(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】垂直軸風力発電装置
(51)【国際特許分類】
F03D 13/40 20160101AFI20221212BHJP
F03D 3/06 20060101ALI20221212BHJP
F03D 13/20 20160101ALI20221212BHJP
【FI】
F03D13/40
F03D3/06 G
F03D13/20
(21)【出願番号】P 2018190582
(22)【出願日】2018-10-09
【審査請求日】2021-09-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000102692
【氏名又は名称】NTN株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100087941
【氏名又は名称】杉本 修司
(74)【代理人】
【識別番号】100112829
【氏名又は名称】堤 健郎
(74)【代理人】
【識別番号】100155963
【氏名又は名称】金子 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】100150566
【氏名又は名称】谷口 洋樹
(74)【代理人】
【識別番号】100154771
【氏名又は名称】中田 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100142608
【氏名又は名称】小林 由佳
(74)【代理人】
【識別番号】100213470
【氏名又は名称】中尾 真二
(72)【発明者】
【氏名】柄澤 龍介
(72)【発明者】
【氏名】奥野 智久
(72)【発明者】
【氏名】赤川 充
(72)【発明者】
【氏名】西村 要
【審査官】松浦 久夫
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2012/0007365(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0140949(US,A1)
【文献】特許第4791353(JP,B2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0300321(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0079161(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F03D 13/40
F03D 3/06
F03D 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱およびこの支柱の上部に垂直軸心回りで回転自在に設置された主軸を有する主軸ユニットと、それぞれ前記主軸の周囲で垂直方向に延びる翼およびこの翼を前記主軸に連結するアームにより構成される複数の翼ユニットと、前記主軸の回転によって発電する発電機とを備えた垂直軸風力発電装置であって、
前記主軸ユニットを折り畳み可能とする主軸ユニット折り畳み機構と、折り畳まれた状態の前記主軸ユニットに沿うように前記翼ユニットを折り畳み可能とする翼ユニット折り畳み機構とを備え
、
前記主軸ユニット折り畳み機構は、前記支柱の上端に位置して前記主軸を主軸下端で回転自在に支持する主軸下端支持部材を、主軸が起倒可能なように連結し、倒れ状態で主軸が支柱に沿う姿勢とする主軸起倒連結機構を備える、垂直軸風力発電装置。
【請求項2】
請求項1に記載の垂直軸風力発電装置において、前記主軸ユニット折り畳み機構は、風車設置台に対して前記支柱を起倒可能に連結する支柱起倒機構を含む垂直軸風力発電装置。
【請求項3】
請求項1
または請求項
2に記載の垂直軸風力発電装置において、前記翼ユニット折り畳み機構は、前記翼毎に設けられて前記主軸の周囲に回転可能に設置され前記アームの基端が連結される回転連結部材を有する垂直軸風力発電装置。
【請求項4】
請求項1
または請求項
2に記載の垂直軸風力発電装置において、前
記翼ユニット折り畳み機構は、前記アームを基端で前記主軸に対して折れ曲がり可能に連結するアーム基端折曲連結部と、前記アームを先端で前記翼に対して折れ曲がり可能に連結するアーム先端折曲連結部とを有する垂直軸風力発電装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項
4のいずれか1項に記載の垂直軸風力発電装置において、前記主軸ユニットおよび前記翼ユニットを折り畳み状態で収納しかつ
前記主軸下端支持部材内に設置された前記発電機
を収納するコンテナと、このコンテナから取り出された前記主軸ユニットの前記支柱を起立姿勢に固定する支柱固定手段とを備える垂直軸風力発電装置。
【請求項6】
請求項
5に記載の垂直軸風力発電装置において、前記コンテナ内に、このコンテナの長手方向端の開口側が低くなるように傾斜し、折り畳み状態の前記主軸ユニットおよび前記翼ユニットを前記開口から出し入れ可能に載せる傾斜台を備える垂直軸風力発電装置。
【請求項7】
請求項
6に記載の垂直軸風力発電装置において、前記傾斜台上に収納された前記折り畳み状態の前記主軸ユニットおよび前記翼ユニットを、前記傾斜台を使って引出すと共に、展開し、かつ立ち上げる作業を支援する引出し展開機構を前記コンテナに備える垂直軸風力発電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発展途上国の未電化地域や災害等の被災地域での電力供給源として、容易に輸送できて簡易に設置できる垂直軸風力発電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
輸送の容易化や設置の容易性を考慮した風力発電装置として、特許文献1~4が提案されている。
特許文献1には、輸送用ボックスの側面が太陽光パネルであり、それらを上向きに展開し、ボックスのフレーム上に傾けて上げること、およびフレームの一辺に風力発電機を取り付けることが記載されている。
特許文献2,3には、風力発電機の輸送に用いたコンテナを、風力発電機を設置する基礎として用いることが記載されている。
特許文献4には、垂直軸風力発電装置において、風車の翼を主軸に沿って折り畳むことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4791353号公報
【文献】特許第4563179号公報
【文献】特許第5557858号公報
【文献】特開2017-218998号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
発展途上国の未電化地域や災害等の被災地域での電力供給を行うための電源システムの要件としては、輸送の容易性と、設置の容易性、発電能力が重要である。
特許文献1~3では、いずれも水平軸形の風車を用いているため、小型化した場合の発電効率が悪い。発展途上国の未電化地域や災害等の被災地域への輸送性および設置の容易性を考慮した小型の風車サイズとした場合、発電効率が悪く、発電能力が不足する。また、水平軸風車は、低風速の場合に回転が生じ難く、被災地域での限られた場所に設置する場合、効率良く発電できる設置場所が得られない場合がある。
【0005】
特許文献4では、垂直軸型の風車を用いているため、上記の水平軸型風車の欠点がなく、また翼が折り畳めるため、輸送性や設置性にも優れる。しかし、翼を設置する支柱について考慮がなされていない。同文献に記載の支柱(支持軸)は短く、輸送性が大きな問題とはなり難い。しかし、風力を確保し、発電能力を手確保するには、風車の位置をある程度高くする必要がある。その場合、支柱が高くなり、輸送の問題が生じる。
【0006】
この発明の目的は、輸送が容易で設置が容易に行え、小型であっても発電能力が確保できる垂直軸風力発電装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の垂直軸風力発電装置は、支柱およびこの支柱の上部に垂直軸心回りで回転自在に設置された主軸を有する主軸ユニットと、それぞれ前記主軸の周囲で垂直方向に延びる翼およびこの翼を前記主軸に連結するアームにより構成される複数の翼ユニットと、前記主軸の回転によって発電する発電機とを備えた垂直軸風力発電装置であって、
前記主軸ユニットを折り畳み可能とする主軸ユニット折り畳み機構と、折り畳まれた状態の前記主軸ユニットに沿うように前記翼ユニットを折り畳み可能とする翼ユニット折り畳み機構とを備える。
【0008】
この構成によると、垂直軸風力発電装置であるため、水平軸型と異なり、1台のトラックで輸送できる程度の小型としても、効率良く発電が行え、かつ低風速で効率良く発電できる。
また、支柱および主軸を有する主軸ユニットと、翼およびその支持用のアームを有する翼ユニットを、いずれも折り畳み可能としたため、折り畳み状態で輸送できて輸送性に優れ、また折り畳み式であるため、輸送先で折り畳み状態から展開することで、容易に設置することができる。
翼ユニットだけでなく、支柱を有する主軸ユニットも折り畳み可能としたため、風力が確保できて発電電力が確保できるように、支柱をある程度高くしても輸送性の問題が生じない。
このため、輸送が容易で設置が容易にかつ迅速に行え、小型であっても発電能力を確保することができる。これにより、未電化地域や災害等の被災地域での電力需要に応えることができる。
【0009】
この発明において、前記主軸ユニット折り畳み機構は、風車設置台に対して前記支柱を起倒可能に連結する支柱起倒機構を含んでいてもよい。
支柱が起倒可能であると、より一層コンパクトに折り畳んで郵送でき、輸送性がより向上する。
【0010】
この発明において、前記主軸ユニット折り畳み機構は、前記支柱の上端に位置して前記主軸を主軸下端で回転自在に支持する主軸下端支持部材を、主軸が起倒可能なように連結し、倒れ状態で主軸が支柱に沿う姿勢とする主軸起倒連結機構を備えていてもよい。
主軸が支柱の沿う姿勢に折り畳めるため、より一層コンパクトに折り畳んで輸送でき、輸送性がより向上する。
【0011】
この発明において、前記翼ユニット折り畳み機構は、前記翼毎に設けられて前記主軸の周囲に回転可能に設置され前記アームの基端が連結される回転連結部材を有していてもよい。
この構成の場合、前記回転連結部材が主軸の回りで回転することで、複数の翼を重なり状態に折り畳むことができ、コンパクトに折り畳むことができる。
【0012】
この発明において、前記翼ユニット折り畳み機構は、前記アームを基端で前記主軸に対して折れ曲がり可能に連結するアーム基端折曲連結部と、前記アームを先端で前記翼に対して折れ曲がり可能に連結するアーム先端折曲連結部とを有するようにしてもよい。
この構成の場合、前記アームを折り曲げることで、各翼が主軸に沿うように翼ユニットを折り畳むことができ、この場合もコンパクトに折り畳むことができる。
【0013】
この発明において、前記主軸ユニットおよび前記翼ユニットを折り畳み状態で収納しかつ前記発電機が内部に設置されたコンテナと、このコンテナから取り出された前記主軸ユニットの前記支柱を起立姿勢に固定する支柱固定手段とを備えるようにしてもよい。
この構成の場合、垂直軸風力発電装置の構成部品を全てコンテナに収容して輸送することができ、かつコンテナを前記主軸ユニットおよび翼ユニットからなる風車の基礎として利用できるため、輸送性および設置の容易性がより一層向上する。
【0014】
上記のようにコンテナを備える場合に、前記コンテナ内に、このコンテナの長手方向端の開口側が低くなるように傾斜し、折り畳み状態の前記主軸ユニットおよび前記翼ユニットを前記開口から出し入れ可能に載せる傾斜台を備えるようにしてもよい。
このようにコンテナ内に傾斜台を備え、その上に主軸ユニットおよび翼ユニットを載せて収納することで、設置現場において、傾斜台上で主軸ユニットおよび翼ユニットを自重で滑らせてコンテナから搬出することができ、現場での設置作業が容易になる。例えば、重機を使わずに人力でコンテナから主軸ユニットおよび翼ユニットの取り出しが行える。 コンテナへの主軸ユニットおよび翼ユニットへの収納については、傾斜台上で押し上げて収納することになるが、垂直軸風力発電装置の工場や保管用の倉庫等では、重機等の設備が整っている場合が一般的であり、収納作業上の問題は生じ難い。被災地での設置を考えた場合、重機の使用環境が整っていない設置場所で、人力で簡単にコンテナから取り出せることが好ましい。この垂直軸風力発電装置が不要となる撤去時には、周辺地域の交通事情が復旧している場合が多く、重機の使用も簡単になる。
【0015】
前記傾斜台を備える場合に、前記傾斜台上に収納された前記折り畳み状態の前記主軸ユニットおよび前記翼ユニットを、前記傾斜台を使って引出すと共に、展開し、かつ立ち上げる作業を支援する引出し展開機構を前記コンテナに備えるようにしてもよい。
このような引出し展開機能を備えることで、設置場所での垂直軸風力発電装置の設置作業がより簡単かつ迅速に行える。
【発明の効果】
【0016】
この発明の垂直軸風力発電装置は、支柱およびこの支柱の上部に垂直軸心回りで回転自在に設置された主軸を有する主軸ユニットと、それぞれ前記主軸の周囲で垂直方向に延びる翼およびこの翼を前記主軸に連結するアームにより構成される複数の翼ユニットと、前記主軸の回転によって発電する発電機とを備えた垂直軸風力発電装置であって、前記主軸ユニットを折り畳み可能とする主軸ユニット折り畳み機構と、折り畳まれた状態の前記主軸ユニットに沿うように前記翼ユニットを折り畳み可能とする翼ユニット折り畳み機構とを備えるため、輸送が容易で設置が容易に行え、小型であっても発電能力が確保できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】この発明の第1の実施形態に係る垂直軸風力発電装置の使用状態を示す斜視図である。
【
図2】同垂直軸風力発電装置の収納状態で扉開き状態を示す斜視図である。
【
図3】同垂直軸風力発電装置のコンテナに傾斜台を設置した状態の斜視図である。
【
図4】同垂直軸風力発電装置の使用状態を裏側から示す斜視図である。
【
図6】同垂直軸風力発電装置の収納状態で扉開き状態を示す平面図である。
【
図8】
図6のVIII-VIII 線断面図である。
【
図9】同垂直軸風力発電装置の収納過程における収納前の状態を示す斜視図である。
【
図10】同垂直軸風力発電装置の収納過程における支柱倒し過程を示す斜視図である。
【
図11】同垂直軸風力発電装置の収納過程における主軸ユニット折り曲げ過程を示す斜視図である。
【
図12】同垂直軸風力発電装置の収納過程における翼ユニット折り畳み過程を示す斜視図である。
【
図13】同垂直軸風力発電装置の収納過程における風車折り畳み体の収納過程を示す斜視図である。
【
図14】同垂直軸風力発電装置の収納過程における風車設置台の立ち上げ過程を示す斜視図である。
【
図15】同垂直軸風力発電装置の収納過程における扉閉じ過程を示す斜視図である。
【
図16】同垂直軸風力発電装置の風車設置台の立ち上げ状態を示す斜視図である。
【
図17】同風車設置台の倒れ状態を示す斜視図である。
【
図18】同風車設置台への支柱の連結過程を示す斜視図である。
【
図19】同風車設置台の被せ側フックの係合過程を示す斜視図である。
【
図20】同風車設置台の支柱起立過程を示す斜視図である。
【
図21】同風車設置台の支柱固定過程を示す斜視図である。
【
図22】同垂直軸風力発電装置の主軸起倒連結機構の斜視図である。
【
図23】同垂直軸風力発電装置の翼ユニット展開状態を示す斜視図である。
【
図24】同垂直軸風力発電装置の翼ユニット折り畳み状態を示す斜視図である。
【
図25】同垂直軸風力発電装置の翼ユニット展開状態を示す平面図である。
【
図26】同垂直軸風力発電装置の翼ユニット折り畳み状態を示す平面図である。
【
図27】同垂直軸風力発電装置の翼ユニット折り畳み機構の展開状態を示す斜視図である。
【
図28】同垂直軸風力発電装置の翼ユニット折り畳み機構の折り畳み状態を示す斜視図である。
【
図29】同垂直軸風力発電装置の扉をアウリガーとして用いる例の斜視図である。
【
図30】同垂直軸風力発電装置のコンテナに内扉を付加した状態の斜視図である。
【
図31】同垂直軸風力発電装置のコンテナに内扉を付加した状態の破断正面図である。
【
図33】翼ユニットに翼ユニット折り畳み機構の変形例を設けた例の正面図である。
【
図34】(A)は同変形例に係る翼ユニット折り畳み機構の折り畳み形態の一例を示す正面図、(B)は同変形例に係る翼ユニット折り畳み機構の折り畳み形態の他の例を示す正面図である。
【
図35】同翼ユニット折り畳み機構のアーム基端折曲連結部の折り畳み状態を示す斜視図である。
【
図36】同アーム基端折曲連結部の折り畳み前の状態を示す斜視図である。
【
図37】同翼ユニット折り畳み機構のアーム先端折曲連結部の折り畳み前の状態を示す斜視図である。
【
図38】同垂直軸風力発電装置の引出し展開機構を設けた実施形態の収納状態を示す破断正面図である。
【
図39】同垂直軸風力発電装置の展開過程を示す破断正面図である。
【
図40】(A)は同垂直軸風力発電装置の支柱立ち上げ過程を示す破断正面図、(B)は支柱立ち上げ完成状態を示す破断正面図である。
【
図41】同垂直軸風力発電装置における風車折り曲げ体の引出し過程を示す斜視図である。
【
図42】同垂直軸風力発電装置の翼ユニット展開過程を示す斜視図である。
【
図43】同垂直軸風力発電装置の主軸ユニット展開過程を示す斜視図である。
【
図44】同垂直軸風力発電装置の主軸ユニット立ち上げ過程を示す斜視図である。
【
図45】同垂直軸風力発電装置の引出し展開機構の変形例を示す断面図である。
【
図46】同垂直軸風力発電装置のさらに他の実施形態の正面図である。
【
図47】同垂直軸風力発電装置の太陽光パネルを設けた実施形態の斜視図である。
【
図48】同垂直軸風力発電装置の収納状態の断面図である。
【
図49】同垂直軸風力発電装置の使用状態の平面図である。
【
図50】同垂直軸風力発電装置の使用状態の正面図である。
【
図51】同垂直軸風力発電装置の使用状態の左側面図である。
【
図52】同垂直軸風力発電装置の使用状態の右側面図である。
【
図53】同垂直軸風力発電装置の太陽光パネルを設けたさらに他の実施形態の斜視図である。
【
図54】同垂直軸風力発電装置に用いる架台付き太陽光パネルの一例の斜視図である。
【
図55】同架台付き太陽光パネルの他の例の平面図である。
【
図56】同架台付き太陽光パネルのさらに他の例の平面図である。
【
図57】同架台付き太陽光パネルのさらに他の例の正面図である。
【
図58】同架台付き太陽光パネルのさらに他の例の斜視図である。
【
図59】同架台付き太陽光パネルのさらに他の例の側面図である。
【
図60】同架台付き太陽光パネルのさらに他の例の平面図である。
【
図61】同架台付き太陽光パネルのさらに他の例の正面図である。
【
図62】同架台付き太陽光パネルのさらに他の例の斜視図である。
【
図63】同架台付き太陽光パネルのさらに他の例の正面図である。
【
図64】コンテナ上への架台付き太陽光パネルの例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
この発明の第1の実施形態に係る垂直軸風力発電装置を、
図1ないし
図28と共に説明する。
図1において、この垂直軸風力発電装置は、風車1と、コンテナ2と、風車1の回転により発電する発電機3とを備え、さらに蓄電池4と、制御盤50とを備える。
【0019】
風車1は、支柱6の上部に垂直軸心回りで回転自在に設置された主軸5に、この主軸5の周囲で垂直方向に延びる複数の翼7がアーム8を介して主軸5に連結された垂直軸型の風車である。前記複数の翼7とアーム8とで回転翼9を構成する。
支柱6は丸形鋼管等からなり、支柱6の上端に主軸下端支持部材15が設けられている。主軸下端支持部材15は、短筒状のケースを有し、このケース内に設けられた複列の転がり軸受(図示せず)により、主軸5が下端で回転自在に支持されている。また、主軸下端支持部材15の前記ケース内に前記発電機3が設置され、その入力軸が主軸5と連結されている。
【0020】
コンテナ2は、貨物輸送用の規格寸法のコンテナである。前記貨物輸送用の規格は、少なくともコンテナを輸送する国内の標準規格であればよいが、例えば、前記国内の行政機関または国際標準化機構(ISO)等の国際的な機関で定められ規格であり、この例ではISOのドライコンテナの規格における20フィートコンテナに適合するコンテナ2を用いている。
図1のコンテナ2は、長手方向の一端に開口2aを有し、この開口2aを開閉する両開きの扉10が設けられている。
【0021】
風車1は、
図2のようにコンテナ2内に収容可能で折り畳み式である。具体的には、
図1において、風車1は、前記支柱6および主軸5を有する主軸ユニット11と、前記翼8およびこの翼8を支持するアーム8により構成される複数の翼ユニット12とで構成され、主軸ユニット11を折り畳み可能とする主軸ユニット折り畳み機構13と、折り畳まれた状態の主軸ユニット11に沿うように翼ユニット12を折り畳み可能とする翼ユニット折り畳み機構14とを備える。
【0022】
主軸ユニット折り畳み機構13は、支柱起倒機構18と主軸起倒連結機構19とで主に構成される。支柱起倒機構18は、風車設置台17に対して支柱6を起倒可能に連結する機構である。主軸起倒連結機構19は、前記主軸下端支持部材15を、主軸5が起倒可能なように連結し、倒れ状態で主軸5が支柱6に沿う姿勢とする機構である。
支柱6は、起立状態において、下端が前記風車設置台17に支持されてコンテナ2の開口2aに沿って位置し、コンテナ2の開口2aの上縁で、
図4,
図5に示すようにコンテナ2に設けられた支柱固定手段20により固定される。支柱固定手段20は、支柱6の外周の一部に沿う半円状の受け部20a(
図5)を有し基端がコンテナ2の天井材下面に固定されたクワ形の金具と、前記受け部20aに対して支柱6を止め付ける止付け部材(図示せず)とで構成される。前記止付け部材は、例えば、支柱6の前記受け部20aに沿わない残りの外周部分を囲んで前記受け部20aに係脱可能に取付けられる半円状の金具またはロープからなる。
【0023】
図1において、コンテナ2内に傾斜台21が設けられている。傾斜台21は、コンテナ2の長手方向端の前記開口2a側が低くなるように傾斜し、風車1の折り畳み体を、前記開口2aから出し入れ可能に、
図2のように載せて保管する台である。この実施形態では、風車1の折り畳み体は、折り畳み状態の前記主軸ユニット11および翼ユニット12である。
【0024】
傾斜台21は、風車1の折り畳み体が長手方向に沿って移動し易いようにした案内手段を有している。
図1の例では、案内手段は傾斜台21の長手方向に並ぶ複数のローラ22からなる。
図3のように、傾斜台21は、前記ローラ22とフレームとでなる傾斜したローラコンベヤとして構成されている。なお、傾斜台は、上面を平面状とし、摩擦軽減用の樹脂シート(図示せず)を前記案内手段として設けてもよい。
傾斜台21は、コンテナ2の短幅方向の一部となる幅であり、風車1の折り畳み体の形状、および寸法に応じて、コンテナ2の短幅方向の中央から偏った位置されている。
なお、傾斜台21に代えて、上面が水平な保管および出し入れ用の台(図示せず)をコンテナ2に設けてもよい。
【0025】
図1において、前記蓄電池4および制御盤50は、傾斜台21の横で、コンテナ2内の奥部の床面上に固定状態に設置されている。制御盤50は、発電機3で発電された交流電力を蓄電池4で蓄電可能な電圧に変換するAC/DCコンバータと、風車1の回転による発電を制御する発電コントローラと、蓄電池4で蓄電した電力を交流商用電力と同様の正弦波の交流に、または矩形波の交流に変換するインバータ等を備えている。
【0026】
図16~
図21は、前記主軸ユニット折り畳み機構13における支柱起倒機構18を示す。
図16,
図17に示すように、前記風車設置台17は、傾斜台21の傾斜方向の下端に、水平な支軸23回りに起倒可能に連結され、係止孔24に挿脱自在に挿入されたピン等の係止具(図示せず)により、
図16の起立収納姿勢と
図17の水平な使用姿勢とで姿勢の固定が可能である。
【0027】
風車設置台17には、中央より基端側の部分に支柱連結用板25が設けられ、両側部の先端に、固定状態の受けフック26と、回動自在な被せ側フック27とが設けられている。
図18、
図19に示すように、支柱6の基端には、被支持バー28が両側部のブラケット29,29間に渡って固定されており、かつ基端連結板30が設けられている。
支柱6は、
図18のように前記被支持バー28を風車設置台17の受けフック26に係合させ、風車設置台17の被せ側フック27を
図19のように被支持バー28に被せた状態で、
図20のように起立させる。この状態で、
図21のように支柱6の基端連結板30は、風車設置台17の支柱連結用板25に重なるので、これら支柱連結用板25および基端連結板30に整合して設けられたボルト挿通孔31,32に渡ってボルト(図示せず)を挿通しナット止めすることで、支柱6の下端が風車設置台17に固定される。
前記と逆手順の作業で、起立状態の支柱6を倒れ状態とできる。
前記受けフック26、被せ側フック27、被支持バー28、支柱連結用板25、および基端連結板30により、前記支柱起倒機構18が構成される。
【0028】
図22は、前記主軸ユニット折り畳み機構13における前記主軸起倒連結機構19を示す。同図は支柱6を寝かせた姿勢で図示している。主軸下端支持部材15は、ヒンジ装置33により、支柱6の上端に起倒可能に連結さている。具体的にはヒンジ装置33の回転支持軸33a回りに主軸下端支持部材15が主軸5と一体に起倒する。前記ヒンジ装置33と、このヒンジ装置33が設けられた位置と支柱直径方向の反対側に位置して設けられて支柱6と主軸下端支持部材15とを連結解除可能に連結する連結部材(図示せず)とにより、前記主軸起倒連結機構19が構成される。
【0029】
図23~
図28は、翼ユニット折り畳み機構14およびその折り畳み形態の一例を示す。この例の翼ユニット折り畳み機構14は、
図24および
図26に示すように、それぞれ翼7およびアーム8からなる翼ユニット12が互いに重なる状態に折り畳む機構である。具体的には、
図27に示すように、各翼ユニット12毎に主軸5の周囲に回転可能に設置されてアーム8の基端が連結される回転連結部材34でよって構成される。各翼ユニット12の回転連結部材34は上下に並べて設けられており、
図28のように各回転連結部材34が互いに略重なる位相に回転させることで、複数の翼ユニット12が、
図24、
図26のように重なる状態に折り畳まれる。複数の翼ユニット12における一つの翼ユニット12の回転連結部材34は、主軸5に対して回転せず固定して設けられていてもよい。その場合、固定の回転連結部材34は、単なる連結部材である。
【0030】
上記構成の垂直軸風力発電装置の使用方法および作用を説明する。
この垂直軸風力発電装置は、
図1のように、風車1の支柱6をコンテナ2に固定し、コンテナ2を基礎として用いて風力発電を行う。コンテナ2を地盤に固定手段(図示せず)で固定してもよい。輸送時や保管時は、
図2、
図7、
図8のように風車1を主軸ユニット11および翼ユニット12とも折り畳み、その風車折り畳み体をコンテナ2内に傾斜台21上に載せて収納する。なお、
図7、
図8は、風車設置台17がコンテナ2に対して未収納の状態を示す。
【0031】
図9~
図18は、垂直軸風力発電装置を運転状態からコンテナ2へ収納するまでの過程を示す。
図9は垂直軸風力発電装置の運転状態を示す。コンテナ2に収納する場合は、まず風車1の全体を
図10のように倒す。この場合、主軸ユニット折り畳み機構13における支柱起倒機構18(
図16~
図21参照)により倒す。
ついで、主軸ユニット11を、支柱6と主軸5とが重なる状態に、主軸起倒連結機構19(
図22)を用いて
図11のように折り畳む。
【0032】
この後、翼ユニット12を翼ユニット折り畳み機構14(
図27、
図28)によって、
図24のように翼ユニット12が互いに重なるように折り畳む。
このように風車1を折り畳んだ風車折り畳み体を、
図13のように傾斜台21上に押しこんでコンテナ2に収納する。
この状態では、傾斜台21の下端に連結された風車設置台17はコンテナ2の開口2aから突出した状態であり、
図14のように風車設置台17を起立させてコンテナ2に収納する。
図15のようにコンテナ2の扉10を閉じ、収納が完了する。このようにコンテナ2に風車1を折り畳み状態に収納した状態で、輸送や保管を行う。
【0033】
この構成の垂直軸風力発電装置によると、垂直軸風力発電装置であるため、水平軸型と異なり、1台のトラックで輸送できる程度の小型としても、効率良く発電が行え、かつ低風速で効率良く発電できる。
また、貨物輸送用の規格寸法のコンテナ2を備え、風車2が折り畳み状態で発電機3と共にコンテナ2に収納可能であるため、トラックや列車による陸上輸送や、海路、空路での輸送を行う場合に、通常の標準サイズのコンテナとして取り扱うことができ、輸送性に優れる。このため、輸送上の制限サイズ内で、できるだけ大きな発電装置とできて、発電電力確保の上で有利である。
特に、支柱6および主軸5を有する主軸ユニット11と、翼7およびその支持用のアーム8を有する翼ユニット12を、いずれも折り畳み可能としたため、コンパクトな折り畳み状態とできて、より輸送性に優れる。また折り畳み式であるため、輸送先で折り畳み状態から展開することで、容易に設置することができる。
翼ユニット12だけでなく、支柱6を有する主軸ユニット11も折り畳み可能としたため、風力が確保できて発電電力が確保できるように、支柱6をある程度高くしても輸送性の問題が生ない。
【0034】
前記主軸ユニット折り畳み機構13は、風車設置台17に対して支柱6を起倒可能に連結する支柱起倒機構18を有し、支柱6が起倒可能であるため、より一層コンパクトに折り畳んで輸送できる。
また、主軸ユニット折り畳み機構13は、支柱6の上端に位置して主軸5を主軸下端で回転自在に支持する主軸下端支持部材15を、主軸5が起倒可能なように連結し、倒れ状態で主軸5が支柱6の沿う姿勢とする主軸起倒連結機構19を備えるため、主軸5を支柱6に沿う姿勢に折り畳めて、より一層コンパクトに折り畳んで輸送できる。
【0035】
風車1の設置については、コンテナ2に風車1の支柱6を固定する支柱固定手段20(
図4、
図5参照)が設けられており、コンテナ2への風車1の設置が容易で、コンテナ2を風車1の基礎として利用することができる。
これらのため、輸送が容易で設置が容易にかつ迅速に行え、小型であっても発電能力を確保することができる。これにより、未電化地域や災害等の被災地域での電力需要に応えることができる。
【0036】
さらに、コンテナ2内に長手方向端の開口2a側が低くなるように傾斜した傾斜台21を備え、その上に風車1の折り畳み体を収納する構成であるため、設置現場において、傾斜台21上で風車1の折り畳み体を自重で滑らせてコンテナ2から搬出することができ、現場での設置作業が容易になる。例えば、重機を使わずに人力でコンテナ2から風車1の折り畳み体の取り出しが行える。
コンテナ2への風車1の折り畳み体の収納については、傾斜台21上で押し上げて収納することになるが、垂直軸風力発電装置の工場や保管用の倉庫等では、重機等の設備が整っている場合が一般的であり、収納作業上の問題は生じ難い。被災地での設置を考えた場合、重機の使用環境が整っていない設置場所で、人力で簡単にコンテナから取り出せることが好ましい。この垂直軸風力発電装置が不要となる撤去時には、周辺地域の交通事情が復旧している場合が多く、重機の使用も簡単になる。
【0037】
以下、この発明における他の各種の実施形態につき説明する。これらの実施形態において、特に説明する事項の他は、第1の実施形態と同様である。
第1の実施形態において、設置状態において、コンテナ2の両開きの扉10は、開いた状態でアウトリガーとして機能させるようにしてもよい。アウトリガーとして機能させる場合、扉10とコンテナ2の設置面との間に、介在物(図示せず)を介在させるか、または扉10に伸縮可能な脚(図示せず)を設けてコンテナ2の傾き時に扉10で荷重を負担できるようにする。
コンテナ2の扉10がアウトリガーとして機能することで、専用のアウトリガーを設けることなく、強い風や地震等に対して、コンテナ2およびこれに固定された風車1の安定が確保できる。
【0038】
扉10をアウトリガーとして機能させる場合に、例えば
図29に示すように、両開きの扉10の先端の下端と支柱6の状態との間に、ワイヤロープ等の補強索35を張ってもよい。これにより、風車1の支持がより一層安定する。
【0039】
また、扉10をアウトリガーとして機能させる場合に、
図30~
図32に示すように、コンテナ2の扉10の内側に、外部からの侵入を防止する内扉36を設けてもよい。内扉36は、開閉戸付きの開口36aを有していてもい。内扉36は、この例では、
図31,
図32に示すように、コンテナ2の開口2aの上縁にヒンジ37で上方へはね上げ状態に開き可能とされている。
扉10をアウトリガーとして利用すると、そのままではコンテナ2の内部が開放状態になってしまい、風雨の侵入や盗難などの恐れがあるが、内扉36によってこれらの侵入や盗難等が防止される。
【0040】
図33ないし
図37は、翼ユニット折り畳み機構14の変形例を示す。この例の翼ユニット折り畳み機構14Aでは、翼ユニット12のアーム8を基端で主軸5に対して折れ曲がり可能に連結するアーム基端折曲連結部38と、アーム8を先端で翼7に対して折れ曲がり可能に連結するアーム先端折曲連結部39とを有する。
翼7は、主軸5に対して
図34(A)に示すように上方へ折り畳まれるようにしても、また
図34(B)のように下方へ折り畳まれるようにしてもよい。
【0041】
アーム基端折曲連結部38は、
図35に示すように、ヒンジ38aと、このヒンジ38aに連結されたアーム8の基端に係合してアーム8の傾き角を展開時の角度規制するストッパ部材38bとでなる。アーム8とストッパ部材40とは、アーム8の展開時、つまりアーム8が風車使用時の角度になった状態で、
図36のように互いに重なり、アーム8およびストッパ部材40に設けられたボルト挿通孔41,42に挿通されたボルトおよびナット(いずれも図示せず)によって固定される。
図37はアーム先端折曲連結部39の一例を示す。この例では、アーム先端折曲連結部39がヒンジによって構成されている。
【0042】
このように構成した場合も、翼ユニット12をコンパクトに折り畳むことができる。
【0043】
図38~
図44は、第1の実施形態において、傾斜台21上に収納された折り畳み状態の主軸ユニット11および翼ユニット12からなる風車1の折り畳み体を、傾斜台21を使って引出すと共に、展開し、かつ立ち上げる作業を支援する引出し展開機構43をコンテナ2に設けた例である。
【0044】
引出し展開機構43は、コンテナ2内の開口2aに対する奥側の端部付近の床面に設置されたウインチ44と、このウインチ44に巻かれて先端が支柱6の長さ方向の中間部分に接続されたワイヤロープ等のロープ45と、前記ウインチ44の上方に位置してコンテナ2の内部に設置され前記ロープ45が掛装されたガイドローラ46とで構成される。
【0045】
この構成によると、ウインチ44を巻き戻すことで、風車1の折り畳み体が傾斜台17上を自重で滑り降り、
図39(A)のようにコンテナ2の開口2aから出る。この過程では、ウインチ44を用いるため、風車1の折り畳み体を緩やかに安全に降ろすことができる。この状態で、作業者により、
図39(B)のように翼ユニット12を展開させ、さらに
図39(C)のように、主軸ユニット11を支柱6と主軸5とが直線状に続くように展開させる。
【0046】
この状態で、
図40(A)のように、ウインチ44を巻き込むことで、風車1を徐々に起立させ、
図40(B)のように完全に起立すると、支柱6をコンテナ2に支柱固定手段20(
図4、
図5参照)で固定する。
図41~
図44は、上記の過程を斜視図で示す。
なお、
図45に示すように、コンテナ2に設けるガイドローラ46を、コンテナ2の入口2aに設けてもよい。
【0047】
このような引出し展開機構43を備えることで、設置場所でのこの垂直軸風力発電装置の設置作業がより簡単かつ迅速に行える。
【0048】
図46は、2機の風車1をコンテナ2の長手方向の両端に固定する例を示す。2機の風車1は、いずれも第1の実施形態と同様に、コンテナ2内に折り畳み状態で収納される。この場合、コンテナ2の両端に開口2aを設け、
図1の傾斜台21は、互いに逆向きとしてコンテナ2内に幅方向に並べて設置される。
このように2機の風車1をコンテナ2に折り畳み状態に収納し、かつ展開してコンテナ2に固定するようにしてもよい。
【0049】
図47~
図52は、第1の実施形態において、太陽光パネル51を付加する例を示す。太陽光パネル51は、複数の太陽電池セル(図示せず)を並べてパネル状としたものである。太陽光パネル51は、日照を受け易いように架台52に傾斜して設置され、太陽光パネル51と架台52とで、架台付き太陽光パネル53を構成する。架台付き太陽光パネル53は、キャスタ54(
図48)を有していてもよい。この架台付き太陽光パネル53が、前記の折り畳み状態の風車1と共にコンテナ2内に収納される。
【0050】
架台付き太陽光パネル53の架台52は、
図48のように各架台付き太陽光パネル53の太陽光パネル53が順次少しずれて重なり可能なように、入れ子状に収納できる形状される。これら複数の架台付き太陽光パネル53は、コンテナ2内の傾斜台21の横側の空き空間に、上記の重なり状態で収納される。
なお、コンテナ2のサイズを大きくすることなく太陽光パネル53を多く収納したい場合は、風車1は第1の実施形態のものよりも小型に構成する。
この実施形態では、コンテナ2内の制御盤50(
図1)は、各太陽光パネル53の発電電力を蓄電池4に充填するソーラーチャージャーが付加される。
【0051】
この構成の場合、垂直軸風力発電装置の設置場所で、各架台付き太陽光パネル53は、
図47、
図49~52のように、コンテナ2の周囲の地面上に並べて設置される。架台付き太陽光パネル53は、
図64のようにコンテナ2の天井板上に並べて設置してもよい。
【0052】
このように太陽光パネル51を併用する場合、日照時は太陽光によっても発電が行え、無風時等でも発電電力が確保できる。各架台付き太陽光パネル53は、コンテナ2とは別個に設置されるため、コンテナ2の設置場所の方位を気に掛ける必要がない。
【0053】
図54~
図63は、架台付き太陽光パネル53の各種の例を示す。
図57、
図61の例では、架台52の脚部52aを伸縮可能とすることで、太陽光パネル53の傾斜角度の調整を可能としている。
【0054】
以上、実施形態に基づいて本発明を実施するための形態を説明したが、ここで開示した実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0055】
1…風車
2…コンテナ
3…発電機
4…蓄電池
6…支柱
7…翼
8…アーム
9…回転翼
2a…開口
10…扉
11…主軸ユニット
12…翼ユニット
13…主軸ユニット折り畳み機構
14…翼ユニット折り畳み機構
14A…翼ユニット折り畳み機構
17…風車設置台
18…支柱起倒機構
19…主軸起倒連結機構
20…支柱固定手段
21…傾斜台
22…ローラ
34…回転連結部材
35…補強索
36…内扉
38…アーム基端折曲連結部
39…アーム先端折曲連結部
43…引出し展開機構
44…ウインチ
45…ロープ
46…ガイドローラ
50…制御盤
51…太陽光パネル
52…架台
53…架台付き太陽光パネル
54…キャスタ
60…小水力発電装置
62…水車
63…回転フレーム