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特許7191854光ガイドにおける光伝搬の増加を促進する、自動車用の信号灯用の照明デバイス
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】光ガイドにおける光伝搬の増加を促進する、自動車用の信号灯用の照明デバイス
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/239 20180101AFI20221212BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20221212BHJP
   F21V 7/00 20060101ALI20221212BHJP
   F21S 43/245 20180101ALI20221212BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20221212BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20221212BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20221212BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20221212BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20221212BHJP
【FI】
F21S43/239
F21S2/00 431
F21V7/00 530
F21S43/245
F21Y115:10
F21W103:20
F21W103:45
F21W103:10
F21W103:35
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2019559320
(86)(22)【出願日】2018-05-15
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-07-02
(86)【国際出願番号】 EP2018062622
(87)【国際公開番号】W WO2018210881
(87)【国際公開日】2018-11-22
【審査請求日】2021-04-02
(31)【優先権主張番号】1754266
(32)【優先日】2017-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】512151230
【氏名又は名称】マレッリ・オートモーティブ・ライティング・フランス
【氏名又は名称原語表記】MARELLI AUTOMOTIVE LIGHTING FRANCE
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100112911
【弁理士】
【氏名又は名称】中野 晴夫
(72)【発明者】
【氏名】アラン・ビュイッソン
(72)【発明者】
【氏名】エルワン・プロヴォ
(72)【発明者】
【氏名】ショーン・パターソン
【審査官】田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0104877(US,A1)
【文献】特開2013-088620(JP,A)
【文献】特開2014-207168(JP,A)
【文献】特開2004-196201(JP,A)
【文献】特開2014-175199(JP,A)
【文献】特開2013-109942(JP,A)
【文献】国際公開第2012/056951(WO,A1)
【文献】特開平10-161119(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0007817(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/00
F21S 2/00
F21V 7/00
F21Y 115/10
F21W 103/20
F21W 103/45
F21W 103/10
F21W 103/35
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
前面(6)によって画定されている光ガイド(4)と、前記光ガイド(4)の第1の端部(12)を照明する光源(18)と、前記光源(18)と前記光ガイドの前記前面(6)の一部との前に位置決めされている第1のマスク(20)とを含み、前記第1のマスク(20)は、前記光ガイドの前記前面(6)を見る観察者に対して前記光源(18)を隠し、前記第1のマスク(20)と反対側の前記光ガイドの前記前面(6)は、前記光源(18)によって放出されている光を反射する中間層(22)によって少なくとも部分的に覆われている照明デバイス(2A、2B、2C、2D、2E、2F)を含む自動車用の合図灯であって、
前記中間層(22)は、前記光ガイド(4)の前記前面(6)を覆う前記第1のマスク(20)の端部(24)から後退しており
前記光ガイド(4)は、前記合図灯の中間スクリーン又は外部スクリーンを形成することを特徴とする合図灯。
【請求項2】
前記中間層(22)は、前記第1のマスク(20)の後部に隠されている前記光ガイド(4)の前記第1の端部(12)と前記前面(6)の一部を隠す前記第1のマスク(20)の端部(24)との間に、前記光ガイド(4)において前記光源(18)によって放出されている前記光の伝搬方向へ、前記前面(6)に沿って連続的に延在することを特徴とする、請求項1に記載の合図灯。
【請求項3】
前記中間層(22)は、前記第1のマスク(20)の後部に隠されている前記光ガイド(4)の前記前面(6)の10%と100%との間を覆うことを特徴とする、請求項1又は2に記載の合図灯。
【請求項4】
前記中間層(22)は、前記第1のマスク(20)の後部に隠されている前記光ガイド(4)の前記前面(6)の端部を覆うことを特徴とする、請求項1~3のいずれか一項に記載の合図灯。
【請求項5】
前記第1のマスク(20)の前記端部(24)は、観察者に対して前記中間層(22)を完全に隠すように、前記光ガイド(4)の前記前面(6)の方へ湾曲されていることを特徴とする、請求項4に記載の合図灯。
【請求項6】
前記中間層(22)の厚さは、5mm未満、好ましくは1mm未満であることを特徴とする、請求項1~5のいずれか一項に記載の合図灯。
【請求項7】
前記中間層(22)は、前記第1のマスク(20)と接触していることを特徴とする、請求項1~6のいずれか一項に記載の合図灯。
【請求項8】
前記光ガイド(4)は、前記光ガイド(4)で伝搬する前記光を回折させる手段(26)を含むことを特徴とする、請求項1~7のいずれか一項に記載の合図灯。
【請求項9】
前記第1のマスク(20)は、1つ又は幾つかの回折手段(26)を覆うことを特徴とする、請求項8に記載の合図灯。
【請求項10】
前記光ガイド(4)は、第2のマスク(21)が前記光ガイドの前記前面(6)と面一にあるように、前記第2のマスク(21)を収容する溝を第2の端部(14)で含むことを特徴とする、請求項1~のいずれか一項に記載の合図灯。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載の合図灯を製造する方法であって、前記第1のマスク(20)を形成するように、前記光ガイドの前記前面(6)の一部に配置される前記中間層(22)をオーバーモールドするステップを実行する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車用の信号及び/又は合図灯の技術分野に関する。本発明は、より詳細には、実質的に均一に照明された光ガイドを含む、自動車合図灯用の照明デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
施行中の規則は、自動車の種類に応じて異なる照明又は合図灯を必要とする。しかし、全ての灯の体積に加えて、分類された個々の灯の均一性及び照明性能は、主要な関心事である。
【0003】
車両の方向の変更又は位置を示す光信号を表示するために薄いスクリーンを大体均一に照明する照明デバイスは、先行技術から知られている。図1は、後面8と平行な前面6によって画定されている光ガイド4を含む、照明デバイス1のこの種類の例を示す。前面及び後面は、これらの前面及び後面を接続する側面10によって画定されている。従って、光ガイド4は、第1の端部12と第2の端部14との間に、縦方向(A-A’)に延在する実質的に平面のスクリーンを形成する。光ガイド2は、第1の端部と第2の端部との間で、発光ダイオード18により放出された光線16の伝搬を可能にするために、透明である。より正確には、発光ダイオード18は、光ガイドの第1の端部12で位置決めされて、光ガイドの側面10を照明する。
【0004】
光ガイド4に沿った実質的に均一な照明の印象を与えるために、マスク20は、発光ダイオード18の前に、光ガイド4の前面6の一部に対して位置決めされる。このマスクは、光ガイド4で伝搬する光線16Aの分離及び/又は吸収を支持する、前面6の反射の特性を局所的に変更する。このように、発光ダイオード18によって放出された光線16Aの一部は、光ガイド4で伝搬する光信号の強度を減らす効果のあるマスク20で失われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、光ガイドにおけるより大量の光の伝搬を支持しながら、光ガイドに沿って実質的に均一に照明された光ガイドを含む、自動車合図灯用の照明デバイスを提案することによって、この問題を解決することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明は、前面によって画定されている光ガイドと、光ガイドの第1の端部を照明する光源と、光源と光ガイドの前面の一部との前に位置決めされている第1のマスクとを含み、第1のマスクは、光ガイドの前面を見る観察者に対して光源を隠す照明デバイスを提案する。換言すれば、本例において、観察者は、光ガイドの前面に面する。
【0007】
本発明は、第1のマスクと反対側の光ガイドの前面が、光源によって放出されている光を反射する中間層によって少なくとも部分的に覆われていることを特徴とする。
【0008】
光ガイドと第1のマスクとの間に介在されている中間層は、光源によって放出されている光を反射することができ、従って、第1のマスクにおいて光ガイドで伝搬する光の分離の現象を制限することができる。このように、中間層は、光ガイドにおけるより大量の光の伝搬を支持する。好ましくは、光ガイドで伝搬する光量を最適化するために、中間層は、光源によって放出されている光を完全に反射する。
【0009】
本発明の第1の実施形態によれば、中間層は、第1のマスクの後部に隠されている光ガイドの第1の端部と前記前面の一部を隠す第1のマスクの端部との間に、光ガイドにおいて光源によって放出されている光の伝搬方向へ、前面に沿って連続的に延在する。
【0010】
本発明の別の実施形態によれば、中間層は、第1のマスクの後部に隠されている光ガイドの前面の10%と100%との間、好ましくは70%と90%との間を覆う。
【0011】
本発明の別の実施形態によれば、中間層は、第1のマスクの後部に隠されている光ガイドの前面の端部を覆う。前面の端部は、光ガイドの第1の端部に対応する。換言すれば、中間層は、光ガイドの第1の端部を画定する側面の縁まで延在する。
【0012】
本発明の別の実施形態によれば、中間層は、光ガイドの前面を覆う第1のマスクの端部から後退されている。有利なことに、この実施形態は、中間層が、光ガイドの前面を覆う第1のマスクの端部で目に見えないようにすることができる。別の利点によれば、これにより、中間層の縁でホットスポットの印象を軽減することもできる。ここで、「ホットスポット」は、光源によってより強く照明された光ガイドの領域を意味する。この後退の値は、数ミリメートルと数十ミリメートルとの間、好ましくは5mmと15mmとの間、又は5mmと10mmとの間に含まれ、好ましくは6mmのオーダーである。
【0013】
本発明の別の実施形態によれば、第1のマスクの端部は、観察者に対して中間層を完全に隠すように、光ガイドの前面の方へ湾曲されている。好ましくは、前記前面と協力して、湿気及び塵埃から分離膜を保護するハウジングを形成するために、第1のマスクの端部は、光ガイドの前面と接触している。
【0014】
本発明の別の実施形態によれば、中間層の厚さは、5mm未満、好ましくは1mm未満である。
【0015】
本発明の別の実施形態によれば、中間層は、第1のマスクと接触している。有利なことに、この実施形態により、照明デバイスの厚さを最小化することができる。
【0016】
本発明の別の実施形態によれば、中間層は、アルミニウム、銀又はクロムの種類の金属材料から形成されている。
【0017】
本発明の別の実施形態によれば、光ガイド全体を通る光の伝搬を支持するように、光ガイドは、透明又は半透明の態様の材料から形成されている。一例として、光ガイドは、次の材料ポリ(メチルメタクリレート(PMMA)及び/又はポリカーボネート(PC))のうち1つから形成されてもよい。当然、これらの例は、網羅的ではない。
【0018】
本発明の別の実施形態によれば、光源は、少なくとも1つの発光ダイオードを含む。好ましい実施形態によれば、光源は、光ガイドで異なる色の光情報を表示する異なる色の幾つかの発光ダイオードを含む。一例として、光源は、本発明による照明デバイスを設けた自動車の方向の変更を合図する黄色、及び/又は前記自動車の後方移動を合図する白色、及び/又はこの自動車の位置標示及び/又はブレーキを合図する赤色を用いて、光ガイドを照明するように構成されてもよい。
【0019】
本発明の別の実施形態によれば、照明デバイスは、光ガイドの別の端部、好ましくは光ガイドの第1の端部と反対側の光ガイドの第2の端部を照明する別の光源を含む。有利なことに、この実施形態により、一層大きいサイズの光ガイドをより均一に照明することができる。
【0020】
好ましい実施形態によれば、光ガイドは、第2のマスクが光ガイドの前面と面一にあるように、第2のマスクを収容する溝を第2の端部で含む。第2のマスクは、光ガイドの第2の端部でホットスポットの印象を制限することができる。この実施形態により、光ガイドの前面及び第2のマスクの前面で平面を形成することもできる。これにより、より美的な効果が生成される。別の利点によれば、光ガイドの前面と第2のマスクの前面との間の位置合わせは、塵埃を保持し易い突起を有しない同一面を形成する。従って、照明デバイスは、保守するのに一層単純である。別の利点によれば、この同一面で突起が無いと、このような照明デバイスを設けた自動車と歩行者との間の衝突の場合に損傷の危険性が制限される。
【0021】
本発明の別の実施形態によれば、第2のマスクと反対側の光ガイドの前面は、他の光源によって放出されている光を反射する別の中間層によって少なくとも部分的に覆われている。第1のマスクと反対側の中間層に関する上述の異なる変型実施形態は、他の中間層と置き換え可能である。
【0022】
本発明の別の実施形態によれば、光ガイドは、光ガイドで伝搬する光を回折させる手段を含む。回折手段は、光ガイドの縦軸(A-A’)と実質的に垂直な少なくとも1つの方向に光を反射するように構成されている。回折手段は、特に、第1のマスク及び/又は第2のマスクによって覆われていない光ガイドの部分に存在する。その結果、この回折手段によって回折させた光は、光ガイドの前面を見る観察者によって一層容易に見える。
【0023】
好ましい実施形態によれば、第1のマスク及び/又は第2のマスクは、1つ又は幾つかの回折手段を覆う。有利なことに、この実施形態により、第1のマスク又は第2のマスクの後部で観察する視角を観察者が傾ける場合、観察者は、第1のマスク又は第2のマスクを越えて光をより良く感知することができる。一例として、第1の回折手段は、5mmと15mmとの間に含まれ、好ましくは10mmのオーダーである、光ガイドを覆う第1のマスク及び/又は第2のマスクの一方の端部からある距離を置いて位置決めされることによって、第1のマスク及び/又は第2のマスクから後退されていてもよい。当然、これらの値は、光源の電力、第1のマスク及び/又は第2のマスクの長さ、及び光ガイドの厚さに応じて調整可能である。
【0024】
本発明の好ましい実施形態によれば、回折手段は、光ガイドの後面に設けられている空洞を形成し、この後面は、光ガイドの前面と反対側である。代替の実施形態によれば、この後面は、粒状である。
【0025】
本発明の別の実施形態によれば、光ガイドは、光ガイドの前面で三次元表面を形成するように、少なくとも1つの凹面及び/又は少なくとも1つの凸面を形成する。この実施形態により、照明デバイスは、光学ケースの形状、及び/又は本発明による照明デバイスを設けた自動車の車体の輪郭に対して、一層適応することができる。
【0026】
上述の異なる特徴、変型例及び実施形態は、それらが互いに矛盾しない又は排他的でない限り、様々な組み合わせに応じて互いに対応付けられてもよい。
【0027】
更に、本出願は、上述のような照明デバイスを製造する方法であって、光ガイドの前面の一部に中間層をオーバーモールドするステップ、そして中間層の少なくとも一部に第1のマスクを固定するステップを実行する方法に関する。限定されない例として、既知の手段を用いて、第1のマスクを中間層に貼り付けてもよい。代替案によれば、第1のマスクの面に対して中間層を塗布する第1のステップ中に、本発明による照明デバイスを製造し、次に、既知の手段を用いて、光ガイドの前面と反対側に、第1のマスクを維持し、その結果、中間層は、前記前面と接触している。変型実施形態によれば、上述のような照明デバイスを製造する方法は、第1のマスクを形成するように、光ガイドの前面の一部に中間層をオーバーモールドするステップを実行する。有利なことに、上述のオーバーモールド技法により、光ガイドの前面で、外部環境から中間層を保護することができる。
【0028】
更に、本発明は、上述のような照明デバイスを含む自動車用の合図灯又は側灯に関する。照明デバイスの光ガイドは、合図灯の中間スクリーンを形成してもよい。
【0029】
好ましくは、光ガイドは、合図灯の外部スクリーンを形成する。「外部スクリーン」は、光学ケースに存在する構成要素を外部環境から保護するように、照明デバイスを収容する光学ケースの一部を光ガイドが閉じるということを意味する。有利なことに、光ガイドは、次の2つの機能、光学ケースに存在する構成要素を保護する機能、及び本発明による合図灯を設けた自動車の方向の変更及び/又は位置を観察者に警告するために光信号を光ガイドに表示する機能を同時に保証する。従って、特定の保護スクリーンをもはや使用する必要がなく、有利なことに、このようなスクリーンなしで済ますことができ、合図灯の奥行きだけでなく合図灯の重量も減らすことができる。「奥行き」は、光ガイドの前面と実質的に垂直な方法における合図灯のサイズを意味する。一例として、本発明による合図灯の奥行きは、したがって50mm以下又は15mm以下、好ましくは9mm以下であってもよい。
【0030】
本発明によって提案されるような浅い合図灯は、より小さい容積のために、より幅広い種類の車体に一層適応することができる。そのようなものとして本発明による合図灯を、自動車の前面、及び/又は1つの側面、及び/又は後面に位置決めしてもよい。このように、本発明は更に、上述のような合図灯を含む自動車に関する。
【0031】
本発明は、限定されない例として与えられ、概略的な添付図面を参照して説明される好ましい実施形態に関する下記の説明によって、より良く理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0032】
図1】最新技術による照明デバイスの略縦断面図である。
図2】本発明による照明デバイスの第1の実施形態の略縦断面図である。
図3】本発明による照明デバイスの第2の実施形態の略縦断面図である。
図4】本発明による照明デバイスの第3の実施形態の略縦断面図である。
図5】本発明による照明デバイスの第4の実施形態の略縦断面図である。
図6】本発明による照明デバイスの第5の実施形態の略縦断面図である。
図7】本発明による照明デバイスの第6の実施形態の略縦断面図である。
図8図7による照明デバイスを含む合図灯の略縦断面図である。
図9図8による合図灯の前面の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
確認として、本発明は、光ガイドにおけるより大量の光の伝搬を支持しながら、光ガイドに沿って実質的に均一に照明された光ガイドを含む、自動車合図灯用の照明デバイスを提案する。
【0034】
図2に例示する第1の実施形態によれば、本発明による照明デバイス2Aは、光ガイド4が光ガイドの前面6で実質的に凸であるという点、及び前面6と第1のマスク20との間に介在された中間層22を含むという点で、上述の照明デバイス1と異なる。これらの2つの照明デバイス1及び2Aの間の同じ要素を同じ参照符号で示すことに留意すべきである。
【0035】
より正確には、中間層22は、光ガイドの前面6及び第1のマスク20と接触している。中間層22は、発光ダイオード18によって放出された光線16に対して、少なくとも部分的に反射する、好ましくは全反射する。従って、有利なことに、発光ダイオード18によって放出されたより大量の光が、光ガイド4で伝搬する。このように、光ガイド4は、光ガイドの前面6を見る観察者によって、上述の光ガイド1よりも明るいと感じられる。
【0036】
限定されない例として、中間層22は、アルミニウムから形成される。中間層22は、第1のマスク20によって隠された、光ガイド4の第1の端部12から、光ガイド4の前面6の一部を隠す第1のマスクの端部24まで延在する。換言すれば、中間層22は、光ガイド4の前面6を隠す第1のマスク20の全長L又は100%にわたって延在する。
【0037】
好ましくは、中間層22は、照明デバイス2Aの全厚を最適化するために、出来るだけ薄い。当然、中間層は、光ガイド4で伝搬する光線16の大部分を反射するのに十分厚い。例えば、中間層の性質に応じて、中間層の厚さは、0.1mmと2mmとの間に含まれ、好ましくは1mmのオーダーである。
【0038】
本例によれば、光ガイド4は、光ガイドの後面8から光ガイドの前面6を隔てる距離として定義される厚さが、1mmと50mmとの間に含まれ、好ましくは25mmのオーダーである三次元壁を形成するように変曲点を含む。当然、他の実施形態(図示せず)によれば、光ガイドは、凹及び/又は凸であってもよい。
【0039】
光ガイド4は、この光ガイドに沿って光線16の伝搬を可能にするために、透明である。好ましくは、光ガイドの前面における測定「ヘーズ(HAZE)」値は、60%と98%との間に含まれ、好ましくは70%を超える。限定されない例として、光ガイド4は、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)及び/又はポリカーボネート(PC)から形成される。
【0040】
更に、第1のマスク20は、上述の材料のうち1つから形成され、光線16に対して不透明であるように処理される。実際には、光ガイド4は、光ガイド4の第1の端部12で発光ダイオードによって照明される場合、軸(A-A’)に沿って定義される、約200mm~300mmの長さ、更に、別の発光ダイオードが光ガイド4の第2の端部14を照明する場合(図示せず)、最大600mmの長さを有してもよい。
【0041】
図3は、ここで本発明による照明デバイス2Bの第2の実施形態を例示する。この実施形態は、中間層22が第1のマスク20の端部24から後退されているという点で、上述の例と異なる。その結果、前面6に面する観察者は、中間層22を観察するのが難しい。好ましくは、第1のマスク20の端部24は、中間層22の縁で観察可能なホットポイントの印象を減らすようにした長さだけ中間層フィルム22から突出する。ここで、「ホットスポット」は、光源18によって光ガイド4の前面6で局所的に多く照明された光ガイド4の領域を意味する。本例によれば、第1のマスクの端部24は、5mmと15mmとの間に含まれる長さ、好ましくは10mmのオーダーの長さだけ中間層から突出する。当然、この値は、中間層の厚さ及び光源の電力に応じて変わりやすい。
【0042】
図4は、本発明による照明デバイス2Cの第3の実施形態を例示する。この実施形態は、前面6に面する観察者に対して中間層22を完全に隠すように、第1のマスク20の端部24が光ガイド4の前面6の一部を覆うという点で、上述の例と異なる。好ましくは、端部24は、光ガイド4の前面6と直接接触している。その結果、第1のマスク20及び光ガイドは、特に、湿気及び塵埃から中間層フィルム22を保護するハウジングを形成する。好ましい実施形態によれば、第1のマスク20の端部24は、上述のホットスポットの印象を減らすために、前面6上で5mmと6mmとの間に含まれる長さにわたって延在する。
【0043】
図5は、本発明による照明デバイス2Dの第4の実施形態を例示する。この第4の例は、光ガイド4が、光ガイド4の第2の端部14を画定する側面10の一部と光ガイド4の前面6の一部とに開口する溝を含むという点で、上述の例と異なる。この溝は、前面6と面一の第2のマスク21を収容するように構成されている。第1のマスク20と同様に、第2のマスク21の存在は、光ガイドの端部におけるホットスポットの感じを弱めることを目的とする。好ましくは、この第2のマスクを成形して、この溝を形成する。好ましくは、第1及び第2のマスクを、光ガイド4上に同時に成形する。
【0044】
図6は、光ガイド4が、光ガイド4の後面8に円錐空洞26を含む、本発明による照明デバイス2Eの第5の実施形態を例示する。各空洞26は、観察者に対して光ガイドの光出力を均一化する、更に散乱異常を除去するために、光ガイド4の第1の端部12と第2の端部14との間で伝搬する光線16の一部を散乱させるように構成されている。
【0045】
好ましくは、第1のマスクの後部で観察する視角を観察者が傾ける場合、観察者が第1のマスクを越えて光をより良く感知することができる一方、第1のマスク20で光ガイド4における光線16の最適伝搬を維持するために、少数の空洞26を第1のマスク20と反対側に設ける。好ましくは、光ガイドの第1の端部12から空洞26を隔てる最短距離は、5mmと20mmとの間に含まれ、好ましくは10mmのオーダーである。当然、第1のマスク20と同様に、第2のマスク21は、同じ理由で、少数の空洞26を覆ってもよい。
【0046】
図7は、本発明による照明デバイス2Fの第6の実施形態を例示する。この新しい実施形態は、反射層で覆われた板28を照明デバイス2Fが含むという点で、第5の実施形態と異なる。この反射層は、光ガイド4の後面8と反対側に置かれる。より正確には、反射層は、光ガイド4によって散乱された光を光ガイド4の前面6の方へ反射するように構成されている。限定されない例として、板28を覆う反射層は、中間層22と同じ性質、即ち、滑らかな金属化表面を有してもよい。有利なことに、これは、観察者が光ガイド4の前面6の観察角度を変える場合に空洞26が移動する光ガイド4の前面6の観察者に対する視覚的効果として生成することによって、空洞26に動的効果を与えることができる。逆に、反射層上で反射する光を均一化する、従って光ガイド4によって放出された均一光帯の印象を強調するために、板28を覆う反射層は、ザラザラの面を有してもよい。
【0047】
変型実施形態によれば、光ガイド4は無色であり、板28を覆う反射層は、より大量の光の反射を支持するために明るい。好ましい実施形態によれば、反射層は、本発明による照明デバイスを設けた自動車の車体の色と同様の色を有する。従って、光源による光信号の放出が無い場合、光ガイドにより、外光が反射層上で反射して、車体の均一性の印象を与えることができる。従って、この実施形態は、車体上の照明デバイスのより美的な統一性を提供する。
【0048】
本発明の別の変型実施形態(図示せず)によれば、光ガイド4の漸進的照明の効果を生成するように、光源によって放出される光の強度及び/又は色を漸進的に変えることができる照明デバイスによって、光源を制御する。
【0049】
好ましくは、上述の照明デバイスは、自動車用の合図灯又は側灯、例えば、合図灯及び/又は位置標示灯の追加要素を装備することを目的とする。一例として、上述の第6の実施形態を、光学ケース32に一体化して、図8及び図9に例示する合図灯3を形成してもよい。有利なことに、光ガイド4は、合図灯3の外部スクリーンを形成する。その結果、光ガイドは、次の2つの機能、光学ケース32に存在する構成要素を保護する機能、及び本発明による合図灯を設けた自動車の方向の変更及び/又は位置を観察者に警告するために光信号を光ガイドに表示する機能を同時に保証する。従って、特定の保護スクリーンをもはや使用する必要がなく、有利なことに、このようなスクリーンなしで済ますことができ、合図灯の奥行き及び重量を減らすことができる。一例として、本発明による合図灯の奥行きは、したがって50mm以下又は15mm以下、好ましくは9mm以下であってもよい。本発明によって提案されるような浅い合図灯は、より小さい容積のために、より幅広い種類の車体に一層適応することができる。別の利点によれば、第1のマスク20及び第2のマスク21は、本発明による照明デバイスによって放出される光帯を個性化するために、輪郭が様々な形状である窓を画定するように、好ましくは、光ガイドの前面6の上にオーバーモールドされた、図9に例示するようなフレームを形成する。
【0050】
上述のように、更に、本発明は、上述のような照明デバイスを製造する方法に関する。限定されない例によれば、この製造方法は、プラスチック材料の高温射出の技法によって、その目的のために設計された型で、光ガイド4を成形する第1のステップを実行する。使用されるプラスチック材料は、例えば、ポリメチルメタクリレート(PMMA)及び/又はポリカーボネート(PC)である。図4に例示するように、光ガイドは、光ガイドのより大きい面で、後面8と反対側の前面6によって画定される。本例によれば、前面6によって画定される面は、数cmと数mとの間に含まれる。光ガイド4の厚さは、上述の値の範囲に含まれる。光学ケース用の外部スクリーンとしての機能を果たすことができる、三次元壁を形成するように、光ガイド4を製造する。
【0051】
次に、第2のステップ中に、光ガイド4の第1の端部12に位置する、光ガイド4の前面6の一部に、上述のような中間層22を塗布する。光ガイド4の前面6の温度が80℃未満、好ましくは60℃未満であるように、光ガイド4が十分冷却された後に、この第2のステップを実行する。従って、中間層の変形又は劣化の危険性は制限される。中間層22の厚さは、上述の値の範囲に含まれる。
【0052】
第3及び最後のステップ中に、光ガイド4を形成するために使用されるプラスチック材料と互換性があるプラスチック材料の射出によって、本発明による第1のマスク20を形成するために中間層22をオーバーモールドする。「互換性がある」とは、光ガイド上に接着及びシール層を形成するプラスチック材料の使用を意味する。より正確には、光ガイド4と第1のマスク20との間に中間層22を封入するように、図4に例示するように、中間層22及び光ガイド4の前面6の一部に対して、プラスチック材料を薄く塗る。
【0053】
従って、有利なことに、中間層22を外部環境から保護する。照明デバイス2Cを、自動車合図灯用の外部スクリーンとして使用してもよい。その結果、特定の保護スクリーンを照明デバイスの前に置いて照明デバイスを外部環境から保護する必要がもはやないので、合図灯は、最新技術に対して非常に薄い厚さを有する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9