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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】ゲームシステム及びサーバ
(51)【国際特許分類】
   A63F 13/798 20140101AFI20221212BHJP
   A63F 13/69 20140101ALI20221212BHJP
   A63F 13/79 20140101ALI20221212BHJP
【FI】
A63F13/798
A63F13/69
A63F13/79
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2021054106
(22)【出願日】2021-03-26
(65)【公開番号】P2022151169
(43)【公開日】2022-10-07
【審査請求日】2021-06-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000135748
【氏名又は名称】株式会社バンダイ
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小谷 英斗
(72)【発明者】
【氏名】中井 宏輔
(72)【発明者】
【氏名】礒邉 恭平
(72)【発明者】
【氏名】西村 悠紀
【審査官】安田 明央
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-007526(JP,A)
【文献】特開2021-062072(JP,A)
【文献】特開2016-221233(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F 9/24
A63F 13/00-13/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定められた期間ごとに少なくとも一部が異なるゲームを実行する実行手段と、
プレイヤごとに前記ゲームのプレイ状況を評価した評価情報を管理する管理手段であって、前記実行手段により実行されたゲームのプレイ内容に基づいて該当のプレイヤの前記評価情報を生成または更新する管理手段と、
前記管理手段による前記評価情報の管理を制御する制御手段と、
を備え、
前記評価情報は第1評価情報であるプレイヤのレベル第2評価情報であるプレイヤのランキングとを含み、
前記制御手段は、前記予め定められた期間がいずれであるかに依らず前記第1評価情報を保持する一方で、任意の期間の経過後に該期間に係る前記第2評価情報を保持しないよう前記管理手段を制御するゲームシステム。
【請求項2】
前記制御手段は、任意の期間の経過後に前記第2評価情報を初期状態に戻すよう前記管理手段を制御する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項3】
前記制御手段は、前記予め定められた期間がいずれであるかに依らず前記第1評価情報を保持する一方で、任意の期間の経過後に該期間に係る前記第2評価情報を保持しないよう前記管理手段を制御することに代えて、任意の期間の経過後において該期間に係る前記第1評価情報を利用可能にする一方で、該期間に係る前記第2評価情報を利用不可能にするよう前記管理手段を制御する請求項1に記載のゲームシステム。
【請求項4】
前記評価情報に基づいて、各プレイヤに報酬を付与する付与手段をさらに備え、
前記付与手段は、前記第1評価情報と前記第2評価情報のそれぞれについて、種別の異なる報酬を付与する請求項1乃至3のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項5】
前記付与手段は、
前記第1評価情報が変化するごとに第1種別の報酬を付与し、
前記予め定められた期間のうちの期間の切り替わりのタイミングにおいて第2種別の報酬を付与する
請求項4に記載のゲームシステム。
【請求項6】
前記第2種別の報酬は、前記第1種別の報酬よりも前記ゲームにおける価値が高い請求項5に記載のゲームシステム。
【請求項7】
前記第1種別の報酬は、前記予め定められた期間のそれぞれで異なり、
前記第2種別の報酬は、前記予め定められた期間がいずれであるかに依らず同一である請求項5または6に記載のゲームシステム。
【請求項8】
前記第1評価情報は、プレイヤのゲームのプレイ履歴に基づいて定まる絶対的な評価であり、
前記第2評価情報は、複数のプレイヤのゲームのプレイ履歴に基づいて定まる相対的な評価である請求項1乃至7のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項9】
前記ゲームは、対CPU対戦と対人対戦を含む対戦ゲームであり、
前記管理手段は、前記対人対戦で行われた対戦ゲームの結果に応じて、前記第1評価情報及び前記第2評価情報を生成または更新する請求項1乃至のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項10】
前記予め定められた期間ごとに異なるゲームは、登場するゲーム要素が共通するコンテンツの同種のゲームである請求項1乃至のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項11】
前記予め定められた期間のそれぞれは、同一の時間長さを定める請求項1乃至1のいずれか1項に記載のゲームシステム。
【請求項12】
予め定められた期間ごとに少なくとも一部が異なるゲームを実行するゲーム装置と通信可能に構成されたサーバであって、
プレイヤごとに前記ゲームのプレイ状況を評価した評価情報を管理する管理手段であって、実行されたゲームのプレイ内容に基づいて該当のプレイヤの前記評価情報を生成または更新する管理手段と、
前記管理手段による前記評価情報の管理を制御する制御手段と、
を備え、
前記評価情報は第1評価情報であるプレイヤのレベル第2評価情報であるプレイヤのランキングとを含み、
前記制御手段は、前記予め定められた期間がいずれであるかに依らず前記第1評価情報を保持する一方で、任意の期間の経過後に該期間に係る前記第2評価情報を保持しないよう前記管理手段を制御するサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲームシステム及びサーバに関し、特にプレイヤに関する評価を行う電子ゲームに関する。
【背景技術】
【0002】
複数のプレイヤのプレイ結果を収集し、ランキングを構成するゲームシステムがある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2019-162412号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1のゲームシステムでは、ランキングに応じた報酬がプレイヤに付与されるが、ランキングは恒久的に維持されるものであり、初心者等の一部のプレイヤには当該報酬は縁遠いものであった。結果、プレイヤ間の興趣体験に差が生じたり、新規のプレイヤのゲーム装置の利用意欲を削いだりする可能性があった。
【0005】
本発明は、プレイヤ間の公平性を担保した評価を実現するゲームシステム及びサーバを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のゲームシステムは、予め定められた期間ごとに少なくとも一部が異なるゲームを実行する実行手段と、プレイヤごとにゲームのプレイ状況を評価した評価情報を管理する管理手段であって、実行手段により実行されたゲームのプレイ内容に基づいて該当のプレイヤの評価情報を生成または更新する管理手段と、管理手段による評価情報の管理を制御する制御手段と、を備え、評価情報は第1評価情報と第2評価情報を含み、制御手段は、予め定められた期間がいずれであるかに依らず第1評価情報を保持する一方で、任意の期間の経過後に該期間に係る第2評価情報を保持しないよう管理手段を制御する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、プレイヤ間の公平性を担保した評価を実現することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムのシステム構成を例示した図
図2】本発明の実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を例示したブロック図
図3】本発明の実施形態及び変形例に係るゲームシステムで用いられるデータの構成例を示した図
図4】本発明の実施形態及び変形例に係るサーバ200の機能構成を例示したブロック図
図5】本発明の実施形態及び変形例に係る評価処理の実行により実現される機能モジュールの構成を例示した図
図6】本発明の実施形態に係る評価処理を例示したフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0009】
[実施形態]
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
以下に説明する一実施形態は、ゲームシステムの一例としての、実行された対戦ゲームのプレイ内容に基づいてプレイヤのプレイ状況を評価するゲームシステムに、本発明を適用した例を説明する。
【0011】
また、本明細書において、「サービス提供」とは、対価の支払いを行った利用者(プレイヤ)に対して、該ゲーム装置を占有して利用する権限を一時的に与え、一連のゲームのプレイ体験の提供を含む役務を提供することを意味する。1人のプレイヤに対するサービス提供の開始は、サービス提供がなされていない状態で対価の支払いが検出されたことを条件とするものであり、基本的には1回のサービス提供に対して利用可能に設けられたゲーム装置の機能の実行(一連のゲームの実行を含む)が完了した後に提供は終了する。
【0012】
《ゲームシステムの構成》
図1は、本実施形態に係るゲームシステムのシステム構成を示した図である。図示されるように、ゲームシステムは、ネットワーク300を介することで、サーバ200と1以上のゲーム装置100の各々とが通信可能に構成される。
【0013】
本実施形態では、このようなシステム構成により、サーバ200及びネットワーク300を介して、複数のゲーム装置100を利用するプレイヤ間での対戦ゲームが実現可能に構成されるものとする。また、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームは、プレイヤ間の対戦ゲームに限られるものではなく、1人用に構成されたゲームを含むものであってよい。
【0014】
また詳細は後述するが、サーバ200は、ゲーム装置100の利用に際してプレイヤが識別された場合、即ち、いずれのプレイヤであるかが識別された状態でサービス提供が行われた場合に、その利用内容(ゲームのプレイ履歴)に基づいて各プレイヤについて管理する情報を更新する。
【0015】
〈ゲーム装置の構成〉
図2は、本発明の実施形態に係るゲーム装置100の機能構成を示すブロック図である。
【0016】
制御部101は、例えばCPUであり、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作を制御する。具体的には制御部101は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0017】
記録媒体102は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。記録媒体102は、ゲーム装置100が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータの情報や、ゲーム装置100が実行するゲームに使用される各種のグラフィックスデータ等を記憶する。メモリ103は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。メモリ103は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0018】
支払検出部104は、ゲーム装置100において代価の支払いがなされたことを検出する。代価の支払いは、例えばゲーム装置100が有する不図示の投入口に所定の金額の硬貨や相当するコインが投入されたこと、あるいは所定の電子マネーに係るチップとの通信に基づく決算処理の完了等を検出することにより判断されるものであってよい。本実施形態のゲーム装置100は、サービス提供開始に係る代価の支払いに基づいて、一連のゲームのプレイ体験の提供を含むサービスの提供を開始するものとして説明する。また代価の支払いは、サービス提供の開始後も検出可能に構成される。
【0019】
取得部105は、本実施形態のゲーム装置100が備える、物品からの情報取得に係るインタフェースである。具体的には取得部105は、複数の種別の物品から、該物品に付された情報を取得可能に構成されたリーダを具備している。ここで、取得部105が情報取得可能な複数の種別の物品は、いずれもゲーム装置100において提供可能に構成される、物理的な体積を有する物品(現実物品)であるものとして説明する。
【0020】
本実施形態では複数の種別の物品はいずれもゲームカードであり、それぞれ、ゲーム装置100においてプレイ体験が提供されるゲームに登場する1つのゲーム要素(キャラクタ、搭乗物、アイテム等)が対応付けられているものとして説明する。ゲームカードにいずれのゲーム要素が対応付けられているかは、該ゲームカードに付されたゲーム要素を特定するための情報(識別情報)を取得部105が取得することで特定できる。ゲームカードへの識別情報の付加は、例えば識別情報を変換して得られた1次元あるいは多次元のコードがゲームカードに印刷等で付されることにより実現されるものであってもよいし、ゲームカードに内包される近距離通信(NFC:Near Field Communication)用のタグやICチップに記録される等、他の方式で実現されるものであってもよい。
【0021】
なお、本実施形態では、複数の種別のゲームカードからの情報取得が、取得部105に設けられた単独のリーダにより行われるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。複数の種別のゲームカードからの情報取得は、複数種類のリーダにより行われるものであってもよいことは言うまでもない。
【0022】
この他、取得部105は、ゲーム装置100を利用するプレイヤを識別するために、プレイヤIDを記録した物品からの情報取得も行う。本実施形態ではプレイヤIDを記録した物品は、ゲームカードと同様にカードの態様で構成されたプレイヤカードであり、ゲームカードと共通のリーダを介して情報取得が可能であるものとして説明する。しかしながら、本発明の実施はこれに限られるものではなく、プレイヤの識別については他の物品や方式を採用することで実現されるものであってよい。
【0023】
要素DB106は、ゲームに登場するゲーム要素の各々についての情報(要素情報)を管理するデータベースである。本実施形態のゲーム装置100では、プレイヤはゲームプレイ時にゲームカードを配置して情報取得を行わせることで、該ゲームカードに対応付けられたゲーム要素をゲームに登場させることができる。1体のゲーム要素について管理される要素情報は、例えば図3(a)に示されるように、ゲーム要素を一意に特定する要素ID(識別情報)301に関連付けて、該ゲーム要素に対して割り当てられたゲームにおける種別を示す種別情報302、該ゲーム要素をゲームに登場させる際の画面生成に用いられるグラフィックスデータ等を含む描画用情報303、及び該ゲーム要素の名称、属性等に加え、該ゲーム要素の要素レベルごとに定められたパラメータや該ゲーム要素を使用することで発動する効果等を記述したパラメータ情報304を含む。パラメータ情報304は、ゲーム要素を登場させるゲームにおいて参照される情報であり、該ゲームの進行制御に関与する。
【0024】
なお、本実施形態では要素DB106に、グラフィックスデータが格納され、要素情報がこれらデータを含むものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。要素情報には、該当のデータの格納場所を示す情報が含まれるものであってもよい。
【0025】
提示制御部107は、ゲーム装置100におけるプレイヤへの各種情報提示の制御を司る。本実施形態のゲーム装置100では、各種情報提示の手段として、画像(ゲーム画面、メニュー画面等)表示を行う表示部120を備えるものとして説明するが、情報提示の手段はこれらに限られるものではなく、代替あるいは追加が可能であることは言うまでもない。情報提示の手段の一例である表示部120は、例えば液晶ディスプレイ等の視覚的情報提示を行う表示装置である。この他、他の情報提示の手段が設けられる態様では、例えば聴覚的情報提示を行うスピーカ等、適切な装置が、提示制御部107により制御可能に接続される。
【0026】
提示制御部107は、例えばGPU等の描画装置を含み、表示部120に表示させる画面を生成する際には所定の描画処理を行う。具体的には提示制御部107は、ゲーム装置100の起動中(サービス提供中やスタンバイ状態中)において、制御部101により行われた処理や命令に基づいて必要な描画用オブジェクト(グラフィックスデータ)に対して必要な演算処理を実行し、画面の描画を行う。生成した画面は、表示部120に出力され、所定の表示領域中に表示されることでプレイヤに提示される。
【0027】
提供制御部108は、サービス利用に係りなされた代価の支払いに対して、ゲームカードの提供がなされるよう、第1提供部130、第2提供部140及び第3提供部150の動作を制御する。第1提供部130及び第2提供部140は、収容部に収容されたゲームカードを1枚ずつ提供可能に構成されたカードディスペンサで構成される。本実施形態のゲーム装置100は、3種類のカードディスペンサ(第1提供部130、第2提供部140及び第3提供部150)をゲーム装置100の筐体内部に備え、提供制御部108により、いずれからゲームカードの提供を行うかの制御がなされる。1つのカードディスペンサは、鉛直方向にゲームカードを積層する態様で収容可能に構成された収容部を有し、提供制御部108によりなされた提供命令に応じて最下層に保持されているゲームカードを1枚送出する機構を具備する。送出されたゲームカードは、不図示の取出口を介してアクセス可能なスペースに導かれ、プレイヤに提供される。
【0028】
上述したように、本実施形態のゲーム装置100が提供するゲームカードにはゲーム要素が対応付けられ、ゲームプレイに際して使用することで、該ゲーム要素をゲームに登場させることができる。ゲームは、登場したゲーム要素のパラメータ情報304に応じて進行制御がなされるものであり、より有利に進行せしめるパラメータ情報304を有するゲーム要素ほど、ゲームにおける価値が高い。従って、本実施形態ではゲームカードは、対応付けられたゲーム要素のゲームにおける価値に応じて2種類の種別に分類されている。
【0029】
本実施形態のゲーム装置100は、各種別のゲームカードを提供し分けることが可能なように構成される。具体的には、第1提供部130と第2提供部140及び第3提供部150とは、異なる種別のゲームカードが収容部に収容され、制御部101によりなされた提供命令に含まれる提供種別の情報に基づいて、提供制御部108が対応する提供部が駆動させることで、特定の種別のゲームカードを提供可能なように構成されている。このため、ゲームカードは種別(第1種別と第2種別)ごとにゲーム装置100の設置店舗等に納品され、ゲームカード補充の際には、第1提供部130の収容部には第1種別のゲームカードの束を、第2提供部140及び第3提供部150の収容部には第2種別のゲームカードの束を収容するよう運用されるものとする。
【0030】
ここで、第2提供部140及び第3提供部150に収容されるゲームカードは、第1提供部130に収容されるゲームカードよりも、ゲームにおける価値(対応付けられたゲーム要素の性能等)が高く設定されているものとし、以下では、第1提供部130に収容されるゲームカードを通常カード、第2提供部140及び第3提供部150に収容されるゲームカードをレアカードとして言及する。つまり、本実施形態のゲーム装置100は、第1提供部130が駆動される場合には通常カードを提供し、第2提供部140及び第3提供部150が駆動される場合にはレアカードを提供するように構成されている。なお、第2提供部140と第3提供部150に収容されるゲームカードは、いずれもレアカードという観点では同一の種別の物品ではあるが、両者は例えば対応付けられるゲーム要素の種類が異なる等で異なっていてよく、用途に応じて提供し分けが可能に分離収納されるものとする。
【0031】
操作入力部109は、例えば決定入力用の操作部材や各種センサ等の、ゲーム装置100が有するユーザインタフェースである。操作入力部109は、操作部材に対する操作入力がなされたことを検出すると、該操作入力に対応する制御信号を制御部101に出力する。なお、操作入力部109は、例えば表示部120の画面上になされたタッチ入力を検出するタッチ入力検出センサ等を含むものであってもよい。
【0032】
通信部110は、ゲーム装置100が有する外部装置との通信インタフェースである。通信部110は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。通信部110は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してサーバ200等の外部装置に送信する。また通信部110は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、メモリ103に格納する。
【0033】
〈サーバの構成〉
次に、本実施形態に係るサーバ200の機能構成について、図4のブロック図を用いて説明する。なお、サーバ200の機能構成の説明において、ゲーム装置100が有する構成と同様の機能を実現する構成については、ゲーム装置100の構成と峻別するために、「サーバ」との接頭語を付して示すものとする。
【0034】
サーバ制御部201は、例えばCPUであり、サーバ200が有する各ブロックの動作を制御する。具体的にはサーバ制御部201は、例えば記録媒体102に記録されている各ブロックの動作プログラムを読み出し、メモリ103に展開して実行することにより各ブロックの動作を制御する。
【0035】
サーバ記録媒体202は、例えば不揮発性メモリやHDD等の、恒久的にデータを保持可能な記録装置である。サーバ記録媒体202は、サーバ200が有する各ブロックの動作プログラムに加え、各ブロックの動作において必要となるパラメータ等の情報を記憶する。サーバメモリ203は、例えば揮発性メモリ等の一時的なデータ記憶に使用される記憶装置である。サーバメモリ203は、各ブロックの動作プログラムの展開領域としてだけでなく、各ブロックの動作において出力されたデータ等を一時的に記憶する格納領域としても用いられる。
【0036】
プレイヤDB204は、本実施形態のゲームシステムにおいて、ゲーム装置100でプレイ体験が提供されるゲームについて、各利用者(プレイヤ)に対応付けられたゲームに係る利用状況を示す情報(プレイヤ情報)を管理するデータベースである。プレイヤ情報は、各プレイヤについて、ゲームプレイの機能の利用履歴や、該プレイヤについて使用可能となっている各種ゲーム要素を管理するための情報である。プレイヤ情報は、ゲーム装置100においてプレイヤカードを使用した上で行われたゲームのプレイ結果に応じて順次更新され、該プレイヤカードが再度使用される際にはゲーム装置100に提供される。これにより、当該ゲーム装置100において、先のゲームプレイを反映した状態でのゲームプレイが提供可能となる。
【0037】
本実施形態ではプレイヤ情報は、例えば図3(b)に示されるように、プレイヤを識別するプレイヤID311に関連付けて、該プレイヤのゲームプレイの進行状況を示す進行状況情報312、該プレイヤについてゲームで使用可能となっているゲーム要素を示す所有情報313、使用可能となっているゲーム要素各々の強化状況を示す強化状況情報314、及び該プレイヤに対して付与された報酬(他の種別のゲーム要素であってもよい)を示す報酬情報315を含むものであってよい。
【0038】
ここで、進行状況情報312は、所定のストーリーのいずれの段階まで進行したかを示す進行情報321、対戦ゲームの戦績を示す戦績情報322等に加え、プレイヤのプレイ状況を評価した評価情報323を含むものであってよい。所有情報313は、プレイヤがゲームプレイに際して使用したゲームカードに対応付けられたゲーム要素、即ち、該プレイヤが使用可能な状態にあるゲーム要素の要素ID301が順次追加されて構成され、強化状況情報314は、少なくとも強化が行われている(初期状態からの変更がなされている)ゲーム要素について、該ゲーム要素の要素ID331に関連付けて、強化により変動したパラメータを示す指標としての要素レベル332を管理するように構成されるものであってよい。強化状況情報314は、本実施形態では発明の理解を容易にならしめるべく、ゲーム装置100において行われたゲームのプレイ結果が得られた場合に、内容の更新がなされるものとして説明するが、例えばゲーム装置100に際して育成に係る機能が利用されたことによる育成結果の情報が得られたこと等に応じて更新がなされるものであってよい。
【0039】
マッチング処理部205は、本実施形態のゲームシステムにおいて提供されるプレイヤ間の対戦ゲーム(対人対戦)について、マッチングの処理を行う。マッチングの処理により、サーバ200に接続中のゲーム装置100のうち、例えば同時期にマッチング要求を送信した2台のゲーム装置100についてセッションを設けられ、対戦ゲームに係る情報通信が可能な状態に遷移される。
【0040】
管理部206は、ゲーム装置100において行われたゲームのプレイ内容に基づいて、ゲームに係るプレイヤの評価を管理する。より詳しくは、管理部206は、1回のゲームプレイごとにプレイ内容に基づいてプレイヤの評価を行い、該プレイヤに係るプレイヤ情報の評価情報323を生成または更新する。
【0041】
サーバ通信部207は、サーバ200が有する外部装置との通信インタフェースである。サーバ通信部207は、インターネット等の通信網や機器間を接続するケーブルであってもよいネットワーク300(有線・無線を問わない)を介して外部装置と接続し、データの送受信を可能とすることができる。サーバ通信部207は、例えば送信対象として入力された情報を所定の形式のデータに変換し、ネットワーク300を介してゲーム装置100等の外部装置に送信する。またサーバ通信部207は、例えばネットワーク300を介して外部装置から情報を受信すると、該情報を復号し、サーバメモリ203に格納する。
【0042】
《対戦ゲームの概要》
本実施形態のゲーム装置100におけるサービス提供は、プレイヤと対戦相手との間で行われる、少なくとも1回の対戦ゲームを含む、一連のゲームのプレイ体験の提供を含む。以下、本実施形態のゲーム装置100において主としてプレイ体験の提供が行われる当該対戦ゲームについて、その概要を説明する。
【0043】
本実施形態では、対戦ゲームは、サーバ200を介してマッチングした、他のゲーム装置100を利用してゲームプレイを行っている相手プレイヤと対戦する対人対戦と、マッチングをせずに、制御部101により行動制御されたNPC(Non-Player Character)と対戦する(対戦相手に係る複数のゲーム要素の行動をNPCが選択する)対CPU対戦とを含む。以下では、基本的には対人対戦の態様における各種制御について説明するが、対CPU対戦の態様であっても、相手プレイヤに係るゲーム要素の登録や各ゲーム要素の動作制御にプレイヤの操作を要しない点以外は同様である。
【0044】
対戦ゲームの内容はどのようなものであってもよいが、本実施形態では、例えば最大10枚のゲームカードから情報取得を行い、該ゲームカードに対応付けられたゲーム要素をゲームフィールドに登場させ、行動指示に係る操作入力を受け付けながらゲームの進行制御を行い、最終的に対戦結果(勝敗が決定)が得られるものとして説明する。また、実行された対戦ゲームのプレイ内容(対戦結果)は、ゲーム装置100からサーバ200に送信され、プレイヤ情報に反映されるものとする。
【0045】
ところで、本実施形態のゲーム装置100のようなゲームセンター等の店舗に設置されるアーケードゲーム筐体は、プレイヤが出向かないと利用できないという特性上、プレイヤの関心が低減しやすい傾向にある。このため、プレイヤの関心を持続させるためには、例えば追加のゲーム要素を登場させる、追加の機能を投入する等、提供されるプレイ体験のアップデートを段階的に行うことが好ましい。
【0046】
このようなアップデートは、ネットワーク300を介したオンラインで更新プログラムを配信して行うことも考えられるが、店舗によっては営業終了時に電断する運用をしている、サーバ200への接続を安定的に行うことが困難等の理由で、アップデートがパブリッシャ側の想定するタイミングでなされないことがある。故に、アーケードゲーム筐体の中には、解放される追加機能等を予め組み込んだ状態でプログラムを実装しておき、時期(日時)に応じて提供されるプレイ体験を異ならせるようゲーム制御を変更することで、このようなアップデートを実現する態様を慣習的に採用しているものもある。
【0047】
より詳しくは、このような態様では、ゲーム装置100において実行されるゲームが、予め定められた期間ごとに少なくとも一部が異なるよう構成されており、例えばゲーム装置100の起動時において、現在がいずれの期間(シーズン、弾数、イベント、月間等)に対応するかの判定がなされ、該当の期間に対応するゲームに切り替えてプレイ体験の提供を行う制御がなされている。ここで、予め定められた期間ごとに少なくとも一部が異なるゲームとは、同種(ゲームジャンルやゲームルールが同一)のゲームであり、登場するゲーム要素の少なくとも一部は共通するが、提供されるプレイ体験に変更が含まれている点で異なっているゲームを指すものとする。
【0048】
本実施形態のゲーム装置100も、例えば第1シーズン、第2シーズン、・・・、第Nシーズンといったように、提供するプレイ体験をシーズン(期間)に応じて異ならせるよう構成された対戦ゲームのプログラムが予め格納されており、サービス利用が行われる時期に応じて、該当のシーズンの対戦ゲームを実行するよう構成されているものとする。以下、説明を簡単にする目的で、ゲーム装置100においては、8週間ごとにシーズンが切り替わり、プレイ体験の異なる対戦ゲームが実行可能に制御されるものとして説明するが、本発明の実施はこれに限られるものではない。予め定められたシーズンの期間は、8週間等の固定の期間(同一の時間長さを定めた期間)でなく、例えば月の切り替わりや暦における連休の最終日等を基準に定められる、時間長さが変動する期間であってもよい。
【0049】
〈プレイヤ評価〉
ところで、上述したように、対戦ゲームに対するプレイヤの関心を高めるために、行われた対戦ゲームのプレイ内容を評価して提示すること、当該評価に基づいてプレイヤのランキングを構成して提示すること、ランキング順位に応じた報酬をプレイヤに付与することは、好適な興趣要素の実装態様である。一方で、例えば、高評価を出しやすいようなゲーム環境で得られた評価に基づいてランクインしているプレイヤの記録等は上回ることが難しく、当該ランキングの提示が他のプレイヤのモチベーションを低減させる可能性がある。また上述したように、初心者等の一部のプレイヤがランキング上位の報酬を獲得することは困難であり、当該要素に基づく興趣体験を得難いとの側面もある。
【0050】
このため、本実施形態のゲームシステムは、ゲーム装置100の利用を長期に行っているプレイヤとそうではないプレイヤの双方にとって好適な態様の報酬付与を実現すべく、プレイヤごとにゲームのプレイ状況を評価した以下の2種類の評価情報の管理、及びこれら評価情報に基づく評価提示を行うよう構成される。
【0051】
1つの種類の評価情報は、本発明に係る第1評価情報としての、プレイヤ情報の評価情報323に含まれるランク情報である。ランク情報は、ゲーム装置100の利用に係る恒常的な達成目標に関係する評価を示すものであり、特に、ゲーム装置100を長期利用しているプレイヤについて好適な評価がなされやすい評価情報である。ランク情報は、ゲーム装置100の利用を行った回数に応じて評価が向上する評価情報であり、例えば1つの態様では、対戦ゲームのプレイごとに獲得する経験値や達成した実績等に応じて進行するプレイヤのレベルであってよい。即ち、ランク情報は、他のプレイヤに依らず、各プレイヤの対戦ゲームのプレイ履歴に基づいて定まる絶対的な評価に相当する。
【0052】
もう1つの種類の評価情報は、本発明に係る第2評価情報としての、プレイヤ情報の評価情報323に含まれるランキング情報である。ランキング情報は、ゲーム装置100で同一のプレイ体験が提供されるゲームのシーズンごとの評価を示すものであり、ゲーム装置100を長期利用していないプレイヤであっても好適な評価がなされ得る評価情報である。ランキング情報は、該当のシーズンにおいてなされた対戦ゲームの結果に応じて評価がなされる評価情報であり、例えば1つの態様では、1つの対戦ゲームのプレイにおける総与ダメージ量や勝利条件達成までに要した時間等により定まる評価値(スコア)の大小に応じて決定される、同シーズンにプレイ実績がある全プレイヤ中におけるプレイヤの順位(スコアが大きいほど評価が高い)であってよい。即ち、ランキング情報は、シーズン中の評価値に応じて他のプレイヤとの間で確定する、複数のプレイヤの対戦ゲームのプレイ履歴に基づいて定まる相対的な評価である。従って、ランキング情報は、シーズン中のプレイヤの順位の情報と、当該順位を決定するための基準となる評価値の情報を含んで構成される。
【0053】
ランク情報及びランキング情報は、ゲーム装置100とサーバ200とが通信接続された際にサーバ200からゲーム装置100に伝送され、例えばゲーム装置100において対戦ゲームが実行されたサービス提供期間中、あるいは、ゲーム装置100が起動されてスタンバイ状態にある際に表示可能に構成されるものであってよい。
【0054】
ここで、ランキング情報は、シーズンごとに集計(評価)されて保持される情報であるため、1つのシーズンの経過後に次のシーズンに入った際には、経過したシーズンに係るランキング情報は保持されない。より詳しくは、本実施形態のゲームシステムでは、ゲーム装置100において新たなシーズンに係る対戦ゲームが実行されるようになるタイミングにおいて、サーバ200は過去のシーズンのランキング情報を破棄もしくは初期化し、全てのゲーム装置100において、当該過去のシーズンのランキング情報に係るランキング表示が不可能に制御される。これにより、サーバ200では、新たなシーズンに係る対戦ゲームのプレイ内容に基づいてランキング情報が再構築されて保持されていくことになるため、ゲーム装置100の利用が浅いプレイヤであってもランキング情報の評価が好適になされ得るプレイ体験が提供される。
【0055】
換言すれば、サーバ200で管理されるプレイヤ情報は、シーズンがいずれであるかに依らず、即ち、シーズンの切り替わりがあったとしてもランク情報を保持する一方で、シーズンの対象期間経過後には該シーズンに係るランキング情報を保持しないよう制御される。本実施形態のサーバ200では、シーズンの対象期間経過後には、全プレイヤのプレイヤ情報に係るランキング情報を初期状態に戻すことで、ランキング情報を保持しない状態に制御するものとする。
【0056】
なお、例えば、対戦ゲームを有利にせしめるゲーム要素が対応付けられたゲームカードを多く所有しているプレイヤが、シーズン変更後も対戦ゲームについて良好な対戦結果を得やすい状況を回避するために、対戦ゲームに使用するゲーム要素(使用ゲーム要素)の登録にはコスト制限の概念を導入し、プレイヤ間の使用ゲーム要素の性能差を低減させるようにしてもよい。即ち、使用ゲーム要素の総コストの上限が設定される仕様において、対戦ゲームを有利に進行せしめるパラメータを有するゲーム要素に高コストを割り当てることで、プレイヤ間のバランスを保てるようにしてもよい。あるいは、シーズンごとに相性のいい戦法が異なるよう対戦ゲームを構成したり、ランキング情報に係る評価値の導出方法を異ならせたりすることで、以前のシーズンで有効であったゲーム要素以外のゲーム要素が使用されるよう調整することで、プレイヤ間の公平性を担保するものであってもよい。
【0057】
〈報酬の付与〉
また本実施形態のゲームシステムでは、これらランク情報及びランキング情報に基づいて、各プレイヤへの報酬付与がなされる。報酬は、例えば称号やアイテム等、対戦ゲームにおいて使用可能なゲーム要素であってよく、サーバ200において各評価情報に基づいて所定のタイミングでプレイヤに対応付けられ、該プレイヤの次回のゲーム装置100の利用時に使用可能となるよう構成されるものであってよい。
【0058】
ここで、本発明に係る第1種別の報酬としてのランク情報に基づいて付与されるランク報酬と、同第2種別の報酬としてのランキング情報に基づいて付与されるランキング報酬とは、以下の点で差別化されるものであってよい。
【0059】
まずランク報酬とランキング報酬とは、付与のタイミングが異なるものであってよい。より詳しくは、ランク報酬は、プレイヤレベルが上昇するごと、あるいは、プレイヤレベルが特定の倍数のレベルを超えるごとに付与されるものであり、プレイヤがゲームプレイを繰り返すことで無条件に付与される。一方、ランキング報酬は、シーズンの切り替わりのタイミングにおいて付与されるものであり、該当のシーズン(切り替わり前のシーズン)に係るランキング情報を保持しない状態にせしめる処理に先立って付与に係る処理が実行され、例えば上位1000名等、該当の全プレイヤのうちの付与対象のプレイヤに対してのみ付与される。
【0060】
またランク報酬とランキング報酬とは、付与されるゲーム要素の種別が異なるものであってよい。より詳しくは、ランキング情報がランク情報よりも付与の条件が限定的に設定されるものであるため、ランキング報酬は、ランク報酬よりも対戦ゲームにおける価値が高いゲーム要素となるよう制御されるものであってよい。
【0061】
ここで、ランキング報酬の付与条件が限定的であるあることを考慮し、プレイヤ間の公平性をすべく、ランキング報酬は、シーズンに依らず同一のものを付与するものとしてもよい。即ち、プレイヤが1つのシーズンにおいて報酬を入手し損ねたとしても、別のシーズンにおいて同様の報酬を入手可能なよう構成されるものであってよい。一方で、ランク報酬については、ゲーム装置100を長期利用しているプレイヤへの好適な興趣体験の提供と、順次展開されるシーズンにプレイヤを誘引するとの観点から、シーズンごとに異なるものを付与するよう構成されてもよい。
【0062】
《プレイヤ評価及び報酬付与に係るモジュール構成》
このような本実施形態のサーバ200において、ゲームシステムのゲーム装置100において対戦ゲームをプレイしたプレイヤに係る評価及び報酬付与を実現するモジュール構成について、図5を参照して説明する。図5は、サーバ200においてプレイヤ評価及び報酬付与に係るプログラムが実行されることで、サーバ制御部201または管理部206により実現される機能モジュール群を例示した図である。
【0063】
ランク評価モジュール501は、ゲーム装置100において実行された対戦ゲームのプレイ内容に基づいて、該当のプレイヤに係るランク情報を生成または更新する機能モジュールである。より詳しくは、ランク評価モジュール501は、プレイヤが初めて対人対戦に係る対戦ゲームをプレイした場合に、そのプレイ内容に基づいてランク情報を新規に生成し、該プレイヤについてプレイヤDB204に管理されているプレイヤ情報の評価情報323に追加する。またランク評価モジュール501は、既にランク情報が生成されているプレイヤについて対人対戦に係る対戦ゲームがプレイされた場合に、そのプレイ内容に基づいて該プレイヤに係るランク情報を更新する。
【0064】
ランキング評価モジュール502は、ゲーム装置100において実行された対戦ゲームのプレイ内容に基づいて、該当のプレイヤに係るランキング情報を生成または更新する機能モジュールである。より詳しくは、ランキング評価モジュール502は、プレイヤが初めて対人対戦に係る対戦ゲームをプレイした場合に、そのプレイ内容に基づいて現在のシーズンに係る評価値を導出する。そしてランキング評価モジュール502は、現在のシーズンに係る他のプレイヤの評価値と比較して、プレイヤの順位を決定してランキング情報を新規に生成し、該プレイヤについてプレイヤDB204に管理されているプレイヤ情報の評価情報323に追加する。またランキング評価モジュール502は、既にランキング情報が生成されているプレイヤについて対人大戦に係る対戦ゲームがプレイされた場合に、そのプレイ内容に基づいて現在のシーズンに係る評価値を導出する。そしてランキング評価モジュール502は、導出した評価値が、該プレイヤに係るランキング情報で保持されている現在のシーズンに係る評価値を上回る場合に、同様に他のプレイヤの評価値と比較してプレイヤの順位を決定し、ランキング情報を更新する。
【0065】
またランキング評価モジュール502は、シーズンの切り替わり時に係るランキング情報の初期化の処理も行う。
【0066】
なお、本実施形態では発明の理解を簡単にするため、実行された対戦ゲームのプレイ結果を受信した際に、ランキング評価モジュール502がランキング情報を生成または更新するものとして説明するが、順位の変更は他のプレイヤに係るランキング情報の変更も含むものであるため、ランキング情報の生成及び更新は、所定の時間間隔で、複数の対戦ゲームのプレイ結果をまとめて行われるものであってもよい。この場合、対戦ゲームの実行後に行われる現在のシーズンに係るランキング表示は、直近の更新における評価値分布に基づいた暫定的な順位を示すものであってよい。
【0067】
付与モジュール503は、所定の報酬付与のタイミングにおいて、ランク情報またはランキング情報を参照し、該当のプレイヤに対して報酬(ランク報酬またはランキング報酬)を付与する機能モジュールである。より詳しくは、付与モジュール503は、所定の報酬付与のタイミングに至った場合に、ランク情報またはランキング情報に基づいて付与する報酬を決定し、該当のプレイヤについてプレイヤDB204に管理されているプレイヤ情報の報酬情報315に当該報酬の識別情報を追加することで、報酬の付与を実現する。ここで、報酬情報315に含められた報酬の情報は、プレイヤを識別して行われる次回のゲームプレイに際して、ゲーム装置100の表示部120を介してプレイヤに提示され、プレイヤが利用可能に構成されるものとする。
【0068】
制御モジュール504は、プレイヤ評価及び報酬付与に係りランク評価モジュール501、ランキング評価モジュール502、及び付与モジュール503の動作を制御する機能モジュールである。より詳しくは、制御モジュール504は、ゲーム装置100において実行された対人対戦に係る対戦ゲームのプレイ結果が受信されたことに応じて、ランク評価モジュール501及びランキング評価モジュール502に対応する処理を実行させる。また制御モジュール504は、ランク評価モジュール501による処理実行後のランク情報を参照し、ランク報酬の付与条件が満たされている場合には付与モジュール503にランク報酬付与に係る処理を実行させる。また制御モジュール504は、シーズンの切り替わりのタイミングにおいて付与モジュール503にランキング報酬付与に係る処理を実行させた後、付与完了を条件として、ランキング評価モジュール502にランキング情報を初期状態にさせる処理を実行させる。
【0069】
〈評価処理〉
以下、本実施形態のサーバ200において、プレイヤ評価及び報酬付与を行う評価処理について、図6のフローチャートを用いて具体的な処理を説明する。該フローチャートに対応する処理は、サーバ制御部201が、例えばサーバ記録媒体202に記憶されている対応する処理プログラムを読み出し、サーバメモリ203に展開して実行することにより実現することができる。より詳しくは、本評価処理を実行することで、サーバ制御部201及び管理部206は図5に示した各機能モジュールを実現し、以下の処理を行うことができる。なお、本評価処理は、例えばサーバ200が起動した際に開始されるものとして説明する。
【0070】
S601で、制御モジュール504は、対人対戦に係る対戦ゲームのプレイ結果を受信したか否かを判断する。制御モジュール504は、対人対戦に係る対戦ゲームのプレイ結果を受信したと判断した場合は処理をS602に移し、受信していないと判断した場合は処理をS606に移す。
【0071】
S602で、ランク評価モジュール501は制御モジュール504の制御の下、受信した対戦ゲームのプレイ結果(プレイ内容)に基づいて、該当のプレイヤ(対象プレイヤ)のランク情報を生成または更新する。
【0072】
S603で、制御モジュール504は、S602の処理の結果、ランク報酬の付与条件が満たされたか否かを判断する。制御モジュール504は、ランク報酬の付与条件が満たされたと判断した場合は処理をS604に移し、満たされていないと判断した場合は処理をS605に移す。
【0073】
S604で、付与モジュール503は制御モジュール504の制御の下、対象プレイヤに対してランク報酬を付与する。
【0074】
S605で、ランキング評価モジュール502は制御モジュール504の制御の下、受信した対戦ゲームのプレイ結果に基づいて、対象プレイヤのランキング情報を生成または更新する。より詳しくは、ランキング評価モジュール502は、対戦ゲームのプレイ結果に基づいて対象プレイヤに係る現在のシーズンに係る評価値を導出し、当該評価値に基づいてランキング情報の生成または更新の処理を行うか否かを制御する。またランキング評価モジュール502は、必要に応じて他のプレイヤに係るランキング情報の更新も行う。
【0075】
S606で、制御モジュール504は、シーズンの切り替わりタイミングに至ったか否かを判断する。制御モジュール504は、シーズンの切り替わりタイミングに至ったと判断した場合は処理をS607に移し、至っていないと判断した場合は処理をS601に戻す。
【0076】
S607で、付与モジュール503は制御モジュール504の制御の下、終了したシーズンに対人対戦に係る対戦ゲームを行った全プレイヤのランキング情報を参照し、該当のプレイヤに対してランキング報酬を付与する。
【0077】
S608で、ランキング評価モジュール502は制御モジュール504の制御の下、全プレイヤについて管理されているランキング情報を初期化する処理を行う。
【0078】
このようにすることで、ゲーム装置100の利用期間の長短によらず、プレイヤ間の公平性を担保した評価及び報酬付与を実現することができる。
【0079】
なお、本実施形態では、より公平性が担保される態様として、対人対戦に係る対戦ゲームが行われたことに応じて評価及び報酬付与がなされるものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。即ち、対人対戦要素を有しない態様や、対人対戦と対CPU対戦とで評価を分ける態様では、対CPU対戦について本発明を適用することができる。
【0080】
[変形例]
上述した実施形態では、シーズンに依らずランク情報を保持する一方で、シーズンの対象期間経過後に該シーズンに係るランキング情報を保持しないよう制御するものとして説明したが、本発明の実施はこれに限られるものではない。例えば、各シーズンに係るランキング情報は保持されるものの、シーズンの対象期間経過後には該シーズンに係るランキング情報に基づくランキング表示や報酬付与等がなされぬよう、該シーズンに係るランキング情報を処理に利用不可能に制御することで、本発明を実施してもよい。
【0081】
[その他の実施形態]
本発明は上記実施の形態に制限されるものではなく、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形・変更が可能である。また本発明に係るゲームシステムは、1以上のコンピュータを該ゲームシステムとして機能させるプログラムによっても実現可能である。該プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されることにより、あるいは電気通信回線を通じて、提供/配布することができる。
【符号の説明】
【0082】
100:ゲーム装置、101:制御部、102:記録媒体、103:メモリ、104:支払検出部、105:取得部、106:要素DB、107:提示制御部、120:表示部、108:提供制御部、130:第1提供部、140:第2提供部、150:第3提供部、109:操作入力部、110:通信部、200:サーバ、201:サーバ制御部、202:サーバ記録媒体、203:サーバメモリ、204:プレイヤDB、205:マッチング処理部、206:管理部、207:サーバ通信部、300:ネットワーク、501:ランク評価モジュール、502:ランキング評価モジュール、503:付与モジュール、504:制御モジュール
図1
図2
図3
図4
図5
図6