(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】デバイスのモビリティを改善し、新しい無線(NR)内のネットワークトラフィックオーバーヘッドを低減するための階層ビームフォーミング構造及びビーム指示の送信
(51)【国際特許分類】
H04B 7/08 20060101AFI20221212BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20221212BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20221212BHJP
【FI】
H04B7/08 804
H04W16/28
H04W72/04 136
(21)【出願番号】P 2020543142
(86)(22)【出願日】2019-02-13
(86)【国際出願番号】 US2019017840
(87)【国際公開番号】W WO2019160947
(87)【国際公開日】2019-08-22
【審査請求日】2020-08-12
(32)【優先日】2018-02-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100210239
【氏名又は名称】富永 真太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】スン ハイトン
(72)【発明者】
【氏名】ゼン ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】キム ユチュル
(72)【発明者】
【氏名】ジャン ダウェイ
(72)【発明者】
【氏名】アルマルフォウ サミ エム
(72)【発明者】
【氏名】セベニ ジョンソン オー
【審査官】原田 聖子
(56)【参考文献】
【文献】CMCC,Considerations on beam reporting and beam indication[online],3GPP TSG RAN WG1 #90b R1-1717880,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90b/Docs/R1-1717880.zip>,2017年09月30日
【文献】Ericsson,On beam indication, measurement, and reporting[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1709 R1-1716350,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1709/Docs/R1-1716350.zip>,2017年09月12日
【文献】Ericsson,On PDCCH for Ultra-Reliable Transmission[online],3GPP TSG RAN WG1 adhoc_NR_AH_1801 R1-1800961,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_AH/NR_AH_1801/Docs/R1-1800961.zip>,2018年01月13日
【文献】MediaTek Inc.,Beam Indication with Low Overhead Consideration[online],3GPP TSG RAN WG1 #90 R1-1714562,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_90/Docs/R1-1714562.zip>,2017年08月17日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/08
H04W 16/28
H04W 72/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報を記憶する記憶要素と、
前記情報の少なくとも一部分を使用して、デバイスに、
無線通信を介して、
階層ビームフォーミング構造に関連付けられた複数の異なる対応するチャネルをモニタリングするための
複数のビーム指示を提供する
、前記階層ビームフォーミング構造に従って配置されたビームフォーミング情報を含むダウンリンク制御情報(DCI)を受信させ、
それぞれの対応する受信ビームフォーミング構成を用いて、前記複数の異なる対応するチャネルをモニタリングさせることであって、それぞれの対応するビームフォーミング構成に対するビームフォーミングは、少なくとも前記受信された
複数のビーム指示
の対応するビーム指示に基づいて実行される、前記複数の異なる対応するチャネルをモニタリングさせるように構成された処理要素と、
を備える装置。
【請求項2】
前記DCIは、送信構成指示(TCI)状態フィールドを含み、前記
複数のビーム指示は、前記TCI状態フィールドに提供される、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記
複数のビーム指示は、前記無線通信が行われるセルのビーム分解能に対応する指定されたビット数に従う、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記処理要素は、前記デバイスに、基地局から前記DCIを受信させるように更に構成されている、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記
複数のビーム指示が、前のDCIにおける前記デバイスが受信した前の
複数のビーム指示と比較して変化したビーム指示を含むとき、
前記DCIのアグリゲーションレベルは、前記前のDCIのアグリゲーションレベルよりも高い、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記
複数のビーム指示が、前のDCIにおける前記デバイスが受信した前の
複数のビーム指示と比較して変化したビーム指示を含むとき、
前記DCIの送信は、偽巡回冗長検査パスの可能性を低減するために指定されたアグリゲーションレベルに制限される、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記
複数のビーム指示は、物理制御チャネルの次のインスタンスをモニタリングするための少なくとも1つのビーム指示を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記物理制御チャネルは、
物理ダウンリンク制御チャネル又は
グループ共通物理ダウンリンク制御チャネルのうちの1つ以上を含む、請求項7に記載の装置。
【請求項9】
デバイスの無線通信を促進するように構成された無線機回路と、
前記無線機回路に通信可能に結合された処理要素であって、前記デバイスに、
無線通信を介して、
階層ビームフォーミング構造に関連付けられた複数の異なる対応するチャネルをモニタリングするための
複数のビーム指示を提供する
、前記階層ビームフォーミング構造に従って配置されたビームフォーミング情報を含むダウンリンク制御情報(DCI)を受信させ、
それぞれの対応する受信ビームフォーミング構成を用いて、前記複数の異なる対応するチャネルをモニタリングさせることであって、それぞれの対応するビームフォーミング構成に対するビームフォーミングは、少なくとも前記受信された
複数のビーム指示
の対応するビーム指示に基づいて実行される、前記複数の異なる対応するチャネルをモニタリングさせるように構成された処理要素と、
を備えるデバイス。
【請求項10】
前記DCIは、送信構成指示(TCI)状態フィールドを含み、前記ビーム指示は前記TCI状態フィールドに含まれる、請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記
複数のビーム指示は、前記無線通信が行われるセルのビーム分解能に対応する指定されたビット数に従う、請求項9に記載のデバイス。
【請求項12】
前記複数の異なる対応するチャネルは、
物理ダウンリンク制御チャネルの次のインスタンス又は
グループ共通物理ダウンリンク制御チャネルの次のインスタンスのうちの1つ以上を含む、請求項9に記載のデバイス。
【請求項13】
前記
複数のビーム指示が、前のDCIにおける前記デバイスが受信した前の
複数のビーム指示と比較して変化したビーム指示を含むとき、
前記DCIのアグリゲーションレベルは、前記前のDCIのアグリゲーションレベルよりも高い、請求項9に記載のデバイス。
【請求項14】
前記
複数のビーム指示が、前のDCIにおける前記デバイスが受信した前の
複数のビーム指示と比較して変化したビーム指示を含むとき、
前記DCIの送信は、偽巡回冗長検査パスの可能性を低減するために指定されたアグリゲーションレベルに制限される、請求項9に記載のデバイス。
【請求項15】
デバイスに、
無線通信を介して、
階層ビームフォーミング構造に関連付けられた複数の異なる対応するチャネルをモニタリングするための
複数のビーム指示を提供する
、前記階層ビームフォーミング構造に従って配置されたビームフォーミング情報を含むダウンリンク制御情報(DCI)を受信させ、
それぞれの対応する受信ビームフォーミング構成を用いて、前記複数の異なる対応するチャネルをモニタリングさせることであって、それぞれの対応するビームフォーミング構成に対するビームフォーミングは、少なくとも前記受信された
複数のビーム指示
の対応するビーム指示に基づいて実行される、前記複数の異なる対応するチャネルをモニタリングさせる、処理要素によって実行可能な命令を記憶する非一時的記憶要素。
【請求項16】
前記DCIは、送信構成指示(TCI)状態フィールドを含み、前記
複数のビーム指示は、前記無線通信が行われるセルのビーム分解能に対応する指定されたビット数に従って前記TCI状態フィールドに提供される、請求項15に記載の非一時的記憶要素。
【請求項17】
前記複数の異なる対応するチャネルは、
物理ダウンリンク制御チャネルの次のインスタンス又は
グループ共通物理ダウンリンク制御チャネルの次のインスタンスのうちの1つ以上を含む、請求項15に記載の非一時的記憶要素。
【請求項18】
前記
複数のビーム指示が、前のDCIにおける前記デバイスが受信した前の
複数のビーム指示と比較して変化したビーム指示を含むとき、
前記DCIのアグリゲーションレベルは、前記前のDCIのアグリゲーションレベルよりも高い、請求項15に記載の非一時的記憶要素。
【請求項19】
前記
複数のビーム指示が、前のDCIにおける前記デバイスが受信した前の
複数のビーム指示と比較して変化したビーム指示を含むとき、
前記DCIの送信は、偽巡回冗長検査パスの可能性を低減するために指定されたアグリゲーションレベルに制限される、請求項15に記載の非一時的記憶要素。
【請求項20】
前記ビーム指示は、前記階層ビームフォーミング構造に従って、ビーム分解能は、低次チャネルの方が高次チャネルよりも高い、請求項15に記載の非一時的記憶要
素。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は無線通信に関し、より具体的には、無線通信例えば3GPPの新しい無線(NR)通信における階層ビームフォーミング構造に関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムの使用が急速に増大している。近年、スマートフォンやタブレットコンピュータなどの無線デバイスは益々高性能化されてきている。現在、多くのモバイルデバイス(すなわち、ユーザ機器デバイス、又はUE)は、電話をサポートするだけでなく、インターネット、電子メール、テキストメッセージング、及び全地球測位システム(GPS)を用いたナビゲーションへのアクセスを提供し、これらの機能を利用する高性能化されたアプリケーションを動作させることが可能である。加えて、数多くの異なる無線通信技術及び規格が存在する。無線通信規格のいくつかの例としては、GSM、UMTS(WCDMA、TDS-CDMA)、LTE、LTE Advanced(LTE-A)、HSPA、3GPP2 CDMA2000(例えば、1xRTT、1xEV-DO、HRPD、eHRPD)、IEEE 802.11(WLAN又はWi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、BLUETOOTH(登録商標)などが挙げられる。現在の国際移動体通信アドバンスト(IMT-ADVANCED)規格を越えて移動する提案された次世代の電気通信規格は、第5世代のモバイルネットワーク又は第5世代の無線システムと呼ばれ、3GPP NRと称される(別名5G新しい無線のための5G NRとして知られ、単にNRとも称される)。NRは、より密度の高いモバイルブロードバンドユーザのためのより高い容量を提案し、また、現在のLTE規格より、超高信頼性で大量のデバイス間マシン通信、並びに低レイテンシ及び低バッテリ消費をサポートする。
【0003】
無線通信デバイスに導入される特徴及び機能が絶えず増加すると、無線通信と無線通信デバイスの両方を改善する継続的な必要性が生じる。特に、ユーザ機器(UE)デバイスを介した、例えば無線セルラー通信で使用されるセルラー電話、基地局、及び中継局などの無線デバイスを介した送信信号及び受信信号の精度を保証することが重要である。多くの事例では、最新の無線通信ネットワークは、MIMO(multiple-in-multiple-out)技術を使用して、高いデータレートを達成する。1つのMIMO技法はビームフォーミングであり、これは特定の領域の標的となる照射を可能にし、セルラーカバレッジの縁端でのユーザへの送信を改善することが可能になる。WLAN及びWiMAX(登録商標)、LTE及びNRなどの多くの無線通信規格は、それらの多くの特徴の間にビームフォーミングを組み込む。ビームフォーミングは、LTE及びNRにおける時分割複信(TDD)モードに特に重要である。
【0004】
送信ビームフォーミングは、複数のアンテナを使用して、個々のアンテナ信号の大きさ及び位相を適切に重み付けすることによって波(前部)の方向を制御する。これにより、セル端に沿った特定の領域に対するより良好なカバレッジを提供することが可能となり、アレイ内の全てのアンテナが、ステアリングされた信号に寄与し、それによって、ビームフォーミングゲインとも呼ばれるアレイゲインを達成する。受信ビームフォーミングは、波(前部)が到来する方向を決定し、干渉信号の方向にビームパターンヌルを適用することによって、選択された干渉信号を抑制することができる。適応型ビームフォーミングは、通常迅速な信号処理及び強力なアルゴリズムを必要とする移動受信機にビームフォーミングを継続的に適用するための技法である。
【0005】
アナログ/デジタルハイブリッドビームフォーミングは、より小型のアンテナ要素サイズによって有効化され、したがって、少なくともNRの無線通信において顕著に機能する。ビーム管理は、特にミリメートル波(ミリ波)システムに関して、信頼性のある通信のための伝搬損失に対処するために重要である。ビーム管理の一部は、無線通信デバイス間、例えば、ユーザ機器デバイス(UE)とセルラー基地局との間のビームフォーミング情報(例えば、ビーム指示)の通信を伴う。様々な現在のビームフォーミング構造及びビーム指示(ビームフォーミング情報)を通信する方法は、様々な条件下で信頼性があることが証明されているが、ビームフォーミング構造がどのように定義されているか、また急速に変化する環境において頻繁なデータ送信を実行するデバイスに対してビーム指示情報がどう送信/受信されるかについて改善する余地がある。
【0006】
従来技術に関連するその他の対応する問題は、本明細書に記載されるとおりに開示された実施形態と比較した後に、当業者には明らかとなるであろう。
【発明の概要】
【0007】
本明細書では、とりわけ、無線通信デバイス(UE)のモビリティを改善し、無線通信中、例えば3GPPの新しい無線(NR)通信中のネットワークトラフィックオーバーヘッドを低減する、ビーム指示(又はビーム/QCL(準コロケーション)指示)の送信を実行する方法及び階層ビームフォーミング構造の実施形態が提示される。本明細書では、無線通信システム内で互いに通信する、ユーザ機器(UE)デバイス及び/又は基地局を含む無線通信システムのための実施形態が更に提示される。いくつかの実施形態では、現在の物理データチャネル及び次の物理制御チャネル、例えば、現在の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)及び次の物理データ制御チャネル(PDCCH)に関するビーム指示(又はビーム指示情報又はビームフォーミング情報)は、制御情報として、例えばダウンリンク制御情報(DCI)要素で送信/搬送されてもよい。DCIにおけるビーム/QCL指示(情報)は、基地局が使用する送信(TX)ビームフォーミングの指示を提供することができる。ビーム指示(ビーム/QCL指示)を受信すると、UEは、現在のデータチャネル及び次の制御チャネル(情報)を受信するためにどの受信ビームフォーミング構成を採用するかを決定することができる。換言すれば、UEは、少なくとも受信したビーム(ビーム/QCL)指示に基づいて実行されたビームフォーミングに従って、現在のデータ及び/又は次の制御チャネルを受信することができる。
【0008】
上記に準じて、いくつかの実施形態では、DCIは、現在の物理データチャネルだけでなく、例えば、GC-PDCCH及び/又はPDCCHのような次の物理制御チャネルについても、ビーム/QCL指示を搬送/送信するために拡張されてもよい。(本明細書で使用するとき、「GC-PDCCH及び/又はPDCCH」は単に「GC-PDCCH/PDCCH」とも称され、また「ビーム指示及び/又はQCL指示」は単に「ビーム指示」又は「ビーム/QCL指示」とも称される)。したがって、ダウンリンク(DL)許可用の次のGC-PDCCH/PDCCH制御リソースセット(CORESET)モニタリングのためのDCIにおいて、ビーム/QCL指示を有効にすることができる。更に、デバイスのモビリティは、より高いエラー耐性設計技法によりGC-PDCCH/PDCCHビーム/QCL指示のための自由度を増大させ、レイテンシを低減することによって改善され得る。例えば、GC-PDCCH/PDCCHビーム指示(又は、ビーム/QCL指示)が変化した(又はDCIがそのことを示す)DCIのアグリゲーションレベルは増加してもよく、GC-PDCCH/PDCCHビーム/QCL指示が変化した(又はDCIがそのことを示す)DCIの送信は、指定されたアグリゲーションレベルに限定されてもよく、また、不連続送信(DTX)が肯定応答(ACK)又は否定応答(NACK)の代わりに基地局(例えば、gNB)によって受信される場合、基地局は、古いビーム/QCL指示と新しいビーム/QCL指示の両方を送信してもよい。更に、階層ビームフォーミング構造は、ビーム指示送信のためのネットワークトラフィックオーバーヘッドを低減し、かつDL通信中の基地局(例えば、gNB)とUEとの間のビームトラッキングを容易にするために実装されてもよい。階層ビームフォーミングを使用することによって、効率的な送信構成指示(TCI)を可能にしながら、送信/受信(TX/RX)ビームトラッキング/アップデートの労力のためのオーバーヘッドを低減することができる。
【0009】
したがって、いくつかの実施形態では、デバイスは、基地局、例えば、gNBから、無線通信を介して、物理制御チャネルの次のインスタンスをモニタリングするために制御リソースセットのビーム指示を搬送するビームフォーミング情報を含むDCIを受信することができ、また、受信したビーム指示に基づいた受信ビームフォーミング構成を用いて、物理制御チャネルの次のインスタンスをモニタリングすることができる。DCIは、送信構成指示(TCI)状態フィールドを含むことができ、ビーム指示は、このTCI状態フィールドに提供される。ビーム指示は、無線通信が行なわれるセルのビーム分解能に対応する指定されたビット数に従うことができる。物理制御チャネルは、物理ダウンリンク制御チャネル及び/又はグループ共通物理ダウンリンク制御チャネルであってもよい。ビーム指示が、前のDCIにおけるデバイスが受信した前のビーム指示からの変化を表す場合、このDCIのアグリゲーションレベルは、前のDCIのアグリゲーションレベルよりも高く設定されてもよく、DCIの送信は、偽巡回冗長検査パスの可能性を低減する特定のアグリゲーションレベルに制限されてもよい。いくつかの実施形態では、ビーム指示は、階層ビームフォーミング構造を表す情報を含む。
【0010】
いくつかの実施形態では、基地局(例えば、gNB)は、階層ビームフォーミング構造を表すビーム指示を含む、DCI搬送ビームフォーミング情報を、デバイスに無線送信することができる。ビーム指示は、受信ビームスイープ/アップデート中に、複数の異なるチャネルのより高次のチャネルに対応するビームを、複数の異なるチャネルの低次チャネルに対応する受信ビームから導出するデバイスによって使用されてもよい。複数の異なるチャネルのそれぞれのチャネルに関して、チャネルに対応するそれぞれのビームは、階層ビームフォーミング構造の対応する階層レベルを占有し得る。いくつかの実施形態では、基地局におけるビーム分解能は、高次から低次チャネルへの順序で編成された複数の異なるチャネルに対して単調に増加し、ビーム分解能はチャネル順序が減るにつれて単調に増加し得る。いくつかの実施形態では、複数の異なるチャネルの第1のチャネルに対応する少なくとも2つのビームは、同じ対応する子ビームを有してもよく、子ビームは、複数の異なるチャネルの第2のチャネルに対応し、この2つのビームよりも階層ビームフォーミング構造の低次の階層レベルを占有する。DCIは、TCI状態フィールドを含むことができ、ビーム指示はTCI状態フィールドに提供され、TCI状態フィールドで使用されるビット数は、物理データチャネルにサポートされるビーム数に対応する。
【0011】
本明細書に記載された技法は、基地局、アクセスポイント、セルラー電話、ポータブルメディアプレーヤ、タブレットコンピュータ、ウェアラブルデバイス、及び様々な他のコンピューティングデバイスを含むがこれらに限られない、複数の異なるタイプのデバイス内に実施され、並びに/又はそれらデバイスと共に用いられてもよいことに留意されたい。
【0012】
この発明の概要は、この書類において説明される主題のいくつかの簡易的な概要を提供することを意図している。従って、上記説明された特徴は、例に過ぎず、いずれかの方式において本明細書で説明される主題の範囲及び趣旨を狭めると解釈されるべきでないことを理解されよう。本明細書で説明される主題の他の特徴、態様、及び利点は、以下の詳細な説明、図面、及び特許請求の範囲から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】いくつかの実施形態に係る、例示的な(かつ簡略化された)無線通信システムを示す。
【
図2】いくつかの実施形態に係る、例示的な無線ユーザ機器(UE)デバイスと通信する例示的な基地局を示す。
【
図3】いくつかの実施形態に係る、例示的なUEのブロック図を示す。
【
図4】いくつかの実施形態に係る、例示的な基地局のブロック図を示す。
【
図5】いくつかの実施形態に係る、セルラー通信回路を説明する簡易ブロック図を例示する。
【
図6】先行技術に係る、例示的なビームフォーミングハードウェア構成を示す。
【
図7】DCI(ダウンリンク制御情報)におけるTCI(送信構成情報)状態フィールドによるビーム/QCL(準コロケーション)指示の構成を説明する例示的な図を示す。
【
図8】現在の取り決め、及びいくつかの実施形態に従って構成された提案された取り決めに係るビーム/QCL指示の送信を説明する例示的なタイミング図を示す。
【
図9】いくつかの実施形態に係る、増強したエラー耐性のための追加の特徴を用いて実装された、ビーム/QCL指示の送信を説明する例示的なタイミング図を示す。
【
図10】いくつかの実施形態に係る、階層ビームフォーミング構造の指示に適応するように拡張されたTCIフィールドを有する例示的なDCI構成を示す。
【
図11】いくつかの実施形態に係る、5ビットのTCIを有する階層ビームフォーミング構造を説明する例示的な図を示す。
【
図12】いくつかの実施形態に係る、5ビットのTCI及び準コロケーションSSB(同期信号ブロック)及びGC-PDCCHチャネルを有する階層ビームフォーミング構造を説明する例示的な図を示す。
【
図13】いくつかの実施形態に係る、5ビットのTCI、準コロケーションSSB、及びGC-PDCCHチャネル、並びに重複ビームを有する階層ビームフォーミング構造を説明する例示的な図を示す。
【0014】
本明細書で説明される特徴は、様々な修正形態及び代替形態を許容するが、その特定の実施形態を図面において例として示し、ここで詳細に説明する。しかし、図面及びそれらに対する詳細な説明は、開示されている特定の形態に限定することを意図するものではなく、逆に、その意図は、添付の「特許請求の範囲」によって定義されるような本主題の趣旨及び範囲内に収まる、全ての修正、均等物、及び代替物を包含することである点を理解されたい。
【発明を実施するための形態】
【0015】
略称
様々な略称が本出願を通して使用される。本出願を通じて出現し得る最も顕著に使用される頭字語の定義を以下に示す。
APR:アプリケーションプロセッサ
BS:基地局
BSR:バッファサイズレポート
CMR:チェンジモードリクエスト
CRC:巡回冗長検査
DCI:ダウンリンク制御情報
DL:(BSからUEへの)ダウンリンク
DYN:動的
FDD:周波数分割複信
FT:フレームタイプ
GC-PDCCH:グループ共通物理ダウンリンク制御チャネル
GPRS:汎用パケット無線サービス
GSM:移動体通信グローバルシステム
GTP:GPRSトンネリングプロトコル
IR:初期化及びリフレッシュ状態
LAN:ローカルエリアネットワーク
LTE:ロングタームエボリューション
MAC:媒体アクセス制御
MAC-CE:MAC制御要素
MIB:マスター情報ブロック
MIMO:Multiple-In Multiple-Out
OSI:開放システムの相互接続
PBCH:物理ブロードキャストチャネル
PDCCH:物理ダウンリンク制御チャネル
PDCP:パケットデータ収束プロトコル
PDN:パケットデータネットワーク
PDSCH:物理ダウンリンク共有チャネル
PDU:プロトコルデータユニット
QCL:準コロケーション
RACH:ランダムアクセス手順
RAT:無線アクセス技術
RF:無線周波数
RMSI:残存最小システム情報
ROHC:ロバストヘッダ圧縮
RRC:無線リソース制御
RTP:リアルタイムトランスポートプロトコル
RX:受信/受信する
SID:システム識別番号
SGW:サービングゲートウェイ
SSB:同期信号ブロック
TBS:トランスポートブロックサイズ
TCI:送信構成指示
TDD:時分割複信
TX:送信/送信する
UE:ユーザ機器
UL:(UEからBSへの)アップリンク
UMTS:ユニバーサル移動体通信システム
Wi-Fi:米国電気電子学会(IEEE)802.11規格に基づく、無線ローカルエリアネットワーク(WLAN)のRAT
WLAN:無線LAN
用語
以下は本明細書で出現し得る用語集である。
【0016】
記憶媒体-様々な種類の非一時的メモリデバイス又は記憶デバイスのうちの任意のもの。用語「記憶媒体」は、インストール媒体、例えば、CD-ROM、フロッピーディスク又はテープデバイス、DRAM、DDR RAM、SRAM、EDO RAM、Rambus RAMなどの、コンピュータシステムメモリ又はランダムアクセスメモリ、フラッシュ、磁気媒体、例えばハードドライブ、又は光記憶装置などの、不揮発性メモリ、レジスタ、又は他の同様のタイプの記憶要素などを含むことが意図されている。この記憶媒体は、他のタイプのメモリ、並びにそれらの組み合わせも含み得る。加えて、記憶媒体は、プログラムが実行される第1のコンピュータシステム内に位置してもよく、又はインターネットなどのネットワークを通じて第1のコンピュータシステムに接続する、第2の異なるコンピュータシステム内に位置してもよい。後者の場合には、第2のコンピュータシステムは、第1のコンピュータシステムに、実行するためのプログラム命令を提供することができる。用語「記憶媒体」は、異なる位置、例えば、ネットワークを通じて接続された異なるコンピュータシステム内に存在することができる2つ以上の記憶媒体を含んでもよい。記憶媒体は、1つ以上のプロセッサによって実行することができるプログラム命令(例えば、コンピュータプログラムとして具現化された)を記憶してもよい。
【0017】
キャリア媒体-上述のような記憶媒体、及びバス、ネットワークなどの物理的伝送媒体、及び/又は電気信号、電磁信号、若しくはデジタル信号などの信号を伝達する他の物理的伝送媒体。
【0018】
プログラム可能ハードウェア要素-プログラム可能相互接続を介して接続された複数のプログラム可能機能ブロックを備える、様々なハードウェアデバイスを含む。例としては、FPGA(Field Programmable Gate Array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)、PLD(Programmable Logic Device、プログラム可能論理デバイス)、FPOA(Field Programmable Object Array、フィールドプログラマブルオブジェクトアレイ)、及びCPLD(Complex PLD、複合PLD)を含む。プログラム可能な機能ブロックは、細かい粒度のもの(組み合わせロジック又はルックアップテーブル)から粗い粒度のもの(演算論理装置又はプロセッサコア)にまで及ぶことができる。プログラム可能ハードウェア要素はまた、「再構成可能論理」と称されることがある。
【0019】
コンピュータシステム(又はコンピュータ)-パーソナルコンピュータシステム(PC)、メインフレームコンピュータシステム、ワークステーション、ネットワーク機器、インターネット機器、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、テレビシステム、グリッドコンピューティングシステム、若しくは他のデバイス又はデバイスの組み合わせを含む、任意の様々な種類のコンピューティングシステム又は処理システム。一般に、用語「コンピュータシステム」は、記憶媒体からの命令を実行する少なくとも1つのプロセッサを有する任意のデバイス(又はデバイスの組み合わせ)を包含するように広く定義されてもよい。
【0020】
ユーザ機器(UE)(又は「UEデバイス」)-無線通信を行う任意の各種タイプのコンピュータシステムデバイス。無線通信デバイスとも呼ばれ、その多くはモバイル及び/又は携帯可能である。UEデバイスの例は、携帯電話又はスマートフォン(例えばiPhone(登録商標)、Android(登録商標)ベースの電話)、iPad(登録商標)、Samsung Galaxy(商標)などのタブレットコンピュータ、ゲーミングデバイス(例えば、SONY PlayStation(商標)、Microsoft Xbox(商標)など)、ポータブルゲーミングデバイス(例えば、Nintendo DS(商標)、PlayStation Portable(商標)、Gameboy Advance(商標)、iPod(登録商標))、ラップトップ、ウェアラブルデバイス(例えばApple Watch(商標)、Google Glass(商標))、PDA、ポータブルインターネットデバイス、音楽プレーヤ、データ記憶デバイス、又は他のハンドヘルドデバイスなどを含む。様々な他のタイプのデバイスが、それらがWi-Fi又はセルラーとWi-Fiの両方の通信機能、例えばBLUETOOTH(登録商標)などの短距離無線アクセス技術(SRAT)を介した他の無線通信機能、を含むならば、このカテゴリに入るだろう。一般に、用語「UE」又は「UEデバイス」は、無線通信が可能であり、かつ可搬/モバイルでもあり得る、任意の電子、コンピューティング、及び/又は電気通信デバイス(又はデバイスの組み合わせ)を包含するように広範に定義されてもよい。
【0021】
無線デバイス(又は無線通信デバイス)-WLAN通信、SRAT通信、Wi-Fi通信などを使用して無線通信を実行する各種タイプのコンピュータシステムデバイスのいずれか。本明細書で使用するとき、用語「無線デバイス」は、上で定義されたようなUEデバイス、又は据置型無線クライアント若しくは無線基地局などの据置型デバイスを指してもよい。例えば、無線デバイスは、アクセスポイント(AP)若しくはクライアント局(UE)などの、802.11システムの任意のタイプの無線局、又は例えば基地局又はセルラー電話などの、セルラー無線アクセス技術(例えば、LTE、CDMA、GSM)に従って通信する、セルラー通信システムの任意のタイプの無線局とすることができる。
【0022】
通信デバイス-通信を実行する様々な種類のコンピュータシステム又はデバイスのうちの任意のものであって、通信は、有線又は無線とすることができる。通信デバイスは、携帯式(若しくは移動式)とすることができる、又は特定の位置に定置若しくは固定することができる。無線デバイスは、通信デバイスの一例である。UEは、通信デバイスの別の例である。
【0023】
基地局(BS)-用語「基地局」は、その通常の意味の全てを有し、少なくとも、固定位置に設置され、無線電話システム又は無線システムの一部として通信するために使用される無線通信局を含む。
【0024】
処理要素-デバイス、例えばユーザ機器デバイスにおいて若しくはセルラーネットワークデバイスにおいて、1つ以上の機能を実行することができ、及び/又は、ユーザ機器デバイス若しくはセルラーネットワークデバイスに1つ以上の機能を実行させる、様々な要素又は要素の組み合わせを指す。処理要素は、例えば、プロセッサ及び関連するメモリ、個別のプロセッサコアの一部又は回路、プロセッサコア全体、プロセッサアレイ、ASIC(特定用途向け集積回路)などの回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などのプログラム可能なハードウェア要素、並びに上述のものの任意の様々な組み合わせを含んでもよい。
【0025】
チャネル-送信側(送信機)から受信機に情報を伝達するために使用される媒体。用語「チャネル」の特性は、異なる無線プロトコルに応じて異なる場合があるため、本明細書で使用されるとき、用語「チャネル」は、その用語が関連して使用されるデバイスの種類の規格に合致するように使用されているものとみなすことができる点に留意されたい。いくつかの規格では、チャネル幅は、(例えば、デバイス性能、帯域条件などに応じて)可変とすることができる。例えば、LTEは、1.4MHz~20MHzのスケーラブルなチャネル帯域幅をサポートすることができる。対照的に、Bluetoothのチャネル幅が1MHzであり得るのに対して、WLANのチャネル幅は22MHzであり得る。他のプロトコル及び規格は、異なるチャネルの定義を含み得る。更に、いくつかの規格は、複数の種類のチャネル、例えば、アップリンク若しくはダウンリンクのための異なるチャネル、及び/又は、データ、制御情報などの異なる用途のための異なるチャネルを規定し、使用することができる。
【0026】
帯域-用語「帯域」は、その通常の意味の全範囲を有しており、少なくとも、チャネルが使用される又は同じ目的のために確保しておくスペクトルの部分(例えば、無線周波数スペクトル)が含まれる。
【0027】
Wi-Fi-用語「Wi-Fi」は、その通常の意味の全範囲を有するものであり、無線LAN(WLAN)アクセスポイントによってサービスが提供され、これらのアクセスポイントを通じてインターネットへの接続性を提供する、無線通信ネットワーク又はRATを少なくとも含む。最新のWi-Fiネットワーク(又は、WLANネットワーク)は、IEEE802.11標準に基づくものであり、「Wi-Fi」という名称で市販されている。Wi-Fi(WLAN)ネットワークは、セルラーネットワークとは異なるものである。
【0028】
自動的に-ユーザ入力が直接、アクション又は動作を指定若しくは実行することなく、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステムによって実行されるソフトウェア)又はデバイス(例えば、回路、プログラム可能なハードウェア要素、ASICなど)によって、それらのアクション又は動作が実行されることを指す。従って、用語「自動的に」は、ユーザが入力を提供して操作を直接実行するような、ユーザによって手動で実行され又は指定される操作とは対照的である。自動手順は、ユーザが提供する入力によって開始されてもよいが、「自動的に」実行される後続のアクションはユーザによって指定されるものではなく、すなわち、実行するべき各アクションをユーザが指定する「手動で」は実行されない。例えば、ユーザが、各フィールドを選択し、情報を明示する入力を提供することによって(例えば、情報のタイピング、チェックボックスの選択、ラジオボタンの選択などによって)、電子フォームに記入することは、コンピュータシステムが、ユーザアクションに応じて、フォームをアップデートしなければならない場合であっても、手動でフォームに記入することである。フォームは、コンピュータシステムによって自動的に記入されてもよく、この場合、コンピュータシステム(例えば、コンピュータシステム上で実行されるソフトウェア)は、そのフィールドに対する回答を指定する何らのユーザ入力なしに、そのフォームのフィールドを分析して、フォームに記入する。上述のように、ユーザは、フォームの自動記入を呼び出すことができるが、フォームの実際の記入には関与しない(例えば、ユーザがフィールドに対する回答を手動で指定することはなく、むしろ、それらは自動的に完了される)。本明細書は、ユーザが取った動作に応じて自動的に実行される様々な動作の例を提供する。
【0029】
おおよそ-ほとんど正確又は精密である値を指す。例えば、「おおよそ」は、正確な(又は所望の)値の1~10パーセント以内の値を指すことができる。但し、実際の閾値(又は許容差)は、用途によって決まる場合があることに留意すべきである。例えば、いくつかの実施形態では、「おおよそ」は、ある特定の又は所望の値の0.1%以内を意味することがあり、他の様々な実施形態では、閾値は、所望により、又は特定の用途によって必要に応じて、例えば、2%、3%、5%などであってもよい。
【0030】
同時-タスク、プロセス、又はプログラムが少なくとも部分的に重なり合うように実行される、並列の実行又は実施を指す。例えば、同時並行性は、各計算要素上でタスクが並列に(少なくとも部分的に)実行される「強」若しくは厳密並列処理を使用して、又は、例えば、実行スレッドの時分割多重化によって、インターリーブ方式でタスクが実行される「弱並列処理」を使用して、実施することができる。
【0031】
ステーション(STA)-ここでの用語「ステーション」は、例えば、802.11プロトコルを用いて、無線で通信する能力を有する任意のデバイスを指す。ステーションは、ラップトップ、デスクトップPC、PDA、アクセスポイント若しくはWi-Fi電話、又はUEと類似の任意のタイプのデバイスであってもよい。STAは、固定型、モバイル型、可搬、又は着用可能であってもよい。無線ネットワークの用語では、一般的に、ステーション(STA)は、無線通信機能を有する任意のデバイスを広く含み、従ってステーション(STA)、無線クライアント(UE)、ノード(BS)という用語は、多くの場合、互いに交換可能に用いられる。
【0032】
ように構成されている-様々な構成要素が、タスクを実行する「ように構成されている」と説明され得る。そのようなコンテキストにおいて「ように構成されている」は、動作中のタスクを実行する「構造を有する」ことを一般的に意味する広範な説明である。このように、構成要素は、タスクを現在実行していない場合であっても、そのタスクを実行するように構成することができる(例えば、電気導体のセットは、2つのモジュールが接続されていなくても、モジュールを別のモジュールへ電気的に接続するように構成されていてもよい)。いくつかのコンテキストにおいて、「ように構成されている」は、動作中のタスクを実行する「回路を有する」ことを一般的に意味する広範な説明であってもよい。このように、構成要素は、現在オンでなくても、そのタスクを実行するように構成することができる。一般に、「ように構成されている」に対応する構造を形成する回路は、ハードウェア回路を含んでもよい。
【0033】
本明細書の記載では、便宜上、タスクを実行するとして様々な構成要素を説明することができる。そのような説明は、語句「ように構成されている」を含むように解釈されるべきである。1つ以上のタスクを実行するように構成されている構成要素の説明は、米国特許法112条第6パラグラフのその構成要素についての解釈を引き起こさないことが、明確に意図されている。
【0034】
図1及び
図2-例示的な通信システム
図1は、いくつかの実施形態による、例示的な(かつ簡略化された)無線通信システムを示す。
図1のシステムは、可能なシステムの単なる一例であり、実施形態は、要望に応じて、各種システム内のいずれかにおいて実施されてもよいことに留意されたい。
【0035】
図示するように、例示的な無線通信システムは、1つ以上のユーザデバイス106A、106Bなど~106Nと、伝送媒体を介して通信する基地局102を含む。本明細書では、ユーザデバイスの各々は「ユーザ機器」(UE)又はUEデバイスと称される場合がある。よって、ユーザデバイス106は、UE又はUEデバイスと称される。UEデバイスの様々なデバイスは、本明細書に開示される様々な実施形態による、階層ビームフォーミング構造及びビーム/QCL(準コロケーション)指示情報の送信を実施してもよい。
【0036】
基地局102は、無線基地局(BTS)又はセルサイトであってもよく、UE106A~106Nとの無線通信を可能にするハードウェアを含んでもよい。また基地局102は、ネットワーク100(例えば、様々な可能性のうち、セルラーサービスプロバイダのコアネットワーク、公衆交換電話網(PSTN)などの電気通信ネットワーク、及び/又はインターネット、ニュートラルホスト又は様々なCBRS(市民ブロードバンド無線サービス)配備)と通信するために装備されていてもよい。したがって、基地局102は、ユーザデバイス間の、かつ/又はユーザデバイスとネットワーク100との間の通信を促進してもよい。基地局の通信エリア(又は、カバレッジエリア)は「セル」と称される場合がある。「セル」はまた、所与の周波数における所与のカバレッジ領域に対して論理的識別を指し得ることにも留意すべきである。一般に、任意の独立したセルラー無線カバレッジ領域は「セル」と称される場合がある。そのような場合、基地局は3つのセルの特定の合流点に位置してもよい。基地局は、この均一なトポロジにおいて、セルとして参照される120度のビーム幅の3つのエリアをサービスすることができる。また、キャリアアグリゲーションの場合、小セル、リレーなどはそれぞれがセルを表してもよい。したがって、特にキャリアアグリゲーションにおいて、少なくとも部分的にオーバーラップするカバレッジ領域を異なるそれぞれの周波数でサービスし得るプライマリセル及びセカンダリセルがあり得る。例えば、基地局は、任意の数のセルを提供することができ、基地局によってサービスされるセルは、併置されていてもいなくてもよい(例えば、リモートラジオヘッド)。また本明細書で使用する場合、UEの観点から、基地局は、UEのアップリンク通信及びダウンリンク通信に関する限り、ネットワークを表すと考えられる場合がある。したがって、ネットワーク内の1つ以上の基地局と通信するUEはまた、ネットワークと通信するUEとして解釈されてもよく、更に、ネットワーク上又はネットワークを介して通信するUEの少なくとも一部とも考えられ得る。
【0037】
基地局102及びユーザデバイスは、無線通信技術又は電気通信規格とも称される、GSM、UMTS(WCDMA)、LTE、LTE-Advanced(LTE-A)、LAA/LTE-U、5G-NR新無線(略してNR)、3GPP2 CDMA2000(例えば、1xRTT、1xEV-DO、HRPD、eHRPD)、Wi-Fi、WiMAXなどの様々な無線アクセス技術(RAT)のいずれかを用いて、伝送媒体を介して通信するように構成することができる。基地局102AがLTEのコンテキストにおいて実装される場合、代替として「gNodeB」又は「eNB」と称される場合があることに留意されたい。基地局102Aが5G NRのコンテキストにおいて実装される場合、それは、代わりに「gNodeB」又は「gNB」と呼ぶ場合があることに留意されたい。いくつかの実施形態では、基地局102は、本明細書に開示される様々な実施形態に係る、階層ビームフォーミング構造、及びビーム/QCL(準コロケーション)指示情報の送信を実装する少なくとも1つのUEと通信する。所与の適用例又は特定の考慮事項に応じて、便宜上、様々な異なるRATのいくつかを、全体的な定義特性に従って機能的にグループ化してもよい。例えば、全てのセルラーRATを、第1の(形式/タイプの)RATを表すと集合的に考えてもよく、他方でWi-Fi通信を、第2のRATを表すと考えてもよい。他の場合には、個々のセルラーRATを異なるRATとして個別に考えてもよい。例えば、セルラー通信とWi-Fi通信を区別する場合は、「第1のRAT」は考慮される全てのセルラーRATを集合的に指し、「第2のRAT」はWi-Fiを指してもよい。同様に、該当する場合には、異なる形態のWi-Fi通信(例えば、2.4GHz超と5GHz超)を、異なるRATに対応すると考えてもよい。更に、所与のRAT(例えば、LTE又はNR)に従って実行されるセルラー通信は、それらの通信が行われる周波数スペクトルに基づいて、互いに区別されてもよい。例えば、LTE又はNR通信は、一次ライセンススペクトル並びに非ライセンススペクトルなどの二次スペクトル上で実行されてもよい。全体として、様々な用語及び表現の使用法は、考慮中の様々な適用例/実施形態に関して、かつその文脈内で常に明確に示されるであろう。
【0038】
図に示すように、基地局102Aはまた、ネットワーク100(例えば、種々の可能性の中で、セルラーサービスプロバイダのコアネットワーク、公衆交換電話網(public switched telephone network、PSTN)などの電気通信ネットワーク、及び/又はインターネット)と通信する機能を備えることもできる。したがって、基地局102Aは、ユーザデバイス間の通信、及び/又は、ユーザデバイスとネットワーク100との間の通信を円滑化することができる。具体的には、セルラー基地局102Aは、音声、SMS、及び/又はデータサービスなどの様々な電気通信能力をUE106に提供することができる。
【0039】
したがって、基地局102A、及び同一の又は異なるセルラー通信規格に従って動作する他の同様の基地局(基地局102B~102Nなど)は、セルのネットワークとして提供されてもよく、それは、1つ以上のセルラー通信規格を介して、地理的エリアにわたって、UE106A~106N及び同様のデバイスに、連続性のある又はほぼ連続性のある重複するサービスを提供することができる。
【0040】
したがって、
図1に示すように、基地局102Aは、UE106A~106Nに対して、「サービングセル」として機能することができ、各UE106は、「隣接セル」と称される場合がある1つ以上の他のセル(基地局102B~102N及び/又は任意の他の基地局によって提供され得る)から信号を受信する(場合によってはその通信範囲内にある)こともできる。このようなセルはまた、ユーザデバイス間、及び/又はユーザデバイスとネットワーク100との間の通信を円滑化することができる。このようなセルとしては、「マクロ」セル、「マイクロ」セル、「ピコ」セル、及び/又は様々な他の任意の粒度のサービスエリアサイズを提供するセルを挙げることができる。例えば、
図1に例示する基地局102Aと102Bはマクロセルであってもよく、その一方で、基地局102Nは、マイクロセルであってもよい。他の構成も可能である。
【0041】
いくつかの実施形態では、基地局102Aは、次世代基地局、例えば、5G新しい無線(5G NR)基地局、又は「gNB」であってよい。いくつかの実施形態では、gNBは、レガシー発展型パケットコア(evolved packet core、EPC)ネットワーク及び/又はNRコア(NR core、NRC)ネットワークに接続することができる。加えて、gNBセルは、1つ以上の送信及び受信点(transmission and reception point、TRP)を含むことができる。加えて、5G NRに従って動作可能なUEが、1つ以上のgNB内の1つ以上のTRPに接続されてもよい。
【0042】
前述したように、UE106は、複数の無線通信規格を使用して通信することができてもよい。例えば、UE106は、3GPPのセルラー通信規格(LTE又はNRなど)と、3GPP2セルラー通信規格(CDMA2000ファミリのセルラー通信規格の中のセルラー通信規格など)のいずれか又は全てを用いて通信するように構成されていることもある。従って、基地局102、及び同一の又は異なるセルラー通信規格に従って動作する同様の他の基地局は、1つ以上のセルラー通信規格を介して広範な地理的エリアにわたって連続した又は、ほぼ連続したオーバーラップするサービスをUE106及び同様のデバイスに提供し得る、1つ以上のセルのネットワークとして提供され得る。
【0043】
UE106は、更に又は代替的に、WLAN、BLUETOOTH(登録商標)、BLUETOOTH(登録商標)Low-Energy、1つ以上のグローバルナビゲーション衛星システム(GNSS、例えばGPS又はGLONASS)、1つ及び/又は複数の移動体テレビ放送標準(例えばATSC-M/H又はDVB-H)などを使用して通信するように構成されていることもある。無線通信規格の他の組み合わせ(3つ以上の無線通信規格を含む)も可能である。更に、UE106はまた、1つ以上の基地局を介して、又は他のデバイス、ステーション、若しくは明示的に示されていないがネットワーク100の一部であるとみなされる任意の電気器具を介して、ネットワーク100と通信することができる。したがって、ネットワークと通信するUE106は、ネットワークの一部であると考えられる1つ以上のネットワークノードと通信するUE106として解釈される場合があり、それはUE106と相互作用してUE106との通信を行うことができ、場合によっては、UE106の通信パラメータの少なくとも一部及び/又はUE106の通信リソースの使用に影響を及ぼし得る。
【0044】
更に、
図1にも示されるように、UE、例えば、UE106D及びUE106Eのうちの少なくともいくつかは、例えば、3GPP LTE及び/又は5G-NR通信などのセルラー通信を介して、互いに、及び基地局102と通信する車両を表してもよい。加えて、UE106Fは、同じようにUE106D及びUE106Eによって表される車両と通信並びに/又は相互作用する歩行者を表してもよい。
【0045】
図2は、いくつかの実施形態に係る、基地局102及びアクセスポイント112と通信する例示的なユーザ機器106(例えば、デバイス106A~106Nのうちの1つ)を示す。UE106は、携帯電話、ハンドヘルドデバイス、コンピュータ若しくはタブレット、又は実質上あらゆる種類の無線デバイス、などの、セルラー通信能力と非セルラー通信能力(例えば、BLUETOOTH(登録商標)、Wi-Fiなど)との両方を備えるデバイスであってもよい。UE106は、メモリに記憶されたプログラム命令を実行するように構成されたプロセッサを含んでもよい。UE106は、そのような記憶された命令を実行することによって、本明細書で説明される方法の実施形態のいずれかを実行してもよい。代わりに、又は加えて、UE106は、本明細書で説明される方法の実施形態のいずれか、又は本明細書で説明される方法の実施形態のいずれかの任意の部分を実行するように構成された、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などのプログラム可能なハードウェア要素を含んでもよい。UE106は、複数の無線通信プロトコルのいずれかを用いて通信するように構成されていてもよい。例えば、UE106は、CDMA2000、LTE、LTE-A、NR、WLAN、又はGNSSのうちの2つ以上を用いて通信するように構成されていてもよい。無線通信規格の他の組み合わせも可能である。
【0046】
UE106は、1つ以上のRAT標準に従った無線通信プロトコルの1つ以上を使用して通信するための1つ以上のアンテナを含んでもよい。いくつかの実施形態では、UE106は、複数の無線通信規格間で、受信チェーン及び/又は送信チェーンの1つ以上の部分を共有してもよい。共用される無線機は、無線通信を実行するための、単一のアンテナを含んでもよいし、(例えばMIMO用の)複数のアンテナを含んでもよい。代替として、UE106は、UE106が通信するように構成された無線通信プロトコルごとに、別個の送信チェーン及び/又は受信チェーン(例えば別個のアンテナ及び他の無線機構成要素を含む)を含んでもよい。別の代替として、UE106は、複数の無線通信プロトコル間で共用される1つ以上の無線機、及び単一の無線通信プロトコルによって排他的に使用される1つ以上の無線機を含んでもよい。例えば、UE106は、LTE、CDMA2000 1xRTT、又はNRのいずれかを用いて通信するための共用無線機と、Wi-Fi及びBLUETOOTH(商標)のそれぞれを用いて通信するための個別の無線機とを含んでもよい。他の構成も可能である。
【0047】
図3-例示的なUE
図3は、いくつかの実施形態による、例示的なUE106のブロック図を示す。図示するように、UE106は、様々な目的用の部分を含んでもよい、システムオンチップ(SOC)300を含んでもよい。例えば、図示するように、SOC300は、UE106用のプログラム命令を実行し得るプロセッサ(単数又は複数)302、及び、グラフィック処理を実行し表示信号をディスプレイ360へ供給し得るディスプレイ回路304を含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)302はまた、プロセッサ(単数又は複数)302からアドレスを受信し、そのアドレスをメモリ(例えばメモリ306、読み出し専用メモリ(ROM)350、NANDフラッシュメモリ310)内の領域に変換するように構成されていてもよいメモリ管理ユニット(MMU)340に、及び/又はディスプレイ回路304、無線機回路330、コネクタI/F320、及び/若しくはディスプレイ360などの他の回路又はデバイスに結合されてもよい。MMU340は、メモリ保護及びページテーブル変換又はセットアップを実行するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、MMU340は、プロセッサ(単数又は複数)302の一部として含まれてもよい。
【0048】
図示するように、SOC300は、UE106の様々な他の回路に接続されてもよい。例えば、UE106は、(例えばNANDフラッシュ310を含む)様々なタイプのメモリ、(例えばコンピュータシステムと接続するための)コネクタインタフェース320、ディスプレイ360、及び(例えばLTE、LTE-A、NR、CDMA2000、BLUETOOTH(商標)、Wi-Fi、GPSなどのための)無線通信回路を含んでもよい。UEデバイス106は、基地局及び/又は他のデバイスと無線通信を実行するための、少なくとも1つのアンテナ(例えば335a)を、及び場合によっては複数のアンテナ(例えばアンテナ335a及び335bによって図示される)を含んでもよい。アンテナ335a及び335bは一例として示されており、UEデバイス106はより少ない、又はより多くのアンテナを含んでもよい。全体として、1つ以上のアンテナを一括してアンテナ(単数又は複数)335と呼ぶ。例えば、UEデバイス106は、無線機回路330を使用して無線通信を実行するために、アンテナ(単数又は複数)335を用いてもよい。上述のように、いくつかの実施形態では、UEは複数の無線通信規格を使用して無線で通信するように構成されていてもよい。
【0049】
本明細書で更に説明するように、UE106(及び/又は基地局102)は、UE106が、本明細書に開示される様々な実施形態による、階層ビームフォーミング構造を使用し、ビーム/QCL指示(単数又は複数)を受信するためのハードウェア及びソフトウェア構成要素を備えることができる。したがって、いくつかの実施形態では、UE106は、階層ビームフォーミングに従ってビームフォーミングを実行することができ、また、現在の物理データチャネル及び次の物理制御チャネル、例えば、ダウンリンク制御情報(DCI)要素における、制御情報としての現在の物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)及び次のPDCCHに関するビーム指示(又はビーム指示情報又はビームフォーミング情報)を受信することができる。UEデバイス106のプロセッサ(単数又は複数)302は、例えば記憶媒体(例えば非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することにより、本明細書に記載される方法の一部、又は全部を実装するように構成されていてもよい。他の実施形態では、プロセッサ(単数又は複数)302は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、又はASIC(特定用途向け集積回路)などのプログラム可能なハードウェア要素として構成されていてもよい。具体的には、本明細書に開示される様々な実施形態に係る、階層ビームフォーミング構造及びビーム/QCL指示の通信を組み込んだUE106による通信を実行するために、プロセッサ(単数又は複数)302は
図3に示すような他の構成要素と接続されてもよく、かつ/又は他の構成要素と相互動作してもよい。プロセッサ(単数又は複数)302はまた、UE106上で動作する様々な他のアプリケーション及び/又はエンドユーザアプリケーションを実装してもよい。
【0050】
いくつかの実施形態では、無線機回路330は様々なRAT規格のそれぞれについて通信を制御するために専用の別個のコントローラを含んでもよい。例えば、
図3に示すように、無線機回路330は、Wi-Fiコントローラ356、セルラーコントローラ(例えばLTEコントローラ及び/又はNRコントローラ)352、並びにBLUETOOTH(商標)コントローラ354を含んでもよく、少なくともいくつかの実施形態では、これらのコントローラの1つ以上又は全部は、互いに、かつSOC300と(より具体的にはプロセッサ302と)通信する、それぞれの集積回路(略してIC又はチップ)として実装されてもよい。例えば、Wi-Fiコントローラ356は、セル-ISMリンク若しくはWCIインタフェースを介してセルラーコントローラ352と通信してもよく、及び/又はBLUETOOTH(登録商標)コントローラ354はセル-ISMリンクなどを介してセルラーコントローラ352と通信してもよい。無線機回路330内には3つの個別のコントローラが示されているが、他の実施形態は、UEデバイス106において実装され得る様々な異なるRATのための、より少ない又はより多くの同様のコントローラを有する。例えば、以下で更に説明するように、セルラーコントローラ352のいくつかの実施形態を説明する少なくとも1つの例示的なブロック図を
図5に示す。
【0051】
図4-例示的な基地局
図4は、いくつかの実施形態による、例示的な基地局102のブロック図を示す。
図4の基地局は、可能な基地局の1つの実施例にすぎないことに留意されたい。図示するように、基地局102は、基地局102に対してプログラム命令を実行することができるプロセッサ(単数又は複数)404を含んでもよい。プロセッサ(単数又は複数)404はまた、プロセッサ(単数又は複数)404からアドレスを受信し、それらのアドレスをメモリ(例えば、メモリ460及び読み出し専用メモリ(ROM)450)又は他の回路若しくはデバイス内の場所に変換するように構成されてもよいメモリ管理ユニット(MMU)440に結合されてもよい。
【0052】
基地局102は、少なくとも1つのネットワークポート470を含んでもよい。ネットワークポート470は、電話網に結合し、
図1及び
図2において上記説明したようなUEデバイス106などの複数のデバイスに、電話網へのアクセスを提供するように構成されていてもよい。ネットワークポート470(又は追加のネットワークポート)は、更に又は代替的に、セルラーネットワーク、例えばセルラーサービスプロバイダのコアネットワークに結合するように構成されていてもよい。コアネットワークは、UEデバイス106などの複数のデバイスに、モビリティ関連サービス及び/又は他のサービスを提供することができる。一部の場合には、ネットワークポート470は、コアネットワークを介して電話網に連結することができ、かつ/又はコアネットワークは、(例えば、セルラーサービスプロバイダによってサービス提供される他のUEデバイスとの間で)電話網を提供することができる。
【0053】
基地局102は、少なくとも1つのアンテナ434、場合によっては、複数のアンテナを含んでもよい。少なくとも1つのアンテナ434が、無線送受信機として動作するように構成されていてもよく、無線機430を介してUEデバイス106と通信するように更に構成されていてもよい。アンテナ434は、無線機430と通信チェーン432を介して通信する。通信チェーン432は、受信チェーン、送信チェーン、又はその両方であってもよい。無線機430は、LTE、LTE-A、5G-NR(又は略してNR)、WCDMA、CDMA2000などを含むがこれに限定されない、様々な無線電気通信規格を介して通信するように設計されてもよい。基地局102のプロセッサ(単数又は複数)404は、本明細書記載の方法の一部又は全部を、例えばメモリ媒体(例えば非一時的コンピュータ可読メモリ媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することにより、基地局102に対して実行して、本明細書に開示されるビーム/QCL指示の階層ビームフォーミング構造及び通信(送信)の実施形態と矛盾しない方法でUEデバイスと通信するように構成されていてもよい。代替として、プロセッサ(単数又は複数)404は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)、若しくはASIC(特定用途向け集積回路)、又はこれらの組み合わせなどのプログラム可能なハードウェア要素として構成されていてもよい。所定のRAT、例えばWi-Fiの場合、基地局102はアクセスポイント(AP)として設計されてもよく、この場合ネットワークポート470は、ワイドエリアネットワーク(単数又は複数)及び/又はローカルエリアネットワーク(単数又は複数)へのアクセスを提供するように実装されてもよく、例えば、少なくとも1つのイーサネットポートを含んでもよく、無線機430は、Wi-Fi規格に従って通信するように設計されてもよい。基地局102は、ビーム/QCL指示の階層ビームフォーミング構造及び通信(送信)を実施するための、本明細書に開示される様々な方法及び実施形態に従って動作することができる。
【0054】
図5-例示的なセルラー通信回路
図5は、いくつかの実施形態に係る、セルラーコントローラ352を説明する例示的な簡易ブロック図を示す。
図5のセルラー通信回路のブロック図は、可能なセルラー通信回路の1つの実施例にすぎないことに留意されたい。別々のアンテナを用いてアップリンク作業を実行するための異なるRATのための十分なアンテナを含むか、若しくはそれに結合された回路、又は、例えば、複数のRAT間で共用され得る、より少ない数のアンテナを含むか、若しくはそれに結合された回路などの他の回路もまた可能である。いくつかの実施形態によれば、セルラー通信回路352は、上記した通信デバイス106などの通信デバイスに含まれてもよい。上記述べられたように、通信デバイス106は、他のデバイスの中で、ユーザ機器(UE)デバイス、モバイルデバイス若しくはモバイル基地局、無線デバイス若しくは無線基地局、デスクトップコンピュータ若しくはコンピューティングデバイス、モバイルコンピューティングデバイス(例えば、ラップトップ、ノートブック、若しくはポータブルコンピューティングデバイス)、タブレット、及び/又はデバイスの組み合わせであってもよい。
【0055】
セルラー通信回路352は、図示するようなアンテナ335a~b及び336などの1つ以上のアンテナに(例えば、通信可能に、直接又は間接的に)結合してもよい。いくつかの実施形態では、セルラー通信回路352は、複数のRATに対して、(専用プロセッサ及び/若しくは無線機を含む、かつ/又は専用プロセッサ及び/若しくは無線機に、(例えば通信可能に、直接又は間接的に)結合されている)専用の受信チェーン(例えば、LTEに対して第1の受信チェーン、及び5G NRに対して第2の受信チェーン)を含んでいてもよい。例えば、
図5に示すように、セルラー通信回路352は、第1のモデム510と第2のモデム520を含んでもよい。第1のモデム510は、第1のRAT、例えば、LTE又はLTE-Aなどに従って通信するように構成されてもよく、第2のモデム520は、第2のRAT、例えば、5G NRなどに従って通信するように構成されてもよい。
【0056】
図示するように、第1のモデム510は、1つ以上のプロセッサ512及びプロセッサ512と通信するメモリ516を含んでもよい。モデム510は、無線周波数(RF)フロントエンド530と通信してもよい。RFフロントエンド530は、無線信号を送信及び受信する回路を含んでもよい。例えば、RFフロントエンド530は、受信回路(receive circuitry、RX)532及び送信回路(transmit circuitry、TX)534を含んでもよい。いくつかの実施形態では、受信回路532は、ダウンリンク(DL)フロントエンド550と通信してもよく、DLフロントエンド550は、アンテナ335aを介して無線信号を受信する回路を含んでもよい。
【0057】
同様に、第2のモデム520は、1つ以上のプロセッサ522及びプロセッサ522と通信するメモリ526を含んでもよい。モデム520は、RFフロントエンド540と通信してもよい。RFフロントエンド540は、無線信号を送信及び受信する回路を含んでもよい。例えば、RFフロントエンド540は、受信回路542及び送信回路544を含んでもよい。いくつかの実施形態では、受信回路542は、DLフロントエンド560と通信してもよく、DLフロントエンド560は、アンテナ335bを介して無線信号を受信する回路を含んでもよい。
【0058】
いくつかの実施形態では、スイッチ570は、アップリンク(UL)フロントエンド572に送信回路534を結合してもよい。加えて、スイッチ570は、ULフロントエンド572に送信回路544を結合してもよい。ULフロントエンド572は、アンテナ336を介して無線信号を送信する回路を含んでもよい。よって、セルラー通信回路352が第1のRAT(例えば、第1のモデム510を介してサポートされるような)に従って送信する命令を受信するとき、スイッチ570は、第1のRATに従って第1のモデム510が信号を送信することを可能にする(例えば、送信回路534及びULフロントエンド572を含む送信チェーンを介して)第1の状態に切り替えられてもよい。同様に、セルラー通信回路352が第2のRAT(例えば、第2のモデム520を介してサポートされるような)に従って送信する命令を受信するとき、スイッチ570は、第2のRATに従って第2のモデム520が信号を送信することを可能にする(例えば、送信回路544及びULフロントエンド572を含む送信チェーンを介して)第2の状態に切り替えられてもよい。
【0059】
本明細書に記載するように、第1のモデム510及び/又は第2のモデム520は、本明細書に記載される様々な特徴及び技法のいずれかを実装するためのハードウェア及びソフトウェア構成要素を含んでもよい。プロセッサ512、522は、例えば、記憶媒体(例えば、非一時的コンピュータ可読記憶媒体)に記憶されたプログラム命令を実行することによって、本明細書で説明する特徴の一部又は全てを実装するように構成されてもよい。代替として(又は、加えて)、プロセッサ512、522は、FPGA(フィールドプログラマブルゲートアレイ)などのプログラム可能なハードウェア要素として、又はASIC(特定用途向け集積回路)として構成されてもよい。代わりに(又は、加えて)、プロセッサ512、522は、他の構成要素530、532、534、540、542、544、550、570、572、335、及び336のうちの1つ以上と共に、本明細書で説明する特徴の一部又は全てを実装するように構成されてもよい。
【0060】
加えて、本明細書で説明するように、プロセッサ512、522は、1つ以上の処理要素を含んでもよい。よって、プロセッサ512、522は、プロセッサ512、522の機能を実行するように構成されている1つ以上の集積回路(IC)を含んでもよい。加えて、各集積回路は、プロセッサ512、522の機能を実行するように構成されている回路(例えば、第1の回路、第2の回路など)を含んでもよい。
【0061】
いくつかの実施形態では、セルラー通信回路352は、1つの送信/受信チェーンのみを含んでもよい。例えば、セルラー通信回路352は、モデム520、RFフロントエンド540、DLフロントエンド560、及び/又はアンテナ335bを含まなくてもよい。別の例として、セルラー通信回路352は、モデム510、RFフロントエンド530、DLフロントエンド550、及び/又はアンテナ335aを含まなくてもよい。いくつかの実施形態では、セルラー通信回路352はまた、スイッチ570を含まなくてもよく、RFフロントエンド530又はRFフロントエンド540は、例えば、ULフロントエンド572と、例えば、直接、通信してもよい。
【0062】
図6及び
図7-ビームフォーミング情報-ビーム指示
図6は例示的なビームフォーミング構成を示す。
図6に示すように、いくつかの(この場合には12個)アンテナ620を利用して、各RFチェーンを、対応する数(この場合には4個)のアンテナと結合して、(この場合には3つの)対応の無線周波数(RF)チェーン612、614及び616を介してベースバンド処理ユニット602、604及び606から発信される異なるブロードバンド信号を送信するようにビームフォーミングを使用することができる。
図6のビームフォーミング構成は、ハイブリッドビームフォーミング(すなわち、アナログ/デジタルビームフォーミング)を表すことができ、これは、より小型のアンテナ要素サイズによって有効化され、したがって、例えば5GーNR通信のために、特定の無線通信に広く使用される。ビーム管理は、特にミリメートル波(ミリ波)システムに関して、信頼性のある通信のための伝搬損失に対処するために重要である。
【0063】
異なるチャネル/リファレンスシンボルは、ビームフォーミングのロバスト性及びレイテンシに関連する異なる要件を有してもよく、したがって、異なるビーム/QCL(準コロケーション)指示も有してもよい。マスター情報ブロック(MIB)は、同期信号ブロック(SSB)において物理ブロードキャストチャネル(PBCH)によって搬送される。同じバーストにおいて異なるブロックタイムインデックスを有するSSBは、異なるセル固有ビームで送信されてもよい。ビーム/QCL指示(ビームフォーミング情報とも総称される)は、グループ共通PDCCH(GC-PDCCH)及びPDCCHのためのものであってもよい。各UEは、UE固有サーチスペース並びに共通サーチスペース(例えば、タイプ0/タイプ0A/タイプ1/タイプ2の共通サーチスペース、及び/又はタイプ3の共通サーチスペース)のための制御リソースセットを用いて構成されてもよい。タイプ0/タイプ0A/タイプ1/タイプ2共通サーチスペースは、関連付けられたSSBと同じビーム/QCLを有する。特定のビーム/QCLは、SFI(スロットフォーマット指示)を搬送するタイプ3の共通サーチスペースのGC-PDCCHのための、並びにUE固有のサーチスペース内のPDCCHのための、無線リソース制御(RRC)シグナリング及び/又はRRC+MAC-CEシグナリングを介して構成され得る。
【0064】
PDSCHのビーム/QCL指示は、
図7に示すように、DCIにおける送信構成指示(TCI)状態フィールドにおいて構成されてもよい。RRCシグナリングにより、UEは、TCI状態702の指定された数(M)までのリストを有して構成されてもよく、各TCI状態は1つの参照信号(RS)セットを有して構成されてもよい。異なるTCI状態は、
図7ではTCI状態0からTCI状態M-1として示されている。PDSCHのQCLリファレンスは、DCIのTCIフィールドによって動的に指示される。
図7にも示すように、各「TCIーRSetConfig」は、対応するTCI状態のRSセットにおけるDL RSを指示し、それによりQCLリファレンスを提供する。少なくとも空間QCLリファレンスは動的にアップデートすることができる。PDCCHのQCLリファレンスは、TCI状態への準静的に構成されたリファレンスによって提供され得る。ミリ波については、TCIリファレンスは、制御リソースセット(CORESET)内の全てのUE固有サーチスペースに対して同じであってもよく、このCORESETは集合的に704で示されている。DCIにおけるTCIフィールドは、2ビット又は3ビットを占有してもよい。RRCシグナリング及び/又はMAC-CEシグナリングを介して、TCI状態での空間QCLリファレンスのアップデートのための、少なくとも明示的なアプローチのためのサポートが存在し得る。UEは、ビーム同期中に、1つの受信(RX)ビームを各TCI状態と関連付けることができる。
【0065】
ビーム指示についての考慮事項
現在、(物理データチャネルを表す)PDSCHは、ビーム/QCL指示のためのDCI内のTCIフィールドを使用する。これにより、UEの位置/方向の変化に対する高速適応がもたらされ、基地局から(例えば、gNBから)UEビーム品質レポートへの迅速なレスポンスが可能になる。現在、(物理制御チャネルを表す)GC-PDCCH/PDCCHは、ビーム/QCL指示のためのRRCシグナリング及び/又はRRC+MAC-CEシグナリングを使用し、それは、より長いターンアラウンド時間と、より高いトラフィックオーバーヘッドを発生させ、また、ビーム品質の高速な変化により脆弱である。RRC+MAC-CEシグナリングアプローチの使用は、比較的安定した状態にあるUEに一層好適であり、急速に変化する環境、例えば、UEがその場所を継続的に又は頻繁に変更する場合、頻繁なデータ送信のための良好なオプションではない。したがって、例えば、特により高いビーム分解能について、DCIに余分なビットを付加することによって、DCIにおけるGC-PDCCH/PDCCHビームの指示を付加することは有利となり得る。
【0066】
より高いビーム分解能(より多数のビーム/QCL候補)は、UEと基地局(例えば、gNB)との間のリンク品質を改善することができるが、ビーム品質の高速な変化には一層脆弱となる場合もある。異なるタイプの情報を搬送する異なるチャネルは、信頼性/受け手に基づいて異なるビーム分解能を介して実装されてもよい。例えば、ブロードキャストチャネル(ブロードキャストしているチャネル)は一般に、UE専用の狭ビームではなく、幅広いビームを採用することができる。RMSI/OSI/RACH/Page情報がSSBと同じビーム分解能を有し得ることは注目に値する。更に、GC-PDCCHビーム分解能はSSBよりも悪くない場合があり、GC-PDCCHは、PDCCHよりも高いビーム分解能を必要としない場合がある。加えて、PDCCHビームの幅は、PDSCHの幅以上であってもよい。したがって、異なるチャネルに対するRXビームのアップデートは、余分な、かつ/又は重複した労力をまねくことはなく、異なるチャネルの異なるビーム/QCLは、体系的かつスケール変更可能に設計/編成され得る。
【0067】
DC-PDCCH/PDCCHモニタリングのためのビーム/QCLを指示するためのDCIの拡張
上記の考慮事項に準じて、現在のGC-PDCCH/PDCCH制御リソースセットのためのPDSCHに対するビーム/QCL指示を提供することに加えて、DL許可のための次のGC-PDCCH/PDCCH制御リソースセット(CORESET)モニタリングのためのDCIにおいて、ビーム/QCL指示を有効にすることができる。ビーム/QCL指示は、
図8のタイムライン850に示されるように、インスタンス及びその後のインスタンスをモニタリングする次のGC-PDCCH/PDCCHに含まれてもよい。いくつかの実施形態では、DL許可のための既存のDCIフォーマット(例えば、フォーマット1_0及び1_1)は、指定されたビット数(例えば、Nビットの指示、この場合、Nはセルのビーム分解能によって決まり得る)に従って指示を含むように修正され得る。デフォルトでは、これは、ビーム指示を含まないDCIフォーマット(例えば、フォーマット2_0及び2_1)に対するPDCCHのいかなる変更ももたらさない。DCIにGC-PDCCH/PDCCHビーム指示を含めることにより、基地局(例えば、gNB)とUEとの間のビーム品質変化に対する高速応答を可能にする。低いPDSCHトラフィックのため、GC-PDCCH/PDCCHビーム/QCL指示が使用される場合は、MAC-CEオプションを使用することも可能である。
【0068】
図8に見られるように、現在の取り決めタイムライン800において、TCIにおけるビーム/QCL指示は、現在の制御リソースセットに対応するPDSCHのためにのみ構成され、PDCCHのためのビーム/QCL指示はMAC-CEシグナリングを介して達成される。例えば、PDCCH802はPDSCH808用に構成されたTCI内のビーム/QCL指示を搬送してもよく、PDCCH804はPDSCH810用に構成されたTCI内のビーム/QCL指示を搬送してもよい。PDCCH812に対するビーム/QCL指示は、図示されるMAC-CEシグナリングを介して達成されてもよく、PDCCH812は、PDSCH806用に構成されたTCIにおけるビーム/QCL指示を搬送する。
【0069】
対照的に、様々な実施形態によれば、提案された取り決めタイムライン850に示されるように、ビーム/QCL指示は、現在のPDCCHのPDSCHのみならず、次のGC-PDCCH/PDCCHモニタリングインスタンス及びその後のインスタンスに関しても、TCIに含まれてもよい。例えば、PDCCH820は、PDSCH808用に構成されたTCI内のビーム/QCL指示を搬送してもよく、また、PDCCH822用に構成されたTCI内のビーム/QCL指示も搬送してもよい。同様に、PDCCH822は、PDSCH828用に構成されたTCI内のビーム/QCL指示を搬送してもよく、また、PDCCH830用に構成されたTCI内のビーム/QCL指示も搬送してもよい。PDCCH830は、PDSCH824用に構成されたTCIにおけるビーム/QCL指示、並びに次のPDCCH(図示せず)用に構成されたTCIにおけるビーム/QCL指示を搬送してもよい。
【0070】
エラー耐性設計
ビーム/QCL指示を提供する様々な態様は更に、エラー耐性設計についての考慮事項を通して改善され得る。無線通信中に様々な問題に遭遇する場合があり、したがって、エラー耐性設計によるビーム/QCL指示のプロビジョニングを更に改善することにより、無線通信を更に改善することができる。例えば、場合によっては、PDCCHの偽のCRCパスは、予期しないPDCCHビームの変化を引き起こす場合がある。すなわち、CRCの偽のパス(又は偽のCRCパス)は、誤ったGC-PDCCH/PDCCHビーム/QCモニタリングとなることがある。より高いエラー耐性設計の場合、いくつかの実施形態では、選択されたDCIの、例えば、GC-PDCCH/PDCCHビーム指示が変更されたDCIの、アグリゲーションレベルは、変更されたビーム/QCL指示をUEがより確実に取得することを容易にするために増加されてもよい。いくつかの実施形態において、現在のビーム/QCL指示が直近の前のビーム/QCL指示と同じである場合、DCIのアグリゲーションレベルは、所望の値となるように選択/指定されてもよい。ビーム/QCL指示に変化がある場合、変更されたビーム/QCL指示を搬送するDCIは、より高いアグリゲーションレベルを有するように指定/選択され得る。加えて、選択されたDCI、例えば、GC-PDCCH/PDCCHビーム/QCL指示が変化したDCIの送信は、特定の(指定された)アグリゲーションレベルに限定されてもよく、それにより、偽エラーチェックパスの可能性、例えば、CRCの偽パス(又は偽CRCパス)を低減し、それによって、間違ったビーム/QCL GC-PDCCH/PDCCHがモニタリングされる可能性を低減することができる。例えば、いくつかの実施形態では、変更されたビーム/QCL指示を搬送するDCIは、1つの指定されたアグリゲーションレベルに限定されてもよく、その指定されたアグリゲーションレベルを有するDCIのみが変更されたビーム/QCL指示を搬送してもよい。
【0071】
いくつかの実施形態では、GC-PDCCH/PDCCHビーム指示を含む特定のDCIフォーマットに対して、例えば、DCIフォーマット1_0及び1_1に対して、ACK又はNACKが変更されたビーム/QCL指示を搬送している現在のDCIに対して受信された場合、基地局(例えば、gNB)は次のインスタンスにおけるPDCCHスケジューリングを変更してもよい。基地局がACK又はNACKではなく不連続送信(DTX)を受信する場合、基地局は、古いQCLリソースと新しいQCLリソースの両方を送信してもよく、それによって、UEが新しいPDCCHビームを受信するか否かに関わらず、UEがPDCCHビームを正しく受信できることを保証することができる。同じことが、MAC-CEベースのビーム変更指示(単数又は複数)にも適用することができる。これは
図9に示され、それは、いくつかの実施形態に係る、増強したエラー耐性のための追加の特徴を実装した、ビーム/QCL指示の送信を説明する例示的なタイミング図を示す。
図9に示すように、PDCCH902は、PDSCH908用に構成されたTCI内のビーム/QCL指示を搬送してもよく、また、それはPDCCH904用に構成されたTCI内でビーム/QCL指示を搬送してもよい。PDCCH904用に構成されたビーム/QCL指示は、以前に送信されたビーム/QCL指示に関する変更されたビーム/QCL指示であってもよい。PDSCH908のためにUEからACK/NACKを受信すると、基地局は新しいQCLリソースに従ってPDCCH904を送信する。
【0072】
図示する例では、PDCCH912用に構成されたTCIにおけるPDCCH902によって搬送されるビーム/QCL指示は、PDCCH912用に構成されたTCIにおけるPDCCH904によって搬送されるビーム/QCL指示に関する変更されたビーム/QCL指示であってもよい。PDSCH910のためにUEからDTXを受信すると、基地局は古いQCLリソースと新しいQCLリソースの両方を送信して、UEがPDCCHビームを正しく受信することを保証する。具体的には、基地局(例えば、gNB)は、PDCCH904用に構成されたTCIにおいてPDCCH902によって搬送された古いQCLリソースに従って、また、PDCCH912用に構成されたTCIにおいてPDCCH904によって搬送された新しいQCLリソースに従って、PDCCH916を送信する。PDCCH916及びPDCCH912の両方は、PDSCH906用に構成されたTCIにおいてビーム/QCL指示を搬送することもでき、PDCCHはPDCCH914用に構成されたTCIにおいてビーム/QCL指示を搬送することもできる。
【0073】
階層ビームフォーミング構造
いくつかの実施形態では、ビームは階層構造に編成されてもよい。異なるチャネルのための基地局送信ビーム(例えば、gNB送信ビーム、TXビーム)を階層構造に編成することは、ビーム指示(情報)の送信のためのネットワークトラフィックオーバーヘッドを低減することができ、また、基地局とDL通信のためのUEとの間のビームトラッキングも促進にすることができる。基地局側でのTXビーム分解能は、以下に示す順序で、チャネルに対して単調に増加し得る(すなわち、ビーム分解能は、それぞれの後続のチャネルに対して増加又は同じままであり得る)。
SSB→GC-PDCCH→PDCCH→PDSCH(高次から低次)。
【0074】
すなわち、TXビーム分解能は、より高次のチャネルに対してのものよりも、より低次のチャネルに対して高くなってよい。例えば、PDSCHの基地局におけるTXビーム分解能は、PDCCHのビーム分解能以上であってもよく、これは、GCーPDCCHのビーム分解能以上であってもよく、それは、SSBのビーム分解能以上であってもよい。より高次のチャネルのビームは、より低次のチャネルのビームに対して幅が広くてもよく、又はそれと等しくてもよく、これにより、TXビームスイープのためのオーバーヘッドを低減することができる。UE側では、より高次のチャネルのRXビームを、RXビームスイープ/アップデート中に、低次のチャネルのRXビームから簡単に導出することができる。例えば、UEは、PDSCH用のRXビームなどからPDCCHのRXビームを導出することができる。上述したように、「単調に増加する」とは、「増加する又は同じままである」こと、換言すれば、減少しないことを指すことに留意されたい。したがって、PDSCHのための基地局におけるTXビーム分解能は、PDCCHなどのビーム分解能よりも高くてもよいし、それと等しくてもよい。
【0075】
ある意味では、より高次のチャネルのRXビームは、より低次のチャネルに使用されるRXビームのサブセットとみなされてもよい。このような階層構造を使用することにより、RXビームトラッキング/アップデートのためのオーバーヘッドを低減することができる。したがって、いくつかの実施形態では、DCI内のTCIフィールドは、
図10に示すように、4つのチャネル全てのビームを示すように拡張され得る。使用されるビット数は、セル内のPDSCHにサポートされるビームの数によって決まる場合がある。換言すれば、TCIで使用されるビット数は、セル内のPDSCHにサポートされるビームの数に対応し得る。
図10に示される例に示すように、最大64個のビームがPDSCHの基地局(例えば、gNB)でサポートされる場合には、最大6ビットまで使用することができる。TCIフォーマットの各チャネルのビットマスクのセットアップは、RRC接続セットアップ中にシグナリングされてもよい。
図10の例は、SSBにビーム指示を提供する2つの最上位ビットと、GC-PDCCHにビーム指示を提供する3つの最上位ビットと、PDCCHにビーム指示を提供する4つの最上位ビットと、PDSCHにビーム指示を提供する6ビット全てを示す。
【0076】
図11は、いくつかの実施形態に係る、5ビットのTCIを有する階層ビームフォーミング構造を説明する例示的な図を示す。様々な陰影領域は、所与のリソースについて指示されたビームを表す。
図11に見られるように、2つの最上位ビットは、SSBに対するそれぞれ(可能な)ビームを示す。階層構造のために、可能なSSBビームごとに(又はそれに対応する)2つの可能なGC-PDCCHビームが存在してもよく、可能なGC-PDCCHビームごとに(又はそれに対応する)2つの可能なPDCCHビームが存在してもよく、最終的に、可能なPDCCHビームごとに(又はそれに対応する)2つの可能なPDSCHビームが存在してもよい。より低次のチャネルに対するビームを示すビット(単数又は複数)は、より高次のチャネルのビームを示すビット(単数又は複数)よりも有意性が低いため、より高次のチャネルのRXビームは、下次のチャネルのRXビームから導出され得る。例えば、
図11のPDSCHの左ビームは全ての5ビット[00000]で示され、4つの最上位ビットはPDCCHのビームを示し、3つの最上位ビットはGC-PDCCHのビームを示し、2つの最上位ビットはSSBのビームを示す。
【0077】
いくつかの実施形態では、より低次を有するチャネルは、より高次のチャネルと同じビーム分解能を有してもよい。
図12は、いくつかの実施形態に係る、5ビットのTCI並びに準コロケーションSSB及びGC-PDCCHチャネルを有する階層ビームフォーミング構造を説明する例示的な図を示す。
図12に示すように、SSBチャネルとGC-PDCCHチャネルは準コロケーションであり、したがって同じビーム分解能を有する。増大したビーム分解能を有しないチャネルは、TCIフォーマットの専用ビット(単数又は複数)を必要としないので、同じビーム分解能を有するチャネルは、同じビット(単数又は複数)によって表され得る。例えば、
図12に示されるように、SSBチャネルとGC-PDCCHチャネルの両方は、2つの最上位ビット(単数又は複数)によって表される。換言すれば、2つの最上位ビットは、SSBのビーム(単数又は複数)とGC-PDCCHのビーム(単数又は複数)の両方を示す。
【0078】
更に、隣接ビームはまた、重なり合う子ビームを有してもよい。
図13は、いくつかの実施形態に係る、5ビットのTCI、準コロケーションSSB、及びGC-PDCCHチャネル、並びに重複ビームを有する階層ビームフォーミング構造を説明する例示的な図を示す。
図13に示すように、2つの隣接PDCCHビームは、PDSCH上に同じ子ビームを有してもよい。
図13に示す具体的な例では、第1のPDSCHビームは、[000...]によって識別されたPDCCHビームに対応する[00001]によって識別されてもよいが、[001...]によって識別されるPDCCHビームに対応する[00100]によって識別されてもよい。同様に、第2のPDSCHビームは、[000...]によって識別されるPDCCHビームに対応する[00011]によって識別されてもよいが、[001...]によって識別されるPDCCHビームに対応する[00101]によっても識別されてもよい。したがって、同じ端部ビームは、異なるTCI指示、この場合、同じビームに対して2つの指示を有してもよい。重複するビームは、基地局(例えば、gNB)が、PDSCHビームを変更(又は調整/改変)する必要なく、UEのPDCCHビームを変更することを可能にし、それは、特に、UEが2つのPDCCHビームの交差点に位置した場合に、UEのモビリティに有益となることに留意されたい。同じようなモビリティ改善は、SSB/GC-PDCCHレベルが重なり合う子ビームを指定する場合、SSB/GC-PDCCHレベルでも観察され得る。
【0079】
個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府の要件を満たす又は上回ると一般に認識されているプライバシーポリシー及びプラクティスに従うべきであることに十分に理解されたい。特に、個人特定可能な情報データは、意図的でない又は許可されていないアクセス又は使用のリスクを最小限に抑えるように管理及び取り扱いされるべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示されるべきである。
【0080】
本発明の実施形態は、様々な形態のいずれかで実現されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、本発明はコンピュータに実行される方法、コンピュータ可読記憶媒体、又はコンピュータシステムとして実現されてもよい。他の実施形態では、本発明は、ASICなどの、1つ以上のカスタム設計されたハードウェアデバイスを使用して実現することができる。他の実施形態では、本発明は、FPGAなどの、1つ以上のプログラム可能なハードウェア要素を使用して実現することができる。
【0081】
いくつかの実施形態では、非一時的コンピュータ可読記憶媒体(例えば非一時的記憶要素)は、プログラム命令及び/又はデータを記憶し、プログラム命令は、コンピュータシステムによって実行されたときに、そのコンピュータシステムに方法を、例えば、本明細書で説明した方法実施形態のいずれか、又は本明細書で説明した方法実施形態の任意の組み合わせ、又は本明細書で説明した方法実施形態の、いずれかの任意のサブセット、又はそのようなサブセットの任意の組み合わせ、を実行させるように構成されていてもよい。
【0082】
いくつかの実施形態では、デバイス(例えばUE)は、プロセッサ(又はプロセッサのセット)及び記憶媒体(又は記憶要素)を含むように構成されていてもよく、記憶媒体はプログラム命令を記憶し、プロセッサは、記憶媒体からプログラム命令を読み出して実行するように構成されており、プログラム命令は本明細書で説明した様々な方法実施形態のいずれか(若しくは本明細書で説明した方法実施形態の任意の組み合わせ、又は本明細書で説明した方法実施形態のいずれかの任意のサブセット、又はそのようなサブセットの任意の組み合わせ)を実装するために実行可能である。デバイスは、様々な形態のいずれかにおいて実現されてもよい。
【0083】
上記実施形態がかなり詳細に説明されてきたが、上記開示が完全に認識されると、多数の変形形態及び修正形態が当業者にとって明らかになる。以下の特許請求の範囲は、全てのそのような変形形態及び修正形態を包含すると解釈されることが意図されている。