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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置および情報処理方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 20/30 20180101AFI20221212BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20221212BHJP
【FI】
G16H20/30
G06Q30/02 470
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018219622
(22)【出願日】2018-11-22
(65)【公開番号】P2020086864
(43)【公開日】2020-06-04
【審査請求日】2021-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000109543
【氏名又は名称】テルモ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100186015
【弁理士】
【氏名又は名称】小松 靖之
(74)【代理人】
【識別番号】100163511
【弁理士】
【氏名又は名称】辻 啓太
(72)【発明者】
【氏名】吉野 敬亮
(72)【発明者】
【氏名】牧 伸
(72)【発明者】
【氏名】滝浪 雅夫
(72)【発明者】
【氏名】久保田 健一
【審査官】森田 充功
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-094304(JP,A)
【文献】特開2018-156639(JP,A)
【文献】特開2018-049336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00 - 80/00
G06Q 30/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報収受者の下肢の状態に関連する問診に対する前記情報収受者の回答である問診データが入力される入力装置から、前記情報収受者の下肢の状態に関するデータを取得する取得部と、
前記取得部により取得されたデータに基づき、前記情報収受者の下肢の状態に関連する前記情報収受者の疾患または症状に関する情報である属性を判定する属性判定部と、
前記属性判定部により判定された属性に応じて、前記情報収受者に推奨する事項を示す推奨情報を生成する推奨情報生成部と、を備え
前記情報収受者の下肢の状態に関するデータが、左右の下肢のバランス度及び/又は歩行時の下肢の関節の動きであ情報処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の情報処理装置において、
前記推奨情報は、前記情報収受者に推奨する行動、車両および履物の少なくともいずれかに関する情報を含む、情報処理装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の情報処理装置において、
情報収受者ごとに、前記データに基づき得られた前記情報収受者の属性および前記情報収受者に対する推奨情報を記憶する第1の記憶部と、
情報収受者の最新の前記データに基づき得られた前記情報収受者の前記属性および前記情報収受者に対する前記推奨情報と、前記第1の記憶部に記憶されている、前記情報収受者の過去の前記データに基づき得られた前記情報収受者の前記属性および前記情報収受者に対する前記推奨情報とを比較し、該比較の結果を出力する比較部と、をさらに備える情報処理装置。
【請求項4】
請求項1または2に記載の情報処理装置において、
情報収受者ごとに、前記データに基づき得られた前記情報収受者の属性および前記情報収受者に対する前記推奨情報を記憶する第1の記憶部と、
情報収受者への所定の通知を行うタイミングを記憶する第2の記憶部と、
前記第2の記憶部により記憶されているタイミングにおいて、前記情報収受者に対して、前記所定の通知を行うとともに、前記第1の記憶部に記憶されている前記情報収受者の前記属性の通知を行う通知部と、をさらに備える情報処理装置。
【請求項5】
請求項1または2に記載の情報処理装置において、
情報収受者ごとに、前記データに基づき得られた前記情報収受者の属性および前記情報収受者に対する前記推奨情報を記憶する第1の記憶部と、
前記属性および前記推奨情報が最後に前記第1の記憶部に記憶されてから所定期間以上経過し、かつ、前記属性が疾患に至る可能性がある未病である情報収受者を前記第1の記憶部から抽出する抽出部と、
前記抽出部により抽出された情報収受者に対して、前記第1の記憶部に記憶されている前記情報収受者の前記属性の通知を行う通知部と、をさらに備える情報処理装置。
【請求項6】
請求項4または5に記載の情報処理装置において、
前記通知部は、前記情報収受者が訪問予定の場所および前記場所を訪問する日時に関する情報を取得し、前記情報収受者の前記属性に応じたサービスであり、かつ、前記情報収受者が訪問予定の場所の近隣のサービス提供者により提供され、前記情報収受者が前記場所を訪問する日時に提供可能なサービスを特定し、前記情報収受者に対して、前記特定したサービスの通知を行う、情報処理装置。
【請求項7】
請求項6に記載の情報処理装置において、
サービスの手配を要求する手配要求を受け付ける手配要求受信部と、
前記手配要求受信部が受け付けた手配要求により手配を要求されたサービスの手配を行うサービス手配部と、をさらに備える情報処理装置。
【請求項8】
情報処理装置において実行される情報処理方法であって、
情報収受者の下肢の状態に関連する問診に対する前記情報収受者の回答である問診データが入力される入力装置から、前記情報収受者の下肢の状態に関するデータを取得するステップと、
前記取得されたデータに基づき、前記情報収受者の下肢の状態に関連する前記情報収受者の疾患または症状に関する情報である属性を判定するステップと、
前記判定された属性に基づき、前記情報収受者に推奨する事項を示す推奨情報を生成するステップと、を含み、
前記情報収受者の下肢の状態に関するデータが、左右の下肢のバランス度及び/又は歩行時の下肢の関節の動きである、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、情報処理装置および情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、透析患者は、動脈硬化などに起因して、下肢末梢部の壊疽などの足病変を起こす可能性があることが記載されている。このような足病変は、下肢切断などの重症化を招いてしまうおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-043003号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したような足病変の予兆の検知、足病変の発見、足病変の治療あるいは足病変の重症化の予防などのためには、情報収受者の下肢の状態に応じた医療情報、サービス・商品などの情報を提供することが有効である。しかしながら、現状では、このような情報を提供するための手法については十分な検討がなされていない。
【0005】
上記のような問題点に鑑みてなされた本開示の目的は、情報収受者の下肢の状態に応じた情報を提供することができる情報処理装置および情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の第1の態様としての情報処理装置は、情報収受者の下肢の状態に関するデータを取得する取得部と、前記取得部により取得されたデータに基づき、前記情報収受者の下肢の状態に関連する前記情報収受者の疾患または症状に関する情報である属性を判定する属性判定部と、前記属性判定部により判定された属性に応じて、前記情報収受者に推奨する事項を示す推奨情報を生成する推奨情報生成部と、を備える。
【0007】
本開示の1つの実施形態として、前記推奨情報は、前記情報収受者に推奨する行動、車両および履物の少なくともいずれかに関する情報を含む。
【0008】
本開示の1つの実施形態として、前記情報処理装置は、情報収受者ごとに、前記データに基づき得られた前記情報収受者の属性および前記情報収受者に対する推奨情報を記憶する第1の記憶部と、情報収受者の最新のデータに基づき得られた前記情報収受者の属性および前記情報収受者に対する推奨情報と、前記第1の記憶部に記憶されている、前記情報収受者の過去のデータに基づき得られた前記情報収受者の属性および前記情報収受者に対する推奨情報とを比較し、該比較の結果を出力する比較部と、をさらに備える。
【0009】
本開示の1つの実施形態として、前記情報処理装置は、情報収受者ごとに、前記データに基づき得られた前記情報収受者の属性および前記情報収受者に対する推奨情報を記憶する第1の記憶部と、情報収受者への所定の通知を行うタイミングを記憶する第2の記憶部と、前記第2の記憶部により記憶されているタイミングにおいて、前記情報収受者に対して、前記所定の通知を行うとともに、前記第1の記憶部に記憶されている前記情報収受者の属性の通知を行う通知部と、をさらに備える。
【0010】
本開示の1つの実施形態として、前記情報処理装置は、情報収受者ごとに、前記データに基づき得られた前記情報収受者の属性および前記情報収受者に対する推奨情報を記憶する第1の記憶部と、前記属性および前記推奨情報が最後に前記第1の記憶部に記憶されてから所定期間以上経過し、かつ、前記属性が疾患に至る可能性がある未病である情報収受者を前記第1の記憶部から抽出する抽出部と、前記抽出部により抽出された情報収受者に対して、前記第1の記憶部に記憶されている前記情報収受者の属性の通知を行う通知部と、をさらに備える。
【0011】
本開示の1つの実施形態として、前記通知部は、前記情報収受者が訪問予定の場所および前記場所を訪問する日時に関する情報を取得し、前記情報収受者の属性に応じたサービスであり、かつ、前記情報収受者が訪問予定の場所の近隣のサービス提供者により提供され、前記情報収受者が前記場所を訪問する日時に提供可能なサービスを特定し、前記情報収受者に対して、前記特定したサービスの通知を行う。
【0012】
本開示の1つの実施形態として、前記情報処理装置は、サービスの手配を要求する手配要求を受け付ける手配要求受信部と、前記手配要求受信部が受け付けた手配要求により手配を要求されたサービスの手配を行うサービス手配部と、をさらに備える。
【0013】
本開示の第2の態様としての情報処理方法は、情報処理装置において実行される情報処理方法であって、情報収受者の下肢の状態に関するデータを取得するステップと、前記取得されたデータに基づき、前記情報収受者の下肢の状態に関連する前記情報収受者の疾患または症状に関する情報である属性を判定するステップと、前記判定された属性に基づき、前記情報収受者に推奨する事項を示す推奨情報を生成するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0014】
本開示に係る情報処理装置および情報処理方法によれば、情報収受者の下肢の状態に応じた情報を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の第1の実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成例を示す図である。
図2図1に示す情報処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
図3図1に示す情報処理システムの配置レイアウトの一例を示す図である。
図4】本開示の第2の実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成例を示す図である。
図5】本開示の第3の実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成例を示す図である。
図6】本開示の第4の実施形態に係る情報処理装置を含む情報処理システムの構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本開示を実施するための形態について、図面を参照しながら説明する。各図中、同一符号は、同一または同等の構成要素を示している。
【0017】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置10を含む情報処理システム1の構成例を示す図である。
【0018】
図1に示す情報処理システム1は、情報処理装置10と、測定装置21と、入力装置22と、出力装置23とを備える。測定装置21、入力装置22および出力装置23は、例えば、車の販売店のような、情報収受者が来訪する店舗などに設置される。情報処理装置10は、例えば、測定装置21、入力装置22および出力装置23と同じ店舗に設置される。また、情報処理装置10は、ネットワーク上のサーバ装置であってもよい。この場合、情報処理装置10は、測定装置21、入力装置22および出力装置23とネットワークを介して通信を行う。
【0019】
測定装置21は、情報収受者の下肢の状態に関する種々の測定を行い、測定データを情報処理装置10に出力する。一般に、下肢に不具合が生じる要素としては、皮膚、神経、骨格および血流などがある。測定装置21は、これらの要素に関連する測定を行う。例えば、測定装置21は、左右の下肢のバランス度、歩行時の下肢の関節の動き、下肢の筋力、温度、骨密度、皮膚の状態、活動量、血流、爪の状態などを測定する。なお、図1においては、測定装置21を1つだけ示しているが、測定項目に応じて、複数の測定装置21が設けられる。この場合、複数の測定装置21はそれぞれ、測定データを情報処理装置10に出力する。
【0020】
入力装置22は、情報収受者の下肢の状態に関連する問診に対する情報収受者の回答である問診データが入力され、入力された問診データを情報処理装置10に出力する。
【0021】
情報処理装置10は、測定装置21から出力された測定データおよび入力装置22から出力された問診データに基づき、情報収受者の属性を推定し、推定した属性に応じて、情報収受者に推奨する事項を示す推奨情報を生成する。属性とは、情報収受者の下肢の状態に関連する情報収受者の疾患または症状に関する情報であり、情報収受者の下肢の状態から判定される、情報収受者が罹患している疾患、罹患する可能性が高い疾患あるいは情報収受者に生じる可能性が高い症状などを示す情報である。属性の具体例としては、例えば、めまい、骨格変形、皮膚炎、潰瘍、神経障害、下肢虚血などがあるが、これらに限られるものではない。情報処理装置10は、生成した推奨情報を出力装置23に出力する。
【0022】
出力装置23は、例えば、表示装置であり、情報処理装置10から出力された推奨情報を表示するなどして出力する。出力装置23の出力は、例えば、情報収受者、あるいは、情報収受者に対する運動療法などを行う理学療法士などに提示される。
【0023】
次に、情報処理装置10の構成について説明する。なお、測定装置21は、例えば、フォースプレートなどの種々の測定装置である。入力装置22は、例えば、パーソナルコンピュータ、タブレット端末などである。また、出力装置23は、例えば、表示装置である。これらの構成は当業者によく知られているため、説明を省略する。
【0024】
図1に示す情報処理装置10は、取得部11と、属性判定部12と、推奨情報生成部13とを備える。取得部11、属性判定部12および推奨情報生成部13は、1つ以上のプロセッサにより構成することができる。「プロセッサ」は、汎用のプロセッサ、特定の処理に特化した専用のプロセッサなどであるが、これらに限られない。
【0025】
取得部11は、情報収受者の下肢の状態に関するデータを取得する。具体的には、取得部11は、測定装置21から出力された測定データを取得する。また、取得部11は、入力装置22から出力された問診データを取得する。なお、取得部11は、測定データおよび問診データのいずれか一方だけを取得してもよい。取得部11は、取得したデータを属性判定部12に出力する。
【0026】
属性判定部12は、取得部11から出力されたデータ(情報収受者の下肢の状態に関するデータ)に基づき、その情報収受者の属性を判定する。属性判定部12による属性の判定の詳細については後述する。
【0027】
推奨情報生成部13は、属性判定部12により判定された情報収受者の属性に応じて、その情報収受者に推奨する事項を示す推奨情報を生成する。推奨情報生成部13による推奨情報の生成の詳細については後述する。
【0028】
次に、属性判定部12による属性の判定について、具体例を挙げて説明する。
【0029】
例えば、属性判定部12は、情報収受者の起立時の左右の下肢による圧力を測定した測定データから、情報収受者の左右の下肢のバランス度を判定する。そして、属性判定部12は、左右の下肢のバランス度が低い(左右の下肢のバランスが悪い)情報収受者について、例えば、その情報収受者の歩行時の左右の下肢の股関節、膝関節、足関節などの骨格点の動きの測定データを用いて姿勢解析を行う。具体的には、属性判定部12は、左右の下肢の同じ骨格点ごとに動きを比較し、左右の下肢で動きの差が大きい骨格点を特定する。左右の下肢で動きの差が大きい骨格点は、血流の停滞、神経系の障害などが起こっている可能性が高い部位である。したがって、属性判定部12は、左右の下肢で動きの差が大きい骨格点に相当する部位、もしくは各骨格点の動きの差情報を分析することにより得られる差情報の極大点をバランス度の低下の要因である責任部位として特定し、その責任部位において、血流の停滞あるいは神経系の障害が行っている、あるいはその予兆があるなどと判定することができる。なお、属性判定部12は、例えば、人工知能(AI:Artificial Intelligence)を用いて骨格点を特定し、その動きを分析したりすることにより上述したような姿勢分析を行うことができる。
【0030】
また、属性判定部12は、上述した責任部位は、血流の停滞、すなわち、循環系の障害に起因するものであるか、神経系の障害に起因するものであるかをさらに判定してもよい。この場合、属性判定部12は、情報収受者の下肢の各部の温度の測定データを用いる。一般に、足先に向かうほど、心臓からの血液を送り出す圧力が小さくなり、血流が悪くなる傾向がある。また、ある部位の血流が悪くなると、その部位の温度は低下する傾向がある。したがって、通常は、足先に向かって、温度(体温)が低くなるという傾向がある。属性判定部12は、情報収受者の下肢の各部の温度の測定データから、情報収受者の下肢における温度勾配を求める。そして、属性判定部12は、上述した責任部位において、急激な温度変化が生じている場合には、その責任部位は循環系の障害に起因するもの、例えば、下肢虚血などであると判定することができる。
【0031】
また、属性判定部12は、情報収受者の下肢を撮影した画像を測定データとして用いてもよい。この場合、属性判定部12は、情報収受者の下肢を撮影した画像のAIを用いた画像解析により、傷、皮膚炎および巻き爪などの有無を判定することができる。
【0032】
なお、上述した例はあくまでも一例であり、測定データおよび問診データに基づいて、情報収受者の属性を判定する方法としては種々の方法を採用することができる。
【0033】
次に、推奨情報生成部13による推奨情報の生成について、具体例を挙げて説明する。
【0034】
推奨情報生成部13は、推奨情報として、例えば、情報収受者に推奨する行動に関する情報を生成する。情報収受者に推奨する行動としては、例えば、栄養状態を改善するための行動、歩行訓練などの、情報収受者の健康を改善するための行動がある。また、情報収受者に推奨する行動としては、他にも、特定の場所に行く、あるいは、特定の場所に行かないといった行動がある。推奨情報生成部13は、例えば、情報収受者の属性に応じて、病院へ行く、マッサージなどのフットケアを受ける、特定の施設(例えば、温泉施設)に行くといったことを推奨する推奨情報を生成する。また、推奨情報生成部13は、例えば、めまいが生じる可能性があると判定された情報収受者に対しては、登山を避けるように促す推奨情報を生成する。
【0035】
また、推奨情報生成部13は、推奨情報として、例えば、情報収受者が購入あるいはレンタルする車両に関して、情報収受者に推奨する車両に関する情報を生成してもよい。例えば、推奨情報生成部13は、属性の判定の結果、姿勢あるいは筋力の左右差が大きいと判定された情報収受者に対しては、乗降が容易な座面の低い車両、あるいは、ローステップの付いた座席を備える車両を推奨する。また、推奨情報生成部13は、属性の判定の結果、下肢虚血があると判定された情報収受者に対しては、足元ヒータ付きの車両を推奨する。上述したように、測定装置21、入力装置22および出力装置23は、例えば、車の販売店に設置される。したがって、車の販売店を訪れた情報収受者の測定データなどを取得することで、その情報収受者の下肢の状態(属性)に適した車両を推奨することができる。
【0036】
また、推奨情報生成部13は、推奨情報として、例えば、情報収受者に推奨する履物に関する情報(履物の種類、紐の結び方、履き方、履物の形状、かかとの高さなど)を生成してもよい。例えば、推奨情報生成部13は、属性の判定の結果、外反母趾の傾向があると判定された情報収受者に対しては、幅が広すぎない履物、足指が伸びる履物などを推奨する。また、推奨情報生成部13は、例えば、属性の判定の結果、巻き爪があると判定された情報収受者に対しては、着用時に足が動きにくい履物を推奨する。また、推奨情報生成部13は、例えば、属性の判定の結果、足に魚の目、たこなどがあると判定された情報収受者に対して、魚の目、たこなどが生じた部位に荷重がかかりにくいソールを推奨する。
【0037】
このように、推奨情報生成部13は、情報収受者の属性に応じて推奨情報を生成する。なお、推奨情報生成部13は、例えば、情報収受者の属性と、その属性に適したあるいは適さない推奨情報とを対応付けた学習データを学習した人工知能を用いることで、推奨情報を生成することができる。
【0038】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置10において実行される情報処理方法を説明するための図であり、情報処理装置10の動作を示すフローチャートである。
【0039】
取得部11は、情報収受者の下肢の状態に関するデータ、すなわち、測定装置21からの測定データ、および、入力装置22からの問診データの少なくとも一方を取得する(ステップS11)。
【0040】
属性判定部12は、取得部11が取得した情報収受者の下肢の状態に関するデータに基づき、その情報収受者の属性を判定する(ステップS12)。
【0041】
推奨情報生成部13は、属性判定部12が判定した情報収受者の属性に応じて、その情報収受者に対する推奨情報を生成する(ステップS13)。そして、推奨情報生成部13は、生成した推奨情報を出力装置23に出力する。
【0042】
図3は、本実施形態に係る情報処理システム1の配置レイアウトの一例を示す図である。図3においては、例えば、車の販売店などの店舗に情報処理システム1を配置した場合のレイアウトの例を示している。
【0043】
例えば、壁25aの近傍に、情報収受者の左右の下肢による圧力を測定する足圧計21aが配置される。足圧計21aは測定装置21の一例である。また、壁25aには、足圧計21aの測定結果を表示するモニター23aが設置される。モニター23aは、出力装置23の一例である。
【0044】
また、壁25bに沿って、モーションキャプチャスーツ21bを着用した情報収受者が歩行する歩行エリアAが設けられる。また、歩行エリアAを歩行する情報収受者に向かってミラー26が設置される。これにより、歩行エリアAを歩行する情報収受者は、自身の歩行時の姿を観察することができる。歩行エリアAを歩行する情報収受者の体の各部位の動きは、測定装置21の一例であるモーションキャプチャシステム(図3においては不図示)により測定される。また、壁25bには、モーションキャプチャシステムにより測定された情報収受者の体の各部位の動きを表示する大型のモニター23bが設置される。モニター23bは、出力装置23の一例である。
【0045】
足圧計21aおよびモーションキャプチャシステムなどにより測定されたデータは、情報処理装置10の一例であるノート型のパーソナルコンピュータ10aにより取得される。パーソナルコンピュータ10aは、取得したデータに基づき、情報収受者の属性の判定、その属性に応じた推奨情報の生成などを行う。
【0046】
このように本実施形態においては、情報処理装置10は、情報収受者の下肢の状態に関するデータを取得する取得部11と、取得部11により取得されたデータに基づき、情報収受者の下肢の状態に関連する、情報収受者の疾患または症状に関する情報である属性を判定する属性判定部12と、属性判定部12により判定された属性に応じて、情報収受者に推奨する事項を示す推奨情報を生成する推奨情報生成部13と、を備える。
【0047】
情報収受者の下肢の状態に関するデータに基づき情報収受者の属性を判定し、その属性に応じて情報収受者に対する推奨情報を生成することで、情報収受者の下肢の状態に応じた情報を提供することができる。
【0048】
(第2の実施形態)
図4は、本開示の第2の実施形態に係る情報処理装置10Aを含む情報処理システム1Aの構成例を示す図である。図4に示す情報処理システム1Aは、図1に示す情報処理システム1と比較して、情報処理装置10が情報処理装置10Aに変更された点が異なる。
【0049】
本実施形態に係る情報処理装置10Aは、第1の実施形態に係る情報処理装置10と比較して、第1の記憶部としての属性・推奨情報記憶部14と、比較部15とをさらに備える。属性・推奨情報記憶部14は、例えば、種々のメモリにより構成することができる。また、比較部15は、例えば、1つ以上のプロセッサにより構成することができる。
【0050】
本実施形態においては、推奨情報生成部13は、生成した推奨情報を出力装置23に出力するとともに、属性判定部12により判定された情報収受者の属性およびその属性に応じて生成した推奨情報を、属性・推奨情報記憶部14および比較部15に出力する。
【0051】
属性・推奨情報記憶部14は、推奨情報生成部13から出力された情報収受者の属性およびその属性に応じて生成された推奨情報を記憶する。属性・推奨情報記憶部14は、情報収受者ごとに、属性および推奨情報を記憶する。また、属性・推奨情報記憶部14は、属性の判定に用いられたデータ(測定データ、問診データ)が測定あるいは入力された日時、属性および推奨情報が属性・推奨情報記憶部14に記憶された日時などを記憶してもよい。属性の判定に用いられたデータが測定、入力された日時は、例えば、測定装置21あるいは入力装置22により特定され、情報処理装置10に出力される。
【0052】
比較部15は、推奨情報生成部13から出力された、情報収受者の最新のデータに基づき得られた情報収受者の属性および情報収受者に対する推奨情報と、属性・推奨情報記憶部14に記憶されている、情報収受者の過去のデータに基づき得られた情報収受者の属性および情報収受者に対する推奨情報とを比較する。
【0053】
このように、本実施形態に係る情報処理装置10Aは、最新のデータに基づき得られた情報収受者の属性およびその情報収受者に対する推奨情報と、過去の情報収受者の属性および情報収受者に対する推奨情報とを比較する。こうすることで、情報処理装置10Aは、疾患などに繋がる予兆を検知して情報収受者に通知したり、情報収受者の属性の改善の程度を通知したり、推奨情報に対するフィードバック(推奨情報による情報収受者の属性の改善の有無)を通知したりすることができる。
【0054】
(第3の実施形態)
図5は、本開示の第3の実施形態に係る情報処理装置10Bを含む情報処理システム1Bの構成例を示す図である。図5に示す情報処理システム1Bは、図1に示す情報処理システム1と比較して、情報処理装置10が情報処理装置10Bに変更された点が異なる。
【0055】
本実施形態に係る情報処理装置10Bは、第1の実施形態に係る情報処理装置10と比較して、第1の記憶部としての属性・推奨情報記憶部14と、第2の記憶部としての通知タイミング記憶部16と、抽出部17と、通知部18とをさらに備える。通知タイミング記憶部16は、例えば、種々のメモリにより構成することができる。また、抽出部17および通知部18は、1つ以上のプロセッサにより構成することができる。
【0056】
属性・推奨情報記憶部14は、第2の実施形態と同様に、情報収受者ごとに、情報収受者の属性および情報収受者に対する推奨情報などを記憶する。
【0057】
通知タイミング記憶部16は、情報収受者に対して所定の通知を行うタイミングを記憶する。所定の通知の例としては、情報収受者の車両の車検時期の通知、情報収受者の車両のオイル交換の時期の通知などがある。通知タイミング記憶部16は、情報収受者に対してこれらの通知を行うタイミングを記憶する。なお、通知タイミング記憶部16は、例えば、情報収受者が車を購入した販売店などに管理されている情報から、情報収受者の車両の車検時期および情報収受者の車両のオイル交換の時期などを特定することができる。
【0058】
抽出部17は、属性およびその属性に応じた推奨情報が最後に属性・推奨情報記憶部14に記憶されてから所定期間以上が経過し、かつ、属性が未病(疾患には至っていないものの、疾患に至る可能性がある状態)である情報収受者を属性・推奨情報記憶部14から抽出する。
【0059】
通知部18は、予め登録された情報収受者の連絡先(例えば、情報収受者のメールアドレス)に通知を行う。例えば、通知部18は、通知タイミング記憶部16を参照し、所定の通知を行うタイミングの情報収受者を抽出する。そして、通知部18は、抽出した情報収受者に対して、所定の通知を行うとともに、属性・推奨情報記憶部14に記憶されている、その情報収受者の属性の通知を行う。すなわち、通知部18は、情報収受者への所定の通知を行うタイミングにおいて、その情報収受者への所定の通知を行うとともに、属性・推奨情報記憶部14に記憶されている情報収受者の属性の通知を行う。
【0060】
こうすることで、例えば、情報収受者が過去に訪問し、車を購入するなどした販売店などに、車検あるいはオイル交換などのために情報収受者の来店を促すことができるとともに、情報収受者の属性についての注意喚起などを行うことができる。
【0061】
なお、通知部18は、情報収受者への通知に、次の来店時(車検などのための来店時)に推奨する測定項目を含めてもよい。また、通知部18は、情報収受者への通知に、予定される作業(例えば、車検、オイル交換など)に要する時間と、その時間内に測定装置21により測定可能な項目のメニューとを含めてもよい。ここで、通知部18は、属性・推奨情報記憶部14に記憶されている情報収受者の属性に基づき、情報収受者が優先的に測定すべき項目から順に並ぶようにメニューを作成してもよい。
【0062】
また、通知部18は、抽出部17により抽出された情報収受者への、属性・推奨情報記憶部14に記憶されているその情報収受者の属性の通知を行う。こうすることで、直近にデータを取得して属性の判定などを行ってから所定期間以上が経過し、かつ、属性が未病である情報収受者に対して、疾患に至らないように注意喚起を行うことができる。また、情報収受者が過去に訪問し、足の状態に関する測定あるいは問診などを行った店舗に、情報収受者の来店を促すことができる。
【0063】
(第4の実施形態)
図6は、本開示の第4の実施形態に係る情報処理装置10Cを含む情報処理システム1Cの構成例を示す図である。図6に示す情報処理システム1Cは、図5に示す情報処理システム1Bと比較して、情報処理装置10Bが情報処理装置10Cに変更された点が異なる。
【0064】
本実施形態に係る情報処理装置10Cは、第3の実施形態に係る情報処理装置10Bと比較して、手配要求受信部19と、サービス手配部20とをさらに備える。
【0065】
手配要求受信部19は、情報収受者からサービス提供者24が提供するサービスの手配(例えば、予約など)を要求する手配要求を受け付ける。手配要求には、情報収受者が手配を要求するサービス、および、その情報収受者がサービスを受けることを希望する日時が含まれる。なお、手配要求は、例えば、コールセンターのオペレータが受け付け、その手配要求の内容が手配要求受信部19に入力されてもよい。
【0066】
サービス手配部20は、手配要求受信部19により受け付けられた手配要求により手配を要求されたサービスの手配を行う。具体的には、サービス手配部20は、手配要求により手配を要求されたサービスを、手配要求に含まれる日時に手配可能かを、そのサービスを提供するサービス提供者24に照会する。
【0067】
なお、図6においては簡略化のため、サービス提供者24を1つだけ記載しているが、実際には、提供するサービスに応じて種々のサービス提供者24が存在する。サービス提供者24としては、フットエステティシャン、シューフィッター、理学療法士、看護師など種々のものがある。複数のサービス提供者24それぞれのサービス内容、所在、連絡先などのサービス提供者24に関する情報が予めデータベースに記憶されており、サービス手配部20は、このデータベースにアクセスすることで、情報収受者がサービスの手配を要求するサービス提供者24にアクセスすることができる。
【0068】
本実施形態においては、通知部18は、情報収受者が訪問予定の場所(例えば、車の販売店などの店舗あるいは住所)および情報収受者がその場所を訪問する日時に関する情報を取得する。通知部18は、このような情報を、例えば、情報収受者による店舗(例えば、車の販売店)への来訪予約などから取得することができる。通知部18は、情報収受者の属性に応じたサービスであり、かつ、情報収受者が訪問予定の場所の近隣(例えば、数百メートル以内)のサービス提供者24により提供され、情報収受者がその場所を訪問する日時(あるいはその前後)に提供可能なサービスを特定する。通知部18は、例えば、上述したサービス提供者24に関する情報が記憶されたデータベースにアクセスすることで、条件に合ったサービス提供者24を特定することができる。
【0069】
そして、通知部18は、情報収受者に対して、特定したサービスの通知を行う。例えば、通知部18は、「車のメンテナンス中に、フットケアに関するサービスを受けてみませんか。事前にご予約頂ければ、車のメンテナンス中に以下のサービスを受けて頂くことができます。」といった通知を行うことができる。
【0070】
通知部18の通知に応じて、情報収受者からの手配要求が手配要求受信部19で受け付けられると、サービス手配部20は、手配要求の内容に応じて、サービスを手配する。
【0071】
このように本実施形態においては、情報収受者の予定(訪問場所および訪問時間)に合わせて、情報収受者の属性に応じたサービスの推奨および手配を行うことができる。
【0072】
上述の実施形態は代表的な例として説明したが、本開示の趣旨および範囲内で、多くの変更および置換が可能であることは当業者に明らかである。したがって、本開示は、上述の実施形態によって制限するものと解するべきではなく、特許請求の範囲から逸脱することなく、種々の変形および変更が可能である。例えば、実施形態の構成図に記載の複数の構成ブロックを1つに組み合わせたり、あるいは1つの構成ブロックを分割したりすることが可能である。
【符号の説明】
【0073】
1,1A,1B,1C 情報処理システム
10,10A,10B,10C 情報処理装置
11 取得部
12 属性判定部
13 推奨情報生成部
14 属性・推奨情報記憶部(第1の記憶部)
15 比較部
16 通知タイミング記憶部(第2の記憶部)
17 抽出部
18 通知部
19 手配要求受信部
20 サービス手配部
21 測定装置
21a 足圧計
21b モーションキャプチャスーツ
22 入力装置
23 出力装置
23a,23b モニター
24 サービス提供者
25a,25b 壁
26 ミラー
図1
図2
図3
図4
図5
図6