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特許7191829型ドラムからの加圧空気食料製品吐出システムを用いて食料製品を成形するための設備および方法
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  • 特許-型ドラムからの加圧空気食料製品吐出システムを用いて食料製品を成形するための設備および方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】型ドラムからの加圧空気食料製品吐出システムを用いて食料製品を成形するための設備および方法
(51)【国際特許分類】
   A22C 7/00 20060101AFI20221212BHJP
   A23P 30/10 20160101ALI20221212BHJP
   A23L 5/00 20160101ALI20221212BHJP
   A23L 13/00 20160101ALN20221212BHJP
   A23L 17/00 20160101ALN20221212BHJP
   A23L 13/60 20160101ALN20221212BHJP
【FI】
A22C7/00 Z
A23P30/10
A23L5/00 A
A23L13/00 E
A23L17/00 F
A23L13/60 Z
A23L17/00 Z
A23L13/00 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019533147
(86)(22)【出願日】2017-12-21
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-05-21
(86)【国際出願番号】 NL2017050860
(87)【国際公開番号】W WO2018117831
(87)【国際公開日】2018-06-28
【審査請求日】2020-12-08
(31)【優先権主張番号】2018036
(32)【優先日】2016-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(73)【特許権者】
【識別番号】513295582
【氏名又は名称】マレル ファーザー プロセッシング ビー.ヴィー.
(74)【代理人】
【識別番号】100080791
【弁理士】
【氏名又は名称】高島 一
(74)【代理人】
【識別番号】100136629
【弁理士】
【氏名又は名称】鎌田 光宜
(74)【代理人】
【識別番号】100125070
【弁理士】
【氏名又は名称】土井 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100121212
【弁理士】
【氏名又は名称】田村 弥栄子
(74)【代理人】
【識別番号】100174296
【弁理士】
【氏名又は名称】當麻 博文
(74)【代理人】
【識別番号】100137729
【弁理士】
【氏名又は名称】赤井 厚子
(74)【代理人】
【識別番号】100151301
【弁理士】
【氏名又は名称】戸崎 富哉
(74)【代理人】
【識別番号】100170184
【弁理士】
【氏名又は名称】北脇 大
(72)【発明者】
【氏名】ダンウィンド、アルベルテュス
(72)【発明者】
【氏名】マウレンディックス、ヨハネス マルティヌス
(72)【発明者】
【氏名】デッカー、トーマス ウィレム
(72)【発明者】
【氏名】テュービック、ティホミール
【審査官】杉浦 貴之
(56)【参考文献】
【文献】特表2002-530096(JP,A)
【文献】特表2016-506730(JP,A)
【文献】特表2005-530514(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A22C 7/00
A23P 30/10
A23L 5/00
A23L 13/00
A23L 17/00
A23L 13/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポンピング可能な食材の塊から食料製品を成形するための成形設備であって、当該設備は:
- フレーム(2)を有し、
- 外周ドラム表面(6)および長手方向ドラム回転軸(7)を有する型ドラム(5)を有し、該型ドラムは、前記ドラム回転軸の周りを旋回するように前記フレーム(2)によって回転可能に支持され、
前記外周ドラム表面は多数の型キャビティ(10)を有し、各型キャビティは、前記型キャビティの中への食材の塊の導入用の充填開口部を有し、
- 前記型ドラム(5)に連結され、前記型ドラムを回転方向(D)に駆動させるための型ドラムドライブ(MD)を有し、
- 前記外周ドラム表面(6)に対して充填位置に配置された塊給送部材(15)を有し、前記塊給送部材はチャンバー(16)を有し、該チャンバー(16)は、前記チャンバーの中へと食材の塊を導入するための前記の食材の塊用の入口(17)と、前記ドラム表面(6)に面する口(18)とを有し、前記塊給送部材は、型キャビティの前記充填開口部が前記充填位置において前記口(18)と連通する時に、前記の旋回する型ドラムの通過する型キャビティ(10)の中へと食材の塊を移送するように適合しており、前記の食材の塊は、前記型キャビティにおいて食料製品を形成し、
- 食材の塊給送および加圧システム(5)を有し、該食材の塊給送および加圧システム(5)は、前記塊給送部材の前記チャンバー(16)の中へと、かつ、前記口(18)を通して前記型キャビティ(10)の中へと食材の塊を給送するように適合しており、
- 加圧空気食料製品吐出システムを有し、前記型ドラム(5)は、前記キャビティ(10)へと延びる空気ダクト(8;111,112,113;124,125,126)を有し、かつ、型キャビティの範囲を定める前記表面のうちの少なくとも一部が空気透過性であり、前記空気ダクトはそれぞれ、前記型キャビティ(10)のうちの1つ以上へと加圧空気を輸送するように適合しており、前記空気が前記空気透過性型キャビティ表面部分を通過するようになっており、
かつ、前記加圧空気食料製品吐出システムはさらに、加圧空気源(50)を有し、該加圧空気源(50)は、その製品解放位置において1つ以上の型キャビティ(10)と関連付けられた前記空気ダクト(8;111,112,113;124,125,126)のうちの1つ以上へとその調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送し、前記製品解放位置における前記の1つ以上の型キャビティ(10)からの成形された食料製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こすように作動可能であり、
- コントローラー(80)を有し、該コントローラー(80)は、前記の食材の塊給送および加圧システムに連結され、かつ、前記塊給送部材(15)の前記口(18)を通して前記の食材の塊で前記型キャビティ(10)を充填することに関連する少なくとも1つの標的パラメーターを入力するように適合しており、前記の少なくとも1つの標的パラメーターは、次の項目のうちの1つ以上であり、該項目は:
- 前記の食材の塊給送および加圧システムによって引き起こされる、前記塊給送部材(15)の前記チャンバー(16)および/もしくは前記型キャビティにおける前記の食材の塊についての標的充填圧力、ならびに/または、
- 前記の食材の塊給送および加圧システムによって引き起こされる、前記塊給送部材の前記チャンバー(16)および/もしくは前記型キャビティの中に入る前記の食材の塊についての標的体積流量、ならびに/または、
- 前記型ドラムの標的回転速度(RPM)であり、
その特徴は、
前記コントローラー(80)が、入力された標的パラメーターに基づいて、前記加圧空気源(50)による前記吐出空気圧を自動的に設定するように適合していることである、前記成形設備。
【請求項2】
前記コントローラー(80)がメモリーを有し、該メモリーの中には、選択可能な食材の塊のリストが格納され、かつ、前記コントローラーが、選択可能な食材の塊の前記リストからの食材の塊の選択を入力するように適合しており、かつ、前記コントローラーがメモリーを有し、該メモリーの中には、所望の組み合わせが格納され、該所望の組み合わせは、一方が少なくともそれぞれの選択可能な食材の塊および前記標的パラメーターであり、かつ、他方が前記の自動的に設定される吐出空気圧である、請求項1に記載の成形設備。
【請求項3】
前記コントローラー(80)がメモリーを有し、該メモリーの中には選択可能な型ドラムのリストが格納され、かつ、前記コントローラーが、選択可能な型ドラムの前記リストからの型ドラムの選択を入力するように適合しており、かつ、前記コントローラーがメモリーを有し、該メモリーの中には、所定の組み合わせが格納され、該所定の組み合わせは、一方が少なくともそれぞれの選択可能な型ドラムおよび前記標的パラメーターであり、かつ、他方が前記の自動的に設定される吐出空気圧である、請求項1または2に記載の成形設備。
【請求項4】
少なくとも1つの型ドラムが、第1および第2の空気ダクト(111,112,113)を少なくとも備え、該第1および第2の空気ダクト(111,112,113)はそれぞれ、前記型ドラム(100)の型キャビティの対応する第1および第2のグループ(101,102,103)へとそれぞれ延び、かつ、前記の第1のグループの前記型キャビティは、前記の第2のグループとは異なり、かつ、前記コントローラー(80)が、前記の入力された標的パラメーターに基づいて、前記加圧空気源による前記の第1のグループ(101)からの食料製品の吐出のための第1のグループの吐出空気圧、および前記の第2のグループ(102)からの食料製品の吐出のための、前記第1のグループの吐出空気圧とは異なる第2のグループの吐出空気圧を自動的に設定するように適合している、請求項1~3のいずれかに記載の成形設備。
【請求項5】
前記コントローラー(80)がメモリーを有し、該メモリーの中には、選択可能な食材の塊のリストおよび選択可能な型ドラムのリストが格納され、かつ、前記コントローラーが、選択可能な食材の塊の前記リストから食材の塊の選択を入力し、かつ、選択可能な型ドラムの前記リストからの型ドラムの選択を入力するように適合しており、かつ、前記コントローラーがメモリーを有し、該メモリーの中には、所定の組み合わせが格納され、該所定の組み合わせは、一方が少なくともそれぞれの選択可能な食材の塊、それぞれの選択可能な型ドラムおよび前記標的パラメーターであり、かつ、他方が前記の自動的に設定される吐出空気圧である、請求項1~4のいずれかに記載の成形設備。
【請求項6】
前記コントローラー(80)が、オペレーターが自動的に設定される吐出空気圧をオーバーライドすることを可能にするオペレーター吐出空気圧オーバーライドを有する、請求項1~5のいずれかに記載の成形設備。
【請求項7】
前記標的パラメーターが、前記の食材の塊給送および加圧システムによって引き起こされる、前記塊給送部材の前記チャンバー(16)および/もしくは前記型キャビティにおける前記の食材の塊についての前記標的充填圧力を有し、または、前記の食材の塊給送および加圧システムによって引き起こされる、前記塊給送部材の前記チャンバー(16)および/もしくは前記型キャビティにおける前記の食材の塊についての前記標的充填圧力で構成され、かつ、前記の自動的に設定される吐出空気圧が、前記標的充填圧力の0.8~2倍の範囲内である、請求項1~6のいずれかに記載の成形設備。
【請求項8】
前記の設定可能な標的充填圧力が6~15バールの範囲内であり、かつ、前記加圧空気源が、少なくとも4~18バールの範囲内で制御可能な吐出空気圧にて加圧空気を給送するように適合しており、かつ、作動可能である、請求項1~7のいずれかに記載の成形設備。
【請求項9】
前記加圧空気源(50)が、空気圧縮機(51)と、少なくとも1つの加圧空気貯蔵タンク(52)とを有し、該少なくとも1つの加圧空気貯蔵タンク(52)は、空気圧レギュレーター(53)によって前記空気圧縮機に接続された入口と、空気解放バルブ(54)を備えた出口とを有し、該空気解放バルブ(54)は、前記製品解放位置においてキャビティ(10)と関連付けられた前記型ドラムにおける空気ダクトの中へと前記空気貯蔵タンク(52)からの空気のバーストの解放を引き起こすように適合している、請求項1~8のいずれかに記載の成形設備。
【請求項10】
ポンピング可能な食材の塊から食料製品を成形するための方法であって、当該方法には、請求項1~9のいずれかに記載の設備が用いられ、当該方法は:
- 場合によっては非連続的な速度で、場合によっては段階的に、前記型ドラム(5)を前記型ドラムドライブによって前記ドラム回転軸の周りを旋回させることを有し、
- 前記塊給送部材(15)の前記チャンバー(16)の中へと食材の塊を給送することと、前記口(18)を通して前記型ドラムの前記型キャビティ(10)の中へと前記の食材の塊を移送することとを有し、前記の食材の塊は、前記型キャビティにおいて食料製品を形成し、
- その製品解放位置において1つ以上の型キャビティ(10;101,102,103)と関連付けられた前記空気ダクト(8;111,112,113;124,125,126)のうちの1つ以上へとその調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送し、前記製品解放位置における前記の1つ以上の型キャビティからの成形された食料製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こすことを有し、
- 前記コントローラー(80)に少なくとも1つの標的パラメーターを入力することを有し、前記標的パラメーターは、前記塊給送部材の前記口を通して前記の食材の塊で前記型キャビティを充填することに関し、前記の少なくとも1つの標的パラメーターは:
- 前記の食材の塊給送および加圧システムによって引き起こされる、前記塊給送部材の前記チャンバー(16)および/もしくは前記型キャビティ(10;101,102,103)における前記の食材の塊についての標的充填圧力、ならびに/または、
- 前記の食材の塊給送および加圧システムによって引き起こされる、前記塊給送部材の前記チャンバー(16)および/もしくは前記型キャビティ(10;101,102,103)の中に入る前記の食材の塊についての標的体積流量、ならびに/または、
- 前記型ドラムの標的回転速度(RPM)であり、
その特徴は、
前記コントローラー(80)が、入力された標的パラメーターに基づいて、前記加圧空気源(50)による吐出空気圧を自動的に設定することである、
前記方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポンピング可能な(pumpable;ポンプ送り可能な)食材の塊から食料製品を成形するための成形設備および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば国際公開第2004/002229号パンフレットには、ポンピング可能な食材の塊から食料製品を成形するための成形設備が開示され、該設備は、フレームと、外周ドラム表面および長手方向ドラム回転軸を有する型ドラムとを有する。ドラムは、ドラム回転軸の周りを旋回する(revolve)ようにフレームによって回転可能に支持される。型ドラムは、ドラム表面に多数の型キャビティの周アレイを有し、前記アレイは、ドラムの長手方向に並んでいる。各型キャビティは、型キャビティの中への食材の塊の導入用の充填開口部を有する。各型キャビティは表面を有し、該表面の少なくとも一部は空気透過性であり、例えば前記型キャビティは多孔質材料(例えば多孔質焼結金属)に形成され、前記孔は前記表面において広がる。代替案では、型キャビティ材料は固体または非多孔質であり、空気孔はその中に加工される。既知の設備は型ドラムドライブを有し、該型ドラムドライブは、ドラムに連結されて、ドラムを回転方向に駆動させる(例えば連続した方式で、例えば段階的な方式にわたって一定の速度または変動する速度で)。ドラム表面に対して充填位置には、塊給送部材が配置される。この塊給送部材はチャンバーを有し、該チャンバーは、チャンバーの中へと食材の塊を導入するための食材の塊用の入口を有し、かつ、ドラム表面に面する口を有する。塊給送部材は、型キャビティの充填開口部が充填位置において口と連通する時に、旋回する型ドラムの通過する型キャビティの中へと食材の塊を移送するように適合している。
【0003】
既知の設備はさらに、食材の塊給送および加圧システムを有し、該食材の塊給送および加圧システムは、塊給送部材の入口に接続されたポンプを有する。このシステムは、塊給送部材のチャンバーの中へと、かつ、前記口を通して前記型キャビティの中へと、食材の塊を給送するように適合している。
【0004】
製品解放位置における型キャビティからの成形された(moulded)食料製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こすために、実際には食料製品コンベヤの上に、既知の設備は、加圧空気食料製品吐出システムを有する。ここでは、型ドラムは空気ダクトを有し、該空気ダクトは、ドラムのヘッドまたは軸方向端部から型キャビティ(例えばドラム回転軸に対して概して平行であるキャビティの列)へと延びる。これら空気ダクトはそれぞれ、型キャビティの関連付けられた列へと空気を輸送するように適合しており、前記空気が、前記キャビティの前記空気透過性型キャビティ表面部分を通過するようになっている。
【0005】
空気吐出システムはさらに、加圧空気源を有し、該加圧空気源は、その製品解放位置において1つ以上の型キャビティと関連付けられた空気ダクトのうちの1つ以上へと、その制御可能な吐出空気圧にて加圧空気を給送するように作動可能である。空気は、成形された食料製品と型キャビティ表面との間の粘着力の減少または除去を引き起こし、かつ、例えば食料製品がキャビティから外に出るように促す重力およびキャビティから食料製品を除去しようとするコンベヤ機構の断面力に加えて、食料製品に対する効果的な吐出力を引き起こすであろう。
【0006】
既知の設備は、例えば国際公開第2012/161577号パンフレットにさらに開示されているように、コントローラーを有し、該コントローラーは前記の食材の塊給送および加圧システムに連結され、かつ、前記の食材の塊給送および加圧システムによって塊給送部材のチャンバーおよび/または型キャビティの中に入ることが引き起こされる食材の塊について、選択可能な標的充填圧力範囲内で標的充填圧力を入力するように適合している。
【0007】
例えば国際公開第2015/082284号パンフレットに開示されているように、標的充填圧力を入力することの代わりに、または、かかる入力と組み合されて、前記の食材の塊給送および加圧システムによって塊給送部材のチャンバーおよび/または型キャビティの中に入ることが引き起こされる食材の塊について入力される体積流量に基づいて、型ドラム設備の作動を制御することもまた知られている。
【0008】
欧州特許第2901862号明細書には、さらなる先行技術の設備が開示されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、改善された設備(例えば作動がいっそう容易である設備および/または高い効率で作動するであろう設備(例えば後者は、食料製品の生産と、設備の作動のためのむしろ高価な圧縮空気の使用とに鑑み))を提供することを目的とする。また、本発明は、成形される食料製品の向上した品質(例えば成形される製品の重量の均一性)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、その第1の態様において、請求項1に記載の成形設備を提案する。
【0011】
本発明は、ポンピング可能な食材の塊から食料製品を成形するための成形設備を提案し、当該設備は、フレームと、外周ドラム表面および長手方向ドラム回転軸を有する型ドラムとを有し、該型ドラムは、ドラム回転軸の周りを旋回するようにフレームによって回転可能に支持される。ここで、外周ドラム表面は多数の型キャビティを有し、各型キャビティは、型キャビティの中への食材の塊の導入用の充填開口部を有する。
【0012】
型ドラムには型ドラムドライブが連結され、型ドラムを回転方向に駆動させる。ドラムは、非連続的な速度、場合によっては段階的に駆動されてもよい。
【0013】
外周ドラム表面に対して充填位置には、塊給送部材が配置される。塊給送部材はチャンバーを有し、該チャンバーは、チャンバーの中へ食材の塊を導入するための前記の食材の塊用の入口を有し、かつ、ドラム表面に面する口を有する。塊給送部材は、型キャビティの充填開口部が充填位置において口と連通する時に、旋回する型ドラムの通過する型キャビティの中へと食材の塊を移送するように適合している。食材の塊は、型キャビティにおいて食料製品(例えば肉のパテなど)を形成する。
【0014】
食材の塊給送および加圧システムが、塊給送部材のチャンバーの中へと、かつ、口を通して型キャビティの中へと、食材の塊を給送するように適合している。
【0015】
加圧空気食料製品吐出システムが提供され、型ドラムは、ドラムの型キャビティへと延びる空気ダクトを有する。型キャビティの範囲を定める表面の少なくとも一部が空気透過性であり、例えば多孔質材料(例えば焼結多孔質金属)でできている。空気ダクトはそれぞれ、型キャビティのうちの1つ以上へと加圧空気を輸送するように適合しており、空気が空気透過性型キャビティ表面部分を通過するようになっている。
【0016】
加圧空気食料製品吐出システムはさらに、加圧空気源を有し、該加圧空気源は、その製品解放位置において、1つ以上の型キャビティと関連付けられた空気ダクトのうちの1つ以上へと、その調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送し、前記製品解放位置における前記の1つ以上の型キャビティからの成形された食料製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こすように作動可能である。
【0017】
食材の塊給送および加圧システムには、コントローラー(例えばプログラミングされコンピューター化されたコントローラー)が連結され、かつ、塊給送部材の口を通して食材の塊で型キャビティを充填することに関する少なくとも1つの標的パラメーターを入力するように適合している。この少なくとも1つの標的パラメーターは、次のパラメーターのうちの1つ以上であり、該パラメーターは:
- 前記の食材の塊給送および加圧システムによって引き起こされる、塊給送部材のチャンバーおよび/もしくは型キャビティにおける食材の塊についての標的充填圧力、ならびに/または、
- 前記の食材の塊給送および加圧システムによって引き起こされる、塊給送部材のチャンバーおよび/もしくは型キャビティの中に入る食材の塊についての標的体積流量、ならびに/または、
- 型ドラムの標的回転速度である。
【0018】
コントローラーは、入力される標的パラメーターに基づいて、加圧空気源による前記の吐出空気圧を自動的に設定するように適合しており、または、構成される(例えばコンピューター化されたコントローラーがプログラミングされる)。
【0019】
オペレーターが、例えば成形される食料製品の1つ以上の品質面(例えば食料製品の密度および/または重量および/または厚さ)に基づいて、例えば標的充填圧力を増大させることによって型キャビティの充填を増大させることを選択すれば、第1の態様の設備は、吐出空気圧であって、成形された食料製品の適切な空気吐出を保護し、かつ、好ましくは不必要な高い空気圧に起因して多過ぎる空気が浪費されることを回避する前記吐出空気圧を自動的に設定するであろうことが想定される。
【0020】
全般的に、コントローラーは、オペレーターが増大した標的充填圧力および/または増大した体積流量を入力した時に吐出空気圧を増大させるように適合しており、かつ、コントローラーは、オペレーターが減少した標的充填圧力および/または減少した体積流量を入力した時に吐出空気圧を減少させるであろうことが想定される。
【0021】
いくつかの実施形態では、入力される圧力および/または体積流量は単一の値でなくてもよく、例えば値の経時的なパラメーター(例えば前記の経時的な(例えば型キャビティもしくは型キャビティの列を充填するのにかかる期間にわたる)値を表すプロファイルまたはグラフの形態の)であってもよい。
【0022】
体積流量は、型ドラムの回転速度(RPM)によって効果的に影響を受け、例えば給送ポンプが一定の体積出力で維持され、かつ、ドラムの速度が増大した時には減少し、したがって、ドラムの回転速度もまた、例えば給送ポンプ(例えば容積型(positive displacement)給送ポンプ)の標的体積出力と組み合されて、標的パラメーターであってもよいことが注目される。
【0023】
例えば第1の態様の革新的な設備は、生産工程の最中に、オペレーターが、食材の塊給送および加圧システムが前記のいっそう高い充填圧力を実現することを引き起こす増大した標的充填圧力を入力し、結果として、塊が型キャビティにおいてきつくくっつき、未だ不変の空気吐出が形成された製品を解放し得ない、または、適切に解放しないという問題の多い状況を回避するであろう。先行技術の設備では、この問題は生産の停止、不正確に成形された製品がコンベヤから例えば手で除去されることなどを必要とする。実用的な観点では、例えば食材の塊について有意な出力圧範囲で給送ポンプを用いる時、充填圧力は、オペレーターによる新たな設定に基づいてむしろ急速に(例えば型ドラムの数回の旋回の範囲で)増大するであろうことが注目される。
【0024】
上記の問題が一緒に起こることを回避するために空気吐出圧力を高レベルに設定することも解決策ではなく、少なくとも実用的な解決策ではない。なぜなら、過度の加圧空気消費が起こるだけでなく、製品が高過ぎる圧力にて空気によって吐出されることに起因してダメージを受けるであろうからである。
【0025】
ある実施形態では、コントローラーはメモリーを有し、該メモリーの中には、選択可能な食材の塊のリスト(異なる挽肉製品を表す)が格納され、コントローラーは、選択可能な食材の塊の前記リストからの食材の塊の選択を入力するように適合している。コントローラーはメモリーを有し、該メモリーの中には、所定の組み合わせ(実際には多数の組み合わせであり、一方は少なくともそれぞれの選択可能な食材の塊および前記標的パラメーターであり、かつ、他方は前記の自動的に設定される吐出空気圧である)が格納される。例えば選択可能な食材の塊のリストは、鶏挽肉、脂肪の少ない牛挽肉、脂肪の多い牛挽肉、挽肉混合物、豚挽肉、魚肉などを有する。
【0026】
実施形態では、製品の吐出の目的での型ドラムの空気ダクトの中への加圧空気の流れ(ここでは、空気のバーストと呼ばれる)の期間は、実施形態では、空気ダクトの入口と連通するフレーム上に取り付けられた空気放出器に基づいていてもよく、前記連通が存在する限り、空気がダクトの中へと流れるようになっている。空気放出器および入口のデザインは、基本的に、ドラムのRPMとともに吐出空気流れの期間を支配する。別の実施形態では、期間は、例えば一方の圧縮機または圧縮空気貯蔵タンクおよび他方の吐出空気放出器の間にある吐出空気制御バルブによって支配されることが想定され得る。別のデザインでは、ドラムに空気制御バルブが組み込まれ、製品の空気吐出のためのダクトの中への加圧空気の流れのタイミングおよび期間を支配する。
【0027】
ある実施形態では、コントローラーはメモリーを有し、該メモリーの中には、選択可能な型ドラムのリスト(例えば異なる型キャビティを有する型ドラムを表す)が格納され、コントローラーは、選択可能な型ドラムの前記リストからの型ドラムの選択を入力するように適合しており、かつ、コントローラーはメモリーを有し、該メモリーの中には、所定の組み合わせ(一方は少なくともそれぞれの選択可能な型ドラムおよび前記標的パラメーターであり、かつ、他方は前記の自動的に設定される吐出空気圧である)が格納される。この実施形態は例えば、例えばトランスポンダーまたは型ドラムについてのその他の自動的に読み取り可能な識別を用いた、作動中である実際の型ドラムの自動認識を含んでいてもよいが、どのドラムが用いられているかをオペレーターが入力することを必要としてもよい。例えば1つの型ドラムは第1のデザインの同一の型キャビティを備え、かつ、当該設備の1つ以上のその他の型ドラムはそれぞれ、第2、第3などのデザインの同一の型キャビティを備える。いくつかの実施形態では、単一の型ドラムが異なるデザインの型キャビティのグループを有していてもよい(例えば型キャビティの第1のデザインの1つ以上の列および型キャビティの第2のデザインの1つ以上の列)。
【0028】
ある実施形態では、コントローラーはメモリーを有し、該メモリーの中には、選択可能な型ドラムのリスト(例えば異なる型キャビティを有する型ドラムを表す)および選択可能な塊給送部材またはその交換可能な口部材のリスト(例えば異なる形状および/または構造を有する口(例えばスロット付きの(slotted)口またはオリフィス付きの(orificed)口)を表す)が格納される。コントローラーは、選択可能な型ドラムの前記リストからの型ドラムの選択を入力し、かつ、前記各リストからの塊給送部材または交換可能な口部材の選択を入力するように適合している。コントローラーはメモリーを有し、該メモリーの中には、型ドラムおよび塊給送部材または交換可能な口部材のそれぞれの選択可能な組み合わせについて、入力される標的パラメーターと組み合されて、自動的に設定可能な吐出空気圧が格納される。このことは、オペレーターが、どの型ドラムおよび塊給送部材またはその交換可能な口部材が存在するかを単純に命令し(このことは、場合によっては、適切な自動化された認識デバイスによって自動的に行われ得る)、かつ、標的パラメーターであって、コントローラーがそれに基づいて適切な吐出空気圧を自動的に設定するであろう前記標的パラメーター(例えば充填圧力)を入力することを可能にする。
【0029】
ある実施形態では、少なくとも1つの型ドラムが、第1の空気ダクトおよび第2の空気ダクトを少なくとも備え、該第1の空気ダクトおよび第2の空気ダクトはそれぞれ、前記型ドラムの型キャビティの対応する第1および第2のグループへとそれぞれ延びる。前記の第1のグループの型キャビティは、例えば型表面の一般的形状、表面積、深さ、透過性などのうちの1つ以上に関し、前記の第2のグループと異なる。コントローラーは、入力される標的パラメーターに基づいて、前記加圧空気源による前記の第1のグループからの食料製品の吐出のための第1のグループの吐出空気圧および前記の第2のグループからの食料製品の吐出のための異なる第2のグループの吐出空気圧を自動的に設定するように適合している(例えばコンピューター化されたコントローラーがプログラミングされる)。例えばドラムが、型キャビティの2つの異なるデザインの、周方向に交互する列を有する。前記列からの食料製品の吐出のために単一の空気圧を提供する代わりに、この実施形態は、オペレーターが充填プロセスに関する新たな標的パラメーターを入力する場合に自動的に調整される、異なる吐出空気圧の使用を想定する。これは、1つの列について異なる型キャビティを有する別の列と比較した時に異なる調整であってもよく、したがって、オペレーターに要求し過ぎることなく最適な吐出および空気使用を可能にする。
【0030】
ある実施形態では、コントローラーはメモリーを有し、該メモリーの中には、選択可能な食材の塊のリストおよび選択可能な型ドラムのリストが格納され、かつ、コントローラーは、選択可能な食材の塊の前記リストからの食材の塊の選択を入力し、かつ、選択可能な型ドラムの前記リストからの型ドラムの選択を入力するように適合している。コントローラーはメモリーを有し、該メモリーの中には、所定の組み合わせ(一方は少なくともそれぞれの選択可能な食材の塊、それぞれの選択可能な型ドラムおよび前記標的パラメーターであり、かつ、他方は前記の自動的に設定される吐出空気圧である)が格納される。
【0031】
コントローラーのメモリーは、特定の標的パラメーターおよびその他の項目を表の形態でその中に格納していてもよく、例えばコントローラーが表から空気吐出圧力の自動化された設定を直接読み取ることを可能にすることが把握されるであろう。その他のデザインでは、または、表の使用と組み合されて、コントローラーは、1つ以上のアルゴリズムを利用して、例えばアルゴリズム識別子および/またはメモリーに格納された可変値に基づいて、空気吐出圧力の自動化された設定を計算してもよい。
【0032】
オペレーターが生産の最終的な制御を有することを可能にするために、ある実施形態が想定され、該実施形態では、コントローラーが、オペレーターが自動的に設定される吐出空気圧をオーバーライド(override)することを可能にする、オペレーター吐出空気圧オーバーライドを有する。ある実施形態では、当該設備は、例えば設定の再検討およびコントローラーによる自動化された設定の調整/微調整に鑑み、生産の最中にログファイルにおいてすべての吐出空気圧を格納するロギングデバイスを有する。
【0033】
ある実施形態では、当該設備は、例えばタンクに貯蔵された空気圧が空気吐出の適切な作動にとって不十分となった場合に、警告指標(例えば聴覚的および/または視覚的な警報)を有する。
【0034】
ある実施形態では、標的パラメーターは、前記の食材の塊給送および加圧システムによって塊給送部材のチャンバーおよび/または型キャビティの中に入ることが引き起こされる食材の塊についての標的充填圧力(例えば充填の最中にキャビティに直接隣接するドラムまたは塊給送部材におけるセンサーによって測定される)を有し、または、それのみで構成され、前記の自動的に設定される吐出空気圧は、標的充填圧力の0.8~2倍の範囲内である。したがって、5バールの標的充填圧力について、コントローラーは、4~10バールの空気吐出圧力を設定してもよい。
【0035】
ある実施形態では、当該設備は、6~15バールの範囲内である標的充填圧力の入力を可能にし、かつ、例えば挽肉(例えば赤肉または牛肉)についてかかる充填圧力(したがって、非常に高レベル)を引き起こすように適合している。その時、加圧空気源にとって、4~18バールである(したがって、広範囲である)制御可能な吐出空気圧にて加圧空気を給送するように作動可能であるように具現化されることが好ましい。
【0036】
ある実施形態では、空気吐出のための加圧空気源は、空気圧縮機と加圧空気貯蔵タンクとを有し、該加圧空気貯蔵タンクは、前記圧縮機に接続された入口と、空気解放バルブを備える出口とを有し、該空気解放バルブは、前記タンクから前記食料製品解放位置においてキャビティと関連付けられた型ドラムにおけるダクトの中への空気の脈動解放を引き起こすように適合している。空気解放バルブは、好ましくは、クイックレスポンス開閉バルブ(例えば直動電磁バルブ)であり、したがって圧力調整造作部を欠き、このことは、空気が所望の空気吐出圧力にて空気貯蔵タンクに貯蔵されることを意味する。別の実施形態では、空気解放バルブは、さらなる空気圧制御バルブとして具現化され、または、かかるバルブと関連付けられ、空気が所望の空気吐出圧力よりも高圧にて空気貯蔵タンクに貯蔵されてもよいようになっている。例えば、空気貯蔵タンクは、少なくとも25バールの圧力にて空気をその中に貯蔵するように適合する。
【0037】
実施形態では、加圧空気食料製品吐出システムはさらに、言及されたコントローラーに基づくダクトの中への空気流れの期間の制御を有し、例えば前記コントローラーは、その期間に関し吐出空気流れを支配する吐出空気制御バルブに連結されることが把握されるであろう。例えば前記期間は、少なくともいくつかの作動では、吐出空気放出器とドラムのダクトの入口との間の連通の時間より短くなるように制御される。空気吐出のための空気流れの期間の制御は主に、この目的での加圧空気の過度の消費を回避し、成形された製品が既に型キャビティから効果的に解放されている間も空気が分配され続けることを回避することが想定される。
【0038】
本発明の第1の態様はまた、コントローラーが、入力される標的パラメーターに基づいて、前記加圧空気源による吐出空気圧および加圧空気源からダクトの中への空気流れの期間を自動的に設定するように適合している(例えばコンピューター化されたコントローラーがプログラミングされる)実施形態を有することが把握されるであろう。このことは例えば、コンピューター化されたコントローラーによってアクセスされるメモリーに適切な情報を格納することによって行われ得る。また、ある実施形態では、提供は、オペレーターが自動的に設定される期間をオーバーライドするため(例えば吐出空気流れのいっそう長い期間を一時的に有するため)に行われ得る。
【0039】
本発明の第2の態様は、設備に関し、当該設備の中には、加圧空気食料製品吐出システムが存在する。
【0040】
本技術分野で知られているように、型ドラムは前記キャビティへと延びる空気ダクトを有し、かつ、型キャビティの範囲を定める表面の少なくとも一部が空気透過性であり、例えば多孔質材料(例えば焼結金属(例えば焼結ステンレス鋼))でできている。例えば国際公開第2004/002229号パンフレットを参照されたい。各ダクトは、前記型キャビティの1つ以上へと空気を輸送するように適合しており、前記空気が前記空気透過性型キャビティ表面部分を通過するようになっている。吐出システムはさらに、加圧空気源を有し、該加圧空気源は、その製品解放位置において1つ以上の型キャビティと関連付けられた前記空気ダクトのうちの1つ以上へと、その調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送し、前記製品解放位置における前記の1つ以上の型キャビティからの成形された食料製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こすように作動可能である。
【0041】
実際には、多くの型ドラムが存在し、各型ドラムは型キャビティの1つのみのデザインを有し、すなわち、すべてのキャビティが同一の食料製品を形成する。例えばこれらキャビティは、周方向に離間した列(例えばドラム回転軸に対して平行な列)に配置される。国際公開第2004/002229号パンフレットには、例が概略的に示されている。
【0042】
キャビティの各列について、単一で専用の、バルブを有さない空気ダクト(ドラムの軸方向端部にある入口から列のキャビティへと延びる)を有し、空気ダクトの中へと注入される空気が、型キャビティへのその道筋を見出し、かつ、型キャビティの空気透過性表面を通って進むようになっていることが知られている。空気は、成形デバイスに固定して配置された空気放出器によって放出され、空気ダクトの入口がこの放出器を、連続して、かつ、加圧空気の脈が位置合わせされた空気ダクト入口の中へと注入されるたび毎に通るようになっている。
【0043】
実際には、例えば欧州特許第2901862号明細書において示唆されているように、型ドラムが存在し、該型ドラムは、型キャビティの多数の列(それぞれ多数の型キャビティの第1の列および第2の列を含む)を備え、該型ドラムはさらに、第1の空気ダクトおよび第2の空気ダクトを少なくとも備え、該第1の空気ダクトおよび第2の空気ダクトは、前記型ドラムの型キャビティの対応する第1および第2の列へとそれぞれ延びる。ここで、第1の列の型キャビティは、前記の第2の列の前記型キャビティとは異なり、単一のドラムを用いて異なった形状の食料製品を形成する。
【0044】
食料製品の品質および一貫性に置かれる高い要求に鑑み、かかる「多製品ドラム」の使用は、完全に満足のいくものではなかった。
【0045】
したがって、本発明の第2の態様は、改善された設備(例えば高い効率で作動するであろう設備(例えば後者は、食料製品の生産と、前記空気吐出のためのむしろ高価な圧縮空気の使用とに鑑み))を提供することを目的とする。
【0046】
本発明の第2の態様は、設備を提案し、当該設備においては、加圧空気源が、型キャビティの前記の第1のグループからの食料製品の吐出のために前記の第1の空気ダクトへと第1のグループの吐出空気圧にて空気を提供し、かつ、型キャビティの前記の第2のグループからの食料製品の吐出のために前記第2の空気ダクトへと異なる第2のグループの吐出空気圧にて空気を提供するように適合している。
【0047】
第2の態様のアプローチは、実施形態において、型キャビティの各グループについての空気吐出を最適化することを可能にする。このことは、製品品質の向上、加圧空気の使用の減少、および/または、単一のドラム上で異なる型キャビティを組み合わせる時のいっそう大きい自由度を可能にする。
【0048】
ある実施形態では、前記の第1のグループの型キャビティは第1の列に配置され、かつ、前記の第2のグループの型キャビティは第2の列に配置され、前記の第1および第2の列は、互いに周方向に離間する。
【0049】
別の実施形態では、前記の第1のグループおよび前記の第2のグループの型キャビティは、共通の列に配置される(例えば、交互に)。
【0050】
好ましい実用的な実施形態では、型ドラムは、第1および第2の軸方向端部を有し、前記の第1の空気ダクトは前記の第1の軸方向端部に入口を有し、加圧空気源は、前記の第1の軸方向端部に隣接して配置された第1の空気放出器を有し、型キャビティの前記の第1のグループからの食料製品の吐出のために前記の第1の空気ダクトへと第1の列の吐出空気圧にて空気を提供し、かつ、前記の第2の空気ダクトは、前記の第2の軸方向端部に入口を有する。加圧空気源は、前記の第2の軸方向端部に隣接して配置された第2の空気放出器を有し、型キャビティの前記の第2のグループからの食料製品の吐出のために前記の第2の空気ダクトへと前記の第2のグループの吐出空気圧にて空気を提供する。ドラムの反対側の軸方向端部において2つの空気放出器を用いることによって、ドラムおよびこれら空気放出器の実用的なデザインが実現可能である。すべての空気ダクトは、例えば両方の軸方向端部に入口を有して、ドラムの長さの最初から最後まで延びることが想定され得る。作動中、空気のバーストにおいて給送するのに一方の空気放出器のみが用いられ、他方の空気放出器は、空気ダクトの他端を効果的に閉じる。
【0051】
本発明の第2の態様はまた、方法に関し、当該方法には、本明細書に記載の設備が用いられ、当該方法は:
- 前記型ドラムドライブによって、前記ドラム回転軸の周りに型ドラムを旋回させることを有し、
- 塊給送部材のチャンバーの中へと食材の塊を給送すること、および、前記の口を通して前記型ドラムの前記型キャビティの中へと前記の食材の塊を移送することを有し、前記の食材の塊は、前記型キャビティにおいて食料製品を形成し、
- その製品解放位置において1つ以上の型キャビティと関連付けられた前記空気ダクトのうちの1つ以上へとその調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送し、前記製品解放位置における前記の1つ以上の型キャビティからの成形された食料製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こすことを有し、
当該方法の特徴は、
型ドラムであって、型キャビティの多数のグループ(それぞれ多数のキャビティの第1のグループおよび第2のグループを含む)を備える前記型ドラムが用いられ、前記型ドラムがさらに、第1の空気ダクトおよび第2の空気ダクトを少なくとも備え、前記の第1および第2の空気ダクトが、前記型ドラムの型キャビティの対応する前記の第1および第2のグループへとそれぞれ延びることであり、
かつ、前記の第1のグループの前記型キャビティが、前記の第2のグループの前記型キャビティとは異なることであり、
かつ、前記加圧空気源が、型キャビティの前記の第1のグループからの食料製品の吐出のために前記の第1の空気ダクトへと第1のグループの吐出空気圧にて空気を提供し、かつ、型キャビティの前記の第2のグループからの食料製品の吐出のために前記の第2の空気ダクトへと異なる第2のグループの吐出空気圧にて空気を提供することである。
【0052】
本発明の第3の態様は、ポンピング可能な食材の塊から食料製品を成形するための成形設備に関し、当該設備は:
- フレームを有し、
- 外周ドラム表面および長手方向ドラム回転軸を有する型ドラムを有し、該型ドラムは、ドラム回転軸の周りを旋回するようにフレームによって回転可能に支持され、
前記外周ドラム表面は多数の型キャビティを有し、各型キャビティは、型キャビティの中への食材の塊の導入用の充填開口部を有し、
- ドラムに連結され、回転方向にドラムを駆動させるための型ドラムドライブを有し、
- 外周ドラム表面に対して充填位置に配置された塊給送部材を有し、前記塊給送部材はチャンバーを有し、該チャンバーは、チャンバーの中へと食材の塊を導入するための前記の食材の塊用の入口と、ドラム表面に面する口とを有し、前記塊給送部材は、型キャビティの充填開口部が前記充填位置において口と連通する時に、旋回する型ドラムの通過する型キャビティの中へと食材の塊を移送するように適合しており、前記の食材の塊は、前記型キャビティにおいて食料製品を形成し、
- 食材の塊給送および加圧システムを有し、該食材の塊給送および加圧システムは、塊給送部材のチャンバーの中へと、かつ、前記口を通して前記型キャビティの中へと食材の塊を給送するように適合しており、
- 加圧空気食料製品吐出システムを有し、型ドラムは前記キャビティへと延びる空気ダクトを有し、かつ、型キャビティの範囲を定める表面の少なくとも一部が空気透過性であり、例えば多孔質材料でできており、各ダクトは、前記の型キャビティのうちの1つ以上へと加圧空気を輸送するように適合しており、前記空気が前記空気透過性型キャビティ表面部分を通過するようになっており、
かつ、前記加圧空気食料製品吐出システムはさらに、加圧空気源を有し、該加圧空気源は、その製品解放位置において1つ以上の型キャビティと関連付けられた前記空気ダクトのうちの1つ以上へとその調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送し、前記製品解放位置における前記の1つ以上の型キャビティからの成形された食料製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こすように作動可能であり、
- コントローラーを有し、該コントローラーは、生産の最中に経時的に、例えば本明細書に記載されるように自動的に、または、手動で最初に設定された空気吐出圧力を自動的に増大させ、食材の塊によるキャビティ表面の汚れのあらゆる影響を補償するように適合している(例えばコンピューター化されたコントローラーがプログラミングされる)。
【0053】
本発明の第3の態様は、経時的に汚れ(該汚れは、食料製品の効果的な吐出を損ねるであろう)を引き起こす食材の塊および/または充填圧力が採用される場合でさえ、製品の適切な吐出を保護することを目的とする。所望の増大は、経験的に展開されてもよい。
【0054】
例えばコントローラーは、清潔な型ドラムを用いて生産が開始されてから経過した時間に基づいて、または、クリーニングが開始されてからのキャビティ毎の充填イベントの数に基づいて、空気吐出圧力を増大させる。
【0055】
本発明の第3の態様は、多孔質材料を用いて型キャビティを形成する時に特に有利であると考えられる。
【0056】
コントローラーは、当該設備によって取り扱われている実際の食材の塊を考慮し、例えば実際の食材の塊に言及された増大を適合させてもよい。
【0057】
本発明の第3の態様はまた、方法に関し、当該方法には、記載されたような設備が用いられ、コントローラーは、生産の最中に経時的に、例えば本明細書に記載されるように自動的に、または、手動で最初に設定された空気吐出圧力を自動的に増大させ、食材の塊によるキャビティ表面の汚れのあらゆる影響を補償するように適合している。
【0058】
本発明の第4の態様は、ポンピング可能な食材の塊から食料製品を成形するための成形設備に関し、当該設備は:
- フレームを有し、
- 外周ドラム表面および長手方向ドラム回転軸を有する型ドラムを有し、該型ドラムは、ドラム回転軸の周りを旋回するようにフレームによって回転可能に支持され、
前記外周表面は多数の型キャビティを有し、各型キャビティは、型キャビティの中への食材の塊の導入用の充填開口部を有し、
- ドラムに連結され、回転方向にドラムを駆動させるための型ドラムドライブを有し、
- 外周ドラム表面に対して充填位置に配置された塊給送部材を有し、前記塊給送部材はチャンバーを有し、該チャンバーは、チャンバーの中へと食材の塊を導入するための前記の食材の塊用の入口を有し、かつ、ドラム表面に面する口を有し、前記塊給送部材は、型キャビティの充填開口部が前記充填位置において口と連通する時に旋回する型ドラムの通過する型キャビティの中へと食材の塊を移送するように適合しており、前記の食材の塊は、前記型キャビティにおいて食料製品を形成し、
- 食材の塊給送および加圧システムを有し、該食材の塊給送および加圧システムは、塊給送部材のチャンバーの中へと、かつ、前記口を通して前記型キャビティの中へと食材の塊を給送するように適合しており、
- 加圧空気食料製品吐出システムを有し、型ドラムは、前記キャビティへと延びる空気ダクトを有し、かつ、型キャビティの範囲を定める表面の少なくとも一部が空気透過性であり、例えば多孔質材料でできており、各空気ダクトは、前記型キャビティのうちの1つ以上に空気を輸送するように適合しており、前記空気が前記空気透過性型キャビティ表面部分を通過するようになっており、
かつ、前記吐出システムはさらに、加圧空気源を有し、該加圧空気源は、その製品解放位置において1つ以上の型キャビティと関連付けられた前記空気ダクトのうちの1つ以上へとその調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送し、前記製品解放位置における前記の1つ以上の型キャビティからの成形された製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こすように作動可能であり、
その特徴は、当該設備がさらに、型キャビティ空気パージアセンブリーを有し、該型キャビティ空気パージアセンブリーが、前記加圧空気食料製品吐出システムとは独立して作動可能かつ制御可能であり、かつ、前記の関連付けられた1つ以上の型キャビティの製品解放位置と充填位置との間に位置するその型キャビティ空気パージ位置にある時に、加圧空気源から、前記の1つ以上の型キャビティと関連付けられた前記空気ダクトのうちの前記1つ以上へと加圧空気のバーストを給送し、成形された食料製品の吐出が起こった後であって、かつ、型キャビティにおいて製品を形成するために前記型キャビティを充填する前に、加圧空気の前記バーストによって食材の塊の残渣の弛緩および/または除去を引き起こすように適合していることである。
【0059】
いくつかの食材の塊(例えば脂肪の多い牛挽肉)は、例えば脂肪質の薄い層または点として、型キャビティの表面上にゆっくりではあるが次第に蓄積する傾向を示すことが理解される。食材の塊の残渣の堆積は、型キャビティの少なくとも一部が多孔質材料(例えばこれら設備およびそのドラムの技術分野で知られた材料である多孔質焼結金属)でできている時に特に起こる。残渣の堆積は、型キャビティの表面上にもあるであろうが、多孔質材料そのものの中にもあるであろう。空の型キャビティもしくはキャビティの列へとつながる空気ダクト(単数)またはダクト(複数)の中へと空気をバーストすることによって、残渣は機械力に曝され、該機械力は、残渣が弛緩すること、または、完全に動かされ、かつ、除去されることを引き起こす。このプロセスは、好ましくは、当該設備が食料製品の生産のために作動中である間に行われ、かつ、前記生産を妨害しない。
【0060】
実用的な実施形態では、型ドラムは、第1および第2の軸方向端部を有し、かつ、空気ダクトはそれぞれ、前記の第1および第2の軸方向端部の一方または両方に入口を有し、加圧空気食料製品吐出システムは、前記製品解放位置に製品吐出空気放出器を有し、かつ、吐出空気制御バルブを介して加圧空気源に接続され、前記製品解放位置において吐出される1つ以上の製品と関連付けられたダクトへと空気を提供する。前記製品吐出空気放出器とは別個に、かつ、前記製品吐出空気放出器の下流に、当該設備はパージ空気放出器を備え、該パージ空気放出器は、パージ空気制御バルブを介して加圧空気源(場合によっては、加圧空気食料製品吐出システムにおいて用いられるのと同一の加圧空気源)に接続される。このパージ空気放出器は、関連付けられた1つ以上の型キャビティが前記型キャビティ空気パージ位置にある時にダクトに空気を提供する。
【0061】
例えばパージ空気バーストは、成形された食料製品の吐出の目的でダクトの中へと給送される空気とは別の圧力の空気を用いて実行される。例えばパージ空気バーストは、吐出用よりも高圧の空気を用いて実行される(例えばいっそう高圧でいっそう短い期間にわたって)。
【0062】
好ましくは、前記型キャビティ空気パージ位置には残渣収集器が配置され、動かされた食材の塊の残渣を収集する。例えば残渣収集器は真空システムを含み、該真空システムは、あらゆる残渣を吸い取り、かつ、収集器容器の中へと残渣を搬送する。
【0063】
好ましくは、前記型キャビティ空気パージアセンブリーは、選択可能な頻度(例えばドラムの多数の旋回毎にダクトに接続されるキャビティまたはキャビティの列毎に1つのバースト)にて空気の前記パージバーストを引き起こすように適合しており、例えば前記頻度は、当該設備のオペレーターによって、かつ/または、プログラミングされたコントローラー上の自動化された決まりきった工程に基づいて設定可能である。このことは、この目的での加圧空気の過度の消費を回避する一方で効果的なパージを可能にする。
【0064】
例えば型キャビティ空気パージアセンブリーは、コンピューター化されたコントローラーによって制御され、該コンピューター化されたコントローラーは、当該設備によって取り扱われる食材の塊、クリーニングされた型ドラムの最初の使用から経過した時間もしくは充填イベントの数、標的充填圧力のうちの少なくとも1つまたはそれらの任意の組み合わせに基づいてパージ用の空気のバーストを制御するようにプログラミングされる。制御は、バーストの圧力および/または期間を設定することを伴ってもよい。
【0065】
本発明の第4の態様はまた、ポンピング可能な食材の塊から食料製品を成形するための方法に関し、当該方法には、当該設備が用いられ、かつ、空気パージが記載されたように実行される。例えば当該方法は、例えばオペレーターを介して、かつ/または、適切にプログラミングされたコントローラーによって実行される自動化されたルーチンによって、パージバーストの頻度を設定することを伴う。
【0066】
本発明の第5の態様は、ポンピング可能な食材の塊から食料製品を成形するための成形設備に関し、当該設備は:
- フレームを有し、
- 外周ドラム表面および長手方向ドラム回転軸を有する型ドラムを有し、該型ドラムは、ドラム回転軸の周りを旋回するようにフレームによって回転可能に支持され、
前記外周ドラム表面は多数の型キャビティを形成し、各型キャビティは、型キャビティの中への食材の塊の導入用の充填開口部を有し、
- ドラムに連結され、回転方向にドラムを駆動させるための型ドラムドライブを有し、
- 外周ドラム表面に対して充填位置に配置された塊給送部材を有し、前記塊給送部材はチャンバーを有し、該チャンバーは、チャンバーの中へと食材の塊を導入するための前記の食材の塊用の入口を有し、かつ、ドラム表面に面する口を有し、前記塊給送部材は、型キャビティの充填開口部が前記充填位置において口と連通する時に、旋回する型ドラムの通過する型キャビティの中へと食材の塊を移送するように適合しており、前記の食材の塊は、前記型キャビティにおいて食料製品を形成し、
- 食材の塊給送および加圧システムを有し、該食材の塊給送および加圧システムは、塊給送部材のチャンバーの中へと、かつ、前記口を通して前記型キャビティの中へと食材の塊を給送するように適合しており、
- 加圧空気食料製品吐出システムを有し、型ドラムは、前記キャビティへと延びる空気ダクトを有し、かつ、型キャビティの範囲を定める表面の少なくとも一部が空気透過性であり、例えば多孔質材料でできており、各ダクトは、前記型キャビティのうちの1つ以上へと空気を輸送するように適合しており、前記空気が前記空気透過性型キャビティ表面部分を通過するようになっており、
かつ、前記吐出システムはさらに、加圧空気源を有し、該加圧空気源は、その製品解放位置において1つ以上の型キャビティと関連付けられた前記空気ダクトのうちの1つ以上へとその調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送し、前記製品解放位置における前記の1つ以上の型キャビティからの成形された食料製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こすように作動可能であり、
その特徴は、
加圧空気源が、吐出空気の圧力を調整し、単一の空気吐出イベントの最中に可変圧力レベル(例えば最初はいっそう低い空気圧であり、その後はいっそう高い空気圧である)にて各空気ダクトへと空気を提供するように適合していることである。
【0067】
例えば加圧空気源は、比較的高圧にて空気を貯蔵する第1の空気貯蔵タンクと、比較的低圧にて空気を貯蔵する第2の貯蔵タンクとを有し、かつ、バルブアセンブリーを介して前記の第1および第2の貯蔵タンクの両方に接続された吐出空気放出器を有し、かつ、前記バルブアセンブリーは、-単一の吐出イベントの最中-吐出イベントの期間の一方の部分の最中に前記の第1の空気貯蔵タンクから空気を解放し、かつ、吐出イベントの期間の他方の部分の最中に第2の貯蔵タンクから空気を解放するように適合しており、かつ、作動する。ある実施形態では、まず第2の貯蔵タンクが、第1の貯蔵タンクにおけるいっそう高い圧力と比べて比較的低い第2の圧力の空気がダクトの中へと給送されるように開き、キャビティからの成形された製品の初期の解放を引き起こし、次に、解放された製品がキャビティから効果的に放出されることを引き起こすのに第1の貯蔵タンクからのいっそう高圧の空気のバーストが用いられる。実施形態では、第1の空気圧の初期の適用およびその後の第2の空気圧の適用もまた想定され得る。例えばドラムの空気ダクトがドラムの両方の軸方向端部に入口または開口部を有する実施形態では、反対側の軸方向端部に2つの空気放出器を提供することは想定され得、一方の空気放出器は、バルブを介して第1の貯蔵タンクに接続され、かつ、第2の吐出空気放出器は、バルブを介して第2の貯蔵タンクに接続される。
【0068】
単一の空気吐出イベントの最中の吐出空気の可変圧力レベル(例えば2つの別個の圧力レベル)の使用は、成形された食料製品の解放および吐出を最適化するのに役立ち、かつ、この目的での加圧空気の使用を最適化するのに役立つであろう。所望されれば、例えば急速に反応する空気圧制御バルブを用いて、単一の空気吐出イベントの期間にわたって空気圧の変化を取得するために、いっそう複雑な配置構成が可能であることが把握されるであろう。
【0069】
本発明の第5の態様はまた、ポンピング可能な食材の塊から食料製品を成形するための方法に関し、当該方法には、当該設備が用いられ、かつ、空気吐出が記載されたように実行される。
【0070】
本発明の第6の態様は、ポンピング可能な食材の塊から食料製品を成形するための成形設備において使用するための型ドラムに関し、該設備は:
- フレームを有し、
- 外周ドラム表面および長手方向ドラム回転軸を有する前記型ドラムを有し、当該型ドラムは、ドラム回転軸の周りを旋回するようにフレームによって回転可能に支持され、
前記外周ドラム表面は多数の型キャビティを形成し、各型キャビティは、型キャビティの中への食材の塊の導入用の充填開口部を有し、
- 当該ドラムに連結され、回転方向に当該ドラムを駆動させるための型ドラムドライブを有し、
- 外周ドラム表面に対して充填位置に配置された塊給送部材を有し、前記塊給送部材はチャンバーを有し、該チャンバーは、チャンバーの中へと食材の塊を導入するための前記の食材の塊用の入口を有し、かつ、ドラム表面に面する口を有し、前記塊給送部材は、型キャビティの充填開口部が前記充填位置において口と連通する時に、当該旋回する型ドラムの通過する型キャビティの中へと食材の塊を移送するように適合しており、前記の食材の塊は、前記型キャビティにおいて食料製品を形成し、
- 食材の塊給送および加圧システムを有し、該食材の塊給送および加圧システムは、塊給送部材のチャンバーの中へと、かつ、前記口を通して前記型キャビティの中へと食材の塊を給送するように適合しており、
- 加圧空気食料製品吐出システムを有し、当該型ドラムは空気ダクトを有し、該空気ダクトはそれぞれ、前記キャビティのうちの多数へと延び、かつ、各型キャビティの範囲を定める表面の少なくとも一部が空気透過性であり、例えば多孔質材料でできており、各空気ダクトは、前記型キャビティへと空気を輸送するように適合しており、前記空気が前記空気透過性型キャビティ表面部分を通過するようになっており、
かつ、前記吐出システムはさらに、加圧空気源を有し、該加圧空気源は、その製品解放位置において1つ以上の型キャビティと関連付けられた前記空気ダクトのうちの1つ以上へとその調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送し、前記製品解放位置における前記の1つ以上の型キャビティからの成形された食料製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こすように作動可能であり、
その特徴は、各空気ダクトには、1つ以上の空気流れ抵抗体部材が配置され、該1つ以上の空気流れ抵抗体部材が、前記空気ダクトと連通する型キャビティの空気透過性表面を通る空気の効果的な流れを最適化する(例えば等しくする)ように具現化されることである。
【0071】
例えば型キャビティが少なくとも部分的に多孔質材料でできていれば、空気ダクトに向けて方向付けられたその面では、流れ抵抗体は非透過性膜(non-permeable membrane)であり、該非透過性膜は、多孔質材料を通した空気吐出に用いられる空気のバースト用の、そうでなければ露出していた入口面の所望の部分を覆うことが想定され得る。好ましくは、膜は取り外し可能であり、例えば型キャビティは、当該ドラムの本体における取り外し可能な挿入部としてデザインされ、かつ、膜は各挿入部の下にあり、かつ/または、当該ドラムは、内側ドラム部材と、例えば軸方向スライドによって内側ドラム部材から取り外し可能である外側ドラム部材とを有し、かつ、1つ以上の膜は、境界面に位置する。
【0072】
本発明の第6の態様は例えば、空気が空気ダクトへとその1つの軸方向端部においてのみ供給される時に特に、例えば1000mm以上の長さを有する長いドラムにとって有利であろう。このことは、空気ダクトの長さにわたる圧力低下を引き起こし、このことは、しばしば同一である型キャビティの列からの製品の空気吐出が非均一であることを引き起こすであろう。適切なデザインの流れ抵抗体の存在は、この効果に反作用し、かつ、列内の食料製品の均一な吐出を引き起こすために採用されるであろう。
【0073】
例えば流れ抵抗体部材は交換可能であり、オペレーターが設備の実験的運転に基づいて各型キャビティ表面の透過性を微調整することを可能にする。
【0074】
別の実施形態では、流れ抵抗体部材は、例えば当該型ドラムから流れ抵抗体部材を除去する必要を伴うことなく、抵抗体流れ断面を制御するように、例えばネジ式部材を用いて、調整可能である。
【0075】
本発明の第6の態様はまた、当該型ドラムを含む言及された設備、および、方法であって、該方法においてはかかる設備が作動する前記方法に関する。
【0076】
本発明の言及された態様による設備および/または方法、ならびに、本明細書に記載のその1つ以上の好ましい、かつ/または、任意選択的な詳細は、所望される時に容易に組み合され得ることが把握されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0077】
本発明の態様は、図面を参照してここで説明されるであろう。図面において:
【0078】
図1図1は、本発明によるポンピング可能な食材の塊から食料製品を成形するための成形設備の例を示している。
図2図2は、図1の食料製品の成形および型ドラムからの成形された食料製品の加圧空気吐出を示している。
図3図3aおよび図3bは、本発明による型ドラムおよび加圧空気吐出システムの実施形態を示している。
図4図4は、本発明の少なくとも第4の態様による、食料製品の成形、成形された食料製品の加圧空気吐出および型キャビティの空気パージを示している。
図5図5は、本発明の少なくとも第5の態様による、食料製品の成形および成形された食料製品の加圧空気吐出を示している。
図6図6aおよび図6bは、本発明による型ドラムおよび加圧空気吐出システムの別の実施形態を示している。
【発明を実施するための形態】
【0079】
図1および図2を参照して、ここではまず、ポンピング可能な食材の塊から食料製品を成形するための成形設備が説明されるであろう。
【0080】
当該設備は例えば、挽肉(例えば鶏挽肉、牛挽肉、豚挽肉、挽肉の混合物など)からの食料製品の生産用であると想定される。例えば当該設備は、パテ、ナゲット、ドラムスティックに似た肉製品などを成形するように具現化される。
【0081】
当該設備は、この実施形態では、成形デバイス1とポンプデバイス20(例えば肉ポンプデバイス20)とを有する。
【0082】
成形デバイス1は、フレーム2(ここでは、生産工場の床の上で機械に乗ることを可能にする車輪の付いたフレーム)を有する。
【0083】
デバイス1はさらに、外周ドラム表面6および長手方向ドラム回転軸7を有する型ドラム5を有する。ドラム5は、ドラム回転軸7の周りを旋回するようにフレーム2によって回転可能に支持される。
【0084】
外周ドラム表面は、多数の型キャビティ10(ここでは、それぞれ多数の型キャビティの多数の周方向の連続にて)を形成する。図2は、ドラム5の断面図において、1つのかかる連続を示している。各型キャビティ10は、型キャビティの中への食材の塊の導入用の充填開口部を有する。
【0085】
ドラム5の描かれている例では、キャビティはすべて、ドラムの円筒形外周部において形成された凹部として具現化される。例えば国際公開第2014/148897号パンフレットにおいて描かれているように、その他のデザインもまた可能である。
【0086】
ドラム5には型ドラムドライブMDが連結され、例えば一定の速度またはいくつかのその他の様式(例えば断続的もしくは可変速度で(例えば型キャビティ10の列の充填が起きる時には減速もしくは停止し、かつ、型キャビティの2つの連続する列の間では加速する))で、回転方向Dにドラムを駆動させる。
【0087】
外周ドラム表面6に対して充填位置には、塊給送部材15が配置される。この塊給送部材はチャンバー16を有し、該チャンバー16は、チャンバーの中への食材の塊の導入のための前記の食材の塊用の入口17を有し、かつ、ドラム表面6に面する口18を有する。塊給送部材15は、型キャビティの充填開口部または型キャビティの列の充填開口部がこの充填位置において口18と連通する時に、旋回する型ドラム5の通過する型キャビティ10の中へと食材の塊を移送する(例えば列毎の方式で)ように適合している。食材の塊は、型キャビティ10において食料製品を形成する。
【0088】
口18は例えば、ドラム軸7に対して平行に延びる、細長い(例えば直線状の)スロットの形状を有し得、スロットの幅は、型キャビティ10の対応する周寸法より小さい。別の知られている実施形態では、口は、例えば型キャビティの充填開口部のサイズとほぼ一致する表面にわたって多数のオリフィスを有する、オリフィス付きの出口構造体を有して具現化される。
【0089】
例えば列にて、または、そうでないように配置された通過するキャビティを充填するための多数のオリフィスを有する、オリフィス付きの口を用いる実施形態では、塊に対してかけられる圧力は、塊がオリフィスを通過する時に経験する抵抗に起因して比較的高いであろう。
【0090】
当該設備の食材の塊給送および加圧システムの一部として、ポンプデバイス20は、駆動モーターMPを有するポンプ25(例えばここで概略的に描かれているような、電気駆動であり、RPMが可変である回転ベーンポンプ)を有する。
【0091】
当該設備はホッパー30を有し、該ホッパー30の中には、食材の塊(挽肉の塊のバッチ)が導入される。ホッパー30は、ポンプ25の入口に接続される。ある実施形態では、ホッパー30は、前記ポンプ入口へと塊を前進させるための1つ以上のオーガー(auger)を備える。
【0092】
ポンプPは、塊給送部材の入口17へと塊を給送し、かつ、この例では、型キャビティ10の中への移送前に塊を加圧し得るその他の手段が存在しないので、このポンプPは、チャンバー16における塊の圧力を制御する。塊は、その後、例えば型キャビティの列の中へと、型キャビティにおける口18を通って流れる。
【0093】
実施形態では、塊給送部材口は、例えばドラム上の型キャビティの連続にまたがる単一の細長いスロット形状の口であってもよい。他の実施形態では、口は、多数の出口オリフィスによって形成された、オリフィス付きの口であってもよく、塊のむしろ小さいサブストリーム(substream;下位の流れ)が型キャビティの中に入るようになっている。口のその他の実施形態もまた、可能である。
【0094】
図1および図2はまた、加圧空気食料製品吐出システムを示している。型ドラムは空気ダクト8を有し、該空気ダクト8は、例えばドラムの1つの軸方向端面からキャビティ10へと延びる。この例では、各ダクト8は、キャビティ10の対応する列へと延び、該列は、ドラム軸7に対して概して平行である。
【0095】
図示されているように、かつ、本分野で知られているように、ドラム5は、型キャビティ10の範囲を定める表面の少なくとも一部が空気透過性であるように具現化される。例では、各キャビティ10は、ドラムの本体に取り付けられた多孔質材料挿入部11によって形成され、空気が各ダクト8から多孔質材料(例えば焼結ステンレス鋼)を通って流れ得るようになっている。この空気は、ドラム5に対する解放位置において、ダクト8の中とへ、多かれ少なかれ加圧空気のバーストとして導入され、吐出/解放された食料製品40が、各キャビティ10から外に出て、かつ、ドラム5の下を延びる製品コンベヤ35の上へと落ちるようになっている。
【0096】
吐出システムは、加圧空気源50(例えば加圧空気貯蔵タンク52を有し、圧力調整バルブ53を有し、かつ、タンク52の出口に空気制御バルブを有する圧縮機51)を有する。この源50は、旋回するドラム5付近に配置された空気放出器55へとその調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送するように作動可能である。作動中、ドラムのダクト8の入口は、空気放出器55をシーケンシャルに通り、かつ、それと位置が合い;バルブ54は、その時、一時的に開いてダクト8の中へと空気のバーストを放出する。この空気は、その後、透過性表面から外に出るように流れ、かつ、本分野で知られているように、図2に描かれているように、製品解放位置における前記の1つ以上の型キャビティからの成形された食料製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こす。
【0097】
ポンプデバイス20には、例えばケーブルおよび/または無線によって、当該設備のコンピューター化されたコントローラー80が連結される。コントローラー80は、例えばグラフィックユーザーインターフェースを有するタッチスクリーンを介して、塊給送部材の口18を通して食材の塊で型キャビティを充填することに関する少なくとも1つの標的パラメーターの、例えば当該設備のオペレーターによる入力を可能にする。
【0098】
コントローラー80に入力され得る言及された少なくとも1つの標的パラメーターは:
- 前記の食材の塊給送および加圧システムによって(ここでは、ポンプ25の作動によって)引き起こされる、塊給送部材のチャンバー(16)および/もしくは型キャビティにおける食材の塊についての標的充填圧力、ならびに/または、
- 前記の食材の塊給送および加圧システムによって引き起こされる、塊給送部材のチャンバーおよび/もしくは型キャビティの中に入る食材の塊についての標的体積流量、ならびに/または、
- 型ドラム5の標的回転速度(RPM)である。
【0099】
コンピューター化されたコントローラー80は、例えばコンピューター上でローディングされ、かつ、実行される専用のソフトウェアに基づいて、入力される標的パラメーターに基づいて加圧空気源50による吐出空気圧を自動的に設定するようにプログラミングされる。
【0100】
例えばコントローラー80はメモリーを有し、該メモリーの中には、選択可能な食材の塊のリスト(例えば脂肪が少なく、かつ、合成である挽かれた赤肉のような異なる挽肉製品を表す)が格納される。ここで、コンピューターは、選択可能な食材の塊のこのリストからの食材の塊の選択を入力するように適合している。コントローラーはメモリーを有し、該メモリーの中には、所定の組み合わせ(一方は少なくともそれぞれの選択可能な食材の塊および入力される標的パラメーターであり、かつ、他方は前記の自動的に設定される吐出空気圧である)が格納される。例えばタッチスクリーンによっても食材の塊を選択すること、および、標的パラメーターを入力することによって、コントローラーは、例えば表の形態でメモリーにおいて関連付けられた吐出空気圧を自動的に見出し、かつ、空気源50がこの空気吐出圧力を作り出すように誘導するであろう。このことは、1つの食材の塊から別のものへと切り替える時、オペレーターは塊および標的パラメーターを選択する必要があるだけであり、かつ、コンピューターが、その後、正確な吐出空気圧を信頼性高く設定するであろうことを意味する。
【0101】
これら設備のオペレーターは、通常、異なる型ドラム5を用いて異なる形状の食料製品を調製するので、彼らは、通常、多数の異なるドラム5を生産位置において利用可能にする。製品の1つの形状から別のものへと切り替える時、1つのドラムが成形デバイスから除去され、かつ、別のものが取り付けられる。この状況については、コントローラー80がメモリーを有し、該メモリーの中には、選択可能な型ドラム5のリスト(例えば異なる型キャビティ10を有する型ドラムを表す)が格納される時に有利である。コントローラーは、その時、例えば自動化されたコードリーダーを用いて(例えばトランスポンダーを用いてであるが、ドラムの手動の選択もまた可能である)、例えば型ドラムの自動化された認識に基づいて、選択可能な型ドラムのリストからの型ドラムの選択を入力するように適合している。その時、コントローラーはメモリーを有し、該メモリーの中には、所定の組み合わせ(一方は少なくとも選択可能な型ドラムおよび入力される標的パラメーターであり、かつ、他方は自動的に設定可能な吐出空気圧である)が格納されることが想定される。したがって、その時、コンピューターは、選択された型ドラムについて効果的な吐出空気圧を自動的に設定するであろう。
【0102】
いっそう複雑なバージョンが可能であり、コントローラーは、それぞれの選択可能なドラムについて、所定の組み合わせ(一方は少なくとも選択可能な食材の塊および入力される標的パラメーターであり、かつ、他方は前記の自動的に入力される吐出空気圧である)をそのメモリーの中に格納することが把握されるであろう。さらに複雑なバージョンは、当業者にとって明らかであろう。
【0103】
コントローラー(好ましくは、コンピューター化されたコントローラー)による空気吐出圧力の自動選択および設定はまた、型ドラムの累進的な汚れの要因を伴うであろう。経時的に、生産の最中、食材の塊の小片が、たとえ空気吐出が表面から食材を弛緩させることを引き起こしたとしても、型ドラムの表面にくっつくであろうことが想定され得る。この汚れは、例えばキャビティ表面の一部を形成する多孔質材料の場合、場合によっては、例えば局所的に、表面の空気透過性を減少させるであろう。
【0104】
ある実施形態では、コントローラーは、例えば型ドラムのクリーニングされた状況から始まる実際の作動時間に基づいて、吐出圧力を自動的に変化させ、空気吐出プロセスに対する型ドラムの汚れのあらゆる影響を補償するように適合している。例えば、例えば上記のように最初に設定された空気吐出圧力は、例えばドラムのクリーニングが実行されるまで(このことは、例えば高圧スプレーからの温水を用いて、ドラムが型デバイス上にある間に行われてもよい)、経時的に、漸進的または段階的に自動的に増大する。ある実施形態では、当該設備は、生産プロセスの最中、経時的に空気吐出の自動的な変化をグラフで表示するように適合しており、例えば、オペレーターに、この自動的な変化および現在のステータスを知らせるように適合している。
【0105】
図3aおよび図3bは型ドラム100を示しており、該型ドラム100は、多数のキャビティの多数の列(例えば101,102,103)をそれぞれ有する。これら列は、ドラム100の外面の周方向に離間している。各列(ここでは、4つのキャビティの)は、本発明の第2の態様の意味での多数のキャビティのグループを形成する。
【0106】
型ドラム100はさらに、空気ダクト111,112,113を備え、該空気ダクト111,112,113はそれぞれ、型キャビティの専用の列101,102,103とそれぞれ接続されるか、または、型キャビティの専用の列101,102,103とそれぞれ連通する。
【0107】
見られ得るように、列101,103の型キャビティはすべて同一であり、一方で、列102の型キャビティは、別の形状の食料製品を作るためにデザインが異なる。
【0108】
図3aでは、ダクト111,113は、型ドラム100の一方の(目に見えない)端部に入口を有し(例えば知られているように、ドラムの前方軸方向面に)、一方で、ダクト112は、ドラム100の反対側の軸方向端部に入口を有する(ここでも、前方軸方向面に)ことが描かれている。
【0109】
図3bは、ドラム100と、ドラム100と組み合されて使用される加圧空気吐出システムとを示している。このシステムは、ドラムにダクト111,112,113を有し、かつ、加圧空気源を有し、該加圧空気源は、圧縮機を有し、圧縮空気用の2つの貯蔵タンクを有し、2つの圧力レギュレーターバルブ(それぞれ各タンクにおける圧力を調整し、貯蔵タンクにおいて異なる圧力レベルを設定することを可能にする)を有し、かつ、各タンクの出口に空気制御バルブを有する。
【0110】
旋回する型ドラムの前記の第1の軸方向端部に隣接して、第1の空気放出器120もまた配置され、型キャビティの前記列からの食料製品の吐出のために、空気ダクト111,113へと第1の列の吐出空気圧にて空気を提供し、かつ、反対側の軸方向端部に隣接して、第2の空気放出器121が配置され、型キャビティの前記の第2の列からの食料製品の吐出のために前記の第2の空気ダクト112へと前記の第2の列の吐出空気圧にて空気を提供する。
【0111】
描かれているアプローチは、1つの列のキャビティが隣の列のものとは異なる少なくとも2つの列の存在を考慮して、各列からの空気吐出を最適化することを可能にする。
【0112】
例えばコントローラー80は、入力される標的パラメーターに基づいて、加圧空気源による前記の第1のグループ101からの食料製品の吐出のための第1のグループの吐出空気圧と、前記の第2のグループ102からの食料製品の吐出のための異なる第2のグループの吐出空気圧とを自動的に設定するように適合している(例えばコンピューター化されたコントローラーがプログラミングされる)。コントローラー80は、その後、バルブ54を制御し、各タンクが所望の空気ダクトに接続され、したがって、型キャビティの列から製品を吐出するための適切な空気吐出を有するようになっている。
【0113】
同一のアプローチはまた、型ドラムであって、異なる型キャビティが列毎にまとめられてはおらず、しかし、例えば1つの列がキャビティデザインの交互の繰り返しを有する前記型ドラムについて行われてもよい。
【0114】
ここで図4を参照して、本発明の第4の態様が説明されるであろう。型ドラム5は、ドラム回転軸7の周りを方向Dに旋回するように、例えば図1に示されているデバイスのフレームによって回転可能に支持されると理解されることが把握されるであろう。所望されれば、ドラム5の回転は、連続する速度であり得、または、スタート・ストップ方式であり得、例えば口18と連通する時に周期的に減速および加速して、停止した、または、低速の型キャビティまたは型キャビティの列を有する。
【0115】
塊給送部材15は、外周ドラム表面6に対して充填位置に配置され、かつ、チャンバーを有し、該チャンバーは、チャンバー16の中へと食材の塊を導入するための前記の食材の塊用の入口17と、ドラム表面6に面する口18とを有する。この分野で一般的であるように、塊給送部材15は、型キャビティ10の充填開口部が充填位置において口18と連通する時に、型ドラム5の通過する型キャビティの中へと食材の塊を移送するように適合している。食材の塊は、その後、型キャビティにおいて食料製品、例えば肉製品(例えば牛挽肉の)を形成する。口は多数のオリフィスを有する、オリフィス付きのものであってもよく、塊が多くのサブストリームとして型キャビティの中へと流れるようになっている。
【0116】
図4は、塊給送部材の入口17に接続されたポンプ25を有していてもよい食材の塊給送および加圧システムを示していない。このシステムは概して、塊給送部材15のチャンバー16の中へと、かつ、口18を通してドラム5の型キャビティ10の中へと食材の塊を給送するように適合している。
【0117】
図4は加圧空気食料製品吐出システムを示しており、型ドラム5は、型キャビティ10へと延びる空気ダクト8を有する(例えば型キャビティの長手方向列毎に1つの空気ダクト)。型キャビティ10の範囲を定める表面の少なくとも一部が空気透過性であり、例えば多孔質材料(例えば多孔質焼結金属)でできている。各ダクト8は、前記型キャビティ10のうちの1つ以上に空気を輸送するように適合しており、前記空気が前記空気透過性型キャビティ表面部分を通過するようになっている。
【0118】
この空気吐出システムはさらに、加圧空気源50を有し、該加圧空気源50は、その製品解放位置(ここでは、コンベヤ35の上の円形軌道の底部付近)において1つ以上の型キャビティ10と関連付けられた空気ダクト8へとその調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送し、この製品解放位置における1つ以上の型キャビティ10からの成形された食料製品40の吐出を促進し、かつ/または、引き起こすように作動可能である。
【0119】
吐出システムはさらに、空気圧縮機51を有し、加圧空気貯蔵タンク52を有し、圧力調整バルブ53を有し、かつ、タンク52の出口に空気制御バルブ54を有する。この源50は、ドラム5付近(例えばドラム5の軸方向端部付近)でフレーム上に配置された空気放出器55へとその調整された空気吐出圧にて加圧空気を給送するように作動可能である。作動中、ドラムのダクト8の入口は、空気放出器55をシーケンシャルに通り、かつ、それと位置が合い;バルブ54は、その時、一時的に開き、ダクト8の中へと空気のバーストを放出する。この空気は、その後、前記ダクト8に接続された1つ以上のキャビティ10の透過性表面から外に出るように流れ、かつ、本分野で知られているように、図4に描かれているように、製品解放位置における前記の1つ以上の型キャビティからの成形された食料製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こす。
【0120】
加圧空気がドラムからの成形された製品の吐出のプロセスで用いられることに加えて、加圧空気はまた、ここでは、型ドラムの汚れに反作用する(例えば型キャビティの透過性表面の残渣の層の蓄積に反作用する)プロセスにおいて用いられている。
【0121】
図4は、当該設備がさらに、型キャビティ空気パージアセンブリー150を有することを示しており、該型キャビティ空気パージアセンブリー150は、加圧空気食料製品吐出システムとは独立して作動可能かつ制御可能であり、かつ、前記の関連付けられた1つ以上の型キャビティの製品解放位置と充填位置との間に位置するその型キャビティ空気パージ位置にある時に、加圧空気源から、1つ以上の型キャビティ10と関連付けられた前記空気ダクト8の前記の1つ以上へと加圧空気のバーストを給送し、成形された食料製品の吐出が起こった後であって、かつ、型キャビティに製品を形成するために前記型キャビティを充填する前に、加圧空気の前記バーストによる食材の塊の残渣の弛緩および/または除去を引き起こすように適合している。
【0122】
さらに詳細には、型キャビティ空気パージアセンブリー150は、ここでは、第2の空気圧縮機151を有し、第2の加圧空気貯蔵タンク152を有し、第2の圧力調整バルブ153を有し、かつ、第2の空気タンク152の出口に第2の、または、パージ空気制御バルブ154を有する。このアセンブリーはさらに、第2の、または、第1の空気放出器55に対して下流の空気放出器155を有し、該空気放出器155は、ドラム5付近(例えばドラム5の軸方向端部付近)でフレーム上に配置される。作動中、ドラムのダクト8の入口は、空気パージ空気放出器155をシーケンシャルに通り、かつ、それと位置が合い;バルブ154は、その時、一時的に開き、ダクト8の中へと空気のバーストを放出する。空の型キャビティ10または空にされたキャビティ10の列へとつながるダクト8(単数)またはダクト(複数)の中へと空気をバーストすることによって、食材の塊のあらゆる残渣が機械力に曝され、該機械力は、残渣が弛緩し、または、完全に動かされ、かつ、除去されることを引き起こす。このプロセスは、当該設備が食料製品の生産のために作動中である間に行われ、かつ、生産を妨害しない。
【0123】
図4は、残渣収集器160が、ドラム表面6に対してこの型キャビティ空気パージ位置に配置され、動かされた食材の塊の残渣を収集することを示している。例えば残渣収集器は真空システムを含み、該真空システムは、あらゆる残渣を吸い込み、かつ、収集器容器の中へと残渣を運搬する(例えば吸引ファンと、例えばサイクロン式セパレーターのようなセパレーターデバイスとを用いて)。
【0124】
空気吐出プロセスと空気パージプロセスとは互いに独立して作動可能であることが把握されるであろう。このことは例えば、好ましくは、例えばプログラミングされたコンピューター80によって、選択可能な頻度(例えばドラムの多数の旋回毎にダクトに接続されるキャビティまたはキャビティの列毎に1つのバースト(例えばドラムが5回旋回する毎に一度))にてアセンブリー150による空気の前記パージバーストを引き起こすことを可能にする。
【0125】
例えば空気パージ頻度は、当該設備のオペレーターによって、かつ/または、プログラミングされたコントローラー80上の自動化された決まりきった工程に基づいて設定可能である。パージの頻度を設定するという選択肢を有することによって、この目的での加圧空気の過度の消費を回避しながら、効果的なパージを取得し得る。
【0126】
独立した空気パージを有することによってもたらされる別の可能性は、パージ空気バーストが、成形された食料製品の吐出の目的でダクトの中へと給送される空気とは別の圧力の空気を用いて実行されてもよいことである。例えばパージ空気バーストは、例えばいっそう短期間で、吐出用よりもいっそう高圧の空気を用いて実行される。したがって、タンク152がタンク52より高い圧力で保持されることが想定され得る。
【0127】
オペレーターがパラメーター(例えばパージ空気バーストの圧力、頻度、タイミングおよび/または期間)のうちの1つ以上を設定する代わりに、または、パラメーターのうちの1つ以上を設定することと組み合わせて、型キャビティ空気パージアセンブリーがコンピューター化されたコントローラー80(当該設備によって取り扱われる食材の塊、クリーニングされた型ドラムの最初の使用から経過した時間もしくは充填イベントの数、標的充填圧力のうちの少なくとも1つ、または、それらの任意の組み合わせに基づいて、パージのための空気のバーストを制御するようにプログラミングされた)によって制御されることが想定され得る。コントローラーは、バーストの圧力および/または期間を設定することを伴ってもよい。
【0128】
本明細書に記載のパージプロセスは、食料製品の成形もドラム5からのその吐出も妨害しないことが把握されるであろう。
【0129】
ここで図5を参照して、本発明の第5の態様が説明されるであろう。型ドラム5は、ドラム回転軸7の周りを方向Dに旋回するように、例えば図1に示されているデバイスのフレームによって回転可能に支持されると理解されることが把握されるであろう。所望されれば、ドラム5の回転は、連続する速度であり得、または、スタート・ストップ方式であり得、例えば口18と連通する時に周期的に減速および加速して、停止した、または、低速の型キャビティまたは型キャビティの列を有する。
【0130】
塊給送部材15は、外周ドラム表面6に対して充填位置に配置され、かつ、チャンバーを有し、該チャンバーは、チャンバー16の中へと食材の塊を導入するための前記の食材の塊用の入口17と、ドラム表面6に面する口18とを有する。この分野で一般的であるように、塊給送部材15は、型キャビティ10の充填開口部が充填位置において口18と連通する時に、型ドラム5の通過する型キャビティの中へと食材の塊を移送するように適合している。食材の塊は、その後、型キャビティにおいて食料製品、例えば肉製品(例えば牛挽肉の)を形成する。口は多数のオリフィスを有する、オリフィス付きのものであってもよく、塊が多くのサブストリームとして型キャビティの中へと流れるようになっている。
【0131】
図5は、塊給送部材の入口17に接続されたポンプ25を有していてもよい食材の塊給送および加圧システムを示していない。このシステムは概して、塊給送部材15のチャンバー16の中へと、かつ、口18を通してドラム5の型キャビティ10の中へと食材の塊を給送するように適合している。
【0132】
図5は加圧空気食料製品吐出システムを示しており、型ドラム5は、型キャビティ10へと延びる空気ダクト8を有する(例えば型キャビティの長手方向列毎に1つの空気ダクト)。型キャビティ10の範囲を定める表面の少なくとも一部が空気透過性であり、例えば多孔質材料(例えば多孔質焼結金属)でできている。各ダクト8は、前記型キャビティ10のうちの1つ以上に空気を輸送するように適合しており、前記空気が前記空気透過性型キャビティ表面部分を通過するようになっている。
【0133】
この空気吐出システムはさらに、加圧空気源250を有し、該加圧空気源250は、その製品解放位置(ここでは、コンベヤ35の上の円形軌道の底部付近)において1つ以上の型キャビティ10と関連付けられた空気ダクト8へとその調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送し、この製品解放位置における1つ以上の型キャビティ10からの成形された食料製品40の吐出を促進し、かつ/または、引き起こすように作動可能である。
【0134】
吐出システムは、第1の空気圧縮機251を有し、第1の加圧空気貯蔵タンク252を有し、第1の圧力調整バルブ253を有し、かつ、第1のタンク252の出口に第1の空気制御バルブ254を有する。
【0135】
この例では、吐出システムはさらに、第2の空気圧縮機261を有し、第2の加圧空気貯蔵タンク262を有し、第2の圧力調整バルブ263を有し、かつ、第2のタンク262の出口に第2の空気制御バルブ264を有する。
【0136】
全般的に、前記の源50の場合と同様、空気吐出システムは、ドラム5付近(例えばドラム5に軸方向端部付近)でフレーム上に配置された吐出空気放出器55へとその調整された吐出空気圧にて加圧空気を給送するように作動可能である。作動中、ドラムのダクト8の入口は、空気放出器55をシーケンシャルに通り、かつ、それと位置が合い、ダクト8の中への吐出空気の導入を可能にする。空気は、その後、前記ダクト8に接続された1つ以上のキャビティ10の透過性表面から外に出るように流れ、かつ、本分野で知られているように、図4に描かれているように、製品解放位置における前記の1つ以上のキャビティからの成形された食料製品の吐出を促進し、かつ/または、引き起こす。
【0137】
アセンブリー250は、吐出空気の圧力を調整し、単一の空気吐出イベントの最中に可変圧力レベル(例えば最初はいっそう低い空気圧であり、その後でいっそう高い空気圧である)にて各空気ダクト8へと空気を提供することを可能にすることが想定される。
【0138】
例えば加圧空気は、比較的高圧にて第1の空気貯蔵タンク252に貯蔵され、かつ、比較的低圧にて第2の貯蔵タンク262に貯蔵される。バルブ254およびバルブ264の適切な制御によって、-単一の吐出イベントの最中に-、第1の空気貯蔵タンク252からの空気が吐出イベントの期間の一方の部分の最中にダクト8の中へと解放され、かつ、第2の貯蔵タンク264からの空気が吐出イベントの期間の他方の部分の最中にダクト8の中へと解放されるという効果が達成され得る。ダクト8は、実用的な実施形態においては、1分毎に100を超えるダクト(例えば、1分毎に200~250のダクト)の速度にて放出器55を通ってもよいので、このことは、例えば直動形電磁バルブを用いて可能であるミリ秒ドメインにおけるバルブ254,264のタイミングの制御を伴ってもよい。バルブ254,264は、放出器55付近に配置されてもよい。
【0139】
図示されている設備の実用的な作動では、まず、第2の貯蔵タンク262のバルブ264は、比較的(第1の貯蔵タンク252におけるいっそう高い圧力と比べて)低い第2の圧力の空気がダクト8の中へと給送され、例えばキャビティ10からの成形された製品の初期の解放を引き起こすように開く。その後、非常に小さいラグタイムで、第1の貯蔵タンク252からのいっそう高圧の空気のバーストがバルブ154によって解放され、かつ、解放された製品40がキャビティ10から効果的に放出されることを引き起こすのに用いられる。実施形態では、第1の空気圧の初期の適用およびその後のいっそう低い第2の空気圧の適用もまた想定され得る。
【0140】
図6aは、ドラム軸に対して概して平行である型キャビティの列121,122,123を有する型ドラム120を示している。キャビティの各列について、専用の空気ダクト124,125,126が、ドラムに提供される。これらダクト124,125,126は、ここではそれぞれ、ドラムの両方の軸方向端部に入口または開口部を有する(例えばここで描かれているようにドラム120の後部面に)。
【0141】
図6bは、ドラム120の経路の反対側の軸方向端部における2つの吐出空気放出器55a,bの提供を示しており、一方の空気放出器55aは、バルブ254を介して第1の貯蔵タンク252に接続され、かつ、第2の吐出空気放出器55bは、バルブ264を介して第2の貯蔵タンク262に接続される。この配置構成は、型キャビティから製品40を吐出するために2つのレベルの空気圧バーストを取得することを可能にすることが把握されるであろう。
【0142】
単一の空気吐出イベントの最中の吐出空気の可変圧力レベル(例えば2つの別個の圧力レベル)の使用は、成形された食料製品の解放および吐出を最適化するのに役立ち、かつ、この目的での加圧空気の使用を最適化するのに役立つであろう。所望されれば、単一の空気吐出イベントの期間にわたる空気圧の変化を取得するために、いっそう複雑な配置構成が可能であることが把握されるであろう(例えば、急速に反応する空気圧制御バルブを用いて)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6