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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】家具用金具
(51)【国際特許分類】
   E05D 3/14 20060101AFI20221212BHJP
【FI】
E05D3/14 A
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020573187
(86)(22)【出願日】2019-06-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-04
(86)【国際出願番号】 AT2019060211
(87)【国際公開番号】W WO2020006589
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2021-01-27
(31)【優先権主張番号】A50577/2018
(32)【優先日】2018-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】AT
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】597140501
【氏名又は名称】ユリウス ブルーム ゲー・エム・ベー・ハー
【氏名又は名称原語表記】Julius Blum GmbH
【住所又は居所原語表記】Industriestrasse 1, 6973 Hoechst, Austria
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン デュア
【審査官】秋山 斉昭
(56)【参考文献】
【文献】実公昭41-16811(JP,Y1)
【文献】英国特許出願公告第1447293(GB,A)
【文献】国際公開第2016/156514(WO,A1)
【文献】特表2018-514670(JP,A)
【文献】米国特許第5561888(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 1/00-9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
家具本体(2)に対して相対的に可動に支持された家具部分(3)を可動に支持するための家具用金具(4)であって、
- 前記家具本体(2)に固定するための第1の金具部分(5)と、
- 前記可動の家具部分(3)に固定するための第2の金具部分(6)とを含んでおり、前記第1の金具部分(5)および前記第2の金具部分(6)は、少なくとも1つのジョイント軸(33a,33b,17a)によって互いに旋回可能に結合されており、前記第1の金具部分(5)は、少なくとも部分的に前記家具本体(2)における切欠き(15a)内に挿入されるように形成されており、かつ/または前記第2の金具部分(6)は、少なくとも部分的に前記可動の家具部分(3)における切欠き(15b)内に挿入されるように形成されており、
- 前記第1の金具部分(5)および/または前記第2の金具部分(6)は、長手方向(L)において互いに間隔をおいて配置された第1の端部領域(31a)および第2の端部領域(31b)を備えた、長手方向に延在しているハウジング(6a,8a)を有しており、前記ハウジング(6a,8a)の前記第1の端部領域(31a)に、少なくとも1つのジョイント軸(33a,33b,17a)が配置されており
- 前記第1の金具部分(5)および/または前記第2の金具部分(6)は、回転可能なねじの形態の可動に支持された少なくとも1つの操作要素(32a)を備えた固定装置(32)を有しており、前記少なくとも1つの操作要素(32a)の操作によって前記第1の金具部分(5)および/または前記第2の金具部分(6)は、前記ハウジング(6a,8a)の前記第1の端部領域(31a)および前記第2の端部領域(31b)において前記切欠き(15a,15b)内に固定可能であり、
前記第1の金具部分(5)および/または前記第2の金具部分(6)の前記ハウジング(6a,8a)は、ほぼ直方体に形成されている、
家具用金具(4)において、
- 前記操作要素(32a)の操作によって、少なくとも1つのロック要素(36)が可動であり、前記ハウジング(6a,8a)は、前記少なくとも1つのロック要素(36)によって前記切欠き(15a,15b)内に固定可能であり、前記少なくとも1つのロック要素(36)は、対応する第2の斜面(37b)と協働する第1の斜面(37a)を有しており、前記少なくとも1つのロック要素(36)は、第1の回転方向における前記操作要素(32a)の回転によって、前記第1の斜面(37a)と前記第2の斜面(37b)との協働により、前記操作要素(32a)の回転軸に対して横方向の第1の方向に可動であり、
または
- 前記第1の金具部分(5)および/または前記第2の金具部分(6)は、前記家具本体(2)および/または前記可動の家具部分(3)に接触するための固定面(47)を有しており、前記固定装置(32)は、前記操作要素(32a)を貫通させるための、長手方向に延びる少なくとも1つの孔(45)を有しており、前記孔(45)の前記長手方向は、前記固定面(47)に対して直角に延在している垂直線(44)に対して斜めに延在しており、前記孔(45)は斜面(46)を有しており、該斜面(46)は、前記操作要素(32a)が回転運動時に前記斜面(46)に接触し、前記ハウジング(6a,8a)が前記操作要素(32a)によって前記垂直線(44)に対して横方向に移動するように傾けられている、
ことを特徴とする、家具用金具。
【請求項2】
前記固定装置(32)の前記操作要素(32a)は、前記ハウジング(6a,8a)の、前記ジョイント軸(33a,33b)が配置されている前記第1の端部領域(31a)とは別の領域に配置されている、請求項1記載の家具用金具。
【請求項3】
前記固定装置(32)の前記操作要素(32a)は、前記ハウジング(6a,8a)の前記第2の端部領域(31b)に配置されている、請求項1または2記載の家具用金具。
【請求項4】
当該家具用金具(4)の前記第1の金具部分(5)および/または前記第2の金具部分(6)は、前記家具本体(2)および/または前記可動の家具部分(3)に固定するための1つの固定装置(32)を有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の家具用金具。
【請求項5】
前記操作要素(32a)は、前記ロック要素(36)に運動連結されて結合されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の家具用金具。
【請求項6】
前記操作要素(32a)は前記ロック要素(36)にねじ係合されている、請求項記載の家具用金具。
【請求項7】
前記少なくとも1つのロック要素(36)は、前記第1の回転方向とは逆向きの第2の回転方向における前記操作要素(32a)の回転によって、前記第1の斜面(37a)と前記第2の斜面(37b)との協働により、前記第1の方向とは逆向きの第2の方向に可動である、請求項1から6までのいずれか1項記載の家具用金具。
【請求項8】
前記少なくとも1つのロック要素(36)は、少なくとも1つのガイド要素(42)を有していて、該ガイド要素(42)によって前記ロック要素(36)は前記第1の斜面(37a)および前記第2の斜面(37b)に沿って移動可能である、請求項1から7までのいずれか1項記載の家具用金具。
【請求項9】
前記少なくとも1つのロック要素(36)の少なくとも一部分が、前記切欠き(15a,15b)に接触するための、静止摩擦を高める表面(38)を形成している、請求項1から8までのいずれか1項記載の家具用金具。
【請求項10】
前記表面(38)は、少なくとも1つのリブおよび/または少なくとも1つの歯列である、請求項記載の家具用金具。
【請求項11】
前記ハウジング(6a,8a)は、前記少なくとも1つのジョイント軸(33a,33b,17a)が配置されている前記第1の端部領域(31a)に、前記切欠き(15a,15b)に接触するための少なくとも1つの突出部(35)を有している、請求項1から10までのいずれか1項記載の家具用金具。
【請求項12】
当該家具用金具(4)の前記第1の金具部分(5)および/または前記第2の金具部分(6)は、前記家具本体(2)の1つの家具プレート(2a,2b,3)に当接して固定されるように、または前記家具本体(2)の1つの家具プレート(2a,2b,3)内に固定されるように形成されている、請求項1から11までのいずれか1項記載の家具用金具。
【請求項13】
前記第1の金具部分(5)および/または前記第2の金具部分(6)は、前記家具プレート(2a,2b,3)における組付け状態において、大部分が、前記家具プレート(2a,2b,3)の切欠き(15a,15b)の内部に収容されている、請求項12記載の家具用金具。
【請求項14】
前記第1の金具部分(5)および/または前記第2の金具部分(6)は、前記家具プレート(2a,2b,3)における組付け状態において、ほぼ完全に、前記家具プレート(2a,2b,3)の切欠き(15a,15b)の内部に収容されている、請求項13記載の家具用金具。
【請求項15】
前記第1の金具部分(5)は、少なくとも1つの固定装置(16)を備えた組付け部分(8)を有していて、前記固定装置(16)によって前記組付け部分(8)は前記家具本体(2)に組付け可能であり、前記第1の金具部分(5)は、前記第2の金具部分(6)に枢着結合された少なくとも1つの連結部分(9)を有していて、該連結部分(9)は、前記組付け部分(8)に解離可能に結合可能である、請求項1から14までのいずれか1項記載の家具用金具。
【請求項16】
前記孔(45)は、前記垂直線(44)に関して非対称に形成されている、請求項1から15までのいずれか1項記載の家具用金具。
【請求項17】
前記第1の金具部分(5)および/または前記第2の金具部分(6)は、前記家具本体(2)および/または前記可動の家具部分(3)に接触するための、横方向に突出している少なくとも1つのフランジ(41,41a)を有している、請求項1から16までのいずれか1項記載の家具用金具。
【請求項18】
前記フランジ(41,41a)は、前記家具本体(2)の端面(43)および/または前記可動の家具部分(3)の端面(43)に接触可能であるようになっている、請求項17記載の家具用金具。
【請求項19】
当該家具用金具(4)は、家具ヒンジとして形成されている、請求項1から18までのいずれか1項記載の家具用金具。
【請求項20】
家具本体(2)、前記家具本体(2)に対して相対的に可動に支持された家具部分(3)、および請求項1から19までのいずれか1項記載の少なくとも1つの家具用金具(4)を備えていて、該家具用金具(4)によって前記家具部分(3)が前記家具本体(2)に対して相対的に可動に支持されている、家具(1)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、家具本体に対して相対的に可動に支持された家具部分を可動に支持するための家具用金具であって、
- 家具本体に固定するための第1の金具部分と、
- 可動の家具部分に固定するための第2の金具部分とを含んでおり、両金具部分は、少なくとも1つのジョイント軸によって互いに旋回可能に結合されており、第1の金具部分は、少なくとも部分的に家具本体における切欠き内に挿入されるように形成されており、かつ/または第2の金具部分は、少なくとも部分的に可動の家具部分における切欠き内に挿入されるように形成されており、
- 第1の金具部分および/または第2の金具部分は、長手方向において互いに間隔をおいて配置された2つの端部領域を備えた、長手方向に延在しているハウジングを有しており、ハウジングの第1の端部領域に、少なくとも1つのジョイント軸が配置されている、
家具用金具に関する。
【0002】
さらに本発明は、家具本体と、記載される形式の少なくとも1つの家具用金具によって家具本体に対して相対的に可動に支持されている可動の家具部分とを備えた家具に関する。
【0003】
国際公開第2016/174071号において図9に、戸を旋回可能に支持するための家具ヒンジが示されており、第2の金具部分が、戸の切欠きの内部に収容されていて、ほぼL字形に形成されている。第2の金具部分のこのL字形は必要不可欠である。なぜならば第2の金具部分には、第1の金具部分と第2の金具部分とを互いに結合する両ジョイントレバーのジョイント軸の領域に、固定ねじのために利用できるスペースが存在していないからである。しかしながらL字形の第2の金具部分は、大量生産において高められた材料コストおよび高められたコストに結び付く特殊形状である。さらにL字形の第2の金具部分は、比較的嵩張る構造形状を形成し、このような構造形状は、家具用金具のコンパクトな構造形式を望む要求に対して、不十分な満足しか与えない。
【0004】
独国特許出願公開第1966537号明細書には、戸を可動に支持するためのヒンジ部分のための拡開兼保持装置が示されている。戸には、互いに等しい直径を備えた互いにオーバラップする円形面の形態の切欠きが配置されており、ヒンジ部分は切欠き内に埋設可能である。ヒンジ部分は、半円筒形の端面を備えた縦長のハウジングを有しており、ハウジングの第1の端部領域には、ねじ回しを位置決めするためのスリットを備えた回転可能な偏心体が配置されていて、ハウジングの第2の端部領域には、ジョイント軸が配置されている。ねじ回しを用いた偏心体の回転によって、可撓性に形成された壁が、切欠きの内面に押圧される。この構成には、偏心体の調整距離が比較的制限されているという欠点がある。偏心体を用いた確実な固定のためには、切欠きのサイズをハウジングのサイズに正確に合わせることが必要である。切欠きのサイズが設定された寸法を上回っている場合には、偏心体が偏心的なカム形態を有していることに基づいて偏心体の回転運動によって、押付け力は急激に低下してしまい、これによってハウジングを切欠き内においてもはや固定することができない。
【0005】
独国実用新案第29717508号明細書には、ヒンジポットを備えた家具ヒンジが示されており、ヒンジポットは、ヒンジポットに旋回可能に支持された取っ手によって家具部分の孔内に固定可能である。取っ手の旋回運動によって湾曲体が、孔の内面に押圧される。この構成には、家具ヒンジの構造上の構成が比較的高コストであるという欠点がある。
【0006】
本発明の課題は、冒頭に述べた形式の家具用金具を改良して、上において議論された欠点を回避する家具用金具を提供することである。
【0007】
この課題は、本発明によれば請求項1の特徴によって解決される。本発明のさらなる好適な構成は、従属請求項に記載されている。
【0008】
本発明によれば、第1の金具部分および/または第2の金具部分は、回転可能なねじの形態の可動に支持された少なくとも1つの操作要素を備えた固定装置を有しており、少なくとも1つの操作要素の操作によって第1の金具部分および/または第2の金具部分は、ハウジングの両端部領域において切欠き内に固定可能であることが提案されている。
【0009】
このように構成されていると、第1の金具部分および/または第2の金具部分は、長手方向において互いに間隔をおいて配置された2つの端部領域を備えた長手方向に延在しているハウジングを有しており、両端部領域は、操作要素の操作時にそれぞれ直接、または第1の金具部分および/または第2の金具部分の少なくとも1つのロック要素を介して、家具本体および/または可動の家具部分における切欠きの接触面に押付け可能である。
【0010】
固定装置の操作要素は、ハウジングの、ジョイント軸が配置されている第1の端部領域とは別の領域に配置されていてよい。可能な実施形態によれば、固定装置の操作要素は、ハウジングの第2の端部領域に配置されていることが提案されていてよい。
【0011】
家具用金具の第1の金具部分および/または第2の金具部分は、可動の家具部分に固定するためのまさに1つの固定装置を有していてよい。言い換えれば基本的に、金具部分のただ1つの固定装置が、家具本体および/または可動の家具部分における確実な固定のために十分である。しかしながら好適である場合には、追加的な固定手段(例えば固定ねじ)が設けられてもよい。
【0012】
操作要素の操作によって、少なくとも1つのロック要素が可動であってよく、このように構成されていると、ハウジングを、少なくとも1つのロック要素によって、家具本体の切欠きおよび/または可動の家具部分の切欠き内において固定することができる。
【0013】
好ましくは、操作要素はすべての作動位置において、第1の金具部分および/または第2の金具部分に紛失不能に結合されていることが提案されている。
【0014】
操作要素は、例えば協働する歯列を備えた伝達機構を介して、ロック要素に運動連結されて結合されていてよい。構造上単純な解決策では、操作要素はロック要素にねじ係合されていることが提案されていてよい。
【0015】
本発明の1つの実施例では、少なくとも1つのロック要素は、対応する第2の斜面と協働する第1の斜面を有しており、少なくとも1つのロック要素は、第1の回転方向における操作要素の回転によって、第1の斜面と第2の斜面との協働により、操作要素の回転軸に対して横方向の第1の方向に可動であることが提案されていてよい。このように構成されていると、一方または両方の金具部分のハウジングを、ロック要素によって力結合式に、切欠きの、そのために設けられた接触面に結合させることができる。
【0016】
この実施例においては、少なくとも1つのロック要素は、第1の回転方向とは逆向きの第2の回転方向における操作要素の回転によって、第1の斜面と第2の斜面との協働により、第1の方向とは逆向きの第2の方向に可動であることが提案されていてよい。このように構成されていると、ロック要素を、切欠き内におけるロックされた位置を起点として所定の位置にアクティブに戻すことが可能であり、この所定の位置において、第2の金具部分のハウジングは、対応配置された接触面の損傷なしにかつほぼ摩擦抵抗なしに、切欠きから取り出すことができる。
【0017】
少なくとも1つのロック要素は、少なくとも部分的に、切欠きに接触するための、静止摩擦を高める表面を、例えば突子、リブ、または歯列を有していてよい。
【0018】
本発明の1つの実施例によれば、第1の金具部分は、少なくとも1つの固定装置を備えた組付け部分を有していて、固定装置によって組付け部分は家具プレートに組付け可能であり、第1の金具部分は、第2の金具部分に枢着結合された少なくとも1つの連結部分を有していて、該連結部分は、組付け部分に解離可能に結合可能であることが提案されていてよい。言い換えれば、家具用金具の本体側の第1の金具部分は、少なくとも2部分から形成されていて、1つの組付け部分を含んでおり、この組付け部分は、第1の組付けステップにおいて少なくとも1つの固定装置によって、家具本体のほぼ水平にまたは鉛直に延在している家具プレートに接してまたは家具プレート内に固定されることができる。さらに、第2の金具部分に枢着結合された連結部分が設けられており、この連結部分は、第2の組付けステップにおいて、組付け部分とは無関係にかつ別個に、可動の家具部分に固定されることができる。組付け部分と連結部分とを予め組み付けた後で、組付け部分と連結部分とは第3の組付けステップにおいて互いに解離可能に結合される(好ましくは自動的に互いにロックされる)ことができ、これによって家具本体における可動の家具部分の組付けは、著しく簡単になる。
【0019】
家具本体の家具プレートは、通常、設定された材料厚さ(例えば16mmまたは19mm)を有している。第1の金具部分の組付け部分は、好適な実施形態によれば、家具プレートの設定された材料厚さ内に収容可能である。組付け部分は、高さ方向延在長さおよび長手方向延在長さを有していてよく、組付け部分の長手方向延在長さは、組付け部分の高さ方向延在長さの少なくとも3倍、好ましくは少なくとも6倍の長さである。
【0020】
家具用金具は、例えば家具ヒンジとして形成されていてよい。しかしながらまた家具用金具は、家具フラップのための家具駆動装置として形成されていることも可能であり、家具フラップは、組付け状態において、家具本体に水平に延在している軸線を中心にして旋回可能に支持されている。
【0021】
1つの実施例によれば、第1の金具部分および/または第2の金具部分のハウジングは、ほぼ直方体に形成されていることが提案されていてよい。
【0022】
本発明のさらなる詳細および利点については、図面に示された実施例を参照しながら説明する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1aは家具を示す斜視図であり、図1bは家具用金具(組付け部分なし)を示す斜視図である。
図2図2a~図2cは、家具本体における可動の家具部分の組付けを概略的に示す平面図である。
図3図3a~図3cは、組付け部分における連結部分の時間的な経過を示す互いに異なった横断面図である。
図4図4aおよび図4bは、組付け部分における連結部分のさらなる時間的な経過を示す互いに異なった横断面図である。
図5図5a~図5cは、可動の家具部分に固定すべき第2の金具部分を互いに異なった見方で示す図であって、ロック要素が解除位置にある状態を示す図である。
図6図6a~図6cは、可動の家具部分に固定された第2の金具部分を互いに異なった見方で示す図であって、ロック要素が緊締位置にある状態を示す図である。
図7図7aは、第1の金具部分が家具本体に固定するための固定装置を有している、家具用金具を示す斜視図であり、図7bは、家具本体の切欠きの内部において解除位置にある固定装置を備えた家具用金具を示す横断面図であり、図7cは、家具本体の切欠きの内部において緊締位置にある固定装置を備えた家具用金具を示す横断面図である。
図8図8a~図8dは、家具本体および/または可動の家具部分に金具部分を固定するための固定装置の別の実施例を示す図である。
【0024】
図1aには、単に部分的に示された家具本体2を備えた家具1が斜視図で示されており、好ましくは戸または家具フラップの形態の可動の家具部分3が、家具用金具4によって家具本体2に対して相対的に、好ましくは組付け位置において鉛直に延在している軸線14を中心にして旋回可能に支持されている。家具本体2は、鉛直に延在している側壁2aと、水平に延在している家具プレート2b(好ましくはカバープレート、底プレート、またはカバープレートと底プレートとの間に配置された仕切り底)とを有しており、家具用金具4の第1の金具部分5は、家具プレート2bに接してまたは家具プレート2b内に支持されている。もちろん、家具用金具4を鉛直に延在している側壁2aに固定することも可能であり、このように構成されていると、可動の家具部分3は、組付け状態において家具本体2に対して相対的に、水平に延在している軸線を中心にして旋回可能に支持されることになる。
【0025】
図1bには、家具用金具4(組付け部分8なし)が斜視図で示されている。第1の金具部分5は、少なくとも2部分から形成されていて、家具プレート2bに接してまたは家具プレート2b内に予め組み付けられた組付け部分8(図3a)を含んでおり、この組付け部分8は、連結部分9を少なくとも部分的に収容するための、好ましくはポケット形に形成されたハウジング8aを備えており、組付け部分8と連結部分9とは、互いに解離可能に結合可能である。組付け部分8は、第1の組付けステップにおいて家具プレート2bに接してまたは家具プレート2b内に組み付けられる。連結部分9は、少なくとも1つのジョイントレバー7を介して第2の金具部分6に旋回可能に結合されており、この第2の金具部分6は、第2の組付けステップにおいて、長手方向に延在しているハウジング6aを介して可動の家具部分3に固定することができる。組付け部分8が家具プレート2bに固定され、第2の金具部分6が可動の家具部分3に固定された後で、組付け部分8と連結部分9とは、1つにまとめることによって互いに結合することができる。組付け部分8と連結部分9とは、例えば少なくとも1つのねじ結合によって互いに固定することができる。好ましくは、組付け部分8と連結部分9とは、少なくとも1つのロック装置20(図3a)によって互いに自動的にロック可能であるようになっている。
【0026】
第2の金具部分6は、少なくとも1つのジョイント軸33a,33b(図1b)を介して旋回可能に第1の金具部分5に結合されており、第2の金具部分6は、少なくとも部分的に可動の家具部分3における切欠き15b内に挿入されるように形成されている。第2の金具部分6は、長手方向に延在しているハウジング6aを有していて、このハウジング6aは、長手方向(L)において互いに間隔をおいて配置された2つの端部領域31a,31bを備えており、ハウジング6aは、家具用金具4の少なくとも1つの相対位置においてジョイントレバー7を収容するための中空室34を有している。第1の端部領域31aには少なくとも1つのジョイント軸33a,33bが配置されており、これに対してハウジング6aの、それとは別の端部領域には、回転可能なねじの形態の回転可能に支持された操作要素32aを備えた固定装置32が設けられている。操作要素32aの操作によって、第2の金具部分6はハウジング6aの両端部領域31a,31bにおいて、可動の家具部分3の切欠き15b(図2a)内において固定可能である。操作要素32aの操作によって少なくとも1つのロック要素36が、切欠き15bの接触面40(図5c)に押圧可能であるようになっていてよい。
【0027】
ハウジング6aの、少なくとも1つのジョイント軸33a,33bが配置されている第1の端部領域31aには、少なくとも1つの突出部35が配置されており、この突出部35は、操作要素32aの操作によって、切欠き15bの対応する接触面40aに押圧可能であり、これによって可動の家具部分3におけるハウジング6aの第1の端部領域31aの保持が追加的に改善される。場合によっては少なくとも1つの突出部35は、操作要素32aの操作によって可動の家具部分3の木材料内に進入することができる。リブ、歯列、または突起の形態の2つ以上の突出部が設けられてもよい。
【0028】
少なくとも1つの調整装置13a,13b,13cによって、組付け部分8と連結部分9とが結合された状態において、組付け部分8に対して相対的な連結部分9の位置が、好ましくは三次元的に調整可能である。ばね装置10の力によって第2の金具部分6は、第1の金具部分5に対して相対的に、完全に閉鎖された終端位置および/または完全に開放された終端位置に可動である。このことは例えば、ばね装置10によって力が加えられる押圧ローラ12を介して行うことができ、この押圧ローラ12は、ジョイントレバー7の運動時に調整輪郭部24(図3a)に沿って走行可能に支持されている。好ましくは液圧式のピストンシリンダユニットを備えた緩衝装置11によって、第1の金具部分5に対して相対的な第2の金具部分6の運動が制動可能である。このように構成されていると、完全に閉鎖された終端位置および/または完全に開放された終端位置への第2の金具部分6の運動が緩衝可能である。
【0029】
図2a~図2cには、家具本体2の家具プレート2bにおける可動の家具部分3の組付けが概略的に平面図で示されている。家具プレート2bには、家具用金具4の第1の金具部分5を収容するための第1の切欠き15aが形成されており、これに対して可動の家具部分3には、家具用金具4の第2の金具部分6を収容するための第2の切欠き15bが配置されている。第1の金具部分5は、少なくとも2部分から形成されていてよく、第1の切欠き15a内に配置すべき組付け部分8と、組付け部分8に結合すべき連結部分9とを含んでいる。第1の金具部分5と第2の金具部分6とは、少なくとも1つのジョイントレバー7を介して互いに旋回可能に結合されている。
【0030】
第1の組付けステップ(図2b)において組付け部分8は、家具プレート2bの第1の切欠き15a内に固定され、これに対して第2の金具部分6は、可動の家具部分3に固定される。好ましくは、第2の金具部分6の長手方向に延在しているハウジング6aは、可動の家具部分3の第2の切欠き15b内にほぼ完全に埋設可能であるようになっている。第3の組付けステップ(図2c)において組付け部分8と連結部分9とは互いに結合され、これによって可動の家具部分3は家具本体2に固定可能である。
【0031】
図3a~図3cには、組付け部分8における連結部分9の組付けが互いに異なった組付けステップにおいて示されている。連結部分9は、少なくとも1つのジョイントレバー7を介して第2の金具部分6に結合されており、ジョイントレバー7は、連結部分9においてジョイント軸17aを中心に旋回可能に支持され、かつ第2の金具部分6においてジョイント軸33aを中心に旋回可能に支持されている。ジョイントレバー7には調整輪郭部24が配置されており、第1のジョイント軸17aを中心にしたジョイントレバー7の運動時に、ばね装置10によって力が加えられた押圧ローラ12が調整輪郭部24に沿って走行可能である。ジョイントレバー7は、第1のレバー端部と第2のレバー端部とを備えたダブルアーム形状のレバーとして形成されており、ジョイントレバー7の第1のレバー端部は、ジョイント軸33aを介して第2の金具部分6に枢着結合されている。緩衝装置11には、ジョイントレバー7の第2のレバー端部を介して力を加えることができ、ジョイントレバー7の第2のレバー端部は、緩衝行程を行うために、直接、または少なくとも1つの別の部材(例えば中間レバー)を介して緩衝装置11に作用する。第1の組付けステップにおいて組付け部分8は、少なくとも1つの固定装置16(この固定装置16は、例えばねじを収容するための孔として形成されている)によって、家具プレート2bに接してまたは家具プレート2b内に組み付けられる。
【0032】
組付け部分8は、2つ以上の固定装置16を有していてもよく、これらの固定装置16は、ねじを収容するための孔として形成されている。また、固定装置16が可動に支持された操作要素を有していることも可能であり、操作要素の操作によって少なくとも1つのロック要素が可動であり、このロック要素によって組付け部分8は、家具プレート2bに当接して固定可能、または家具プレート2b内に力結合(摩擦結合)式に固定可能である。
【0033】
さらなる組付けステップにおいて連結部分9は、組付け部分8のポケット形のハウジング8a内に斜めに導入される。さらに、組付け部分8と連結部分9との間のセンタリングのためのセンタリング装置18が設けられており、センタリング装置18は、連結部分9を案内するための少なくとも1つの斜面18a,18bを有していて、この斜面18a,18bは、組付け部分8および/または連結部分9に配置または形成されている。
【0034】
連結部分9と組付け部分8との間の解離可能なロックのためには、少なくとも1つのロック装置20が好適である。ロック装置20は、連結部分9を解離可能にロックするための少なくとも1つのロック要素25aを有しており、このロック要素25aは可動に支持されていて、このロック要素25aには、(好ましくは圧縮ばねとして形成された)蓄力器21aによって力が加えられる。ロック要素25aは、連結部分9の係止部分23aを収容するための切欠き22aを備えている。図示の実施例では第2の蓄力器21bが設けられており、この第2の蓄力器21bは、第2の係止部分23bを備えた第2のロック要素25bを、組付け部分8の第2の切欠き22bの方向に押圧する。図3bおよび図3cから分かるように、連結部分9は組付け部分8内に横方向から内方旋回させられ、連結部分9は、センタリング装置18の斜面18a,18bによって組付け部分8に対して相対的に案内可能である。
【0035】
図4aには、組付け部分8に対して相対的な連結部分9の、図3cに続く旋回運動が示されている。ロック要素25aは、ロック要素25aの斜面との係止部分23aの協働によって、蓄力器21aの力に抗して、矢印26の方向に押圧され、これによって係止部分23aは、ロック要素25aの切欠き22a内に進入することができ、第2の係止部分23bは、第2の蓄力器21bの力によって組付け部分8の切欠き22b内に押し込まれる。
【0036】
図4bには、組付け部分8と連結部分9との間のロックされた位置が示されている。ロック解除装置19によって、組付け部分8と連結部分9との間のロックは再び解除可能である。ロック解除装置19は、可動に支持された、好ましくは直線的に移動可能な解除要素19aを有しており、方向(X)において解除要素19aに力を加えることによって、組付け部分8と連結部分9との間のロックは解除可能である。解除要素19aは、家具用金具4の組付け状態において、直接またはダイレクトに工具を用いた操作のために接近可能である。
【0037】
図示の実施例では、ロック解除装置19はダブルアームのロック解除レバー30を有しており、このロック解除レバー30は、軸27を中心にして旋回可能に支持されている。ダブルアームのロック解除レバー30の両レバー端部には、ピン28a,28bを収容するために設けられた長孔29a,29bが存在している。第1のピン28aはロック要素25aに配置されており、これに対して第2のピン28bは解除要素19aに結合されている。解除要素19aは、工具、好ましくはねじ回しによって図示された矢印の方向(X)に押し込まれると、ロック要素25aは、ロック解除レバー30によって蓄力器21aの力に抗して解除位置に運動させられ、この解除位置において組付け部分8と連結部分9との間のロックは解除可能である。好ましくは、方向(X)は第1の金具部分5の端面に対してほぼ垂直に延在するようになっている。
【0038】
図5aには家具用金具4が示されており、第2の金具部分6はハウジング6aによって、可動の家具部分3に固定することができる。ハウジング6aの第1の端部領域31aには、少なくとも1つのジョイント軸33bが配置されており、これに対して第2の端部領域31bには、回転可能な操作要素32aを備えた固定装置32が配置されている。
【0039】
図5bには、図5aにおいて丸で囲まれた領域が拡大されて示されている。固定装置32の操作要素32aは、少なくとも1つのロック要素36に運動連結されて結合されており、好ましくは、操作要素32aはロック要素36にねじ係合されているようになっている。操作要素32aは、回転可能なねじとして形成されており、このねじは(例えば長孔39を用いて)半径方向に移動可能に支持されている。操作要素32aは、工具のための収容部を有していてよく、これによって操作要素32aは工具を用いて回転可能である。
【0040】
ロック要素36は、第1の斜面37aを有しており、この第1の斜面37aは、好ましくはハウジング6aに配置された対応する第2の斜面37bと協働し、ロック要素36は、第1の回転方向における操作要素32aの回転によって、第1の斜面37aと第2の斜面37bとの協働により、操作要素32aの回転軸に対して横方向の第1の方向に可動であり、ひいては可動の家具部分3における切欠き15bの接触面40の方向に可動である。ロック要素36は、少なくとも部分的に、切欠き15bに接触するための、静止摩擦を高める表面38を、好ましくは少なくとも1つのリブおよび/または少なくとも1つの歯列を有している。図5cには横断面図が示されており、この横断面図から分かるように、ロック要素36は、間隙を形成するように、切欠き15bの接触面40から間隔をおいて配置されていて、これによって解除位置にある。
【0041】
図6aには、可動の家具部分3における第2の金具部分6の固定された状態が示されている。図5a~図5cに示された位置を起点として操作要素32aは、工具を用いて第1の回転方向(時計回り方向)に回転させられている。この回転運動によってロック要素36は、操作要素32aのヘッドの近くに引き付けられ、ロック要素36は、斜面37a,37bの協働と、操作要素32aの半径方向における移動可能性とによって、可動の家具部分3における切欠き15bの接触面40に押付け可能である。
【0042】
図6bには、ハウジング6aの、ジョイント軸33bが配置されている第1の端部領域31aが示されている。操作要素32aの回転によって、長手方向に延在しているハウジング6aも、切欠き15bの、向かい合って位置している第2の接触面40aの方向に移動させられており、ハウジング6aの第1の端部領域31aに配置された突出部35は、切欠き15bの第2の接触面40aに押付け可能であり、かつ/または第2の接触面40a内に進入可能である。このように構成されていると、第2の金具部分6のハウジング6aは、両端部領域31a,31bで、切欠き15bの互いに向かい合って位置している両接触面40,40aに対して相対的に緊締可能である。
【0043】
図6cには、ハウジング6aの第2の端部領域31bに配置された固定装置32が別の横断面図で示されており、ロック要素36は、固定された状態(緊締位置)において可動の家具部分3における切欠き15b内に位置している。ロック要素36は、第1の回転方向とは逆向きの第2の回転方向における操作要素32aの回転によって、第1の斜面37aと第2の斜面37bとの協働により、第1の方向とは逆向きの第2の方向に可動であり、これによってロック要素36の表面38と第1の接触面40との間の間隔は増大可能である。このように構成されていると、ロック要素36は再び、図5cに示された解除位置に戻り可能であり、これによって第2の金具部分6のハウジング6aは、接触面40,40aの損傷なしに切欠き15bから取り出すことができる。
【0044】
図7aには、家具用金具4が斜視図で示されており、第1の金具部分5は、家具本体2の切欠き15aの内部にハウジング8aを解離可能に固定するための、少なくとも1つの固定装置32を有している。ハウジング8aは、長手方向(L)において互いに間隔をおいて配置された2つの端部領域31a,31bを有しており、ジョイントレバー7のジョイント軸17aは、第1の端部領域31aの付近に配置されており、ねじの形態の回転可能に支持された操作要素32aを備えた固定装置32は、第2の端部領域31bの付近に配置されている。少なくとも1つの調整装置13a,13bによって、家具本体2に対する、好ましくは家具本体2の家具プレート2aに対するハウジング8aの位置が調整可能である。固定装置32は、図5a~図5c、図6a~図6cに示された固定装置32と同一に構成されてよい。
【0045】
示された図において回転可能な操作要素32aは、ロック要素36にねじ係合しており、操作要素32aは、長孔39の内部において半径方向遊びをもって案内されている。ロック要素36には、好ましくはピンの形態の少なくとも1つのガイド要素42が配置されており、ガイド要素42は、操作要素32aの回転時に、ハウジング8aの、好ましくは斜めに延在しているガイド37bに沿って、移動可能に案内されている。このように構成されていると、ロック要素36は、静止摩擦を高めるその表面38で、家具本体2における切欠き15aの内面に押付け可能である。
【0046】
第1の金具部分5のハウジング8aおよび/または第2の金具部分6のハウジング6aはそれぞれ、横方向に突出している少なくとも1つのフランジ41,41aを有している。つまりフランジ41,41aの背面によって、家具部分2a,3の端面に接触可能な奥行きストッパが形成されており、これによって金具部分5,6は、組み付けられた状態において、家具プレート2aに対してかつ/または可動の家具部分3に対して確定された奥行き位置に保持されている。さらにフランジ41,41aによって、金具部分5,6と切欠き15a,15bとの間に形成された間隙がカバー可能である。さらにフランジ41,41aによって、家具用金具4の組み付けられた状態において、切欠き15a,15bの、端面43に位置している縁部がカバー可能である。このように構成されていると、この縁部が幾分ささくれていても、この縁部の面倒な後処理を省くことができる。
【0047】
図7bには、第1の金具部分5の、家具本体2内に、好ましくは家具プレート2a内に埋設されたハウジング8aが、固定装置32の解除位置において示されている。図7bから認識できるように、ロック要素36の表面38は、切欠き15aの対応する内面にまだ押し付けられていない。
【0048】
図7cには、第1の金具部分5の、家具本体2内に、好ましくは家具プレート2a内に埋設されたハウジング8aが、固定装置32の緊締位置において示されている。操作要素32aの回転によって、ロック要素36の両ガイド要素42は、ガイド37bに沿って運動させられており、ロック要素36の表面38は、切欠き15aの内面に押し付けられるまたは押し込まれる。
【0049】
図8aには、家具本体2および/または可動の家具部分3に金具部分5,6を固定するための固定装置32の別の実施例が示されている。固定装置32は、示された図において、可動の家具部分3に接してまたは可動の家具部分3内に固定すべき第2の金具部分6との関連において説明される。もちろんこの固定装置32は、第1の金具部分5との関連においても使用することができる。
【0050】
金具部分6は、可動の家具部分3に接触するための、少なくとも部分的に平らに形成された固定面47を有している。ハウジング6aの第2の端部領域31bに配置された固定装置32は、固定面47に対して直角に延在している垂直線44に対して斜めに、例えば10°~20°斜めに延在している長手方向を有する孔45を含んでいる。ハウジング6aの第1の端部領域31aには、横方向に突出している少なくとも1つの突出部35が配置されており、この突出部35の機能については、既に図6bとの関連において説明している。
【0051】
図8bには、図8aにおいて丸で囲まれた詳細領域「A」が拡大されて示されている。
【0052】
図8cには、図8aにおいて丸で囲まれた詳細領域「B」が拡大されて示されており、この図から、斜面46を備えた斜めに延在している孔45が分かる。
【0053】
図8dには、回転可能なねじの形態の操作要素32aが示されており、ねじの、斜めに延在している孔45を通る長手方向軸線は、固定面47に関して傾けられている。ねじの形態の操作要素32aがねじ込まれると、孔45の斜面46には操作要素32aが接触する。このように構成されていると、第2の金具部分6のハウジング6aは、長手方向(L)において運動させられ、第1の端部領域31aの突出部35は、切欠き15bの内面に押圧され、ハウジング6aの両端部領域31a,31bは、切欠き15b内において固定可能である。
【0054】
示された図において孔45は、垂直線44に関して非対称に形成されている。孔45の斜面46は、操作要素32aが回転運動時に斜面45に接触し、ハウジング6aが操作要素32aによって垂直線44に対して横方向に可動であるように傾斜している。
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図3c
図4a
図4b
図5a
図5b
図5c
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図7c
図8a
図8b
図8c
図8d