(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20221212BHJP
G09F 9/40 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/40 301
(21)【出願番号】P 2019044311
(22)【出願日】2019-03-11
【審査請求日】2021-10-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000103138
【氏名又は名称】エムケー精工株式会社
(72)【発明者】
【氏名】山屋 宏夫
(72)【発明者】
【氏名】神戸 直樹
(72)【発明者】
【氏名】滝澤 良平
(72)【発明者】
【氏名】霜村 広樹
【審査官】新井 重雄
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-177057(JP,A)
【文献】特開2011-255905(JP,A)
【文献】特開昭62-251391(JP,A)
【文献】特開2003-234598(JP,A)
【文献】特開昭63-044496(JP,A)
【文献】米国特許第05787620(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/33
G09F 9/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数配置した発光素子を点滅制御することで商品情報とその価格情報を発光表示する表示装置において、
発光素子をドットマトリクス状に配列して形成するドットマトリクス表示部と、
商品の価格を表示する価格表示部と、
前記ドットマトリクス表示部及び前記価格表示部の表示動作を制御する表示制御部と、
前記ドットマトリクス表示部及び前記価格表示部に表示する表示コンテンツを記憶する記憶部と、を備え、
前記記憶部は、前記ドットマトリクス表示部に表示する特定の表示情報と前記価格表示部に表示する特定の価格表示情報とを関連付けて連動して表示する連動表示動作を行う連動表示コンテンツと、
前記ドットマトリクス表示部に表示する表示情報と前記価格表示部に表示する価格表示情報とを連動させずに表示する独立表示動作を行う非連動表示コンテンツとを記憶し、
前記表示制御部は、前記連動表示コンテンツと前記非連動表示コンテンツとを任意の表示順序で組み合わせて表示し、
前記連動表示コンテンツと前記非連動表示コンテンツとを任意の表示順序で組み合わせて行う表示動作において、
前記連動表示コンテンツを表示した後に連続して前記非連動表示コンテンツを表示する時に、直前の連動表示コンテンツで表示した特定の価格表示情報を非連動表示コンテンツの価格表示情報として表示する
ことを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、路側や店舗敷地内に設置し、商品名とその価格等に関する伝達情報を発光表示する表示装置に関するもので、特に、給油所に設置されてレギュラーガソリン、ハイオクガソリン、軽油、灯油の単価を表示する表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
給油所における燃料の価格は原油価格の変動を受けて比較的頻繁に変動するため、給油所構内には、最新の燃料単価を通行車両の乗員に向けて表示する表示装置が設置されている。その表示方式としては、特許文献1に示すように7セグメント表示方式によりマグネット表示素子を組み合わせて装着することで所望の数字を表示する方式、あるいは0から9までのセットからなる数字板3組とその数字板を差し込む3桁分の装着部を有する表示板とを用意し、数字板を装着部に差し換えることで表示する方式、あるいは発光ダイオード(LED)を配列して7セグメント表示部を構成し所望の数字を発光表示する方式等がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平9-171352号
【文献】特開平8-301395号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このように各種の表示方式が存在している中で、表示装置に求められる本質的機能とも言える視認性を優先した場合には、LED等の自発光素子による発光表示方式が有利となる。特に給油所において多く求められる走行中の車両運転手に遠方より情報伝達を図るという目的に対しては、このLED発光表示方式が適していると考えられる。そのため、これまで数多くの発光表示式装置が提案されている。
【0005】
ところで、近年、商品やサービスを購入した際の支払方法としてキャッシュレス化が進んでおり、種々の支払い方式が普及してきている。それらの支払い方式は、支払いが発生するタイミングによって、「前払い型(プリペイド)」「即時払い型」「後払い型」の3種類に分けることができる。「前払い型(プリペイド)」は予め所定の金額を記録媒体にチャージしておき、そのチャージした金額内で支払いを行うもので、交通系や流通系の電子マネーがその代表である。「即時払い型」は、商品やサービスを購入すると同時に支払いを済ます方式であり、例えばデビットカードがこの即時払い型の代表である。「後払い型」は商品やサービスを購入した時点から1か月程度遅れての支払いとなるものであり、クレジットカードがその代表例である。
【0006】
また、ここ数年で急速に普及してきている方式として「コード読み取り型」がある。すなわち、店舗の会計場所に表示された二次元コードをスマートフォンの専用アプリケーションソフトで読み取りを行う方式、あるいはスマートフォンの専用アプリケーションソフトで二次元コードやバーコードを表示させて店舗側のPOS端末で読み取る方式である。このコード読み取り型も、専用アプリケーションソフトを提供する各サービスによって、「前払い型(プリペイド)」「即時払い型」「後払い型」に分類される。
【0007】
そして、このような支払いキャッシュレス化の流れは給油所も例外ではなく、給油所での商品購入代金支払い方法としてキャッシュレス支払い方式への対応はもはや不可欠と言える。そこで、最近では、ガソリン等の給油代金を支払う際の価格として、これまで一般的に表示していた現金価格(会員登録などをすることなく給油代金を現金で支払う場合の価格)、会員価格(割安価格が適用される会員登録を行い、会員として現金で支払う場合の価格)に加え、カード価格(各種クレジットカードで支払う場合の価格)、プリカ価格(給油所で発行する専用のプリペイドカードや、チャージ方式のプリペイドカード)、更にはコード読み取り型に応じた価格(スマホ決済アプリで支払う場合の価格)を店舗から通行車両に向けて表示することが行われている。給油所としては、多種の支払い種別に対応可能であることを伝えると共に、支払い種別毎に給油所で取り扱う油種(「レギュラーガソリン」「ハイオクガソリン」「軽油」「灯油」)の価格を通行車両に伝えることがその目的である。
【0008】
また、現在、国を挙げてキャッシュレス化促進の動きが進められている中、キャッシュレス支払い種別はチャージ方式のプリペイドカードやコード読み取り型を中心として増えつつあり、給油所から周囲に向けて伝える表示項目も増えている状況にある。しかし、走行している車両の乗員に向けて情報伝達を行うという条件下では、表示項目が増えたからといって単純に表示装置の表示面積を増やして表示項目を全て羅列するというやり方は適当な対応とはいえない。走行中の車両からごく短時間で読み取れる情報量としては、従来の表示装置で行われている文字の大きさで3段から4段構成の価格表示が適当と考えられ、伝達すべき情報量は増えている一方で、如何にしてそれらの情報を伝えるかという意味での情報伝達性との両立に苦慮していた。具体的には、ここ数年でチャージ方式のプリペイドカードやスマホ決済アプリの種類が増えており、それらの各支払い方法を使用した場合の油種毎の価格表示を十分に行うことができていないという問題を抱えていた。
【0009】
本発明は上記の問題点に対処してなされたものであり、主に給油所に設置して走行車両に向けて燃料の単価を表示する装置において、購入代金の支払い種別と油種との組み合わせによる複数通りの価格を表示する際に、表示装置の表示面の大きさ等に起因する制約を受けることなく、多種類の支払い種別に対応する油種毎の価格を十分に伝達することが可能な表示装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するために本発明は、複数配置した発光素子を点滅制御することで商品情報とその価格情報を発光表示する表示装置において、発光素子をドットマトリクス状に配列して形成するドットマトリクス表示部と、商品の価格を表示する価格表示部と、前記価格表示部に並設配置する補助表示部と、前記ドットマトリクス表示部及び前記価格表示部の表示動作を制御する表示制御部と、前記ドットマトリクス表示部及び前記価格表示部に表示する表示コンテンツを記憶する記憶部と、を備え、前記記憶部には、前記ドットマトリクス表示部に表示する特定の表示情報と前記価格表示部に表示する特定の価格表示情報とを関連付けて連動して表示する連動表示動作を行う連動表示コンテンツと、前記ドットマトリクス表示部に表示する表示情報と前記価格表示部に表示する価格表示情報とを連動させずに表示する独立表示動作を行う非連動表示コンテンツとを記憶し、前記連動表示コンテンツと前記非連動表示コンテンツとを任意の表示順序で組み合わせて表示可能にしたことを特徴とする表示装置を提案する。
【0011】
また、複数配置した発光素子を点滅制御することで商品情報とその価格情報を発光表示する表示装置において、発光素子をドットマトリクス状に配列して形成するドットマトリクス表示部と、商品の価格を表示する価格表示部と、前記価格表示部に並設配置し、発光素子をドットマトリクス状に配列して形成する補助表示部と、前記ドットマトリクス表示部、前記価格表示部及び前記補助表示部の表示動作を制御する表示制御部と、前記ドットマトリクス表示部、前記価格表示部及び前記補助表示部に表示する表示コンテンツを記憶する記憶部と、を備え、前記記憶部には、前記ドットマトリクス表示部に表示する特定の表示情報と前記価格表示部に表示する特定の価格表示情報と前記補助表示部に表示する特定の表示情報とを関連付けて連動して表示する連動表示動作を行う連動表示コンテンツと、前記ドットマトリクス表示部に表示する表示情報と前記価格表示部に表示する価格表示情報と前記補助表示部に表示する特定の表示情報とを連動させずに表示する独立表示動作を行う非連動表示コンテンツとを記憶し、前記連動表示コンテンツと前記非連動表示コンテンツとを任意の表示順序で組み合わせて表示可能にしたことを特徴とする表示装置を提案する。
【0012】
上記提案の表示装置は、前記連動表示コンテンツと前記非連動表示コンテンツとを任意の表示順序で組み合わせて行う表示動作において、前記連動表示コンテンツを表示した後に連続して前記非連動表示コンテンツを表示する時に、直前の連動表示コンテンツで表示した特定の価格表示情報を非連動表示コンテンツの価格表示情報として表示することが望ましい。
【発明の効果】
【0013】
本発明では、発光素子をドットマトリクス状に配列したドットマトリクス表示部と、商品の価格を表示する価格表示部と、この価格表示部に並設して配置する補助表示部とを備える。そして、ドットマトリクス表示部に表示する特定の表示情報と価格表示部に表示する特定の価格表示情報とを互いに関連付けて連動して表示する連動表示動作を行う連動表示コンテンツと、ドットマトリクス表示部の表示情報と価格表示部の価格表示情報とを連動させずに表示する非連動表示コンテンツとを記憶し、連動表示コンテンツと非連動表示コンテンツとを任意の表示順序で組み合わせた表示を可能にする。一例として、表示装置の表示面に3段で構成する価格表示部の隣に配置する補助表示部に、上から順に「レギュラー」「ハイオク」「灯油」と表示を行い、ドットマトリクス表示部にスマホ決済アプリの名称(例:○○Pay)を表示すれば、支払い種別として○○Payで支払う場合の各油種の価格を表示することができる。この場合にドットマトリクス表示部に表示する内容を支払い種別の名称とすることで、多種類ある支払い種別に対応する油種毎の価格を表示上の制約を受けることなく表示することができる。
【0014】
また、補助表示部に表示する内容を支払い種別の名称として、ドットマトリクス表示部に油種名を表示すれば、例えばレギュラーガソリンを給油する場合の支払い種別毎の価格を表示することができる。表示装置の表示面に複数の支払い種別が並べて表示され、その支払い種別毎に価格が表示されるため、1つの油種についての支払い種別による価格の違いを一目で把握することが可能になる。
【0015】
その一方で、ドットマトリクス表示部の表示情報と価格表示部の表示情報とを関連付けすることなく独立させて表示を行うことも可能であり、そのような非連動表示コンテンツと、上記の連動表示コンテンツとを任意の表示順序で組み合わせて表示を行うことを可能にしている。連動表示コンテンツによって油種についての価格表示を行った直後に、非連動表示コンテンツとして給油所全体に関する販売促進用メッセージの表示を行い、再び連動表示コンテンツを行うといった順序の表示が可能になり、価格表示部に油種の価格表示を行いながら色々なタイミングでドットマトリクス表示部にメッセージ表示を行うことができる。
【0016】
そして、連動表示コンテンツを表示した直後に非連動表示コンテンツを表示する場合は、直前に表示されていた価格表示部における表示内容を保持するようにしている。これにより、補助表示部と価格表示部の表示を固定して連続的に表示しながら、ドットマトリクス表示部だけに表示上の動きや変化を与えて販売促進用メッセージを表示する表示効果を得ることができる。したがって、油種の価格に関しては表示動作上の変化を与えることなく同じ情報を継続表示して情報の伝達を優先し、販売促進用メッセージに関しては誘目性を優先した表示を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明実施例に係る表示装置の外観図である。
【
図2】本発明実施例に係る表示装置の内部構成を示すブロック図である。
【
図4】油種名称に対して支払い種別毎の価格表示が連動する連動表示コンテンツの登録操作を示す説明図である。
【
図5】支払い種別に対して油種毎の価格表示が連動する連動表示コンテンツの登録操作を示す説明図である。
【
図6】連動表示コンテンツのデータ構成を示す説明図である。
【
図7】表示スケジュールの一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【実施例】
【0018】
以下、本発明の好適な実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は本発明実施例に係る表示装置の外観を示す説明図である。1は表示装置本体であり、移動架台2を構成する水平方向の固定用フレーム(図示しない)に表示装置本体1の下面部を固定し、移動架台2に対して垂直な姿勢で固定保持されている。移動架台2は、上面視矩形状にフレームを組んだ架台ベースと、架台ベースの下面側に取り付けた移動用のキャスターと、固定設置用のアジャスターとで構成され、架台ベース上に表示装置を一体的に固定した状態で移動と固定設置を可能にしている。移動架台2に取り付ける表示装置本体は、消防法の規定に従い、表示装置内部に収容する電装部の最低地上高を地面から600mm以上の高さに保持した状態としている。表示装置本体1は、上下左右4辺がフレーム材4で囲まれた状態でその表示面が構成され、表面と裏面に表示面を設けた両面表示、あるいは片面のみに表示面を設けた片面表示の何れの仕様も対応可能にしている。
【0019】
5はドットマトリクス表示部であり、LED(発光ダイオード)をドットマトリクス状に配列して構成し、配列したLEDを選択的に点滅駆動することにより文字や画像の表示を可能にしている。表示する内容としては、油種を表す表示や支払い種別を表す表示、あるいは販売促進用のメッセージ表示を行う。油種を表す表示としては、レギュラーガソリンを意味する「レギュラー」、ハイオクガソリンを意味する「ハイオク」、「軽油」、「灯油」の各油種名を表示する。また、支払い種別を表す表示としては、給油を済ませた後の代金支払い方法を表す「現金価格」「会員価格」「カード価格」「プリカ価格」を表示する。この場合に、「カード価格」と「プリカ価格」に関しては、さらに具体的な表示を行うことができる。例えば、「カード価格」については、クレジットカード支払いに区分される「○○カード」「○○Key」「○○pass」といった具体的なサービス名を行うことができる。同じく「プリカ価格」については、プリペイド支払いに区分される「給油所専用プリペイドカード名」「交通系ICカード名」「電子マネーサービス名」「コード読み取り型スマホ決済サービス名」といった具体的な表示を行うことができる。
【0020】
6は価格表示部であり、複数のLEDを配列して構成する7セグメント表示パターンを横並びに配置し、3桁の数字を発光表示可能にしている。この価格表示部は、縦方向に3段に重ねて配置され、3桁の数値を同時に3種類表示できるようにしている。7は補助表示部であり、価格表示部6の横に並設配置し、価格表示部6に表示する数値が何を意味する数値であるかを示す役割を担っている。この補助表示部7は、油種を表す表示や支払い種別を表す表示を行うものであり、3段に配置される各補助表示部に上から順に「レギュラー」「ハイオク」「軽油」と表示すれば、それぞれの横に並んで配置される価格表示部に表示される数値は油種の価格を表す意味となる。同じように、3段に配置される各補助表示部に上から順に任意の支払い種別を表示すれば、それぞれの横に並んで配置される価格表示部に表示される数値は各支払い種別を用いた場合の価格を表す意味となる。この場合は、ドットマトリクス表示部5に特定の油種名称を表示することで表示面全体の表示が意味を成す。すなわち、表示面の上部に大きく油種名(例えば「レギュラー」)を表示し、その下側に3段構成で、上段に「特定の交通系ICカード名」と「147」、中段に「特定の電子マネーサービス名」と「146」、下段に「特定のコード読み取り型スマホ決済サービス名」と「145」、と表示すれば次の意味合いとなる。
・レギュラーガソリンを給油した場合の支払い種別として「特定の交通系ICカード名」を利用した場合はレギュラーガソリンの単価が「147円/リットル」となる。
・レギュラーガソリンを給油した場合の支払い種別として「特定の電子マネーサービス名」を利用した場合はレギュラーガソリンの単価が「146円/リットル」となる。
・レギュラーガソリンを給油した場合の支払い種別として「特定のコード読み取り型スマホ決済サービス名」を利用した場合はレギュラーガソリンの単価が「145円/リットル」となる。
【0021】
なお、この補助表示部7は、
図1の例では内照式看板の構造を採用している。補助表示部7の位置に対応して表示装置本体の内部に光源を備え、表示面側の補助表示部にはパネル部材の保持取り付けを可能にするレールを具備している。そして、そのレールの開放端にパネル部材の端面を差し込んで摺動させつつ挿入することにより、光源の前方側にパネル部材を保持する用にしている。パネル部材は透光性材料から成り、パネル部材の前面側に文字を表記しておくことで所望の表記内容を表示面前方に向けて発光表示させることができる。
図1の例では、補助表示部7を構成する3段のパネル部材に「レギュラー」「ハイオク」「軽油」の文字を表記している。ただし、この補助表示部7は、図示の内照式看板に限定されるものではなく、表示素子をドットマトリクス配列して各表示素子を表示駆動することで任意の文字を表示する公知のドットマトリクス表示方式を採用することもできる。
【0022】
本実施例に係る表示装置の表示面はこのように構成される。そして、本発明では、ドットマトリクス表示部5に特定の内容を表示した状態と、価格表示部6に特定の価格を表示した状態と、補助表示部7に特定の表示をした状態とをひと組の関係として組み合わせ、その組み合わせによって表示面に現出される様を特定の「連動表示コンテンツ」としている。また、ドットマトリクス表示部5と、価格表示部6と、補助表示部7とをひと組の組み合わせとはせず、価格表示部6及び補助表示部7の組み合わせで表示する内容と関係なく、ドットマトリクス表示部5を単独で表示させ、その時に表示面に現出される様を「非連動表示コンテンツ」としている。
【0023】
次に
図2に基づいて本発明実施例に係る表示装置の内部構成について説明する。20はドットマトリクス表示部駆動部で、予め記憶している表示データに基づいてドットマトリクス表示部5に配列したLEDを点滅駆動し、油種を表す名称、支払い種別を表す名称、販売促進用のメッセージ、を発光表示する。21は価格表示部駆動部であり、価格表示部6に備える3桁分の7セグメント表示パターンをセグメント単位で発光駆動し、1桁毎に0から9の任意の数字を発光表示し単価を表示する。24は記憶部で、「表示装置全体の動きに関する動作プログラム」「ドットマトリクス表示部5に前記各種の表示(油種名称、支払い種別名称、各種メッセージ)を行う為の表示データ」「価格表示部6を表示する際の表示動作」「表示面に現出させる連動表示コンテンツ(ドットマトリクス表示部5に特定の内容を表示した状態と、価格表示部6に特定の価格を表示した状態と、補助表示部7に特定の表示をした状態、の組み合わせ)」「非連動表示コンテンツ」「表示スケジュール(連動表示コンテンツと非連動表示コンテンツを表示面に表示する順序についての情報)」「ドットマトリクス表示部5、価格表示部6を表示する際の発光輝度」「その他各種設定データ」を記憶している。
【0024】
25は制御部(特許請求の範囲に記載の表示制御部)で、記憶部24で記憶するプログラムや各種データに従い表示処理手順をこなす。26はリモコン受信部であり、操作リモコン10の操作に伴って送信される信号をこのリモコン受信部で受信する。制御部25では、リモコン受信部26で受信する操作リモコン10からの操作信号を受けて、ドットマトリクス表示部5で表示する表示内容の切り替えや表示スケジュールの設定、あるいは外部で作成された表示データの読み込みといった処理を実行する。27は、価格表示部に表示する数値の切り替えを行う価格切り替え操作部である。
図3はこの価格切り替え操作部27を正面より見た状態を示している。この
図3に示すように、価格切り替え操作部27は複数のトグルスイッチで構成されており、表示装置の表示面に3段に配置される価格表示部6に対応する3個のトグルスイッチ27-1、27-2、27-3と、価格切り替え操作の対象となる表示コンテンツ(特許請求の範囲に記載の「連動表示コンテンツ」「非連動表示コンテンツ」)の選択操作を行う為に設けられた1個の管理用トグルスイッチ27-4とを備えている。価格表示部6に表示されている数値を変更する場合には、価格表示部6の配置態様に対応して縦方向に3個配置されたトグルスイッチ(「上段用スイッチ27-1」「中段用スイッチ27-2」「下段用スイッチ27-3」)の中から、表示している価格の数値を変更する価格表示部に対応するトグルスイッチを選択し、選択したスイッチを上方向あるいは下方向に操作すればよい。スイッチの操作と価格表示部に表示される数値との関係は、スイッチを上に操作するとその操作している間、価格表示部に表示している数値が連続的に大きくなり、スイッチを下に操作すると、同じく数値が連続的に小さくなるよう対応付けされている。従って、表示装置の表示面において、現在表示されている価格を変更する場合には、価格変更操作の対象となる価格表示部6を見ながらトグルスイッチを操作し、所望の数値が表示されたらスイッチ操作を終了すればよい。スイッチ操作を終了した時点で表示されている数値が確定され、以降、その確定された数値で表示が行われることになる。このようにして行う価格表示部の表示価格変更(数値変更)は、連動表示コンテンツの単位で行われる。表示面に特定の連動表示コンテンツを表示している状態でトグルスイッチ27-1~27-3を操作して表示価格の変更を終えたら、次に管理用トグルスイッチ27-4を上方向あるいは下方向に操作すると、別の連動表示コンテンツ2が表示面に表示される。そして、その状態でトグルスイッチ27-1~27-3を操作することで連動表示コンテンツ2の表示価格を変更することができる。管理用トグルスイッチ27-4の上方向操作あるいは下方向操作を繰り返すことで記憶部24に記憶されている連動表示コンテンツを全て表示させることができ、そして、それら全ての連動表示コンテンツの表示価格を変更することができる。
【0025】
28は記憶媒体読み込み部で、外部の記憶媒体11を着脱可能にする接続インターフェースを備え、接続された記憶媒体11に収められた「ドットマトリクス表示部に関する表示データ」を読み出して記憶部24に転送するデータ読み込み動作を行う。なお、記憶媒体11に収められる「ドットマトリクス表示部に関する表示データ」は、外部のPCにインストールされた表示データ編集アプリケーションソフトを用いて作成される(図示しない)。また、記憶媒体11から記憶部24へのデータ読み込みの指示はリモコン10によって行われる。
【0026】
次に、
図4を基にして連動表示コンテンツの登録操作について説明する。
図4は油種名称に対して支払い種別毎の価格表示が連動する連動表示コンテンツの登録操作を示す説明図である。リモコン10を表示装置本体1の表示面に向けて操作し、連動表示コンテンツ登録モードを選択する。リモコン上に配置されたキーを操作して連動表示コンテンツ登録モードを選択すると、ドットマトリクス表示部5の表示が切り替わり連動表示コンテンツ登録モードが選択された旨が表示される。この登録モードでは、複数の連動表示コンテンツを作成することができ(例えば5種類)、各連動表示コンテンツの中身として、ドットマトリクス表示部5に表示する内容を決定し、次に価格表示部6に表示する価格を決定する。
図4に示す連動表示コンテンツ1は、ドットマトリクス表示部5に油種名称「レギュラー」の表示を設定し、価格表示部6には価格を表す数値として上段に「147」中段に「146」下段に「145」の表示を設定している。図示の例では、補助表示部を内照式看板で構成した例を示しており、上段が「Aカード」「B key」「C pay」を表示している。この場合、連動表示コンテンツ1によって表示面に表示される意味合いは次の通りとなる。
・レギュラーガソリンを給油した場合の支払い種別として「Aカード」を利用した場合、レギュラーガソリンの単価は「147円/リットル」である。
・レギュラーガソリンを給油した場合の支払い種別として「B key」を利用した場合、レギュラーガソリンの単価は「146円/リットル」である。
・レギュラーガソリンを給油した場合の支払い種別として「C pay」を利用した場合、レギュラーガソリンの単価は「145円/リットル」である。
次に、ドットマトリクス表示部に表示される指示に従って、連動表示コンテンツ1をどれだけの時間表示するかを指定する表示時間の設定を行い、登録操作を行う。この登録操作によって連動表示コンテンツ1の内容が確定し、登録が完了となる。
【0027】
図4に示す連動表示コンテンツ2は、ドットマトリクス表示部5に油種名称「ハイオク」の表示を設定し、価格表示部6には価格を表す数値として上段に「157」中段に「156」下段に「155」の表示を設定している。この場合、連動表示コンテンツ2によって表示面に表示される意味合いは次の通りとなる。
・ハイオクガソリンを給油した場合の支払い種別として「Aカード」を利用した場合、ハイオクガソリンの単価は「157円/リットル」である。
・ハイオクガソリンを給油した場合の支払い種別として「B key」を利用した場合、ハイオクガソリンの単価は「156円/リットル」である。
・ハイオクガソリンを給油した場合の支払い種別として「C pay」を利用した場合、ハイオクガソリンの単価は「155円/リットル」である。
次に、ドットマトリクス表示部に表示される指示に従って、連動表示コンテンツ2をどれだけの時間表示するかを指定する表示時間の設定を行い、登録操作を行う。この登録操作によって連動表示コンテンツ2の内容が確定し、登録が完了となる。
【0028】
図4に示す連動表示コンテンツ3は、ドットマトリクス表示部5に油種名称「軽油」の表示を設定し、価格表示部6には価格を表す数値として上段に「125」中段に「124」下段に「123」の表示を設定している。この場合、連動表示コンテンツ3によって表示面に表示される意味合いは次の通りとなる。
・軽油を給油した場合の支払い種別として「Aカード」を利用した場合、軽油の単価は「125円/リットル」である。
・軽油を給油した場合の支払い種別として「B key」を利用した場合、軽油の単価は「124円/リットル」である。
・軽油を給油した場合の支払い種別として「C pay」を利用した場合、軽油の単価は「123円/リットル」である。
次に、ドットマトリクス表示部に表示される指示に従って、連動表示コンテンツ3をどれだけの時間表示するかを指定する表示時間の設定を行い、登録操作を行う。この登録操作によって連動表示コンテンツ3の内容が確定し、登録が完了となる。
【0029】
次に、
図5を基にして、支払い種別に対して油種毎の価格表示が連動する連動表示コンテンツの登録操作について説明する。リモコン10を操作して連動表示コンテンツ登録モードを選択し、まずドットマトリクス表示部5に表示する内容を決定した後に、続いて価格表示部に表示する価格を決定する。ここではドットマトリクス表示部5に表示する内容として支払い種別を選択する。
図5に示す連動表示コンテンツaは、ドットマトリクス表示部5に支払い種別「現金価格」の表示を設定し、価格表示部6には価格を表す数値として上段に「150」中段に「160」下段に「128」の表示を設定している。図示の例では、補助表示部を内照式看板で構成した例を示しており、上段が「レギュラー」「ハイオク」「軽油」を表示している。この場合、連動表示コンテンツ1によって表示面に表示される意味合いは次の通りとなる。
・給油した代金を現金で支払う場合、レギュラーガソリンの単価は「150円/リットル」である。
・給油した代金を現金で支払う場合、ハイオクガソリンの単価は「160円/リットル」である。
・給油した代金を現金で支払う場合、軽油の単価は「128円/リットル」である。
次に、ドットマトリクス表示部に表示される指示に従って、連動表示コンテンツaをどれだけの時間表示するかを指定する表示時間の設定を行い、登録操作を行う。この登録操作によって連動表示コンテンツaの内容が確定し、登録が完了となる。
【0030】
図5に示す連動表示コンテンツbは、ドットマトリクス表示部5に支払い種別「Aカード」の表示を設定し、価格表示部6には価格を表す数値として上段に「145」中段に「155」下段に「123」の表示を設定している。この場合、連動表示コンテンツbによって表示面に表示される意味合いは次の通りとなる。
・給油した代金をAカードで支払う場合、レギュラーガソリンの単価は「145円/リットル」である。
・給油した代金をAカードで支払う場合、ハイオクガソリンの単価は「155円/リットル」である。
・給油した代金をAカードで支払う場合、軽油の単価は「123円/リットル」である。
次に、ドットマトリクス表示部に表示される指示に従って、連動表示コンテンツbをどれだけの時間表示するかを指定する表示時間の設定を行い、登録操作を行う。この登録操作によって連動表示コンテンツbの内容が確定し、登録が完了となる。
【0031】
図5に示す連動表示コンテンツcは、ドットマトリクス表示部5に支払い種別「C pay」の表示を設定し、価格表示部6には価格を表す数値として上段に「145」中段に「155」下段に「123」の表示を設定している。この場合、連動表示コンテンツcによって表示面に表示される意味合いは次の通りとなる。
・給油した代金をC payで支払う場合、レギュラーガソリンの単価は「145円/リットル」である。
・給油した代金をC payで支払う場合、ハイオクガソリンの単価は「155円/リットル」である。
・給油した代金をC payで支払う場合、軽油の単価は「123円/リットル」である。
次に、ドットマトリクス表示部に表示される指示に従って、連動表示コンテンツcをどれだけの時間表示するかを指定する表示時間の設定を行い、登録操作を行う。この登録操作によって連動表示コンテンツcの内容が確定し、登録が完了となる。
【0032】
次に、非連動表示コンテンツについて説明する。既に説明した通り、ドットマトリクス表示部5と、価格表示部6と、補助表示部7とをひと組の組み合わせとはせず、価格表示部6及び補助表示部7の組み合わせで表示する内容と関係なく、ドットマトリクス表示部5を単独で表示させる態様を非連動表示コンテンツとしている。
図4及び
図5に示す連動表示コンテンツでは、ドットマトリクス表示部5で行われる表示が有ってはじめて価格表示部6及び補助表示部7の表示内容が意味をなしているが、非連動表示コンテンツでは、価格表示部6と補助表示部7とで行う特定の表示はそのまま継続し、その状態で、価格表示部6と補助表示部7とで行っている表示動作から切り離して独立でドットマトリクス表示部5の表示を行う。このとき、価格表示部6と補助表示部7とで行っている表示はドットマトリクス表示部5で行われる表示に関係なく直前の表示状態を継続するが、その直前の表示内容を継続する状態は、表示順序として次に別の連動表示コンテンツを表示するタイミングが来るまで連続して行う。そして、別の連動表示コンテンツを表示するタイミングが来たら、その別の連動表示コンテンツにしたがって表示動作を行う。もし、非連動表示コンテンツの後に連続して別の非連動表示コンテンツを表示するよう順序が組まれていた場合には、直前の非連動表示コンテンツが表示していた価格表示部6及び補助表示部7の表示を継続する。
【0033】
連動表示コンテンツと非連動表示コンテンツの使い分けとしては、次の通りである。例えば、
図4に示す連動表示コンテンツ1を5秒間表示した後に、ドットマトリクス表示部の表示を「レギュラー」から「本日特売日」に変化させるケースである。この場合は、表示の意味合いとして、レギュラーガソリンの価格を3段構成の価格表示部に表示していた状態から、「本日特売日」と表示しながら支払い種別毎の価格が表示されることになる。このような表示を行いたい場合に、連動表示コンテンツ1から非連動表示コンテンツ(ドットマトリクス表示部に「本日特売日」を表示する態様)を表示する表示順序をスケジュールとして組めばよい。
【0034】
次に、
図6及び
図7を基にして、表示スケジュールについて説明する。連動表示コンテンツは、
図6に示すようなデータ構成となっている。すなわち、補助表示部7が内照看板の場合は、一つ一つの連動表示コンテンツに「上段価格表示部の数値」「中段価格表示部の数値」「下段価格表示部の数値」が含まれている。補助表示部7がドットマトリクス表示の場合は、一つ一つの連動表示コンテンツに「上段価格表示部の数値」「中段価格表示部の数値」「下段価格表示部の数値」と「上段補助表示部の表示」「中段補助表示部の表示」「下段補助表示部の表示」が含まれている。そして、この連動表示コンテンツと非連動表示コンテンツを表示する順序を指定したものが表示スケジュールである。
図7は表示スケジュールの中身を表すコンテンツの表示順序と、各表示部に表示される内容との関係を示している。
図7では、まず連動表示コンテンツaが表示される。そのとき、ドットマトリクス表示部には「現金価格」、価格表示部には連動表示コンテンツaの数値aが表示される。
次に、非連動表示コンテンツ1が表示される。そのとき、ドットマトリクス表示部に「本日特売日」が表示されるが、価格表示部は直前に表示していた数値aがそのまま継続して表示される。
次に、連動表示コンテンツcが表示される。そのとき、ドットマトリクス表示部には「C pay」、価格表示部には連動表示コンテンツcの数値cが表示される。
次に、非連動表示コンテンツ2が表示される。そのとき、ドットマトリクス表示部に「Cpay使えます」が表示されるが、価格表示部は直前に表示していた数値cがそのまま継続して表示される。
次に、連動表示コンテンツbが表示される。そのとき、ドットマトリクス表示部には「Aカード」、価格表示部には連動表示コンテンツbの数値bが表示される。
次に、非連動表示コンテンツ3が表示される。そのとき、ドットマトリクス表示部に「Aカードポイント貯まります」が表示されるが、価格表示部は直前に表示していた数値bがそのまま継続して表示される。
【0035】
本発明は以上のように構成される。但し、上記実施例に限定されることなく、種々の実施が可能である。既に説明したが、補助表示部7は文字や記号等を表記した透光性パネルを差し替える内照式看板で構成することが可能であるが、発光素子をドットマトリクス配列して各発光素子を選択的に表示駆動するドットマトリクス表示部で構成してもよい。その場合、制御部からの制御信号を受けて補助表示部を表示駆動する補助表示部駆動部を設ければ良い。また、価格表示部とそれに対応する補助表示部の段組構成は、本実施例では3段としているが他の段組構成でもよい。また、価格表示部の表示桁数は本実施例の3桁以外にも他の桁数としてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明に係る表示装置の活用例としては、路側や店舗敷地内に設置し、商品名とその価格等に関する伝達情報を発光表示する表示装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0037】
1 表示装置本体
2 移動架台
4 フレーム
5 ドットマトリクス表示部
6 価格表示部
7 補助表示部
10 操作リモコン
11 記憶媒体
20 ドットマトリクス表示部駆動部
21 価格表示部駆動部
24 記憶部
25 制御部
26 リモコン受信部
27 価格切り替え操作部
28 記憶媒体読み込み部