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特許7191868単一光子アバランシェダイオードおよび単一光子アバランシェダイオードの動作方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】単一光子アバランシェダイオードおよび単一光子アバランシェダイオードの動作方法
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/107 20060101AFI20221212BHJP
   G01J 1/42 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
H01L31/10 B
G01J1/42 H
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2019572082
(86)(22)【出願日】2018-06-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-08-27
(86)【国際出願番号】 EP2018067044
(87)【国際公開番号】W WO2019002252
(87)【国際公開日】2019-01-03
【審査請求日】2020-02-26
(31)【優先権主張番号】17177891.3
(32)【優先日】2017-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】316005926
【氏名又は名称】ソニーセミコンダクタソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003339
【氏名又は名称】弁理士法人南青山国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ファン ニューベンホーベ ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル テンペル バルト
(72)【発明者】
【氏名】クーイク マールテン
(72)【発明者】
【氏名】イェガンナサン ゴビナス
【審査官】原 俊文
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-041746(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2005/0258449(US,A1)
【文献】特開2016-145776(JP,A)
【文献】特表2004-512723(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第103779437(CN,A)
【文献】国際公開第2012/032353(WO,A2)
【文献】特開2012-069944(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 31/10-31/119
G01J 1/42-1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バルク領域を有する半導体基板と、
前記半導体基板の前記バルク領域において接合増倍領域を有する少なくとも1つの単一光子アバランシェダイオード(SPAD)と、
前記半導体基板の前記バルク領域から前記SPADの前記接合増倍領域へ光生成キャリアを伝送する電気輸送フィールドを生成するように構成された動作回路部と、前記接合増倍領域に隣接するタップ領域とを含み、
前記タップ領域はn型ウェルまたはp型ウェルを含み、前記n型ウェルまたはp型ウェルは低ドープエリアと高ドープエリアを有し、前記低ドープエリアは前記高ドープエリアよりも前記バルク領域の表面に近く、
前記SPADは
前記SPADを接地接続する読み出し領域と、
前記電気輸送フィールドを印加する平面内輸送フィールド印加領域と
を含む、
SPAD検出器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は概して、単一光子アバランシェダイオード(SPAD)および単一光子アバランシェダイオードの動作方法に関する。特に、本開示は電流補助式単一光子アバランシェダイオード(CASPAD)および電流補助式単一光子アバランシェダイオードの動作方法に関する。
【背景技術】
【0002】
SPADと呼ばれる単一光子アバランシェダイオードが一般的に知られている。通常、SPADは入射放射線を検出するためpn接合を有し、いわゆるガイガーモードで動作される。つまり、SPADは通常アバランシェ電圧と呼ばれる単一光子アバランシェダイオードのブレークダウン電圧よりも大幅に高い電圧で動作される。
【0003】
既知のSPADにおいて、光子検出効率の向上は、暗計数率の向上、時間分解能の低下のうちの少なくとも1つと関連し得る。
【0004】
したがって、一般的に、単一光子アバランシェダイオードの暗計数率および時間分解能に対する光子検出効率の向上の影響が少ないまたは影響が無い単一光子アバランシェダイオードおよび単一光子アバランシェダイオードの動作方法が求められている。
【発明の概要】
【0005】
本開示の第1の態様によれば、
バルク領域を有する半導体基板と、
上記半導体基板の上記バルク領域において接合増倍領域を有する少なくとも1つの単一光子アバランシェダイオード(SPAD)と、
上記半導体基板の上記バルク領域から上記SPADの上記増倍接合領域へ光生成キャリアを伝送する電気輸送フィールドを生成するように構成された動作回路部とを含む
SPAD検出器が提供される。
【0006】
本開示の第2の態様によれば、
SPAD検出器を動作させる方法であって、
上記SPAD検出器は
バルク領域を有する半導体基板と、
上記半導体基板の上記バルク領域において接合増倍領域を有する少なくとも1つのSPADとを含み、
上記方法は
上記半導体基板の上記バルク領域から上記SPADの上記増倍接合領域へ光生成キャリアを伝送する電気輸送フィールドを生成することを含む
方法が提供される。
【0007】
本開示の第3の態様によれば、
タイムオブフライト深度検出システムであって、
光源と
第1の態様に係る単一光子アバランシェダイオード(SPAD)検出器を有する
タイムオブフライト深度検出システムが提供される。
【0008】
さらなる態様は、従属請求項、図面、および以下の説明に記載される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
以下に添付図面を参照しながら、実施形態について説明する。
【0010】
図1】アバランシェ光検知器の一般的な例を示す。
図2a】ガイガーモードでアバランシェ光検知器を動作する回路部を示す。
図2b】アバランシェモードでアバランシェ光検知器を動作する回路部を示す。
図3】第1の実施形態に係るSPAD検出器の概略断面図を示す。
図4】第1の実施形態に係るSPAD検出器の概略平面図を示す。
図5】第1の実施形態に係るSPAD検出器の動作方法のフローチャートを示す。
図6】第2の実施形態に係るSPAD検出器の概略断面図を示す。
図7】第2の実施形態に係るSPAD検出器の概略平面図を示す。
図8】第3の実施形態に係るSPAD検出器の概略断面図を示す。
図9】第3の実施形態に係るSPAD検出器の動作方法のフローチャートを示す。
図10】第4の実施形態に係るSPAD検出器の概略断面図を示す。
図11】輸送印加領域とタップ領域が互いに近接しているSPAD検出器の実施形態を示す。
図12図11に示すSPAD検出器の上面図を示す。
図13】タップ領域が高ドーピングレベル領域と低ドーピングレベル領域を含む、図11に示す実施形態の変形例を示す。
図14】タップ領域が高ドーピングレベル領域と低ドーピングレベル領域を含む、図11に示す実施形態の別の変形例を示す。
図15】タイムオブフライト深度検出システムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図3から図14を参照して実施形態についての詳細な説明を行う前に、一般的な説明を行う。
【0012】
単一光子アバランシェダイオード(SPAD)検出器は、バルク領域を有する半導体基板を含む。この半導体基板は表面と、表面の反対側である裏面を有し得る。バルク領域はこの表面と裏面の間に位置する。この表面は、裏面と平行であり得る。
【0013】
SPAD検出器はさらに、半導体基板のバルク領域、特に、半導体基板の表面において少なくとも1つのSPADを含む。このSPADは表面に埋め込まれ得る。また、このSPADと半導体基板の表面とで共通の面を形成し得る。SPADは、光生成少数キャリアを検出するため、例えば光生成電子や光生成正孔等の光生成少数キャリアによってトリガされる増倍プロセスを行うように構成された接合増倍領域を有する。接合増倍領域は半導体基板のバルク領域、特に、半導体基板の表面に位置し得る。SPADの接合増倍領域はドープ領域であり得る。ドープ領域とは例えば、第1の導電型の高ドープ領域、n型ドープ領域、またはp型ドープ領域であり得る。接合増倍領域は、例えばn型ウェルまたはp型ウェル等の第1の導電型のドープウェルを含み得る。また、接合増倍領域は、ドープウェルの裏面と接するように設けられた第1の導電型のディープドープウェルを含み得る。このドープウェルの裏面は、半導体基板の裏面に対向している。ディープドープウェルは、ドープウェルよりも高いドーピングを有し得る。
【0014】
SPAD検出器はさらに、半導体基板のバルク領域からSPADの増倍接合領域へ光生成キャリア、特に光生成少数キャリアを伝送する電気輸送フィールドを生成するように構成された動作回路部を含む。電気輸送フィールドは同時にバルク領域に多数キャリア電流を伝送し得る。
【0015】
いくつかの実施形態では、電気輸送フィールドは平面内電界と垂直平面電界のうちの少なくとも1つであり得る。平面内電界は、半導体基板の表面に対して平行に方向づけられ得る。垂直平面電界は、半導体基板の表面に対して垂直に方向づけられ得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、SPADはさらに、SPADに電気読み出しフィールドを印加する読み出し領域を含み得る。SPADの読み出し領域は、半導体基板のバルク領域、特に、半導体基板の表面に位置し得る。SPADの読み出し領域は、例えば第2の導電型の高ドープ領域等のドープ領域であり得る。第2の導電型は第1の導電型とは異なる。第1の導電型がn型の場合、第2の導電型はp型であり得る。第1の導電型がp型の場合、第2の導電型はn型であり得る。
【0017】
読み出し領域は、例えばp型ウェルまたはn型ウェル等の第2の導電型のドープウェルを含み得る。また、読み出し領域は、第1のドープウェルの裏面と接するように設けられた第2の導電型のディープドープウェルを含み得る。このドープウェルの裏面は、半導体基板の裏面に対向している。
【0018】
SPADはさらに、電気輸送フィールド、特に平面内電気輸送フィールドを印加する平面内輸送フィールド印加領域を含み得る。平面内輸送フィールド印加領域は半導体基板のバルク領域、特に、半導体基板の表面に位置し得る。平面内輸送フィールド印加領域は、例えば第2の導電型の高ドープ領域等のドープ領域であり得る。これは読み出し領域の導電型と同一である。平面内輸送フィールド印加領域は、例えばp型ウェルまたはn型ウェル等の第2の導電型のドープウェルを含み得る。平面内輸送フィールド印加領域のドーピング濃度は、読み出し領域のドーピング濃度に相当し得る。
【0019】
半導体基板はエピタキシャル半導体基板であり得る。半導体基板は、ケイ素、ゲルマニウム、ガリウム、その他の半導体材料のうちの少なくとも1つを含み得る。半導体基板は非ドープ半導体基板またはドープ半導体基板であってもよく、例えば第2の導電型の低濃度ドープ半導体基板であってもよい。ドープ半導体基板のドーピング濃度は、読み出し領域および平面内輸送フィールド印加領域のドーピング濃度よりも大幅に低くなっていてもよい。
【0020】
SPADの接合増倍領域は、0.1μmから10μm,好ましくは0.5μmから5μmの領域において半導体基板の表面に平行なエリアを有し得る。この半導体基板の表面に平行なエリアの面積は、好ましくは1μmであり得る。上記のようなエリアに関する仕様はあくまで例示的なものである。従って、この増倍接合領域は従来のSPADの増倍接合領域よりも小さくなる。
【0021】
平面内電気輸送フィールド印加領域を生成するにあたり、動作回路部は輸送電圧を読み出し領域と平面内輸送フィールド印加領域の間に印加するように構成され得る。例えば、動作回路部は、ワイヤを介して読み出し領域と平面内輸送フィールド印加領域とそれぞれ接続し得る。
【0022】
いくつかの実施形態では、SPADはさらにガード領域を含み得る。ガード領域はバルク領域、特に、半導体基板の表面に位置し得る。ガード領域は、増倍接合領域と、読み出し領域と平面内輸送フィールド印加領域のうちの少なくとも1つの間に位置し得る。ガード領域は、増倍接合領域と、読み出し領域と平面内輸送フィールド印加領域のうちの少なくとも1つと接し得る。ガード領域は、例えば第1の導電型の低濃度ドープ領域等のドープ領域であり得る。これは増倍接合領域の導電型と同一である。ガード領域のドーピング濃度は、増倍接合領域のドーピング濃度よりも低なっていてもよい。ガード領域は、衝突光子を検出することができる増倍接合領域の面積を減らし得る。
【0023】
いくつかの実施形態では、接合増倍領域と読み出し領域のうちの1つは中空円筒状領域であってもよく、平面内輸送フィールド印加領域は円柱状領域である。例えば、円柱状領域は円形ディスク状または四角形ディスク状であり得る。
【0024】
いくつかの実施形態では、読み出し領域、平面内輸送フィールド印加領域、接合増倍領域のうちの少なくとも1つは中空円筒状領域であり得る。例えば、中空円筒状領域とはリング状領域またはフレーム状領域であり得る。
【0025】
例えば、接合増倍領域は円柱状領域であり得る。平面内輸送フィールド印加領域は中空円筒状領域であり得る。読み出し領域は中空円筒状領域であり得る。特に、円柱状の接合増倍領域は中空円筒状の平面内輸送フィールド印加領域に取り囲まれ、中空円筒状の平面内輸送フィールド印加領域は中空円筒状の読み出し領域に囲まれ得る。さらに、ガード領域は中空円筒状領域であってもよく、特に、ガード領域はガードリングであってもよい。中空円筒状のガード領域は円柱状の接合増倍領域を取り囲み得る。また中空円筒状のガード領域は中空円筒状の平面内輸送フィールド印加領域に取り囲まれ得る。
【0026】
特に、接合増倍領域は、リング形状を有する中空円筒状のガード領域に接するように取り囲まれる円形ディスク状の領域であってもよい。中空円筒状のガード領域は、リング形状を有する平面内輸送フィールド印加領域に接するように取り囲まれ得る。リング形状を有する平面内輸送フィールド印加領域は、リング形状を有する読み出し領域に囲まれ得るが、平面内輸送フィールド印加領域は読み出し領域から離れた場所に位置する。平面内輸送フィールド印加領域と読み出し領域の距離は、半導体基板の表面と裏面の距離と同様であり得る。
【0027】
一方、平面内輸送フィールド印加領域は円柱状領域であってもよく、接合増倍領域は中空円筒状領域であってもよく、読み出し領域は中空円筒状領域であってもよい。特に、円柱状の平面内輸送フィールド印加領域は中空円筒状の接合増倍領域に取り囲まれていてもよく、中空円筒状の接合増倍領域は中空円筒状の読み出し領域に取り囲まれていてもよい。さらに、ガード領域は中空円筒状領域であってもよい。中空円筒状のガード領域は円柱状の平面内輸送フィールド印加領を取り囲み得る。また中空円筒状のガード領域は中空円筒状増倍接合領域に取り囲まれ得る。
【0028】
例えば、平面内輸送フィールド印加領域は、第1のガードリングに接するように取り囲まれる円形ディスク状領域であってもよい。第1のガードリングは、リング形状を有する増倍接合領域に接するように取り囲まれ得る。リング形状を有する増倍接合領域は、第2のガードリングに接するように取り囲まれ得る。第2のガードリングは、リング形状を有する読み出し領域に接するように取り囲まれ得る。
【0029】
また、読み出し領域は円柱状領域であってもよく、接合増倍領域は中空円筒状領域であってもよく、平面内輸送フィールド印加領は中空円筒状領域であってもよい。特に、円柱状の読み出し領域は中空円筒状の接合増倍領域に取り囲まれていてもよい。中空円筒状の接合増倍領域は中空円筒状の平面内輸送フィールド印加領域に取り囲まれていてもよい。さらに、ガード領域は中空円筒状領域であってもよい。中空円筒状のガード領域は中空円筒状の増倍接合領域を取り囲み得る。また、中空円筒状のガード領域は円柱状の平面内輸送フィールド印加領域に取り囲まれ得る。
【0030】
例えば、読み出し領域は、第1のガードリングに接するように取り囲まれ得る円形ディスク状領域であってもよい。第1のガードリングは、リング形状を有する増倍接合領域に接するように取り囲まれ得る。リング形状を有する増倍接合領域は、第2のガードリングに接するように取り囲まれていてもよい。第2のガードリングは、リング形状を有する平面内輸送フィールド印加領域に接するように取り囲まれ得る。
【0031】
いくつかの実施形態では、半導体基板はさらに、電気輸送フィールド、特に垂直平面電気輸送フィールドを印加する垂直平面輸送フィールド印加領域を含み得る。垂直平面輸送フィールド印加領域は半導体基板のバルク領域、特に、半導体基板の裏面に位置し得る。垂直平面輸送フィールド印加領域は、例えば第2の導電型の高ドープ領域等のドープ領域であり得る。これは読み出し領域の導電型と同一である。垂直平面輸送フィールド印加領域は半導体基板の裏面に延在する層であってもよい。
【0032】
垂直平面電気輸送フィールドを生成するにあたり、動作回路部は輸送電圧を読み出し領域と垂直平面輸送フィールド印加領域の間に印加するように構成され得る。例えば、動作回路部は、ワイヤを介して読み出し領域と垂直平面輸送フィールド印加領域とそれぞれ接続し得る。
【0033】
このSPAD検出器の半導体基板とSPADは半導体デバイス製造プロセスによって製造され得る。半導体デバイス製造プロセスは、フォトリソグラフィ、ドライエッチングまたはウェットエッチング等のエッチング、化学気相成長(CVD)、物理気相成長(PVD)、分子線エピタキシー法(MBE)、電気化学蒸着(ECD)、または、例えば純粋な半導体材料で作られたウエハ等のウエハに対する他の処理プロセスのうちの少なくとも一つを含み得る。例えば、半導体デバイス製造プロセスは、プレーナー技術または標準CMOS集積回路製造プロセスであってもよい。SPAD検出器は、BICMOS、バイポーラ、およびSiGe-BICMOS技術によって製造されてもよい。
【0034】
いくつかの実施形態では、動作回路部は、光生成少数キャリアによってトリガされるアバランシェを発生させる電気読み出しフィールドを生成するように構成され得る。増倍接合領域がp型ドープ領域の場合、光生成少数キャリアは光生成電子であり得る。増倍接合領域がn型ドープ領域の場合、光生成少数キャリアは光生成正孔であり得る。電気読み出しフィールドを生成するにあたり、動作回路部は読み出し電圧を増倍接合領域と読み出し領域の間に印加するように構成され得る。例えば、動作回路部はワイヤを介して増倍接合領域と読み出し領域に接続され得る。増倍接合領域を読み出し電圧にバイアスする際には、増倍接合領域を電圧源に接続し、読み出し回路を接地接続する。また、読み出し領域を読み出し電圧にバイアスする際には、読み出し領域を電圧源に接続し、増倍接合領域を接地接続する。
【0035】
動作回路部は、SPADのブレークダウン電圧よりも高い電圧まで読み出し電圧を上げるように構成され得る。SPADのブレークダウン電圧(アバランシェ電圧)とは、SPADの逆電流のジャンプに対応する電圧である。読み出し電圧をブレークダウン電圧よりも高い電圧まで上げることによって、光生成少数キャリアによってトリガされる増倍プロセスを行うことができる。
【0036】
動作回路部は、ブレークダウン電圧よりも高い第1の読み出し電圧とブレークダウン電圧よりも低い第2の読み出し電圧との間で読み出し電圧を変動させるように構成され得る。読み出し電圧が高い場合、SPADは検出状態にある。検出状態では、SPADは衝突光子を検出する準備が整っている状態にある。読み出し電圧がブレークダウン電圧よりも低い場合、SPADは再生状態にある。再生状態では、多数キャリアが増倍領域から除去される。読み出し電圧を変動させるため、動作回路部はクエンチング回路部を有し得る。クエンチング回路部は、パッシブクエンチング回路部またはアクティブクエンチング回路部であり得る。クエンチング回路部は、逆電流のジャンプに起因する電圧降下を引き起こすためのSPADと直列になるように配置される単一の抵抗を有し得る。
【0037】
いくつかの実施形態では、電気輸送フィールドは一定であり得る。従って、輸送電圧も一定であり得る。つまり、光子検出後に読み出し電圧が減少しても、輸送電圧は維持される。例えば、輸送電圧は0.5Vから5Vの電圧であり得る。好ましくは、1Vから2Vの電圧であり得る。
【0038】
動作回路部は、入射光子を検出するように構成されたパルス検出回路部をさらに含み得る。
【0039】
いくつかの実施形態では、SPAD検出器はさらなるSPAD(第2のSPAD)を含み得る。動作回路部はSPAD(第1のSPAD)と第2のSPADを交互に動作させるように構成される。つまり、第1のSPADが検出状態にあるとき、第2のSPADは再生状態にある。第1のSPADが衝突光子を検出すると、第1のSPADは再生状態になり、第2のSPADは検出状態になる。
【0040】
SPAD検出器は、高速かつ高感度の検出器であり得る。
【0041】
または、SPAD検出器は「タイムオブフライト」(TOF)方式の距離測定の用途で用いられてもよい。この場合、光源は1MHzから1GHzの範囲の周波数で変調される。この光が物体や場所を照射し、反射光の一部が焦点レンズを介してレンジファインダーカメラに入射する。各画素において入射光の位相を測定することによって、画素とその場所における共役(光反射)画素エリアとの距離を推定することができる。このようにして、物体の距離や形状を推定し、記録することができる。
【0042】
いくつかの実施形態では、SPAD検出器はタイムオブフライト検出器、特に、フォトニックミキサであってもよい。フォトニックミキサは、入射振幅変調電磁放射線と電気信号をミックスし、電気光電流を出力するように構成され得る。
【0043】
以下、本開示の実施例への理解を深めるために、基本的なpn接合の原理について説明する。一般的にこの理念においては、(アバランシェレジーム検出を想定した場合には)アバランシェ増倍を引き起こすための接合のブレークダウンより下にバイアスをかけ、(SPAD動作を想定する場合は)ブレークダウンより上にバイアスをかける。
【0044】
いくつかの実施形態では、SPAD検出器がガイガーモードで動作し、検出器が1つの光子が検出されたことに応じてダイレクトデジタルパルスをトリガすることを想定しているが、本明細書において説明する実施形態はこれに限定されない。例えば、いくつかの実施形態においては、SPAD検出器は(純粋な)アバランシェレジームまたはアバランシェモードにおいて動作される。
【0045】
従来、シンプルなpn接合を単に形成することによって、通常は外周においてアバランシェ増倍が発生するが、検出器の全域で発生するわけではないことが知られている。物理学において知られているように、荷電キャパシタの隅は電界が増加している場所であり、つまり、隅を含み得る外周においては高電界になっている。つまり、(印加される逆バイアスが低い場合に)アバランシェブレークダウンが早期に発生し、このエリア全体で増倍が起こる。
【0046】
また、pn接合の片側または両側における低ドーピングレベルの接合は、高いブレークダウン電圧を有するため、ブレークダウンが発生しにくいことが知られている。
【0047】
これらの問題を解決するために、いくつかの実施形態においては、外周において低ドープドーナツリング部を配置している。これにより、検出器の中心部よりも高いブレークダウン電圧を生成することができる(例えば、図3参照。詳細については後述する)。
【0048】
いくつかの実施形態は、このようなSPAD構造によって実現される。一般的に、このようなSPADのトリガを行うことによって、光感知領域全体でブレークダウンが発生する。全領域において中レベルトラップが埋められるとその少しあとに電荷キャリアを放出する。これにより再びSPADのトリガが行われる。しかしこの時には光子によってトリガされるわけではない。いくつかの実施形態において発生するこのような影響は、アフターパルシングと呼ばれる。いくつかの実施形態で用いられる解決法によると、SPADをトリガせずにトラップを空にして、SPADをしばらくの間ブレークダウンよりも下の電圧で維持する(この期間はクエンチ時間と呼ばれる)。この動作を行わない期間は、いくつかの用途においてSPADの使用を制限している。また、逆バイアスされた領域はとても大きく、このため多量の暗電流を生成し得る。いくつかの例においては、生成されたキャリアがSPADをトリガし、結果として誤検出が発生し得る。このような事象が発生する確率は暗計数率(DCR)と呼ばれている。DCRとアフターパルシングの影響は、アバランシェが発生し得る領域の面積と比例し得る。つまり、SPADの面積が小さいとそれに比例してアフターパルシングとDCRも小さくなると理解される。従って、いくつかの実施形態においては、このように面積が小さいSPADを用いる。
【0049】
従来のSPADおよびアバランシェ検出器は主に近赤外(NIR)において低い光検出率を有する。さらに、光生成少数キャリアの増倍エリアは従来の既知のSPADの検出エリアと同じ大きさになっているため、結果として高い暗計数率と、大きく長いアフターパルシングと、長いクエンチ時間が必要となる。
【0050】
したがって、本開示のいくつかの実施形態においては、(電気輸送フィールドの印加によって引き起こされる)多数電流誘導によって、光電子が中心のSPADに誘導され、これによりトリガリングを引き起こすことが提案されている。この小型のSPADはより広い領域から光電子を収集し、小規模のアクティブアバランシェ領域を組み合わせたNIR光検出を可能にする。
【0051】
このように、いくつかの実施形態においては、大面積の光検出器を小型のアバランシェ検出器と組み合わせることにより、大面積の光検出器と小型のアバランシェ光検出器の両方の利点を生かすことができる。
【0052】
しかし、例えば図3に示すような構成ではいわゆるガードリングに妨害されるので、電子はpn接合に誘導され得るが、トリガリングを引き起こすことができる領域に優先的に誘導されるわけではないということが理解されている。
【0053】
このため、いくつかの実施形態においては、SPADの構成が超小型「点状」アバランシェ検出器となるように簡略化される。これにより、光電子が誘導される場所と外周が近接し、アバランシェが発生する可能性がとても高くなる。
【0054】
したがって、いくつかの実施形態においては、接合増倍領域とタップ領域が近接し、タップ領域がSPADのカソードまたはアノードを形成する。したがって、体積が減少し、点状のSPAD検出器を製造できる。
【0055】
したがって、上述のような悪影響が発生する可能性のある領域は、いくつかの実施形態では最小減に抑えることができ、半導体(バルク領域)の表面に対して、または半導体(バルク領域)の表面に隣接して配置し得る。通常、半導体の表面には多くのトラップがあり、状況によっては常に最適にアフターパルシングやDCRを減少することが出来るというわけではない。
【0056】
上記の説明は、SPADに関して、いくつかの実施形態において以下のことを意味する。
・リークキャリアが生成される領域が小さいため、暗計数率が低くなる。
・SPADエリアが小さいため、アフターパルシングが小さくなる。
・超小型pn接合(例えば1fFオーダー)のみを有するため、検出器のキャパシタンスが小さくなる。
・検出器の面積を大きくすることができる(電気輸送フィールドを印加することによって電流を誘導するため)。
・光生成電子を迅速に増倍領域に誘導することができるので、検出率が高くなる。
・NIR効率が良い。(半導体の深部にある電子がアバランシェ位置に誘導される。上記のように、ここでは、光電子を高速かつ効率的にアバランシェ領域に誘導するのと同じ目的を有する、底部からの電気輸送フィールドの印加が可能である。)
【0057】
一般的に、上記の説明は、アバランシェ検出器に関しては、いくつかの実施形態において以下のことを意味する。
・リークキャリアが生成される領域が小さいため、低暗電流となる。
・超小型pn接合(1fFオーダー)のみを有するため、検出器のキャパシタンスが小さくなる。
・検出器の面積を大きくすることが出来る(本明細書に記載のように、電気輸送フィールドを印加することによって電流を誘導するため)。
・光生成電子を迅速に増倍領域に誘導することによって、ほとんどの光生成電子を増倍することができる。
・NIR効率が良い。
【0058】
いくつかの実施形態においては、タップ領域はn型ドープ領域またはp型ドープ領域であり、タップ領域はそれぞれn型ウェルまたはp型ウェルを含み得る。
【0059】
表面状態を避けるために、タップ領域に近接して設けられる増倍領域がバルク領域の表面よりも下に位置し得るようにタップ領域はある程度の深さを有し得る。このため、表面状態は、生成されるキャリアが(アバランシェレジームにおいて)あまり増倍せず、(SPADレジームにおいて)ブレークダウンをトリガしないように、最高電界内に存在しない可能性がある。
【0060】
n型ウェルまたはp型ウェルは、イオン注入により生成され得るレトログレードドーピングを有し得る。n型ウェルまたはp型ウェルは低ドープエリアと高ドープエリアを有し得る。低ドープエリアは高ドープエリアよりもバルク領域の表面に近接し得る。そのため、低ドープエリアは高ドーブエリアの上に配置され得る。
【0061】
いくつかの実施形態において、高ドープエリアは、例えばイオン注入によってバルク領域に埋め込まれている。
【0062】
いくつかの実施形態において、SPAD検出器は電気輸送フィールドを印加する輸送印加領域をさらに含み、輸送フィールド印加領域はSPAD検出器のアノードまたはカソードとしても機能する。輸送(フィールド)印加領域は、タップ領域を囲むp型(またはn型)ドープリング構造等として配置さ得る。増倍接合領域は、輸送印加領域とタップ領域との間の領域に少なくとも部分的に配置される。また、増倍接合領域は、輸送印加領域および/またはタップ領域内に(部分的に)延在してもよい。そのため、輸送印加領域は少なくとも部分的に増倍接合領域と重複し得る。
【0063】
SPAD構造が超小型となるように、輸送印加領域と増倍接合領域は互いに近接し得る。
【0064】
本明細書で記載するように、本開示はさらにSPAD検出器の動作方法に関する。SPAD検出器は、バルク領域を有する半導体基板を含み、半導体基板のバルク領域において接合増倍領域を有する少なくとも1つのSPADを含む。SPAD検出器の動作方法は、半導体基板のバルク領域からSPADの増倍接合領域へ光生成キャリア、特に光生成少数キャリアを伝送する電気輸送フィールドを生成することを含む。
【0065】
SPAD検出器、特にSPADと半導体基板は、上記のSPAD検出器に関する詳細な説明にしたがって構成され得る。
【0066】
いくつかの実施形態では、電気輸送フィールドは平面内電界と垂直平面電界のうちの少なくとも1つであり得る。平面内電界は、半導体基板の表面に対して平行に方向づけられ得る。垂直平面電界は、半導体基板の表面に対して垂直に方向づけられ得る。
【0067】
動作方法に関するいくつかの実施形態では、光生成少数キャリアによってトリガされるアバランシェを発生させる電気読み出し領域が生成され得る。例えば、読み出し電圧が増倍接合領域と読み出し領域の間に印加され得る。特に、増倍接合領域がn型ドープ領域の場合は、増倍接合領域が読み出し電圧にバイアスされ得る。増倍接合領域がp型ドープ領域の場合は、読み出し領域が読み出し電圧にバイアスされ得る。
【0068】
読み出し電圧は、SPADのブレークダウン電圧よりも高い電圧まで上げられ得る。読み出し電圧をブレークダウン電圧よりも高い電圧まで上げることによって、光生成少数キャリアによってトリガされる増倍プロセスを行うことができる。
【0069】
例えば、ブレークダウン電圧よりも高い第1の読み出し電圧とブレークダウン電圧よりも低い第2の読み出し電圧との間で読み出し電圧が変動し得る。読み出し電圧が高い場合、SPADは検出状態にあり、読み出し電圧がブレークダウン電圧よりも低い場合、SPADは再生状態にある。例えば、パッシブまたはアクティブクエンチングプロセスが行われ得る。
【0070】
いくつかの実施形態では、電気輸送フィールドは一定であり得る。したがって、輸送電圧も一定であり得る。つまり、光子検出後に読み出し電圧が減少しても、輸送電圧は維持される。例えば、輸送電圧は0.5Vから5Vであり得る。好ましくは、1Vから2Vであり得る。
【0071】
いくつかの実施形態では、SPAD検出器はさらなるSPAD(第2のSPAD)を含み得る。この場合、SPAD(第1のSPAD)と第2のSPADは交互に動作され得る。つまり、第1のSPADが検出状態で動作するとき、第2のSPADは再生状態で動作する。第1のSPADが衝突光子を検出すると、第1のSPADは再生状態になり、第2のSPADは検出状態になる。
【0072】
この方法は、高速かつ高感度の検出器を動作するのに用いられ得る。
【0073】
いくつかの実施形態では、この方法はタイムオブフライト検出器、特に、フォトニックミキサを動作させるのに用いられ得る。フォトニックミキサは、入射振幅変調電磁放射線と電気信号をミックスし、電気光電流を出力するように動作され得る。
【0074】
本明細書に記載の方法は、いくつかの実施形態では、コンピュータおよび/またはプロセッサが、コンピュータおよび/またはプロセッサ上においてその方法を実行するためのコンピュータプログラムとして実装される。いくつかの実施形態では、上述したようなプロセッサのようなプロセッサによって本明細書に記載の方法を実行させるコンピュータプログラム製品を内部に格納する、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体も提供される。
【0075】
要するに、本開示は、電子や正孔等の光生成キャリアを、例えばシリコンバルクといったバルク領域からアバランシェ接合(増倍接合領域)へ伝送させるための追加電界の追加と、SPAD時間応答、特に、SPADの時間応答の半値全幅(FWHM)に対する照明波長の影響の低下を提案している。また、裏面照射(BSI)構造においてSPADデバイスを使用すると、アバランシェ接合が多くのキャリアが生成される裏面から遠くに位置することになる。このように、BSI技術におけるSPADデバイスの時間分解能は、拡散成分により支配される。電界の印加によって誘発されるドリフト電界の追加により、時間応答から拡散成分を切り離すことができる。
【0076】
さらに、電界は、アバランシェ増倍プロセスによって生成された過剰キャリアからSPAD検出器および増倍接合領域を除去するのに役立つ。SPADがトリガされた後アバランシェが収束するのに必要な時間はSPADの無駄時間と呼ばれ、SPADシステム設計における重要なパラメータである。印加された電界によって無駄時間を減らすことが本SPAD検出器の特徴の1つである。SPADの回復中に他の入力キャリアを排出する追加のドレイン要素を実装することによって、アフタートリガリングを防止ことができる。このドレイン要素が第2のSPADであって、無駄時間をすべて防止する。
【0077】
さらに本開示は、アバランシェモードで動作する接合エリアを制限すること、つまり、従来のSPADと比べてSPADの増倍接合領域の面積を制限することを提案している。光学エリアに比べてアバランシェ接合の相対面積を減らすことによって、ウエハの不純物や転位等による過剰な暗電流率(DCR)のリスクを減らし得る。
【0078】
したがって、本開示は、特にBSIを採用した場合の光子検出効率を向上し、ヒストグラムにおける拡散テイルがドリフトテイルに置き換えられる際にタイムジッタを向上し、通常は不安定な接合エリアを小さくし得る。
【0079】
再び図1を参照すると、図1には通常当業者に周知のアバランシェ光検出器400が示されている。以下のさらなる説明において明らかにされるように、アバランシェ光検出器400はいくつかの実施形態で使用され得る。
【0080】
光検出器400は、表面402と裏面403を有するバルク領域401を有する。このバルク領域401は、層厚さがdである低p型ドープバルク領域エピタキシャル半導体からなる。
【0081】
SPADはn型ドープ増倍接合領域からなり、このn型ドープ増倍接合領域はn型ドープウェル404とn型ドープディープウェル405を含む。n型ドープウェル404とn型ドープディープウェル405は円板状の形状を有する。n型ドープウェル404の表面はバルク領域401の表面402と同一平面上にあり、n型ドープウェル404の裏面はn型ドープディープウェル405と接している。n型ウェル404とディープn型ウェル405はアバランシェ光検出器400のカソードを形成する。
【0082】
n型ウェル404とディープn型ウェル405によって形成される増倍接合領域は低n型ドープリング406によって囲まれている。この低n型ドープリング406はガードリングの機能を有する。
【0083】
n型ドープリング406の近傍において、ある程度の距離をおいてp型ドープ読み出しリング407が配置される。p型ドープ読み出しリング407は裏面コンタクト408と共に接地される。
【0084】
上記のように、n型ウェル404とディープn型ウェル405を有する増倍接合領域はアバランシェ光検出器400のカソードを形成し、接続部409を介して回路部410に接続される。後述するように、回路部410はアバランシェ光検出器に動作電流/電圧を印加し、これによってアバランシェ増倍空乏ゾーン411が生成される。
【0085】
光生成電子412はアバランシェ増倍空乏ゾーン411においてアバランシェ増倍を引き起こす。アバランシェ増倍空乏ゾーン411はディープn型ウェル405と低p型ドープバルク領域エピタキシャル半導体401によって共有される。
【0086】
図2aと図2bはそれぞれ2種類の回路部410および410'を示す。一般的に、回路部410および410'は電線409を介してカソードに接続されることができる。いくつかの実施形態においては、回路部401はいわゆるガイガーモードの動作のために用いられ、回路部410'はアバランシェ光検出器のアバランシェ動作モードのために用いられる。
【0087】
図2aの回路部410の場合、アバランシェ光検出器は電子正孔対を生成する単一の光子を検出するために用いることができる。電子正孔対の電子または正孔は、図1に例示するように、アバランシェ増倍空乏ゾーン411における自己再生衝突電離によるブレークダウン現象のトリガとなる。
【0088】
上記に記載したように、これはアバランシェ光検出器の動作のガイガーモードと呼ばれる。したがって、いくつかの実施形態においては、カソードワイヤ409はアバランシェ光検出器のブレークダウン電圧を超えてバイアスされる。回路部410はこのバイアス電流Vbeを管理する。いくつかの実施形態においては、通常、500mVから、ブレークダウン電圧を超える数ボルトまでの過剰電圧が印加される。これは例えば、クエンチング回路部430の直列抵抗431によって行われることができる。これにより、ブレークダウン後にアバランシェ光検出器で電圧が降下し、続いてブレークダウン以下の有効バイアスが発生する。その結果、自己再生ブレークダウンのクエンチが行われる。このクエンチングは、当業者に一般的に周知なように、複雑なアナログ/デジタル回路を用いて行われることもできる。さらに、ブレークダウン現象を検出し、さらなるデータ処理のためのデジタル信号を生成するためのパルス検出回路部432が設置される。
【0089】
図2bの回路部410'の場合、アバランシェ光検出器は電子正孔対を生成する複数の光子を検出するために用いることができる。電子または正孔は、図1に例示するように、アバランシェ増倍空乏ゾーン411における衝突電離による制限要因によって増倍される。
【0090】
いくつかの実施形態において、制限要因とはアバランシェゲインであり、その大きさはアバランシェ光検出器のブレークダウン電圧に対して電圧Vge'でカソードワイヤ409がバイアスされる程度に依存し得る。例えば抵抗431'を含むバイアス回路部430'は、このバイアス電圧を管理し、通常、いくつかの実施形態においては、3から30のアバランシェゲインの間の増倍率を生成するために、ブレークダウンよりも低い200mVから1Vの電圧が印加される。また、例えば、さらなるアナログ信号処理のための低ノイズトランスインピーダンス増幅器を介してアバランシェ光検出電流を電圧に変換することによってアバランシェ光検出電流をさらに処理するためのトランスインピーダンス回路部432'が設けられる。
【0091】
図3および図4はそれぞれ、SPAD検出器の第1の実施形態の断面図と平面図である。SPAD検出器は、半導体基板1と、SPAD2と、動作回路3を有する。
【0092】
半導体基板1は、表面100と、表面100の反対側である裏面101を有するバルク領域10を含む。バルク領域10は、厚さdの非ドープエピタキシャル半導体層である。半導体基板1はさらに、垂直平面輸送フィールド印加領域として垂直平面輸送フィールド印加層11を含む。垂直平面輸送フィールド印加層11はバルク領域10の裏面101に沿って延在する。垂直平面輸送フィールド印加層11はp型ドープ層である。
【0093】
SPAD2は増倍接合領域としてn型ドープ増倍接合領域20を有する。n型ドープ増倍接合領域20はn型ドープウェル200とn型ドープディープウェル201を含む。n型ドープウェル200とn型ドープディープウェル201は円板状の形状を有する。n型ドープウェル200の表面はバルク領域10の表面100と同一平面上にあり、n型ドープウェル200の裏面はn型ドープディープウェル201と接している。
【0094】
SPAD2はn型ドープガードリング21を有する。n型ドープガードリング21のドーピング濃度はn型ドープ増倍接合領域20のドーピング濃度よりも低い。リング状のn型ドープガードリング21はn型ドープ増倍接合領域20を取り囲み、n型ドープ増倍領域20と接する。n型ドープドープガードリング21の表面はバルク領域10の表面100と同一平面上にある。バルク領域10の表面100と垂直なガードリング21の深さはn型ドープ増倍接合領域20の深さより少し深くなっている。
【0095】
SPAD2はさらに平面内輸送フィールド印加領域としてp型ドープ平面内輸送フィールド印加リング22を有する。リング状のp型ドープウェルとして形成されたp型ドープ平面内輸送フィールド印加リング22はn型ドープガードリング21を取り囲み、n型ドープガードリング21と接する。p型ドープ平面内輸送フィールド印加リング22の表面はバルク領域10の表面100と同一平面上にある。バルク領域10の表面100と垂直な平面内輸送フィールド印加リング22の深さはn型ドープ増倍接合領域20の深さおよびn型ドープガードリング21の深さより浅くなっている。平面内輸送フィールド印加リング22のドーピング濃度は、垂直平面輸送フィールド印加層11のドーピング濃度と略同一である。
【0096】
SPAD2はさらに読み出し領域としてp型ドープ読み出しリング23を有する。リング状のp型ドープウェルとして形成されたp型ドープ読み出しリング23は距離lだけ離れてp型平面内輸送フィールド印加リング22を取り囲む。距離lは、バルク領域10の厚さdより小さい。p型ドープ読み出しリング23の表面はバルク領域10の表面100と同一平面上にある。バルク領域10の表面100と垂直なp型ドープ読み出しリング23の深さはp型ドープ平面内輸送フィールド印加リング22の深さと同一である。
【0097】
動作回路部3はパッシブクエンチング回路部30とパルス検出回路部31を含む。パッシブクエンチング回路部30は抵抗300と読み出し電圧源301を有する。動作回路部3はさらに輸送電圧源32も含む。
【0098】
SPAD2と垂直平面輸送フィールド印加層11はワイヤを介して動作回路部3に接続される。第1の実施形態において、n型ドープ増倍接合領域20は逆バイアスVbeを印加するために抵抗300を介して読み出し源301に接続され、p型ドープ読み出しリング23は接地gndに接続される。これにより、衝突光子4によって生成された電子正孔対の光生成電子の増倍が可能になり、パルス検出回路部31は増倍プロセスで発生した電圧パルス検出することができる。
【0099】
また、平面内輸送フィールド印加リング22は、一定の輸送電圧dVを印加するために輸送電圧源32に接続される。これにより、平面内電気輸送フィールドが生成され、平面内正孔電流50を増倍接合領域20から読み出し領域23に伝送することができる。一方、光生成電子は平面内電気輸送フィールドによって増倍接合領域20に向かって伝送される。
【0100】
また、垂直平面輸送フィールド印加層11も接地gndに接続される。これにより、垂直平面電気輸送フィールドが生成され、垂直平面正孔電流51を増倍接合領域20から垂直平面輸送フィールド印加層11に伝送することができる。一方、光生成電子は垂直平面電気輸送フィールドによって増倍接合領域20に向かって伝送される。
【0101】
図5は第1の実施形態に係るSPAD検出器の動作方法6のフローチャートを示す。
【0102】
ステップ60において、電気読み出しフィールドがSPADに印加される。第1の実施形態に係るSPAD検出器の場合、SPADのブレークダウン電圧よりも高い逆バイアスVbeがn型ドープ増倍領域に印加され、読み出しリングが接地される。光生成電子が増倍接合領域に到達すると、電気読み出しフィールドは光生成電子によってトリガされるアバランシェ処理を行うことができるようになる。
【0103】
ステップ61において、電気輸送フィールドがSPADと半導体基板に印加される。第1の実施形態に係るSPAD検出器の場合、輸送電圧dVが平面内輸送フィールド印加リングに印加され、読み出しリングと垂直平面輸送フィールド印加層が接地される。光生成電子が生成されると、電気輸送フィールドは光生成電子を増倍接合領域に向かってシフトさせる。
【0104】
ステップ62において、光生成電子によってトリガされたアバランシェ処理によって生成された電流パルスがパルス検出回路部によって検出される。
【0105】
ステップ63において、アバランシェ処理のクエンチが行われる。第1の実施形態に係るSPAD検出器の場合、逆バイアスがブレークダウン電圧よりも低くなるように減少する。そして、SPADが再生され、さらなる衝突光子が検出できるようになるまでブレークダウン電圧よりも低い状態で維持される。第1の実施形態においては、パッシブクエンチングが行われる。このパッシブクエンチングにおいては、アバランシェ処理によって引き起こされた電流パルスに応じた抵抗における電圧降下に応じて逆バイアスが減少する。クエンチング中に、増倍を停止するために電気読み出しフィールドが減少させられ、電気輸送フィールドは増倍接合領域からバルク領域に正孔の形で多数キャリアを伝送する。
【0106】
SPADの再生後、処理はステップ60に戻る。つまり、逆バイアスがブレークダウン電圧よりも上になるように増加する。
【0107】
図6および図7はそれぞれ、SPAD検出器の第2の実施形態の断面図と平面図を示す。SPAD検出器は、半導体基板1と、SPAD2'と、動作回路部3を有する。
【0108】
半導体基板1と動作回路部3は上述の第1の実施形態と同様に形成される。
【0109】
続いて、SPAD2'の構成について説明する。
【0110】
SPAD2'は増倍接合領域としてn型ドープ増倍接合リング20'を有する。n型ドープ増倍接合リング20'はリング状のp型ドープウェルとして形成される。
【0111】
SPAD2'はn型ドープガードリング21'をさらに有する。n型ドープガードリング21'のドーピング濃度はn型ドープ増倍接合リング20'のドーピング濃度よりも低い。リング状のn型ドープガードリング21'はn型ドープ増倍接合リング20'によって取り囲まれ、n型ドープ増倍接合リング20'と接する。バルク領域10の表面100と垂直なn型ドープガードリング21の深さはn型ドープ増倍接合リング20'の深さより少し深くなっている。
【0112】
SPAD2'はさらに平面内輸送フィールド印加領域としてp型ドープ平面内輸送フィールド印加領域22'を有する。p型ドープ平面内輸送フィールド印加領域22'は円板状のp型ドープウェルとして形成される。バルク領域10の表面100と垂直な平面内輸送フィールド印加領域22'の深さはn型ドープ増倍接合リング20'の深さおよびn型ドープガードリング21'の深さより深くなっている。平面内輸送フィールド印加領域22'のドーピング濃度は、垂直平面輸送フィールド印加層11のドーピング濃度と略同一である。
【0113】
SPAD2'はさらなるn型ドープガードリング24を有する。さらなるn型ドープガードリング24のドーピング濃度はn型ドープガードリング21'のドーピング濃度と略同一である。リング状のn型ドープガードリング24はn型ドープ増倍リング20'を取り囲み、n型ドープ増倍リング20'と接する。バルク領域10の表面100と垂直なさらなるn型ドープガードリング24の深さはp型ドープ平面内輸送フィールド印加領域22'の深さよりも深くなっている。
【0114】
SPAD2'はさらに読み出し領域としてp型ドープ読み出し領域23'を有する。p型ドープ読み出し領域23'は円形の開口部を有するp型ドープウェルである。このp型ドープウェルはさらなるn型ドープガードリング24を取り囲み、さらなるn型ドープガードリング24と接する。バルク領域10の表面100と垂直なp型ドープ読み出し領域23'の深さはn型ドープ増倍接合リング20'の深さと同様である。
【0115】
n型ドープ増倍接合リング20'、n型ドープガードリング21'、p型ドープ平面内輸送フィールド印加領域22'、さらなるn型ドープガードリング24、そしてp型ドープ読み出し領域23'の表面はバルク領域10の表面100と同一平面上にある。
【0116】
SPAD2'と垂直平面輸送フィールド印加層11は、第1の実施形態に係るSPAD2と同様にアナログな方法によって動作回路部3と接続される。第2の実施形態に係るSPAD検出器の動作方法は、図5を参照して説明した方法と同様に行われる。
【0117】
図8はSPAD検出器の第3の実施形態の断面図を示す。このSPAD検出器は第1のSPAD2'と第2のSPAD7を含み、第1のSPAD2'と第2のSPAD7は両方、第2の実施形態に係るSPAD2'と同じ構成を有する。読み出し領域23'は、第1のSPAD2'の読み出し領域と第2のSPAD7の読み出し領域の両方を形成する。この場合、動作回路部は第1のSPAD2'と第2のSPAD7を交互に動作させるように構成される。つまり、第2のSPAD7がオフ状態で回復されると、第1のSPAD2'が回復している間にドリフト電界を変化させることにより第2のSPAD7に切り替える。
【0118】
図9は第3の実施形態に係るSPAD検出器の動作方法6'のフローチャートを示す。
【0119】
ステップ60'において、第1の電気読み出しフィールドが第1のSPADに印加され、第2の電気読み出しフィールドが第2のSPADに印加される。第1の電気読み出しフィールドは第2の電気読み出しフィールドよりも強くなっている。したがって、ブレークダウン電圧よりも高い逆バイアスが第1のSPADのn型ドープ増倍領域に印加され、ブレークダウン電圧よりも低い逆バイアスが第2のSPADのn型ドープ増倍領域に印加され、第1のSPADと第2のSPADに共通の読み出し領域が接地される。光生成電子が第1のSPADの増倍接合領域に到達すると、電気読み出しフィールドは第1のSPADにおいて光生成電子によってトリガされるアバランシェ処理を行うことができるようになる。
【0120】
ステップ61'において、電気輸送フィールドが第1のSPADと垂直平面輸送フィールド印加層に印加される。第3の実施形態に係るSPAD検出器の場合、輸送電圧が第1のSPADの平面内輸送フィールド印加リングに印加され、第1のSPADの読み出しリングと垂直平面輸送フィールド印加層が接地される。
【0121】
ステップ62'において、光生成電子によってトリガされたアバランシェ処理によって生成された第1のSPADの電流パルスがパルス検出回路部によって検出される。
【0122】
ステップ63'において上記アバランシェ処理のクエンチが行われ、高電気読み出しフィールドが第2のSPADに印加される。第3の実施形態に係るSPAD検出器の場合、第1のSPADに印加された逆バイアスがブレークダウン電圧よりも低くなるように減少する。そして、SPADが再生され、さらに衝突光子が検出できるようになるまでブレークダウン電圧よりも低い状態で維持される。同時に、第2のSPADに印加された逆バイアスはブレークダウン電圧よりも高くなる。
【0123】
ステップ64において、電気輸送フィールドが第2のSPADと半導体基板に印加される。第3の実施形態に係るSPAD検出器の場合、第1のSPADの平面内輸送フィールド印加リングへ印加された輸送電圧が停止され、輸送電圧が第2のSPADの平面内輸送フィールド印加リングに印加され、第2のSPADの読み出しリングと垂直平面輸送フィールド印加層が接地される。
【0124】
ステップ65において、光生成電子によってトリガされたアバランシェ処理によって生成された第2のSPADの電流パルスがパルス検出回路部によって検出される。そして、処理はステップ50および51に戻る。
【0125】
第3の実施形態に係るSPAD検出器は、1つのSPADが再生状態にある間でも入射放射線を検出可能である。
【0126】
図10はSPAD検出器の第4の実施形態の断面図を示す。SPAD検出器は、半導体基板1と、SPAD2''と、動作回路部3'を有する。
【0127】
詳述すると、半導体基板1'は、表面100'と、表面100'の反対側である裏面101'を有するバルク領域10'を含む。バルク領域10'は非ドープエピタキシャル半導体層である。半導体基板1'はさらに、垂直平面輸送フィールド印加領域として垂直平面輸送フィールド印加層11'を含む。垂直平面輸送フィールド印加層11'はバルク領域10'の裏面101'に沿って延在する。垂直平面輸送フィールド印加層11'はn型ドープ層である。
【0128】
SPAD2''はリング状p型ドープウェルとして形成された増倍接合領域としてp型ドープ増倍接合リング20''を有する。
【0129】
SPAD2''はさらにp型ドープガードリング21''を有する。p型ドープガードリング21''のドーピング濃度はp型ドープ増倍接合領域20''のドーピング濃度よりも低い。リング状のp型ドープガードリング21''はp型ドープ増倍接合領域20''を取り囲み、p型ドープ増倍接合領域20''と接する。バルク領域10'の表面100'と垂直なp型ドープガードリング21''の深さはp型ドープ増倍接合領域20''の深さより少し深くなっている。
【0130】
SPAD2''はさらに平面内輸送フィールド印加領域として平面内輸送フィールド印加領域22''を有する。n型ドープ平面内輸送フィールド印加領域22''は円形の開口部を有するn型ドープウェルである。このn型ドープウェルはp型ドープガードリング21''を取り囲み、p型ドープガードリング21''と接する。バルク領域10'の表面100'と垂直なn型ドープ平面内輸送フィールド印加領域22''の深さはp型ドープ増倍接合リング20''およびp型ドープガードリング21''の深さより少し深くなっている。
【0131】
SPAD2''はさらなるp型ドープガードリング24'を有する。さらなるp型ドープガードリング24'のドーピング濃度はp型ドープガードリング21''のドーピング濃度と略同一である。リング状のp型ドープガードリング24'はp型ドープ増倍接合リング20''によって取り囲まれ、p型ドープ増倍接合リング20''と接する。バルク領域10'の表面100'と垂直なさらなるp型ドープガードリング24'の深さはp型ドープガードリング21''の深さと同様である。
【0132】
SPAD2''はさらに読み出し領域としてn型ドープ読み出し領域23''を有する。n型ドープ読み出し領域23''は円板状のn型ドープウェルとして形成される。バルク領域10'の表面100'と垂直なn型ドープ読み出し領域23''の深さはp型ドープ増倍接合リング20''の深さ、ガードリング21''の深さ、および平面内輸送フィールド印加領域22''の深さより深くなっている。n型ドープ読み出し領域23''のドーピング濃度は、平面内輸送フィールド印加リング22''のドーピング濃度と略同一である。
【0133】
SPAD2''はさらにn型ドープ平面内輸送フィールド印加領域22''内にリング状画素p型ウェル25を有する。このリング状画素p型ウェル25は接地されている。リング状画素p型ウェル25はトランジスタや他の回路部部品のために用いられる。
【0134】
p型ドープ増倍接合リング20''、p型ドープガードリング21''、n型ドープ平面内輸送フィールド印加領域22''、さらなるp型ドープガードリング24'、n型ドープ読み出し領域23''、そして画素p型ウェル25の表面はバルク領域10'の表面100'と同一平面上にある。
【0135】
動作回路部3'はパッシブクエンチング回路部30'とパルス検出回路部31'を含む。パッシブクエンチング回路部30'は抵抗300'を有する。動作回路部3'はさらに輸送電圧源32'と読み出し電圧源33を有する。
【0136】
SPAD2''と垂直平面輸送フィールド印加層11'はワイヤを介して動作回路部3'に接続される。第4の実施形態において、p型ドープ増倍接合リング20''は抵抗300'を介して接地gndに接続され、n型ドープ読み出し領域22''は逆バイアス Vbeを印加するために読み出し電圧源33に接続される。これにより、衝突光子4によって生成された電子正孔対の光生成正孔の増倍が可能になり、パルス検出回路部31'は増倍プロセスで発生したパルスを検出することができる。
【0137】
また、平面内輸送フィールド印加領域22''は、逆バイアスVbeと輸送電圧dVの和を電圧としてを印加するために輸送電圧源32'に接続される。輸送電圧dVは一定である。したがって、平面内電気輸送フィールドが生成され、これにより平面内電子流を増倍接合領域20''からバルク領域10'に伝送することができる。一方、光生成正孔は平面内電気輸送フィールドによって増倍接合領域20''に向かって伝送される。
【0138】
また、垂直平面輸送フィールド印加層11''も、逆バイアスVbeと輸送電圧dVの和を電圧としてを印加するために輸送電圧源32'に接続される。この輸送電圧は一定である。したがって、垂直平面電気輸送フィールドが生成され、これにより垂直平面電子流を増倍接合領域20''から垂直平面輸送フィールド印加層11'に伝送することができる。一方、光生成正孔は垂直平面電気輸送フィールドによって増倍接合領域20''に向かって経路52に沿って伝送される。
【0139】
図11は表面100と裏面101を有するアバランシェ光検出器(SPAD)500の他の実施形態を示す。前述の実施形態と同じ参照符号は、光検出器500でも同じ構成要素を示す(例えば図3のバルク領域10、輸送フィールド印加層11、読み出し領域としてのp型ドープ読み出しリング23、輸送電圧dVを印加するための輸送電圧源32、平面内正孔電流50、垂直平面正孔電流51、および図2a、図2b等に関連して説明した回路部410(または410'))。電気輸送フィールドを印加するためのp型ドープ輸送印加リング502は、平面内と、平面p型輸送に対して垂直と両方に対して機能する(例えば、これは図1のガードリング406や図3の実施形態のガードリング21とは対照的である)。
【0140】
また、p型ドープ輸送印加リング502はアバランシェ光検出器500のアノードとして機能し、n型ドープ領域506(タップ領域とも呼ばれる)がカソードを形成する。p型ドープ輸送印加リング502がn型ドープ領域506を取り囲む。n型ドープ領域506は(例えば断面が円形の)円柱状であり得る。
【0141】
電気輸送フィールドを印加することで、輸送印加リング502と読み出しリング23の間で平面内正孔電流50が発生し、輸送印加リング502とバルク領域10の裏面101の間で垂直平面正孔電流51が発生する。
【0142】
カソード506のブレークダウン電圧は基本的に輸送印加リング502とカソード領域506の間の空間と、そのドーピングレベルに依存する。その距離が広がり、ドーピングレベルが低下すると、ブレークダウン電圧が高くなる。本実施形態の場合と同様に、基板10は非ドープ基板または低p型ドープ基板であることができる。
【0143】
カソードの電圧が上昇すると、最初にアノードリング502(p型ドープ輸送印加リング502)とカソード506(n型ドープタップ領域)の間でブレークダウンが発生する。したがって、輸送印加リング502とカソード領域506との間の領域は、アバランシェ増倍空乏リング511(増倍接合領域)として示され、この空乏は、ゾーン502、10、および506の間で共有される。
【0144】
入射光子は吸収されて、軌道515に沿って輸送印加リング502に向かう光生成電子412を形成することができる。このとき、輸送印加リング502とアバランシェ増倍空乏リング511は非常に近接しているため、電子はすぐにアバランシェ増倍空乏リング511に到着する。
【0145】
ブレークダウンよりも低くなっている電圧バイアスまたはブレークダウンよりも高くなっている電圧バイアスに依存して、アバランシェゲインが発生したり、ブレークダウンがトリガされたりする。これは選択される回路部410または410'の種類に依存する。これについては既に図2aと図2bに関連して上記で説明済みである。
【0146】
図3から図10に関して説明した実施形態とは対照的に、図11の実施形態では輸送印加リング502と増倍空乏リング511が互いに隣接している。このため、引き付けられた電子は迅速に増倍領域411に移動し、ガードリングによって妨げられない可能性がある。
【0147】
したがって、輸送印加(リング)領域502は、電気輸送フィールドを印加するためのp型ドープ輸送印加リングとして、およびアバランシェ光検出器のアノードとして同時に機能する。さらに、アバランシェ増倍空乏リング511はp型ドープ輸送印加リング502と隣接もしくは部分的に重複している。これに関しては図12を参照して後述する。
【0148】
図12は、図11に示すアバランシェ検出器500の上面図を示す。
【0149】
隅の部分においてフィールドが集中するのを回避または低減するためには、輸送印加リング502、アバランシェ増倍領域511、及びタップ領域506の形状(断面形状)は円形や八角形等であるのが好ましい。
【0150】
p型ドープ読み出しリング23の直径に応じて、感光エリアが決定される。いくつかの実施形態においては、所望の感光エリアの面積に応じて、この直径は例えば数ミクロンから30ミクロン(またはこの領域における他の任意の数値)までの間であることができる。いくつかの実施形態において、n型ドープカソード506の直径は例えば1ミクロンから数ミクロンの間であることができる。アノード502とカソード506の間の距離に応じてブレークダウン電圧が決定される。いくつかの実施形態において、この距離は例えば300nmから4ミクロンまでの間に任意の値であることができる。バルク領域10のドーピングレベルもまた、ブレークダウン電圧を決定する要素の1つである。読み出しリング23はいくつかの実施形態においては、例えば100nmから4ミクロンの間であえれば浅くても深くてもよい。いくつかの実施形態においては、読み出しリング23の幅は例えば数百nmから数ミクロンまでの間であることができる。
【0151】
いくつかの実施形態において、輸送印加リング502は、深部まで延びていない。なぜならば、そうしないと、輸送印加リング502からアバランシェ増倍リング511への電子の伝送速度を制限し、それによってアバランシェ光検出器500の全体の速度を制限する可能性があるからである。いくつかの実施形態において、輸送印加リング502の深さは、速度がそれほど重要でない場合を除いて、例えば100nmから1ミクロンの間である。輸送印加リング502の幅は、例えば500nmから3ミクロンの間であり得る。
【0152】
図13図11および図12に示すアバランシェ光検出器500の実施形態の変形例500'(SPAD)を示す(SPAD検出器500'とSPAD検出器500の間で同一または同様の構成要素には同一または同様の参照符号を用いる)。SPAD検出器500'では、n型ドープカソード(タップ領域)506'が改良され、低位置において高ドーピングレベル領域508を含み、表面に近い位置において低ドーピングレベル領域507を含む。n型ドープカソード(タップ領域)506'はレトログレードn型ウェルとも称され、半導体表面における中間トラップによる暗電流増倍を低減するために表面より下に(例えば1ミクロン分下に)アバランシェ増倍空乏領域511'(増倍接合領域)を位置させるために機能する。
【0153】
図14図11および図12に示すアバランシェ光検出器500の実施形態の変形例500''(SPAD)を示す(SPAD検出器500''とSPAD検出器500の間で同一または同様の構成要素には同一または同様の参照符号を用いる)。SPAD検出器500''では、n型ドープカソード(タップ領域)506''が改良され、低位置において高ドーピングレベル領域508'を含み、埋込n型層を用いて表面に近い位置において低ドーピングレベル領域507'を含む。n型ドープカソード(タップ領域)506''は、半導体表面における中間トラップによる暗電流増倍を低減するために表面より下に(例えば1ミクロン分下に)アバランシェ増倍空乏領域511''(増倍接合領域)を位置させるために機能する。
【0154】
図13のレトログレードn型ウェルも図14の埋込n型層も、イオン注入によって形成され得る。
【0155】
第4の実施形態に係るSPAD検出器の動作方法は図5を参照して説明した方法と同様に行われる。正孔電流が電子電流と入れ替わり、電子電流が正孔電流と入れ替わる。
【0156】
図11から図14に記載の実施形態は図3から図10のいずれの実施形態と組み合わせてもよい。
【0157】
図15はタイムオブフライト深度検出システム600を示す。システム600はパルス光源601を有する。パルス光源601はタイムオブフライト深度検出に適していればどんな種類の光源でも良く、例えば(レーザーダイオード、発光ダイオード等に基づく)発光素子を含む。
【0158】
光源601は物体602にパルス光を照射し、物体602はその光を反射する。当業者に一般的に知られているように。光を繰り返し物体602に照射することで、物体602をスキャンされることができる。反射光はレンズ603(またはレンズ系)によってSPAD検出器604に集光される。SPAD検出器604は例えば図3から図14のいずれかを参照して本明細書で説明したSPAD検出器のうちの1つである。
【0159】
発光時間情報が光源601からタイムオブフライト測定ユニット605に与えられる。タイムオブフライト測定ユニット605はさらに、物体602によって反射された光が検出された際にSPAD検出器604から各時間情報を受信する。光源601から受信した発光時間情報とSPAD検出器604から受信した到達時間情報に基づいて、タイムオブフライト測定ユニット605は光源601から照射され、物体602で反射された光の往復時間を算出する。そしてそれに基づき、SPAD検出器604と物体602の間の距離d(深度情報)を算出する。
【0160】
深度情報はタイムオブフライト測定ユニット605から3D画像再構成ユニット606に与えられる。3D画像再構成ユニット606はタイムオブフライト測定ユニット605から受信した深度情報に基づいて物体602の3D画像を再構成(生成)する。
【0161】
すべての実施形態は、p型ドープ領域とn型ドープ領域を入れ替えたり、n型ドープ領域とp型ドープ領域を入れ替えたりすることによって変形されてもよい。この場合、n型ドープ増倍接合領域はクエンチング回路部を介して接地接続され、n型ドープ読み出しリングは逆バイアスにバイアスされ、平面内輸送フィールド印加リングおよび垂直平面輸送フィールド印加層は逆バイアスと輸送電圧の和にバイアスされる。したがって、平面内電気輸送フィールドおよび垂直平面輸送フィールドは電子電流をp型ドープ増倍接合領域から平面内輸送フィールド印加リングおよび垂直平面輸送フィールド印加層へ伝送する。
【0162】
すべての実施形態において、バルク領域はドープエピタキシャル層であってもよい。ドープエピタキシャル層の導電型は垂直平面輸送フィールド印加領域の導電型と同一であり、ドーピング濃度は垂直平面輸送フィールド印加領域のドーピング濃度よりも小さい。
【0163】
すべての実施形態に係るSPAD検出器は、裏面照射型SPAD検出器であることができる。
【0164】
実施形態は、方法ステップの例示的な順序付けを有する方法を記述していると認識されるべきであり、この方法はすべての実施形態に係るSPAD検出器のいずれかに適用され得る。しかしながら、方法ステップの特定の順序付けは、説明のためにのみ挙げられており、拘束力のあるものとして解釈されるべきではない。例えば、図5の実施形態のステップ50とステップ51の順番は逆であってもよい。また、図9の実施形態のステップ50'とステップ53'の順番は逆であってもよい。その他の方法ステップの順番の変更も、当業者にとっては明らかなものである。
【0165】
なお、動作回路部をユニット30と31に分離しているのは単に説明の便宜上行ったものであり、本開示はこれらの機能の特定のユニットへの分割には限定されない。例えば、動作回路部3が各プログラム式プロセッサ、FPGA(field programmable gate array)、等によって実装されてもよい。
【0166】
SPAD検出器の制御方法は、コンピュータおよび/またはプロセッサが、コンピュータおよび/またはプロセッサ上においてその方法を実行するためのコンピュータプログラムとして実装されることができる。いくつかの実施形態では、上述したようなプロセッサのようなプロセッサによって、本明細書で説明される方法を実行させるコンピュータプログラム製品を内部に格納する、非一過性のコンピュータ読み取り可能な記録媒体も提供される。
【0167】
なお、本技術は、以下のような構成をとることも可能である。
(1)
バルク領域を有する半導体基板と、
上記半導体基板の上記バルク領域において接合増倍領域を有する少なくとも1つの単一光子アバランシェダイオード(SPAD)と、
上記半導体基板の上記バルク領域から上記SPADの上記増倍接合領域へ光生成キャリアを伝送する電気輸送フィールドを生成するように構成された動作回路部とを含む
SPAD検出器。
(2)
(1)に記載のSPAD検出器であって、
上記電気輸送フィールドは、平面内電界と垂直平面電界のうちの少なくとも1つである
SPAD検出器。
(3)
(1)または(2)に記載のSPAD検出器であって、
上記SPADは
上記SPADを接地接続する読み出し領域と、
上記電気輸送フィールドを印加する平面内輸送フィールド印加領域とをさらに含む
SPAD検出器。
(4)
(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のSPAD検出器であって、
上記SPADはガード領域をさらに含む
SPAD検出器。
(5)
(1)乃至(4)のいずれか1項に記載のSPAD検出器であって、
上記接合増倍領域、上記読み出し領域、上記平面内輸送フィールド印加領域のうちの1つは円柱状領域である
SPAD検出器。
(6)
(1)乃至(5)のいずれか1項に記載のSPAD検出器であって、
上記読み出し領域、上記平面内輸送フィールド印加領域、上記接合増倍領域のうちの少なくとも1つは中空円筒状領域である
SPAD検出器。
(7)
(1)乃至(6)のいずれか1項に記載のSPAD検出器であって、
上記半導体基板は垂直平面輸送フィールド印加領域をさらに含む
SPAD検出器。
(8)
(1)乃至(7)のいずれか1項に記載のSPAD検出器であって、
上記動作回路部は光生成キャリアによってトリガされるアバランシェを発生させる電気読み出し領域を生成するように構成される
SPAD検出器。
(9)
(1)乃至(8)のいずれか1項に記載のSPAD検出器であって、
上記電気輸送フィールドは一定である
SPAD検出器。
(10)
(1)乃至(9)のいずれか1項に記載のSPAD検出器であって、
上記SPAD検出器はさらなるSPADを含み、
上記動作回路部は上記SPADと上記さらなるSPADを交互に動作させるように構成される
SPAD検出器。
(11)
(1)乃至(10)のいずれか1項に記載のSPAD検出器であって、
上記SPAD検出器はフォトニックミキサである
SPAD検出器。
(12)
(1)乃至(11)のいずれか1項に記載のSPAD検出器であって、
上記接合増倍領域はタップ領域に隣接し、上記タップ領域は上記SPADのカソードまたはアノードを形成する
SPAD検出器。
(13)
(12)に記載のSPAD検出器であって、
上記タップ領域はn型ドープ領域またはp型ドープ領域である
SPAD検出器。
(14)
(12)または(13)に記載のSPAD検出器であって、
上記タップ領域はn型ウェルまたはp型ウェルを含む
SPAD検出器。
(15)
(14)に記載のSPAD検出器であって、
上記n型ウェルまたはp型ウェルはレトログレードドーピングを有する
SPAD検出器。
(16)
(15)に記載のSPAD検出器であって、
上記n型ウェルまたはp型ウェルは低ドープエリアと高ドープエリアを有する
SPAD検出器。
(17)
(16)に記載のSPAD検出器であって、
上記低ドープエリアは上記高ドープエリアよりも上記バルク領域の表面に近い
SPAD検出器。
(18)
(17)に記載のSPAD検出器であって、
上記高ドープエリアは上記バルク領域に埋め込まれている
SPAD検出器。
(19)
(17)に記載のSPAD検出器であって、
上記高ドープエリアはイオン注入により形成される
SPAD検出器。
(20)
(12)乃至(19)のいずれか1項に記載のSPAD検出器であって、
上記SPAD検出器は上記電気輸送フィールドを印加する輸送印加領域をさらに含み、
上記輸送フィールド印加領域は上記SPAD検出器のアノードまたはカソードとしても機能する
SPAD検出器。
(21)
(20)に記載のSPAD検出器であって、
上記輸送印加領域と上記増倍接合領域は互いに近接している
SPAD検出器。
(22)
(21)に記載のSPAD検出器であって、
上記輸送印加領域は少なくとも部分的に上記増倍接合領域と重複する
SPAD検出器。
(23)
SPAD検出器を動作させる方法であって、
上記SPAD検出器は
バルク領域を有する半導体基板と、
上記半導体基板の上記バルク領域において接合増倍領域を有する少なくとも1つのSPADとを含み、
上記方法は
上記半導体基板の上記バルク領域から上記SPADの上記増倍接合領域へ光生成キャリアを伝送する電気輸送フィールドを生成することを含む
方法。
(24)
(23)に記載の方法であって、
上記電気輸送フィールドは、平面内電界と垂直平面電界のうちの少なくとも1つである
方法。
(25)
(23)または(24)に記載の方法であって、
上記SPADは
上記SPADを接地接続する読み出し領域と、
上記電気輸送フィールドを印加する平面内輸送フィールド印加領域とをさらに含む
方法。
(26)
(23)乃至(25)のいずれか1項に記載の方法であって、
上記SPADはガード領域をさらに含む
方法。
(27)
(23)乃至(26)のいずれか1項に記載の方法であって、
上記接合増倍領域、上記読み出し領域、上記平面内輸送フィールド印加領域のうちの1つは円柱状領域である
方法。
(28)
(23)乃至(27)のいずれか1項に記載の方法であって、
上記読み出し領域、上記平面内輸送フィールド印加領域、上記接合増倍領域のうちの少なくとも1つは中空円筒状領域である
方法。
(29)
(23)乃至(28)のいずれか1項に記載の方法であって、
上記半導体基板は垂直平面輸送フィールド印加領域をさらに含む
方法。
(30)
(23)乃至(29)のいずれか1項に記載の方法であって、
光生成キャリアによってトリガされるアバランシェを発生させる電気読み出し領域を生成することをさらに含む
方法。
(31)
(30)に記載の方法であって、
上記電気輸送フィールドは一定である
方法。
(32)
(23)乃至(31)のいずれか1項に記載の方法であって、
上記SPAD検出器はさらなるSPADを含み、
上記方法は上記SPADと上記さらなるSPADを交互に動作させることを含む
方法。
(33)
(23)乃至(32)のいずれか1項に記載の方法であって、
上記SPAD検出器はフォトニックミキサである
方法。
(34)
コンピュータプログラムであって、
コンピュータ上で実行される際に、コンピュータに(23)乃至(33)のいずれか1項に記載の方法を実行させるプログラムコードを含む
コンピュータプログラム。
(35)
非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体であって、
プロセッサによって実行される際に、(23)乃至(33)のいずれか1項に記載の方法を実行させるコンピュータプログラム製品を格納した
非一過性のコンピュータ読み取り可能記録媒体。
(36)
タイムオブフライト深度検出システムであって、
光源と
(1)乃至(22)のいずれか1項に記載の単一光子アバランシェダイオード(SPAD)検出器を有する
タイムオブフライト深度検出システム。
図1
図2a
図2b
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15