(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】荷室監視システム及び荷室監視方法
(51)【国際特許分類】
G01B 11/00 20060101AFI20221212BHJP
【FI】
G01B11/00 B
(21)【出願番号】P 2018192020
(22)【出願日】2018-10-10
【審査請求日】2021-09-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000005463
【氏名又は名称】日野自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100153040
【氏名又は名称】川井 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】大塚 絋平
(72)【発明者】
【氏名】梅村 幸生
【審査官】眞岩 久恵
(56)【参考文献】
【文献】独国特許発明第102005001480(DE,B3)
【文献】国際公開第2017/175312(WO,A1)
【文献】特開2011-149952(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01B 11/00-11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
荷室の内部の状態を監視する荷室監視システムであって、
前記荷室内の下面を構成する床面以外に設けられた少なくとも2以上のセンサのそれぞれにより取得された距離画像を取得する取得部と、
前記距離画像に示される対象物までの距離の情報、並びに、荷室空間におけるセンサの配置位置及び撮像方向に基づいて、荷室内に存在する荷物の表面の荷室空間内における位置を示す情報である荷物ボクセル、及び、前記床面の位置を示す情報である床面ボクセルを生成する生成部と、
前記荷室空間において前記センサから死角となる空間領域に補間ボクセルを生成する補間部と、
前記荷物ボクセル、前記補間ボクセル及び前記床面ボクセルに基づいて、前記荷室の空間において荷物に占められている空間領域及び荷物に占められている可能性がある空間領域を示す荷物領域情報、並びに、荷物を配置可能な床面に関する空き床情報を推定する推定部と、
前記荷物領域情報及び前記空き床情報を出力する出力部と、
を備え
、
前記補間ボクセルは、前記荷物ボクセルの鉛直下方における該荷物ボクセルから前記床面までの空間領域を占める荷物補間ボクセル、及び、前記荷物または前記センサの画角に起因して前記センサから死角となる床面の上の所定高さの空間領域を占める死角補間ボクセルを含み、
前記少なくとも2以上のセンサは、第1のセンサ及び第2のセンサを含み、
前記取得部は、前記第1のセンサにより取得された第1の距離画像及び前記第2のセンサにより取得された第2の距離画像を取得し、
前記推定部は、前記第1の距離画像に基づく前記荷物補間ボクセルである第1の荷物補間ボクセルと、前記第2の距離画像に基づく荷物ボクセルまたは床面ボクセルとが重複した場合に、当該重複位置には前記第1の荷物補間ボクセルが配置されるものとして、前記荷物領域情報及び前記空き床情報を推定する、
荷室監視システム。
【請求項2】
前記推定部は、前記第1の距離画像に基づく前記死角補間ボクセルである第1の死角補間ボクセルと、前記第2の距離画像に基づく前記荷物ボクセルまたは前記床面ボクセルとが重複した場合に、当該重複位置には前記第2の距離画像に基づく前記荷物ボクセルまたは前記床面ボクセルが配置されるものとして、前記荷物領域情報及び前記空き床情報を推定する、
請求項
1に記載の荷室監視システム。
【請求項3】
前記推定部は、前記荷物ボクセル及び前記補間ボクセルに占められる容積情報、及び、前記荷物ボクセル及び前記補間ボクセルに占められる床面の面積情報の少なくともいずれか一方を、前記荷物領域情報として推定する、
請求項
1または2に記載の荷室監視システム。
【請求項4】
前記推定部は、前記荷物ボクセル及び前記補間ボクセルにより占められていない床面の面積情報を、前記空き床情報として推定する、
請求項1~
3のいずれか一項に記載の荷室監視システム。
【請求項5】
前記出力部は、前記荷室空間並びに前記荷物ボクセル、前記補間ボクセル及び床面ボクセルを視覚的に示す画像を、前記荷物領域情報及び前記空き床情報として出力する、
請求項1~
4のいずれか一項に記載の荷室監視システム。
【請求項6】
荷室の内部の状態を監視する荷室監視システムにおける荷室監視方法であって、
前記荷室内の下面を構成する床面以外に設けられた少なくとも2以上のセンサのそれぞれにより取得された距離画像を取得する取得ステップと、
前記距離画像に示される対象物までの距離の情報、並びに、荷室空間におけるセンサの配置位置及び撮像方向に基づいて、荷室内に存在する荷物の表面の荷室空間内における位置を示す情報である荷物ボクセル、及び、前記床面の位置を示す情報である床面ボクセルを生成する生成ステップと、
前記荷室空間において前記センサから死角となる空間領域に補間ボクセルを生成する補間ステップと、
前記荷物ボクセル、前記補間ボクセル及び前記床面ボクセルに基づいて、前記荷室の空間において荷物に占められている空間領域及び荷物に占められている可能性がある空間領域を示す荷物領域情報、並びに、荷物を配置可能な床面に関する空き床情報を推定する推定ステップと、
前記荷物領域情報及び前記空き床情報を出力する出力ステップと、
を有し、
前記補間ボクセルは、前記荷物ボクセルの鉛直下方における該荷物ボクセルから前記床面までの空間領域を占める荷物補間ボクセル、及び、前記荷物または前記センサの画角に起因して前記センサから死角となる床面の上の所定高さの空間領域を占める死角補間ボクセルを含み、
前記少なくとも2以上のセンサは、第1のセンサ及び第2のセンサを含み、
前記取得ステップにおいて、前記第1のセンサにより取得された第1の距離画像及び前記第2のセンサにより取得された第2の距離画像を取得し、
前記推定ステップにおいて、前記第1の距離画像に基づく前記荷物補間ボクセルである第1の荷物補間ボクセルと、前記第2の距離画像に基づく荷物ボクセルまたは床面ボクセルとが重複した場合に、当該重複位置には前記第1の荷物補間ボクセルが配置されるものとして、前記荷物領域情報及び前記空き床情報を推定する、
荷室監視方法。
【請求項7】
コンピュータを、荷室の内部の状態を監視する荷室監視システムとして機能させるための荷室監視プログラムであって、
前記コンピュータに、
前記荷室内の下面を構成する床面以外に設けられた少なくとも2以上のセンサのそれぞれにより取得された距離画像を取得する取得機能と、
前記距離画像に示される対象物までの距離の情報、並びに、荷室空間におけるセンサの配置位置及び撮像方向に基づいて、荷室内に存在する荷物の表面の荷室空間内における位置を示す情報である荷物ボクセル、及び、前記床面の位置を示す情報である床面ボクセルを生成する生成機能と、
前記荷室空間において前記センサから死角となる空間領域に補間ボクセルを生成する補間機能と、
前記荷物ボクセル、前記補間ボクセル及び前記床面ボクセルに基づいて、前記荷室の空間において荷物に占められている空間領域及び荷物に占められている可能性がある空間領域を示す荷物領域情報、並びに、荷物を配置可能な床面に関する空き床情報を推定する推定機能と、
前記荷物領域情報及び前記空き床情報を出力する出力機能と、
を実現させ、
前記補間ボクセルは、前記荷物ボクセルの鉛直下方における該荷物ボクセルから前記床面までの空間領域を占める荷物補間ボクセル、及び、前記荷物または前記センサの画角に起因して前記センサから死角となる床面の上の所定高さの空間領域を占める死角補間ボクセルを含み、
前記少なくとも2以上のセンサは、第1のセンサ及び第2のセンサを含み、
前記取得機能は、前記第1のセンサにより取得された第1の距離画像及び前記第2のセンサにより取得された第2の距離画像を取得し、
前記推定機能は、前記第1の距離画像に基づく前記荷物補間ボクセルである第1の荷物補間ボクセルと、前記第2の距離画像に基づく荷物ボクセルまたは床面ボクセルとが重複した場合に、当該重複位置には前記第1の荷物補間ボクセルが配置されるものとして、前記荷物領域情報及び前記空き床情報を推定する、
荷室監視プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、荷室監視システム及び荷室監視方法及びに関する。
【背景技術】
【0002】
車両による物流の効率化のために、車両の荷室の積荷の状態を的確に把握することが求められており、特に、荷物の容量及び荷物が置かれていない床面である空き床の床面積を把握することが求められている。例えば、荷室内の状況を視覚的に認識するために、光学的カメラを荷室内に設けて、荷室内の画像を取得することが行われている。また、3次元計測センサを3台用いて計測対象の体積を計測する技術が知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の光学的カメラにより画像を取得する方法では、荷室内の荷物の容量及び空き床面積を正確に把握することはできなかった。また、特許文献1に記載された技術を適用して、荷室内に計測センサを設けて荷物の体積を計測する場合には、多くのセンサが必要とされるので、その計測は煩雑であり、計測のためのコストが嵩んでいた。一方、物流の効率化のために、荷物の正確な体積を把握することも必要であるが、荷物が積まれた荷室にどの程度の荷物をさらに積むことができるかを的確且つ容易に把握することも求められている。
【0005】
そこで本発明は、荷室内の積荷の状態を的確に把握すること、特に、荷室において荷物に占められる空間領域を的確に把握することにより、さらに荷物を配するための床面の空き状況を把握することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一形態に係る荷室監視システムは、荷室の内部の状態を監視する荷室監視システムであって、荷室内の下面を構成する床面以外に設けられた少なくとも2以上のセンサのそれぞれにより取得された距離画像を取得する取得部と、距離画像に示される対象物までの距離の情報、並びに、荷室空間におけるセンサの配置位置及び撮像方向に基づいて、荷室内に存在する荷物の表面の荷室空間内における位置を示す情報である荷物ボクセル、及び、床面の位置を示す情報である床面ボクセルを生成する生成部と、荷室空間においてセンサから死角となる空間領域に補間ボクセルを生成する補間部と、荷物ボクセル、補間ボクセル及び床面ボクセルに基づいて、荷室の空間において荷物に占められている空間領域及び荷物に占められている可能性がある空間領域を示す荷物領域情報、並びに、荷物を配置可能な床面に関する空き床情報を推定する推定部と、荷物領域情報及び空き床情報を出力する出力部と、を備える。
【0007】
本発明の一形態に係る荷室監視方法は、荷室の内部の状態を監視する荷室監視システムにおける荷室監視方法であって、荷室内の下面を構成する床面以外に設けられた少なくとも2以上のセンサのそれぞれにより取得された距離画像を取得する取得ステップと、距離画像に示される対象物までの距離の情報、並びに、荷室空間におけるセンサの配置位置及び撮像方向に基づいて、荷室内に存在する荷物の表面の荷室空間内における位置を示す情報である荷物ボクセル、及び、床面の位置を示す情報である床面ボクセルを生成する生成ステップと、荷室空間においてセンサから死角となる空間領域に補間ボクセルを生成する補間ステップと、荷物ボクセル、補間ボクセル及び床面ボクセルに基づいて、荷室の空間において荷物に占められている空間領域及び荷物に占められている可能性がある空間領域を示す荷物領域情報、並びに、荷物を配置可能な床面に関する空き床情報を推定する推定ステップと、荷物領域情報及び空き床情報を出力する出力ステップと、を有する。
【0008】
本発明の一形態に係る荷室監視プログラムは、コンピュータを、荷室の内部の状態を監視する荷室監視システムとして機能させるための荷室監視プログラムであって、コンピュータに、荷室内の下面を構成する床面以外に設けられた少なくとも2以上のセンサのそれぞれにより取得された距離画像を取得する取得機能と、距離画像に示される対象物までの距離の情報、並びに、荷室空間におけるセンサの配置位置及び撮像方向に基づいて、荷室内に存在する荷物の表面の荷室空間内における位置を示す情報である荷物ボクセル、及び、床面の位置を示す情報である床面ボクセルを生成する生成機能と、荷室空間においてセンサから死角となる空間領域に補間ボクセルを生成する補間機能と、荷物ボクセル、補間ボクセル及び床面ボクセルに基づいて、荷室の空間において荷物に占められている空間領域及び荷物に占められている可能性がある空間領域を示す荷物領域情報、並びに、荷物を配置可能な床面に関する空き床情報を推定する推定機能と、荷物領域情報及び空き床情報を出力する出力機能と、を実現させる。
【0009】
上記の形態によれば、距離画像に基づいて、荷物表面の位置を示す情報である荷物ボクセルが得られる。また、荷物ボクセル及びセンサの死角を示す情報等に基づいて、実質的に荷物を置くことができない可能性のある空間領域を示す補間ボクセルを得ることができるので、荷室の空間において荷物に占められている空間領域及び荷物に占められている可能性がある空間領域を示す荷物領域情報を得ることができる。従って、さらに荷物を配置可能な床面を示す空き床情報を出力することが可能となる。
【0010】
別の形態に係る荷室監視システムでは、補間ボクセルは、荷物ボクセルの鉛直下方の、該荷物ボクセルから床面までの空間領域を占める荷物補間ボクセルを含むこととしてもよい。
【0011】
荷物の形状に起因して荷物の上面の下方に荷物に占められていない空間があったとしても、その空間には、さらに荷物を配することができない。上記形態によれば、このような、荷物を配することができない空間領域を実質的に荷物に占められている空間領域として扱うこととして荷物補間ボクセルが生成されるので、荷物を配するための床面の空き状況を適切に把握できる。
【0012】
別の形態に係る荷室監視システムでは、少なくとも2以上のセンサは、第1のセンサ及び第2のセンサを含み、取得部は、第1のセンサにより取得された第1の距離画像及び第2のセンサにより取得された第2の距離画像を取得し、推定部は、第1の距離画像に基づく荷物補間ボクセルである第1の荷物補間ボクセルと、第2の距離画像に基づく荷物ボクセルまたは床面ボクセルとが重複した場合に、当該重複位置には第1の荷物補間ボクセルが配置されるものとして、荷物領域情報及び空き床情報を推定することとしてもよい。
【0013】
荷物補間ボクセルが生成された空間領域は、さらに荷物を配することができない領域である。上記形態によれば、第2の距離画像に基づく荷物ボクセルまたは床面ボクセルが生成された空間領域であっても、その空間領域において第1の距離画像に基づく荷物補間ボクセルと重複する場合には、その空間領域は、荷物を配することができない領域であるので、荷物補間ベクトルが配置されるものとして扱われる。従って、荷物を配するための床面の空き状況を適切に把握できる。
【0014】
別の形態に係る荷室監視システムでは、補間ボクセルは、荷物またはセンサの画角に起因してセンサから死角となる床面の上の所定高さの空間領域を占める死角補間ボクセルを含むこととしてもよい。
【0015】
センサの死角となる床面には、荷物が置かれている可能性があるので、死角となる床面をさらに荷物を配することができる床面として扱うことは不適切である。上記形態によれば、センサの死角となる床面の上の所定高さの空間領域を実質的に荷物に占められている空間領域として扱うこととして、死角補間ボクセルが生成されるので、荷物を配するための床面の空き状況を適切に把握できる。
【0016】
別の形態に係る荷室監視システムでは、推定部は、第1の距離画像に基づく死角補間ボクセルである第1の死角補間ボクセルと、第2の距離画像に基づく荷物ボクセルまたは床面ボクセルとが重複した場合に、当該重複位置には第2の距離画像に基づく荷物ボクセルまたは床面ボクセルが配置されるものとして、荷物領域情報及び空き床情報を推定することとしてもよい。
【0017】
死角補間ボクセルが生成された空間領域は、さらに荷物を配することが出来るか否かが不明な領域であるので、第1の距離画像に基づく第1の死角補間ボクセルが生成された領域に、第2の距離画像に基づく荷物ボクセルまたは床面ボクセルが重複して生成された場合には、当該領域の状況は、第2の距離画像に基づく荷物ボクセルまたは床面ボクセルにより正しく反映される。上記形態によれば、かかる場合に、当該重複領域に第2の距離画像に基づく荷物ボクセルまたは床面ボクセルが配置されるものとして、荷物領域情報及び空き床情報が推定されるので、荷物を配するための床面の空き状況を適切に把握できる。
【0018】
別の形態に係る荷室監視システムでは、推定部は、荷物ボクセル及び補間ボクセルに占められる容積情報、及び、荷物ボクセル及び補間ボクセルに占められる床面の面積情報の少なくともいずれか一方を、荷物領域情報として推定することとしてもよい。
【0019】
上記形態によれば、荷物ボクセル及び補間ボクセルに占められる容積情報及び荷物ボクセル及び補間ボクセルに占められる床面の面積情報の少なくともいずれか一方が荷物領域情報として推定されるので、荷物を配するための床面の空き状況を適切に把握できる。
【0020】
別の形態に係る荷室監視システムでは、推定部は、荷物ボクセル及び補間ボクセルにより占められていない床面の面積情報を、空き床情報として推定することとしてもよい。
【0021】
上記形態によれば、荷物ボクセル及び補間ボクセルにより占められていない床面の面積情報が空き床情報として推定されるので、荷物を配するための床面の空き状況を適切に把握できる。
【0022】
別の形態に係る荷室監視システムでは、出力部は、荷室空間並びに荷物ボクセル、補間ボクセル及び床面ボクセルを視覚的に示す画像を、荷物領域情報及び空き床情報として出力することとしてもよい。
【0023】
上記形態によれば、荷室空間並びに荷物ボクセル、補間ボクセル及び床面ボクセルを視覚的に示す画像が出力されるので、荷室内の積荷の状態を的確に把握することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
本発明の一側面によれば、荷室内の積荷の状態を的確に把握すること、特に、荷室において荷物に占められる空間領域を的確に把握することにより、さらに荷物を配するための床面の空き状況を把握することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1】本実施形態に係る荷室監視装置を含むシステムの装置構成を示す図である。
【
図2】本実施形態の荷室監視システムの適用例を模式的に示す図である。
【
図3】荷室監視装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】荷室監視装置のハードウェア構成を示す図である。
【
図5】距離画像を点群に変換するための変換情報の生成を説明する図である。
【
図6】距離画像を、距離画像に表された対象を表す点群に変換する処理を説明する図である。
【
図9】荷物領域情報及び空き床情報の推定を模式的に示す図である。
図9(a)は、荷室上面VUを示す図である。
図9(b)は、荷室側面VSを示す図である。
【
図10】補間ボクセルと荷物ボクセルまたは床面ボクセルとが重複した第1の例を示す図である。
【
図11】補間ボクセルと荷物ボクセルまたは床面ボクセルとが重複した第2の例を示す図である。
【
図12】ボクセルを視覚的に示す画像の例を示す図である。
図12(a)は、荷室の空間及び荷物ボクセルを表示する画像の例を示す図である。
図12(b)は、荷室の空間及び荷物補間ボクセルを表示する画像の例を示す図である。
図12(c)は、荷室の空間及び死角補間ボクセル及び床面ボクセルを表示する画像の例を示す図である。
【
図13】荷室監視システムにおいて実施される荷室監視方法の処理内容を示すフローチャートである。
【
図14】荷室監視プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0027】
図1は、本実施形態に係る荷室監視装置を含むシステムの装置構成を示す図である。
図1に示されるシステム1は、荷室監視装置10(荷室監視システム)及び車両Vに搭載される端末Tを含んで構成される。車両Vは、荷物を運ぶための荷室を有する。車両Vの荷室には、2以上のセンサCが設けられている。本実施形態の端末Tは、センサCにより取得された情報を荷室監視装置10装置にネットワークNを介して送信する。ネットワークNは、無線ネットワークである。荷室監視装置10は、荷室の内部の状態を監視する荷室監視システムを構成する。なお、
図1には、3台の車両V及び端末Tが示されているが、その数は限定されない。
【0028】
図2は、本実施形態の荷室監視システムの適用例を模式的に示す図である。
図2に示すように、荷室監視システムは、車両Vの荷室Rを監視するシステムとして例示される。荷室Rには、少なくとも2以上のセンサCが床面以外に設けられる。
図2に示す例では、荷室Rは、天面に設けられた2台のセンサC1,C2を有する。センサC1,C2は、撮像方向を鉛直下方に向けている。
【0029】
センサCは、対象までの距離の情報を含む距離画像を取得するセンサであって、例えば、いわゆるTOF(Time Of Flight)センサにより構成される。センサCにより取得された距離画像は、対象物までの距離の情報を各画素に有する。
【0030】
センサCは、荷物Bが置かれた荷室Rの距離画像を取得する。センサCにより取得された距離画像は、センサCから荷物Bの表面または荷室Rの床面までの距離を示す情報を、各画素に含む。
【0031】
なお、本実施形態では、荷室監視システムは、車両Vの荷室を監視するシステムとして例示されるが、荷物が配置される空間であれば適用対象の荷室は車両の荷室に限定されず、例えば、倉庫の荷室にも適用可能である。
【0032】
図3は、荷室監視装置10の機能的構成を示すブロック図である。荷室監視装置10は、例えば、サーバ等のコンピュータにより構成される。本実施形態の荷室監視装置10は、
図3に示すように、機能的には、取得部11、生成部12、補間部13、推定部14及び出力部15を備える。
【0033】
図4は、荷室監視装置10のハードウェア構成図である。荷室監視装置10は、物理的には、
図4に示すように、CPU101、RAM及びROMといったメモリにより構成される主記憶装置102、ハードディスク等で構成される補助記憶装置103、通信制御装置104などを含むコンピュータシステムとして構成されている。荷室監視装置10は、入力デバイスであるキーボード、タッチパネル、マウス等の入力装置105及びディスプレイ等の出力装置106をさらに含むこととしてもよい。
【0034】
図3に示した各機能は、
図4に示すCPU101、主記憶装置102等のハードウェア上に所定のコンピュータソフトウェアを読み込ませることにより、CPU101の制御のもとで通信制御装置104等を動作させるとともに、主記憶装置102や補助記憶装置103におけるデータの読み出し及び書き込みを行うことで実現される。処理に必要なデータやデータベースは主記憶装置102や補助記憶装置103内に格納される。なお、端末Tも、
図4に示すようなハードウェア構成を有するコンピュータシステムとして構成されてもよい。なお、本実施形態では、各機能部11~15が、荷室監視装置10に構成されることとしているが、複数のコンピュータに分散して構成されることとしてもよい。
【0035】
車両Vに搭載される端末Tは、コンピュータシステムとして構成されてもよい。端末Tを構成する装置は限定されず、例えば、車両Vに備え付けられるコンピュータ端末であってもよいし、高機能携帯電話機(スマートフォン)、タブレット型のコンピュータ、携帯電話機、携帯情報端末(PDA)などの携帯端末であってもよい。
【0036】
再び
図3を参照して、荷室監視装置10の各機能部を説明する。取得部11は、センサCのそれぞれにより取得された距離画像を取得する。
図2を参照して説明したように、センサCは、荷室Rの天面に、鉛直下方を撮像方向として設けられているので、荷室Rの床面に配置された荷物及び床面を検出対象として画角の範囲内の距離画像を取得する。
センサCは、荷室Rの天面に設けられているので、センサCは、荷物BにおけるセンサCの方向に露出した表面、即ち上面を検出することとなる。距離画像の各画素は、対象物に対する方向及び距離の情報を含む。
【0037】
生成部12は、距離画像に示される対象物までの距離の情報、並びに、荷室空間におけるセンサの配置位置及び撮像方向に基づいて、荷室内に存在する荷物の表面の荷室空間内における位置を示す情報である荷物ボクセル、及び、床面の位置を示す情報である床面ボクセルを生成する。以下、ボクセルの生成について具体的に説明する。
【0038】
まず、生成部12は、距離画像を、距離画像に表された対象を表す点群に変換する。
図5及び
図6を参照して、点群の変換処理即ち点群の生成処理を説明する。
図5は、距離画像を点群に変換するための変換情報の生成を説明する図である。
【0039】
ここで生成される点群は、荷室空間を表す3次元座標系DRに対して生成される。生成部12は、距離画像の3次元座標系DPを、荷室空間の3次元座標系DRに変換するための変換マトリクスを変換情報として生成する。
【0040】
荷室空間の3次元座標系DRは、荷室Rの床面の左前方を原点として、右方向をX軸、後方向をY軸、上方向をZ軸とするように設定される。センサCは、荷室Rの天面に、鉛直下方向を撮像方向として設けられるので、センサCにおける座標系DCは、鉛直下方向をZ軸とし、Z軸に直交する面上にX軸及びY軸が沿うように設定される。このように設定されたセンサCにより取得された距離画像DIは、画像面上において互いに直交するX軸及びY軸並びに画像奥行き方向に沿うZ軸を有する座標系DPを有する。
【0041】
生成部12は、予め計測された、荷室R内におけるセンサCの位置情報、及び、センサCの撮像方向を示すベクトルvcを取得する。次に、生成部12は、荷物が置かれていない荷室Rの床面をセンサCにより撮像した距離画像を取得し、取得した距離画像に基づいて床面を表す点群ds0を生成する。生成部12は、点群ds0に対して所定の解析処理(例えば、周知のRANSAC等の平面検出処理)を実施することにより、床面の法線を示すベクトルvuを取得する。そして、生成部12は、センサCの撮像方向を示すベクトルvc、床面の法線を示すベクトルvuに基づいて、センサCの姿勢を示す姿勢情報を算出し、さらに、姿勢情報及びセンサCの位置情報に基づいて、距離画像の3次元座標系DPを、荷室空間の3次元座標系DRに変換するための変換マトリクスである変換情報を生成する。
【0042】
図6は、距離画像を、距離画像に表された対象を表す点群に変換する処理を説明する図である。生成部12は、空の状態の荷室Rを撮像した距離画像DI1を取得する。生成部12は、例えば、荷物が置かれていない荷室Rを撮像した距離画像DI1に基づき、変換マトリクスを用いて距離画像DI1に表された各画素の情報を点群ds1に変換する。変換及び生成された点群ds1は、図示されるように、車両の荷室Rの空間を表す座標系DRにおいて、床面(Z=0)に相当する平面に配される。
【0043】
また、荷物が置かれた荷室Rを撮像した距離画像DI2が取得された場合には、生成部12は、距離画像DI2に基づき、変換マトリクスを用いて距離画像DI2に表された各画素の情報を点群ds2に変換する。点群ds2のうち、点群ds2-1は、荷物の表面に相当する。点群ds2-1は、図示されるように、荷室空間を表す座標系DRにおいて、荷物の表面(上面)の位置に配される。点群ds2のうち、点群ds2-2は、荷物が置かれておらず上方に露出された床面に相当する。点群ds2-2は、図示されるように、車両の荷室Rの空間を表す座標系DRにおいて、上方に露出された床面(Z=0)に相当する位置に配される。
【0044】
生成部12は、距離画像に基づいて生成された点群に基づいて、荷室内に存在する荷物の表面の荷室空間内における位置を示す情報である荷物ボクセル、及び、床面の位置を示す情報である床面ボクセルを生成する。
図7は、ボクセルの生成処理を示す図である。
【0045】
具体的には、生成部12は、点群に含まれる各点の、荷室Rの座標系DRにおける位置情報に基づいて、各点に対応する位置にボクセルを生成する。
図7に示すように、生成部12は、例えば、荷物の表面に相当する点群ds2-1に基づいて、荷物ボクセルvx2を生成する。また、生成部12は、床面の位置を示す点群ds2-2に基づいて、床面ボクセルvx1を生成する。
【0046】
本実施形態では、一単位のボクセルは、3次元空間における1点の位置を示すものとする。従って、この場合には、一単位のボクセルは体積の概念を有さないものとして捉えることができる。荷物ボクセル及び床面ボクセルは、複数のボクセルの集合として生成される。荷物ボクセル及び床面ボクセルは、距離画像に基づいて生成された点群に相当するので、それぞれ、荷物の表面及び床の表面に対応する。面に対応するように配列されたボクセルは、厚さ(または高さ)の概念を有さないので、面積の概念を伴うことはできるが、体積の概念を有さないこととなる。3次元的に分布するボクセルの集合は、3次元空間においてある空間領域を占めるので、体積の概念を伴うことができる。従って、後述する補間ボクセル(荷物補間ボクセル、死角補間ボクセル)は、体積の概念を有することができる。なお、本実施形態では、一のボクセルは体積の概念を有さないとしているが、一単位のボクセルが、当該荷物監視システムにおいて荷室空間を表す3次元空間における最小単位の体積を有するものとしてもよい。
【0047】
再び
図3を参照して、補間部13は、荷室空間においてセンサCから死角となる空間領域に補間ボクセルを生成する。
図8は、補間ボクセルの生成処理を示す図である。具体的には、補間部13は、荷物ボクセルの鉛直下方の、当該荷物ボクセルから床面までの空間領域を占める荷物補間ボクセルを、補間ボクセルとして生成する。また、補間部13は、荷物またはセンサCの画角に起因してセンサCから死角となる床面の上の所定高さの空間領域を占める死角補間ボクセルを、補間ボクセルとして生成する。
【0048】
図8に示す例では、生成部12により、荷室Rの空間座標系において、荷物ボクセルvx31,32及び床面ボクセルvf1が生成されている。また、センサCは、画角VAを有する。このような場合において、補間部13は、荷物ボクセルvx31の鉛直下方の、荷物ボクセルvx31から床面までの空間領域を占める荷物補間ボクセルvi11を生成する。同様に、補間部13は、荷物ボクセルvx32の鉛直下方の、荷物ボクセルvx32から床面までの空間領域を占める荷物補間ボクセルvi12を生成する。
【0049】
また、床面f1は、荷物の存在に起因して、センサCの死角となる。この場合において、補間部13は、床面f1の上の所定高さの空間領域を占める死角補間ボクセルvi21,vi22を生成する。死角補間ボクセルの所定高さは、例えば、死角となる床面の最も近くに位置する荷物ボクセルの位置に設定される。従って、死角補間ボクセルvi21,vi22の高さはそれぞれ、荷物ボクセルvx31,vx32の位置に相当する高さに設定される。
【0050】
また、床面f2は、センサCの画角に起因して、センサCの死角となる。この場合において、補間部13は、床面f2の上の所定高さの空間領域を占める死角補間ボクセルvi23を生成する。死角補間ボクセルvi23の高さは、例えば、床面f2の最も近くに位置する荷物ボクセルvx31の位置に相当する高さに設定される。
【0051】
推定部14は、荷物ボクセル、補間ボクセル及び床面ボクセルに基づいて、荷室の空間において荷物に占められている空間領域及び荷物に占められている可能性がある空間領域を示す荷物領域情報、並びに、荷物を配置可能な床面に関する空き床情報を推定する。
【0052】
補間ボクセルが生成された空間領域は、荷物が存在する可能性がある空間領域であるので、本実施形態では、補間ボクセルが生成された空間領域を実質的に荷物に占められている空間領域として扱うこととしている。このような扱いに基づいて、具体的には、推定部14は、荷物ボクセル及び補間ボクセルに占められる容積情報、及び、荷物ボクセル及び補間ボクセルに占められる床面の面積情報の少なくともいずれか一方を、荷物領域情報として推定する。また、推定部14は、荷物ボクセル及び補間ボクセルにより占められていない床面の面積情報を、空き床情報として推定する。
【0053】
図9は、荷物領域情報及び空き床情報の推定を模式的に示す図である。
図9(a)は、荷室上面VUを示す図である。
図9(b)は、荷室側面VSを示す図である。荷室上面VU及び車両側面VSに示される例では、生成された荷物ボクセルvx、荷物補間ボクセルvi1、死角補間ボクセルvi2及び床面ボクセルvfが示されている。推定部14は、荷物ボクセルvx、荷物補間ボクセルvi1及び死角補間ボクセルvi2の容積情報を荷物領域情報として算出してもよい。また、推定部14は、荷物ボクセルvx、荷物補間ボクセルvi1及び死角補間ボクセルvi2に占められる床面の面積情報を荷物領域情報として算出してもよい。また、推定部14は、床面ボクセルvfに占められた床面であって、荷物ボクセルvx、荷物補間ボクセルvi1及び死角補間ボクセルvi2により占められていない床面の面積情報を、空き床情報として推定してもよい。
【0054】
次に、
図10及び
図11を参照して、複数のセンサCからの距離画像に基づく補間ボクセルの扱いについて説明する。
図10は、補間ボクセルと荷物ボクセルまたは床面ボクセルとが重複した第1の例を示す図である。
図10に示す例では、荷室内において第1のセンサC1及び第2のセンサC2が設けられており、第1のセンサC1により取得された第1の距離画像及び第2のセンサC2により取得された第2の距離画像が取得部11により取得される。そして、
図10には、第1の距離画像に基づいて生成された荷物ボクセルvx41及び荷物補間ボクセルvi14、並びに第2の距離画像に基づいて生成された荷物ボクセルvx42が示されており、荷物補間ボクセルvi14と荷物ボクセルvx42とが重複している。このような場合において、推定部14は、荷物補間ボクセルvi14と荷物ボクセルvx42との重複位置である領域fd4上の空間領域には、荷物補間ボクセルvi14が配置されるものとして、荷物領域情報及び空き床情報を推定する。
【0055】
即ち、荷物補間ボクセルが生成された空間領域は、さらに荷物を配することができない領域である。
図10に示す例により説明したように、第2の距離画像に基づく荷物ボクセルが生成された空間領域であっても、その空間領域において第1の距離画像に基づく荷物補間ボクセルと重複する場合には、その空間領域は、荷物を配することができない領域であるので、荷物補間ベクトルが配置されるものとして扱われる。なお、荷物ボクセルvx42に代えて、第2の距離画像に基づく床面ボクセルが荷物補間ボクセルvi14と重複する場合においても、同様に、その重複領域には荷物補間ボクセルvi14が配置されるものとして、荷物領域情報及び空き床情報が推定される。
【0056】
図11は、補間ボクセルと荷物ボクセルまたは床面ボクセルとが重複した第2の例を示す図である。
図11に示す例では、荷室内において第1のセンサC1及び第2のセンサC2が設けられており、第1のセンサC1により取得された第1の距離画像及び第2のセンサC2により取得された第2の距離画像が取得部11により取得される。そして、
図11には、第1の距離画像に基づいて生成された荷物ボクセルvx51、荷物補間ボクセルvi15及び死角補間ボクセルvi25、並びに第2の距離画像に基づいて生成された荷物ボクセルvx52が示されており、死角補間ボクセルvi25と荷物ボクセルvx52とが重複している。このような場合において、推定部14は、死角補間ボクセルvi25と荷物ボクセルvx52との重複位置を含む領域fd5上の空間領域には、荷物ボクセルvx52が配置されるものとして、荷物領域情報及び空き床情報を推定する。
【0057】
即ち、死角補間ボクセルが生成された空間領域は、さらに荷物を配することが出来るか否かが不明な領域である。
図11に示す例により説明したように、第1の距離画像に基づく第1の死角補間ボクセルが生成された領域に、第2の距離画像に基づく荷物ボクセルが重複する場合には、その空間領域の状況は、第2の距離画像に基づく荷物ボクセルにより正しく反映される。かかる場合に、当該重複領域に第2の距離画像に基づく荷物ボクセルが配置されるものとして、荷物領域情報及び空き床情報が推定されるので、荷物を配するための床面の空き状況を適切に把握できる。なお、荷物ボクセルvx52に代えて、第2の距離画像に基づく床面ボクセルが死角補間ボクセルvi25と重複する場合においても、同様に、その重複領域には荷物ボクセルvx52が配置されるものとして、荷物領域情報及び空き床情報が推定される。
【0058】
再び
図3を参照して、出力部15は、荷物領域情報及び空き床情報を出力する。出力部15は、種々の態様により荷物領域情報及び空き床情報を出力できる。例えば、出力部15は、所定のコンピュータのディスプレイに荷物領域情報及び空き床情報を表示させることにより出力してもよい。また、出力部15は、後に実施される所定の処理のために、所定の記憶手段に記憶させることにより荷物領域情報及び空き床情報を出力してもよい。
【0059】
また、出力部15は、荷室空間並びに荷物ボクセル、補間ボクセル及び床面ボクセルを視覚的に示す画像を、荷物領域情報及び空き床情報として出力してもよい。
図12は、ボクセルを視覚的に示す画像の例を示す図である。
図12(a)は、荷室Rの空間及び荷物ボクセルを表示する画像の例を示す図である。
図12(b)は、荷室Rの空間及び荷物補間ボクセルを表示する画像の例を示す図である。
図12(c)は、荷室Rの空間及び死角補間ボクセル及び床面ボクセルを表示する画像の例を示す図である。
【0060】
図12(a)に示すように、出力部15は、荷室Rの空間及び荷物ボクセルvx6を視覚的に示す画像pc1を荷物領域情報及び空き床情報として出力してもよい。また、
図12(b)に示すように、出力部15は、荷室Rの空間及び荷物補間ボクセルvi16を視覚的に示す画像pc2を荷物領域情報及び空き床情報として出力してもよい。また、
図12(c)に示すように、出力部15は、荷室Rの空間、死角補間ボクセルvi26及び床面ボクセルvf6を視覚的に示す画像pc3を荷物領域情報及び空き床情報として出力してもよい。このような画像が出力されることにより、荷室内の積荷の状態を的確に把握することが可能となる。
【0061】
次に、
図13を参照して、本実施形態の荷室監視装置10の動作について説明する。
図13は、荷室監視装置10において実施される荷室監視方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0062】
ステップS1において、取得部11は、センサCにより取得された距離画像を取得する。次に、ステップS2において、生成部12は、距離画像、並びに、荷室空間におけるセンサの配置位置及び撮像方向に基づいて、荷物ボクセル及び床面ボクセルを生成する。
【0063】
続いて、ステップS3において、補間部13は、荷室空間においてセンサCから死角となる空間領域に補間ボクセルを生成する。補間ボクセルは、荷物補間ボクセル及び死角補間ボクセルを含む。
【0064】
ステップS4において、推定部14は、荷物ボクセル、補間ボクセル及び床面ボクセルに基づいて、荷室の空間において荷物に占められている空間領域及び荷物に占められている可能性がある空間領域を示す荷物領域情報、並びに、荷物を配置可能な床面に関する空き床情報を推定する。そして、ステップS5において、出力部15は、荷物領域情報及び空き床情報を出力する。
【0065】
次に、
図14を参照して、コンピュータを荷室監視装置10として機能させるための荷室監視プログラムを説明する。荷室監視プログラムP1は、メインモジュールm10、取得モジュールm11、生成モジュールm12、補間モジュールm13、推定モジュールm14及び出力モジュールm15を含む。
【0066】
メインモジュールm10は、荷室監視処理を統括的に制御する部分である。取得モジュールm11、生成モジュールm12、補間モジュールm13、推定モジュールm14及び出力モジュールm15を実行することにより実現される機能はそれぞれ、
図3に示される荷室監視装置10の取得部11、生成部12、補間部13、推定部14及び出力部15
の機能と同様である。
【0067】
荷室監視プログラムP1は、例えば、磁気ディスクや光ディスクまたは半導体メモリ等の記憶媒体M1によって提供される。また、荷室監視プログラムP1は、搬送波に重畳されたコンピュータデータ信号として通信ネットワークを介して提供されてもよい。
【0068】
以上説明した本実施形態の荷室監視装置10、荷室監視方法及び荷室監視プログラムP1によれば、距離画像に基づいて、荷物表面の位置を示す情報である荷物ボクセルが得られる。また、荷物ボクセル及びセンサの死角を示す情報等に基づいて、実質的に荷物を置くことができない可能性のある空間領域を示す補間ボクセルを得ることができるので、荷室の空間において荷物に占められている空間領域及び荷物に占められている可能性がある空間領域を示す荷物領域情報を得ることができる。従って、さらに荷物を配置可能な床面を示す空き床情報を出力することが可能となる。
【0069】
以上、本発明をその実施形態に基づいて詳細に説明した。しかし、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
【符号の説明】
【0070】
1…システム、10…荷室監視装置、11…取得部、12…生成部、13…補間部、14…推定部、15…出力部、C…センサ、M1…記憶媒体、m10…メインモジュール、m11…取得モジュール、m12…生成モジュール、m13…補間モジュール、m14…推定モジュール、m15…出力モジュール、N…ネットワーク、P1…荷室監視プログラム、R…荷室、T…端末、V…車両。