(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】車両制御装置、及び車両制御方法
(51)【国際特許分類】
E05B 49/00 20060101AFI20221212BHJP
B60R 25/00 20130101ALI20221212BHJP
G01S 5/02 20100101ALI20221212BHJP
【FI】
E05B49/00 K
B60R25/00
G01S5/02 Z
(21)【出願番号】P 2021036308
(22)【出願日】2021-03-08
【審査請求日】2021-11-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000005326
【氏名又は名称】本田技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 哲史
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-31871(JP,A)
【文献】特開2019-31872(JP,A)
【文献】特開2019-100055(JP,A)
【文献】特開2007-146501(JP,A)
【文献】特開2008-190457(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05B 49/00
B60R 25/00-25/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の利用者により使用され、前記車両との間で第1通信仕様による第1無線通信と第2通信仕様による第2無線通信とを行う利用者端末と、前記車両との間で、前記第1無線通信が確立されたことを認識する第1無線通信確立認識部と、
前記第1無線通信確立認識部により、前記車両と前記利用者端末との間で前記第1無線通信が確立されたことが認識されたときに、前記車両に備えられた複数の前記第2通信仕様の第2通信アンテナのうちの複数の第1所定数の前記第2通信アンテナを作動させて、前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両に対する前記利用者端末の第1位置を認識する第1端末位置認識部と、
前記第1位置に基づいて、前記第1所定数よりも少ない第2所定数の前記第2通信アンテナを選択し、該選択した前記第2通信アンテナを作動させて前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両と前記利用者端末との距離を認識し、その後、前記車両と前記利用者端末との距離に応じて、作動させる前記第2通信アンテナの数を変更して、前記車両と前記利用者端末との距離を認識する端末距離認識処理を、繰り返し実行する端末距離認識部と、
前記車両と前記利用者端末との距離に基づいて、前記車両の制御を行う制御部と、
を備える車両制御装置。
【請求項2】
前記端末距離認識部は、前記第1位置に基づいて認識した前記利用者端末からの距離が最も短い前記第2通信アンテナである第1近接アンテナを含めて、前記第2所定数の前記第2通信アンテナを選択する
請求項1に記載の車両制御装置。
【請求項3】
前記端末距離認識部は、所定タイミングで実行した前記端末距離認識処理により認識した前記車両と前記利用者端末との距離が、第1判定距離以下になったときに、前記第1近接アンテナと前記第1近接アンテナに最も近い前記第2通信アンテナである第2近接アンテナとを含む第3所定数の前記第2通信アンテナを作動させて、次のタイミングでの前記端末距離認識処理を実行する
請求項2に記載の車両制御装置。
【請求項4】
前記端末距離認識処理により、前記第3所定数の前記第2通信アンテナを作動させて認識された前記車両と前記利用者端末との距離が、前記第1判定距離よりも短い第2判定距離以下になったときに、前記第1近接アンテナと前記第2近接アンテナを含む前記第3所定数よりも多い第4所定数の前記第2通信アンテナを作動させて、前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両に対する前記利用者端末の第2位置を認識する第2端末位置認識処理を実行する第2端末位置認識部を備え、
前記制御部は、前記第2位置に基づいて前記車両の制御を行う
請求項3に記載の車両制御装置。
【請求項5】
前記車両に備えられたドアの開閉状態を認識するドア開閉状態認識部を備え、
前記第2端末位置認識部は、前記ドア開閉状態認識部により前記車両に備えられた全ての前記ドアが閉状態であることが認識され、且つ前記第2位置が前記車両の車内であるときに、前記車両の車内に配置された前記第2通信アンテナのみを作動させて、前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両に対する前記利用者端末の位置を認識する
請求項4に記載の車両制御装置。
【請求項6】
前記第2端末位置認識部は、前記第2端末位置認識処理により複数の前記第2通信アンテナを作動させて認識した前記第2位置が、所定時間以上に亘って所定移動量以上変化しなかったときに、前記第2端末位置認識処理において作動させる前記第2通信アンテナの数を減少させる
請求項4又は請求項5に記載の車両制御装置。
【請求項7】
前記第2端末位置認識部は、前記第2端末位置認識処理により認識した前記第2位置が前記所定時間以上に亘って前記所定移動量以上変化していない状態から、前記第2位置が前記所定移動量を超えて変化したときに、前記第2位置に応じて、前記第2端末位置認識処理において作動させる前記第2通信アンテナの数を変更する
請求項6に記載の車両制御装置。
【請求項8】
前記第2端末位置認識部は、1台の前記利用者端末について前記第2端末位置認識処理を実行しているときは、他の前記利用者端末については前記第2端末位置認識処理を実行しない
請求項4から請求項7のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
【請求項9】
コンピュータにより実行される車両制御方法であって、
車両の利用者により使用され、前記車両との間で第1通信仕様による第1無線通信と第2通信仕様による第2無線通信とを行う利用者端末と、前記車両との間で、前記第1無線通信が確立されたことを認識する第1無線通信確立認識ステップと、
前記第1無線通信確立認識ステップにより、前記車両と前記利用者端末との間で前記第1無線通信が確立されたことが認識されたときに、前記車両に備えられた複数の前記第2通信仕様の第2通信アンテナのうちの複数の第1所定数の前記第2通信アンテナを作動させて、前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両に対する前記利用者端末の第1位置を認識する第1端末位置認識ステップと、
前記第1位置に基づいて、前記第1所定数よりも少ない第2所定数の前記第2通信アンテナを選択し、該選択した前記第2通信アンテナを作動させて前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両と前記利用者端末との距離を認識し、その後、前記車両と前記利用者端末との距離に応じて、作動させる前記第2通信アンテナの数を変更して、前記車両と前記利用者端末との距離を認識する端末距離認識処理を、繰り返し実行する端末距離認識ステップと、
前記車両と前記利用者端末との距離に基づいて、前記車両の制御を行う制御ステップと、
を備える車両制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両制御装置、及び車両制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、セキュリティ装置及び室内リーダ/ライタを車両に備えることにより、車両キー及びスマートフォン等の携帯端末による車両の操作を可能にした車両制御システムが提案されている(例えば、特許文献1参照)。上記車両制御システムにおいて、セキュリティ装置は、車両外の通信エリア内で車両キーの認証に成功したときに、車両キーによるドアロックの施解錠を許容する。さらに、セキュリティ装置は、車両内の通信エリア内で車両キーの認証に成功したときに、車両キーによるエンジンの始動を許容する。
また、室内リーダ/ライタは、車内に持ち込まれた携帯端末との間で、NFC(Near Field Communication)を通じた認証に成功したときに、携帯端末による車両の操作(ドアロックの施解錠、エンジンの始動等)を許容する。
また、携帯用の送信ユニットから送信される無線信号を受信して車両のドアロックを解除する車両遠隔装置において、無線信号を受信する信号処理部に対する電源供給を間欠的に行い、ドアロックの有無、及びドアロックがされてからの経過時間に応じて、電源供給の周期を切り替えることで、電力消費力を低減する構成が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2014-54902号公報
【文献】特開平10-266934号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、車両に接近する利用者の認証を、利用者により携帯されるスマートフォン等の利用者端末によって行う場合、車両に対する利用者端末の位置を精度よく認識する必要がある。そして、利用者による車両の使用に備えて、利用者端末の車両への接近を常時モニターする必要があるため、利用者端末の位置の認識に要する消費電力を低減することが要望されている。
本発明はかかる背景に鑑みてなされたものであり、車両に接近する利用者端末の位置の認識に要する消費電力を低減することができる車両制御装置、及び車両制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するための第1態様として、車両の利用者により使用され、前記車両との間で第1通信仕様による第1無線通信と第2通信仕様による第2無線通信とを行う利用者端末と、前記車両との間で、前記第1無線通信が確立されたことを認識する第1無線通信確立認識部と、前記第1無線通信確立認識部により、前記車両と前記利用者端末との間で前記第1無線通信が確立されたことが認識されたときに、前記車両に備えられた複数の前記第2通信仕様の第2通信アンテナのうちの複数の第1所定数の前記第2通信アンテナを作動させて、前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両に対する前記利用者端末の第1位置を認識する第1端末位置認識部と、前記第1位置に基づいて、前記第1所定数よりも少ない第2所定数の前記第2通信アンテナを選択し、該選択した前記第2通信アンテナを作動させて前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両と前記利用者端末との距離を認識し、その後、前記車両と前記利用者端末との距離に応じて、作動させる前記第2通信アンテナの数を変更して、前記車両と前記利用者端末との距離を認識する端末距離認識処理を、繰り返し実行する端末距離認識部と、前記車両と前記利用者端末との距離に基づいて、前記車両の制御を行う制御部と、を備える車両制御装置が挙げられる。
【0006】
上記車両制御装置において、前記端末距離認識部は、前記第1位置に基づいて認識した前記利用者端末からの距離が最も短い前記第2通信アンテナである第1近接アンテナを含めて、前記第2所定数の前記第2通信アンテナを選択する構成としてもよい。
【0007】
上記車両制御装置において、前記端末距離認識部は、所定タイミングで実行した前記端末距離認識処理により認識した前記車両と前記利用者端末との距離が、第1判定距離以下になったときに、前記第1近接アンテナと前記第1近接アンテナに最も近い前記第2通信アンテナである第2近接アンテナとを含む第3所定数の前記第2通信アンテナを作動させて、次のタイミングでの前記端末距離認識処理を実行する構成としてもよい。
【0008】
上記車両制御装置において、前記端末距離認識処理により、前記第3所定数の前記第2通信アンテナを作動させて認識された前記車両と前記利用者端末との距離が、前記第1判定距離よりも短い第2判定距離以下になったときに、前記第1近接アンテナと前記第2近接アンテナを含む前記第3所定数よりも多い第4所定数の前記第2通信アンテナを作動させて、前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両に対する前記利用者端末の第2位置を認識する第2端末位置認識処理を実行する第2端末位置認識部を備え、前記制御部は、前記第2位置に基づいて前記車両の制御を行う構成としてもよい。
【0009】
上記車両制御装置において、前記車両に備えられたドアの開閉状態を認識するドア開閉状態認識部を備え、前記第2端末位置認識部は、前記ドア開閉状態認識部により前記車両に備えられた全ての前記ドアが閉状態であることが認識され、且つ前記第2位置が前記車両の車内であるときに、前記車両の車内に配置された前記第2通信アンテナのみを作動させて、前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両に対する前記利用者端末の位置を認識する構成としてもよい。
【0010】
上記車両制御装置において、前記第2端末位置認識部は、前記第2端末位置認識処理により複数の前記第2通信アンテナを作動させて認識した前記第2位置が、所定時間以上に亘って所定移動量以上変化しなかったときに、前記第2端末位置認識処理において作動させる前記第2通信アンテナの数を減少させる構成としてもよい。
【0011】
上記車両制御装置において、前記第2端末位置認識部は、前記第2端末位置認識処理により認識した前記第2位置が前記所定時間以上に亘って前記所定移動量以上変化していない状態から、前記第2位置が前記所定移動量を超えて変化したときに、前記第2位置に応じて、前記第2端末位置認識処理において作動させる前記第2通信アンテナの数を変更する構成としてもよい。
【0012】
上記車両制御装置において、前記第2端末位置認識部は、1台の前記利用者端末について前記第2端末位置認識処理を実行しているときは、他の前記利用者端末については前記第2端末位置認識処理を実行しない構成としてもよい。
【0013】
上記目的を達成するための第2態様として、コンピュータにより実行される車両制御方法であって、車両の利用者により使用され、前記車両との間で第1通信仕様による第1無線通信と第2通信仕様による第2無線通信とを行う利用者端末と、前記車両との間で、前記第1無線通信が確立されたことを認識する第1無線通信確立認識ステップと、前記第1無線通信確立認識ステップにより、前記車両と前記利用者端末との間で前記第1無線通信が確立されたことが認識されたときに、前記車両に備えられた複数の前記第2通信仕様の第2通信アンテナのうちの複数の第1所定数の前記第2通信アンテナを作動させて、前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両に対する前記利用者端末の第1位置を認識する第1端末位置認識ステップと、前記第1位置に基づいて、前記第1所定数よりも少ない第2所定数の前記第2通信アンテナを選択し、該選択した前記第2通信アンテナを作動させて前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両と前記利用者端末との距離を認識し、その後、前記車両と前記利用者端末との距離に応じて、作動させる前記第2通信アンテナの数を変更して、前記車両と前記利用者端末との距離を認識する端末距離認識処理を、繰り返し実行する端末距離認識ステップと、前記車両と前記利用者端末との距離に基づいて、前記車両の制御を行う制御ステップと、を備える車両制御方法が挙げられる。
【発明の効果】
【0014】
上記車両制御装置によれば、車両に接近する利用者端末の位置の認識に要する消費電力を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】
図1は、車両制御装置により、車両に対する利用者端末の位置と距離を測定する態様の説明図である。
【
図2】
図2は、車両制御装置が搭載された車両の構成図である。
【
図3】
図3は、車両に対する利用者端末の位置と距離を認識する処理の第1のフローチャートである。
【
図4】
図4は、車両に対する利用者端末の位置と距離を認識する処理の第2のフローチャートである。
【
図5】
図5は、車両に対する利用者端末の位置に応じて、作動させるUWBアンテナを変更する態様の説明図である。
【
図6】
図6は、車両と利用者端末との距離に応じて、作動させるUWBアンテナを変更する態様の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
[1.車両に対する利用者端末の位置と距離の測定処理]
図1を参照して、車両制御装置10が搭載された車両1と、車両1の利用者Uにより所持される利用者端末90との間で無線通信を行うことにより実行される、車両1に対する利用者端末90の位置と距離の測定処理について説明する。
【0017】
車両1は、BLE(Bluetooth Low Energy、Bluetoothは登録商標)による無線通信を行う第1通信ユニット50、及びUWB(Ultra Wide Band)による無線通信を行う第2通信ユニット60を備えている。UWB通信では、500MHz~十数GHzの帯域(例えば、8GHz帯周辺)が使用される。
【0018】
BLEの通信仕様は本開示の第1通信仕様に相当し、BLEによる無線通信(以下、BLE通信と称する)は、本開示の第1無線通信に相当する。UWBの通信仕様は本開示の第2通信仕様に相当し、UWBによる無線通信(以下、UWB通信と称する)は、本開示の第2無線通信に相当する。
【0019】
利用者端末90は、例えば、スマートフォン、携帯電話、タブレット端末、及びスマートウォッチ等のウェアラブルデバイスであり、利用者Uにより携帯或いは装着して使用される。利用者端末90には、車両1を遠隔操作するための電子鍵アプリ(アプリケーションプログラム)がインストールされており、利用者端末90は、電子鍵アプリを実行することによって、車両1の遠隔操作機能を有する電子鍵として機能する。
【0020】
車両1は、第1通信ユニット50に接続されたBLEアンテナ51を備えている。また、車両1は、第2通信ユニット60に接続されたUWBアンテナ61a,61b,61c,61d,61e,61f,61g,61hを備えている。UWBアンテナ61a,61b,61c,61dは、車両1の外部の四隅(左前端、右前端、左後端、右後端)に配置されている。UWBアンテナ61e,61f,61g,61hは、車両1の車内の前後左右に配置されている。
【0021】
車両制御装置10は、第1通信ユニット50を制御してBLE通信のポーリングを行い、利用者端末90が、第1通信ユニット50によるBLE通信の通信領域Barの外側(符号D1で示した状態)から内側(符号D2で示した状態)に入った第1位置P1で、車両1と利用者端末90との間のBLE通信を確立する。
【0022】
そして、車両制御装置10は、利用者端末90との間で電子鍵の認証を行って、利用者端末90が車両1の電子鍵として登録されていることを確認する。具体的には、車両制御装置10は、利用者端末90から送信される認証コードと、車両制御装置10のメモリに保存された認証コードとを照合することにより、利用者端末90が車両1の電子鍵として登録されていることを認証する。
【0023】
車両制御装置10は、利用者端末90が車両1の電子鍵として登録されていることを認証したときに、第2通信ユニット60を介して車両1と利用者端末90との間でUWB通信を行うことにより、車両1に対する利用者端末90の位置と距離を認識する。車両制御装置10は、各UWBアンテナ61a~61hと利用者端末90との距離を、ToF(Time of Flight)に基づいて測定する。
【0024】
車両制御装置10は、車両1と利用者端末90とのBLE通信が確立された第1地点P1で、全てのUWBアンテナ61a~61hを作動させて、車両1と利用者端末90との間でUWB通信を行う。そして、各UWBアンテナ61a~61hと利用者端末90との距離を測定することにより、車両1に対する利用者端末90の位置を認識する。
図1では、利用者Uが車両1の右側方から車両1に接近する状況を示しており、車両制御装置10は、利用者端末90に最も近いUWBアンテナ61gを選択して、車両1と利用者端末90との距離を認識する端末距離認識処理を開始する。
【0025】
車両制御装置10は、先ず、UWBアンテナ61gのみを作動させてUWB通信を行って、車両1と利用者端末90との距離を認識する。そして、車両1と利用者端末90との距離が短くなるに従って、作動させるUWBアンテナの数を増加させて端末距離認識処理を実行する。このように、車両1と利用者端末90に応じて、作動させるUWBアンテナの数を限定することにより、端末距離認識処理における消費電力を低減することができる。
【0026】
車両制御装置10は、車両1と利用者端末90との距離が所定の判定距離以下になった第2位置P2で、UWBアンテナ61b、61g、61dを作動させてUWB通信を行うことにより、UWBアンテナ61b,61g,61dと利用者端末90との間の距離X,Y,Zを測定する。車両1におけるUWBアンテナ61a~61hの位置は既知であるので、X,Y,Zを測定することにより、車両制御装置10は、車両1に対する利用者端末90のP2を、三点測量により精度良く認識することができる。
【0027】
車両制御装置10は、車両1に対する利用者端末90の位置に基づいて、車両1へのエントリー処理を実行する。車両制御装置10は、エントリー処理として、車両1に備えられたウェルカムライト73(
図2参照)の点灯、車両1のドアロック機構72(
図2参照)による車両1のドアの解錠等を行う。また、車両制御装置10は、利用者端末90が車両1の車内に位置していることを認識したときに、利用者Uによる電源オン操作等を許可する。
【0028】
[2.車両制御装置の構成]
図2を参照して、車両制御装置10の構成について説明する。車両制御装置10は、第1通信ユニット50を介して利用者端末90との間でBLE通信を行い、第2通信ユニット60を介して利用者端末90との間でUWB通信を行う。車両制御装置10には、車両1の各ドアの開閉状態を検出するドアセンサの検出信号が入力される。車両制御装置10から出力される制御信号により、車両1の各ドアの施錠と解錠を行うドアロック機構72とウェルカムライト73の作動が制御される。
【0029】
車両制御装置10は、プロセッサ20、メモリ30、及び図示しないインターフェース回路等により構成される制御ユニットである。プロセッサ20は、本開示のコンピュータに相当する。プロセッサ20は、メモリ30に保存された制御用プログラム31を読み込んで実行することにより、第1無線通信確立認識部21、第1端末位置認識部22、端末距離認識部23、第2端末位置認識部24、ドア開閉状態認識部25、及び制御部26として機能する。第1無線通信確立認識部21、第1端末位置認識部22、端末距離認識部23、第2端末位置認識部24、ドア開閉状態認識部25、及び制御部26による処理については後述する。
【0030】
第1無線通信確立認識部21により実行される処理は、本開示の車両制御方法における第1無線通信確立認識ステップに相当し、第1端末位置認識部22により実行される処理は、本開示の車両制御方法における第1端末位置認識ステップに相当する。端末距離認識部23により実行される処理は、本開示の車両制御方法における端末距離認識ステップに相当し、第2端末位置認識部24により実行される処理は、本開示の車両制御方法における第2端末位置認識ステップに相当する。制御部26により実行される処理は、本開示の車両制御方法における制御ステップに相当する。
【0031】
[3.利用者端末の位置と距離の認識]
図5~
図6に示した車両1と利用者端末90との通信態様を参照しつつ、
図3~
図4に示したフローチャートに従って、車両制御装置10により実行される、車両1に対する利用者端末90の位置と距離の認識処理について説明する。
【0032】
図3のステップS1~S2は、第1無線通信確立認識部21による処理である。第1無線通信確立認識部21は、ステップS1でBLE通信のポーリングを行い、ステップS2で車両1と利用者端末90との間でBLE通信が確立されたか否かを判断する。そして、第1無線通信確立認識部21は、車両1と利用者端末90との間でBLE無線通信が確立されたときにステップS3に処理を進め、車両1と利用者端末90との間でBLE無線通信が確立されていないときにはステップS1に処理を進める。
【0033】
続くステップS3~S4は、第1端末位置認識部22による処理である。ステップS3で、第1端末位置認識部22は、
図5のC1に示したように、車両1の全てのUWBアンテナ61a~61hを作動させて、利用者端末90との間でUWB通信を実施する。次のステップS4で、第1端末位置認識部22は、UWB通信により測定した利用者端末90と各UWBアンテナ61a~61hとの距離に基づいて、車両1に対する利用者端末90の位置(本開示の第1位置に相当する)を認識する。ここで、ステップS3で作動させたUWBアンテナの数(ここでは8)は、本開示の第1所定数に相当する。
【0034】
続くステップS5~S8及びステップS20~S21は、端末距離認識部23による処理である。ステップS5で、端末距離認識部23は、
図5のC2に示したように、利用者端末90の位置に応じて、車両1と利用者端末90との距離を認識するために作動させるUWBアンテナを選択する。
【0035】
図5のC2では、利用者端末90が車両1の右側方に位置しているため、端末距離認識部23は、車両1の右側に配置されたUWBアンテナ61b,61g,61dを、作動させるUWBアンテナとして選択する。ここで、ステップS5で選択されたUWBアンテナの数(ここでは3)は、本開示の第2所定数に相当する。続くステップS6で、端末距離認識部23は、選択したUWBアンテナ61b,61g,61dを作動させて、車両1と利用者端末90との間でUWB通信を実施する。
【0036】
次のステップS7で、端末距離認識部23は、利用者端末90と作動させた各UWBアンテナとの通信状況に基づいて、車両1と利用者端末90との距離を認識する(端末距離認識処理)。続くステップS7で、端末距離認識部23は、車両1と利用者端末90との距離が判定距離以下であるか否かを判断する。
【0037】
そして、端末距離認識部23は、車両1と利用者端末90との距離が判定距離以下であるときは
図4のステップS9に処理を進め、車両1と利用者端末90との距離が判定距離を超えているときにはステップS20に処理を進める。ステップS20で、端末距離認識部23は、車両1と利用者端末90との距離に応じて、作動させるUWBアンテナを決定する。
【0038】
ここで、
図6を参照して、端末距離認識部23が、車両1と利用者端末90との距離に応じて、作動させるUWBアンテナの数を変更する態様について説明する。
図6のC5は、車両1と利用者端末90との距離が所定の第1判定距離を超えている場合であり、この場合、端末距離認識部23は、利用者端末90から最も近いUWBアンテナ61d(本開示の第1近接アンテナに相当する)のみを作動させて端末距離認識処理を実行する。
【0039】
図6のC6は、利用者端末90が車両1に近づいて、車両1と利用者端末90との距離が第1判定距離以下になった状況を示している。この場合、端末距離認識部23は、UWBアンテナ61dからの距離が最も短いUWBアンテナ61h(本開示の第2近接アンテナ)を含む、UWBアンテナ61b,61h,61c,61dを作動させて、端末距離認識処理を実行する。ここで、端末距離認識部23が作動させたUWBアンテナの数(ここでは4)は、本開示の第3所定数に相当する。
【0040】
図4のステップS9~S10は、第2端末位置認識部24による処理(第2端末位置認識処理)である。第2端末位置認識部24は、ステップS9で、
図5のC3及び
図6のC7に示したように、全てのUWBアンテナ61a~61hを作動させて、車両1と利用者端末90との間でUWB通信を行う。次のステップS10で、第2端末位置認識部24は、利用者端末90と各UWBアンテナ61a~61hとの通信状況に基づいて、利用者端末90の位置を認識する。ここで、ステップS9で作動されたUWBアンテナの数(ここでは8)は、本開示の第4所定数に相当する。
【0041】
第2端末位置認識部24は、利用者端末90が車両1の車内に位置していることを認識し、且つ、ドア開閉状態認識部25により車両1に備えられた全てのドアが閉状態であることが認識されているときは、
図5のC4に示したように、車両1の車内に配置されたUWBアンテナ61e,61f,61g,61hのみを作動させる。そして、第2端末位置認識部24は、車両1と利用者端末90との間でUWB通信を行うことにより、利用者端末90の位置を認識する。
【0042】
また、第2端末位置認識部24は、
図6のC7に示したように、車両1に接近した利用者端末90の位置を、利用者端末90から最も近いUWBアンテナ61c,61f,61hを作動させて車両1と利用者端末90との距離を、3点測量によって認識する。
【0043】
続くステップS11で、制御部26で、利用者端末90の位置に基づいて、車両1へのエントリー処理を実行する。制御部26は、エントリー処理として、ウェルカムライト73(
図2参照)の点灯、及びドアロック機構72による車両1のドアの解錠を行う。なお、車両1がパワードアを備えている場合は、制御部26が、エントリー処理として、パワードアを開動作させる制御を行ってもよい。制御部26は、第2端末位置認識部24により認識される利用者端末90の位置が車両1の室内であるときには、車両1の電源スイッチ(図しない)の操作を受け付ける。
【0044】
[4.他の実施形態]
上記実施形態では、
図3のステップS3で、全てのUWBアンテナ61a~61hを作動させたが、車両1の四隅に配置されたUWBアンテナ61a,61b,61c,61dのみを作動させてもよい。この場合、UWBアンテナ61a,61b,61c,61dの数は、本開示の第1所定数に相当する。
【0045】
この場合、第1端末位置認識部22は、ステップS4で、四隅に配置されたUWBアンテナ61a,61b,61c,61dと利用者端末90とのUWB通信の状況に応じて、車両1に対する利用者端末90の位置を認識する。
【0046】
上記実施形態では、
図4のステップS9で、第2端末位置認識部24は、全てのUWBアンテナ61a~61hを作動させたが、例えば、
図6のC7に示したように、利用者端末90に近い3つのUWBアンテナ61c,61d,61hのみを作動させて利用者端末90の位置を認識してもよい。
【0047】
上記実施形態において、第2端末位置認識部24が、第2端末位置認識処理により認識した利用者端末90の位置が所定時間以上に亘って所定移動量以上変化しなかったときに、第2端末位置認識処理において作動させるUWBアンテナの数を減少させるようにしてもよい。さらに、第2端末位置認識部24が、第2端末位置認識処理により認識した利用者端末90の位置が所定時間以上に亘って所定移動量以上変化していない状態から、利用者端末90の位置が所定移動量を超えて変化したときに、変化後の利用者端末90の位置に応じて、第2端末位置認識処理において作動させるUWBアンテナの数を変更するようにしてもよい。
【0048】
上記実施形態において、第2端末位置認識部24が、1台の利用者端末90について第2端末位置認識処理を実行しているときは、他の利用者端末については第2端末位置認識処理を実行しないようにしてもよい。
【0049】
なお、
図1、
図2は、本願発明の理解を容易にするために、車両1と車両制御装置10の構成を、主な処理内容により区分して示した概略図であり、車両制御装置10の構成を他の区分によって構成してもよい。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアユニットにより実行されてもよいし、複数のハードウェアユニットにより実行されてもよい。また、
図3~
図4に示した各構成要素による処理は、1つのプログラムにより実行されてもよいし、複数のプログラムにより実行されてもよい。
【0050】
[5.上記実施形態によりサポートされる構成]
上記実施形態は、以下の構成の具体例である。
【0051】
(第1項)車両の利用者により使用され、前記車両との間で第1通信仕様による第1無線通信と第2通信仕様による第2無線通信とを行う利用者端末と、前記車両との間で、前記第1無線通信が確立されたことを認識する第1無線通信確立認識部と、前記第1無線通信確立認識部により、前記車両と前記利用者端末との間で前記第1無線通信が確立されたことが認識されたときに、前記車両に備えられた複数の前記第2通信仕様の第2通信アンテナのうちの複数の第1所定数の前記第2通信アンテナを作動させて、前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両に対する前記利用者端末の第1位置を認識する第1端末位置認識部と、前記第1位置に基づいて、前記第1所定数よりも少ない第2所定数の前記第2通信アンテナを選択し、該選択した前記第2通信アンテナを作動させて前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両と前記利用者端末との距離を認識し、その後、前記車両と前記利用者端末との距離に応じて、作動させる前記第2通信アンテナの数を変更して、前記車両と前記利用者端末との距離を認識する端末距離認識処理を、繰り返し実行する端末距離認識部と、前記車両と前記利用者端末との距離に基づいて、前記車両の制御を行う制御部と、を備える車両制御装置。
第1項の車両制御装置によれば、車両に接近する利用者端末の位置の認識に要する消費電力を低減することができる。
【0052】
(第2項)前記端末距離認識部は、前記第1位置に基づいて認識した前記利用者端末からの距離が最も短い前記第2通信アンテナである第1近接アンテナを含めて、前記第2所定数の前記第2通信アンテナを選択する第2項に記載の車両制御装置。
第2項の車両制御装置によれば、利用者端末に最も近いことから第2無線通信による通信条件が最良である第1近接アンテナを作動させることにより、車両と利用者端末との距離の認識精度を高めることができる。
【0053】
(第3項)前記端末距離認識部は、所定タイミングで実行した前記端末距離認識処理により認識した前記車両と前記利用者端末との距離が、第1判定距離以下になったときに、前記第1近接アンテナと前記第1近接アンテナに最も近い前記第2通信アンテナである第2近接アンテナとを含む第3所定数の前記第2通信アンテナを作動させて、次のタイミングでの前記端末距離認識処理を実行する第2項に記載の車両制御装置。
第3項の車両制御装置によれば、第1近接アンテナと第2近接アンテナを組み合わせて作動させることにより、車両と利用者端末との距離の認識精度を向上させることができる。
【0054】
(第4項)前記端末距離認識処理により、前記第3所定数の前記第2通信アンテナを作動させて認識された前記車両と前記利用者端末との距離が、前記第1判定距離よりも短い第2判定距離以下になったときに、前記第1近接アンテナと前記第2近接アンテナを含む前記第3所定数よりも多い第4所定数の前記第2通信アンテナを作動させて、前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両に対する前記利用者端末の第2位置を認識する第2端末位置認識処理を実行する第2端末位置認識部を備え、前記制御部は、前記第2位置に基づいて前記車両の制御を行う第3項に記載の車両制御装置。
第4項の車両制御装置によれば、利用者端末が車両にさらに近づいたときに、作動させる第2通信アンテナを増加させることにより、車両の対する利用者端末の位置を精度よく認識することができる。
【0055】
(第5項)前記車両に備えられたドアの開閉状態を認識するドア開閉状態認識部を備え、前記第2端末位置認識部は、前記ドア開閉状態認識部により前記車両に備えられた全ての前記ドアが閉状態であることが認識され、且つ前記第2位置が前記車両の車内であるときに、前記車両の車内に配置された前記第2通信アンテナのみを作動させて、前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両に対する前記利用者端末の位置を認識する第4項に記載の車両制御装置。
第5項の車両制御装置によれば、利用者端末が社に車内に位置している場合に、車内に配置された第2通信アンテナのみを作動させることによって、利用者端末の位置を効率よく認識することができる。
【0056】
(第6項)前記第2端末位置認識部は、前記第2端末位置認識処理により複数の前記第2通信アンテナを作動させて認識した前記第2位置が、所定時間以上に亘って所定移動量以上変化しなかったときに、前記第2端末位置認識処理において作動させる前記第2通信アンテナの数を減少させる第4項又は第5項に記載の車両制御装置。
第6項の車両制御装置によれば、利用者端末の位置の変化が少ないことから、利用者が車両を使用する可能性が低いと推測される場合に、作動させる第2通信アンテナの数を減少させることにより、第2端末位置認識処理における消費電力を低減することができる。
【0057】
(第7項)前記第2端末位置認識部は、前記第2端末位置認識処理により認識した前記第2位置が前記所定時間以上に亘って前記所定移動量以上変化していない状態から、前記第2位置が前記所定移動量を超えて変化したときに、前記第2位置に応じて、前記第2端末位置認識処理において作動させる前記第2通信アンテナの数を変更する第6項に記載の車両制御装置。
第7項の車両制御装置によれば、利用者端末の移動量が大きくなったことから、利用者が車両に近づくか或いは車両から離れると推定される場合に、作動させる第2通信アンテナの数を変更することにより、必要な第2通信アンテナのみを作動させて無駄な電力の消費を抑制することができる。
【0058】
(第8項)前記第2端末位置認識部は、1台の前記利用者端末について前記第2端末位置認識処理を実行しているときは、他の前記利用者端末については前記第2端末位置認識処理を実行しない第4項から第7項のうちいずれか1項に記載の車両制御装置。
第8項の車両制御装置によれば、複数の利用者が車両に接近したときに、各利用者が所持する利用者端末に対して第2端末位置認識処理が個別に実行されて、第2端末位置認識処理に伴う消費電力が増加することを回避することができる。
【0059】
(第9項)コンピュータにより実行される車両制御方法であって、車両の利用者により使用され、前記車両との間で第1通信仕様による第1無線通信と第2通信仕様による第2無線通信とを行う利用者端末と、前記車両との間で、前記第1無線通信が確立されたことを認識する第1無線通信確立認識ステップと、前記第1無線通信確立認識ステップにより、前記車両と前記利用者端末との間で前記第1無線通信が確立されたことが認識されたときに、前記車両に備えられた複数の前記第2通信仕様の第2通信アンテナのうちの複数の第1所定数の前記第2通信アンテナを作動させて、前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両に対する前記利用者端末の第1位置を認識する第1端末位置認識ステップと、前記第1位置に基づいて、前記第1所定数よりも少ない第2所定数の前記第2通信アンテナを選択し、該選択した前記第2通信アンテナを作動させて前記車両と前記利用者端末との間で前記第2無線通信を行うことにより、前記車両と前記利用者端末との距離を認識し、その後、前記車両と前記利用者端末との距離に応じて、作動させる前記第2通信アンテナの数を変更して、前記車両と前記利用者端末との距離を認識する端末距離認識処理を、繰り返し実行する端末距離認識ステップと、前記車両と前記利用者端末との距離に基づいて、前記車両の制御を行う制御ステップと、を備える車両制御方法。
第9項の車両制御方法をコンピュータにより実行することによって、第1項の車両制御装置同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0060】
1…車両、10…車両制御装置、20…プロセッサ、21…第1無線通信確立認識部、22…第1端末位置認識部、23…端末距離認識部、24…第2端末位置認識部、25…ドア開閉状態認識部、26…制御部、30…メモリ、31…制御用プログラム、50…第1通信ユニット、51…BLEアンテナ、60…第2通信ユニット、61a~61h…UWBアンテナ、71…ドアセンサ、72…ドアロック機構、73…ウェルカムライト、90…利用者端末、U…利用者。