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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】貫通機構を有するセンサ誘導式器具
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/24 20060101AFI20221212BHJP
   A61B 34/20 20160101ALI20221212BHJP
【FI】
A61B17/24
A61B34/20
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2020533873
(86)(22)【出願日】2018-08-23
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-11-12
(86)【国際出願番号】 IB2018056391
(87)【国際公開番号】W WO2019048964
(87)【国際公開日】2019-03-14
【審査請求日】2021-08-10
(31)【優先権主張番号】15/695,520
(32)【優先日】2017-09-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516389190
【氏名又は名称】アクラレント インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Acclarent, Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】パルシ・ジェットミア
(72)【発明者】
【氏名】デコスタ・ポール・ディー
【審査官】槻木澤 昌司
(56)【参考文献】
【文献】特表2012-518453(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0076303(US,A1)
【文献】特表2012-507323(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0331343(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0305770(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/24
A61B 34/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
手術器具であって、
(a)患者の解剖学的通路に挿入されるように構成されたカテーテルであって、カテーテルルーメンを含む、カテーテルと、
(b)ポートを有する遠位セグメントであって、前記ポートは、前記カテーテルルーメンと連通する、遠位セグメントと、
(c)前記カテーテルルーメン内に摺動可能に配設された針であって、後退位置と伸長位置との間で前記カテーテルに対して並進可能であり、針遠位端部分は、前記針が前記伸長位置にある時、前記ポートを通って延在するように構成されており、前記針遠位端部分は螺旋状凹部を含む、針と、
(d)前記針に結合された追跡センサであって、前記追跡センサは前記螺旋状凹部内に配置されたセンサコイルを備え、前記螺旋状凹部の遠位端は、前記針遠位端部分の遠位先端に直接隣接して前記センサコイルの遠位端を位置決めするように、前記針遠位端部分の前記遠位先端まで延在しており、前記患者内における前記針遠位端部分の位置に対応する信号を生成するように構成されている、追跡センサと、を備える、手術器具。
【請求項2】
前記追跡センサは、前記針遠位端部分に配置されている、請求項1に記載の手術器具。
【請求項3】
前記追跡センサは電磁センサを備え、前記電磁センサは、電磁場を通る前記電磁センサの動きに応答して電気信号を生成するように構成されている、請求項1に記載の手術器具。
【請求項4】
前記センサコイルは、電磁センサイルである、請求項3に記載の手術器具。
【請求項5】
前記センサコイルは、前記針が前記後退位置と前記伸長位置との間で並進する間、前記針の縦軸と同軸整列状態を維持するコイル軸を画定する、請求項4に記載の手術器具。
【請求項6】
前記ンサコイルの遠位端は、前記針遠位端部分前記遠位先端まで延在する、請求項1に記載の手術器具。
【請求項7】
前記螺旋状凹部は、前記針の外側面に設けられている、請求項1に記載の手術器具。
【請求項8】
前記螺旋状凹部は、前記センサコイルを前記外側面と面一に着座させるのに十分な半径方向深さで形成されている、請求項7に記載の手術器具。
【請求項9】
前記遠位セグメントは、非線形通路に沿って前記遠位セグメントを通って延在する針チャネルを含み、前記ポートは、前記針チャネルを介して前記カテーテルルーメンと連通する、請求項1に記載の手術器具。
【請求項10】
前記ポートは、前記遠位セグメントの側部に配置され、前記ポートは、前記遠位セグメントの縦軸から角度オフセットされているポート軸を画定する、請求項1に記載の手術器具。
【請求項11】
前記針は針ルーメンを含み、前記針は、
(i)前記針ルーメンへ組織サンプルを吸引すること、又は
(ii)液体物質を組織に送達すること、
のうちの少なくとも一方を行うことができる、請求項1に記載の手術器具。
【請求項12】
手術システムであって、
(a)請求項1に記載の手術器具であって、前記追跡センサが、前記患者内における前記針遠位端部分の動きに応答して信号を生成するように構成されている、手術器具と、
(b)プロセッサであって、前記信号を受信し、前記信号に基づいて前記患者内における前記針遠位端部分の位置を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、手術システム。
【請求項13】
前記カテーテルが挿入されている前記解剖学的通路を含む前記患者の部位の周りに電磁場を発生させるように構成された、少なくとも1つの電磁場発生要素を更に備える、請求項12に記載の手術システム。
【請求項14】
センサコイルは、前記電磁場を通る前記センサコイルの動きに応答して電気信号を生成するように構成されている、請求項13に記載の手術システム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
副鼻腔炎は、細菌、ウイルス、菌類(カビ)、アレルギー、又はそれらの組み合わせによって一般的に引き起こされる副鼻腔の任意の炎症又は感染を指す。副鼻腔炎と疑われる症例の適切な診断を容易にするために、外科医は、患者の鼻を通って副鼻腔内に方向付けられる針吸引器具などの生検器具を用いて罹患した組織の1つ以上の生検サンプルを収集してもよい。従来の設定では、機能的内視鏡下副鼻腔手術(functional endoscopic sinus surgery、FESS)を用いてこのような生検処置を行うこともある。FESSでは、内視鏡が鼻に挿入され、内視鏡を介した可視化により、外科医は生検サンプルを手術器具で収集する。
【0002】
FESS処置は、アクセス対象の副鼻腔又は他の解剖学的通路(例えば、耳、鼻、又は喉)における可視化を提供する可変視野方向内視鏡を用いて行うことができる。可変視野方向内視鏡は、解剖学的通路内で内視鏡のシャフトを曲げる必要なく、広範な横断視野角に沿った視野を可能にすることができる。このような内視鏡は、米国特許出願公開第2010/0030031号、発明の名称「Swing Prism Endoscope」(2010年2月4日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示に従って提供され得る。かかる内視鏡の一例として、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるAcclarent Cyclops(商標)マルチアングル内視鏡がある。
【0003】
FESS処置中、外科医はまた、アクセス対象の解剖学的通路を拡張することができる。これには、副鼻腔の小孔の拡張(例えば、副鼻腔炎の治療を目的とする拡張)、喉頭の拡張、耳管の拡張、耳、鼻、又は喉内の他の通路の拡張などが含まれ得る。解剖学的通路を拡張する1つの方法として、ガイドワイヤ及びカテーテルを用いて解剖学的通路内に膨張可能なバルーンを位置決めし、次いで流体(例えば、生理食塩水)を用いてバルーンを膨張させて解剖学的通路を拡張することが挙げられる。例えば、膨張可能なバルーンを副鼻腔において小孔内に位置決めして、次いで、膨張させることによって、粘膜の切開又は骨の切除を必要とせずに、小孔に隣接する骨を再構築することにより小孔を拡張することができる。次いで、拡張した小孔によって、罹患した副鼻腔からの排液及びその副鼻腔の通気を改善することができる。このような処置を行うために使用され得るシステムは、米国特許出願公開第2011/0004057号、発明の名称「Systems and Methods for Transnasal Dilation of Passageways in the Ear,Nose or Throat」(2011年1月6日に公開)の教示に従って提供され得、その開示内容は参照により本明細書に組み込まれている。かかるシステムの一例として、Acclarent,Inc.(Irvine,California)によるRelieva(登録商標)Spin Balloon Sinuplasty(商標)システムがある。
【0004】
場合によっては、副鼻腔及びENT手術は、電子ナビゲーション装置の支援によって行われてもよく、画像誘導手術(Image-guided surgery、IGS)と呼ばれる。IGSは、コンピュータを用いて、患者の身体に挿入された器具の位置の、術前に得られた画像群(例えば、CT又はMRIスキャン、3Dマップなど)に対するリアルタイムの相関を得ることで、器具の現在位置を術前に得られた画像に重ね合わせる処置である。いくつかのIGS処置では、術野のデジタルトモグラフィスキャン(例えば、CT又はMRI、3Dマップなど)を外科手術の前に得る。次いで、特別にプログラミングされたコンピュータを用いて、デジタルトモグラフィスキャンデータをデジタルマップに変換する。外科手術中、センサ(例えば、電磁場を発生させる及び/又は外部で発生した電磁界に反応する電磁コイル)が装着された特別な器具を用いて処置を行い、同時に、センサがコンピュータに各手術用器具の現在位置を示すデータを送る。コンピュータは、器具装着式センサから受信したデータを、術前トモグラフィスキャンから作成されたデジタルマップと相関付ける。トモグラフィスキャン画像は、スキャン画像内に示される解剖学的構造に対する各手術器具のリアルタイム位置を示す指標(例えば、クロスヘア又は照明ドットなど)と共にビデオモニタ上に表示される。これにより、外科医は、器具自体を体内のその現在の位置において直接視覚化することができない場合であっても、ビデオモニタを見ることによって、各センサ搭載器具の正確な位置を知ることができる。
【0005】
ENT及び洞手術で用いることができる電磁IGSシステムの例としては、InstaTrak ENT(商標)システム(GE Medical Systems,Salt Lake City,Utahから入手可能)が挙げられる。電磁画像誘導システムの他の例としては、Biosense-Webster,Inc.,(Diamond Bar,California)によるCARTO(登録商標)3 System、及びSurgical Navigation Technologies,Inc.,(Louisville,Colorado)から入手可能なシステムが挙げられるが、これらに限定されない。IGSシステムと共に使用され得る気管支内器具の一例は、その開示内容が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月28日に公開された「Endobronchial Catheter」と題する米国公開第2013/0317339号に記載されている。
【0006】
機能的内視鏡下副鼻腔手術(FESS)、副鼻腔生検処置、バルーン副鼻腔手術、及び/又は他のENT処置に適用される場合、IGSの使用によって、外科医は、内視鏡単独による視野によって行うよりも正確に手術器具を動かして位置決めすることが可能になる。これは、典型的な内視鏡の画像が空間的に制限された2次元の視線の視界だからである。画像誘導システムを用いることによって、空間的に制限された2次元の直接視線の内視鏡視野において実際に見えるものだけではなく、術野を囲む解剖学的構造全てのリアルタイムの3次元図が得られる。結果として、画像誘導システムは、FESS、副鼻腔生検処置、バルーン副鼻腔手術、及び/又は他のENT処置の実行中に、とりわけ、通常の解剖学的目印が存在しないか又は内視鏡的に可視化することが困難である場合に、特に有用であり得る。
【0007】
ENT処置において、いくつかのシステム及び方法が製造及び使用されてきたが、本発明者ら以前に、添付の特許請求の範囲に記載される発明を製造又は使用した者はいないと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書は、本発明を具体的に示し、明確にその権利を請求する特許請求の範囲をもって結論とするものであるが、本発明は以下の特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでより深い理解が得られるものと考えられる。図中、同様の参照符合は同様の要素を示す。
図1】例示的な手術ナビゲーションシステムの模式的な斜視図である。
図2図1の手術ナビゲーションシステムの構成要素と共に、患者の頭部の斜視図を示す。
図3図1の手術ナビゲーションシステムの例示的なセンサ誘導式器具の斜視図を示す。
図4A】解剖学的通路内に配置された器具を示す、図3のセンサ誘導式器具の遠位端部分の概略側断面図を示す。
図4B】伸長位置にある器具の針を示す、図4Aのセンサ誘導式器具及び解剖学的通路の概略側断面図を示す。
図5図3のセンサ誘導式器具と共に使用されるように構成された別の例示的な針の側面立面図を示す。
図6図1の副鼻腔手術ナビゲーションシステムと共に使用するように構成された別の例示的なセンサ誘導式器具の概略側断面図を示す。
【0009】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本説明文と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医を基準に使用されていることが理解されるであろう。すなわち、エンドエフェクタは、より近位のハンドピースアセンブリに対して遠位にある。便宜上及び明確さのために、「上部」及び「下部」などの空間用語もまた、本明細書において、ハンドピースアセンブリを把持している臨床医を基準にして使用されていることが更に理解されよう。しかしながら、手術器具は、多くの方向及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0011】
本明細書に記載される教示、表現、変例、実施例などのうちのいずれか1つ以上のものを、本明細書に記載される他の教示、表現、変形形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上のものと組み合わせることができる点も更に理解されよう。したがって、以下に記載されている教示、表現、変形形態、実施例などは、互いに独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を考慮することで、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」の範囲内に含まれるものとする。
【0012】
I.例示的な画像誘導ナビゲーションシステム
A.画像誘導ナビゲーションシステムの概説
図1及び図2は、例示的な画像誘導手術(IGS)ナビゲーションシステム(10)を示す。これにより、IGSを使用してENT処置を行うことができる。具体的には、IGSナビゲーションシステム(10)は、1つ以上の生検サンプルを収集するための、及び/又は治療薬若しくは潅注流体などの液体物質を選択された手術部位の組織に送達するための、センサ誘導式器具(30)との組み合わせにより実施される。副鼻腔外科的処置を行うために用いられるIGSナビゲーションシステム(10)が示されているが、IGSナビゲーションシステム(10)は、例えば肺及び接続通路などの身体の様々な他の部分に処置を行うためにも容易に用いられ得ることが理解されよう。
【0013】
本例のIGSナビゲーションシステム(10)は、一式の磁場発生器(12)を含む。外科的処置が始まる前に、磁場発生器(12)を患者の頭部に固定する。図2に最もよく示されるように、磁場発生器(12)は、フレーム(14)に組み込まれており、フレームは、患者の頭部にクランプ止めされている。磁場発生器(12)は、この例では患者の頭部に固定されているが、磁場発生器(12)は、これに代えて様々な他の好適な位置及び様々な他の好適な構造体に位置決めされていてもよいことを理解されたい。単に一例として、磁場発生器(12)は、患者が位置決めされたテーブル又は椅子に固定された独立した構造体に、患者の頭部に対して適所に係止された床装着式スタンド上に、及び/又は任意の他の好適な位置(単数又は複数)及び/又は任意の他の好適な構造体(単数又は複数)に装着され得る。
【0014】
磁場発生器(12)は、患者の頭部の周囲に電磁場を発生させるように動作可能である。詳細には、磁場発生器(12)は、フレーム(14)に近接する領域内に異なる周波数の交流磁場を伝達するように動作する。磁場発生器(12)を形成し、駆動するために使用され得る種々の好適な構成要素は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者に明らかであろう。磁場発生器(12)は、患者の解剖学的通路に挿入されたセンサ誘導式器具(30)の遠位端の位置の追跡を可能にする。具体的には、以下により詳細に記載されるように、センサ誘導式器具(30)は、器具(12)の遠位部分に装着され、磁場発生器(12)によって発生される電磁場と相互作用するように構成された、コイルなどの1つ以上の電磁センサを含む。各電磁センサは、電磁場を通るセンサの動きに応答して電気信号を生成し、IGSナビゲーションシステム(10)のプロセッサ(16)に信号を伝達するように構成されている。次いで、プロセッサ(16)は、信号を処理し、患者内におけるセンサ誘導式器具(30)の遠位部分の3次元位置を判定する。
【0015】
IGSナビゲーションシステム(10)のプロセッサ(16)は、1つ以上のメモリと通信を行う処理ユニットを備え、磁場発生器(12)及びIGSナビゲーションシステム(10)の他の要素を制御するように構成されている。本例では、プロセッサ(16)は、キーパッド、及び/又はマウス若しくはトラックボールなどのポインティングデバイスを含む操作制御部(20)を備える、コンソール(18)内に装着されている。医師は、外科的処置を行っている間、プロセッサ(16)と相互作用するように操作制御部(20)を使用する。プロセッサ(16)は、プロセッサ(16)のメモリに格納されたソフトウェアを使用して、システム(10)を較正及び操作する。かかる操作は、磁場発生器(12)を駆動すること、センサ誘導式器具(30)からのデータを処理すること、操作制御部(20)からのデータを処理すること、及びディスプレイスクリーン(22)を駆動することを含む。ソフトウェアは、例えば、電子形態で、ネットワークを介してプロセッサ(16)にダウンロードされてもよく、あるいは、代替的に若しくは付加的に、磁気メモリ、光学メモリ、若しくは電子メモリなどの非一時的な有形媒体で提供及び/又はそれらに格納されてもよい。
【0016】
プロセッサ(16)は更に、ディスプレイスクリーン(22)を介してビデオをリアルタイムで提供するように操作可能であり、センサ誘導式器具(30)の遠位端の位置を、患者の頭部のビデオカメラ画像、患者の頭部のCTスキャン画像、及び/又は患者の鼻腔内の、及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造のコンピュータで生成された3次元モデルとの関連で示す。ディスプレイスクリーン(22)は、このような画像を同時に、及び/又は互いに重ね合わせて表示してもよい。更に、ディスプレイスクリーン(22)は、外科的処置中にこのような画像を表示してもよい。このような表示された画像は、患者の頭部に挿入される器具(例えば、センサ誘導式器具(30))のグラフィック表示も含んでいてもよく、その結果、オペレータは、その実際の位置で、リアルタイムで器具のバーチャルレンダリングを視認することができる。このようなグラフィック表示は、実際に器具のように見えることができるか、又はドット、クロスヘアなどのより単純な表現であってもよい。単に一例として、ディスプレイスクリーン(22)は、米国特許出願公開第2016/0008083号、発明の名称「Guidewire Navigation for Sinuplasty」(2016年1月14日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って画像を提供してもよい。オペレータが内視鏡も使用している場合には、内視鏡画像をディスプレイスクリーン(22)に提供することもできる。ディスプレイスクリーン(22)によって提供される画像は、患者の頭部内で器具を動かし、他の方法で操作する際にオペレータを誘導するのに役立ち得る。
【0017】
センサ誘導式器具(30)が患者の鼻腔又は他の身体部分内に配備される前に、患者の鼻腔内の、及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造の3次元モデルを生成するために、適切な装置を使用してもよい。単に一例として、この解剖学的構造のモデルは、米国特許出願公開第2016/0310042号、発明の名称「System and Method to Map Structures of Nasal Cavity」(2016年10月27日出願)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って生成されてもよい。患者の鼻腔内の及び患者の鼻腔に隣接する生体構造の3次元モデルを生成し得る更に他の好適な方法は、本明細書における教示を考慮することで、当業者に明らかになるであろう。また、患者の鼻腔内の、及び患者の鼻腔に隣接する解剖学的構造の3次元モデルを生成する方法や場所に関係なく、モデルをコンソール(18)に記憶させてもよい点が理解されるべきである。したがって、コンソール(18)は、モデルの少なくとも一部分の画像を、ディスプレイスクリーン(22)を介してレンダリングしてもよいし、更にモデルに対するセンサ誘導式器具(30)の位置のリアルタイムビデオ画像を、ディスプレイスクリーン(22)を介してレンダリングしてもよい。
【0018】
プロセッサ(16)及び操作制御部(20)に接続することに加えて、コンソール(18)はまた、システム(10)の他の要素に接続されてもよい。例えば、図1に示すように、結合ユニット(24)がセンサ誘導式器具(30)の近位端に固定されていてもよい。本例の結合ユニット(24)は、コンソール(18)とセンサ誘導式器具(30)との間にデータ及び他の信号の無線通信を提供するように構成されている。一部の変形形態では、結合ユニット(24)は、コンソール(18)からのデータ及び他の信号を通信することなく、単にセンサ誘導式器具(30)からコンソール(18)へとデータ及び他の信号の一方向の通信を行う。一部の他の変形形態では、結合ユニット(24)は、センサ誘導式器具(30)とコンソール(18)との間でデータ又は他の信号の双方向の通信を行う。本例の結合ユニット(24)はコンソール(18)と無線で結合しているが、一部の他の変形形態は、結合ユニット(24)とコンソール(18)との間を有線結合してもよい。結合ユニット(24)に組み込かれ得る種々の他の好適な特徴及び機能性は、本明細書の教示を考慮すれば、当業者に明らかであろう。
【0019】
本明細書に述べられる構成要素及び操作性を有することに加えて又はそれに代えて、IGSナビゲーションシステム(10)は、米国特許第8,702,626号、発明の名称「Guidewires for Performing Image Guided Procedures」(2014年4月22日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);米国特許第8,320,711号、発明の名称「Anatomical Modeling from a 3-D Image and a Surface Mapping」(2012年11月27日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);米国特許第8,190,389号、発明の名称「Adapter for Attaching Electromagnetic Image Guidance Components to a Medical Device」(2012年5月29日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);米国特許第8,123,722号、発明の名称「Devices,Systems and Methods for Treating Disorders of the Ear,Nose and Throat」(2012年2月28日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);及び米国特許第7,720,521号、発明の名称「Methods and Devices for Performing Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2010年5月18日発行)(開示内容は本明細書において参照により組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であってもよい。
【0020】
同様に、本明細書に述べられる構成要素及び操作性を有することに加えて又は代えて、IGSナビゲーションシステム(10)は、米国特許出願公開第2014/0364725号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2014年12月11日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);米国特許出願公開第2014/0200444号、発明の名称「Guidewires for Performing Image Guided Procedures」(2014年7月17日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);米国特許第9,198,736号、発明の名称「Adapter for Attaching Electromagnetic Image Guidance Components to a Medical Device」(2015年12月1日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);米国特許出願公開第2011/0060214号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2011年3月10日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);米国特許第9,167,961号、発明の名称「Methods and Apparatus for Treating Disorders of the Ear Nose and Throat」(2015年10月27日発行)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている);及び米国特許出願公開第2007/0208252号、発明の名称「Systems and Methods for Performing Image Guided Procedures within the Ear,Nose,Throat and Paranasal Sinuses」(2007年9月6日公開)(開示内容は参照により本明細書に組み込まれている)の教示の少なくとも一部に従って構成され、動作可能であってもよい。
【0021】
B.針装着式センサコイルを有する例示的なセンサ誘導式器具
図3図4Bは、IGSナビゲーションシステム(10)のセンサ誘導式器具(30)の更なる詳細を示す。器具(30)は、細長いカテーテルシャフト(34)と、カテーテルシャフト(34)の遠位端に結合されたカテーテル先端(36)と、を有するカテーテルアセンブリ(32)を含む。カテーテル先端(36)は、カテーテルシャフト(34)に解除可能に又は恒久的に結合されてもよく、カテーテル先端(36)の側面(42)を通ってカテーテルルーメン(40)に開口する針ポート(38)を含む。後述するように、他の構成では、針ポート(38)はカテーテル先端(36)の遠位端を通ってカテーテルルーメン(40)に開口されていてもよく、それにより、針ポート(38)はカテーテル先端(36)を通って延在する直線経路に沿ってカテーテルルーメン(40)と同軸上に配置される。
【0022】
針(44)は、カテーテルルーメン(40)内に摺動可能に配設され、細長い針シャフト(46)と、針シャフト(46)の遠位端に配置され、組織を貫通するように構成された鋭利な針先端(48)と、針先端(48)に開放遠位端を有する針ルーメン(50)と、を含む。以下により詳細に記載されるように、針(44)は、組織生検サンプルを針ルーメン(50)内に近位に吸引するように、並びに液体治療薬を針ルーメン(50)を通して遠位に組織まで送達するように構成されている。図4A及び図4Bに示されるように、針(44)は、カテーテルルーメン(40)内で近位及び遠位に並進するように構成されている。図4Aは、針先端(48)がカテーテルルーメン(40)内に収容される例示的な近位針位置を示す。図4Bは、針先端(48)が針ポート(38)を通って横方向に延在する例示的な遠位針位置を示す。
【0023】
図4A及び図4Bに最もよく示されるように、カテーテルルーメン(40)の遠位部分がカテーテル先端(36)を通って遠位方向に延在して、針ポート(38)に遠位に開口する針チャネル(52)を画定する。本例では、針チャネル(52)の近位部分は、一次軸(A1)に沿って直線的に延在する。針(44)が遠位に並進された時に、針(44)の突出遠位部分をポート軸(A2)に沿って方向付けるように、針チャネル(52)の遠位部分は、針ポート(38)に向かって湾曲した経路に沿って延在する。ポート軸(A2)は、適切な弧度で針チャネル(52)の湾曲した遠位部分を提供するように、任意の好適な程度だけ一次軸(A1)から角度オフセットされる。代替的な構成では、針チャネル(52)の遠位部分は、直線状の近位チャネル部分から直線的に延在するように再構成されてもよく、それによって、角度付きポート軸(A2)には沿わずに一次軸(A1)に沿って、針先端(48)をカテーテル先端(36)の遠位端を通ってその伸長位置に向かって方向付けるように再構成されてもよい。
【0024】
センサ誘導式器具(30)は、電磁センサコイル(54)の形態の追跡センサを更に含む。本例では、センサコイル(54)は、針(44)の遠位端部分の外側面上に配置され、針(44)の遠位端部分の外側面に巻き付き、それにより、センサコイル(54)の中心軸が針(44)の中心軸と整列される。センサコイル(54)の遠位端は、針先端(48)で終端するか、又は針先端(48)に直接隣接して終端する。センサコイル(54)は、針先端(48)が針ポート(38)を通って並進し、針(44)が貫通したカテーテル先端(36)又は組織に対する引っかかりや過度の摩擦を発生させることなく、組織(72)を貫通することを可能にする。
【0025】
センサコイル(54)は、例えばニチノールなどの任意の好適な導電性ワイヤ材料から形成される。本例では、針とセンサコイル(54)とが互いに直接接触することによって共に電気的に結合されるように、針(44)はまた、任意の好適な導電性材料で形成される。次いで、針(44)の近位部分は、結合ユニット(24)と電気的に結合される。他の例では、センサコイル(54)は、ツイストペアワイヤなどの導電性ワイヤ(図示せず)を介して結合ユニット(24)と電気的に結合されてもよい。図3に概略的に示されるように、センサコイル(54)は、通信経路(56)によってプロセッサ(16)と通信を行い、それによってプロセッサ(16)はセンサコイル(54)が発した電気信号を受信することが可能になる。本例では、通信経路(56)の遠位部分は、センサコイル(54)との直接的な電気的結合を介して針(44)によって提供される。あるいは、通信経路(56)の遠位部分は、上述のように、導電性ワイヤによって提供されてもよい。通信経路(56)の近位部分は、針(44)との電気的結合を介して結合ユニット(24)によって提供されてもよい。そのような構成では、結合ユニット(24)は、センサコイル(54)から受信した信号をプロセッサ(16)に伝達するように構成されている。他の構成では、センサコイル(54)又は針(44)は、例えばツイストペアワイヤなどの結合ユニット(24)を介するのではなく、プロセッサ(16)と直接電気的に結合されてもよい。
【0026】
使用時には、図4A及び図4Bに示されるように、カテーテルアセンブリ(32)が、針(44)が後退位置にある患者の解剖学的通路(70)に挿入される。解剖学的通路(70)は、例えば、副鼻腔、その小孔、又は肺や気管内の通路などの患者の身体の別の部分の解剖学的通路の形態であってもよい。本例では、解剖学的通路(70)は、組織壁(72)と、組織壁(72)内に埋まっている病変(74)とを有する副鼻腔の形態である。器具(30)は、病変(74)及び/又は病変(74)を取り囲む組織(72)に生検処置又は治療処置を行うために、副鼻腔(70)を通って病変(74)に向かって遠位に前進される。
【0027】
器具(30)が副鼻腔(70)を通って遠位に方向付けられると、センサコイル(54)は、磁場発生器(12)によって発生された電磁場に対して針(44)と共に動く。この相対的な動きは、センサコイル(54)内の電流(又は「信号」)の発生をもたらす。この電気信号は、通信経路(56)に沿って、針(44)を通って、又は別個の導電性ワイヤを通じて、プロセッサ(16)に近位に伝達される。プロセッサ(16)は、この信号を受信して、その特性を解析し、電磁場によって占有される3次元空間内におけるセンサコイル(54)の位置を判定する。具体的には、プロセッサ(16)は、センサコイル(54)によって放出されるが発した位置に関する信号からセンサコイル(54)の3次元位置座標を計算するためのアルゴリズムを実行する。センサコイル(54)は針先端(48)において針(44)に結合されているため、結果として生じる位置データは、患者内における針先端(48)の正確な位置を示す。次いで、プロセッサ(16)は、コンソール(18)を介してディスプレイスクリーン(22)と通信を行って、患者の頭部の画像に対して、又は患者の鼻腔内の隣接する解剖学的構造の3次元モデルに対して、針先端(48)の位置を表示する。このディスプレイは、外科医に、リアルタイムで患者内における実際の位置での針先端(48)の仮想的レンダリングを提供することによって、外科医が組織(72)及び病変(74)に対する針先端(48)の適切な位置決めを確実にすることが可能になる。
【0028】
上述したように、センサ誘導式器具(30)を副鼻腔(70)内に配備して、病変(74)の1つ以上の生検サンプルを収集すること、並びに/あるいは治療薬若しくは潅注流体などの液体物質を病変(74)及び/又は周囲組織(72)に送達することができる。上述のプロセッサ(16)及びディスプレイスクリーン(22)と組み合わせてセンサコイル(54)によって提供される位置追跡能力の支援によって、外科医は、副鼻腔(70)及び病変(74)に対する針先端(48)の正確な位置を追跡することができる。これにより、外科医は、針(44)が針ポート(38)を通って延ばされて、組織壁(72)を貫通し、それによって損傷部(74)にアクセスすることができるように、カテーテルアセンブリ(32)を適切に位置決めすることができる。センサコイル(54)は針先端(48)に対して完全に遠位に延在するため、外科医は、針先端(48)が組織(72)及び/又は病変(74)を貫通する深さを正確に監視することができる。この能力は、病変(74)が組織壁(72)の表面の下に配置される場合に特に有利であり得、これにより、針先端(48)は、病変(74)にアクセスするために、組織壁(72)を特定の深さだけ貫通しなければならない。
【0029】
針先端(48)を病変(74)と接触させて位置決めすると、外科医は、針ルーメン(50)に負圧(つまり、吸引)を印加することによって、病変(74)のサンプルを針ルーメン(50)内に吸引することができる。あるいは、外科医は、針ルーメン(50)に正圧を印加することによって、治療薬又は潅注流体などの針ルーメン(50)内に収容された液体物質を分配してもよい。当業者には容易に明らかとなる様々な機構を使用して吸引及び分配のために、圧力が針ルーメン(50)に印加されてもよい。
【0030】
図4A及び図4Bに示されるように、本例のカテーテル先端(36)は、カテーテル先端(36)の最遠位端に形成された遠位開口部(58)と、遠位開口部(58)と針チャネル(52)との間に一次軸(A1)に沿って延在する補助チャネル(60)とを更に含む。遠位開口部(58)は、図6に示すように、センサコイル(122)を収容するセンサ構造体(126)などの、二次追跡センサを受容するように構成されてもよい。二次追跡センサは、後述する第1の通信経路(134)と同様の通信経路によってプロセッサ(16)と通信を行うように配置されてもよい。二次追跡センサは、患者内におけるカテーテル先端(36)の位置に関する信号を提供するためにプロセッサ(16)と通信を行うことができ、一方、センサコイル(54)はプロセッサ(16)と通信を行って、患者内における針先端(48)の位置に関する信号を提供してもよい。センサコイル(54)及び二次追跡センサによって提供される信号は、例えば、針(44)がカテーテル先端(36)から延びている程度を正確に監視するために、オペレータがカテーテル先端(36)に対する針先端(48)の位置を追跡することを可能にし得る。
【0031】
C.例示的な代替の螺旋状凹部を有する針
図5は、センサ誘導式器具(30)と共に使用するように構成された別の例示的な針(80)を示す。針(80)は、針(80)が細長い針シャフト(82)と、針シャフト(82)の遠位端に配置され、組織を貫通するように構成された鋭利な針先端(84)と、針先端(84)に開放遠位端を有する針ルーメン(図示せず)と、を含むという点で上述した針(44)と類似している。針(80)は、針シャフト(82)の遠位端部分の外側面(88)に形成された凹部(86)を更に含む。本例では、凹部(86)は、凹部(86)がセンサコイル(54)を収容するように構成されるように螺旋形状で形成される。更に、凹部(86)は、センサコイル(54)を外側面(88)と概ね面一に着座させるのに十分な半径方向深さで形成され、それによって、使用中にカテーテルルーメン(40)の内壁及び/又は患者の解剖学的構造に接触するセンサコイル(54)によって生じる摩擦及び/又は引っかかりを最小限に抑える。加えて、螺旋状凹部(86)の遠位端は、針先端(84)に直接隣接してセンサコイル(54)の遠位端を位置決めするように、針先端(84)に直接隣接して位置決めされる。上述したように、針先端(84)に直接隣接してセンサコイル(54)を位置決めすることにより、患者の解剖学的構造に対する針先端(84)の位置の正確な追跡が可能になる。他の例では、凹部(86)は、様々な代替構成の追跡センサを収容するのに好適な様々な他の形状で形成されてもよいことが理解されるであろう。
【0032】
II.カテーテル先端上に第1及び第2のセンサコイルを有する例示的な代替のセンサガイド器具
図6は、IGSナビゲーションシステム(10)と共に使用するよう構成されている別の例示的なセンサ誘導式器具(100)を示す。センサ誘導式器具(100)は、細長いカテーテルシャフト(104)を有するカテーテルアセンブリ(102)と、カテーテルシャフト(104)の遠位端に結合されたカテーテル先端(106)とを器具(100)が含むという点で、上記のセンサ誘導式器具(100)と類似している。カテーテル先端(106)は、カテーテル先端(106)の側面(112)を通ってカテーテルルーメン(110)に開口する針ポート(108)を含む。器具(100)は、カテーテルルーメン(110)内に摺動可能に配設された針(114)を更に含む。針(114)は、細長い針シャフト(116)と、針シャフト(116)の遠位端に配置され、組織を貫通するように構成された鋭利な針先端(118)と、針先端(118)に開放遠位端を有する針ルーメン(図示せず)とを有する。カテーテルルーメン(110)の遠位部分は、カテーテル先端(106)を通って遠位に延在して、針ポート(108)に遠位に開口し、直線状の近位チャネル部分及び湾曲した遠位チャネル部分を有する針チャネル(120)を画定する。直線状の近位チャネル部分は、カテーテル先端(106)の一次軸(A1)に沿って延在し、湾曲した遠位チャネル部分は、針ポート(108)に向かって横方向に湾曲して針ポート(108)に開口し、針(114)を、一次軸(A1)から角度オフセットされたポート軸(A2)に沿って方向付けるように構成されている。
【0033】
センサ誘導式器具(100)は、第1のセンサコイル(122)及び第2のセンサコイル(124)の形態の第1の追跡センサ及び第2の追跡センサを更に含む。第1のセンサコイル(122)は、カテーテル先端(106)の遠位端に結合されたセンサ構造体(126)内に配置され、一次軸(A1)に沿ってカテーテル先端(106)から遠位に延在する。センサ構造体体(126)の近位端は、カテーテル先端(106)の遠位開口部(128)内に収容され、これは、一次軸(A1)に沿って針チャネル(120)の湾曲した遠位部分と連通する補助チャネル(130)に開口する。第2のセンサコイル(124)は、カテーテル先端(106)内に配置され、針ポート(108)に隣接する針チャネル(120)の湾曲した遠位部分を取り囲むことにより、第2のセンサコイル(124)は角度付きポート軸(A2)の周りに位置決められる。したがって、第1のセンサコイル(122)及び第2のセンサコイル(124)は、軸(A1、A2)が互いに同軸でも平行でもないように互いに対して角度をなすそれぞれの軸(A1、A2)の周りに位置決めされる。更に、第1のセンサコイル(122)及び第2のセンサコイル(124)は、センサコイル(122、124)のいずれの部分も重なり合わないように、互いに軸方向に離間している。この構成は、以下により詳細に記載されるように、カテーテル先端(106)が磁場発生器(12)によって発生される周囲の電磁場を通って動く際に、カテーテル先端(106)の患者の解剖学的構造に対する位置及び回転方向(カテーテルシャフト(104)の長手方向軸を中心とする)の正確な追跡を可能にする。第1のセンサコイル(122)及び第2のセンサコイル(124)は、上述した同じ位置追跡効果を達成するように、センサコイル(122、124)(i)が互いに対して角度をなすそれぞれの軸の周りに位置決めされ、(ii)重なり合わない様々な他の構成で配置されてもよいことを理解されるであろう。
【0034】
図6に概略的に示されるように、第1のセンサコイル(122)は、第1の通信経路(132)によってプロセッサ(16)と通信を行い、第2のセンサコイル(124)は、第2の通信経路(134)によってプロセッサ(16)と通信を行い、プロセッサ(16)は、センサコイル(124、126)が発した電気信号を通信経路(132、134)に沿って受信するように構成されている。各通信経路(132、134)の遠位部分は、それぞれのセンサコイル(122、124)に結合され、カテーテルアセンブリ(102)の対向する壁を通って近位に延在する電気リード線を備えてもよい。各通信経路(130、132)の近位部分は、電気リードに結合された結合ユニット(24)によって提供されてもよい。そのような構成では、結合ユニット(24)は、第1のセンサコイル(122)及び第2のセンサコイル(124)から受信した信号をプロセッサ(16)に伝達するように構成されている。他の構成では、第1のセンサコイル(122)及び第2のセンサコイル(124)は、結合ユニット(24)を介してではなく、プロセッサ(16)と直接電気的に結合されてもよい。更に、他の構成では、針(114)は、上述のセンサコイル(54)と同様の第3のセンサコイルを備えてもよく、第3のセンサコイルは、上述の通信経路(56)と同様の、針(114)と電気的に結合し、針(114)を通って近位方向に延在する第3の通信経路(図示せず)を介して、プロセッサ(16)と通信を行うことができる。
【0035】
上述したように、第1のセンサコイル(122)は、カテーテル先端(106)の最遠位端で一次軸(A1)の周りに配置され、第2のセンサコイル(124)は、針ポート(108)に直接隣接する位置で角度付きポート軸(A2)の周りに配置される。したがって、第1のセンサコイル(122)は、周囲の電磁場を通るカテーテル先端(106)の動きに応答して、患者の解剖学的構造に対するカテーテル先端(106)の最遠位端の位置に対応する電気信号を生成し、その電気信号を第1の通信経路(132)を介してプロセッサ(16)に通信するように構成されている。同時に、第2のセンサコイル(124)は、電気場を通るカテーテル先端(106)先端の動きに応答して、患者の解剖学的構造に対する針ポート(108)の位置に対応する電気信号、したがって、針ポート(108)まで延びた時の、針先端(118)の位置に対応する電気信号を生成し、その信号を第2の通信経路(134)を介してプロセッサ(16)に通信するように構成されている。
【0036】
図6に示すように、第2のセンサコイル(124)は、針ポート(108)に位置し、一次軸(A1)から半径方向にオフセットされているため、第2のセンサコイル(124)によって提供される信号により、プロセッサ(16)は、組織壁(72)などの隣接する患者の解剖学的構造に対する一次軸(A1)の周りのカテーテル先端(106)の回転方向を判定することが可能になる。針先端(118)が、一次軸(A1)から離れる方向に針ポート(108)に向かって少なくとも部分的に延びた時、隣接する患者の解剖学的構造に対する針先端(118)の回転方向は、患者の解剖学的構造に対するカテーテル先端(106)の回転方向と一致する。更に、第2のセンサコイル(124)によって提供される信号により、プロセッサ(16)は、ポート軸(A2)に沿った針ポート(108)と隣接する解剖学的構造との間の距離を判定することが可能になる。プロセッサ(16)は、この距離を、患者の解剖学的構造に対する針先端(118)の位置を、したがって、針先端(118)の組織貫通深さを判定するために、針(114)を延ばした既知の距離と組み合わせて参照することができ、それによって、オペレータに対応するフィードバックを提供してもよい。あるいは、針(114)は、針先端(118)の正確な位置及び組織貫通深さを追跡するために、上述のセンサコイル(54)と同様の、それ自体のセンサコイルを備えてもよい。
【0037】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の出願におけるどの時点でも提示され得る、いずれの特許請求の範囲の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解されたい。一切の棄権を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で配置及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形形態では、以下の実施例において言及される特定の特徴を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者ら又は本発明者らの利益の継承者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴以外の更なる特徴を含む特許請求の範囲が本出願において、又は本出願に関連する後の出願において示される場合、それらの更なる特徴は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0038】
手術器具であって、(a)患者の解剖学的通路に挿入されるように構成されたカテーテルであって、カテーテルルーメンを含む、カテーテルと、(b)ポートを有する遠位セグメントであって、ポートは、カテーテルルーメンと連通する、遠位セグメントと、(c)カテーテルルーメン内に摺動可能に配設された針であって、後退位置と伸長位置との間でカテーテルに対して並進可能であり、針遠位端は、針が伸長位置にある時、ポートを通って延在するように構成されている、針と、(d)針に結合された追跡センサであって、患者内における針遠位端の位置に対応する信号を生成するように構成されている、追跡センサと、を備える、手術器具。
【実施例2】
【0039】
追跡センサは、針遠位端に配置されている、実施例1に記載の手術器具。
【実施例3】
【0040】
追跡センサは電磁センサを備え、電磁センサは、電磁場を通る電磁センサの動きに応答して電気信号を生成するように構成されている、上記の実施例のいずれか1つに記載の手術器具。
【実施例4】
【0041】
電磁センサはコイルを備える、実施例3に記載の手術器具。
【実施例5】
【0042】
コイルは、針が後退位置と伸長位置との間で並進する間、針の縦軸と同軸整列状態を維持するコイル軸を画定する、実施例4に記載の手術器具。
【実施例6】
【0043】
追跡センサの遠位端は、針遠位端の遠位先端まで延在する、実施例1~5のうち1つ以上に記載の手術器具。
【実施例7】
【0044】
追跡センサは、針の外側面に設けられている、実施例1~6のうち1つ以上に記載の手術器具。
【実施例8】
【0045】
針遠位端は凹部を含み、追跡センサは凹部内に配置されている、実施例1~6のうち1つ以上に記載の手術器具。
【実施例9】
【0046】
凹部は螺旋状凹部を備え、追跡センサは螺旋状凹部内に配置されたセンサコイルを備える、実施例8に記載の手術器具。
【実施例10】
【0047】
遠位セグメントは、非線形通路に沿って遠位セグメントを通って延在する針チャネルを含み、ポートは、針チャネルを介してカテーテルルーメンと連通する、実施例1~9のうち1つ以上に記載の手術器具。
【実施例11】
【0048】
ポートは、遠位セグメントの側部に配置され、ポートは、遠位セグメントの縦軸から角度オフセットされているポート軸を画定する、実施例1~10のうち1つ以上に記載の手術器具。
【実施例12】
【0049】
針は針ルーメンを含み、針は、(i)針ルーメンへ組織サンプルを吸引すること、又は(ii)液体物質を組織に送達すること、のうちの少なくとも一方を行うことができる、実施例1~11のうち1つ以上に記載の手術器具。
【実施例13】
【0050】
手術システムであって、(a)実施例1~12のうち1つ以上に記載の手術器具であって、追跡センサが、患者内における針遠位端の動きに応答して信号を生成するように構成されている、手術器具と、(b)プロセッサであって、信号を受信し、信号に基づいて患者内における針遠位端の位置を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、手術システム。
【実施例14】
【0051】
カテーテルが挿入されている解剖学的通路を含む患者の部位の周りに電磁場を発生させるように構成された、少なくとも1つの場発生要素を更に備える、実施例13に記載の手術システム。
【実施例15】
【0052】
追跡センサはコイルを備え、コイルは、電磁場を通るコイルの動きに応答して電気信号を生成するように構成されている、実施例14に記載の手術システム。
【実施例16】
【0053】
手術器具であって、(a)患者の解剖学的通路に挿入されるように構成されたカテーテルであって、カテーテルルーメンを含む、カテーテルと、(b)ポートを有する遠位セグメントであって、ポートは、カテーテルルーメンと連通する、遠位セグメントと、(c)カテーテルルーメン内に摺動可能に配設された針であって、後退位置と伸長位置との間でカテーテルに対して並進可能であり、針遠位端は、針が伸長位置にある時、ポートを通って延在して組織を貫通するように構成されている、針と、(d)少なくとも1つの追跡センサであって、(i)針遠位端が組織を貫通する組織深さ、又は(ii)組織に対する遠位セグメントの回転方向、のうちの少なくとも一方を判定するためのプロセッサと通信を行うように構成されている、少なくとも1つの追跡センサと、を備える、手術器具。
【実施例17】
【0054】
少なくとも1つの追跡センサは、針に結合された追跡センサを備える、実施例16に記載の手術器具。
【実施例18】
【0055】
少なくとも1つの追跡センサは、遠位セグメントに結合された複数の追跡センサを備える、実施例16~17のうち1つ以上に記載の手術器具。
【実施例19】
【0056】
手術器具であって、(a)患者の解剖学的通路に挿入されるように構成されたカテーテルであって、カテーテルルーメンを含む、カテーテルと、(b)第1軸に沿って縦方向に延在する遠位セグメントであって、カテーテルルーメンと連通するポートを含む、遠位セグメントと、(c)カテーテルルーメン内に摺動可能に配設された針であって、後退位置と伸長位置との間でカテーテルに対して並進可能であり、針遠位端は、針が伸長位置にある時、ポートを通って組織に向かって延在するように構成されている、針と、(d)追跡センサであって、電磁場を通る追跡センサの動きに応答して信号を生成するように構成され、針が伸長位置にある時、第2軸に沿って延在するように構成され、第2軸は第1軸から角度オフセットされている、追跡センサと、を備える、手術器具。
【実施例20】
【0057】
追跡センサは電磁センサを備える、実施例19に記載の手術器具。
【0058】
IV.その他
本明細書に記載の実施例のうちのいずれも、上記のものに加えて又はそれに代えて、様々な他の特徴を含み得る点を理解されたい。単に一例として、本明細書に記載の実施例のうちのいずれも、参照により本明細書に組み込まれる様々な参考文献のいずれかに開示されている様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上を含むこともできる。
【0059】
本明細書に記載の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現要素、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができる点が理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示を考慮することで、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような改変及び変形形態は、「特許請求の範囲」の範囲内に含まれるものとする。
【0060】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるいかなる特許、公報、又は他の開示内容も、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載される他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載された開示内容は、参考により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。現行の定義、見解、又は本明細書に記載されたその他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は本明細書に参考として組み込まれるものとするが、参照内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、参照されるものとする。
【0061】
本明細書に開示されるデバイスの変形形態は、1回の使用後に処分されるように設計するか又は複数回使用されるように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。具体的には、デバイスの変形形態は分解されてもよく、また、デバイスの任意の数の特定の部分又は部品を任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外すことができる。特定の部品を洗浄及び/又は交換した後、デバイスの変形形態は、再調整用の施設において、又は外科処置の直前に外科チームのいずれかによって、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。こうした技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0062】
単に一例として、本明細書に記載の変形形態は手術に先立って処理することができる。まず、新品又は使用済みの器具を入手し、必要に応じて洗浄することができる。次いで、器具を滅菌してよい。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなどの、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次いで、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管してよい。密封容器は、手術設備で開封されるまで器具を滅菌状態に保つことができる。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて、デバイスを滅菌してもよい。
【0063】
本発明の様々な変形形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる応用が、当業者による適切な改変形態により、本発明の範囲から逸脱することなく実現可能である。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかとなるであろう。例えば、上述の実施例、変形形態、幾何学形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須ではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示され、説明された構造及び動作の細部に限定されないものとして、理解されたい。
【0064】
〔実施の態様〕
(1) 手術器具であって、
(a)患者の解剖学的通路に挿入されるように構成されたカテーテルであって、カテーテルルーメンを含む、カテーテルと、
(b)ポートを有する遠位セグメントであって、前記ポートは、前記カテーテルルーメンと連通する、遠位セグメントと、
(c)前記カテーテルルーメン内に摺動可能に配設された針であって、後退位置と伸長位置との間で前記カテーテルに対して並進可能であり、針遠位端は、前記針が前記伸長位置にある時、前記ポートを通って延在するように構成されている、針と、
(d)前記針に結合された追跡センサであって、前記患者内における前記針遠位端の位置に対応する信号を生成するように構成されている、追跡センサと、を備える、手術器具。
(2) 前記追跡センサは、前記針遠位端に配置されている、実施態様1に記載の手術器具。
(3) 前記追跡センサは電磁センサを備え、前記電磁センサは、電磁場を通る前記電磁センサの動きに応答して電気信号を生成するように構成されている、実施態様1に記載の手術器具。
(4) 前記電磁センサはコイルを備える、実施態様3に記載の手術器具。
(5) 前記コイルは、前記針が前記後退位置と前記伸長位置との間で並進する間、前記針の縦軸と同軸整列状態を維持するコイル軸を画定する、実施態様4に記載の手術器具。
【0065】
(6) 前記追跡センサの遠位端は、前記針遠位端の遠位先端まで延在する、実施態様1に記載の手術器具。
(7) 前記追跡センサは、前記針の外側面に設けられている、実施態様1に記載の手術器具。
(8) 前記針遠位端は凹部を含み、前記追跡センサは前記凹部内に配置されている、実施態様1に記載の手術器具。
(9) 前記凹部は螺旋状凹部を備え、前記追跡センサは前記螺旋状凹部内に配置されたセンサコイルを備える、実施態様8に記載の手術器具。
(10) 前記遠位セグメントは、非線形通路に沿って前記遠位セグメントを通って延在する針チャネルを含み、前記ポートは、前記針チャネルを介して前記カテーテルルーメンと連通する、実施態様1に記載の手術器具。
【0066】
(11) 前記ポートは、前記遠位セグメントの側部に配置され、前記ポートは、前記遠位セグメントの縦軸から角度オフセットされているポート軸を画定する、実施態様1に記載の手術器具。
(12) 前記針は針ルーメンを含み、前記針は、
(i)前記針ルーメンへ組織サンプルを吸引すること、又は
(ii)液体物質を組織に送達すること、
のうちの少なくとも一方を行うことができる、実施態様1に記載の手術器具。
(13) 手術システムであって、
(a)実施態様1に記載の手術器具であって、前記追跡センサが、前記患者内における前記針遠位端の動きに応答して信号を生成するように構成されている、手術器具と、
(b)プロセッサであって、前記信号を受信し、前記信号に基づいて前記患者内における前記針遠位端の位置を判定するように構成されている、プロセッサと、を備える、手術システム。
(14) 前記カテーテルが挿入されている前記解剖学的通路を含む前記患者の部位の周りに電磁場を発生させるように構成された、少なくとも1つの場発生要素を更に備える、実施態様13に記載の手術システム。
(15) 前記追跡センサはコイルを備え、前記コイルは、前記電磁場を通る前記コイルの動きに応答して電気信号を生成するように構成されている、実施態様14に記載の手術システム。
【0067】
(16) 手術器具であって、
(a)患者の解剖学的通路に挿入されるように構成されたカテーテルであって、カテーテルルーメンを含む、カテーテルと、
(b)ポートを有する遠位セグメントであって、前記ポートは、前記カテーテルルーメンと連通する、遠位セグメントと、
(c)前記カテーテルルーメン内に摺動可能に配設された針であって、後退位置と伸長位置との間で前記カテーテルに対して並進可能であり、針遠位端は、前記針が前記伸長位置にある時、前記ポートを通って延在して組織を貫通するように構成されている、針と、
(d)少なくとも1つの追跡センサであって、
(i)前記針遠位端が前記組織を貫通する組織深さ、又は
(ii)前記組織に対する前記遠位セグメントの回転方向、のうちの少なくとも一方を判定するためのプロセッサと通信を行うように構成されている、少なくとも1つの追跡センサと、を備える、手術器具。
(17) 前記少なくとも1つの追跡センサは、前記針に結合された追跡センサを備える、実施態様16に記載の手術器具。
(18) 前記少なくとも1つの追跡センサは、前記遠位セグメントに結合された複数の追跡センサを備える、実施態様16に記載の手術器具。
(19) 手術器具であって、
(a)患者の解剖学的通路に挿入されるように構成されたカテーテルであって、カテーテルルーメンを含む、カテーテルと、
(b)第1軸に沿って縦方向に延在する遠位セグメントであって、前記カテーテルルーメンと連通するポートを含む、遠位セグメントと、
(c)前記カテーテルルーメン内に摺動可能に配設された針であって、後退位置と伸長位置との間で前記カテーテルに対して並進可能であり、針遠位端は、前記針が前記伸長位置にある時、前記ポートを通って組織に向かって延在するように構成されている、針と、
(d)追跡センサであって、電磁場を通る前記追跡センサの動きに応答して信号を生成するように構成され、前記針が前記伸長位置にある時、第2軸に沿って延在するように構成され、前記第2軸は前記第1軸から角度オフセットされている、追跡センサと、を備える、手術器具。
(20) 前記追跡センサは電磁センサを備える、実施態様19に記載の手術器具。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6