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特許7191592電子機器、電子機器の制御方法、プログラム、および記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】電子機器、電子機器の制御方法、プログラム、および記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/04812 20220101AFI20221212BHJP
   G06F 3/04842 20220101ALI20221212BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20221212BHJP
   G03B 17/02 20210101ALI20221212BHJP
   G03B 17/18 20210101ALI20221212BHJP
   H04N 5/232 20060101ALI20221212BHJP
   H04N 5/225 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
G06F3/04812
G06F3/04842
G06F3/0488
G03B17/02
G03B17/18 Z
H04N5/232 127
H04N5/232 190
H04N5/225 450
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018158456
(22)【出願日】2018-08-27
(65)【公開番号】P2020035002
(43)【公開日】2020-03-05
【審査請求日】2021-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】菅谷 一基
【審査官】木内 康裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-037860(JP,A)
【文献】特開平10-040018(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
G03B 17/02
G03B 17/18
H04N 5/232
H04N 5/225
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示手段に表示される画像についての特徴点を取得する取得手段と、
操作面に対するタッチ操作を検出するタッチ検知手段と、
前記操作面に対してタッチしたままタッチ位置を移動させる操作であるスライド操作に基づいて、前記表示手段に表示される画像について設定されている選択位置を制御する制御手段であって、
前記表示手段に表示される画像についての現在の前記選択位置を基準として前記スライド操作に対応する方向に前記特徴点が取得されている場合、前記選択位置を前記スライド操作の方向の前記特徴点の位置へ変更し、
前記特徴点が取得されていない場合、前記スライド操作に対応する移動量で、前記スライド操作に対応する方向へ、前記選択位置を移動するように制御する制御手段と、
を有し、
前記制御手段は、
前記タッチ検知手段から出力される操作の押圧力が所定の圧力範囲である場合、前記スライド操作に応じて前記選択位置を前記特徴点の位置へ変更し、
前記押圧力が前記所定の圧力範囲でない場合、前記スライド操作に対応する移動量で、前記スライド操作に対応する方向へ、前記選択位置を変更することを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御手段は、前記表示手段に表示される画像についての現在の前記選択位置を基準として前記スライド操作に対応する方向に前記特徴点が取得されていない場合、前記スライド操作に対応する移動量で、前記スライド操作に対応する方向へ、前記選択位置を移動するように制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御手段は、前記表示手段に表示される画像についての現在の前記選択位置を基準として前記スライド操作に対応する方向に前記特徴点が取得されている場合、前記スライド操作の移動量にかかわらず、前記選択位置を前記スライド操作の方向の前記特徴点の位置へ変更するように制御する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の電子機器。
【請求項4】
前記スライド操作に対応する移動量は、前記スライド操作の移動量に比例する移動量である、
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項5】
前記タッチ検知手段は、前記操作面に対する操作位置を繰り返し出力し、
前記制御手段は、前記タッチ検知手段から連続的に出力される複数の操作位置による操作方向を、前記スライド操作に対応する方向とする、
ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項6】
前記制御手段は、前記タッチ検知手段から出力される最初の操作位置を、現在の選択位置として、操作位置の移動方向、操作位置の移動量に応じて、前記選択位置を変更する、 ことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項7】
前記所定の圧力範囲は、第一閾値より小さい押圧力の範囲である、
ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項8】
画像を撮像する撮像手段を更に有する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項9】
前記表示手段に表示される画像は前記撮像手段で撮像された画像であり、
前記選択位置は、前記撮像手段で撮像する際のフォーカス調整位置である、
ことを特徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項10】
前記取得手段は、前記表示手段に表示される画像から、人物の顔または顔の器官を特徴点として取得する、
ことを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項11】
前記表示手段および前記タッチ検知手段が設けられるボディ、を有し、
前記表示手段は、撮像中の画像を表示するファインダ式表示手段であり、
前記タッチ検知手段は、前記ボディにおいて、前記ファインダ式の表示手段を覗いた状態で操作可能となるように前記ファインダ式の表示手段とは異なる部位に設けられる、
ことを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項12】
前記タッチ検知手段は、画像を表示する前記表示手段と重ねて設けられる、
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項13】
前記タッチ検知手段は、画像を表示する前記表示手段とは異なる部位に設けられる、
ことを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の電子機器。
【請求項14】
電子機器の制御方法であって、
表示手段に表示される画像についての特徴点を取得する取得工程と、
操作面に対するタッチ操作を検出するタッチ検知工程と、
前記操作面に対してタッチしたままタッチ位置を移動させる操作であるスライド操作に基づいて、前記表示手段に表示される画像について設定されている選択位置を制御する制御工程であって、
前記表示手段に表示される画像についての現在の前記選択位置を基準として前記スライド操作に対応する方向に前記特徴点が取得されている場合、前記選択位置を前記スライド操作の方向の前記特徴点の位置へ変更し、
前記特徴点が取得されていない場合、前記スライド操作に対応する移動量で、前記スライド操作に対応する方向へ、前記選択位置を移動するように制御する制御工程と、
を有し、
前記制御工程は、 前記タッチ検知工程から出力される操作の押圧力が所定の圧力範囲である場合、前記スライド操作に応じて前記選択位置を前記特徴点の位置へ変更し、
前記押圧力が前記所定の圧力範囲でない場合、前記スライド操作に対応する移動量で、前記スライド操作に対応する方向へ、前記選択位置を変更することを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項15】
コンピュータを、請求項1から13のいずれか1項に記載された電子機器の各手段として機能させるためのプログラム。
【請求項16】
コンピュータを、請求項1から13のいずれか1項に記載された電子機器の各手段として機能させるためのプログラムを格納したコンピュータが読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮像装置などの電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
撮像装置には、ボディの背面に設けられたディスプレイに撮像中の画像を表示し、ディスプレイに重ねて配置されるタッチパネルに対する操作位置にフォーカス調整用の選択枠を設定し、その選択枠の画像を基準にフォーカスを制御し、撮像できるものがある。たとえば、特許文献1では、ボディの背面に設けられたディスプレイに撮影する被写体の顔をライブビュー表示し、その被写体の一対の目の位置を検出し、その一対の目の間でフォーカス調整用のエリアを切り替えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-096961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、撮像装置には、ファインダ式表示手段に、撮像中の画像を表示できるものがある。しかしながら、ユーザは、ファインダ式表示手段を覗いて撮像しようとする際に選択枠の位置を変更する場合には、ファインダ式表示手段から目を離す必要がある。そして、ユーザは、ボディの背面に設けられたディスプレイを視認し、ディスプレイに重ねて配置されるタッチパネルに対して選択枠の位置を変更する操作をしなければならない。このように、撮像装置では、たとえばファインダ式表示手段を覗いたままであっても、表示する画像について設定される選択枠の位置を好適に変更できるようにすることが求められている。そして、特に、ファインダ式表示手段を覗いているユーザが把持するボディについての挟持部に指先で操作可能なタッチパネルを設けようとすると、タッチパネルの操作面のサイズは大きくすることができない。このため、ユーザは、タッチパネルの操作によりたとえば撮像中の画像に映る複数の顔の間で選択枠の位置を大きく移動させようとする場合には、タッチパネルに対して何度もスライド操作を繰り返さなければならない。ファインダ式表示手段を覗いたままで、指先でタッチパネルに対するスライド操作を何度も繰り返すことは、ユーザにとって負担である。なお、画像に対して選択枠を設定することは、撮像装置において撮像中の画像を表示する場合に限られることはではない。たとえば、撮像した画像その他の画像に対する処理を実行する電子機器では、表示する画像に対して選択枠を設定し、選択枠の位置を移動し、選択枠の部分画像に基づいて画像のたとえば明るさや色あいなどの画質を調整する。すなわち、撮像装置に限らず、電子機器では、表示する画像について設定される選択位置を好適に変更できるようにすることが望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の電子機器は、表示手段に表示される画像についての特徴点を取得する取得手段と、操作面に対するタッチ操作を検出するタッチ検知手段と、前記操作面に対してタッチしたままタッチ位置を移動させる操作であるスライド操作に基づいて、前記表示手段に表示される画像について設定されている選択位置を制御する制御手段であって、前記表示手段に表示される画像についての現在の前記選択位置を基準として前記スライド操作に対応する方向に前記特徴点が取得されている場合、前記選択位置を前記スライド操作の方向の前記特徴点の位置へ変更し、前記特徴点が取得されていない場合、前記スライド操作に対応する移動量で、前記スライド操作に対応する方向へ、前記選択位置を移動するように制御する制御手段と、を有し、前記制御手段は、前記タッチ検知手段から出力される操作の押圧力が所定の圧力範囲である場合、前記スライド操作に応じて前記選択位置を前記特徴点の位置へ変更し、前記押圧力が前記所定の圧力範囲でない場合、前記スライド操作に対応する移動量で、前記スライド操作に対応する方向へ、前記選択位置を変更する。
【発明の効果】
【0006】
本発明では、電子機器に表示する画像について設定される選択位置を、タッチ検知手段スライド操作により好適に変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】本発明の第一実施形態に係る撮像装置のシステム構成図である。
図2図1の撮像装置のボディの外観を示す斜視図である。
図3図2のボディの挟持部に設けられる前部タッチ検知部材の構造の説明図である。
図4図1のマイクロコンピュータのブロック図である。
図5】第一実施形態での、フォーカス調整用の選択枠の位置の移動による被写体の選択制御の流れを示すフローチャートである。
図6図5の選択制御による、撮像中の画像での選択枠の位置の移動制御の一例を示す説明図である。
図7】本発明の第二実施形態の選択枠の位置の移動制御についての、前部タッチ検知部材の押圧力に応じた切り替え制御を説明する図である。
図8】第二実施形態での、フォーカス調整用の選択枠の位置の移動による被写体の選択制御の流れを示すフローチャートである。
図9図8の選択制御による、撮像中の画像での選択枠の位置の移動制御の一例を示す説明図である。
図10】本発明の第三実施形態の選択枠の位置の移動制御についての、前部タッチ検知部材の押圧力に応じた切り替え制御を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。しかしながら、以下の実施形態に記載されている構成はあくまで例示に過ぎず、本発明の範囲は実施形態に記載されている構成によって限定されることはない。
【0009】
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係る撮像装置100のシステム構成図である。撮像装置100は、画像を表示する電子機器の一例である。図1の撮像装置100は、撮像信号処理回路101、表示装置制御回路102、スイッチセンス回路103、タッチセンス回路104、押圧力検出回路105、焦点検出回路106、およびこれらが接続されるマイクロコンピュータ107、を有する。マイクロコンピュータ107の本体メモリ402には、後述するマイクロコンピュータ107のCPU401が実行するプログラム406とともに、各種設定値が記録される。また、図1のマイクロコンピュータ107には、たとえば被写体特徴点検出回路407が実現される。被写体特徴点検出回路407は、撮像のために表示する画像についての人物(被写体)の顔または顔の器官を認識して特徴点として検出して取得する。マイクロコンピュータ107は、撮像装置100の動作制御を司るものであり、接続されている各部に対して様々な処理や指示を実行する。撮像ユニット110は、レンズ装置150の撮影レンズ151を透過した光が集光する撮像面を有する。撮像ユニット110は、たとえば撮像面に配列された複数の光電変換素子を有する。光電変換素子には、たとえばCCD型、CMOS型、CID型などかある。撮像ユニット110は、撮像面での被写体の画像を撮像し、撮像した画像についてのアナログ信号を出力する。クランプ/CDS回路111は、撮像ユニット110から出力されたアナログ信号に対して、A/D変換する前の基本的なアナログ処理を行う。ここで、CDSは、相関二重サンプリングをいう。クランプ/CDS回路111は、たとえば、アナログ信号のクランプレベルを変更する。AGC112は、クランプ/CDS回路111で処理されたアナログ信号に対して、A/D変換する前の基本的なアナログ処理を行う。AGC112は、自動的に利得を調整して、たとえばAGCの基本レベルを変更する。A/D変換器113は、撮像ユニット110から出力された後にクランプ/CDS回路111およびAGC112により処理されたアナログ信号を、デジタル信号へ変換する。これにより、撮像中の画像データが生成される。撮像信号処理回路101は、A/D変換器113により生成された画像データに対して、たとえばガンマ/ニー処理、フィルタ処理、ハードウェアによる画像処理、を実行する。撮像信号処理回路101は、処理後の画像データを、焦点検出回路106、マイクロコンピュータ107、表示装置制御回路102へ出力する。また、撮像信号処理回路101は、画像についての焦点を合わせる部分を示すフォーカス調整用の選択枠601の位置情報を、焦点検出回路106、表示装置制御回路102へ出力する。焦点検出回路106は、撮像信号処理回路101で生成される画像データについての選択枠601でのコントラスト比が最大となるように焦点検出演算を行い、デフォーカス量及びデフォーカス方向を求める。焦点検出回路106は、演算したデフォーカス量及びデフォーカス方向を、マイクロコンピュータ107へ出力する。マイクロコンピュータ107は、レンズ装置150のレンズ制御回路152とマウント接点114を介して通信する。レンズ制御回路152は、マイクロコンピュータ107との通信に基づいて、レンズ装置150の撮影レンズ151を駆動する。これにより、撮像装置100は、焦点検出回路106で処理した画像部分の被写体に合焦する画像を撮像し得る。
【0010】
表示装置制御回路102には、画像を表示する外部表示部材121、画像を表示するファインダ式表示部材122、が接続される。表示装置制御回路102は、撮像信号処理回路101からモニタ表示用の画像データを、外部表示部材121およびファインダ式表示部材122に表示する。これにより、外部表示部材121およびファインダ式表示部材122は、撮像中の画像などを表示する。撮像装置100のユーザは、撮像中の画像を、外部表示部材121またはファインダ式表示部材122において確認できる。表示装置制御回路102は、外部表示部材121およびファインダ式表示部材122において、選択枠601を画像に重ねて表示させる。これにより、撮像装置100のユーザは、撮像中の画像において、合焦する被写体(画像の部分)を確認できる。
【0011】
スイッチセンス回路103には、被写体選択開始ボタン131などの各種のスイッチが接続される。スイッチセンス回路103は、スイッチの操作に応じた入力信号を、マイクロコンピュータ107へ出力する。マイクロコンピュータ107は、たとえば被写体選択開始ボタン131の押下についての入力信号に基づいて、撮影する被写体の選択を開始し、選択枠601の位置などの情報を、撮像信号処理回路101へ出力する。撮像信号処理回路101は、撮像中の画像データとともに選択枠601の位置情報の出力を開始する。タッチセンス回路104には、外部表示タッチ検知部材141、前部タッチ検知部材142、が接続される。外部表示タッチ検知部材141、または前部タッチ検知部材142は、たとえば静電容量方式のタッチパネルである。タッチパネルには、この他にもたとえば、抵抗膜方式、表面弾性波方式、赤外線方式、電磁誘導方式、画像認識方式、光センサ方式などの様々な方式のものがある。タッチパネルは、実際に操作面に対する接触があったことを検出したり、操作面に対して指などが近接することを検出したりする。外部表示タッチ検知部材141は、外部表示部材121の表示面に、指による操作が可能な操作面が重ねて設けられる。前部タッチ検知部材142は、ファインダ式表示部材122とは別に設けられ、指による操作が可能な操作面を有する。タッチセンス回路104は、外部表示タッチ検知部材141、または前部タッチ検知部材142に対する操作に応じた入力信号を、マイクロコンピュータ107へ出力する。タッチセンス回路104は、たとえば前部タッチ検知部材142の操作面に対するタッチ操作を検出し、検出したタッチ操作の種別を判断する。マイクロコンピュータ107は、タッチセンス回路104により判断されたタッチ操作の種別に応じて、たとえば撮影する被写体の選択を開始したり、選択枠601の位置を変更したりする。マイクロコンピュータ107は、それらの情報を、撮像信号処理回路101へ出力する。撮像信号処理回路101は、撮像中の画像データとともに選択枠601の位置情報の出力を開始する。ここで、タッチ操作には、たとえばタッチダウン(Touch-Down)、タッチオン(Touch-On)、タッチムーブ(Touch-Move)、タッチオフ(Touch-Off)、がある。タッチダウンは、外部表示タッチ検知部材141または前部タッチ検知部材142にタッチしていなかった指が、新たに外部表示タッチ検知部材141または前部タッチ検知部材142にタッチし始めた状態である。タッチセンス回路104は、タッチダウン操作によりタッチ操作の開始を判断する。タッチオンは、外部表示タッチ検知部材141または前部タッチ検知部材142を指で継続的にタッチしている状態である。タッチセンス回路104は、継続的なタッチ状態にあると判断する。タッチムーブは、外部表示タッチ検知部材141または前部タッチ検知部材142を指でタッチしたままタッチ位置を移動させている状態である。タッチセンス回路104は、タッチムーブによるスライド操作を判断する。タッチアップは、外部表示タッチ検知部材141または前部タッチ検知部材142へタッチしていた指やペンを離した状態である。タッチセンス回路104は、タッチの終了を判断する。タッチオフは、外部表示タッチ検知部材141または前部タッチ検知部材142に何もタッチしていない状態である。タッチセンス回路104は、タッチが無いことを判断する。なお、タッチセンス回路104は、一般的に、タッチダウンを検出すると、その後にタッチオンを検出し続ける。タッチセンス回路104は、タッチダウンの後、タッチアップが検出されるまでは、タッチオンを検出し続ける。また、その期間中に、タッチセンス回路104は、タッチムーブを検出することになる。タッチセンス回路104は、タッチオンが検出されていても、タッチ位置Fpが移動しなければ、タッチムーブを検出しない。
【0012】
タッチセンス回路104は、ユーザによる外部表示タッチ検知部材141または前部タッチ検知部材142へのスライド操作に応じて、スライド操作についてのタッチ操作情報を、マイクロコンピュータ107へ出力する。ここで、スライド操作についてのタッチ操作情報には、タッチ位置Fp、タッチムーブ移動方向Fd、タッチムーブ移動量Fm、が含まれる。マイクロコンピュータ107は、これらの選択位置の情報を、選択枠601の位置の移動に関する情報として、表示装置制御回路102などへ出力する。これにより、外部表示部材121およびファインダ式表示部材122において画像に重ねて表示される選択枠601の位置が変更される。ユーザは、前部タッチ検知部材142に対してなされたスライド操作に基づいて、外部表示タッチ検知部材141または前部タッチ検知部材142に表示する画像について設定されている選択枠601の位置が変更されたことを確認できる。
【0013】
図2は、図1の撮像装置100のボディ200を示す斜視図である。図2(a)は、撮像装置100のボディ200を前上側からみた前面斜視図である。図2(b)は、撮像装置100のボディ200を後上側からみた背面斜視図である。図2に示すように、撮像装置100のボディ200の背面には、ファインダ201、外部表示部材121、被写体選択開始ボタン131、が配置される。外部表示部材121の表示面には、外部表示タッチ検知部材141の操作面が重ねて設けられる。ファインダ201の内側には、図1のペンタプリズム123を介して、ファインダ式表示部材122が設けられる。ファインダ式表示部材122は、外部表示部材121と同様に、撮像中の画像などとともに選択枠601を表示する。撮像装置100のボディ200の前面には、レンズ装置150が不図示のレンズマウントにより接続される。ボディ200についてのレンズ装置150の右側には、挟持部202が設けられる。挟持部202の上面には、ファインダ式表示部材122とは異なる位置となるように、前部タッチ検知部材142が設けられる。これにより、ユーザは、ファインダ201からファインダ式表示部材122を覗いた状態で、挟持部202の上面の前部タッチ検知部材142を指で操作することができる。タッチセンス回路104は、外部表示タッチ検知部材141および前部タッチ検知部材142に対するユーザの指などによるタッチ操作を、検出する。タッチセンス回路104は、タッチ位置Fp、タッチムーブ移動量Fm、タッチムーブ移動方向Fd、を逐次検出する。マイクロコンピュータ107は、それらの情報を、選択枠601の位置を変更する情報を、撮像信号処理回路101へ出力する。撮像信号処理回路101は、タッチ位置Fpに選択枠601を変更する。これにより、ユーザは、表示される画像の被写体にタッチするように操作することで、選択枠601を所望の位置へ移動させることができる。
【0014】
図3は、図2のボディ200の挟持部202に設けられる前部タッチ検知部材142の構造の説明図である。図3(a)は、前部タッチ検知部材142の表面部分の斜視図である。図3(b)は、前部タッチ検知部材142の裏面部分の斜視図である。図3(c)は、前部タッチ検知部材142の表面側からの分解斜視図である。図3(d)は、前部タッチ検知部材142の裏面側からの分解斜視図である。図3(e)は、前部タッチ検知部材142とタッチセンス回路104との結線状態の説明図である。図3に示すように、前部タッチ検知部材142は、前部タッチ操作可能部301、前部タッチ操作検出部302、前部タッチ検出部固定部材303、を有する。前部タッチ操作可能部301は、ボディ200の挟持部202の上面部分としてボディ200と一体的に形成される。前部タッチ操作可能部301は、前部タッチ検知部材142の操作面として機能する。これにより、ボディ200の挟持部202の上面部分に、前部タッチ操作可能部301を設けるための開口を設ける必要がない。防塵防滴性能及び外観意匠の自由度を向上し得る。前部タッチ操作検出部302は、接着剤等の前部タッチ検出部固定部材303により、前部タッチ操作可能部301の裏面に貼着される。前部タッチ操作検出部302は、略四角形のポリイミドのベース部材の四辺に、銅パターン(302-1、302-2、302-3、302-4)が形成されたフレキシブルプリント基板(=FPC)と同等の構造を有する。上側検出部として、銅パターン302-1が、下側検出部として、銅パターン302-3が、右側検出部として、銅パターン302-2が、左側検出部として、銅パターン302-4が対応している。4辺の銅パターン302-1~302-4は、個別にタッチセンス回路104と接続される。タッチセンス回路104は、上下左右それぞれの銅パターンから得られる静電容量の変化を検出する。これにより、タッチセンス回路104は、前部タッチ操作可能部301による略四角形の操作面におけるタッチ位置Fp、タッチムーブ移動量Fm、タッチムーブ移動方向Fdを検出することができる。タッチセンス回路104は、前部タッチ操作可能部301による略四角形の操作面に対する指による操作位置を繰り返し検出することにより、たとえば操作面に対するスライド操作を検出することができる。タッチセンス回路104は、前部タッチ操作可能部301による略四角形の操作面に対する指による操作位置を連続的に検出して得られる複数の操作位置による操作方向を、スライド操作の方向としてのタッチムーブ移動方向Fdとして検出できる。タッチセンス回路104は、前部タッチ操作可能部301による略四角形の操作面に対する指による操作位置を連続的に検出して得られる複数の操作位置による操作距離を、スライド操作の操作量としてのタッチムーブ移動量Fmとして検出できる。
【0015】
図4は、図1のマイクロコンピュータ107のブロック図である。図4のマイクロコンピュータ107は、CPU401、本体メモリ402、RAM403、外部インターフェース404、およびこれらが接続される内部バス405、を有する。外部インターフェース404には、たとえば、撮像信号処理回路101、表示装置制御回路102、スイッチセンス回路103、タッチセンス回路104、押圧力検出回路105、焦点検出回路106、が接続される。本体メモリ402は、たとえばEEPROMである。本体メモリ402は、プログラム406、各種の設定値などを記録する。本体メモリ402に記録されるプログラム406は、撮像装置100の出荷前に記録されたものでも、撮像装置100の出荷後に記録されたものでもよい。撮像装置100の出荷後に記録されるプログラム406は、たとえばCDROMなどの記録媒体に記録されていたものをコンピュータのCPU401により読み取り、本体メモリ402にインストールしたものでよい。RAM403は、撮像設定や画像データなどを記録するワークメモリである。CPU401は、本体メモリ402に記録されるプログラム406をRAM403に展開して実行する。これにより、マイクロコンピュータ107には、制御部が実現される。制御部は、撮像装置100の動作を全体的に制御する。図1の被写体特徴点検出回路407は、制御部の機能の一部として図1のマイクロコンピュータ107に実現される。
【0016】
図5は、第一実施形態での、フォーカス調整位置であるフォーカス調整用の選択枠601の位置の移動による被写体の選択制御の流れを示すフローチャートである。図5のフローチャートは、本体メモリ402に記録されるプログラム406をRAM403に展開してCPU401が実行することにより実現される。図6は、図5の被写体選択制御による、撮像中の画像での選択枠601の位置の移動制御の一例を示す説明図である。図6には、外部表示タッチ検知部材141もしくは前部タッチ検知部材142に表示される複数の画像が図示されている。画像には、画像の中央およびその左側に二人の人物の顔が含まれる。この場合、被写体特徴点検出回路407は、これら二人の人物の顔を特徴点603,604として抽出する。また、画像には、選択枠601が重ねて表示されている。
【0017】
図5のステップS501において、CPU401は、被写体選択開始ボタン131がユーザにより押下されたことに基づいて、選択枠601による被写体の選択を開始する。ステップS502において、CPU401は、タッチセンス回路104の検出に基づいて、外部表示タッチ検知部材141もしくは前部タッチ検知部材142に対するタッチ操作が行われているか否かを判定する。タッチ操作が行われていない場合、CPU401は、タッチ操作が行われるまで、判断を繰り返す。タッチ操作が行われた場合、CPU401は、処理をステップS502へ進める。ステップS503において、被写体特徴点検出回路407としてのCPU401は、撮像しようとしている画像に、被写体としての人物の顔または顔の器官といった特徴的な形状が含まれているか否かを判定する。被写体特徴点検出回路407としてのCPU401は、撮像しようとしている画像について判定した顔または顔の器官の位置を、特徴点603,604の位置としてRAM403に記録してよい。撮像しようとしている画像に人物の顔または顔の器官による特徴点603,604が判定された場合、CPU401は、処理をステップS504へ進める。ステップS504において、CPU401は、画像についての予め設定されているたとえば画像の中心といった基準位置に最も近い特徴点603としての顔または顔の器官の位置に、選択枠601を移動させる。CPU401は、たとえば選択枠601の中心に特徴点603である顔または顔の器官の中心が位置するように、選択枠601の位置を演算し、表示装置制御回路102および撮像信号処理回路101へ出力する。これにより、選択枠601は、図6(a)Iおよび図6(b)Iに示すように、画像の中央にて判定された特徴点603である1つの顔または顔の器官と重ねて表示される。ステップS503において撮像しようとしている画像に人物の顔または顔の器官が判定されない場合、CPU401は、処理をステップS505へ進める。ステップS505において、CPU401は、画像に対する選択枠601の位置が、操作面に対するタッチ位置Fpに対応するように、選択枠601の位置を演算し、表示装置制御回路102および撮像信号処理回路101へ出力する。
【0018】
次に、ステップS506において、CPU401は、タッチセンス回路104の検出に基づいて、外部表示タッチ検知部材141もしくは前部タッチ検知部材142に対してタッチムーブ操作が行われているか否かを判定する。タッチムーブ操作が行われていると判定されない場合、CPU401は、処理をステップS508へ進める。ステップS508において、CPU401は、表示装置制御回路102に、選択枠601についての現在の位置を維持させる。その後、CPU401は、処理をステップS512へ進める。ステップS506においてタッチムーブ操作が行われていると判定される場合、CPU401は、処理をステップS507へ進める。ステップS507において、CPU401は、タッチセンス回路104から、タッチムーブ操作についてのタッチムーブ移動量Fmと、タッチムーブ移動方向Fdとを取得する。ステップS509において、CPU401は、タッチムーブ移動方向Fdに、画像内の他の特徴点である被写体の顔部または顔の器官が存在するか否かを判断する。
【0019】
タッチムーブ移動方向Fdに他の特徴点としての顔などが無い場合、CPU401は、処理をステップS511へ進める。ステップS511において、CPU401は、選択枠601の中心の移動量を、タッチムーブ移動量Fmに比例する第一の選択枠移動量L1を演算し、表示装置制御回路102および撮像信号処理回路101へ出力する。CPU401は、表示している画像についての現在の選択枠601の位置を基準としてスライド操作の方向に特徴点としての他の顔が取得されていない場合、選択枠601の位置を、スライド操作に正比例で対応する移動量で移動させるように変更する。ここで、たとえばタッチムーブ移動量Fmと第一の選択枠移動量L1の関係が1:1の場合、タッチムーブ移動量Fmと第一の選択枠移動量L1は等しくなる。移動の比率については、被写体画像の拡大率や、操作部材の有効範囲などに基づいて任意に設定してよい。ここで、たとえば図6(a)IIのように、ユーザは、指による操作で、図の右方向へ向けてタッチムーブ操作する。この場合、図6(a)IIIのように、選択枠601の中心は、画像の中央の元の被写体の顔の中心602から、タッチムーブ移動方向Fdである右方向へ、第一の選択枠移動量L1で移動するように変更される。その後、CPU401は、処理をステップS512へ進める。
【0020】
タッチムーブ移動方向Fdに特徴点604としての他の顔などがある場合、CPU401は、ステップS510において、選択枠601がタッチムーブ移動方向Fdにある他の特徴点604の顔と重なるように、第二の選択枠移動量L2を演算する。CPU401は、選択枠601の第二の選択枠移動量L2を、表示装置制御回路102および撮像信号処理回路101へ出力する。CPU401は、表示している画像についての現在の選択枠601の位置を基準としてスライド操作の方向に特徴点604としての他の顔が取得されている場合、選択枠601の位置を、特徴点604としての他の顔の位置まで移動させる。CPU401は、スライド操作に応じて選択枠601の位置を、スライド操作に対応する移動量にかかわらず、特徴点604としての他の顔の位置まで移動させるように変更する。CPU401は、スライド操作についての最初の操作位置を、現在の選択枠601の位置として、スライド操作による操作位置の移動方向に応じて、選択枠601の位置を変更する。ここで、たとえば図6(b)IIのように、ユーザは、指による操作で、図の左方向へ向けてタッチムーブ操作する。この場合、CPU401は、図6(b)IIIのように、選択枠601の中心が、タッチムーブ移動方向Fdにある左側の他の特徴点604の人物の顔の中心と一致するように、第二の選択枠移動量L2を演算する。CPU401は、タッチムーブ移動量Fmにはよらず、第二の選択枠移動量L2を演算する。その後、CPU401は、処理をステップS512へ進める。
【0021】
ステップS512において、CPU401は、タッチセンス回路104の検出に基づいて、ユーザによるタッチ操作が有る状態から無い状態に移行するタッチアップ操作が行われているか否かを判定する。タッチアップ操作が行われたと判定されない場合、CPU401は、処理をステップS502へ戻す。CPU401は、以上の処理を繰り返す。タッチアップ操作が行われたと判定される場合、CPU401は、処理をステップS513へ進める。ステップS513において、CPU401は、タッチアップ操作の時点で選択されている選択枠601の位置を、フォーカス調整用の選択枠601の位置と決定し、表示装置制御回路102および撮像信号処理回路101へ出力する。撮像信号処理回路101は、決定された選択枠601の位置と、撮像中の画像のデータとを、焦点検出回路106へ出力する。焦点検出回路106は、撮像信号処理回路101で生成される画像データについての選択枠601でのコントラスト比が最大となるように焦点検出演算を行い、デフォーカス量及びデフォーカス方向を求める。このように、CPU401が図5の被写体の選択制御を実行することにより、ユーザは、少ない回数および移動量のタッチ操作により、撮像中の画像に含まれる複数の被写体の顔の間で、フォーカス調整用の選択枠601を移動させることができる。画像に対する選択枠601の位置を移動させる操作性は、向上する。
【0022】
以上のように、本実施形態の撮像装置100は、画像を表示するファインダ式表示部材122とは別に設けられた前部タッチ検知部材142、を有する。そして、CPU401は、前部タッチ検知部材142の操作面に対してなされた指によるスライド操作に基づいて、ファインダ式表示部材122に表示する画像について設定されている選択枠601の位置を制御する。具体的には、CPU401は、ファインダ式表示部材122の表示画像についての現在の選択枠601の位置を基準としてスライド操作の方向に特徴点としての顔が取得されている場合、選択枠601の位置を、特徴点を含む位置へ変更する。CPU401は、スライド操作に応じて、選択枠601の位置を、スライド操作に対応する移動量によらずに、特徴点を含む位置へ変更する。また、CPU401は、スライド操作の方向に特徴点が取得されていない場合、スライド操作に正比例で対応する移動量で、スライド操作の方向へ、選択枠601の位置を変更する。よって、ユーザは、前部タッチ検知部材142に対してスライド操作をするだけで、選択枠601の位置の位置を、画像の特徴点の間で移動させたり、スライド操作による移動量で移動させたりできる。たとえば本実施形態のように、ファインダ式表示部材122に表示している撮像中の画像の被写体の顔または顔の器官を特徴点とし、スライド操作の方向に特徴点が取得できている場合には、選択枠601を、複数の被写体の顔の間で移動することができる。ユーザは、1回のスライド操作では撮像の選択枠601を複数の被写体の顔の間で移動させることが難しい場合でも、スライド操作の方向により容易にその移動操作をすることができる。しかも、ユーザは、スライド操作の操作量に対応する移動量で移動させる操作についても、同じ前部タッチ検知部材142に対する操作により実施できるので、これらの複数の操作をするために、撮像装置100を持ち替えたりする必要もない。
【0023】
特に、本実施形態では、ファインダ201式のファインダ式表示部材122を覗いた状態で操作可能となるように、前部タッチ検知部材142は、ファインダ201式のファインダ式表示部材122とは異なるボディ200の端の挟持部202に設けられる。それがゆえに、前部タッチ検知部材142として大きな操作面を確保することが難しい。しかしながら、本実施形態では、このような条件下においても、スライド操作に対応する移動量で移動させる操作性を損なうことなく、撮像中の画像において離れている複数の被写体の間で撮像の選択枠601をスライド操作により移動させることができる。ユーザは、ボディ200の背面に設けられる別の外部表示タッチ検知部材141などへ指を置き直す必要はない。ユーザは、指を置き直している間に決定的な撮像タイミングを撮り逃してしまうこともない。ユーザは、前部タッチ検知部材142を、目視していない状態で、直感的に操作することができる。
【0024】
本実施形態では、前部タッチ検知部材142は、操作面に対する操作位置を繰り返し出力する。よって、CPU401は、前部タッチ検知部材142から連続的に出力される複数の操作位置による操作方向を取得でき、それをスライド操作の方向とすることができる。本実施形態では、CPU401は、前部タッチ検知部材142から出力される最初の操作位置を、現在の選択枠601の位置として、操作位置の移動方向、操作位置の移動量に応じて、選択枠601の位置を変更する。よって、CPU401は、ファインダ式表示部材122とは別に設けられている操作手段の操作に基づいて、選択枠601についての画像での位置を変更することができる。
【0025】
[第二実施形態]
次に、本発明の第二実施形態に係る撮像装置100を説明する。本実施形態では、前部タッチ検知部材142に対する押圧力Fsに応じて制御を切り替えて、特徴点としての顔の間で選択枠601を優先的に切り替える機能を維持しつつ、顔以外についても被写体として容易に選択可能になる例を述べる。以下の説明では、主に第一実施形態の撮像装置100との相違点について説明する。
【0026】
図7は、本発明の第二実施形態の選択枠601の位置の移動制御についての、前部タッチ検知部材142の押圧力Fsに応じた切り替え制御を説明する図である。図7は、外部表示タッチ検知部材141もしくは前部タッチ検知部材142への押圧力Fsと、押下操作による静電容量出力値Sとの対応関係を示す図である。図7において下方向および右方向が、縦軸および横軸のプラス方向である。押圧力Fsが大きくなると、静電容量出力値Sも大きくなる。押下力を検出するデバイスには、静電容量方式のものの他にも、抵抗膜方式のものなどがある。ここでは、静電容量方式を例として説明する。ユーザの指による操作により、押圧力Fsが増加すると、外部表示タッチ検知部材141もしくは前部タッチ検知部材142に対する指の接地面積が増加する。押圧力検出回路105は、指の接地面積の増減による静電容量の変化を、押下操作による静電容量出力値Sとして検出する。押圧力検出回路105では、押圧力Fsに応じて外部表示タッチ検知部材141もしくは前部タッチ検知部材142から出力される静電容量出力値Sに対して、第一閾値αと、第一閾値αより大きい押圧力Fsに対応する第二閾値βとが設定される。押圧力検出回路105は、静電容量出力値Sと第一閾値αとの大小関係と、静電容量出力値Sと第二閾値βとの大小関係とを示す信号を、マイクロコンピュータ107へ出力する。
【0027】
マイクロコンピュータ107のCPU401は、静電容量出力値Sと第一閾値αとの大小関係と、静電容量出力値Sと第二閾値βとの大小関係とに基づいて、3種類の制御モードの間で、制御を切り替える。マイクロコンピュータ107のCPU401は、静電容量出力値Sが第一閾値α(および第二閾値β)より小さい場合、一つ目の顔優先タッチムーブモードに、制御を切り替える。顔優先タッチムーブモードでは、CPU401は、ユーザの指のタッチムーブ移動方向Fdに被写体の他の顔部が検出されている場合には、選択枠601をタッチムーブ移動量Fmによらずに該他の顔部へ移動させる。これにより、CPU401は、第一閾値α未満の押圧力範囲の操作において、スライド操作に応じて選択枠601の位置を、スライド操作に対応する移動量によらずに、人物の顔といった特徴点の位置へ変更することができる。マイクロコンピュータ107のCPU401は、静電容量出力値Sが第一閾値αより大きく第二閾値βより小さい場合、二つ目の操作量比例タッチムーブモードに、制御を切り替える。操作量比例タッチムーブモードでは、CPU401は、ユーザの指のタッチムーブ移動量Fmおよびタッチムーブ移動方向Fdに比例させて、選択枠601を逐次移動させる。これにより、CPU401は、第一閾値α以上となる押圧力Fsの操作において、スライド操作に応じて選択枠601の位置を、スライド操作に正比例で対応する移動量で、スライド操作の方向へ、選択枠601の位置を変更することができる。マイクロコンピュータ107のCPU401は、静電容量出力値Sが第二閾値β(および第一閾値α)より大きい場合、三つ目の被写体決定モードに、制御を切り替える。被写体決定モードでは、CPU401は、その時点で選択されている選択枠601の位置を、最終的な選択枠601の位置として決定する。このように、第一閾値αは、顔優先タッチムーブ状態から操作量比例タッチムーブ状態に遷移する閾値である。第二閾値βは、操作量比例タッチムーブ状態から撮影被写体決定状態に遷移する閾値である。第一閾値αの値は、たとえば押下操作による静電容量変化を検知できる全範囲の4割程度の値とし、第二閾値βは押下操作による静電容量変化を検知できる全範囲の8割程度の値とすればよい。これにより、顔優先タッチムーブ状態および、操作量比例タッチムーブ状態での操作において、ユーザの指によるタッチムーブ操作中に押圧力Fsが変動したとしても、各モードにおいて所定の操作が可能となるように感度幅に余裕を持たせることができる。意図しないモード移行を生じさせないようにできる。ユーザの操作性は向上し得る。
【0028】
図8は、第二実施形態での、フォーカス調整用の選択枠601の位置の移動による被写体の選択制御の流れを示すフローチャートである。図8のフローチャートは、本体メモリ402に記録されるプログラム406をRAM403に展開してCPU401が実行することにより実現される。図9は、図8の選択制御による、撮像中の画像での選択枠601の位置の移動制御の一例を示す説明図である。図8のステップS801からステップS805までの制御動作は、図4のステップS501からステップS505までと同様であるため、その説明を省略する。
【0029】
ステップS806において、CPU401は、押圧力検出回路105の出力信号に基づいて、ユーザの指が外部表示タッチ検知部材141もしくは前部タッチ検知部材142への押下操作による静電容量出力値Sが第一閾値α未満であるかを判定する。静電容量出力値Sが第一閾値α未満である場合、CPU401は、ステップS807において、タッチセンス回路104の出力信号に基づいて、操作者によるタッチムーブ動作が行われたかを判定する。タッチムーブ動作が行われていない場合、CPU401は、ステップS809において、CPU401は、現在の選択枠601の位置を維持する。その後、CPU401は、処理をステップS816へ進める。タッチムーブ動作が行われている場合、CPU401は、ステップS808において、タッチセンス回路104から、タッチムーブ移動量Fmおよびタッチムーブ移動方向Fdを取得する。そして、ステップS810において、CPU401は、タッチムーブ移動方向Fdに、他の顔部が検出されているか否かを判定する。タッチムーブ移動方向Fdに他の顔がある場合、ステップS811において、CPU401は、選択枠601の中心が、他の顔部の中心と一致するように、選択枠601の位置を移動させる。その後、CPU401は、処理をステップS816へ進める。タッチムーブ移動方向Fdに他の顔がない場合、ステップS809において、CPU401は、現在の選択枠601の位置を維持する。その後、CPU401は、処理をステップS816へ進める。
【0030】
ここで、図9を用いて、押下操作による静電容量出力値Sが第一閾値α以下である場合での、選択枠601の位置の変更処理について説明する。図9(a)は、押下操作による静電容量出力値Sが第一閾値α以下である場合であって、タッチムーブ移動方向Fdに他の特徴点604としての顔部がある場合の状態遷移図である。この場合、CPU401は、ステップS809からステップS810を通じてステップS811へ処理を進める。この場合、図9(a)Iのように、画像の中央の特徴点603としての人物の顔部に選択枠601が設定されている状態において、図9(a)IIに示すように、ユーザは、左向きにスライド操作する。ユーザは、タッチムーブ移動方向Fdに、タッチムーブ移動量Fmでスライド操作する。画像の左側には他の特徴点604としての人物の顔部が撮像されている。よって、CPU401は、図9(a)IIIに示すように、選択枠601の中心が画像の左側の他の特徴点604としての人物の顔部の中心と一致するように、第二の選択枠移動量L2で選択枠601を移動させる。CPU401は、タッチムーブ移動量Fmによらずに、第二の選択枠移動量L2により選択枠601を移動させる。図9(b)は、押下操作による静電容量出力値Sが第一閾値α以下で有る場合であって、タッチムーブ移動方向Fdに他の特徴点としての顔部がない場合の状態遷移図である。この場合、CPU401は、ステップS809からステップS810を通じてステップS809へ処理を進める。この場合、図9(b)Iのように、画像の中央の特徴点603としての人物の顔部に選択枠601が設定されている状態において、図9(b)IIに示すように、ユーザは、右向きにスライド操作する。ユーザは、タッチムーブ移動方向Fdに、タッチムーブ移動量Fmでスライド操作する。画像の右側には他の特徴点としての人物の顔部が撮像されていない。よって、CPU401は、図9(b)IIIに示すように、選択枠601を元の位置に維持する。これにより、ユーザが操作の押圧力Fsにより意図的に顔優先タッチムーブモードを選択しようとしている場合には、顔優先による移動ができない方向への選択枠601の移動を禁止できる。ユーザの意図しない誤操作を防止することができる。
【0031】
ステップS816において、CPU401は、タッチセンス回路104の出力信号に基づいて、タッチアップ操作が行われたかを判定する。タッチアップ操作が行われたと判定した場合、CPU401は、ステップS817において、その時点で選択されている選択枠601の位置を、撮像するための選択枠601の位置として決定する。タッチアップ操作が行われていないと判定した場合、CPU401は、処理をステップS806へ戻す。ステップS806において静電容量出力値Sが第一閾値α未満ではないと判定した場合、CPU401は、処理をステップS812へ進める。ステップS812において、CPU401は、さらに静電容量出力値Sが第二閾値β未満であるかを判定する。静電容量出力値Sが第二閾値β未満でない場合、CPU401は、処理をステップS817へ進める。静電容量出力値Sが第二閾値β未満である場合、CPU401は、ステップS813において、タッチセンス回路104の出力信号に基づいて、操作者によるタッチムーブ動作が行われたかを判定する。タッチムーブ動作が行われていない場合、CPU401は、ステップS809において、CPU401は、現在の選択枠601の位置を維持する。その後、CPU401は、処理をステップS816へ進める。タッチムーブ動作が行われている場合、CPU401は、ステップS814において、タッチセンス回路104から、タッチムーブ移動量Fmおよびタッチムーブ移動方向Fdを取得する。そして、ステップS815において、CPU401は、選択枠601を、タッチムーブ移動方向Fdに、タッチムーブ移動量Fmに比例した移動量で移動させる。ここで、たとえばタッチムーブ移動量Fmと第一の選択枠移動量L1の関係が1:1の場合、タッチムーブ移動量Fmと第一の選択枠移動量L1は等しくなる。移動の比率については、被写体画像の拡大率や、操作部材の有効範囲などに基づいて任意に設定してよい。この際、たとえタッチムーブ移動量Fmに他の顔部があったとしても、CPU401は、選択枠601の中心を他の顔部の中心に合わせるための処理は実行しない。
【0032】
ここで、図9を用いて、押下操作による静電容量出力値Sが第一閾値α以上であり且つ第二閾値β未満である場合での、選択枠601の位置の変更処理について説明する。図9(c)は、押下操作による静電容量出力値Sが第一閾値α以上であり且つ第二閾値β未満である場合であって、タッチムーブ移動方向Fdに他の特徴点604としての顔部がある場合の状態遷移図である。この場合、CPU401は、ステップS809からステップS812およびステップS813を通じてステップS815へ処理を進める。この場合、図9(c)Iのように、画像の中央の特徴点603としての人物の顔部に選択枠601が設定されている状態において、図9(c)IIに示すように、ユーザは、左向きにスライド操作する。ユーザは、タッチムーブ移動方向Fdに、タッチムーブ移動量Fmでスライド操作する。画像の左側には他の特徴点604としての人物の顔部が撮像されている。しかしながら、CPU401は、図9(c)IIIに示すように、選択枠601の中心の位置を、画像の左側の他の特徴点604としての人物の顔部の中心に合わせるのではなく、タッチムーブ移動方向Fdに、タッチムーブ移動量Fmで移動させる。図9(d)は、押下操作による静電容量出力値Sが第一閾値α以上であり且つ第二閾値β未満である場合であって、タッチムーブ移動方向Fdに他の特徴点としての顔部がない場合の状態遷移図である。この場合、CPU401は、ステップS809からステップS810を通じてステップS809へ処理を進める。この場合、図9(d)Iのように、画像の中央の特徴点603としての人物の顔部に選択枠601が設定されている状態において、図9(d)IIに示すように、ユーザは、右向きにスライド操作する。ユーザは、タッチムーブ移動方向Fdに、タッチムーブ移動量Fmでスライド操作する。画像の右側には他の特徴点としての人物の顔部が撮像されていない。しかしながら、CPU401は、図9(d)IIIに示すように、選択枠601の中心の位置を、タッチムーブ移動方向Fdに、タッチムーブ移動量Fmで移動させる。これにより、ユーザが操作の押圧力Fsにより意図的に操作量比例タッチムーブモードを選択しようとしている場合には、顔優先タッチムーブモードによる選択枠601の移動を禁止し、スライド操作に応じて選択枠601の位置を移動させる。ユーザが意図していない誤操作を防止することができる。押圧力Fsにより操作量比例タッチムーブモードの操作と顔優先タッチムーブモードの操作とを区別することにより、ユーザが意図する操作モードでの操作を確実に実施できる。ユーザの操作性は、向上し得る。
【0033】
以上のように、本実施形態では、前部タッチ検知部材142への操作の押圧力Fsは、第一閾値α未満の押圧力範囲となることがある。この場合、本実施形態では、スライド操作に応じて選択枠601の位置を、スライド操作に対応する移動量によらずに、特徴点を含む位置へ変更する。よって、ユーザは、第一閾値α未満の押圧力Fsで操作することにより、選択枠601を、特徴点を含む位置へ変更することができる。また、操作の押圧力Fsが、その圧力範囲以外である場合、CPU401は、スライド操作に正比例で対応する移動量で、スライド操作の方向へ、選択枠601の位置を変更する。よって、ユーザは、選択枠601の位置を微調整する際に直感的な強い力で操作することにより、選択枠601の位置を微調整することができる。
【0034】
[第三実施形態]
次に、本発明の第三実施形態に係る撮像装置100を説明する。本実施形態では、押圧力Fsに対する顔優先タッチムーブモードと操作量比例タッチムーブモードとの割付が、第二実施形態と逆になっている。以下の説明では、主に第二実施形態の撮像装置100との相違点について説明する。
【0035】
図10は、本発明の第三実施形態の選択枠601の位置の移動制御についての、前部タッチ検知部材142の押圧力Fsに応じた切り替え制御を説明する図である。図10は、図7と対応し、外部表示タッチ検知部材141もしくは前部タッチ検知部材142への押圧力Fsと、押下操作による静電容量出力値Sとの対応関係を示す図である。マイクロコンピュータ107のCPU401は、静電容量出力値Sが第一閾値α(および第二閾値β)より小さい場合、一つ目の操作量比例タッチムーブモードに、制御を切り替える。マイクロコンピュータ107のCPU401は、静電容量出力値Sが第一閾値αより大きく第二閾値βより小さい場合、二つ目の顔優先タッチムーブモードに、制御を切り替える。マイクロコンピュータ107のCPU401は、静電容量出力値Sが第二閾値β(および第一閾値α)より大きい場合、三つ目の被写体決定モードに、制御を切り替える。なお、本実施形態での、フォーカス調整用の選択枠601の位置の移動による被写体の選択制御の流れは、基本的に、第二実施形態での図8と同様である。ただし、図8のステップS806の判断において静電容量出力値Sが第一閾値α未満であると判断した場合、CPU401は、処理をステップS813へ進める。また、図8のステップS812の判断において静電容量出力値Sが第二閾値β未満であると判断した場合、CPU401は、処理をステップS807へ進める。
【0036】
以上のように、本実施形態では、前部タッチ検知部材142への操作の押圧力Fsは、第一閾値α以上であり且つ第二閾値β未満の押圧力範囲となることがある。この場合、本実施形態では、スライド操作に応じて選択枠601の位置を、スライド操作に対応する移動量によらずに、特徴点を含む位置へ変更する。よって、ユーザは、第一閾値α未満の押圧力Fsで操作することにより、選択枠601を、特徴点を含む位置へ変更することができる。また、操作の押圧力Fsが、その圧力範囲以外である第一閾値α未満である場合、CPU401は、スライド操作に正比例で対応する移動量で、スライド操作の方向へ、選択枠601の位置を変更する。よって、ユーザは、選択枠601の位置を微調整する際に直感的な強い力で操作することにより、選択枠601の位置を微調整することができる。
【0037】
以上、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。
【0038】
上記実施形態では、前部タッチ検知部材142の操作面は、ボディ200において、撮像装置100のファインダ201式のファインダ式表示部材122とは異なる部位に設けられる。この他にもたとえば、タッチ検知部材の操作面は、撮像装置100の表示部材と重ねて設けられてもよい。上述した実施形態では、外部表示タッチ検知部材141の操作面は、外部表示部材121の表示面に重ねられている。また、タッチ検知部材の操作面のサイズは、表示部材の表示面のサイズと同じであってもよい。上述した実施形態では、外部表示タッチ検知部材141の操作面のサイズは、外部表示部材121の表示面のサイズと同じである。このよう変形例においても、表示部材を見ながらタッチ検知部材に対してスライド操作する際に、上述した本実施形態による選択枠601の位置の制御は、好適に利用し得る。ユーザは、たとえば大きな画面に対してその一端から他端までにわたる大きなスライド操作をしなくても、小さなスライド操作をするだけで、選択枠601の位置を好適に変更することができる。
【0039】
上記実施形態では、選択枠601は、撮像中の画像についてのフォーカスを調整するための基準枠である。この他にもたとえば、選択枠601は、撮像中の画像についての露出、明るさなどの画質を調整するための基準枠として用いられてよい。
【0040】
上記実施形態では、選択枠601は、撮像中の画像に対して設けられている。この他にもたとえば、選択枠601は、撮影した後の画像、その他の画像に対して設けられてよい。これらの画像に対する選択枠601としては、たとえば、画質の色合いや明るさなどを調整するための基準となる画像部分を選択するものがある。
【0041】
上記実施形態では、前部タッチ検知部材142に対する押圧力Fsに対して、選択枠601の位置を操作するための2種類のモードを割り当てている。この他にもたとえば、前部タッチ検知部材142に対する押圧力Fsに対して、選択枠601の位置を操作するための3種類以上のモードを割り当てもよい。また、前部タッチ検知部材142に対する押圧力Fsに対して、選択枠601の位置を操作するためのモード以外の操作を割り当ててもよい。たとえば、1つの押圧力範囲に対して、シャッタ操作を割り当ててよい。
【0042】
なお、CPU401が行うものとして説明した上述の各種制御は1つのハードウェアが行ってもよいし、複数のハードウェア(たとえば、複数のプロセッサーや回路)が処理を分担することで、装置全体の制御を行ってもよい。
【0043】
また、本発明をその好適な実施形態に基づいて詳述してきたが、本発明はこれら特定の実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の様々な形態も本発明に含まれる。さらに、上述した各実施形態は本発明の一実施形態を示すものにすぎず、各実施形態を適宜組み合わせることも可能である。
【0044】
また、上述した実施形態においては、本発明を撮像装置100に適用した場合を例にして説明したが、これはこの例に限定されず、表示する画像に対して選択枠601を設ける電子機器であれば適用可能である。すなわち、本発明は、パーソナルコンピュータやPDA、携帯電話端末や携帯型の画像ビューワ、ディスプレイを備えるプリンタ装置、デジタルフォトフレーム、音楽プレーヤー、ゲーム機、電子ブックリーダーなどに適用可能である。
【0045】
また、撮像装置100の本体に限らず、有線または無線通信を介して撮像装置100(ネットワーク撮像装置を含む)と通信して、撮像装置100を遠隔で制御する電子機器にも本発明を適用可能である。撮像装置100を遠隔で制御する電子機器としては、たとえば、スマートフォン、タブレットPC、デスクトップPCなどの装置がある。遠隔で制御する電子機器で行われた操作や処理に基づいて、遠隔で制御する電子機器から撮像装置100へ各種動作や設定を行わせるコマンドを通知することにより、撮像装置100を遠隔から制御可能である。また、撮像装置100で撮影したライブビュー画像を有線または無線通信を介して受信して電子機器に表示できるようにしてもよい。
【0046】
本発明は、以下の処理を実行することによっても実現される。即ち、上述した実施形態の機能を実現するソフトウェア(プログラム)をネットワーク又は各種記録媒体を介してシステム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(又はCPUやマイクロコンピュータ等)がプログラムコードを読み出して実行する処理である。この場合、そのプログラム、及び該プログラムを格納した記録媒体は本発明を構成することになる。
【符号の説明】
【0047】
100 撮像装置
104 タッチセンス回路
105 押圧力検出回路
107 マイクロコンピュータ
121 外部表示部材
122 ファインダ式表示部材
141 外部表示タッチ検知部材
142 前部タッチ検知部材
401 CPU
402 本体メモリ
403 RAM
406 プログラム
407 被写体特徴点検出回路
601 選択枠
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10