベルト8の内側に配設され、1次転写電圧が印加される構成である。モータ(不図示)により駆動ローラ9が回転することにより、中間転写ベルト8は回動され、それに従い、2次転写対向ローラ10も従動回転する。中間転写ベルト8と各感光ドラム1とが矢印A方向に回転すると共に、1次転写ローラ6に正極性の1次転写電圧が印加されることで、感光ドラム1上のトナー像は、順次中間転写ベルト8上(像担持体上)に転写される(1次転写)。その後、各色のトナー像は、重なった状態で中間転写ベルト8に担持され、2次転写ローラ11の位置へ搬送される。トナー像は、転写手段である2次転写ローラ11に印加された正極性の電圧により、転写位置であるニップ部203において記録媒体であるシートPに転写される。シートPに転写されなかったトナー像(以降、残トナーという)は、中間転写ベルト8の回動により、導電ローラ7の位置へ搬送される。残トナーは、導電ローラ7により極性が反転され、正極性に帯電される。正極性に帯電した残トナーは、中間転写ベルト8の回動により1次転写ローラ6へ搬送され、正極性の電圧が印加された1次転写ローラ6により、負極性に帯電された感光ドラム1へ転写される。感光ドラム1に転写された残トナーは、クリーニングブレード21により、廃トナー容器22に回収される。
【0014】
給搬送装置12は、シートPを収納する給紙カセット13内からシートPを1枚ずつ給紙する。給紙されたシートPは、給紙ローラ対14によりレジストレーションローラ対(以下、レジストローラ対という)16へ搬送され、続けてレジストローラ対16によって2次転写ローラ11に搬送される。2次転写ローラ11に搬送されたシートPは、上述の手順により、トナー像が転写される。トナー像が転写されたシートPは、定着器18に搬送される。定着器18に搬送されたシートPは、定着器18により加熱及び加圧されることによりトナー像が定着されて、排出ローラ対20を経て、画像形成物(プリント済みのシート等)としてプリンタ100外(機外)へ排出される。
【0015】
定着器18を通過したシートPを機外に排出せず、シートPの画像形成が完了した第1面とは異なる第2面に印刷を行う場合、定着器18を通過したシートPを反転ポイント202方向に搬送する。両面フラッパ55は、シートPの搬送方向を排出方向又は反転部方向へと切り替えることが可能である。両面プリントを行う場合、第1面への画像形成が終了したシートPの先端が分岐ポイント201に到着する前に、両面フラッパ55を反転部方向に切り替える。シートPは反転ポイント202を通過した後、反転ローラ対50により機外排出方向に搬送される。シートPの後端が反転ポイント202と反転ローラ対50との間に到達すると反転ローラ対50の回転が停止され、シートPはこの位置で停止する。その後、反転ローラ対50が逆方向に回転されることにより、シートPは、両面搬送路に向けて搬送される。両面搬送路内では両面搬送第1ローラ対51、両面搬送第2ローラ対52によりシートPは搬送される。両面搬送路は合流ポイント200の箇所で、給搬送装置12とレジストローラ対16との間の搬送路に合流する。表裏を反転されたシートPは、レジストローラ対16によって2次転写ローラ11に搬送される。その後、シートPは、第1面と同様にトナー像が転写及び定着される。両面フラッパ55を機外排出方向に切り替えることにより、両面に画像形成されたシートPが機外に排出される。
【0016】
なお、実施例1において、レジストローラ対16、2次転写対向ローラ10、2次転写ローラ11、定着器18、反転ローラ対50、両面搬送第1ローラ対51、両面搬送第2ローラ対52、排出ローラ対20は、搬送手段として機能する。レジストローラ対16、2次転写対向ローラ10、2次転写ローラ11、定着器18、反転ローラ対50、両面搬送第1ローラ対51、両面搬送第2ローラ対52、排出ローラ対20は、駆動源となるモータがそれぞれ異なる構成としてもよい。また、これらのローラ対の駆動源が同一であってもよく、この場合は駆動源からの駆動力を各ローラ対に伝達するか否かを切り替える伝達手段、例えばクラッチを具備することで、それぞれ独立して駆動可能である。
【0017】
レジストレーションセンサ(以下、レジセンサという)30、定着排出センサ31、排出センサ32、両面反転センサ33は、各々搬送路に配置され、搬送路上のシートPの有無を検知し、検知手段として機能する。レジセンサ30は、ニップ部203よりも上流に位置する検知手段の一例であり、検知手段にはこのようにニップ部203よりも上流に位置する検知手段も含まれる。なお、ニップ部203よりも上流に位置する検知手段は、レジセンサ30に限定されない。プリンタ100は、各アクチュエータの駆動タイミング、シートPの搬送速度、各センサ間の距離、シートPの長さ及び各センサ30~33によるシートPの有無検知の変化タイミング等に基づいて、シートPの紙詰まりを判断する。
【0018】
<ハードウェア構成図>
図2(a)は、実施例1のハードウェア構成を示す図である。CPU104は、通信用のバス150を介して、ROM120、RAM121、I/Oポート151と通信する。CPU104は、ROM120に格納されたプログラムを実行し、実行時の演算結果をRAM121に保存したり、保存した演算結果を取得したりする。更にCPU104は、ROM120に格納されたプログラムに準じて、I/Oポート151を介して、後述する各センサ入力回路の入力結果をモニタし、モニタした結果に応じてプリンタ100内の各駆動回路を動作させる。これによりCPU104は、プリンタ100を制御する。
【0019】
レジセンサ入力回路125は、レジセンサ30によってシートPの有無を検知した結果を0か1の信号に変換する。定着排出センサ入力回路126は、定着排出センサ31によってシートPの有無を検知した結果を0か1の信号に変換する。排出センサ入力回路127は、排出センサ32によってシートPの有無を検知した結果を0か1の信号に変換する。両面センサ入力回路128は、両面反転センサ33によってシートPの有無を検知した結果を0か1の信号に変換する。CPU104は、I/Oポート151及び各センサ入力回路を介して、各センサによるシートPの有無の検知結果を取得する。
【0020】
CPU104は、導電ローラ7に印加する電圧に応じた信号を、I/Oポート151を介して導電ローラ電圧駆動回路122に出力する。導電ローラ電圧駆動回路122は、入力された信号に応じて導電ローラ7に印加する電圧を生成する。1次転写ローラ6、2次転写ローラ11に関しても同様に、CPU104は、I/Oポート151を介してそれぞれのローラに印加する電圧に応じた信号を1次転写電圧駆動回路123、2次転写電圧駆動回路124に出力する。1次転写電圧駆動回路123、2次転写電圧駆動回路124は、それぞれ入力された信号に応じて、1次転写ローラ6、2次転写ローラ11に印加する電圧を生成する。
【0021】
CPU104は、駆動ローラ9を回動するために、I/Oポート151を介して中間転写モータ駆動回路130に、駆動ローラ9の回動速度に応じた信号を出力する。中間転写モータ駆動回路130は、入力された信号に応じて中間転写モータ140を駆動する。中間転写モータ140が駆動することで、駆動ローラ9は回動される。同様に、CPU104は、レジストローラ対16を回動するために、I/Oポート151を介してレジモータ駆動回路131に回動速度に応じた信号を出力する。CPU104は、定着器18を回動するために、I/Oポート151を介して定着モータ駆動回路132に回動速度に応じた信号を出力する。CPU104は、反転ローラ対50を回動するために、I/Oポート151を介して反転モータ駆動回路133に回動速度に応じた信号を出力する。CPU104は、両面搬送第1ローラ対51及び両面搬送第2ローラ対52を回動するために、I/Oポート151を介して両面搬送モータ1駆動回路134及び両面搬送モータ2駆動回路135に各回動速度に応じた信号を出力する。レジモータ駆動回路131、定着モータ駆動回路132、反転モータ駆動回路133は、入力された信号に応じて、それぞれレジモータ141、定着モータ142、反転モータ143を駆動する。両面搬送モータ1駆動回路134、両面搬送モータ2駆動回路135は、入力された信号に応じて、それぞれ両面搬送モータ1 144、両面搬送モータ2 145を駆動する。以上の各モータが駆動することで、それぞれ、レジストローラ対16、定着器18、反転ローラ対50、両面搬送第1ローラ対51、両面搬送第2ローラ対52は回動する。CPU104は、シートPの搬送方向に応じた両面フラッパ55の切替え信号を、I/Oポート151を介して両面フラッパ駆動回路136に出力する。両面フラッパ駆動回路136は、入力された信号に応じて、両面フラッパ55の状態を切り替える。
【0022】
<制御ブロック図>
図2(b)は、実施例1の制御ブロック図である。制御手段であるプリンタ制御部101は、プリンタ制御管理部117、紙詰まり検出部105、清掃部107、清掃動作実行部108、清掃可否判断部109、及び転写部紙有無判断部110を備える。プリンタ制御部101は、プリンタ100内の各装置を制御するプログラムを実行する。検出手段である紙詰まり検出部105は、各センサによるシートPの有無の検知結果等に基づいて紙詰まりが発生したことを検出し、プリンタ制御管理部117に通知する。紙詰まり検出部105は、後述する方法によって紙詰まりの種類も判断する。すなわち、紙詰まり検出部105は、種類判断手段としても機能する。清掃手段である清掃部107は、プリンタ制御管理部117から受信した実行指示に基づいて清掃動作を行う。清掃動作実行部108は、プリンタ制御管理部117から紙詰まりが発生したことを通知された後、清掃可否判断部109が清掃動作を実行可能と判断した時点で、プリンタ制御管理部117に清掃動作の実行を指示する。清掃可否判断部109は、転写部紙有無判断部110がニップ部203にシートPが無いと判断した場合、清掃動作が可能であると判断する。転写部紙有無判断部110は、レジセンサ30のシートPの有無を検知したタイミング及び、発生した紙詰まりの種類に基づいてニップ部203のシートPの有無を判断する。なお、転写部紙有無判断部110は、紙詰まり検出部105からプリンタ制御管理部117を介して発生した紙詰まりの種類を通知されるものとする。しかし、転写部紙有無判断部110が、各センサの検知結果等に基づいて紙詰まりの種類を判断する構成としてもよい。
【0023】
コントローラ102は、プリンタ制御部101と接続され、ネットワークやプリンタケーブル等を介して接続されたホストコンピュータ103の指示に従いプリンタ制御部101へのプリント指示等を行う。コントローラ102は、ホストコンピュータ103から受信した画像情報を、プリンタ制御部101から送信されてくる同期信号に同期してプリンタ制御部101に送信する。なお、プリンタ制御部101の各機能は、CPU104が各種制御プログラムを実行することで実現してもよいし、その機能の一部又は全てを特定用途向けの専用回路(不図示)に行わせてもよい。
【0024】
<紙詰まりの種類>
以下に、実施例1で使用する紙詰まりの種類を説明する。始めに、全般的な遅延ジャムと滞留ジャムの内容を説明する。
【0025】
・遅延ジャム
まず、シートPの有無を検知する第2の検知手段を、以下、ジャムセンサという。また、ジャムセンサよりもシートPの搬送方向における上流側に配置された第1の検知手段を、以下、基準センサという。ジャムセンサに対し、基準センサの検知結果がシート無しからシート有りになった後、所定時間が経過しても(すなわち所定時間以内に)ジャムセンサの検知結果がシート無しからシート有りにならない場合、遅延ジャムとする。すなわち、遅延ジャムは、搬送方向における異なる位置に設けられた2つのセンサによって検知された結果に基づき判断される。
【0026】
・滞留ジャム
ジャムセンサの検知結果がシート無しからシート有りになった後、所定時間が経過しても(すなわち所定時間以内に)、同じジャムセンサの検知結果がシート有りからシート無しにならない場合、滞留ジャムとする。すなわち、滞留ジャムは、1つのセンサによって検知された結果に基づき判断される。
このような状況を踏まえて、実施例1における紙詰まりの種類を以下に説明する。
【0027】
・給紙遅延ジャム
ジャムセンサがレジセンサ30であり、基準センサが両面反転センサ33である場合に発生する遅延ジャムを、給紙遅延ジャムとする。または、給搬送装置12からシートPの給紙を開始してから、所定時間以内にレジセンサ30の検知結果がシート無しからシート有りにならない場合も、給紙遅延ジャムとする。
【0028】
・給紙滞留ジャム
ジャムセンサがレジセンサ30である場合に発生する滞留ジャムを、給紙滞留ジャムとする。
【0029】
・定着排出遅延ジャム
ジャムセンサが定着排出センサ31、基準センサがレジセンサ30である場合に発生する遅延ジャムを、定着排出遅延ジャムとする。
【0030】
・定着排出滞留ジャム
ジャムセンサが定着排出センサ31である場合に発生する滞留ジャムを、定着排出滞留ジャムとする。
【0031】
・排出遅延ジャム
シートPを機外に排出する際に、ジャムセンサが排出センサ32であり、基準センサが定着排出センサ31である場合に発生する遅延ジャムを、排出遅延ジャムとする。
【0032】
・排出滞留ジャム
ジャムセンサが排出センサ32である場合に発生する滞留ジャムを、排出滞留ジャムとする。
【0033】
・両面反転遅延ジャム
シートPの第2面に印刷を行うために、反転ローラ対50を用いてシートPを両面搬送路に向けて搬送する際に、ジャムセンサが両面反転センサ33であり、基準センサが定着排出センサ31である場合に発生する遅延ジャムを、両面反転遅延ジャムとする。
【0034】
・両面反転滞留ジャム
ジャムセンサが両面反転センサ33である場合に発生する滞留ジャムを、両面反転滞留ジャムとする。
なお、各ジャムの説明内に記載された「所定時間」は、シートPの搬送速度、及びシート有無を検知するセンサ間の距離、シートPの長さ、紙詰まりと判断するための検知誤差等により定まる値である。
【0035】
<清掃動作>
プリンタ制御部101は、紙詰まり検出部105によって画像形成動作中及びシートPの搬送中に紙詰まりを検出した場合、画像形成動作を中断する。プリンタ制御部101は、各モータ駆動回路を介して各モータの駆動を停止し、各ローラによるシートPの搬送を停止させる。この場合、中間転写ベルト8上には、2次転写ローラ11によってシートPに転写する前の多量のトナーが存在する。この多量のトナーによる画像弊害を防ぐために、プリンタ制御部101は、画像形成動作を再開する前に清掃部107によって清掃動作を行う(図2(b)参照)。より具体的には、プリンタ制御部101は、中間転写ベルト8及び各感光ドラム1を回動させると共に、帯電ローラと導電ローラ7に電圧を印加する。またプリンタ制御部101は、1次転写ローラ6に負極性の電圧を印加する。これらの動作とともに、プリンタ制御部101は、導電ローラ7により極性を反転する前のトナーを2次転写ローラ11に付着させないために、2次転写ローラ11に画像形成動作中と逆極性の電圧を印加する。これらの動作を所定時間維持することで、感光ドラム1上のトナー及び中間転写ベルト8上のトナーは、クリーニングブレード21により廃トナー容器22に回収される。
【0036】
<画像形成動作を中断した後の復帰動作>
実施例1における、画像形成動作中に紙詰まりが起きた際の清掃可否判断部109の判断手順を図3(a)のフローチャートと図4の搬送路の拡大図を用いて説明する。初めに、図4中の語句を説明する。L_RegT2は、レジセンサ30とニップ部203との搬送路上の距離である。L_T2Fsrは、ニップ部203と定着排出センサ31との搬送路上の距離である。L_FsrDelは、定着排出センサ31と排出センサ32との搬送路上の距離である。
【0037】
実施例1における各距離及びシートPの搬送速度は、以下のとおりである。
L_RegT2:30mm(ミリメートル)
L_T2Fsr:150mm
L_FsrDel:200mm
シートPの搬送速度:200mm/s(ミリメートル毎秒)
【0038】
(ニップ部203のシートPの有無判断処理)
次に、シートPの搬送中における、レジセンサ30によるシート有無の検知結果の変化タイミングに基づく、ニップ部203におけるシート有無の判断方法を説明する。L_RegT2とシートPの搬送速度とから、ニップ部203がシート無しからシート有りに変化するタイミングは、次のようにして判断することができる。すなわち、ニップ部203におけるシート無しからシート有りへの変化のタイミングは、レジセンサ30によるシート有無の検知結果がシート無しからシート有りに変化してから150ms後(=L_RegT2/シートPの搬送速度)であると判断できる。ニップ部203においてシート有りからシート無しに変化するタイミングも同様に判断できる。以降、レジセンサ30による検知結果に基づく判断方法を、ニップ部203における紙有無タイミング判断という。
【0039】
(清掃動作可能か否かの判断処理)
最後に、清掃可否判断部109の判断方法を、図3(a)を用いて説明する。プリンタ制御部101は、いずれかの紙詰まりを検出した場合、紙詰まりが発生した箇所の駆動を停止させると共に、清掃可否判断部109による判断を行う。ステップ(以下、Sとする)001で清掃可否判断部109は、ニップ部203にジャムを起こしたシートP(紙詰まりとなった記録媒体)(以下、ジャム紙という)が無いか否かを判断する。具体的には、清掃可否判断部109は、上述した方法によって紙詰まりの種類とジャム紙の搬送方向における長さ(以下、シート長という)とに基づいて、ジャム紙がニップ部203に無いか否かを判断する。清掃可否判断部109は、ニップ部203にジャム紙が無いと判断した場合、処理をS002に進め、ニップ部203にジャム紙が有ると判断した場合、処理をS005に進める。
【0040】
ここで、例えば紙詰まりの種類が給紙遅延ジャムの場合、ジャム紙の先端がレジセンサ30に到達する前であるため、清掃可否判断部109は、ジャム紙がニップ部203に無いと判断する。紙詰まりの種類が給紙滞留ジャムの場合、シートPの後端がレジセンサ30を通過する前であるため、清掃可否判断部109は、ニップ部203にジャム紙が有ると判断する。紙詰まりの種類が定着排出遅延ジャムの場合、シートPがレジセンサ30と定着排出センサ31との間で正常な搬送ができなくなっている。このため、清掃可否判断部109は、上述したニップ部203における紙有無タイミング判断の結果によらず、シートPの位置が不定であるため、ニップ部203にシートPが有ると判断する。
【0041】
紙詰まりの種類が定着排出滞留ジャムの場合、L_T2Fsrとジャム紙のシート長とに基づいて、ジャム紙がニップ部203に無いか否かを判断する。紙詰まりの種類が両面反転滞留ジャムの場合、ジャム紙の後端が定着排出センサ31を抜けた後のため、清掃可否判断部109は、ジャム紙のシート長によらず、ジャム紙がニップ部203に無いと判断する。定着排出滞留ジャムの場合、少なくともジャム紙の先端が定着排出センサ31より下流にあるため、L_T2Fsrよりジャム紙のシート長の方が短い場合、清掃可否判断部109は、ニップ部203にジャム紙が無いと判断する。すなわち、ジャム紙のシート長が150mm(=L_T2Fsr)未満の場合、ジャム紙が無いと判断する。
【0042】
他の種類のジャムに関しても、同様に、シートPのシート長に基づいて、清掃可否判断部109は、S002に処理を進めるか、S005に処理を進めるかを判断する。例えば、排出滞留ジャムの場合、ジャム紙の先端が排出センサ32に有るため、L_T2FsrとL_FsrDelとの和と、ジャム紙のシート長と、を比較し、清掃可否判断部109は、S002に処理を進めるか、S005に処理を進めるかを判断する。
【0043】
S002で清掃可否判断部109は、ジャム紙以外のシートPがプリンタ100内に残留していないか否かを判断する。プリンタ内に残留しているジャム紙以外のシートP(他の記録媒体)を、以下、残留シートという。ここで、ジャム紙以外のシートPは正常に搬送されているとみなし、清掃可否判断部109は、前述のニップ部203における紙有無タイミング判断を用いて、ニップ部203に残留シートが無いか否かを判断する。S002で清掃可否判断部109は、ニップ部203に残留シートが無いと判断した場合、処理をS004に進める。S004で清掃可否判断部109は、ユーザがプリンタ100内に残留するシートPを除去する前の清掃動作が可能と判断し、処理を終了する。以下、ユーザがプリンタ100内に残留するシートPを除去する動作を、ユーザによるジャムクリアという。S002で清掃可否判断部109は、ニップ部203に残留シートが有ると判断した場合、処理をS005に進める。S005で清掃可否判断部109は、ユーザによるジャムクリア前の清掃動作が不可能と判断し、処理を終了する。
【0044】
(清掃動作実行処理)
次に図3(b)のフローチャートを用いて、清掃動作実行部108の動作を説明する。清掃動作実行部108は、清掃可否判断部109による判断結果に基づき、清掃動作をユーザによるジャムクリアの前に実行するか否かを切り替える。S010で清掃動作実行部108は、清掃可否判断部109が図3(a)のS004でユーザによるジャムクリア前(ジャム処理前)の清掃動作を可能と判断したか否かを判断する。S010で清掃可否判断部109は、ジャムクリア前の清掃動作を可能と判断した場合、処理をS011に進める。S010で清掃可否判断部109は、ジャムクリア前の清掃動作を不可能と判断した場合、処理をS012に進める。
【0045】
S012で清掃動作実行部108は、ユーザによるジャムクリア(ユーザ処理)が完了したか否かを判断する。具体的には、清掃動作実行部108は、プリンタ制御管理部117からユーザによるジャムクリアが完了したことを通知されたか否かに基づき、ジャムクリアが完了したか否かを判断する。S012で清掃動作実行部108は、プリンタ制御管理部117からユーザのジャムクリアが完了したことを通知されたと判断した場合、処理をS011に進める。S012で清掃動作実行部108は、ユーザによるジャムクリアが完了したことの通知を受けていないと判断した場合、処理をS012に戻す。S011で清掃動作実行部108は、プリンタ制御管理部117に清掃動作の開始要求を通知し、処理を終了する。プリンタ制御管理部117は、清掃部107に清掃動作を指示する。プリンタ制御管理部117は、清掃動作実行部108から要求された清掃動作と、ユーザによるジャムクリアとの両方が完了したことに応じて、プリンタ100の画像形成動作を再開可能と判断する。
【0046】
以上、説明したように、紙詰まりが発生したときに、ニップ部203にシートPが無い場合、プリンタ制御部101は、ユーザによるジャムクリアを待つことなく清掃動作を行う。この場合、必要な清掃動作が実施済みとなり、ユーザによるジャムクリア後には清掃動作を行わない。そのため、ユーザが紙詰まりに気付き、ユーザによるジャムクリアが行われた後、画像形成動作が再開されるまでの時間が短縮される。なお、実施例1において、レジセンサ30のシート有無の変化タイミングから経過した時間に基づき、ニップ部203のシート有無を判断している。実施例1は、この構成に限定されるものでなく、プリンタ制御部101は、各ローラの搬送速度の制御バラツキを加味してニップ部203におけるシート有無の判断結果を切り替えるタイミングを調整するものであってもよい。
【0047】
また、実施例1において、予め各シート長が分かっているものとして、ニップ部203におけるシート有無を判断している。実施例1はこの構成に限定されるものでなく、各センサがシート有りを検知し続けた時間とシートPの搬送速度とから、シート長を判断するものであってもよい。また、レジセンサ30によってシート無しを検知したタイミングと紙詰まりを検知したタイミングとの時間差及びシートPの搬送速度に基づいて、ニップ部203におけるシート有無を判断する構成であってもよい。
【0048】
以上、実施例1によれば、画像形成動作が中断してから画像形成動作を再開するまでのユーザの待ち時間を減らすことができる。
【実施例2】
【0049】
実施例1では、紙詰まり発生時のニップ部203におけるシートPの有無に応じて清掃動作をユーザによるジャムクリア前に行うか否かを切り替える制御を示した。ここで、ニップ部203に残留シートが有る状態であっても、ジャム紙を挟持したローラ対以外のローラ対を駆動することで、ニップ部203からシートPを除去できる場合がある。実施例2では、紙詰まりが発生したときにニップ部203に残留シートが有る場合において、ニップ部203から残留シートを除去することで、ユーザによるジャムクリア前に清掃動作を行う制御方法を示す。なお、<全体構成と画像形成プロセス>、<紙詰まりの種類>、<清掃動作>は、実施例1と同一であるため、説明を省略する。
【0050】
<制御ブロック図>
図5は、実施例2の制御ブロック図である。実施例1と同一のものについては、同一の番号を付け、説明を省略する。実施例2では、プリンタ制御部101が、更に、紙除去可否判断部111、紙位置判断部112、媒体有無検知部113及び紙詰まり後搬送部114を有している。清掃可否判断部115は、転写部紙有無判断部110及び紙除去可否判断部111の判断結果に基づいて、清掃動作の実行可否を判断する。紙除去可否判断部111は、紙位置判断部112によるプリンタ100内部のシートPの位置の情報に基づき、次のような判断を行う。すなわち、ジャム紙が位置する箇所の駆動部を駆動させずにジャム紙以外のプリンタ100内の残留シートを搬送させた際に、残留シート及びジャム紙との衝突が発生せず搬送でき、かつニップ部203からシートPの除去が可能か否かを判断する。紙位置判断部112は、媒体有無検知部113による各センサのシート有無の検知結果及びプリンタ制御管理部118から取得する発生した紙詰まりの種類及び各シートPのシート長に基づいて、プリンタ100内部の各シートPの位置を判断する。
【0051】
<画像形成動作を中断した後の復帰動作>
実施例2における、画像形成動作中に紙詰まりが発生した際の清掃可否判断部115の判断手順を、図6を用いて、詳細を説明する。図3(a)と同一のステップ又は判断処理の遷移先が異なるだけのものに対しては、同一の番号を付け、説明を省略する。なお実施例2では、給紙遅延ジャムが発生し、かつジャム紙に先行して給紙されたシートPがニップ部203に有るとして、以降を説明する。
【0052】
実施例1と同一の判断を行い、S002で清掃可否判断部115は、ジャム紙以外の残留シートがニップ部203に有ると判断した場合、処理をS202に進める。S202で清掃可否判断部115は、ニップ部203に有る残留シートを搬送させることにより自動で除去することが可能か否かを判断する。具体的には、清掃可否判断部115は、紙除去可否判断部111による判断結果を取得し、この判断結果に基づいてS202の判断を行う。紙除去可否判断部111が、ニップ部203に有る残留シートをニップ部203から自動で除去することが可能であると判断した場合、S202で清掃可否判断部115は、処理をS004に進める。紙除去可否判断部111が、ニップ部203に有る残留シートをニップ部203から自動で除去することが不可能であると判断した場合、S202で清掃可否判断部115は、処理をS005に進める。清掃動作実行部108の動作は、実施例1の図3(b)と同一のため、説明を省略する。
【0053】
(紙除去可否判断処理)
紙除去可否判断部111は、紙位置判断部112から取得したプリンタ100内の各シートPの位置情報に基づいて、ニップ部203に有るシートPを除去することが可能か否かを判断する。紙位置判断部112は、例えば発生した紙詰まりが給紙遅延ジャムである場合、ジャム紙がニップ部203より上流に有ると判断し、判断結果を紙除去可否判断部111に通知する。紙除去可否判断部111は、紙位置判断部112からジャム紙がニップ部203より上流に有るとの情報を取得した。このため、紙除去可否判断部111は、ニップ部203より下流の駆動部を駆動することが可能と判断し、ニップ部203からシートPを除去することが可能と判断し、プリンタ制御管理部118に通知する。
【0054】
プリンタ制御管理部118は、紙除去可否判断部111からニップ部203の残留シートを除去可能と通知されたため、紙詰まり後搬送部114に、ニップ部203に有る残留シートの除去動作を含め、プリンタ100の搬送動作を指示する。具体的には、プリンタ制御管理部118は、紙詰まり後搬送部114に、ニップ部203から下流に位置する各ローラに通常の搬送動作と同等の動作を行うように指示する。ただし、シートPの第2面に画像形成するための搬送動作を継続すると合流ポイント200近辺でジャム紙と衝突してしまう。このため、プリンタ制御管理部118は、両面搬送路内に有るシートPの搬送を停止するように紙詰まり後搬送部114に指示する。同様の理由により、残留シートの先端が分岐ポイント201より下流に有り、かつ両面搬送路に引き込む前のシートPに対して、プリンタ制御管理部118は、次のように指示する。すなわち、残留シートの後端が反転ポイント202と反転ローラ対50との間に位置するように残留シートの搬送を停止するよう紙詰まり後搬送部114に指示する。
【0055】
ここで、ニップ部203にある残留シートを除去する場合、紙詰まり後搬送部114は、ニップ部203から下流に位置する各ローラだけでなく、駆動ローラ9を駆動させることで中間転写ベルト8も回転させる。このとき、中間転写ベルト8に残留したトナーは残留シートに転写され、その後、定着器18によって残留シートに定着される。なお、2次転写ローラ11に画像形成動作中と逆極性の電圧を印加することにより、中間転写ベルト8に残留したトナーが残留シートに転写されないように制御してもよい。
【0056】
以上説明したように、ニップ部203に有る残留シートを除去することで、プリンタ制御部101は、ニップ部203に残留シートが残存しない状態で清掃動作を行う。そのため、残留シートがニップ部203と他のローラ対に挟持された状態で中間転写ベルト8を回動することによる摺擦傷を防ぐことができる。また、残留シートがニップ部203に挟持された状態で中間転写ベルト8を回動することで残留シートが下流に位置するローラ側に押し込まれることによる残留シートの除去性の低下等を防ぐことができる。更に、これらを防止した状態で、清掃動作を実行することができる。また、発生した紙詰まりが給紙遅延ジャムである場合、プリンタ制御部101は、ユーザによるジャムクリア前に清掃動作を行う。この場合、必要な清掃動作が実施済みであるため、ユーザによるジャムクリア後に更なる清掃動作を行わない。よって、ユーザが紙詰まりに気付き、ユーザによるジャムクリアが行われた後、画像形成動作が再開されるまでの時間が短縮される。
【0057】
なお、実施例2において、プリンタ制御管理部118は、紙詰まり後搬送部114に、通常の搬送動作と同等の搬送動作を指示した。そのため、紙詰まり後搬送部114は、ニップ部203における残留シートを含め、残留シートを機外に排出又は反転ローラ対50近傍まで搬送する。しかし、ニップ部203に残留シートが無くなれば清掃動作を実施できるため、紙詰まり後搬送部114は、ニップ部203から残留シートが無くなった時点で、シート搬送を停止する構成であってもよい。
【0058】
以上、実施例2によれば、画像形成動作が中断してから画像形成動作を再開するまでのユーザの待ち時間を減らすことができる。
【実施例3】
【0059】
実施例2では、紙除去可否判断部111がニップ部203からの残留シートの除去が可能と判断した時点で、プリンタ制御管理部118が清掃動作を開始する構成を示した。清掃動作の開始後に、ニップ部203における残留シートが除去される前に新たな紙詰まりが発生した場合、清掃動作を中断しうるため、各アクチュエータの駆動音及び停止音(以下、動作音という)が過剰に発生する場合がある。実施例3では、ニップ部203においてシート無しになった後に清掃動作を開始することで、このような動作音を抑制しつつ、ユーザによるジャムクリア前に清掃動作を行う制御方法を示す。<全体構成と画像形成プロセス>、<紙詰まりの種類>、<清掃動作>は、実施例1と同一のため、説明を省略する。
【0060】
<制御ブロック図>
図7は、実施例3の制御ブロック図である。実施例1、2と同一のものについては、同一の番号を付け、説明を省略する。清掃可否判断部116は、プリンタ制御管理部119から、紙詰まり後搬送部114によって残留シートの搬送が完了したことを通知してもらう。清掃可否判断部116は、プリンタ制御管理部119からの残留シートの搬送完了の通知をもって、清掃動作を可能と判断する。
【0061】
<画像形成動作を中断した後の復帰動作>
画像形成動作中に紙詰まりが発生した際の清掃可否判断部116の判断手順を、図8のフローチャート及び図9図12のプリンタ100内の各シートPの位置を示した図を用いて、詳細を説明する。図8のフローチャートに関し、図6と同一の処理を行うもの又は判断処理の遷移先が異なるだけのものに対しては、同一のステップ番号を付け、説明を省略する。
【0062】
ここで、紙除去可否判断部111が「ニップ部203から残留シートを除去可能」とする詳細な判断内容は、発生した紙詰まりや紙詰まり発生時の残留シートの位置によって異なる。同様に、紙詰まり後搬送部114の搬送方法も、詳細が異なる。そこで、実施例3においては、同一の機能ブロックと同一のフローチャートに対し、発生した紙詰まり、紙詰まり発生時のプリンタ100内の各シートPの詳細な位置、残留シートの除去の詳細な方法が異なるパターンを、5つ(ケース1~5)併記する。なお、距離や搬送速度等の値について、特に記載がない場合には、実施例1、2で用いられた値を用いるものとする。
【0063】
<ケース1>
以下に、給紙遅延ジャムが発生し、かつジャム紙に先行して給紙されたシートPがニップ部203に残留シートとして有るケースの制御を記載する。図8のS202で清掃可否判断部116は、紙除去可否判断部111から取得した結果に基づき、残留シートを自動で除去可能と判断した場合、処理をS203に進める。プリンタ制御管理部119は、S202の判断のタイミングでは、紙除去可否判断部111が残留シートを除去可能と判断したため、紙詰まり後搬送部114にニップ部203における残留シートの除去動作を含め、プリンタ100の搬送動作を指示する。プリンタ制御管理部119は、紙詰まり後搬送部114の搬送が完了した後、清掃可否判断部116に搬送完了を通知する。
【0064】
S203で清掃可否判断部116は、プリンタ制御管理部119から搬送完了を通知されたか否かを判断する。S203で清掃可否判断部116は、搬送完了を通知されたと判断した場合、処理をS004に進め、搬送完了を通知されていないと判断した場合、処理をS204に進める。S204で清掃可否判断部116は、紙詰まり後搬送部114による残留シートの搬送中に新たな紙詰まりが発生したか否かを判断する。S204で清掃可否判断部116は、新たな紙詰まりが発生したと判断した場合、清掃動作の可能、不可能の判断をしない、すなわち清掃動作の可否判断を中断し処理を終了する。これにより、ニップ部203の残留シートが搬送されている間に新たな紙詰まりが発生したとしても、残留シートのニップ部203からの搬送が完了するまでは清掃動作は開始されていないため、清掃動作の中断動作が生じない。したがって、清掃動作に関わる部材の作動と停止によって発生する動作音を低減することができる。S204で清掃可否判断部116は、新たな紙詰まりが発生していないと判断した場合、処理をS203に戻す。
【0065】
<ケース2>
以下に、両面反転滞留ジャムが発生し、プリンタ100内に残留するシートPが図9(a)の状態であるケースの制御を説明する。ケース2において、紙除去可否判断部111は、ジャム紙のシート長や他の残留シートの位置等を用いて、ニップ部203から残留シートの除去が可能か否かを判断する。
【0066】
始めに、図9の説明をする。図9(a)は、紙詰まりを検出した直後のプリンタ100内の残留シートの位置を示した図である。P001は、ジャム紙であり、以下、ジャム紙P001とする。P002は、P001に続いて給紙された後続のシートPであり、以下、後続シートP002とする。図9(b)は、ニップ部203に残留していた後続シートP002をニップ部203から除去し、ユーザによるジャムクリア前に清掃動作を可能とした場合の、プリンタ100内の残留シートの位置を示した図である。ケース2において、プリンタ制御部101は、定着排出センサ31の検知結果がシート無しから後続シートP002の有りを検知したタイミングから200ms後に、ジャム紙P001の両面反転滞留ジャムを検知したとする。これは、後続シートP002の先端が、200msの間に搬送された距離だけ定着排出センサ31よりも下流に位置することを意味する。更に後続シートP002は、第2面に印刷を行うために反転ポイント202方向に搬送させるシートPとする。ジャム紙P001及び後続シートP002のシート長は、いずれも216mmとする。
【0067】
続いて、図9(a)中の記号を説明する。既に説明したものと同一のものに関しては、同一の番号を付け、説明を省略する。
L_FsrSwt:定着排出センサ31から分岐ポイント201までの距離
実施例3において60mmとする。
【0068】
以下に、図8のS202の判断時点における、紙除去可否判断部111及び紙位置判断部112の判断の詳細を説明する。なお、紙詰まりを検出した時点で、紙位置判断部112は、ニップ部203における紙有無タイミング判断により、ニップ部203に後続シートP002が有ることを判断する。紙除去可否判断部111は、両面反転滞留ジャムが発生したため、反転ローラ対50と両面搬送第1ローラ対51の駆動が不可能と判断する。ここで、シートPを正常に搬送するためには、搬送路上の所定のローラ対と所定のローラ対より搬送方向における下流かつ搬送順で所定のローラ対の次に配置されたローラ対との距離よりも、シート長の方が長い必要がある。そのため、滞留ジャムを起こしたジャム紙は、センサの搬送方向における上流のローラ対と下流のローラ対の両方によって挟持されている可能性がある。このため、紙除去可否判断部111は、反転ローラ対50と両面搬送第1ローラ対51の駆動が不可能と判断している。
【0069】
更に、紙除去可否判断部111は、後続シートP002をニップ部203から除去可能か否かを判断する。後続シートP002は正常に搬送されている。このため、紙位置判断部112は、定着排出センサ31が後続シートP002の紙有りを検知してから紙詰まりを検知するまでの時間と、L_FsrSwt及び搬送速度に基づき、後続シートP002の先端が分岐ポイント201より上流に有るか否かを判断する。上述したように、ケース2では、定着排出センサ31で後続シートP002有りと検知してから200ms後に両面反転滞留ジャムを検知している。なお、後続シートP002の搬送速度は200mm/sとする。
【0070】
このため、紙位置判断部112は、後続シートP002の先端が定着排出センサ31から40mm(=0.2s×200mm/s)下流に有ると判断する。定着排出センサ31と後続シートP002の先端位置との距離が、L_FsrSwt(=60mm)より短いため、紙位置判断部112は、後続シートP002の先端が分岐ポイント201より上流に有ると判断する。後続シートP002のシート長は、後続シートP002の先端位置+L_T2Fsr+L_RegT2(=40mm+150mm+30mm)より短い。このため、紙除去可否判断部111は、後続シートP002が定着器18とニップ部203によって挟持されていると判断する。ジャム紙はこれらのローラ、すなわち、定着器18とニップ部203によって挟持されていない。このため、紙除去可否判断部111は、両面フラッパ55を排出方向に切替え、かつ2次転写ローラ11、定着器18及び排出ローラ対20によって後続シートP002の搬送を行うことが可能と判断する。このようにして紙除去可否判断部111は、後続シートP002を機外(画像形成装置外)に排出可能、すなわちニップ部203から除去可能と判断する。
【0071】
なお、ケース2において、プリンタ制御管理部119が清掃可否判断部116に搬送完了を通知したタイミングは以下のタイミングである。すなわち、紙詰まり後搬送部114による搬送が完了した後、すなわちニップ部203より下流の残留シートに対して機外排出又は両面搬送路内で搬送を停止した後のタイミングである。しかし、ニップ部203から残留シートを除去することができれば、以降、新たな紙詰まりが発生しても、清掃動作を実行可能である。そのため、紙詰まり後搬送部114による搬送中に新たな紙詰まりが発生しても、ニップ部203にジャム紙も他の残留シートも無いと判断可能なタイミングで、プリンタ制御管理部119が清掃可否判断部116に搬送完了を通知する構成であってもよい。ここで、ニップ部203にジャム紙も他の残留シートも無いと判断可能なタイミングとは、次のようなタイミングである。すなわち、この時点以降で新たな紙詰まりが発生しても、図8のS001とS002においてニップ部203でシート(ジャム紙及び残留シート)無しと判断され、S202に遷移することなくS004に進むタイミングである。以降のケースにおいても同様である。
【0072】
また、ケース2において、ジャム紙とニップ部203に有る残留シートとの間に、他の第3のシートが無い例を示した。実施例3は、この構成に限定されるものでなく、第3のシートが有ってもよい。その場合、各センサが第3のシートの有無を検知したタイミングに基づいて第3のシートの位置を判断し、各シートの間隔に基づいて紙除去可否判断部111が同様の判断を行う。そして、ニップ部203における残留シート及び第3のシートを搬送することで、各シート同士の衝突が生じることなくニップ部203から各シートを除去できるか否かを判断する構成であってもよい。以降のケースにおいても、第3のシートが有ってもよい。
【0073】
<ケース3>
以下に、排出滞留ジャムが発生し、プリンタ100内に残留するシートPが図10(a)の状態であるケースの制御を説明する。ケース3において、紙除去可否判断部111は、ニップ部203に残留したシートPが機内に残るがニップ部203からは除去可能と判断する。
【0074】
始めに図10の説明をする。図10(a)は、紙詰まりを検出した直後のプリンタ100内の残留シートの位置を表した図である。P003は、ジャム紙であり、以下、ジャム紙P003とする。P004は、ジャム紙P003に続いて給紙された後続のシートであり、以下、後続シートP004とする。図10(b)は、ニップ部203に残留していた後続シートP004をニップ部203から除去し、ユーザによるジャムクリア前に清掃動作を可能にした場合の、プリンタ100内の残留シートの位置を示した図である。
【0075】
ケース3において、プリンタ制御部101は、定着排出センサ31の検知結果がシート無しから後続シートP004の有りを検知した後の10ms後に、ジャム紙P003の排出滞留ジャムを検知したとする。これは、後続シートP002の先端が、10msの間に搬送された距離だけ定着排出センサ31よりも下流に位置することを意味する。ジャム紙P003及び後続シートP004のシート長は、160mmとする。
【0076】
次に図10(a)中の記号を説明する。既に説明したものと同一のものに関しては、同一の番号を付け、説明を省略する。
L_Gap:紙詰まり検知時のジャム紙P003の後端と後続シートP004の先端との間(以下、シート間という)の距離
L_T2Tail:後続シートP004の後端とニップ部203との距離
具体的な長さについては、以下の説明内で説明する。
【0077】
以下に、図8のS202の判断時点における、紙除去可否判断部111及び紙位置判断部112の判断の詳細を説明する。なお、紙詰まりを検出した時点で、紙位置判断部112は、ニップ部203における紙有無タイミング判断より、ニップ部203に後続シートP004が有ることを判断する。
【0078】
紙位置判断部112は、排出滞留ジャムが発生したため、ジャム紙P003の先端が排出センサ32より下流に有ると判断する。ジャム紙P003を排出センサ32によって検知しているため、紙位置判断部112は、ジャム紙P003の先端が排出センサ32より下流の位置に有ること判断する。加えて、分岐ポイント201から排出センサ32までの距離(L_FsrDel-L_FsrSwt=200mm-60mm=140mm)が、ジャム紙P003のシート長(160mm)より短い。このため、紙位置判断部112は、ジャム紙P003の後端が分岐ポイント201より上流に位置する可能性があると判断する。また、ジャム紙P003のシート長(160mm)が、排出センサ32とニップ部203の距離(L_FsrDel+L_T2Fsr=200mm+150mm=350mm)より短い。このため、紙位置判断部112は、ジャム紙P003がニップ部203に無いと判断する。同様に、紙位置判断部112は、シート長がL_FsrDelより短いため、ジャム紙P003が定着器18に挟持されていないと判断する。
【0079】
紙除去可否判断部111は、排出滞留ジャムが発生したため、排出ローラ対20の駆動が不可能と判断する。ただし、ジャム紙P003が定着器18に挟持されていないため、定着器18は駆動可能と判断する。そのため、紙除去可否判断部111は、駆動ローラ9と定着器18とを駆動し、ニップ部203に有る後続シートP004を搬送可能と判断する。しかし、紙除去可否判断部111は、ジャム紙P003が分岐ポイント201に残留している可能性があるため、後続シートP004を反転ローラ対50の方向に搬送できないと判断する。これは、紙除去可否判断部111は、両面フラッパ55を反転部方向に切り替えて後続シートP004を反転ローラ対50の方向に搬送すると、分岐ポイント201よりも上流側に後端が有るジャム紙P003に衝突しうると判断するからである。
【0080】
次に、後続シートP004の位置に関して説明する。定着排出センサ31の検知結果がシート無しから後続シートP004の有りを検知してから10ms後に紙詰まりを検知している。このため、紙位置判断部112は、後続シートP004の先端が、定着排出センサ31から2mm(=0.01s×200mm/s)の位置に有ると判断する。L_FsrDelの距離及びジャム紙P003と後続シートP004の位置とシート長とを加味して、紙位置判断部112は次のように判断する。すなわち、紙位置判断部112は、L_Gapが少なくとも38mm(L_FsrDel-ジャム紙P003のシート長-定着排出センサ31と後続シートP004の先端の距離=200mm-160mm-2mm)あると判断する。また、紙位置判断部112は、後続シートP004の先端の位置と後続シートP004のシート長及びL_T2Fsrから、次のように判断する。すなわち、後続シートP004の後端がニップ部203から8mm上流の位置(シート長-定着排出センサ31と後続シートP004の先端の距離-L_T2Fsr=160mm-2mm-150mm)に有ると判断する。なお、この距離は、上述したL_T2Tailに相当する。
【0081】
以上のことから、L_Gap(38mm)よりL_T2Tail(8mm)の方が小さい。このため、紙除去可否判断部111は、定着器18と2次転写ローラ11を駆動し、ジャム紙P003と後続シートP004のシート間を詰めることで、後続シートP004をジャム紙P003に衝突させることなく、ニップ部203から除去可能と判断する。このように、プリンタ制御管理部119は、滞留シートを搬送させて滞留シートの後端がニップ部203から抜けるようにしてもジャム紙と衝突しない場合には、滞留シートの後端がニップ部203から抜けるように滞留シートを搬送方向の下流に搬送させる。
【0082】
プリンタ制御管理部119は、紙詰まり後搬送部114に、L_T2Tail以上、L_Gap未満の距離だけ定着器18と2次転写ローラ11を駆動するように指示する。これにより、後続シートP004をニップ部203から除去する。プリンタ制御管理部119は、紙詰まり後搬送部114の搬送完了をもって、清掃可否判断部116に搬送完了を通知する。
【0083】
なお、ケース3において、両面フラッパ55の切替え時間を0msとし、紙除去可否判断部111は、判断内容に両面フラッパ55の切替え時間を加味しなかった。実施例3は、この構成に限定されるものではない。例えば、後続シートP004の先端位置と、分岐ポイント201よりも両面フラッパ55の切替え時間分だけ上流側の位置とを比較し、紙除去可否判断部111が後続シートP004を反転ポイント202方向に搬送できるか否かを判断するものであってもよい。
【0084】
<ケース4>
以下に、両面反転滞留ジャムが発生し、プリンタ100内に残留するシートが図11(a)の状態であるケースの制御を説明する。ケース4において、紙除去可否判断部111は、ジャム紙のシート長によらずニップ部203からシートPを除去可能か否か判断する。
【0085】
始めに、図11の説明をする。図11(a)は、紙詰まりを検出した直後のプリンタ100内の残留シートの位置を示した図である。P005は、ジャム紙であり、以下、ジャム紙P005という。P006は、ジャム紙P005に続いて給紙された後続のシートであり、以下、後続シートP006とする。図11(b)は、ニップ部203に残留していた後続シートP006をニップ部203から除去し、ユーザによるジャムクリア前に清掃動作を可能にした場合の、プリンタ100内の残留シートの位置を示した図である。
【0086】
以下に、紙除去可否判断部111が、図11(a)の状態から図11(b)にすることで、ニップ部203からシートPを除去可能と判断する例を説明する。ケース4において、後続シートP006は、第2面に印刷を行うために、反転ポイント202方向に送り込まれるシートとする。また、プリンタ制御部101は、定着排出センサ31の検知結果がシート無しから後続シートP006の有りを検知した後の320ms後に、ジャム紙P005の両面反転滞留ジャムを検知したとする。これは、後続シートP006の先端が、320msの間に搬送された距離だけ定着排出センサ31よりも下流に位置することを意味する。後続シートP006のシート長は、216mmとする。
【0087】
次に図11(a)中の記号を説明する、既に説明したものと同一のものに関しては、同一の番号を付け、説明を省略する。
L_SwtRev:分岐ポイント201と反転ポイント202との距離
実施例3において、40mmとする。
【0088】
以下に、図8のS202の判断時点における、紙除去可否判断部111及び紙位置判断部112の判断の詳細を説明する。なお、紙詰まりを検出した時点で、紙位置判断部112は、ニップ部203における紙有無タイミング判断より、ニップ部203に後続シートP006が有ることを判断する。
【0089】
紙位置判断部112は、両面反転滞留ジャムが発生したため、ジャム紙P005が反転ポイント202を通過した後であり、ジャム紙P005がニップ部203に無いと判断する。紙位置判断部112は、ジャム紙P005が両面反転センサ33に到達した後のため、ジャム紙P005が分岐ポイント201と反転ポイント202との間に無いと判断する。
【0090】
後続シートP006の位置に関し、紙位置判断部112は、定着排出センサ31の検知結果がシート無しから後続シートP006の有りを検知した後の320ms後にジャム紙P005の両面反転滞留ジャムを検知した。このため、紙位置判断部112は、後続シートP006の先端が定着排出センサ31より64mm(=0.32s×200mm/s)下流の位置であると判断する。L_FsrSwt(=60mm)より後続シートP006の先端と定着排出センサ31との距離の方が大きい。このため、紙位置判断部112は、後続シートP006が両面フラッパ55によって反転ポイント202方向に搬送された後の位置であると判断する。紙位置判断部112は、後続シートP006の先端が分岐ポイント201よりも4mm(=64mm-60mm)下流であると判断する。
【0091】
更に、紙位置判断部112は、後続シートP006の先端位置及びシート長とL_T2Fsrの距離より、後続シートP006の後端がニップ部203より2mm上流の位置と判断する。ここで、紙位置判断部112は、シート長-先端位置-L_T2Fsr=216mm-64mm-150mmとして、後続シートP006の先端位置がニップ部203より2mm上流と判断する。
【0092】
紙除去可否判断部111は、発生した紙詰まりが両面反転滞留ジャムであるため、反転ローラ対50と両面搬送第1ローラ対51の駆動が不可能と判断する。また、紙除去可否判断部111は、後続シートP006の先端が分岐ポイント201と反転ポイント202の間に有るため、両面フラッパ55を切り替えても後続シートP006を排出ローラ対20方向に搬送して機外に排出することができないと判断する。ただし、ニップ部203と後続シートP006の後端との距離(2mm)より、後続シートP006の先端位置から反転ポイント202までの距離(36mm)の方が大きい。このため、紙除去可否判断部111は、後続シートP006を反転ポイント202方向に搬送することで、後続シートP006をジャム紙P005に衝突させることなくニップ部203から除去可能と判断する。
【0093】
続いて、プリンタ制御管理部119は、紙詰まり後搬送部114に、定着器18と2次転写ローラ11を駆動するように指示する。このとき、駆動により後続シートP006を搬送させる距離は、ニップ部203と後続シートP006の距離(2mm)以上、後続シートP006の先端位置から反転ポイント202までの距離(L_SwtRev-4mm=36mm)未満の距離である。これにより、後続シートP006をニップ部203から除去する。
【0094】
<ケース5>
以下に、定着排出滞留ジャムが発生し、プリンタ100内に残留するシートが図12(a)の状態であるケースの制御を説明する。ケース5では、中間転写ベルト8を図1の矢印Aの回転方向と逆の方向に回転可能な構成にし、ニップ部203における滞留シートを搬送方向の上流側に搬送可能な構成とする。これにより、ニップ部203に残留するシートPを搬送方向の下流に搬送できない場合においても、上流に搬送させることでニップ部203からシートPの除去が可能となる。
【0095】
ケース5において、中間転写モータ140は、画像形成動作中と逆方向に回転可能である。中間転写モータ140を逆方向に回転させることで、駆動ローラ9及び中間転写ベルト8は、画像形成動作中と逆方向(図1の矢印Aと逆方向)に回転する。少なくともニップ部203よりも上流に設けられたレジストローラ対16及びレジモータ141も同様に、画像形成動作中の搬送方向と逆の方向に回転する。
【0096】
始めに図12の説明をする。図12(a)は、紙詰まりを検出した直後のプリンタ100内の残留シートの位置を表した図である。P007は、ジャム紙であり、以下、ジャム紙P007という。P008は、ジャム紙P007に続いて給紙された後続のシートであり、以下、後続シートP008という。図12(b)は、ニップ部203に残留していた後続シートP008をニップ部203から上流に除去し、ユーザによるジャムクリア前に清掃動作を可能にした場合の、プリンタ100内の残留シートの位置を表した図である。
【0097】
紙除去可否判断部111が、図12(a)の状態から図12(b)にすることで、ニップ部203からシートPを除去可能と判断する例を説明する。ケース5において、プリンタ制御部101は、レジセンサ30の検知結果がシート無しから後続シートP008の有りを検知してから160ms後に、ジャム紙P007の定着排出滞留ジャムを検知したとする。これは、後続シートP008の先端が、160msの間に搬送された距離だけレジセンサ30よりも下流に位置することを意味する。ジャム紙P007及び後続シートP008のシート長は、140mmとする。また後続シートP008に後続するシートPは給紙されていないとする。
【0098】
次に図12(a)中の記号を説明する、既に説明したものと同一のものに関しては、同一の番号を付け、説明を省略する。
L_PickReg:給紙ローラ対14とレジセンサ30との距離
実施例3において、120mmとする。
【0099】
以下に、図8のS202の判断時点における、紙除去可否判断部111及び紙位置判断部112の判断の詳細を説明する。紙位置判断部112は、定着排出滞留ジャムが発生したため、ジャム紙P007の先端が定着排出センサ31より下流に有ると判断する。ジャム紙P007のシート長(140mm)が、定着排出センサ31とニップ部203との距離(L_T2Fsr=150mm)より短いため、ジャム紙がニップ部203に無いと判断する。更に、紙位置判断部112は、ニップ部203における紙有無タイミング判断により後続シートP008がニップ部203において2次転写対向ローラ10及び2次転写ローラ11に挟持されていると判断する。紙位置判断部112は、ジャム紙P007のシート長とL_T2Fsrとの距離より、ジャム紙P007の後端がニップ部203の10mm(=150mm-140mm)下流に位置する可能性があると判断する。
【0100】
また、レジセンサ30の検知結果がシート無しから後続シートP008の有りを検知した後の160ms後に紙詰まりを検知した。このため、紙位置判断部112は、後続シートP008の先端がニップ部203の2mm下流(0.16s×200mm/s-L_RegT2)に位置し、後続シートP008の後端がニップ部203の138mm上流(シート長-2mm)に位置すると判断する。
【0101】
定着排出滞留ジャムが発生したため、紙除去可否判断部111は、定着器18の駆動が不可能と判断する。ジャム紙P007と後続シートP008との位置関係を考慮すると、後続シートP008の後端とニップ部203との距離(138mm)がジャム紙P007の後端位置と後続シートP008の先端位置との間の距離(10mm-2mm=8mm)より長い。このため、紙除去可否判断部111は、後続シートP008を下流に搬送した場合、ニップ部203においてシート無しとなる前に後続シートP008がジャム紙P007に衝突すると判断する。しかし、ニップ部203と給紙ローラ対14との距離(L_PickReg+L_RegT2=120mm+30mm=150mm)が後続シートP008のシート長(140mm)より長い。このため、紙除去可否判断部111は、後続シートP008を上流に搬送することでニップ部203から除去可能と判断する。
【0102】
また、プリンタ制御管理部119は、紙詰まり後搬送部114に、次のように指示する。プリンタ制御管理部119は、後続シートP008の先端とニップ部203との距離(2mm)以上、給紙ローラ対14と後続シートP008の後端との距離未満の距離分だけ駆動ローラ9とレジストローラ対16を逆回転させるように指示する。ここで、給紙ローラ対14と後続シートP008の後端との距離は、12mm(=L_PickReg+L_RegT2+2mm-シート長=120mm+30mm+2mm-140mm=12mmである。このように、プリンタ制御管理部119は、滞留シートを逆方向に搬送させて滞留シートの先端がニップ部203よりも上流に位置するようにしてもジャム紙と衝突しない場合には、滞留シートを搬送方向の上流に搬送させる。
【0103】
なお、ケース5において、駆動ローラ9とレジストローラ対16が画像形成動作中と逆方向に回転可能であるとした。実施例3は、この構成に限定されるものでなく、給紙ローラ対14等他ローラに対しても、各ローラ及び駆動源となるモータが逆方向に回転可能であってもよい。これによりニップ部203に残留するシートPを上流側に搬送可能となる範囲を拡大できる。
【0104】
また、ケース5において、ニップ部203の後続シートP008に続いて給紙された後続のシートが無いとした。実施例3は、この構成に限定されるものでなく、後続シートP008に更に後続するシートPが有ってもよい。この場合、後続するシートPの先端位置を判断し、後続するシートPの先端位置まで後続シートP008を上流に搬送する構成であってもよい。又は、逆方向に回転可能なローラを増やして、後続シートP008に更に後続して給紙されたシートPも含め、これらを上流側に搬送する構成であってもよい。
【0105】
以上、ケース1からケース5で説明したように、紙詰まり後搬送部114が滞留シートの搬送を完了した後に、プリンタ制御管理部119は、清掃動作を行う。これにより、ユーザによるジャムクリアが行われた後に更なる清掃動作を行わないため、画像形成動作が再開されるまでの時間を短縮することができる。更に、実施例3では、清掃動作を中断することなく実施できるため、不要な動作音が発生する頻度を低減できる。
【0106】
以上、実施例3によれば、画像形成動作が中断してから画像形成動作を再開するまでのユーザの待ち時間を減らすことができる。
【0107】
なお、上述した実施例では、画像形成装置としてタンデム方式のカラープリンタとしたが、本発明はこれに限定されない。例えば、中間転写ベルトを有しないモノクロのプリンタや、シートを搬送する搬送ベルトを有するカラープリンタ等、他の構成の画像形成装置であってもよい。なお、シートを搬送する搬送ベルトを有するカラープリンタの場合には、搬送ベルト上のシートに4つの転写ニップ部において感光ドラム上のトナー像が順次重畳されて転写される。すなわち、搬送ベルトを有するカラープリンタは4つの転写ニップ部を有する。このため、4つの転写ニップ部の全ての位置から、残留したシートを移動させることとなる。
【符号の説明】
【0108】
101 プリンタ制御部
105 紙詰まり検出部
107 清掃部
203 ニップ部
P シート
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12