IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 本田技研工業株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図1
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図2
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図3
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図4
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図5
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図6
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図7
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図8
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図9
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図10
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図11
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図12
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図13
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図14
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図15
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図16
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図17
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図18
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図19
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図20
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図21
  • 特許-鞍乗り型車両の車体カバー構造 図22
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】鞍乗り型車両の車体カバー構造
(51)【国際特許分類】
   B62J 23/00 20060101AFI20221212BHJP
   B62J 17/02 20060101ALI20221212BHJP
   B62J 50/30 20200101ALI20221212BHJP
【FI】
B62J23/00 G
B62J23/00 A
B62J23/00 C
B62J17/02
B62J50/30
B62J23/00 F
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2021030934
(22)【出願日】2021-02-26
(65)【公開番号】P2021155026
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2021-09-28
(31)【優先権主張番号】202011013491
(32)【優先日】2020-03-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100165179
【弁理士】
【氏名又は名称】田▲崎▼ 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100126664
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 慎吾
(74)【代理人】
【識別番号】100154852
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 太一
(74)【代理人】
【識別番号】100194087
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 伸一
(72)【発明者】
【氏名】ナルワル ビカス ディープ
(72)【発明者】
【氏名】亀井 誠太郎
(72)【発明者】
【氏名】ダム アマンディープ シン
【審査官】渡邊 義之
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-85857(JP,A)
【文献】特開2012-162094(JP,A)
【文献】特開2020-59358(JP,A)
【文献】特開2009-83677(JP,A)
【文献】特開2018-52413(JP,A)
【文献】特開2017-202810(JP,A)
【文献】特許第6282991(JP,B2)
【文献】国際公開第2018/134737(WO,A1)
【文献】中国特許出願公開第102585731(CN,A)
【文献】欧州特許出願公開第2042415(EP,A1)
【文献】中国特許出願公開第102421662(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 23/00
B62J 17/02- 17/06
B62J 50/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車体前部に配置されるヘッドパイプ(21)と、
前記ヘッドパイプ(21)の後方に配置される燃料タンク(7)と、
前記燃料タンク(7)の側方を覆い、側面視で前記ヘッドパイプ(21)の前方に延びるタンクカバー(41)と、
前記ヘッドパイプ(21)の前方に配置されるフロントカウル(42)と、
前記ヘッドパイプ(21)の側方に配置されるサイドカバー(43)と、
前記サイドカバー(43)の側方に配置されるサイドガーニッシュ(45)と、
前記フロントカウル(42)の側方に配置されるフロントガーニッシュ(44)と、を備え、
前記サイドカバー(43)は、前記タンクカバー(41)と前記フロントカウル(42)とを接続し、
前記サイドガーニッシュ(45)は、前記サイドカバー(43)に接続され、
前記フロントガーニッシュ(44)は、前記フロントカウル(42)及び前記サイドカバー(43)に接続されることを特徴とする鞍乗り型車両の車体カバー構造。
【請求項2】
側面視で、前記ヘッドパイプ(21)の前方の位置で、前記フロントカウル(42)、前記フロントガーニッシュ(44)、前記タンクカバー(41)、前記サイドカバー(43)、前記サイドガーニッシュ(45)は、上下方向で重なることを特徴とする請求項に記載の鞍乗り型車両の車体カバー構造。
【請求項3】
前記サイドガーニッシュ(45)の上部には、風を通過可能な通風孔(353)が設けられることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗り型車両の車体カバー構造。
【請求項4】
前記タンクカバー(41)と前記サイドカバー(43)との間には、風を導くことが可能な導風路(318)が設けられることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の鞍乗り型車両の車体カバー構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鞍乗り型車両の車体カバー構造に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、タンクシュラウド及びサイドカバーを備える鞍乗り型車両の車体カバー構造が開示されている。タンクシュラウドは、燃料タンクの前部左右から、左右のフロントフォークの側方までを覆う部材である。タンクシュラウドにおいて側面視略三角形状をなす前部は、フロントフォークよりさらに前方へ突出している。タンクシュラウドの後部は、サイドカバーの上側前部に接続される。サイドカバーの上部は、燃料タンクの上部周囲を、側面視でキャップが露出する状態で覆っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6282991号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、タンクシュラウド及びサイドカバー等のカバー部材は、フロントカウル(メータバイザ等)とは接続されていない。そのため、曲げやねじり等の力に対しての剛性を高める上で改善の余地があった。
【0005】
本発明の態様は、剛性を高めることができる鞍乗り型車両の車体カバー構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様の鞍乗り型車両の車体カバー構造は、車体前部に配置されるヘッドパイプ(21)と、前記ヘッドパイプ(21)の後方に配置される燃料タンク(7)と、前記燃料タンク(7)の側方を覆い、側面視で前記ヘッドパイプ(21)の前方に延びるタンクカバー(41)と、前記ヘッドパイプ(21)の前方に配置されるフロントカウル(42)と、前記ヘッドパイプ(21)の側方に配置されるサイドカバー(43)と、前記サイドカバー(43)の側方に配置されるサイドガーニッシュ(45)と、前記フロントカウル(42)の側方に配置されるフロントガーニッシュ(44)と、を備え、前記サイドカバー(43)は、前記タンクカバー(41)と前記フロントカウル(42)とを接続し、前記サイドガーニッシュ(45)は、前記サイドカバー(43)に接続され、前記フロントガーニッシュ(44)は、前記フロントカウル(42)及び前記サイドカバー(43)に接続される
この構成によれば、サイドカバーを介してタンクカバーとフロントカウルとが一体化されるため、剛性を高めることができる。加えて、サイドガーニッシュがサイドカバーと一体化するため、剛性を更に高めることができる。加えて、フロントガーニッシュがフロントカウル及びサイドカバーと一体化するため、剛性を更に高めることができる。
【0009】
本発明の一態様において、側面視で、前記ヘッドパイプ(21)の前方の位置で、前記フロントカウル(42)、前記フロントガーニッシュ(44)、前記タンクカバー(41)、前記サイドカバー(43)、前記サイドガーニッシュ(45)は、上下方向で重なってもよい。
この構成によれば、上下方向の剛性を高めるとともに、旋回時に生じる力に対しての剛性を高めることができる。
【0010】
本発明の一態様において、前記サイドガーニッシュ(45)の上部には、風を通過可能な通風孔(353)が設けられてもよい。
この構成によれば、通風孔の作用により、空気抵抗を低減することができる。
【0011】
本発明の一態様において、前記タンクカバー(41)と前記サイドカバー(43)との間には、風を導くことが可能な導風路(318)が設けられてもよい。
この構成によれば、導風路を通る風により、燃料タンクを冷却することができる。
【発明の効果】
【0012】
本発明の態様によれば、剛性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。
図2】実施形態に係る自動二輪車の上面図である。
図3】実施形態に係る自動二輪車の前面図である。
図4】実施形態に係る自動二輪車の後面図である。
図5】実施形態に係る車体カバー構造の左側面図である。
図6図5のVI-VI断面を含む図である。
図7図5のVII-VII断面を含む図である。
図8図5のVIII-VIII断面を含む図である。
図9図5のIX-IX断面を含む図である。
図10図5のX-X断面を含む図である。
図11図5のXI-XI断面を含む図である。
図12図6の左側部の拡大図である。
図13図5のXIII-XIII断面を含む図である。
図14図5のXIV-XIV断面を含む斜視図である。
図15】実施形態に係るFC後部ボスの取付状態の斜視図である。
図16図5のXVI-XVI断面を含む図である。
図17】実施形態に係るSC後部取付壁の取付状態の斜視図である。
図18図5のXVIII-XVIII断面を含む斜視図である。
図19】実施形態に係る第二FG取付爪の取付状態の斜視図である。
図20】実施形態に係る第二FG起立壁の取付状態の斜視図である。
図21図5のXXI-XXI断面を含む図である。
図22】実施形態に係るSG中央取付爪の取付状態の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、車体左右中心を示す線CLが示される。以下、車両の構成要素において、車両左側に位置する要素の符号末尾には「L」を付し、車両右側に位置する要素の符号末尾には「R」を付すことがある。
【0015】
<車両全体>
図1は、鞍乗り型車両の一例としての自動二輪車1を示す。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。
図1を参照し、自動二輪車1は、操向輪である前輪3と、駆動輪である後輪4と、を備える。前輪3は、ハンドル2によって操向される。後輪4は、車両の動力源であるエンジン10によって駆動される。
【0016】
ステアリング系部品は、ハンドル2及び前輪3を含む。ステアリング系部品は、車体フレーム20のヘッドパイプ21に操向可能に支持される。エンジン10は、車体フレーム20の前後中央部に位置する。
【0017】
車体フレーム20は、ヘッドパイプ21、メインフレーム22、ダウンフレーム23及びシートレール24を備える。
ヘッドパイプ21は、車体前部に配置される。側面視で、ヘッドパイプ21は、ヘッドパイプ21の上端が後方に位置し、かつ、ヘッドパイプ21の下端が前方に位置するように傾斜する。
【0018】
メインフレーム22は、ヘッドパイプ21から後方に延びる。メインフレーム22は、シリンダ12の上方をヘッドパイプ21から斜め後下方に延びる。
ダウンフレーム23は、ヘッドパイプ21から下方に延びる。ダウンフレームは、シリンダ12の前方をヘッドパイプ21からメインフレーム22よりも急傾斜で後下方に延びる。
シートレール24は、メインフレーム22の後部から後方に延びる。
【0019】
エンジン10は、車両の動力源である。例えば、エンジン10は、単気筒エンジンである。エンジン10は、クランクケース11及びシリンダ12を備える。シリンダ12は、クランクケース11の前上部から斜め前上方に起立する。シリンダ12は、クランクケース11に一体に結合される。
【0020】
シリンダ12は、シリンダブロック12a、シリンダヘッド12b及びヘッドカバー12cを備える。
シリンダブロック12aは、クランクケース11と一体に設けられる。
シリンダヘッド12bは、シリンダブロック12aの上部に取り付けられる。燃焼室(不図示)は、シリンダヘッド12bの内部に形成される。
ヘッドカバー12cは、シリンダヘッド12bの上部に取り付けられる。
【0021】
変速機13は、クランクケース11の後部に設けられる。クランクケース11の後部は、クラッチ及びトランスミッションを収容する変速機ケースを兼ねる。変速機13は、エンジン10の動力を外部に取り出すための図示しない出力軸を備える。
【0022】
クランクケース11の前部は、ブラケット28を介してダウンフレーム23に支持される。クランクケース11の後部は、左右ピボットプレート25に支持される。左右ピボットプレート25には、前後に延びるスイングアーム5の前端部が揺動可能に支持される。
スイングアーム5の後部には、後輪4の車軸が支持される。変速機13の出力軸と後輪4の車軸とは、ドライブチェーン等を含む動力伝達機構(例えば、チェーン式伝動機構)を介して連結される。スイングアーム5の前部と、車体フレーム20との間には、リアサスペンション6が設けられる。
【0023】
燃料タンク7は、ヘッドパイプ21の後方に配置される。燃料タンク7は、シリンダ12の上方に配置される。燃料タンク7は、メインフレーム22に支持される。燃料タンク7は、メインフレーム22を上方及び側方から覆う。
【0024】
シート8は、燃料タンク7の後方に配置される。シート8は、シートレール24に支持される。シート8は、シートレール24に沿うように前後方向に延びる。シート8は、乗員が着座する前座部8aと、同乗者が着座する後座部8bと、を備える。
【0025】
シリンダ12(具体的にはシリンダヘッド12b)の後面には、吸気配管30が接続される。
シリンダ12(具体的にはシリンダヘッド12b)の前面には、排気管31が接続される。排気管31は、シリンダヘッド12bの前面からクランクケース11の前方を斜め下後方へ延びる。その後、排気管31は、クランクケース11の下方を通って右後方へ延びる。マフラ32は、排気管31の後端(下流端)に接続される(図2参照)。
【0026】
図1において、符号15はフロントフォーク、符号16はフロントフェンダ、符号17はドレスガード(サリーガード)をそれぞれ示す。図2において、符号130L,130Rは左右のハンドルカバー、符号111はクラッチレバー、符号112はブレーキレバーをそれぞれ示す。図3において、符号46はスクリーン、符号90はヘッドライト、符号140はフロントウインカをそれぞれ示す。図4において、符号80はメータ、符号160はリアウインカをそれぞれ示す。
【0027】
<車体カバー>
車両は、車体フレーム20の周囲を覆う車体カバー39を備える。車体カバー39は、車体前部を覆う前部車体カバー40(カウル)を備える。前部車体カバー40は、燃料タンク7の側方を覆うタンクカバー41L,41Rと、ヘッドパイプ21の前方に配置されるフロントカウル42と、ヘッドパイプ21の側方に配置されるサイドカバー43L,43Rと、フロントカウル42の側方に配置されるフロントガーニッシュ44L,44Rと、サイドカバー43L,43Rの側方に配置されるサイドガーニッシュ45L,45Rと、を備える。前部車体カバー40は、車体フレーム20等に複数個所で取り付けられる。
【0028】
<車体カバー構造>
図5に示すように、車体カバー構造300は、上述したヘッドパイプ21、燃料タンク7及び前部車体カバー40を備える。図2中符号7aは、燃料タンク7のキャップを示す。キャップ7aは、上面視で車体左右中心線CL上に配置される。以下、車体カバー構造300の構成要素において、特に左右を区別しないときは符号末尾の「L」、「R」を省略することがある。
【0029】
前部車体カバー40において、タンクカバー41、サイドカバー43、フロントガーニッシュ44及びサイドガーニッシュ45は、それぞれ左右一対設けられる。側面視で、ヘッドパイプ21の前方の位置で、フロントカウル42、フロントガーニッシュ44、タンクカバー41、サイドカバー43、サイドガーニッシュ45は、上下方向で重なる。
【0030】
図5中符号FLは、側面視でヘッドパイプ21の前方に配置される仮想鉛直線を示す。仮想鉛直線FLは、側面視でヘッドパイプ21の前方の位置で鉛直線に平行な仮想線である。側面視で、フロントカウル42、フロントガーニッシュ44、タンクカバー41、サイドカバー43及びサイドガーニッシュ45は、仮想鉛直線FL上に配置される。
【0031】
<タンクカバー>
図2に示すように、タンクカバー41は、燃料タンク7のキャップ7aを上方に露出させた状態で燃料タンク7の車幅方向外側部を覆う。タンクカバー41は、サイドカバー43の車幅方向外側に配置される。図5に示すように、タンクカバー41は、側面視で燃料タンク7の側方からヘッドパイプ21の前方に向けて延びる。
【0032】
側面視で、タンクカバー41の前部は、燃料タンク7の前上部からヘッドパイプ21の前方に向かうに従って下方に位置するように傾斜する前傾斜部310を備える。側面視で、前傾斜部310は、前方に向けて突出する前凸部311と、下方に凸の三角形状の下凸部312と、を備える。
【0033】
断面視で、前傾斜部310は、車幅方向内方に開放する屈曲形状(開いたL字状)を有する(図6参照)。図6に示すように、断面視で、前傾斜部310は、上下方向に延びる側壁部313と、側壁部313の上端から車幅方向内方に向かうに従って上方に位置するように傾斜して延びる上壁部314と、を備える。
【0034】
図5に示すように、側面視で、タンクカバー41は、前下方に開口するV字状のV字開口315を有する。側面視で、V字開口315は、下凸部312の後端から後方に向かうに従って上方に位置するように傾斜した後、前下方に屈曲して延びるV字状を有する。側面視で、V字開口315は、燃料タンク7の前下部及びヘッドパイプ21の一部と重なる。
【0035】
側面視で、タンクカバー41の後部は、燃料タンク7の車幅方向外側部と重なる。側面視で、タンクカバー41の後部は、燃料タンク7の外形に沿うように上方に向けて膨出する。
【0036】
タンクカバー41は、タンクカバー41をサイドカバー43に取り付けるための複数の取付部(以下「TC取付部」ともいう。)を有する。複数のTC取付部は、タンクカバー41の前傾斜部310において前後方向に間隔をあけて配置される。複数のTC取付部には、前傾斜部310の前部をサイドカバー43に取り付けるためのTC前部ボス316A(図13参照)と、前傾斜部310の前後方向中央部をサイドカバー43に取り付けるためのTC中央ボス316B(図10参照)と、前傾斜部310の後部をサイドカバー43に取り付けるためのTC後部起立壁316C(図14参照)と、が含まれる。
【0037】
図13に示すように、TC前部ボス316Aは、前傾斜部310の側壁部313の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて突出する。TC前部ボス316Aは、サイドカバー43の挿通孔332Aに挿し込まれる。
図10に示すように、TC中央ボス316Bは、前傾斜部310の側壁部313の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて突出する。TC中央ボス316Bは、ゴム製の弾性部材317を介してサイドカバー43に取り付けられる。弾性部材317は、TC中央ボス316Bと同軸の環状を有する。弾性部材317は、サイドカバー43の挿通孔332Bの周縁を跨ぐ形状(断面U字状)を有する。
【0038】
図14に示すように、TC後部起立壁316Cは、前傾斜部310の上壁部314の上端から上方に向けて起立する。TC後部起立壁316Cは、フロントガーニッシュ44の車幅方向内方に配置される。TC後部起立壁316Cは、トリムクリップ等の取付部材380を介してサイドカバー43に取り付けられる。
【0039】
タンクカバー41とサイドカバー43との間には、風を導くことが可能な導風路318が設けられる。導風路318は、タンクカバー41とサイドカバー43との間を前後方向に開口する。導風路318は、前傾斜部310が延びる方向に沿うように形成される。導風路318に導かれた風は、燃料タンク7(図5参照)に向けて流れる。
【0040】
<フロントカウル>
図5に示すように、フロントカウル42は、タンクカバー41の前上方に配置される。フロントカウル42は、ヘッドライト90の前面を前方に露出させた状態で、ヘッドライト90の周囲を覆う。フロントカウル42の上部には、スクリーン46が取り付けられる。フロントカウル42の車幅方向外側部は、後方に向かうに従って車幅方向外方に位置するように膨出する(図7参照)。
【0041】
図7に示すように、フロントカウル42は、ヘッドライト90の車幅方向外側部を車幅方向外方から覆うライト側部覆い部320を備える。前面視で、ライト側部覆い部320は、フロントフォーク15の車幅方向外側部と部分的に重なる。断面視で、ライト側部覆い部320は、隣り合うカバー部材の断面形状に沿うように上下方向に屈曲しつつ延びる。
【0042】
フロントカウル42は、フロントカウル42をフロントカウルステーに取り付けるための複数の取付部(以下「FC取付部」ともいう。)を有する。複数のFC取付部は、フロントカウル42において前後方向に間隔をあけて配置される。複数のFC取付部には、フロントカウル42の前部をフロントカウルステー390Aに取り付けるためのFC前部ボス321A(図7参照)と、フロントカウル42の前後方向中央部をヘッドライト90の車幅方向外側部に取り付けるためのFC中央起立壁321B(図12参照)と、フロントカウル42の後部をフロントカウルステー390Bに取り付けるためのFC後部ボス321C(図15参照)と、が含まれる。
【0043】
図7に示すように、FC前部ボス321Aは、ライト側部覆い部320の下部において車幅方向内方に凸の断面形状を有する。FC前部ボス321Aは、ボルト等の締結部材325を介してフロントカウルステー390Aに取り付けられる。
【0044】
図12に示すように、FC中央起立壁321Bは、フロントカウル42の車幅方向内側面からヘッドライト90の車幅方向外側部に向けて車幅方向内方に起立する。図中符号391は、ヘッドライト90の車幅方向外側部から車幅方向外方へ突出する外凸壁を示す。FC中央起立壁321Bは、ヘッドライト90の外凸壁391の前方に配置される。FC中央起立壁321Bは、外凸壁391の固定用のボルト等の締結部材381により取り付けられる。
【0045】
図15に示すように、FC後部ボス321Cは、フロントカウル42の後部の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて突出する有底筒状を有する。FC後部ボス321Cは、ボルト等の締結部材382を介してフロントカウルステー390Bに取り付けられる。
【0046】
<サイドカバー>
図5に示すように、側面視で、サイドカバー43は、フロントカウル42の側方からシリンダヘッド12bの前方まで上下方向に延びる。サイドカバー43の上部は、ヘッドパイプ21の前方に突出する前突出部330を備える。側面視で、前突出部330は、ヘッドパイプ21の前方に突出する嘴状を有する。サイドカバー43の上部は、車幅方向においてフロントカウル42とタンクカバー41との間に配置される。サイドカバー43の上部は、フロントカウル42の車幅方向外側に配置される。サイドカバー43の上部は、タンクカバー41の車幅方向内側に配置される。断面視で、サイドカバー43の上部は、隣り合うカバー部材の断面形状に沿うように上下方向に屈曲しつつ延びる(図6参照)。
【0047】
図5に示すように、側面視で、サイドカバー43の下部は、ダウンフレーム23の上部及びシリンダヘッド12bの前上部と重なる。側面視で、サイドカバー43の下部前縁は、ヘッドパイプ21の後方に向かうに従って下方に位置するように傾斜して延びる。図6に示すように、前面視で、サイドカバー43の下部は、車幅方向外方に膨出するように湾曲する。
【0048】
サイドカバー43は、複数のTC取付部316A,316B,316Cによってタンクカバー41に接続される。
サイドカバー43は、TC中央ボス316Bを受けるためのボス受け部331(以下「TCボス受け部331」ともいう。)を備える(図10参照)。図10に示すように、TCボス受け部331は、TC中央ボス316Bを挿通可能に車幅方向に開口する挿通孔332Bを有する。例えば、挿通孔332Bの周縁に弾性部材317を取り付けた状態で、車幅方向外方からTC中央ボス316Bを挿通孔332Bに挿し込む。これにより、タンクカバー41をサイドカバー43に取り付けることができる。
【0049】
サイドカバー43は、サイドカバー43をサイドカウルステー等に取り付けるための複数の取付部(以下「SC取付部」ともいう。)を有する。複数のSC取付部には、サイドカバー43の上部をサイドカウルステーに取り付けるためのSC上部ボス333A(図9参照)と、サイドカバー43の下部をサイドカウルステーに取り付けるためのSC下部ボス333B(図9図11参照)と、サイドカバー43の前上部をフロントカウル42に取り付けるためのSC上部起立壁333C(図16参照)と、サイドカバー43の前下部をロアカウル392に取り付けるためのSC下部起立壁333D(図12参照)と、サイドカバー43の後部をミドルカウルに取り付けるためのSC後部取付壁333E(図17参照)と、が含まれる。
【0050】
図9に示すように、SC上部ボス333Aは、サイドカバー43の上部においてタンクカバー41の前傾斜部310と側面視で重なる部分に設けられる。SC上部ボス333Aは、サイドカバー43の上部の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて突出する。SC上部ボス333Aは、ボルト等の締結部材を介してサイドカウルステー370に取り付けられる。
【0051】
図中符号319は、タンクカバー41の前傾斜部310の車幅方向内側面からサイドカバー43の上部の車幅方向外側面に向けて車幅方向内方に起立するリブを示す。リブ319は、上下方向に間隔あけて複数設けられる。リブ319の車幅方向内端は、サイドカバー43の上部の車幅方向外側面に当接する。
【0052】
SC下部ボス333Bは、SC上部ボス333Aの下方かつ車幅方向内方に配置される。SC下部ボス333Bは、サイドカバー43の下部において断面視で車幅方向内方に突出する部位43a(内凸部43a)からさらに車幅方向内方に向けて突出する。SC下部ボス333Bは、サイドカウルステー371に取り付けられる。
【0053】
図16に示すように、SC上部起立壁333Cは、サイドカバー43の前突出部330の上部から車幅方向内方に起立する。SC上部起立壁333Cは、フロントガーニッシュ44の車幅方向内方に配置される。SC上部起立壁333Cは、ボルト等の締結部材383を介してフロントカウル42に取り付けられる。
【0054】
図12に示すように、SC下部起立壁333Dは、サイドカバー43の前下部の車幅方向内面から車幅方向内方に起立する。SC下部起立壁333Dは、ロアカウル392の車幅方向外側部の後方に配置される。SC下部起立壁333Dは、ボルト等の締結部材384を介してロアカウル392の車幅方向外側部に取り付けられる。
【0055】
図17に示すように、SC後部取付壁333Eは、サイドカバー43の後部において車幅方向に厚みを有する。SC後部取付壁333Eは、Jナットを取り付けるための取付孔334を有する。SC後部取付壁333Eは、ボルト及びJナット等の締結部材385を介してミドルカウル393に取り付けられる。
【0056】
<フロントガーニッシュ>
図5に示すように、フロントガーニッシュ44は、フロントカウル42の車幅方向外側に配置される。側面視で、フロントガーニッシュ44は、タンクカバー41の前傾斜部310の後部からヘッドパイプ21の前方に向けて延びた後、フロントカウル42の前下端に向けて前下方に傾斜して延びる形状を有する。
【0057】
図8に示すように、断面視で、フロントガーニッシュ44は、車幅方向外方に凸の湾曲形状を有する。断面視で、フロントガーニッシュ44は、フロントカウル42の車幅方向外側部を車幅方向外方から覆うFC側部覆い部340と、サイドカバー43の車幅方向外側部を車幅方向外方から覆うSC側部覆い部341と、車幅方向外方に凸の湾曲凸部342と、を備える。
【0058】
断面視で、FC側部覆い部340は、フロントカウル42の車幅方向外側面に沿うように傾斜する。断面視で、FC側部覆い部340は、湾曲凸部342の上端から上方に向かうに従って車幅方向内方に位置するように傾斜して延びる。
断面視で、SC側部覆い部341は、サイドカバー43の上部の車幅方向外側面に沿うように傾斜する。断面視で、SC側部覆い部341は、湾曲凸部342の下端から下方に向かうに従って車幅方向内方に位置するように傾斜して延びる。
【0059】
フロントガーニッシュ44は、フロントカウル42及びサイドカバー43に接続される。フロントガーニッシュ44は、フロントガーニッシュ44をフロントカウル42に取り付けるための取付部(以下「FC/FG取付部」ともいう。)と、フロントガーニッシュ44をサイドカバー43に取り付けるための取付部(以下「SC/FG取付部」ともいう。)と、を備える。
【0060】
FC/FG取付部は、フロントガーニッシュ44の前後方向に間隔をあけて複数設けられる。複数のFC/FG取付部には、フロントガーニッシュ44の前端部をフロントカウル42に取り付けるための第一FG取付爪343A(図18参照)と、フロントガーニッシュ44の前後方向中央部をフロントカウル42に取り付けるための第二FG取付爪343B(図19参照)と、フロントガーニッシュ44の後上部をフロントカウル42に取り付けるための第三FG取付爪343C(図8参照)と、フロントガーニッシュ44の後下部をフロントカウル42に取り付けるための第四FG取付爪343D(図8参照)と、が含まれる。
【0061】
図18に示すように、第一FG取付爪343Aは、フロントガーニッシュ44の前端部の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて突出した後、前方に屈曲する。図中符号322Aは、フロントカウル42を車幅方向に開口する第一FG取付孔を示す。例えば、第一FG取付爪343Aは、車幅方向外方から第一FG取付孔322Aに挿し込まれる。
【0062】
図19に示すように、第二FG取付爪343Bは、FG側部覆い部340の下部の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて突出した後、前方に屈曲する。図中符号322Bは、フロントカウル42を車幅方向に開口する第二FG取付孔を示す。例えば、第二FG取付爪343Bは、車幅方向外方から第二FG取付孔322Bに挿し込まれる。
【0063】
図8に示すように、第三FG取付爪343Cは、FG側部覆い部340の上部の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて突出した後、前方に屈曲する。図8中符号322Cは、フロントカウル42を車幅方向に開口する第三FG取付孔を示す。例えば、第三FG取付爪343Cは、車幅方向外方から第三FG取付孔322Cに挿し込まれる。
【0064】
図8に示すように、第四FG取付爪343Dは、SC側部覆い部341の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて突出した後、前方に屈曲する。例えば、第四FG取付爪343Dは、車幅方向外方からサイドカバー43の不図示の挿通孔を通じてフロントカウル42の取付孔に挿し込まれる。
【0065】
SC/FG取付部は、フロントガーニッシュ44の後部において前後方向に間隔をあけて複数設けられる。複数のSC/FG取付部には、フロントガーニッシュ44の後端部をサイドカバー43に取り付けるための第一FG起立壁344A(図9参照)と、フロントガーニッシュ44の後部において第一FG起立壁344Aと第四FG取付爪343D(図8参照)との間の部位をサイドカバー43に取り付けるための第二FG起立壁344B(図20参照)と、が含まれる。
【0066】
図9に示すように、第一FG起立壁344Aは、フロントガーニッシュ44の後端部に設けられる。第一FG起立壁344Aは、フロントガーニッシュ44の後端部の上部から車幅方向内方に起立する。第一FG起立壁344Aは、トリムクリップ等の取付部材(不図示)を介してサイドカバー43に取り付けられる。
【0067】
図20に示すように、第二FG起立壁344Bは、フロントガーニッシュ44の後部において第一FG起立壁344A(図9参照)の前方に設けられる。第二FG起立壁344Bは、フロントガーニッシュ44の後部の上部から車幅方向内方に起立した後、斜め下方に向けて屈曲する。第二FG起立壁344Bは、トリムクリップ等の取付部材386を介してサイドカバー43に取り付けられる。
【0068】
<サイドガーニッシュ>
図5に示すように、サイドガーニッシュ45は、サイドカバー43の車幅方向外側に配置される。側面視で、サイドガーニッシュ45は、タンクカバー41のV字開口315と重なる部位からシリンダヘッド12bの前方まで上下方向に延びる。側面視で、サイドガーニッシュ45は、サイドカバー43の外形の範囲内に設けられる。
【0069】
図6に示すように、前面視で、サイドガーニッシュ45は、車幅方向外方に凸の外凸部350と、外凸部350の上端から上方に向かうに従って車幅方向内方に位置するように傾斜する上傾斜外縁351と、外凸部350の下端から下方に向かうに従って車幅方向内方に位置するように傾斜する下傾斜外縁352と、を備える。
【0070】
図5に示すように、側面視で、サイドガーニッシュ45の上部は、タンクカバー41の前傾斜部310の下縁に沿うように傾斜する上端縁45aと、タンクカバー41の下凸部312の前傾斜縁の延長線に沿うように傾斜する下端縁45bと、を有する。
【0071】
サイドガーニッシュ45の上部には、風を通過可能な通風孔353が設けられる。側面視で、通風孔353は、矩形状を有する。通風孔353は、サイドガーニッシュ45とサイドカバー43との間の後部開口354(図9参照)に連通する。
【0072】
サイドガーニッシュ45の上部には、風を通風孔353に導く導風面355が設けられる。導風面355は、タンクカバー41の下凸部312の後傾斜縁と通風孔353の前端との間に設けられる。導風面355は、後方に向かうに従って車幅方向外方に位置するように傾斜する(図6参照)。導風面355の上下幅は、後方に向かうに従って徐々に大きくなっている。導風面355を通じて通風孔353に導かれた風は、後部開口354を介してサイドガーニッシュ45の後方へ流れる。
【0073】
図8に示すように、サイドカバー43とサイドガーニッシュ45との間には、風を通過可能な通風路335が設けられる。通風路335は、後部開口354(図5参照)に連通する。通風路335を通過した風は、後部開口354を介してサイドガーニッシュ45の後方へ流れる。
【0074】
通風路335には、風を整流するためのフィン336(整流凸部)が設けられる。フィン336は、サイドカバー43の車幅方向外側面からサイドガーニッシュ45の下部の車幅方向内側面に向けて突出する。フィン336は、前後方向に延びる。フィン336の上下幅は、後方に向かうに従って徐々に大きくなっている。フィン336は、上下方向に間隔をあけて複数(例えば、図8においては3つ)設けられる。
【0075】
サイドガーニッシュ45は、サイドカバー43に接続される。サイドガーニッシュ45は、サイドガーニッシュ45をサイドカバー43に取り付けるための複数の取付部(以下「SG取付部」ともいう。)を有する。複数のSG取付部は、サイドガーニッシュ45において前後方向及び上下方向のそれぞれ間隔をあけて配置される。複数のSG取付部には、サイドガーニッシュ45の前上部をサイドカバー43に取り付けるためのSG前部ボス356A(図8参照)と、サイドガーニッシュ45の後上部をサイドカバー43に取り付けるためのSG後部ボス356B(図9参照)と、サイドガーニッシュ45の下部をサイドカバー43に取り付けるためのSG下部ボス356C(図9参照)と、サイドガーニッシュ45の上下方向中央部をサイドカバー43に取り付けるためのSG中央起立壁356D(図21参照)と、サイドガーニッシュ45の下部をサイドカバー43に取り付けるためのSG下部起立壁356E(図9参照)と、サイドガーニッシュ45の前後方向中央部をサイドカバー43に取り付けるためのSG中央取付爪356F(図22参照)と、が含まれる。
【0076】
図8に示すように、SG前部ボス356Aは、サイドガーニッシュ45の前上部の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて突出する。SG前部ボス356Aは、サイドカバー43の取付孔337に挿し込まれる。
図9に示すように、SG後部ボス356Bは、サイドガーニッシュ45の後上部の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて突出する。SG後部ボス356Bは、サイドカバー43の凸部の開口338に挿し込まれる。
【0077】
図9に示すように、SG下部ボス356Cは、サイドガーニッシュ45の下部の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて突出する。SG下部ボス356Cの底部は、ボルト等の締結部材360を介してサイドカバー43に取り付けられる。
図21に示すように、SG中央起立壁356Dは、サイドガーニッシュ45の上下方向中央部の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて起立する。SG中央起立壁356Dは、サイドカバー43の凸部の開口394に挿し込まれる。
【0078】
図9に示すように、SG下部起立壁356Eは、サイドガーニッシュ45の下部の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて起立する。SG下部起立壁356Eは、サイドカバー43の挿通孔395の周縁に弾性部材396を取り付けた状態で、車幅方向外方から挿通孔395に挿し込まれる。
図22に示すように、SG中央取付爪356Fは、サイドガーニッシュ45の上下方向中央部の車幅方向内側面から車幅方向内方に向けて突出する。SG中央取付爪356Fは、サイドカバー43の挿通孔に挿し込まれる。
【0079】
<作用効果>
以上説明したように、上記実施形態の自動二輪車の車体カバー構造300は、車体前部に配置されるヘッドパイプ21と、ヘッドパイプ21の後方に配置される燃料タンク7と、燃料タンク7の側方を覆い、側面視でヘッドパイプ21の前方に延びるタンクカバー41と、ヘッドパイプ21の前方に配置されるフロントカウル42と、ヘッドパイプ21の側方に配置されるサイドカバー43と、を備え、サイドカバー43は、タンクカバー41とフロントカウル42とを接続する。
実施形態によれば、サイドカバー43を介してタンクカバー41とフロントカウル42とが一体化されるため、剛性を高めることができる。
【0080】
実施形態によれば、サイドカバー43の側方に配置されるサイドガーニッシュ45を更に備え、サイドガーニッシュ45は、サイドカバー43に接続されることで、以下の効果を奏する。
サイドガーニッシュ45がサイドカバー43と一体化するため、剛性を更に高めることができる。
【0081】
実施形態によれば、フロントカウル42の側方に配置されるフロントガーニッシュ44を更に備え、フロントガーニッシュ44は、フロントカウル42及びサイドカバー43に接続されることで、以下の効果を奏する。
フロントガーニッシュ44がフロントカウル42及びサイドカバー43と一体化するため、剛性を更に高めることができる。
【0082】
実施形態によれば、側面視で、ヘッドパイプ21の前方の位置で、フロントカウル42、フロントガーニッシュ44、タンクカバー41、サイドカバー43、サイドガーニッシュ45は、上下方向で重なることで、以下の効果を奏する。
上下方向の剛性を高めるとともに、旋回時に生じる力に対しての剛性を高めることができる。
【0083】
実施形態によれば、サイドガーニッシュ45の上部には、風を通過可能な通風孔353が設けられることで、以下の効果を奏する。
通風孔353の作用により、空気抵抗を低減することができる。
【0084】
実施形態によれば、タンクカバー41とサイドカバー43との間には、風を導くことが可能な導風路318が設けられることで、以下の効果を奏する。
導風路318を通る風により、燃料タンク7を冷却することができる。
【0085】
<変形例>
上記実施形態では、サイドカバー43の側方に配置されるサイドガーニッシュ45を備え、サイドガーニッシュ45は、サイドカバー43に接続される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、サイドガーニッシュ45は、サイドカバー43に接続されなくてもよい。例えば、サイドガーニッシュ45は、サイドカバー43以外の他の部材に接続されてもよい。例えば、車体カバーは、サイドガーニッシュ45を備えなくてもよい。
【0086】
上記実施形態では、フロントカウル42の側方に配置されるフロントガーニッシュ44を備え、フロントガーニッシュ44は、フロントカウル42及びサイドカバー43に接続される例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、フロントガーニッシュ44は、フロントカウル42及びサイドカバー43に接続されなくてもよい。例えば、フロントガーニッシュ44は、フロントカウル42及びサイドカバー43以外の他の部材に接続されてもよい。例えば、車体カバーは、フロントガーニッシュ44を備えなくてもよい。
【0087】
上記実施形態では、側面視で、ヘッドパイプ21の前方の位置で、フロントカウル42、フロントガーニッシュ44、タンクカバー41、サイドカバー43、サイドガーニッシュ45は、上下方向で重なる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、側面視で、ヘッドパイプ21の前方の位置で、フロントカウル42、フロントガーニッシュ44、タンクカバー41、サイドカバー43、サイドガーニッシュ45は、上下方向で重ならなくてもよい。例えば、車体カバーを構成するカバー部材の形状や配置、接続態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
【0088】
上記実施形態では、サイドガーニッシュ45の上部には、風を通過可能な通風孔353が設けられる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、サイドガーニッシュ45の上部には、通風孔353が設けられなくてもよい。
【0089】
上記実施形態では、タンクカバー41とサイドカバー43との間には、風を導くことが可能な導風路318が設けられる例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、タンクカバー41とサイドカバー43との間には、導風路318が設けられなくてもよい。
【0090】
上記実施形態では、エンジン10が単気筒エンジンである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、エンジン10は多気筒エンジンであってもよい。エンジン10は、種々の形式を採用可能である。
【0091】
本発明は上記実施形態に限られるものではなく、上記鞍乗り型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれる。上記鞍乗り型車両には、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪且つ後二輪の他に、前二輪且つ後一輪の車両も含む)の車両又は四輪の車両も含まれる。
【0092】
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0093】
1 自動二輪車(鞍乗り型車両)
7 燃料タンク
21 ヘッドパイプ
41 タンクカバー
42 フロントカウル
43 サイドカバー
44 フロントガーニッシュ
45 サイドガーニッシュ
300 車体カバー構造
318 導風路
353 通風孔
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22