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特許7191815電子ベイピング装置の気化器および気化器を形成する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】電子ベイピング装置の気化器および気化器を形成する方法
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/46 20200101AFI20221212BHJP
   A24F 47/00 20200101ALI20221212BHJP
   H05B 3/16 20060101ALI20221212BHJP
   H05B 3/26 20060101ALI20221212BHJP
   H05B 3/34 20060101ALI20221212BHJP
   H05B 3/48 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
A24F40/46
A24F47/00
H05B3/16
H05B3/26
H05B3/34
H05B3/48
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2019507085
(86)(22)【出願日】2017-08-08
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-10-03
(86)【国際出願番号】 EP2017070108
(87)【国際公開番号】W WO2018029210
(87)【国際公開日】2018-02-15
【審査請求日】2020-08-05
(31)【優先権主張番号】15/235,315
(32)【優先日】2016-08-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100141553
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 信彦
(72)【発明者】
【氏名】ロスタミ アリ エイ
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第204796739(CN,U)
【文献】特表2015-500025(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105310114(CN,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0164143(US,A1)
【文献】特表2012-517229(JP,A)
【文献】国際公開第2016/118005(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F40/00-47/00
H05B 3/00- 3/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子ベイピング装置の気化器を形成する方法であって、前記方法が、
多孔性材料を発熱体の少なくとも一つの表面に吹き付ける、浸漬する、又は付着することのうちの少なくとも一つによって発熱体の少なくとも一つの表面に多孔性材料を塗布してその上に被覆を形成する工程を含み、前記発熱体が導電性材料で形成され、前記被覆が約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの範囲の厚さを有し、前記多孔性材料が、セルロースを含み、約50パーセント~約80パーセントの範囲の空隙率を有し、乾燥時に可撓性である、方法。
【請求項2】
前記多孔性材料が親水性材料である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の方法であって、前記塗布工程が、
前記発熱体を、前記多孔性材料を含むスラリー中で浸漬する工程を含む、方法。
【請求項4】
前記発熱体を約100°F~約500°Fの温度で乾燥させる工程をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項5】
前記スラリーが約50パーセント~約99パーセントの前記多孔性材料を含む、請求項またはに記載の方法。
【請求項6】
前記塗布工程が、
前記発熱体に前記多孔性材料を含む組成物を吹き付ける工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項7】
前記発熱体を乾燥させる工程をさらに含む、請求項に記載の方法。
【請求項8】
前記塗布工程が、
前記発熱体の少なくとも一つの表面に前記多孔性材料を付着させる工程を含む、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項9】
前記塗布工程前に前記発熱体を成形する工程をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記塗布工程後に前記発熱体を成形する工程をさらに含む、請求項1~のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
電子ベイピング装置のカートリッジであって、
長軸方向に延びるハウジングと、
前記ハウジング内の貯蔵部であって、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された前記貯蔵部と、
前記ハウジング内の気化器であって、
導電性材料で形成された発熱体と、
前記ヒーター発熱体の少なくとも一つの表面上の多孔性材料の被覆とを含み、前記被覆が約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの範囲の厚さを有し、前記多孔性材料が、セルロースを含み、約50パーセント~約80パーセントの範囲の空隙率を有し、乾燥時に可撓性である、前記気化器と、
前記貯蔵部と気化器の間にある吸収剤材料であって、前記プレベイパー製剤を前記貯蔵部から前記気化器の前記被覆に運ぶように構成された前記吸収剤材料とを含む、カートリッジ。
【請求項12】
前記多孔性材料が親水性材料であ、請求項11に記載のカートリッジ。
【請求項13】
前記発熱体がコイル、ワイヤー、プレート、型打ちしたプレート、らせん、チューブ、巻き上がったヒーター、バー、およびディスクのうちの一つ以上の形態である、請求項11又は12に記載のカートリッジ。
【請求項14】
電子ベイピング装置であって、
長軸方向に延びるハウジングと、
前記ハウジング内の貯蔵部であって、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された前記貯蔵部と、
前記ハウジング内の気化器であって、
導電性材料で形成された発熱体と、
前記発熱体の少なくとも一つの表面上の多孔性材料の被覆とを含み、前記被覆が約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの範囲の厚さを有し、前記多孔性材料が、セルロースを含み、約50パーセント~約80パーセントの範囲の空隙率を有し、乾燥時に可撓性である、前記気化器と、
前記貯蔵部と気化器の間にある吸収剤材料であって、前記プレベイパー製剤を前記貯蔵部から前記気化器の前記被覆に運ぶように構成されている前記吸収剤材料と、
前記ハウジング内の電源であって、前記発熱体に電気的に接続可能な前記電源とを含む、装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、電子ベイピング装置またはeベイピング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
eベイピング装置は、プレベイパー製剤を気化して「ベイパー(蒸気)」を生成するヒーター要素を含む。
【0003】
eベイピング装置は、装置内に配置された電源(再充電可能電池など)を含む。電池はヒーターに電気的に接続され、これによってヒーターはプレベイパー製剤をベイパーに変えるのに十分な温度まで加熱する。ベイパーは、少なくとも一つの出口を含むマウスピースを通って、eベイピング装置から出る。
【発明の概要】
【0004】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置の気化器を形成する方法に関する。
【0005】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置の気化器を形成する方法は、発熱体の少なくとも一つの表面に多孔性材料を塗布してその上に被覆を形成する工程を含み、発熱体は導電性材料で形成されている。
【0006】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、多孔性材料は約50パーセント~約80パーセントの範囲の空隙率を有する。多孔性材料は乾燥時に可撓性である。多孔性材料は親水性材料である。多孔性材料はセラミックおよびセルロースのうちの少なくとも一つを含む。
【0007】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、被覆は約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの範囲の厚さを有する。
【0008】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、塗布工程は、多孔性材料を含むスラリーに発熱体を浸漬する工程を含む。少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法は約100°F~約500°Fの温度で発熱体を乾燥させる工程を含む。スラリーは約50パーセント~約99パーセントの多孔性材料を含む。
【0009】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、塗布工程は、多孔性材料を含む組成物を発熱体に吹き付ける工程を含む。方法は、発熱体を乾燥させる工程を含んでもよい。
【0010】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、塗布工程は、発熱体の少なくとも一つの表面に多孔性材料を付着させる工程を含む。
【0011】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法は、塗布工程前に発熱体を成形する工程を含む。
【0012】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法は、塗布工程後に発熱体を成形する工程を含む。
【0013】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置のカートリッジに関する。
【0014】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置の少なくとも一つのカートリッジは、長軸方向に延びるハウジングと、ハウジング内の貯蔵部であって、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部と、ハウジング内の気化器と、貯蔵部と気化器の間にある吸収剤材料とを含む。気化器は、導電性材料で形成された発熱体と、ヒーター発熱体の少なくとも一つの表面上の多孔性材料の被覆とを含む。吸収剤材料は、プレベイパー製剤を貯蔵部から気化器の被覆に運ぶように構成されている。
【0015】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、多孔性材料は約50パーセント~約80パーセントの範囲の空隙率を有する。多孔性材料は乾燥時に可撓性である。多孔性材料は親水性材料であり、かつセラミックおよびセルロースのうちの少なくとも一つを含む。
【0016】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体は、コイル、ワイヤー、プレート、型打ちしたプレート、らせん、チューブ、巻き上がったヒーター、バー、およびディスクのうちの一つ以上の形態である。
【0017】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、被覆は約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートルの範囲の厚さを有する。
【0018】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、電子ベイピング装置に関する。
【0019】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電子ベイピング装置は、長軸方向に延びるハウジングと、ハウジング内の貯蔵部であって、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部と、ハウジング内の気化器と、貯蔵部と気化器の間の吸収剤材料と、ハウジング内の電源であって、発熱体に電気的に接続可能な電源とを含む。気化器は、導電性材料で形成された発熱体と、発熱体の少なくとも一つの表面上の多孔性材料の被覆とを含む。吸収剤材料は、プレベイパー製剤を貯蔵部から気化器の被覆に運ぶように構成されている。
【0020】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになるはずである。添付の図面は単に図示の目的のために提供され、特許請求の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明示的に注記されていない限り、実寸に比例して描かれていると考えられるべきでない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1図1は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるeベイピング装置の側面図である。
図2図2は、少なくとも一つの例示的な実施形態による図1のeベイピング装置の線II~IIに沿った断面図である。
図3図3は、少なくとも一つの例示的な実施形態による図2のeベイピング装置の気化器の拡大断面図である。
図4図4は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器の図である。
図5図5は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器および吸収剤材料の図である。
図6図6は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器および吸収剤材料の図である。
図7図7は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器および吸収剤材料の図である。
図8図8は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器および吸収剤材料の図である。
図9図9は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器を形成する方法の図表である。
図10図10は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器を形成する方法の図表である。
図11図11は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器を形成する方法の図表である。
図12図12は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器を形成する方法の図表である。
図13図13は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器を形成する方法の図表である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
幾つかの詳細な例示的な実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造面および機能面の詳細は、例示的な実施形態を説明することを目的とした単なる典型にすぎない。しかしながら、例示的な実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されることができ、本明細書に記載の例示的な実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0023】
従って、例示的な実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その例示的な実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に説明される。しかし当然のことながら、開示された特定の形態に対する例示的な実施形態に限定する意図はなく、反対に、例示的な実施形態は、例示的な実施形態の範囲の中に収まるあらゆる修正、均等物、代替物が網羅される。同様の数字は、図の説明の全体を通して同様の要素を指す。
【0024】
当然のことながら、要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接ある、それに直接的に接続される、それに直接的に連結される、またはそれを直接的に覆う場合があり、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素もしくは層「の上に直接ある」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。
【0025】
当然のことながら、第一の、第二の、第三のなどの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、またはセクションを記述するために本明細書で使用されてもよいが、これらの要素、構成要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されない。これらの用語は、ある一つの要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。従って、下記で考察される第一の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0026】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で図示する際に、一つの要素または特徴と他の要素または特徴との間の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に図示されている方向に加えて、使用時または動作時に装置の異なる方向を包含することが意図されていると理解されるべきである。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、「下方に」という用語は上方および下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は、別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きが決められる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0027】
本明細書で使用される用語は、様々な例示的な実施形態を説明する目的のみのものであり、例示的な実施形態の制限を意図しない。本明細書で使用される単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は複数形も含むことが意図されているが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合は、その限りではない。「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は本明細書で使用される時、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、または構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、またはこれらの群の存在または追加を除外しないことがさらに理解されるであろう。
【0028】
例示的な実施形態は、例示的な実施形態の理想的な実施形態の概略図(および中間構造)である断面図を参照して本明細書で説明される。このように、例えば製造技法または公差の結果としてもたらされた図の形状からの変形が予想される。従って、例示的な実施形態は、本明細書に図示された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば製造の結果としてもたらされる形状の逸脱を含むものである。
【0029】
その他の方法で定義されない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示的な実施形態が属する当該技術分野の当業者が通常理解しているものと同じ意味を有する。用語(一般的に使用されている辞書で定義された用語を含む)は、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されないが、本明細書で明示的にそのように定義されている場合はその限りではないことがさらに理解されるであろう。
【0030】
図1は、少なくとも一つの例示的な実施形態によるeベイピング装置の側面図である。
【0031】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図1に示す通り、電子ベイピング装置(eベイピング装置)10は、交換可能なカートリッジ(または第一のセクション)15および再利用可能な電池セクション(または第二のセクション)20を含んでもよく、これらは、ねじ付きコネクター25でまとめて連結されうる。当然のことながら、コネクター25は、滑り嵌め、戻り止め、クランプ、差込みピン、または留め金のうちの少なくとも一つなどの、任意のタイプのコネクターであってもよい。空気吸込み口55は、コネクター25の一部分を通って延在する。
【0032】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、コネクター25は米国出願第15/154,439号(2016年5月13日出願)に記載されているコネクターでもよく、その内容全体を参照することによって本明細書に組み込む。米国出願第15/154,439号に記載の通り、コネクター25は深絞り加工処理によって形成されうる。
【0033】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション15は第一のハウジング30を含んでもよく、また第二のセクション20は第二のハウジング30’を含んでもよい。eベイピング装置10は、第一の端で口側端インサート35を含む。
【0034】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のハウジング30および第二のハウジング30’は、概して円筒状の断面を有する。その他の例示的な実施形態において、ハウジング30および30’は、第一のセクション15および第二のセクション20のうちの一つ以上に沿う概して三角形の断面を有しうる。その上、ハウジング30および30’は、同一もしくは異なる断面形状、または同一もしくは異なるサイズを有しうる。本明細書で考察した通り、ハウジング30、30’はまた、外側またはメインのハウジングと呼ばれうる。
【0035】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10は、eベイピング装置10の第二の端50でエンドキャップ40を含みうる。eベイピング装置10はまた、エンドキャップ40とeベイピング装置10の第一の端45との間にライト60を含む。
【0036】
図2は、図1のeベイピング装置の線II~IIに沿った断面図である。
【0037】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図2に示す通り、第一のセクション15は、プレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵部95と、プレベイパー製剤を気化しうる気化器80とを含みうる。気化器80は、発熱体85と、発熱体85の少なくとも一つの表面上の多孔性材料90の少なくとも一つの被覆とを含む。多孔性材料90は、貯蔵部95からプレベイパー製剤を引き出しうる。eベイピング装置10は、2013年1月31日に出願された米国特許出願公開第2013/0192623号(Tucker他)、および2016年4月22日に出願された米国特許出願第15/135,930号(Holtz他)のうちの少なくとも一つに記載の特徴を含むことができ、そのそれぞれの全内容が参照によって本明細書に組み込まれる。他の例示的な実施形態において、eベイピング装置は、米国特許出願第15/135,923号(2016年4月22日出願)、および米国特許第9,289,014号(2016年3月22日交付)のうちの少なくとも一つに記載の特徴を含むことができ、そのそれぞれの全内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0038】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、プレベイパー製剤は、ベイパーへと変化しうる材料または材料の組み合わせである。例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶剤、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然風味または人工風味、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、ならびにこれらの組み合わせ(ただしこれらに限定されない)を含む、液体製剤、固体製剤、またはゲル製剤のうちの少なくとも一つであってもよい。
【0039】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション15は、長手方向に延在するハウジング30と、ハウジング30の中に同軸に位置付けられた内側管(またはチムニー)70とを含んでもよい。
【0040】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のコネクター部品155は、第一のセクション15と第二のセクション20の間の接続を達成するように、オスねじ付きセクションを含んでもよい。
【0041】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも二つの空気吸込み口55はハウジング30内に含まれうる。別の方法として、単一の空気吸込み口55は、ハウジング30内に含まれうる。こうした配置は、第一のコネクター部品155の存在による塞がりなく、空気吸込み口55をコネクター25の近くに定置することを可能にする。この配置はまた、空気吸込み口55の領域を強化して、空気吸込み口55の精密なドリル加工を容易にしうる。
【0042】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口55は、外側ハウジング30の代わりにコネクター25内に提供されうる。その他の例示的な実施形態において、コネクター25はねじ部分を含まなくてもよい。
【0043】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、少なくとも一つの空気吸込み口55は、成人ベイパー吸引者の指がポートのうちの一つを塞ぐ可能性を最小限にするために、およびベイピング中の引き出し抵抗(RTD)を制御するために、コネクター25に隣接してハウジング30内に形成されうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口55は、それらの直径が製造中に正確に制御されて、一つのeベイピング装置10から次のものへと複製されるように、精密な工具を用いてハウジング30内に機械加工されうる。
【0044】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、空気吸込み口55は、eベイピング装置10が約60ミリメートル水柱~約150ミリメートル水柱の範囲内の引き出し抵抗(RTD)を有するようにサイズが決められ、かつ構成されてもよい。
【0045】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、下流ガスケット65のノーズ部分110は、内側管70の第一の端部分105に嵌合されうる。ガスケット65の外周は、ハウジング30の内部表面125との実質的な気密シールを提供しうる。ガスケット65は、内側管70の内部通路120と口側端インサート35の内側との間に配置された中央チャネル115を含んでもよく、これは内部通路120から口側端インサート35にベイパーを移動してもよい。口側端インサート35は少なくとも二つの出口100を含み、これらはeベイピング装置10の長軸方向軸の軸から離れて位置してもよい。出口100は、eベイピング装置10の長軸方向軸に対して、外向きに角度付けられてもよい。出口100は、ベイパーを実質的に均一に分配するように、口側端インサート35の周囲に実質的に均一に分配されてもよい。
【0046】
吸収剤材料205は、内側チューブ70の第二の端を囲む。吸収剤材料205は、貫通する中央チャネル210を有するディスクの形態である。中央のチャネル210は、内側管70の内側通路120と流体連通している。吸収剤材料205は、内側チューブとハウジング30の内部表面125との間を滑り嵌めで嵌合するようにサイズが決められ、かつ構成されている。
【0047】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、ガスケット65と、吸収剤材料205と、ハウジング30と、内側管70との間に画定された空間は、貯蔵部95の閉鎖空間を確立してもよい。貯蔵部95は、プレベイパー製剤を含んでもよく、またプレベイパー製剤を貯蔵するように構成された貯蔵媒体(図示せず)を随意に含んでもよい。貯蔵媒体は、コットンガーゼまたは他の繊維状材料を内側管70を中心として巻いたものを含んでもよい。
【0048】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部95は、内部通路120を少なくとも部分的に囲みうる。
【0049】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10が少なくとも約200秒間のベイピング用に構成されうるように、貯蔵部95は十分なプレベイパー製剤を保持するようにサイズが決められ、かつ構成されてもよい。さらに、eベイピング装置10は、毎回の吸煙が最大約5秒間継続することを可能にするように構成されてもよい。
【0050】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵媒体は綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つを含む繊維質材料であってもよい。繊維は、約6マイクロメートル~約15マイクロメートル(例えば、約8マイクロメートル~約12マイクロメートル、または約9マイクロメートル~約11マイクロメートル)のサイズの範囲である直径を有してもよい。貯蔵媒体は、焼結材料、多孔性材料、または発泡性材料であってもよい。また、繊維は吸入できないようにサイズが決められてもよく、またY字形状、十字形状、クローバー形状、または任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、貯蔵部95は、いかなる貯蔵媒体も含まず、プレベイパー製剤のみを収容する充填されたタンクを含んでもよい。
【0051】
ベイピング中、プレベイパー製剤は、発熱体85に被覆された吸収剤材料205および多孔性材料90の毛細管作用によって、貯蔵部95、または記憶媒体、または両方から発熱体85の近傍に移動されうる。
【0052】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、吸収剤材料205、または多孔性材料90、または両方は、任意の適切な材料または材料の組み合わせを含む。適切な材料の例は、紙系、セルロース系、ガラス系、セラミック系またはグラファイト系の材料であってもよいが、これらに限定されない。吸収剤材料205、または多孔性材料90、または両方は、密度、粘性、表面張力および蒸気圧といった異なる物理特性を有するプレベイパー製剤に適応するように、適切な任意の毛細管引き出し作用を有する場合がある。ガラス系の材料は繊維、またはビーズ、または両方の形態でもよい。吸収剤材料205、または多孔性材料90、または両方は、非導電性でもよい。
【0053】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、多孔性材料90は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、二酸化シリコン、石英、およびその組み合わせを含みうる。
【0054】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、吸収剤材料205、または多孔性材料90、または両方は、プレベイパー製剤で飽和された時に、多孔性材料90が構造的完全性を緩めないように選択される。吸収剤材料205、または多孔性材料90、または両方は親水性としうる。
【0055】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、多孔性材料90は、少なくとも約50パーセント(例えば、少なくとも約60パーセント、少なくとも約70パーセント、少なくとも約80パーセント、少なくとも約90パーセント、または少なくとも約95パーセント)の空隙率を有する。空隙率が低いと、熱的遅延およびエネルギー効率を向上させる、より大きな固形の塊をワイヤー上に必要とする。多孔性材料90は実質的に、最高約500℃(例えば、最高約450℃、最高約400℃、最高約350℃、または最高約300℃)までの耐熱性がある。
【0056】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、多孔性材料90は、下記にさらに考察する通り、多孔性材料90を発熱体85の少なくとも一つの表面に吹き付ける、浸漬する、または付着することのうちの少なくとも一つによって、発熱体85上に被覆される。多孔性材料90の被覆は、約0.5ミリメートル~約1.0ミリメートル(例えば、約0.6ミリメートル~約0.9ミリメートルまたは約0.7ミリメートル~約0.8ミリメートル)の厚さを有しうる。多孔性材料90の被覆の厚さは、十分な量のプレベイパー製剤を保持して、吸煙一回当たり望ましい量のベイパーを形成するように選択されうる。気化器80は、二つ以上の異なる被覆を含みうる。被覆は、それぞれ同一のまたは異なる多孔性の材料を含んでもよく、同一のまたは異なる厚さ、密度、または多孔性、およびその組み合わせを有しうる。
【0057】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、多孔性材料90は、多孔性材料90が発熱体85上で乾燥されて気化器80を形成した後に、可撓性のままである。
【0058】
例えば、気化器80は、発熱体85と、発熱体85上に接着剤で被覆された紙の層とを含みうる。
【0059】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、気化器80の発熱体85は、ワイヤー、ワイヤーコイル、らせん、プレート、ディスク、メッシュ、またはその他の任意の適切な形態のうちの少なくとも一つを含みうる。ワイヤーは金属ワイヤーであってもよい。発熱体85の少なくとも一つの表面は、多孔性材料90で被覆される。多孔性材料90は少なくとも部分的に、吸収剤材料205と直接、物理的に接触している。
【0060】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体85は、任意の適切な電気抵抗性材料で形成されてもよい。適切な電気抵抗性材料の例には、銅、チタン、ジルコニウム、タンタル、および白金族由来の金属が挙げられうるが、これらに限定されない。適切な合金の実施例としては、ステンレス鋼、ニッケル含有、コバルト含有、クロミウム含有、アルミニウム-チタン-ジルコニウム含有、ハフニウム含有、ニオビウム含有、モリブデン含有、タンタル含有、タングステン含有、スズ含有、ガリウム含有、マンガン含有、および鉄含有合金、ならびにニッケル系、鉄系、コバルト系、およびステンレス鋼系の超合金が挙げられるが、これらに限定されない。例えば、発熱体85は、ニッケルアルミナイド、表面上にアルミナの層を有する材料、鉄アルミナイドおよび他の複合材料で形成されてもよく、電気抵抗性材料は、必要とされるエネルギー伝達の動態学および外部の物理化学的特性に応じて、随意に断熱材料に包埋されて、断熱材料に封入されて、または断熱材料で被覆されてもよく、もしくはその逆であってもよい。発熱体85は、ステンレス鋼、銅、銅合金、ニッケル-クロム合金、超合金、およびこれらの組み合わせから成る群から選択される少なくとも一つの材料を含んでもよい。一つの例示的な実施形態において、発熱体85はニッケル-クロム合金または鉄-クロム合金で形成されうる。
【0061】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のリード75は、オスねじ付きコネクター部分品155に物理的および電気的に接続されている。図示の通り、オスねじ付き第一のコネクター部分品155は、外部側表面の一部分にオスねじを備えた中空の円筒である。コネクター部分品は導電性であり、また導電性材料で形成または被覆されてもよい。第二のリード75’は、第一の導電性支柱130に物理的および電気的に接続されている。第一の導電性支柱130は、導電性材料(例えば、ステンレス鋼、銅など)で形成されてもよく、また図2に示す通りT字形状の断面を有しうる。第一の導電性支柱130は、第一のコネクター部分品155の中空部分内に入れられ、かつ絶縁シェル135によって第一のコネクター部分品155から電気的に絶縁されている。第一の導電性支柱130は図示の通り、中空でもよく、および中空部分は空気通路120と流体連通しうる。従って、第一のコネクター部分品155および第一の導電性支柱130はそれぞれ、発熱体85への外部的な電気的接続を形成する。
【0062】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体85は、熱伝導によって多孔性材料90内のプレベイパー製剤を加熱してもよい。
【0063】
図2に示す通り、第二のセクション20は電源145、制御回路185、およびセンサー190を含む。図示の通り、制御回路185およびセンサー190は、ハウジング30’内に配置される。メスねじ付き第二のコネクター部分品160は、第二の端を形成する。図示の通り、第二のコネクター部分品160は、内部側表面上にねじ山を備えた中空の円筒形状を有する。二つのコネクター部分品155、160が互いにねじ込まれて接続25を形成しうるように、第二のコネクター部分品160の内径は、第一のコネクター部分品155の外径と一致する。その上、第二のコネクター部分品160、または少なくともその他の側表面は導電性であり、例えば導電性材料で形成されるか、もしくはそれを含む。そのため、電気的および物理的接続は、接続時に第一のコネクター部分品155と第二のコネクター部分品160との間で起こる。
【0064】
図示の通り、第一のリード165は、第二のコネクター部分品160を制御回路185に電気的に接続する。第二のリード170は、制御回路185を電源145の第一の端子180に電気的に接続する。第三のリード175は、電源145の第二の端子140を制御回路185の電力端子に電気的に接続して、制御回路185に電力を供給する。電源145の第二の端子140はまた、第二の導電性支柱150に物理的および電気的に接続されている。第二の導電性支柱150は、導電性材料(例えば、ステンレス鋼、銅など)で形成されてもよく、また図2に示す通りT字形状の断面を有しうる。第二の導電性支柱150は、第二のコネクター部分品160の中空部分内に入れられ、かつ第二の絶縁シェル215によって、第二のコネクター部分品160から電気的に絶縁されている。第二の導電性支柱150はまた、図示の通り中空でもよい。第一および第二のコネクター部分品155、160が嵌合した時、第二の導電性支柱150は、第一の導電性支柱130に物理的および電気的に接続する。また、第二の導電性支柱150の中空部分は、第一の導電性支柱130の中空部分と流体連通しうる。
【0065】
第一のセクション15は、オスコネクター部分品を有するものとして図示・説明され、および第二のセクション20は、メスコネクター部分品を有するものとして図示・説明されている一方、代替的な実施形態はその反対を有し、第一のセクション15はメスコネクター部分品を有し、および第二のセクション20はオスコネクター部分品を有する。
【0066】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源145はeベイピング装置10内に配置された電池を含む。電源145は、リチウムイオン電池またはその別形のうちの一つ、例えばリチウムイオンポリマー電池であってもよい。別の方法として、電源145は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウムコバルト電池、または燃料電池であってもよい。eベイピング装置10は、電源145のエネルギーが枯渇されるまで、またはリチウムポリマー電池の場合には、最小の電圧カットオフレベルが達成されるまで、成人ベイパー吸引者によってベイピング可能であってもよい。
【0067】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源145は再充電可能である。第二のセクション20は、外部充電装置による電池の充電を可能にするように構成された回路を含んでもよい。下記に説明されている通り、eベイピング装置10を再充電するために、USB充電器または他の適切な充電器組立品が使用されてもよい。
【0068】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、センサー190は、eベイピング装置10内の気流の大きさおよび方向を示す出力を生成するように構成されている。制御回路185はセンサー190の出力を受信し、(1)口側端インサート8での引き出し(吹き出しに対する)を示すかどうか、および(2)引き出しの大きさが閾値レベルを超えるかどうかを判定する。これらのベイピング条件が満たされる場合、制御回路185は電源145を発熱体85に電気的に接続し、それ故に発熱体85を起動する。すなわち、発熱体85が電源145に電気的に接続されるように、制御回路185は、第一および第二のリード165、170を電気的に接続する(例えば、制御回路185の部品を形成するヒーター電力制御トランジスタを起動することによって)。代替的な実施形態において、センサー190は圧力降下を示すことができ、制御回路185はそれに応答して発熱体85を起動する。
【0069】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、制御回路185はまた、灯60を含んでもよく、この灯60は発熱体85が起動された時に、または電池145が再充電された時に、またはその両方の時に、制御回路185によって起動されて光る。灯60は、一つ以上の発光ダイオード(LED)を含んでもよい。LEDは、一つ以上の色(例えば、白色、黄色、赤色、緑色、青色など)を含みうる。さらに、灯60は、ベイピング中に成人ベイパー吸引者に見えるように配置されてもよく、またeベイピング装置10の第一の端45と第二の端50の間に位置付けられてもよい。加えて、灯60は、eベイピングシステムの診断のために、または再充電が進行中であることを示すために利用されてもよい。灯60はまた、成人ベイパー吸引者がプライバシーのためにヒーター起動灯60を点灯する、消灯する、または点灯および消灯できるように構成されてもよい。
【0070】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、制御回路185は時間リミッターを含んでもよい。別の例示的な実施形態において、制御回路185は、成人ベイパー吸引者が加熱を開始するための手動で操作可能なスイッチを含んでもよい。発熱体85への電流供給の時間は、気化させたいプレベイパー製剤の所望の量に応じて設定もしくは予め設定されてもよい。
【0071】
次に、ベイパーを発生するためのeベイピング装置の操作について説明する。例えば、空気は主に、口側端インサート35を吸うことに対応して、少なくとも一つの空気吸込み口55を通して第一のセクション15に引き出される。空気は空気吸込み口55を通過して、吸収剤材料205の中央チャネル210内に入り、内側通路120内に入り、口側端インサート35の出口100を通過する。制御回路185は上述のベイピング条件を検出した場合、発熱体85が多孔性材料90内のプレベイパー製剤を加熱するように、発熱体85への電源供給を開始する。内部通路120を通して流れるベイパーおよび空気は組み合わされて、口側端インサート35の出口100を経由してeベイピング装置10を出る。
【0072】
発熱体85は起動された時に、約10秒未満の間、多孔性材料90の一部分を加熱してもよい。
【0073】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、第一のセクション15は交換可能であってもよい。言い換えれば、カートリッジのプレベイパー製剤が枯渇したら、第一のセクション15のみを交換しうる。代替的な配置は、貯蔵部95が枯渇したら、eベイピング装置10全体が廃棄されてもよい例示的な実施形態を含んでもよい。少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10は一体型のeベイピング装置でもよい。
【0074】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10は、約80ミリメートル~約110ミリメートルの長さ、および約7ミリメートル~約8ミリメートルの直径としうる。例えば、一つの例示的な実施形態において、eベイピング装置10は、約84ミリメートルの長さ、および約7.8ミリメートルの直径を有してもよい。
【0075】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図2に示す通り、eベイピング装置10の制御回路200は、剛直なプリント基板410上に配置される。
【0076】
図3は、少なくとも一つの例示的な実施形態による図2のeベイピング装置の気化器の拡大断面図である。
【0077】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図3に示す通り、気化器80は発熱体85および多孔性材料90を含む。図示の通り、発熱体85は、導電性材料で形成された実質的に真っ直ぐなワイヤーの形態である。多孔性材料90は発熱体85のすべての側面に塗布される。電気的なリード75、75’は、ワイヤーの端部で発熱体85に接続されている。リード75、75’は、圧着、またはスポット溶接、または両方によって、ワイヤーの端部に接続されてもよい。
【0078】
図4は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器の図である。
【0079】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図4に示す通り、気化器80は、図2~3の通りの発熱体85および多孔性材料90を含む。図4に示す通り、発熱体85は導電性ワイヤーで形成されたらせんの形態である。多孔性材料90は、らせんの隣接した巻線間に、ワイヤーの側面に塗布される。電気的なリード75、75’は、ワイヤーの端部で発熱体85に接続されている。
【0080】
図5は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器および吸収剤材料の図である。
【0081】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図5に示す通り、気化器80は、図2~4の通りの発熱体および多孔性材料を含む。図5に示す通り、気化器は概して曲がりくねった形状を有する。図示の通り、気化器80の一側面部分は吸収剤材料205に直接接触する。気化器80の多孔性材料90は、吸収剤材料205内のプレベイパー製剤を発熱体85に運ぶ。
【0082】
図6は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器および吸収剤材料の図である。
【0083】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図6に示す通り、気化器80は、図2~5の通りの発熱体85および多孔性材料90を含む。図6に示す通り、気化器80は概して曲がりくねった形状を有する。図示の通り、気化器80の一端部分は吸収剤材料205に直接接触する。
【0084】
図7は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器および吸収剤材料の図である。
【0085】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図7に示す通り、気化器80は、図2~5の通りの発熱体および多孔性材料を含む。図6に示す通り、気化器80はベルの形状を有し、かつ気化器80の端部分は吸収剤材料205と直接接触する。
【0086】
図8は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器および吸収剤材料の図である。
【0087】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図8に示す通り、気化器80は、図2~5の通りの発熱体および多孔性材料を含む。図8に示す通り、気化器80はU字形であり、かつ気化器80の中央部分は吸収剤材料205と直接接触する。
【0088】
図9は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器を形成する方法の図表である。
【0089】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図1~8の気化器を作製する方法は、多孔性材料90と少なくとも一つの溶媒とを混合してスラリーを形成する工程S295を含む。方法はまた、スラリーを発熱体85に塗布して気化器80を形成する工程S300と、気化器80を乾燥する工程S305を含む。気化器80が乾燥されたら、方法はまた、気化器80を望ましい形状、または構成、またはその両方にする工程S310を含んでもよい。
【0090】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、スラリーは、約50パーセント~約99パーセント(例えば、約55パーセント~約95パーセント、約60パーセント~約90パーセント、約65パーセント~約85パーセント、または約70パーセント~約80パーセント)の多孔性材料90、および約1パーセント~約50パーセント(例えば、約2パーセント~約45パーセント、約5パーセント~約40パーセント、約10パーセント~約35パーセント、約15パーセント~約30パーセントまたは約20パーセント~約25パーセント)の溶媒を含む。
【0091】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、上述の通り、多孔性材料90は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含む。適切な材料の例は、紙系、セルロース系、ガラス系、セラミック系またはグラファイト系の材料であってもよいが、これらに限定されない。多孔性材料90は密度、粘度、表面張力、蒸気圧などの異なる物理特性を有するプレベイパー製剤に適合するように、任意の適切な毛細管引き出し作用を有してもよい。ガラス系の材料は繊維、またはビーズ、または両方の形態でもよい。例えば、多孔性材料90は、酸化アルミニウム、酸化ジルコニウム、二酸化シリコン、石英、およびその組み合わせを含みうる。多孔性材料90は実質的に耐熱性である。
【0092】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、溶媒は水、エタノール、およびその組み合わせのうちの少なくとも一つを含みうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、スラリーは一つ以上の分散剤および結合剤(高分子結合剤など)をさらに含みうる。
【0093】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、乾燥工程S305は、周辺温度で約1時間~約36時間(例えば、約12時間~約24時間または約15時間~約20時間)にわたり、気化器80を乾燥する工程を含みうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、乾燥工程S305は、少なくとも約100°F(例えば、少なくとも約150°Fまたは少なくとも約200°F)の温度で約10分~約36時間(例えば、約12時間~約24時間または約15時間~約20時間)にわたり、気化器80を加熱する工程を含みうる。乾燥工程S305中、溶媒は蒸発して多孔性材料90の被覆を発熱体85上に残す。
【0094】
例えば、混合工程S295は、セルロース系材料を水と混合する工程と、セルロース系材料を発熱体85に塗布して気化器80を形成する工程S300とを含みうる。セルロース系材料の被覆を含む気化器80は、加熱温度が約400℃より低くなるように制御されるeベイピング装置10で使用されうる。
【0095】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、被覆が形成されると、気化器80が望ましい形状および構成に形成されうるように、多孔性材料90は可撓性のままである。
【0096】
図10は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器を形成する方法の図表である。
【0097】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、方法は、多孔性材料90が発熱体85に塗布される工程S300の前に形成工程S310が起こることを除き、図9のものと同一である。この方法において、発熱体85は、多孔性材料90が塗布される前に、折り曲げ、屈曲、圧延、型打ち、またはその他の方法で成形されうる。
【0098】
図11は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器を形成する方法の図表である。
【0099】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図11に示す通り、図9および図10の塗布工程S300は、発熱体85をスラリー中に浸漬して、多孔性材料90の被覆を発熱体85上に形成する工程S315を含む。浸漬工程S315は、約1秒~約10分(例えば、約30秒~約5分または約1分~約2分)にわたり、発熱体85をスラリー中に完全にまたは部分的に浸す工程を含みうる。少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体85の選択された部分のみが、スラリー中に浸漬される。その他の例示的な実施形態において、発熱体85全体がスラリー中に浸漬される。
【0100】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体85は、一つ以上の異なるスラリー中に複数回浸漬されて一つ以上の異なる被覆を発熱体85上に形成してもよい。異なるスラリーは、被覆の異なる層が同一のまたは異なる密度、または多孔性、または両方を有しうるように、同一のまたは異なる多孔性の材料を含みうる。
【0101】
図12は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器を形成する方法の図表である。
【0102】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、図12に示す通り、図9および図10の塗布工程S300は、多孔性材料90または多孔性材料90を含むスラリーを発熱体85上に吹き付けて被覆を形成する工程S320を含む。発熱体85は、被覆が発熱体85の表面に沿って実質的に一様となるように、または被覆の厚さが発熱体85の表面に沿って変化するように、吹き付けられうる。例えば、発熱体85は、被覆が発熱体85の中央部分で発熱体85の側方部分よりも厚くなるように、または側方部分で中央部分よりも厚くなるように、吹き付けられうる。被覆は、発熱体85の選択した部分が多孔性材料90で被覆されるように、発熱体85上にパターン化されてもよい。
【0103】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、発熱体85は、一つ以上の異なるスラリー中に複数回吹き付けて一つ以上の異なる被覆を発熱体85上に形成してもよい。異なるスラリーは、被覆の異なる層が同一のまたは異なる密度、または多孔性、または両方を有しうるように、同一のまたは異なる多孔性の材料を含みうる。
【0104】
図13は、少なくとも一つの例示的な実施形態による気化器を形成する方法の図表である。
【0105】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、塗布工程S300は、多孔性材料90を発熱体85に塗布して気化器80を形成する工程S325を含みうる。塗布する工程S325は、多孔性材料90を発熱体85に接着するまたはその他の方法で貼り付ける工程を含みうる。例えば、望ましい材料のビーズ、繊維、またはビーズおよび繊維が、発熱体85の少なくとも一つの表面に接着されてもよい。
【0106】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、接着剤は、食品医薬品局の安全基準(GRAS)に合格した食品用接着剤である。接着剤はまた、被覆の構造的完全性が熱または液体の適用による影響を受けないように、実質的に耐熱性、実質的に耐水性、および実質的に液体抵抗性のうちの少なくとも一つである。
【0107】
例示的な実施形態が本明細書で開示されてきたが、当然のことながら他の変形が可能である場合がある。こうした変形は、本開示の範囲を逸脱するものと見なされず、また当業者にとって明らかであろうすべてのかかる修正は、以下の特許請求の範囲内に含まれることが意図される。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13