(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】情報処理システム、画像形成装置および情報処理システムの制御方法
(51)【国際特許分類】
G06F 21/10 20130101AFI20221212BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20221212BHJP
G03G 21/00 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
G06F21/10 350
B41J29/38
G03G21/00 396
(21)【出願番号】P 2018237797
(22)【出願日】2018-12-19
【審査請求日】2021-12-10
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(72)【発明者】
【氏名】神谷 由佳
【審査官】吉田 歩
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-064591(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0092281(US,A1)
【文献】富士ソフトABC株式会社 技術センター,2つのXML文書を1つにしたい,2001年04月27日,<URL https://atmarkit.itmedia.co.jp/fxml/askxmlexpert/020merge/20merge.html>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 21/10
B41J 29/38
G03G 21/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置と、
前記画像形成装置の設定処理を指示する指示書を生成する情報処理装置と、
前記画像形成装置を識別する識別情報と、前記画像形成装置にインストールすべきソフトウェアのソフトウェア情報と、を管理する管理サーバと、を含む情報処理システムであって、
前記情報処理装置は、
インストールするソフトウェアの決定方法を示す指示書種別の記載を含む前記指示書を生成する指示書生成手段を備え、
前記指示書種別は、画像形成装置にインストールするソフトウェアを、前記指示書の内容に応じて決定することを示す第1の種別、もしくは、前記管理サーバに登録されている情報に応じて決定することを示す第2の種別であり、
前記画像形成装置は、
前記指示書を解析して、前記指示書種別を識別する解析手段と、
前記解析手段が前記指示書種別が前記第2の種別であると識別した場合に、自装置にインストールできるソフトウェアのソフトウェア情報を前記管理サーバから取得する取得手段と、
前記ソフトウェア情報および前記指示書に基づきセットアップ工程と前記セットアップ工程の実行順序を決定する決定手段と、
前記決定手段の決定に応じて前記セットアップ工程の処理を実行する実行手段と、を備える
ことを特徴とする情報処理システム。
【請求項2】
前記情報処理装置の前記指示書生成手段は、作業者によるソフトウェアの特定方法の指定に応じて前記指示書種別を記載する
ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記管理サーバは、
画像形成装置を識別するデバイスシリアル番号とソフトウェアを識別するソフトウェアIDとを紐づけたデバイス情報テーブルを管理するデバイス情報管理手段と、
ソフトウェアIDとソフトウェア名とソフトウェアパスとを紐づけたソフトウェア情報テーブルを管理するソフトウェア情報管理手段と、
ソフトウェアIDとデバイスシリアル番号とライセンスパスとを紐づけたライセンス情報テーブルを管理するライセンス情報管理手段と、
画像形成装置から受信したデバイスシリアル番号に対応する前記ソフトウェアID、前記ソフトウェア名、前記ソフトウェアパスおよび前記ライセンスパスを含む前記ソフトウェア情報を該画像形成装置に送信する送信手段と、を備える
ことを特徴とする請求項
1または
2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記管理サーバが、前記画像形成装置から該画像形成装置のデバイスシリアル番号を受信した場合、
前記デバイス情報管理手段は、前記デバイスシリアル番号に紐づくソフトウェアIDを特定し、
前記ソフトウェア情報管理手段は、前記ソフトウェアIDに紐づくソフトウェア名とソフトウェアパスとを特定し、
前記ライセンス情報管理手段は、前記デバイスシリアル番号および前記ソフトウェアIDに紐づくライセンスパスを特定し、
前記送信手段は、特定された前記ソフトウェアID、前記ソフトウェア名、前記ソフトウェアパスおよび前記ライセンスパスを含む前記ソフトウェア情報を前記画像形成装置に送信する
ことを特徴とする請求項
3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記画像形成装置の前記実行手段は、前記決定手段が決定した前記セットアップ工程の一覧を表示手段に表示する
ことを特徴とする請求項
1乃
4のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項6】
前記画像形成装置は、さらに、前記実行手段による前記セットアップ工程の処理の実行結果を生成する実行結果生成手段を備える
ことを特徴とする請求項
1乃至
5のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項7】
前記情報処理装置の
前記指示書生成手段は、画像形成装置にインストールできるソフトウェア商品が複数のソフトウェアを含む場合に該画像形成装置にインストールするソフトウェアをセットアップを行うユーザに選択させるか否かを示すソフトウェアの選択方法の情報を前記第2の種別の指示書に記載する
ことを特徴とする請求項
1乃至
6のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項8】
前記第2の種別の指示書に前記ソフトウェアの選択方法の情報が記載されていた場合、かつ、前記取得手段が取得した前記ソフトウェア情報に複数のソフトウェアを含むソフトウェア商品が含まれていた場合、
前記画像形成装置の前記実行手段は、前記複数のソフトウェアのいずれをインストールするかの選択肢を表示手段に表示する
ことを特徴とする請求項
7に記載の情報処理システム。
【請求項9】
前記情報処理装置の
前記指示書生成手段は、画像形成装置にインストールできるソフトウェアが複数のバージョンを含む場合に該画像形成装置にインストールするソフトウェアのバージョンをセットアップを行うユーザに選択させるか否かを示すバージョンの選択方法の情報を前記第2の種別の指示書に記載する
ことを特徴とする請求項
1乃至
8のいずれか1項に記載の情報処理システム。
【請求項10】
前記第2の種別の指示書に前記バージョンの選択方法の情報が記載されていた場合、かつ、前記取得手段が取得した前記ソフトウェア情報に複数のバージョンを含むソフトウェアが含まれていた場合、
前記画像形成装置の前記実行手段は、前記複数のバージョンのいずれをインストールするかの選択肢を表示手段に表示する
ことを特徴とする請求項
9に記載の情報処理システム。
【請求項11】
画像形成装置にインストールするソフトウェアの決定方法を示す指示書種別の記載を含む指示書を生成する情報処理装置と、前記画像形成装置を識別する識別情報と前記画像形成装置にインストールすべきソフトウェアのソフトウェア情報とを管理する管理サーバと、を含む情報処理システム内の画像形成装置であって、
前記情報処理装置が生成した指示書を解析して、指示書種別が、画像形成装置にインストールするソフトウェアを前記指示書の内容に応じて決定することを示す第1の種別、もしくは、前記管理サーバに登録されている情報に応じて決定することを示す第2の種別であるかを識別する解析手段と、
前記解析手段が前記指示書種別が前記第2の種別であると識別した場合に、自装置にインストールできるソフトウェアのソフトウェア情報を前記管理サーバから取得する取得手段と、
前記ソフトウェア情報および前記指示書に基づきセットアップ工程と前記セットアップ工程の実行順序を決定する決定手段と、
前記決定手段の決定に応じて前記セットアップ工程の処理を実行する実行手段と、を有することを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
画像形成装置にインストールするソフトウェアの決定方法を示す指示書種別の記載を含む指示書を生成する情報処理装置と、前記画像形成装置を識別する識別情報と前記画像形成装置にインストールすべきソフトウェアのソフトウェア情報とを管理する管理サーバと、を含む情報処理システム内の画像形成装置の制御方法であって、
前記情報処理装置が生成した指示書を解析して、指示書種別が、画像形成装置にインストールするソフトウェアを前記指示書の内容に応じて決定することを示す第1の種別、もしくは、前記管理サーバに登録されている情報に応じて決定することを示す第2の種別であるかを識別する解析工程と、
前記解析工程において前記指示書種別が前記第2の種別であると識別した場合に、自装置にインストールできるソフトウェアのソフトウェア情報を前記管理サーバから取得する取得工程と、
前記ソフトウェア情報および前記指示書に基づきセットアップ工程と前記セットアップ工程の実行順序を決定する決定工程と、
前記決定工程における決定に応じて前記セットアップ工程の処理を実行する実行工程と、を有することを特徴とする画像形成装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、画像形成装置および情報処理システムの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
指示書管理サーバから指示書をダウンロードし、画像形成装置のセットアップを行うシステムが提案されている。特許文献1は、画像形成装置に反映すべき設定情報を画像処理装置に設定するためのスクリプトをネットワークを介して取得し、スクリプトの実行に伴い設定情報をネットワークを介して取得する画像形成装置を開示している。指示書をダウンロードする際には、識別子として、画像形成装置のデバイスシリアル番号かデバイスシリアル番号に代わる識別子(以下、指示書IDという)をユーザが入力して、指示書を特定する。デバイスシリアル番号を用いて指示書を検索する場合には、指示書を作成する段階で予めデバイスシリアル番号と指示書とを関連付けておく必要がある。指示書IDをユーザが入力する場合には、指示書が異なる場合、すなわちセットアップの内容が異なる場合は、それぞれの識別子をユーザが使い分ける必要がある。セットアップ作業者の負荷を考慮すると、指示書IDを入力して指示書を検索するよりも、画像形成装置が自装置のデバイスシリアル番号を用いて検索する方が良い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、デバイスシリアル番号は、セットアップ直前まで入手困難なことが多く、指示書作成者が指示書に予めデバイスシリアル番号を記録しておくということが難しい。したがって、セットアップ作業者は、指示書IDで指示書を検索しなくてはならない場合が多くなる。例えば、構成Aでセットアップする画像形成装置が50台、構成Bでセットアップする画像形成装置が1台あるとする。構成Aと構成Bの違いが、インストールするソフトウェアが1つだけだとしても、指示書作成者は、構成Aと構成Bのそれぞれに対応した複数の指示書を作成しなくてはならない。そして、セットアップ作業者は、それぞれの指示書IDを指定して指示書を検索しなくてはならない。このような、わずかに異なる構成の画像形成装置を何種類か構築しなくてはならないとき、指示書作成者もセットアップ作業者も、負荷が大きくなりがちである。そのため、1つの指示書で、異なる複数の構成での画像形成装置のセットアップを可能とすることが望まれている。また、指示書が1つということは、セットアップ作業者も1つの指示書IDを用いるだけで異なる構成の画像形成装置のセットアップができるようになる。
【0005】
本発明は、複数の画像形成装置をセットアップするための作業の効率を向上させることができるセットアップ支援システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の情報処理システムは、画像形成装置と、前記画像形成装置の設定処理を指示する指示書を生成する情報処理装置と、前記画像形成装置を識別する識別情報と、前記画像形成装置にインストールすべきソフトウェアのソフトウェア情報と、を管理する管理サーバと、を含む情報処理システムであって、前記情報処理装置は、インストールするソフトウェアの決定方法を示す指示書種別の記載を含む前記指示書を生成する指示書生成手段を備え、前記指示書種別は、画像形成装置にインストールするソフトウェアを、前記指示書の内容に応じて決定することを示す第1の種別、もしくは、前記管理サーバに登録されている情報に応じて決定することを示す第2の種別である。前記画像形成装置は、前記指示書を解析して、前記指示書種別を識別する解析手段と、前記解析手段が前記指示書種別が前記第2の種別であると識別した場合に、自装置にインストールできるソフトウェアのソフトウェア情報を前記管理サーバから取得する取得手段と、前記ソフトウェア情報および前記指示書に基づきセットアップ工程と前記セットアップ工程の実行順序を決定する決定手段と、前記決定手段の決定に応じて前記セットアップ工程の処理を実行する実行手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、複数の画像形成装置をセットアップするための作業の効率を向上させることができるセットアップ支援システムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】セットアップ支援システムにおける機器構成の例を示す図である。
【
図2】画像形成装置の主要部の構成例を示すブロック図である。
【
図3】指示書作成装置の構成例を示すブロック図である。
【
図4】各種管理サーバの構成例を示すブロック図である。
【
図5】指示書作成プログラムの機能構成例を示す図である。
【
図6】指示書管理プログラムの機能構成例を示す図である。
【
図7】指示書実行プログラムの機能構成例を示す図である。
【
図8】ライセンス管理プログラムの機能構成の例を示す図である。
【
図9】ライセンス管理プログラムが提供するGUIの一例を示す図である。
【
図12】本実施形態の指示書の一例を示す図である。
【
図13】指示書作成プログラムの処理の流れを説明したフローチャートである。
【
図14】指示書実行プログラムの処理の流れを説明したフローチャートである。
【
図15】第2実施形態における指示書作成画面の一例を示す図である。
【
図16】第2実施形態における指示書の一例の一部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
図1は、画像形成装置のセットアップ支援システムにおける機器構成の例を示す図である。本実施形態のセットアップ支援システムは、画像形成装置101、指示書作成装置102、指示書管理サーバ103、ライセンス管理サーバ104およびソフトウェア管理サーバ105を備える。画像形成装置101、指示書作成装置102、指示書管理サーバ103、ライセンス管理サーバ104およびソフトウェア管理サーバ105は、LAN(Local Area Network)100に接続されている。
【0010】
画像形成装置101は、複写機にスキャナ、プリンタ、ファクシミリ、ファイル送信機能等の複数の機能を統合した複合機である。画像形成装置101は、画像形成装置101を設置してセットアップする際に、指示書管理サーバ103から指示書をダウンロードし、指示書に基づいたセットアップ処理を実行する。また、画像形成装置101は、セットアップの際、ライセンス管理サーバ104やソフトウェア管理サーバ105とも通信し、セットアップに必要なソフトウェアもダウンロードする。
【0011】
指示書作成装置102は、画像形成装置設置システムにおけるクライアントコンピュータである。指示書作成装置102は、情報処理装置であり、例えばパーソナルコンピュータである。指示書作成装置102は、画像形成装置101をセットアップするための指示書を生成し、生成した指示書を指示書管理サーバ103へアップロードする。指示書には、画像形成装置101のセットアップ内容が定義されている。指示書は、例えばスクリプトで記載される。
【0012】
指示書管理サーバ103は、指示書作成装置102が生成する指示書を管理するサーバである。画像形成装置101や指示書作成装置102からのリクエストに応じて、特定の指示書を送信したり、画像形成装置101において指示書を実行した際の処理結果を受信したりする。
【0013】
ライセンス管理サーバ104は、ソフトウェア管理サーバ105で管理されているソフトウェアを画像形成装置101にインストールするためのライセンスを発行したり、ライセンスの発行履歴を管理したりするサーバである。
【0014】
ソフトウェア管理サーバ105は、画像形成装置101にインストール可能なソフトウェアや各種オプションのアプリケーション等を管理するサーバである。ソフトウェア管理サーバ105は、画像形成装置101からのリクエストに応じて、特定のソフトウェア等を送信する。なお、指示書管理サーバ103、ライセンス管理サーバ104、ソフトウェア管理サーバ105は、LAN100に直接接続されていてもよいし、インターネットを経由して接続されていてもよい。
【0015】
図2は、画像形成装置101の主要部の構成の例を示すブロック図である。画像形成装置101は、コントローラユニット200を含み、コントローラユニット200には、画像入力デバイスであるスキャナ217や画像出力デバイスであるプリンタ216が接続されるとともに、操作部208が接続される。コントローラユニット200は、スキャナ217で読み取られた画像データをプリンタ216により印刷出力するコピー機能を実現するための制御を行う。
【0016】
コントローラユニット200は、CPU201、RAM202、ROM206、HDD207、操作部I/F203、ネットワークI/F204、USBホストI/F205および画像バスI/F212を有する。これらは、システムバス210を介して接続されている。また、コントローラユニット200は、デバイスI/F215、スキャナ画像処理部214およびプリンタ画像処理部213を有する。画像バスI/F212、デバイスI/F215、スキャナ画像処理部214およびプリンタ画像処理部213は画像バス211を介して接続されている。
【0017】
CPU(Central Processing Unit)201は、ROM(Read only memory)206に格納されているブートプログラムを実行してオペレーションシステム(OS)をロードし、立ち上げる。CPU201は、OS上でHDD(ハードディスクドライブ)207に格納されているプログラムを実行し、各種処理を実現する。CPU201の作業領域として、RAM(Random access memory)202が用いられる。RAM202は、CPU201に作業領域を提供するとともに、画像データを一時記憶するための画像メモリ領域を提供する。HDD207は、プログラムや画像データを格納する。
【0018】
操作部I/F(操作部インターフェース)203は、操作部208とのインターフェースである。操作部I/F203は、操作部208に表示すべき画像データを操作部208に対して出力する。また、操作部I/F203は、操作部208においてユーザにより入力された情報をCPU201に送出する。操作部208は、タッチパネルを有し、設定情報や画像データ等を表示し、ユーザからの操作を受け付ける。
【0019】
ネットワークI/F(ネットワークインターフェース)204は、画像形成装置101をLANに接続するためのインターフェースである。
【0020】
USBホストI/F(USBホストインターフェース)205は、USBストレージ209と通信するインターフェースである。USBホストI/F205は、HDD207に格納されているデータをUSBストレージ209に出力する。また、USBホストI/F205は、USBストレージ209に格納されているデータを入力し、CPU201にそれを伝える。USBストレージ209は、データを格納する外部記憶装置であり、USBホストI/F205に対して着脱可能である。USBホストI/F205には、USBストレージ209を含む複数のUSBデバイスが接続可能である。
【0021】
画像バスI/F212は、システムバス210と、画像データを高速で転送する画像バス211とを接続し、データ形式を変換するためのバスブリッジである。画像バス211は、PCIバスまたはIEEE1394等によって構成される。画像バス211上には、デバイスI/F215、スキャナ画像処理部214、プリンタ画像処理部213が設けられる。
【0022】
デバイスI/F215には、スキャナ217およびプリンタ216が接続される。デバイスI/F215は、画像データの同期系/非同期系の変換を行う。スキャナ画像処理部214は、入力画像データに対し補正、加工、編集を行う。プリンタ画像処理部214は、プリント出力画像データに対してプリンタ216に応じた補正、解像度変換などを行う。
【0023】
図3は、指示書作成装置102の構成を示すブロック図である。CPU301を含む制御部300は、指示書作成装置102全体の動作を制御する。CPU301は、ROM302に記憶された制御プログラムを読み出して、各種制御処理を実行する。RAM303は、CPU301の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。HDD304は、画像データや各種プログラムを記憶する。
【0024】
操作部I/F305は、指示書作成装置102で実行されるプログラムへの制御操作を入力するユーザインタフェース端末を接続するインターフェースである。本実施形態では、ユーザインタフェース端末は、マウス309やキーボード310で構成されるが、その限りではなく、ユーザが情報の入力を行うためのデバイスであればよい。
【0025】
ディスプレイI/F306は、指示書作成装置102で実行されるプログラムのUI(ユーザインタフェース)を表示するディスプレイ端末を接続するインターフェースである。本実施形態では、ディスプレイ端末は、ディスプレイ308で構成されるが、その限りではなく、ユーザに対する情報の提示を行うためのデバイスであればよい。
【0026】
ネットワークI/F307は、制御部300をLAN100に接続する。ネットワークI/F307は、ネットワークを介して他の装置との間で各種情報を送受信する。
【0027】
図4は、指示書管理サーバ103、ライセンス管理サーバ104およびソフトウェア管理サーバ105の構成を示すブロック図である。CPU401を含む制御部400は、指示書管理サーバ103、ライセンス管理サーバ104もしくはソフトウェア管理サーバ105全体の動作を制御する。CPU401は、ROM402に記憶された制御プログラムを読み出して各種制御処理を実行する。RAM403は、CPU401の主メモリ、ワークエリア等の一時記憶領域として用いられる。
【0028】
HDD404は、指示書管理サーバ103においては、指示書作成装置102から送られてきた指示書や画像形成装置101で指示書を実行した結果などを記憶する。HDD404は、ライセンス管理サーバ104においては、商品情報、ソフトウェア情報、ライセンス情報などを記憶する。HDD404は、ソフトウェア管理サーバ105においては、各種ソフトウェアを記憶する。ネットワークI/F405は、制御部400をLAN100に接続する。ネットワークI/F405は、ネットワークを介して他の装置との間で各種情報を送受信する。
【0029】
図5は、指示書作成装置102で動作する、指示書作成プログラム500の機能構成例を示す図である。CPU301がプログラムを実行することにより、各機能が実現される。なお、本実施形態では、指示書作成装置102でプログラムが実行されることを想定するが、その限りではない。ネットワークI/F307を介して、ネットワーク上にあるサーバやサービスで実行してもよい。
【0030】
指示書作成プログラム500は、UI制御部501、処理実行部502、指示書生成部503、通信部504を有する。UI制御部501は、指示書作成プログラムを操作するためのUIを、ディスプレイ308を通じて作業者に提供し、マウス309やキーボード310を通じて作業者の操作を受け付ける。
【0031】
処理実行部502は、UI制御部501の指示に従い、各処理部を制御し、各種処理を実行する。指示書生成部503は、処理実行部502の指示に応じて、画像形成装置101で解釈可能なフォーマットで指示書を生成する。通信部504は、処理実行部502の指示に従って、指示書生成部503で生成した指示書を指示書管理サーバ103へ送信したり、指示書管理サーバ103で保持されている指示書を取得したりする。
【0032】
図6は、指示書管理サーバ103で動作する、指示書管理プログラム600の機能構成例を示す図である。指示書管理サーバ103のCPU401がプログラムを実行することにより、各機能が実現される。指示書管理プログラム600は、処理実行部601、指示書管理部602、使用状況管理部603、通信部604を有する。
【0033】
処理実行部601は、画像形成装置101や指示書作成装置102から送信されるリクエストを、通信部604が受信するのに応じて、各処理部を制御し処理を実行する。指示書管理部602は、指示書作成装置103が生成した指示書を蓄積し、管理する。使用状況管理部603は、画像形成装置101が指示書を実行した際の状況や結果を蓄積し、管理する。通信部604は、画像形成装置101や指示書作成装置102からのリクエストや実行結果を受信したり、リクエストに応じて指示書やその他必要な情報を送信したりする。
【0034】
図7は、画像形成装置101で動作する、指示書実行プログラム700の機能構成の例を示す図である。本実施形態において、指示書実行プログラム700は、画像形成装置101のプログラムとして実装されるものとするが、実装形式を限定するものではない。画像形成装置101のCPU201がプログラムを実行することにより、各機能が実現される。指示書実行プログラム700は、UI制御部701、処理実行部702、指示書解析部703、コマンド実行部704、実行順序決定部705、実行結果生成部706、通信部707を有する。
【0035】
UI制御部701は、指示書実行プログラム700を操作するためのUIを、操作部208を通じてユーザに提供し、ユーザの操作を受け付ける。処理実行部702は、UI制御部701の指示に従い、各種処理を行う。指示書解析部703は、指示書管理サーバ103から受信した指示書を解析してコマンドに変換したり、実行結果の生成に必要な情報を生成したりする。
【0036】
コマンド実行部704は、指示書解析部703によって解析された内容に基づいて、画像形成装置101の各サービスへ処理を依頼したり、機能を実行したりする。さらに、コマンド実行部704は、依頼した処理の実行結果を実行結果生成部706へ通知する。実行順序確定部705は、指示書解析部703によって解析された内容に基づいて、各コマンドの実行順序を決定する。
【0037】
実行結果生成部706は、コマンド実行部704から通知される各サービスや機能の実行結果に応じて、コマンド毎の実行結果や指示書全体の実行結果を生成する。通信部707は、指示書管理サーバ103から送信される指示書を受信したり、指示書管理サーバ103に実行結果を送信したりする。また、通信部707は、ライセンス管理サーバ104からソフトウェアのライセンス情報を受信したり、ソフトウェア管理サーバ105からソフトウェアを受信したりする。
【0038】
図8は、ライセンス管理サーバ104で動作する、ライセンス管理プログラム800の機能構成の例を示す図である。ライセンス管理サーバ104のCPU401がプログラムを実行することにより、各機能が実現される。ライセンス管理プログラム800は処理実行部801、ライセンス発行部802、ソフトウェア情報管理部803、商品情報管理部804、利用情報管理部805、ライセンス情報管理部806、デバイス情報管理部807、検索部808、通信部809を有する。
【0039】
処理実行部801は、通信部809が受信する各種要求に応じて、各処理部を制御し処理を実行する。ライセンス発行部802は、利用情報管理部805が管理する利用情報テーブルに、ライセンスアクセス番号と画像形成装置を一意に識別可能なデバイスシリアル番号とを登録し、ライセンスを発行する。
【0040】
ソフトウェア情報管理部803は、ソフトウェア情報テーブルをライセンス管理サーバ104のハードディスク404に保持し管理する。表1にソフトウェア情報テーブルの例を示す。
【表1】
【0041】
ソフトウェア情報テーブルでは、ソフトウェア情報としてソフトウェアID、ソフトウェア名、ソフトウェアファイルパス(以下、ソフトウェアパスともいう)を管理する。ソフトウェアIDは、ソフトウェアファイルを一意に識別する識別子である。ソフトウェア名は、ソフトウェアの名称である。ソフトウェアファイルパスは、ソフトウェアファイルを管理するソフトウェア管理サーバ105のハードディスク404上の所在を示すパスである。これらのソフトウェア情報は、通信部809がソフトウェア情報登録要求を受信することで追加される。
【0042】
商品情報管理部804は、商品情報テーブルを、ライセンス管理サーバ104のハードディスク404に保持し管理する。商品とは、アプリケーションファイルを販売する単位であり、顧客は商品単位で購入する。表2に商品情報テーブルの例を示す。
【表2】
【0043】
商品情報テーブルでは、商品情報として商品ID、商品名、ソフトウェアID、ライセンスアクセス番号を管理する。商品IDは、商品を一意に識別する識別子である。商品名は、商品の名称である。ソフトウェアIDは、商品を購入したことで利用可能となるソフトウェアファイルのソフトウェアIDである。1つの商品で複数のソフトウェアファイルが利用可能である場合には、複数のソフトウェアIDを設定することができる。また、同じソフトウェアであっても、複数のバージョンを1つの商品に含めることができる。ライセンスアクセス番号は、商品を顧客が利用するために必要となる番号である。ライセンスアクセス番号は、後述する利用情報を登録する際に商品を識別する番号として利用される。これらの商品情報は、通信部809が商品情報登録要求を受信することで追加される。
【0044】
利用情報管理部805は、利用情報テーブルをライセンス管理サーバ104のハードディスク404に保持し管理する。利用情報とは、顧客と販社とで結ばれた契約の情報であり、顧客の購入した画像形成装置でどの商品を使用するのかという情報を保持する。表3に利用情報テーブルの例を示す。
【表3】
【0045】
利用情報テーブルでは、利用情報として、ライセンスアクセス番号とデバイスシリアル番号を管理する。ライセンスアクセス番号は、顧客との契約を結んだ商品のライセンスアクセス番号である。デバイスシリアル番号は、顧客との契約を結んだ画像形成装置を一意に識別可能な番号である。これらの利用情報は、通信部809が利用情報登録要求を受信することで追加される。
【0046】
ライセンス情報管理部806は、ライセンス発行部802が発行したライセンスの情報を保持するライセンス情報テーブルを、ライセンス管理サーバ104のハードディスク404に保持し管理する。表4にライセンス情報テーブルの例を示す。
【表4】
【0047】
ライセンス情報テーブルでは、ライセンス情報として、ソフトウェアID、デバイスシリアル番号、ライセンスパスを管理する。ソフトウェアIDは、発行したライセンスで利用可能となるソフトウェアファイルのソフトウェアIDである。デバイスシリアル番号は、発行したライセンスでソフトウェアファイルが利用可能となる画像形成装置のデバイスシリアル番号である。ライセンスパスは、ハードディスク404に保存されたライセンスの所在を示すパスである。これらのライセンス情報は、ライセンス発行部802によって利用情報が登録され、ライセンスが発行される単位で追加される。
【0048】
検索部808は、通信部809からの要求に応じて、表1~表4に示される各種テーブルから所望の情報を検索する。例えば、本実施形態においては、デバイスシリアル番号から、顧客と契約済の商品を検索し、さらに、その商品に含まれる利用可能なソフトウェアファイルと、該ソフトウェアファイルのソフトウェアファイルパスを検索する。
【0049】
通信部809は、外部装置との情報の送受信を行う。具体的には、通信部809は、表1~表3に示される各種テーブルに情報を追加登録するための要求を受信したり、画像形成装置101からの検索要求を受信したり、検索部808が検索したソフトウェアファイルパスを画像形成装置101に通知したりする。
【0050】
デバイス情報管理部807は、デバイスシリアル番号単位のデバイス情報テーブルを生成し、保持し、管理する。デバイス情報管理部807は、ライセンス情報管理部806がライセンス情報を追加したあと、表2に示される商品情報テーブルと表3に示される利用情報テーブルに基づいて、デバイス情報テーブルを生成する。表5にデバイス情報テーブルの例を示す。
【表5】
【0051】
デバイス情報テーブルは、デバイス情報として、デバイスシリアル番号、商品ID、ソフトウェアIDを管理する。デバイスシリアル番号単位のテーブルを生成しておくことで、画像形成装置101の指示書実行プログラム700は、自装置のデバイスシリアル番号を用いてインストールすべきソフトウェアを特定することができる。そのため、画像形成装置101の指示書実行プログラム700は、指示書にソフトウェアの情報を記録せずともインストールすべきソフトウェアを特定することが可能となる。
【0052】
従来は、管理者が、表1に示されるソフトウェア情報と表2に示される商品情報を登録していた。なお、管理者は本実施形態における指示書作成者と同じ権限を有する者である。一方、セットアップ作業者は、顧客が購入済のソフトウェアパッケージのライセンス証書に記載されているライセンスアクセス番号と、セットアップしようとしている画像形成装置のデバイスシリアル番号を、表3に示される利用情報テーブルに追加登録していた。利用情報テーブルへの追加登録は、ライセンス管理プログラムが提供するGUIを、クライアントPCからセットアップ作業者が操作することで実現される。
【0053】
図9は、ライセンス管理プログラムが提供するGUIの一例を示す図である。セットアップ作業者は、ライセンスアクセス番号入力エリア901にライセンスアクセス番号、デバイスシリアル番号入力エリア902に顧客と契約済の画像形成装置のデバイスシリアル番号を入力する。そして、「発行」ボタン903を押下すると、入力された情報に応じて、ライセンス管理プログラム800の利用情報管理部805が、表3に示される利用情報テーブルに利用情報を追加登録する。
【0054】
つまり、従来は、顧客の代行としてセットアップ作業者がライセンス発行の作業をしており、指示書作成者(管理者)はデバイスシリアル番号やライセンスアクセス番号を扱った作業を実施していない。本実施形態では、セットアップ作業者と指示書作成者(管理者)の役割を変更することなく、画像形成装置101のセットアップを行えるようにする。即ち、セットアップ作業者によるライセンス発行の代行作業はそのままで、指示書作成者(管理者)においては、デバイスシリアル番号やライセンスアクセス番号を知り得なくても指示書を作成できるようにする。さらに、従来は、セットアップする構成ごとに指示書を作成しなくてはならなかったのに対し、本実施形態では、一つの指示書で複数の画像形成装置を異なる構成でセットアップできるようにする。
【0055】
図10(A)は、従来技術における指示書作成画面の一例を示す図である。指示書作成画面1000は、ページ切り替えタブ1001と構成内容設定領域1002の大きく2つの構成を有している。ページ切り替えタブ1001には、基本情報ページ、ファームウェアの指定ページ、ソフトウェアの指定ページ、デバイス設定値の登録ページなどの各種ページに対応した指定タブが表示されている。指示書作成者は、表示したいページに対応した指定タブを押下することで所望のページを表示させる。
【0056】
ソフトウェアの指定タブ1003が指示書作成者によって押下されると、指示書作成プログラム500は、画像形成装置101にインストールするソフトウェアに関する情報を表示したり設定したりすることができる画面を構成内容設定領域1002に表示する。
従来では、ソフトウェアの指定画面で、指示書作成者が商品IDとライセンスアクセス番号を入力する必要があった。これは、指示書実行プログラム700が指示書を実行するとき、指示書に記録された商品IDとライセンスアクセス番号および自装置のデバイスシリアル番号をライセンス管理サーバ104に送信し、インストールすべきソフトウェアを特定しているためである。そして、特定したソフトウェアのソフトウェアファイルおよびライセンスをダウンロードする。
【0057】
図10(B)は、本実施形態における指示書作成画面の一例を示す図である。指示書作成画面1007上のソフトウェアの指定タブ1003が指示書作成者によって押下されると、画像形成装置101にインストールするソフトウェアに関する情報を表示したり設定したりすることができる画面が構成内容設定領域1002に表示される。
【0058】
本実施形態におけるソフトウェアの指定ページは、従来のソフトウェアの指定ページに、ソフトウェア特定方法を指定するコントロール1004が追加されている。コントロール1004には、ラジオボタン1005とラジオボタン1006の選択肢が示されている。ラジオボタン1005は、従来通り商品IDとライセンスアクセス番号を入力する方法である。ラジオボタン1006は、商品IDもライセンスアクセス番号も入力することなく、ライセンス管理サーバ104の登録内容に従って、指示書実行プログラム側でインストールすべきソフトウェアを特定する方法である。
【0059】
図11は、従来の指示書(以下、専用指示書とも言う)の一例である。指示書は、画像形成装置をセットアップするための指示で構成される。指示書1100には、サマリー1101と各種コマンド1102~1105が記載されている。サマリー1101は、指示書に関する基本情報を記録した部分である。指示書の作成日時や、指示書IDを記録している。指示書IDは、指示書作成装置102が指示書管理サーバへ指示書を保存する際に、指示書管理サーバが発行するもので、指示書を一意に特定可能な識別子である。
【0060】
コマンド1102およびコマンド1105は、ソフトウェア以外の画像形成装置101のセットアップに関わる工程を記録したものである。コマンド1102は、ファームウェアをインストールするために必要な情報を記録している。コマンド1105は、画像形成装置101の設定値をインポートするために必要な情報を記録している。
【0061】
コマンド1103およびコマンド1104は、ソフトウェアに関するオプション指示を示している。コマンド1103は、画像形成装置101にインストールすべきソフトウェアを具体的に指示している。画像形成装置101にインストールすべきソフトウェアは、指示書作成画面1000(
図10(A))において指定されたソフトウェアである。画像形成装置101の指示書実行プログラム700は、コマンド1103に記録されている情報と、自装置のデバイスシリアル番号をライセンス管理サーバ104に送信する。ライセンス管理サーバ104のライセンス管理プログラム800は、ライセンスを発行し、ライセンスとソフトウェアファイルパスを画像形成装置101へ送信する。画像形成装置101の指示書実行プログラム700は、受信したソフトウェアファイルパスに基づいて、ソフトウェア管理サーバ105からソフトウェアファイルをダウンロードし、先に取得したライセンスと共にソフトウェアをインストールする。コマンド1104は、コマンド1103でインストールしたソフトウェアを起動し、ユーザが利用できる状態にするための情報を記録している。
【0062】
図12は、本実施形態における指示書の一例である。指示書1200には、サマリー1201と、コマンド1102およびコマンド1105が記載されている。指示書1200には、従来の指示書1100に記載されていたソフトウェアに関するオプション指示であるコマンド1103およびコマンド1104に相当する記載はない。
【0063】
サマリー1201には、要素1202が追加されている。要素1202は、指示書作成画面1007(
図10(B))における、ソフトウェア特定方法を指定するコントロール1004の入力結果を反映するものである。商品ID等を入力することなく、ライセンス管理サーバ104の登録内容に従って指示書実行プログラム側でソフトウェアを特定する方法、即ちラジオボタン1006を選択した場合は、“LicenseManagementServer”を値として記録する。これは、画像形成装置101にインストールすべきソフトウェアの特定を、ライセンス管理サーバ104の登録状態に従うという意味である。ラジオボタン1006が選択された際の指示書は、汎用指示書である。
【0064】
一方、従来通り商品IDとライセンスアクセス番号を入力して、指示書の内容に応じてインストールするソフトウェアを決定する方法、即ちラジオボタン1005を選択した場合は、要素1202に“Script”を値として記録する。これは、画像形成装置101にインストールすべきソフトウェアを、指示書で指定されているものに限定するという意である。ラジオボタン1005が選択された際の指示書は、汎用指示書ではなく従来の指示書(専用指示書)相当である。
【0065】
本実施形態では、サマリー1201に記載される要素1202を指示書種別とする。要素1202に指示書の内容に応じてインストールするソフトウェアを決定することを示す“Script”の値が記載されている場合、指示書種別は専用指示書(第1の種別)である。要素1202にライセンス管理サーバ104に登録されている情報に基づいてインストールするソフトウェアを決定することを示す“LicenseManagementServer”の値が記載されている場合、指示書種別は汎用指示書(第2の種別)である。
指示書種別
【0066】
図13は、指示書作成プログラム500が指示書1200を作成する際の処理の流れを説明したフローチャートである。
ステップS1301では、UI制御部501が、ユーザ(指示書作成者)の操作に応じて指示書保存要求を受け付け、処理実行部502へ通知する。なお、UI制御部501は、
図10(B)の指示書作成画面1007における設定内容を、適宜RAM303に記憶しているものとする。
【0067】
ステップS1302では、処理実行部502が、指示書生成部503を呼び出し、ソフトウェアの特定方法に従って、処理を切り替える。指示書生成部503は、RAM303に記憶されているソフトウェアの特定方法を読み取り、判断する。
ソフトウェアの特定方法が、「ライセンス管理サーバに従う」場合(
図10(B)においてラジオボタン1006が選択された場合)は、ステップS1303に進む。一方、ソフトウェアの特定方法が、「指示書に従う」場合(
図10(B)においてラジオボタン1005が選択された場合)は、ステップS1304に進む。
【0068】
ステップS1303おいて、指示書生成部503が、指示書1200の要素1202の値として“LicenseManagementServer”を記録する。したがって、指示書種別として第2の種別を示す値が記載される。
ステップS1304において、指示書生成部503が、指示書1200の要素1202の値として”Script”を記録する。したがって、指示書種別として第1の種別を示す値が記載される。
【0069】
ステップS1305では、指示書生成部503が、RAM303に記憶されている各種設定内容に応じて、画像形成装置101のセットアップに必要な各工程に指示を示すコマンド(例えば、コマンド1102、コマンド1105等)を指示書に記録していく。
指示書の生成が完了すると、ステップS1306において、処理実行部502が、通信部504を呼び出し、指示書生成部503が生成した指示書を指示書管理サーバ103へアップロードする。
【0070】
図14は、指示書実行プログラム700が指示書1200を実行する際の処理の流れを説明したフローチャートである。
ステップS1401では、UI制御部701が、ユーザ(セットアップ作業者)からの指示書の検索指示を受け付ける。ユーザは検索指示として、指示書IDを画像形成装置101の操作部208から入力する。
【0071】
ステップS1402では、処理実行部702が、UI制御部701の検索指示受け付けに応じて、通信部707を介して指示書管理サーバ103へ指示書IDとともに指示書ダウンロード要求を送信する。指示書ダウンロード要求を受け付けた指示書管理プログラム600の指示書管理部602は、指示書実行プログラム700から送信されてきた指示書IDと、指示書の基本情報1101に記録されている指示書IDが合致する指示書を検索する。そして、検索した指示書を通信部604を介して画像形成装置101へ送信する。指示書実行プログラム700の通信部707は、指示書をダウンロードし、HDD207に保存する。
【0072】
ステップS1403では、指示書解析部703が、HDD207に保存された指示書を解析し、実行に必要な情報をRAM202に格納する。
ステップS1404では、指示書解析部703が、RAM202に記憶された情報を読み取り、指示書種別を確認する。指示書の種別は、指示書1200の基本情報1101に記録されているソフトウェアの特定方法を示した要素1202の値によって指示書解析部703が決定する。指示書解析部703は、要素1202に“LicenseManagementServer”が記録されていれば指示書の種類を第2の種別(汎用指示書)と判断し、ステップS1405に進む。一方、指示書解析部703は、要素1202に“Script”が記録されていれば指示書の種類を第1の種別(専用指示書)と判断し、ステップS1408に進む。
【0073】
ステップS1405では、処理実行部702が、通信部707を介して自装置のデバイスシリアル番号をライセンス管理サーバ104に送信し、自装置にインストール可能なソフトウェアの情報を問い合わせる。ライセンス管理サーバ104のライセンス管理プログラム800は、デバイス情報テーブル(表5)から受信したデバイスシリアル番号に関連付けられているソフトウェアのソフトウェアIDを導き出す。そして、ライセンス管理プログラム800は、ソフトウェア情報テーブル(表1)から該ソフトウェアIDに関連付けられているソフトウェア名、ソフトウェアファイルパスを導き出す。さらに、ライセンス管理プログラム800は、ライセンス情報テーブル(表4)から該デバイスシリアル番号と該ソフトウェアIDに関連付けられているライセンスパスを導き出す。そしてライセンス管理プログラム800は、画像形成装置101へソフトウェア情報を返信する。本実施形態においてソフトウェア情報とは、ソフトウェアのソフトウェアID,ソフトウェア名、ソフトウェアファイルパス、ライセンスパスを含む情報である。
【0074】
ステップS1406では、通信部707を介してソフトウェア情報を受信した処理実行部702が、ソフトウェア情報が1つ以上返信されたかどうかを確認する。ソフトウェア情報が1つ以上ある場合は、ステップS1407に進む。一方、ソフトウェア情報が1つもなかった場合は、ステップS1408へ進む。
【0075】
ステップS1407では、実行順序決定部705が、RAM202に記憶された情報と取得したソフトウェア情報に基づいて、ソフトウェアのインストール工程と起動工程を実行する順序を決定し、RAM202の情報を更新する。つまり、この段階でRAM202の内容は、指示書1200を解析して記憶した情報に対し、各ソフトウェアのインストール工程と起動工程を、適切な順序で追加したものとなる。
【0076】
ステップS1408では、処理実行部702がRAM202の情報を読み取り、UI制御部701を通して、これから実行する工程の一覧を操作部208に表示する。例えば、工程一覧として表6のような内容を表示する。工程一覧には、これから実行する予定の工程と、各工程で利用するコンテンツの名称が一覧表示される。なお、表6の例は、指示書実行プログラム700が指示書1200を実行する場合であって、デバイスシリアル番号がDSN01のときの表示内容である。デバイス情報テーブル(表5)より、DSN01にインストール可能なソフトウェアは、SW_01とわかる。
【表6】
【0077】
ステップS1409では、UI制御部701が、ユーザ操作に応じてセットアップ開始要求を受け付ける。処理実行部702は、セットアップ開始要求に応じて、コマンド実行部704を呼び出す。コマンド実行部704は、RAM202に記憶されている情報に従って、順次コマンドを実行していく。ソフトウェアをインストールする工程では、コマンド実行部704は、ステップS1405で取得したソフトウェアファイルパスを用いてソフトウェア管理サーバ105からソフトウェアファイルをダウンロードする。そして、コマンド実行部704は、ステップS1405で取得したライセンスパスを用いてライセンス管理サーバ104からライセンスをダウンロードして、インストールする。
【0078】
ステップS1410では、実行結果生成部706が、各工程の実行結果を生成し、指示書管理サーバ103へ送信する。実行結果生成部706は、実行結果一覧として、例えば表7のような内容を記録したファイルを生成する。
【表7】
【0079】
実行結果一覧には、実行予定の工程と各工程で利用するコンテンツの名称に加え、各工程を実行した結果を記録する。なお、ソフトウェアのインストール工程と、ソフトウェアの開始工程において、コンテンツ名に“LMS”と記録しているが、これは、ライセンス管理サーバ104の登録情報に従ってソフトウェアを特定したことを示す。
【0080】
以上説明したように、ライセンス管理サーバ104でデバイス情報テーブル(表5)を生成し、指示書にソフトウェア特定方法1201を記録することで、指示書作成者は、デバイスシリアル番号を知る必要もソフトウェアを指定する必要もなくなる。さらに、セットアップ作業者は、一つの汎用指示書の指示書IDを入力するだけで、複数の構成の複数の画像形成装置をセットアップすることが可能となる。例えば、更新するファームウェアとインポートする設定値ファイルが同じであれば、いずれの画像形成装置に対しても汎用指示書である指示書1200だけでソフトウェアを含む(あるいは、含まない構成でも)適切なセットアップが可能となる。このように、汎用指示書を用いることで、複数の画像形成装置をセットアップするための作業の効率を向上させることができる。
【0081】
(第2実施形態)
ソフトウェア商品には、複数のソフトウェアを含めることができる。しかし、ソフトウェア商品を購入したとしても、顧客によってはソフトウェア商品に含まれるすべてのソフトウェアを必要としない場合がある。例えば、商品テーブル(表2)の商品P_02を購入したが、商品P_02に含まれるソフトウェアのSW_03は不要というケースを想定する。第1実施形態に記載の方法では、商品P_02に含まれるすべてのソフトウェアを画像形成装置101にインストールしてしまうことになる。そこで、本実施形態では、ソフトウェア商品に複数のソフトウェアが含まれている場合に、セットアップ作業者が画像形成装置101の操作部208を操作して、インストールするソフトウェアを選択できるようにする。
【0082】
図15は、本実施形態における指示書作成画面の一例である。
図15に示される指示書作成画面1500は、
図10(B)の指示書作成画面1007に対し、ソフトウェアの選択方法を指定するためのコントロール1007と、ソフトウェアのバージョンの選択方法を指定するためのコントロール1008とが追加されている。
【0083】
ソフトウェアの選択方法を指定するコントロール1007は、ソフトウェアの特定方法を指定するためのコントロール1004において、「ライセンス管理サーバに従う」を指定したときのみ有効となる。コントロール1007において「すべて」を指定した場合、指示書生成部503は、商品に含まれるすべてのソフトウェアをインストール対象とすることを指示書に記録する。一方、コントロール1007において「作業時に選択する」を指定した場合、指示書生成部503は、セットアップ作業者が商品に含まれる複数のソフトウェアの中からインストールすべきソフトウェアを選択することを指示書に記録する。
【0084】
ソフトウェアのバージョンの選択方法を指定するコントロール1008は、ソフトウェアの特定方法を指定するためのコントロール1004において、「ライセンス管理サーバに従う」を指定したときのみ有効となる。例えば、商品P_02にはソフトウェアSW_02とソフトウェアSW_03が含まれているが、これらは必ずしも異なるソフトウェアとは限らない。同じソフトウェアではあるが、バージョンが異なるケースも考えられる。このように、商品に複数のソフトウェアが含まれている場合と同様、バージョンについても選択する必要がある。
【0085】
コントロール1008において、「最新」を指定した場合、指示書生成部503は、商品に複数バージョンのソフトウェアが含まれていたとしても、最新バージョンのソフトウェアを自動的にインストール対象とすることを指示書に記録する。一方、「作業時に選択する」を指定した場合、指示書生成部503は、セットアップ作業者がインストールすべきソフトウェアのバージョンを選択することを指示書に記録する。
【0086】
図16は、
図15の操作画面における設定内容を反映した指示書の一部を抜粋したものである。指示書1600には、サマリー1601と、コマンド1102およびコマンド1105が含まれる。図指示書作成画面1500のコントロール1007の設定内容を反映し、ソフトウェアの選択方法を指定した箇所が要素1602である。図指示書作成画面1500のコントロール1008の設定内容を反映し、ソフトウェアのバージョンの選択方法を指定した箇所が要素1603である。
【0087】
要素1108もしくは要素1109の値が“Choice”のとき、指示書実行プログラム700が指示書1200を実行する際の処理の流れは概ね
図14フローチャートと同じであるが、ステップS1408およびステップS1410が異なる。要素1108と要素1109の値が“Choice”のとき、指示書実行プログラム700が工程一覧(表6)を表示するステップS1408において、各「ソフトウェアのインストール」工程を選択可能な状態で表示する。例えば、工程の左部にチェックボックスを設けたり、工程の行を選択できるようにしたりすると良い。
【0088】
また、実行結果を生成するステップS1410において、指示書実行プログラム700は、表8に示される実行結果一覧を生成する。本実施形態では、第1実施形態の実行結果一覧(表7)に示される結果に加え、「未実施」を表記することができる。「未実施」は、セットアップ作業者によって、選択されなかったことを示す。
【表8】
【0089】
以上説明したように、ライセンス管理サーバ104でデバイス情報テーブル(表5)を生成し、指示書にソフトウェア特定方法1201を記録することで、指示書作成者は、デバイスシリアル番号を知る必要もソフトウェアを指定する必要もなくなる。さらに、セットアップ作業者は、一つの汎用指示書の指示書IDを入力するだけで、インストールするソフトウェアを選択しながら、複数の構成の複数の画像形成装置をセットアップすることが可能となる。
【0090】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0091】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。