(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】車両制御システム及び車両
(51)【国際特許分類】
G08G 1/0962 20060101AFI20221212BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
G08G1/0962
G08G1/09 F
(21)【出願番号】P 2019061303
(22)【出願日】2019-03-27
【審査請求日】2021-03-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100076428
【氏名又は名称】大塚 康徳
(74)【代理人】
【識別番号】100115071
【氏名又は名称】大塚 康弘
(74)【代理人】
【識別番号】100112508
【氏名又は名称】高柳 司郎
(74)【代理人】
【識別番号】100116894
【氏名又は名称】木村 秀二
(74)【代理人】
【識別番号】100134175
【氏名又は名称】永川 行光
(74)【代理人】
【識別番号】100166648
【氏名又は名称】鎗田 伸宜
(72)【発明者】
【氏名】池田 雅也
(72)【発明者】
【氏名】廣瀬 峰史
(72)【発明者】
【氏名】石坂 賢太郎
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 崇
(72)【発明者】
【氏名】八嶋 淳平
(72)【発明者】
【氏名】八代 勝也
(72)【発明者】
【氏名】幸加木 徹
(72)【発明者】
【氏名】西田 大樹
(72)【発明者】
【氏名】高田 雄太
(72)【発明者】
【氏名】藤木 有司
【審査官】上野 博史
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-034638(JP,A)
【文献】特開2015-064734(JP,A)
【文献】特開2017-151704(JP,A)
【文献】国際公開第2017/179193(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
B60W 10/00-10/30
30/00-60/00
G09B 23/00-29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両と、前記車両の操作方法を教示する複数のコンテンツを表示手段に提供可能な情報端末装置と、前記車両及び前記情報端末装置と通信可能なサーバと、を有する車両制御システムであって、
前記情報端末装置は、
前記車両の
自動運転における車両制御に関する特定機能の操作開始方法を含む操作方法を教示する第1コンテンツと、前記第1コンテンツにより教示済みであり、かつ、前記サーバに登録されている前記車両のユーザに対して、前記特定機能の提供中に発生し得る事象に対応した操作方法を教示する第2コンテンツと、を前記表示手段に表示可能な表示制御手段と、
前記第2コンテンツの視聴結果を
判定するために、
前記第2コンテンツの教示内容を確認するための確認情報を前記表示手段に提示させ、前記ユーザからの確認の結果が基準値以上か否かを判定する判定手段と、
前記確認の結果が基準値以上と判定された場合、前記第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報を前記サーバに送信する送信手段と、を備え、
前記サーバは、
前記
教示終了情報に基づいて、予め設定されている前記車両の前記特定機能の機能制限を解除するための解除情報を生成する生成手段を備え、
前記車両は、
ユーザを認証するための認証情報を取得する取得手段と、
前記認証情報に基づいて、前記ユーザの認証処理を行う車両制御手段と、
を備え、
前記車両制御手段は、前記認証処理の結果と前記解除情報とに基づいて、前記特定機能の機能制限を解除する
ことを特徴とする車両制御システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記車両と前記ユーザとを対応付けた情報を保持する情報保持手段を更に備え、
前記表示制御手段は、
前記第1コンテンツにより教示済みの前記ユーザについて
前記ユーザが前記サーバに登録されているか否かを判定し、前記サーバに登録されている前記ユーザに対して前記第2コンテンツの表示を許可し、
前記サーバに登録されていない前記ユーザに対して前記第2コンテンツの表示を制限することを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記生成手段が生成した前記解除情報を出力する通信手段を更に備え、
前記通信手段は、前記解除情報を、前記サーバに登録されている前記車両、または、前記情報端末装置に送信することを特徴とする請求項1または2に記載の車両制御システム。
【請求項4】
前記解除情報には、前記ユーザを特定するための特定情報が含まれており、
前記車両制御手段は、前記取得手段で取得した認証情報と、前記解除情報に含まれている前記特定情報との比較に基づいたユーザの認証処理により、前記認証情報と前記特定情報とが一致する場合、前記解除情報に基づいて、前記特定機能の機能制限を解除することを特徴とする請求項3に記載の車両制御システム。
【請求項5】
前記車両制御手段は、
画像処理部の画像処理結果に基づいて、前記ユーザが前記車両の車内に乗車しているか判定し、前記車両に乗車していない場合、前記機能制限を維持することを特徴とする請求項4に記載の車両制御システム。
【請求項6】
前記車両制御手段は、
前記画像処理結果により、前記ユーザが、前記車両の車室内に着座しているが、当該車両の運転席に着座していないと判定する場合、
前記特定機能の機能制限を解除するか否かを確認する確認メッセージを車内表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項5に記載の車両制御システム。
【請求項7】
前記車両制御手段は、前記確認メッセージに対する応答が入力手段から入力されない場合、前記車両の機能制限を維持し、
前記確認メッセージに対する応答が前記入力手段から入力された場合、前記特定機能の機能制限を解除することを特徴とする請求項6に記載の車両制御システム。
【請求項8】
前記車両制御手段は、
前記ユーザとは異なる乗員が前記車両の運転席に着座した回数を積算し、所定の頻度で前記ユーザとは異なる乗員が前記車両の運転席に着座した場合、
前記解除情報に基づいて解除した前記車両の機能を再度制限する
ことを特徴とする請求項6または7に記載の車両制御システム。
【請求項9】
前記特定機能の機能制限を解除する際に、
前記車両が、予め登録した特定の位置から移動を開始する場合、若しくは、前記車両に生じた故障が検出された状態である場合に、
前記車両制御手段は、前記車両の機能制限を維持することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の車両制御システム。
【請求項10】
運転者による周辺監視及びハンドル把持が必要とされる第1制御状態と、
前記運転者による周辺監視は必要とされ、前記運転者によるハンドル把持は必要とされない第2制御状態と、
前記運転者による周辺監視及び前記運転者によるハンドル把持が必要とされない第3制御状態と、において、
前記車両制御手段は、前記特定機能が制限された状態で、
前記第1制御状態での車両制御を行うことが可能であり、
前記第2制御状態及び第3制御状態での車両制御を制限することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の車両制御システム。
【請求項11】
前記車両制御手段は、前記特定機能の機能制限の解除により、
前記第2制御状態及び第3制御状態での車両制御における機能制限を解除することを特徴とする請求項10に記載の車両制御システム。
【請求項12】
前記車両制御手段は、
前記特定機能の機能制限を解除する際に、解除の対象となり得る複数の制御機能項目を車両表示手段に提示させ、
前記複数の制御機能項目から選択された制御機能項目について、前記特定機能の機能制限を解除することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項に記載の車両制御システム。
【請求項13】
前記情報端末装置は、
前記複数のコンテンツを視聴中のユーザの画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された画像を処理する撮像処理手段と、を更に備え、
前記撮像処理手段は、前記撮像手段で撮像された画像を処理することにより、前記ユーザの画像情報を取得し、
前記判定手段は、前記画像情報から取得した前記ユーザの覚醒度が所定の閾値以上となる場合、所定の覚醒度の下に前記ユーザが前記第2コンテンツを視聴したと判定し、
前記送信手段は、前記所定の覚醒度の下に前記
第2コンテンツが視聴されたと判定された場合、前記第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報を前記サーバに送信
し、
前記サーバの前記生成手段は、前記教示終了情報に基づいて、前記車両の前記機能制限を解除するための前記解除情報を生成することを特徴とする請求項1に記載の車両制御システム。
【請求項14】
車両と、前記車両の操作方法を教示する複数のコンテンツを表示手段に提供可能な情報端末装置と、を有する車両制御システムであって、
前記情報端末装置は、
前記車両の
自動運転における車両制御に関する特定機能の操作開始方法を含む操作方法を教示する第1コンテンツと、前記第1コンテンツにより教示済みであり、かつ、前記車両のユーザに対して、前記特定機能の提供中に発生し得る事象に対応した操作方法を教示する第2コンテンツと、を前記表示手段に表示可能な表示制御手段と、
前記第2コンテンツの視聴結果を
判定するために、
前記第2コンテンツの教示内容を確認するための確認情報を前記表示手段に提示させ、前記ユーザからの確認の結果が基準値以上か否かを判定する判定手段と、
前記確認の結果が基準値以上と判定された場合、前記第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報に基づいて、予め設定されている前記車両の前記特定機能の機能制限を解除するための解除情報を生成する生成手段と、を備え、
前記車両は、
ユーザを認証するための認証情報を取得する取得手段と、
前記認証情報に基づいて、前記ユーザの認証処理を行う車両制御手段と、
を備え、
前記車両制御手段は、前記認証処理の結果と前記解除情報とに基づいて、前記特定機能の機能制限を解除する
ことを特徴とする車両制御システム。
【請求項15】
車両の
自動運転における車両制御に関する特定機能の操作開始方法を含む操作方法を教示する第1コンテンツと、前記第1コンテンツにより教示済みである、前記車両のユーザに対して、前記特定機能の提供中に発生し得る事象に対応した操作方法を教示する第2コンテンツと、を表示手段に表示可能な表示制御手段と、
前記第2コンテンツの教示内容の視聴結果を
判定するために、
前記第2コンテンツの教示内容を確認するための確認情報を前記表示手段に提示させ、前記ユーザからの確認の結果が基準値以上か否かを判定する判定手段と、
前記確認の結果が基準値以上と判定された場合、前記第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報に基づいて、予め設定されている前記車両の前記特定機能の機能制限を解除するための解除情報を生成する生成手段と、
ユーザを認証するための認証情報を取得する取得手段と、
前記認証情報に基づいて、前記ユーザの認証処理を行う車両制御手段と、
を備え、
前記車両制御手段は、前記認証処理の結果と前記解除情報とに基づいて、前記車両の前記特定機能の機能制限を解除する
ことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御システム及び車両に関するものであり、具体的には、自動運転車の制御のための車両制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、自動運転制御から手動運転への切替に際して、必要なドライバの操作のうち、ドライバが希望しかつ実行可能な操作についてのチュートリアル(解説)を行う自動運転装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、自動運転に関して、より高度な制御状態での車両制御機能をユーザに提供するためには、事前に車両制御機能に対応した操作方法に関する教示を行い、ユーザにおける操作方法の理解度が一定のレベルに到達したことを条件として、より高度な制御状態での車両制御を実行できるように機能制限を解除することが好ましい。
【0005】
本発明は、車両の特定機能の操作方法に関する教示を行い、操作方法の理解度が一定のレベルに到達したユーザの車両に対して、より高度な制御状態での車両制御を実行できるように機能制限を解除することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る車両制御システムは、
車両と、前記車両の操作方法を教示する複数のコンテンツを表示手段に提供可能な情報端末装置と、前記車両及び前記情報端末装置と通信可能なサーバと、を有する車両制御システムであって、
前記情報端末装置は、
前記車両の自動運転における車両制御に関する特定機能の操作開始方法を含む操作方法を教示する第1コンテンツと、前記第1コンテンツにより教示済みであり、かつ、前記サーバに登録されている前記車両のユーザに対して、前記特定機能の提供中に発生し得る事象に対応した操作方法を教示する第2コンテンツと、を前記表示手段に表示可能な表示制御手段と、
前記第2コンテンツの視聴結果を判定するために、前記第2コンテンツの教示内容を確認するための確認情報を前記表示手段に提示させ、前記ユーザからの確認の結果が基準値以上か否かを判定する判定手段と、
前記確認の結果が基準値以上と判定された場合、前記第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報を前記サーバに送信する送信手段と、を備え、
前記サーバは、
前記教示終了情報に基づいて、予め設定されている前記車両の前記特定機能の機能制限を解除するための解除情報を生成する生成手段を備え、
前記車両は、
ユーザを認証するための認証情報を取得する取得手段と、
前記認証情報に基づいて、前記ユーザの認証処理を行う車両制御手段と、
を備え、
前記車両制御手段は、前記認証処理の結果と前記解除情報とに基づいて、前記特定機能の機能制限を解除することを特徴とする。
【0007】
本発明の他の態様に係る車両は、
車両の自動運転における車両制御に関する特定機能の操作開始方法を含む操作方法を教示する第1コンテンツと、前記第1コンテンツにより教示済みである、前記車両のユーザに対して、前記特定機能の提供中に発生し得る事象に対応した操作方法を教示する第2コンテンツと、を表示手段に表示可能な表示制御手段と、
前記第2コンテンツの教示内容の視聴結果を判定するために、前記第2コンテンツの教示内容を確認するための確認情報を前記表示手段に提示させ、前記ユーザからの確認の結果が基準値以上か否かを判定する判定手段と、
前記確認の結果が基準値以上と判定された場合、前記第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報に基づいて、予め設定されている前記車両の前記特定機能の機能制限を解除するための解除情報を生成する生成手段と、
ユーザを認証するための認証情報を取得する取得手段と、
前記認証情報に基づいて、前記ユーザの認証処理を行う車両制御手段と、
を備え、
前記車両制御手段は、前記認証処理の結果と前記解除情報とに基づいて、前記車両の前記特定機能の機能制限を解除することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、車両の特定機能の操作方法に関する教示を行い、操作方法の理解度が一定のレベルに到達したユーザの車両に対して、より高度な制御状態での車両制御を実行できるように機能制限を解除することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
本発明の実施形態を示す添付図面は明細書の一部を構成し、その記述と共に本発明を説明するために用いられる。
【
図5】車両を制御するための制御ブロック図の構成例を示す図。
【
図6】情報端末装置における処理の流れを説明する図。
【
図8】車両制御装置における処理の流れを説明する図。
【
図9】第1コンテンツ及び第2コンテンツの表示例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る本発明を限定するものでするものでなく、また本実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが本発明に必須のものとは限らない。
【0011】
[第1実施形態]
(車両制御システムの構成)
図1は、車両制御システムSTMの基本構成を例示する図であり、車両制御システムSTMは、車両1と、情報端末装置TMと、サーバSVとを有する。情報端末装置TMは、車両1の操作方法を教示する複数のコンテンツを表示部に提供可能である。また、サーバSVは、車両1及び情報端末装置TMと通信可能であり、車両1とユーザとの情報を内部の情報保持部(
図3のSV1)に保持する。サーバSVの情報保持部SV1をネットワーク(クラウド)NET上の記憶装置として配置してもよい。
【0012】
情報端末装置TMは、例えば、ユーザが所持する携帯端末(タブレット型PC、スマートフォン等)や、車両1の販売または保守を行う拠点(ディーラ)に配置された情報端末として構成することができる。
【0013】
(情報端末装置TMの構成)
図2は情報端末装置TMの基本構成を示すブロック図である。情報端末装置TMは、機能構成として、車両1の特定機能の操作開始方法を含む操作方法を教示する第1コンテンツと、第1コンテンツにより教示済みであり、かつ、サーバに登録されている車両1のユーザに対して、第1のコンテンツに比べて教示レベルの高い操作方法をユーザに教示する第2のコンテンツと、を表示部に表示可能な表示制御部TM1を備える。
図9は、表示制御部TM1の表示制御により情報端末装置TM1の表示部に表示される第1コンテンツ及び第2コンテンツの表示例を示す図である。画面表示91は第1コンテンツにより提供される表示例であり、画面表示92は第2コンテンツにより提供される表示例である。
【0014】
表示制御部TM1は、車両1の特定機能(自動運転における車両制御に関する機能)の操作方法を教示するコンテンツを第1コンテンツとして、情報端末装置TMの表示部に表示させる。表示制御部TM1は、第1コンテンツにおいて、画面内に表示されるキャラクター(教示アシスタント)の音声と文字との組み合わせによる指示により、車両1の特定機能を解説する操作方法の教示(チュートリアル)を提供する。ユーザは、第1コンテンツを視聴することにより、車両1の自動運転に関する操作方法を体験することができる。
【0015】
また、表示制御部TM1は、特定機能の提供中に発生し得る事象に対応する操作方法を教示するコンテンツを第2コンテンツとして表示部に表示させる。第2コンテンツとしては、例えば、自動運転機能で走行中の車両1で発生し得る種々の事例が挙げられる。例えば、ハンドルの把持や、周辺を視認可能な運転姿勢の要求など、車両1の制御状態が段階的に遷移する際に運転者に要求されるタスクの案内、周辺監視に関して要求されるタスクの案内、あるいは、係る案内に応答しない場合に状態遷移する車両の制御状態など、表示制御部TM1は、車両1の制御状態の変化(遷移)で発生し得る状態を模擬的に再現して表示部に表示させる。
【0016】
第2コンテンツを視聴するためには、ユーザは第1コンテンツを視聴済(第1コンテンツにより教示済み)であること、及び、ユーザが車両1を購入するための契約を完了させていること、が前提となる。契約が完了したユーザの情報はサーバSVに保存されており、表示制御部TM1は、サーバSVとの通信により、ユーザが契約完了済か否かを判定することができる。
【0017】
表示制御部TM1は、第1コンテンツにより教示済みのユーザについて、更に、ユーザがサーバSVに登録されているか否かを判定する。表示制御部TM1は、サーバSVに登録されているユーザに対して第2コンテンツの表示を許可し、サーバSVに登録されていないユーザに対して第2コンテンツの表示を制限する。
【0018】
すなわち、第1コンテンツにより教示済みであり、かつ、サーバSVに登録されている車両1のユーザに対して、表示制御部TM1は、第1コンテンツに比べて教示レベルの高い操作方法をユーザに教示する第2コンテンツを表示部に表示させる。ユーザは、第2コンテンツを視聴することにより、車両1の自動運転に関する、より高度な操作方法を体験することができる。
【0019】
また、情報端末装置TMは、機能構成として、第2コンテンツの視聴結果を、ユーザの入力に基づいて判定する判定部TM2と、判定部TM2の判定結果をサーバSVに送信する通信部TM3とを備える。
【0020】
判定部TM2は、第2コンテンツの視聴結果を判定するために、第2コンテンツの教示内容を確認するための確認情報を表示部に提示させ、ユーザから入力された確認の結果が基準値以上か否かを判定することが可能である。第2コンテンツを視聴したユーザの理解度を確認するために、判定部TM2は、確認情報を表示部に提示し、確認の結果が基準値以上と判定された場合、第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報を生成する。
【0021】
通信部TM3は、第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報をサーバSVに送信する。
【0022】
また、判定部TM2は、第2コンテンツの視聴結果を判定するために、第2コンテンツの視聴終了後(再生終了後)に視聴を確認するための操作入力部(アイコン)を表示部に表示させ、ユーザからの入力の有無に応じて、ユーザの視聴結果を判定することが可能である。
【0023】
情報端末装置TMは、機能構成として、更に、複数のコンテンツ(第1コンテンツ、第2コンテンツ)を視聴中のユーザの画像を撮像する撮像部TM6(例えば、内部カメラ)と、撮像部TM6で撮像された画像を処理する撮像処理部TM4とを備え、撮像処理部TM4は、撮像部TM6で撮像された画像を処理することにより、ユーザの画像情報(例えば、顔画像)を取得する。
【0024】
ここで、ユーザの画像情報には、顔画像の他、顔の向き、視線、視聴時の姿勢、眼(瞼)の開閉度合や瞼を閉じている時間等、コンテンツ(第1コンテンツ、第2コンテンツ)を視聴中のユーザの外観情報が含まれる。尚、撮像部TM6が撮像するユーザの画像には、複数のコンテンツ(第1コンテンツ、第2コンテンツ)を視聴中のユーザの画像に限られず、各コンテンツの再生終了後におけるユーザの画像情報も含まれる。
【0025】
判定部TM2は、撮像処理部TM4による画像処理により取得されたユーザの外観情報に基づいて、ユーザの覚醒度を取得する。例えば、瞼の開き度合いが小さいほど、あるいは、瞼が閉じている時間が長いほどユーザの覚醒度が低いと判定する。判定部TM2は、ユーザの外観情報に基づいて取得したユーザの覚醒度が基準となる所定の閾値以上となる場合、所定の覚醒度の下にユーザが第2コンテンツを視聴したと判定し、教示終了情報を生成する。
【0026】
通信部TM3は、所定のユーザの覚醒度の下に第2コンテンツが視聴されたと判定された場合、第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報をサーバに送信する。通信部TM3は、判定部TM2の判定結果(例えば、教示終了情報)をサーバSVに送信する際に、教示終了情報と、ユーザを特定するためのユーザの画像情報と、を組み合わせてサーバSVに送信する。
【0027】
情報端末装置TMは、ユーザの端末装置(タブレット型PC、スマートフォン等)や、車両1の販売または保守を行う拠点(ディーラ)に配置された端末装置として構成することができ、ユーザは、いずれの端末装置で各コンテンツを視聴することが可能である。
【0028】
視聴するため情報端末装置TMは、第1コンテンツ及び第2コンテンツで同一でなくてもよく、例えば、ユーザは、第1コンテンツを拠点(ディーラ)に配置された端末装置で視聴し、契約後に、ユーザは、所有するスマートフォンで第2コンテンツを視聴してもよい。
【0029】
この他、ユーザは、最初にスマートフォンで第1コンテンツを視聴した後に、拠点(ディーラ)に配置された端末装置で第2コンテンツを視聴してもよい。ユーザによる各コンテンツの視聴履歴の情報は、内部の記憶部TM5に記憶され、情報端末装置TM内で管理することが可能である。また、ユーザによる各コンテンツの視聴履歴の情報は、ネットワークNT上の他の情報端末装置TM及びサーバSVで共有することが可能である。
【0030】
(サーバSVの構成)
図3はサーバSVの基本構成を示すブロック図である。サーバSVは、機能構成として、車両1とユーザとを対応付けた情報を保持する情報保持部SV1と、情報端末装置TMから送信された教示終了情報に基づいて、予め設定されている車両の機能制限を解除するための解除情報を生成する生成部SV2とを備える。
【0031】
また、サーバSVは、生成部SV2が生成した解除情報を出力する通信部SV3を備えており、通信部SV3は、解除情報を、サーバSVに登録されている車両1、または、情報端末装置TMに送信することが可能である。ここで、生成部SV2により生成される解除情報には、ユーザを特定するための特定情報が含まれている。ユーザを特定するための特定情報には、例えば、ユーザを撮像したユーザの画像情報(例えば、顔画像)が含まれる。
【0032】
サーバSVの情報処理部SV4は、情報端末装置TMや車両1の車両制御装置100から取得した情報に基づいて、各種の情報処理を行うことが可能である。例えば、後述する車両制御部C11で行うユーザの認証処理をサーバSVの情報処理部SV4で行うことも可能である。
【0033】
この場合、情報処理部SV4は、ユーザ(ドライバ)を認証するための認証情報を車両1側から取得して、サーバSVが保持しているユーザの画像情報と比較して認証処理を行うことが可能である。サーバSVの通信部SV3が認証結果を車両1に送信することにより、車両制御部C11は、サーバSVから取得した認証結果を用いて、車両1の機能制限の解除処理を行うことが可能である。
【0034】
(車両制御装置の構成)
図4は、車両1の車両制御を行う車両制御装置100の構成例を示す図であり、車両制御装置100は、センサS、複数のカメラCAM、車内モニタカメラMONと接続し、コンピュータCOMを有する。センサSは、例えば、複数のレーダS1、および複数のライダS2(Light Detection and Ranging(LIDAR:ライダ))、ジャイロセンサS3、GPSセンサS4、速度センサS5、把持センサS6等を含む。
【0035】
また、コンピュータCOMは、車両の自動運転制御に関する処理を司るCPU(C1)、メモリC2、ネットワークNETと接続して、ネットワークNET上の情報端末装置TMやサーバSVや車両(自車両)の周辺に位置する他車両との間で通信可能な通信装置C3等を含む。センサSおよびカメラCAMは、車両の各種情報を取得し、コンピュータCOMに入力する。
【0036】
コンピュータCOMのCPU(C1)は、カメラCAMから入力された画像情報に画像処理を行う。CPU(C1)は、画像処理したカメラ画像情報と、センサS(レーダS1、ライダS2)から入力されたセンサ情報とに基づいて、自車両の周囲に存在する物標(オブジェクト)を抽出し、自車両の周囲にどのような物標が配置されているかを解析し、物標を監視する。
【0037】
また、ジャイロセンサS3は自車両の回転運動や姿勢を検知し、コンピュータCOMは、ジャイロセンサS3の検知結果や、速度センサS5により検知された速度等により自車両の進路を判定することができる。GPSセンサS4は、地図情報における自車両の現在位置(位置情報)を検知する。
【0038】
把持センサS6は、例えば、車両のステアリングに内蔵されており、車両乗員(運転者)がステアリングを把持しているか否かを検知することが可能である。把持センサS6は、検知したステアリングの把持情報をコンピュータCOMに入力する。コンピュータCOMは、把持センサS6から入力されたステアリングの把持情報に基づいて、車両乗員(運転者)がステアリングを把持しているか否か、すなわち、ハンズオン状態またはハンズオフ状態であるかを判定することができる。
【0039】
車内モニタカメラMONは、車両内部を撮影可能に配置されており、車両乗員を撮影する。車内モニタカメラMONは、撮影した車両乗員の外観情報をコンピュータCOMに入力する。コンピュータCOMは、車内モニタカメラMONから入力された車両乗員の画像に対して画像処理を行うことで、車両1に乗車している乗員数、着座位置、車両乗員の表情や、顔の向き、視線、眼(瞼)の開閉度合、瞼を閉じている時間、運転姿勢等の車両乗員の外観情報を検知することが可能である。コンピュータCOMは、検知した車両乗員の外観情報に基づいて、車両乗員(運転者)の運転時の状態として、アイズオン状態またはアイズオフ状態であるか否かを判定することができる。
【0040】
報知装置NTFは、音声出力装置と表示装置を備え、音声出力装置は運転者に対して音声により情報を報知する。表示装置は運転者に対して画像の表示により情報を報知する。表示装置は、例えば、タッチパネルとして構成することが可能であり、コンピュータCOMからユーザ(ドライバ、または、乗員)に対する各種メッセージを表示したり、各種メッセージに対する応答として、ユーザからの入力操作を受け付けることが可能である。
【0041】
車両制御装置100のコンピュータCOMは、複数の制御状態を車両の周辺環境の情報に基づいて移行(遷移)させて、車両の自動運転走行を制御することが可能である。すなわち、コンピュータCOMは、センサSおよびカメラCAMの情報を用いて車両の周辺環境の情報を取得し、周辺環境の情報に基づいて、車両の制御状態を遷移させて、車両の自動運転走行を制御する。
【0042】
コンピュータCOMのCPU(C1)は、メモリC2に記憶されているプログラムを実行することにより、車両制御部C11、画像処理部C12及び取得部C13として機能する。画像処理部C12は、車内モニタカメラMONから入力された車両乗員の画像に対して画像処理を行うことが可能である。取得部C13は、画像処理部C12の画像処理結果に基づいて取得された車内の画像情報に基づいて、ユーザ(ドライバ)を認証するための認証情報を取得する。
【0043】
通信装置C3は、情報端末装置TM及びサーバSVと通信可能である。通信装置C3が、サーバSVから、車両の機能制限を解除するための解除情報を受信すると、車両制御部C11は、取得部C13で取得した認証情報と、解除情報に含まれているユーザの特定情報との比較に基づいたユーザの認証処理を行うことが可能である。車両制御部C11は、認証情報と特定情報とが一致する場合、解除情報に基づいて、予め設定されている車両1の機能制限を解除することが可能である。認証処理および機能制限の解除に関する車両制御部C11及び取得部C13による具体的な処理については後述する。
【0044】
また、車両制御部C11は、車両の情報および車両の周辺情報を検知する検知部(センサS、カメラCAM等)の検知結果に基づき、車両の制御を行うことが可能である。複数の制御状態のうち、いずれか一つの制御状態により車両の自動運転走行を制御することが可能である。
【0045】
図4に示す車両制御装置100を車両に搭載する場合、コンピュータCOMを、例えば、センサSやカメラCAM、車内モニタカメラMONの情報を処理する認識処理系のECUや画像処理系のECU内に配置してもよいし、通信装置や入出力装置を制御するECU内に配置してもよいし、車両の駆動制御を行う制御ユニット内のECUや、自動運転用のECU内に配置してもよい。例えば、以下に説明する
図5のように、センサS用のECU、カメラ用のECU、入出力装置用のECU、および自動運転用のECU等、車両制御装置100を構成する複数のECUに機能を分散させてもよい。
【0046】
図5は、車両1を制御するための車両制御装置100の制御ブロック図の構成例を示す図である。
図5において、車両1はその概略が平面図と側面図とで示されている。車両1は一例としてセダンタイプの四輪の乗用車である。
【0047】
図5の制御ユニット2は、車両1の各部を制御する。制御ユニット2は車内ネットワークにより通信可能に接続された複数のECU20~29を含む。各ECU(Electronic Control Unit)は、CPU(Central Processing Unit)に代表されるプロセッサ、半導体メモリ等の記憶デバイス、外部デバイスとのインターフェース等を含む。記憶デバイスにはプロセッサが実行するプログラムやプロセッサが処理に使用するデータ等が格納される。各ECUはプロセッサ、記憶デバイスおよびインターフェース等を複数備えていてもよい。
【0048】
以下、各ECU20~29が担当する機能等について説明する。なお、ECUの数や、担当する機能については、車両1の適宜設計可能であり、本実施形態よりも細分化したり、あるいは、統合することが可能である。
【0049】
ECU20は、本実施形態に係る車両1(自車両)の自動運転に関わる車両制御を実行する。自動運転においては、車両1の操舵と、加減速の少なくともいずれか一方を自動制御する。自動運転に関わる具体的な制御に関する処理については後に詳細に説明する。
【0050】
ECU20は、車両の周囲の状況を示す車両1(自車両)の位置、車両1の周辺に存在する他車両の相対的な位置、車両1が走行する道路の情報や地図情報等に基づいて、車両の走行制御を行う。
【0051】
ECU21は、電動パワーステアリング装置3を制御する。電動パワーステアリング装置3は、ステアリングホイール31に対する運転者の運転操作(操舵操作)に応じて前輪を操舵する機構を含む。また、電動パワーステアリング装置3は操舵操作をアシストしたり、あるいは、前輪を自動操舵するための駆動力を発揮するモータや、操舵角を検知するセンサ等を含む。車両1の運転状態が自動運転の場合、ECU21は、ECU20からの指示に対応して電動パワーステアリング装置3を自動制御し、車両1の進行方向を制御する。
【0052】
ECU22および23は、車両の周囲状況を検知する検知ユニット41~43の制御および検知結果の情報処理を行う。検知ユニット41は、
図4のカメラCAMに対応する構成であり、撮像により車両1の周囲の物体を検知する撮像デバイスである(以下、カメラ41A、Bと表記する場合がある。)。カメラ41は車両1の前方を撮影可能なように、車両1のルーフ前部でフロントウィンドウの車室内側に取り付けられる。カメラ41A,Bが撮影した画像の解析(画像処理)により、例えば、車両1の周辺の物標の輪郭抽出などを行うことが可能である。
【0053】
検知ユニット42(ライダ検知部)は、例えば、Light Detection and Ranging(LIDAR:ライダ)であり(以下、ライダ42と表記する場合がある)、光により車両1の周囲の物標を検知したり、物標との距離を測距する。検知ユニット42(ライダ42)は
図4のライダS2に対応する構成である。本実施形態の場合、ライダ42は車両の周囲に複数設けられている。
図5に示す例では、ライダ42は、例えば、5つ設けられており、車両1の前部の各隅部に1つずつ、後部中央に1つ、後部各側方に1つずつ設けられている。
【0054】
検知ユニット43(レーダ検知部)は、例えば、ミリ波レーダであり(以下、レーダ43と表記する場合がある)、電波により車両1の周囲の物標を検知したり、物標との距離を測距する。検知ユニット43(レーダ43)は
図4のレーダS1に対応する構成である。本実施形態の場合、レーダ43は車両の周囲に複数設けられている。
図5に示す例では、レーダ43は、例えば、5つ設けられており、車両1の前部中央に1つ、前部各隅部に1つずつ、後部各隅部に一つずつ設けられている。
【0055】
ECU22は、一方のカメラ41Aと、各ライダ42の制御および検知結果の情報処理を行う。ECU23は、他方のカメラ41Bと、各レーダ43の制御および検知結果の情報処理を行う。車両の周囲状況を検知する装置を二組備えたことで、検知結果の信頼性を向上でき、また、カメラ、ライダ、レーダといった種類の異なる検知ユニットを備えたことで、車両の周辺環境の解析を多面的に行うことができる。尚、ECU22およびECU23を一つのECUにまとめてもよい。
【0056】
ECU24は、ジャイロセンサ5、GPSセンサ24b、通信装置24cの制御および検知結果あるいは通信結果の情報処理を行う。ジャイロセンサ5は車両1の回転運動を検知する。ジャイロセンサ5の検知結果や、車輪速等により車両1の進路を判定することができる。GPSセンサ24bは、車両1の現在位置を検知する。通信装置24cは、地図情報や交通情報を提供するサーバ装置と無線通信を行い、これらの情報を取得する。ECU24は、記憶デバイスに構築された地図情報のデータベース24aにアクセス可能であり、ECU24は現在地から目的地へのルート探索等を行う。データベース24aはネットワーク上に配置可能であり、通信装置24cがネットワーク上のデータベース24aにアクセスして、情報を取得することが可能である。ジャイロセンサ5、GPSセンサ24b、通信装置24cは、それぞれ、
図4のジャイロセンサS3、GPSセンサS4、通信装置C3に対応する構成である。
【0057】
ECU25は、車車間通信用の通信装置25aを備える。通信装置25aは、周辺の他車両と無線通信を行い、車両間での情報交換を行う。また、ECU25は、情報端末装置TMおよびサーバSVとの通信を制御して、情報交換を行うことが可能である。
【0058】
ECU26は、パワープラント6を制御する。パワープラント6は車両1の駆動輪を回転させる駆動力を出力する機構であり、例えば、エンジンと変速機とを含む。ECU26は、例えば、アクセルペダル7Aに設けた操作検知センサ7aにより検知した車両乗員(運転者)の運転操作(アクセル操作あるいは加速操作)に対応してエンジンの出力を制御したり、速度センサ7c(
図4の速度センサS5)が検知した速度等の情報に基づいて変速機の変速段を切り替える。車両1の運転状態が自動運転の場合、ECU26は、ECU20からの指示に対応してパワープラント6を自動制御し、車両1の加減速を制御する。
【0059】
ECU27は、方向指示器8を含む灯火器(ヘッドライト、テールライト等)を制御する。
図5の例の場合、方向指示器8は車両1の前部、ドアミラーおよび後部に設けられている。
【0060】
ECU28は、入出力装置9の制御および車内モニタカメラ90から入力された運転者の顔画像の画像処理を行うことが可能である。ここで、車内モニタカメラ90は、
図4の車内モニタカメラMONに対応する。入出力装置9は車両乗員(運転者)に対する情報の出力と、運転者からの設定の受け付けを行う。音声出力装置91は運転者に対して音声により情報を報知する。表示装置92は運転者に対して画像の表示により情報を報知する。表示装置92は例えば運転席前面に配置され、インストルメントパネル等を構成する。なお、ここでは、音声と表示を例示したが振動や光により情報を報知してもよい。また、音声、表示、振動または光のうちの複数を組み合わせて情報を報知してもよい。更に、報知すべき情報のレベル(例えば緊急度)に応じて、組み合わせを異ならせたり、報知態様を異ならせてもよい。音声出力装置91、表示装置92は、例えば、先に説明した
図4の報知装置NTFに対応する。
【0061】
入力装置93は運転者が操作可能な位置に配置され、車両1に対する指示を行うスイッチ群であるが、音声入力装置も含まれてもよい。
【0062】
ECU29は、ブレーキ装置10やパーキングブレーキ(不図示)を制御する。ブレーキ装置10は例えばディスクブレーキ装置であり、車両1の各車輪に設けられ、車輪の回転に抵抗を加えることで車両1を減速あるいは停止させる。ECU29は、例えば、ブレーキペダル7Bに設けた操作検知センサ7bにより検知した運転者の運転操作(ブレーキ操作)に対応してブレーキ装置10の作動を制御する。車両1の運転状態が自動運転の場合、ECU29は、ECU20からの指示に対応してブレーキ装置10を自動制御し、車両1の減速および停止を制御する。ブレーキ装置10やパーキングブレーキは車両1の停止状態を維持するために作動することもできる。また、パワープラント6の変速機がパーキングロック機構を備える場合、これを車両1の停止状態を維持するために作動することもできる。
【0063】
(複数の制御状態)
本実施形態において、複数の制御状態には、車両の加速、減速、車線変更を含む操舵および制動等に関する車両制御と、車両乗員(運転者)に要求されるタスクとが設定されている。車両乗員への要求タスクには、車両周辺の監視要求に対応するために車両乗員に要求される動作、例えば、ハンドル把持(ハンズオフ、ハンズオン)、周辺監視(アイズオフ、アイズオン)、運転交代などが含まれる。
【0064】
複数の制御状態は、車両制御における自動化の度合い(自動化率)と、車両乗員(運転者)に要求される要求タスクの度合(車両乗員における車両操作の関与の度合い)とに応じて、複数の段階に分類されている。
【0065】
車両制御装置100は、複数の制御状態に基づいて車両を制御することが可能であり、車両制御部C11は、ライダ42、カメラ41A、レーダ43、カメラ41B等から取得した車両の周辺監視情報(外界情報)に基づいて、複数の制御状態のうち、いずれか一つの制御状態により車両の自動運転走行を制御することが可能である。
【0066】
(第1制御状態)
本実施形態において、第1制御状態は、車両制御における所定の自動化の度合い(自動化率)と、車両乗員(運転者)に要求される所定の要求タスクの度合(車両乗員における車両操作の関与の度合い)が設定された制御状態である。第1制御状態において、車両の運転主体は運転者(ドライバ)であり、運転者による周辺監視は必要となり、運転者のハンドル把持も必要とされる。
【0067】
(第2制御状態)
本実施形態において、第2制御状態は、第1制御状態に比べて、車両制御の自動化率(自動化の度合い)が高い、若しくは、運転者に要求される車両操作の関与の度合いが低減された制御状態である。第1制御状態では、車両の運転主体は運転者(ドライバ)であり、運転者による周辺監視は必要となるが、運転者のハンドル把持は不要である。第1制御状態は、例えば、渋滞していない高速道路本線上で実行可能な制御状態である。
【0068】
(第3制御状態)
第3制御状態は、第2制御状態に比べて、車両制御の自動化率(自動化の度合い)が高い、若しくは、運転者に要求される車両操作の関与の度合いが低減された制御状態である。第2制御状態では、車両の運転主体は、車両制御装置100(車両システム)であり、運転者による周辺監視及び運転者のハンドル把持はともに不要である。
【0069】
但し、車両システムからの警告通知に備えて、運転者による車両システムの監視義務は必要とされる。第2制御状態は、車両制御を作動させる所定の速度範囲において、車両1が走行している車線内において車両制御が可能な制御状態であり、例えば、渋滞している高速道路本線で車両1(自車両)の前方を走行する車両に追従する走行シーン(渋滞追従走行:TJP(Traffic Jam Pilot))で実行可能な制御状態である。
【0070】
(情報端末装置TMにおける処理の流れ)
図6は情報端末装置TMにおける処理の流れを説明する図である。まず、ユーザからの視聴要求があると、ステップS60において、表示制御部TM1は、車両1の特定機能の操作開始方法を含む操作方法を教示する第1コンテンツの表示制御を行う。
【0071】
ステップS61において、表示制御部TM1は、第1コンテンツの視聴完了を判定し、ユーザが第1コンテンツの視聴を完了していない場合(S61-No)、処理をステップS60に戻し同様の処理を行う。視聴を途中で中断する場合、表示制御部TM1は視聴履歴を記録し、視聴を再開する場合は中断した箇所から第1コンテンツの視聴を再開するように表示を制御することが可能である。
【0072】
ステップS61の判定処理で、ユーザが第1コンテンツの視聴を完了している場合(S61-Yes)、表示制御部TM1は処理をステップS62に進める。
【0073】
ステップS62において、表示制御部TM1は、ユーザが車両1を購入するための契約を完了したユーザであるか判定する。表示制御部TM1は、サーバSVとの通信により、ユーザが契約完了済か否かを判定することができる。契約を完了していない場合、すなわち、サーバSVにユーザの情報が保存されていない場合、表示制御部TM1は、契約未完了の状態(S62-No)として、契約完了済の状態になるまで待機する。
【0074】
一方、ステップS62の判定で、ユーザが契約完了済である場合(S62-Yes)、表示制御部TM1は処理をステップS63に進める。
【0075】
ステップS63において、ユーザからの視聴要求があると、表示制御部TM1は、第2コンテンツの表示制御を行う。表示制御部TM1は、第1コンテンツにより教示済みであり、かつ、サーバSVに登録されている車両のユーザに対して、第1のコンテンツに比べて教示レベルの高い操作方法をユーザに教示する第2のコンテンツを表示部に表示させる表示制御を行う。
【0076】
ステップS64において、表示制御部TM1は、第2コンテンツの視聴完了を判定し、ユーザが第2コンテンツの視聴を完了していない場合(S64-No)、処理をステップS63に戻し同様の処理を行う。視聴を途中で中断する場合、表示制御部TM1は視聴履歴を記録し、視聴を再開する場合は中断した箇所から第2コンテンツの視聴を再開するように表示を制御することが可能である。
【0077】
ステップS64の判定処理で、ユーザが第2コンテンツの視聴を完了している場合(S64-Yes)、表示制御部TM1は処理をステップS65に進める。
【0078】
ステップS65において、判定部TM2は、第2コンテンツの教示内容を確認するための確認情報を表示部に提示させ、ユーザからの確認の結果が基準値以上か否かを判定する。判定部TM2は、確認情報として、例えば、操作事例に対する操作方法の選択肢を画面上に複数提示する。複数提示された選択肢の中からユーザが正しいと判断する選択肢を選択入力する形式により、複数の事例に関するユーザの選択入力が集計される。ユーザの選択入力に基づいて、判定部TM2は、第2コンテンツを視聴したユーザの理解度を判定する。尚、ステップS65と同様の教示内容の確認判定を、第1コンテンツに対して行ってもよい。この場合、判定部TM2は、ステップS65と同様の判定処理をステップS61の後(第1コンテンツの視聴完了後)に行えばよい。
【0079】
ステップS65の判定処理においいて、確認の結果が基準値未満と判定された場合(S65-No)、判定部TM2は、処理をステップS65の戻し確認判定の処理を繰り返す。一方、ステップS65の判定処理で、確認の結果が基準値以上と判定された場合(S65-Yes)、処理をステップS66に進め、判定部TM2は、第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報を生成する。
【0080】
そして、ステップS67において、通信部TM3は、第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報をサーバSVに送信する。
【0081】
(サーバSVにおける処理の流れ)
図7はサーバSVにおける処理の流れを説明する図である。ステップS70において、サーバSVの情報保持部SV1は、車両1の購入契約を完了したユーザと車両を対応づけて登録する。情報保持部SV1は、車両1とユーザとを対応付けた情報を保持する。
【0082】
ステップS71において、サーバSVの生成部SV2は、第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報を受信したか否かを判定する。教示終了情報を受信していない場合(S71-No)、受信待ちの状態で待機する。一方、ステップS71の判定処理で、教示終了情報を受信した場合(S72-Yes)、生成部SV2は、教示終了情報に基づいて、予め設定されている車両1の機能制限を解除するための解除情報を生成する。
【0083】
そして、ステップS73において、通信部SV3は、解除情報を、サーバSVに登録されている車両1、または、情報端末装置TMに送信する。情報端末装置TMが解除情報を受信した場合、情報端末装置TMの通信部TM3は、受信した解除情報を、対応する車両1に転送することが可能である。
【0084】
(車両制御装置100における処理の流れ)
次に車両制御装置100における処理の流れを説明する。
図8は車両制御装置100における処理の流れを説明する図である。ステップS80において、車両1は機能制限状態である。機能制限の解除前の状態では、例えば、車両制御部C11は、第1制御状態による車両制御を行うことが可能であるが、第2制御状態及び第3制御状態での車両制御は制限されている。
【0085】
ステップS81において、車両制御部C11は、解除情報を受信したか否かを判定する。解除情報を受信していない場合(S81-No)、解除情報を受信待ちの状態で待機する。
【0086】
一方、ステップS81の判定処理で、解除情報を受信した場合(S81-Yes)、車両制御部C11は処理をステップS82に進める。
【0087】
ステップS82において、取得部C13は、ユーザを認証するための認証情報及び解除情報に含まれているユーザの特定情報を取得したか否かを判定する。認証情報及び特定情報を取得していない場合(S82-No)、認証情報及び特定情報の取得待ちの状態で待機する。
【0088】
一方、ステップS82の判定処理で、認証情報及び特定情報を取得した場合(S82-Yes)、取得部C13は処理をステップS83に進める。
【0089】
ステップS83において、車両制御部C11は、取得部C13で取得した認証情報と、解除情報に含まれているユーザの特定情報との比較に基づいたユーザの認証処理を行う。認証情報と特定情報とが一致する場合、車両制御部C11は処理をステップS84に進める。
【0090】
ステップS84において、車両制御部C11は、解除情報に基づいて、予め設定されている車両1の機能制限を解除する。車両制御部C11は、予め設定されている車両1の機能制限(第2制御状態、第3制御状態)を解除し、第2制御状態での車両制御、または第3制御状態での車両制御を行うことが可能になる。車両制御部C11は、車両の機能制限により、第2制御状態及び第3制御状態での車両制御における機能制限を解除する。
【0091】
尚、車両制御機能の制限を解除する際に、車両が、予め登録した特定の位置から移動を開始する場合(定期点検をしているディーラなど)、若しくは、車両に生じた故障が検出された状態である場合に、車両制御部C11は、車両制御機能を制限した状態を維持するように、機能制限解除の例外を設定することが可能である。
【0092】
ステップS85~S87では、ユーザ認証の一致により(S83-Yes)、機能制限が解除された車両1において、ユーザ以外の乗員が運転席に着座する場合の処理であり、ステップS88、S89は、ステップS83でユーザ認証が一致しない場合(S83-No)の処理である。
【0093】
ステップS85において、車両制御部C11は、認証したユーザとは異なる乗員が車両1の運転席に着座した回数を積算する。所定の頻度(所定の時間内に所定の回数)で認証したユーザとは異なる乗員が車両の運転席に着座した場合、すなわち、着座頻度が所定回数以上の場合(S86-Yes)、車両制御部C11は処理をステップS87に進める。
【0094】
一方、ステップS86の判定処理で、着座頻度が所定回数未満の場合(S86-No)、車両制御部C11は処理をステップS85に戻し、着座頻度の積算処理を繰り返す。
【0095】
ステップS85、S86の処理において、車両制御部C11は、認証したユーザとは異なる乗員が車両の運転席に最初に着座したタイミングを起算点として、所定時間の積算回数が所定回数以上か否かを判定する。所定時間の経過後に積算回数はリセットされる。この場合、車両制御部C11は、機能制限を解除した状態を維持する。
【0096】
一方、ステップS87では、車両制御部C11は、所定の頻度で認証したユーザとは異なる乗員が車両の運転席に着座した場合(S86-Yes)、解除情報に基づいて解除した車両の機能を再度制限する。すなわち、ステップS84で解除した車両1の機能制限(第2制御状態、第3制御状態)を再度設定する。
【0097】
また、ステップS83の認証処理において、ユーザ認証が一致しない場合(S83-No)、車両制御部C11は、処理をステップS88に進める。
【0098】
ステップS88において、車両制御部C11は、画像処理部C12の画像処理結果に基づいて取得された車内の画像情報に基づいて、認証したユーザが車両1の車内に乗車しているか否か判定する。車両制御部C11は、画像処理部C12の画像処理結果に基づいて、認証されたユーザが車両1の車内に乗車している判定し、車両1に乗車していない場合(S88-No)、機能制限を維持する(S80)。
【0099】
一方、ステップS88の判定処理で、車両制御部C11は、画像処理部C12の画像処理結果により、ユーザが、車両1の車室内に着座しているが、車両1の運転席に着座していないと判定する場合(S88-Yes)、処理をステップS89に進める。
【0100】
ステップS89において、車両制御部C11は、車両1の機能制限を解除するか否かを確認する確認メッセージを車内表示部に表示させる。車両制御C11は、確認メッセージに対する応答が入力部から入力されない場合(S89-No)、車両1の機能制限を維持し(S80)、確認メッセージに対する応答が入力部から入力された場合(S89-Yes)、処理をステップS84に進め、車両1の機能制限を解除する(S84)。
【0101】
尚、車両制御部C11は、車両の機能制限を解除する際に、解除の対象となり得る複数の制御機能項目を車両表示部に提示させ、複数の制御機能項目から選択された制御機能項目について、車両1の機能制限を解除するようにしてもよい。
【0102】
[第2実施形態]
第1実施形態では、情報端末装置TM、サーバSV、車両1を有する車両制御システムSTMの構成について説明したが、情報端末装置TMがサーバSVの機能構成を含んでもよい。例えば、サーバSVが有する情報所持部SV1、生成部SV2、情報処理部SV4を情報端末装置TM内に設けてもよい。
【0103】
この場合、ディーラに配置されている情報端末装置TMの表示制御部TM1が車両の特定機能の操作開始方法を含む操作方法を教示する第1コンテンツと、第1コンテンツにより教示済みである、車両のユーザに対して、特定機能の提供中に発生し得る事象に対応した操作方法を教示する第2コンテンツと、を表示部に表示するように表示制御を行い、判定部TM2が第2コンテンツの教示内容の視聴結果を、ユーザの入力に基づいて判定する。そして、情報端末装置TMにおける生成部SV2が判定部TM2の判定結果に基づいて、車両の特定機能の機能制限を解除するための解除情報を生成する。
【0104】
これにより、例えば、定期点検等でディーラに車両を持ち込んだユーザに対して、ディーラに配置されている情報端末装置TMの処理により、車両の特定機能の操作方法に関する教示を行い、操作方法の理解度が一定のレベルに到達したユーザの車両に対して、より高度な制御状態での車両制御を実行できるように機能制限を解除することが可能になる。
【0105】
[第3実施形態]
第1実施形態では、情報端末装置TM、サーバSV、車両1を有する車両制御システムSTMの構成について説明し、第2実施形態では、サーバSVが有する機能構成を情報端末装置TM内に設けるシステムについて説明したが、情報端末装置TM及びサーバSVの機能構成を車両1に設けてもよい。
【0106】
この場合、車両1の車両制御に関する処理を司るCPU(C1)は、機能構成として、情報端末装置TMの表示制御部TM1、判定部TM2、撮像処理部TM4、サーバSVの生成部SV2、情報処理部SV4を有し、CPU(C1)の制御の下に、各機能構成の処理を実行すればよい。
【0107】
車両1における表示制御部TM1は、車両1の表示装置92上に、車両1の特定機能の操作開始方法を含む操作方法を教示する第1コンテンツと、第1コンテンツにより教示済みである、車両のユーザに対して、特定機能の提供中に発生し得る事象に対応した操作方法を教示する第2コンテンツと、表示するように表示制御を行う。
【0108】
また、車両1における判定部TM2が第2コンテンツの教示内容の視聴結果を、ユーザの入力に基づいて判定し、車両1における生成部SV2が判定部TM2の判定結果に基づいて、車両の特定機能の機能制限を解除するための解除情報を生成する。
【0109】
車両1の車内モニタカメラ90は、情報端末装置TMの撮像部TM6として機能し、車両1の通信装置25a及びECU25は、外部との情報交換を行う通信部(情報端末装置TMの通信部TM3、サーバSVの通信部SV3)として機能することが可能である。また、サーバSVの情報保持部SV1を外部装置に設けておき、通信装置25a及びECU25が情報保持部SV1の情報を参照してもよい。
【0110】
これにより、車両1における表示装置92を用いて、車両1の特定機能の操作方法に関する教示を行い、操作方法の理解度が一定のレベルに到達したユーザの車両に対して、より高度な制御状態での車両制御を実行できるように機能制限を解除することが可能になる。
【0111】
[その他の実施形態]
以上、いくつかの好適な態様を例示したが、本発明はこれらの例に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、その一部が変更されてもよい。例えば、各実施形態の内容に、目的、用途等に応じて他の要素を組み合わせることも可能であるし、或る実施形態の内容に他の実施形態の内容の一部を組み合わせることも可能である。また、本明細書に記載された個々の用語は、本発明を説明する目的で用いられたものに過ぎず、本発明は、その用語の厳密な意味に限定されるものでないことは言うまでもなく、その均等物をも含みうる。
【0112】
また、各実施形態で説明された1以上の機能を実現するプログラムは、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給され、該システム又は装置のコンピュータにおける1以上のプロセッサは、このプログラムを読み出して実行することができる。このような態様によっても本発明は実現可能である。
【0113】
<実施形態のまとめ>
構成1.上記実施形態の車両制御システムは、車両(例えば、
図1の1)と、前記車両の操作方法を教示する複数のコンテンツを表示手段に提供可能な情報端末装置(例えば、
図1、
図2のTM)と、前記車両及び前記情報端末装置(TM)と通信可能なサーバ(例えば、
図1、
図3のSV)と、を有する車両制御システム(STM)であって、前記情報端末装置(TM)は、
前記車両の特定機能の操作開始方法を含む操作方法を教示する第1コンテンツと、前記第1コンテンツにより教示済みであり、かつ、前記サーバに登録されている前記車両のユーザに対して、前記特定機能の提供中に発生し得る事象に対応した操作方法を教示する第2コンテンツと、を前記表示手段に表示可能な表示制御手段(例えば、
図2のTM1)と、
前記第2コンテンツの視聴結果を、前記ユーザの入力に基づいて判定する判定手段(例えば、
図2のTM2)と、
前記判定手段の判定結果を前記サーバに送信する送信手段(例えば、
図2のTM3)と、を備え、
前記サーバ(SV)は、
前記判定手段の判定結果に基づいて、予め設定されている前記車両の前記特定機能の機能制限を解除するための解除情報を生成する生成手段(例えば、
図3のSV2)を備え、
前記車両(1)は、
ユーザを認証するための認証情報を取得する取得手段(例えば、
図4のC13)と、
前記認証情報に基づいて、前記ユーザの認証処理を行う車両制御手段(例えば、
図4のC11)と、
を備え、前記車両制御手段(C11)は、前記認証処理の結果と前記解除情報とに基づいて、前記特定機能の機能制限を解除する。
【0114】
構成1の車両制御システムによれば、車両の特定機能の操作方法に関する教示を行い、操作方法の理解度が一定のレベルに到達したユーザの車両に対して、より高度な制御状態での車両制御を実行できるように機能制限を解除することが可能になる。
【0115】
また、構成1の車両制御システムによれば、第1コンテンツにより特定機能を動作させるため操作方法を教示することができ、第2コンテンツにより特定機能の動作中に発生し得る事象に対応する操作方法を教示することが可能になる。
【0116】
構成2.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、前記サーバ(SV)は、前記車両と前記ユーザとを対応付けた情報を保持する情報保持手段(例えば、
図3のSV1)を更に備え、
前記表示制御手段(TM1)は、前記第1コンテンツにより教示済みの前記ユーザについて、
前記ユーザが前記サーバに登録されているか否かを判定し、前記サーバに登録されている前記ユーザに対して前記第2コンテンツの表示を許可し、
前記サーバに登録されていない前記ユーザに対して前記第2コンテンツの表示を制限する。
【0117】
構成2の車両制御システムによれば、過大な操作方法を1度に提供することを回避し、段階的にユーザに操作方法を教示することが可能になる。
【0118】
構成3.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、前記サーバ(SV)は、前記生成手段が生成した前記解除情報を出力する通信手段(例えば、
図3のSV3)を更に備え、
前記通信手段(SV3)は、前記解除情報を、前記サーバに登録されている前記車両、または、前記情報端末装置に送信する。
【0119】
構成4.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、前記解除情報には、前記ユーザを特定するための特定情報が含まれており、
前記車両制御手段(C11)は、前記取得手段で取得した認証情報と、前記解除情報に含まれている前記特定情報との比較に基づいたユーザの認証処理により、前記認証情報と前記特定情報とが一致する場合、前記解除情報に基づいて、前記特定機能の機能制限を解除する。
【0120】
構成3及び構成4の車両制御システムによれば、ユーザの認証処理により、認証情報と特定情報とが一致する場合、解除情報に基づいて、車両の機能制限を解除することが可能になる。
【0121】
構成5.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、前記車両制御手段(C11)は、
画像処理部(例えば、
図4のC12)の画像処理結果に基づいて、前記ユーザが前記車両の車内に乗車しているか判定し、前記車両に乗車していない場合、前記機能制限を維持する。
【0122】
構成5の車両制御システムによれば、認証したユーザが乗車していない場合、機能制限を維持することができる。すなわち、第1コンテンツ及び第2コンテンツによる教示をうけておらず、一定の理解度に到達していない乗員の運転に対しては、機能制限を維持することが可能になる。
【0123】
構成6.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、前記車両制御手段(C11)は、
前記画像処理結果により、前記ユーザが、前記車両の車室内に着座しているが、当該車両の運転席に着座していないと判定する場合、
前記特定機能の機能制限を解除するか否かを確認する確認メッセージを車内表示手段に表示させる。
【0124】
認証されたユーザは運転操作を直接行わないが、操作方法を運転者に教示する操作助言を行うことができる場合も生じ得る。構成6の車両制御システムによれば、ユーザが、車両の車室内に着座しているが、車両の運転席に着座していない場合、車両の機能制限を解除するか否かを確認する確認メッセージを事事前に表示することが可能になる。
【0125】
構成7.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、前記車両制御手段(C11)は、前記確認メッセージに対する応答が入力手段から入力されない場合、前記車両の機能制限を維持し、
前記確認メッセージに対する応答が前記入力手段から入力された場合、前記特定機能の機能制限を解除する。
【0126】
構成7の車両制御システムによれば、確認メッセージに対するユーザからの応答に基づいて、機能制限の維持または機能制限の解除を制御することが可能になる。
【0127】
構成8.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、前記車両制御手段(C11)は、前記ユーザとは異なる乗員が前記車両の運転席に着座した回数を積算し、所定の頻度で前記ユーザとは異なる乗員が前記車両の運転席に着座した場合、前記解除情報に基づいて解除した前記車両の機能を再度制限する。
【0128】
構成8の車両制御システムによれば、車両の使用態様によっては、不特定多数の乗員が車両に乗車する場合も生じるため、この場合には解除した車両の機能を再度制限することが可能になる。
【0129】
構成9.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、前記特定機能の機能制限を解除する際に、
前記車両が、予め登録した特定の位置から移動を開始する場合、若しくは、前記車両に生じた故障が検出された状態である場合に、前記車両制御手段(C11)は、前記車両の機能制限を維持する。
【0130】
構成9の車両制御システムによれば、定期点検や故障時の対応の場合には、車両の機能制限を維持することにより、再度の制限解除に要するユーザの負荷を低減することが可能になる。
【0131】
構成10.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、運転者による周辺監視及びハンドル把持が必要とされる第1制御状態と、前記運転者による周辺監視は必要とされ、前記運転者によるハンドル把持は必要とされない第2制御状態と、前記運転者による周辺監視及び前記運転者によるハンドル把持が必要とされない第3制御状態と、において、
前記車両制御手段(C11)は、前記特定機能が制限された状態で、
前記第1制御状態での車両制御を行うことが可能であり、前記第2制御状態及び第3制御状態での車両制御を制限する。
【0132】
構成11.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、前記車両制御手段(C11)は、前記特定機能の機能制限の解除により、前記第2制御状態及び第3制御状態での車両制御における機能制限を解除する。
【0133】
構成10及び構成11の車両制御システムによれば、車両制御機能に対応した操作方法に関する教示を行い、操作方法の理解度が一定のレベルに到達したユーザの車両に対して、より高度な制御状態での車両制御を実行できるように機能制限を解除することが可能になる。
【0134】
構成12.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、前記車両制御手段(C11)は、前記特定機能の機能制限を解除する際に、解除の対象となり得る複数の制御機能項目を車両表示手段に提示させ、
前記複数の制御機能項目から選択された制御機能項目について、前記特定機能の機能制限を解除する。
【0135】
構成12の車両制御システムによれば、一律に機能制限を解除せず、ユーザの運転嗜好に応じた機能制限解除の設定を行うことが可能になる。
【0136】
構成13.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、前記判定手段は、前記第2コンテンツの教示内容を確認するための確認情報を前記表示手段に提示させ、前記ユーザからの確認の結果が基準値以上か否かを判定し、
前記送信手段は、前記確認の結果が基準値以上と判定された場合、前記第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報を前記サーバに送信する。
【0137】
構成13の車両制御システムによれば、車両の特定機能に対応した操作方法に関する教示を行い、操作方法の理解度が一定のレベルに到達したユーザの車両に対して、より高度な制御状態での車両制御を実行できるように機能制限を解除することが可能になる。
【0138】
構成14.上記実施形態の車両制御システム(STM)であって、
前記情報端末装置は、
前記複数のコンテンツを視聴中のユーザの画像を撮像する撮像手段と、
前記撮像手段で撮像された画像を処理する撮像処理手段と、を更に備え、
前記撮像処理手段は、前記撮像手段で撮像された画像を処理することにより、前記ユーザの画像情報を取得し、
前記判定手段は、前記画像情報から取得した前記ユーザの覚醒度が所定の閾値以上となる場合、所定の覚醒度の下に前記ユーザが前記第2コンテンツを視聴したと判定し、
前記送信手段は、前記所定の覚醒度の下に前記コンテンツが視聴されたと判定された場合、前記第2コンテンツによる教示が終了したことを示す教示終了情報を前記サーバに送信する。
【0139】
構成14の車両制御システムによれば、車両の特定機能に対応した操作方法に関する教示を行い、所定の覚醒度の下に第2コンテンツを視聴したユーザの車両に対して、より高度な制御状態での車両制御を実行できるように機能制限を解除することが可能になる。
【0140】
構成15.上記実施形態の車両制御システムは、車両(例えば、
図1の1)と、前記車両の操作方法を教示する複数のコンテンツを表示手段に提供可能な情報端末装置(例えば、
図1、
図2のTM)と、を有する車両制御システム(STM)であって、前記情報端末装置(TM)は、
前記車両の特定機能の操作開始方法を含む操作方法を教示する第1コンテンツと、前記第1コンテンツにより教示済みであり、かつ、前記車両のユーザに対して、前記特定機能の提供中に発生し得る事象に対応した操作方法を教示する第2コンテンツと、を前記表示手段に表示可能な表示制御手段(例えば、
図2のTM1)と、
前記第2コンテンツの視聴結果を、前記ユーザの入力に基づいて判定する判定手段(例えば、
図2のTM2)と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、予め設定されている前記車両の前記特定機能の機能制限を解除するための解除情報を生成する生成手段(例えば、
図3のSV2)と、を備え、
前記車両(1)は、
ユーザを認証するための認証情報を取得する取得手段(例えば、
図4のC13)と、
前記認証情報に基づいて、前記ユーザの認証処理を行う車両制御手段(例えば、
図4のC11)と、
を備え、
前記車両制御手段(C11)は、前記認証処理の結果と前記解除情報とに基づいて、前記特定機能の機能制限を解除する。
【0141】
構成15の車両制御システムによれば、車両の特定機能の操作方法に関する教示を行い、操作方法の理解度が一定のレベルに到達したユーザの車両に対して、より高度な制御状態での車両制御を実行できるように機能制限を解除することが可能になる。
【0142】
16.上記実施形態の車両であって、
車両の特定機能の操作開始方法を含む操作方法を教示する第1コンテンツと、前記第1コンテンツにより教示済みである、前記車両のユーザに対して、前記特定機能の提供中に発生し得る事象に対応した操作方法を教示する第2コンテンツと、を表示手段に表示可能な表示制御手段(例えば、
図2のTM1)と、
前記第2コンテンツの教示内容の視聴結果を、前記ユーザの入力に基づいて判定する判定手段(例えば、
図2のTM2)と、
前記判定手段の判定結果に基づいて、予め設定されている前記車両の前記特定機能の機能制限を解除するための解除情報を生成する生成手段(例えば、
図3のSV2)と、
ユーザを認証するための認証情報を取得する取得手段(例えば、
図4のC13)と、
前記認証情報に基づいて、前記ユーザの認証処理を行う車両制御手段(例えば、
図4のC11)と、を備え、
前記車両制御手段(C11)は、前記認証処理の結果と前記解除情報とに基づいて、前記車両の前記特定機能の機能制限を解除する。
【0143】
構成16の車両によれば、車両の特定機能に対応した操作方法に関する教示を行い、操作方法の理解度が一定のレベルに到達したユーザの車両に対して、より高度な制御状態での車両制御を実行できるように機能制限を解除することが可能になる。
【0144】
本発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0145】
1:車両(自車両)、20:ECU、100:車両制御装置、42:ライダ、43:レーダ