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特許7191620災害情報管理装置、災害情報管理システム及び災害情報管理方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】災害情報管理装置、災害情報管理システム及び災害情報管理方法
(51)【国際特許分類】
   G08B 25/00 20060101AFI20221212BHJP
   G06F 16/23 20190101ALI20221212BHJP
   G06Q 50/26 20120101ALI20221212BHJP
【FI】
G08B25/00 510L
G06F16/23
G06Q50/26 300
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018185060
(22)【出願日】2018-09-28
(65)【公開番号】P2020057048
(43)【公開日】2020-04-09
【審査請求日】2021-06-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003078
【氏名又は名称】株式会社東芝
(73)【特許権者】
【識別番号】598076591
【氏名又は名称】東芝インフラシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001634
【氏名又は名称】弁理士法人志賀国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】堤 雅晴
【審査官】甲斐 哲雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-057842(JP,A)
【文献】特開2010-271857(JP,A)
【文献】特開2017-199225(JP,A)
【文献】特開2006-236160(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08B 25/00-25/14
G06F 16/00-16/958
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
住民から所定の通報手段により通報される、被災内容に関するテキスト形式又は音声形式の文章、被災状況が撮影された画像又は動画像及び被災場所の位置を示す位置情報のいずれかを含む災害情報を収集する災害情報収集部と、
前記住民から通報された前記災害情報が、前記文章である場合には前記位置情報、前記画像又は動画像のいずれか、前記画像又は動画像である場合には前記文章、前記位置情報のいずれか、前記位置情報である場合には前記文章、前記画像又は動画像のいずれかを不足している情報として追加を要求する返信を行う自動応答部と、
収集された前記災害情報に対して少なくとも文字認識技術を用いて被災の内容に関するキーワードを抽出する災害情報解析部と、
前記災害情報と、前記キーワードとを対応付けることによって災害情報リストを作成する災害情報リスト作成部と、
を備える災害情報管理装置。
【請求項2】
前記所定の通報手段は、インターネット、電子メール、コミュニケーションアプリ及び電話のいずれか又は全ての手段である、請求項1に記載の災害情報管理装置。
【請求項3】
前記災害情報解析部は、前記所定の通報手段により取得された前記災害情報に音声形式の情報が含まれる場合には、前記音声形式の情報に対して音声認識技術を用いてテキスト形式の情報に変換した後に、前記文字認識技術を用いて被災の内容に関するキーワードを抽出する、請求項1に記載の災害情報管理装置。
【請求項4】
前記災害情報リスト作成部は、被災の内容に応じた被害対応の優先度を前記災害情報と、前記キーワードとにさらに対応付けることによって災害情報リストを作成する、請求項1に記載の災害情報管理装置。
【請求項5】
前記災害情報リスト作成部は、前記住民から既に通報された災害情報の修正指示がなされた場合には、修正指示がなされて所定の期間の間に得られた災害情報を用いて再度災害情報リストを作成する、請求項1に記載の災害情報管理装置。
【請求項6】
前記自動応答部は、前記住民から通報された前記災害情報において前記位置情報、前記画像又は動画像のいずれかが不足している場合に、前記位置情報、前記画像又は動画像の送り方が分からない人のために、送り方に関する説明文書を参照するためのアドレス情報を付して返信を行う、請求項1に記載の災害情報管理装置。
【請求項7】
住民から所定の通報手段により通報される、被災内容に関するテキスト形式又は音声形式の文章、被災状況が撮影された画像又は動画像及び被災場所の位置を示す位置情報のいずれかを含む災害情報を収集する災害情報収集部と、
前記住民から通報された前記災害情報が、前記文章である場合には前記位置情報、前記画像又は動画像のいずれか、前記画像又は動画像である場合には前記文章、前記位置情報のいずれか、前記位置情報である場合には前記文章、前記画像又は動画像のいずれかを不足している情報として追加を要求する返信を行う自動応答部と、
収集された前記災害情報に対して少なくとも文字認識技術を用いて被災の内容に関するキーワードを抽出する災害情報解析部と、
前記災害情報と、前記キーワードとを対応付けることによって災害情報リストを作成する災害情報リスト作成部と、
前記災害情報リスト作成部にアクセスして、職員が災害情報を閲覧するための通信装置である職員用通信装置と、
外部ネットワークに接続するための外部通信装置と、
を備える災害情報管理システム。
【請求項8】
災害情報収集部が、住民から所定の通報手段により通報される、被災内容に関するテキスト形式又は音声形式の文章、被災状況が撮影された画像又は動画像及び被災場所の位置を示す位置情報のいずれかを含む災害情報を収集する災害情報収集ステップと、
自動応答部が、前記住民から通報された前記災害情報が、前記文章である場合には前記位置情報、前記画像又は動画像のいずれか、前記画像又は動画像である場合には前記文章、前記位置情報のいずれか、前記位置情報である場合には前記文章、前記画像又は動画像のいずれかを不足している情報として追加を要求する返信を行う自動応答ステップと、
災害情報解析部が、収集された前記災害情報に対して少なくとも文字認識技術を用いて被災の内容に関するキーワードを抽出する災害情報解析ステップと、
災害情報リスト作成部が、前記災害情報と、前記キーワードとを対応付けることによって災害情報リストを作成する災害情報リスト作成ステップと、
を有する災害情報管理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、災害情報管理装置、災害情報管理システム及び災害情報管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
災害発生時に被害を最小限に留めるためには、住民への避難の指示や勧告、河川の氾濫前の堤防への土嚢の設置、通行不可能な道路を通行止めにする等の非常に迅速な応急措置が重要となる。そのような応急措置を行うには、被災状況を把握することが必要である。国や自治体は、カメラによる映像監視やテレメータによる監視等により、災害情報を収集することで状況把握を行っている。
しかしながら、現状、カメラやテレメータ等の監視設備は設置間隔が広いため、限定された地域の災害情報しか得ることができていない。このため、住民から電話や電子メールやインターネット等を用いて被災状況の通報等をしてもらうことで、災害情報の収集を補完している。しかしながら、住民からの被災状況の通報は迅速に有益な情報を収集できるが、職員の応対が必要になる場合が多い。災害発生時においては、通報件数に対して職員の数が不足するため、一部の災害情報しか得ることができていない。このように、従来では、効率的に災害情報を収集することができない場合があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-72612号公報
【文献】特開2015-49697号公報
【文献】特開2016-128960号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明が解決しようとする課題は、より効率的に災害情報を収集することができる災害情報管理装置、災害情報管理システム及び災害情報管理方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の災害情報管理装置は、災害情報収集部と、自動応答部と、災害情報解析部と、災害情報リスト作成部とを持つ。災害情報収集部は、住民から所定の通報手段により通報される、被災内容に関するテキスト形式又は音声形式の文章、被災状況が撮影された画像又は動画像及び被災場所の位置を示す位置情報のいずれかを含む災害情報を収集する。自動応答部は、前記住民から通報された前記災害情報が、前記文章である場合には前記位置情報、前記画像又は動画像のいずれか、前記画像又は動画像である場合には前記文章、前記位置情報のいずれか、前記位置情報である場合には前記文章、前記画像又は動画像のいずれかを不足している情報として追加を要求する返信を行う。災害情報解析部は、収集された前記災害情報に対して少なくとも文字認識技術を用いて被災の内容に関するキーワードを抽出する。災害情報リスト作成部は、前記災害情報と、前記キーワードとを対応付けることによって災害情報リストを作成する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】実施形態における災害情報管理システムのシステム構成を示す図。
図2】第1の実施形態における災害情報収集サーバの機能構成を表す概略ブロック図。
図3】第1の実施形態における自動応答内容ファイルの構成例を示す図。
図4】第1の実施形態における災害情報解析サーバの機能構成を表す概略ブロック図。
図5】第1の実施形態における解析用データファイルの一例を示す図。
図6】第1の実施形態における災害情報リスト作成サーバの機能構成を表す概略ブロック図。
図7】第1の実施形態における優先度情報ファイルの構成例を示す図。
図8】第1の実施形態における災害情報リストの構成例を示す図。
図9】第1の実施形態における災害情報提供サーバの機能構成を表す概略ブロック図。
図10】第1の実施形態における災害情報収集サーバが行う収集リスト作成処理の流れを示すフローチャート。
図11】第1の実施形態における災害情報に不足がない場合の自動応答内容の具体例を示す図。
図12】第1の実施形態における災害情報に不足がある場合の自動応答内容の具体例を示す図。
図13】第1の実施形態における災害情報に不足があり、災害情報の追加がなされた場合の自動応答内容の具体例を示す図。
図14】第1の実施形態における災害情報管理システムが行う災害情報リスト作成処理の流れを示すシーケンス図。
図15】第1の実施形態における災害情報リストの表示画面の一例を示す図。
図16】第1の実施形態における災害情報収集サーバが行う収集リスト作成処理の流れを示すフローチャート。
図17】第2の実施形態における災害情報収集サーバの機能構成を表す概略ブロック図。
図18】第2の実施形態における自動応答内容ファイルの構成例を示す図。
図19】第2の実施形態における災害情報収集サーバが行う災害情報の修正指示がなされた場合の修正処理の流れを示すフローチャート。
図20】第2の実施形態における災害情報の修正があった場合の自動応答内容の具体例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、実施形態の災害情報管理装置、災害情報管理システム及び災害情報管理方法を、図面を参照して説明する。
図1は、実施形態における災害情報管理システム1のシステム構成を示す図である。
災害情報管理システム1は、住民から通報される災害情報を収集して、災害情報管理装置100で、災害情報を一元管理するシステムである。ここで、住民から通報される災害情報は、災害が発生している場所や災害の内容を示す情報であり、例えばテキスト形式又は音声形式の文章、画像や動画像及び位置情報等である。
【0008】
また、災害情報の提供手段としては、従来から用いられていた電話や電子メールに加えて、普及が進んでいるインターネット、SNS(Social Networking Service)を、災害情報提供手段に加えている。
ここで、SNSとは、文章、画像又は動画像及び位置情報の少なくともいずれかの情報をコミュニケーションアプリにより提供可能なコミュニケーションシステムである。例えば、SNSは、LINE(登録商標)、Facebook(登録商標)、Twitter(登録商標)、mixi、Instagram等である。本実施形態では、SNSがLINE(登録商標)である場合を例に説明する。SNSやインターネットによる災害情報の提供は、提供された情報が、文章または画像として取得できるため、その後の情報の管理が容易になり、有効である。
【0009】
なお、情報提供手段としては、必ずしも、これらの全てを備える必要はなく、SNSや、インターネットだけで構築することも可能であるが、従来からある電話や電子メールと併用するとなお良い。
SNSによる災害情報の収集は有効な手段ではあるが、例えば高齢者等のようにSNSやインターネットを利用できない住民もいるため、電話での災害情報の提供も併用するようにする。この時、電話での受付は音声となるため、自動応答化して録音し、更に音声認識処理して文書化することで、SNSやメールにより提供された災害情報と同様に取り扱うことが可能となる。
【0010】
災害情報管理システム1は、災害情報管理装置100、職員用通信装置50及び外部通信装置60を備える。災害情報を一元管理する災害情報管理装置100は、災害情報収集サーバ10、災害情報解析サーバ20、災害情報リスト作成サーバ30及び災害情報提供サーバ40を備える。災害情報収集サーバ10と災害情報解析サーバ20、災害情報解析サーバ20と災害情報リスト作成サーバ30、災害情報リスト作成サーバ30と災害情報提供サーバ40は、互いに通信可能に有線又は無線により接続される。また、災害情報管理装置100には、職員用通信装置50及び外部通信装置60が有線又は無線により接続している。
【0011】
災害情報収集サーバ10は、インターネット、SNS、電子メール及び電話の少なくとも1つ以上の通報手段により通報される災害情報を収集するサーバである。
災害情報解析サーバ20は、災害情報収集サーバ10によって収集された災害情報を解析することによって、災害が発生している場所や災害の内容に関するキーワードを災害情報から抽出するサーバである。例えば、災害情報解析サーバ20は、文字認識技術や音声認識技術を用いて災害情報を解析する。
【0012】
災害情報リスト作成サーバ30は、災害情報収集サーバ10によって収集された災害情報と、災害情報解析サーバ20による解析結果とを用いて、災害情報に関する内容をリスト化した災害情報リストを作成するサーバである。災害情報リスト作成サーバ30は、職員用通信装置50からの要求に応じて、作成した災害情報リストを職員用通信装置50に提供する。
災害情報提供サーバ40は、外部通信装置60からの要求に応じて、災害情報リスト作成サーバ30によって作成された災害情報リストを外部通信装置60に提供するサーバである。
【0013】
災害情報収集サーバ10、災害情報解析サーバ20、災害情報リスト作成サーバ30及び災害情報提供サーバ40は、例えば、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置を用いて構成される。なお、災害情報収集サーバ10、災害情報解析サーバ20、災害情報リスト作成サーバ30及び災害情報提供サーバ40は、異なる筐体で構成される必要はなく、例えば1つの筐体で実現されてもよい。この場合、災害情報収集サーバ10、災害情報解析サーバ20、災害情報リスト作成サーバ30及び災害情報提供サーバ40が1つの災害情報管理装置として実現されてもよい。また、災害情報収集サーバ10、災害情報解析サーバ20及び災害情報リスト作成サーバ30が1つの災害情報管理装置として実現されてもよい。
【0014】
職員用通信装置50は、災害情報リスト作成サーバ30に直接アクセスすることによって、災害情報管理装置100が管理している災害情報を閲覧することができる通信装置である。職員用通信装置50は、災害情報管理装置100の管理者によって操作される。職員用通信装置50は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置を用いて構成される。
【0015】
外部通信装置60は、外部ネットワークを介して災害情報提供サーバ40にアクセスすることによって、災害情報管理装置100が管理している災害情報を閲覧することができる通信装置である。外部通信装置60は、国や自治体の職員によって操作される。外部通信装置60は、例えば、パーソナルコンピュータやタブレット端末等の情報処理装置を用いて構成される。外部ネットワークは、例えばインターネットである。
以下、各実施形態について詳細に説明していく。
【0016】
(第1の実施形態)
まず、第1の実施形態について説明する。第1の実施形態は、収集した災害情報を用いて災害情報リストを作成する実施の形態である。
図2は、第1の実施形態における災害情報収集サーバ10の機能構成を表す概略ブロック図である。
災害情報収集サーバ10は、バスで接続されたCPU(Central Processing Unit)やメモリや補助記憶装置などを備え、災害情報収集プログラムを実行する。災害情報収集プログラムの実行によって、災害情報収集サーバ10は、災害情報収集部11、災害情報登録部12、自動応答内容記憶部13、自動応答部14、収集リスト作成部15を備える装置として機能する。なお、災害情報収集サーバ10の各機能の全て又は一部は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やPLD(Programmable Logic Device)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、災害情報収集プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、災害情報収集プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0017】
災害情報収集部11は、住民から何らかの手段により通報される災害情報を収集する機能部である。災害情報収集部11は、インターネット用災害情報収集部111、SNS用災害情報収集部112、電子メール用災害情報収集部113及び電話用災害情報収集部114で構成される。
インターネット用災害情報収集部111は、インターネットを介して通報される災害情報を収集する機能部である。例えば、インターネット用災害情報収集部111は、ホームページ上の通報用フォームに対して入力された災害情報を収集する。
【0018】
SNS用災害情報収集部112は、SNSを介して通報される災害情報を収集する機能部である。本実施形態において、国や自治体がLINEにおいてアカウントを開設し、住民がそのアカウントをフォローするだけで実現可能とする。
【0019】
電子メール用災害情報収集部113は、電子メールにより通報される災害情報を収集する機能部である。例えば、電子メール用災害情報収集部113は、通報用メールアドレス宛に届いた災害情報を収集する。
電話用災害情報収集部114は、電話により通報される災害情報を収集する機能部である。例えば、電話用災害情報収集部114は、通報用電話番号にかけられて発声された音声データを災害情報として収集する。
【0020】
災害情報登録部12は、災害情報収集部11によって収集された災害情報を収集リスト作成部15に登録する機能部である。
自動応答内容記憶部13は、自動応答内容ファイルを記憶する機能部である。自動応答内容ファイルとは、災害情報を通報した住民に対して自動応答するための内容が登録されたファイルである。自動応答内容ファイルには、収集された災害情報に応じた自動応答内容が登録されている。自動応答内容記憶部13は、例えば磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。
【0021】
図3は、第1の実施形態における自動応答内容ファイルの構成例を示す図である。
図3に示す自動応答内容ファイルは、収集された災害情報に応じた自動応答の内容が登録されたレコード(以下「自動応答内容レコード」という。)を複数有する。自動応答内容レコードは、収集元、収集有無災害情報及び自動応答内容の各値を有する。
収集元の値は、災害情報の収集元の手段を表す。例えば、収集元は、インターネット、電子メール、SNS及び電話のいずれかの手段である。
【0022】
収集有無災害情報の値は、自動応答内容を決定するための条件となる災害情報を表す。なお、収集有無災害情報の値が“-”は、条件となる災害情報がないことを表す。
自動応答内容は、住民が通報するために用いた手段を介して住民に自動応答する内容を表す。自動応答内容は、収集元のみ、又は、収集元及び収集された災害情報に応じて決定される。
【0023】
図3に示される例では、自動応答内容ファイルには複数の自動応答内容レコードが登録されている。図3において、自動応答内容ファイルの最上段に登録されている自動応答内容レコードは、収集元の値が“インターネット、電子メール、SNS”、文章の値が“あり”、画像又は動画像の値が“あり”、位置情報の値が“あり”、自動応答内容の値が“災害情報を受け付けた旨の内容、受け付けた内容を確認する旨の内容及び必要に応じて担当者から連絡がいく旨の内容”である。すなわち、“インターネット、電子メール、SNS”のいずれかの手段により通報された災害情報に“文章”、“画像又は動画像”及び“位置情報”の全てが含まれる場合には、自動応答内容として“災害情報を受け付けた旨の内容、受け付けた内容を確認する旨の内容及び必要に応じて担当者から連絡がいく旨の内容”を応答することが表されている。
【0024】
また、図3において、自動応答内容ファイルの最下段に登録されている自動応答内容レコードは、収集元の値が“電話”、文章の値が“-”、画像又は動画像の値が“-”、位置情報の値が“-”、自動応答内容の値が“災害情報を受け付けた旨の内容及び必要に応じて担当者から連絡がいく旨の内容”である。すなわち、“電話”により災害情報が通報された場合には、自動応答内容として“災害情報を受け付けた旨の内容及び必要に応じて担当者から連絡がいく旨の内容”を応答することが表されている。
【0025】
上記のように、収集元が“電話”、すなわち通報用電話番号にかけられて発声された音声データの場合には、“文章”、“画像又は動画像”及び“位置情報”の有無によらず、“災害情報を受け付けた旨の内容及び必要に応じて担当者から連絡がいく旨の内容”を自動応答することになる。
【0026】
図2に戻り、自動応答部14は、災害情報の収集元のみ、又は、収集元及び収集された災害情報と、自動応答内容記憶部13に記憶されている自動応答内容ファイルに基づいて住民に自動応答する機能部である。
収集リスト作成部15は、災害情報登録部12により登録された災害情報を用いて収集リストを作成する機能部である。収集リストは、災害情報登録部12により登録された災害情報のうち同じ住民から通報された災害情報が対応付けられたリストである。例えば、収集リストには、通報された日付、通報された時刻、通報原文、通報時の画面データ、通報時の画像又は動画のいずれか又は全てが含まれる。なお、収集元が電話である場合、収集リスト作成部15は、通報された日付、通報された時刻、災害が発生している場所の位置情報、住民の電話番号及び音声データを対応付けて収集リストを作成する。
【0027】
図4は、第1の実施形態における災害情報解析サーバ20の機能構成を表す概略ブロック図である。
災害情報解析サーバ20は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、災害情報解析プログラムを実行する。災害情報解析プログラムの実行によって、災害情報解析サーバ20は、災害情報解析部21、解析用データ記憶部22を備える装置として機能する。なお、災害情報解析サーバ20の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、災害情報解析プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、災害情報解析プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0028】
災害情報解析部21は、災害情報収集サーバ10によって作成された収集リストに含まれる災害情報を所定の解析手法を用いることによって解析して、災害が発生している場所や災害の内容に関するキーワードを災害情報から抽出する機能部である。災害情報解析部21は、収集リスト及び抽出したキーワードを災害情報リスト作成サーバ30に出力する。
解析用データ記憶部22は、解析用データファイルを記憶する機能部である。解析用データファイルとは、テキスト形式の情報から抽出すべき項目が登録されたファイルである。解析用データ記憶部22は、例えば磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。
【0029】
図5は、解析用データファイルの構成例を示す図である。
図5に示す解析用データファイルには、災害日時に関する抽出キーワード、災害場所に関する抽出キーワード及び災害内容に関する抽出キーワードが登録されている。
災害日時に関する抽出キーワードには、例えば“○○年△△月□□日”、“○○時△△分□□秒”等のように日時を特定するための文字列が抽出すべきキーワードとして登録されている。
【0030】
災害場所に関する抽出キーワードには、例えば“○○町”、“○○市”、“○○交差点”、“○○川”等のように場所を特定するための文字列が抽出すべきキーワードとして登録されている。
災害内容に関する抽出キーワードには、例えば“崖崩れ”、“陥落”、“道路陥没”、“水位上昇”等のように災害内容を特定するための文字列が抽出すべきキーワードとして登録されている。
【0031】
図6は、第1の実施形態における災害情報リスト作成サーバ30の機能構成を表す概略ブロック図である。
災害情報リスト作成サーバ30は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、災害情報リスト作成プログラムを実行する。災害情報リスト作成プログラムの実行によって、災害情報リスト作成サーバ30は、災害情報取得部31、災害情報リスト作成部32、優先度情報記憶部33、災害情報リスト記憶部34、災害情報リスト出力部35を備える装置として機能する。なお、災害情報リスト作成サーバ30の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、災害情報リスト作成プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、災害情報リスト作成プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0032】
災害情報取得部31は、災害情報解析サーバ20から出力された収集リスト及びキーワードを取得する機能部である。
災害情報リスト作成部32は、災害情報取得部31によって取得された収集リスト及びキーワードと、優先度情報記憶部33に記憶されている優先度情報ファイルとに基づいて災害情報リストを作成する。優先度情報ファイルは、被害内容に応じた被害対応の優先度が登録されたファイルである。
【0033】
優先度情報記憶部33は、優先度情報ファイルを記憶する。優先度情報記憶部33は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。
【0034】
図7は、第1の実施形態における優先度情報ファイルの構成例を示す図である。
図7に示す優先度情報ファイルは、被害内容に応じた優先度が登録されたレコード(以下「優先度レコード」という。)を複数有する。優先度レコードは、被害内容及び優先度の各値を有する。
被害内容の値は、被害の内容を表す。図7では、被害内容の一例として、崖崩れ、堤防損壊、橋梁陥没、道路陥没及び河川水位上昇等が示されている。
優先度の値は、被害内容に応じて登録された被害対応の優先度を表す。図7では、一例として優先度がアルファベットで示されているが、数字であってもよいし、その他の記号で示されてもよい。優先度がアルファベットで示されている場合、アルファベット順に優先度が低くなる。
【0035】
図7に示される例では、優先度情報ファイルには複数の優先度レコードが登録されている。図7において、優先度レコードの最上段に登録されている優先度レコードは、被害内容の値が“崖崩れ”、優先度の値が“A”である。すなわち、被害内容が“崖崩れ”である場合、被害対応の優先度が最も高いことが表されている。
【0036】
図6に戻り、災害情報リスト記憶部34は、災害情報リスト作成部32によって作成された災害情報リストを記憶する記憶部である。災害情報リスト記憶部34は、例えば磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。
【0037】
図8は、第1の実施形態における災害情報リストの構成例を示す図である。
図8に示す災害情報リストは、災害情報に関する内容が登録されたレコード(以下「災害情報レコード」という。)を複数有する。災害情報レコードは、対応実施の有無、検索用チェック欄、番号、優先度、日付、時刻、場所、被害内容、通報原文、ファイル、コンタクト及びアカウントの各値を有する。
【0038】
対応実施の有無の値は、被害内容に対する対応が実施されたか否かを表す。対応実施の有無の項目には、チェックボックスが設けられ、チェックが入っていれば被害内容に対する対応が実施されたことを表す。一方、対応実施の有無の項目にチェックが入っていなければ被害内容に対する対応が実施されていないことを表す。
【0039】
検索用チェック欄の値は、ソートしたい項目をチェックするためのチェック欄である。
番号の値は、災害情報レコードを識別するための番号である。
優先度の値は、被害内容に応じて登録された優先度を表す。
【0040】
日付の値は、通報がなされた日付を表す。
時刻の値は、通報がなされた時刻を表す。
場所の値は、災害が発生している場所を表す。
【0041】
被害内容の値は、被害内容の詳細を表す。
通報原文の値は、収集された災害情報に含まれる文章である。
ファイルの値は、収集された災害情報に含まれる画像又は動画と、通報時の画面のファイルである。
【0042】
コンタクトの値は、住民とコンタクトをとるための方法を表す。
アカウントの値は、災害情報を通報した住民を識別するためのアカウントを表す。
【0043】
図8に示される例では、災害情報リストには複数の災害情報レコードが登録されている。図8において、優先度レコードの最上段に登録されている災害情報レコードは、被害内容の値が“崖崩れ”、優先度の値が“A”である。すなわち、被害内容が“崖崩れ”である場合、被害対応の優先度が最も高いことが表されている。
【0044】
図6に戻り、災害情報リスト出力部35は、災害情報リスト記憶部34に記憶されている災害情報リストを災害情報提供サーバ40に出力する機能部である。また、災害情報リスト出力部35は、職員用通信装置50からの要求に応じて、災害情報リストを職員用通信装置50に出力する。
【0045】
図9は、第1の実施形態における災害情報提供サーバ40の機能構成を表す概略ブロック図である。
災害情報提供サーバ40は、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、災害情報提供プログラムを実行する。災害情報提供プログラムの実行によって、災害情報提供サーバ40は、災害情報リスト取得部41、災害情報リスト記憶部42、災害情報要求受付部43、災害情報提供部44を備える装置として機能する。なお、災害情報提供サーバ40の各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、災害情報提供プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、災害情報提供プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0046】
災害情報リスト取得部41は、災害情報リスト作成サーバ30から出力された災害情報リストを取得する機能部である。災害情報リスト取得部41は、取得した災害情報リストを災害情報リスト記憶部42に記憶させる。
災害情報リスト記憶部42は、災害情報リストを記憶する機能部である。災害情報リスト記憶部42は、磁気ハードディスク装置や半導体記憶装置などの記憶装置を用いて構成される。
【0047】
災害情報要求受付部43は、外部通信装置60からの災害情報の提供要求を受け付ける機能部である。災害情報要求受付部43は、受け付けた提供要求を災害情報提供部44に通知する。
災害情報提供部44は、災害情報要求受付部43が受け付けた提供要求に応じて、災害情報リスト記憶部42に記憶されている災害情報リストを、要求元の外部通信装置60に提供する機能部である。
【0048】
図10は、第1の実施形態における災害情報収集サーバ10が行う収集リスト作成処理の流れを示すフローチャートである。なお、図10では、災害情報がインターネット、SNS及び電子メールのいずれかの手段により収集された場合について説明する。
ステップS101において、災害情報収集部11は、インターネット、SNS及び電子メールのいずれかの手段で災害情報を収集する。例えば、インターネット用災害情報収集部111は、インターネットにより災害情報を収集する。また、例えば、SNS用災害情報収集部112は、SNSにより災害情報を収集する。また、例えば、電子メール用災害情報収集部113は、電子メールにより災害情報を収集する。災害情報収集部11は、収集した災害情報を災害情報登録部12に出力する。以下では、SNSにより災害情報が収集されたものとして説明する。
【0049】
ステップS102において、災害情報登録部12は、災害情報収集部11によって収集された災害情報を一時的に記憶する。
ステップS103において、災害情報登録部12は、一時的に記憶している災害情報に不足があるか否かを判定する。具体的には、災害情報登録部12は、一時的に記憶している災害情報に、文章、画像や動画像及び位置情報の全てが含まれる場合には災害情報に不足がないと判定する。一方、災害情報登録部12は、一時的に記憶している災害情報に災害情報に、文章、画像や動画像及び位置情報の全てが含まれない場合には災害情報に不足があると判定する。
【0050】
災害情報に不足がない場合(ステップS103-NO)、災害情報収集サーバ10はステップS104の処理を実行する。一方、災害情報に不足がある場合(ステップS103-YES)、災害情報収集サーバ10はステップS106の処理を実行する。
【0051】
ステップS104において、災害情報登録部12は、文章、画像や動画像及び位置情報の全てが災害情報に含まれていることを自動応答部14に通知する。また、災害情報登録部12は、収集された災害情報を収集リスト作成部15に登録する。自動応答部14は、自動応答内容記憶部13に記憶されている自動応答内容ファイルを参照して、文章、画像や動画像及び位置情報の全てが災害情報に含まれている場合の自動応答内容を取得する。
【0052】
この場合、自動応答部14は、自動応答内容ファイルにおける収集有無災害情報の“文章”、“画像又は動画像”及び“位置情報”全ての項目が“あり”になっている自動応答内容レコードの自動応答内容を取得する。例えば、自動応答部14は、災害情報を受け付けた旨の内容、受け付けた内容を確認する旨の内容及び必要に応じて担当者から連絡がいく旨の内容を取得する。そして、自動応答部14は、取得した自動応答内容を災害情報の提供元である住民に返信する。
【0053】
図11は、第1の実施形態における災害情報に不足がない場合の自動応答内容の具体例を示す図である。なお、図11では、住民が所持する通信装置の画面上に、災害情報に不足がない場合の自動応答内容が表示された画面の一例が示されている。
図11には、住民から通報された災害情報71と、文章、画像や動画像及び位置情報の全てが災害情報に含まれる場合の自動応答内容72が示されている。図11では、災害情報71として、災害内容に関する文章711、災害に関する画像712及び災害場所を示す位置情報713が示されている。
【0054】
ステップS105において、収集リスト作成部15は、災害情報登録部12により登録された災害情報を用いて収集リストを作成する。具体的には、収集リスト作成部15は、災害情報に含まれる、通報された日付、通報された時刻、位置情報、通報原文、通報時の画面データ、通報時の画像又は動画像のいずれか又は全ての情報を対応付けることによって収集リストを作成する。収集リスト作成部15は、作成した収集リストを災害情報解析サーバ20に出力する。
【0055】
ステップS106において、災害情報登録部12は、災害情報に含まれていた情報を自動応答部14に通知する。自動応答部14は、自動応答内容記憶部13に記憶されている自動応答内容ファイルを参照して、災害情報登録部12から通知された情報が含まれる場合の自動応答内容を取得する。ここでは、文章のみが災害情報に含まれていたとする。自動応答部14は、自動応答内容ファイルを参照して、文章のみが災害情報に含まれる場合の自動応答内容を取得する。
【0056】
この場合、自動応答部14は、自動応答内容ファイルにおける収集有無災害情報の“文章”の項目が“あり”になっていて、“画像又は動画像”及び“位置情報”の項目が“なし”になっている自動応答内容レコードの自動応答内容を取得する。例えば、自動応答部14は、不足している情報を要求する旨の内容を取得する。そして、自動応答部14は、取得した自動応答内容を災害情報の提供元である住民に返信する。
【0057】
図12は、第1の実施形態における災害情報に不足がある場合の自動応答内容の具体例を示す図である。なお、図12では、住民が所持する通信装置の画面上に、災害情報に不足がある場合の自動応答内容が表示された画面の一例が示されている。
図12には、住民から通報された災害内容に関する文章711と、文章のみが災害情報に含まれる場合の自動応答内容73が示されている。図12に示すように、住民から通報された災害情報が文章のみである場合、自動応答部14は、自動応答内容73のように不足している画像及び位置情報を要求する旨の自動応答を災害情報の提供元である住民に返信する。
【0058】
ステップS107において、災害情報登録部12は、災害情報の提供元である住民に対して災害情報の追加依頼の返信がなされた時点から一定時間待機する。
ステップS108において、一定時間待機後、災害情報登録部12は、一定時間待機している間に災害情報の追加があったか否かを判定する。例えば、災害情報登録部12は、一定時間待機している間に、災害情報の追加依頼の返信先である住民のアカウントと同一のアカウントから災害情報が収集された場合に災害情報の追加があったと判定する。一方、災害情報登録部12は、一定時間待機している間に、災害情報の追加依頼の返信先である住民のアカウントと同一のアカウントから災害情報が収集されなかった場合に災害情報の追加がなかったと判定する。災害情報の追加があった場合(ステップS108-YES)、災害情報収集サーバ10はステップS109の処理を実行する。一方、災害情報の追加がなかった場合(ステップS108-NO)、災害情報収集サーバ10はステップS105の処理を実行する。
【0059】
ステップS109において、災害情報登録部12は、新たに収集された災害情報を一時的に記憶する。その後、災害情報収集サーバ10は、ステップS103以降の処理を実行する。
【0060】
図13は、第1の実施形態における災害情報に不足があり、一定時間の間に災害情報の追加がなされた場合の自動応答内容の具体例を示す図である。なお、図13では、住民が所持する通信装置の画面上に、一定時間の間に災害情報の追加がなされた場合の自動応答内容が表示された画面の一例が示されている。
図13には、図12に示した文章711と、自動応答内容73の後に、住民から追加で通報された災害に関する画像712及び災害場所を示す位置情報713と、文章、画像や動画像及び位置情報の全てが災害情報に含まれる場合の自動応答内容72が示されている。
【0061】
図14は、第1の実施形態における災害情報管理装置100が行う災害情報リスト作成処理の流れを示すシーケンス図である。
ステップS201において、災害情報収集サーバ10の収集リスト作成部15は、作成した収集リストを災害情報解析サーバ20に出力する。災害情報解析サーバ20の災害情報解析部21は、災害情報収集サーバ10から出力された収集リストを取得する。
【0062】
ステップS202において、災害情報解析部21は、取得した収集リストに音声形式の情報が含まれるか否かを判定する。音声形式の情報が含まれる場合(ステップS202-YES)、災害情報解析サーバ20はステップS203の処理を実行する。一方、音声形式の情報が含まれない場合(ステップS202-NO)、災害情報解析サーバ20はステップS204の処理を実行する。
【0063】
ステップS203において、災害情報解析部21は、音声形式の情報に対して音声認識技術を用いて、テキスト形式の情報に変換する。
ステップS204において、災害情報解析部21は、解析用データ記憶部22に記憶されている解析用データファイルと、文字認識技術とを用いて、テキスト形式の情報の中から解析用データファイルに含まれるキーワードを抽出する。災害情報解析部21が抽出するキーワードは、災害日時に関するキーワードと、災害場所に関するキーワードと、災害内容に関するキーワードである。これにより、災害情報解析部21は、災害情報に含まれる日時と、災害場所の詳細(市町村など)と、災害内容を取得する。
【0064】
ステップS205において、災害情報解析部21は、取得した収集リストと、抽出したキーワードとを災害情報リスト作成サーバ30に出力する。
ステップS206において、災害情報リスト作成サーバ30の災害情報取得部31は、災害情報解析サーバ20から出力された収集リスト及びキーワードを取得する。災害情報リスト作成部32は、取得された収集リスト及びキーワードと、優先度情報記憶部33に記憶されている優先度情報ファイルとを用いて、災害情報リストを作成する。
【0065】
具体的には、まず災害情報リスト作成部32は、取得されたキーワード(被害内容に関する抽出キーワード)から被害内容を判定する。例えば、キーワードに“道路が陥没”や“道路陥没”等のキーワードが含まれる場合には災害情報リスト作成部32は被害内容が“道路陥没”であると判定する。
次に、災害情報リスト作成部32は、優先度情報ファイルを参照して、被害内容に対応する優先度を取得する。例えば、被害内容が“道路陥没”である場合、災害情報リスト作成部32は優先度として“B”の値を取得する。
【0066】
そして、災害情報リスト作成部32は、対応実施の有無、検索用チェック欄、番号、優先度、日付、時刻、場所、被害内容、通報原文、ファイル、コンタクト及びアカウントの各項目に対して、項目に応じた取得している内容を登録した災害情報レコードを作成する。災害情報リスト作成部32は、この処理を通報された災害情報毎に行うことによって、複数の災害情報レコードを有する災害情報リストを作成する。
【0067】
なお、災害情報リスト作成部32は、災害情報リストの作成時には、対応実施の有無、検索用チェック欄の項目に対応する値は取得していないため登録しない。災害情報リスト作成部32は、日付、時刻、場所及び被害内容の項目には抽出されたキーワードの値を登録し、通報原文の項目にはテキスト形式の情報を登録する。また、災害情報リスト作成部32は、ファイルの項目には通報時の画面データ及び通報時の画像又は動画を登録し、コンタクトの項目には住民とコンタクトが取れるSNSのURL(Uniform Resource Locator)、メールアドレス、電話番号等の情報を登録し、アカウントの項目には通報した住民を識別できる情報、例えばSNSのアカウントや電子メールのIDなどを登録する。
【0068】
ステップS207において、災害情報リスト作成部32は、作成した災害情報リストを災害情報リスト記憶部34に記憶させる。
ステップS208において、災害情報リスト出力部35は、災害情報リスト記憶部34に記憶された災害情報リストを災害情報提供サーバ40に出力する。
【0069】
ステップS209において、災害情報提供サーバ40の災害情報リスト取得部41は、災害情報リスト作成サーバ30から出力された災害情報リストを取得する。災害情報リスト取得部41は、取得した災害情報リストを災害情報リスト記憶部42に記憶させる。
【0070】
災害情報リスト作成サーバ30は、職員用通信装置50の要求に応じて、記憶している災害情報リストを職員用通信装置50に提供する。また、災害情報提供サーバ40は、外部通信装置60の要求に応じて、記憶している災害情報リストを外部通信装置60に提供する。
【0071】
図15は、第1の実施形態における災害情報リストの表示画面の一例を示す図である。
図15に示す災害情報リストの表示画面74は、職員用通信装置50及び外部通信装置60の画面に表示される災害情報リストの表示画面の一例である。図15に示すように表示画面74には、災害情報リストの他に検索キー741と、ソートキー742とが表示される。検索キー741は、単語の検索を行う際に利用されるキーである。ソートキー742は、災害情報リスト内の情報をソートする際に利用されるキーである。
【0072】
また、表示画面74におけるファイルの項目において、動画、トーク画面及び音声のいずれかが選択されると、通報時の動画、トーク画面及び音声が別画面にて表示される。また、表示画面74におけるコンタクトの項目において、トーク、メール及び電話のいずれかが選択されると、通報を行った住民とコンタクトを取るためのトーク画面、メール画面及び電話番号が別画面にて表示される。これにより、必要に応じて、通報を行った住民とコンタクトを取ることができる。
【0073】
図16は、第1の実施形態における災害情報収集サーバ10が行う収集リスト作成処理の流れを示すフローチャートである。なお、図16では、災害情報が電話により収集された場合について説明する。
ステップS301において、災害情報収集部11は、電話により災害情報を収集する。具体的には、災害情報収集部11は、電話により通報された災害情報を録音する。これにより、災害情報収集部11は、音声データを災害情報として収集する。災害情報収集部11は、録音した災害情報の音声データを災害情報登録部12に出力する。
【0074】
ステップS302において、災害情報登録部12は、音声データを取得すると、電話により災害情報が取得されたことを自動応答部14に通知する。自動応答部14は、自動応答内容ファイルを参照して、収集元が電話の場合の自動応答内容を取得する。この場合、自動応答部14は、災害情報を受け付けた旨の内容及び必要に応じて担当者から連絡がいく旨の内容を取得する。そして、自動応答部14は、取得した自動応答内容を電話で応答する。また、災害情報登録部12は、取得した災害情報の音声データを収集リスト作成部15に登録する。
【0075】
ステップS303において、収集リスト作成部15は、災害情報登録部12により登録された災害情報の音声データを用いて収集リストを作成する。具体的には、収集リスト作成部15は、通報された日付、通報された時刻、災害情報の音声データのいずれか又は全ての情報を対応付けることによって収集リストを作成する。収集リスト作成部15は、作成した収集リストを災害情報解析サーバ20に出力する。
【0076】
以上のように構成された災害情報管理システム1によれば、インターネット、SNS、電子メール及び電話のいずれかの手段により住民から通報された災害情報を収集し、収集した災害情報を、文字認識技術及び音声認識技術等の解析手法を用いて解析し、解析結果を一覧表としてまとめることによって災害情報を一元管理する。このように、通報に対して職員が災害情報をまとめる必要がなくなるため、通報対応をする職員の負担も軽減することができる。さらに、あらゆる地域の住民から災害情報を収集することよって、幅広い地域の災害情報を収集することができる。そのため、効率的に災害情報を収集することが可能になる。
【0077】
また、災害情報管理システム1は、通報された災害情報に不足がある場合には、不足している情報の追加要求を自動応答する。これにより、必要な災害情報を収集することができる。
また、災害情報管理システム1は、解析手法を用いて、災害情報から被災の内容に関するキーワードを抽出し、抽出したキーワードから被災内容を判定して被災対応すべき優先度を決定する。そして、災害情報管理システム1は、災害情報に優先度を対応付けて災害情報リストを生成する。これにより、災害情報リストを見た担当者は、どの災害を優先すべきか容易に判断することができる。
【0078】
(第2の実施形態)
第2の実施形態は、災害情報収集サーバにおいて収集した災害情報の修正指示に応じて修正を行う実施の形態である。第2の実施形態において、災害情報解析サーバ20、災害情報リスト作成サーバ30及び災害情報提供サーバ40の構成は、第1の実施形態における災害情報解析サーバ20、災害情報リスト作成サーバ30及び災害情報提供サーバ40と同様である。以下、第1の実施形態と異なる災害情報収集サーバ10aについて説明する。なお、災害情報収集サーバ10aは、災害情報の修正指示が入力された場合の処理以外の処理(例えば、図14及び図16の処理)は第1の実施形態と同様であるため説明を省略する。
【0079】
図17は、第2の実施形態における災害情報収集サーバ10aの機能構成を表す概略ブロック図である。
災害情報収集サーバ10aは、バスで接続されたCPUやメモリや補助記憶装置などを備え、災害情報収集プログラムを実行する。災害情報収集プログラムの実行によって、災害情報収集サーバ10aは、災害情報収集部11、災害情報登録部12a、自動応答内容記憶部13a、自動応答部14a、収集リスト作成部15を備える装置として機能する。なお、災害情報収集サーバ10aの各機能の全て又は一部は、ASICやPLDやFPGA等のハードウェアを用いて実現されてもよい。また、災害情報収集プログラムは、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録されてもよい。コンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、例えばフレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置である。また、災害情報収集プログラムは、電気通信回線を介して送受信されてもよい。
【0080】
災害情報収集サーバ10aは、災害情報登録部12、自動応答内容記憶部13及び自動応答部14に代えて災害情報登録部12a、自動応答内容記憶部13a及び自動応答部14aを備える点で災害情報収集サーバ10と構成が異なる。災害情報収集サーバ10aは、他の構成については災害情報収集サーバ10と同様である。そのため、災害情報収集サーバ10a全体の説明は省略し、災害情報登録部12a、自動応答内容記憶部13a及び自動応答部14aについて説明する。
【0081】
災害情報登録部12aは、災害情報収集部11によって収集された災害情報を収集リスト作成部15に登録する機能部である。また、災害情報登録部12aは、災害情報収集部11によって収集された災害情報の修正指示に応じて再度災害情報を収集リスト作成部15に登録する。
自動応答内容記憶部13aは、自動応答内容ファイルを記憶する。より具体的には、自動応答内容記憶部13aは、図3に示す自動応答内容ファイルに加えて、図18に示す自動応答内容ファイルを記憶する。
【0082】
図18は、第2の実施形態における自動応答内容ファイルの構成例を示す図である。
図18に示す自動応答内容ファイルは、災害情報の修正指示がなされた場合の自動応答内容が登録されている。具体的には、災害情報の修正指示がなされた場合には、自動応答内容として“災害情報を受け付けた旨の内容、受け付けた内容(修正後)を確認する旨の内容及び必要に応じて担当者から連絡がいく旨の内容”を応答することが表されている。
【0083】
図17に戻り、自動応答部14aは、災害情報の収集元のみ、又は、収集元及び収集された災害情報と、自動応答内容記憶部13に記憶されている自動応答内容ファイルに基づいて住民に自動応答する機能部である。例えば、自動応答部14aは、災害情報の修正指示がなされた場合には、災害情報の修正指示がなされたことに応じた自動応答内容を住民に自動応答する。
【0084】
図19は、第2の実施形態における災害情報収集サーバ10aが行う災害情報の修正指示がなされた場合の修正処理の流れを示すフローチャートである。なお、図19の処理は、図10の処理時又は図10の処理が終了してから所定の期間の間において、修正の指示がなされた場合に実行される。
ステップS401において、災害情報登録部12aは、災害情報を修正する。具体的には、災害情報登録部12aは、修正指示がなされた災害情報を、収集リスト作成部15に登録することによって災害情報を修正する。
【0085】
ステップS402において、災害情報登録部12aは、災害情報を修正したことを自動応答部14aに通知する。自動応答部14aは、自動応答内容ファイルを参照して、修正指示がなされた場合の自動応答内容を取得する。この場合、自動応答部14aは、自動応答内容ファイルにおける修正指示がなされた場合に対応付けられた自動応答内容を取得する。例えば、自動応答部14aは、災害情報を受け付けた旨の内容、受け付けた内容(修正後)を確認する旨の内容及び必要に応じて担当者から連絡がいく旨の内容を取得する。そして、自動応答部14aは、取得した自動応答内容を災害情報の提供元である住民に返信する。
【0086】
図20は、第2の実施形態における災害情報の修正があった場合の自動応答内容の具体例を示す図である。なお、図20では、住民が所持する通信装置の画面上に、災害情報の修正があった場合の自動応答内容が表示された画面の一例が示されている。
図20には、住民からの災害情報を修正指示75と、修正後の災害に関する画像712と、災害情報の修正があった場合の自動応答内容76が示されている。
【0087】
ステップS403において、収集リスト作成部15は、災害情報登録部12aにより登録された災害情報を用いて再度収集リストを作成する。具体的には、収集リスト作成部15は、災害情報登録部12aにより登録された災害情報に含まれる、文章、位置情報、画像又は動画像のいずれか又は全ての情報で、修正指示をした住民のアカウントと同一のアカウントの直近の収集リストに登録されている情報を置き換えることによって収集リストを再度作成する。収集リスト作成部15は、作成した収集リストを災害情報解析サーバ20に出力する。
【0088】
以上のように構成された第2の実施形態における災害情報管理システム1によれば、第1の実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、第2の実施形態における災害情報管理システム1は、通報された災害情報の修正指示がなされた場合に、既に通報された災害情報を修正する。これにより、正しい災害情報を登録することができる。
【0089】
(第1の実施形態及び第2の実施形態に共通する変形例)
以下、第1の実施形態及び第2の実施形態に共通する変形例について説明する。
上記の各実施形態では、優先度を災害内容に応じて自動で判定する構成を示したが、優先度は災害情報管理装置100の管理者が手動で設定するように構成されてもよい。このように構成される場合、災害情報リスト作成サーバ30は、優先度情報記憶部33を備えなくてもよい。
インターネット用災害情報収集部111、SNS用災害情報収集部112、電子メール用災害情報収集部113及び電話用災害情報収集部114はそれぞれ1つのサーバで構成されてもよい。このように構成される場合、災害情報収集部11は、インターネット用災害情報収集部111、SNS用災害情報収集部112、電子メール用災害情報収集部113及び電話用災害情報収集部114のそれぞれから災害情報を収集する。
【0090】
以上説明した少なくともひとつの実施形態によれば、住民から所定の通報手段により通報される災害情報を収集する災害情報収集部と、収集された災害情報に対して少なくとも文字認識技術を用いて被災の内容に関するキーワードを抽出する災害情報解析部と、災害情報と、キーワードとを対応付けることによって災害情報リストを作成する災害情報リスト作成部とを持つことにより、より効率的に災害情報を収集することができる。
【0091】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0092】
100…災害情報管理装置,10、10a…災害情報収集サーバ,11…災害情報収集部,12、12a…災害情報登録部,13、13a…自動応答内容記憶部,14、14a…自動応答部,15…収集リスト作成部,20…災害情報解析サーバ,21…災害情報解析部,22…解析用データ記憶部,30…災害情報リスト作成サーバ,31…災害情報取得部,32…災害情報リスト作成部,33…優先度情報記憶部,34…災害情報リスト記憶部,35…災害情報リスト出力部,40…災害情報提供サーバ,41…災害情報リスト取得部,42…災害情報リスト記憶部,43…災害情報要求受付部,44…災害情報提供部,50…職員用通信装置,60…外部通信装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20