(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】導電性フィルムの製造方法
(51)【国際特許分類】
C23C 14/02 20060101AFI20221212BHJP
B32B 15/01 20060101ALI20221212BHJP
C23C 14/58 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
C23C14/02 Z
B32B15/01 Z
C23C14/58 A
(21)【出願番号】P 2020511300
(86)(22)【出願日】2018-08-08
(86)【国際出願番号】 EP2018071564
(87)【国際公開番号】W WO2019038093
(87)【国際公開日】2019-02-28
【審査請求日】2021-04-20
(31)【優先権主張番号】102017119308.1
(32)【優先日】2017-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(73)【特許権者】
【識別番号】594102418
【氏名又は名称】フラウンホーファー-ゲゼルシャフト ツル フェルデルング デル アンゲヴァンテン フォルシュング エー ファウ
【氏名又は名称原語表記】Fraunhofer-Gesellschaft zur Foerderung der angewandten Forschung e.V.
【住所又は居所原語表記】Hansastrasse 27c, D-80686 Muenchen, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100135633
【氏名又は名称】二宮 浩康
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス シラー
(72)【発明者】
【氏名】シュテフェン シュトラーハ
(72)【発明者】
【氏名】マティアス ファーラント
(72)【発明者】
【氏名】シンディ シュタイナー
(72)【発明者】
【氏名】ゼバスティアン ブンク
【審査官】有田 恭子
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第03181209(US,A)
【文献】米国特許第03270381(US,A)
【文献】特開平03-166357(JP,A)
【文献】特開昭60-211065(JP,A)
【文献】特開2013-087297(JP,A)
【文献】特開2007-307767(JP,A)
【文献】特開昭48-037355(JP,A)
【文献】特開2000-017424(JP,A)
【文献】特表2011-527385(JP,A)
【文献】特開2003-069193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 14/00-14/58
B32B 1/00-43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性材料製フィルムの製造方法であって、前記フィルムはフィルムの厚さ方向に沿って同じ導電性材料からなり、以下の工程段階:
a) フレキシブル基材(11;21)を作業チャンバー(10;20)に導入すること、
b) 真空成膜プロセスによって、導電性材料層を前記フレキシブル基材(11;21)の少なくとも1つの表面領域上に堆積すること、
その際、銅、インジウム、アルミニウム、スズ、亜鉛、マグネシウム、銀の群からの化学元素の少なくとも1つを含有する導電性材料を使用する、
c) フレキシブル基材(11;21)から
前記導電性材料層を剥離すること
その際、
d)
前記導電性材料層を堆積する前に、
酸素を用いたイオンエッチングプロセスをフレキシブル基材(11)の少なくとも表面領域上で行うこ
と
を特徴とする、前記方法。
【請求項2】
フレキシブル基材(21)として金属フィルムを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
フレキシブル基材(21)として特殊鋼フィルムを使用することを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
フレキシブル基材(11)としてプラスチックフィルムを使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
フレキシブル基材としてガラスまたは紙を使用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記
導電性材料層を蒸着によって堆積することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記
導電性材料層をマグネトロンスパッタによって堆積することを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記
導電性材料層の第1の部分層を第1の真空成膜プロセスによって堆積し、且つ前記
導電性材料層の第2の部分層を第2の真空成膜プロセスによって堆積し、その際、第2の真空成膜プロセスは、第1の真空成膜プロセスよりも強い発熱を伴うことを特徴とする、請求項1から5までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記
導電性材料層の第1の部分層をマグネトロンスパッタによって堆積し、且つ前記
導電性材料層の第2の部分層を蒸着によって堆積することを特徴とする、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記
導電性材料層を3μm未満の層厚で堆積することを特徴とする、請求項1から9までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記
導電性材料層を1μm未満の層厚で堆積することを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
帯状のフレキシブル基材(11;21)を使用することを特徴とする、請求項1から11までのいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
前記
導電性材料層をロール・ツー・ロールプロセスによって堆積することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
導電性材料として銅を使用することを特徴とする、請求項
13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は導電性フィルムの製造方法に関する。本発明の意味におけるフィルムとは、平坦で最大1.5mm厚であり、面を通して見て均質な材料製の自立式でフレキシブルな構造物であって、曲げまたは巻きを繰り返した後でもその本質的な材料特性が損なわれないものを意味する。
【背景技術】
【0002】
導電性フィルムを製造するために、様々な方法が確立されている。例えば、導電性の出発材料を機械的に圧延することによって導電性フィルムを製造できる。そのような製造方法は、かかるフィルムの達成可能な最小厚さによって制限される。圧延プロセスを用いて、例えば最小厚さが約6μmの銅フィルムを製造できるが、それはいくつかの用途のためには薄さが十分ではない。この場合、フィルムの表面に圧延プロセスによる溝がもたらされることが多いという欠点もある。
【0003】
6μm未満のフィルム厚を有する導電性フィルムを製造するために、例えば、真空プロセスによってフレキシブル基材上で導電性材料を有する層系を堆積し、引き続きそのフレキシブル基材を剥離する。独国特許出願公開第102015003369号明細書(DE102015003369 A1)においては、最初に犠牲層を支持基材上に、引き続き導電性材料の有効層を支持基材上に、真空成膜プロセスによって堆積することが提案されている。そのように製造された層系を、引き続き例えばレーザー光線で照射して、犠牲層内での裂け目の形成をもたらし、それにより有効層を支持基材から分離できる。その際、支持基材から有効層を外した後にも、有効層上に犠牲層の残留物が付着して残り、そのことにより、このように製造された導電性フィルムの追加的な洗浄段階が必要となるという欠点がある。
【0004】
国際公開第2017/054889号(WO2017/054889 A1)から、最初に安定性の理由から、異なる材料からなる少なくとも2つの層の複合層を、フレキシブル基材の上に真空成膜プロセスによって堆積することが公知である。その際、例えばリチウムを第1の層として、且つ銅を第2の層として堆積できる。引き続き、フレキシブル基材を複合層から除去する。しかしながら、この方式では、少なくとも2つの異なる材料の複合フィルムが製造されるに過ぎない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】独国特許出願公開第102015003369号明細書
【文献】国際公開第2017/054889号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の技術的課題は、従来技術の欠点を克服できる導電性フィルムの製造方法を提供することである。殊に、本発明による方法では、1μm未満のフィルム厚を有する導電性フィルムを製造することも可能であるべきである。さらに、前記フィルムは、フィルムの厚さを通して見て1つだけの材料からなるべきである。
【0007】
上記の技術的課題は、請求項1の特徴部分を有する対象によって解決される。本発明のさらに有利な実施態様は従属請求項に記載されている。
【0008】
フィルムがフィルムの厚さ方向に沿って同一の材料からなる導電性材料製フィルムの本発明による製造方法の場合、最初にフレキシブル基材を作業チャンバーに導入する。さらに、真空成膜プロセスによって、前記基材の少なくとも1つの表面領域上に導電性材料層を堆積する。このために、例えば、銅、インジウム、アルミニウム、スズ、亜鉛、マグネシウム、銀の群の化学元素の少なくとも1つを有する導電性材料を使用できる。本発明による方法は、銅フィルムの製造のために特に適している。導電性材料の第1の層の堆積のために、真空成膜プロセスとして殊にマグネトロンスパッタおよび/または蒸着が適しており、且つ、フレキシブル基材として、金属フィルム(殊に特殊鋼製)、プラスチックフィルム、ガラスまたは紙が適している。
【0009】
導電性材料の第1の層の堆積後、その第1の層を機械的な手段によってフレキシブル基材から剥離する。意外なことに、フレキシブル基材と堆積された層との間の付着力が、堆積された層内部の結合力よりも小さく、且つフレキシブル基材内部の結合力よりも小さくなるようにこの付着力が調節される場合、真空成膜プロセスにより直接的にフレキシブル基材上に堆積された導電性材料の単独の層をフレキシブル基材から機械的に剥離できることが示された。
【0010】
本発明によれば、フレキシブル基材と堆積された層との間で剥離するために必要な付着力を、フレキシブル基材の少なくとも表面領域上でイオンエッチングプロセスを行うことによって調節し、その上に導電性材料層が堆積される。イオンエッチングは、基材表面領域の洗浄をもたらすと共に、基材の表面構造を変え、その際、そのことが引き続く工程段階に有利に影響する。イオンエッチングのために、例えばイオン、例えばホローカソードプラズマまたはマグネトロンプラズマに由来するイオンを使用できる。
【0011】
イオンエッチングプロセスによって、おそらく基材上の表面粗さが作り出され、それにより、導電性材料の単独の層をフレキシブル基材から機械的に剥離することが可能になる。
【0012】
層の堆積前の基材のイオンエッチングに加えて、またはその代替的に、導電性材料層を、層の堆積の間または堆積後に加熱することにより、フレキシブル基材と堆積された層との間の付着力を低下させ、それにより堆積された層のフレキシブル基材からの剥離を可能にする。このために、例えば、導電性材料層を少なくとも2つの部分層で堆積することも可能であり、その際、該層の第1の部分層を第1の真空成膜プロセスによって堆積し、且つ該層の第2の部分層を第2の真空成膜プロセスによって堆積し、その際、第2の真空成膜プロセスは第1の真空成膜プロセスよりも強い発熱を伴う。
【0013】
本発明による方式は、フレキシブル基材の剥離前に、他の材料の第2の層が導電性材料層の上に堆積されるか、または他の材料の複数の層が導電性材料層の上に堆積される場合に、フレキシブル基材を機械的に剥離することも可能にする。
【0014】
本発明による方法は殊に、フィルム厚3μm未満を有する導電性フィルムの製造のために適している。本発明による方法によって、フィルム厚1μm未満を有する導電性フィルム(殊に銅フィルム)すら製造できる。
【0015】
本発明を以下で実施例に基づき詳細に説明する。図面は以下を示す:
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】
図1は、本発明による方法の段階を実施するための装置の模式図を示す。
【
図2】
図2は、本発明による方法の段階を実施するための代替的な装置の模式図を示す。
【実施例】
【0017】
図1に、本発明による方法の段階を実施できる装置を模式的に示す。真空作業チャンバー10内で最初に、プラスチックフィルムとして形成された帯状のフレキシブル基材11を、巻き出しロールから巻き出し、1つまたは複数の転向ロールを通して導いた後、冷却ロール12に部分的に巻き付けるようにして導入する。フレキシブル基材11がロール・ツー・ロールプロセスにおいて冷却ロールの周囲に沿って動かされる間に、そのフレキシブル基材は2つのプロセスステーションを通過する。第1のプロセスステーションはマグネトロン13を有し、前記マグネトロン13によって、マグネトロンプラズマが酸素含有雰囲気中で生成される。その際、マグネトロン13は既知のプロセスパラメータを用いて、マグネトロン13でスパッタ研削物が生じて、それがフレキシブル基材12上に堆積するのではなく、マグネトロンプラズマからの酸素イオンだけが基材表面に向かって加速されることより基材表面上でイオンエッチングプロセスが行われるように稼働される。従って、フレキシブル基材11の表面が洗浄されると共に、基材表面の構造が変えられる。
【0018】
基材11の進行方向に見て第1のプロセスステーションの後に続く第2のプロセスステーションは、銅ターゲットを備えたマグネトロン14を有する。マグネトロン14で、既知の工程段階を用いて銅ターゲットから銅粒子が叩き出され、それがフレキシブル基材11上で銅層として堆積される。その際、有利には、数十ナノメートルの範囲から数マイクロメートルの範囲までの範囲を有する銅層がフレキシブル基材11上で堆積されるように、マグネトロン14を稼働できる。銅層の堆積後、フレキシブル基材11と銅層とからなる複合材15を、1つまたはそれより多くの転向ロールを通して導いた後に巻き取りロール上で巻き取る。
【0019】
帯状のフレキシブル基材11を銅層で完全に覆った後、複合材15を有するロールを作業チャンバー10から取り出し、プラスチックフィルムとして形成されたフレキシブル基材11から銅層を機械的に剥離する。このために、例えば複合材15が巻き取られているロールを、平滑な下地上に置くことができる。帯状の複合材15の始点をロールから少し巻き出し、複合材の基材の側を下にして前記の平滑な下地の上に置く。複合材15の帯の端部の直前で、鋭利な切断工具を用いて、帯の方向に対して横方向に銅層を切断し、基材11は切断しない。切断ラインに沿って、複合材15を基材11の側の方向に曲げると、銅層をプラスチックフィルムから手で剥離することができる始点を見つけることができる。このように得られた互いに分離されたプラスチックフィルムと銅層との端部を、引き続き、帯の巻き取り装置において別々のロール上に巻きつけ、次いで帯の巻き取り装置によって、帯状の複合材15全体に沿って銅層をフレキシブル基材11から剥離することができる。その結果、ロール上に巻き取られた導電性フィルムがもたらされ、それはフィルムの厚さ方向に沿って同一の材料からなり、この実施例では銅からなる。
【0020】
先に述べられた複合材15の始点でフレキシブル基材11から銅層を手で剥離することは、ここでは例示的に記載されたに過ぎない。複合材15の初めから、銅層をフレキシブル基材11から剥離できる装置も知られている。
【0021】
図2に、本発明による方法を実施可能な代替的な装置を模式的に示す。作業チャンバー20内で最初に、特殊鋼フィルムとして形成された帯状のフレキシブル基材21を、巻き出しロールから巻き出し、1つまたは複数の転向ロールを通して導いた後、冷却ロール22に部分的に巻き付けるようにして導入する。フレキシブル基材21がロール・ツー・ロールプロセスにおいて冷却ロールの周囲に沿って動かされる間に、そのフレキシブル基材21は3つのプロセスステーションを通過する。第1のプロセスステーションは、ホローカソードプラズマを生成するホローカソード配置23を有する。ホローカソードプラズマからのイオンは基材表面に向かって加速され、従って基材表面上でイオンエッチングプロセスが行われる。従って、フレキシブル基材21の表面が洗浄されると共に、基材表面の構造が変えられる。
【0022】
基材21の進行方向に見て第1のプロセスステーションの後に続く第2のプロセスステーションは、銅ターゲットを備えたマグネトロン24を有する。そのマグネトロン24で、既知の工程段階を用いて銅ターゲットから銅粒子がスパッタされ、それがフレキシブル基材21上で第1の銅部分層として堆積される。その際、有利には、数十ナノメートルの範囲の層厚を有する第1の銅部分層がフレキシブル基材21上に堆積されるように、マグネトロン24を稼働できる。
【0023】
第1の銅部分層を堆積した後、基材21は、第3のプロセスステーションを通して導かれる。これは、第2の銅部分層として基材21上に堆積される銅を蒸発させる容器25を含む。1つの実施態様の場合、数十ナノメートルの範囲または数マイクロメートルの範囲の層厚を有する第2の銅部分層を堆積する。容器25内の銅の蒸着のために、例えば、容器25内にある銅全体を加熱する熱蒸着プロセス、または電子線を用いる蒸着プロセスが適している。
【0024】
蒸着プロセスは通常、マグネトロンスパッタよりも大きな発熱を伴うことが知られており、それが被覆されるべき基材およびその上に既に存在する層を加熱する。本発明による方法の際、蒸着プロセスはフレキシブル基材21および第1の銅部分層の約300℃への加熱をもたらし、そのことが第1の銅部分層の構造の変化をみちびき、それに伴いフレキシブル基材21上への第1の銅部分層の付着力が低下し、そのことが後続の工程段階に有利に影響する。従って、第2の実施例において記載される方式は、銅と同様か、もしくは銅よりも低い融点を有する材料から導電性フィルムを製造する場合に、特に有利である。従って、本発明の1つの実施態様の場合、銅、インジウム、アルミニウム、スズ、亜鉛、マグネシウム、銀の群の化学元素の少なくとも1つを含有する導電性材料が使用される。
【0025】
第2の銅部分層の堆積後、フレキシブル基材21並びに第1および第2の銅部分層からなる複合材26を、1つまたはそれより多くの転向ロールを通して導いた後に巻き取りロール上に巻き取る。
【0026】
帯状のフレキシブル基材21を第1および第2の銅部分層で完全に覆った後、複合材26を有するロールを作業チャンバー20から取り出し、第1および第2の銅部分層からなる銅層を特殊鋼フィルムとして形成されたフレキシブル基材21から機械的に剥離する。このために、例えば複合材26が巻き取られているロールを、平滑な下地上に置くことができる。帯状の複合材26の始点をロールから少し巻き出し、複合材の特殊鋼の側を下にして前記の平滑な下地の上に置く。複合材26の帯の端部の直前で、鋭利な切断工具を用いて、帯の方向に対して横方向に銅層を切断し、特殊鋼フィルムは切断しない。切断ラインに沿って、複合材26を特殊鋼フィルムの側の方向に曲げると、銅層が特殊鋼フィルムから手で剥離できる始点を見つけることができる。このように得られた互いに分離された特殊鋼フィルムと銅層との端部を、引き続き、帯の巻き取り装置において別々のロール上に巻きつけ、次いで帯の巻き取り装置によって、帯状の複合材26全体に沿って銅層をフレキシブル基材21から剥離できる。その結果、ロール上に巻き取られた導電性フィルムがもたらされ、それはフィルムの厚さ方向に沿って同一の材料からなり、この実施例では銅からなる。先述の第2の実施例の場合、第2および第3のプロセスステーションは1つ且つ同一の設備の構成要素であった。第2の実施例による本発明による方法を、第2および第3のプロセスステーションが別々の設備の構成要素である場合、代替的に実施することもできる。