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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】産業用ロボット
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/677 20060101AFI20221212BHJP
   B25J 9/06 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
H01L21/68 A
B25J9/06 D
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2018127165
(22)【出願日】2018-07-03
(65)【公開番号】P2020009818
(43)【公開日】2020-01-16
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002505
【氏名又は名称】弁理士法人航栄事務所
(72)【発明者】
【氏名】細川 正己
(72)【発明者】
【氏名】吉澤 弘道
【審査官】宮久保 博幸
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-119325(JP,A)
【文献】特開2013-158848(JP,A)
【文献】特開平10-098094(JP,A)
【文献】特開2005-093812(JP,A)
【文献】特開2008-300608(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
B25J 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送対象物を保持するハンドと、
前記ハンドを水平面内で移動させるアームと、
前記アームを回動可能に支持するアーム支持部と、
前記アーム支持部を昇降させる昇降機構と、
を備え、
前記昇降機構は、
送りねじ軸と、前記送りねじ軸を支持する支柱部と、を含み、上下方向に延びる直動ガイドと、
モータと、
前記モータの回転を前記送りねじ軸に伝達する回転伝達機構と、
を有し、
前記回転伝達機構は、
前記モータによって回転される入力回転部材と、
前記送りねじ軸の下端部に取り付けられる出力回転部材と、
入力側の大径部と、出力側の小径部とを含み、前記入力回転部材から前記出力回転部材に伝達される回転を減速する少なくとも一つの中継回転部材と、
を有し、
前記直動ガイド及び前記出力回転部材を上下方向に見た場合に、前記出力回転部材は、前記直動ガイドによって覆われるガイド領域内に設けられており、
前記アームは、当該アームの基端部を通って上下方向に延びる回動軸を中心に回動可能であり、且つ前記回動軸を中心とする径方向に前記ハンドを進退させるように屈伸可能であり、
前記アームが屈折された状態で前記回動軸まわりに回動された際の前記アーム及び前記ハンドの移動領域と、前記ガイド領域とを包含する矩形領域において、前記ガイド領域は、前記矩形領域の隅部で前記移動領域の外側に配置されている産業用ロボット。
【請求項2】
請求項1記載の産業用ロボットであって、
前記入力回転部材と、前記出力回転部材とは、前記矩形領域の一辺に沿って配置されており、
前記中継回転部材の中心は、前記入力回転部材の中心と前記出力回転部材の中心とを結ぶ直線に対して、前記移動領域の中心側に偏倚した位置に配置されている産業用ロボット。
【請求項3】
請求項2記載の産業用ロボットであって、
前記中継回転部材の前記大径部は、前記入力回転部材よりも大径である産業用ロボット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエハ等の搬送対象物を搬送する産業用ロボットに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載された産業用ロボットは、半導体ウエハを搬送するロボットであり、半導体製造システムに組み込まれて使用される。半導体製造システムには、複数枚の半導体ウエハが上下方向に離間して収容されているカセットと、半導体ウエハに対してエッチング等の処理を行う処理装置とが設けられており、ロボットは、カセットから半導体ウエハを順に取り出し、取り出した半導体ウエハを処理装置に搬送する。このロボットは、半導体ウエハが載るハンドと、ハンドを水平面内で移動させるアームと、アーム支持部材を昇降させる昇降機構とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-127956号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アーム支持部材を昇降させる昇降機構には、例えばボールねじ機構が用いられ、そのような昇降機構は、一般的には、モータと、モータの回転軸に取り付けられる入力プーリと、ボールねじ機構のねじ軸に取り付けられる出力プーリと、入力プーリと出力プーリとの間に架け渡されるベルトとを備える。モータの回転は、入力プーリと出力プーリとの間で適宜減速されてねじ軸に伝達される。モータの回転数等にもよるが、必要な減速比を得るために出力プーリが比較的大径となる場合がある。この場合に、ロボットの設置に要する設置面積が増大する虞がある。
【0005】
本発明は、上述した事情に鑑みなされたものであり、設置面積を小さくすることができる産業用ロボットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の産業用ロボットは、搬送対象物を保持するハンドと、前記ハンドを水平面内で移動させるアームと、前記アームを回動可能に支持するアーム支持部と、前記アーム支持部を昇降させる昇降機構と、を備え、前記昇降機構は、送りねじ軸と、前記送りねじ軸を支持する支柱部と、を含み、上下方向に延びる直動ガイドと、モータと、前記モータの回転を前記送りねじ軸に伝達する回転伝達機構と、を有し、前記回転伝達機構は、前記モータによって回転される入力回転部材と、前記送りねじ軸の下端部に取り付けられる出力回転部材と、入力側の大径部と、出力側の小径部とを含み、前記入力回転部材から前記出力回転部材に伝達される回転を減速する少なくとも一つの中継回転部材と、を有し、前記直動ガイド及び前記出力回転部材を上下方向に見た場合に、前記出力回転部材は、前記直動ガイドによって覆われるガイド領域内に設けられており、前記アームは、当該アームの基端部を通って上下方向に延びる回動軸を中心に回動可能であり、且つ前記回動軸を中心とする径方向に前記ハンドを進退させるように屈伸可能であり、前記アームが屈折された状態で前記回動軸まわりに回動された際の前記アーム及び前記ハンドの移動領域と、前記ガイド領域とを包含する矩形領域において、前記ガイド領域は、前記矩形領域の隅部で前記移動領域の外側に配置されている
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、設置面積を小さくすることができる産業用ロボットを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態を説明するための、産業用ロボットの一例の正面図である。
図2図1の産業用ロボットの平面図である。
図3A図1の産業用ロボットの動作の一例を示す模式図である。
図3B図1の産業用ロボットの動作の一例を示す模式図である。
図3C図1の産業用ロボットの動作の一例を示す模式図である。
図3D図1の産業用ロボットの動作の一例を示す模式図である。
図4図1の産業用ロボットの回転伝達機構の一例の正面図である。
図5図4の回転伝達機構の底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(産業用ロボットの全体構成)
図1及び図2は、本発明の実施形態を説明するための、産業用ロボットの一例を示す。産業用ロボット1(以後、「ロボット1」と言う。)は、搬送対象物としての半導体ウエハ2を搬送するための水平多関節ロボットである。ロボット1は、ウエハ2を保持するハンド10と、ハンド10を水平面内で移動させるアーム20と、アーム20を昇降させる昇降機構30とを備える。
【0010】
ハンド10は、ウエハ2が載置される平板状のエンドエフェクタ11を有する。ウエハ2は、例えばエッジグリップ、吸着等によってエンドエフェクタ11上で固定されてもよいし、固定されずにエンドエフェクタ11に載置されるだけでもよい。また、エンドエフェクタ11は、一つに限られず、上下方向Zに適宜な間隔をあけて複数設けられていてもよい。
【0011】
アーム20は、第1アーム部21と、第2アーム部22とを有する。第1アーム部21の先端部は、ハンド10を水平面内で回動可能に支持している。第2アーム部22の先端部は、第1アーム部21の基端部を水平面内で回動可能に支持している。第2アーム部22の基端部は、アーム支持部23によって水平面内で回動可能に支持されている。アーム20は、第2アーム部22の基端部を通って上下方向Zに延びる回動軸zを中心に回動可能であり、且つ第2アーム部22に対する第1アーム部21の回動と、第1アーム部21に対するハンド10の回動とが組み合わされることによって、回動軸zを中心とする径方向にハンド10を進退させるように屈伸可能である。アーム支持部23には、第2アーム部22を回動させるモータ、第1アーム部21を回動させるモータ、及びハンド10を回動させるモータが設けられている。
【0012】
昇降機構30は直動ガイド31を有し、直動ガイド31は、送りねじ軸32と、支柱部33と、一対のガイドレール34とを含む。送りねじ軸32は、上下方向Zに延びて配置されている。支柱部33は、送りねじ軸32と平行に上下方向Zに延びて配置されており、送りねじ軸32を回転可能に支持している。一対のガイドレール34は、送りねじ軸32を間に挟んで送りねじ軸32と平行に上下方向Zに延びて配置されており、支柱部33に固定されている。アーム支持部23には、送りねじ軸32に螺合するナット部材24と、一対のガイドレール34に係合する一対のスライダ25とが設けられている。アーム支持部23は、送りねじ軸32の回転に応じ、送りねじ軸32に沿って上下移動される。
【0013】
昇降機構30は、モータ35と、回転伝達機構とをさらに有する。支柱部33の下端部には、ベース部36が設けられており、モータ35と、回転伝達機構とは、ベース部36に組み付けられている。モータ35の回転は、回転伝達機構によって減速されて送りねじ軸32に伝達される。これにより、送りねじ軸32が回転され、アーム支持部23が送りねじ軸32に沿って上下移動され、アーム20が昇降される。モータ35は、上下移動されるアーム支持部23と干渉しないよう、アーム支持部23の下方から外れて配置されている。回転伝達機構については後述する。
【0014】
(産業用ロボットの動作)
図3A図3Dは、ロボット1の動作を示す。ロボット1は、半導体製造システムに組み込まれて使用される。半導体製造システムには、複数枚のウエハ2が上下方向Zに離間して収容されているカセット3と、ウエハ2に対してエッチング等の処理を行う処理装置4とが設けられている。本例では、カセット3は、水平面内の第1方向Xにロボット1と隣り合って配置されており、処理装置4は、第1方向に略垂直な水平面内の第2方向Yにロボット1と隣り合って配置されている。
【0015】
図3Aに示すように、ロボット1は、モータ35を駆動して送りねじ軸32を回転させ、カセット3に収容されている複数のウエハ2のうちの搬送対象のウエハ2に対応する位置までアーム20を昇降させる。そして、ロボット1は、アーム20を第1方向Xに沿って伸ばし、カセット3に収容されているウエハ2をハンド10によって保持する。ウエハ2をハンド10によって保持した後、図3Bに示すように、ロボット1は、アーム20を屈折させ、ウエハ2をカセット3から取り出す。
【0016】
次いで、図3Cに示すように、ロボット1は、アーム20が屈折された状態で、アーム20を回動軸zまわりに略90°回動させ、ハンド10を処理装置4側に向ける。そして、ロボット1は、モータ35を駆動して送りねじ軸32を回転させ、処理装置4に対応する位置までアーム20を昇降させる。次に、図3Dに示すように、ロボット1は、アーム20を第2方向Yに沿って伸ばし、ハンド10に保持しているウエハ2を処理装置4に搬送する。
【0017】
(回転伝達機構の構成)
図4及び図5は、モータ35の回転を送りねじ軸32に伝達する回転伝達機構の構成例を示す。図4及び図5に示す回転伝達機構40は、入力回転部材である入力プーリ41と、中継回転部材である中継プーリ42と、出力回転部材である出力プーリ43とを有する。入力プーリ41は、モータ35の回転軸37に取り付けられており、モータ35によって回転される。出力プーリ43は、送りねじ軸32の下端部に取り付けられている。中継プーリ42は、ベース部36(図2参照)に回転可能に支持された回転軸44によって回転可能に支持されている。中継プーリ42は、入力側の大径部45と、出力側の小径部46とが回転軸44に固定され、回転軸44とともに回転する。さらに、入力プーリ41と大径部45との間に第1ベルト47が架け渡され、小径部46と出力プーリ43との間に第2ベルト48が架け渡されている。
【0018】
モータ35によって回転される入力プーリ41の回転は、第1ベルト47を介して中継プーリ42の大径部45に伝達され、大径部45が回転される。中継プーリ42の小径部46は大径部45と一体に回転し、小径部46の回転は、第2ベルト48を介して出力プーリ43に伝達され、出力プーリ43が回転される。そして、送りねじ軸32が出力プーリ43と一体に回転される。以上の回転の伝達において、中継プーリ42は、一体に回転する大径部45と小径部46との間の周速度の差に基づき、入力側から出力側に回転を減速して伝達する。
【0019】
所望の減速比を得るにあたり、中継プーリ42は複数設けられてもよいが、中継プーリ42の数の増加に伴って伝達ロスの増加が懸念される。したがって、好ましくは、中継プーリ42は一つであり、大径部45の径を大きくし及び/又は小径部46の径を小さくすることによって減速比が高められる。減速比を高める観点から、図4に示すように、大径部45が入力プーリ41よりも大径に形成されてもよく、入力プーリ41と大径部45との間の周速度の差に基づいて減速比を高めることができる。また、小径部46が出力プーリ43よりも小径に形成されてもよく、出力プーリ43と小径部46との間の周速度の差に基づいて減速比を高めることができる。
【0020】
図5に示すように、ロボット1を上下方向Zに見て、屈折されているアーム20が回動軸zまわりに回動された際にハンド10及びアーム20が移動する領域を移動領域Aとし、直動ガイド31(送りねじ軸32、支柱部33、及び一対のガイドレール34)によって覆われる領域をガイド領域Bとして、ガイド領域Bは移動領域Aの外側に配置されており、ハンド10及びアーム20と直動ガイド31との干渉が回避されている。矩形領域Cは、移動領域Aと、ガイド領域Bとを包含する領域であり、ガイド領域Bは、矩形領域Cの隅部で移動領域Aの外側に配置されている。この矩形領域Cの面積は、ロボット1の設置に要する最小の設置面積と言うことができる。
【0021】
出力プーリ43に伝達される回転が中継プーリ42によって減速されているので、出力プーリ43の小径化が可能となり、出力プーリ43をガイド領域B内に収めることができる。ガイド領域B内に収まる出力プーリ43は、ガイド領域Bを包含する矩形領域C内にも収まる。仮に入力プーリ41の回転が出力プーリ43に直接伝達される場合に、出力プーリ43に伝達される回転を減速するには、出力プーリ43が入力プーリ41よりも大径であることを要し、出力プーリ43がガイド領域Bの外側にはみ出す場合がある。ガイド領域Bの外側にはみ出す出力プーリ43は、矩形領域Cの外側にもはみ出してロボット1の設置面積を増大させ得る。このように、中継プーリ42によってモータ35の回転を減速することにより、出力プーリ43を小径化し、出力プーリ43をガイド領域B内に収め、ロボット1の設置面積を小さくできる。
【0022】
本例では、ガイド領域Bが、矩形領域Cの隅部で移動領域Aの外側に配置されており、スペースの利用効率に優れる。これにより、ロボット1の最小の設置面積を与える矩形領域C内において、ガイド領域Bを可及的に大きくでき、出力プーリ43をガイド領域B内に収めるにあたって、出力プーリ43の設計自由度を高められる。例えば、出力プーリ43を中継プーリ42の小径部46よりも大径とし、減速比を高めることができる。また、従来、半導体製造システムのデッドスペースとなっていた四隅のいずれかの隅部にロボット1を設置することが可能となり、スペースの有効活用を図ることが可能になる。これにより、半導体製造システムをよりコンパクトに設定することが可能となる。
【0023】
好ましくは、入力プーリ41と、出力プーリ43とは、矩形領域Cの一辺に沿って配置され、中継プーリ42の中心(回転軸44)は、入力プーリ41の中心(モータ35の回転軸37)と出力プーリ43の中心(送りねじ軸32)とを結ぶ直線Lに対して、移動領域Aの中心(回動軸z)側に偏倚した位置に配置される。これにより、矩形領域C内において中継プーリ42の大径部45の径をさらに大きくでき、減速比を一層高めることができる。
【0024】
(変形例)
上述した例では、回転伝達機構40の入力回転部材、出力回転部材、及び中継回転部材としてプーリ41,42,43が用いられ、これらのプーリ41,42,43がベルト47,48によって連結されているが、入力回転部材、出力回転部材、及び中継回転部材はプーリに限定されず、例えば歯車であってもよい。入力回転部材、出力回転部材、及び中継回転部材が歯車によって構成される場合に、これらの歯車は、直接噛み合ってもよいし、チェーン等によって連結されてもよい。
【0025】
以上、説明したとおり、本明細書に開示された産業用ロボットは、搬送対象物を保持するハンドと、前記ハンドを水平面内で移動させるアームと、前記アームを回動可能に支持するアーム支持部と、前記アーム支持部を昇降させる昇降機構と、を備え、前記昇降機構は、送りねじ軸と、前記送りねじ軸を支持する支柱部と、を含み、上下方向に延びる直動ガイドと、モータと、前記モータの回転を前記送りねじ軸に伝達する回転伝達機構と、を有し、前記回転伝達機構は、前記モータによって回転される入力回転部材と、前記送りねじ軸の下端部に取り付けられる出力回転部材と、入力側の大径部と、出力側の小径部とを含み、前記入力回転部材から前記出力回転部材に伝達される回転を減速する少なくとも一つの中継回転部材と、を有し、前記直動ガイド及び前記出力回転部材を上下方向に見た場合に、前記出力回転部材は、前記直動ガイドによって覆われるガイド領域内に設けられている。この構成によれば、中継回転部材によってモータの回転が減速されるので、出力回転部材の小型化が可能となる。そして、出力回転部材を小型化し、直動ガイドによって覆われるガイド領域内に出力回転部材を収めることにより、ロボットの設置面積を小さくすることができる。
【0026】
また、本明細書に開示された産業用ロボットは、前記アームが、当該アームの基端部を通って上下方向に延びる回動軸を中心に回動可能であり、且つ前記回動軸を中心とする径方向に前記ハンドを進退させるように屈伸可能であり、前記アームが屈折された状態で前記回動軸まわりに回転された際の前記アーム及び前記ハンドの移動領域及び前記ガイド領域を包含する矩形領域において、前記ガイド領域は、前記矩形領域の隅部に設けられている。この構成によれば、スペースの利用効率を高めることができ、ロボットの設置面積を増大させずにガイド領域を大きくできる。よって、出力回転部材をガイド領域に収めるにあたって、出力回転部材の設計自由度を高められる。
【0027】
また、本明細書に開示された産業用ロボットは、前記入力回転部材と、前記出力回転部材とは、前記矩形領域の一辺に沿って配置されており、前記中継回転部材の中心は、前記入力回転部材の中心と前記出力回転部材の中心とを結ぶ直線に対して、前記移動領域の中心側に偏倚した位置に配置されている。この構成によれば、中継回転部材を大きくでき、減速比を高めることができる。そして、減速の段数を削減して、伝達効率を高めることができる。
【0028】
また、本明細書に開示された産業用ロボットは、前記中継回転部材の前記大径部が、前記入力回転部材よりも大径である。この構成によれば、減速比を高めることができ、減速の段数を削減して、伝達効率を高めることができる。
【符号の説明】
【0029】
1 産業用ロボット
2 半導体ウエハ(搬送対象物)
3 カセット
4 処理装置
10 ハンド
11 エンドエフェクタ
20 アーム
21 第1アーム部
22 第2アーム部
23 アーム支持部
24 ナット部材
25 スライダ
30 昇降機構
31 直動ガイド
32 送りねじ軸
33 支柱部
34 ガイドレール
35 モータ
36 ベース部
37 モータの回転軸
40 回転伝達機構
41 入力プーリ
42 中継プーリ
43 出力プーリ
44 中継プーリの回転軸
45 中継プーリの大径部
46 中継プーリの小径部
47 第1ベルト
48 第2ベルト
A 移動領域
B ガイド領域
C 矩形領域
L 直線
X 第1方向
Y 第2方向
Z 上下方向
z 回動軸
図1
図2
図3A
図3B
図3C
図3D
図4
図5