(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】低摩擦係数のエチレン系組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 23/04 20060101AFI20221212BHJP
C08L 83/04 20060101ALI20221212BHJP
B32B 27/32 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
C08L23/04
C08L83/04
B32B27/32 103
B32B27/32 E
(21)【出願番号】P 2019567359
(86)(22)【出願日】2018-06-05
(86)【国際出願番号】 US2018035952
(87)【国際公開番号】W WO2018226620
(87)【国際公開日】2018-12-13
【審査請求日】2021-05-24
(32)【優先日】2017-06-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100104282
【氏名又は名称】鈴木 康仁
(72)【発明者】
【氏名】オンガイ、オウンディ
(72)【発明者】
【氏名】ロープ、コスム
【審査官】堀内 建吾
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2005/066263(WO,A1)
【文献】シリコーンの分子量とその測定,高分子化学,第15巻 第153号,1958年,55頁
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 23/04
C08L 83/04
B32B 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
(A)エチレン系ポリマーと、
(B)スリップ剤ブレンドであって、前記スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、
(i)50wt%超~99wt%の、30,000g/mol~300,000g/mol未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサンと、
(ii)1wt%~50wt%未満の、300,000g/mol~2,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンと、を含む、スリップ剤ブレンドと、を含
み、
前記第1のポリジメチルシロキサンと第2のポリジメチルシロキサンとを合わせた量が、100wt%のスリップ剤ブレンドになる、組成物。
【請求項2】
前記第1のポリジメチルシロキサンが、30,000g/mol~50,000g/mol未満のMnを有し、前記第2のポリジメチルシロキサンが、300,000g/mol~550,000g/molのMnを有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記スリップ剤ブレンドが、
(i)60wt%~90wt%の前記第1のポリジメチルシロキサンと、
(ii)10wt%~40wt%の前記第2のポリジメチルシロキサンと、を含む、
請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記エチレン系ポリマーが、エチレン/α-オレフィンコポリマーである、請求項1~3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
前記組成物が、前記組成物の総重量に基づいて、0.1wt%~5.0wt%の前記スリップ剤ブレンドを含む、請求項1~4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
前記組成物の総重量に基づいて、
(i)0.05wt%超~4.95wt%の前記第1のポリジメチルシロキサンと、
(ii)0.01wt%~2.5wt%未満の前記第2のポリジメチルシロキサンと、を含む、請求項1~5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
前記エチレン系ポリマーが、エチレンプラストマー/エラストマーおよび低密度ポリエチレン(LDPE)を含む、請求項1~6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
請求項1~7のいずれかに記載の組成物を含む層を含むフィルム。
【請求項9】
前記フィルムが、請求項1~7のいずれかに記載の組成物を含む第1の層を含む多層フィルムである、請求項8に記載のフィルム。
【請求項10】
前記フィルムが、前記第1の層と接触している第2の層であって、第2のエチレン系ポリマーを含む、第2の層を含む、請求項9に記載のフィルム。
【請求項11】
前記フィルムが、前記第1の層と接触している第2の層であって、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む、第2の層を含む、請求項9に記載のフィルム。
【請求項12】
前記第1の層が、シーラント層である、請求項9~11のいずれかに記載のフィルム。
【請求項13】
少なくとも2つの層を含む多層フィルムであって、前記少なくとも2つの層が、
第1の層であって、
(A)第1のエチレン系ポリマーと、
(B)スリップ剤ブレンドであって、前記スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、
(i)50wt%超~99wt%の、30,000g/mol~300,000g/mol未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサンと、
(ii)1wt%~50wt%未満の、300,000g/mol~2,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンと、
を含む、スリップ剤ブレンドと、を含
み、
前記第1のポリジメチルシロキサンと第2のポリジメチルシロキサンとを合わせた量が、100wt%のスリップ剤ブレンドになる、第1の層と、
前記第1の層と接触している第2の層であって、第2のエチレン系ポリマーを含む、
第2の層と、を含み、
前記第1の層が、0.01~0.35の摩擦係数(COF)を有する、多層フィルム。
【請求項14】
前記第2の層が、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む、請求項13に記載の多層フィルム。
【請求項15】
前記第2の層と接触している第3の層であって、第3のエチレン系ポリマーを含む、第3の層をさらに含む、請求項13または14に記載の多層フィルム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
本開示は、スリップ剤を含むエチレン系組成物、およびその組成物を含むフィルムに関する。
【0002】
エチレン系ポリマーから形成されたフィルム層は、例えば、食品包装および特殊包装等の様々な用途で、多層フィルムに使用されている。エチレン系ポリマーの外側フィルム層は、製作ラインまたは包装ライン等におけるフィルムの効率的な加工のために低い摩擦係数(COF)(例えば、0.35未満)を必要とする。低いCOFを達成するために、典型的には、スリップ剤がエチレン系ポリマー外層に添加される。従来のスリップ剤は、フィルムの表面に移動することによってフィルムのCOFを低下させることで知られているエルカミドおよびオレアミド等の不飽和脂肪酸アミドを含む。しかしながら、時間、高温、高圧、および様々な変換プロセス等の異なる環境条件下で従来の移動性スリップ剤を使用して一貫した低いCOFを維持するのは困難である。
【0003】
当該技術分野は、移動性スリップ剤を用いることなく低いCOF(例えば、0.35未満)を呈するエチレン系ポリマー組成物の必要性を認識している。当該技術分野は、移動性スリップ剤を用いることなく低いCOF(例えば、0.35未満)を呈するエチレン系ポリマー組成物を含むフィルムの必要性も認識している。
【発明の概要】
【0004】
本開示は、組成物を提供する。本組成物は、(A)エチレン系ポリマーと、(B)スリップ剤ブレンドであって、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、(i)50wt%超~99wt%の、30,000g/mol~300,000g/mol未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサンと、(ii)1wt%~50wt%未満の、300,000g/mol~2,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンとを含む、スリップ剤ブレンドとを含む。本開示は、本組成物を含む層を有するフィルムも提供する。
【0005】
本開示は、多層フィルムも提供する。多層フィルムは、第1の層と、第1の層と接触している第2の層とを含む少なくとも2つの層を含む。第1の層は、(A)エチレン系ポリマーと、(B)スリップ剤ブレンドであって、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、(i)50wt%超~99wt%の、30,000g/mol~300,000g/mol未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサンと、(ii)1wt%~50wt%未満の、300,000g/mol~2,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンとを含む、スリップ剤ブレンドとを含む。第2の層は、第2のエチレン系ポリマーを含む。第1の層は、0.01~0.35の摩擦係数(COF)を有する。
【0006】
定義
元素周期表へのいずれの参照も、CRC Press,Inc.,1990-1991によって公開されたものへの参照とする。この周期表における元素の族への参照は、族の番号付けの新しい表記法による。
【0007】
米国特許慣行の目的のために、いずれの参照される特許、特許出願、または刊行物の内容も、特に定義の開示(本開示に具体的に提供されるいずれの定義とも矛盾しない程度に)および当該技術分野の一般知識に関して、参照によりそれらの全体が組み込まれる(またはその等価米国版が参照によりそのように組み込まれる)。
【0008】
本明細書に開示される数値範囲は、下限値および上限値を含む、下限値から上限値までの全ての値を含む。明確な値(例えば、1もしくは2、または3~5、または6、または7)を含む範囲の場合、いずれの2つの明確な値間のいずれの部分範囲(例えば、1~2、2~6、5~7、3~7、5~6等)も含まれる。
【0009】
相反する記載がなく、文脈から暗示されておらず、または当該技術分野で慣例的でない限り、全ての部およびパーセントは重量に基づき、全ての試験方法は、本開示の出願日の時点で最新のものある。
【0010】
「アルケニル」(または「アルケニル基」)という用語は、アルケン基から1個の水素原子を除去することによって脂肪族炭化水素から誘導される有機ラジカルを指す。アルケニル基の非限定的な例は、ビニル基である。「ビニル基」は、-CH=CH2基である。
【0011】
「アルコキシ」(または「アルコキシ基」)とは、-OZ1ラジカルを指し、代表的なZ1には、アルキル、置換アルキル、シクロアルキル、置換シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、シリル基、およびそれらの組み合わせが含まれる。好適なアルコキシラジカルの非限定的な例としては、メトキシ、エトキシ、ベンジルオキシ、およびt-ブトキシが挙げられる。
【0012】
「アルキル」(または「アルキル基」)という用語は、脂肪族炭化水素から1個の水素原子を除去することによって脂肪族炭化水素から誘導される有機ラジカルを指す。アルキル基は、直鎖状、分岐状、環状、またはそれらの組み合わせであり得る。「置換アルキル」という用語は、少なくとも1個の水素原子が少なくとも1個のヘテロ原子を含む置換基で置換されているアルキルを指す。ヘテロ原子としては、O、N、P、およびSが挙げられるが、これらに限定されない。置換基としては、ハロゲン化物、OR’、NR’2、PR’2、P(=O)R’2、SiR’3(式中、各R’が独立して、C1-C20ヒドロカルビル基である)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0013】
「アルキニル」(または「アルキニル基」)という用語は、アルキン基から1個の水素原子を除去することによって脂肪族炭化水素から誘導される有機ラジカルを指す。
【0014】
「アリール」(または「アリール基」)という用語は、芳香族炭化水素から1個の水素原子を除去することによって芳香族炭化水素から誘導される有機ラジカルを指す。アリール基は、単環系および/または縮合環系であってもよく、これらの各環は、好適には、5~7個、好ましくは5個または6個の原子を含む。2つ以上のアリール基が単結合(複数可)を介して結合している構造も含まれる。具体的な例としては、フェニル、トリル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、インデニル、フルオレニル、ベンゾフルオレニル、フェナントリル、トリフェニレニル、ピレニル、ペリレニル、クリセニル、ナフタセニル、フルオランテニル等が挙げられるが、これらに限定されない。「置換アリール」という用語は、少なくとも1個の水素原子が少なくとも1個のヘテロ原子を含む置換基で置換されているアリールを指す。ヘテロ原子としては、O、N、PおよびSが挙げられるが、これらに限定されない。置換基としては、ハロゲン化物、OR’、NR’2、PR’2、P(=O)R’2、SiR’3(式中、各R’が独立して、C1-C20ヒドロカルビル基である)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0015】
本明細書で使用される「ブレンド」または「ポリマーブレンド」という用語は、2つ以上のポリマーのブレンドである。かかるブレンドは、混和性であってもなくてもよい(分子レベルで相分離されない)。かかるブレンドは、相分離されていてもいなくてもよい。かかるブレンドは、透過電子分光法、光散乱、X線散乱、および当該技術分野で既知の他の方法から決定される、1つ以上のドメイン構成を含んでも含まなくてもよい。
【0016】
「組成物」という用語は、その組成物を含む材料の混合物、ならびにその組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物を指す。
【0017】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、およびそれらの派生語は、それらが具体的に開示されているか否かにかかわらず、いずれの追加の成分、工程、または手順の存在も除外するようには意図されていない。いかなる疑念も避けるために、「を含む(comprising)」という用語を使用して特許請求される全ての組成物は、相反する記載がない限り、ポリマー性か別様のものかにかかわらず、いずれの追加の添加剤、アジュバント、または化合物も含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、操作性に必須ではないものを除いて、いずれの後続の引用範囲から、いずれの他の成分、工程、または手順も除外する。「からなる」という用語は、具体的に描写または列記されていないいずれの成分、ステップ、または手順も除外する。「または」という用語は、別途記載がない限り、列記されるメンバーを個別に、かつ任意の組み合わせで指す。単数形の使用には複数形の使用が含まれ、またその逆も同様である。
【0018】
「シクロアルキル」とは、単環または複数の縮合環を有する飽和環状非芳香族炭化水素ラジカルである。好適なシクロアルキルラジカルの非限定的な例としては、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロオクチル、ビシクロオクチル等が挙げられる。具体的な実施形態では、シクロアルキルは、3~200個の個の炭素原子、3~50個の炭素原子、または3~20個の炭素原子を有する。
【0019】
「エチレン系ポリマー」とは、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント超の重合エチレンモノマーを含み、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含み得るポリマーである。エチレン系ポリマーは、エチレンホモポリマーおよびエチレンコポリマー(エチレンおよび1つ以上のコモノマーに由来する単位を意味する)を含む。「エチレン系ポリマー」および「ポリエチレン」という用語は、同義に使用され得る。エチレン系ポリマー(ポリエチレン)の非限定的な例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状ポリエチレンが挙げられる。直鎖状ポリエチレンの非限定的な例としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、多成分エチレン系コポリマー(EPE)、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(別名、オレフィンブロックコポリマー(OBC))、シングルサイト触媒直鎖状低密度ポリエチレン(m-LLDPE)、実質的に直鎖状または直鎖状のプラストマー/エラストマー、および高密度ポリエチレン(HDPE)が挙げられる。一般に、ポリエチレンは、チーグラー・ナッタ触媒等の不均一触媒系、4族遷移金属および配位子構造、例えば、メタロセン、非メタロセン金属中心、ヘテロアリール、ヘテロ原子価アリールオキシエーテル、ホスフィンイミン等を含む均一触媒系を使用して、気相流動床反応器、液相スラリープロセス反応器、または液相溶解プロセス反応器内で生成され得る。不均一触媒および/または均一触媒の組み合わせも、単一反応器構成または二重反応器構成のいずれにも使用することができる。
【0020】
「エチレンプラストマー/エラストマー」とは、エチレンに由来する単位と、少なくとも1つのC3-C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC4-C8α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC6-C8α-オレフィンコモノマーに由来する単位とを含む、均一短鎖分岐分布を含む実質的に直鎖状または直鎖状のエチレン/α-オレフィンコポリマーである。エチレンプラストマー/エラストマーは、0.870g/cc、または0.880g/cc、または0.890g/ccから、0.900g/cc、または0.902g/cc、または0.904g/cc、または0.909g/cc、または0.910g/cc、または0.917g/ccまでの密度を有する。エチレンプラストマー/エラストマーの非限定的な例としては、AFFINITY(商標)プラストマーおよびエラストマー(The Dow Chemical Companyから入手可能)、EXACT(商標)プラストマー(ExxonMobil Chemicalから入手可能)、Tafmer(商標)(Mitsuiから入手可能)、Nexlene(商標)(SK Chemicals Co.から入手可能)、およびLucene(商標)(LG Chem Ltd.から入手可能)が挙げられる。
【0021】
「ヘテロ原子」とは、炭素または水素以外の原子である。好適なヘテロ原子の非限定的な例としては、F、Cl、Br、N、O、P、B、S、Si、Sb、Al、Sn、As、Se、およびGeが挙げられる。
【0022】
「高密度ポリエチレン」(または「HDPE」)とは、エチレンホモポリマー、または少なくとも1つのC4-C10α-オレフィンコモノマーまたはC4-C8α-オレフィンコモノマー、および0.94g/cc超、または0.945g/cc、または0.95g/cc、または0.955g/ccから、0.96g/cc、または0.97g/cc、または0.98g/ccまでの密度を有するエチレン/α-オレフィンコポリマーである。HDPEは、単峰性コポリマーまたは多峰性コポリマーであり得る。「単峰性エチレンコポリマー」とは、分子量分布を示すゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)において1つのはっきりと異なるピークを有するエチレン/C4-C10α-オレフィンコポリマーである。「多峰性エチレンコポリマー」とは、分子量分布を示すGPCにおいて少なくとも2つのはっきりと異なるピークを有するエチレン/C4-C10α-オレフィンコポリマーである。多峰性には、2つのピークを有するコポリマー(二峰性)、ならびに3つ以上のピークを有するコポリマーが含まれる。HDPEの非限定的な例としては、DOW(商標)高密度ポリエチレン(HDPE)樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)、ELITE(商標)強化ポリエチレン樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)、CONTINUUM(商標)二峰性ポリエチレン樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)、LUPOLEN(商標)(LyondellBasellから入手可能)、ならびにBorealis、Ineos、およびExxonMobilのHDPE製品が挙げられる。
【0023】
「炭化水素」とは、水素原子および炭素原子のみを含有する化合物である。炭化水素は、(i)分岐状または非分岐状、(ii)飽和または不飽和、(iii)環式または非環式、および(iv)(i)~(iii)の任意の組み合わせであり得る。炭化水素の非限定的な例としては、アルカン、アルケン、およびアルキンが挙げられる。
【0024】
「独立して」または「各々独立して選択される」等の用語は、標的群内の各々の個々のメンバーに対する要素の別個の選択を指す。例えば、「化合物1~化合物5の各々について、独立して、R1~R5は各々独立して、メチル、エチル、およびプロピルから選択される」という用語は、(i)各化合物1~5に関して所与の置換基R1~R5の特性が別個で個々のものである(すなわち、化合物1のR1(メチル)が、化合物2、3、4、または5のR1(メチル、エチル、またはプロピル)と同じまたは異なる要素であり得る)こと、および(ii)置換基R1~R5の選択が個々の置換基毎に別個である(すなわち、R1(エチル)が、R2、R3、R4、およびR5(メチル、エチル、またはプロピルに関して同じまたは異なる要素であり得る)ことを指す。
【0025】
「インターポリマー」とは、少なくとも2つの異なるモノマーの重合によって調製されたポリマーである。この一般用語には、2つの異なるモノマーから調製されたポリマーを指すために通常用いられるコポリマー、および3つ以上の異なるモノマーから調製されたポリマー、例えば、ターポリマー、テトラポリマー等が含まれる。
【0026】
「低密度ポリエチレン」(または「LDPE」)は、エチレンホモポリマー、または0.915g/cc~0.940g/ccの密度を有し、かつ広範のMWDを有する長鎖分岐を含む少なくとも1つのC3-C10α-オレフィン、好ましくはC3-C4α-オレフィンを含むエチレン/α-オレフィンコポリマーからなる。LDPEは、典型的には、高圧フリーラジカル重合(フリーラジカル開始剤を有する管状反応器またはオートクレーブ)によって生産される。LDPEの非限定的な例としては、MarFlex(商標)(Chevron Phillips)、LUPOLEN(商標)(LyondellBasell)、ならびにBorealis、Ineos、ExxonMobil、および他社のLDPE製品が挙げられる。
【0027】
「直鎖状低密度ポリエチレン」(または「LLDPE」)とは、エチレンに由来する単位と、少なくとも1つのC3-C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC4-C8α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC6-C8α-オレフィンコモノマーに由来する単位とを含む、不均一短鎖分岐分布を含む直鎖状エチレン/α-オレフィンコポリマーである。LLDPEは、従来のLDPEとは対照的に、例えあったとしてもわずかな長鎖分岐を特徴とする。LLDPEは、0.910g/cc、または0.915g/cc、または0.920g/cc、または0.925g/ccから、0.930g/cc、または0.935g/cc、または0.940g/ccまでの密度を有する。LLDPEの非限定的な例としては、TUFLIN(商標)直鎖状低密度ポリエチレン樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)、DOWLEX(商標)ポリエチレン樹脂(the Dow Chemical Companyから入手可能)、およびMARLEX(商標)ポリエチレン(Chevron Phillipsから入手可能)が挙げられる。
【0028】
「多成分エチレン系コポリマー」(または「EPE」)は、エチレンに由来する単位と、特許参考文献USP6,111,023、USP5,677,383、およびUSP6,984,695に記載のもの等の少なくとも1つのC3-C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC4-C8α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC6-C8α-オレフィンコモノマーに由来する単位とを含む。EPE樹脂は、0.905g/cc、または0.908g/cc、または0.912g/cc、または0.920g/ccから、0.926g/cc、または0.929g/cc、または0.940g/cc、または0.962g/ccまでの密度を有する。EPE樹脂の非限定的な例には、ELITE(商標)強化ポリエチレン(The Dow Chemical Companyから入手可能)、ELITE AT(商標先端技術樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)、SURPASS(商標)ポリエチレン(PE)樹脂(Nova Chemicalsから入手可能)、およびSMART(商標)(SK Chemicals Co.から入手可能)が挙げられる。
【0029】
「オレフィン系ポリマー」または「ポリオレフィン」とは、(重合性モノマーの総量に基づいて)50重量パーセント超の重合オレフィンモノマーを含み、任意選択的に、少なくとも1つのコモノマーを含み得るポリマーである。オレフィン系ポリマーの非限定的な例は、エチレン系ポリマーである。
【0030】
「ポリマー」とは、同じ種類のものか異なる種類のものかにかかわらず、重合形態で、ポリマーを構成する複数のおよび/または繰り返しの「単位」または「mer単位」を提供するモノマーを重合することによって調製される化合物である。したがって、ポリマーという一般用語は、1種類のみのモノマーから調製されるポリマーを指すために通常用いられるホモポリマーという用語、および少なくとも2種類のモノマーから調製されるポリマーを指すために通常用いられるコポリマーという用語を包含する。これは、例えば、ランダム、ブロック等のコポリマーの全ての形態も包含する。「エチレン/α-オレフィンポリマー」および「プロピレン/α-オレフィンポリマー」という用語は、それぞれ、重合エチレンまたは重合プロピレンと、1つ以上の追加の重合性α-オレフィンモノマーとから調製される、上述のコポリマーを示す。ポリマーが、多くの場合、1つ以上の特定のモノマー「から作製される」、特定のモノマーもしくはモノマーの種類「に基づく」、または特定のモノマー含有量「を含有する」等と称されるが、この文脈において、「モノマー」という用語は、非重合種ではなく、特定のモノマーの重合レムナントを指していることが理解されることに留意されたい。一般に、本明細書におけるポリマーは、対応するモノマーの重合形態である「単位」に基づくものと称される。
【0031】
「シングルサイト触媒直鎖状低密度ポリエチレン」(または「m-LLDPE」)とは、エチレンに由来する単位と、少なくとも1つのC3-C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC4-C8α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC6-C8α-オレフィンコモノマーに由来する単位とを含む、不均一短鎖分岐分布を含む直鎖状エチレン/α-オレフィンコポリマーである。m-LLDPEは、0.913g/cc、または0.918g/cc、または0.920g/ccから、0.925g/cc、または0.940g/ccまでの密度を有する。m-LLDPEの非限定的な例としては、EXCEED(商標)メタロセンPE(ExxonMobil Chemicalから入手可能)、LUFLEXEN(商標)m-LLDPE(LyondellBasellから入手可能)、およびELTEX(商標)PF m-LLDPE(Ineos Olefins&Polymersから入手可能)が挙げられる。
【0032】
「超低密度ポリエチレン」(または「ULDPE」)および「極低密度ポリエチレン」(または「VLDPE」)は各々、エチレンに由来する単位と、少なくとも1つのC3-C10α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC4-C8α-オレフィンコモノマー、または少なくとも1つのC6-C8α-オレフィンコモノマーに由来する単位とを含む、不均一短鎖分岐分布を含む直鎖状エチレン/α-オレフィンコポリマーである。ULDPEおよびVLDPEは各々、0.885g/ccまたは0.90g/ccから、0.915g/ccまでの密度を有する。ULDPEおよびVLDPEの非限定的な例としては、ATTANE(商標)超低密度ポリエチレン樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)およびFLEXOMER(商標)極低密度ポリエチレン樹脂(The Dow Chemical Companyから入手可能)が挙げられる。
【0033】
試験方法
摩擦係数(COF)は、ISO 8295に従って測定される。COF決定に用いられる基材は、304ステンレス鋼である。
【0034】
密度は、ASTM D792、方法Bに従って測定される。結果は、1立方センチメートル当たりのグラム(g/cc)で記録される。
【0035】
g/10分でのメルトインデックス(MI)(I2)は、ASTM D-1238-04(190℃/2.16kg)を使用して測定される。
【0036】
示差走査熱量測定法(DSC)
示差走査熱量測定法(DSC)を使用して、広範囲の温度にわたるポリマーの溶融、結晶化、およびガラス転移挙動を測定することができる。例えば、RCS(冷蔵冷却システム)およびオートサンプラを備えたTA Instruments Q1000 DSCを使用して、この分析が行われる。試験中、50mL/分の窒素パージガス流が使用される。各試料が約190℃で薄フィルムに溶融圧縮され、その後、溶融試料が室温(約25℃)に空冷される。3~10mg、直径6mmの試験片が冷却されたポリマーから抽出され、秤量され、軽量アルミニウムパン(50mg)内に置かれ、圧着閉鎖される。その後、その熱的特性を決定するための分析が行われる。
【0037】
試料の熱挙動が、試料温度に上下の勾配を付けて、熱流量対温度プロファイルを作成することによって決定される。熱履歴を除去するために、最初に、試料が180℃に急速に加熱され、3分間等温保持される。次に、試料が10℃/分の冷却速度で-80℃に冷却され、-80℃で3分間等温保持される。その後、試料が10℃/分の加熱速度で180℃に加熱される(これは「第2の加熱」勾配である)。冷却曲線および第2の加熱曲線が記録される。決定された値は、外挿された溶融開始Tmおよび外挿された結晶化開始Tcである。融解熱(Hf)(1グラム当たりのジュール)、以下の等式を使用して計算されたポリエチレン試料の結晶化度%(結晶化度%=((Hf)/292J/g)×100)、以下の等式を使用して計算されたポリエチレン試料の結晶化度%(結晶化度%=((Hf)/292J/g)×100)。
【0038】
融解熱(Hf)およびピーク溶融温度が、第2の熱曲線から報告される。ピーク結晶化温度が、冷却曲線から決定される。
【0039】
最初に、溶融転移の開始と終了との間にベースラインを引くことによって、融点TmがDSC加熱曲線から決定される。その後、接線が溶融ピークの低温側のデータに引かれる。この線がベースラインと交差する場所が、外挿された溶融開始(Tm)である。これは、Bernhard Wunderlich,The Basis of Thermal Analysis,in Thermal Characterization of Polymeric Materials 92,277-278(Edith A.Turied.,2d ed.1997)に記載されるとおりである。
【0040】
ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)
ロボット支援送達(RAD)システムを装備した高温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)システムが、試料調製および試料注入に使用される。濃度検出器は、Polymer Char Inc.(Valencia,Spain)の赤外線検出器(IR-5)である。データ収集が、Polymer Char DM 100データ取得ボックスを使用して行われる。担体溶媒は、1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)である。このシステムには、Agilentのオンライン溶媒脱ガスデバイスが装備されている。カラム区画は、150℃で動作する。カラムは、4つのMixed A LS 30cm、20ミクロンカラムである。溶媒は、およそ200ppmの2,6-ジ-t-ブチル-4-メチルフェノール(BHT)を含有する窒素パージした1,2,4-トリクロロベンゼン(TCB)である。流量は、1.0mL/分であり、注入体積は、200μLである。「2mg/mL」の試料濃度が、N2パージして予熱したTCB(200ppmのBHTを含有する)中に試料を160℃で2.5時間にわたって穏やかに撹拌しながら溶解させることによって調製される。
【0041】
GPCカラムセットが、20個の狭分子量分布ポリスチレン標準物で実行することによって較正される。標準物の分子量(MW)は、580g/mol~8,400,000g/molの範囲であり、標準物は、6つの「カクテル」混合物中に含まれている。各標準物混合物は、個々の分子量間で少なくとも10離れている。各PS標準物の等価ポリプロピレン分子量が、ポリプロピレンについて報告されたMark-Houwink係数(Th.G.Scholte,N.L.J.Meijerink,H.M.Schoffeleers,&A.M.G.Brands,J.Appl.Polym.Sci.,29,3763-3782(1984))およびポリスチレンについて報告されたMark-Houwink係数(E.P.Otocka,R.J.Roe,N.Y.Hellman,&P.M.Muglia,Macromolecules,4,507(1971))をもって、以下の等式:
【数1】
を使用することによって計算され、式中、M
ppがPP等価MWであり、M
PSがPS等価MWであり、log KならびにPPおよびPSのMark-Houwink計数の値を以下に列記する。
【表1】
【0042】
溶出体積の関数として四次多項式当てはめを使用して、対数分子量較正が生成される。数平均および重量平均分子量が、以下の等式:
【数2】
に従って計算され、式中、Wf
iおよびM
iが、それぞれ、溶出成分iの重量分率および分子量である。
【0043】
GPCトリプル検出器(PDMSのMwおよびMn測定)
ポリジメチルシロキサンの重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)が、トリプル検出能力を使用してGPC(Viscotek(商標)GPC Max)によって測定される。Viscotek(商標)TDA305ユニットには、示差屈折計、オンライン差圧粘度計、および低角光散乱(LALS:7度および90度の検出角度)が装備されている。移動相は、トルエンHPLCグレードのものである。カラムは、VarianのPL Gel Mixed Cカラムが2つ(7.5×300mm、5μmの粒径)と、VarianのPL Gel Guardカラムが1つ(7.5×300mm)であり、5フラクトム注入体積、流量1mL/分、実行時間37分である。カラムおよび検出器の温度は40℃である。使用するソフトウェアは、Omnisec 4.6.1(Viscotek(商標))である。
【0044】
検出器は、既知の濃度の狭ポリスチレン標準物(Mw68,100g/mol)の注入によって較正される。正しい実行パラメータを、狭分子量分布ポリスチレン標準物(PS71K)を使用して確認する。分子量平均は、検出器の較正を確証するために統計的プロセス制御(SPC)チャート内でなければならない。典型的なGPC3精密度および精度(屈折率増分に依存する)は、約2~3%である。
【発明を実施するための形態】
【0045】
本開示は、組成物を提供する。本組成物は、(A)エチレン系ポリマーと、(B)スリップ剤ブレンドであって、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、(i)50wt%超~99wt%の、30,000g/mol~300,000g/mol未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサンと、(ii)1wt%~50wt%未満の、300,000g/mol~2,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンとを含む、スリップ剤ブレンドとを含む。
【0046】
組成物
本開示は、組成物を提供する。本組成物は、(A)エチレン系ポリマーと、(B)スリップ剤ブレンドであって、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、(i)50wt%超~99wt%の、30,000g/mol~300,000g/mol未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサンと、(ii)1wt%~50wt%未満の、300,000g/mol~2,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンと、任意選択的に、(C)添加剤とを含む、スリップ剤ブレンドとを含む。
【0047】
A.エチレン系ポリマー
本組成物は、エチレン系ポリマーを含む。好適なエチレン系ポリマーの非限定的な例としては、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状ポリエチレンが挙げられる。直鎖状ポリエチレンの非限定的な例としては、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(ULDPE)、極低密度ポリエチレン(VLDPE)、多成分エチレン系コポリマー(EPE)、エチレン/α-オレフィンマルチブロックコポリマー(別名、オレフィンブロックコポリマー(OBC))、シングルサイト触媒直鎖状低密度ポリエチレン(m-LLDPE)、実質的に直鎖状または直鎖状のプラストマー/エラストマー、高密度ポリエチレン(HDPE)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。好適なエチレン系ポリマーの非限定的な例としては、エチレン/α-オレフィンインターポリマーおよびエチレン/α-オレフィンコポリマーも挙げられる。好適なα-オレフィンの非限定的な例としては、C3-C20α-オレフィン、またはC4-C20α-オレフィン、またはC3-C10α-オレフィン、またはC4-C10α-オレフィン、またはC4-C8α-オレフィンが挙げられる。代表的なα-オレフィンとしては、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、および1-オクテンが挙げられる。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、そこで重合された芳香族コモノマーを含まない。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレン/オクテンインターポリマーである。
【0048】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマーの重量に基づいて、50wt%超のエチレンに由来する単位、すなわち、51wt%、または55wt%、または60wt%から、70wt%、または80wt%、または90wt%、または95wt%、または99wt%、または100wt%までのエチレンに由来する単位を含む。一実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレン系ポリマーの重量に基づいて、相反する量のα-オレフィンコモノマーに由来する単位、すなわち、50wt%未満、または49wt%、または45wt%、または40wt%から、30wt%、または20wt%、または10wt%、または5wt%、または1wt%、または0wt%までのα-オレフィンコモノマーに由来する単位を含む。
【0049】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、エチレンプラストマー/エラストマーである。エチレンプラストマー/エラストマーは、エチレンに由来する単位と、C3-C10α-オレフィンコモノマー、またはC4-C8α-オレフィンコモノマー、またはC6-C8α-オレフィンコモノマーと、任意選択的な添加剤とからなるエチレン/α-オレフィンコポリマーである。一実施形態では、エチレンプラストマー/エラストマーは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、または全てを有するエチレン/C4-C8α-オレフィンコポリマーである:
(a)0.870g/cc、または0.880g/cc、または0.890g/ccから、0.900g/cc、または0.902g/cc、または0.904g/cc、または0.909g/cc、または0.910g/cc、または0.917g/ccまでの密度、および/または
(b)0.1g/10分、または1g/10分から、1.5g/10分、または2.0g/10分、または3.0g/10分、または5.0g/10分、または6.0g/10分、または8.0g/10分、または10g/10分、または15g/10分、または20g/10分、または30g/10分、または40g/10分、または50g/10分、または100g/10分、または150g/10分、または200g/10分、または250g/10分、または300g/10分までのメルトインデックスからのメルトインデックス、および/または
(c)40℃、または45℃、または50℃、または55℃、または60℃、または65℃、または70℃、または75℃から、80℃、または85℃、または90℃、または95℃、または100℃、または105℃、または110℃、または115℃、または120℃までの融点(Tm)。
【0050】
一実施形態では、エチレンプラストマー/エラストマーは、0.902g/ccの密度、1.0g/10分のメルトインデックス、および99℃の融点を有するエチレン/1-オクテンコポリマーである。さらなる一実施形態では、エチレンプラストマー/エラストマーは、The Dow Chemical Companyから入手可能なAFFINITY(商標)PL 1880Gである。
【0051】
一実施形態では、エチレン系ポリマーは、低密度ポリエチレン(LDPE)である。LDPEは、エチレンに由来する単位と、C3-C10α-オレフィンコモノマー、またはC4-C8α-オレフィンコモノマー、またはC6-C8α-オレフィンコモノマーとからなるエチレンホモポリマーまたはエチレン/α-オレフィンコポリマーである。LDPEは、以下の特性のうちの一方または両方を有する:
(a)0.915g/cc、または0.920g/cc、または0.925g/ccから、0.930g/cc、または0.935g/cc、または0.940g/ccまでの密度、および/または
(b)0.1g/10分、または1g/10分、または1.5g/10分、または2.0g/10分から、3.0g/10分、または5.0g/10分、または6.0g/10分、または8.0g/10分、または10g/10分、または15g/10分、または20g/10分、または30g/10分、または40g/10分、または50g/10分、または100g/10分までのメルトインデックスからのメルトインデックス。
【0052】
本組成物は、1つより多くのエチレン系ポリマーを含み得る。一実施形態では、本組成物は、少なくとも2つのエチレン系ポリマーを含み、各エチレン系ポリマーは、組成的、構造的、および/または物理的に互いに異なる。一実施形態では、本組成物は、エチレンプラストマー/エラストマーおよびLDPEを含む。
【0053】
一実施形態では、本組成物は、本組成物の総重量に基づいて、70wt%、または75wt%、または80wt%、または85wt%、または90wt%から、93wt%、または94wt%、または95wt%、または96wt%、または97wt%、または98wt%、または99wt%、または99.9wt%までのエチレン系ポリマーを含む。
【0054】
エチレン系ポリマーは、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0055】
B.スリップ剤ブレンド
本組成物は、スリップ剤ブレンドを含む。スリップ剤ブレンドは、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、(i)50wt%超~99wt%の、30,000g/mol~300,000g/mol未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサンと、(ii)1wt%~50wt%未満の、300,000g/mol~2,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンとを含む。
【0056】
「ポリジメチルシロキサン」(「PDMS」)とは、以下の一般構造(I)を有するポリマー有機ケイ素化合物であり、
【化1】
式中、nは、繰り返しモノマー[SiO(CH
3)
2]単位の数であり、nは、2以上、または2~20,000である。PDMSは、非置換でも置換でもよい。「置換PDMS」とは、構造(I)の少なくとも1つのメチル基が置換基で置換されているPDMSである。置換基の非限定的な例としては、ハロゲン原子(塩素、フッ素、臭素、およびヨウ素等)、ハロゲン原子含有基(クロロメチル基、ペルフルオロブチル基、トリフルオロエチル基、およびノナフルオロヘキシル基等)、酸素原子含有基(ヒドロキシ基、アルコキシ基(メトキシ基およびエトキシ基等)、(メタ)アクリルエポキシ基、およびカルボキシル基等)、窒素原子含有基(アミノ官能基、アミド官能基、およびシアノ官能基等)、硫黄原子含有基(メルカプト基等)、水素、C
2-C
10アルキル基(エチル基等)、C
2-C
10アルキニル基、アルケニル基(ビニル基およびヘキセニル基等)、アリール基(フェニル基および置換フェニル基等)、シクロアルキル基(シクロヘキサン基等)、ならびにそれらの組み合わせが挙げられる。置換メチル基は、末端メチル基であっても非末端メチル基であってもよい。好適な置換PDMSの非限定的な例としては、トリアルキルシリル末端PDMS(式中、少なくとも1つのアルキルが、C
2-C
10アルキルである)、ジアルキルヒドロキシシリル末端PDMS、ジアルキル水素シリル末端PDMS、ジアルキルアルケニルシリル末端PDMS、およびジアルキルビニルシリル末端PDMSが挙げられる。一実施形態では、置換PDMSは、ジメチルヒドロキシシリル末端PDMSである。別の実施形態では、置換PDMSは、ジメチルビニルシリル末端PDMSである。
【0057】
一実施形態では、置換PDMSは、窒素原子含有基を含まない。別の実施形態では、置換PDMSは、エポキシ置換基を含まない。
【0058】
一実施形態では、PDMSは、非置換である。「非置換PDMS」とは、構造(I)におけるいずれのメチル基も置換基で置換されていない構造(I)のPDMSである。一実施形態では、非置換PDMSは、トリメチルシリル末端PDMSである。
【0059】
(i)第1のポリジメチルシロキサン
スリップ剤ブレンドは、30,000g/mol~300,000g/mol未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサン(「低Mn」のPDMS)を含む。
【0060】
一実施形態では、第1のPDMS(すなわち、低MnのPDMS)は、30,000g/mol、または40,000g/mol、または45,000g/mol、または48,000g/molから、49,000g/mol、または50,000g/mol、または55,000g/mol、または60,000g/mol、または65,000g/mol、または70,000g/mol、または75,000g/mol、または80,000g/mol、または90,000g/mol、または100,000g/mol、または150,000g/mol、または200,000g/mol、または250,000g/mol、または290,000g/mol、または300,000g/mol未満までの数平均分子量(Mn)を有する。
【0061】
一実施形態では、低MnのPDMSは、30,000g/mol、または35,000g/mol、または40,000g/mol、または45,000g/mol、または48,000g/molから、49,000g/mol、または50,000g/mol未満までの数平均分子量(Mn)を有する。
【0062】
一実施形態では、低MnのPDMSは、30,000g/mol、または40,000g/mol、または45,000g/mol、または50,000g/mol、または55,000g/mol、または60,000g/mol、または65,000g/mol、または70,000g/mol、または75,000g/mol、または80,000g/mol、または90,000g/mol、または100,000g/mol、または120,000g/molから、130,000g/mol、または140,000g/mol、または150,000g/mol、または200,000g/mol、または250,000g/mol、または290,000g/mol、または300,000g/mol未満までの重量平均分子量(Mw)を有する。
【0063】
一実施形態では、低MnのPDMSは、1.0、または1.5、または2.0、または2.1、または2.2、または2.3、または2.4から、2.5、または2.6、または2.7、または2.8、または2.9、または3.0、または3.5までの分子量分布(Mw/Mn)を有する。
【0064】
一実施形態では、低MnのPDMSは、構造(I)を有し、nは、2、または5、または10、または50、または100、または150、または200、または250、または300、または350、または400、または450、または500、または550、または600、または650から、700、または750、または800、または850、または900、または950、または1000、または1100、または1200、または1300、または1400、または1500、または1600、または1700、または1800、または1900、または2000、または2500、または3000、または3500、または4000、または4054までである。
【0065】
一実施形態では、低MnのPDMSは、ジメチルヒドロキシシリル末端PDMSである。
【0066】
一実施形態では、低MnのPDMS(ジメチルヒドロキシシリル末端PDMS等)は、30,000g/mol、または35,000g/mol、または40,000g/mol、または45,000g/mol、または48,000g/molから、49,000g/mol、または50,000g/molまでの数平均分子量(Mn)を有し、低MnのPDMSは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、または全てを有する:
(a)50,000g/mol、または55,000g/mol、または60,000g/mol、または65,000g/mol、または70,000g/mol、または75,000g/mol、または80,000g/mol、または90,000g/mol、または100,000g/mol、または120,000g/molから、130,000g/mol、または150,000g/molまでの重量平均分子量(Mw)、および/または
(b)2.2、または2.3、または2.4から、2.5、または2.6までの分子量分布(Mw/Mn)、および/または
(c)低MnのPDMSが、構造(I)を有し、nが、2、または5、または10、または50、または100、または150、または200、または250、または300、または350、または400、または450、または500、または550、または600、または650から、700、または750、または800、または850、または900、または950、または1000、または1100、または1200、または1300、または1400、または1500、または1600、または1700、または1800、または1900、または2000、または2500、または3000、または3500、または4000、または4054までである。
【0067】
スリップ剤ブレンドは、1つより多くの低MnのPDMSを含み得る。
【0068】
第1のPDMS(すなわち、低MnのPDMS)は、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0069】
(ii)第2のポリジメチルシロキサン
スリップ剤ブレンドは、300,000g/mol~2,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサン(「高Mn」のPDMS)を含む。
【0070】
一実施形態では、第2のPDMS(すなわち、高MnのPDMS)は、300,000g/mol、または310,000g/mol、または320,000g/mol、または330,000g/mol、または340,000g/mol、または350,000g/molから、360,000g/mol、または370,000g/mol、または380,000g/mol、または390,000g/mol、または400,000g/mol、または450,000g/mol、または500,000g/mol、または550,000g/mol、または600,000g/mol、または750,000g/mol、または1,000,000g/mol、または1,500,000g/mol、または2,000,000g/molまでの数平均分子量(Mn)を有する。
【0071】
一実施形態では、高MnのPDMSは、300,000g/mol、または310,000g/mol、または320,000g/mol、または330,000g/mol、または340,000g/mol、または350,000g/molから、360,000g/mol、または370,000g/mol、または380,000g/mol、または390,000g/mol、または400,000g/mol、または450,000g/mol、または500,000g/mol、または550,000g/molまでの数平均分子量(Mn)を有する。
【0072】
一実施形態では、高MnのPDMSは、350,000g/mol、または360,000g/mol、または370,000g/mol、または380,000g/mol、または390,000g/mol、または400,000g/mol、または450,000g/mol、または500,000g/mol、または600,000g/mol、または640,000g/molから、650,000g/mol、または700,000g/mol、または750,000g/mol、または800,000g/mol、または900,000g/mol、または1,000,000g/mol、または1,500,000g/mol、または2,000,000g/molまでの重量平均分子量(Mw)を有する。
【0073】
一実施形態では、高MnのPDMSは、1.0、または1.5、または1.8から、1.9、または2.0、または2.1、または2.2、または2.3、または2.4、または2.5、または2.6、または2.7、または2.8、または2.9、または3.0までの分子量分布(Mw/Mn)を有する。
【0074】
一実施形態では、高MnのPDMSは、構造(I)を有し、nは、4054を超えるか、または4054、または4500から、5000、または5500、または6000、または6500、または7000、または7500、または8000、または8500、または9000、または9500、または10000、または11000、または12000、または13000、または14000、または15000、または16000、または17000、または18000、または19000、または20000、または21000、または22000、または23000、または24000、または25000、または26000、または27000、または27027までである。
【0075】
一実施形態では、高MnのPDMSは、ジメチルビニルシリル末端PDMSである。
【0076】
一実施形態では、高MnのPDMS(ジメチルビニルシリル末端PDMS等)は、300,000g/mol、または310,000g/mol、または320,000g/mol、または330,000g/mol、または340,000g/mol、または350,000g/molから、360,000g/mol、または370,000g/mol、または380,000g/mol、または390,000g/mol、または400,000g/mol、または450,000g/mol、または500,000g/mol、または550,000g/molまでの数平均分子量(Mn)を有し、高MnのPDMSは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、または全てを有する:
(a)400,000g/mol、または450,000g/mol、または500,000g/mol、または600,000g/mol、または640,000g/molから、650,000g/mol、または700,000g/mol、または750,000g/mol、または800,000g/mol、または900,000g/mol、または1,000,000g/molまでの重量平均分子量(Mw)、および/または
(b)1.5、または1.8から、1.9、または2.0、または2.1までの分子量分布(Mw/Mn)、および/または
(c)高MnのPDMSが、構造(I)を有し、nが、4054を超えるか、または4054、または4500から、5000、または5500、または6000、または6500、または7000、または7500、または8000、または8500、または9000、または9500、または10000、または11000、または12000、または13000、または14000、または15000、または16000、または17000、または18000、または19000、または20000、または21000、または22000、または23000、または24000、または25000、または26000、または27000、または27027までである。
【0077】
スリップ剤ブレンドは、1つより多くの高MnのPDMSを含み得る。
【0078】
第2のPDMS(すなわち、高MnのPDMS)は、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0079】
一実施形態では、本組成物は、本組成物の総重量に基づいて、0.1wt%、または0.2wt%、または0.3wt%、または0.4wt%、または0.5wt%、または1.0wt%、または1.5wt%、または1.8wt%から、2.0wt%、または2.3wt%、または2.5wt%、または2.8wt%、または3.0wt%、または3.5wt%、または4.0wt%、または4.5wt%、または5.0wt%までのスリップ剤ブレンドを含む。別の実施形態では、組成物は、本組成物の総重量に基づいて、0.5wt%、または1.0wt%から、1.5wt%、または2.0wt%までのスリップ剤ブレンドを含む。別の実施形態では、組成物は、本組成物の総重量に基づいて、0.5wt%、または0.8wt%から、1.0wt%、または1.5wt%、または2.0wt%までのスリップ剤ブレンドを含む。第1のPDMS(すなわち、低MnのPDMS)および第2のPDMS(すなわち、高MnのPDMS)は、これらのPDMS成分のうちの一方または両方がポリマーマトリックス(LDPEマトリックス等)中に分散しているマスターバッチの一部として本組成物に含まれ得る。しかしながら、本組成物に含まれるスリップ剤ブレンドの量は、本組成物に含まれる第1のPDMS(すなわち、低MnのPDMS)および第2のPDMS(すなわち、高MnのPDMS)の量のみを指し、いずれのPDMSマスターバッチのポリマーマトリックスの重量も含まない。言い換えれば、スリップ剤ブレンドの量は、本組成物に含まれる第1のPDMS(すなわち、低MnのPDMS)と第2のPDMS(すなわち、高MnのPDMS)とを合わせた量を指す。
【0080】
一実施形態では、本組成物は、本組成物の総重量に基づいて、0.05wt%超、または0.08wt%、または0.10wt%、または0.20wt%、または0.30wt%、または0.40wt%、または0.50wt%、または0.80wt%、または1.00wt%、または1.10wt%、または1.20wt%、または1.30wt%、または1.40wt%、または1.50wt%から、1.60wt%、または1.70wt%、または1.80wt%、または1.90wt%、または2.00wt%、または2.50wt%、または3.00wt%、または3.50wt%、または4.00wt%、または4.50wt%、または4.95wt%までの第1のPDMS(すなわち、低MnのPDMS)を含む。
【0081】
一実施形態では、本組成物は、本組成物の総重量に基づいて、0.01wt%、または0.05wt%、または0.10wt%、または0.20wt%、または0.30wt%、または0.40wt%、または0.50wt%から、0.60wt%、または0.70wt%、または0.80wt%、または0.90wt%、または1.00wt%、または1.50wt%、または2.00wt%、または2.30wt%、または2.40wt%、または2.50wt%未満までの第2のPDMS(すなわち、高MnのPDMS)を含む。
【0082】
スリップ剤ブレンドは、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて(すなわち、第1のPDMS(すなわち、低MnのPDMS)と第2のPDMS(すなわち、高MnのPDMS)とを合わせた量に基づいて)、50wt%超~99wt%の第1のPDMS(すなわち、低MnのPDMS)および1wt%~50wt%未満の第2のPDMS(すなわち、高MnのPDMS)を含む。一実施形態では、スリップ剤ブレンドは、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、50wt%超、または51wt%、または55wt%、または60wt%、または65wt%、または70wt%、または75wt%から、80wt%、または85wt%、または90wt%、または95wt%、または98wt%、または99wt%までの第1のPDMS(すなわち、低MnのPDMS)、および相反する量の第2のPDMS、すなわち、1wt%、または2wt%、または5wt%、または10wt%、または15wt%、または20wt%から、25wt%、または30wt%、または35wt%、または40wt%、または45wt%、または49wt%、または50wt%未満までの第2のPDMS(すなわち、高MnのPDMS)を含む。第1のPDMSと第2のPDMSとを合わせた量が、100wt%のスリップ剤ブレンドになる。
【0083】
一実施形態では、第1のPDMS(すなわち、低MnのPDMS)の第2のPDMS(すなわち、高MnのPDMS)に対する重量比は、1.1:1、または1.5:1、または2.0:1、または3.0:1から、4.0:1、または5.0:1、または10:1、または15:1、または20:1、または25:1、または30:1、または40:1、または50:1、または60:1、または70:1、または80:1、または90:1、または99:1までである。一実施形態では、第1のPDMS(すなわち、低MnのPDMS)の第2のPDMS(すなわち、高MnのPDMS)に対する重量比は、3:1である。
【0084】
スリップ剤ブレンドは、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0085】
C.任意選択的な添加剤(複数可)
一実施形態では、本組成物は、1つ以上の任意選択的な添加剤を含む。好適な添加剤の非限定的な例としては、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、静電気防止剤、安定剤、造核剤、着色剤、色素、紫外線(UV)吸収剤または安定剤、難燃剤、相溶化剤、可塑剤、充填剤、加工助剤、防曇剤、架橋剤(例えば、過酸化物)、およびそれらの組み合わせが挙げられる。
【0086】
一実施形態では、本組成物は、ブロッキング防止剤を含む。「ブロッキング防止剤」とは、フィルム層表面を顕微鏡で粗面化し、それにより隣接層間の利用可能な接触面積を減少させることによって、フィルムの2つの隣接層間のブロッキング(すなわち、接着)を最小限に抑えるか、またはそれを阻止する化合物である。ブロッキング防止剤は、有機であっても無機であってもよい。好適なブロッキング防止剤の非限定的な例としては、シリカ、タルク、炭酸カルシウム、およびそれらの組み合わせが挙げられる。一実施形態では、ブロッキング防止剤は、シリカ(SiO2)である。シリカは、有機シリカであっても合成シリカであってもよい。別の実施形態では、ブロッキング防止剤は、タルクである。
【0087】
一実施形態では、本組成物は、本組成物の総重量に基づいて、0wt%、または0.01wt%、または0.05wt%、または0.1wt%、または0.2wt%から、0.3wt%、または0.4wt%、または0.5wt%、または1.0wt%、または2.0wt%、または3.0wt%、または4.0wt%、または5.0wt%までの添加剤を含む。
【0088】
一実施形態では、本組成物は、
(A)本組成物の総重量に基づいて、70wt%、または75wt%、または80wt%、または85wt%、または90wt%から、93wt%、または94wt%、または95wt%、または96wt%、または97wt%、または98wt%、または99wt%、または99.9wt%までのエチレン系ポリマー(エチレンプラストマー/エラストマー、LDPE、またはそれらの組み合わせ等)と、
(B)本組成物の総重量に基づいて、0.1wt%、または0.2wt%、または0.3wt%、または0.4wt%、または0.5wt%、または1.0wt%、または1.5wt%、または1.8wt%から、2.0wt%、または2.3wt%、または2.5wt%、または2.8wt%、または3.0wt%、または3.5wt%、または4.0wt%、または4.5wt%、または5.0wt%までのスリップ剤ブレンドと、
(C)任意選択的に、本組成物の総重量に基づいて、0wt%、または0.01wt%、または0.05wt%、または0.1wt%、または0.2wt%から、0.3wt%、または0.4wt%、または0.5wt%、または1.0wt%、または2.0wt%、または3.0wt%、または4.0wt%、または5.0wt%までの添加剤とを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなり、
スリップ剤ブレンドが、
(i)スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、50wt%超、または51wt%、または55wt%、または60wt%、または65wt%、または70wt%、または75wt%から、80wt%、または85wt%、または90wt%、または95wt%、または98wt%、または99wt%までの、30,000g/mol、または40,000g/mol、または45,000g/mol、または48,000g/molから、49,000g/mol、または50,000g/mol、または55,000g/mol、または60,000g/mol、または65,000g/mol、または70,000g/mol、または75,000g/mol、または80,000g/mol、または90,000g/mol、または100,000g/mol、または150,000g/mol、または200,000g/mol、または250,000g/mol、または290,000g/mol、または300,000g/mol未満までのMnを有する第1のPDMS(ジメチルヒドロキシシリル末端PDMS等)と、
(ii)スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、1wt%、または2wt%、または5wt%、または10wt%、または15wt%、または20wt%から、25wt%、または30wt%、または35wt%、または40wt%、または45wt%、または49wt%、または50wt%未満までの、300,000g/mol、または310,000g/mol、または320,000g/mol、または330,000g/mol、または340,000g/mol、または350,000g/molから、360,000g/mol、または370,000g/mol、または380,000g/mol、または390,000g/mol、または400,000g/mol、または450,000g/mol、または500,000g/mol、または550,000g/mol、または600,000g/mol、または750,000g/mol、または1,000,000g/mol、または1,500,000g/mol、または2,000,000g/molのMnを有する第2のPDMS(ジメチルビニルシリル末端PDMS等)とを含む。
【0089】
一実施形態では、本組成物は、
(1)本組成物の総重量に基づいて、70wt%、または75wt%、または80wt%、または85wt%、または90wt%から、93wt%、または94wt%、または95wt%、または96wt%、または97wt%、または98wt%、または99wt%、または99.9wt%までのエチレン系ポリマー(エチレンプラストマー/エラストマー、LDPE、またはそれらの組み合わせ等)と、
(2)本組成物の総重量に基づいて、0.05wt%超、または0.08wt%、または0.10wt%、または0.20wt%、または0.30wt%、または0.40wt%、または0.50wt%、または0.80wt%、または1.00wt%、または1.10wt%、または1.20wt%、または1.30wt%、または1.40wt%、または1.50wt%から、1.60wt%、または1.70wt%、または1.80wt%、または1.90wt%、または2.00wt%、または2.50wt%、または3.00wt%、または3.50wt%、または4.00wt%、または4.50wt%、または4.95wt%までの、30,000g/mol、または40,000g/mol、または45,000g/mol、または48,000g/molから、49,000g/mol、または50,000g/mol、または55,000g/mol、または60,000g/mol、または65,000g/mol、または70,000g/mol、または75,000g/mol、または80,000g/mol、または90,000g/mol、または100,000g/mol、または150,000g/mol、または200,000g/mol、または250,000g/mol、または290,000g/mol、または300,000g/mol未満までのMnを有する第1のPDMS(ジメチルヒドロキシシリル末端PDMS等)と、
(3)本組成物の総重量に基づいて、0.01wt%、または0.05wt%、または0.10wt%、または0.20wt%、または0.30wt%、または0.40wt%、または0.50wt%から、0.60wt%、または0.70wt%、または0.80wt%、または0.90wt%、または1.00wt%、または1.50wt%、または2.00wt%、または2.30wt%、または2.40wt%、または2.50wt%未満までの、300,000g/mol、または310,000g/mol、または320,000g/mol、または330,000g/mol、または340,000g/mol、または350,000g/molから、360,000g/mol、または370,000g/mol、または380,000g/mol、または390,000g/mol、または400,000g/mol、または450,000g/mol、または500,000g/mol、または550,000g/mol、または600,000g/mol、または750,000g/mol、または1,000,000g/mol、または1,500,000g/mol、または2,000,000g/molまでのMnを有する第2のPDMS(ジメチルビニルシリル末端PDMS等)と、
(4)本組成物の総重量に基づいて、任意選択的に、0wt%、または0.01wt%、または0.05wt%、または0.1wt%、または0.2wt%から、0.3wt%、または0.4wt%、または0.5wt%、または1.0wt%、または2.0wt%、または3.0wt%、または4.0wt%、または5.0wt%までの添加剤とを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなり、
第1のPDMSの第2のPDMSに対する重量比は、1.5:1、または2.0:1、または3.0:1から、4.0:1、または5.0:1、または10:1、または15:1、または20:1、または25:1、または30:1、または40:1、または50:1、または60:1、または70:1、または80:1、または90:1、または99:1までである。
【0090】
前述の組成物を含む本明細書に開示される組成物の各々の成分の合計が本組成物の総重量に基づいて100重量パーセント(wt%)になることが理解される。
【0091】
一実施形態では、本組成物は、不飽和脂肪酸アミド(例えば、エルカミドおよびオレアミド)等の移動性スリップ剤を含まない。
【0092】
一実施形態では、本組成物を含む層を有するフィルムは、0.01、または0.05、または0.10、または0.20、または0.25から、0.27、または0.28、または0.29、または0.30、または0.35までの摩擦係数(COF)を有する。
【0093】
本組成物は、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0094】
フィルム
本開示は、フィルムも提供する。一実施形態では、フィルムは、本組成物のいずれかの実施形態を含む層を含む。フィルムは、単層フィルムであっても多層フィルムであってもよい。多層フィルムは、2つの層、または3つ以上の層を含む。例えば、多層フィルムは、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、またはそれ以上の層を有し得る。一実施形態では、多層フィルムは、層を2つのみ、または層を3つのみ含む。
【0095】
一実施形態では、フィルムは、第1の層と、第1の層と接触している第2の層とを含む少なくとも2つの層を有する多層フィルムである。第1の層は、(A)エチレン系ポリマーと、(B)スリップ剤ブレンドであって、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、(i)50wt%超~99wt%の、30,000g/mol~300,000g/mol未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサンと、(ii)1wt%~50wt%未満の、300,000g/mol~2,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンとを含む、スリップ剤ブレンドとを含む。第2の層は、第2のエチレン系ポリマーを含む。第1の層は、0.01~0.35の摩擦係数(COF)を有する。一実施形態では、多層フィルムは、第2の層と接触している任意選択的な第3の層を含む。
【0096】
1.第1の層
多層フィルムは、第1の層を含む。第1の層は、(A)エチレン系ポリマーと、(B)スリップ剤ブレンドであって、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、(i)50wt%超~99wt%の、30,000g/mol~300,000g/mol未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサンと、(ii)1wt%~50wt%未満の、300,000g/mol~2,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンとを含む、スリップ剤ブレンドとを含む。第1の層は、本明細書に開示されるいずれかの組成物を含み得る。
【0097】
一実施形態では、第1の層は、不飽和脂肪酸アミド(例えば、エルカミドおよびオレアミド)等の移動性スリップ剤を含まない。
【0098】
第1の層は、2つの対向する表面を有する。一実施形態では、第1の層は、2つの対向する表面を有する連続層である。
【0099】
第1の層は、0.01、または0.05、または0.10、または0.20、または0.25から、0.27、または0.28、または0.29、または0.30、または0.35までの摩擦係数(COF)を有する。
【0100】
一実施形態では、第1の層は、5μm、または8μm、または10μmから、15μm、または20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μmまでの厚さを有する。
【0101】
一実施形態では、第1の層は、フィルムの総体積に基づいて、フィルムの10vol%、または15vol%、または20vol%から、25vol%、または30vol%、または40vol%、または50vol%、または60vol%、または70vol%、または80vol%、または90vol%、または95vol%までである。
【0102】
一実施形態では、第1の層は、スキン層である。「スキン層」とは、フィルム構造の最外層である。言い換えれば、スキン層の少なくとも一方の表面は、フィルムの最外表面である。
【0103】
一実施形態では、第1の層は、シーラント層である。
【0104】
第1の層は、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0105】
2.第2の層
多層フィルムは、第2の層を含む。第2の層は、第2のエチレン系ポリマーを含む。
【0106】
第2の層は、2つの対向する表面を有する。一実施形態では、第2の層は、2つの対向する表面を有する連続層である。
【0107】
第2の層は、第1の層と接触している。第2の層は、第1の層と直接接触していても間接的に接触していてもよい。一実施形態では、第2の層は、第1の層と直接接触する。本明細書で使用される「直接接触する」という用語は、第2の層が第2の層に直接隣接して位置し、第1の層と第2の層との間に介在層も介在構造も存在しない層構成である。別の実施形態では、第2の層は、第1の層と間接的に接触する。本明細書で使用される「間接的に接触する」という用語は、第1の層と第2の層との間に介在層または介在構造が存在する層構成である。
【0108】
第2のエチレン系ポリマーは、本明細書に開示されるいずれかのエチレン系ポリマーであり得る。第2のエチレン系ポリマーは、第1の層のエチレン系ポリマーと同じであっても異なってもよい。一実施形態では、第2のエチレン系ポリマーは、第1の層のエチレン系ポリマーと同じである。別の実施形態では、第2のエチレン系ポリマーは、第1の層のエチレン系ポリマーとは異なる。
【0109】
一実施形態では、第2のエチレン系ポリマーは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、またはそれらの組み合わせである。さらなる一実施形態では、LLDPEは、エチレン/1-オクテンコポリマーである。
【0110】
一実施形態では、第2の層は、第2の層の総重量に基づいて、1wt%、または5wt%、または10wt%、または20wt%、または30wt%、または40wt%、または50wt%から、60wt%、または70wt%、または80wt%、または90wt%、または95wt%、または99wt%までのLLDPEと、相反する量のLDPE、すなわち、1wt%、または5wt%、または10wt%、または20wt%、または30wt%、または40wt%、または50wt%から、60wt%、または70wt%、または80wt%、または90wt%、または95wt%、または99wt%までのLDPEとを含む。
【0111】
一実施形態では、第2の層は、任意選択的な添加剤を含む。添加剤は、本明細書に開示されるいずれかの添加剤であり得る。一実施形態では、第2の層は、第2の層の総重量に基づいて、0wt%、または0.01wt%、または0.05wt%、または0.1wt%、または0.2wt%から、0.3wt%、または0.4wt%、または0.5wt%、または1.0wt%、または2.0wt%、または3.0wt%、または4.0wt%、または5.0wt%までの添加剤を含む。
【0112】
一実施形態では、第2の層は、5μm、または8μm、または10μm、または15μm、または20μm、または25μm、または30μmから、35μm、または40μm、または45μm、または50μm、または55μm、または60μm、または65μm、または70μm、または75μm、または80μmまでの厚さを有する。
【0113】
一実施形態では、第2の層は、フィルムの総体積に基づいて、フィルムの10vol%、または15vol%、または20vol%、または25vol%、または30vol%、または40vol%、または50vol%、または60vol%から、65vol%、または70vol%、または80vol%、または90vol%までである。
【0114】
第2の層は、スキン層であってもコア層であってもよい。一実施形態では、第2の層は、コア層である。「コア層」とは、内層であるフィルム構造の層である。言い換えれば、コア層のいずれの表面も、フィルムの外面ではない。
【0115】
第2の層は、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0116】
3.任意選択的な第3の層
一実施形態では、多層フィルムは、第3の層を含む。第3の層は、第3のエチレン系ポリマーを含む。
【0117】
第3の層は、2つの対向する表面を有する。一実施形態では、第3の層は、2つの対向する表面を有する連続層である。
【0118】
第3の層は、第2の層と接触している。第3の層は、第2の層と直接接触していても間接的に接触していてもよい。一実施形態では、第3の層は、第2の層と直接接触する。別の実施形態では、第3の層は、第2の層と間接的に接触する。
【0119】
第3のエチレン系ポリマーは、本明細書に開示されるいずれかのエチレン系ポリマーであり得る。第3のエチレン系ポリマーは、第1の層のエチレン系ポリマーと同じであっても異なってもよく、第3のエチレン系ポリマーは、第2の層の第2のエチレン系ポリマーと同じであっても異なってもよい。一実施形態では、第3のエチレン系ポリマーは、第2の層の第2のエチレン系ポリマーと同じである。別の実施形態では、第3のエチレン系ポリマーは、第2の層の第2のエチレン系ポリマーとは異なる。
【0120】
一実施形態では、第3のエチレン系ポリマーは、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、またはそれらの組み合わせである。さらなる一実施形態では、LLDPEは、エチレン/1-オクテンコポリマーである。
【0121】
一実施形態では、第3の層は、第3の層の総重量に基づいて、1wt%、または5wt%、または10wt%、または20wt%、または30wt%、または40wt%、または50wt%から、60wt%、または70wt%、または80wt%、または90wt%、または95wt%、または99wt%までのLLDPEと、相反する量のLDPE、すなわち、1wt%、または5wt%、または10wt%、または20wt%、または30wt%、または40wt%、または50wt%から、60wt%、または70wt%、または80wt%、または90wt%、または95wt%、または99wt%までのLDPEとを含む。
【0122】
一実施形態では、第3の層は、任意選択的な添加剤を含む。添加剤は、本明細書に開示されるいずれかの添加剤であり得る。一実施形態では、第3の層は、第3の層の総重量に基づいて、0wt%、または0.01wt%、または0.05wt%、または0.1wt%、または0.2wt%から、0.3wt%、または0.4wt%、または0.5wt%、または1.0wt%、または2.0wt%、または3.0wt%、または4.0wt%、または5.0wt%までの添加剤を含む。
【0123】
一実施形態では、第3の層は、5μm、または8μm、または10μmから、15μm、または20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μmまでの厚さを有する。
【0124】
一実施形態では、第3の層は、フィルムの総体積に基づいて、フィルムの10vol%、または15vol%、または20vol%から、25vol%、または30vol%、または40vol%、または50vol%、または60vol%、または70vol%、または80vol%、または90vol%、または95vol%までである。
【0125】
一実施形態では、第3の層は、スキン層である。別の実施形態では、第3の層は、コア層である。
【0126】
第3の層は、本明細書で論じられる2つ以上の実施形態を含み得る。
【0127】
一実施形態では、多層フィルムは、以下の構造(II)を有する。
第1の層/第2の層 構造(II)
【0128】
一実施形態では、多層フィルムは、以下の構造(III)を有する。
第1の層/第2の層/第3の層 構造(III)
【0129】
一実施形態では、第1の層および第3の層は、コア層である第2の層の両側のスキン層である。さらなる一実施形態では、第1の層は、第2の層と直接接触しており、第2の層は、第3の層と直接接触している。
【0130】
一実施形態では、多層フィルムは、第1の層および第2の層から本質的になるか、またはそれらからなる。別の実施形態では、多層フィルムは、第1の層、第2の層、および第3の層から本質的になるか、またはそれらからなる。
【0131】
一実施形態では、多層フィルムは、15μm、または20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μmから、55μm、または60μm、または65μm、または70μm、または75μm、または80μm、または85μm、または90μm、または95μm、または100μmまでの厚さを有する。
【0132】
一実施形態では、多層フィルムは、
(1)第1の層であって、
(A)第1の層の総重量に基づいて、70wt%、または75wt%、または80wt%、または85wt%、または90wt%から、93wt%、または94wt%、または95wt%、または96wt%、または97wt%、または98wt%、または99wt%、または99.9wt%までのエチレン系ポリマー(エチレンプラストマー/エラストマー、LDPE、またはそれらの組み合わせ等)と、
(B)第1の層の総重量に基づいて、0.1wt%、または0.2wt%、または0.3wt%、または0.4wt%、または0.5wt%、または1.0wt%、または1.5wt%、または1.8wt%から、2.0wt%、または2.3wt%、または2.5wt%、または2.8wt%、または3.0wt%、または3.5wt%、または4.0wt%、または4.5wt%、または5.0wt%までのスリップ剤ブレンドと、
(C)任意選択的に、第1の層の総重量に基づいて、0wt%、または0.01wt%、または0.05wt%、または0.1wt%、または0.2wt%から、0.3wt%、または0.4wt%、または0.5wt%、または1.0wt%、または2.0wt%、または3.0wt%、または4.0wt%、または5.0wt%までの添加剤とを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなり、
スリップ剤ブレンドが、
(i)スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、50wt%超、または51wt%、または55wt%、または60wt%、または65wt%、または70wt%、または75wt%から、80wt%、または85wt%、または90wt%、または95wt%、または98wt%、または99wt%までの、30,000g/mol、または40,000g/mol、または45,000g/mol、または48,000g/molから、49,000g/mol、または50,000g/mol、または55,000g/mol、または60,000g/mol、または65,000g/mol、または70,000g/mol、または75,000g/mol、または80,000g/mol、または90,000g/mol、または100,000g/mol、または150,000g/mol、または200,000g/mol、または250,000g/mol、または290,000g/mol、または300,000g/mol未満までのMnを有する第1のPDMS(ジメチルヒドロキシシリル末端PDMS等)と、
(ii)スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、1wt%、または2wt%、または5wt%、または10wt%、または15wt%、または20wt%から、25wt%、または30wt%、または35wt%、または40wt%、または45wt%、または49wt%、または50wt%未満までの、300,000g/mol、または310,000g/mol、または320,000g/mol、または330,000g/mol、または340,000g/mol、または350,000g/molから、360,000g/mol、または370,000g/mol、または380,000g/mol、または390,000g/mol、または400,000g/mol、または450,000g/mol、または500,000g/mol、または550,000g/mol、または600,000g/mol、または750,000g/mol、または1,000,000g/mol、または1,500,000g/mol、または2,000,000g/molまでのMnを有する第2のPDMS(ジメチルビニルシリル末端PDMS等)とを含む、第1の層と、
(2)第1の層と接触している第2の層であって、第2のエチレン系ポリマー(LLDPE、LDPE、またはそれらの組み合わせ等)を含む、第2の層と、
(3)任意選択的に、第2の層と接触している第3の層であって、第3のエチレン系ポリマー(LLDPE、LDPE、またはそれらの組み合わせ等)を含む、第3の層とを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる少なくとも2つの層を含み、
多層フィルムは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、または全てを有する:
(i)第1の層が、0.01、または0.05、または0.10、または0.20、または0.25から、0.27、または0.28、または0.29、または0.30、または0.35までの摩擦係数(COF)を有すること、および/または
(ii)第1の層が、5μm、または8μm、または10μmから、15μm、または20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μmまでの厚さを有すること、および/または
(iii)第1の層が、多層フィルムの総体積に基づいて、多層フィルムの10vol%、または15vol%、または20vol%から、25vol%、または30vol%、または40vol%、または50vol%、または60vol%、または70vol%、または80vol%、または90vol%、または95vol%までであること、および/または
(iv)第2の層が、5μm、または8μm、または10μm、または15μm、または20μm、または25μm、または30μmから、35μm、または40μm、または45μm、または50μm、または55μm、または60μm、または65μm、または70μm、または75μm、または80μmまでの厚さを有すること、および/または
(v)第2の層が、多層フィルムの総体積に基づいて、多層フィルムの10vol%、または15vol%、または20vol%、または25vol%、または30vol%、または40vol%、または50vol%、または60vol%から、65vol%、または70vol%、または80vol%、または90vol%までであること、および/または
(vi)第3の層が、5μm、または8μm、または10μmから、15μm、または20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μmまでの厚さを有すること、および/または
(vii)第3の層が、多層フィルムの総体積に基づいて、多層フィルムの10vol%、または15vol%、または20vol%から、25vol%、または30vol%、または40vol%、または50vol%、または60vol%、または70vol%、または80vol%、または90vol%、または95vol%までであること、および/または
(viii)多層フィルムが、15μm、または20μm、または25μm、または30μm、または35μm、または40μm、または45μm、または50μmから、55μm、または60μm、または65μm、または70μm、または75μm、または80μm、または85μm、または90μm、または95μm、または100μmまでの厚さを有すること。
【0133】
一実施形態では、多層フィルムは、
(1)第1の層であって、
(A)第1の層の総重量に基づいて、80wt%、または85wt%、または90wt%から、93wt%、または94wt%、または95wt%、または96wt%、または97wt%、または98wt%、または99wt%までのエチレンプラストマー/エラストマー、LDPE、およびそれらの組み合わせから選択されるエチレン系ポリマーと、
(B)第1の層の総重量に基づいて、0.4wt%、または0.5wt%、または1.0wt%、または1.5wt%、または1.8wt%から、2.0wt%、または2.3wt%、または2.5wt%、または2.8wt%、または3.0wt%、または3.5wt%、または4.0wt%までのスリップ剤ブレンドと、
(C)任意選択的に、第1の層の総重量に基づいて、0wt%、または0.01wt%、または0.05wt%、または0.1wt%、または0.2wt%から、0.3wt%、または0.4wt%、または0.5wt%、または1.0wt%、または2.0wt%、または3.0wt%までの添加剤(ブロッキング防止剤等)とを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなり、
スリップ剤ブレンドが、
(i)スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、55wt%、または60wt%、または65wt%、または70wt%、または75wt%から、80wt%、または85wt%、または90wt%、または95wt%、または98wt%、または99wt%までの、30,000g/mol、または40,000g/mol、または45,000g/mol、または48,000g/molから、49,000g/mol、または50,000g/mol、または55,000g/molまでのMnを有する第1のPDMS(ジメチルヒドロキシシリル末端PDMS等)と、
(ii)スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、1wt%、または2wt%、または5wt%、または10wt%、または15wt%、または20wt%から、25wt%、または30wt%、または35wt%、または40wt%、または45wt%までの、320,000g/mol、または330,000g/mol、または340,000g/mol、または350,000g/molから、360,000g/mol、または370,000g/mol、または380,000g/mol、または390,000g/mol、または400,000g/mol、または450,000g/mol、または500,000g/mol、または550,000g/mol、または600,000g/mol、または750,000g/mol、または1,000,000g/molまでのMnを有する第2のPDMS(ジメチルビニルシリル末端PDMS等)とを含む、第1の層と、
(2)第1の層と接触している第2の層であって、第2のエチレン系ポリマー(LLDPE、LDPE、またはそれらの組み合わせ等)を含む、第2の層と、
(3)任意選択的に、第2の層と接触している第3の層であって、第3のエチレン系ポリマー(LLDPE、LDPE、またはそれらの組み合わせ等)を含む、第3の層とを含むか、それらから本質的になるか、またはそれらからなる少なくとも2つの層または少なくとも3つの層を含み、
多層フィルムは、以下の特性のうちの1つ、いくつか、または全てを有する:
(i)第1の層が、0.01、または0.05、または0.10、または0.20、または0.25から、0.27、または0.28、または0.29、または0.30、または0.35までの摩擦係数(COF)を有すること、および/または
(ii)第1の層が、5μm、または8μm、または10μmから、15μm、または20μmまでの厚さを有すること、および/または
(iii)第1の層が、多層フィルムの総体積に基づいて、多層フィルムの10vol%、または15vol%、または20vol%から、25vol%、または30vol%、または40vol%までであること、および/または
(iv)第2の層が、10μm、または15μm、または20μm、または25μm、または30μmから、35μm、または40μm、または45μm、または50μm、または55μm、または60μm、または65μm、または70μm、または80μmまでの厚さを有すること、および/または
(v)第2の層が、多層フィルムの総体積に基づいて、多層フィルムの15vol%、または20vol%、または25vol%、または30vol%、または40vol%、または50vol%、または60vol%から、70vol%、または80vol%、または90vol%までであること、および/または
(vi)第3の層が、5μm、または8μm、または10μmから、15μm、または20μmまでの厚さを有すること、および/または
(vii)第3の層が、多層フィルムの総体積に基づいて、多層フィルムの10vol%、または15vol%、または20vol%から、25vol%、または30vol%、または40vol%までであること、および/または
(viii)多層フィルムが、20μm、または30μm、または40μm、または50μmから、55μm、または60μm、または65μm、または70μm、または75μm、または80μm、または85μm、または90μm、または95μm、または100μmまでの厚さを有すること。
【0134】
前述の層を含む本明細書に開示される層の各々の成分の合計がそれぞれの層の総重量に基づいて100重量パーセント(wt%)になることが理解される。前述の層を含む本明細書に開示される層の各々の体積の合計が全多層フィルムの総体積に基づいて100体積パーセント(vol%)になることも理解される。
【0135】
一実施形態では、フィルムは、不飽和脂肪酸アミド(例えば、エルカミドおよびオレアミド)等の移動性スリップ剤を含まない。
【0136】
多層フィルムは、(i)共押出多層構造、(ii)積層体、または(iii)(i)および(ii)の組み合わせであり得る。例えば、フィルムを構築するために使用されるいくつかの方法は、キャスト共押出法またはブロー共押出法、接着積層、押出積層、熱積層、および蒸着等のコーティングによるものである。これらの方法の組み合わせも可能である。一実施形態では、多層フィルムは、共押出フィルムである。
【0137】
一実施形態では、フィルムは、配向フィルムではない。さらなる一実施形態では、フィルムは、二軸配向されていない。言い換えれば、フィルムは、いくつかの実施形態では、押出後に引き伸ばされない。
【0138】
本開示は、パッケージ等の本フィルムまたはさらには多層フィルムを含む物品も提供する。好適なパッケージの非限定的な例としては、食品パッケージおよび特殊パッケージ(例えば、スタンドアップパウチ、ピローパウチ、およびフィルムで包まれたトレイ)が挙げられる。
【0139】
一例であって、限定するものではなく、本開示のいくつかの実施形態が、これから以下の実施例で詳細に説明される。
【実施例】
【0140】
実施例で使用する材料を、以下の表1Aに提供する。
【表2】
【0141】
多層フィルム試料を、表1Bの条件でCollin共押出ライン上で製作する。
【表3】
【0142】
層構成を以下の表2に提供する。各多層フィルム構造は、多層フィルムの20体積%である体積を有する第1の層、多層フィルムの60体積%である体積を有する第2の層、および多層フィルムの20体積%である体積を有する第3の層で形成されている。第1の層は、シーラント層であるスキン層である。第2の層は、コア層である。第3の層は、スキン層である。多層フィルムは、以下の構造:第1の層/第2の層/第3の層を有する。第1の層は、第2の層と直接接触しており、第2の層は、第3の層と直接接触している。表2中、「CS」とは、比較試料を指す。
【0143】
各PDMSは、PDMSがLDPEマトリックス中に分散しているマスターバッチ(MB25-502、MB50-002、またはMB25-035)の一部として第1の層に含まれている。表2は、第1の層に含まれる各PDMSおよびLDPEマトリックスの個々の量を提供する。例えば、実施例1の第1の層は、第1の層の総重量に基づいて、MB25-502由来の1.5wt%のPDMS A(表1Aに提供されるように、48,400g/molのMnを有する)およびMB25-502由来の4.5wt%のLDPE Aを含む。したがって、実施例1の第1の層は、第1の層の総重量に基づいて合計6.0wt%のMB25-502を含む。実施例1の第1の層は、第1の層の総重量に基づいて、MB50-002由来の0.5wt%のPDMS B(表1Aに提供されるように356,700g/molのMnを有する)およびMB50-002由来の0.5wt%のLDPE Bも含む。したがって、実施例1の第1の層は、第1の層の総重量に基づいて合計1.0wt%のMB50-002を含む。
【0144】
多層フィルム試料をCOFについて試験する。結果を以下の表2に示す。
【表4】
【0145】
示されるように、(A)エチレン系ポリマー(AFFINITY(商標)PL 1880GおよびLDPE)と、(B)スリップ剤ブレンドではなく単一スリップ剤(CS 1、CS2、CS 3)とを含む第1の層を有する比較試料フィルムは、高いCOF(0.640~0.700)を提示する。
【0146】
さらに、(A)エチレン系ポリマー(AFFINITY(商標)PL 1880GおよびLDPE)と、(B)スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、(i)30,000g/mol~300,000g/mol未満のMnを有する50wt%未満の第1のPDMS(MB25-502由来のPDMS A)および(ii)300,000g/mol~2,000,000g/molのMnを有する50wt%超の第2のPDMS(MB50-002由来のPDMS BまたはMB25-035由来のPDMS C)を含むスリップ剤ブレンドとを含む第1の層を有する比較試料フィルム(CS6)は、高いCOF(0.389)を呈する。同様に、(A)エチレン系ポリマー(AFFINITY(商標)PL 1880GおよびLDPE)と、(B)スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、(i)30,000g/mol~300,000g/mol未満のMnを有する50wt%の第1のPDMS(MB25-502由来のPDMS A)および(ii)300,000g/mol~2,000,000g/molのMnを有する50wt%の第2のPDMS(MB50-002由来のPDMS BまたはMB25-035由来のPDMS C)を含むスリップ剤ブレンドとを含む第1の層を有する比較試料フィルム(CS4、CS5)は、ブロッキングした。ブロッキングしたフィルムとは、COFの測定中にそりをスライドするのに必要な力がそりの重量を超えるフィルムである。言い換えれば、ブロッキングしたフィルムは、0.700を超えるCOFを有する。
【0147】
さらに、(A)エチレン系ポリマー(AFFINITY(商標)PL 1880GおよびLDPE)と、(B)移動性スリップ剤(脂肪酸アミド)とを含む第1の層を有する比較試料フィルム(CS7)は、0.530の高いCOFを呈する。
【0148】
本出願人は、驚くべきことに、(A)エチレン系ポリマー(AFFINITY(商標)PL 1880GおよびLDPE)と、(B)スリップ剤ブレンドであって、スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、(i)30,000g/mol~300,000g/mol未満のMnを有する50wt%超~99wt%の第1のPDMS(MB25-502由来のPDMS A)および(ii)300,000g/mol~2,000,000g/molのMnを有する1wt%~50wt%未満の第2のPDMS(MB50-002由来のPDMS BまたはMB25-035由来のPDMS C)を含む、スリップ剤ブレンドとを含む第1の層を有するフィルム(実施例1および実施例2)が、0.35未満、さらには0.30未満の摩擦係数(COF)を有利に呈することを見出した。
【0149】
本開示が本明細書に含まれる実施形態および例証に限定されず、実施形態の一部および異なる実施形態の要素の組み合わせを含むそれらの実施形態の修正された形態を以下の特許請求の範囲内に入るものとして含むよう具体的に意図されている。
本願は以下の態様にも関する。
(1) 組成物であって、
(A)エチレン系ポリマーと、
(B)スリップ剤ブレンドであって、前記スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、
(i)50wt%超~99wt%の、30,000g/mol~300,000g/mol未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサンと、
(ii)1wt%~50wt%未満の、300,000g/mol~2,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンと、を含む、スリップ剤ブレンドと、を含む、組成物。
(2) 前記第1のポリジメチルシロキサンが、30,000g/mol~50,000g/mol未満のMnを有し、前記第2のポリジメチルシロキサンが、300,000g/mol~550,000g/molのMnを有する、上記(1)に記載の組成物。
(3) 前記スリップ剤ブレンドが、
(i)60wt%~90wt%の前記第1のポリジメチルシロキサンと、
(ii)10wt%~40wt%の前記第2のポリジメチルシロキサンと、を含む、上記(1)または(2)に記載の組成物。
(4) 前記エチレン系ポリマーが、エチレン/α-オレフィンコポリマーである、上記(1)~(3)のいずれかに記載の組成物。
(5) 前記組成物が、前記組成物の総重量に基づいて、0.1wt%~5.0wt%の前記スリップ剤ブレンドを含む、上記(1)~(4)のいずれかに記載の組成物。
(6) 前記組成物の総重量に基づいて、
(i)0.05wt%超~4.95wt%の前記第1のポリジメチルシロキサンと、
(ii)0.01wt%~2.5wt%未満の前記第2のポリジメチルシロキサンと、を含む、上記(1)~(5)のいずれかに記載の組成物。
(7) 前記エチレン系ポリマーが、エチレンプラストマー/エラストマーおよび低密度ポリエチレン(LDPE)を含む、上記(1)~(6)のいずれかに記載の組成物。
(8) 上記(1)~(7)のいずれかに記載の組成物を含む層を含むフィルム。
(9) 前記フィルムが、上記(1)~(7)のいずれかに記載の組成物を含む第1の層を含む多層フィルムである、上記(8)に記載のフィルム。
(10) 前記フィルムが、前記第1の層と接触している第2の層であって、第2のエチレン系ポリマーを含む、第2の層を含む、上記(9)に記載のフィルム。
(11) 前記フィルムが、前記第1の層と接触している第2の層であって、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む、第2の層を含む、上記(9)に記載のフィルム。
(12) 前記第1の層が、シーラント層である、上記(9)~(11)のいずれかに記載のフィルム。
(13) 少なくとも2つの層を含む多層フィルムであって、前記少なくとも2つの層が、
第1の層であって、
(A)第1のエチレン系ポリマーと、
(B)スリップ剤ブレンドであって、前記スリップ剤ブレンドの総重量に基づいて、
(i)50wt%超~99wt%の、30,000g/mol~300,000g/mol未満の数平均分子量(Mn)を有する第1のポリジメチルシロキサンと、
(ii)1wt%~50wt%未満の、300,000g/mol~2,000,000g/molの数平均分子量(Mn)を有する第2のポリジメチルシロキサンと、を含む、スリップ剤ブレンドと、を含む、第1の層と、
前記第1の層と接触している第2の層であって、第2のエチレン系ポリマーを含む、第2の層と、を含み、
前記第1の層が、0.01~0.35の摩擦係数(COF)を有する、多層フィルム。
(14) 前記第2の層が、低密度ポリエチレン(LDPE)および直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を含む、上記(13)に記載の多層フィルム。
(15) 前記第2の層と接触している第3の層であって、第3のエチレン系ポリマーを含む、第3の層をさらに含む、上記(13)または(14)に記載の多層フィルム。