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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】光学機器
(51)【国際特許分類】
   G02B 7/02 20210101AFI20221212BHJP
【FI】
G02B7/02 C
G02B7/02 A
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2019100231
(22)【出願日】2019-05-29
(65)【公開番号】P2020194104
(43)【公開日】2020-12-03
【審査請求日】2022-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110412
【弁理士】
【氏名又は名称】藤元 亮輔
(74)【代理人】
【識別番号】100104628
【弁理士】
【氏名又は名称】水本 敦也
(74)【代理人】
【識別番号】100121614
【弁理士】
【氏名又は名称】平山 倫也
(72)【発明者】
【氏名】小川 敏弘
【審査官】登丸 久寿
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-191070(JP,A)
【文献】特開2013-257498(JP,A)
【文献】特開2018-097228(JP,A)
【文献】国際公開第2018/012293(WO,A1)
【文献】特開2018-017779(JP,A)
【文献】特開2011-076672(JP,A)
【文献】特開平08-327869(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レンズを保持するレンズ保持部材と、
前記レンズ保持部材との間に第1の隙間が形成されるように配置され、第1の貫通孔部を有するベース部材と、
前記ベース部材に対する前記レンズ保持部材の位置調整を行うための調整手段と、
前記第1の貫通孔部の内周面に当接または近接するとともに前記第1の隙間内に突出して前記レンズ保持部材に当接または近接するシール部と、該シール部の内周において前記第1の貫通孔部と同方向に貫通する第2の貫通孔部とを有するシール部材と、
前記レンズ保持部材に固定され、前記第2の貫通孔部の内周面との間に第2の隙間が形成されるように前記第2の貫通孔部内に突出する突出部材と、
前記位置調整がなされた状態で前記突出部材を前記ベース部材に対して固定する接着剤とを有することを特徴とする光学機器。
【請求項2】
前記第1の隙間と前記第2の隙間の厚みは、前記位置調整における前記レンズ保持部材の移動を許容する寸法に設定されていることを特徴とする請求項1に記載の光学機器。
【請求項3】
前記第1および第2の貫通孔部の貫通方向において、前記シール部材の厚みが前記第1の隙間より大きく、かつ前記ベース部材の厚みより小さいことを特徴とする請求項1または2に記載の光学機器。
【請求項4】
前記突出部材は、前記第1および第2の貫通孔部の貫通方向において、前記シール部材より外側、かつ前記ベース部材の外面より内側の位置まで突出していることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の光学機器。
【請求項5】
前記第2の隙間内に配置され、前記位置調整がなされた状態で前記シール部材を前記突出部材に対して固定する第1の接着剤と、前記第1の貫通孔部の内周面と前記突出部材との間に配置され、前記位置調整がなされた状態で前記突出部材または前記シール部材を前記ベース部材に対して固定する第2の接着剤とをさらに有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の光学機器。
【請求項6】
前記第1の接着剤は、前記第2の接着剤よりも粘度が低い接着剤であることを特徴とする請求項5に記載の光学機器。
【請求項7】
前記第2の接着剤は、前記第1の接着剤よりも硬化時間が短い接着剤であることを特徴とする請求項5に記載の光学機器。
【請求項8】
前記第1の接着剤は、前記第2の接着剤よりも塗布量が少ないことを特徴とする請求項5に記載の光学機器。
【請求項9】
前記第1の接着剤は、前記第2の接着剤よりも硬化収縮が少ない接着剤であることを特徴とする請求項5に記載の光学機器。
【請求項10】
前記突出部材は、前記レンズ保持部材に締め込まれるねじ部を有することを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の光学機器。
【請求項11】
前記調整手段は、
光軸方向を長手方向とする直進溝部と、
前記直進溝部に嵌合する偏芯部材とにより構成され、
前記偏芯部材が回転されることにより、光軸に直交する方向における前記レンズ保持部材の位置調整を行うこと特徴とする請求項1から10のいずれか一項に記載の光学機器。
【請求項12】
前記調整手段は、
光軸回り方向を長手方向とする周溝部と、
前記周溝部に嵌合する偏芯部材とにより構成され、
前記偏芯部材が回転されることにより、光軸に対する倒れ方向における前記レンズ保持部材の位置調整を行うこと特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の光学機器。
【請求項13】
前記ベース部材を光軸方向に案内する案内筒と、
前記案内筒の外周に配置され、光軸回りで回転可能することにより前記ベース部材を前記光軸方向に移動させるカム筒とを有することを特徴とする請求項1から11のいずれか一項に記載の光学機器。
【請求項14】
前記第1および第2の貫通孔部の貫通方向において、前記シール部材の厚みが、前記ベース部材と前記案内筒との間の隙間より大きく、かつ前記案内筒と前記カム筒との間の隙間より大きいことを特徴とする請求項13に記載の光学機器。
【請求項15】
前記第1の貫通孔部内に前記シール部材を挿入するための貫通孔部として、前記案内筒は第3の貫通孔部を、前記カム筒は第4の貫通孔部をそれぞれ有し、
前記第1の貫通孔部の径よりも前記第3の貫通孔部の径が大きく、前記第3の貫通孔部の径よりも前記第4の貫通孔部の径が大きいことを特徴とする請求項13または14に記載の光学機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置調整後のレンズ保持部材を固定する機構を有する光学機器に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ、ビデオカメラおよび交換レンズ等の光学機器は、その組立工程において、複数のレンズのうち一部のレンズの位置を調整して、製造誤差や組立ばらつき等の影響を低減する調整機構を有することが多い。特許文献1には、ベース部材に形成された調整孔に嵌合する偏芯コロを、複数のレンズのうち一部のレンズを保持するレンズ保持枠に固定した調整機構が開示されている。位置調整後は偏芯コロと調整孔との間の隙間に接着剤を充填してこれを硬化させることで、位置調整後に変位しないようにレンズ保持枠を固定する。さらに特許文献1の調整機構では、偏芯コロの外周に係合したワッシャー状の接着板を偏芯コロと調整孔との間の隙間を塞ぐように配置することで、レンズ側への接着剤の漏れを防止している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-097228号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の調整機構では、厚みが薄い接着板が組立工程において偏芯コロと調整孔との間の隙間を通って光学機器の内部に脱落するおそれがある。また組立後に分解および再調整が必要となった場合には、一旦、偏芯コロと調整孔との間で硬化した接着剤を除去する必要あるが、わずかでも接着剤が残っているとその後のレンズ保持精度が悪化する。
【0005】
本発明は、接着剤の漏れを抑制する部材の取り扱いを容易とし、かつ分解時の作業性を向上させることができるようにした光学機器を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一側面としての光学機器は、レンズを保持するレンズ保持部材と、レンズ保持部材との間に第1の隙間が形成されるように配置され、第1の貫通孔部を有するベース部材と、ベース部材に対するレンズ保持部材の位置調整を行うための調整手段と、第1の貫通孔部の内周面に当接または近接するとともに第1の隙間内に突出してレンズ保持部材に当接または近接するシール部と、該シール部の内周において第1の貫通孔部と同方向に貫通する第2の貫通孔部とを有するシール部材と、レンズ保持部材に固定され、第2の貫通孔部の内周面との間に第2の隙間が形成されるように第2の貫通孔部内に突出する突出部材と、位置調整がなされた状態で突出部材をベース部材に対して固定する接着剤とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、位置調整されたレンズ保持部材を接着により強固に固定することができるとともに、接着剤の漏れを抑制するシール部材を容易に取り扱うことができ、かつ分解時の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】(a)実施例の交換レンズおよびデジタルカメラの正面斜視図および(b)背面斜視図。
図2】実施例の交換レンズおよびデジタルカメラの構成を示すブロック図。
図3】実施例の交換レンズ(繰り込み状態)の断面図。
図4】実施例の交換レンズ(繰り出し状態)の断面図。
図5】実施例の調整群ユニットの分解斜視図。
図6】実施例の調整群ユニットの正面図および径方向視図。
図7】実施例の接着固定部の断面図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。図1(a),(b)は、本発明の実施例である交換レンズ(光学機器)101と交換レンズ101が着脱可能に装着されるデジタルカメラ(以下、カメラ本体という)1の斜め前方および斜め後方から見たときの外観を示している。なお、本実施例では光学機器が交換レンズである場合について説明するが、レンズ一体型カメラであってもよい。
【0010】
以下の説明において、図1(a)に示すように交換レンズ101が収容する撮像光学系の光軸が延びる光軸方向をX軸方向とし、これに直交する方向をZ軸方向(水平方向)およびY軸方向(垂直方向)とする。以下、Z軸方向とY軸方向をまとめてZ/Y軸方向とも記す。また、Z軸回りの回転方向をピッチ(Pitch)方向とし、Y軸回りの回転方向をヨー(Yaw)方向とする。ピッチ方向とヨー方向(以下、まとめてピッチ/ヨー方向とも記す)は、互いに直交するZ軸とY軸である2軸回りでの回転方向である。
【0011】
カメラ本体1のうち前方(被写体側)から見て左側(後方から見て右側)の部分には、ユーザがカメラ本体1を手で把持するためのグリップ部2が設けられている。また、カメラ本体1の上面部には、電源操作部3が配置されている。カメラ本体1が電源オフ状態にあるときにユーザが電源操作部3をオン操作すると、カメラ本体1が電源オン状態となり撮像が可能となる。また、カメラ本体1が電源オン状態にあるときにユーザが電源操作部3をオフ操作すると、カメラ本体1が電源オフ状態になる。
【0012】
カメラ本体1の上面部には、モードダイアル4、レリーズボタン5およびアクセサリシュー6が設けられている。モードダイアル4をユーザが回転操作することで、撮像モードを切り替えることができる。撮像モードには、シャッタ速度や絞り値等の撮像条件をユーザが任意に設定可能なマニュアル静止画撮像モード、自動で適正な露光量が得られるオート静止画撮像モードおよび動画の撮像を行うための動画撮像モード等が含まれる。また、レリーズボタン5をユーザが半押し操作することで、オートフォーカスや自動露出制御等の撮像準備動作を指示することができ、全押し操作することで撮像を指示することができる。アクセサリシュー6には、不図示の外部フラッシュや外部ファインダ(EVF)等のアクセサリが脱着可能に装着される。また、カメラ本体1内には、交換レンズ101内の撮像光学系により形成される被写体像を光電変換(撮像)する撮像素子が設けられている。
【0013】
交換レンズ101は、レンズマウント102を介して、カメラ本体1に設けられたカメラマウント7に機械的および電気的に接続される。前述したように交換レンズ101内には、被写体からの光を結像させて被写体像を形成する撮像光学系が収容されている。交換レンズ101の外周には、ユーザ操作により光軸回りで回転可能なズーム操作環103が設けられている。ズーム操作環103の外周部には、ユーザが操作する際、手が滑ることがないようにローレット形状が設けられている。ズーム操作環103がユーザによって回転操作されると、撮像光学系を構成するズーム群がズーム操作環103の角度に対応した所定の光学位置へと移動する。こうしてユーザは、所望の画角での撮影が可能となる。
【0014】
図1(b)に示すように、カメラ本体1の背面には、背面操作部8と表示部9とが設けられている。背面操作部8は、様々な機能が割り当てられた複数のボタンやダイアルを含む。カメラ本体1の電源がON状態であり、静止画または動画撮像モードが設定されているとき、表示部9には、撮像素子により撮像されている被写体像のスルー画像が表示される。また、表示部9には、シャッタ速度や絞り値等の撮像条件を示す撮像パラメータが表示され、ユーザはその表示を見ながら背面操作部8を操作することによって、撮像パラメータの設定値を変更することが可能である。背面操作部8は、記録された撮像画像の再生を指示するための再生ボタンを含み、再生ボタンをユーザが操作することで、撮像画像が表示部9に再生表示される。
【0015】
図2は、交換レンズ101およびカメラ本体1の電気的および光学的な構成を示すブロック図である。カメラ本体1は、カメラ本体1と交換レンズ101に電力を供給する電源部10と、前述した電源操作部3、モードダイアル4、レリーズボタン5、背面操作部8および表示部9のタッチパネル機能を含む操作部11とを有する。カメラ本体1および交換レンズ101の全体のシステムとしての制御は、カメラ本体1に設けられたカメラ制御部12と交換レンズ101に設けられたレンズ制御部104とがお互いに連係することによって行われる。カメラ制御部12は、記憶部13に格納されているコンピュータプログラムを読み出して実行する。その際、カメラ制御部12は、レンズマウント102に設けられた電気接点105の通信端子を介して、レンズ制御部104と各種制御信号やデータ等の通信を行う。電気接点105は、前述した電源部10からの電力を交換レンズ101に供給する電源端子を含む。
【0016】
交換レンズ101が有する撮像光学系は、ズーム操作環103と連結し、光軸方向に移動して画角(焦点距離)を変更するレンズ群としてのズーム群200と、像振れを低減する防振素子としてのシフトレンズを含む防振群301とを有する。防振群301は、シフトレンズを光軸に対して直交するZ/Y軸方向に移動(シフト)させて像振れを低減する防振動作を行う。また、撮像光学系は、光量調節動作を行う絞り群321と、光軸方向に移動して焦点調節を行うフォーカスレンズを含むフォーカス群501を有する。さらに交換レンズ101は、防振群301を駆動してシフトレンズをシフトさせる防振駆動部302、絞り群321を駆動する絞り駆動部322およびフォーカス群501を駆動してフォーカスレンズを移動させるフォーカス駆動部502を有する。
【0017】
カメラ本体1は、シャッタユニット14、シャッタ駆動部15、撮像素子16、画像処理部17および前述したカメラ制御部12を有する。シャッタユニット14は、交換レンズ101内の撮像光学系で集光され、撮像素子16の露光量を制御する。撮像素子16は、撮像光学系により形成された被写体像を光電変換して撮像信号を出力する。画像処理部17は、撮像信号に対して各種画像処理を行って画像信号を生成する。表示部9は、画像処理部17から出力された画像信号(スルー画像)を表示したり、前述したように撮像パラメータを表示したり、記憶部13や不図示の記録媒体に記録された撮像画像を再生表示したりする。
【0018】
カメラ制御部12は、操作部11から受けた絞り値やシャッタ速度の設定値に応じて、絞り駆動部322およびシャッタ駆動部15を介して絞り群321およびシャッタユニット14の駆動を制御する。またカメラ制御部12は、操作部11(レリーズボタン5)における半押し操作に応じて、撮像準備動作として、フォーカス群501の駆動を制御する。オートフォーカスが行われる場合には、焦点検出部18は、画像処理部17で生成された画像信号をもとに、撮像素子16上に形成された被写体像の焦点状態を判定し、焦点信号を生成してカメラ制御部12に送信する。フォーカス駆動部502は、フォーカス群501の現在位置を検出し、レンズ制御部104を介して検出した位置をカメラ制御部12に送信する。カメラ制御部12は、被写体像の焦点状態とフォーカス群501の現在位置とを比較し、そのずれ量からフォーカス駆動量を算出してレンズ制御部104に送信する。レンズ制御部104は、フォーカス駆動部502を介してフォーカス群501を目標位置まで駆動して被写体に対する合焦状態を得る。
【0019】
また、自動露出制御が行われる場合には、カメラ制御部12は、画像処理部17で生成された輝度信号を受信して測光演算を行う。カメラ制御部12は、この測光演算結果に基づいて、操作部11(レリーズボタン5)における撮像指示操作(全押し操作)に応じて、絞り群321の駆動を制御する。さらにカメラ制御部12は、シャッタ駆動部15を介してシャッタユニット14の駆動を制御して撮像素子16を露光する。
【0020】
カメラ本体1は、ユーザによる手振れ等のカメラ振れを検出可能な振れ検出手段として、ピッチ振れ検出部19とヨー振れ検出部20を有する。ピッチ振れ検出部19とヨー振れ検出部20はそれぞれ、角速度センサ(振動ジャイロ)や角加速度センサを用いて、ピッチ方向およびヨー方向のカメラ振れを検出して振れ信号を出力する。カメラ制御部12は、ピッチ振れ検出部19からの振れ信号を用いて防振群(シフトレンズ)301のY軸方向でのシフト位置を算出する。同様にカメラ制御部12は、ヨー振れ検出部20からの振れ信号を用いてレンズ防振群301のZ軸方向でのシフト位置を算出する。そしてカメラ制御部12は、算出したピッチ/ヨー方向のシフト位置に応じて、防振群(シフトレンズ)301を目標位置に駆動する。これにより、露光中やスルー画像表示中の像振れを低減する防振動作が行われる。
【0021】
交換レンズ101は、撮像光学系の画角を変更するためのズーム操作環103と、そのズーム操作環103の角度を検出するズーム検出部106を有する。ズーム検出部106は、ユーザが操作するズーム操作環103の角度を絶対値として検出するものであり、抵抗式のリニアポテンショメータ等を用いて構成されている。ズーム検出部106によって検出された画角の情報は、レンズ制御部104に送信され、前述したカメラ制御部12による各種の制御に反映される。また、こうした各種情報の一部は、撮像画像とともに記憶部13や記録媒体に記録される。
【0022】
次に、図3図4を用いて、交換レンズ101とカメラ本体1における構成部品の位置関係について説明する。図3図4は、光軸を含むXY断面を示し、ズームのワイド(繰り込み)状態とテレ(繰り出し)状態を示している。これらの図には、撮像光学系の光軸を一点鎖線で示している。
【0023】
図3図4に示す撮像光学系は、図2に示したズーム群200として、第1のズーム群201、第2のズーム群202、第3のズーム群(絞り群321、調整群310および防振群301)204、第4のズーム群204、第5のズーム群(フォーカス群501)205および第6のズーム群206を有する。なおこの撮像光学系の構成は例であり、他の構成を有していてもよい。例えば、防振群301やフォーカス群501が第2のズーム群として機能するものであってもよい。また一部のレンズ群が移動可能ではなく、固定されていてもよい。
【0024】
調整群310は、1又は複数のレンズにより構成され、その位置が調整されて固定されることで撮像光学系の高い光学性能を実現する。すなわち、撮像光学系全体の光学性能を確認しながら、調整群310の位置を調整することで、撮像光学系の製造誤差や組立ばらつき等の影響を低減することができる。
【0025】
直進案内筒107は、不図示の固定筒を介してレンズマウント102に固定されている。直進案内筒107の外周面には、不図示のバヨネット爪が複数配置されている。カム筒108の内周面には、光軸回り方向(以下、周方向ともいう)に延びる不図示の周溝部が設けられている。またカム筒108は、ズーム操作環103と連結されており、ズーム操作環103が回転操作されると、バヨネット爪と周溝部との係合によって周方向に回転する。
【0026】
直進案内筒107には、各ズーム群の周方向での回転を阻止して光軸方向への直進を案内する直進案内溝部が形成されている。またカム筒108には、カム筒108の回転によって各ズーム群を光軸方向に移動させるカム溝部が設けられている。第1から第6のズーム群にはそれぞれカムフォロアが設けられており、各カムフォロアは対応する直進案内溝部とカム溝部とに係合している。ユーザがズーム操作環103を回転操作するとカム筒108が回転し、各ズーム群は直進案内溝部とカム溝部に係合するカムフォロアを介して光軸方向に移動する。
【0027】
図5を用いて、調整群310を含む調整群ユニット300の構成について説明する。以下の説明において、光軸に直交する方向をレンズ径方向という。調整群ユニット300は、調整群310を保持するレンズ保持部材としての調整群保持枠311と、ベース部材としての調整群移動筒312とを有する。調整群移動筒312は、カム筒108の内周に配置され、カム筒108の内周面に沿った円筒形状を有する。また調整群保持枠311は、調整群移動筒312の内周に配置され、調整群移動筒312の内周面に沿った円筒形状を有する。調整群移動筒312の内周面と調整群保持枠311の外周面との間には第1の隙間Aが形成されている。第1の隙間Aの厚みは、調整群保持枠311の調整群移動筒312に対するレンズ径方向での位置調整における移動を許容する寸法に設定されている。
【0028】
調整群移動筒312の外周面には、外周側から内周側に貫通した調整孔部(312a,312b)が周方向120°の間隔の3箇所に設けられている。各調整孔部は、光軸方向を長手方向とする直進溝部312aと周方向を長手方向とする周溝部312bとを対として有する。これら対の直進溝部312aと周溝部312bは、光軸方向において重なる位置であって周方向にて隣接する位置に並ぶように配置されている。直進溝部312aには、偏芯部材としての第1の偏芯コロ313が挿入され、周溝部312bには偏芯部材としての第2の偏芯コロ314が挿入されている。
【0029】
第1の偏芯コロ313と第2の偏芯コロ314はそれぞれ、第1の円筒部313a,314aと、該第1の円筒部313a,314aの中心に対して中心が偏芯した第2の円筒部313b,314bとを有する。第1の偏芯コロ313の第2の円筒部313bは、調整群移動筒312の直進溝部312aに嵌合し、第2の偏芯コロ314の第2の円筒部314bは、調整群移動筒312の周溝部312bに嵌合する。これら第1の偏芯コロ313と第2の偏芯コロ314は、調整群保持枠311に対してねじ318により固定される。各偏芯コロの第2の円筒部の上面には摺り割り部が形成されており、ドライバー等の工具を摺り割り部に係合させることで偏芯コロを回転させることができる。これにより、調整群保持枠311を移動させることが可能となる。
【0030】
具体的には、3つの第1の偏芯コロ313のうち1つを回転させると、調整群保持枠311を調整群移動筒312に対してレンズ径方向、すなわち光軸に対して平行移動(偏芯)する方向に移動させることができる。3つの第2の偏芯コロ314のうち1つを回転させると、調整群保持枠311のうち該第2の偏芯コロ314が取り付けられた部分を調整群移動筒312に対して光軸方向に移動させることができ、これにより調整群移動筒312を光軸に対して倒れる方向に移動させることができる。こうして、3つの第1の偏芯コロ313と3つの第2の偏芯コロ314とを回転させることで、調整群310の偏芯調整と倒れ調整を含む位置調整を行うことができる。
【0031】
調整群310の位置調整後は、シール部材315、突出部材316および接着剤317(図6および図7参照)が用いられて調整群保持枠311が調整群移動筒312に対して固定される。詳しくは後述するが、調整群移動筒312に形成された第1の貫通孔部312cの内周面にリング形状のシール部材315を嵌合させ、シール部材315の内周に挿入されて調整群保持枠311に固定された突出部材316を接着剤317によって調整群移動筒312に対して固定する。
【0032】
このような固定方法を採用する場合に、調整群移動筒312において第1の貫通孔部312cは、調整孔部(312a,312b)とは周方向にて異なる位相に形成されている。シール部材315と突出部材316は第1の貫通孔部312cに対して外周側から内周側に向けて挿入され、調整孔部とは離れた位置に配置される。接着剤317は第1の貫通孔部312c内に充填されるので、調整孔部や各偏芯コロに接着剤317が付着するおそれはほとんどない。このため、調整群ユニット300の組立後に分解や再組立・調整を行う場合であっても、調整孔部や各偏芯コロを清掃したりこれらから剥離しきれなかった接着剤317の残りの有無を確認したりする必要がないため、分解や再組立・調整を従来よりも容易に行うことができる。
【0033】
特許文献1等の従来の構成において分解を行う場合には、偏芯コロと調整孔部との隙間にて硬化している接着剤を剥離する必要があるが、レンズ保持部材の位置を決める偏芯コロと調整孔部との嵌合部に接着剤の一部が残っていると、レンズ保持部材の保持精度が悪化する。このため、単に接着剤を剥離するだけでなく、調整孔部の内周面や偏芯コロの外周面を清掃する必要があり、さらには作業者がそれぞれの面に接着剤の残留がないかを確認しなければならず、分解作業が煩雑である。
【0034】
図6および図7を用いて、第1の貫通孔部312c内からの接着剤317の漏れを防止する構成について説明する。図6および図7は、調整群310の位置調整がなされて撮像光学系の光学性能が確保された後に第1の貫通孔部312c(および後述する第2の貫通孔部315b)内に接着剤317が充填されて硬化した状態を示している。図6は前方およびレンズ径方向から見た調整群ユニット300とカム筒108を示し、図7は光軸方向から見た第1の貫通孔部312cの周辺(接着固定部)を拡大して示している。
【0035】
交換レンズ101は、落下等の衝撃が加わった場合や環境温度の変化により構成部品の膨張・収縮が生じた場合であっても、要求される光学性能を確保しなければならない。このため、組立工程における調整群保持枠311の位置調整の完了後、その位置がずれないように突出部材316を介して調整群保持枠311を調整群移動筒312に接着固定する。ただし、接着剤317が第1の貫通孔部312c内から調整群保持枠311と調整群移動筒312との間の第1の隙間Aを通って調整群310側に漏れる場合がある。この場合、調整群310を構成するレンズの表面や他の箇所に付着したり、未硬化のまま不要なガスを発生させたり、第1の貫通孔部312c内の接着剤317の量が不足して十分に接着強度が得られなかったりするおそれがある。
【0036】
このため、本実施例では、接着剤317が第1の隙間Aに漏れ出ることを防止するためにシール部材315を用いている。図5および図7に示すように、シール部材315は金属または樹脂により円筒形状に形成されており、その外周側にシール部315aを、内周側には第1の貫通孔部312cと同方向に貫通する第2の貫通孔部315bをそれぞれ有する。シール部315aの外周面は第1の貫通孔部312cの内周面に全周にわたって嵌合(当接または近接)する。このとき、第1の貫通孔部312cの内周面とシール部315aとの間には、製造誤差を考慮した嵌合ガタが必要であるが、それらの隙間は十分に少ない状態であるため、接着剤317が漏れ出ることはない。さらにシール部315aは第1の貫通孔部312cから第1の隙間A内に突出し、その下端面は調整群保持枠311の外周面に当接(密着)する。これにより、シール部材315は、第1および第2の貫通孔部312c,315bの内側空間と第1の隙間Aとをほぼ遮断する。このため、後に第1の貫通孔部312cおよび第2の貫通孔部315bに充填される接着剤317が第1の隙間Aに漏れ出ることを防止することができる。
【0037】
突出部材316は、上面316aおよび側面316bを有する頭部と雄ねじ部316cとを有するねじ部材である。突出部材316は、レンズ径方向外側から調整群移動筒312の第1の貫通孔部312cを通してシール部材315の第2の貫通孔部315b内に挿入され、雄ねじ部316cが調整群保持枠311に形成された雌ねじ部に締め込まれることで調整群保持枠311に固定される。突出部材316の頭部は、第2の貫通孔部315b内に突出し、さらに第2の貫通孔部315bからシール部材315よりもレンズ径方向外側まで突出して第1の貫通孔部312c内に位置する。すなわち、突出部材316は、シール部材315よりレンズ径方向の外側、かつ調整群移動筒312の外周面(外面)より内側の位置まで突出する。突出部材316の頭部の側面316bと第2の貫通孔部315bの内周面との間には第2の隙間Bが形成される。第2の隙間Bは、調整群保持枠311の位置調整における突出部材316のその径方向での移動を許容する寸法に設定されている。
【0038】
シール部材315は、調整群保持枠311の位置調整において調整群保持枠311および突出部材316がどの方向に移動しても、第1の貫通孔部312cの内周面と嵌合し、かつ調整群保持枠311の外周面に密着した状態を維持する。すなわち、第1および第2の貫通孔部312c,315bの内側空間と第1の隙間Aとが遮断された状態が維持される。このため、調整群保持枠311の位置調整後に第1および第2の貫通孔部312c,315b内に接着剤317を充填しても、それが第1の隙間Aに漏れ出ることが防止される。
【0039】
なお、前述したように第1の隙間A内に突出したシール部材315が常に調整群保持枠311に密着することが望ましい。しかし、第1の隙間A内に突出したシール部材315が調整群保持枠311に近接するだけでも接着剤317が第1および第2の貫通孔部312c,315bから第1の隙間Aに漏れ出ることを抑制する効果を期待できる。接着剤317の漏出は、接着剤317の粘度や塗布条件に依存するため、第1および第2の貫通孔部312c,315bの内側空間と第1の隙間Aとが完全に遮断されなくてもよい。
【0040】
レンズ径方向(第1および第2の貫通孔部312c,315bの貫通方向)において、シール部材315の厚みCは、第1の隙間Aより厚く、かつ調整群移動筒312の外周面から突出しないように調整群移動筒312の厚みDより薄く設定されている。さらに、シール部材315の厚みCは、調整群移動筒312と直進案内筒107との隙間より厚く、かつ直進案内筒107とカム筒108との隙間より厚い。前述した特許文献1にも開示されているように接着剤の漏出を防止するために厚みが薄い板部材を用いると、組立工程において該板部材がその周囲の隙間を通って交換レンズの内部に脱落したり、分解および再組立・調整時において接着剤を剥離する際に該板部材が変形したりするおそれがある。これに対して、本実施例のように第1の隙間Aより厚い厚みCを有するシール部材315を用いることで、前述した不具合の発生を回避することができる。
【0041】
直進案内筒107には、周方向における第1の貫通孔部312cと同位相に第3の貫通孔部107aが形成されている。またカム筒108にも、第1の貫通孔部312cおよび第3の貫通孔部107aと同位相に第4の貫通孔部108aが形成されている。第3の貫通孔部107aの径は第1の貫通孔部312cの径よりも大きく、第4の貫通孔部108aの径は第3の貫通孔部107aの径よりも大きい。すなわち、レンズ径方向外側ほど貫通孔部の径が大きく設定されている。これは、組立工程において調整群移動筒312、直進案内筒107およびカム筒108間に周方向および光軸方向に多少の位置ずれが生じている場合でも、容易にシール部材315を第1の貫通孔部312cに挿入することができ、組立作業性が向上するようにするためである。
【0042】
突出部材316の頭部は、レンズ径方向において、その上面部316aがシール部材315よりも外側に突出し、かつ調整群移動筒312の外周面からは突出しない高さとなるように形成されている。上面部316aには、ドライバー等の工具と嵌合可能な十字穴形状が形成されており、接着剤317が誤ってこの十字穴形状に付着しないように側面部316bに沿って充填される。また、突出部材316を雄ねじ部316cを調整群保持枠311の雌ねじ部に締め込んで固定する構成を採用しているので、分解時に締め込みを緩めて突出部材316を調整群保持枠311から取り外した後でも再利用することが可能である。さらに、締め込みを緩める際に突出部材316を接着剤317を引き剥がす方向に回転させるために分解作業をより容易とすることができる。
【0043】
本実施例では、図7に示すように、接着剤317として、第1の接着剤317aと第2の接着剤317bを使用する。まず第2の隙間Bに第1の接着剤317aを充填して硬化させて第1の接着層を形成した後、第1の貫通孔部312cの内周面と突出部材316の頭部の側面316bとの間の空間に第2の接着剤317bを充填して硬化させて第2の接着層を形成する。突出部材316とシール部材315との間の第2の隙間Bは狭いので、落下等の衝撃が加わったり環境温度変化によって周囲の構成部品に膨張・収縮が生じたりした場合でも第1の接着剤317aの変形量は小さい。これにより、突出部材316(すなわち調整群保持枠311)をシール部材315を介して調整群移動筒312に対して強固に固定することができる。しかし、第1の接着剤317aの粘度が高いと、第2の隙間B内に上手く充填できないことがある。また、前述したように第1の貫通孔部312cの内周面とシール部材315との間には、製造誤差を考慮した嵌合ガタが設けられているため、突出部材316とシール部材315とを固定しただけの状態では、まだ調整群保持枠311がわずかに変位するおそれがある。そこで、第1の接着剤317aの他に、第2の接着剤317bを用いて第2の接着層を設けることで、第1の貫通孔部312cの内周面とシール部材315とを接着するとともに、第1の貫通孔部312cの内周面と突出部材316の頭部の側面316bとを接着している。このため、調整群保持枠311を調整群移動筒312に対して、より強固に高精度に固定することが可能となっている。
【0044】
また、第1の接着剤317aと第2の接着剤317bは互いに同じ接着剤でもよいが、互いに種類(粘度や硬化時間等)が異なる接着剤であってもよい。この場合に、例えば第2の接着剤317bとして硬化に時間を要する接着剤を選定すると、その後の組立工程において硬化しきっていない第2の接着剤317bが第1の貫通孔部312cから流れ出して直進案内筒107等に付着するおそれがある。このため、第1の接着剤317aとしては第2の接着剤317bよりも粘度が低いものを採用し、第2の接着剤317bとしては第1の接着剤317aよりも硬化時間が短い紫外線硬化性の接着剤等を採用するとよい。
【0045】
一方、第1の接着剤317aと第2の接着剤317bは、それぞれ硬化に際して収縮する特性を有している。特に、第2の接着剤317bは、第1の貫通孔部312cの内周面と突出部材316の頭部の側面316bとの間の比較的広い空間に充填されるため、硬化収縮の影響を受けやすい。このため、例えば第1の接着剤317aを充填することなく、第2の接着剤317bのみで調整群保持枠311を固定しようとすると、硬化収縮の影響により調整群保持枠311の位置が大きくずれることがある。
【0046】
そこで、本実施例では、まず先に突出部材316とシール部材315との間の第2の隙間Bに第1の接着剤317aを充填して硬化させ、第1の接着層を形成する。前述したように、第2の隙間Bは比較的狭く、必要となる塗布量も少ないことから、第1の接着剤317aは硬化収縮の影響を受けにくく、調整群保持枠311を高精度に固定することが可能である。その後、第1の貫通孔部312cの内周面と突出部材316の頭部の側面316bとの間の空間に第2の接着剤317bを充填して硬化させることで、第2の接着層を形成する。このとき、調整群保持枠311は既に第1の接着層により固定されているため、第2の接着剤317bが硬化収縮したとしても調整群保持枠311が大きくずれることはない。
【0047】
さらに、第1の接着剤317aと第2の接着剤317bとの硬化収縮の特性を異ならせてもよい。一般に、硬化収縮の少ない接着剤は高価であったり、取り扱いが煩雑であったりするが、第1の接着剤317aとして採用すれば、比較的塗布量が少なく、調整群保持枠311を高精度に固定する目的においてより好ましい。逆に、硬化収縮の大きい接着剤は安価で取り扱いが容易であるため、第2の接着剤317bとして採用すればよい。なお、図7では、第2の接着剤317bが第1の貫通孔部312cの内周面と突出部材316の頭部の側面316bとを全周にわたって接着する構成が示されているが、必ずしも全周にわたって接着する必要はない。例えば、第1の接着剤317aが突出部材316とシール部材315との互いの一部を接着し、第2の接着剤317bがシール部材315と調整群移動筒312との互いの一部を接着するものであってもよい。このとき、調整群保持枠311は、突出部材316とシール部材315とを介して、間接的に調整群移動筒312に対して固定されることになる。仮にシール部材315の剛性が低いと、落下等の衝撃が加わった場合の変形に対しては不利になるものの、硬化収縮の影響を受けにくいため、調整群310の重量が軽い場合等に有効である。
【0048】
以上説明したように、本実施例によれば、調整群移動筒312に対して調整群保持枠311の位置調整を行う調整部と接着による固定を行う接着固定部とを別々に設け、かつ互いに離れた位置に配置することで、調整部への接着剤の付着を避けることができる。これにより、分解および再組立・調整時に接着剤317の一部が第2の貫通孔部315bの内周に残留していても、調整群保持枠311の保持精度には影響がない。また、シール部材315の厚みが第1の隙間Aより厚いので、シール部材315が第1の隙間Aを通って脱落することがなく、接着剤を剥離する際に変形し難い。したがって、本実施例によれば、位置調整された調整群保持枠311を接着により強固に固定することができるとともに、接着剤の漏れを抑制するシール部材を容易に取り扱うことができ、かつ分解時の作業性を向上させることができる。
【0049】
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
【符号の説明】
【0050】
101 交換レンズ
300 調整群ユニット
310 調整群
311 調整群保持枠
312 調整群移動筒
312a 直進溝部
312b 周溝部
312c 第1の貫通孔部
313 第1の偏芯コロ
314 第2の偏芯コロ
315 シール部材
315a シール部
315b 第2の貫通孔部
316 突出部材
317 接着剤
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7