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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20221212BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20221212BHJP
   G06F 1/3209 20190101ALI20221212BHJP
   G06F 1/3287 20190101ALI20221212BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
H04N1/00 350
B41J29/38 401
G06F1/3209
G06F1/3287
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2020111791
(22)【出願日】2020-06-29
(62)【分割の表示】P 2015238691の分割
【原出願日】2015-12-07
(65)【公開番号】P2020184770
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-07-17
【審判番号】
【審判請求日】2022-03-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100125254
【弁理士】
【氏名又は名称】別役 重尚
(72)【発明者】
【氏名】合田 圭吾
【合議体】
【審判長】千葉 輝久
【審判官】渡辺 努
【審判官】木方 庸輔
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-205500(JP,A)
【文献】特開2014-75630(JP,A)
【文献】特開2015-85519(JP,A)
【文献】特開2014-225989(JP,A)
【文献】特開2014-30077(JP,A)
【文献】特開2004-38295(JP,A)
【文献】特開2012-39868(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N1/00
B41J29/00-29/70
G06F1/26-1/3296
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報端末と第1の無線通信方式で無線通信する第1の無線通信機能、及び、情報端末と前記第1の無線通信方式よりも通信範囲が広い第2の無線通信方式で無線通信する第2の無線通信機能の両方を有するUSB接続された第1のデバイスと、
前記第1の無線通信機能及び前記第2の無線通信機能の一方を有効に設定する設定手段と、
前記USB接続された第1のデバイスから復帰要求を受信するインターフェースと、
ディスプレイとを備え、
前記インターフェースを介して前記復帰要求を受信し、かつ、前記第1及び第2の無線通信機能のうちの前記第の無線通信機能が無効に設定されている場合には、前記ディスプレイには電力を供給せずに、USB接続された第2のデバイスに電力を供給し、前記インターフェースを介して前記復帰要求を受信し、かつ、前記第1及び第2の無線通信機能のうちの前記第1の無線通信機能が有効に設定されている場合には、USB接続された前記第2のデバイス前記ディスプレイとに電力を供給することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
記インターフェースは、前記USB接続された第2のデバイスから他の復帰要求を受信し、
前記インターフェースが前記他の復帰要求を受信した場合には、少なくとも前記ディスプレイに電力を供給することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
ユーザ操作を受け付ける操作部から更に他の復帰要求を受信する他のインターフェースをさらに備え、
前記他のインターフェースが前記更に他の復帰要求を受信した場合には、少なくとも前記ディスプレイに電力を供給することを特徴とする請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記インターフェースはUSBインターフェースであり、前記他のインターフェースは操作部インターフェースであることを特徴とする請求項3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
情報端末からデータを受信する更に他のインターフェースをさらに備え、
前記更に他のインターフェースが前記データを受信した場合には、前記ディスプレイに電力を供給しないことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記更に他のインターフェースはLANインターフェースであることを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第1の無線通信機能はBluetooth通信機能であり、前記第2の無線通信機能は無線LAN通信機能であることを特徴とする請求項1乃至6の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記USB接続された第1のデバイスは、アンテナと、前記アンテナを共有する第1の無線通信手段及び第2の無線通信手段とを有することを特徴とする請求項1乃至7の何れか1項に記載の情報処理装置。
【請求項9】
情報端末と第1の無線通信方式で無線通信する第1の無線通信機能及び情報端末と前記第1の無線通信方式よりも通信範囲が広い第2の無線通信方式で無線通信する第2の無線通信機能の両方を有するUSB接続された第1のデバイスと、前記第1の無線通信機能及び前記第2の無線通信機能の一方を有効に設定する設定手段と、前記USB接続された第1のデバイスから復帰要求を受信するインターフェースと、ディスプレイとを備える情報処理装置の制御方法であって、
前記インターフェースが前記復帰要求を受信し、かつ、前記第1及び第2の無線通信機能のうちの前記第の無線通信機能が無効に設定されている場合には、前記ディスプレイには電力を供給せずに、USB接続された第2のデバイスに電力を供給し、前記インターフェースが前記復帰要求を受信し、かつ、前記第1及び第2の無線通信機能のうちの前記第1の無線通信機能が有効に設定されている場合には、USB接続された前記第2のデバイス前記ディスプレイに電力を供給することを特徴とする情報処理装置の制御方法。
【請求項10】
記インターフェースは、前記USB接続された第2のデバイスから他の復帰要求を送信し、
前記インターフェースが前記他の復帰要求を受信した場合には、少なくとも前記ディスプレイに電力を供給することを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項11】
ユーザ操作を受け付ける前記情報処理装置の操作部から更に他の復帰要求を受信する他のインターフェースをさらに備える情報処理装置の制御方法において、
前記他のインターフェースが前記更に他の復帰要求を受信した場合には、少なくとも前記ディスプレイに電力を供給することを特徴とする請求項9又は10に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項12】
前記インターフェースはUSBインターフェースであり、前記他のインターフェースは操作部インターフェースであることを特徴とする請求項11に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項13】
情報端末からデータを受信する更に他のインターフェースをさらにを備える情報処理装置の制御方法において、
前記更に他のインターフェースが前記データを受信した場合には、前記ディスプレイに電力を供給しないことを特徴とする請求項9乃至12の何れか1項に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項14】
前記更に他のインターフェースはLANインターフェースであることを特徴とする請求項13に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項15】
前記第1の無線通信機能はBluetooth通信機能であり、前記第2の無線通信機能は無線LAN通信機能であることを特徴とする請求項9乃至14の何れか1項に記載の情報処理装置の制御方法。
【請求項16】
前記USB接続された第1のデバイスは、アンテナと、前記アンテナを共有する第1の無線通信手段及び第2の無線通信手段とを有することを特徴とする請求項9乃至15の何れか1項に記載の情報処理装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びその制御方法に関し、特に、省電力モードを有する情報処理装置及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
処理が実行されていない場合、消費電力を軽減する省電力モードに移行する情報処理装置としてのMFPが知られている。省電力モードでは、MFPに設けられる必要最小限の構成要素にのみ電力が供給される。MFPは、各処理を実行するための指示を受け付けると、省電力モードからの復帰処理を行い、上記指示に対応する処理に必要とされる構成要素としての供給先に電力を供給する。MFPは、例えば、クライアントPC等から印刷処理を実行する印刷データを受信した場合、印刷処理を行うプリンタ部に電力を供給し、ユーザによって操作パネルがタッチされた場合、操作パネルに電力を供給する。すなわち、省電力モードからの復帰処理では、MFPは復帰要因に応じて異なる供給先に電力を供給する。
【0003】
ところで、MFPはUSBデバイスと接続可能であり、USBデバイスは、ストレージ機能、及びWi-fi通信や近距離無線通信としてのBluetooth(登録商標)通信、例えば、BLE(Bluetooth Low Energy)通信等を実現する通信機能の少なくとも1つを有する。USBデバイスは、MFPに省電力モードからの復帰要求信号を送信可能である。復帰要求信号の仕様はUSB規格で規定され、通常、省電力モードからの復帰の指示のみを含む。MFPはUSBデバイスから復帰要求信号を受信すると、USBデバイスが有する機能に対応する復帰処理を行う(例えば、特許文献1参照)。例えば、BLE通信機能を有するUSBデバイスが接続された場合、MFPはBLE通信に起因してUSBデバイスから送信された復帰要求信号を受信すると、BLE通信に対応する供給先として操作パネルに電力を供給する。一方、Wi-fi通信機能を有するUSBデバイスが接続された場合、MFPはWi-fi通信に起因してUSBデバイスから送信された復帰要求信号を受信すると、Wi-fi通信に対応する供給先に電力を供給する。なお、Wi-fi通信に対応する供給先に操作パネルは含まれない。したがって、省電力モードからの復帰処理では、MFPは接続されたUSBデバイスの機能に応じて異なる供給先に電力を供給する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2010-111105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したように、USBデバイスから送信される復帰要求信号には省電力モードからの復帰の指示しか含まれていない。一方、USBデバイスがWi-fi通信機能及びBLE通信機能の2つの機能を有する場合がある。この場合、MFPは当該USBデバイスから復帰要求信号を受信しても、当該復帰要求信号がWi-fi通信機能及びBLE通信機能のいずれの機能に起因して送信された復帰要求信号であるかを判別することができない。その結果、USBデバイスの各機能へ適切に対応する供給先に電力を供給することができない。
【0006】
本発明の目的は、USBデバイスの各機能へ適切に対応する供給先に電力を供給することができる情報処理装置及びその制御方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の情報処理装置は、情報端末と第1の無線通信方式で無線通信する第1の無線通信機能、及び、情報端末と前記第1の無線通信方式よりも通信範囲が広い第2の無線通信方式で無線通信する第2の無線通信機能の両方を有するUSB接続された第1のデバイスと、前記第1の無線通信機能及び前記第2の無線通信機能の一方を有効に設定する設定手段と、前記USB接続された第1のデバイスから復帰要求を受信するインターフェースと、ディスプレイとを備え、前記インターフェースを介して前記復帰要求を受信し、かつ、前記第1及び第2の無線通信機能のうちの前記第の無線通信機能が無効に設定されている場合には、前記ディスプレイには電力を供給せずに、USB接続された第2のデバイスに電力を供給し、前記インターフェースを介して前記復帰要求を受信し、かつ、前記第1及び第2の無線通信機能のうちの前記第1の無線通信機能が有効に設定されている場合には、USB接続された前記第2のデバイス前記ディスプレイとに電力を供給することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、USBデバイスの各機能へ適切に対応する供給先に電力を供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施の形態に係る情報処理装置としてのMFPの構成を概略的に示すブロック図である。
図2図1における制御部の構成を概略的に示すブロック図である。
図3図1のMFPで行われる電力の供給制御を説明するための図である。
図4図1のMFPで実行される省電力モード移行処理の手順を示すフローチャートである。
図5図2のMFP及びUSBデバイスにおける電力供給状態を説明するための図であり、図5(a)は各USBデバイスがUSB省電力モードに移行した場合を示し、図5(b)はMFPが省電力モードに移行した場合を示し、図5(c)はMFPが通常モードに復帰した場合を示し、図5(d)はマルチファンクションデバイスが通常モードに復帰した場合を示し、図5(e)は全てのUSBデバイスが通常モードに復帰し且つMFPのLCDパネルに電力が供給された場合を示し、図5(f)は全てのUSBデバイスが通常モードに復帰した場合を示す。
図6図2のMFP及びUSBデバイスで実行されるモード移行処理を説明するための図であり、図6(a)はBluetoothI/Fの送信処理の手順を示すフローチャートであり、図6(b)は無線LANI/Fの送信処理の手順を示すフローチャートであり、図6(c)はUSBI/Fの通知処理の手順を示すフローチャートであり、図6(d)は電力制御部の電力供給制御処理の手順を示すフローチャートである。
図7図1のMFPで実行される制御処理の手順を示すフローチャートである。
図8図7の制御処理の第1の変形例の手順を示すフローチャートである。
図9図1のLCDパネルに表示される通信設定メニューの一例を示す図である。
図10図7の制御処理の第2の変形例の手順を示すフローチャートである。
図11図7の制御処理の第3の変形例の手順を示すフローチャートである。
図12図1のMFPのポートの接続の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳述する。
【0011】
本実施の形態では、省電力モード(省電力状態)に移行する情報処理装置としてのMFPに本発明を適用した場合について説明するが、本発明の適用先はMFPに限られない。例えば、USBデバイスから送信された復帰要求信号に基づいて省電力モードからの復帰処理を実行可能なプリンタやスキャナ等の情報処理装置であれば本発明を適用することができる。
【0012】
図1は、本発明の実施の形態に係る情報処理装置としてのMFP101の構成を概略的に示すブロック図である。
【0013】
図1において、MFP101は、制御部102、スキャナ部103、プリンタ部104、操作部105、及びHDD107を備え、制御部102は、スキャナ部103、プリンタ部104、操作部105、及びHDD107とそれぞれ接続されている。操作部105はLCDパネル106を備える。
【0014】
制御部102はMFP101を統括的に制御し、また、制御部102はLAN108を介して接続されたクライアントPC109とデータ通信を行う。スキャナ部103は、図示しない原稿台に配置された原稿を読み取って画像データを生成し、生成された画像データを制御部102に送信する。プリンタ部104は、スキャナ部103で生成された画像データや、LAN108を介してクライアントPC109から送信された印刷データ等に基づいて印刷処理を行う。操作部105はMFP101の設定情報等を表示するLCDパネル106やMFP101の各設定を行う図示しない操作ボタンを備える。例えば、MFP101が省電力モードに移行してLCDパネル106が消灯した場合、ユーザによってLCDパネル106がタッチされると、操作部105は、復帰を指示する復帰指示通知を後述する図2の電力制御部213に送信する。これにより、LCDパネル106に電力が供給され、LCDパネル106は点灯する。HDD107は制御部102で用いられる各制御プログラムや各データを格納する。
【0015】
図2は、図1における制御部102の構成を概略的に示すブロック図である。
【0016】
図2において、MFP101は、制御部102、スキャナ部103、プリンタ部104、操作部105、及びHDD107の他に、マルチファンクションデバイス220、及びICカードリーダデバイス223を備える。マルチファンクションデバイス220はBluetoothI/F221及び無線LANI/F222を備え、マルチファンクションデバイス220及びICカードリーダデバイス223は制御部102とそれぞれ接続されている。制御部102は、CPU201、ブートROM202、RAM203、SRAM207、スキャナI/F208、プリンタI/F209、ディスクコントローラ210、及びLANI/F211を備える。また、制御部102は、操作部I/F212、電力制御部213、及びUSBI/F215を備える。CPU201、ブートROM202、RAM203、SRAM207、スキャナI/F208、プリンタI/F209、ディスクコントローラ210、及びLANI/F211はシステムバス219を介して互いに接続されている。また、操作部I/F212、電力制御部213、及びUSBI/F215はシステムバス219を介して互いに接続されている。電力制御部213は復帰要因レジスタ214を備え、USBI/F215は複数、例えば、2つのポート216,217、及びポートステータスレジスタ218を備える。
【0017】
CPU201はブートROM202やHDD107に格納された各プログラムを用いてシステムバス219に接続された各構成要素を制御する。ブートROM202はBIOS(Basic Input Output System)等の初期プログラムを格納する。RAM303はCPU201の主記憶メモリとして用いられ、CPU201によって用いられる各プログラム、具体的に、複写機ファームウェア204、Bluetoothプロトコルスタック205、及び無線LANプロトコルスタック206等を保持する。複写機ファームウェア204はMFP101の各制御を行う。Bluetoothプロトコルスタック205はUSBI/F215に接続されたマルチファンクションデバイス220のBluetoothI/F221を制御する。これにより、MFP101は後述するマルチファンクションデバイス220のBluetoothI/F221によって近距離無線通信可能な装置とBLE通信等のBluetooth通信を行う。無線LANプロトコルスタック206はUSBI/F215に接続された後述するマルチファンクションデバイス220の無線LANI/F222を制御する。これにより、MFP101は後述するマルチファンクションデバイス220の無線LANI/F222によって近距離無線通信より通信範囲が広い無線通信可能な装置とWi-fi通信等の無線LAN通信を行う。
【0018】
SRAM207は不揮発性メモリであり、MFP101で用いられる各設定値を格納する。スキャナI/F208はスキャナ部103とデータ通信を行い、プリンタI/F209はプリンタ部104とデータ通信を行い、ディスクコントローラ210はHDD107へのデータの格納を制御する。LANI/F211はLAN108を介してクライアントPC109とデータ通信を行う。また、LANI/F211は、MFP101が省電力モード中にクライアントPC109から印刷データを受信すると、復帰指示通知を電力制御部213に送信する。操作部I/F212は操作部105とデータ通信を行う。電力制御部213は、MFP101の各構成要素への電力の供給を制御し、MFP101を省電力モードや通常モードに移行させる。電力制御部213は、MFP101において各処理が実行されていない場合、MFP101における必要最小限の構成要素にのみ電力を供給する。これにより、MFP101は省電力モードに移行し、省電力モードでも必要最小限の動作可能である。電力制御部213は、省電力モード中に操作部105、LANI/F211、及びUSBI/F215のいずれかから復帰指示通知を受信すると、当該復帰指示通知の送信元を示す情報を含む通知送信元情報を復帰要因レジスタ214に格納する。
【0019】
USBI/F215は、ポート216,217に接続された各USBデバイスとデータ通信を行う。本実施の形態では、ポート216にはUSBケーブル224を介してマルチファンクションデバイス220が接続され、ポート217にはUSBケーブル225を介してICカードリーダデバイス223が接続されている。
【0020】
マルチファンクションデバイス220はBluetooth通信機能(第1の無線通信機能)及び無線LAN通信機能(第2の無線通信機能)を有する。マルチファンクションデバイス220は、複数の無線通信規格(本実施形態の場合、Bluetooth通信機能と無線LAN通信機能)に対応するコンボチップである。マルチファンクションデバイス220は1つのアンテナ(不図示)を備える。BluetoothI/F221と無線LANI/F222がこの1つのアンテナを共有し、Bluetooth通信機能と無線LAN通信機能が時分割で実行される。
【0021】
ICカードリーダデバイス223はICカード読み取り機能を有する。通常、MFP101が省電力モードに移行する場合、USBI/F215は、MFP101を省電力モードに移行させる旨をポート216,217に接続された各USBデバイスにそれぞれ通知する。各USBデバイスは、上記通知を受信すると、USB規格で定められた省電力モード(以下、「USB省電力モード」という。)に移行する。USB省電力モードでは各USBデバイスの機能のうち一部の機能のみ利用可能である。各USBデバイスは、リモートウェイクアップ機能を有し、USB省電力モード中にMFP101へ復帰要求信号を送信可能である。例えば、マルチファンクションデバイス220は、USB省電力モード中にBluetooth通信可能な装置や無線LAN通信可能な装置からデータ通信の要求を受信すると、MFP101に復帰要求信号を送信する。USBI/F215は、ポート216,217のいずれかで復帰要求信号を受信すると、当該復帰要求信号を受信したポート(以下、「受信ポート」という。)を示すポート情報をポートステータスレジスタ218に格納する。また、USBI/F215は復帰指示通知を電力制御部213に送信する。
【0022】
図3は、図1のMFP101で行われる電力の供給制御を説明するための図である。
【0023】
図3において、電力制御部213は、供給制御部301、電力供給部302、及び3つの端子を有するスイッチ303,304を備える。電力供給部302はスイッチ303,304の入力端子にそれぞれ接続され、スイッチ303,304の制御端子には供給制御部301が接続されている。スイッチ303の出力端子には制御部102、スキャナ部103、及びプリンタ部104が接続され、スイッチ304の出力端子には操作部105、RAM203、LANI/F211、及びUSBI/F215が接続されている。USBI/F215はマルチファンクションデバイス220及びICカードリーダデバイス223とそれぞれ接続されている。
【0024】
電力供給部302は、入力されたAC電源に基づいてスイッチ303,304の各々の出力端子の接続先に電力を供給する。供給制御部301は電力供給部302からスイッチ303,304の出力端子の接続先への通電をそれぞれ制御する。MFP101を省電力モードに移行させる場合、供給制御部301はスイッチ304のみ通電させ、スイッチ304の出力端子の接続先にのみ電力を供給するように制御する。一方、MFP101を通常モードに移行させる場合、供給制御部301はスイッチ303,304の両方を通電させ、スイッチ303,304の各出力端子の接続先に電力を供給するように制御する。マルチファンクションデバイス220及びICカードリーダデバイス223にはUSBI/F215を介して電力が供給される。
【0025】
図4は、図1のMFP101で実行される省電力モード移行処理の手順を示すフローチャートである。
【0026】
図4の処理は、CPU201がHDD107やブートROM202に格納された各プログラムを実行することによって行われる。
【0027】
図4において、まず、CPU201は、予め設定された所定の時間が経過するまでに各処理が実行されないと、MFP101を省電力モードに移行させる旨をポート216,217に接続されたUSBデバイスにそれぞれ通知する(ステップS401)。これにより、ポート216,217に接続されたUSBデバイスであるマルチファンクションデバイス220及びICカードリーダデバイス223は、図5(a)に示すように、USB省電力モードに移行する。次いで、CPU201は、電力制御部213を制御してスイッチ304のみ通電させ、図5(b)に示すように、MFP101を省電力モードに移行させる(ステップS402)。このとき、操作部105のLCDパネル106にも電力が供給されない。その後、CPU201はステップS402の処理を実行した後に本処理を終了する。
【0028】
次に、MFP101を省電力モードから通常モードに移行させるモード移行処理について説明する。
【0029】
図6は、図2のMFP及びUSBデバイスで実行されるモード移行処理を説明するための図であり、図6(a)はBluetoothI/F221の送信処理の手順を示すフローチャートであり、図6(b)は無線LANI/F222の送信処理の手順を示すフローチャートであり、図6(c)はUSBI/F215の通知処理の手順を示すフローチャートであり、図6(d)は電力制御部213の電力供給制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0030】
図6の処理は、MFP101を省電力モードから通常モードに移行させる一例として、マルチファンクションデバイス220から送信された復帰要求信号に基づいてUSBI/F215が電力制御部213に復帰指示通知を送信する場合を前提とする。
【0031】
本実施の形態におけるマルチファンクションデバイス220は、モード移行処理における図6(a)のBluetoothI/F221の送信処理及び図6(b)の無線LANI/F222の送信処理のうちいずれか一方を実行する。
【0032】
図6(a)において、まず、BluetoothI/F221は他の装置からBluetooth通信を要求するBluetooth通信パケットを受信したか否かを判別する(ステップS601)。その後、BluetoothI/F221はBluetooth通信パケットを受信すると(ステップS601でYES)、USBケーブル224を介してポート216に復帰要求信号を送信し(ステップS602)、本処理を終了する。
【0033】
一方、図6(b)において、まず、無線LANI/F222は他の装置から無線LAN通信を要求する無線LAN通信パケットを受信したか否かを判別する(ステップS603)。その後、無線LANI/F222は無線LAN通信パケットを受信すると(ステップS603でYES)、USBケーブル224を介してUSBI/F215のポート216に復帰要求信号を送信し(ステップS604)、本処理を終了する。
【0034】
図6(a)及び図6(b)の処理により、マルチファンクションデバイス220は、BluetoothI/F221及び無線LANI/F222のうちいずれか一方から復帰要求信号をUSBI/F215に送信する。
【0035】
次に、モード移行処理における図6(c)のUSBI/F215の通知処理について説明する。
【0036】
図6(c)において、まず、USBI/F215は、ポート216,217のうち受信ポートを特定し、特定されたポートを示すポート情報をポートステータスレジスタ218に格納する(ステップS605)。次いで、USBI/F215は復帰指示通知を電力制御部213に送信して(ステップS606)、本処理を終了する。
【0037】
次に、モード移行処理における図6(d)の電力制御部213の電力供給制御処理について説明する。
【0038】
図6(d)において、まず、電力制御部213は、USBI/F215から復帰指示通知を受信すると、復帰指示通知の送信元がUSBI/F215であることを示す通知送信元情報を復帰要因レジスタ214に格納する(ステップS607)。次いで、電力制御部213はスイッチ303にも通電させる(ステップS608)。これにより、MFP101は省電力モードから、図5(c)のように通常モードに移行する。本実施の形態では、ステップS608の処理が実行されてMFP101が通常モードに移行しても、図5(c)に示すように、省電力の観点からLCDパネル106には電力が供給されない。その後、電力制御部213はステップS608の処理を実行した後に本処理を終了する。
【0039】
図7は、図1のMFP101で実行される制御処理の手順を示すフローチャートである。
【0040】
図7の処理は、CPU201がHDD107やブートROM202に格納された各プログラムを実行することによって行われ、図6(d)の処理が終了した後に実行されることを前提とする。
【0041】
ここで、MFP101に接続されたUSBデバイスから送信される復帰要求信号には省電力モードからの復帰の指示しか含まれていない。一方、USBデバイスがマルチファンクションデバイス220のようにBluetooth通信機能及び無線LAN通信機能の2つの機能を有する場合がある。この場合、MFP101は当該USBデバイスから復帰要求信号を受信しても、当該復帰要求信号がBluetooth通信機能及び無線LAN通信機能のいずれの機能に起因して送信された復帰要求信号であるかを判別することができない。その結果、USBデバイスの各機能へ適切に対応する供給先に電力を供給することができない。
【0042】
これに対応して、本実施の形態では、復帰要求信号だけでなく、Bluetooth通信の通信状態にも基づいてUSBデバイスが送信する復帰要求信号がBluetooth通信機能に起因した信号であるか若しくは無線LAN通信機能に起因した信号であるかが判別される。
【0043】
図7において、まず、CPU201は、復帰要因レジスタ214から通知送信元情報を取得し、復帰指示通知の送信元を確認する(ステップS701)。次いで、CPU201は、操作部105、LANI/F211、及びUSBI/F215のうち復帰指示通知の送信元がUSBI/F215であるか否かを判別する(ステップS702)。
【0044】
ステップS702の判別の結果、復帰指示通知の送信元がUSBI/F215であるとき、CPU201はポートステータスレジスタ218からポート情報を取得する。その後、CPU201はポート216,217のうち受信ポートを確認する(ステップS703)。次いで、CPU201は、ポート216,217のうち受信ポートがポート216であるか否かを判別する(ステップS704)。
【0045】
ステップS704の判別の結果、受信ポートがポート216であるとき、CPU201は、ポート216に接続されたUSBデバイスであるマルチファンクションデバイス220にMFP101が通常モードに移行した旨を通知する。これにより、マルチファンクションデバイス220は、図5(d)に示すように、通常モードに復帰してBluetooth通信及び無線LAN通信が可能となる。その後、CPU201は、Bluetoothプロトコルスタック205によってBluetoothI/F221からBluetooth通信の通信状態を取得する(ステップS705)(通信状態取得手段)。本実施の形態では、Bluetooth通信の通信状態は、Bluetooth通信によるパケットデータ(以下、「Bluetooth通信パケット」という。)の受信情報を含む。その後、CPU201は、Bluetooth通信パケットを受信したか否かを判別する(ステップS706)。
【0046】
ステップS706の判別の結果、Bluetooth通信パケットを受信したとき、CPU201は、マルチファンクションデバイス220が送信する復帰要求信号がBluetooth通信機能に起因した信号であると判別する。その後、CPU201はBluetooth通信機能に対応する電力の供給先を決定する(供給先決定手段)。ここで、復帰要求信号がBluetooth通信機能に起因した信号である場合、ユーザ及びマルチファンクションデバイス220の間の距離は近距離無線通信可能な距離である。つまり、ユーザは当該マルチファンクションデバイス220に接続されたMFP101と比較的近い場所に位置し、近いうちに操作部105がユーザによって操作されることが考えられる。そのため、ユーザが待機することなく操作部105を操作できるように直ちに操作部105のLCDパネル106へ電力が供給されることが好ましい。これに対応して、本実施の形態では、上記復帰要求信号がBluetooth通信機能に起因した信号である場合、CPU201は電力制御部213を制御してLCDパネル106に電力を供給する(ステップS707)。これにより、LCDパネル106は点灯する。次いで、CPU201は、接続された全てのUSBデバイスに電力を供給する(ステップS708)。具体的に、CPU201は、図5(e)に示すように、ICカードリーダデバイス223にも電力を供給する。その後、CPU201は、ステップS708の処理を実行した後に本処理を終了する。
【0047】
ステップS706の判別の結果、Bluetooth通信パケットを受信しないとき、CPU201は、復帰要求信号が無線LAN通信機能に起因した信号であると判別する。その後、CPU201は無線LAN通信機能に対応する電力の供給先を決定する(供給先決定手段)。ここで、復帰要求信号が無線LAN通信機能に起因した信号である場合、ユーザはマルチファンクションデバイス220に接続されたMFP101と離れた位置からも無線通信可能である。つまり、ユーザはMFP101と比較的近い場所に位置するとは限られず、近いうちに操作部105がユーザによって操作される可能性は高くない。したがって、ユーザの待機解消よりも省電力を優先することに利得があり、その結果、LCDパネル106への電力の供給を抑制することが好ましい。これに対応して、本実施の形態では、復帰要求信号が無線LAN通信機能に起因した信号である場合、CPU201は、LCDパネル106を消灯させたまま、ステップS708の処理を実行する。これにより、MFP101では図5(f)に示すような電力状態となる。その後、CPU201はステップS708の処理を実行した後に本処理を終了する。
【0048】
ステップS704の判別の結果、受信ポートがポート216でないとき、CPU201は、受信ポートがポート217であるか否かを判別する(ステップS709)。
【0049】
ステップS709の判別の結果、受信ポートがポート217であるとき、ユーザがICカードリーダデバイス223に接続されたMFP101と比較的近い場所に位置するので、CPU201は、ステップS707以降の処理を行う。一方、ステップS709の判別の結果、受信ポートがポート217でないとき、ユーザがMFP101と比較的近い場所に位置するとは限られないので、CPU201は、ステップS708以降の処理を行う。
【0050】
ステップS702の判別の結果、復帰指示通知の送信元がUSBI/F215でないとき、CPU201は、操作部105及びLANI/F211のうち復帰指示通知の送信元がLANI/F211であるか否かを判別する(ステップS710)。
【0051】
ステップS710の判別の結果、復帰指示通知の送信元がLANI/F211ではなく、操作部105であるとき、ステップS707以降の処理を行う。一方、ステップS710の判別の結果、復帰指示通知の送信元がLANI/F211であるとき、ステップS708以降の処理を行う。
【0052】
上述した図7の処理によれば、復帰要求信号だけでなく、Bluetooth通信の通信状態にも基づいて復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であるか若しくは無線LAN通信に起因した信号であるかが判別される。復帰要求信号だけに基づいて判別される場合、当該復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であるか若しくは無線LAN通信に起因した信号であるかが不明である。これに対して、本実施の形態では、復帰要求信号だけでなくBluetooth通信の通信状態にも基づいて判別されるので、復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であるか若しくは無線LAN通信に起因した信号であるかを正確に判別することができる。その結果、判別した結果に基づいて復帰処理における電力の供給先を決定することにより、Bluetooth通信機能及び無線LAN通信機能の各々へ適切に対応する供給先に電力を供給することができる。
【0053】
また、上述した図7の処理では、復帰要求信号を受信した場合、Bluetooth通信パケットを受信したときにはLCDパネル106へ電力が供給され、Bluetooth通信パケットを受信しないときにはLCDパネル106へ電力が供給されない。ここで、マルチファンクションデバイス220の復帰要求信号を受信し、Bluetooth通信パケットを受信した場合は、マルチファンクションデバイス220がBluetooth通信に起因して復帰要求信号を送信した場合に他ならない。この場合、ユーザが待機することなく操作部105を操作できるように直ちにLCDパネル106へ電力が供給されることが好ましい。一方、マルチファンクションデバイス220の復帰要求信号を受信しても、Bluetooth通信パケットを受信しない場合は、マルチファンクションデバイス220が無線LAN通信に起因して復帰要求信号を送信した場合に他ならない。この場合、ユーザの待機解消よりも省電力を優先することに利得があり、その結果、LCDパネル106への電力の供給を抑制することが好ましい。これに対応して、本実施の形態では、復帰要求信号を受信した場合、Bluetooth通信パケットを受信したときにはLCDパネル106へ電力が供給され、Bluetooth通信パケットを受信しないときにはLCDパネル106へ電力が供給されない。これにより、ユーザの利便性の向上と省電力とを両立することができる。
【0054】
以上、本発明について実施の形態を用いて説明したが、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではない。
【0055】
例えば、復帰要求信号だけでなく、後述する通信設定にも基づいて電力の供給先を決定してもよい。
【0056】
図8は、図7の制御処理の第1の変形例の手順を示すフローチャートである。
【0057】
図8の処理は、CPU201がHDD107やブートROM202に格納された各プログラムを実行することによって行われる。また、図8の処理は、図6(d)の処理が終了した後に実行されることを前提とし、LCDパネル106に表示される後述する図9の通信設定メニュー900によって通信設定が予め設定されていることを前提とする。
【0058】
図8において、まず、CPU201は、図7のステップS701~S704と同様の処理を実行する。
【0059】
ステップS704の判別の結果、受信ポートがポート216でないとき、CPU201は、図7のステップS709以降の処理を行う。一方、ステップS704の判別の結果、受信ポートがポート216であるとき、CPU201は、図9の通信設定メニュー900で設定された通信設定を取得する(ステップS801)。通信設定メニュー900は設定ボタン901,902及びOKボタン903を含む。設定ボタン901は無線LAN通信機能を有効及び無効のいずれかに設定する。ユーザは、無線LAN通信機能を使用する場合、無線LAN通信機能を有効に設定し、無線LAN通信機能を使用しない場合、無線LAN通信機能を無効に設定する。設定ボタン902はBluetooth通信機能を有効及び無効のいずれかに設定する。ユーザは、Bluetooth通信機能を使用する場合、Bluetooth通信機能を有効に設定し、Bluetooth通信機能を使用しない場合、Bluetooth通信機能を無効に設定する。OKボタン903は設定ボタン901,902の各設定を決定する。ユーザによって設定された通信設定はSRAM207に格納される。次いで、CPU201は取得された通信設定において、Bluetooth通信機能が有効に設定されているか否かを判別する(ステップS802)。
【0060】
ステップS802の判別の結果、Bluetooth通信機能が有効に設定されているとき、CPU201は、復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であると判別し、ステップS707以降の処理を行う。一方、ステップS802の判別の結果、Bluetooth通信機能が無効に設定されているとき、CPU201は、復帰要求信号が無線LAN通信に起因した信号であると判別し、ステップS708以降の処理を行う。
【0061】
ステップS702の判別の結果、復帰指示通知の送信元がUSBI/F215でないとき、CPU201は、図7のステップS710以降の処理を行う。
【0062】
上述した図8の処理では、復帰要求信号だけでなく、通信設定にも基づいて復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であるか若しくは無線LAN通信に起因した信号であるかが判別される。これにより、復帰要求信号だけでなく通信設定にも基づいて判別されるので、復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であるか若しくは無線LAN通信に起因した信号であるかを判別することができる。その結果、上述した図7の処理と同様の効果を奏することができる。
【0063】
本実施の形態では、復帰要求信号及びBluetooth通信機能の設定だけでなく、無線LAN通信機能の設定にも基づいて電力の供給先を決定してもよい。
【0064】
図10は、図7の制御処理の第2の変形例の手順を示すフローチャートである。
【0065】
図10の処理は、CPU201がHDD107やブートROM202に格納された各プログラムを実行することによって行われる。また、図8の処理は、図6(d)の処理が終了した後に実行されることを前提とし、LCDパネル106に表示される通信設定メニュー900によって通信設定が予め設定されていることを前提とする。
【0066】
図10において、まず、CPU201は、図7のステップS701~S802と同様の処理を実行する。
【0067】
ステップS802の判別の結果、Bluetooth通信機能が無効に設定されているとき、CPU201は、復帰要求信号が無線LAN通信に起因した信号であると判別し、ステップS708以降の処理を行う。一方、ステップS802の判別の結果、Bluetooth通信機能が有効に設定されているとき、CPU201は無線LAN通信機能が有効に設定されているか否かを判別する(ステップS1001)。
【0068】
ステップS1001の判別の結果、無線LAN通信機能が無効に設定されているとき、CPU201は、復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であると判別し、ステップS707以降の処理を行う。一方、ステップS1001の判別の結果、無線LAN通信機能が有効に設定されているとき、復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号とは限られないので、CPU201はステップS708以降の処理を行う。
【0069】
ステップS704の判別の結果、受信ポートがポート216でないとき、CPU201は、図7のステップS709以降の処理を行う。
【0070】
ステップS702の判別の結果、復帰指示通知の送信元がUSBI/F215でないとき、CPU201は図7のステップS710以降の処理を行う。
【0071】
上述した図10の処理では、復帰要求信号を受信した場合、Bluetooth通信機能が有効に設定され且つ無線LAN通信機能が有効に設定されているときにはLCDパネル106へ電力が供給されない。ここで、無線LAN通信機能が有効に設定されている場合、ユーザはマルチファンクションデバイス220に接続されたMFP101と離れた位置からも無線通信可能である。したがって、ユーザはMFP101と比較的近い場所に位置するとは限られず、近いうちに操作部105がユーザによって操作される可能性は高くない。この場合、ユーザの待機解消よりも省電力を優先することに利得がある。すなわち、LCDパネル106への電力の供給を行わなくても、ユーザの利便性をさほど毀損せずに電力の消費を抑制することができる。
【0072】
上述した図10の処理では、復帰要求信号、Bluetooth通信機能の設定、及び無線LAN通信機能の設定だけでなく、Bluetooth通信の通信状態にも基づいて電力の供給先を決定してもよい。具体的に、図10のステップS1001において、無線LAN通信機能が有効に設定されているとき、CPU201がBluetooth通信パケットを受信したか否かを判別する。判別した結果、Bluetooth通信パケットを受信したとき、CPU201は、復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であると判別し、ステップS707以降の処理を行う。一方、判別した結果、Bluetooth通信パケットを受信しないとき、CPU201は、復帰要求信号が無線LAN通信に起因した信号であると判別し、ステップS708以降の処理を行う。ここで、Bluetooth通信機能が有効に設定され且つ無線LAN通信機能が有効に設定されている場合、復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であるか若しくは無線LAN通信に起因した信号であるかを判別するのは困難である。これに対応して、本実施の形態では、Bluetooth通信の通信状態に基づいて復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であるか若しくは無線LAN通信に起因した信号であるかが判別される。Bluetooth通信パケットを受信した場合、マルチファンクションデバイス220が送信する復帰要求信号はBluetooth通信に起因すると考えられる。また、Bluetooth通信パケットを受信しない場合、マルチファンクションデバイス220が送信する復帰要求信号は無線LAN通信に起因すると考えられる。したがって、Bluetooth通信の通信状態に基づいて判別することにより、マルチファンクションデバイス220が送信する復帰要求信号の要因を的確に判別することができる。
【0073】
また、本実施の形態では、復帰要求信号だけでなく、マルチファンクションデバイス220の通信機能を示すディスクリプタ情報にも基づいて電力の供給先を決定してもよい。
【0074】
図11は、図7の制御処理の第3の変形例の手順を示すフローチャートである。
【0075】
図11の処理は、CPU201がHDD107やブートROM202に格納された各プログラムを実行することによって行われる。また、図11の処理は、図6(d)の処理が終了した後に実行されることを前提とし、ポート216にBluetooth通信機能及び無線LAN通信機能の少なくとも一方を有するUSBデバイスが接続されることを前提とする。
【0076】
図11において、まず、CPU201は、図7のステップS701~S704と同様の処理を行う。
【0077】
ステップS704の判別の結果、受信ポートがポート216でないとき、CPU201は、図7のステップS709以降の処理を行う。一方、ステップS704の判別の結果、受信ポートがポート216であるとき、CPU201は、ポート216に接続されたUSBデバイスにMFP101が通常モードに移行した旨を通知する。これにより、ポート216のUSBデバイスは、通常モードに復帰してディスクリプタ情報の送信処理等を含む各処理を実行可能になる。次いで、CPU201は、ポート216のUSBデバイスからディスクリプタ情報を取得し(ステップS1101)、当該USBデバイスがBluetooth通信機能を含むか否かを判別する(ステップS1102)。
【0078】
ステップS1102の判別の結果、ポート216のUSBデバイスがBluetooth通信機能を含むとき、CPU201は、復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であると判別し、ステップS707以降の処理を行う。一方、ステップS1102の判別の結果、ポート216のUSBデバイスがBluetooth通信機能を含まないとき(例えば、図12のUSBデバイス1201)、CPU201は復帰要求信号が無線LAN通信に起因した信号であると判別する。その後、CPU201はステップS708以降の処理を行う。
【0079】
ステップS702の判別の結果、復帰指示通知の送信元がUSBI/F215でないとき、CPU201は、図7のステップS710以降の処理を行う。
【0080】
上述した図11の処理によれば、復帰要求信号だけでなく、ディスクリプタ情報にも基づいて復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であるか若しくは無線LAN通信に起因した信号であるかが判別される。これにより、復帰要求信号がBluetooth通信に起因した信号であるか若しくは無線LAN通信に起因した信号であるかを正確に判別することができ、上述した実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0081】
上述した実施の形態では、無線通信はWi-fi通信等の無線LAN通信を含むので、無線LAN通信に応じた供給先に電力を供給することができる。
【0082】
また、上述した実施の形態では、近距離無線通信はBLE通信等のBluetooth通信を含むので、Bluetooth通信に応じた供給先に電力を供給することができる。
【0083】
上述した実施の形態では、電力が供給されるか否かの制御対象となる供給先がLCDパネル106である場合について説明したが、上記供給先はLCDパネル106に限られず、上記供給先はMFP101に設けられるプリンタ部104等の構成要素であってもよい。
【0084】
本発明は、上述の実施の形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読み出して実行する処理でも実現可能である。また、本発明は、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【符号の説明】
【0085】
101 MFP
105 操作部
106 LCDパネル
201 CPU
215 USBI/F
216 ポート
220 マルチファンクションデバイス
221 BluetoothI/F
222 無線LANI/F
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12