(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】B型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療するための試薬及びその使用
(51)【国際特許分類】
C12N 15/11 20060101AFI20221212BHJP
A61K 31/7105 20060101ALI20221212BHJP
A61K 35/76 20150101ALI20221212BHJP
A61K 48/00 20060101ALI20221212BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20221212BHJP
A61P 31/20 20060101ALI20221212BHJP
C12N 15/63 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
C12N15/11 ZNA
A61K31/7105
A61K35/76
A61K48/00
A61P1/16
A61P31/20
C12N15/63
(21)【出願番号】P 2018509947
(86)(22)【出願日】2016-05-06
(86)【国際出願番号】 AU2016050340
(87)【国際公開番号】W WO2016176745
(87)【国際公開日】2016-11-10
【審査請求日】2019-05-07
【審判番号】
【審判請求日】2021-08-06
(32)【優先日】2015-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AU
(32)【優先日】2016-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517385092
【氏名又は名称】ベニテック バイオファーマ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マオ,ティン
(72)【発明者】
【氏名】カオ,シー-チュー
(72)【発明者】
【氏名】シュイ,デビッド
(72)【発明者】
【氏名】グラハム,マイケル
【合議体】
【審判長】冨永 みどり
【審判官】森井 隆信
【審判官】馬場 亮人
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2013/159109(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/055362(WO,A1)
【文献】国際公開第2012/109798(WO,A1)
【文献】特表2013-507933(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12N15/00
CAPLUS/MEDLINE/BIOSIS/EMBASE/WPIX(STN)
CAPLUS/REGISTRY(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の核酸を含むDNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクトであって、(a)配列番号4に示す配列によってコードされるRNA転写物に相補的であるか、または1、2、3もしくは4塩基のミスマッチを除いて配列番号4に示す配列によってコードされるRNA転写物に相補的である少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列を含む低分子ヘアピン型RNA(shRNA)をコードするDNA配列を含む第1の核酸
;
(b)配列番号
9に示す配列によってコードされるRNA転写物に相補的であるか、または1、2、3もしくは4塩基のミスマッチを除いて配列番号
9に示す配列によってコードされるRNA転写物に相補的である少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む第2の核酸
;及び
(c)配列番号58に示す配列によってコードされるRNA転写物に相補的であるか、または1、2、3もしくは4塩基のミスマッチを除いて配列番号58に示す配列によってコードされるRNA転写物に相補的である少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む第3の核酸
を含む、
前記DNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクト。
【請求項2】
第1の核酸が、配列番号28に示す配列に相補的であるか、または1、2、3もしくは4塩基のミスマッチを除いて配列番号28に示す配列に相補的であるエフェクター配列であって、ただし配列番号28に示す配列とデュプレックスを形成できるエフェクター配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む、請求項1に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項3】
第1の核酸が、配列番号28に示す配列に相補的であるエフェクター配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む、請求項1に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項4】
第1の核酸が、配列番号27に示すエフェクター配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む、請求項1~
3のいずれか1項に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項5】
第1の核酸が、配列番号27に示すエフェクター配列、及び配列番号28に示すエフェクター相補配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む、請求項1~
4のいずれか1項に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項6】
第2の核酸が、配列番号48に示す配列に相補的であるか、または1、2、3もしくは4塩基のミスマッチを除いて配列番号48に示す配列に相補的であるエフェクター配列であって、ただし配列番号48に示す配列とデュプレックスを形成できるエフェクター配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む、請求項1~
5のいずれか1項に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項7】
第2の核酸が、配列番号48に示す配列に相補的であるエフェクター配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む、請求項1~
5のいずれか1項に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項8】
第2の核酸が、配列番号47に示すエフェクター配列、及び配列番号48に示すエフェクター相補配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む、請求項1~
7のいずれか1項に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項9】
第
3の核酸が、配列番号58に示す配列に相補的であるエフェクター配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む、請求項1
~8のいずれか1項に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項10】
第
3の核酸が、配列番号57に示すエフェクター配列、及び配列番号58に示すエフェクター相補配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む、請求項1
~9のいずれか1項に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項11】
(a)配列番号27に示すエフェクター配列、及び配列番号28に示すエフェクター相補配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む、第1の核酸;
(b)配列番号47に示すエフェクター配列、及び配列番号48に示すエフェクター相補配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む、第2の核酸;及び
(c)配列番号57に示すエフェクター配列、及び配列番号58に示すエフェクター相補配列を含むshRNAをコードするDNA配列を含む、第3の核酸
を含む、請求項1~
10のいずれか1項に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項12】
(a)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第1の核酸;
(b)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第2の核酸;及び
(c)配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第3の核酸
を含む、請求項
11に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項13】
shRNAをコードする各核酸の上流にRNA pol IIIプロモーターを含んでいる、請求項1~請求項
12のいずれか1項に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項14】
前記または各RNA pol IIIプロモーターは、U6プロモーター及びH1プロモーターから選択される、請求項
13に記載のddRNAiコンストラクト。
【請求項15】
請求項1~請求項
14のいずれか1項に記載されるddRNAiコンストラクトを含んでいる、発現ベクター。
【請求項16】
(i)前記発現ベクターは、プラスミドまたは小環であり、または
(ii)前記発現ベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、レトロウイルスベクター、アデノウイルス(AdV)ベクター及びレンチウイルス(LV)ベクターからなる群より選択されるウイルスベクターであり、
任意選択で、前記発現ベクターは、カチオン性DNA結合ポリマーと複合体をなしている、
請求項
15に記載の発現ベクター。
【請求項17】
(i)請求項1~
14のいずれか1項に記載のDNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクト、または請求項
15もしくは
16に記載の発現ベクター、ならびに(ii)1種以上の製薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項18】
対象のB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療する方法に使用するための医薬組成物であって、(i)請求項1~
14のいずれか1項に記載のDNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクト、または請求項
15もしくは
16に記載の発現ベクター、ならびに(ii)1種以上の製薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項19】
B型肝炎ウイルス(HBV)感染を患う対象において1種以上のHBV遺伝子の発現を低下させる方法に使用するための医薬組成物であって、(i)請求項1~
14のいずれか1項に記載のDNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクト、または請求項
15もしくは
16に記載の発現ベクター、ならびに(ii)1種以上の製薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項20】
B型肝炎ウイルス(HBV)感染を患う対象のHBVウイルス負荷を低下させる方法に使用するための医薬組成物であって、(i)請求項1~
14のいずれか1項に記載のDNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクト、または請求項
15もしくは
16に記載の発現ベクター、ならびに(ii)1種以上の製薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項21】
B型肝炎ウイルス(HBV)感染を患う対象のHBV感染に関連する1つ以上の症状の重症度を軽減する方法に使用するための医薬組成物であって、(i)請求項1~
14のいずれか1項に記載のDNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクト、または請求項
15もしくは
16に記載の発現ベクター、ならびに(ii)1種以上の製薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項22】
B型肝炎ウイルス(HBV)感染を患う対象のHBVの感染力を低下させる方法に使用するための医薬組成物であって、(i)請求項1~
14のいずれか1項に記載のDNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクト、または請求項
15もしくは
16に記載の発現ベクター、ならびに(ii)1種以上の製薬上許容される担体を含む、医薬組成物。
【請求項23】
前記対象は、急性HBV感染を患っている、請求項
18~
22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記対象は、慢性HBV感染を患っている、請求項
18~
22のいずれか1項に記載の医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本願は、2015年5月6日出願の豪州特許仮出願第2015901617号及び2016年4月8日出願の米国特許仮出願第62/319,971号の優先権を主張し、それらの内容を参照としてすべて本明細書に援用する。
【0002】
本開示は、B型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療するためのRNA干渉(RNAi)試薬、これを含む組成物、及びHBVに感染した個体を治療するためのその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
HBVは深刻かつ一般的な感染性の肝疾患であり、世界的に多数の人が影響を受けている。HBVは、Hepadnaviridae科に属する肝臓指向性DNAウイルスである。このウイルスゲノムの全長は約3.2kbであり、表面抗原(「S遺伝子」)、コア抗原(「C遺伝子」)、DNAポリメラーゼ(「P遺伝子」)、及び機能が未解明の「X遺伝子」と呼ばれる遺伝子の4つのオープン読み枠(ORF)を有する。世界中で20億人を上回る人が一生のうちどこかの時点でHBVに感染しているが、そのうち約3億5千万~4億人が持続感染しウイルスのキャリアとなっている。HBV感染が原因で急性B型肝炎や慢性B型肝炎が生じることがあり、やがて慢性肝不全、肝硬変、肝細胞癌を発症することもある。さらに、HBVキャリアはこの疾患を長年にわたり伝染させる可能性もある。慢性のHBV感染者、すなわちキャリアが肝細胞癌を発症するリスクは非キャリアよりも少なくとも12倍は高く、HBVは世界の原発肝臓癌の原因の60~80%を占めている。その結果、HBVは、既知のヒト発癌物質としてはタバコに次いで第二位に位置している。
【0004】
HBVにはワクチンがあるが、人口におけるHBV感染率は依然として高い。さらに、現在の慢性HBV感染の諸治療法では、慢性的に感染している患者の大多数において、ウイルス遺伝子の発現と複製の阻害に限られた効果しかない。慢性HBV感染の既存の治療法には、ウイルスが薬剤耐性になるという制限もある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これらの理由から、HBV感染の新治療剤が依然として必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示は、HBV感染の治療及び/または予防のための既存のワクチン及び治療剤は、たとえばウイルスに薬剤耐性ができるせいで長期治療を要する場合及び/またはHBVの種々の遺伝子型によって奏功性にばらつきがある場合など、その有効性が限られている、という認識に一部基づくものである。本開示は、HBVゲノムによって生産されるRNA転写物の保存領域、すなわち複数の異なるHBV遺伝子型間で保存されている1つ以上の領域を標的とするRNAi試薬を提供する。発明者らは、これらのRNAi試薬がHBVに感染した細胞内でのHBV遺伝子、たとえばHBV pol遺伝子の発現の阻害に有効であることを示している。たとえば、本開示の例示的RNAi試薬は、活性HBVを有するHepG2.2.15細胞においてHBV遺伝子転写物の発現を阻害または低下させることを示している。また、本開示の例示的RNAi試薬は、HBVを接種したヒト肝細胞やHBVに感染したPXBキメラマウスにおいてHBV遺伝子転写物の発現を阻害または低下させ、細胞内及び細胞外HBV DNAを減少させ、HBV共有結合閉環状DNA(cccDNA)を減少させることも示している。発明者らのこのような知見は、HBVによる核酸の発現及び/またはタンパク質の発現を阻害または低下させる新規の化合物、及びそのような化合物の使用、たとえば対象のHBV感染を治療することを提供するものである。
【0007】
したがって、本開示は、少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含むRNAを提供し、該エフェクター配列はHBVゲノムのある領域によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、該領域は配列番号1~10のいずれかに示す配列を含んでいる。たとえば、エフェクター配列は、30ヌクレオチド長よりも短い。たとえば、好適なエフェクター配列は、17~29ヌクレオチド長の範囲であってもよい。
【0008】
このエフェクター配列は、これがほぼ相補的である配列番号1~10のいずれかに示す配列に対する4塩基対のミスマッチを含むことができる。別の例では、このエフェクター配列は、これがほぼ相補的である配列番号1~10のいずれかに示す配列に対する3塩基対のミスマッチを含んでいる。別の例では、このエフェクター配列は、これがほぼ相補的である配列番号1~10のいずれかに示す配列に対する2塩基対のミスマッチを含んでいる。別の例では、このエフェクター配列は、これがほぼ相補的である配列番号1~10のいずれかに示す配列に対する1塩基対のミスマッチを含んでいる。さらに別の例では、このエフェクター配列は、配列番号1~10のいずれかに示す配列内の同じ長さの領域に100%相補的である。
【0009】
一例では、RNAは、以下からなる群より選択することができる:
(i)配列番号12に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号12に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号14に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号14に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号16に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号16に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号18に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号18に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号20に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号20に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号22に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号22に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号24に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号24に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号26に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号26に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号28に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号28に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号30に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号30に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号32に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号32に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号34に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号34に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号36に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号36に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号38に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号38に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号40に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号40に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号42に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号42に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号44に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号44に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号46に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号46に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号48に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号48に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
(i)配列番号50に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号50に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA;及び
(i)配列番号52に示す配列に相補的なエフェクター配列であって、配列番号52に示す配列とデュプレックスを形成できるならば1、2、3または4塩基のミスマッチを有していてもよい、エフェクター配列;及び(ii)該エフェクター配列にほぼ相補的な配列を含むエフェクター相補配列を含んでいるRNA。
【0010】
別の例では、RNAは、以下からなる群より選択することができる:
配列番号11に示すエフェクター配列、及び配列番号11に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号13に示すエフェクター配列、及び配列番号13に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号15に示すエフェクター配列、及び配列番号15に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号17に示すエフェクター配列、及び配列番号17に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号19に示すエフェクター配列、及び配列番号19に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号21に示すエフェクター配列、及び配列番号21に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号23に示すエフェクター配列、及び配列番号23に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号25に示すエフェクター配列、及び配列番号25に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号27に示すエフェクター配列、及び配列番号27に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号29に示すエフェクター配列、及び配列番号29に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号31に示すエフェクター配列、及び配列番号31に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号33に示すエフェクター配列、及び配列番号33に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号35に示すエフェクター配列、及び配列番号35に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号37に示すエフェクター配列、及び配列番号37に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号39に示すエフェクター配列、及び配列番号39に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号41に示すエフェクター配列、及び配列番号41に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号43に示すエフェクター配列、及び配列番号43に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号45に示すエフェクター配列、及び配列番号45に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号47に示すエフェクター配列、及び配列番号47に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号49に示すエフェクター配列、及び配列番号49に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA;及び
配列番号51に示すエフェクター配列、及び配列番号51に示す該配列にほぼ相補的であり該配列とデュプレックスを形成できるエフェクター相補配列を含んでいるRNA。
【0011】
たとえば、本開示のあるRNAのあるエフェクター相補配列は、同種のエフェクター配列とエフェクター相補配列とでデュプレックスを形成できるならば、対応するエフェクター配列に対し1つ、2つ、3つまたは4つのミスマッチを有することができる。
【0012】
別の例では、RNAは、以下からなる群より選択することができる:
配列番号11に示すエフェクター配列、及び配列番号12に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号13に示すエフェクター配列、及び配列番号14に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号15に示すエフェクター配列、及び配列番号16に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号17に示すエフェクター配列、及び配列番号18に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号19に示すエフェクター配列、及び配列番号20に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号21に示すエフェクター配列、及び配列番号22に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号23に示すエフェクター配列、及び配列番号24に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号25に示すエフェクター配列、及び配列番号26に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号27に示すエフェクター配列、及び配列番号28に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号29に示すエフェクター配列、及び配列番号30に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号31に示すエフェクター配列、及び配列番号32に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号33に示すエフェクター配列、及び配列番号34に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号35に示すエフェクター配列、及び配列番号36に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号37に示すエフェクター配列、及び配列番号38に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号39に示すエフェクター配列、及び配列番号40に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号41に示すエフェクター配列、及び配列番号42に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号43に示すエフェクター配列、及び配列番号44に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号45に示すエフェクター配列、及び配列番号46に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号47に示すエフェクター配列、及び配列番号48に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号49に示すエフェクター配列、及び配列番号50に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;及び
配列番号51に示すエフェクター配列、及び配列番号52に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA。
【0013】
一例では、RNAは、RNAi試薬である。
【0014】
本開示のRNAは、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)として提供することができる。本開示のRNAがshRNAとして提供されるとき、エフェクター配列とエフェクター相補配列の間に配置されたループ配列を含むことができる。好適なループ配列は、当業界で既知のものから選択することができる。たとえば、本開示によるshRNAは、配列番号65~98のいずれかに示す配列を含むことができる。
【0015】
あるいは、本開示のRNAは、低分子干渉RNA(siRNA)デュプレックスまたは二本鎖RNA(dsRNA)として提供することができる。
【0016】
当業者であれば、本開示によるRNAを他のHBV治療剤と併用でまたは組み合わせて使用できることを理解しよう。したがって、本開示は、1種以上の他のHBV治療剤と併用される、本明細書で説明するRNAを提供する。一例では、
(a)本明細書で説明する少なくとも1つのRNA;及び
(b)
(i)本明細書で説明するRNAと同じRNA;または
(ii)少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該エフェクター配列は配列番号54、56、58、60、62及び64のいずれかに示すRNA配列にほぼ相補的であるRNA
から選択される少なくとも1つのRNA
を含む、複数のRNAが提供され、
(a)のRNAと(b)のRNAは異なるエフェクター配列を含んでいる。
【0017】
一例では、本開示の複数のRNAは、
(a)
配列番号11に示すエフェクター配列、及び配列番号12に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号13に示すエフェクター配列、及び配列番号14に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号15に示すエフェクター配列、及び配列番号16に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号17に示すエフェクター配列、及び配列番号18に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号19に示すエフェクター配列、及び配列番号20に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号21に示すエフェクター配列、及び配列番号22に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号23に示すエフェクター配列、及び配列番号24に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号25に示すエフェクター配列、及び配列番号26に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号27に示すエフェクター配列、及び配列番号28に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号29に示すエフェクター配列、及び配列番号30に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号31に示すエフェクター配列、及び配列番号32に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号33に示すエフェクター配列、及び配列番号34に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号35に示すエフェクター配列、及び配列番号36に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号37に示すエフェクター配列、及び配列番号38に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号39に示すエフェクター配列、及び配列番号40に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号41に示すエフェクター配列、及び配列番号42に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号43に示すエフェクター配列、及び配列番号44に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号45に示すエフェクター配列、及び配列番号46に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号47に示すエフェクター配列、及び配列番号48に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号49に示すエフェクター配列、及び配列番号50に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;及び
配列番号51に示すエフェクター配列、及び配列番号52に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA
からなる群より選択される少なくとも1つのRNA:ならびに
(b)
(i)(a)に記載の群から選択されるRNA;または
(ii)少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該エフェクター配列は配列番号54、56、58、60、62及び64のいずれかに示すRNA配列にほぼ相補的であるRNA
から選択される少なくとも1つのRNA
を含み、
(a)のRNAと(b)のRNAは異なるエフェクター配列を含んでいる。
【0018】
たとえば、配列番号54、56、58、60、62及び64のいずれかに示すRNA配列にほぼ相補的なエフェクター配列は、30ヌクレオチド長よりも短くなる。たとえば、好適なエフェクター配列は、17~29ヌクレオチド長の範囲であってもよい。
【0019】
本開示による複数のRNAには、2つのRNA、3つのRNA、4つのRNA、5つのRNA、6つのRNA、7つのRNA、8つのRNA、9つのRNA、または10のRNAなど、最大10のRNAが含まれる場合もある。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明するRNAのうちの2つが含まれる。別の例では、複数のRNAには、本明細書で説明するRNAのうちの3つが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明するRNAのうちの4つが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明するRNAのうちの5つが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明するRNAのうちの6つが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明するRNAのうちの7つが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明するRNAのうちの8つが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明するRNAのうちの9つが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明するRNAのうちの10が含まれる。
【0020】
一例では、本明細書で説明する複数のRNAは、一組成物中に提供される。
【0021】
別の例では、本明細書で説明する複数のRNAは、複数の組成物として提供される。たとえば、複数のRNAはそれぞれ、別々に提供される場合もある。あるいは、複数のRNAのうち、少なくとも1つのRNAは別に提供され、2つ以上のRNAは一緒に組成物中に提供される場合もある。
【0022】
本明細書で説明するように、配列番号54、56、58、60、62及び64のいずれかに示すRNA配列にほぼ相補的なエフェクター配列を含むRNAは、
配列番号53に示すエフェクター配列、及び配列番号54に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号55に示すエフェクター配列、及び配列番号56に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号57に示すエフェクター配列、及び配列番号58に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号59に示すエフェクター配列、及び配列番号60に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号61に示すエフェクター配列、及び配列番号62に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;及び
配列番号63に示すエフェクター配列、及び配列番号64に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNAからなる群より選択することができる。
【0023】
本明細書で説明する複数のRNAのうちの少なくとも1つまたはその各々は、shRNAとして存在することができる。たとえば、本開示は、複数のshRNAを提供することができる。したがって、複数のRNAのうちの1つ以上は、対応するエフェクター配列とエフェクター相補配列の間に配置されたループ配列を含むことができる。好適なループ配列は、当業界で既知のものから選択することができる。あるいは、好適なステムループを新たに開発してもよい。
【0024】
一例では、本開示による複数のRNAは、
(a)配列番号65~98のいずれかに示す配列を含むshRNAである少なくとも1つのRNA;及び
(b)
(i)配列番号65~98のいずれかに示す配列を含むshRNAであるRNA;または
(ii)配列番号99~104のいずれかに示す配列を含むshRNAであるRNA
から選択される少なくとも1つのRNA
を含むことができ、
(a)のshRNAと(b)のshRNAは異なっている。
【0025】
本開示は、本明細書で示す1つ以上のRNAをコードする配列を含む核酸も提供する。一例では、該核酸は、DNA配列を含む。一例では、該核酸はDNAである。
【0026】
本開示はまた、
(a)本明細書で説明するRNAをコードする配列を含む第1の核酸;及び
(b)第2の核酸であって、
(i)本明細書で説明するRNA;または
(ii)少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該エフェクター配列は配列番号54、56、58、60、62及び64のいずれかに示すRNA配列にほぼ相補的であるRNA
から選択されるRNAをコードする配列を含む第2の核酸
を含む複数の核酸を提供し、
該第1の核酸によってコードされるRNAと該第2の核酸によってコードされるRNAは、異なるエフェクター配列を含んでいる。たとえば、該第2の核酸によってコードされるRNAは、30ヌクレオチド長よりも短いエフェクター配列を含んでいる。たとえば、好適なエフェクター配列は、17~29ヌクレオチド長の範囲であってもよい。
【0027】
一例では、第1の核酸と第2の核酸は、同じポリヌクレオチドの別々の部分を形成する(すなわち、連続する共有結合ヌクレオチド残基)。別の例では、第1の核酸と第2の核酸は、別のポリヌクレオチドの部分を形成する。
【0028】
本明細書で説明するように、配列番号54、56、58、60、62及び64のいずれかに示すRNA配列にほぼ相補的なエフェクター配列を含むRNAは、
配列番号53に示すエフェクター配列、及び配列番号54に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号55に示すエフェクター配列、及び配列番号56に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号57に示すエフェクター配列、及び配列番号58に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号59に示すエフェクター配列、及び配列番号60に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号61に示すエフェクター配列、及び配列番号62に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;及び
配列番号63に示すエフェクター配列、及び配列番号64に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA
からなる群より選択することができる。
【0029】
一例では、1種以上の核酸がshRNAをコードする。たとえば、各核酸はshRNAをコードする。一例では、該または各核酸は、エフェクター配列とエフェクター相補配列の間に配置されたループ配列もコードする。好適なループ配列は、当業者には明らかになり、かつ/または本明細書で説明される。
【0030】
一例では、複数の核酸は、
(a)配列番号65~98のいずれかに示す配列を含むshRNAをコードする配列を含む第1の核酸;及び
(b)第2の核酸であって、
(i)配列番号65~98のいずれかに示す配列を含むshRNA;または
(ii)配列番号99~104のいずれかに示す配列を含むshRNA
から選択されるshRNAをコードする配列を含む第2の核酸
を含み、
該第1の核酸によってコードされるshRNAと該第2の核酸によってコードされるshRNAは異なっている。
【0031】
本開示による該または各核酸は、1つ以上の転写終結配列を含むかまたはそれと機能的に連結されている場合もある。たとえば、該または各核酸は、RNAをコードする配列の3’末端に転写終結(ターミネーター)配列を含むことができる。そのような配列は、当業者には明らかであろうが、『TTTTT』または『TTTTTT』を含むことができる。
【0032】
あるいは、またはさらに、本開示による該または各核酸は、転写開始配列を含むかまたはそれと機能的に連結されている場合もある。たとえば、該または各核酸は、RNAをコードする配列の5’末端に転写開始(イニシエーター)配列を含むことができる。そのような配列は、当業者には明らかであろうが、『G』を含むことができる。
【0033】
あるいは、またはさらに、本開示による該または各核酸は、たとえば核酸(複数可)をクローン化してクローニング・ベクターまたは発現ベクターにするのを容易にするために、1つ以上の制限部位を含むことができる。たとえば、本明細書で説明する核酸は、本開示のRNAをコードする配列の上流及び/または下流に制限部位を含むことができる。好適な制限酵素認識配列は当業者には明らかであろう。しかし、一例では、本開示の核酸(複数可)は、RNAをコードする配列の5’末端すなわち上流にBamH1制限部位(GGATCC)を、RNAをコードする配列の3’末端すなわち下流にEcoR1制限部位(GAATTC)を含むことができる。
【0034】
本開示による核酸は、該核酸によってコードされる本開示の1つ以上のRNAを発現できるDNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクトとして、またはそれに含めて提供することもできる。この点で、本開示の核酸を含む1つ以上のddRNAiコンストラクトも提供される。
【0035】
別の例では、本明細書で説明するshRNAをそれぞれがコードする複数のddRNAiコンストラクトを提供し、
(a)該複数のddRNAiコンストラクトのうちの少なくとも1つが、本明細書で説明する複数の核酸のうちの第1の核酸を含み;かつ
(b)該複数のddRNAiコンストラクトのうちの少なくとも1つが、本明細書で説明する複数の核酸のうちの第2の核酸を含み、
該第1の核酸と該第2の核酸は互いに異なっている。
【0036】
さらに別の例では、本開示のddRNAiコンストラクトは少なくとも2つのshRNAをコードし、該ddRNAiコンストラクトは、
(a)配列番号65~98のいずれかに示す配列を含む第1のshRNAをコードする核酸;及び
(b)第2のshRNAをコードするDNA配列を含む核酸であって、該第2のshRNAは、少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該エフェクター配列は、B型肝炎ウイルスのゲノムによってコードされるRNA転写物の領域にほぼ相補的である、核酸
を含み、
該第1のshRNAと該第2のshRNAは異なっている。
【0037】
たとえば、第2のshRNAは、30ヌクレオチド長よりも短いエフェクター配列を含んでいる。たとえば、好適なエフェクター配列は、17~29ヌクレオチド長の範囲であってもよい。
【0038】
一例では、少なくとも2つのshRNAをコードするddRNAiコンストラクトは、本明細書で説明する複数の核酸を含んでいる。
【0039】
さらに別の例では、少なくとも2つのshRNAをコードするddRNAiコンストラクトは、第3のshRNAをコードするDNA配列を含む核酸を含み、該第3のshRNAは、少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該エフェクター配列は、B型肝炎ウイルスのゲノムによってコードされるRNA転写物のある領域にほぼ相補的であり、該第3のshRNAは該第1のshRNAとも該第2のshRNAとも異なっている。
【0040】
たとえば、第3のshRNAは、30ヌクレオチド長よりも短いエフェクター配列を含んでいる。たとえば、好適なエフェクター配列は、17~29ヌクレオチド長の範囲であってもよい。
【0041】
本開示の一例示的形態では、第3のshRNAをコードしている核酸は、本明細書で説明する複数の核酸のいずれかの核酸から選択される核酸である。
【0042】
本開示のddRNAiコンストラクトの一例には、
(a)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする核酸:
(b)本明細書で説明する複数の核酸のいずれかの核酸から選択される核酸;及び
(c)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする核酸
が含まれ、
(b)の核酸は、(a)の核酸及び(c)の核酸によってコードされるshRNAとは異なるshRNAをコードする。
【0043】
別の例では、本開示のddRNAiコンストラクトは、
(a)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第1の核酸:
(b)配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第2の核酸;及び
(c)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第3の核酸を含んでいる。
【0044】
さらに別の例では、本開示のddRNAiコンストラクトは、
(a)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第1の核酸:
(b)配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第2の核酸;及び
(c)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第3の核酸を含んでいる。
【0045】
本開示の一例示的ddRNAiコンストラクトは、5’から3’の方向に、
(a)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第1の核酸:
(b)配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第2の核酸;及び
(c)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第3の核酸を含んでいる。
【0046】
本開示のさらなる例示的なddRNAiコンストラクトは、5’から3’の方向に、
(a)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第1の核酸:
(b)配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第2の核酸;及び
(c)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第3の核酸を含んでいる。
【0047】
一例では、本明細書で説明するddRNAiコンストラクトは、本開示のshRNAをコードする該または各核酸に機能的に連結された1つのプロモーターを含んでいる。
【0048】
別の例では、本開示のshRNAをコードする各核酸は、別のプロモーターに機能的に連結されている。たとえば、プロモーター(複数可)は、shRNA(複数可)をそれぞれコードする核酸(複数可)の上流に配置されている。複数のプロモーターを含むddRNAiコンストラクトでは、これらのプロモーターは同じでも異なっていてもよい。例示的なプロモーターは、RNA pol IIIプロモーター系のたとえばU6及びH1プロモーターなどである。
【0049】
3つのshRNAをコードする、それぞれ別のプロモーターに連結されている核酸を含むddRNAiコンストラクトの一例では、核酸のうちの2つは同種のプロモーターに連結されているが、第3の核酸は異なるプロモーターに連結されている。たとえば、上述のshRNAをコードする3つの核酸を含むddRNAiコンストラクトの場合、第1の核酸と第3の核酸は別の同種のプロモーターに連結され、第2の核酸は異なるプロモーターに連結されている。
【0050】
3つのshRNAをコードする、それぞれ別のプロモーターに連結されている核酸を含むddRNAiコンストラクトの一例では、プロモーターはすべて同種である。
【0051】
本開示の一例示的ddRNAiコンストラクトは、5’から3’の方向に、
(a)U6プロモーターに機能的に連結された、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第1の核酸:
(b)U6プロモーターに機能的に連結された、配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第2の核酸;及び
(c)U6プロモーターに機能的に連結された、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第3の核酸を含んでいる。
【0052】
本開示のさらなる例示的ddRNAiコンストラクトは、5’から3’の方向に、
(a)U6プロモーターに機能的に連結された、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第1の核酸:
(b)U6プロモーターに機能的に連結された、配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第2の核酸;及び
(c)U6プロモーターに機能的に連結された、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第3の核酸を含んでいる。
【0053】
本開示は、本開示のddRNAiコンストラクトを含んでいる発現ベクターも提供する。
【0054】
本開示は、本開示のddRNAiコンストラクトをそれぞれが含んでいる複数の発現ベクターも提供する。たとえば、該複数の発現ベクターのうちの1つ以上が、本明細書で説明する複数のddRNAiコンストラクトを含んでいる。別の例では、該複数の発現ベクターのそれぞれが、本明細書で説明する複数のddRNAiコンストラクトを含んでいる。さらなる例では、該複数の発現ベクターのそれぞれが、本明細書で説明する1つのddRNAiコンストラクトを含んでいる。この段落で述べたどの例でも、該複数の発現ベクターは本開示による複数のshRNAを集合的に発現することができる。
【0055】
一例では、該または各発現ベクターは、プラスミドまたは小環である。
【0056】
一例では、プラスミドまたは小環または発現ベクターまたはddRNAiコンストラクトは、カチオン性DNA結合ポリマーとの複合体である。
【0057】
別の例では、該または各発現ベクターは、ウイルスベクターである。たとえば、該ウイルスベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター(AdV)及びレンチウイルス(LV)ベクターからなる群より選択される。
【0058】
本開示は、本明細書で説明するddRNAiコンストラクト及び/または発現ベクターを含む組成物も提供する。一例では、該組成物は、1種以上の製薬上許容される担体及び/または希釈剤も含むことができる。
【0059】
本開示は、対象のHBV感染を治療する方法も提供し、該方法は、本明細書で説明する治療有効量のRNA、複数のRNA、核酸、複数の核酸、ddRNAiコンストラクト、複数のddRNAiコンストラクト、発現ベクター、複数の発現ベクター及び/または組成物を該対象に投与することを含む。
【0060】
本開示は、HBV感染した対象のHBVウイルス負荷を低下させる方法も提供し、該方法は、本明細書で説明する治療有効量のRNA、複数のRNA、核酸、複数の核酸、ddRNAiコンストラクト、複数のddRNAiコンストラクト、発現ベクター、複数の発現ベクター及び/または組成物を該対象に投与することを含む。
【0061】
本開示は、HBV感染に苦しむ対象のHBV関連の1つ以上の症状の重症度を軽減する方法も提供し、該方法は、本明細書で説明する治療有効量のRNA、複数のRNA、核酸、複数の核酸、ddRNAiコンストラクト、複数のddRNAiコンストラクト、発現ベクター、複数の発現ベクター及び/または組成物を該対象に投与することを含む。
【0062】
本開示は、HBVに感染した対象のHBV感染力を低下させる方法も提供し、該方法は、本明細書で説明する治療有効量のRNA、複数のRNA、核酸、複数の核酸、ddRNAiコンストラクト、複数のddRNAiコンストラクト、発現ベクター、複数の発現ベクター及び/または組成物を該対象に投与することを含む。
【0063】
本開示は、HBV感染に苦しんでいる対象が慢性肝不全、肝硬変、及び/または肝細胞癌を発症するリスクを低下させる方法も提供し、該方法は、本明細書で説明する治療有効量のRNA、複数のRNA、核酸、複数の核酸、ddRNAiコンストラクト、複数のddRNAiコンストラクト、発現ベクター、複数の発現ベクター及び/または組成物を該対象に投与することを含む。
【0064】
本明細書で説明するいずれの方法においても、一例では、対象は急性HBV感染に苦しんでいる。あるいは、一例では、対象は慢性HBV感染に苦しんでいる。
【0065】
一例では、本明細書で説明する方法は、対象におけるHBVゲノムによってコードされる1つ以上の転写物の発現を阻害することを含む。
【0066】
一例では、本開示のRNA、複数のRNA、核酸、複数の核酸、ddRNAiコンストラクト、複数のddRNAiコンストラクト、発現ベクター、複数の発現ベクター及び/または組成物が投与される対象は、HBV感染のため既に別の治療剤の治療を受けている。たとえば、該対象及び/またはHBVは、HBV感染の治療で知られている他剤での治療に耐性または抵抗性がある。
【0067】
別の例では、本開示のRNA、複数のRNA、核酸、複数の核酸、ddRNAiコンストラクト、複数のddRNAiコンストラクト、発現ベクター、複数の発現ベクター及び/または組成物は、HBV感染の治療で知られている別の治療剤すなわち補助治療剤と組み合わせて投与される。
【0068】
一例では、本開示の組成物はキットとして提供される。たとえば、本開示の組成物は、HBV感染の治療で知られている1種以上の他の治療剤と一緒に梱包されている。そのような他の治療剤は、当業者には明らかであろう。別の例では、組成物は、本開示の方法の使用上の注意と一緒に梱包されている。
【0069】
本開示は、たとえば対象のHBV感染を治療するための及び/または本明細書で説明する方法でHBV感染を治療するための調製物または治療薬における、本明細書で説明するRNA、複数のRNA、核酸、複数の核酸、ddRNAiコンストラクト、複数のddRNAiコンストラクト、発現ベクター、複数の発現ベクター及び/または組成物の使用も提供する。一例では、対象は急性HBV感染に苦しんでいる。ある代替例では、対象は慢性HBV感染に苦しんでいる。
【0070】
本開示は、本明細書で説明するRNA、複数のRNA、核酸、複数の核酸、ddRNAiコンストラクト、複数のddRNAiコンストラクト、発現ベクター、複数の発現ベクター及び/または組成物の治療用途も提供する。たとえば、該RNA、複数のRNA、核酸、複数の核酸、ddRNAiコンストラクト、複数のddRNAiコンストラクト、発現ベクター、複数の発現ベクター及び/または組成物を、対象のHBV感染を治療するため及び/または本明細書で説明する方法でHBV感染を治療するために使用することができる。対象は急性HBV感染に苦しんでいる場合もある。ある代替例では、対象は慢性HBV感染に苦しんでいる場合もある。
【0071】
本明細書で説明するどの例におけるHBV治療も、対象のHBVウイルス負荷の低下、HBV感染に関連する症状の重症度の軽減及び/または対象のHBV感染力の低下のうちの1つ以上を含むことができる。一例では、治療薬はこれが投与される対象においてHBV遺伝子転写産物を減少させることになる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【
図1】HBVゲノムのマップ、及びsiRNA標的領域の位置を示す図である。内側の円はHBVゲノムを表し、それらの周りのボックスは、記載のタンパク質コード配列を示し、外側の曲線矢印は、HBV mRNAを表す。表1に挙げた保存性の高い領域(領域1~領域10)の位置と、表4のさらなるshRNA(shRNA3、8及び11)が標的とする領域を破線で示す。
【
図2】ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系における、shRNA9、shRNA15、及びshRNA27それぞれのアンチセンス配列及びセンス配列を有するsiRNAのHBV阻害活性を例示する図である。
【
図3】HepG2.2.15細胞中、shRNA9、shRNA27及びshRNA27それぞれのアンチセンス配列及びセンス配列を有するsiRNAがHBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域からのHBV転写物を阻害する活性を例示する図である。
【
図4】ポリメラーゼ遺伝子及びHBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgそれぞれに対するHBV siRNAの相対的な位置を例示する図である。
【
図5a】shRNA1、shRNA4、shRNA15、shRNA18、shRNA35、shRNA36、shRNA39とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系においてルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図5b】shRNA1、shRNA4、shRNA15、shRNA18、shRNA35、shRNA36、shRNA39とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系においてルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図5c】shRNA5、shRNA6、shRNA7、shRNA8、shRNA35、shRNA26、shRNA27、shRNA30、shRNA40とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイにおいてルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図5d】shRNA5、shRNA6、shRNA7、shRNA8、shRNA35、shRNA26、shRNA27、shRNA30、shRNA40とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイにおいてルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図5e】shRNA9、shRNA10、shRNA11、shRNA12、shRNA33、shRNA34、shRNA19、shRNA20、shRNA23、shRNA24とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイにおいてルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図5f】shRNA9、shRNA10、shRNA11、shRNA12、shRNA33、shRNA34、shRNA19、shRNA20、shRNA23、shRNA24とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイにおいてルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図6a】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図6b】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図6c】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図6d】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図6e】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図6f】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図6g】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図6h】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図6i】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図6j】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図7a】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図7b】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図7c】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図7d】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図7e】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図7f】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図7g】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図7h】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図7i】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図7j】shRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図8a】HEK293細胞中、一定レベルのDNAを細胞にトランスフェクションできるように非特異的フィラー・プラスミドと同時トランスフェクションされたshRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において、用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図8b】HEK293細胞中、一定レベルのDNAを細胞にトランスフェクションできるように非特異的フィラー・プラスミドと同時トランスフェクションされたshRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において、用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図8c】HEK293細胞中、一定レベルのDNAを細胞にトランスフェクションできるように非特異的フィラー・プラスミドと同時トランスフェクションされたshRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において、用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図8d】HEK293細胞中、一定レベルのDNAを細胞にトランスフェクションできるように非特異的フィラー・プラスミドと同時トランスフェクションされたshRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において、用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図8e】HEK293細胞中、一定レベルのDNAを細胞にトランスフェクションできるように非特異的フィラー・プラスミドと同時トランスフェクションされたshRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において、用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図8f】HEK293細胞中、一定レベルのDNAを細胞にトランスフェクションできるように非特異的フィラー・プラスミドと同時トランスフェクションされたshRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において、用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図8g】HEK293細胞中、一定レベルのDNAを細胞にトランスフェクションできるように非特異的フィラー・プラスミドと同時トランスフェクションされたshRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において、用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図8h】HEK293細胞中、一定レベルのDNAを細胞にトランスフェクションできるように非特異的フィラー・プラスミドと同時トランスフェクションされたshRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において、用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図8i】HEK293細胞中、一定レベルのDNAを細胞にトランスフェクションできるように非特異的フィラー・プラスミドと同時トランスフェクションされたshRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において、用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図8j】HEK293細胞中、一定レベルのDNAを細胞にトランスフェクションできるように非特異的フィラー・プラスミドと同時トランスフェクションされたshRNA1、shRNA15、shRNA40、shRNA27、shRNA30、shRNA9、shRNA20とされる各shRNAが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において、用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図9a】shRNA9、shRNA13、shRNA14、shRNA20、shRNA21、shRNA22とされる各shRNAを発現するddRNAiコンストラクトが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において、用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図9b】shRNA9、shRNA13、shRNA14、shRNA20、shRNA21、shRNA22とされる各shRNAを発現するddRNAiコンストラクトが、ルシフェラーゼ・レポーター・アッセイ系において、用量依存的にルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を例示する図である。
【
図10】HBV AdVを形質導入後の細胞1個当たりの発現shRNAの数を決定するqPCRにより得られた標準曲線を示す図である。
【
図11a】shRNA14、shRNA15、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの、(i)様々なMOIで、それぞれのshRNAを個別に発現するHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞;(ii)様々なMOIで、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを同時に形質導入されたHepG2.2.15細胞;及び(iii)様々なMOIで、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを同時に形質導入されたHepG2.2.15細胞における発現のレベルを示す図である。
【
図11b】shRNA14、shRNA15、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの、(i)様々なMOIで、それぞれのshRNAを個別に発現するHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞;(ii)様々なMOIで、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを同時に形質導入されたHepG2.2.15細胞;及び(iii)様々なMOIで、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを同時に形質導入されたHepG2.2.15細胞における発現のレベルを示す図である。
【
図11c】shRNA14、shRNA15、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの、(i)様々なMOIで、それぞれのshRNAを個別に発現するHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞;(ii)様々なMOIで、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを同時に形質導入されたHepG2.2.15細胞;及び(iii)様々なMOIで、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを同時に形質導入されたHepG2.2.15細胞における発現のレベルを示す図である。
【
図11d】shRNA14、shRNA15、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの、(i)様々なMOIで、それぞれのshRNAを個別に発現するHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞;(ii)様々なMOIで、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを同時に形質導入されたHepG2.2.15細胞;及び(iii)様々なMOIで、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを同時に形質導入されたHepG2.2.15細胞における発現のレベルを示す図である。
【
図12a】(a)shRNA14を発現するHBV shRNA AdVベクター;(b)shRNA15を発現するHBV shRNA AdVベクター;(c)shRNA37を発現するHBV shRNA AdVベクター;(d)shRNA28を発現するHBV shRNA AdVベクター;(e)様々なMOIで、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクター;及び(f)様々なMOIで、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞中、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域の、GAPDHの発現に対し相対的な、HBV転写物の阻害レベルを例示する図である。
【
図12b】(a)shRNA14を発現するHBV shRNA AdVベクター;(b)shRNA15を発現するHBV shRNA AdVベクター;(c)shRNA37を発現するHBV shRNA AdVベクター;(d)shRNA28を発現するHBV shRNA AdVベクター;(e)様々なMOIで、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクター;及び(f)様々なMOIで、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞中、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域の、GAPDHの発現に対し相対的な、HBV転写物の阻害レベルを例示する図である。
【
図12c】(a)shRNA14を発現するHBV shRNA AdVベクター;(b)shRNA15を発現するHBV shRNA AdVベクター;(c)shRNA37を発現するHBV shRNA AdVベクター;(d)shRNA28を発現するHBV shRNA AdVベクター;(e)様々なMOIで、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクター;及び(f)様々なMOIで、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞中、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域の、GAPDHの発現に対し相対的な、HBV転写物の阻害レベルを例示する図である。
【
図12d】(a)shRNA14を発現するHBV shRNA AdVベクター;(b)shRNA15を発現するHBV shRNA AdVベクター;(c)shRNA37を発現するHBV shRNA AdVベクター;(d)shRNA28を発現するHBV shRNA AdVベクター;(e)様々なMOIで、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクター;及び(f)様々なMOIで、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞中、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域の、GAPDHの発現に対し相対的な、HBV転写物の阻害レベルを例示する図である。
【
図12e】(a)shRNA14を発現するHBV shRNA AdVベクター;(b)shRNA15を発現するHBV shRNA AdVベクター;(c)shRNA37を発現するHBV shRNA AdVベクター;(d)shRNA28を発現するHBV shRNA AdVベクター;(e)様々なMOIで、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクター;及び(f)様々なMOIで、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞中、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域の、GAPDHの発現に対し相対的な、HBV転写物の阻害レベルを例示する図である。
【
図12f】(a)shRNA14を発現するHBV shRNA AdVベクター;(b)shRNA15を発現するHBV shRNA AdVベクター;(c)shRNA37を発現するHBV shRNA AdVベクター;(d)shRNA28を発現するHBV shRNA AdVベクター;(e)様々なMOIで、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクター;及び(f)様々なMOIで、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる各shRNAを発現する3つのHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞中、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域の、GAPDHの発現に対し相対的な、HBV転写物の阻害レベルを例示する図である。
【
図13a】(i)MOI 100でshRNA14、shRNA15、shRNA37またはshRNA28それぞれを個別に発現するHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞;(ii)MOI 100で、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞;及び(iii)MOI 100で、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞における、shRNA14、shRNA15、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの発現のレベルを示す図である。
【
図13b】(i)MOI 100でshRNA14、shRNA15、shRNA37またはshRNA28それぞれを個別に発現するHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞;(ii)MOI 100で、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞;及び(iii)MOI 100で、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞における、shRNA14、shRNA15、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの発現のレベルを示す図である。
【
図13c】(i)MOI 100でshRNA14、shRNA15、shRNA37またはshRNA28それぞれを個別に発現するHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞;(ii)MOI 100で、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞;及び(iii)MOI 100で、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞における、shRNA14、shRNA15、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの発現のレベルを示す図である。
【
図13d】(i)MOI 100でshRNA14、shRNA15、shRNA37またはshRNA28それぞれを個別に発現するHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞;(ii)MOI 100で、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞;及び(iii)MOI 100で、shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞における、shRNA14、shRNA15、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの発現のレベルを示す図である。
【
図14a】(a)shRNA14を発現するHBV shRNA AdVベクター;(b)shRNA15を発現するHBV shRNA AdVベクター;(c)shRNA37を発現するHBV shRNA AdVベクター;(d)shRNA28を発現するHBV shRNA AdVベクター;(e)shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクター;及び(f)shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞中、GAPDHの発現に対し相対的な、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベルを例示する図である。
【
図14b】(a)shRNA14を発現するHBV shRNA AdVベクター;(b)shRNA15を発現するHBV shRNA AdVベクター;(c)shRNA37を発現するHBV shRNA AdVベクター;(d)shRNA28を発現するHBV shRNA AdVベクター;(e)shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクター;及び(f)shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞中、GAPDHの発現に対し相対的な、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベルを例示する図である。
【
図14c】(a)shRNA14を発現するHBV shRNA AdVベクター;(b)shRNA15を発現するHBV shRNA AdVベクター;(c)shRNA37を発現するHBV shRNA AdVベクター;(d)shRNA28を発現するHBV shRNA AdVベクター;(e)shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクター;及び(f)shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞中、GAPDHの発現に対し相対的な、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベルを例示する図である。
【
図14d】(a)shRNA14を発現するHBV shRNA AdVベクター;(b)shRNA15を発現するHBV shRNA AdVベクター;(c)shRNA37を発現するHBV shRNA AdVベクター;(d)shRNA28を発現するHBV shRNA AdVベクター;(e)shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクター;及び(f)shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞中、GAPDHの発現に対し相対的な、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベルを例示する図である。
【
図14e】(a)shRNA14を発現するHBV shRNA AdVベクター;(b)shRNA15を発現するHBV shRNA AdVベクター;(c)shRNA37を発現するHBV shRNA AdVベクター;(d)shRNA28を発現するHBV shRNA AdVベクター;(e)shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクター;及び(f)shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞中、GAPDHの発現に対し相対的な、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベルを例示する図である。
【
図14f】(a)shRNA14を発現するHBV shRNA AdVベクター;(b)shRNA15を発現するHBV shRNA AdVベクター;(c)shRNA37を発現するHBV shRNA AdVベクター;(d)shRNA28を発現するHBV shRNA AdVベクター;(e)shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクター;及び(f)shRNA14、shRNA15、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを形質導入されたHepG2.2.15細胞中、GAPDHの発現に対し相対的な、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベルを例示する図である。
【
図15a】HBV接種され、MOI 10で、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターで処理されたヒト肝細胞に関する(a)shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの発現レベル;(b)HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベル;(c)細胞内及び細胞外のHBV DNAのレベル;(d)HBV抗原HBcAg及びHBsAgに対応する領域での細胞外HBV転写物のレベル;及び(e)cccDNAのレベルを示す図である。
【
図15b】HBV接種され、MOI 10で、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターで処理されたヒト肝細胞に関する(a)shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの発現レベル;(b)HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベル;(c)細胞内及び細胞外のHBV DNAのレベル;(d)HBV抗原HBcAg及びHBsAgに対応する領域での細胞外HBV転写物のレベル;及び(e)cccDNAのレベルを示す図である。
【
図15c】HBV接種され、MOI 10で、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターで処理されたヒト肝細胞に関する(a)shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの発現レベル;(b)HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベル;(c)細胞内及び細胞外のHBV DNAのレベル;(d)HBV抗原HBcAg及びHBsAgに対応する領域での細胞外HBV転写物のレベル;及び(e)cccDNAのレベルを示す図である。
【
図15d】HBV接種され、MOI 10で、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターで処理されたヒト肝細胞に関する(a)shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの発現レベル;(b)HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベル;(c)細胞内及び細胞外のHBV DNAのレベル;(d)HBV抗原HBcAg及びHBsAgに対応する領域での細胞外HBV転写物のレベル;及び(e)cccDNAのレベルを示す図である。
【
図15e】HBV接種され、MOI 10で、shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる3つのshRNAを発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターで処理されたヒト肝細胞に関する(a)shRNA14、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAの発現レベル;(b)HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベル;(c)細胞内及び細胞外のHBV DNAのレベル;(d)HBV抗原HBcAg及びHBsAgに対応する領域での細胞外HBV転写物のレベル;及び(e)cccDNAのレベルを示す図である。
【
図16】(i)食塩水のみで処置した第1群(コントロール)、(ii)中用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターで処置した第2群、及び(iii)高用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターで処置した第3群の動物における56日間の細胞外HBV DNAの血清レベル(Log複製物/mLで表す)を示すプロットである。
【
図17】(i)食塩水のみで処置した第1群(コントロール)、(ii)中用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターで処置した第2群、及び(iii)高用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターで処置した第3群の動物における56日間の細胞外HBV DNAの血清レベル(複製物/mLで表す)を示すプロットである。
【
図18】(i)食塩水のみで処置した第1群(コントロール)、(ii)中用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターで処置した第2群、及び(iii)高用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターで処置した第3群の動物における56日間のHBsAgの血清レベル(IU/mL)を示すプロットである。
【
図19】(i)食塩水のみで処置した第1群(コントロール)、(ii)中用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターで処置した第2群、及び(iii)高用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターで処置した第3群の動物における56日間のHBeAgの血清レベル(IU/mL)を示すプロットである。
【
図20】(i)食塩水のみで処置した第1群(コントロール)、(ii)中用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターで処置した第2群、及び(iii)高用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターで処置した第3群の動物における処理後56日目の細胞内HBV DNA(細胞内HBV DNA複製物/100ng DNA)のレベルを示す図である。この図は、コントロール食塩水処置に対し相対的な、中用量及び高用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターによる細胞内HBV DNAの阻害のレベルを例示する。
【
図21】(i)食塩水のみで処置した第1群(コントロール)、(ii)中用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターで処置した第2群、及び(iii)高用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターで処置した第3群の動物における処理後56日目の細胞内cccDNA(HBV cccDNA複製物/100ng DNA)のレベルを示す図である。この図は、コントロール食塩水処置に対し相対的な、中用量及び高用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターによるHBV cccDNAの阻害のレベルを例示する。
【
図22】中用量及び高用量のトリプルHBV shRNA AdVベクターでの処置後56日目に、トリプルHBV shRNA AdVベクターにより発現された各shRNA(それぞれshRNA14、shRNA37、及びshRNA28)に対応するHBVウイルス転写物の阻害のレベルを例示する図である。
【発明を実施するための形態】
【0073】
配列表の一覧
配列番号1:領域1とされるHBVゲノム内の標的領域のDNA配列。
配列番号2:領域2とされるHBVゲノム内の標的領域のDNA配列。
配列番号3:領域3とされるHBVゲノム内の標的領域のDNA配列。
配列番号4:領域4とされるHBVゲノム内の標的領域のDNA配列。
配列番号5:領域5とされるHBVゲノム内の標的領域のDNA配列。
配列番号6:領域6とされるHBVゲノム内の標的領域のDNA配列。
配列番号7:領域7とされるHBVゲノム内の標的領域のDNA配列。
配列番号8:領域8とされるHBVゲノム内の標的領域のDNA配列。
配列番号9:領域9とされるHBVゲノム内の標的領域のDNA配列。
配列番号10:領域10とされるHBVゲノム内の標的領域のDNA配列。
配列番号11:shRNA1及びshRNA4とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号12:shRNA1及びshRNA4とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号13:shRNA2とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号14:shRNA2とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号15:shRNA3とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号16:shRNA3とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号17:shRNA5及びshRNA6とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号18:shRNA5及びshRNA6とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号19:shRNA7及びshRNA8とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号20:shRNA7及びshRNA8とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号21:shRNA9及びshRNA10とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号22:shRNA9及びshRNA10とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号23:shRNA11及びshRNA12とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号24:shRNA11及びshRNA12とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号25:shRNA13とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号26:shRNA13とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列
配列番号27:shRNA14とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号28:shRNA14とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列
配列番号29:shRNA15及びshRNA18とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号30:shRNA15及びshRNA18とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号31:shRNA16とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号32:shRNA16とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号33:shRNA17とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号34:shRNA17とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号35:shRNA19及びshRNA20とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号36:shRNA19及びshRNA20とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号37:shRNA21とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号38:shRNA21とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号39:shRNA22とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号40:shRNA22とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号41:shRNA23及びshRNA24とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号42:shRNA23及びshRNA24とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号43:shRNA25及びshRNA26とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号44:shRNA25及びshRNA26とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号45:shRNA27及びshRNA30とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号46:shRNA27及びshRNA30とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号47:shRNA28及びshRNA31とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号48:shRNA28及びshRNA31とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号49:shRNA29及びshRNA32とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号50:shRNA29及びshRNA32とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号51:shRNA33及びshRNA34とされる各shRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号52:shRNA33及びshRNA34とされる各shRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号53:shRNA35とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号54:shRNA35とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号55:shRNA36とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号56:shRNA35とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号57:shRNA37とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号58:shRNA37とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号59:shRNA38とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号60:shRNA38とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号61:shRNA39とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号62:shRNA39とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号63:shRNA40とされるshRNAのRNAエフェクター配列。
配列番号64:shRNA40とされるshRNAのRNAエフェクター相補配列。
配列番号65:shRNA1とされるshRNAのRNA配列。
配列番号66:shRNA2とされるshRNAのRNA配列
配列番号67:shRNA3とされるshRNAのRNA配列
配列番号68:shRNA4とされるshRNAのRNA配列
配列番号69:shRNA5とされるshRNAのRNA配列
配列番号70:shRNA6とされるshRNAのRNA配列
配列番号71:shRNA7とされるshRNAのRNA配列
配列番号72:shRNA8とされるshRNAのRNA配列
配列番号73:shRNA9とされるshRNAのRNA配列
配列番号74:shRNA10とされるshRNAのRNA配列
配列番号75:shRNA11とされるshRNAのRNA配列
配列番号76:shRNA12とされるshRNAのRNA配列
配列番号77:shRNA13とされるshRNAのRNA配列
配列番号78:shRNA14とされるshRNAのRNA配列
配列番号79:shRNA15とされるshRNAのRNA配列
配列番号80:shRNA16とされるshRNAのRNA配列
配列番号81:shRNA17とされるshRNAのRNA配列
配列番号82:shRNA18とされるshRNAのRNA配列
配列番号83:shRNA19とされるshRNAのRNA配列
配列番号84:shRNA20とされるshRNAのRNA配列
配列番号85:shRNA21とされるshRNAのRNA配列
配列番号86:shRNA22とされるshRNAのRNA配列
配列番号87:shRNA23とされるshRNAのRNA配列
配列番号88:shRNA24とされるshRNAのRNA配列
配列番号89:shRNA25とされるshRNAのRNA配列
配列番号90:shRNA26とされるshRNAのRNA配列
配列番号91:shRNA27とされるshRNAのRNA配列
配列番号92:shRNA28とされるshRNAのRNA配列
配列番号93:shRNA29とされるshRNAのRNA配列
配列番号94:shRNA30とされるshRNAのRNA配列
配列番号95:shRNA31とされるshRNAのRNA配列
配列番号96:shRNA32とされるshRNAのRNA配列
配列番号97:shRNA33とされるshRNAのRNA配列
配列番号98:shRNA34とされるshRNAのRNA配列
配列番号99:shRNA35とされるshRNAのRNA配列
配列番号100:shRNA36とされるshRNAのRNA配列
配列番号101:shRNA37とされるshRNAのRNA配列
配列番号102:shRNA38とされるshRNAのRNA配列
配列番号103:shRNA39とされるshRNAのRNA配列
配列番号104:shRNA40とされるshRNAのRNA配列
配列番号105:pBL183_HBV_トリプル_V2のDNA配列
配列番号106:pBL183_HBV_トリプル_V1のDNA配列
【0074】
詳細な説明
一般事項
本明細書の全体で、特に別途記載しない限り、また内容的に必要のない限り、1つのステップ、特徴、物質の組成、諸ステップ群、または物質の諸特性や諸組成の群への言及は、そういった諸ステップ、諸特性、物質の諸組成、諸ステップ群、物質の諸特性や諸組成の諸群の1つ及び複数(すなわち1つ以上)を包含するものとする。
【0075】
当業者であれば理解しようが、本開示は、具体的に説明している以外にも変更や改変の余地がある。本開示はそういった変更や改変をすべて含むものと理解すべきである。本開示はまた、本明細書で単独でまたはまとめて言及するかまたは示す諸ステップ、諸特性、諸組成物及び諸化合物のすべて、ならびにこれらの諸ステップや諸特性のあらゆる組合せまたは任意の2つ以上を含む。
【0076】
本開示は、本明細書で例示目的でのみ説明している具体的な諸例によってその範囲を限定されない。機能的に等価な産物、組成物及び方法が本開示の範囲内であることは明白である。
【0077】
本明細書では、特に断らない限り、本開示のいずれの例も必要に応じて変更を加えて本開示の他の任意の例に応用できるものとする。
【0078】
特に別途定義しない限り、本明細書で使用するすべての科学技術用語は、当業界(たとえば細胞培養、分子遺伝学、免疫学、免疫組織化学、タンパク質化学、生化学など)で当業者が通常使用するのと同じ意味をもつものとする。
【0079】
特に断らない限り、本開示で用いる組換えDNA、組換えタンパク質、細胞培養、及び免疫学的技法は当業者によく知られた標準的な手順である。そのような技法は、J. Perbal, A Practical Guide to Molecular Cloning, John Wiley and Sons (1984), J. Sambrook et al. Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press (1989), T.A. Brown (編纂), Essential Molecular Biology: A Practical Approach, Volumes 1 and 2, IRL Press (1991), D.M. Glover and B.D. Hames (編纂), DNA Cloning: A Practical Approach, Volumes 1-4, IRL Press (1995 and 1996), and F.M. Ausubel et al. (編纂), Current Protocols in Molecular Biology, Greene Pub. Associates and Wiley-Interscience (1988, 現在までのすべての最新情報を含む), Ed Harlow and David Lane (編纂) Antibodies: A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory, (1988) 及びJ.E. Coligan et al. (編纂) Current Protocols in Immunology, John Wiley & Sons (現在までのすべての最新情報を含む)などの文献資料で説明されている。
【0080】
本明細書の全体で、内容的に他の意味を必要としない限り、「comprise」またはその変化形である「comprises」や「comprising」という用語は、記載のステップまたはエレメントまたは整数またはステップ群またはエレメント群または整数群を含む意味があるが、任意の他のステップまたはエレメントまたは整数またはエレメント群または整数群を排除するものではないと理解されたい。
【0081】
「及び/または」という用語、たとえば「X及び/またはY」は、「X及びY」または「XまたはY」のいずれかを意味するものと理解すべきであり、両方または片方の意味を明白に支持するために用いるものとする。
【0082】
定義
「RNA」とは、少なくとも1つのリボヌクレオチド残基を含む分子を意味する。「リボヌクレオチド」とは、β-D-リボ-フラノース部分の2’位にヒドロキシル基を有するヌクレオチドを意味する。これらの用語には、二本鎖RNA、一本鎖RNA、一部精製RNAなどの単離されたRNA、基本的に純粋なRNA、合成RNA、組換えにより生産されたRNA、及び1つ以上のヌクレオチドの付加、欠失、置換及び/または改変によって天然のRNAとは異なるように改変されたRNAが含まれる。そのような改変としては、たとえばsiNAの末端(複数可)に、または内部に、たとえばRNAの1つ以上のヌクレオチドに、非ヌクレオチド物質を付加することであってもよい。本開示のRNA分子のヌクレオチドは、非標準ヌクレオチド、たとえば自然に生じないヌクレオチドまたは化学的に合成されたヌクレオチドまたはデオキシヌクレオチドを含むこともできる。これらの改変されたRNAは、アナログ、または天然RNAのアナログと呼ぶこともできる。一例では、RNAの全残基はリボヌクレオチドである。
【0083】
本明細書では、「RNAi試薬」という用語は、「RNA干渉」または「RNAi」を誘発できるRNAを指す。
【0084】
「RNA干渉」または「RNAi」という用語は、広くは、細胞の細胞質において二本鎖RNA(dsRNA)分子によって開始される遺伝子発現のRNA依存性サイレンシングを指す。dsRNA分子は標的核酸配列の転写産物を減じまたは阻害し、そうすることで遺伝子発現を抑制(サイレンシング)する。
【0085】
本明細書では、「二本鎖RNA」または「dsRNA」という用語は、二重構造をもつ、互いに長さが同じエフェクター配列とエフェクター相補配列とを含むRNA分子を指す。エフェクター配列とエフェクター相補配列は、一本鎖RNA中にあっても、別々のRNA鎖中にあってもよい。「エフェクター配列」(「ガイド鎖」と呼ばれることも多い)は、標的配列にほぼ相補的であり、標的配列とはこの場合はHBVゲノムのRNA転写産物のある領域である。「エフェクター配列」は「アンチセンス配列」と呼ばれる場合もある。「エフェクター相補配列」は、エフェクター配列にアニールしてデュプレックスを形成できるように、エフェクター配列に対し十分な相補性がある。この点で、エフェクター相補配列は、標的配列のある領域と実質的に相同となる。当業者には明白になろうが、「エフェクター相補配列」という用語は、「エフェクター配列の相補配列」またはセンス配列と呼ぶこともできる。
【0086】
本明細書では、「デュプレックス」という用語は、2つの相補的もしくはほぼ相補的な核酸(たとえばRNA)中の領域、あるいは一本鎖核酸(たとえば、RNA)中の2つの相補的もしくはほぼ相補的な領域を指し、ワトソン・クリック塩基対形成により、または相補的もしくはほぼ相補的なヌクレオチド配列間で安定したデュプレックスが形成される任意の他の様式により、互いに塩基対を形成している。当業者であれば理解しようが、デュプレックス領域において100%の相補性は必要ではなく、実質的な相補性があればよい。実質的な相補性としては、79%以上の相補性を挙げることができる。たとえば、19塩基対からなるデュプレックス領域中1つのミスマッチ(すなわち、18塩基対と1ミスマッチ)は、94.7%の相補性ということになり、デュプレックス領域はほぼ相補的である。別の例では、19塩基対からなるデュプレックス領域中2つのミスマッチ(すなわち、17塩基対と2ミスマッチ)は、89.5%相補性ということになり、デュプレックス領域はほぼ相補的である。さらに別の例では、19塩基対からなるデュプレックス領域中3つのミスマッチ(すなわち、16塩基対と3ミスマッチ)は、84.2%相補性ということになり、デュプレックス領域はほぼ相補的である、などである。
【0087】
dsRNAは、ステムループと呼ばれる少なくとも2ヌクレオチドの配列によって連結されたエフェクター配列とエフェクター相補配列で構成されるデュプレックス領域を有する、ヘアピンまたはステムループ構造として提供することができる。dsRNAがヘアピンまたはステムループ構造で提供されるとき、これを「ヘアピンRNA」または「低分子ヘアピン型RNAi剤」または「shRNA」と呼ぶことができる。
【0088】
本明細書では、ある配列に関する「相補的」という用語は、該配列に対しワトソン・クリック塩基対形成による相補的な配列を指し、したがってグアニン(G)はシトシン(C)と対をなし、アデニン(A)はウラシル(U)かチミン(T)と対をなす。配列は別の配列の全長に相補的な場合もあるし、別の配列の特定の部分に相補的な場合もある。当業者であれば、UはRNAにおいて、TはDNAにおいて存在できることを知っている。したがって、RNA配列またはDNA配列のAは、RNA配列のUと、あるいはDNA配列のTと対をなすことができる。
【0089】
本明細書では、「ほぼ相補的」という用語は、核酸配列間、たとえばエフェクター配列とエフェクター相補配列の間に、またはエフェクター配列と標的配列の間に安定した特異的な結合が生じるような、十分な相補性があることまたは対形成が正確になされることを指すのに用いられる。核酸の配列は、その標的または相補配列に100%相補的である必要はないと理解されている。この用語は、オーバーハングを除く、別の配列に相補的な配列を包含している。いくつかの場合には、配列は1つ~2つのミスマッチを除いて他方の配列に相補的である。いくつかの場合には、配列は1ミスマッチを除いて相補的である。いくつかの場合には、配列は2ミスマッチを除いて相補的である。ほかの場合には、配列は3ミスマッチを除いて相補的である。さらに他の場合には、配列は4ミスマッチを除いて相補的である。
【0090】
本開示のRNAに関連して使われる「コードされ(てい)る」という用語は、RNAがDNAテンプレートから転写できることを意味すると理解すべきである。したがって、本開示のRNAをコードする核酸は、それぞれのRNAの転写テンプレートとなるDNA配列を含む。
【0091】
「DNA指向性RNAiコンストラクト」または「ddRNAiコンストラクト」という用語は、転写されるとRNAiを誘発するRNA分子を生産するDNA配列を含む核酸を指す。ddRNAiコンストラクトは、少なくとも2ヌクレオチドのステムループによって連結されたデュプレックス領域を有するヘアピン構造へと自己アニールできる単一のRNAすなわちshRNAとして転写される核酸、または複数のshRNAを有する単一のRNAとして転写される核酸、またはそれぞれが単一のshRNAとしてフォールディングできる複数のRNA転写物として転写される核酸を含むことができる。ddRNAiコンストラクトは発現ベクター内にあってもよく、すなわち、たとえばプロモーターに機能的に連結されている「ddRNAi発現コンストラクト」であってもよい。一例では、ddRNAiコンストラクトはDNAだけを含む。
【0092】
本明細書では、「機能的に連結される」または「機能的連結」という(あるいはそれらと類似の)用語は、コード核酸配列が、該コード配列の発現を促進するように、制御配列たとえばプロモーターに連結されているかまたはそれと結合していることを意味する。制御配列としては、プロモーター、エンハンサー、及び当業界で認められている、コード配列の発現を指令するように選択される他の発現制御エレメントが挙げられる。
【0093】
「ベクター」は、核酸を細胞に導入するためのビヒクルを意味すると理解される。ベクターとしては、限定ではないが、プラスミド、ファージミド、ウイルス、細菌、及びウイルスや細菌ソース由来のビヒクルが挙げられる。「プラスミド」は円形の二本鎖DNA分子である。本開示での使用に便利なタイプのベクターは、ウイルスベクターであり、1つ以上のウイルス遺伝子または一部分を削除するように修飾可能なウイルスゲノムに異種DNA配列が挿入される。一部のベクターは、宿主細胞内で自己複製できる(たとえば、宿主細胞内で機能する複製起点を有するベクター)。他のベクターは、宿主細胞のゲノムに安定的に取り込まれ、そうすることでホストゲノムと一緒に複製される。本明細書では、「発現ベクター」という用語は、本開示のRNA分子を発現できるベクターを意味すると理解される。
【0094】
本明細書では、「treating(治療、処理、処置)」「treat」または「treatment」という用語及びその変化形は、治療対象の個体または細胞が臨床病理学的に自然に辿る経路を変更するように設計された臨床的介入を指す。望ましい治療効果としては、疾患の進行速度の減少、疾患状態の改善もしくは緩和、及び寛解もしくは良好な予後が挙げられる。したがって、HBV感染の治療としては、HBV感染した対象のHBVウイルス負荷の低下、HBV感染に関連する症状の重症度の軽減、及び対象のHBV感染力の低下が挙げられる。たとえば、このような治療結果のうちの1つ以上が得られた場合、その個体の「治療」は成功した、といえる。
【0095】
「治療有効量」は、特定の疾患(たとえばHBV感染)の測定可能な改善が得られるのに必要な、少なくとも最低限の濃度または量である。本明細書における治療有効量は、患者の疾患状態、年齢、性別及び体重、ならびにRNA、ddRNAiまたは発現コンストラクトがその個体の所望の応答を誘発する能力といった要因によって異なることもある。治療有効量は、RNA、ddRNAiまたは発現コンストラクトのあらゆる毒性または有害な効果よりも治療上有益な効果のほうが勝る量でもある。
【0096】
本明細書では、「対象」または「患者」は、HBV感染したヒトの場合も非ヒト動物の場合もある。「非ヒト動物」は、霊長類、家畜(たとえばヒツジ、ウマ、ウシ、ブタ、ロバ)、コンパニオン動物(たとえばイヌやネコなどのペット)、実験動物(たとえばマウス、ウサギ、ラット、モルモット)、芸などをする動物(たとえば競走馬、ラクダ、グレイハウンド)または飼育下の野生動物であってもよい。一例では、対象または患者は哺乳類である。一例では、対象または患者は霊長類である。一例では、対象または患者はヒトである。
【0097】
「発現が減少した」「発現の減少」という用語または同様の用語は、標的遺伝子たとえばHBV pol遺伝子または他のHBV遺伝子からのタンパク質及び/またはmRNA産物の不存在または観察可能なレベルの減少を指す。この減少は完全である必要はなく、本開示のRNAによるRNAiの結果として検出可能または観察可能な変化をもたらすのに十分な部分的減少の場合もある。この減少は、RNA、 、ddRNAiコンストラクトまたは発現コンストラクトをもたない細胞と比較しての標的核酸からのmRNA及び/またはタンパク質産物レベルの減少を決定することにより測定でき、1%、5%または10%と僅かな場合もあれば、完全な減少、すなわち100%阻害である場合もある。この減少の効果は、外向きの特性、すなわち細胞または生物の表現型の量及び/または質の調査によって決定することもできるし、本開示のddRNAiコンストラクト投与後のウイルス負荷の評価も含む場合もある。
【0098】
RNAiの諸剤
一例では、本開示は、RNAを、すなわちRNAiを誘発できるRNAを提供し、該RNAは、少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該エフェクター配列は表1に示すHBVゲノムのある領域によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。たとえば、本開示のRNAは、30ヌクレオチド長よりも短いエフェクター配列を含むことになる。たとえば、好適なエフェクター配列は、17~29ヌクレオチド長の範囲であってもよい。
【0099】
一例では、エフェクター配列は、表1に示す領域1によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域1によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し4ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域1によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し3ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域1によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し2ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域1によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し1ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域1によってコードされるRNA転写物に100%相補的な場合もある。
【0100】
一例では、エフェクター配列は、表1に示す領域2によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域2によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し4ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域2によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し3ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域2によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し2ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域2によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し1ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域2によってコードされるRNA転写物に100%相補的な場合もある。
【0101】
一例では、エフェクター配列は、表1に示す領域3によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域3によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し4ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域3によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し3ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域3によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し2ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域3によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し1ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域3によってコードされるRNA転写物に100%相補的な場合もある。
【0102】
一例では、エフェクター配列は、表1に示す領域4によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域4によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し4ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域4によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し3ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域4によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し2ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域4によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し1ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域4によってコードされるRNA転写物に100%相補的な場合もある。
【0103】
一例では、エフェクター配列は、表1に示す領域5によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域5によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し4ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域5によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し3ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域5によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し2ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域5によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し1ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域5によってコードされるRNA転写物に100%相補的な場合もある。
【0104】
一例では、エフェクター配列は、表1に示す領域6によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域6によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し4ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域6によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し3ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域6によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し2ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域6によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し1ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域6によってコードされるRNA転写物に100%相補的な場合もある。
【0105】
一例では、エフェクター配列は、表1に示す領域7によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域7によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し4ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域7によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し3ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域7によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し2ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域7によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し1ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域7によってコードされるRNA転写物に100%相補的な場合もある。
【0106】
一例では、エフェクター配列は、表1に示す領域8によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域8によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し4ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域8によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し3ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域8によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し2ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域8によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し1ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域8によってコードされるRNA転写物に100%相補的な場合もある。
【0107】
一例では、エフェクター配列は、表1に示す領域9によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域9によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し4ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域9によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し3ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域9によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し2ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域9によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し1ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域9によってコードされるRNA転写物に100%相補的な場合もある。
【0108】
一例では、エフェクター配列は、表1に示す領域10によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域10によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し4ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域10によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し3ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域10によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し2ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域10によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、それに対し1ミスマッチ塩基を含むことができる。たとえば、エフェクター配列は、表1に示す領域10によってコードされるRNA転写物に100%相補的な場合もある。
【0109】
一例では、本開示に含まれるRNAは、本明細書で説明する表1に示す領域1、領域5、領域9、領域4または領域6によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的なエフェクター配列を含むRNAである。
【0110】
一例では、本開示のRNAは、低分子干渉RNA(siRNA)デュプレックスまたは二本鎖RNA(dsRNA)である。
【0111】
一例では、本開示は、複数のRNAを、すなわちRNAiを誘発できるRNAを提供し、各RNAは少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、各RNAのエフェクター配列は表1に示すHBVゲノムのある領域によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。たとえば、複数のRNAの各RNAは、30ヌクレオチド長よりも短いエフェクター配列を含む。たとえば、好適なエフェクター配列は、17~29ヌクレオチド長の範囲であってもよい。
【0112】
本開示による複数のRNAは、本明細書で説明するRNAを最大10まで含むことができる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明する2つのRNAが含まれる。別の例では、複数のRNAには、本明細書で説明する3つのRNAが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明する4つのRNAが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明する5つのRNAが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明する6つのRNAが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明する7つのRNAが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明する8つのRNAが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明する9つのRNAが含まれる。一例では、複数のRNAには、本明細書で説明する10のRNAが含まれる。
【0113】
したがって、本開示による該複数のRNAは、表1に示すHBVゲノムのある領域によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的なエフェクター配列を含む本明細書で説明するRNAを1つ以上含むことができる。
【0114】
一例では、本明細書で説明する複数のRNAは、1つの組成物として一緒に提供される。
【0115】
別の例では、本明細書で説明する複数のRNAは、複数の組成物として提供される。たとえば、該複数のRNAの各RNAは、別々に提供することができる。あるいは、組成物に、該複数のRNAのうちの少なくとも1つのRNAを別に提供し、該複数のRNAのうちの2つ以上のRNAを一緒に組成物中に提供することができる。
【0116】
一例では、該複数のRNAのうちのあるRNAのエフェクター配列は、表1の領域1によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。
【0117】
一例では、該複数のRNAのうちのあるRNAのエフェクター配列は、表1の領域5によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。
【0118】
一例では、該複数のRNAのうちのあるRNAのエフェクター配列は、表1の領域9によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。
【0119】
一例では、該複数のRNAのうちのあるRNAのエフェクター配列は、表1の領域4によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。
【0120】
一例では、該複数のRNAのうちのあるRNAのエフェクター配列は、表1の領域6によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。
【0121】
一例では、該複数のRNAのうちのあるRNAのエフェクター配列は、表1の領域9によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、該複数のRNAのうちの別のRNAのエフェクター配列は、表1の領域4によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。
【0122】
一例では、該複数のRNAのうちのあるRNAのエフェクター配列は、表1の領域9によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、該複数のRNAのうちの別のRNAのエフェクター配列は、表1の領域4によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、該複数のRNAのうちの別のRNAのエフェクター配列は、表1の領域5によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的である。
【0123】
一例では、本開示は、複数のRNAを、すなわちRNAiを誘発できるRNAを提供し、
(i)少なくとも1つのRNAが、少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、各RNAのエフェクター配列は表1に示すHBVゲノムのある領域によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり;
(ii)少なくとも1つのRNAがエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、各RNAのエフェクター配列は、表4の「エフェクター」と表示したコラムに示す配列を含むかまたはそれからなる。一例では、RNAのエフェクター相補配列は、表4の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに示す配列を含むかまたはそれからなる。
【0124】
たとえば、各RNAは30ヌクレオチド長よりも短いエフェクター配列を含む。たとえば、好適なエフェクター配列は、17~29ヌクレオチド長の範囲であってもよい。
【0125】
一例では、(i)のRNAは表1の領域1によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的なエフェクター配列を含み、(ii)のRNAは配列番号57に示す配列からなるエフェクター配列を含む。一例では、(ii)のRNAは配列番号58に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0126】
一例では、(i)のRNAは表1の領域5によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的なエフェクター配列を含み、(ii)のRNAは配列番号57に示す配列からなるエフェクター配列を含む。一例では、(ii)のRNAは配列番号58に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0127】
一例では、(i)のRNAは表1の領域9によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的なエフェクター配列を含み、(ii)のRNAは配列番号57に示す配列からなるエフェクター配列を含む。一例では、(ii)のRNAは配列番号58に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0128】
一例では、(i)のRNAは表1の領域4によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的なエフェクター配列を含み、(ii)のRNAは配列番号57に示す配列からなるエフェクター配列を含む。一例では、(ii)のRNAは配列番号58に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0129】
一例では、(i)のRNAは表1の領域6によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的なエフェクター配列を含み、(ii)のRNAは配列番号57に示す配列からなるエフェクター配列を含む。一例では、(ii)のRNAは配列番号58に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0130】
一例では、(i)のRNAは表1の領域9によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的なエフェクター配列を含み、(i)の別のRNAは表1の領域4によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的なエフェクター配列を含み、(ii)のRNAは配列番号57に示す配列からなるエフェクター配列を含む。一例では、(ii)のRNAは配列番号58に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0131】
一例では、(i)のRNAは表1の領域9によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的なエフェクター配列を含み、(i)の別のRNAは表1の領域4によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的なエフェクター配列を含み、該複数のRNAのうちの別のRNAのエフェクター配列は、表1の領域5によってコードされるRNA転写物であり、(ii)のRNAは配列番号57に示す配列からなるエフェクター配列を含む。一例では、(ii)のRNAは配列番号58に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0132】
本開示によるある例示的なRNAは、エフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該エフェクター配列は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載のエフェクター相補配列にほぼ相補的である。
【0133】
一例では、本開示は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列にほぼ相補的な、ただし4塩基のミスマッチを有する、エフェクター配列を含むRNAを、すなわちRNAiを誘発できるRNAを提供する。
【0134】
一例では、本開示は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列にほぼ相補的な、ただし3塩基のミスマッチを有する、エフェクター配列を含むRNAを、すなわちRNAiを誘発できるRNAを提供する。
【0135】
一例では、本開示は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列にほぼ相補的な、ただし2塩基のミスマッチを有する、エフェクター配列を含むRNAを、すなわちRNAiを誘発できるRNAを提供する。
【0136】
一例では、本開示は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列にほぼ相補的な、ただし1塩基のミスマッチを有する、エフェクター配列を含むRNAを、すなわちRNAiを誘発できるRNAを提供する。
【0137】
本開示のRNAが、1、2、3または4ミスマッチはあるが、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列にほぼ相補的なエフェクター配列を含む場合、該エフェクター配列は表2の対応するエフェクター相補配列とデュプレックスをなおも形成することができる。
【0138】
一例では、本開示は、エフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該エフェクター配列は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列に100%相補的であるRNA、すなわちRNAiを誘発できるRNAを提供する。一例では、RNAのエフェクター相補配列は、そのエフェクター配列にほぼ相補的である。たとえばRNAのエフェクター相補配列は、同種エフェクター配列に対し1、2、3または4ミスマッチを含む場合もあるが、該エフェクター配列とデュプレックスをなおも形成することができる。
【0139】
本開示による例示的なRNAは、表2に記載の対応するエフェクター配列とエフェクター相補配列を含む。一例では、RNAの対応するエフェクター配列とエフェクター相補配列は、たとえばワトソン・クリック塩基対形成によってデュプレックス化する別々の核酸(dsRNA)として提供することができる。
【0140】
一例では、本開示は、RNAを、すなわちRNAiを誘発できるRNAを提供し、該RNAは、エフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該エフェクター配列は、表2の「エフェクター」と表示したコラムに示す配列からなる。一例では、該エフェクター相補配列は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに示す配列からなる。
【0141】
本開示のある例示的なRNAは、配列番号47に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号48に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0142】
本開示のある例示的なRNAは、配列番号27に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号28に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0143】
本開示のある例示的なRNAは、配列番号29に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号30に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0144】
本開示のある例示的なRNAは、配列番号11に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号12に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0145】
本開示のある例示的なRNAは、配列番号45に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号46に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0146】
本開示のある例示的なRNAは、配列番号35に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号36に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0147】
本開示のある例示的なRNAは、配列番号21に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号22に示す配列からなるエフェクター相補配列を含む。
【0148】
一例では、本開示は、複数のRNAを、すなわちRNAiを誘発できる複数のRNAを提供し、各RNAはエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、各RNAのエフェクター配列は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに示すエフェクター相補配列にほぼ相補的である。表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに示すエフェクター相補配列にほぼ相補的であるエフェクター配列を含む例示的RNAを本明細書で説明する。
【0149】
一例では、各RNAのエフェクター配列は、表2の「エフェクター」と表示したコラムに示す配列からなる。一例では、各RNAのエフェクター相補配列は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに示す配列からなる。
【0150】
一例では、本開示は、複数のRNAを、すなわちRNAiを誘発できる複数のRNAを提供し、
(i)少なくとも1つのRNAがエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該RNAのエフェクター配列は、表2の「エフェクター」と表示したコラムに示す配列からなり(一例では、各RNAのエフェクター相補配列は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに示す配列からなり);
(ii)少なくとも1つのRNAがエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該RNAのエフェクター配列は、表4の「エフェクター」と表示したコラムに示す配列からなる(一例では、該RNAのエフェクター相補配列は、表4の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに示す配列を含むかまたはそれからなる)。
【0151】
本開示のある例示的な複数のRNAは、
(i)配列番号47に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号48に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNA;及び
(ii)配列番号27に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号28に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAを含む。
【0152】
本開示のある例示的な複数のRNAは、
(i)配列番号47に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号48に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNA;
(ii)配列番号27に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号28に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNA;及び
(iii)配列番号29に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号30に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAを含む。
【0153】
本開示のある例示的な複数のRNAは、
(i)配列番号47に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号48に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNA;
(ii)配列番号27に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号28に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNA;及び
(iii)配列番号57に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号58に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAを含む。
【0154】
本開示のRNAは、合成RNAまたはDNA指向性RNA(ddRNA)を含むことができる。合成RNAは、一般的なオリゴヌクレオチド合成などの当業界で知られている方法によって製造することができ、半減期が延長されるように、及び/またはsiRNA剤の有効性が向上するように、及び/またはよりロバストな送達剤が可能になるように、化学修飾が組み込まれる場合がある。当業界ではオリゴヌクレオチドの修飾が多数知られており、詳しく記述されている。
【0155】
一例では、本開示のRNAのヌクレオチドは実質的にすべて修飾されている。他の例では、本開示のRNAのヌクレオチドはすべて修飾されている。「実質的にヌクレオチドがすべて修飾されている」本開示のRNAは、全部ではないが大部分が修飾されており、5つ、4つ、3つ、2つ、または1つ以下の未修飾ヌクレオチドを含むことができる。
【0156】
一例では、本開示のRNAは、1つ以上のオーバーハング領域及び/またはキャッピング基を、片方のまたは両方のデュプレックス鎖の3’末端に、5’末端に、または両末端に含んでいる。オーバーハング領域は、1~6ヌクレオチド長、たとえば2~6ヌクレオチド長、1~5ヌクレオチド長、2~5ヌクレオチド長、1~4ヌクレオチド長、2~4ヌクレオチド長、1~3ヌクレオチド長、2~3ヌクレオチド長、または1~2ヌクレオチド長の場合がある。オーバーハングは、片方の鎖が他方の鎖よりも長い結果として、あるいは同じ長さの2本の鎖が互いに対しずれた結果として存在することができる。オーバーハングは、標的mRNAとミスマッチを形成するか、または標的の遺伝子配列に相補的であるか、または別の配列である可能性がある。第1の鎖と第2の鎖は、たとえば追加の塩基によって連結してヘアピンを形成することもできるし、他の非塩基リンカーによって連結することもできる。
【0157】
一例では、RNAのオーバーハング領域のヌクレオチドは、それぞれ独立して修飾または未修飾ヌクレオチドであり、限定ではないが2’-糖修飾、たとえば2-F、2’-O-メチル、チミジン(T)、デオキシ-チミン(dT)、2’-O-メトキシエチル-5-メチルウリジン(Teo)、2’-O-メトキシエチルアデノシン(Aeo)、2’-O-メトキシエチル-5-メチルシチジン(m5Ceo)、及びそれらの任意の組合せを含む。たとえば、dTdTは、どちらの鎖のどちらの末端のオーバーハング配列にもなることができる。オーバーハングは、標的mRNAとミスマッチを形成するか、または標的の遺伝子配列に相補的であるか、または別の配列である可能性がある。
【0158】
RNAのセンス鎖、アンチセンス鎖、または両鎖の5’-または3’-オーバーハングをリン酸化することもできる。いくつかの例では、オーバーハング領域(複数可)は、2つのヌクレオチドを含み、これらの2つのヌクレオチド間にホスホチオアートを有しており、これらの2つのヌクレオチドは同じでも異なっていてもよい。
【0159】
一例では、RNAは、該RNAの全体的な安定性に影響することなく干渉活性を強化することができるオーバーハングを一つだけ含んでいる。たとえば、一本鎖オーバーハングは、エフェクター配列の3’末端に位置するか、あるいはエフェクター相補配列の3’末端に位置する。一例では、RNAは、エフェクター相補配列の5’末端(またはエフェクター配列の3’末端)に位置する平滑末端も含み、またはこの逆の場合もある。
【0160】
修飾としては、たとえば末端修飾、たとえば5’末端修飾(リン酸化、コンジュゲーション、逆位連結)もしくは3’末端修飾(コンジュゲーション、DNAヌクレオチド、逆位連結など);塩基修飾、たとえば、安定化塩基、不安定化塩基、もしくは対形成相手のレパートリーが広い塩基での置換、塩基の除去(脱塩基ヌクレオチド)、または結合塩基;糖修飾(たとえば、2’位または4’位)または糖の置換;及び/またはホスホジエステル連結の修飾または置換を含む主鎖修飾が挙げられる。本開示で有用なRNAの具体例としては、限定ではないが、修飾主鎖を含むRNAまたは天然のヌクレオシド間連結を含まないRNAが挙げられる。修飾主鎖を有するRNAとしてはいろいろあるが、主鎖にリン原子を含まないものが挙げられる。本明細書の目的として、また当業界でも参照されることがあるが、ヌクレオシド間主鎖にリン原子をもたない修飾RNAもオリゴヌクレオシドとすることができる。ある例では、修飾RNAはヌクレオシド間主鎖にリン原子を有する。リンを含む連結の調製を教示している代表的な米国特許としては、限定ではないが、米国特許第7,015,315号;同第7,041,816号;同第7,273,933号;同第7,321,029号;及び同第RE39464号が挙げられる。
【0161】
リン原子を含まない修飾RNA主鎖は、短鎖アルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、混合ヘテロ原子とアルキルもしくはシクロアルキルヌクレオシド間連結、または1つ以上の短鎖ヘテロ原子もしくは複素環ヌクレオシド間連結によって形成された主鎖を有する。これらには、モルフォリノ連結(ヌクレオシドの糖部分から一部形成される);シロキサン主鎖;スルフィド、スルホキシド及びスルホン主鎖;ホルムアセチル及びチオホルムアセチル主鎖;メチレンホルムアセチル及びチオホルムアセチル主鎖;アルケン含有主鎖;スルファマート主鎖;メチレンイミノ及びメチレンヒドラジノ主鎖;スルホナート及びスルホンアミド主鎖;アミド主鎖;及びその他の混合N、O、S及びCH2成分部分を有するものが含まれる。これらのオリゴヌクレオシドの例示的形態を教示している代表的な米国特許としては、限定ではないが、米国特許第5,663,312号;同第5,633,360号;同第5,677,437号;及び同第5,677,439号が挙げられる。
【0162】
一例では、本開示のRNAは、未修飾または天然の塩基だけを、たとえば以下に説明するようなものだけを含んでいる。
【0163】
他の例では、本開示のRNAは、RNA模倣体であるかまたはそれを含み、たとえばヌクレオチド単位の主鎖は新しい基で置換されている。塩基単位は適切な核酸標的化合物とのハイブリダイゼーションのために維持される。そのようなオリゴマー化合物のひとつ、優れたハイブリダイゼーション特性を有することを示しているRNA模倣体は、ペプチド核酸(PNA)と呼ばれる。PNA化合物において、RNAの糖主鎖はアミド含有主鎖で、具体的にはアミノエチルグリシン主鎖で、置換されている。核酸塩基は保持され、直接または間接的に主鎖のアミド部分のアザ窒素原子に結合している。PNA化合物の調製を教示している代表的な米国特許としては、限定ではないが、米国特許第5,539,082号;同第5,714,331号;及び同第5,719,262号が挙げられる。
【0164】
修飾RNAは、1つ以上の置換糖部分を含む場合もある。本明細書のRNA、たとえばdsRNAは、OH;F;O-、S-、もしくはN-アルキル;O-、S-、もしくはN-アルケニル;O-、S-もしくはN-アルキニル;またはO-アルキル-O-アルキルのうちの一つを2’位に含むことができ、アルキル、アルケニル及びアルキニルは、置換または未置換C1~C10アルキルまたはC2~C10アルケニル及びアルキニルであってもよい。例示的な好適な修飾としては、O[(CH2)nO]mCH3、O(CH2)nOCH3、O(CH1)nNH2、O(CH2)nCH3、O(CH2)nONH2、及びO(CH2)nON[(CH2)nCH3)]2が挙げられ、nとmは1~約10である。
【0165】
RNAは核酸塩基(当業界では単に「塩基」と呼ぶことが多い)修飾または置換を含む場合もある。本明細書では、「未修飾」または「天然」の核酸塩基には、プリン塩基のアデニン(A)及びグアニン(G)、ならびにピリミジン塩基のチミン(T)、シトシン(C)及びウラシル(U)が含まれる。修飾核酸塩基には他の合成及び天然の核酸塩基、たとえばデオキシ-チミン(dT)、5-メチルシトシン(5-me-C)、5-ヒドロキシメチルシトシン、キサンチン、ヒポキサンチン、2-アミノアデニン、6-メチル及び他のアデニンやグアニンのアルキル誘導体、2-プロピル及び他のアデニンやグアニンのアルキル誘導体、2-チオウラシル、2-チオチミン及び2-チオシトシン、5-ハロウラシル及びシトシン、5-プロピニルウラシル及びシトシン、6-アゾウラシル、シトシン及びチミン、5-ウラシル(擬ウラシル)、4-チオウラシル、8-ハロ、8-アミノ、8-チオール、8-チオアルキル、8-ヒドロキシル及び他の8-置換アデニン及びグアニン、5-ハロ、特に5-ブロモ、5-トリフルオロメチル及び他の5-置換ウラシル及びシトシン、7-メチルグアニン及び7-メチルアデニン、8-アザグアニン及び8-アザアデニン、7-デアザグアニン及び7-デアザアデニン及び3-デアザグアニン及び3-デアザアデニンが挙げられる。*
【0166】
RNAは、1つ以上のロックド核酸(LNA)を含むように修飾することもできる。ロックド核酸は、修飾リボース部分を有するヌクレオチドであり、リボース部分は2’と4’の炭素をつなぐ余分なブリッジを含んでいる。この構造は3’末端の立体構造でリボースを有効に「ロック」する。ロックド核酸をsiRNAに付加すると、血清中siRNAの安定性が増し、標的外効果が減少することが示されている(Elmen, J. et al., (2005) Nucleic Acids Research 33(1):439-447)。
【0167】
RNA末端を安定化させ得る修飾としては、N-(アセチルアミノカプロイル)-4-ヒドロキシプロリノール(Hyp-C6-NHAc)、N-(カプロイル-4-ヒドロキシプロリノール(Hyp-C6)、N-(アセチル-4-ヒドロキシプロリノール(Hyp-NHAc)、チミジン-2’-O-デオキシチミジン(エーテル)、N-(アミノカプロイル)-4-ヒドロキシプロリノール(Hyp-C6-アミノ)、2-ドコサノイル-ウリジン-3’ ’-ホスファート、逆位塩基dT(idT)などを挙げることができる。この修飾の開示は、PCT公報WO2011/005861に記載されている。
【0168】
別の例では、本開示の例示的なRNA(たとえば、表2及び/または表4に示すもの)は、各RNAが一つの連続配列を形成するように、エフェクター配列とエフェクター相補配列の間に配置されたステムループ配列を含む、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)として提供することができる。ステムループ配列は、エフェクター配列とエフェクター相補配列が互いにアニールできる十分な長さである。好適なステムループ配列は、たとえば当業界で知られているなかから選択することができる。たとえば、本開示によるshRNAは、表3に示す配列(本明細書で説明するように修飾されていてもよい)を含むことができる。
【0169】
一例では、本開示のRNAは化学的に合成される。オリゴヌクレオチド(たとえば、特定の修飾オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドのリボヌクレオチドがない部分)は当業界では既知のプロトコルを用いて、たとえばCaruthers et al., 1992, Methods in Enzymology 211, 3-19, WO 99/54459, Wincott et al., 1995, Nucleic Acids Res. 23, 2677-2684, Wincott et al., 1997, Methods Mol. Bio., 74, 59, Brennan et al., 1998, Biotechnol Bioeng., 61, 33-45,及びBrennanの米国特許第6,001,311号で説明されるようなプロトコルを用いて合成される。オリゴヌクレオチドの合成は、一般的な核酸保護基及びカップリング基、たとえば5’末端のジメトキシトリチル、及び3’末端のホスホラミダイトなどを利用する。
【0170】
修飾なしのRNAは、Usman et al., 1987, J. Am. Chem. Soc., 109, 7845; Scaringe et al., 1990, Nucleic Acids Res., 18, 5433で説明されている手順を用いて合成される。これらの合成では、本開示の特定のRNAに使用することができる、一般的な核酸保護基及びカップリング基、たとえば5’末端のジメトキシトリチル、及び3’末端のホスホラミダイトなどを利用する。
【0171】
特定の例では、本開示のRNAは、米国特許第6,995,259号、同第6,686,463号、同第6,673,918号、同第6,649,751号、及び/または同第6,989,442号で説明されている方法にしたがい合成され、脱保護され、分析される。
【0172】
ある代替例では、本開示のRNAは、個別の構成成分として合成され、合成後にたとえばライゲーションにより連結される(Moore et al., 1992, Science 256, 9923、またはWO93/23569)か、または合成及び/または脱保護後のハイブリダイゼーションにより連結される。
【0173】
一例では、ある例示的shRNAは、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなる。一例では、ある例示的shRNAは、配列番号95に示す配列を含むかまたはそれからなる。
【0174】
一例では、ある例示的shRNAは、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなる。
【0175】
一例では、ある例示的shRNAは、配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなる。一例では、ある例示的shRNAは、配列番号82に示す配列を含むかまたはそれからなる。
【0176】
一例では、ある例示的shRNAは、配列番号65に示す配列を含むかまたはそれからなる。一例では、ある例示的shRNAは、配列番号68に示す配列を含むかまたはそれからなる。
【0177】
一例では、ある例示的shRNAは、配列番号91に示す配列を含むかまたはそれからなる。一例では、ある例示的shRNAは、配列番号94に示す配列を含むかまたはそれからなる。
【0178】
一例では、ある例示的shRNAは、配列番号83に示す配列を含むかまたはそれからなる。一例では、ある例示的shRNAは、配列番号84に示す配列を含むかまたはそれからなる。
【0179】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0180】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、配列番号95に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0181】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0182】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、配列番号82に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0183】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、配列番号65に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0184】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、配列番号68に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0185】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、配列番号91に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0186】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、配列番号94に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0187】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、配列番号83に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0188】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、配列番号84に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0189】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、
(i)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA;
(ii)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA;及び
(iii)本開示の少なくとも1つの他のRNA
を含む。
【0190】
一例では、本開示の該他のRNAは、配列番号79、82、65、68、91、94、83または84に示す配列を含むshRNAである。
【0191】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、
(i)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA;
(ii)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA;及び
(iii)配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA
を含むかまたはそれからなる。
【0192】
本開示はまた、複数のRNAを提供し、該複数のRNAは、
(i)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA;
(ii)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA;及び
(iii)配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA
を含むかまたはそれからなる。
【0193】
ddRNAi
本開示のRNAは核酸から転写することができる。したがって、一例では、本開示は本開示のRNAをコードする核酸を提供する。
【0194】
一例では、核酸はDNAである。
【0195】
別の例では、本開示は、本開示の複数のRNAをコードする核酸を提供する。
【0196】
別の例では、本開示は、本開示の複数のRNAをコードする複数の核酸を提供する。たとえば、該複数の核酸の各核酸は、本明細書で説明する1つのRNAをコードすることができる。別の例では、1つ以上の核酸が複数のRNAをコードし、たとえば該複数の核酸のうちの1つの核酸が本開示の2つ以上のRNAをコードし、該複数の核酸のうちの別の核酸が本開示の1つ以上のRNAをコードする。
【0197】
一例では、本明細書で説明する複数の核酸は、たとえば一つの組成物中、一緒に提供される。
【0198】
別の例では、本明細書で説明する複数の核酸は、複数の成分として、たとえば複数の組成物として提供される。たとえば、該複数の核酸の各核酸は別々に提供することができる。あるいは、少なくとも3つの本開示の核酸が提供される一例では、これらの核酸のうちの少なくとも1つを別に提供し、該複数の核酸のうちの2つ以上を一緒に提供することができる。
【0199】
いくつかの例では、本開示の核酸は、たとえばRNAの転写を促進するための、1つ以上の追加のエレメントを含む。たとえば、該核酸は、本開示のRNAをコードする配列に機能的に連結されたプロモーターを含むことができる。他のエレメント、たとえば転写ターミネーターは、当業界で知られており、かつ/または本明細書で説明される。
【0200】
一例では、核酸は、DNA指向性RNAi(ddRNAi)コンストラクトである。
【0201】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、プロモーターに機能的に連結された、本開示のRNAをコードする配列を含む。
【0202】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、本開示のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含むRNAをコードする配列を含む。例示的なエフェクター配列とエフェクター相補配列を表2に示す。
【0203】
たとえば、それらの配列はプロモーターに機能的に連結されている場合がある。一例では、配列は両方とも同じプロモーターに機能的に連結されている場合がある。一例では、配列はそれぞれ異なるプロモーターに機能的に連結されている場合がある。
【0204】
一例では、本開示は、エフェクター配列をコードする配列、及びエフェクター相補配列をコードする配列を含むddRNAiコンストラクトを提供し、該エフェクター配列は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載のエフェクター相補配列にほぼ相補的である。たとえば、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載のエフェクター相補配列にほぼ相補的であるエフェクター配列は、対応する表2のエフェクター相補配列とデュプレックス化されると、0、1、2、3または4ミスマッチを含む場合もある。
【0205】
一例では、本開示は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列にほぼ相補的な、ただし4塩基のミスマッチを有する、エフェクター配列をコードする配列を含む、ddRNAiコンストラクトを提供する。
【0206】
一例では、本開示は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列にほぼ相補的な、ただし3塩基のミスマッチを有する、エフェクター配列をコードする配列を含む、ddRNAiコンストラクトを提供する。
【0207】
一例では、本開示は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列にほぼ相補的な、ただし2塩基のミスマッチを有する、エフェクター配列をコードする配列を含む、ddRNAiコンストラクトを提供する。
【0208】
一例では、本開示は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列にほぼ相補的な、ただし1塩基のミスマッチを有する、エフェクター配列をコードする配列を含む、ddRNAiコンストラクトを提供する。
【0209】
一例では、本開示は、エフェクター配列及びエフェクター相補配列をコードする配列を含むddRNAiコンストラクトを提供し、該エフェクター配列は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列に100%相補的である。一例では、ddRNAiコンストラクトは、該ddRNAiコンストラクトによってコードされるエフェクター配列にほぼ相補的であるエフェクター相補配列をコードする配列を含む。
【0210】
本開示の例示的なddRNAiコンストラクトは、表2に記載の対応するエフェクター配列とエフェクター相補配列をコードする配列を含む。
【0211】
一例では、本開示は、エフェクター配列をコードする配列、及びエフェクター相補配列をコードする配列を含むddRNAiコンストラクトを提供し、該エフェクター配列は、表2の「エフェクター」と表示したコラムに示す配列からなる。一例では、該エフェクター相補配列は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに示す配列からなる。
【0212】
本開示のある例示的なddRNAiコンストラクトは、配列番号47に示す配列からなるエフェクター配列をコードする配列、及び配列番号48に示す配列からなるエフェクター相補配列をコードする配列を含む。
【0213】
本開示の別の例示的なddRNAiコンストラクトは、配列番号27に示す配列からなるエフェクター配列をコードする配列、及び配列番号28に示す配列からなるエフェクター相補配列をコードする配列を含む。
【0214】
本開示のさらなる例示的なddRNAiコンストラクトは、配列番号29に示す配列からなるエフェクター配列をコードする配列、及び配列番号30に示す配列からなるエフェクター相補配列をコードする配列を含む。
【0215】
本開示のさらなる例示的なddRNAiコンストラクトは、配列番号11に示す配列からなるエフェクター配列をコードする配列、及び配列番号12に示す配列からなるエフェクター相補配列をコードする配列を含む。
【0216】
本開示のさらなる例示的なddRNAiコンストラクトは、配列番号45に示す配列からなるエフェクター配列をコードする配列、及び配列番号46に示す配列からなるエフェクター相補配列をコードする配列を含む。
【0217】
本開示のさらなる例示的なddRNAiコンストラクトは、配列番号35に示す配列からなるエフェクター配列をコードする配列、及び配列番号36に示す配列からなるエフェクター相補配列をコードする配列を含む。
【0218】
本開示のさらなる例示的なddRNAiコンストラクトは、配列番号21に示す配列からなるエフェクター配列をコードする配列、及び配列番号22に示す配列からなるエフェクター相補配列をコードする配列を含む。
【0219】
別の例では、本開示は、本開示の複数のRNAをコードする、あるいはRNAiを誘発できる本開示のRNAをコードする配列及び少なくとも他の1つのRNAの配列を含む、ddRNAiコンストラクトを提供する。
【0220】
一例では、本開示は、本開示の複数のRNAをコードするddRNAiコンストラクトを提供し、各RNAはエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、少なくとも1つの(または各)RNAのエフェクター配列は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列にほぼ相補的である。表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに記載の配列に「ほぼ相補的」であるエフェクター配列を含む本開示の例示的なRNAについては既に説明しており、本開示のこの例に必要に応じて変更を加えて応用できるものとする。しかし、一例では、本開示は、本開示の複数のRNAをコードするddRNAiコンストラクトを提供し、各RNAはエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、少なくとも1つの(または各)RNAのエフェクター配列は、表2の「エフェクター」と表示したコラムに示す配列からなる。一例では、少なくとも1つの(または各)RNAのエフェクター相補配列は、表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに示す配列からなる。
【0221】
一例では、本開示は、本開示の複数のRNAをコードするddRNAiコンストラクトを提供し、
(i)少なくとも1つのRNAがエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該RNAのエフェクター配列は表2の「エフェクター」と表示したコラムに示す配列からなり(一例では、各RNAのエフェクター相補配列は表2の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに示す配列からなり);
(ii)少なくとも1つのRNAがエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、該RNAのエフェクター配列は表4の「エフェクター」と表示したコラムに示す配列からなる(一例では、該RNAのエフェクター相補配列は表4の「エフェクター相補配列」と表示したコラムに示す配列を含むかまたはそれからなる)。
【0222】
本明細書ではRNAの例示的な組合せを説明しており、それらは本開示のこの例に必要に応じて変更を加えて応用できるものとする。
【0223】
本開示のある例示的なddRNAiコンストラクトは、
(i)配列番号47に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号48に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードする配列;及び
(ii)配列番号27に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号28に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードする配列
を含む。
【0224】
本開示のある例示的なddRNAiコンストラクトは、
(i)配列番号47に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号48に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードする配列;
(ii)配列番号27に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号28に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードする配列;及び
(iii)配列番号29に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号30に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードする配列
を含む。
【0225】
たとえば、本開示のddRNAiコンストラクトは、5’から3’方向に、
(i)配列番号27に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号28に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードするDNA配列;
(ii)配列番号29に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号30に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードするDNA配列;及び
(iii)配列番号47に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号48に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードするDNA配列
を含むことができる。
【0226】
ddRNAiコンストラクトの(i)~(iii)のRNAをコードする各DNA配列は、ddRNAiコンストラクトにおいて、たとえばU6プロモーターやH1プロモーターなどの別のプロモーターに機能的に連結されている場合もある。
【0227】
本開示の別の例示的なddRNAiは、
(i)配列番号47に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号48に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードする配列;
(ii)配列番号27に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号28に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードする配列;及び
(iii)配列番号57に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号58に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードする配列
を含む。
【0228】
たとえば、本開示のddRNAiコンストラクトは、5’から3’方向に、
(i)配列番号27に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号28に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードするDNA配列;
(ii)配列番号57に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号58に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードするDNA配列;及び
(iii)配列番号47に示す配列からなるエフェクター配列、及び配列番号48に示す配列からなるエフェクター相補配列を含むRNAをコードするDNA配列
を含むことができる。
【0229】
ddRNAiコンストラクトの(i)~(iii)のRNAをコードする各DNA配列は、ddRNAiコンストラクトにおいて、たとえばU6プロモーターやH1プロモーターなどの別のプロモーターに機能的に連結されている場合もある。
【0230】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、プロモーターに機能的に連結された、本開示のshRNAをコードする配列を含む。たとえば、本開示のddRNAiコンストラクトは、たとえばU6プロモーターやH1プロモーターなどのプロモーターに機能的に連結された、表3に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含む。
【0231】
たとえば、ddRNAiコンストラクトは、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むことができる。
【0232】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、配列番号95に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むことができる。
【0233】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むことができる。
【0234】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むことができる。
【0235】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、配列番号82に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むことができる。
【0236】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、配列番号65に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むことができる。
【0237】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、配列番号68に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むことができる。
【0238】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、配列番号91に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むことができる。
【0239】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、配列番号94に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むことができる。
【0240】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、配列番号83に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むことができる。
【0241】
一例では、ddRNAiコンストラクトは、配列番号84に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むことができる。
【0242】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、表3に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。たとえば、該他のRNAは、たとえば、表3または表5に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAであってもよい。
【0243】
一例では、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、配列番号95に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0244】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0245】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0246】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、配列番号82に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0247】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、配列番号65に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0248】
一例では、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、配列番号68に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0249】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、配列番号91に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0250】
一例では、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、配列番号94に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0251】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、配列番号83に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0252】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、配列番号84に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA及び本開示の少なくとも1つの他のRNAを含む。
【0253】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiも提供し、該複数のRNAは、
(i)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA;
(ii)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA;及び
(iii)本開示の少なくとも1つの他のRNA
を含む。
【0254】
一例では、本開示のddRNAiコンストラクトによってコードされる該他のRNAは、配列番号79、82、65、68、91、94、83または84に示す配列を含むshRNAである。
【0255】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、
(i)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA;
(ii)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA;及び
(iii)配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA
を含む。
【0256】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該複数のRNAは、
(i)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA;
(ii)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA;及び
(iii)配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNA
を含む。
【0257】
上述したように、ddRNAiコンストラクトは通常、プロモーターに機能的に連結された本開示のRNA(たとえば、本開示のshRNA)をコードする配列を含んでいる。ddRNAiコンストラクトは、ベクター内、たとえば、プラスミドまたはミニプラスミドまたはウイルスベクター内にあることが多い。
【0258】
一例では、ddRNAiコンストラクトにおける複数のRNA(たとえば、shRNA)をコードする配列は、同じプロモーターに機能的に連結されている。たとえば、コンストラクトは、同じプロモーターの複数の複製物を含むことができ、各複製物は本開示の異なるRNAをコードする配列に機能的に連結されている。
【0259】
別の例では、本開示のRNAに機能的に連結されるプロモーターはそれぞれ異なっている。たとえば3つのRNA(たとえば、3つのshRNA)をコードするddRNAiコンストラクトでは、これらのRNAをコードする3配列は、それぞれ異なるプロモーターに機能的に連結されている。
【0260】
さらなる例では、3つ以上のRNA(たとえば、shRNA)をコードするddRNAiコンストラクトでは、該RNAをコードする2つ(または以上)の配列が同じプロモーターに連結され、該RNAをコードする1つ(または以上)の配列が異なるプロモーターに連結されている。
【0261】
一例では、プロモーターは、構成的プロモーターである。プロモーターに言及する際の「構成的」という用語は、該プロモーターが、特定の刺激(たとえば熱ショック、化学物質、光など)の非存在下で、機能的に連結された核酸配列の転写を指令できることを意味する。一般的には、構成的プロモーターは、実質的にあらゆる細胞及びあらゆる組織においてコード配列の発現を指令できる。本開示のRNAの転写に用いられるプロモーターとしては、RNAポリメラーゼIIによって制御されるユビキチン、CMV、β-アクチン、ヒストンH4、EF-1αまたはpgk遺伝子のプロモーター、またはRNAポリメラーゼIによって制御されるプロモーターエレメントが挙げられる。
【0262】
一例では、CMV、SV40、U1、β-アクチンなどのPol IIプロモーターまたはハイブリッドPol IIプロモーターが用いられる。
【0263】
別の例では、U6プロモーター(U6-1、U6-8、U6-9)、H1プロモーター、7SLプロモーター、ヒトYプロモーター(hY1、hY3、hY4(Maraia, et al., Nucleic Acids Res 22(15):3045-52(1994)を参照のこと)及びhY5(Maraia, et al., Nucleic Acids Res 24(18):3552-59(1994)を参照のこと)、ヒトMRP-7-2プロモーター、アデノウイルスVA1プロモーター、ヒトtRNAプロモーター、または5sリボソームRNAプロモーターなどの、RNAポリメラーゼIIIによって制御されるプロモーターが用いられる。
【0264】
本開示のddRNAiコンストラクトで使用される好適なプロモーターが、米国特許第8,008,468号及び同第8,129,510号で説明されている。
【0265】
一例では、プロモーターは、RNA pol IIIプロモーターである。たとえばプロモーターはU6プロモーターである。別の例では、プロモーターはH1プロモーターである。
【0266】
本開示の複数のRNA(たとえば、本開示のshRNA)をコードするddRNAiコンストラクトの場合、該RNAのうちの少なくとも1つのRNAをコードする配列がU6プロモーターに機能的に連結され、該RNAのうちの少なくとも他の1つをコードする配列がH1プロモーターに機能的に連結されている。
【0267】
本開示の3つのRNA(たとえば、本開示のshRNA)をコードするddRNAiコンストラクトの場合、該RNAのうちの2つをコードする配列はそれぞれU6プロモーターに機能的に連結され、該RNAのうちの他の1つをコードする配列はH1プロモーターに機能的に連結されている。たとえば、5’から3’の方向で考えると、第1の配列と第3の配列はU6プロモーターに機能的に連結され、第2の配列はH1プロモーターに機能的に連結されている。
【0268】
別の例では、該RNAのうちの2つをコードする配列はそれぞれH1プロモーターに機能的に連結され、該RNAのうちの他のRNAをコードする配列はU6プロモーターに機能的に連結されている。たとえば、5’から3’の方向で考えると、第1の配列と第3の配列はH1プロモーターに機能的に連結され、第2の配列はU6プロモーターに機能的に連結されている。
【0269】
一例では、コンストラクトのプロモーターはU6プロモーターである。たとえば、該プロモーターはU6-1プロモーターである。たとえば、該プロモーターはU6-8プロモーターである。たとえば、該プロモーターはU6-9プロモーターである。
【0270】
いくつかの例では、様々な長さのプロモーターが用いられる。たとえば、2つ以上の強力なプロモーター(Pol IIIタイプのプロモーターなど)の使用は、たとえば利用可能なヌクレオチドまたは他の転写に必要な細胞成分のプールを枯渇させることにより、細胞の負担になる場合もある。さらに、または代わりに、数個の強力なプロモーターの使用により、細胞中に発現するRNAi剤が有害レベルになる場合もある。したがって、いくつかの例では、複数プロモーターのddRNAiコンストラクトにおけるプロモーターの1つ以上がそのコンストラクト中の他のプロモーターよりも弱いか、またはそのコンストラクトの全プロモーターが最大発現率を下回るRNAを発現させる。プロモーターも、様々な分子的技法を用いて、またはそうではなくたとえば様々な制限エレメントの修飾により、転写レベルをより強化または弱化するように修飾することができる。転写の減少を得る一つの手段は、プロモーター中のプロモーター活性を制御することがわかっている配列エレメントを修飾することである。たとえば近位配列因子(PSE)はヒトU6プロモーターの活性を生じさせることが知られている(Domitrovich, et al., Nucleic Acids Res 31: 2344-2352 (2003)を参照のこと)。ヒトU6-1、U6-8またはU6-9プロモーターなどの強力なプロモーターのPSEエレメントを、ヒトU6-7プロモーターなどの弱いプロモーター由来のエレメントで置き換えると、ハイブリッドU6-1、U6-8またはU6-9プロモーターの活性が低下する。この方法は本願で説明する諸例で用いているが、この結果を得るための他の手段も当業界では知られている。
【0271】
本開示のいくつかの例で有用なプロモーターは、組織特異的または細胞特異的とすることができる。プロモーターについて用いられる「組織特異的」という用語は、特定の種類の組織(たとえば肝臓組織)に対し目的とする核酸の選択的な転写を指令できるプロモーターを指し、これと同じ目的ヌクレオチド配列の発現は異なる種類の組織(たとえば筋肉)では見られない。プロモーターについて用いられる「細胞特異的」という用語は、特定の種類の細胞において目的の核酸の選択的な転写を指令できるプロモーターを指し、同じ組織内の異なる細胞ではこれと同じ目的ヌクレオチド配列の発現は見られない。
【0272】
一例では、本開示のddRNAiコンストラクトは、RNA(複数可)の発現を増加するために1つ以上のエンハンサーをさらに含むことができる。本開示の諸例で使用される適切なエンハンサーとしては、Apo E HCRエンハンサー、CMVエンハンサー(Xia et al, Nucleic Acids Res 31-17(2003))及び当業者に知られている他のエンハンサーが挙げられる。本開示のddRNAiコンストラクトで使用される好適なエンハンサーは、米国特許第8,008,468号で説明されている。
【0273】
さらなる例では、本開示のddRNAiコンストラクトは、本開示のRNAをコードする核酸に連結されている転写ターミネーターを含むことができる。複数のRNAをコードするddRNAiコンストラクトの場合は、各核酸に連結されているターミネーターは、同一の場合もあるし異なる場合もある。一例では、ターミネーターは、連続する一続きの4つ以上、または5つ以上、または6つ以上のT残基である。
【0274】
異なるプロモーターが使われるいくつかの例では、ターミネーターは互いに異なる場合があり、ターミネーターが由来する遺伝子のプロモーターに合わせられる。そのようなターミネーターとしては、SV40 poly A、AdV VA1遺伝子、5SリボソームRNA遺伝子、及びヒトt-RNAのターミネーターが挙げられる。さらに、RNA pol IIプロモーターとターミネーターで一般的に行われるようにプロモーターとターミネーターを混合することもできる。
【0275】
一例では、複数のRNAをコードするddRNAiコンストラクトにおける各プロモーター/RNAコード配列/ターミネーター成分のプロモーター及びターミネーターは、成分同士でDNA組換えが生じる可能性を減じるために、すべて異なっている。
【0276】
一例では、本開示のddRNAiコンストラクトは、U6プロモーターに機能的に連結され、かつ少なくとも4つのチミジン残基、たとえば4つ、または5つ、または6つのチミジン残基を含むターミネーターに連結されている、本開示のRNAをコードする配列を含む。一例では、RNAをコードする配列は、1つのグアニンを含む転写イニシエーターにも連結されている。
【0277】
一例では、本開示のddRNAiコンストラクトは、プロモーターたとえばU6プロモーターに機能的に連結されている、表3に示す配列からなるshRNAをコードする配列を含む。一例では、shRNAをコードする配列は、たとえば4つ、または5つ、または6つのチミジン残基などの少なくとも4つのチミジン残基を含むターミネーターに連結されている。一例では、shRNAをコードする配列は、たとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。
【0278】
1つの例示的なddRNAiコンストラクトは、U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーター配列に機能的に連結されている、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含む。
【0279】
別の例示的なddRNAiコンストラクトは、U6プロモーター及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含む。別の例示的なddRNAiコンストラクトは、U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含む。別の例では、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトを提供し、該ddRNAiコンストラクトは、(i)プロモーターたとえばU6プロモーターに機能的に連結されている、表3に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列、及び(ii)プロモーターに機能的に連結されている、本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列を含む。一例では、(i)の配列は、たとえば少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーターに連結されている。一例では、(i)の配列は、たとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。一例では、(i)の配列は、たとえば少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーターに連結され、かつたとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。一例では、(ii)の配列は、たとえば少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーターに連結されている。一例では、(ii)の配列は、たとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。一例では、(ii)の配列は、たとえば少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーターに連結され、かつたとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。一例では、(i)及び(ii)の配列は、それぞれ、たとえば少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーターに連結されている。一例では、(i)及び(ii)の配列は、それぞれ、たとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。一例では、(i)及び(ii)の配列は、それぞれ、たとえば少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーターに連結され、かつたとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。
【0280】
一例では、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトを提供し、該ddRNAiコンストラクトは、(i)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;及び(ii)プロモーター、少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーター、及び任意選択の転写開始配列に機能的に連結されている、本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列を含む。一例では、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトを提供し、該ddRNAiコンストラクトは、(i)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;及び(ii)プロモーター、少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーター、及び任意選択の転写開始配列に機能的に連結されている、本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列を含む。
【0281】
一例では、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトを提供し、該ddRNAiコンストラクトは、(i)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;及び(ii)プロモーター、少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーター、及び任意選択の転写開始配列に機能的に連結されている、本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列を含む。
【0282】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトも提供し、該ddRNAiコンストラクトは、
(i)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;
(ii)U6プロモーター及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;及び
(iii)プロモーター、少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーター、及び任意選択の転写開始配列に機能的に連結されている、本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列
を含む。
【0283】
一例では、(iii)の他のRNAは表3または表5に示すshRNAである。
【0284】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiも提供し、該ddRNAiコンストラクトは、
(i)U6プロモーター及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;
(ii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;及び
(iii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列
を含む。
【0285】
たとえば、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiを提供し、該ddRNAiコンストラクトは、5’から3’の方向に、
(i)U6プロモーター及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;
(ii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;及び
(iii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列
を含む。
【0286】
複数のRNAをコードする本開示の例示的なddRNAiコンストラクトは、配列番号105に示す配列を含む。
【0287】
本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiも提供し、該ddRNAiコンストラクトは、
(i)U6プロモーター及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;
(ii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;及び
(iii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列
を含む。
【0288】
たとえば、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiを提供し、該ddRNAiコンストラクトは、5’から3’の方向に、
(i)U6プロモーター及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;
(ii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;及び
(iii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列
を含む。
【0289】
複数のRNAをコードする例示的な本開示のddRNAiコンストラクトは、配列番号106に示す配列を含む。
【0290】
別の例では、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトを提供し、該ddRNAiコンストラクトは、(i)プロモーターたとえばU6プロモーターに機能的に連結されている、表3に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列及び(ii)プロモーターに機能的に連結されている、本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列を含む。一例では、(i)の配列は、たとえば少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーターに連結されている。一例では、(i)の配列は、たとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。一例では、(i)の配列は、たとえば少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーターに連結され、かつたとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。一例では、(ii)の配列は、たとえば少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーターに連結されている。一例では、(ii)の配列は、たとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。一例では、(ii)の配列は、たとえば少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーターに連結され、かつたとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。一例では、(i)及び(ii)の配列は、それぞれ、たとえば少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーターに連結されている。一例では、(i)及び(ii)の配列は、それぞれ、たとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。一例では、(i)及び(ii)の配列は、それぞれ、たとえば少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーターに連結され、かつたとえば1つのグアニン残基を含む転写イニシエーターに連結されている。
【0291】
一例では、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトを提供し、該ddRNAiコンストラクトは、(i)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;及び(ii)プロモーター、少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーター、及び任意選択の転写開始配列に機能的に連結されている、本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列を含む。一例では、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトを提供し、該ddRNAiコンストラクトは、(i)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;及び(ii)プロモーター、少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーター、及び任意選択の転写開始配列に機能的に連結されている、本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列を含む。
【0292】
一例では、本開示は、複数のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトを提供し、該ddRNAiコンストラクトは、(i)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている、配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列;及び(ii)プロモーター、少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーター、及び任意選択の転写開始配列に機能的に連結されている、本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列を含む。
【0293】
別の例では、本開示は、それぞれがRNAをコードする、すなわちRNAiを誘発できる、複数のddRNAiコンストラクトを提供し、該複数のddRNAiコンストラクトのうちの少なくとも1つのddRNAiコンストラクトは、本開示のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクトである。たとえば、該複数のddRNAiコンストラクトのうちの少なくとも1つのddRNAiコンストラクトは、プロモーターたとえばU6プロモーターに機能的に連結されている、表3に記載のshRNAをコードする配列を含む。
【0294】
一例では、本開示は、2つ以上のddRNAiコンストラクトを含む複数のddRNAiコンストラクトを提供し、それぞれが本開示のRNAをコードする配列を含む。たとえば、該複数のddRNAiコンストラクトの各ddRNAiコンストラクトは、プロモーターたとえばU6プロモーターに機能的に連結されている、表3に記載のshRNAをコードする配列を含むことができる。
【0295】
一例では、該複数のddRNAiコンストラクトは、
(i)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーター配列に機能的に連結されている配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト;及び
(ii)プロモーター、少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーター、及び任意選択の転写開始配列に機能的に連結されている本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト;または
(iii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト
を含む。
【0296】
一例では、該複数のddRNAiコンストラクトは、
(i)U6プロモーター及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト;及び
(ii)プロモーター、少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーター、及び任意選択の転写開始配列に機能的に連結されている本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト;または
(iii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト
を含む。
【0297】
別の例では、該複数のddRNAiコンストラクトは、
(i)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト;及び
(ii)プロモーター、少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーター、及び任意選択の転写開始配列に機能的に連結されている本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト;または
(iii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト
を含む。
【0298】
本開示はまた、複数のddRNAiコンストラクトを提供し、該複数のddRNAiコンストラクトは、
(i)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト;
(ii)U6プロモーター及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト;及び
(iii)プロモーター、少なくとも5つのチミジン残基を含むターミネーター、及び任意選択の転写開始配列に機能的に連結されている本開示の少なくとも1つの他のRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト
を含む。
【0299】
本開示はまた、複数のddRNAiコンストラクトを提供し、該複数のddRNAiコンストラクトは、
(i)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト;
(ii)U6プロモーター及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト;及び
(iii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト
を含む。
【0300】
本開示はまた、複数のddRNAiコンストラクトを提供し、該複数のddRNAiコンストラクトは、
(i)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト;
(ii)U6プロモーター及び連続する6つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト;及び
(iii)U6プロモーター、1つのグアニン残基を含む転写開始配列、及び連続する5つのチミジン残基を含むターミネーターに機能的に連結されている配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする配列を含むddRNAiコンストラクト
を含む。
【0301】
さらに、該または各ddRNAiコンストラクトは、プロモーター、RNAコード配列及び/またはターミネーターエレメントが簡単に除去または置換できるように戦略的に配置されている1つまたは複数のクローニング部位及び/またはユニーク制限部位を含むことができる。該または各ddRNAiコンストラクトは、戦略的に配置されている制限部位及び/または相補的粘着末端により、より小さいオリゴヌクレオチド成分の集合から構築することができる。本開示のあるアプローチのための塩基ベクターは、(絶対要件ではないが)全部位がユニークであるマルチリンカーを有するプラスミドを含む。順次、各プロモーターが所定のユニーク部位の間に挿入され、その結果として1つ以上のプロモーターを有する塩基カセットができ、これはすべて可変方向を有することができる。さらに、順次、アニールしたプライマー対が各プロモーターの下流のユニーク部位に挿入され、その結果としてシングル、ダブル、または複数発現カセットコンストラクトが生じる。これらのインサートは、シングル、ダブル、または複数発現カセットインサートに隣接する(互いに同じかまたは異なる)ユニーク制限酵素部位により、たとえばAdV主鎖へと移動させることができる。
【0302】
該または各コンストラクトの生成は、当業界で知られている任意の好適な遺伝子操作技法、たとえば限定ではないが、PCR、オリゴヌクレオチド合成、制限エンドヌクレアーゼ消化、ライゲーション、形質転換、プラスミド精製及びDNAシーケンシングといった標準的な技法により達成することができる。該または各コンストラクトがウイルスコンストラクトである場合は、コンストラクトは、たとえば、ddRNAiコンストラクトをウイルス粒子にパッケージするのに必要な配列及び/またはddRNAiコンストラクトを標的細胞ゲノムに組み込むことを可能にする配列を含む。いくつかの例では、該または各ウイルスコンストラクトはさらに、ウイルスの複製と増殖を可能にする遺伝子を含むが、そのような遺伝子はトランスで供給される。さらに、該または各ウイルスコンストラクトは、天然の形態でまたは修飾されて組み込まれる、任意の既知の生物のゲノム由来の遺伝子または遺伝子配列を含むことができる。たとえば、ウイルスコンストラクトは、細菌中でコンストラクトを複製するのに有用な配列を含むことができる。
【0303】
該または各コンストラクトは、さらなる遺伝子エレメントを含むことができる。コンストラクトに含むことができるエレメントの種類は何ら限定されず、当業者が選択することができる。たとえば、さらなる遺伝子エレメントとしては、GFPまたはRFPなど蛍光マーカータンパク質の1つ以上の遺伝子などのレポーター遺伝子;ベータ-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、ベータ-グルクロニダーゼ、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ、または分泌型胚性(embryonic)アルカリホスファターゼなど簡単にアッセイできる酵素;あるいはホルモンやサイトカインなど免疫アッセイが容易にできるタンパク質を挙げることができる。
【0304】
本開示の実施形態で使用可能な他の遺伝子エレメントとしては、アデノシンデアミナーゼ、aminoglycodicホスホトランスフェラーゼ、ジヒドロ葉酸レダクターゼ、ハイグロマイシン-B-ホスホトランスフェラーゼなどの選択的増殖利点を細胞に与えるタンパク質をコードするもの、薬物耐性、あるいは栄養要求株にはない生合成能力を提供するタンパク質をコードする遺伝子が挙げられる。該または各コンストラクトと一緒にレポーター遺伝子が含まれる場合、配列内リボソーム進入部位(IRES)配列を含むことができる。一例では、さらなる遺伝子エレメントは、独立したプロモーター/エンハンサーと機能的に連結され、それによって制御されている。さらに、細菌中でコンストラクトが増殖するための好適な複製起点を用いることもできる。複製起点の配列は、一般に、ddRNAiコンストラクト及び他の遺伝子配列から隔離される。そのような複製起点は当業界では知られており、pUC、ColE1、2ミクロンまたはSV40複製起点が挙げられる。
【0305】
発現コンストラクト
一例では、本開示のddRNAiコンストラクトは、発現コンストラクト内に含まれている。
【0306】
一例では、発現コンストラクトは発現ベクターである。
【0307】
一例では、発現ベクターは、たとえば当業界でも知られているように、プラスミドである。一例では、好適なプラスミド発現ベクターは、たとえばU6プロモーター及び近位配列因子7(PSE7)を有する、pSshベクターである。
【0308】
一例では、発現ベクターは小環DNAである。小環DNAは、米国公開特許第2004/0214329号で説明されている。小環DNAは、核酸転写が持続的に高レベルなので有用である。環状ベクターは、発現を抑制する細菌配列をもたないという特徴がある。たとえば、小環ベクターは、たとえばβ-ラクタマーゼ、tetなどの細菌プラスミドでは一般的な複製起点や薬物選択マーカーが欠けているという点で、細菌プラスミドベクターと異なっている。したがって、小環DNAはサイズも小さくなり、より高効率の送達が可能になる。
【0309】
一例では、発現ベクターはウイルスベクターである。
【0310】
任意の適切なウイルスに基づくウイルスベクターを、本開示のddRNAiの送達に用いることができる。さらに、ハイブリッドウイルス系を使用することもできる。ウイルス送達系の選択は、送達の標的である組織、系の形質導入効率、病原性、免疫原性、及び毒性の懸念などの様々なパラメーターに依存する。
【0311】
遺伝子治療で一般的に使用されるウイルス系のクラスは、そのゲノムが宿主細胞クロマチンに組み込まれる(オンコレトロウイルス及びレンチウイルス)か、染色体外エピソームとして細胞核内に優勢的に残る(アデノ随伴ウイルス、アデノウイルス及びヘルペスウイルス)かによって、2つのグループに分類することができる。一例では、本開示のウイルスベクターは宿主細胞クロマチンに組み込まれる。別の例では、本開示のウイルスベクターは染色体外エピソームとして宿主細胞の核に残る。
【0312】
一例では、ウイルスベクターはアデノウイルス(AdV)ベクターである。アデノウイルスは中型の二本鎖の無エンベロープ型DNAウイルスであり、ゲノムは線形で26~48Kbpである。アデノウイルスは、受容体媒介結合と内部移行によって標的細胞に入り込み、非分裂細胞でも分裂細胞でも核内に侵入する。アデノウイルスは、生存と複製をホスト細胞に大きく依存し、脊椎動物の核内でホストの複製機構を使って複製ができる。
【0313】
一例では、ウイルスベクターはParvoviridaeファミリーに属する。Parvoviridaeファミリーは、小型の一本鎖の無エンベロープ型DNAウイルスであり、ゲノムはおよそ5000ヌクレオチド長である。このファミリーのメンバーにアデノ随伴ウイルス(AAV)がある。一例では、本開示のウイルスベクターはAAVである。AAVは、増殖性の感染サイクルを開始し維持するために、通常は別のウイルス(一般にアデノウイルスまたはヘルペスウイルス)との同時感染を要する依存型のパルボウイルスである。そのようなヘルパーウイルスの非存在下でも、AAVは、受容体媒介結合と内部移行によって標的細胞に入り込み、非分裂細胞でも分裂細胞でも核内に侵入することによって、なおも感染または形質導入の能力がある。ヘルパーウイルスの非存在下ではAAV感染から子孫ウイルスが生産されないので、形質導入の範囲は、ウイルス感染した初代細胞に限定される。AAVのこの特徴は、本開示のベクターとして望ましいものである。さらに、レトロウイルス、アデノウイルス、単純ヘルペスウイルスなどと違って、AAVにはヒトに対する病原性や毒性がないとされている(Kay, et al., Nature. 424: 251 (2003))。そのゲノムは通常2つの遺伝子しかコードしないので、送達ビヒクルとしてのAAVのパッケージング容量が一本鎖4.5キロベース(kb)に限られるのも驚きに値しない。しかし、このサイズ制限のせいで置換遺伝子療法で送達できる遺伝子数が限定されるにしても、shRNAなどの短い配列のパッケージングと発現には悪影響がない。
【0314】
本開示のddRNAiコンストラクトに有用な別のウイルス送達系は、Retroviridaeファミリーに属するウイルスに基づく系である。レトロウイルスには、独特の2つの特性により特徴づけられる一本鎖RNA動物ウイルスが含まれる。1つめの特性は、レトロウイルスのゲノムは2つのRNA複製物からなる二倍体である、ということである。2つめの特性は、このRNAは、ビリオン関連酵素のリバーストランスクリプターゼによって二本鎖DNAへと転写されることである。この二本鎖DNAまたはプロウイルスは、次に、ホストゲノムに組み込まれ、ホストゲノムに安定的に組み込まれた要素として親細胞から子孫細胞へと伝えられることが可能になる。
【0315】
いくつかの例では、ウイルスベクターはレンチウイルスである。レンチウイルスベクターは、水泡性口内炎ウイルスグリコプロテイン(vesicular steatites virus glycoprotein)(VSV-G)とシュードタイプ化されることが多く、ヒト免疫不全ウイルス(HIV);ヒツジの脳炎(ビスナ)や肺炎の原因となるvisan-maedi;ウマの自己免疫性溶血性貧血や脳症の原因となるウマ伝染性貧血ウイルス(EIAV);ネコの免疫不全の原因となるネコ免疫不全ウイルス(FIV);ウシのリンパ節腫やリンパ球増加症の原因となるウシ免疫不全ウイルス(BIV);及び非ヒト霊長類で免疫不全や脳症の原因となるサル免疫不全ウイルス(SIV)に由来している。HIVに基づくベクターは、通常、親ゲノムの5%未満を保持し、このゲノムの25%未満がパッケージングコンストラクトに組み込まれ、したがって復帰複製能力のあるHIVが生成する可能性は最小限となる。ベクター動員に必要なパッケージングのシグナルの転写を排除する、下流の末端反復配列中の制限エレメントの欠失を含む自己不活化ベクターの開発によって、バイオセーフティーがさらに向上している。レンチウイルスベクターを使用する主な利点の一つは、形質導入された細胞の分裂後もほとんどの組織または組織種で遺伝子トランスファーが続くことである。
【0316】
本開示のRNAの発現に用いられるレンチウイルスに基づくコンストラクトは、レンチウイルスの5’及び3’末端反復配列(LTR)の配列を含む。一例では、ウイルスコンストラクトは、レンチウイルスの不活化または自己不活化3’LTRを含む。3’LTRは、当業界で知られているどのような方法で自己不活化させてもよい。
【0317】
たとえば、3’LTRのU3エレメントは、そのエンハンサー配列、たとえばTATAボックス、Sp1及びNF-カッパB部位の欠失を含んでいる。自己不活化3’LTRの結果として、ホストゲノムに組み込まれたプロウイルスは、不活化5’LTRを含むことになる。LTR配列は、あらゆる種のあらゆるレンチウイルスのLTR配列であってよい。レンチウイルスに基づくコンストラクトには、MMLVもしくはMSCV、RSVまたは哺乳類遺伝子の配列を組み込むこともできる。さらに、レンチウイルス5’LTRのU3配列を、ウイルスコンストラクト中のプロモーター配列で置き換えることができる。こうすることで、パッケージング細胞株から回収されるウイルス力価を増加させることができる。エンハンサー配列も含まれる場合がある。
【0318】
当業者に知られている他のウイルス系または非ウイルス系も、目的とする細胞に本開示のddRNAiまたは核酸を送達するのに使用することができ、限定ではないが遺伝子欠失アデノウイルス-トランスポゾンベクター(Yant, et al., Nature Biotech. 20:999-1004 (2002)を参照のこと);シンドビスウイルスまたはセムリキ森林ウイルス由来の系(Perri, et al, J. Virol. 74(20):9802-07 (2002)を参照のこと);ニューカッスル病ウイルス又はセンダイウイルス由来の系が挙げられる。
【0319】
本開示のRNAまたはddRNAiコンストラクトの試験
細胞培養モデル
HBVは培養液中の細胞には感染しない。しかし、HBV DNAを(ヘッド・トゥー・テールの二量体として、または100%を上回る「オーバーレングス」ゲノムとして)HuH7またはHepG2肝細胞にトランスフェクションすると、ウイルス遺伝子が発現し、HBVビリオンが生産され培地中に放出される。そのような細胞株の一例は、安定的に完全HBVゲノム(血清型ayw、遺伝子型D)を有するHepG2ヒト肝細胞癌細胞株のサブ細胞株、HepG2.2.15である。HepG2.2.15は、全HBVウイルスRNA及びタンパク質を発現し、ウイルスゲノムを生産し、ウイルス様粒子を分泌する。本明細書で例示するように、本開示のRNAの活性は、RNAを細胞に投与した後、HBVゲノムによってコードされるRNAまたはタンパク質の発現レベルを測定することによって、決定される。細胞内HBV遺伝子発現は、Taqman(商標)アッセイか他のリアルタイムPCRアッセイによりHBV RNAを、またはELISAによりHBVタンパク質を、検定することができる。細胞外ウイルスは、PCRによりDNAを、またはELISAによりタンパク質を、検定することができる。HBV表面抗原とコアタンパク質の抗体は市販されている。当業界では、トランスフェクション効率及びサンプル回収率の差異を正規化する様々な手段が知られている。最近の初代ヒト肝細胞を用いる細胞培養系の進歩のおかげで、HBV治療剤の活性の決定能も向上しよう。
【0320】
HBVゲノムによってコードされるRNAまたはタンパク質の発現を本開示のRNAの非存在下と比べて少なくとも50%減少させる本開示のRNAは、本開示の方法で有用であると考えられる。
【0321】
動物モデル
HBV複製の研究に用いることができる小動物モデルがいくつかある。その一つは、放射線照射マウスへのHBV感染肝臓組織の移植である。ウイルス血症(エビデンスはPCRでHBV DNAを測定)は、移植後8日目に最初に検出され、18~25日目にピークになる(Ilan et al., 1999, Hepatology, 29, 553-562)。
【0322】
HBVを発現する遺伝子導入マウスも、抗ウイルス剤候補を評価するためのモデルとして用いられている。HBV DNAは遺伝子導入マウスの肝臓でも血清でも検出可能である(Morrey et al., Antiviral Res., 42, 97-108, 1999)。
【0323】
さらなるモデルは、HBVをトランスフェクションしたHepG2細胞を用いてヌードマウスに皮下腫瘍を作製することである。腫瘍は接種から約2週間で発生し、HBV表面抗原とHBVコア抗原を発現する。HBV DNA及び表面抗原は腫瘍マウスの循環血中でも検出される(Yao et al., J. Viral Hepat., 3, 19-22, 1996)。
【0324】
さらなるモデルは、PXBマウス、つまり肝臓疾患をもつ免疫不全マウス(uPA/SCID)にヒト肝細胞を移植したキメラグループのマウスを用いることである。uPA/SCIDマウスは相当な肝臓毒性を示すため、健常ヒト細胞を移植すると、ヒト肝細胞で70~90%再配置された健常かつ機能的な肝臓をもつマウスを作ることができる。PXBマウスの肝臓は組織構造的に正常であり、ヒト肝臓細胞の特徴の多くを示すため、このようなマウスはキメラ肝臓組織において活性HBV感染を維持することができる。
【0325】
さらなるモデルは、Quantum Bモデルの使用である。これは、三次元の細胞培養プラットフォームであり、ヒト肝細胞がこのモデルに供給されると、ヒト肝臓の構造と生理を模倣するように集合する。このモデルは肝細胞だけでできているので、初のB型肝炎の長期的に安定した全ヒト完全ウイルス生活環モデルとされており、HBV感染性生活環の重要な特性をいくつか再現している。
【0326】
上述した動物モデルはいずれも、本開示のRNAによるHBV感染の治療または軽減の有効性の決定に用いることができる。
【0327】
担体
いくつかの例では、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトは、担体を含む組成物中に存在する。
【0328】
いくつかの例では、担体は、脂質ベースの担体、カチオン性脂質、またはリポソーム核酸複合体、リポソーム、ミセル、ビロソーム、脂質ナノ粒子またはそれらの混合物である。
【0329】
いくつかの例では、担体は、カチオン性ポリマーと核酸の複合体などのポリマーベースの担体である。
【0330】
さらなる例では、担体は、シクロデキストリンポリマーと核酸の複合体などのシクロデキストリンベースの担体である。
【0331】
さらなる例では、担体は、カチオン性ペプチドと核酸の複合体などのタンパク質ベースの担体である。
【0332】
別の例では、担体は、脂質ナノ粒子である。例示的なナノ粒子は、たとえばUS7514099で説明されている。
【0333】
いくつかの例では、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトは、カチオン性脂質/コレステロール/PEG-C-DMA/DSPC(たとえば40/48/2/10の比率)、カチオン性脂質/コレステロール/PEG-DMG/DSPC(たとえば40/48/2/10の比率)、またはカチオン性脂質/コレステロール/PEG-DMG(たとえば60/38/2の比率)を含む脂質ナノ粒子組成物と一緒に製剤される。いくつかの例では、カチオン性脂質はDMA中オクチルCL、DMA中DL、L-278、KC2DMA中DL、またはMC3である。
【0334】
別の例では、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトは、WO2010/021865;WO2010/080724;WO2010/042877;WO2010/105209またはWO2011/022460に記載のいずれかのカチオン性脂質製剤と一緒に製剤される。
【0335】
別の例では、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトは、たとえば該RNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトの送達を容易にするために、別の化合物とコンジュゲートされているかまたは複合体化されている。そのようなコンジュゲートの非限定的な例が、US2008/0152661及びUS2004/0162260で説明されている(たとえば、CDM-LBA、CDM-Pip-LBA、CDM-PEG、CDM-NAGなど)。
【0336】
別の例では、ポリエチレングリコール(PEG)が本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトに共有結合的に付着している。付着PEGはどのような分子量でもよく、たとえば、約100~約50,000ダルトン(Da)である。
【0337】
さらに他の例では、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトは、たとえば、WO96/10391;WO96/10390;またはWO96/10392で説明されているような、ポリ(エチレングリコール)脂質を含有する表面修飾リポソーム(PEG修飾、または血中滞留型リポソームまたはステルスリポソーム)を含む担体と一緒に製剤される。
【0338】
いくつかの例では、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトは、ポリエチレンイミン-ポリエチレングリコール-N-アセチルガラクトサミン(PEI-PEG-GAL)またはポリエチレンイミン-ポリエチレングリコール-tri-N-アセチルガラクトサミン(PEI-PEG-triGAL)誘導体など、ポリエチレンイミンまたはその誘導体と一緒に製剤または複合体化される場合もある。一例では、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトは、米国特許出願公開第2003/0077829号で説明されるように製剤される。
【0339】
他の例では、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトは、米国特許出願公開第2001/0007666号で説明されるような膜破壊剤と複合体化される。
【0340】
他の担体としては、シクロデキストリン(たとえばGonzalez et al., 1999, Bioconjugate Chem., 10, 1068-1074;またはWO03/46185を参照のこと)、ポリ乳酸・グリコール酸共重合体(PLGA)及びPLCAマイクロスフィア(たとえばUS2002130430を参照のこと)が挙げられる。
【0341】
組成物及び治療方法
本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトは、HBV感染の予防または治療のための組成物に使用される。本開示の治療組成物は、単独で使用することもできるし、他の抗ウイルス剤などの1種以上の物質と併用することもできる。現在HBVの治療で認可されているのは、ラミブジン、アデホビルジピボキシル、及びインターフェロンアルファである。本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトは、他の認可薬とは異なる機構でHBVに作用するので、本開示の剤と他の抗ウイルス剤の併用治療で治療の有効性は大きく向上する一方で、たとえば長期ラミブジン治療の大きな問題となっているラミブジン耐性の発生などの薬物耐性の発生は大きく抑制されることが期待される。
【0342】
組成物は、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトの生物学的安定性を向上させる物質及び/または組成物が選択的に肝細胞に侵入する能力を向上させる物質を含むことが望ましい。本開示の治療組成物は、投与形態や投与経路、及び標準的な製剤上の慣例に基づき選択される製薬上許容される担体(たとえば、生理食塩水)中で投与することができる。当業者であれば、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトを含む医薬組成物を容易に製剤することができる。いくつかの場合には、等張剤が用いられる。一般に、等張性のための添加剤としては、塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトール及びラクトースを挙げることができる。いくつかの場合には、リン酸緩衝食塩水などの等張液が好ましい。安定化剤としては、ゼラチンやアルブミンが挙げられる。いくつかの例では、血管収縮剤が製剤に添加される。本開示による組成物は、滅菌されパイロジェンを含まない状態で提供される。好適な製薬上の担体、及び製薬に用いられる製薬上必要な物質は、この分野の標準的な参照資料であるRemington: The Science and Practice of Pharmacy (旧Remington’s Pharmaceutical Sciences), Mack Publishing Co.及びUSP/NFに記載されている。
【0343】
投与経路としては、限定ではないが、筋肉内、腹腔内、皮内、皮下、静脈内、髄腔内、動脈内、眼内及び経口ならびに経皮または吸引もしくは坐薬などが挙げられる。例示的な投与経路としては、静脈内、筋肉内、経口、腹腔内、皮内、動脈内及び皮下注射が挙げられる。本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトを送達するための、標的とするインビボの肝細胞トランスフェクションは、本明細書で説明するDNAまたはRNA発現ベクターと、ラクトシルスペルミン(モノラクトシル化またはトリラクトシル化)とコレステリルスペルミンの混合物(たとえば、35%/65%の比率)の複合体(対DNAチャージ比率0.8でスペルミンを含有)を含む組成物をIV注射することで達成することができる。そのような組成物は、製剤用途に有用であり、非経口投与用の、たとえばIV(IV点滴を含む)、IM、SC及び腹腔内投与用の、好適な滅菌の非発熱性ビヒクル、たとえば注射用緩衝食塩水中で容易に製剤することができる。特定の組成物では、標的スペルミンなしのコレステリルスペルミン単剤などのendosomolyticスペルミンと複合体化された本開示のddRNAiコンストラクトは、腹腔内注射や点滴などのいくつかの投与経路で、ddRNAiコンストラクトの肝臓への送達及びトランスフェクション、ならびにRNAの発現を、有効に達成することができる。
【0344】
特別調合された送達ビヒクル中の本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトを含む滅菌済み医薬組成物の腹腔内投与(たとえば、超音波誘導腹腔内注射)は、肝細胞を含めた肝臓細胞による吸収を促進する有益な送達経路となることができる。
【0345】
医薬組成物の量、濃度、及び配合、ならびに用量計画は、炎症反応などの毒性を最小限化しながら最大限に細胞送達ができるように、個別調整することができる。たとえば所望により、活性成分が低濃度となる比較的大きな体積(5ml、10ml、20ml、50mlまたはそれ以上)を用いることや、コルチコステロイドなどの抗炎症性化合物を含有させることもできる。
【0346】
HBVに感染した個体では、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトは、ウイルスに対する免疫性を高めるように設計された治療ワクチン・プロトコルと合わせた前治療として有用であると予想される。また、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトは、職業上またはそれ以外でHBVに暴露する可能性があるかまたはそのリスクが高い人に対する定期的な投与計画での予防対策としても有用であると予想される。
【0347】
キット
本開示はまた、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトをキットで提供する。キットは、容器を含む場合がある。典型的なキットには、本開示のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトと、投与に関する指示とが含まれる。いくつかの例では、キットには、本開示の2種以上のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクト及び/または本開示の別のRNAまたはddRNAiまたは発現コンストラクトが含まれる。
【実施例】
【0348】
実施例1 ddRNAiコンストラクト設計の標的領域
ddRNAiコンストラクト設計の標的となり得る配列を、全長HBVゲノムから特定した。簡単に説明すると、占有登録のされていない公開されているドメインソースから検索した配列から、HBV配列のデータベースを編纂した。最初のコレクションは、GenbankのRelease202.0(2014年6月15日)から検索ワード{hepatitis b virus complete genome}及び{hepatitis b virus complete genome + genotype}で編纂し、ヒトHBV配列のみを含めた。最初の配列アラインメントを、Sequence Assembly、Clustal、MUSCLE and SEQUENCHER、Release 5.0.1/5.2を用いて実施した。最初のアラインメントは、フォーマット化による配列差異(たとえば、配列開始部位のばらつき)、人工的ウイルス配列(たとえば、HBVベースのコンストラクト)、明白な外れ値(たとえば、質の悪いアラインメントまたは配列の質が悪いことを意味するNを有するアラインメント)及び二重のエントリーなどアノテーションに誤りのある配列をそれぞれ除去するように手動で精選した。全HBV遺伝子型(A~H)の4345配列を含む残りの配列を、CLUSTALW(高速と低速の両方)及びMegalign、Lasergene、Release12で再度アラインメントした。アラインメント結果は、全遺伝子型で、最も保存性の高い領域(少なくとも18/20ヌクレオチド)をスキャンした。最も保存性の高い10領域をshRNA設計の標的として選択した。特定したこれらの標的領域の配列を表1に示す。
【0349】
実施例2 siRNAデュプレックス
表1に記載の標的領域にほぼ相補的なエフェクター配列を含むsiRNAデュプレックスを設計した。これを表2に示す。siRNAデュプレックスは、2ヌクレオチドの3’dTdTオーバーハングを用いて合成した。
【0350】
実施例3 デュアルルシフェラーゼ・レポーター・アッセイにおけるsiRNAの活性
本開示のsiRNAがHBV転写物の発現をノックダウンする有効性を試験するために、HEK293細胞でデュアルルシフェラーゼ・レポーター・アッセイを実施した。
【0351】
領域4、領域5または領域9をそれぞれ標的とするHBV siRNAの、pGL3ルシフェラーゼ・レポーター・ベクターに基づくプラスミド・レポーター・コンストラクトを作製した。ルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトは、両端に20bpの隣接配列を有する領域4、領域5または領域9のHBV shRNA標的配列をpGL3コントロール・ベクター(Promega社、ウィスコンシン州マディソン)に挿入して生成した。これらのインサートは、ルシフェラーゼ・レポーター遺伝子の3’UTR内でFseI制限酵素部位及びXbaI制限酵素部位を用いてサブクローン化した。
【0352】
HEK293細胞でデュアルルシフェラーゼ・レポーター・アッセイを実施した。HEK293細胞株はATCC社(バージニア州マナサス)から購入した。HEK293細胞は、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、ペニシリン(100U/mL)、及びストレプトマイシン(100μg/mL)を含むDMEM培地中、5%CO2、37℃の加湿インキュベーター内で培養した。簡単に説明すると、HEK293細胞は、トランスフェクションの1日前に、96ウェルの培養プレートに2x104細胞/ウェルの密度で播種した。
【0353】
リポフェクタミン2000試薬(Life Technologies社、カリフォルニア州カールスバッド)をメーカーの指示通りに用いて、shRNA9、shRNA15、shRNA27とされる各shRNAのアンチセンス配列及びセンス配列を有するHBV siRNA、及び対応する各ルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトを、HEK293細胞に同時トランスフェクションした。トランスフェクションの各ウェルは、0.3uLのリポフェクタミン2000を用いて、1または2pmolのHBV siRNAのうちの1つ、10ngの対応するルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクト、及び1ngのRenillaレポーター・コンストラクト(ローディング・コントロールとした)を、同時トランスフェクションした。トランスフェクションから48時間後、細胞ライセートを回収し、Dual Luciferase Reporter Assay System(Promega社、ウィスコンシン州マディソン)で解析した。各ウェルのホタル/Renillaの活性比を決定し、siRNAの阻害効率を無関係のsiRNAつまりsiGloコントロールに対し正規化して計算した。HEK293細胞中の、siGloコントロールに対し相対的な、各HBV siRNA(shRNA9、shRNA15及びshRNA27)のセンス鎖とアンチセンス鎖のHBVレポーター・コンストラクトの阻害率を表8に示し、
図2に例示する。
【0354】
表8と
図2からわかるように、わずか1pmolという少量でも、shRNA9、shRNA15、shRNA27とされる各shRNAのアンチセンス配列及びセンス配列を有する例示的なsiRNAは、HEK293細胞中pGL3ルシフェラーゼ・レポーター・ベクターから発現するルシフェラーゼのレベルを減少させた。
【0355】
実施例4 HepG2.2.15細胞中で発現するHBV抗原に対するsiRNAの活性
本開示のsiRNAがHBV遺伝子の発現をノックダウンする有効性を試験するために、HepG2.2.15に本開示の代表的なsiRNAをトランスフェクションし、HBV遺伝子発現の阻害を検定した。
【0356】
HepG2.2.15は、完全HBVゲノム(血清型ayw、遺伝子型D)を安定的に有するHepG2ヒト肝細胞癌細胞株のサブ細胞株である。HepG2.2.15は全HBVウイルスRNA及びタンパク質を発現し、ウイルスゲノムを生産し、ウイルス様粒子を分泌する。HepG2.2.15細胞はジョージタウン大学のBrent Korba博士により提供された。このHepG2.2.15細胞を、4%ウシ胎児血清、4mMグルタミン、ペニシリン(100U/mL)、及びストレプトマイシン(100μg/mL)を補充したRPMI1640培地で維持し、37℃の加湿インキュベーター内で、5%CO2の雰囲気下で増殖させた。
【0357】
リポフェクタミンRNAiMax試薬(Life Technologies社、カリフォルニア州カールスバッド)を用い、浮遊液中で、shRNA9、shRNA15、shRNA27とされる各shRNAのアンチセンス配列及びセンス配列を有するHBV siRNAを細胞にトランスフェクションした。トランスフェクションはメーカーの指示通りに行った。各トランスフェクションは、24ウェルの培養プレートにHepG2.2.15細胞を9x104細胞/ウェルの密度で播種し、1.5uLのリポフェクタミンRNAiMaxを用いて、5pmolのHBV siRNAのうちのいずれか1つをトランスフェクションした。トランスフェクションから72時間後、RNAを得るため細胞を回収した。
【0358】
全RNAをmiRNeasy Mini Kit(Qiagen社、カリフォルニア州バレンシア)を用いて単離した。全RNAは、NanoDrop 1000 Spectrophotometer(Thermo Scientific社)を用いて定量化し、作業濃度10ng/μlになるまで希釈した。全RNAを100ナノグラム用い、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Life Technologies社、カリフォルニア州カールスバッド)をメーカーの指示通りに使用してcDNAを合成した。
【0359】
HBV抗原HBsAg、HBcAg、HbxAg、及びGAPDH中の領域の定量的PCR増幅を、Power SYBR Green PCR Master Mix(Life Technologies社)及び以下の表9に示すプライマーセットを用いて実施した。使用した標準リアルタイムPCR条件は、初回変性は95℃で10分、その後40サイクルの95℃で15秒、及び60℃で1分であった。
【0360】
HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベルを、GAPDH mRNAのレベルに対して決定した。HBsAg、HBcAg、HbxAg mRNA発現の阻害率は、ネガティブ・コントロール(この場合はsiGlo siRNA(Dharmacon社))に対し相対的に計算した。HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害のレベルを表10に示し、
図3に例示する。
図4は、HBVポリメラーゼ遺伝子ならびに各HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対し相対的なHBV siRNAの位置を示す。
【0361】
実施例5 デュアルルシフェラーゼ・レポーター・アッセイにおけるddRNAi発現コンストラクトの活性
本開示のshRNAを発現するddRNAi発現コンストラクトがHBV転写物をノックダウンする有効性を試験するために、HEK293細胞でデュアルルシフェラーゼ・レポーター・アッセイを実施した。
【0362】
初期スクリーニングを実施して、以下の26の本開示のshRNAの鎖の優先性を決定した:shRNA1、shRNA4、shRNA15、shRNA18、shRNA35、shRNA36、shRNA39、shRNA5、shRNA6、shRNA7、shRNA8、shRNA25、shRNA26、shRNA30、shRNA40、shRNA9、shRNA10、shRNA11、shRNA12、shRNA33、shRNA34、shRNA19、shRNA20、shRNA23、及びshRNA24。
【0363】
これら26のshRNA配列それぞれのセンス鎖及びアンチセンス鎖のpGL3ルシフェラーゼ・レポーター・ベクターに基づくプラスミド・レポーター・コンストラクトを作製した。ルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトは、両端に20bpの隣接配列を有する各shRNAのセンス鎖配列またはアンチセンス鎖配列(適宜)をpGL3コントロール・ベクター(Promega社、ウィスコンシン州マディソン)に挿入して生成した。これらのインサートは、ルシフェラーゼ・レポーター遺伝子に次いでFseI制限酵素部位及びXbaI制限酵素部位を用いてサブクローン化した。
【0364】
HEK293細胞株はATCC社(バージニア州マナサス)から購入した。HEK293細胞は、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、ペニシリン(100U/mL)、及びストレプトマイシン(100μg/mL)を含むDMEM培地中、5%CO2、37℃の加湿インキュベーター内で培養した。簡単に説明すると、HEK293細胞は、トランスフェクションの1日前に、96ウェルの培養プレートに2x104細胞/ウェルの密度で播種した。
【0365】
各shRNAについて、それぞれのshRNA配列をU6プロモーター及び近位配列因子7(PSE7)と一緒にpSshベクターに挿入することによりddRNAi発現コンストラクトを作製した。U6プロモーターは、ヒトU6-1、U6-8またはU6-9配列のいずれかに基づいた。トランスフェクションの各ウェルは、0.3uLのリポフェクタミン2000試薬(Life Technologies社、カリフォルニア州カールスバッド)をメーカーの指示通りに用いて、対応するddRNAi発現コンストラクトと2つのルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトのうちの1つを10:1(ddRNAi発現コンストラクト:ルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクト)の割合で、HEK293細胞にトランスフェクションした。細胞には1ngのRenillaレポーター・コンストラクト(トランスフェクション・コントロールとした)もトランスフェクションした。トランスフェクションから48時間後、細胞ライセートを回収し、Dual Luciferase Reporter Assay System(Promega社、ウィスコンシン州マディソン)で解析した。各ウェルのホタル/Renillaの活性比を決定した。レポーター発現の阻害率をネガティブ・コントロール(この場合はヒトまたはマウスの配列に相同性のないランダムな非標的化配列を発現するためにU6-9プロモーターを用いたコンストラクトであり、これをU6-9contと称する)に対し相対的に計算した。U6-9contは、配列CGTCGGTACCACAAGCAAGAGTCGGCAGTAAGAAGATGGCGTATATATTATGAAAGGTACCGAGATTGGCCATTCGGAGTGTTTAGTCGACCAAACTGATを発現するように設計した。この実験は反復実験とした。
【0366】
各shRNAがそれぞれのルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトからのルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を
図5a~
図5fに示す。
【0367】
検定した26のshRNAのうち、それぞれのルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトからのルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力に基づいて、shRNA1、shRNA15、shRNA36、shRNA27、shRNA30、shRNA9及びshRNA20の7つを次の試験のために選択した。これらの7つのshRNAを9ポイントの用量反応曲線に供してヘアピンの機能亢進特性を評価した。2つの用量曲線実験を行った:
実験1:HEK293細胞に、shRNA:標的の比を1:1~1:5000としてトランスフェクションした。
実験2:HEK293細胞に、shRNA:標的の比を10:1~1:500としてトランスフェクションした。
【0368】
実験1と実験2のそれぞれで、7つのshRNAを、アンチセンス鎖によってルシフェラーゼ活性の阻害を検出するように設計された、すなわちセンス鎖配列を含むルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトに対して試験した。レポーター・コンストラクトは上述したように設計した。それぞれのshRNAのddRNAi発現コンストラクトも上述したとおりであった。
【0369】
実験1
HEK293細胞は、トランスフェクションの1日前に、96ウェルの培養プレートに2.5x104細胞/ウェルの密度で播種した。7つのddRNAi発現コンストラクトの各々について、0.3uLのリポフェクタミン2000試薬(Life Technologies社、カリフォルニア州カールスバッド)をメーカーの指示通りに用いて、HEK293細胞を含むウェルに、50ng、25ng、10ng、2.5ng、0.83ng、0.28ng、0.09ng、0.03ng、または0.01ngのそれぞれのddRNAi発現コンストラクト、及び50ngの対応するルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトを、同時トランスフェクションした。細胞には、1ngのRenillaレポーター・コンストラクト(ローディング・コントロールとした)もトランスフェクションした。トランスフェクションから48時間後、細胞ライセートを回収し、Dual Luciferase Reporter Assay System(Promega社、ウィスコンシン州マディソン)で解析した。各ウェルのホタル/Renillaの活性比を決定し、ddRNAi発現コンストラクトの阻害効率を計算した。
【0370】
各ddRNAi発現コンストラクトがそれぞれのルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトからのルシフェラーゼの発現を用量依存的に阻害する能力を
図6a~
図6jに例示する。
【0371】
実験2
HEK293細胞は、トランスフェクションの1日前に、96ウェルの培養プレートに2.5x104細胞/ウェルの密度で播種した。7つのddRNAi発現コンストラクトの各々について、0.3uLのリポフェクタミン2000試薬(Life Technologies社、カリフォルニア州カールスバッド)をメーカーの指示通りに用いて、HEK293細胞を含むウェルに、100ng、50ng、20ng、5ng、1.67ng、0.56ng、0.19ng、0.06ng、または0.02ngのそれぞれのddRNAi発現コンストラクト、及び10ngの対応するルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトを、同時トランスフェクションした。細胞には、1ngのRenillaレポーター・コンストラクト(ローディング・コントロールとした)もトランスフェクションした。トランスフェクションから48時間後、細胞ライセートを回収し、Dual Luciferase Reporter Assay System(Promega社、ウィスコンシン州マディソン)で解析した。各ウェルのホタル/Renillaの活性比を決定し、ddRNAi発現コンストラクトの阻害効率を計算した。
【0372】
各ddRNAi発現コンストラクトがそれぞれのルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトからのルシフェラーゼの発現を用量依存的に阻害する能力を
図7a~
図7jに例示する。
【0373】
実施例6 フィラー・プラスミドと同時トランスフェクションされたddRNAの機能亢進特性
実施例5で説明した7つのリードddRNAiコンストラクトの機能亢進特性を、次に、HEK293細胞にU69-PSE7fix-Random100(pBL-153)フィラー・プラスミドと同時トランスフェクトした場合について評価した。
【0374】
ddRNAiコンストラクトの7つのshRNA配列それぞれのセンス鎖とアンチセンス鎖の、pGL3ルシフェラーゼ・レポーター・ベクターに基づくプラスミド・レポーター・コンストラクトを、上述したようにして調製した。
【0375】
HEK293細胞を上述した方法にしたがい培養し、トランスフェクションの1日前に、96ウェルの培養プレートに2.5x104細胞/ウェルの密度で播種した。7つのddRNAi発現コンストラクトの各々について、0.3uLのリポフェクタミン2000試薬(Life Technologies社、カリフォルニア州カールスバッド)をメーカーの指示通りに用いて、HEK293細胞を含むウェルに、(i)50ng、25ng、10ng、2.5ng、0.83ng、0.28ng、0.09ng、0.03ng、または0.01ngのそれぞれのddRNAi発現コンストラクト、(ii)最終DNA含量を50ngに調節するための様々な量のフィラー・プラスミド、及び(iii)50ngの対応するルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトを、同時トランスフェクションした。細胞には、1ngのRenillaレポーター・コンストラクト(ローディング・コントロールとした)もトランスフェクションした。トランスフェクションから48時間後、細胞ライセートを回収し、Dual Luciferase Reporter Assay System(Promega社、ウィスコンシン州マディソン)で解析した。各ウェルのホタル/Renillaの活性比を決定し、ddRNAi発現コンストラクトの阻害効率を計算した。
【0376】
フィラー・プラスミドと同時トランスフェクションしたときの、各ddRNAi発現コンストラクトがそれぞれのルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトからのルシフェラーゼの発現を用量依存的に阻害する能力を、
図8a~
図8jに例示する。
【0377】
実施例7 バリアントshRNAのHBV阻害活性
2つのバリアントshRNAを設計し、shRNA9(配列番号73)及びshRNA20(配列番号84)とされる各shRNAについて調製した。調製したバリアントは以下の通りであった:
shRNA13(配列番号77);
shRNA14(配列番号78);
shRNA21(配列番号85);及び
shRNA22(配列番号86)。
【0378】
ddRNAiコンストラクトは、一方はU69-PSE7-U68ハイブリッドプロモーターを含み、他方はU69-PSE7プロモーターを含んでいる、2つのpPshベクターに、オリジナルとバリアントの各shRNA配列を挿入することによって、調製した。次いでHEK293細胞でデュアルルシフェラーゼ・レポーター・アッセイを実施して、様々なshRNAがHBV遺伝子の発現をノックダウンする有効性を試験した。
【0379】
各ddRNAi発現コンストラクトのshRNAのセンス鎖とアンチセンス鎖のルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトを上述の方法にしたがい調製した。
【0380】
HEK293細胞を、10%ウシ胎児血清、2mMグルタミン、ペニシリン(100U/mL)、及びストレプトマイシン(100μg/mL)を含むDMEM培地で37℃、5%CO2で加湿インキュベーター内で培養した。HEK293細胞はトランスフェクションの1日前に、96ウェルの培養プレートに2x104細胞/ウェルの密度で播種した。
【0381】
トランスフェクションの各ウェルについて、0.3uLのリポフェクタミン2000試薬(Life Technologies社、カリフォルニア州カールスバッド)をメーカーの指示通りに用いて、10ngの対応するddRNAi発現コンストラクト、及び100ngの2つのルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトのうちの1つを、HEK293細胞にトランスフェクションした。細胞には、5ngのRenillaレポーター・コンストラクト(ローディング・コントロールとした)もトランスフェクションした。トランスフェクションから48時間後、細胞ライセートを回収し、Dual Luciferase Reporter Assay System(Promega社、ウィスコンシン州マディソン)で解析した。各ウェルのホタル/Renillaの活性比を決定し、それぞれのshRNAの阻害効率を計算した。各shRNAがそれぞれのルシフェラーゼ・レポーター・コンストラクトからのルシフェラーゼタンパク質の発現を阻害する能力を
図9a~
図9bに示す。
【0382】
実施例8 AdV-shRNAベクターの調製
shRNA14、shRNA15、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAのHBV shRNA配列を合成し、修飾U6-1、U6-8、またはU6-9プロモーターの下流でクローン化した。発現カセット全体をVector Biolabs社(ペンシルバニア州モルバーン)のウイルス生産用アデノウイルス(AdV)コンストラクト中にサブクローン化した。
【0383】
実施例9 HepG2.2.15細胞中HBV転写物のshRNAによるノックダウン
実施例8にしたがい、shRNA14、shRNA15、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAのHBV shRNA AdVベクターを調製した。
【0384】
HepG2.2.15細胞を、実施例4で説明した後続のHBV shRNA AdV ベクターを用いる形質導入の方法にしたがい調製した。次いでHepG2.2.15細胞を浮遊液中でHBV shRNA AdVベクターに感染させ、24ウェル・プレートで培養した。簡単に説明すると、各ウェルは、HepG2.2.15細胞1.0x105個とHBV shRNA AdV ベクターのうちの1つをMOI 6、15、30、60、90、または120で含む浮遊液を収容した。トリプルHBV shRNA発現カセットでの治療をシミュレートするために、細胞培養液を、3つのHBV shRNAアデノウイルスにもそれぞれMOI 2、5、10、20、30、40、60、または90で同時に感染させた。シミュレートしたトリプルHBV shRNA発現カセットは(i)shRNA14/shRNA15/shRNA28と(ii)shRNA14/shRNA37/shRNA28であった。形質導入後、細胞を37℃、5%CO2で72時間培養した後回収し、RNAとDNAを、それぞれQiagen miRNeasyミニキットとQiAmp DNAミニキット(カリフォルニア州バレンシア)を用いて抽出した。
【0385】
全RNAを、miRNeasy Mini Kit(Qiagen社、カリフォルニア州バレンシア)を用いて単離した。全RNAをNanoDrop 1000 Spectrophotometer(Thermo Scientific社)を用いて定量化し、作業濃度10ng/μlになるまで希釈した。
【0386】
AdVベクターによるshRNAの生産を、Qiagen社(カリフォルニア州バレンシア)のmiScript PCR装置を用いて測定した。各RT-qPCR解析では、Qiagen社のmiScript II RTキットを用いて50ngの全RNAをcDNAに変換した。次いでQiagen社のmiScript SYBRグリーンPCRキットを表11に示すカスタム・プライマーと一緒に用いてshRNAの定量PCRを行った。使用したリアルタイムPCR条件は、初回変性は95℃で15分、その後40サイクルの94℃で15秒、55℃で30秒、及び70℃で30秒であった。
【0387】
様々なshRNAの発現レベルの決定を支援するために、shRNAから処理されると予測されるガイドRNA配列(表12)のqPCR標準アッセイを開発した。
【0388】
これらのアッセイの標準曲線を、これらのガイドRNAの既知量を増幅することにより作成した。これを
図10に示す。細胞1個当たりのRNA複製数を、各細胞中の全RNA20ngという見積もりに基づき計算した。細胞1個当たりのshRNA複製数は、様々なMOIで個別に発現させたときと、様々なMOIでトリプレットの組合せで同時発現させたときの、shRNA14、shRNA15、shRNA37及びshRNA28のそれぞれについて決定された(
図11a~11d)。全般的に、トリプレットのHBV shRNA AdVの組合せを形質導入した細胞中の個々のshRNAの発現は、シングルのHBV shRNA AdVベクターを形質導入した細胞よりも、等価用量たとえばMOI 30対MOI 30+30+30で、1.5~2.0倍低かった。
【0389】
次いで、GAPDH mRNAのレベルに対し相対的な、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベルを、各試料につきHBV mRNA転写物のレベルをGAPDH mRNAに対し正規化することによって、決定した。簡単に説明すると、100ngの全RNAを用いて、High Capacity cDNA Reverse Transcription Kit(Life Technologies社、カリフォルニア州カールスバッド)をメーカーの指示通りに用いてcDNAを合成した。HBV抗原HBsAg、HBcAg、HbxAg、及びGAPDH中の各領域の定量PCR増幅を、Power SYBR Green PCR Master Mix(Life Technologies社)及び表9に挙げたプライマーセットを用いて実施した。使用した標準リアルタイムPCR条件は、初回変性は95℃で10分、その後40サイクルの95℃で15秒、及び60℃で1分であった。
【0390】
様々なMOIで個別に発現させたときとトリプレットの組合せで同時発現させたときの、shRNA14、shRNA15、shRNA37及びshRNA28それぞれについて、GAPDH mRNAのレベルに対し相対的な、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベルを、
図12a~
図12fに例示する。
図12a~
図12fから明白であるように、トリプレットの組合せは、特により低い等価の用量として形質導入したときに、シングルshRNAコンストラクトよりも優れたHBV RNAのノックダウンを示した。
【0391】
実施例10 HepG2.2.15細胞中HBV転写物のshRNAによるノックダウン
実施例8にしたがい、shRNA14、shRNA15、shRNA37、shRNA28とされる各shRNAのシングルHBV shRNA AdVベクターを調製した。
【0392】
また、それぞれがトリプルHBV shRNA発現カセットを含む2つのトリプルHBV shRNA AdVベクターも調製した。トリプルHBV shRNA発現カセットは、それぞれ、(i)shRNA14/shRNA15/shRNA28と(ii)shRNA14/shRNA37/shRNA28のコード配列、及びカセットの各shRNAコード配列のすぐ上流に配置される3つの修飾U6プロモーター(すなわち、U6-1、U6-8、またはU6-9プロモーター)で構成した。トリプルHBV shRNA発現カセットをそれぞれ合成し、Vector Biolabs社(ペンシルバニア州モルバーン)のウイルス生産用アデノウイルス(AdV)コンストラクト中にサブクローン化した。
【0393】
HepG2.2.15細胞は、実施例4で説明した方法にしたがい調製した。次いでHepG2.2.15細胞を浮遊液中でシングルまたはトリプルのHBV shRNA AdVベクターに感染させ、24ウェル・プレートで培養した。簡単に説明すると、各ウェルは、HepG2.2.15細胞1.2x105個とシングルまたはトリプルのHBV shRNA AdVベクターのうちの1つをMOI 100で含む浮遊液を収容した。形質導入後、細胞を37℃、5%CO2で72時間、96時間、120時間、及び144時間培養した後回収し、RNAとDNAをそれぞれQiagen miRNeasyミニキットとQiAmp DNAミニキット(カリフォルニア州バレンシア)を用いて抽出した。
【0394】
全RNAを実施例9で説明した方法にしたがい単離し、調製した。AdVベクターによるshRNAの生産も実施例9で説明した方法にしたがい測定した。
【0395】
shRNA14、shRNA15、shRNA37及びshRNA28それぞれについて、MOI 100でシングルまたはトリプルのHBV shRNA AdVベクター(複数可)から発現させたときの、細胞1個当たりのshRNA複製物を決定した(
図13a~
図13d)。全般的に、72時間での、トリプレットHBV shRNA AdVベクターを形質導入した細胞での個々のshRNAの発現は、シングルHBV shRNA AdVベクターを形質導入した細胞に匹敵した。shRNAl5とshRNA37は形質導入から6日たっても蓄積し続けたが、shRNA14とshRNA28の発現レベルは5日目に平坦化したようだった。
【0396】
GAPDH mRNAのレベルに対し相対的な、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベルを、各試料につきHBV mRNA転写物のレベルを実施例9で説明した方法にしたがいGAPDH mRNAに対して正規化することによって、決定した。
【0397】
72時間、96時間、120時間及び144時間での、MOI 100でシングルまたはトリプルのHBV shRNA AdVベクター(複数可)から発現させたときの、shRNA14、shRNA15、shRNA37及びshRNA28のそれぞれについて、GAPDH mRNAのレベルに対し相対的な、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベルを、
図14a~
図14fに例示する。
図14a~
図14fからわかるように、トリプルHBV shRNA AdVベクターは、72時間(3日目)で、対応するシングルのshRNAベクターよりもかなり優れたHBV RNAのノックダウンを示した。すべてのシングルHBV shRNA AdVベクターは、長時間を要してノックダウンの向上を示し、144時間(6日目)でトリプルHBV shRNA AdVベクターに匹敵した。144時間で、shRNA14/shRNA37/shRNA28を発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターは、HBsAg領域とHBxAg領域で90%以上のノックダウン率を達成し、HBcAg領域でも80%近いノックダウン率を示した。
【0398】
実施例11 インビトロのHBV転写物の阻害
発明者らは、新規にHBV接種により感染させた細胞モデルで、shRNA14/shRNA37/shRNA28を発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターが共有結合閉環状DNA(cccDNA)の形成に及ぼす効果を決定した。
【0399】
shRNA14/shRNA37/shRNA28を発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを、実施例10にしたがい調製した。
【0400】
ヒト肝細胞を、肝臓の大部分がヒト肝細胞で置換されている(すなわちヒト化肝臓をもつ)キメラマウスであるPhoenixBioマウスモデル(PXBマウス(登録商標))から単離した。この単離したヒト肝細胞(PXB細胞)を、接種の1日前に、24ウェルの培養プレートに4.0x105細胞/ウェルの密度で播種した。次いで0日目に、PXB細胞にHBVを接種した。接種後、細胞を、(i)MOI 10、30、60及び100でトリプルHBV shRNA AdVベクターで処理、または(ii)MOI 10、30、60及び100でAdVベクター主鎖で処理、または(iii)無処理とし、次いで37℃、5%CO2で6日間、11日間、及び16日間培養してから回収し、RNAとDNAを、それぞれQiagen miRNeasyミニキットとQiAmp DNAミニキット(カリフォルニア州バレンシア)を用いて抽出した。
【0401】
MOI 10でトリプルHBV shRNA AdVベクターを接種したPXB細胞について、実施例9で説明した方法にしたがい、shRNA14、shRNA37及びshRNA28のそれぞれについて処理後6日目、11日目、及び16日目の細胞1個当たりのshRNA複製物を決定した(
図15a)。トリプルHBV shRNA AdVベクターによる処理後6日目にHBV転写物の有効なノックダウン(78~85%)が観察され、その後の観察でこのノックダウンは16日目に97~99%にまで増加したことが観察された。6日目から16日目にかけてのこのHBV転写物ノックダウンの増加は、同時のAdVベクターによるshRNA生産の増加と一致していることが見出された。
【0402】
実施例9で説明した方法にしたがい、トリプルHBV shRNA AdVベクターで処理した細胞の、AdV主鎖のみで処理した細胞に対し相対的な、HBV抗原HBsAg、HBcAg及びHbxAgに対応する領域のHBV転写物の阻害レベルを測定した(
図15b)。
【0403】
トリプルHBV shRNA AdVベクターでの処理後の細胞内と細胞外のHBV DNAのレベルも、リアルタイムPCRアッセイで測定した。これを
図15cに例示する。処理後11日目、細胞内HBV DNAは85%の減少が、細胞外HBV DNAは1 logの減少が、観察された。
【0404】
HBV抗原HBsAg及びHBcAgに対応する領域のHBV転写物のレベルを、実施例9で説明した方法にしたがい測定した。その結果を
図15dに例示する。11日目に、細胞外HBcAg及びHBsAgのレベルは、AdV主鎖コントロールと比べてトリプルHBV shRNA AdVベクターで処理した細胞でおよそ90%減少したことが観察された。
【0405】
トリプルHBV shRNA AdVベクターでの処理後、PXB細胞中のcccDNAのレベルも測定した。その結果を
図15eに例示する。処理後11日目、AdV主鎖コントロールで処理したHBV感染PXB細胞及び無処理PXB細胞と比べて、トリプルHBV shRNA AdVベクターで処理したHBV感染PXB細胞で66%のcccDNAの減少が観察された。
【0406】
実施例12 HBV転写物のインビボの阻害
shRNA14/shRNA37/shRNA28を発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターが(i)HBVウイルス転写物の発現、(ii)細胞外HBsAg及びHBeAg、(iii)細胞外及び細胞内のHBV DNA、及び(iv)cccDNAの形成のそれぞれに及ぼすインビボの効果を、新規にHBV接種により感染させたPXBマウスモデルで決定した。
【0407】
方法
shRNA14/shRNA37/shRNA28を発現するトリプルHBV shRNA AdVベクターを実施例10にしたがい調製した。
【0408】
キメラPXBマウス(PXBマウス(登録商標))をPhoenixBio社から入手した。全てのマウスは、実験の間中、温度23±5℃、湿度55±25%下で個別に収容し、12時間ごとの明暗サイクルに置き、自由に餌と水を取らせた。
【0409】
簡単に説明すると、19~23週齢の雄のPXBマウスにHBV遺伝子型Cを接種し、4週間インキュベートして、ベースラインのHBV感染を作った。ベースラインのHBV感染を決定するために、マウスから-28日目、-21日目、-14日目、及び-7日目(すなわち、それぞれ接種後0日目、7日目、14日目、及び21日目)に採血し、ヒトアルブミン(h-Alb)濃度、ならびにHBV DNA、HBsAg及びHBeAgの血清濃度を決定した。
【0410】
各時点での動物からの採血は、後眼窩神経叢/洞を介するイソフルラン(Escain(登録商標)、Mylan社、日本国大阪)麻酔下で、Intramedic(商標)ポリエチレンチューブ(Becton、Dickinson and Company社、米国ニュージャージー州)を用いて実施した。
【0411】
血中h-Alb濃度を測定するために、2μLの全血を食塩水で希釈し、臨床化学アナライザー(BioMajesty(商標)シリーズJCA-BM6050、JEOL社、日本国東京)を使用して、ラテックス凝集免疫比濁法(LZ試験「Eiken」U-ALB、Eiken Chemical社、日本国東京)により、血中h-Alb濃度を測定した。
【0412】
HBV DNAの定量化、HBsAg及びHBeAgの解析のために全血を遠心分離して血清を分離した。
【0413】
血清HBV DNAを測定するために、SMITESTEX-R&D Nucleic Acid Extraction Kit(MEDICAL&BIOLOGICAL LABORATORIES社、日本国名古屋)を用いて5μLの血清からHBV DNAを抽出した。次いで精製したDNAをヌクレアーゼを含有しない水20μL(Ambion)に溶解させた。HBV感染PXBマウスから採取した血清をHBV DNA標準として用いた。合成HBV DNAを用いてHBV DNAの濃度を決定し、次いでこれを血清HBV DNAレベルの定量化に用いた。HBV DNA標準からHBV DNAを抽出し、適宜希釈した後リアルタイムPCRに用いた。この試験で使用した標準の範囲は4.0E+04~2.0E+09複製物/mLであった。
【0414】
血清HBV DNA濃度を測定するため、TaqMan Fast Advanced Master Mix(Applied Biosystems、Thermo Fisher Scientific社)及びABI Prism7500配列検出装置(Applied Biosystems)を用いて、リアルタイムPCRを実施した。抽出した5μLのDNAにPCR反応混合物を加えた。最初に50℃で2分かけてウラシル-N-グリコシラーゼを活性化し、次いで95℃で20秒かけてポリメラーゼを活性化した。次のPCR増幅は、ABI 7500配列検出装置で、53サイクルの95℃で3秒の変性、及び1サイクルにつき60℃で32秒のアニーリング及び伸長からなった。血清HBV DNAの平均レベルを2つの別のウェルの値から計算した。
【0415】
リアルタイムPCRで用いたプライマーとプローブは以下の通りであった。
【0416】
このアッセイの定量化の下限は4.0E+04複製物/mL血清であった。
【0417】
血清HBsAg濃度は、Abbott社が開発したChemiLuminescence ImmunoAssay(CLIA)(ARCHITECT(登録商標)SYSTEM)を使って、SRL社(日本国東京)が決定した。希釈係数は30であり、このアッセイの測定範囲は0.05~250IU/mLであった。30倍希釈試料は、測定範囲が1.5~7500IU/mLとなるように調節された。
【0418】
血清HBeAg濃度は、Abbott社が開発したChemiLuminescence ImmunoAssay(CLIA)(ARCHITECT(登録商標)SYSTEM)を使って、SRL社(日本国東京)が決定した。希釈係数は30であり、このアッセイの定量化の下限は0.5S/COであった。30倍希釈試料は、定量化下限が15S/COとなるように調節された。
【0419】
動物は、以下の基準を満たしていれば次の処置実験に含めた。
(i)-1日(すなわちHBV接種後27日)時点で体重が15g以上である;
(ii)-7日(すなわちHBV接種後21日)時点で血清HBV DNA濃度が少なくとも1.0E+6複製物/mLである;及び
(iii)-7日(すなわちHBV接種後21日)時点でh-Alb測定値が10mg/mL以上である。
【0420】
ベースラインHBV感染し、上記の基準を満たすマウスを3つの処置群、すなわち第1群~第3群(各群n=4)に分けた。群間のばらつきを最小限化するために、群の構成は、体重の相加平均値に基づき、かつ血中h-Alb濃度及び血清HBV DNA濃度の幾何平均値に基づき、ランダム化した。
【0421】
処置群は以下の通りであった:
第1群:無処置;
第2群:2.00E+11vg/mLのトリプルHBV shRNA AdVベクターを含有する10μL/体重グラムの用量のシングルボーラスをIV注射により尾静脈に送達;
第3群:2.00E+12vg/mLのトリプルHBV shRNA AdVベクターを含有する10μL/体重グラムの用量のシングルボーラスをIV注射により尾静脈に送達。
【0422】
各処置の投与(0日目)後、動物をさらに56日間インキュベートした。この間、8週にわたり毎週採血し(処置後7日目、14日目、21日目、28日目、35日目、42日目、49日目、及び56日目)、細胞外HBsAg、細胞外HBeAg、及び細胞外HBV DNAの血清濃度を上述した方法によりリアルタイムPCRで決定した。
【0423】
56日目の採血の終了後、生存動物をすべてイソフルラン麻酔下で心臓穿刺及び瀉血により安楽死させた。
【0424】
安楽死後、マウスから全肝臓を摘出し、計量した。左外側葉から厚さ3~5mmの切片を得、これを一辺がおよそ1~2mmの立方体に切った。これらの肝臓立方体を、できるだけ迅速に、ラベルを貼ったチューブに移し、RNAlater(登録商標)液(Ambion、Thermo FisherScientific社、米国マサチューセッツ州ウォルサム)に浸した。これらの肝臓の検体を5ボリューム以上のRNAlater(登録商標)中、4℃で一晩インキュベートして、組織に液を浸透させた。インキュベーション後、RNAlater(登録商標)液を除去し、後の肝臓HBV DNAレベルの定量化のために肝臓片を-80℃で保管した。
【0425】
処置後の肝臓HBV DNAのレベルを決定するために、RNAlater(登録商標)で保存した冷凍肝臓組織から、DNeasy(登録商標)Blood&Tissue Kit(Qiagen社、日本国東京)を用いてHBV DNAを抽出した。ヌクレアーゼを含有しない水200μLにDNAを溶解させ、その後BioPhotometer6131(Eppendorf社、日本国東京)を用いてDNA溶液の濃度を決定した。DNA溶液の濃度は、ヌクレアーゼを含有しない水を用いて20ng/μLになるように調節した。
【0426】
次に、TaqMan Fast Advanced Master Mix及びABI Prism7500配列検出装置を用いてリアルタイムPCRを実施して、肝臓HBV cccDNA濃度を測定した。簡単に説明すると、PCR反応混合物を5μLの抽出DNAに加えた。PCR反応は、Takkenbergの条件に基づき実施した。最初に50℃で2分かけてウラシル-N-グリコシラーゼを活性化し、次いで95℃で20秒かけてポリメラーゼを活性化した。次の55サイクルのPCR増幅は、ABI 7500配列検出装置で各サイクルにつき95℃で3秒、60℃で32秒で実施した。HBV cccDNAの平均レベルを2つの別のウェルの値から計算した。HBV完全ゲノム配列を含むプラスミドをHBV cccDNA定量化の標準試料として用いた。使用した標準の範囲は1.0E+02~1.0E+05複製物/100ng DNAであった。
【0427】
リアルタイムPCRで使用したプライマー及びプローブは以下の通りであった。
【0428】
このアッセイの定量化の下限は、抽出DNA溶液中、1.0E+02複製物/100ng DNAであった。
【0429】
結果
処置の間中、どの動物も開始レベルの80%以上の体重を維持した。さらに、第2群と第3群の体重の最低平均値は、処置を受けなかったコントロール群よりもわずかに低かった。
【0430】
図16及び
図17からわかるように、トリプルHBV shRNA AdVベクターを受けた処置群の動物は、実験の間中、コントロール処置を受けた第1群の動物よりも安定して血清HBV DNAの減少を見せた。56日目、中用量処置を受けた動物(第2群)は平均0.59 log、74.4%の血清HBV DNAの減少を示し、高用量処置を受けた動物(第3群)は平均1.83 log、98.5%の血清HBV DNAの減少を示した。
【0431】
同様に、トリプルHBV shRNA AdVベクターでの処置後のHBsAg及びHBeAgの血清濃度(
図18及び
図19)も、コントロール処置を受けた第1群の動物よりも安定して減少した。56日目、中用量処置を受けた動物(第2群)は、平均78.4%の血清HBsAgレベルの減少、平均63.6%の血清HBeAgレベルの減少を示し、高用量処置を受けた動物(第3群)は平均97.6%の血清HBsAgレベルの減少、平均92.6%の血清HBeAgレベルの減少を示した。
【0432】
56日目の細胞内HBV DNA及びcccDNAのレベルも、中用量と高用量の処置群(それぞれ第2群と第3群)の動物は、コントロール処置を受けた第1群の動物よりも減少したことが示された。たとえば、
図20で例示するように、トリプルHBV shRNA AdVベクターの中用量と高用量での処置の結果、56日目の細胞内HBV DNA複製数はそれぞれ48.6%と94.9%の減少となった。同様に、
図21は、トリプルHBV shRNA AdVベクターの中用量と高用量での処置の結果、56日目のcccDNA複製数はそれぞれ36.9%と57.7%の減少となったことを示している。
【0433】
トリプルHBV shRNA AdVベクターにより発現するshRNA(すなわち、shRNA14、shRNA37及びshRNA28)に対応するHBVウイルス転写物の阻害レベルも56日目にリアルタイムPCRで測定した。
図22に示すように、shRNA14、shRNA37及びshRNA28に対応するウイルスRNAは、中用量で処置した第2群の動物で、コントロール処置を投与した第1群の動物におけるそれらのHBVウイルス転写物の発現レベルに対し、39.4%、39.2%及び53.3%減少した。同様に、
図Yは、shRNA14、shRNA37及びshRNA28に対応するウイルスRNAは、高用量で処置した第3群の動物で、コントロール処置を投与した第1群の動物におけるそれらのHBVウイルス転写物の発現レベルに対し、86.2%、82.0%及び89.1%減少したことを示している。
【0434】
本研究の結果に基づき、トリプルHBV shRNA AdVベクターは、ヒト化肝臓をもつHBV感染PXBマウスに投与すると、血清HBV DNA、血清HBsAg、血清HBeAg及び肝臓HBV DNAといったウイルスパラメーターに明白な影響を及ぼすことがわかった。これらの抗ウイルス効果は2.00E+12vg/kg(第2群)及び2.00E+13vg/kg(第3群)といった用量で観察され、トリプルHBV shRNA AdVベクターの異なる用量での有効性が示された。
【0435】
当業者であれば、本開示の広い範囲から逸脱することなく、上述の実施形態に多数の変化及び/または変更を加えることができることを理解しよう。したがって、これらの実施形態は、あらゆる点において例示であり、制限とはみなされない。
本発明は以下の態様も提供する。
[1] 少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含むRNAであって、前記エフェクター配列は、B型肝炎ウイルス(HBV)ゲノムのある領域によってコードされるRNA転写物にほぼ相補的であり、前記領域は、配列番号1~10のいずれかに示す配列を含んでいる、前記RNA。
[2] 配列番号11に示すエフェクター配列、及び配列番号12に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号13に示すエフェクター配列、及び配列番号14に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号15に示すエフェクター配列、及び配列番号16に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号17に示すエフェクター配列、及び配列番号18に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号19に示すエフェクター配列、及び配列番号20に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号21に示すエフェクター配列、及び配列番号22に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号23に示すエフェクター配列、及び配列番号24に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号25に示すエフェクター配列、及び配列番号26に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号27に示すエフェクター配列、及び配列番号28に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号29に示すエフェクター配列、及び配列番号30に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号31に示すエフェクター配列、及び配列番号32に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号33に示すエフェクター配列、及び配列番号34に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号35に示すエフェクター配列、及び配列番号36に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号37に示すエフェクター配列、及び配列番号38に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号39に示すエフェクター配列、及び配列番号40に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号41に示すエフェクター配列、及び配列番号42に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号43に示すエフェクター配列、及び配列番号44に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号45に示すエフェクター配列、及び配列番号46に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号47に示すエフェクター配列、及び配列番号48に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号49に示すエフェクター配列、及び配列番号50に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;及び
配列番号51に示すエフェクター配列、及び配列番号52に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA
からなる群より選択される、[1]に記載のRNA。
[3] 低分子ヘアピン型RNA(shRNA)である、[1]または[2]に記載のRNA。
[4] 前記エフェクター配列と前記エフェクター相補配列の間に配置されたループ配列を含んでいる、[3]に記載のRNA。
[5] 前記shRNAは配列番号65~98のいずれかに示す配列を含んでいる、[3]または[4]に記載のRNA。
[6] 複数のRNAであって、
(a)少なくとも1つの[1]~[5]のいずれか一に記載のRNA;及び
(b)
(i)[1]~[5]のいずれか一に記載のRNA;または
(ii)少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、前記エフェクター配列は配列番号54、56、58、60、62及び64のいずれかに示すRNA配列にほぼ相補的であるRNA
から選択される少なくとも1つのRNA
を含み、
前記(a)のRNAと前記(b)のRNAは異なるエフェクター配列を含んでいる、
前記複数のRNA。
[7] 前記(b)(ii)のRNAは、
配列番号53に示すエフェクター配列、及び配列番号54に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号55に示すエフェクター配列、及び配列番号56に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号57に示すエフェクター配列、及び配列番号58に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号59に示すエフェクター配列、及び配列番号60に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号61に示すエフェクター配列、及び配列番号62に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;及び
配列番号63に示すエフェクター配列、及び配列番号64に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA
からなる群より選択される、[6]に記載の複数のRNA。
[8] 低分子ヘアピン型RNA(shRNA)である、[6]または[7]に記載の複数のRNA。
[9] 前記エフェクター配列と前記エフェクター相補配列の間に配置されたループ配列を含んでいる、[8]に記載の複数のRNA。
[10]
(a)少なくとも1つのRNAは[5]に記載のshRNAであり;
(b)少なくとも1つのRNAは
(i)[5]に記載のshRNA;または
(ii)配列番号99~104のいずれかに示す配列を含むshRNA
から選択され、
前記(a)のshRNAと前記(b)のshRNAは異なっている、
[8]または[9]に記載の複数のRNA。
[11] [1]~[5]のいずれか一に記載のRNAをコードするDNA配列を含む、核酸。
[12] 複数の核酸であって、
(a)[1]~[5]のいずれか一に記載のRNAをコードするDNA配列を含む第1の核酸;及び
(b)第2の核酸であって、
(i)[1]~[5]のいずれか一に記載のRNA;または
(ii)少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、前記エフェクター配列は配列番号54、56、58、60、62及び64のいずれかに示すRNA配列にほぼ相補的であるRNA
から選択されるRNAをコードするDNA配列を含む前記第2の核酸
を含み、
前記第1の核酸によってコードされるRNAと前記第2の核酸によってコードされるRNAは、異なるエフェクター配列を含んでいる、
前記複数の核酸。
[13] 前記(b)(ii)のRNAは、
配列番号53に示すエフェクター配列、及び配列番号54に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号55に示すエフェクター配列、及び配列番号56に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号57に示すエフェクター配列、及び配列番号58に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号59に示すエフェクター配列、及び配列番号60に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;
配列番号61に示すエフェクター配列、及び配列番号62に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA;及び
配列番号63に示すエフェクター配列、及び配列番号64に示すエフェクター相補配列を含んでいるRNA
からなる群より選択される、[12]に記載の複数の核酸。
[14] 各核酸によってコードされる前記RNAは、低分子ヘアピン型RNA(shRNA)である、[12]または[13]に記載の複数の核酸。
[15] 各核酸によってコードされる前記RNAは、前記エフェクター配列と前記エフェクター相補配列の間に配置されたループ配列を含んでいる、[14]に記載の複数の核酸。
[16]
(a)前記第1の核酸は、[5]に記載のshRNAをコードするDNA配列を含み、
(b)前記第2の核酸は、
(i)[5]に記載のshRNA;または
(ii)配列番号99~104のいずれかに示す配列を含むshRNA
から選択されるshRNAをコードするDNA配列を含み、
前記第1の核酸によってコードされるshRNAと前記第2の核酸によってコードされるshRNAは異なっている、
[14]または[15]に記載の複数の核酸。
[17] [11]に記載の核酸を含んでいる、DNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクト。
[18] 複数のDNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクトであって、
(a)少なくとも1つのddRNAiコンストラクトが、[12](a)に定められる複数の核酸の第1の核酸を含み、
(b)少なくとも1つのddRNAiコンストラクトが、[12](b)に定められる複数の核酸の第2の核酸を含んでいる、
前記複数のDNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクト。
[19] 少なくとも2つの低分子ヘアピン型RNA(shRNA)をコードするDNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクトであって、
(a)第1のshRNAをコードする、[11]に記載の核酸;及び
(b)第2のshRNAをコードするDNA配列を含む核酸であって、前記第2のshRNAは、少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、前記エフェクター配列は、B型肝炎ウイルスのゲノムによってコードされるRNA転写物のある領域にほぼ相補的である、前記核酸
を含み、
前記第1のshRNAと前記第2のshRNAは異なっている、
前記DNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクト。
[20] [12]~[16]のいずれか一に記載の複数の核酸を含んでいる、[19]に記載のddRNAiコンストラクト。
[21] 第3のshRNAをコードするDNA配列を含む核酸を含み、前記第3のshRNAは、少なくとも17ヌクレオチド長のエフェクター配列及びエフェクター相補配列を含み、前記エフェクター配列は、B型肝炎ウイルスのゲノムによってコードされるRNA転写物のある領域にほぼ相補的であり、
前記第3のshRNAは、前記第1のshRNA及び前記第2のshRNAとは異なっている、
[19]または[20]に記載のddRNAiコンストラクト。
[22] 前記第3のshRNAをコードする前記核酸は、[12]~[16]のいずれか一に記載の複数の核酸のうちのいずれかの核酸から選択される核酸である、[21]に記載のddRNAiコンストラクト。
[23]
(a)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする核酸:
(b)[12]~[16]のいずれか一に記載の複数の核酸のうちのいずれかの核酸から選択される核酸;及び
(c)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする核酸を含み、
前記shRNAはそれぞれ、互いに異なっている、
[19]に記載のddRNAiコンストラクト。
[24] 5’から3’の方向に、
(a)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第1の核酸:
(b)配列番号101に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第2の核酸;及び
(c)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第3の核酸
を含んでいる、[19]に記載のddRNAiコンストラクト。
[25] 5’から3’の方向に、
(a)配列番号92に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第1の核酸:
(b)配列番号79に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第2の核酸;及び
(c)配列番号78に示す配列を含むかまたはそれからなるshRNAをコードする第3の核酸
を含んでいる、[19]に記載のddRNAiコンストラクト。
[26] shRNAをコードする各核酸の上流にRNA pol IIIプロモーターを含んでいる、[17]~[25]のいずれか一に記載のddRNAiコンストラクト。
[27] 前記または各RNA pol IIIプロモーターは、U6プロモーター及びH1プロモーターから選択される、[26]に記載のddRNAiコンストラクト。
[28] [17]~[27]のいずれか一に記載されるddRNAiコンストラクトを含んでいる、発現ベクター。
[29] 複数の発現ベクターであって、
(a)少なくとも1つの発現ベクターが、[18](a)に定められるddRNAiコンストラクトを含み、
(b)少なくとも1つの発現ベクターが、[18](b)に定められるddRNAiコンストラクトを含んでいる、
前記複数の発現ベクター。
[30] 前記または各発現ベクターは、プラスミドまたは小環である、[28]に記載の発現ベクターまたは[29]に記載の複数の発現ベクター。
[31] 前記または各発現ベクターは、アデノ随伴ウイルス(AAV)ベクター、レトロウイルスベクター、アデノウイルス(AdV)ベクター及びレンチウイルス(LV)ベクターからなる群より選択されるウイルスベクターである、[28]に記載の発現ベクターまたは[29]に記載の複数の発現ベクター。
[32] 前記または各発現ベクターは、カチオン性DNA結合ポリマーと複合体をなしている、[28]または[30]に記載の発現ベクター、または[29]または[30]に記載の複数の発現ベクター。
[33] [11]~[20]のいずれか一に記載のDNA指向性RNA干渉(ddRNAi)コンストラクト、または[21]~[24]のいずれか一に記載の発現ベクターを含む、組成物。
[34] さらに、1種以上の製薬上許容される担体を含んでいる、[33]に記載の組成物。
[35] 対象のB型肝炎ウイルス(HBV)感染を治療する方法であって、前記対象に、治療有効量の、[1]~[5]のいずれか一に記載のRNA、または[6]~[10]のいずれか一に記載の複数のRNA、または[11]に記載の核酸、または[12]~[17]のいずれか一に記載の複数の核酸、または[18]もしくは[20]~[27]のいずれか一に記載のddRNAiコンストラクト、または[19]に記載の複数のddRNAiコンストラクト、または[28]もしくは[30]~[32]のいずれか一に記載の発現ベクター、または[29]~[32]のいずれか一に記載の複数の発現ベクター、または[33]もしくは[34]に記載の組成物を投与することを含んでいる、前記方法。
[36] 前記対象は、急性HBV感染に苦しんでいる、[35]に記載の方法。
[37] 前記対象は、慢性HBV感染に苦しんでいる、[35]に記載の方法
[38] B型肝炎ウイルス(HBV)に感染している対象のB型肝炎ウイルス負荷を低下させる方法であって、前記対象に、治療有効量の、[1]~[5]のいずれか一に記載のRNA、または[6]~[10]のいずれか一に記載の複数のRNA、または[11]に記載の核酸、または[12]~[17]のいずれか一に記載の複数の核酸、または[18]もしくは[20]~[27]のいずれか一に記載のddRNAiコンストラクト、または[19]に記載の複数のddRNAiコンストラクト、または[28]もしくは[30]~[32]のいずれか一に記載の発現ベクター、または[29]~[32]のいずれか一に記載の複数の発現ベクター、または[33]もしくは[34]に記載の組成物を投与することを含んでいる、前記方法。
[39] B型肝炎ウイルス(HBV)感染に苦しむ対象のHBV関連の症状の重症度を軽減する方法であって、前記対象に、治療有効量の、[1]~[5]のいずれか一に記載のRNA、または[6]~[10]のいずれか一に記載の複数のRNA、または[11]に記載の核酸、または[12]~[17]のいずれか一に記載の複数の核酸、または[18]もしくは[20]~[27]のいずれか一に記載のddRNAiコンストラクト、または[19]に記載の複数のddRNAiコンストラクト、または[28]もしくは[30]~[32]のいずれか一に記載の発現ベクター、または[29]~[32]のいずれか一に記載の複数の発現ベクター、または[33]もしくは[34]に記載の組成物を投与することを含んでいる、前記方法。
[40] B型肝炎ウイルス(HBV)に感染した対象の感染力を低下させる方法であって、前記対象に、治療有効量の、[1]~[5]のいずれか一に記載のRNA、または[6]~[10]のいずれか一に記載の複数のRNA、または[11]に記載の核酸、または[12]~[17]のいずれか一に記載の複数の核酸、または[18]もしくは[20]~[27]のいずれか一に記載のddRNAiコンストラクト、または[19]に記載の複数のddRNAiコンストラクト、または[28]もしくは[30]~[32]のいずれか一に記載の発現ベクター、または[29]~[32]のいずれか一に記載の複数の発現ベクター、または[33]もしくは[34]に記載の組成物を投与することを含んでいる、前記方法。
[41] 1種以上のHBV遺伝子の発現を阻害することを含んでいる、[35]~[40]のいずれか一に記載の方法。
【配列表】