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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】人力駆動車用制御装置
(51)【国際特許分類】
   B62M 6/45 20100101AFI20221212BHJP
   B62J 45/42 20200101ALI20221212BHJP
   B62J 45/421 20200101ALI20221212BHJP
   B62M 6/50 20100101ALI20221212BHJP
【FI】
B62M6/45
B62J45/42
B62J45/421
B62M6/50
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2018207402
(22)【出願日】2018-11-02
(65)【公開番号】P2020069984
(43)【公開日】2020-05-07
【審査請求日】2021-01-06
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
【審査官】塩澤 正和
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-59557(JP,A)
【文献】特開2016-7905(JP,A)
【文献】特開平10-250671(JP,A)
【文献】特開平10-324290(JP,A)
【文献】特開平11-105776(JP,A)
【文献】特開2016-203813(JP,A)
【文献】特開2017-1537(JP,A)
【文献】特開平4-358988(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62M 6/40- 6/75
B62J 6/00- 6/26,45/00-45/423
B62K 23/02-23/06
B60L 1/00- 3/12, 7/00-13/00,
15/00-58/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの操作部への操作に応じて人力駆動車に推進力を付加するためのモータを制御する制御部を含み、
前記人力駆動車は、クランクアームを含み、
前記少なくとも1つの操作部は、少なくとも第1操作部と第2操作部とを含み、
前記第1操作部は、前記人力駆動車のハンドルバーに設けられ、
前記第2操作部は、前記ハンドルバーとは異なる位置に設けられ、
前記制御部は、前記第1操作部に操作が行われる場合に、前記モータの制御モードを、前記クランクアームからの人力駆動力の入力に応じて前記モータを制御する第1モードから、前記少なくとも1つの操作部への操作に応じて前記モータを制御する第2モードに変更し、前記第2モードにおいて、前記第2操作部に荷重が加えられると前記モータを駆動する、人力駆動車用制御装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1操作部および前記第2操作部のそれぞれに操作が行われる場合に、前記モータの制御モードを、前記第1モードから前記第2モードに変更し、前記第2モードにおいて、前記第2操作部への操作による前記モータの駆動を可能にする、請求項1に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記第1操作部および前記第2操作部が同時に操作された場合に、前記モータの制御モードを、前記第1モードから前記第2モードに変更し、前記第2モードにおいて、前記第2操作部への操作による前記モータの駆動を可能にする、請求項1または2に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項4】
前記操作部は、前記第1操作部および前記第2操作部とは異なる第3操作部をさらに含み、
前記制御部は、前記第1操作部、前記第2操作部、および、前記第3操作部の少なくとも1つへの操作が行われる場合に、前記第3操作部への操作による前記モータの駆動を可能にする、請求項1~3のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項5】
前記第3操作部は、前記ハンドルバーとは異なる位置に設けられる、請求項4に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記第2操作部および前記第3操作部が同時に操作された場合に、前記第3操作部への操作による前記モータの駆動を可能にする、請求項4または5に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項7】
少なくとも前記第2操作部は、操作スイッチを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項8】
前記第2操作部および前記第3操作部の少なくとも一方は、操作スイッチを含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項9】
少なくとも前記第2操作部は、荷重センサを含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項10】
前記第2操作部および前記第3操作部の少なくとも一方は、荷重センサを含む、請求項4~6のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項11】
前記第2操作部は、前記人力駆動車のシートポスト、サドル、シートステイ、シートチューブ、前記シートステイのブリッジ部、トップチューブ、ダウンチューブ、ステム、フロントフォーク、フロントサスペンション、および、リアサスペンションの少なくとも1つに設けられる、請求項1~10のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項12】
前記第2操作部および前記第3操作部の少なくとも一方は、前記人力駆動車のシートポスト、サドル、シートステイ、シートチューブ、前記シートステイのブリッジ部、トップチューブ、ダウンチューブ、ステム、フロントフォーク、フロントサスペンション、および、リアサスペンションの少なくとも1つに設けられる、請求項4~6、8、および、10のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項13】
前記荷重センサは、シートポスト、サドル、シートステイ、シートチューブ、前記シートステイのブリッジ部、トップチューブ、ダウンチューブ、ステム、フロントフォーク、フロントサスペンション、および、リアサスペンションの少なくとも1つに設けられる、請求項9または10に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項14】
前記制御部は、前記第3操作部への操作に応じて、前記モータを駆動させる、請求項4~6、8、10、および、12のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項15】
前記制御部は、前記第2操作部への操作に応じて前記モータの制御モードを変更する、請求項1~14のいずれか一項に記載の人力駆動車用制御装置。
【請求項16】
少なくとも1つの操作部への操作に応じて人力駆動車に推進力を付加するためのモータを制御する制御部を含み、
前記人力駆動車は、クランクアームを含み、
前記少なくとも1つの操作部は、少なくとも第1操作部と第2操作部とを含み、
前記第1操作部は、前記人力駆動車のハンドルバーに設けられ、
前記第2操作部は、前記ハンドルバーとは異なる位置に設けられ、
前記制御部は、
前記第2操作部が2回以上操作された場合に、前記モータの制御モードを、前記クランクアームからの人力駆動力の入力に応じて前記モータを制御する第1モードから、前記少なくとも1つの操作部への操作に応じて前記モータを制御する第2モードに変更し、前記第2モードにおいて、前記第2操作部に荷重が加えられると前記モータの駆動をする、人力駆動車用制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、人力駆動車用制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1に開示されている人力駆動車用制御装置は、ハンドルバーに設けられる第1操作スイッチの操作に応じてウォークモードでモータを駆動する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6325596号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
人力駆動車の走行環境等に応じて、ユーザの好適な押し歩き姿勢は異なる。上記人力駆動車用制御装置によれば、ウォークモードでモータを駆動するための第1操作スイッチがハンドルバーのみに設けられるため、ユーザビリティの向上の余地がある。
本発明の目的は、操作部によってモータを好適に駆動できる人力駆動車両用制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1側面に従う人力駆動車用制御装置は、少なくとも1つの操作部への操作に応じて人力駆動車に推進力を付加するためのモータを制御する制御部を含み、前記少なくとも1つの操作部は、少なくとも第1操作部と第2操作部とを含み、前記第1操作部は、前記人力駆動車のハンドルバーに設けられ、前記第2操作部は、前記ハンドルバーとは異なる位置に設けられ、前記制御部は、前記第1操作部に操作が行われる場合に、前記第2操作部への操作による前記モータの駆動を可能にする。
上記第1側面の人力駆動車用制御装置によれば、第1操作部への操作が行われる場合に、ハンドルバーと異なる位置に設けられる第2操作部が操作されるとモータの駆動が可能になる。このため、第1操作部だけではなく、第2操作部も用いて好適にモータを駆動できる。
【0006】
前記第1側面に従う第2側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記第1操作部および前記第2操作部のそれぞれに操作が行われる場合に、前記第2操作部への操作による前記モータの駆動を可能にする。
上記第2側面の人力駆動車用制御装置によれば、第1操作部および第2操作部のそれぞれに操作が行われた場合、第2操作部への操作によるモータの駆動が行える。
【0007】
前記第1または第2側面に従う第3側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記第1操作部および前記第2操作部が同時に操作された場合に、前記第2操作部への操作による前記モータの駆動を可能にする。
上記第3側面の人力駆動車用制御装置によれば、第1操作部および第2操作部が同時に操作されることによって、第2操作部への操作によるモータの駆動が行える。
【0008】
前記第1~第3側面のいずれか1つに従う第4側面の人力駆動車用制御装置において、前記操作部は、前記第1操作部および前記第2操作部とは異なる第3操作部をさらに含み、前記制御部は、前記第1操作部、前記第2操作部、および、前記第3操作部の少なくとも1つへの操作が行われる場合に、前記第3操作部への操作による前記モータの駆動を可能にする。
上記第4側面の人力駆動車用制御装置によれば、第1操作部、第2操作部、および、第3操作部の少なくとも1つへの操作が行われると、第3操作部への操作によるモータの駆動が行える。
【0009】
前記第4側面に従う第5側面の人力駆動車用制御装置において、前記第3操作部は、前記ハンドルバーとは異なる位置に設けられる。
上記第5側面の人力駆動車用制御装置によれば、ユーザは、ハンドルバーと異なる位置に設けられる第3操作部を操作することによってモータを駆動させられる。
【0010】
前記第4または第5側面に従う第6側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記第2操作部および前記第3操作部が同時に操作された場合に、前記第3操作部への操作による前記モータの駆動を可能にする。
上記第6側面の人力駆動車用制御装置によれば、第2操作部および第3操作部が同時に操作されると、第3操作部への操作によるモータの駆動が行える。
【0011】
前記第1~第6側面のいずれか1つに従う第7側面の人力駆動車用制御装置において、少なくとも前記第2操作部は、操作スイッチを含む。
上記第7側面の人力駆動車用制御装置によれば、ユーザは操作スイッチの操作によって第2操作部を操作できる。
【0012】
前記第4~第6側面のいずれか1つに従う第8側面の人力駆動車用制御装置において、前記第2操作部および前記第3操作部の少なくとも一方は、操作スイッチを含む。
上記第8側面の人力駆動車用制御装置によれば、ユーザは操作スイッチの操作によって第2操作部および第3操作部の少なくとも一方を操作できる。
【0013】
前記第1~第6側面のいずれか1つに従う第9側面の人力駆動車用制御装置において、少なくとも前記第2操作部は、荷重センサを含む。
上記第9側面の人力駆動車用制御装置によれば、ユーザは第2操作部に荷重をかけることによって第2操作部を操作できる。
【0014】
前記第4~第6側面のいずれか1つに従う第10側面の人力駆動車用制御装置において、前記第2操作部および前記第3操作部の少なくとも一方は、荷重センサを含む。
上記第10側面の人力駆動車用制御装置によれば、ユーザは第2操作部および第3操作部の少なくとも一方に荷重をかけることによって第2操作部および第3操作部の少なくとも一方を操作できる。
【0015】
前記第1~第10側面のいずれか1つに従う第11側面の人力駆動車用制御装置において、前記第2操作部は、前記人力駆動車のシートポスト、サドル、シートステイ、シートチューブ、前記シートステイのブリッジ部、トップチューブ、ダウンチューブ、ステム、フロントフォーク、フロントサスペンション、および、リアサスペンションの少なくとも1つに設けられる。
上記第11側面の人力駆動車用制御装置によれば、第2操作部が、シートポスト、サドル、シートステイ、シートチューブ、前記シートステイのブリッジ部、トップチューブ、ダウンチューブ、ステム、フロントフォーク、フロントサスペンション、および、リアサスペンションの少なくとも1つに設けられるため、ユーザが第2操作部を好適に操作できる。
【0016】
前記第4~第6、第8、および、第10側面のいずれか1つに従う第12側面の人力駆動車用制御装置において、前記第2操作部および前記第3操作部の少なくとも一方は、前記人力駆動車のシートポスト、サドル、シートステイ、シートチューブ、前記シートステイのブリッジ部、トップチューブ、ダウンチューブ、ステム、フロントフォーク、フロントサスペンション、および、リアサスペンションの少なくとも1つに設けられる。
上記第12側面の人力駆動車用制御装置によれば、第2操作部および第3操作部の少なくとも一方が、シートポスト、サドル、シートステイ、シートチューブ、前記シートステイのブリッジ部、トップチューブ、ダウンチューブ、ステム、フロントフォーク、フロントサスペンション、および、リアサスペンションの少なくとも1つに設けられるため、ユーザが第2操作部および第3操作部の少なくとも一方を好適に操作できる。
【0017】
前記第9または第10側面に従う第13側面の人力駆動車用制御装置において、前記荷重センサは、シートポスト、サドル、シートステイ、シートチューブ、前記シートステイのブリッジ部、トップチューブ、ダウンチューブ、ステム、フロントフォーク、フロントサスペンション、および、リアサスペンションの少なくとも1つに設けられる。
上記第13側面の人力駆動車用制御装置によれば、荷重センサがシートポスト、サドル、シートステイ、シートチューブ、シートステイのブリッジ部、トップチューブ、ダウンチューブ、ステム、フロントフォーク、フロントサスペンション、および、リアサスペンションの少なくとも1つに設けられるため、ユーザは荷重センサに好適に荷重をかけられる。
【0018】
前記第1~第13側面のいずれか1つに従う第14側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記第2操作部への操作に応じて、前記モータを駆動させる。
上記第14側面の人力駆動車用制御装置によれば、ユーザは、第2操作部を操作することによってモータを駆動させられる。
【0019】
前記第4~第6、第8、第10、および、第12側面のいずれか1つに従う第15側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記第3操作部への操作に応じて、前記モータを駆動させる。
上記第15側面の人力駆動車用制御装置によれば、ユーザは、第3操作部を操作することによってモータを駆動させられる。
【0020】
前記第1~第15側面のいずれか1つに従う第16側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記第1操作部への操作に応じて前記モータの制御モードを変更する。
上記第16側面の人力駆動車用制御装置によれば、ユーザは第1操作部を操作することによってモータの制御モードを変更できる。
【0021】
前記第16側面に従う第17側面の人力駆動車用制御装置において、前記人力駆動車は、人力駆動力が入力されるクランクアームを含み、前記制御モードは、前記クランクアームからの前記人力駆動力の入力に応じて前記モータを制御する第1モードと、前記操作部への操作に応じて前記モータを制御する第2モードと、を含む。
上記第17側面の人力駆動車用制御装置によれば、第1モードと第2モードとによってモータを好適に駆動できる。
【0022】
前記第17側面に従う第18側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記第2モードが選択された状態で、前記第2操作部への操作に応じて、前記モータを駆動する。
上記第18側面の人力駆動車用制御装置によれば、第2モードが選択された状態でモータを好適に駆動できる。
【0023】
前記第1~第16側面のいずれか1つに従う第19側面の人力駆動車用制御装置において、前記制御部は、前記第2操作部への操作に応じて前記モータの制御モードを変更する。
上記第19側面の人力駆動車用制御装置によれば、ユーザは、第2操作部を操作することうによってモータの制御モードを変更できる。
【0024】
本発明の第20側面に従う人力駆動車用制御装置は、少なくとも1つの操作部への操作に応じて人力駆動車に推進力を付加するためのモータを制御する制御部を含み、前記少なくとも1つの操作部は、少なくとも第1操作部と第2操作部とを含み、前記第1操作部は、前記人力駆動車のハンドルバーに設けられ、前記第2操作部は、前記ハンドルバーとは異なる位置に設けられ、前記制御部は、前記第2操作部が2回以上操作された場合に、前記第2操作部への操作による前記モータの駆動を可能にする。
上記第20側面の人力駆動車用制御装置によれば、ユーザは、第2操作部を2回以上操作することによってモータを駆動させられる。このため、操作部によってモータを好適に駆動できる。
【0025】
本発明の第21側面に従う人力駆動車用制御装置は、少なくとも1つの操作部への操作に応じて人力駆動車に推進力を付加するためのモータを制御する制御部を含み、前記少なくとも1つの操作部は少なくとも第1操作部と第2操作部とを含み、前記第1操作部は、前記人力駆動車のハンドルバーに設けられ、前記第2操作部は、前記ハンドルバーとは異なる位置に設けられ、前記制御部は、前記第2操作部が所定時間以上にわたり継続して操作された場合に、前記第2操作部への操作による前記モータの駆動を開始し、かつ、前記第2操作部への操作が前記所定時間未満にわたり継続して操作された場合、前記第2操作部への操作に応じて前記モータの駆動を開始しない。
上記第21側面の人力駆動車用制御装置によれば、ユーザは、第2操作部を所定時間以上にわたり継続して操作することによってモータを駆動させられる。
【発明の効果】
【0026】
本開示の人力駆動車両用制御装置は、操作部によってモータを好適に駆動できる。このため、操作部によってモータを好適に駆動できる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1実施形態の人力駆動車用制御装置を含む人力駆動車の側面図。
図2】第1実施形態の人力駆動車用制御装置の電気的な構成を示すブロック図。
図3図1の第1操作部の平面図。
図4図2の制御部によって実行されるモータの制御モードを変更する処理のフローチャート。
図5図2の制御部によって実行される第2モードにおいてモータを駆動する処理のフローチャート。
図6】第2実施形態の制御部によって実行される第2モードにおいてモータを駆動する処理のフローチャート。
図7】第3実施形態の人力駆動車用制御装置の電気的な構成を示すブロック図。
図8図7の制御部によって実行されるモータの制御モードを変更する処理のフローチャート。
図9図7の制御部によって実行される第2モードにおいてモータを駆動する処理のフローチャート。
図10】第1変形例の制御部によって実行されるモータの制御モードを変更する処理のフローチャート。
図11】第2変形例の制御部によって実行されるモータの制御モードを変更する処理のフローチャート。
図12】第3変形例の人力駆動車用制御装置を含む人力駆動車の側面図。
図13】第4変形例の制御部によって実行される操作部への操作に応じてモータを駆動する処理のフローチャート。
図14】第5変形例の制御部によって実行される操作部への操作に応じてモータを駆動する処理のフローチャート。
図15】第6変形例の人力駆動車用制御装置の電気的な構成を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0028】
(第1実施形態)
図1図5を参照して、第1実施形態の人力駆動車用制御装置70について説明する。以後、人力駆動車用制御装置70を、単に制御装置70と記載する。制御装置70は、人力駆動車10に設けられる。人力駆動車10は、少なくとも人力駆動力Hによって駆動することができる車両である。人力駆動車10は、車輪の数が限定されず、例えば1輪車および3輪以上の車輪を有する車両も含む。人力駆動車10は、例えばマウンテンバイク、ロードバイク、シティバイク、カーゴバイク、および、リカンベントなど種々の種類の自転車を含む。自転車は、電気モータによって駆動力が与えられる電動自転車(E-bike)を含む。電動自転車は、電動モータによって車両の推進を補助する電動アシスト自転車を含む。電動自転車は、電気モータによって推進が補助される電動アシスト自転車を含む。以下、実施の形態において、人力駆動車10を、2つの車輪を有する自転車として説明する。
【0029】
人力駆動車10は、ホイール12、クランク14、および、車体16を有する。車体16は、フレーム18およびシートポスト20を含む。クランク14には、人力駆動力Hが入力される。クランク14は、フレーム18に対して回転可能なクランク軸14Aと、クランク軸14Aの軸方向の端部にそれぞれ設けられるクランクアーム14Bとを含む。各クランクアーム14Bには、一対のペダル22が個別に連結される。ホイール12は、従動輪12Aおよび駆動輪12Bを含む。駆動輪12Bは、クランク14が回転することによって駆動される。駆動輪12Bは、フレーム18に支持される。クランク14と駆動輪12Bとは、駆動機構24によって連結される。駆動機構24は、クランク軸14Aに結合される第1回転体26を含む。クランク軸14Aと第1回転体26とは、一体に回転するように結合されていてもよく、第1ワンウェイクラッチを介して結合されていてもよい。第1ワンウェイクラッチは、クランク14が前転した場合に、第1回転体26を前転させ、クランク14が後転した場合に、第1回転体26を後転させないように構成される。第1回転体26は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。駆動機構24は、第2回転体28と、連結部材30とをさらに含む。連結部材30は、第1回転体26の回転力を第2回転体28に伝達する。連結部材30は、例えば、チェーン、ベルト、または、シャフトを含む。
【0030】
第2回転体28は、駆動輪12Bに連結される。第2回転体28は、スプロケット、プーリ、または、ベベルギアを含む。第2回転体28と駆動輪12Bとの間には、第2ワンウェイクラッチが設けられていることが好ましい。第2ワンウェイクラッチは、第2回転体28が前転した場合に、駆動輪12Bを前転させ、第2回転体28が後転した場合に、駆動輪12Bを後転させないように構成される。人力駆動車10は、クランク軸14Aの回転速度に対する駆動輪12Bの回転速度の変速比率Bを変更するために用いられる変速機58を含んでいてもよい。変速機58は、例えばフロントディレイラ、リアディレイラおよび内装変速機の少なくとも1つを含む。変速機58は、フロントディレイラのみ、リアディレイラのみ、内装変速機のみ、または、フロントディレイラ、リアディレイラおよび内装変速機のうちの任意の組合せを含んでいてもよい。本実施形態では、第1回転体26および第2回転体28の少なくとも一方は、複数のスプロケットを含む。第1回転体26のみ、第2回転体28のみ、または、第1回転体26および第2回転体28の両方が、複数のスプロケットを含んでいてもよい。本実施形態では、第1回転体26は、1枚のスプロケットを含み、第2回転体28は、複数のスプロケットを含む。ディレイラは、第1回転体26が複数のフロントスプロケットを含む場合、フロントディレイラを含み、第2回転体28が複数のフロントスプロケットを含む場合、リアディレイラを含む。変速機58が内装変速機を含む場合、内装変速機は、例えば、駆動輪12Bのハブに設けられる。
【0031】
人力駆動車10は、前輪および後輪を含む。フレーム18には、フロントフォーク32を介して前輪が取り付けられている。フロントフォーク32にはハンドル部34が取り付けられている。ハンドル部34は、ステム36およびハンドルバー38を含む。フロントフォーク32には、ハンドルバー38がステム36を介して連結されている。以下の実施形態では、後輪を駆動輪12Bとして説明するが、前輪が駆動輪12Bであってもよい。
【0032】
シートポスト20には、サドル20Sが取り付けられる。シートポスト20は、シートポスト20の高さを変更可能に構成されることが好ましい。シートポスト20は、シートポスト20の高さを変更するための電動アクチュエータを含むことが好ましい。電動アクチュエータは、油圧または空気を用いて伸長する電動シートポストのバルブをコントロールしてもよい。電動アクチュエータは、電気モータおよびソレノイドの少なくとも一方を含む。シートポスト20は、機械式ケーブルまたはレバーによってシートポスト20の高さを変更可能に構成されてもよい。
【0033】
フレーム18は、シートチューブ40、トップチューブ42、ダウンチューブ44、および、ヘッドチューブ46を含む。シートチューブ40には、シートポスト20が取り付けられる。トップチューブ42は、シートチューブ40と、ヘッドチューブ46とを接続する。ダウンチューブ44は、ヘッドチューブ46とシートチューブ40とを接続する。ヘッドチューブ46には、フロントフォーク32が取り付けられる。
【0034】
人力駆動車10は、サスペンション48を含むことが好ましい。サスペンション48は、リアサスペンション50およびフロントサスペンション52の少なくとも一方を含む。サスペンション48は、車輪に加えられる衝撃を吸収する。
【0035】
人力駆動車10がリアサスペンション50を含む場合、フレーム18には、スイングアーム54が取り付けられる。人力駆動車10がリアサスペンション50を含まない場合、フレーム18は、シートステイ92(図12参照)およびチェーンステイ94(図12参照)を含むことが好ましい。
【0036】
リアサスペンション50は、人力駆動車10のフレーム18と後輪との間に設けられるように構成される。より具体的には、リアサスペンション50は、フレーム18と後輪を支持するスイングアーム54との間に設けられる。リアサスペンション50は、後輪に加えられる衝撃を吸収する。リアサスペンション50は、油圧サスペンションであってもよく、エアサスペンションであってもよい。
【0037】
リアサスペンション50は、第1部分と、第1部分に嵌め込まれて第1部分と相対移動可能な第2部分とを含む。リアサスペンション50の動作状態は、第1部分と第2部分との相対移動が規制されるロック状態と、第1部分と第2部分との相対移動が許容されるロック解除状態とを含む。リアサスペンション50は、アクチュエータをさらに含んでいてもよい。アクチュエータは、例えば、電気モータを含む。アクチュエータは、リアサスペンション50の動作状態を切り替える。なお、リアサスペンション50のロック状態は、後輪に強い力が加えられた場合に、第1部分と第2部分とがわずかに相対移動する状態を含み得る。
【0038】
フロントサスペンション52は、人力駆動車10のフレーム18と前輪との間に設けられるように構成される。より具体的には、フロントサスペンション52は、フロントフォーク32に設けられる。フロントサスペンション52は、前輪に加えられる衝撃を吸収する。フロントサスペンション52は、油圧サスペンションであってもよく、エアサスペンションであってもよい。
【0039】
フロントサスペンション52は、第1部分と、第1部分に嵌め込まれて第1部分と相対移動可能な第2部分とを含む。フロントサスペンション52の動作状態は、第1部分と第2部分との相対移動が規制されるロック状態と、第1部分と第2部分との相対移動が許容されるロック解除状態とを含む。フロントサスペンション52は、アクチュエータをさらに含んでいてもよい。アクチュエータは、例えば、電気モータを含む。アクチュエータは、フロントサスペンション52の動作状態を切り替える。なお、フロントサスペンション52のロック状態は、前輪に強い力が加えられた場合に、第1部分と第2部分とがわずかに相対移動する状態を含み得る。
【0040】
人力駆動車10は、バッテリ56をさらに含む。バッテリ56は、1または複数のバッテリセルを含む。バッテリセルは、充電池を含む。バッテリ56は、人力駆動車10に設けられ、バッテリ56と電気的に接続されている他の電気部品、例えば、人力駆動車用制御装置70に電力を供給する。バッテリ56は、人力駆動車用制御装置70と有線または無線によって通信可能に接続されている。バッテリ56は、例えば電力線通信(PLC;power line communication)によって人力駆動車用制御装置70と通信可能である。バッテリ56は、フレーム18の外部に取り付けられてもよく、少なくとも一部がフレーム18の内部に収容されてもよい。
【0041】
人力駆動車10は、人力駆動車10の推進をアシストするように構成されるモータ60を含む。人力駆動車10は、駆動回路62をさらに含む。駆動回路62は、インバータ回路を含む。モータ60は、駆動回路と同一のハウジングに設けられることが好ましい。駆動回路62は、バッテリ56からモータ60に供給される電力を制御する。駆動回路62は、人力駆動車用制御装置70と有線または無線によって通信可能に接続されている。駆動回路62は、例えばシリアル通信によって人力駆動車用制御装置70の制御部72と通信可能である。駆動回路62は、人力駆動車用制御装置70に含まれていてもよい。駆動回路62は、制御部72からの制御信号に応じてモータ60を駆動させる。
【0042】
モータ60は、電気モータを含む。モータ60は、ペダル22から後輪までの人力駆動力Hの動力伝達経路、または、前輪に回転を伝達するように設けられる。モータ60は、人力駆動車10のフレーム18、後輪、または、前輪に設けられる。本実施形態では、モータ60は、クランク軸14Aから第1回転体26までの動力伝達経路に結合される。モータ60とクランク軸14Aとの間の動力伝達経路には、クランク軸14Aを人力駆動車10が前進する方向に回転させた場合にクランク14の回転力によってモータ60が回転しないようにワンウェイクラッチが設けられるのが好ましい。モータ60および駆動回路62が設けられるハウジングには、モータ60および駆動回路62以外の構成が設けられてもよく、例えばモータ60の回転を減速して出力する減速機が設けられてもよい。
【0043】
人力駆動車用制御装置70は、制御部72を含む。制御部72は、予め定められる制御プログラムを実行する演算処理装置を含む。演算処理装置は、例えばCPU(Central Processing Unit)またはMPU(Micro Processing Unit)を含む。制御部72は、1または複数のマイクロコンピュータを含んでいてもよい。制御部72は、複数の場所に離れて配置される複数の演算処理装置を含んでいてもよい。人力駆動車用制御装置70は、記憶部74をさらに含む。記憶部74には、各種の制御プログラムおよび各種の制御処理に用いられる情報が記憶される。記憶部74は、例えば不揮発性メモリおよび揮発性メモリを含む。制御部72および記憶部74は、例えばモータ60が設けられるハウジングに設けられる。
【0044】
人力駆動車用制御装置70は、好ましくは、クランク回転センサ76、車速センサ78、および、トルクセンサ80をさらに含む。クランク回転センサ76、車速センサ78、および、トルクセンサ80は、モータ60が設けられるハウジングの内部に設けられてもよく、外部に設けられてもよい。クランク回転センサ76、車速センサ78、および、トルクセンサ80の少なくとも1つは、人力駆動車用制御装置70に含まれなくてもよい。
【0045】
クランク回転センサ76は、人力駆動車10のクランク14の回転速度Nを検出するために用いられる。クランク回転センサ76は、例えば人力駆動車10のフレーム18またはモータ60が設けられるハウジングに取り付けられる。クランク回転センサ76は、磁界の強度に応じた信号を出力する磁気センサを含んで構成される。周方向に磁界の強度が変化する環状の磁石が、クランク軸14Aまたはクランク軸14Aから第1回転体26までの間の動力伝達経路に設けられる。クランク回転センサ76は、制御部72と有線または無線によって通信可能に接続されている。クランク回転センサ76は、クランク14の回転速度Nに応じた信号を制御部72に出力する。クランク回転センサ76は、クランク軸14Aから第1回転体26までの人力駆動力Hの動力伝達経路において、クランク軸14Aと一体に回転する部材に設けられてもよい。例えば、クランク回転センサ76は、クランク軸14Aと第1回転体26との間に第1ワンウェイクラッチが設けられない場合、第1回転体26に設けられてもよい。クランク回転センサ76は、人力駆動車10の車速Vを検出するために用いられてもよい。この場合、制御部72は、クランク回転センサ76によって検出されるクランク14の回転速度Nと、変速比率Bとに応じて、駆動輪12Bの回転速度を演算して、人力駆動車10の車速Vを検出する。変速比率Bに関する情報は、記憶部74に予め記憶されている。
【0046】
人力駆動車10に変速比率Bを変更するための変速機58が設けられる場合、制御部72は、人力駆動車10の車速Vと、クランク14の回転速度Nとに応じて、変速比率Bを演算してもよい。この場合、駆動輪12Bの周長、駆動輪12Bの直径、または、駆動輪12Bの半径に関する情報が記憶部74に予め記憶されている。人力駆動車用制御装置70は、変速センサを含んでいてもよい。変速センサは、例えば、変速機58に設けられる。変速センサは、変速機58の現在の変速ステージを検出する。変速センサは、制御部72に電気的に接続されている。変速ステージと変速比率Bとの関係は、記憶部74に予め記憶されている。制御部72は、変速センサの検出結果から、現在の変速比率Bを検出することができる。制御部72は、駆動輪12Bの回転速度を変速比率Bで除算することによって、クランク14の回転速度Nを演算できる。この場合、車速センサ78および変速センサをクランク回転センサ76として用いてもよい。変速センサは、変速機58ではなく、変速操作部に設けられてもよく、変速ワイヤに設けられてもよい。
【0047】
車速センサ78は、ホイール12の回転速度を検出するために用いられる。車速センサ78は、有線または無線によって制御部72と電気的に接続されている。車速センサ78は、制御部72と有線または無線によって通信可能に接続されている。車速センサ78は、ホイール12の回転速度に応じた信号を制御部72に出力する。制御部72は、ホイール12の回転速度に基づいて人力駆動車10の車速Vを演算する。制御部72は、車速Vが所定値以上になると、モータ60を停止する。所定値は、例えば時速25Km、または、時速45Kmである。車速センサは、例えば、リードスイッチを構成する磁性体リード、または、ホール素子を含む。車速センサ78は、フレーム18のチェーンステイに取り付けられ、後輪に取り付けられる磁石を検出する構成としてもよく、フロントフォーク32に設けられ、前輪に取り付けられる磁石を検出する構成としてもよい。別の例では、車速センサ78は、GPS(Global Positioning System)受信部を含む。制御部72は、GPS受信部によって取得したGPS情報と、記憶部74に予め記録されている地図情報と、時間とに応じて、人力駆動車10の車速Vを検出してもよい。制御部72は、時間を計るためのタイマを含むことが好ましい。
【0048】
トルクセンサ80は、人力駆動力HのトルクTHを検出するために用いられる。トルクセンサ80は、例えば、モータ60が設けられるハウジングに設けられる。トルクセンサ80は、クランク14に入力される人力駆動力HのトルクTHを検出する。トルクセンサ80は、例えば、動力伝達経路に第1ワンウェイクラッチが設けられる場合、第1ワンウェイクラッチよりも上流側に設けられる。トルクセンサ80は、歪センサまたは磁歪センサなどを含む。歪センサは、歪ゲージを含む。トルクセンサ80が歪センサを含む場合、歪センサは、好ましくは、動力伝達経路に含まれる回転体の外周部に設けられる。トルクセンサ80は、無線または有線の通信部を含んでいてもよい。トルクセンサ80の通信部は、制御部72と通信可能に構成される。
【0049】
制御部72は、例えば、人力駆動力Hに対するモータ駆動力が所定のアシスト比率Aになるように、モータ60を制御する。制御部72は、例えば、人力駆動車10の人力駆動力HのトルクTHに対する、モータ60によるモータ駆動力の出力トルクTMが所定のアシスト比率Aになるように、モータ60を制御してもよい。制御部72は、例えば、人力駆動力Hに対するモータ駆動力のアシスト比率Aの異なる複数の動作モードから選択される1つの動作モードでモータ60を制御する。人力駆動車10の人力駆動力HのトルクTHに対するモータ60の出力トルクTMのトルク比率ATを、アシスト比率Aと記載する場合がある。制御部72は、例えば、人力駆動力Hの仕事率WH(ワット)に対して、モータ60の仕事率WX(ワット)が所定のアシスト比率Aになるように、モータ60を制御してもよい。人力駆動車10の人力駆動力Hの仕事率WHに対するモータ駆動力の仕事率WXの比率AWを、アシスト比率Aと記載する場合がある。人力駆動力Hの仕事率WHは、人力駆動力Hとクランク14の回転速度Nとの乗算によって算出される。モータ60の出力が減速機を介して人力駆動力Hの動力経路に入力される場合は、減速機の出力を、モータ駆動力とする。制御部72は、人力駆動力Hの仕事率WHまたはトルクTHに応じて、制御指令をモータ60の駆動回路62に出力する。制御指令は、例えばトルク指令値を含む。
【0050】
制御部72は、モータ駆動力の上限値が所定値以下になるようにモータ60を制御する。制御部72は、例えば、上限値の異なる複数の動作モードから選択される1つの動作モードでモータ60を制御する。モータ駆動力は、モータ60の出力トルクTMを含む。モータ駆動力は、モータ60の仕事率WXを含んでいてもよい。この場合、制御部72は、モータ60の仕事率WXが所定値WX1以下になるようにモータ60を制御する。所定値WX1は、一例では、500ワットである。所定値WX1は、別の例では、300ワットである。制御部72は、トルク比率ATが所定トルク比率AT1以下になるようにモータ60を制御してもよい。所定トルク比率AT1は、一例では、300%である。
【0051】
複数の動作モードのそれぞれにおいて、アシスト比率Aおよびモータ駆動力の上限値の少なくとも一方が異なっていてもよい。複数の動作モードのそれぞれにおいて、アシスト比率Aのみ、上限値のみ、または、アシスト比率Aおよび上限値の両方が異なっていてもよい。この場合、制御部72は、モータ駆動力が選択されているモータ60の動作モードにおいて規定されるアシスト比率A以下、かつ、所定値以下になるようにモータ60を制御する。
【0052】
複数の動作モードは、例えば、アシスト比率Aが最大の最大動作モード、アシスト比率Aが最小の最小動作モード、および、アシスト比率Aが最大動作モードよりも小さくかつ最小動作モードよりも大きい中間動作モードを含む。複数の動作モードは、例えば、所定値が最大の最大動作モード、所定値が最小の最小動作モード、および、所定値が最大動作モードよりも小さくかつ最小動作モードよりも大きい中間動作モードを含んでいてもよい。複数の動作モードは、アシスト比率Aの異なる複数の中間動作モードを含んでいてもよく、中間動作モードを含んでいなくてもよい。制御部72は、動作モードを複数の動作モードのうちの1つから他の1つに変更する場合、各動作モードに規定されるアシスト比率Aおよび上限値の少なくとも一方が段階的に大きくなるように、または、段階的に小さくなるように変更することが好ましい。
【0053】
制御装置70は、少なくとも1つの操作部82への操作に応じて人力駆動車10に推進力を付加するためのモータ60を制御する制御部72を含む。少なくとも1つの操作部82は、少なくとも第1操作部84と第2操作部86とを含む。第1操作部84は、人力駆動車10のハンドルバー38に設けられる。第2操作部86は、ハンドルバー38とは異なる位置に設けられる。制御部72は、第1操作部84に操作が行われる場合に、第2操作部86への操作によるモータ60の駆動を可能にする。
【0054】
制御部72は、第1操作部84への操作に応じてモータ60の制御モードを変更することが好ましい。人力駆動車10は、人力駆動力Hが入力されるクランクアーム14Bを含み、制御モードは、クランクアーム14Bからの人力駆動力Hの入力に応じてモータ60を制御する第1モードと、操作部82への操作に応じてモータ60を制御する第2モードと、含む。第1モードは、複数の動作モードおよびオフモードを含むことが好ましい。制御部72は、オフモードにおいてモータ60を駆動しない。
【0055】
図2に示す第1操作部84は、第1操作ボタン84Aおよび第2操作ボタン84Bを含む。人力駆動車10は、制御モードを表示する表示部88を含んでいてもよい。表示部88は、例えば、ハンドルバー38のうちの第1操作部84の近傍に設けられる。
【0056】
制御部72は、第1モードにおいて、第1操作ボタン84Aが押された場合、かつ、現在の動作モードが最大動作モードではない場合、アシスト比率Aが1段階大きい動作モードに変更する。制御部72は、第1モードにおいて、第1操作ボタン84Aが押された場合、かつ、現在の動作モードが最大動作モードの場合、最大動作モードを維持する。制御部72は、第1モードにおいて、第1操作ボタン84Aが押された場合、かつ、オフモードの場合、最小動作モードに変更する。
【0057】
制御部72は、第1モードにおいて、第2操作ボタン84Bが押された場合、かつ、現在の動作モードが最小動作モードではない場合、アシスト比率Aが1段階小さい動作モードに変更する。制御部72は、第1モードにおいて、第2操作ボタン84Bが押された場合、かつ、現在の動作モードが最小動作モードの場合、オフモードに変更する。
【0058】
制御部72は、第1モードにおいて、第2操作ボタン84Bが押された場合、かつ、オフモードの場合、第2モードに移行する。制御部72は、第2モードにおいて、第1操作ボタン84Aが押された場合、第1モードのオフモードに変更する。制御部72は、第2モードにおいて、第2操作ボタン84Bが押された場合、モータ60を駆動させる。第2操作ボタン84Bが押されている間は、第2操作ボタン84Bからオン信号が出力される。制御部72は、第2操作ボタン84Bから出力されるオン信号に応じて、モータ60の駆動を可能にすることが好ましい。この場合、制御部72は、第2操作ボタン84Bからオン信号が出力されている間、モータ60の駆動を可能にする。
【0059】
制御部72は、第2モードが選択された状態で、モータ60を駆動する場合、例えば、人力駆動車10の車速Vが所定速度VX以下になるようにモータ60を制御する。制御部72は、第2モードが選択された状態で、モータ60を駆動する場合、車速Vが所定速度VXを超えると、モータ60の駆動を停止する。所定速度VXは、例えば、時速6km、または、時速5kmである。
【0060】
第2操作部86は、人力駆動車10のシートポスト20、サドル20S、シートステイ92(図12参照)、シートチューブ40、シートステイ92のブリッジ部、トップチューブ42、ダウンチューブ44、ステム36、フロントフォーク32、フロントサスペンション52、および、リアサスペンション50の少なくとも1つに設けられる。
【0061】
少なくとも第2操作部86は、荷重センサ86Aを含んでいてもよい。荷重センサ86Aは、シートポスト20、サドル20S、シートステイ92、シートチューブ40、シートステイ92のブリッジ部、トップチューブ42、ダウンチューブ44、ステム36、フロントフォーク32、フロントサスペンション52、および、リアサスペンション50の少なくとも1つに設けられる。荷重センサ86Aは、例えば、シートポスト20、サドル20S、シートステイ92、シートチューブ40、シートステイ92のブリッジ部、トップチューブ42、ダウンチューブ44、ステム36、フロントフォーク32、フロントサスペンション52、および、リアサスペンション50のうちのユーザが接触可能な部分に設けられる。荷重センサ86Aは、シートポスト20、サドル20S、シートステイ92、シートチューブ40、シートステイ92のブリッジ部、トップチューブ42、ダウンチューブ44、ステム36、フロントフォーク32、フロントサスペンション52、および、リアサスペンション50のうちの異なる部材が互いに取り付けられる部分に設けられてもよい。この場合、ユーザは、荷重センサ86Aが設けられる異なる部材の一方を他方に向けて押す操作によって、荷重センサ86Aに荷重をかける。荷重センサ86Aは、荷重センサ86Aに荷重がかけられている間、荷重に応じた信号を出力することが好ましい。制御部72は、荷重センサ86Aから出力される信号に応じて、モータ60の駆動を可能にすることが好ましい。この場合、制御部72は、荷重センサ86Aから入力される信号が所定の荷重以上の荷重がかけられている場合の信号と対応している間、モータ60の駆動を可能にする。
【0062】
少なくとも第2操作部86は、操作スイッチ86B(図7参照)を含んでいてもよい。操作スイッチ86Bが押されるたびに、操作スイッチ86Bから出力されるオン信号とオフ信号とが切り替わる。この場合、操作スイッチ86Bは、シートポスト20、サドル20S、シートステイ92、シートチューブ40、シートステイ92のブリッジ部、トップチューブ42、ダウンチューブ44、ステム36、フロントフォーク32、フロントサスペンション52、および、リアサスペンション50のうちのユーザが操作可能な部分に設けられる。第2操作部86が操作スイッチを含む場合、操作スイッチは、押しボタン、スライド式のスイッチ、タッチ式、ジョイスティック、および、レバー式の少なくとも1つを含むことが好ましい。操作スイッチ86Bは、操作スイッチ86Bが押されている間、オン信号を出力する。制御部72は、操作スイッチ86Bから出力されるオン信号に応じて、モータ60の駆動を可能にすることが好ましい。この場合、制御部72は、操作スイッチ86Bからオン信号が出力されている間、モータ60の駆動を可能にする。
【0063】
制御部72は、第1操作部84および第2操作部86のそれぞれに操作が行われる場合に、第2操作部86への操作によるモータ60の駆動を可能にすることが好ましい。制御部72は、第2操作部86への操作に応じて、モータ60を駆動させる。制御部72は、第2モードが選択された状態で、第2操作部86への操作に応じて、モータ60を駆動することが好ましい。
【0064】
制御部72は、例えば、第1モードかつオフモードが選択されている状態において第1操作部84への操作に応じて第2モードに移行し、第2モードにおいて第2操作部86への操作に応じて、モータ60を駆動する。この場合、第1操作部84に行われる操作は、第2操作ボタン84Bを押す操作である。第2操作部86に行われる操作は、第2操作部86の荷重センサ86Aに荷重をかける操作または操作スイッチを押す操作である。制御部72は、第2操作部86への操作に応じてモータ60を駆動させる場合、第2操作部86への操作が継続され、かつ、車速Vが所定速度VX以下の場合、モータ60の駆動を継続させることが好ましい。
【0065】
図4を参照して、モータ60の制御モードを変更する処理について説明する。制御部72は、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図4に示すフローチャートのステップS11に移行する。制御部72は、図4のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS11からの処理を繰り返す。
【0066】
制御部72は、ステップS11において、第1モードか否かを判定する。制御部72は、第1モードの場合、ステップS12に移行する。制御部72は、ステップS12において、第1操作部84への操作が行われたか否かを判定する。制御部72は、例えば、第1モードかつオフモードの場合に、第1操作部84の第2操作ボタン84Bが押された場合、第1操作部84への操作が行われたと判定する。制御部72は、ステップS12において、第1操作部84への操作が行われた場合、ステップS13に移行する。制御部72は、ステップS13において、第2モードに切り替え、処理を終了する。制御部72は、ステップS12において、第1操作部84への操作が行われていない場合、処理を終了する。
【0067】
制御部72は、ステップS11において、第1モードではない場合、ステップS14に移行する。制御部72は、ステップS14において、第1モードへの変更条件成立か否かを判定する。制御部72は、例えば、第2モードの場合に、第1操作ボタン84Aが操作された場合、第1モードへの変更条件成立と判定する。制御部72は、第1モードへの変更条件が成立した場合、ステップS15に移行する。制御部72は、ステップS15において、第1モードに切り替え、処理を終了する。制御部72は、ステップS14において、第1モードへの変更条件が成立していない場合、処理を終了する。
【0068】
制御部72は、第2操作部86への操作に応じてモータ60の制御モードを変更してもよい。制御部72は、例えば、第1モードかつオフモードが選択されている状態で、第2操作部86への操作が行われた場合に、第2モードに変更する。この場合、第2操作部86への操作が行われると、第2モードに変更し、さらに第2操作部86への操作が行われた場合にモータ60を駆動するようにしてもよい。制御部72は、第2操作部86への操作が行われると、第2モードに変更し、第2操作部86への操作が継続されると、モータ60を駆動するようにしてもよい。この場合、図4のステップS12において、第2操作部86が操作された場合に、肯定判定するように変更してもよい。
【0069】
図5を参照して、第2操作部86への操作に応じてモータ60を駆動する処理について説明する。制御部72は、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図5に示すフローチャートのステップS21に移行する。制御部72は、図5のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS21からの処理を繰り返す。
【0070】
制御部72は、ステップS21において、第2モードか否かを判定する。制御部72は、第2モードではない場合、処理を終了する。制御部72は、第2モードの場合、ステップS22に移行する。制御部72は、ステップS22において、第2操作部86への操作が行われたか否かを判定する。制御部72は、例えば、第2操作部86の荷重センサ86Aが所定以上の荷重を検出した場合、または、第2操作部86の操作スイッチがオンになった場合、第2操作部86への操作が行われたと判定する。制御部72は、第2操作部86への操作が行われていない場合、処理を終了する。制御部72は、第2操作部86への操作が行われた場合、ステップS23に移行する。制御部72は、ステップS23において、モータ60を駆動し、処理を終了する。
【0071】
(第2実施形態)
図2および図6を参照して、第2実施形態の制御装置70について説明する。第2実施形態の制御装置70は、第2モードにおいてモータ60を駆動する処理が異なる点以外は、第1実施形態の制御装置70と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0072】
制御部72は、第1操作部84および第2操作部86が同時に操作された場合に、第2操作部86への操作によるモータ60の駆動を可能にする。第1操作部84および第2操作部86が同時に操作された場合は、例えば、所定時間内において第1操作部84と第2操作部86とが操作された場合を含む。制御部72は、第1操作部84の操作が継続されている状態において第2操作部86が操作されたと判定した場合、第1操作部84および第2操作部86が同時に操作されたと判定する。制御部72は、第2操作部86の操作が継続されている状態において第1操作部84が操作されたと判定した場合、第1操作部84および第2操作部86が同時に操作されたと判定する。
【0073】
制御部72は、第2モードにおいて第1操作部84への操作と第2操作部86への操作とが継続される場合、モータ60の駆動を継続してもよい。制御部72は、第2モードにおいて第1操作部84と第2操作部86とが同時に操作されてモータ60を駆動した後、第1操作部84への操作が終了した場合にも第2操作部86への操作が継続される場合にはモータ60の駆動を継続するようにしてもよい。
【0074】
第2操作部86は、人力駆動車10のうちのユーザが第1操作部84と同時に操作可能な部分に設けられることが好ましい。第1操作部84および第2操作部86は、右手および左手のそれぞれで操作可能な部分に設けられてもよい。例えば、第1操作部84がハンドルバー38に設けられ、第2操作部86がサドル20Sまたはシートポスト20に設けられる。この場合、ユーザが右手および左手のそれぞれで人力駆動車10の異なる部分を押した状態で、モータ60を駆動させられる。このため、オフロード等において、人力駆動車10を好適に押し歩きできるようになる。
【0075】
図6を参照して、第1操作部84および第2操作部86への操作に応じてモータ60を駆動する処理について説明する。制御部72は、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図6に示すフローチャートのステップS31に移行する。制御部72は、図6のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS31からの処理を繰り返す。
【0076】
制御部72は、ステップS31において、第2モードか否かを判定する。制御部72は、第2モードではない場合、処理を終了する。制御部72は、第2モードの場合、ステップS32に移行する。
【0077】
制御部72は、ステップS32において、第2操作部86への操作が行われ、かつ、第2操作部86への操作が行われたか否かを判定する。制御部72は、例えば、第1操作部84の第2操作ボタン84Bが押された場合、第1操作部84への操作が行われたと判定する。制御部72は、例えば、第2操作部86の荷重センサ86Aが所定以上の荷重を検出した場合、または、第2操作部86の操作スイッチがオンになった場合、第2操作部86への操作が行われたと判定する。第1操作部84と第2操作部86とが同時に操作されている場合、制御部72は、ステップS32において、第1操作部84への操作が行われ、かつ、第2操作部86への操作が行われたと判定できる。
【0078】
制御部72は、第1操作部84への操作が行われていない場合、第2操作部86への操作が行われていない場合、および、第1操作部84と第2操作部86とのいずれにも操作が行われていない場合、処理を終了する。
【0079】
制御部72は、第1操作部84への操作が行われ、かつ、第2操作部86への操作が行われた場合、ステップS33に移行する。制御部72は、ステップS33において、モータ60を駆動し、処理を終了する。
【0080】
(第3実施形態)
図7図9を参照して、第3実施形態の制御装置70について説明する。第3実施形態の制御装置70は、操作部82が第3操作部90を含み、第3操作部90への操作に応じてモータ60を駆動する点が異なる以外は、第1実施形態の制御装置70と同様であるので、第1実施形態と共通する構成については、第1実施形態と同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0081】
操作部82は、第1操作部84および第2操作部86とは異なる第3操作部90をさらに含む。制御部72は、第1操作部84、第2操作部86、および、第3操作部90の少なくとも1つへの操作が行われる場合に、第3操作部90への操作によるモータ60の駆動を可能にする。
【0082】
第3操作部90は、ハンドルバー38とは異なる位置に設けられることが好ましい。第2操作部86および第3操作部90の少なくとも一方は、人力駆動車10のシートポスト20、サドル20S、シートステイ92、シートチューブ40、シートステイ92のブリッジ部、トップチューブ42、ダウンチューブ44、ステム36、フロントフォーク32、フロントサスペンション52、および、リアサスペンション50の少なくとも1つに設けられることが好ましい。第2操作部86と第3操作部90とは、人力駆動車10のうちの互いに異なる部分に設けられることが好ましい。
【0083】
第2操作部86および第3操作部90の少なくとも一方は、操作スイッチを含んでもよい。第2操作部86および第3操作部90の少なくとも一方は、荷重センサを含んでもよい。第2操作部86が操作スイッチ86Bを含み、かつ、第3操作部90が操作スイッチ90Aを含んでもよく、第2操作部86が荷重センサ86Aを含み、かつ、第3操作部90が操作スイッチ90Aを含んでもよく、第2操作部86が荷重センサ86A(図2参照)を含み、かつ、第3操作部90が荷重センサを含んでもよい。第3操作部90が操作スイッチ90Aを含む場合、操作スイッチ90Aは、押しボタン、スライド式のスイッチ、タッチ式、ジョイスティック、および、レバー式の少なくとも1つを含むことが好ましい。
【0084】
操作スイッチ86Bが押されるたびに、操作スイッチ86Bから出力されるオン信号とオフ信号とが切り替わる。この場合、操作スイッチ86Bは、シートポスト20、サドル20S、シートステイ92、シートチューブ40、シートステイ92のブリッジ部、トップチューブ42、ダウンチューブ44、ステム36、フロントフォーク32、フロントサスペンション52、および、リアサスペンション50のうちのユーザが操作可能な部分に設けられる。
【0085】
操作スイッチ90Aが押されるたびに、操作スイッチ90Aから出力されるオン信号とオフ信号とが切り替わる。この場合、操作スイッチ90Aは、シートポスト20、サドル20S、シートステイ92、シートチューブ40、シートステイ92のブリッジ部、トップチューブ42、ダウンチューブ44、ステム36、フロントフォーク32、フロントサスペンション52、および、リアサスペンション50のうちのユーザが操作可能な部分に設けられる。操作スイッチ90Aは、操作スイッチ90Aが押されている間、オン信号を出力する。制御部72は操作スイッチ90Aから出力されるオン信号に応じて、モータ60の駆動を可能にすることが好ましい。この場合、制御部72は、操作スイッチ90Aからオン信号が出力されている間、モータ60の駆動を可能にする。
【0086】
第3操作部90に設けられる荷重センサは、例えば、シートポスト20、サドル20S、シートステイ92、シートチューブ40、シートステイ92のブリッジ部、トップチューブ42、ダウンチューブ44、ステム36、フロントフォーク32、フロントサスペンション52、および、リアサスペンション50のうちのユーザが接触可能な部分に設けられる。第3操作部90に設けられる荷重センサは、シートポスト20、サドル20S、シートステイ92、シートチューブ40、シートステイ92のブリッジ部、トップチューブ42、ダウンチューブ44、ステム36、フロントフォーク32、フロントサスペンション52、および、リアサスペンション50のうちの異なる部材が互いに取り付けられる部分に設けられてもよい。この場合、ユーザは、第3操作部90の荷重センサが設けられる異なる部材の一方を他方に向けて押す操作によって、荷重センサに荷重をかける。第3操作部90の荷重センサは、荷重センサに荷重がかけられている間、荷重に応じた信号を出力することが好ましい。制御部72は、第3操作部90の荷重センサから出力される信号に応じて、モータ60の駆動を可能にすることが好ましい。この場合、制御部72は、第3操作部90の荷重センサから入力される信号が所定の荷重以上の荷重がかけられている場合の信号と対応している間、モータ60の駆動を可能にする。
【0087】
制御部72は、第2操作部86および第3操作部90が同時に操作された場合に、第3操作部90への操作によるモータ60の駆動を可能にする。第2操作部86および第3操作部90が同時に操作された場合は、例えば、所定時間内において第2操作部86と第3操作部90とが操作された場合を含む。制御部72は、第2操作部86への操作が継続されている状態において第3操作部90への操作が行われたと判定した場合、第2操作部86および第3操作部90が同時に操作されたと判定する。制御部72は、第3操作部90への操作が継続されている状態において第2操作部86が操作されたと判定した場合、第2操作部86および第3操作部90が同時に操作されたと判定する。制御部72は、第3操作部90への操作に応じて、モータ60を駆動させる。
【0088】
制御部72は、例えば、第1モードかつオフモードにおいて、第2操作部86の操作スイッチ86Bと第3操作部90の操作スイッチ90Aが同時に押された場合、第2モードに移行する。制御部72は、第2モードにおいて、第3操作部90への操作が行われた場合、かつ、車速Vが所定車速VX以下の場合、モータ60を駆動させる。
【0089】
制御部72は、第2モードにおいて、第2操作部86の操作スイッチ86Bが押された場合、かつ、車速Vが所定車速VX以下の場合、モータ60を駆動させてもよい。制御部72は、第2モードにおいて、第2操作部86の操作スイッチ86Bと第3操作部90の操作スイッチ90Aとが同時に押された場合、かつ、車速Vが所定車速VX以下の場合、モータ60を駆動させてもよい。
【0090】
制御部72は、第2モードかつ第2操作部86の操作スイッチ86Bへの操作に応じてモータ60を駆動させている状態において、第2操作部86の操作スイッチ86Bへの操作と、第3操作部90の操作スイッチ90Aへの操作とが同時に行われる場合、第3操作部90の操作スイッチ90Aへの操作に応じてモータ60を駆動可能にすることが好ましい。
【0091】
図8を参照して、モータ60の制御モードを変更する処理について説明する。制御部72は、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図8に示すフローチャートのステップS41に移行する。制御部72は、図8のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS41からの処理を繰り返す。
【0092】
制御部72は、ステップS41において、第1モードか否かを判定する。制御部72は、第1モードの場合、ステップS42に移行する。制御部72は、ステップS42において、第1操作部84、第2操作部86、および、第3操作部90の少なくとも1つへの操作が行われたか否かを判定する。制御部72は、例えば、第1モードかつオフモードの場合に、第1操作部84の第2操作ボタン84Bが押された場合、第1操作部84への操作が行われたと判定する。制御部72は、例えば、第1モードかつオフモードの場合に、第2操作部86の操作スイッチ86Bが押されるか第2操作部86の荷重センサ86Aが所定以上の荷重を検出した場合、第2操作部86への操作が行われたと判定する。制御部72は、例えば、第1モードかつオフモードの場合に、第3操作部90の操作スイッチ90Aが押されるか第3操作部90の荷重センサが所定以上の荷重を検出した場合、第3操作部90への操作が行われたと判定する。
【0093】
制御部72は、ステップS42において、肯定判定の場合、ステップS43に移行する。制御部72は、ステップS42において、否定判定の場合、処理を終了する。制御部72は、第1操作部84への操作が行われた場合、ステップS43に移行し、第2操作部86および第3操作部90への操作に関わらず第1操作部84への操作が行われていない場合、処理を終了するにするようにしてもよい。制御部72は、第2操作部86への操作が行われた場合、ステップS43に移行し、第1操作部84および第3操作部90への操作に関わらず第2操作部86への操作が行われていない場合、処理を終了するようにしてもよい。制御部72は、第3操作部90への操作が行われた場合、ステップS43に移行し、第1操作部84および第2操作部86への操作に関わらず第3操作部90への操作が行われていない場合、処理を終了するようにしてもよい。制御部72は、第1操作部84、第2操作部86、および、第3操作部90のうちの所定の組み合わせの全ての操作部84,86,90への操作が行われた場合のみ、ステップS43に移行するようにしてもよい。制御部72は、ステップS43において、第2モードに切り替え、処理を終了する。
【0094】
制御部72は、ステップS41において、第1モードではない場合、ステップS44に移行する。制御部72は、ステップS44において、第1モードへの変更条件成立か否かを判定する。制御部72は、例えば、第2モードの場合に、第1操作ボタン84Aが操作された場合、第1モードへの変更条件成立と判定する。制御部72は、第1モードへの変更条件が成立した場合、ステップS45に移行する。制御部72は、ステップS45において、第1モードに切り替え、処理を終了する。制御部72は、ステップS44において、第1モードへの変更条件が成立していない場合、処理を終了する。
【0095】
図9を参照して、第2操作部86および第3操作部90への操作に応じてモータ60を駆動する処理について説明する。制御部72は、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図9に示すフローチャートのステップS51に移行する。制御部72は、図9のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS51からの処理を繰り返す。
【0096】
制御部72は、ステップS51において、第2モードか否かを判定する。制御部72は、第2モードではない場合、処理を終了する。制御部72は、第2モードの場合、ステップS52に移行する。
【0097】
制御部72は、ステップS52において、第2操作部86への操作が行われ、かつ、第3操作部90への操作が行われたか否かを判定する。制御部72は、例えば、第2操作部86の荷重センサ86Aが所定以上の荷重を検出した場合、または、第2操作部86の操作スイッチ86Bがオンになった場合、第2操作部86への操作が行われたと判定する。制御部72は、例えば、第3操作部90の荷重センサが所定以上の荷重を検出した場合、または、第3操作部90の操作スイッチ90Aがオンになった場合、第3操作部90への操作が行われたと判定する。制御部72は、第2操作部86への操作が行われていない場合、第3操作部90への操作が行われていない場合、および、第2操作部86と第3操作部90のいずれにも操作が行われていない場合、処理を終了する。第2操作部86と第3操作部90とが同時に操作されている場合、制御部72は、ステップS52において、第2操作部86への操作が行われ、かつ、第3操作部90への操作が行われたと判定できる。
【0098】
制御部72は、第1操作部84への操作が行われ、かつ、第2操作部86への操作が行われた場合、ステップS53に移行する。制御部72は、ステップS53において、モータ60を駆動し、処理を終了する。
【0099】
(変形例)
実施形態に関する説明は、本発明に従う人力駆動車用制御装置が取り得る形態の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に従う人力駆動車用制御装置は、例えば以下に示される実施形態の変形例、および、相互に矛盾しない少なくとも2つの変形例が組み合わせられた形態を取り得る。以下の変形例において、実施形態の形態と共通する部分については、実施形態と同一の符号を付してその説明を省略する。
【0100】
・制御装置70は、少なくとも1つの操作部82への操作に応じて人力駆動車10に推進力を付加するためのモータ60を制御する制御部72を含み、少なくとも1つの操作部82は、少なくとも第1操作部84と第2操作部86とを含み、第1操作部84は、人力駆動車10のハンドルバー38に設けられ、第2操作部86は、ハンドルバー38とは異なる位置に設けられ、制御部72は、第2操作部86が2回以上操作された場合に、第2操作部86への操作によるモータ60の駆動を可能にするようにしてもよい。具体的には、図4のステップS12の処理を図10のステップS61の処理に置き換える。制御部72は、ステップS11において、肯定判定の場合、ステップS61に移行する。制御部72は、ステップS61において、第2操作部86が2回以上操作された場合、ステップS13に移行する。制御部72は、第2操作部86が2回以上操作されていない場合、処理を終了する。制御部72は、第1モードから第2モードへの切り替えを行わず、第2操作部86が2回以上操作された場合に、第2操作部86への操作に応じてモータ60を駆動するようにしてもよい。この場合、例えば、制御部72は、第2操作部86の2回目の操作時に、モータ60の駆動を開始してもよい。
【0101】
制御部72は、ステップS61において、第2操作部86が1回操作されると、第1モードから第2モードに切り替え、第2操作部86がさらにもう1回操作されると、モータ60の駆動を可能にするようにしてもよい。
【0102】
・制御装置70は、少なくとも1つの操作部82への操作に応じて人力駆動車10に推進力を付加するためのモータ60を制御する制御部72を含み、少なくとも1つの操作部82は少なくとも第1操作部84と第2操作部86とを含み、第1操作部84は、人力駆動車10のハンドルバー38に設けられ、第2操作部86は、ハンドルバー38とは異なる位置に設けられ、制御部72は、第2操作部86が所定時間以上にわたり継続して操作された場合に、第2操作部86への操作によるモータ60の駆動を開始し、かつ、第2操作部86への操作が所定時間未満にわたり継続して操作された場合、第2操作部86への操作に応じてモータ60の駆動を開始しないようにしてもよい。具体的には、図4のステップS12の処理を図11のステップS71の処理に置き換える。制御部72は、ステップS11において、肯定判定の場合、ステップS71に移行する。制御部72は、ステップS71において、第2操作部86が所定時間以上にわたり操作された場合、ステップS13に移行する。制御部72は、第2操作部86が所定時間以上にわたり操作されていない場合、処理を終了する。制御部72は、第1モードから第2モードへの切り替えを行わず、第2操作部86が所定時間以上にわたり操作された場合に、第2操作部86への操作に応じてモータ60を駆動するようにしてもよい。この場合、例えば、制御部72は、第2操作部86への操作が所定時間以上になると、モータ60の駆動を開始してもよい。
【0103】
・制御部72は、図4の処理、図8の処理、図10の処理、および、図11の処理のうちの2つ以上を実行してもよい。この場合、例えば、図4のステップS12において、図4のステップS12の処理、図8のステップS42の処理、図10のステップS61の処理、および、図11のステップS71の処理のいずれかが肯定判定の場合、ステップS13に移行する。
【0104】
・制御部72は、第1モードから第2モードに移行するための操作が操作部82に行われた場合、操作部82への操作が継続される限り、かつ、車速Vが所定速度VX以下の場合、モータ60を駆動するようにしてもよい。例えば、制御部72は、第1モードのオフモードにおいて第1操作部84の第1操作ボタン84Aが押されると、第2モードに移行し、かつ、モータ60の駆動を開始する。制御部72は、車速Vが所定速度VX以下である限り、第1操作部84が押されなくなるまでモータ60の駆動を継続する。
【0105】
・制御部72は、第1モードにおいて、第1操作部84および第2操作部86が同時に操作された場合に、第2モードに移行するようにしてもよい。第3実施形態において、制御部72は、第1モードにおいて、第1操作部84および第3操作部90が同時に操作された場合に、第2モードに移行するようにしてもよい。第3実施形態において、制御部72は、第1モードにおいて、第2操作部86および第3操作部90が同時に操作された場合に、第2モードに移行するようにしてもよい。
【0106】
・制御部72は、第2モードにおいて、操作部82への操作によらずに第1モードに変更するようにしてもよい。例えば、制御部72は、操作部82への操作によるモータ60駆動が行われない期間が所定期間以上になった場合、走行距離が所定距離以上になった場合、クランク14に人力駆動力Hが入力された場合、クランク14の回転速度Nが所定速度NX以上になった場合、車速Vが所定速度VX以上になった場合、ブレーキが操作された場合、および、人力駆動車10のロール角度が所定角度以上になった場合のいずれか1つの場合、第2モードから第1モードに移行するようにしてもよい。具体的には、制御部72は、図4図10図11のステップS14および図8のステップS44において、第1操作ボタン84Aの操作が行われた場合に代えてまたは加えて、操作部82への操作によるモータ60駆動が行われない期間が所定期間以上になった場合、走行距離が所定距離以上になった場合、クランク14に人力駆動力Hが入力された場合、クランク14の回転速度Nが所定速度NX以上になった場合、車速Vが所定速度VX以上になった場合、ブレーキが操作された場合、および、人力駆動車10のロール角度が所定角度以上になった場合のいずれか1つの場合、第1モードへの変更条件成立と判定する。
【0107】
・制御部72は、操作部82の操作に応じてモータ60を駆動している場合、車速V以外の条件に応じてモータ60を停止してもよい。例えば、モータ60を駆動開始してからの走行距離が所定距離以上になった場合、クランク14に人力駆動力Hが入力された場合、クランク14の回転速度Nが所定速度NX以上になった場合、ブレーキが操作された場合、および、人力駆動車10のロール角度が所定角度以上になった場合のいずれか1つの場合、モータ60の駆動を停止する。
【0108】
・人力駆動車10は、図12に示す荷台96を含んでいてもよい。この場合、第2操作部86は、荷台96に設けられてもよい。この場合、第3操作部90は、荷台96に設けられてもよい。
【0109】
・第3実施形態において、第3操作部90をハンドルバー38に設けてもよい。この場合、例えば、第1操作部84を右側のおよび左側の一方のハンドルバー38に設け、第3操作部90を右側および左側の他方のハンドルバー38に設けてもよい。
【0110】
・第1操作部84、第2操作部86、および、第3操作部90の少なくとも1つは、第2モードにおいてモータ60を駆動する場合のモータ駆動力を調整可能に構成されてもよい。
【0111】
・制御部72は、図13に示すように操作部82への操作に応じてモータ60を駆動してもよい。制御部72は、第1操作部84への操作と第2操作部86のへの操作とに応じてモータ60の駆動が開始された後、第1操作部84および第2操作部86のいずれかへの操作が継続される間、モータ60の駆動を継続する。この場合、制御部72は、第1モードから第2モードへの切り替えを行わないようにしてもよい。図13を参照して、操作部82への操作に応じてモータ60を駆動する処理について説明する。図13の処理では、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図13に示すフローチャートのステップS81に移行する。制御部72は、図13のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS81からの処理を繰り返す。
制御部72は、ステップS81において、第1操作部84への操作が行われたか否かを判定する。制御部72は、第1操作部84への操作が行われていない場合、処理を終了する。制御部72は、第1操作部84への操作が行われた場合、ステップS82に移行する。制御部72は、ステップS82においてモータ60を駆動し、ステップS83に移行する。制御部72は、ステップS83において、第1操作部84が操作中か否かを判定する。制御部72は、第1操作部84が操作中ではない場合、処理を終了する。制御部72は、第1操作部84が操作中の場合、ステップS84に移行する。例えば、制御部72は、第1操作部84の第2操作ボタン84BがステップS81において押され始めてから押され続けられている場合、ステップS84に移行する。制御部72は、ステップS84において第2操作部86への操作が行われたか否かを判定する。制御部72は、第2操作部86への操作が行われていない場合、ステップS83に戻る。制御部72は、第2操作部86への操作が行われた場合、ステップS85に移行する。制御部72は、ステップS85において、第1操作部84への操作が終了したか否かを判定する。制御部72は、第1操作部84への操作が終了するまでステップS85の処理を繰り返す。制御部72は、第1操作部84の処理が終了した場合、ステップS86に移行する。制御部72は、ステップS86において、第2操作部86への操作が終了したか否かを判定する。制御部72は、第2操作部86への操作が終了するまでステップS86の処理を繰り返す。制御部72は、第2操作部86への操作が終了した場合、ステップS87に移行する。制御部72は、ステップS87において、モータ60を停止し、処理を終了する。
【0112】
・制御部72は、図14に示すように操作部82への操作に応じてモータ60を駆動してもよい。制御部72は、第1操作部84への操作に応じてモータ60の駆動が開始された後、第1操作部84への操作が継続される間、第2操作部86への操作に応じてモータ60を駆動する。この場合、制御部72は、第1モードから第2モードへの切り替えを行わないようにしてもよい。図14を参照して、操作部82への操作に応じてモータ60を駆動する処理について説明する。図14の処理では、制御部72に電力が供給されると、処理を開始して図14に示すフローチャートのステップS91に移行する。制御部72は、図14のフローチャートが終了すると、電力の供給が停止されるまでは、所定周期後にステップS91からの処理を繰り返す。
制御部72は、ステップS91において、第1操作部84への操作が行われたか否かを判定する。制御部72は、第1操作部84への操作が行われていない場合、処理を終了する。制御部72は、第1操作部84への操作が行われた場合、ステップS92に移行する。制御部72は、ステップS92において、モータ60を駆動し、ステップS93に移行する。制御部72は、ステップS93において、第1操作部84が操作中か否かを判定する。制御部72は、第1操作部84が操作中の場合、ステップS94に移行する。例えば、制御部72は、第1操作部84の第2操作ボタン84BがステップS91において押されて始めてから押され続けられている場合、ステップS94に移行する。制御部72は、ステップS94において、第2操作部86への操作に応じてモータ60を駆動し、ステップS95に移行する。制御部72は、ステップS94以降において、第2操作部86が操作されると、モータ60を駆動する。制御部72は、ステップS95において、モータ60の停止条件が成立しているか否かを判定する。制御部72は、例えば、第1操作部84および第2操作部86のいずれも操作されていない状態が所定時間以上経過している場合、モータ60の停止条件が成立していると判定する。制御部72は、モータ60の停止条件が成立していない場合、ステップS94に移行する。制御部72は、モータ60の停止条件が成立している場合、ステップS96に移行する。制御部72は、ステップS96において、モータ60を停止し、処理を終了する。制御部72は、ステップS93において、第1操作部84が操作中ではない場合、ステップS96に移行する。
【0113】
図14の処理において、制御部72は、ステップS95において、第2操作部86が操作されていない状態が所定時間以上経過している場合、モータ60の停止条件が成立していると判定してもよい。この場合、ステップS93において肯定判定した後は、第1操作部84への操作が行われてもモータ60を駆動しないようにしてもよい。
【0114】
・第3実施形態において、第1操作部84、第2操作部86、および、第3操作部90の少なくとも1つの操作に応じてモータ60の駆動を可能にし、かつ、第1操作部84、第2操作部86、および、第3操作部90の少なくとも1つの操作に応じてモータ60を駆動した後に第1操作部84、第2操作部86、および、第3操作部90第3操作部90の少なくとも1つが操作された場合、モータ60を駆動するようにしてもよい。この場合、制御部72は、第1操作部84、第2操作部86、および、第3操作部90の少なくとも1つへの操作が行われる限り、モータ60を駆動させることが好ましい。
【0115】
・第3実施形態において、第2モードにおいて、第1操作部84、第2操作部86、および、第3操作部90のうちの少なくとも2つが同時に操作される場合、モータ60を駆動させるようにしてもよい。この場合、例えば、同時に操作された2つの操作部84,86,90のうちの1つへの操作が継続される場合、モータ60を駆動させるようにしてもよい。
【0116】
・第2実施形態において、制御部72は、制御モードから第2モードを省略し、第1モードから第2モードへの切り替えを行わないようにしてもよい。この場合、制御部72は、例えば、第1操作部84の第2操作ボタン84Bと第2操作部86の操作スイッチ86Bとが同時に押された場合、かつ、車速Vが所定車速VX以下の場合、モータ60を駆動させる。
【0117】
・第3実施形態において、制御部72は、制御モードから第2モードを省略し、第1モードから第2モードへの切り替えを行わないようにしてもよい。この場合、制御部72は、例えば、第2操作部86の操作スイッチ86Bと第3操作部90の操作スイッチ90Aが同時に押された場合、かつ、車速Vが所定車速VX以下の場合、モータ60を駆動させる。
【0118】
図15に示されるように、第1操作部84は、第1モードから第2モードに切り替えるための第3操作ボタン84Cを含んでもよい。第3操作ボタン84Cは、第1操作ボタン84Aおよび第2操作ボタン84Bとは各別に構成される。この場合、制御部72は、第3操作ボタン84Cが操作され、かつ、第1モードがオフモードの場合に第2モードに切り替える。
【0119】
・第1操作部84が図15に示される第3操作ボタン84Cを含む場合、制御部72は、第3操作ボタン84Cが操作され、かつ、搭乗者が人力駆動車に搭乗していない状態で第2モードに切り替えるようにしてもよい。
【0120】
・制御部72は、第1操作部84が操作されている間に第2操作部86が操作されると第2操作部86への操作に応じて第2モードにおいてモータ60を駆動するようにしてもよい。例えば、制御部72は、図15に示される第3操作ボタン84Cが操作されている間に第2操作部86が操作されると第2操作部86への操作に応じて第2モードにおいてモータ60を駆動するようにしてもよい。この場合、制御部72は、第1モードのオフモードの場合、第1操作部84が操作されると、第1モードから第2モードへの切替と第2モードにおけるモータ60の駆動を、第1操作部84への1回の操作に応じて行うことが好ましい。
【0121】
・制御部72は、第1操作部84が操作されてから所定時間、または、所定期間経過するまでに第2操作部86が操作されると、第2操作部86への操作に応じて第2モードにおいてモータ60を駆動するようにしてもよい。例えば、制御部72は、図15に示される第3操作ボタン84Cが操作されてから所定時間が経過するまで、または、所定期間が経過するまでに第2操作部86が操作されると、第2操作部86への操作に応じて第2モードにおいてモータ60を駆動するようにしてもよい。所定期間は、例えば、車輪の回転量が所定の量に達するまで、または、走行距離が処理の距離に達するまでの期間である。この場合、制御部72は、第1モードのオフモードの場合、第1操作部84が操作されると、第1モードから第2モードへの切り替えと第2モードにおけるモータ60の駆動とを、第1操作部84への1回の操作に応じて行う。第2モードにおけるモータ60の駆動指令は、第1操作部84への操作によるオン信号が途切れることによって途切れるため、モータ60の出力が低下する。制御部72は、第1操作部84への操作が途切れてから所定時間が経過するまで、または、所定期間が経過するまでに第2操作部86への操作が入力されると、第2操作部86への操作に応じて第2モードにおいてモータ60を駆動する。第2操作部86への操作に応じてモータ60を駆動させる条件は、第1操作部84が操作されている間に第2操作部86が操作される場合、第1操作部84が操作されてから所定時間内に第2操作部86が操作される場合、または、第1操作部84が操作されてから所定期間内に第2操作部86が操作される場合を含む。制御部72は、第1操作部84が操作されてから所定時間、または、所定期間経過するまでに第2操作部86が操作されない場合、第2操作部86への操作に応じてモータ60を駆動することを禁止してもよい。
【0122】
・第1操作部84は、動作モードを変更するための操作部とは各別に設けられてもよい。この場合、制御部72は、第1モードにおいて第1操作部84が操作されると、1回の操作で第2モードに切り替え、かつ、モータ60を駆動させるようにしてもよい。この場合、制御部72は、第1モードにおいてオフモード以外の動作モードが選択されている場合であっても、第1モードにおいて第1操作部84が操作されると、1回の操作で第2モードに切り替え、かつ、モータ60を駆動させるようにしてもよい。
【0123】
・制御部72は、第1モードにおいて、第2操作ボタン84Bが押された場合、かつ、現在の動作モードが最小動作モードの場合、最小動作モードを維持するようにしてもよい。この場合、動作モードからオフモードを省略してもよい。この場合、制御部72は、第2操作ボタン84Bとは各別の操作部への操作に応じて第1モードから第2モードに変更することが好ましい。
【符号の説明】
【0124】
10…人力駆動車、14B…クランクアーム、20…シートポスト、20S…サドル、32…フロントフォーク、36…ステム、38…ハンドルバー、40…シートチューブ、42…トップチューブ、44…ダウンチューブ、50…リアサスペンション、52…フロントサスペンション、60…モータ、70…人力駆動車用制御装置、72…制御部、82…操作部、84…第1操作部、86…第2操作部、86A…荷重センサ、86B…操作スイッチ、90…第3操作部、90A…操作スイッチ、92…シートステイ。
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