(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】電子ベイピング装置
(51)【国際特許分類】
A24F 40/485 20200101AFI20221212BHJP
A24F 47/00 20200101ALI20221212BHJP
【FI】
A24F40/485
A24F47/00
(21)【出願番号】P 2018551110
(86)(22)【出願日】2017-03-29
(86)【国際出願番号】 EP2017057453
(87)【国際公開番号】W WO2017167826
(87)【国際公開日】2017-10-05
【審査請求日】2020-03-27
(32)【優先日】2016-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】リポヴィッチ ペーター
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特表2015-500025(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105394816(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第105310114(CN,A)
【文献】米国特許第06155268(US,A)
【文献】中国特許出願公開第104886784(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第103960782(CN,A)
【文献】中国実用新案第203851810(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第103859604(CN,A)
【文献】中国実用新案第205040656(CN,U)
【文献】中国特許出願公開第104720115(CN,A)
【文献】中国実用新案第204796739(CN,U)
【文献】中国実用新案第203762290(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/00-47/00
A61M11/04
A61M15/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ベイピング装置用の貯蔵部組立品であって、前記貯蔵部組立品が、
プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部と、
第一の端および第二の端を含む管であって、前記第一の端が前記貯蔵部内に延び、前記第二の端が前記貯蔵部から突き出し、かつ前記管が前記第二の端にある前記管の側壁内に孔を含むものと、
前記管の前記第二の端を少なくとも部分的に囲むスリーブであって、前記スリーブが吸い上げ材料で形成され、前記スリーブが前記管の前記側壁にある前記孔と流体連通するものとを備え
、
前記管は、前記管の側壁に1~20個の孔を含んでいる、貯蔵部組立品。
【請求項2】
前記スリーブが多孔性材料で形成される請求項1に記載の貯蔵部組立品。
【請求項3】
前記多孔性材料がセルロース、繊維ガラス、石英のうちの少なくとも一つを含む、請求項2に記載の貯蔵部組立品。
【請求項4】
前記スリーブが耐熱性である、請求項1、2または3に記載の貯蔵部組立品。
【請求項5】
前記スリーブが複数の繊維を含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の貯蔵部組立品。
【請求項6】
前記管が約1.5ミリメートル~約3.0ミリメートルの範囲の内径を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の貯蔵部組立品。
【請求項7】
前記スリーブが前記管の前記第二の端の周りに摩擦嵌めで結合される、請求項1~6のいずれか一項に記載の貯蔵部組立品。
【請求項8】
前記少なくとも一つの孔が約0.5ミリメートル~約1ミリメートルの範囲の直径を有する、請求項1~7のいずれか一項に記載の貯蔵部組立品。
【請求項9】
前記管は、プラスチック、ガラス、金属、またはその組み合わせで形成される、請求項1~8のいずれか一項に記載の貯蔵部組立品。
【請求項10】
前記管は、一つ以上の屈曲を含んでいる、請求項1~9のいずれか一項に記載の貯蔵部組立品。
【請求項11】
前記スリーブは、約0.5ミリメートル~約2.0ミリメートルの厚さおよび約0.5ミリメートル~約20ミリメートルの長さである、請求項1~10のいずれか一項に記載の貯蔵部組立品。
【請求項12】
前記管は、前記管の側壁に複数の孔を含んでおり、前記孔は、異なる直径を有し、前記孔の直径は、前記管の長さに沿って増大し、より大きな孔は、前記管の前記第二の端に形成され、より小さな孔は、前記管の第一の端の近くに形成される、請求項1~
11のいずれか一項に記載の貯蔵部組立品。
【請求項13】
電子ベイピング装置であって、
長軸方向に延びるハウジングと、
前記ハウジング内部の貯蔵部支持体と、
請求項1~
12のいずれか一項に記載の貯蔵部組立品であって、前記貯蔵部組立品の前記貯蔵部が前記ハウジング内の所定の位置に前記貯蔵部支持体によって保持される貯蔵部組立品と、
前記スリーブと流体連通する発熱体と、
前記発熱体に電力を供給するように構成された電源とを備える、電子ベイピング装置。
【請求項14】
電子ベイピング装置であって、
空気が前記ハウジング内に流れることを可能にするように構成された少なくとも一つの空気吸込み口と、
気流を感知するように構成されたセンサーと、
前記センサーと通信する制御回路とをさらに備える、請求項
13に記載の電子ベイピング装置。
【請求項15】
前記貯蔵部が、
前記貯蔵部がプレベイパー製剤で充填されることを可能にするように構成された再充填口と、
前記再充填口を封止するように構成された再充填口プラグとをさらに備える、請求項
13又は
14に記載の電子ベイピング装置。
【請求項16】
前記発熱体が前記スリーブの少なくとも一部分と接触する平面の発熱体である、請求項
13、
14又は
15のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項17】
前記発熱体が前記スリーブを少なくとも部分的に囲むコイルヒーターである、請求項
13、14又は15のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、プレベイパー製剤を気化器へと送達するように構成された電子ベイピング装置またはeベイピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子ベイピング装置は、ヒーターと、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部内に延びる芯とを含みうる。
【発明の概要】
【0003】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置用の貯蔵部組立品に関連する。
【0004】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置用の貯蔵部組立品は、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部と、第一の端および第二の端を含む管と、管の第二の端を少なくとも部分的に囲むスリーブとを含む。管の第一の端は貯蔵部内に延びる。管の第二の端は貯蔵部から突き出す。管は第二の端にある管の側壁内に孔を含む。スリーブは吸い上げ材料で形成される。スリーブは管の側壁にある孔と流体連通する。
【0005】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、スリーブは多孔性材料で形成される。多孔性材料はセルロース、繊維ガラス、石英のうちの少なくとも一つを含みうる。
【0006】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、スリーブは耐熱性である。スリーブは複数の繊維を含みうる。
【0007】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、管は約1.5ミリメートル~約3.0ミリメートルの範囲の内径を有する。管の側壁内の孔は、約0.5ミリメートル~約1ミリメートルの範囲の直径を有しうる。
【0008】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、スリーブは管の第二の端の周りに摩擦嵌めされる。
【0009】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置に関連する。
【0010】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置は、長軸方向に延びるハウジングと、ハウジング内部の貯蔵部支持体と、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部と、第一の端および第二の端を含む管と、管の第二の端を少なくとも部分的に囲むスリーブと、スリーブと流体連通する発熱体と、発熱体に電力を供給するように構成された電源とを含む。
【0011】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部はハウジング内の所定の位置に貯蔵部支持体によって保持される。管の第一の端は貯蔵部内に延び、管の第二の端は貯蔵部から突き出す。管は管の第二の端にある管の側壁内に孔を含む。少なくとも一つの例示的な実施形態において、スリーブは吸い上げ材料で形成される。スリーブは管の側壁にある孔と流体連通する。
【0012】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、スリーブは多孔性材料で形成される。多孔性材料はセルロース、繊維ガラス、石英のうちの少なくとも一つを含みうる。
【0013】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、スリーブは耐熱性である。スリーブは複数の繊維を含みうる。
【0014】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、管は約1.5ミリメートル~約3.0ミリメートルの範囲の内径を有する。スリーブは管の第二の端の周りに摩擦嵌めで結合されうる。
【0015】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、管の側壁にある孔は約0.5ミリメートル~約1ミリメートルの範囲の直径を有する。
【0016】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置はまた、空気がハウジング内に流れることを可能にするように構成された少なくとも一つの空気吸込み口と、気流を感知するように構成されたセンサーと、センサーと通信し、かつ発熱体の加熱を開始するように構成された制御回路とを含みうる。
【0017】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部は、貯蔵部がプレベイパー製剤で充填されることを可能にするように構成された再充填口と、再充填口を封止するように構成された再充填口プラグとをさらに含みうる。
【0018】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体はスリーブの少なくとも一部分と接触する平面の発熱体である。
【0019】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体はスリーブを少なくとも部分的に囲むコイルヒーターである。
【0020】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになるはずである。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、請求項の範囲を制限するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明示的に注記されていない限り、実寸に比例して描かれていると考えられるべきでない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】
図1は、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置の側面断面図である。
【
図2】
図2は、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置の側面断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
いくつかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型である。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の例示的な実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0023】
従って、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その例示的な実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明する。ところが、当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲の中に収まるあらゆる修正、均等物、代替物が網羅される。同様の数字は、図の説明の全体で同様の要素を意味する。
【0024】
当然のことながら、要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に結合される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接あってもよく、それに直接的に接続されてもよく、それに直接的に結合されてもよく、またはそれを直接的に覆ってもよく、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に結合される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、明細書の全体で同様の要素を指す。
【0025】
当然のことながら、第一の、第二の、第三のなどという用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、またはセクションを記述するために本明細書で使用されてもよいが、これらの要素、構成要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されない。これらの用語は、ある一つの要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記で考察される第一の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0026】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。当然のことながら、空間的関係の用語は、図に図示されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されている。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、用語「下方に」は上方および下方の両方の方向を包含する場合がある。装置は、その他の方法で(90度回転して、または他の方向で)方向付けられる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0027】
本明細書で使用される用語は、様々な例示的な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は本明細書で使用される場合、複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合はその限りではない。「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は本明細書で使用される時、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、または構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0028】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態の概略図(および中間構造)である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または許容差の結果として得られた図の形状からの変化が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造に起因する形状の逸脱を含む。
【0029】
その他の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0030】
図1は、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置の側面断面図である。
【0031】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図1に示す通り、電子ベイピング装置10は、長軸方向に延びるハウジング12を含みうる。ハウジング12は貯蔵部組立品62と、ヒーター45と、電源35と、空気吸込み口25を経由してハウジング12内に引き出される空気に応答するセンサー40と、制御回路30とを含みうる。
【0032】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部組立品62は、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成されうる貯蔵部60を含む。ヒーター45はプレベイパー製剤を気化しうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置10は米国特許出願公開第2013/0192623号(Tucker他、2013年1月31日出願)に記載の特徴を含んでもよく、その内容全体をそれを参照することによって本明細書に組み込む。
【0033】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、プレベイパー製剤は、ベイパーに変化しうる材料または材料の組み合わせである。例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然または人工の香料、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、ならびにこれらの組み合わせ(ただしこれらに限定されない)を含む、液体製剤、固体製剤、またはゲル製剤のうちの少なくとも一つであってもよい。プレベイパー製剤は、米国特許出願公開第2015/0020823号(Lipowicz他、2014年7月16日出願)、および米国特許出願公開第2015/0313275号(Anderson他、2015年1月21日出願)において説明されているものを含んでもよく、そのそれぞれの全内容が参照により本明細書に組み込まれる。
【0034】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部60は、電子ベイピング装置10が少なくとも約200秒間のベイピング用に構成されうるように、十分なプレベイパー製剤を保持するようにサイズが決められ、構成されてもよい。電子ベイピング装置10は、毎回の吸煙が最大約5秒間継続することを可能にするように構成されてもよい。
【0035】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図1に示す通り、貯蔵部組立品62は貯蔵部60と、管65と、管65を囲むスリーブ75とを含みうる。貯蔵部組立品62はハウジング12から取り外し可能でもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部組立品62は、ヒーターの取り外しまたは取り換えなしに、別の貯蔵部組立品62と取り換えられうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部支持体55はハウジング12の内表面上に含まれうる。貯蔵部支持体55は、摩擦嵌め、スナップ嵌め、またはその他の任意の適切な機構によって、貯蔵部組立品62を電子ベイピング装置10内の所定の位置に保持しうる。貯蔵部支持体55は、望ましい位置を越えた貯蔵部組立品62の挿入を防止するように構成されうる。
【0036】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部60は充填孔80を経由してプレベイパー製剤で充填されうる。充填孔80は充填されると、プラグ85で封止されてもよい。
【0037】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部組立品62は使い捨てでもよい。従って、貯蔵部組立品62は、プレベイパー製剤が枯渇したら取り換えられうる。
【0038】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部組立品62がハウジング12内に挿入される時、プレベイパー製剤は、管65およびスリーブ75を経由して、貯蔵部60からヒーター45の近くに移動されうる。
【0039】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、管65は第一の端66および第二の端67を含みうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、管65は側壁68を含む。少なくとも一つの孔70は、管65の側壁68を通って延びる。孔70は、管の第二の端67にあるか、隣接しうる。管65の第一の端66は貯蔵部60内に延びうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一つの孔70は、管65の第一の端66で側壁68を通って延びうる。管65の第二の端67は開いていてもよく、追加的な孔70を含んでもよく、または封止されていてもよい。
【0040】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一つの孔70は、約0.5ミリメートル~約1.5ミリメートル(例えば、約0.75ミリメートル~約1.25ミリメートル)の範囲の直径を有しうる。管65は、その側壁68を通して1~20個の孔(例えば、約2~約18個、約4~約16個、または約6~約14個)を含みうる。孔70は実質的に同じサイズでもよく、または管の第二の端67に沿って実質的に一様な間隔が置かれてもよく、またはその両方でもよい。
【0041】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、管65は側壁68を通って延びる複数の孔70を含みうる。孔70は異なる直径を有しうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、孔70の直径は、管65の長さに沿って増えても減ってもよい。例えば、大きめの孔は管65の第二の端67で形成されてもよく、小さめの孔70は管65の第一の端66の近くに形成されてもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、孔70は管65に沿って一様ではない間隔が置かれている。
【0042】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、スリーブ75は、管65の一部分の周りに摩擦嵌めされることができ、管75の孔70からのプレベイパー製剤の漏れを最小限にするまたは阻止するのに役立ちうる。プレベイパー製剤は毛細管作用、重力、またはその両方によって管65を通って移動しうる。プレベイパー製剤は少なくとも一つの孔70を通って管65を出る。スリーブ75は、プレベイパー製剤が少なくとも一つの孔70を出る時にプレベイパー製剤を捕らえ、プレベイパー製剤をスリーブ75に沿ってヒーター45に向けて運ぶ。
【0043】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、管65はプラスチック、ガラス、金属、またはその組み合わせで形成されうる。管65は約1ミリメートル~約5ミリメートル(例えば、約1.5ミリメートル~約4.5ミリメートル、約2.0ミリメートル~約4.0ミリメートル、または約2.5ミリメートル~約3.5ミリメートル)の範囲の内径を有しうる。管65は約5ミリメートル~約50ミリメートル(例えば、約10ミリメートル~約45ミリメートル、約15ミリメートル~約40ミリメートル、約20ミリメートル~約35ミリメートル、または約25ミリメートル~約30ミリメートル)の範囲の長さを有しうる。管65は一つ以上の曲がりを有しうる。
【0044】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、スリーブ75は、約0.5ミリメートル~約2.0ミリメートルの厚さ(例えば、約1.0ミリメートル~約1.5ミリメートルの厚さ)および約0.5ミリメートル~約20ミリメートルの長さ(例えば、約1ミリメートル~約15ミリメートルまたは約5ミリメートル~約10ミリメートル)を有しうる。
【0045】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、スリーブ75は、耐熱性である任意の適切な吸い上げ材料で形成されうる。例えば、スリーブ75はセルロース、セラミック、ガラス、石英、およびその組み合わせなどの多孔性材料で形成されうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、スリーブ75は織布または不織布の材料で形成されることができ、プレベイパー製剤は、毛細管作用によってスリーブ75に沿って、またはそれを通って、またはそれに沿ってかつそれを通って移動しうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、スリーブ75は、概して整列されうる複数のフィラメントを含みうる。フィラメントは、概して十字形、クローバー形、Y字形、または任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。
【0046】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、スリーブ75は密度、粘性、表面張力、蒸気圧といった異なる物理特性を有するプレベイパー製剤に適応するように、任意の適切な毛細管引き出し作用を有する場合がある。
【0047】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ハウジング12は、概して円筒形の断面を有しうる。その他の例示的な実施形態において、ハウジング12は、概して三角形の断面を有しうる。一部の例示的な実施形態において、ハウジング12は第二の端(先端部)で、電子ベイピング装置10の第一の端(口側端)での周囲または寸法よりも大きい周囲または寸法を有しうる。
【0048】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口25は、直径が製造中に正確に制御されて、一つの電子ベイピング装置10から次のものへと複製されるように、精密な工具を用いてハウジング12内に機械加工されうる。
【0049】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口は、
図1に示す通り、エンドキャップ20を通して形成されうる。
【0050】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口25は、電子ベイピング装置10が約60ミリメートルの水~約150ミリメートルの水の範囲において引き出し抵抗(RTD)を有するようにサイズが決められ、構成されうる。
【0051】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター45は、一つ以上の電気リードによって電源35に電気的に接続されている。ヒーター45は、セラミック上のプラチナ被覆を含む平面のヒーターを含みうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター45はワイヤーコイルヒーターである。
【0052】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター45は任意の適切な電気抵抗性材料で形成されうる。適切な電気抵抗性材料の例には、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族由来の金属が挙げられうるが、それらに限定されない。適切な合金の実施例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム-チタン-ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル系、鉄系、コバルト系、およびステンレス鋼系の超合金が挙げられるが、それらに限定されない。例えば、ヒーター45は、ニッケルアルミナイド、表面上にアルミナの層を有する材料、鉄アルミナイドおよび他の複合材料で形成されてもよく、電気抵抗性の材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的性質に応じて、随意に断熱材料に埋め込まれ、封入され、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。ヒーター45は、ステンレス鋼、銅、銅合金、ニッケルクロム合金、超合金、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つの材料を含みうる。一実施形態において、ヒーター45はニッケルクロム合金または鉄クロム合金で形成されてもよい。別の例示的な実施形態において、ヒーター45は、外側表面上に電気抵抗性の層を有するセラミックヒーターでもよい。
【0053】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター45は熱伝導によってスリーブ75内のプレベイパー製剤を加熱しうる。別の方法として、ヒーター45からの熱は熱伝導性要素によってプレベイパー製剤に伝導されてもよく、またはヒーター45は、ベイピング中に電子ベイピング装置10を通って引き出される入ってくる周囲空気に熱を伝達してもよく、その結果プレベイパー製剤を対流によって加熱する。
【0054】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター45は、迅速に熱を生成することができる高い電気抵抗を有する材料で形成された抵抗ヒーターを組み込む、多孔性材料である。
【0055】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源35は電子ベイピング装置10内に配置された電池を含みうる。電源35は、リチウムイオン電池またはその別形のうちの一つ、例えばリチウムイオンポリマー電池でもよい。別の方法として、電源35は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウムコバルト電池、または燃料電池であってもよい。電子ベイピング装置10は、電源35のエネルギーが消耗するまで、またはリチウムポリマー電池の場合、最小電圧カットオフレベルに到達するまで、成人ベイパー吸引者によって使用可能でありうる。
【0056】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源35は再充電可能であってもよく、外部充電装置による電源35の充電を可能にするように構成された回路を含んでもよい。電子ベイピング装置10を再充電するために、USB充電器または他の適切な充電器組立品が使用されてもよい。
【0057】
その上、電子ベイピング装置10は、制御回路30およびセンサー40(例えば、微小電気機械センサー(MEMS))を含みうる。センサー40は、空気圧の降下を感知し、電源35からヒーター45への電圧の印加を開始するように構成されうる。制御回路30はまた、ヒーター45が起動された時に発光するように構成されたヒーター作動灯105も含んでもよい。ヒーター作動灯105は発光ダイオード(LED)を含んでもよく、電子ベイピング装置10の第二の端102にあってもよい。さらに、ヒーター作動灯105は、ベイピング中に成人ベイパー吸引者から見えるように配置されうる。加えて、ヒーター作動灯105は、eベイピングシステムの診断に、または再充電の進行を示すために利用することができる。成人ベイパー吸引者がプライバシーのためにヒーター作動灯105を作動する、または作動停止する、または作動および作動停止することができるように、ヒーター作動灯105を構成することもできる。
【0058】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター45は作動された時に、約10秒未満にわたりスリーブ75の一部分を加熱しうる。従って、電力サイクルは約2秒~約10秒(例えば、約3秒~約9秒、約4秒~約8秒、または約5秒~約7秒)の範囲としうる。
【0059】
図1に示す通り、少なくとも一つの例示的な実施形態において、口側端インサート15は、電子ベイピング装置10の第一の端101に位置付けられうる。口側端インサート15は、少なくとも二つの出口17を含んでもよく、これらは電子ベイピング装置10の長軸方向軸の軸外に位置されうる。出口17は、電子ベイピング装置10の長軸方向軸に対して、外側に角度付けられてもよい。出口17は、蒸気を実質的に均一に分配するように、口側端インサート15の周囲に実質的に均一に分布されてもよい。
【0060】
図2は、少なくとも一つの例示的な実施形態による電子ベイピング装置の側面断面図である。
【0061】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、
図2に示す通り、電子ベイピング装置10は
図1の電子ベイピング装置と同一であるが、管65が真っ直ぐであってヒーター45がスリーブ75の一部分を少なくとも部分的に囲むことを除く。
【0062】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ヒーター45は、スリーブ75の一部分を少なくとも部分的に囲むワイヤーコイルヒーターとしうる。一部の例示的な実施形態において、ヒーターコイル45は、スリーブ75と接触してもよく、接触しなくてもよい。
【0063】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置10は、約80ミリメートル~約110ミリメートルの長さ、および約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径としうる。例えば、一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置10は、約84ミリメートルの長さであってもよく、約7.8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0064】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部組立品は、貯蔵部(表示せず)内に延びる二つの端部を備えた概してU字形の管を含みうる。孔は管の中央部分を通って延びることができ、スリーブは孔の位置で管を囲みうる。
【0065】
数多くの例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、当然のことながら他の変形物が可能でありうる。こうした変形は、本開示の範囲を逸脱するものと見なされず、また当業者にとって明らかであろうすべてのかかる修正は、以下の請求項の範囲内に含まれることが意図される。