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特許7192023情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理装置の制御方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 8/61 20180101AFI20221212BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20221212BHJP
【FI】
G06F8/61
G06F3/12 305
G06F3/12 331
G06F3/12 357
G06F3/12 370
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021063470
(22)【出願日】2021-04-02
(62)【分割の表示】P 2016036186の分割
【原出願日】2016-02-26
(65)【公開番号】P2021114309
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2021-05-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【弁理士】
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【弁理士】
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 玲奈
(72)【発明者】
【氏名】山崎 大資
【審査官】坂庭 剛史
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-093640(JP,A)
【文献】特開2009-199321(JP,A)
【文献】特開2014-115970(JP,A)
【文献】特開2009-116402(JP,A)
【文献】特開2014-213459(JP,A)
【文献】特開2007-128493(JP,A)
【文献】特開2015-046075(JP,A)
【文献】特開2014-222450(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0286452(US,A1)
【文献】西上原裕明,[逆引き]Wordパワーテクニック601+66Tips,初版,日本,株式会社技術評論社,2015年02月15日,p.742,ISBN978-4-7741-7115-9
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/12
G06F 8/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アプリケーションがインストールされる情報処理装置であって、
前記アプリケーションの複数の設定情報のうち、エクスポート対象とする第1の設定情報の選択をユーザーから受け付ける受付手段と、
前記選択された第1の設定情報によって参照される関連設定情報である第2の設定情報があるかと、当該第2の設定情報がエクスポート対象として選択されているかと、を判定する判定手段と、
前記判定手段において、前記選択された第1の設定情報によって参照される関連設定情報である前記第2の設定情報があり、かつ、前記第2の設定情報がエクスポート対象として選択されていないと判定された場合、前記選択された第1の設定情報によって参照される関連設定情報である前記第2の設定情報をエクスポート対象に含めるか否かを前記ユーザーに確認する確認手段と、
前記確認手段による確認の結果、前記第2の設定情報をエクスポート対象に含めると前記ユーザーにより指示された場合は、前記選択された前記第1の設定情報と、前記選択された前記第1の設定情報によって参照される関連設定情報である前記第2の設定情報とのエクスポート処理を行う一方、前記確認手段による確認の結果、前記第2の設定情報をエクスポート対象に含めないと前記ユーザーにより指示された場合は、前記第2の設定情報を含めずに、前記選択された前記第1の設定情報のエクスポート処理を行うエクスポート手段と、を備える
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記複数の設定情報は、前記アプリケーションの機能ごとに管理される複数の設定ファイルであることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記複数の設定情報は、前記アプリケーションの設定として、リボンの設定、ライブラリーの設定、アウトプットバーの設定、監視フォルダの設定、および、ホットフォルダの設定のいずれか1つを少なくとも含むことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
アプリケーションがインストールされる情報処理装置の制御方法であって、
前記アプリケーションの複数の設定情報のうち、エクスポート対象とする第1の設定情報の選択をユーザーから受け付ける受付工程と、
前記選択された第1の設定情報によって参照される関連設定情報である第2の設定情報があるかと、当該第2の設定情報がエクスポート対象として選択されているかと、を判定する判定工程と、
前記判定工程において、前記選択された第1の設定情報によって参照される関連設定情報である前記第2の設定情報があり、かつ、前記第2の設定情報がエクスポート対象として選択されていないと判定された場合、前記選択された第1の設定情報によって参照される関連設定情報である前記第2の設定情報をエクスポート対象に含めるか否かを前記ユーザーに確認する確認工程と、
前記確認工程における確認の結果、前記第2の設定情報をエクスポート対象に含めると前記ユーザーにより指示された場合は、前記選択された前記第1の設定情報と、前記選択された前記第1の設定情報によって参照される関連設定情報である前記第2の設定情報とのエクスポート処理を行う工程と、
前記確認工程における確認の結果、前記第2の設定情報をエクスポート対象に含めないと前記ユーザーにより指示された場合は、前記第2の設定情報を含めずに、前記選択された前記第1の設定情報のエクスポート処理を行う工程と、を有することを特徴とする制御方法。
【請求項5】
請求項1乃至のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段としてコンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、データ移行システム、データ移行システムの制御方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
アプリケーションの設定項目が多い場合や業務に即した共通の設定変更が必要な場合、アプリケーションの設定を各ユーザーがそれぞれ行うのは煩雑である。そのため、アプリケーション導入時の設定作業の簡易化のため、アプリケーションの設定情報をエクスポートし、移行先にその設定情報をインポートすることで設定情報を移行する技術がある。特許文献1は、OS(Operating System)によって変わるフォルダパス情報を含む設定情報を移行先に合わせて変更または削除することで、アプリケーションの設定情報に含まれる環境依存情報を移行先に合わせて変更する技術を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-45971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1は、アプリケーションの全設定を移行する場合を対象としている。一部機能の設定のみを移行する際に設定間の依存関係によって発生する不整合は考慮されておらず、アプリケーションの一部の設定情報のみを移行する場合にアプリケーションが正常に動作しなくなる可能性が考えられる。
【0005】
本発明は、アプリケーションの設定情報を移行する場合に発生する不整合を抑制する情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一側面であるアプリケーションがインストールされる情報処理装置は、前記アプリケーションの複数の設定情報のうち、エクスポート対象とする第1の設定情報の選択をユーザーから受け付ける受付手段と、前記選択された第1の設定情報によって参照される関連設定情報である第2の設定情報があるかと、当該第2の設定情報がエクスポート対象として選択されているかと、を判定する判定手段と、
前記判定手段において、前記選択された第1の設定情報によって参照される関連設定情報である前記第2の設定情報があり、かつ、前記第2の設定情報がエクスポート対象として選択されていないと判定された場合、前記選択された第1の設定情報によって参照される関連設定情報である前記第2の設定情報をエクスポート対象に含めるか否かを前記ユーザーに確認する確認手段と、前記確認手段による確認の結果、前記第2の設定情報をエクスポート対象に含めると前記ユーザーにより指示された場合は、前記選択された前記第1の設定情報と、前記選択された前記第1の設定情報によって参照される関連設定情報である前記第2の設定情報とのエクスポート処理を行う一方、前記確認手段による確認の結果、前記第2の設定情報をエクスポート対象に含めないと前記ユーザーにより指示された場合は、前記第2の設定情報を含めずに、前記選択された前記第1の設定情報のエクスポート処理を行うエクスポート手段と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、アプリケーションの設定情報を移行する場合の不整合の発生を抑制する情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】システム構成の一例を示す図である。
図2】情報処理装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】文書管理アプリケーションのソフトウェアの構成の一例を示す図である。
図4】文書管理アプリケーションのメイン画面のUI一例を示す図である。
図5】設定ファイルのデータ構造の一例を示す図である。
図6】設定ファイルのデータ構造の一例を示す図である。
図7】設定ファイルのデータ構造の一例を示す図である。
図8】文書管理アプリケーションの設定移行画面のUI一例を示す図である。
図9】文書管理アプリケーションの設定移行画面のUI一例を示す図である。
図10】文書管理アプリケーションの設定移行画面のUI一例を示す図である。
図11】文書管理アプリケーションの設定移行画面のUI一例を示す図である。
図12】設定情報のエクスポート処理の一例を示すフローチャートである。
図13】設定情報のインポート処理の一例を示すフローチャートである。
図14】設定情報の関連設定テーブルの一例を示す図である。
図15】文書管理アプリケーションの設定移行画面のUI一例を示す図である。
図16】設定情報のインポート処理の一例を示すフローチャートである。
図17】設定情報のインポート処理の一例を示すフローチャートである。
図18】文書管理アプリケーションの設定移行画面のUI一例を示す図である。
図19】関連設定の確認処理の一例を示すフローチャートである。
図20】クライアントPCのソフトウェアの構成の一例を示す図である。
図21】設定情報のインポート処理の一例を示すフローチャートである。
図22】設定情報のインポート処理の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(第1実施形態)
まず、本発明の第1実施形態について説明する。図1は、情報処理システム(データ移行システム)の全体図である。LAN100上には、クライアントPC101、クライアントPC110、ファイルサーバー102、MFP103が互いに通信可能に接続されている。なお、LANはLocal Area Networkの、PCはPersonal Computerの、MFPはMultifunction Peripheralの略称である。
【0010】
クライアントPC101及びクライアントPC110は、情報処理装置の一例であり、所定のOSがインストールされ、かつ、特定の機能処理を実行する各種のアプリケーションもインストールされている。ここで、特定の機能処理には、例えば、文書処理、表計算処理、プレゼンテーション処理、画像処理、図形処理等が含まれ、各アプリケーションはそれぞれ独自のデータ構造(ファイル構造)を備える。また、クライアントPC101及びクライアントPC110には、文書の管理や印刷を行うための文書管理アプリケーション300がインストールされている。本実施形態では、クライアントPC101にインストールされた文書管理アプリケーション300の設定情報をエクスポートし、別のクライアントPC110にインポートする例を示す。なお以下では、クライアントPC101及びクライアントPC110をまとめてクライアントPCと表記する場合がある。
【0011】
ファイルサーバー102は、外部サーバーの一例であり、クライアントPC101及び104はファイルサーバー102に保存されるファイルやフォルダを閲覧・操作できる。
MFP103は、画像処理装置の一例であり、プリンタ機能、FAX機能、コピー機能、スキャナ機能、ファイル送信機能等を備え、クライアントPC101及び104からの指示により印刷やファクス送信を実行する。尚、ファイルサーバー102及びMFP103は本実施形態における文書管理アプリケーション300の機能の説明のために構成に加えているが、システム構成上で必須となる構成ではない。
【0012】
図2は、クライアントPC101及びクライアントPC110のハードウェア構成図である。クライアントPCは、CPU201、ディスプレイ202、RAM203、ROM204、入力デバイス205、外部メモリ206、I/O207を備える。
CPU201は、プログラムを実行することで各種処理を実現するものである。RAM203、ROM204、HDD(ハードディスクドライブ)やFDD(フロッピー(登録商標)ディスクドライブ)などの外部メモリ206は、各種プログラムや実行情報を保管する記憶デバイスである。本実施形態で説明される処理は、ROM204、または外部メモリ206に保存されたプログラムをRAM203にロードし、CPU201で実行することによって実現される。
ディスプレイ202は、ユーザーに視覚的な出力情報フィードバックを与える表示部である。入力デバイス205は、キーボードやポインティングデバイスなどのユーザー操作入力を受信する入力部である。インターフェースデバイスI/O207は、外部機器との通信を行う。クライアントPCは、インターフェースデバイスI/O207を介してファイルサーバー102やMFP103と通信を行う。
【0013】
図3は、クライアントPCで実行される文書管理アプリケーション300のソフトウェアの構成の一例を示す図である。文書管理アプリケーション300は、クライアントPC101にインストールされ、そのプログラムはクライアントPC101のROM204または外部メモリ206に記憶されている。即ち、CPU201がRAM203にプログラムをロードして実行することで、文書管理アプリケーション300の機能及び後述するフローチャートに係る処理が実現される。
【0014】
文書管理アプリケーション300は、入力管理部301、画面表示管理部302、出力制御部304、アプリケーション情報管理部303、設定移行部305、管理部306を含む。
入力管理部301は、画面表示管理部302により表示される文書管理アプリケーション300のGUI(Graphical User Interface)を介して、ユーザーによる入力デバイス205の操作を検知し、ユーザーの操作情報を取得する。また入力管理部301は、画面表示管理部302により表示されるGUI上の操作以外にもOSによって処理されるマウスやキーボードの操作イベントを監視してユーザーによる入力操作を検知する。
画面表示管理部302は、文書管理アプリケーション300のGUIの表示や、GUIに対するユーザー操作を受け付けるなどの画面表示制御に関する処理を実行する。
アプリケーション情報管理部303は、文書管理アプリケーション300の起動中にアプリケーションの設定や状態を管理する。アプリケーション情報管理部303はさらに、アプリケーションの設定や状態を外部メモリ206の設定ファイルへ読み書きする処理を実施する。具体的な設定ファイルの例は後述する。
【0015】
出力制御部304は、画面表示管理部302を介して受け付けたユーザーの操作に応じて各種出力処理を実行する。例えば、印刷やファクスの指示を受けたのに応じて、プリンタドライバやファクスドライバを介してMFP103へ画像を送信する。また、出力制御部304は、管理部306からの指示に応じて、ローカルドライブやファイルサーバー102に格納される文書に対するスタンプの付与や文書のファイルフォーマットを変換して保存する。
設定移行部305は、アプリケーションの設定を移行するためのエクスポート処理及びインポート処理を実行する。
管理部306は、文書管理アプリケーション300を制御し、前述の各部に対する指示や管理を行う。
【0016】
図4は、文書管理アプリケーション300のUI画面の一例を示す図である。
メイン画面400は、主なUIコンポーネントとして、例えば、リボン410、クイックアクセスツールバー420、アドレスバー430、ライブラリーペイン440、ファイルリストペイン450、プレビューペイン460、アウトプットバー470を備える。
リボン410は、用途ごとに分類される複数のタブから構成され、タブにはその用途に適する機能のボタンを配置できる。これにより、すばやくユーザーの望む機能へアクセスできる。1つのタブは複数のグループで構成でき、1つのグループには複数のボタンを配置できる。タブやグループはアプリケーションの既定として予め用意されているものが存在し、それに加えてさらにユーザーの好みの構成で作成したタブやグループを追加できる。例えば、図4では、メイン画面400のリボン410が既定のタブであるファイル、ホーム、ファクス、印刷、及び、ユーザーの追加したタブであるマイタブ411で構成される例を示している。また、図4では、ホームタブが選択され、ホームタブが既定のグループであるクリップボード、開く、PDFの操作、及び、ユーザーの追加したグループであるマイグループ412で構成されている状態を示している。マイグループ412には、後述のアウトプットバー470のファイル転送ボタン473、ファクスボタン474、印刷ボタン475が配置されている。これは、アウトプットバー470の設定情報を引用することで実現している。
【0017】
クイックアクセスツールバー420は、タブやグループによる分類はないが、機能ボタンを配置でき、リボン410同様ユーザーの望む機能へすばやくアクセスできる。そのため、よく利用する機能を配置しておくことでアプリケーションを使用する上での操作性を向上できる。
アドレスバー430は、ファイルリストペイン450で現在表示している文書の格納場所のURL(Uniform Resource Locator)情報を表示、またはURLの文字列を入力することで指定の格納場所を表示できる。
【0018】
ライブラリーペイン440には、ローカルドライブ上のフォルダやネットワーク上のフォルダ等の外部の格納場所をライブラリーとして登録でき、該ライブラリー内の文書やフォルダを閲覧・操作できる。図4では、ライブラリーとしてローカルドライブ上のフォルダを示すローカルフォルダ441(ローカルフォルダ01、ローカルフォルダ02)が登録されている。また、ライブラリーとしてファイルサーバー102上のフォルダを示すネットワークフォルダ442(ネットワークフォルダ01、ローカルフォルダ02、ネットワークフォルダ03)が登録されている。図4は、ネットワークフォルダ01が展開され、下位の“01”フォルダが選択されている状態を示す。また、ネットワークフォルダ03下の“監視フォルダ443”は、フォルダ監視機能を表すものであり、ネットワークフォルダ03を監視対象としている状態を示す。フォルダ監視機能は、ライブラリー下のフォルダを監視対象として設定でき、監視対象として設定されたフォルダ内の文書の状態(新着、更新等)を監視して変更のある場合に通知する機能である。またその他の例として、ライブラリー下のフォルダにはホットフォルダ機能を設定できる。この機能は、ローカルドライブやファイルサーバー102上の任意のフォルダを転送元とし、ライブラリー下のフォルダを転送先に設定しておくことで、転送元に格納される文書をライブラリー下の転送先フォルダに自動で転送する機能である。
【0019】
ファイルリストペイン450は、ライブラリー内の文書やフォルダの情報をリスト形式やサムネイルの形式で表示できる。リスト表示では名前やファイルの種類、サイズ、更新日時等の文書やフォルダの属性情報を表示できる。また、ファイルリストペイン450上で文書またはフォルダを選択してコピーや削除等の各種の操作を実行できる。図4では、ライブラリーペイン440で選択されているネットワークフォルダ01下の“01”フォルダ内の文書がリスト表示され、“ドキュメント-B”が選択されている状態を示す。
プレビューペイン460はファイルリストペイン450で選択された文書のプレビューを表示する。
【0020】
アウトプットバー470には、文書の出力処理を実行するための機能ボタンを配置できる。ファイルリストペイン450で文書を選択してアウトプットバー470のボタンを実行する。または、ファイルリストペイン450上の文書をドラッグしてアウトプットバー470のボタンへドロップすることで該ボタンの出力処理を実行する。図4では、アウトプットバー470のボタンとして印刷設定ボタン471、メールボタン472、ファイル転送ボタン473、ファクスボタン474、印刷ボタン475が配置されている。印刷設定ボタン471及びメールボタン472は既定で配置されるボタンであり、ファイル転送ボタン473、ファクスボタン474、印刷ボタン475はユーザーの用途に合わせてユーザーによって追加されたボタンである。
【0021】
印刷設定ボタン471は選択文書の印刷プレビューを表示し、印刷設定を指定できる文書管理アプリケーション300の印刷設定画面(不図示)を開く。
メールボタン472は選択文書をメール送信するためのボタンであり、ボタン実行により選択文書が添付ファイルとされた状態でOSの既定メールアプリケーションのメール送信画面を表示する。
ファイル転送ボタン473は選択文書を特定のフォルダへ転送するためのボタンであり、ボタン実行により選択文書をその転送先へ移動やコピーできる。転送先は本ボタンの設定により指定でき、転送先としてライブラリー下のフォルダを指定できる。またその他に実行時の処理内容(移動orコピー、実行時のファイル名指定等)を設定できる。
ファクスボタン474は選択文書をファクス送信するためのボタンであり、ボタン実行によりMFP103に選択文書のファクス送信を指示する。本ボタンの設定としてOSのファクス(キュー)を割り当てることができ、実行時はそのファクスに対して指示することでファクス送信を実行する。
印刷ボタン475は選択文書を印刷するためのボタンであり、ファクスボタン474と同様に、ボタン実行によりMFP103に選択文書の印刷を指示する。本ボタンの設定として、OSのプリンタ(キュー)を割り当てることができ、実行時はそのプリンタに対して指示することで印刷を実行する。また印刷設定情報を持つ印刷テンプレート476を設定でき、印刷テンプレート476が設定されている場合にはその印刷テンプレート476の印刷設定を反映して印刷を実行する。
【0022】
図5図7は、文書管理アプリケーション300の設定ファイルのデータ構造の一例を示す図である。文書管理アプリケーション300の設定情報は設定ファイルとして外部メモリ206に保存することで、文書管理アプリケーション300の次回再起動時に前回と同じ設定でアプリケーションを使用できる。図5図7では設定ファイルの保存形式の一例として、Extensible Markup Language(XML)形式で保存する例を示す。なお、保存形式は一般的なテキスト形式の保存でも良く特にXMLに限定されるものではない。
【0023】
文書管理アプリケーション300は図4に示すように複数のUIコンポーネントから構成され、また複数の機能を持つ。文書管理アプリケーション300では、設定ファイルをUIコンポーネント、機能毎に分けて保存し管理する。例えば、リボン410の設定情報やクイックアクセスツールバー420の設定情報をそれぞれ別の設定ファイルとして保存する。本実施形態では文書管理アプリケーション300の設定ファイルの一例として、リボン設定500、ライブラリー設定520、アウトプットバー設定530、監視フォルダ設定540、ホットフォルダ設定550のデータ構造について説明する。
【0024】
図5のリボン設定500(RibbonSetting.xml)はリボン設定の設定ファイルであり、リボン410のタブ、グループ、ボタンの構成を定義する。リスト501(RibbonSettings)はリボン設定のリスト、タブ情報502(“Ribbon”)は1タブ情報、グループ情報503(“Group”)は1グループ情報、ボタン情報504(“Contorol”)は1ボタン情報を示す。ホームタブ505は図4におけるホームタブに該当する情報であり、ホームタブ505の定義中にクリップボードグループの情報であるクリップボード506、さらにクリップボード506の定義中にコピーボタンの定義であるコピーボタン507を含む。クリップボード506は、既定のID(“GROUP_CLIPBOARD”)として定義している。
マイグループ508はユーザーによって追加されたマイグループ412に該当する情報であり、定義にはid情報として設定時に動的に生成されるGUID(Globally Unique identifier)が割り当てられる。ファクスボタン509は、マイグループ412上に配置されるファクスボタンの情報を示し、アウトプットバーへのファクスボタン追加時に生成されたGUIDがid情報として割り当てられる。このidは、後述するアウトプットバーの設定中の定義と同一のidであり、このid情報をキーにアウトプットバー中の“ファクス”ボタンを識別できる。またマイタブ510は、ユーザーによって追加された図4におけるマイタブ411の定義を示す。
【0025】
図6(A)のライブラリー設定520(LibrarySetting.xml)は、ライブラリー設定の設定ファイルであり、登録済みのライブラリーの情報を定義する。リスト521(LibrarySettings)はライブラリー設定のリストを示し、ライブラリー522(Library)は1ライブラリーの設定情報を示す。ライブラリー522にはライブラリーの情報として、ライブラリーの表示名(DisplayName)、ライブラリーのパス情報(RootPath)を定義する。またライブラリーの種別(Type)によりライブラリーの種別を切り分けできるように定義する。ローカルライブラリー523はローカルドライブ上のライブラリーであるローカルライブラリーを示し、ネットワークライブラリー524はネットワークフォルダ上のライブラリーであるネットワークライブラリーを示す。
【0026】
図6(B)のアウトプットバー設定530(“OutputButtonSetting.xml”)は、アウトプットバー設定の設定ファイルであり、アウトプットバー上のボタン構成を定義する。リスト531(“OutputButtonSettings”)はアウトプットバー上のボタン設定のリストを示し、ボタン532(“OutputButton”)は、アウトプットバー上の1つのボタンの定義を示す。ボタン情報533~537は図4の各ボタンに該当するボタン情報を定義する。ボタン情報533は印刷設定ボタン471、ボタン情報534はメールボタン472、ボタン情報535はファイル転送ボタン473、ボタン情報536はファクスボタン474、ボタン情報537は印刷ボタン475の定義を示す。ファイル転送ボタンのボタン情報535にはボタンの識別子となるID情報(ID)としてGUIDが割り当てられ、表示名(Display)や転送先のフォルダパス(FolderPath)、実行処理の種別(ActionType)の情報を定義する。ここでは、転送先のフォルダパスにはライブラリーのネットワークフォルダ03下のフォルダが指定されている状態を示している。ファクスボタンのボタン情報536には前述と同様にID情報、表示名を定義する。さらにボタン情報536は、OSのファクスの名称を示すファクス名(FaxName)、ファクス送信に使用するファクスドライバ名(DriverName)、ファクス送信指示の対象となるMFP103のアドレス(Address)情報を定義する。印刷ボタンのボタン情報537には、ID情報、表示名、OSのプリンタの名称を示すプリンタ名(PrinterName)を定義する。さらにボタン情報537には、印刷に使用するプリンタドライバ名(DriverName)、印刷指示の対象となるMFP103のアドレス(Address)、印刷テンプレート(Template)情報を定義する。
【0027】
図7(A)の監視フォルダ設定540(MonitorSetting.xml)は監視フォルダ設定の設定ファイルであり、監視フォルダの情報を定義する。リスト541(MonitorSettings)は監視フォルダ設定のリストを示し、監視フォルダ情報542(Monitor)は1監視フォルダの設定情報を示す。監視フォルダの設定情報として、監視対象とするライブラリーのパス(LibraryPath)、監視対象のフォルダのパス(FolderPath)を定義する。ここでは監視フォルダとして、ライブラリーのネットワークフォルダ03下の監視フォルダが指定されている状態を示している。
【0028】
図7(B)のホットフォルダ設定550“HotFolderSetting.xml)はホットフォルダ設定の設定ファイルであり、ホットフォルダの設定情報を定義する。リスト551(HotFolderSettings)はホットフォルダ設定のリストを示し、ホットフォルダ情報552(HotFolder)は1ホットフォルダの設定情報を示す。ホットフォルダの設定情報として、転送元のフォルダパス(SourcePath)及び転送先のフォルダパス(DestPath)を定義する。ここでは転送元としてローカルドライブ上のフォルダが指定され、転送先にライブラリー“ネットワークフォルダ03”下の“転送用”フォルダが指定されている状態を示している。
【0029】
図4図7にて文書管理アプリケーション300のUI及び設定ファイルについて説明した。上記のように文書管理アプリケーション300は複数のUIコンポーネント及び機能で構成されており、その設定情報は各UI及び機能に分けて管理されている。また、リボンとアウトプットバー、監視フォルダとライブラリー、アウトプットバーの印刷ボタンと印刷テンプレートのように、設定情報間に依存関係のある場合もある。このような場合一部の設定のみを移行する設定情報間の整合性がとれず、移行後にアプリケーションが正常に動作しない等の問題が発生する。例えば、リボンにアウトプットバーのボタンを配置している状態でリボンの設定のみを移行対象とし別の環境に移行する場合、移行先の環境にはアウトプットバーのボタンの定義が存在しない。そのため移行後の文書管理アプリケーション300使用時にアウトプットバー上の該当するボタン情報を参照できず、リボン上に表示されない、またはボタン実行時に実行不可(エラー)となる。
【0030】
次に、文書管理アプリケーション300による設定移行処理例を示す。図8図12は、文書管理アプリケーション300のUI画面の一例を示す図である。
設定移行画面600は文書管理アプリケーション300の設定移行画面であり、本画面は前述のメイン画面400とは別に単独で起動でき、文書管理アプリケーション300の設定情報をエクスポートまたはインポートするための画面である。エクスポートを実行すると設定ファイルとアプリケーションバージョン情報やユーザー名、エクスポート種別(全設定/一部)等の情報を含むエクスポート情報と同梱するエクスポートファイルを生成し出力する。一方、インポート時はエクスポートファイルを展開し、同梱されている設定ファイルをアプリケーションの設定ファイルの格納場所に配置する。このようにして設定情報を移行する。
【0031】
まず、文書管理アプリケーション300のエクスポート実行時の設定移行画面600の画面遷移について図8図9を用いて説明する。
図8(A)のインポートボタン601及びエクスポートボタン602は、インポートとエクスポートのどちらを実行するか指定するためのラジオボタンである。インポートボタン601を選択して実行するとインポートを行い、エクスポートボタン602を選択して実行するとエクスポートする。チェックボックス603は、エクスポートの対象とする設定項目を選択するか否かを指定するチェックボックスであり、エクスポートボタン602選択時に表示される。チェックボックス603をOFFにして実行する場合、全設定情報を対象としてエクスポートを実行する。一方、チェックボックス603にチェックを入れて実行する場合、図8(B)に示されるエクスポート対象の選択リスト607へ遷移する。実行ボタン604は選択を実行するためのボタンであり、チェックボックス603がONの場合はボタンの表示を“次へ”とし、実行により項目指定の選択リスト607へ遷移する。キャンセルボタン605はインポートまたはエクスポートの操作を中止するためのボタンであり、キャンセルボタン605が押下されると設定移行画面600を閉じる。図8(A)の設定移行画面600では、エクスポートボタン602が選択され、またエクスポート対象のチェックボックス603がONの状態である。このように指定して実行ボタン604を押すことで図8(B)の設定移行画面606へ移る。
【0032】
図8(B)の設定移行画面606は、図8(A)においてチェックボックス603にチェックを入れて実行した場合に表示される画面である。選択リスト607はエクスポートの対象とする設定項目を選択するためのリストであり、ここで選択された設定情報をエクスポートする。図8(B)では文書管理アプリケーション300の設定情報として、リボンの設定、ライブラリーの設定、アウトプットバーの設定、スタンプの設定、印刷テンプレートの設定がリストされ選択できる状態で表示されている。本実施形態では文書管理アプリケーション300の設定の一部のみ選択できるように示しているが、文書管理アプリケーション300の全設定を選択リスト607にリストし、選択できるようにしてもよい。実行ボタン604は処理を実行するためのボタンであり、選択リスト607が表示されている画面においてはボタンの表示を“OK”とし、実行することでエクスポートまたはインポートの処理を実行する。戻るボタン608は、項目指定の選択リスト607の状態でのみ表示され、押下により前の画面に戻る。図8(B)の設定移行画面611では、エクスポート対象とする設定項目を指定する。ここでは、選択リスト607の中でリボンの設定とライブラリーの設定が選択されている。この状態で実行ボタン604を実行することで図8(C)の設定移行画面の609へ移る。
図8(C)の設定移行画面609では、エクスポートファイルの保存先を指定するための保存先の指定画面を表示する。指定画面でファイルの格納場所、ファイル名を指定し、OKボタン610を実行することで、指定の保存先に指定のファイル名でエクスポートファイルを出力する。
【0033】
図9(A)の設定移行画面611は、エクスポート処理中を示す画面で、エクスポートが完了すると、図9(B)に示される設定移行画面612でエクスポートの完了を示すメッセージを表示してエクスポート処理を終了する。
図9(C)の設定移行画面613は、全部ではなく一部の設定情報をエクスポート対象として選択した場合であって、エクスポート対象として選択されている設定と関連する設定が存在する場合に表示される画面である。エクスポート対象を選択して一部の設定情報をエクスポートする場合、エクスポート対象として選択されている設定と関連する設定が存在するか確認する。関連する設定が存在する場合には、関連する設定がエクスポート対象に含まれているか確認し、含まれていない場合に、関連する設定が存在する旨を通知してその設定も含めてエクスポートするか否かをユーザーに問う。例えば、エクスポート対象としてアウトプットバーのボタンを含むリボンの設定が指定された場合、このリボンの設定に関連する設定であるアウトプットバーの設定も含めてエクスポートするか否かユーザーに確認する画面を表示する。設定移行画面613ではいボタン614を実行することで、関連する設定であるアウトプットバーの設定を合わせてエクスポートできる。いいえボタン615を実行する場合は、そのまま関連する設定を含めずにエクスポートする。関連した設定も併せてエクスポートすることで、移行先でリボンのボタンが使用不可となることを抑止できる。
【0034】
次に、文書管理アプリケーション300のインポート実行時の設定移行画面600の画面遷移について図10及び図11を用いて説明する。
図10(A)の設定移行画面616は、インポートボタン601のインポート選択時に表示される画面である。ボックス617はインポートする設定情報(エクスポートファイル)を指定するためのテキストボックスであり、インポートボタン601のインポート選択時に表示される。エクスポートファイルは、ボックス617に直接入力することで指定することも可能であるが、参照ボタン618でファイル参照画面を表示し、ファイル選択によりエクスポートファイルを指定することもできる。参照ボタン618は、エクスポートファイルを指定するためのボタンであり、押下によりファイルを指定するためのファイル参照画面を表示する。実行ボタン604が押下されると、ボックス617において指定されたエクスポートファイルをインポートする。図10(A)の設定移行画面619では、インポートボタン601が選択され、ボックス617にインポートするエクスポートファイルが指定されている。このように指定して実行ボタン604を実行することでインポートを実行する。
図10(B)の設定移行画面619は、インポート処理中を示す画面である。インポートが完了すると、図10(C)に示される設定移行画面620のインポート完了を示すメッセージを表示してインポート処理を終了する。
【0035】
図11(A)の設定移行画面621は、インポート先の環境に設定ファイルが存在する場合に表示される。インポート実行時は、インポート先の環境に設定ファイルが存在するか否かを確認し、既に存在する場合は設定が上書きされる旨をユーザーに通知する。
また、エクスポートされた一部の設定をインポートするときに、一部の機能のみを置き換えることで、既にインポート先で使用している設定が正常に動作しなくなる場合がある。具体的には、インポートによって上書きされる設定と関連している他の設定が存在する場合は、上書きによってその機能が正常に動作しなくなる可能性がある。そのため、上書きによって正常に動作しなくなる可能性があることをユーザーに通知して、どのようにインポート処理するかをユーザーに問う。
【0036】
図11(B)の設定移行画面622は、上書きによって正常に動作しなくなる可能性があることをユーザーに通知して、どのようにインポート処理するかをユーザーに問う画面である。インポートの処理として、既存の設定にインポート設定を追加するマージ、関連している設定を無効(破棄)する関連設定の無効化、そのままインポートする続行、キャンセルのいずれかを選択可とする。設定移行画面622で、マージする場合はマージボタン623、関連設定を無効にする場合は関連設定の無効化ボタン624、そのままインポートする場合は続行ボタン625、処理を終了する場合はキャンセルボタン626を押下する。ここでは、ライブラリーの設定がインポート対象であり、ライブラリーの設定を上書きすることで移行先の監視フォルダ機能が正常に動作しなくなる(監視フォルダを参照できなくなる)場合の例を示している。この場合、マージボタン623の実行時は、既存のライブラリー設定にインポートするライブラリーの設定を追加する。無効化ボタン624の実行時は、インポート先の監視フォルダの設定を削除する。続行ボタン625の実行時はインポート先のライブラリーの設定を削除し、インポートするライブラリー設定をコピーする。
【0037】
次に、エクスポート処理とインポート処理の流れについて、図12及び図13を用いて説明する。図12は、文書管理アプリケーション300のエクスポート処理に係るフローチャートの一例を示す図である。本処理は、図8(A)の設定移行画面600でエクスポートを実行することで処理が開始される。
S701で管理部306は、エクスポート対象となる設定の選択を受け付ける。具体的には、入力管理部301が、設定移行画面600の実行ボタン604の実行操作を受け付けると、管理部306に該実行指示を通知する。通知を受けた受付手段である管理部306は、画面表示管理部302を介して設定移行画面600でユーザーによって指定されている設定値を取得し、設定移行部305に処理の実行を指示する。設定値は、エクスポートの対象の範囲(一部または全て)、一部エクスポートする場合に対象とする設定項目を指し、設定移行画面600のチェックボックス603及び選択リスト607を参照し取得される。
S702で設定移行部305は、S701で取得した設定値を参照し、チェックボックス603においてエクスポートの対象が一部に指定されているか全てに指定されているかを判断する。エクスポート対象が全てに指定されている場合は、S703に進み、全設定をエクスポート対象をとする。エクスポート対象が一部に指定されている場合は、S704へ進む。
【0038】
S704で設定移行部305は、S701で取得した設定値を参照し、選択リスト607においてエクスポート対象として指定されている設定をエクスポート対象リストに追加する。
次に、各エクスポート対象の設定に関連する設定の有無を確認する。S705で設定移行部305は、エクスポート対象リストの1つを確認対象とし、S706でその設定に関連する設定を取得する。具体的には、図14に示される関連設定テーブルを参照し、関連設定テーブルの情報からエクスポート対象の設定に関連付く設定を判断して取得する。また、アプリケーション情報管理部303を介して、文書管理アプリケーション300の現在の動作環境における該関連設定の定義を参照し、エクスポート対象と関連設定テーブルから関連付く設定と判断された設定との間に依存関係が存在するか確認する。ここで依存関係のある場合にその設定を関連設定とする。
【0039】
ここで関連設定テーブルについて、図14を用いて説明する。図14は、文書管理アプリケーション300の設定情報とそれに関連する設定情報を判断するための関連性及び判断条件を模式的に示す図である。
設定情報の関連を示す関連設定テーブル900には、対象設定ファイル901と関連設定ファイル905とで分類されており、対象設定ファイル901とそれと対になっている関連設定ファイル905とが関連する設定ファイルとして定義されている。設定ファイル名902は対象設定ファイルの設定ファイル名を、設定ファイル名906は関連設定ファイルの設定ファイル名を示す。また対象属性903及び対象属性907は設定ファイル中で対象とする属性の定義を示している。この対象属性は設定ファイル中に該当する定義(さらに条件がある場合は該条件に合致する定義)が存在する場合に、関連する設定の存在があることを示す。また、関連設定が存在する場合に関連設定との参照関係が合致する条件は、キー904及びキー908が比較909の条件に合致するか否かで識別できるものとする。参照関係については、インポートのフローチャート中、S814において説明する。
【0040】
例えば、リボンの設定を示すRibbonSetting.xmlでは、次の2つの条件が揃ったときに関連設定の存在を確認できるものとする。第1の条件は、対象属性903に “Contorol”の定義があることである。第2の条件は、“Control”の定義中において、“type”が“OutputButtonPrint”、“OutputButtonFax”、“OutputButtonSend”に定義されていることである。なお、そもそも合致する定義が存在しない場合は関連する設定は無いものと見なせる。合致する定義が存在し、また、その関連設定であるOutputButtonSetting.xml中に“OutputBarButton”の属性定義が存在する場合では、次の場合にその設定値同士を関連する設定と見なせる。設定値同士を関連する設定と見なせるのは、キー904とキー908に定義される値が比較909に示す“Equal”(同一)の条件に合致する場合である。
【0041】
関連設定テーブル900は、文書管理アプリケーション300の設定移行部305にてそのプログラム上に保持する情報であり、本実施形態で示す設定項目は、文書管理アプリケーション300の一部の設定項目を示す。本実施形態で示す項目以外に、文書管理アプリケーション300で保持する設定項目の定義の内、関連する設定を持つ設定に関して同様に関連情報を定義しているものとする。
【0042】
図12のフローチャートの説明に戻る。S706において、例えばリボン設定をエクスポート対象とする場合、リボン設定と関連付く設定であるアウトプットバー設定を対象にリボンの設定中にアウトプットバーのボタンの定義を含むか、含む場合その定義がアウトプットバー中に存在するかを確認する。アウトプットバー中にアウトプットバーのボタンの定義が存在する場合に、リボン設定とアウトプットバー設定との間に依存関係がありと判断し、関連設定とみなす。
S707で設定移行部305は、S706で取得した関連設定情報を参照し、関連設定が存在する場合はS708へ進み、存在しない場合はS715へ進む。
【0043】
S708で設定移行部305は、S706で取得した関連設定情報を参照し、関連設定情報の内1つを処理対象とする。
S709で設定移行部305は、エクスポート対象リストを参照し、処理対象とした関連設定がリストに含まれるか否かを判断する。ここで既にリストに含まれる場合は、S714へ進む。リストに含まれない場合は、S710へ進む。
【0044】
S710で設定移行部305は、画面表示管理部302に指示し、関連設定が存在する旨を通知しこの設定をエクスポート対象に含めるか否かを確認するメッセージを表示する。この一例が、図9(C)に示される設定移行画面613である。
S711で入力管理部301は、関連設定をエクスポート対象に含めるか判断する。具体的には、入力管理部301は該メッセージに対するユーザー操作を受け付け、画面表示管理部302を介してメッセージの選択結果を参照し判断する。はいボタン614が実行されたと判断する場合はS712へ進む。S711でいいえボタン615が実行されたと判断する場合は、関連設定をエクスポートの対象に含めないでS714へ進む。キャンセルが実行された場合はエクスポート処理を中止し、本処理フローを終了する。
S712において設定移行部305は、関連設定をエクスポートの対象に追加する。
【0045】
S713で設定移行部305は、S706で取得した関連設定情報に含む関連設定のすべてに対して確認が済んだか判断する。未確認の関連設定が存在する場合は、S708へ進み、次の関連設定に関してエクスポート対象に含めるか否かの確認処理を繰り返す。すべて確認済みの場合はS714へ進み、すべてのエクスポート対象に対して確認済みか否かを判断し、未確認のエクスポート対象が存在する場合は、S705へ進み次のエクスポート対象に対して同様に関連設定の有無を確認する。
【0046】
S715で設定移行部305は、前述の処理でエクスポート対象とされた設定のエクスポートを実行する。ここでは、文書管理アプリケーション300の現在の動作環境における設定情報の内、エクスポート対象とする設定情報を同梱するエクスポートファイルを生成する。
上記の処理により、一部の設定をエクスポートする場合に、そのエクスポート対象と関連する設定を確認し、関連する設定が有る場合にその設定もエクスポート対象とすることで依存関係のある設定も合わせてエクスポートできる。
【0047】
図13は、文書管理アプリケーション300のインポート処理に係るフローチャートの一例を示す図である。本処理は、図6(A)の設定移行画面600でインポートを実行することで処理が開始される。
S801で管理部306は、インポート対象の設定を受け付ける。具体的には、入力管理部301が、設定移行画面600にて実行ボタン604の実行操作を受け付けると、管理部306にその実行指示を通知する。通知を受けた受付手段である管理部306は、画面表示管理部302を介して設定移行画面600上の指定値を取得し、設定移行部305に処理の実行を指示する。ここでの指定値は、インポートに使用するエクスポートファイルのパスを指す。
【0048】
S802で実行指示を受けた設定移行部305は、現在動作しているインポート先の環境における文書管理アプリケーション300の設定情報(設定ファイル)が既に存在するか否かを確認する。例えば、文書管理アプリケーション300を既に使用している環境では設定ファイルが存在し、導入時等の未使用の状態では存在しない。
S803で設定移行部305は、S802の確認結果を参照し、既に設定ファイルが存在するか否か判断する。既に設定ファイルが存在する場合には、S804へ進む。設定ファイルが存在しない場合には、S807へ進む。
【0049】
S804で設定移行部305は、画面表示管理部302へ指示し、既存の設定ファイルが上書きされる旨を通知するメッセージを表示する。この表示されるメッセージの一例が、図11(A)に示される設定移行画面621である。
S805で入力管理部301は、S804で表示したメッセージに対するユーザー操作を受け付けると、画面表示管理部302を介してメッセージの選択結果を参照する。上書きしてインポートを実行する選択を示す「はいボタン」が実行されたと判断する場合には、処理を続行するためS806へ進む。インポートの実行を中止する選択を示す「いいえボタン」が実行されたと判断する場合はインポート処理を中止し、本処理フローを終了する。
S806で設定移行部305は、インポート先の上書きされる設定ファイルのバックアップファイルを作成する。具体的には、現在の動作環境における設定ファイルをバックアップ用の保存先にコピーする。このバックアップファイルは、誤操作による設定ファイルの上書き時等に手動で復元できるように退避しておくファイルである。
【0050】
S807で設定移行部305は、S801で取得した画面設定値によって指定されるエクスポートファイルを読み込む。エクスポートファイルは前述のように設定ファイルとエクスポート情報を同梱するファイルであり、ここではそれらの情報を展開する。
S808で設定移行部305は、該エクスポートファイルに含まれる設定ファイルをインポートの対象とし、インポート対象のリストに追加する。インポート対象として持つ情報はインポートファイル名及びインポート方法情報(置き換え(既定)/マージ)を指し、これらの情報をリストで持つ。インポート対象のリストが作成された時点では、インポートの方法は既定の「置き換え」が選択されている。
また、S809で該エクスポートファイルに含まれるエクスポート情報のエクスポート種別を参照し、インポートの対象が「一部」であるか「全て」であるか判断する。対象が「全て」の場合はS824へ進み、インポート処理を実行する。対象が「一部」の場合は、S810に進む。
【0051】
S810で設定移行部305は、S808で作成したインポート対象のリストの内1つを確認対象とする。
S811で設定移行部305は、インポートによって上書きされる設定と関連する設定を取得する。インポートによって上書きされる設定は、インポート対象の設定と同一のインポート先の設定である。例えば、インポート対象の1つであるライブラリー設定を確認対象とする場合、そのインポートによって上書きされる設定はインポート先のライブラリー設定である。具体的には、設定移行部305はインポート先の文書管理アプリケーションの設定移行部に保持される、図14に示される関連設定テーブル900を参照し、上書きされる設定を参照する設定を関連設定として判断し取得する。例えば、インポート対象をライブラリー設定とする場合に、ライブラリー設定を参照する監視フォルダの設定、ホットフォルダの設定、アウトプットバーの設定を関連設定として取得する。
S812で設定移行部305は、S811の結果、関連設定が存在するか否か判断する。関連設定が存在すると判断した場合にS813へ進み、存在しないと判断した場合はS822へ進む。
【0052】
S813で設定移行部305は、S812で存在すると判断された関連設定がインポート対象リストに含まれるか否か判断する。リストに含まれる場合は既にユーザーによってインポート対象と指定されているのでS822へ進み、リストに含まれない場合はS814へ進む。
S814で設定移行部305は、インポート対象の設定と、インポートによって上書きされる可能性のある既存の設定に関連している設定との間で、参照関係の条件を満たしているか判断する。この参照関係の条件とは、ある既存の設定(上書きされる設定)をインポートした設定に置き換えた場合に、該既存の設定に関連していた設定の機能が使用できなくなる可能性があるか否かを判断するためのものである。ある既存の設定をインポートした設定に置き換えた場合でも、該既存の設定に関連していた設定の機能が使用できる場合は参照関係の条件を満たすと判断する。この条件の判断では、参照関係のある定義情報(XML属性)が存在するかを確認し、存在する場合はその設定値の参照関係が成立しているかを確認する。
【0053】
具体的には、まず、第1の判断として、既存の設定に関連している設定に該既存の設定を参照する定義が含まれているか判断する。該既存の設定を参照する定義が含まれていない場合は、該既存の設定を参照する必要がないので、参照関係の条件を満たしていると判断する。該既存の設定を参照する定義が含まれている場合は、第2の判断を行う。第2の判断では、既存の設定に関連している設定が、インポートする設定を参照できる関係であるか否か判断する。具体的には、インポートする設定に、既存の設定に関連している設定へのルートパスが定義されているか否かなどから判断する。既存の設定に関連している設定が、インポートする設定を参照できる関係であるならば、参照関係の条件を満たしていると判断する。例えば、監視フォルダ設定の場合、まず第1の判断として、設定中に監視フォルダの定義(図7(A)の監視フォルダ設定540の“Monitor”)が存在するかを確認する。監視フォルダの定義が存在しない場合は、そもそも参照関係の必要とする定義が無いものとみなし、条件を満たすと判断する。監視フォルダの定義が存在する場合、第2の判断として、監視フォルダのライブラリー情報がインポートするライブラリー設定に存在するか確認する。監視フォルダのライブラリー情報は図7(A)の監視フォルダ設定540のLibraryPathであり、インポートするライブラリー設定は図6(A)のライブラリー設定520のLibraryのRootPathである。LibraryPathがLibraryのRootPathに存在する場合は参照条件を満たし、存在しない場合は参照条件を満たさないと判断する。条件を満たすと判断された場合はS822へ進み、満たさないと判断された場合はS815へ進む。
【0054】
S815で設定移行部305は、画面表示管理部302に指示し、インポート対象の設定と関連する別の既存機能が動作しなくなる可能性があることを通知し、インポートの方法を問うメッセージを表示する。このインポートの方法を問うメッセージの一例が、図11(B)の移行設定画面622である。
S816で入力管理部301は、S815で表示したメッセージに対するユーザー操作を受け付けると、画面表示管理部302を介してメッセージの選択結果を参照する。移行設定画面622において、既存の設定にインポート設定を追加するマージボタン623が実行されたと判断する場合にS817へ進み、それ以外の場合はS818に進む。
S817で設定移行部305は、現在の処理対象としているインポート対象のインポート方法をマージとし、S822へ進む。具体的には、先述のインポート対象リストで持つインポート対象の情報として、そのインポート方法情報をマージ(追加)とする。
【0055】
S818で入力管理部301は、S815で表示したメッセージに対するユーザーの選択結果が、関連設定の破棄であったか否か判断する。移行設定画面622において、関連設定の無効化ボタン624が実行された場合は、関連設定の破棄が選択されたと判断し、S819へ進む。それ以外の場合は、S820に進む。
S819で設定移行部305は、関連設定を破棄対象として追加し、S822へ進む。ここでは本処理で追加する破棄対象をリストで保持し、該リストを対象として後述のS823の処理で該当する設定を破棄する。
【0056】
S820で入力管理部301は、S815で表示したメッセージに対するユーザーの選択結果が、そのままインポートを行うものであったか否か判断する。移行設定画面622において、続行ボタン625が実行された場合は、そのままインポートを行うものであると判断し、S822へ進む。それ以外の場合は、キャンセルボタン626が実行された場合であり、S821へ進む。
S821において入力管理部301は、不要となるS806で作成したバックアップファイルを破棄してインポート処理を中止し、本処理フローを中止する。
【0057】
S822で設定移行部305は、インポート対象リストのすべての対象の確認が済んだか判断する。未確認の対象が存在する場合は、S810へ進み、次のインポート対象に対して同様に確認処理を実行する。全て確認済みの場合はS823へ進む。
S823で設定移行部305は、破棄対象の関連設定がある場合はその設定を破棄する。この破棄対象とはS818にて破棄対象とした関連設定を指し、インポート先に存在する破棄対象に該当する既存の設定ファイルを削除する。なお、破棄情報として該当する設定値を保持し、設定ファイル中の該当する設定値のみを削除してもよい。破棄対象の削除が完了したら、S824に進む。
【0058】
S824で設定移行部305は、インポート対象リストの設定をインポートする。具体的には、インポートファイル名と一致する設定ファイルをS807で展開したエクスポートファイルからインポート先へインポートする。インポートの方法としては、置き換えとマージがあり、マージはS817にてマージが指定される場合であり、それ以外は置き換えとして処理する。置き換えによるインポートの場合は、インポート先の環境に存在する設定ファイルをエクスポートファイル中の同名のインポートファイルに置き換える。マージによるインポートの場合は、インポート先に存在する設定ファイルに同名のインポートファイルの情報を追記する。例えば、ライブラリーの設定をマージによってインポートする場合、インポート先のライブラリーの設定ファイル及びインポートする設定ファイルを読み込み、インポート先の定義に存在しない定義を追記して保存する。尚、設定ファイルの読み込み処理、書き込み処理は設定移行部305からアプリケーション情報管理部303へ指示することで処理される。S824のインポート処理完了により本処理フローを終了する。
【0059】
以上説明したように、本実施形態において一部の設定をエクスポートする場合に、そのエクスポート対象と関連する設定を確認し、関連する設定が有る場合にその設定もエクスポート対象とすることで依存関係のある設定も合わせてエクスポートできる。また、エクスポートされた一部の設定をインポートする場合に、インポート先の既存の設定に追加する移行方法をとることで、既存の設定に依存している関連設定が正常に動作しなくなる恐れを抑制できる。したがって、本実施形態によると、アプリケーションの一部の設定情報のみを移行する場合の不整合の発生を抑制することができる。
【0060】
(第2実施形態)
第1実施形態では、エクスポート時にエクスポートの対象とする設定項目を選択する例を示したが、インポート時に選択する構成であってもよい。本実施形態はそのような構成を考慮したもので、図15図17を用いてインポート時に対象とする設定項目を選択する例を説明する。なお、特に明示していない構成及び処理は、すべて第1実施形態と同じものとする。
【0061】
本実施形態におけるインポート実行時の文書管理アプリケーション300の設定移行画面の画面遷移について、図15を用いて説明する。図15は文書管理アプリケーション300のUI画面の一例である。なお、本実施形態における文書管理アプリケーション300の設定移行画面は図8図11に示す設定移行画面と同様であり、特に説明しない構成は図8図11の設定移行画面と同一とする。
【0062】
図15(A)の設定移行画面1000は、インポートとエクスポートのいずれを実行するか選択する画面である。設定移行画面1000のチェックボックス1001はインポートの対象とする設定項目を選択するか否かを指定するチェックボックスであり、インポートボタン601選択時に表示される。チェックボックス1001をOFFにして実行する場合、インポートするエクスポートファイル中の全設定情報を対象としてインポートを実行する。一方、チャックボックスにチャックを入れて実行する場合、インポート対象の図15(B)に示される選択画面へ遷移する。実行ボタン604はチェックボックス1001がONの場合はボタンの表示を「次へ」とし、実行により項目指定の設定移行画面1002へ遷移する。キャンセルボタン605が押下されると、操作をキャンセルし、インポートを実行せずに設定移行画面600を閉じる。図15(A)では、インポートボタン601が選択され、ボックス617でインポート対象のエクスポートファイルが指定されている。また、インポートの対象の選択を行うチェックボックス1001がONの状態に選択されている。この状態で実行ボタン604を実行することで設定移行画面1002へ移る。
【0063】
図15(B)の設定移行画面1002は、選択リスト1003を有している。選択リスト1003はインポートの対象とする設定項目を選択するためのリストであり、ここで選択された設定情報をインポートする。図15(B)では文書管理アプリケーション300の設定情報としてリボンの設定、ライブラリーの設定、アウトプットバーの設定、スタンプの設定、印刷テンプレートの設定がリストされ選択できる状態で表示されている。本実施形態では文書管理アプリケーション300の設定の一部のみ選択できるように示しているが、文書管理アプリケーション300の全設定を606にリストし、選択できてもよい。図15(B)では、リボンの設定とライブラリーの設定がインポートする設定項目として選択されている。
【0064】
図15(C)の設定移行画面1004は、一部の設定をインポートする場合に、該設定に関連設定が存在する旨を通知し、この関連設定をインポート対象に含めるか否かを確認するメッセージを表示する画面である。本実施形態のように一部の設定情報をインポートする場合、インポート対象として選択されている設定と関連する設定がエクスポートファイル中の設定に存在するか確認する。関連する設定が存在する場合には、関連する設定が存在する旨を通知してその設定も含めてインポートするか否かをユーザーに問う。例えば、インポート対象としてリボンの設定が指定され、リボンの設定にアウトプットバーのボタンを含む場合にアウトプットバーの設定も含めてインポートすることで、移行先でリボンのボタンが使用不可となることを抑止できる。
【0065】
図16および図17は、文書管理アプリケーション300のインポート処理に係るフローチャートの一例を示す図である。インポート処理は図15(A)の設定移行画面1000でインポートを実行することで処理が開始される。なお、本実施形態におけるインポート処理は図13に示すインポート処理を基にしており、特に説明しない構成は図13に示す処理フローと同一とする。
【0066】
S1101で入力管理部301は、設定移行画面1000にてインポートボタン601が選択された状態で実行ボタン604の実行操作を受け付けると、管理部306にその実行指示を通知する。通知を受けた管理部306は、設定移行部305に指示しエクスポートファイルを読み込む。具体的には、設定移行画面1000のボックス617で指定されるエクスポートファイルの情報を展開する。
S1102で設定移行部305は、該エクスポートファイルに含まれる設定ファイルをインポートの対象とし、インポート対象のリストに追加する。リストは、インポートファイル名及びインポート方法情報(置き換え(既定)/マージ)をインポート対象の情報として持つ。インポート対象のリストが作成された時点では、インポートの方法は既定の「置き換え」が選択されている。
【0067】
S1103で設定移行部305は、インポートの対象が全ての設定情報であるか一部の設定情報であるか判断する。設定移行画面1000でチェックボックス1001にチェックが入れられた状態であった場合は、インポート対象が一部の設定情報であると判断し、S1004に進む。一方、インポート対象が全ての設定情報であると判断された場合は、S1006に進む。
S1104で設定移行部305は、画面表示管理部302へ指示しインポート対象の選択画面の表示を指示する。指示を受けた画面表示管理部302は、S1102で作成したインポート対象のリストに基づき、ユーザーにインポート対象となる設定情報を選択させるためのインポート対象の選択リスト1003を備える設定移行画面1002を表示する。この一例が、図15(B)に示される図である。
【0068】
S1105で入力管理部301は、設定移行画面1002における実行ボタン604もしくはキャンセルボタン605の押下を受け付けると、その実行指示を管理部306へ通知する。通知を受けた管理部306は、ボタンの実行情報を参照し、実行ボタン604の実行と判断された場合にS1106へ進む。一方、キャンセルボタン605が押下されたと判断された場合は、画面表示管理部302へ指示し設定移行画面600を閉じてインポート処理を中止し、本処理フローを終了する。
S1106で管理部306は、インポート対象の選択を受け付け、画面表示管理部302を介して設定移行画面1002上の指定値を取得し、設定移行部305にインポート対象のリストの更新を指示する。ここで指定される値は、インポート対象を一部もしくは全てとするインポート対象の範囲とインポート対象の選択リスト1003にて選択されている設定項目である。
【0069】
次に、各インポート対象の設定に関連する設定の有無を確認する。
S1107でインポート処理の実行を受け付けた設定移行部305は、インポート対象リストの1つを確認対象として設定する。
S1108で設定移行部305は、S1107で確認対象として設定された設定に関連する設定を取得する。具体的には、図14に示される関連設定テーブル900を参照し、関連設定テーブル900の情報からインポート対象の設定に関連する設定を判断して取得する。また、アプリケーション情報管理部303を介してエクスポートファイルに含まれる関連設定の定義を参照し、インポート対象との間に依存関係が存在するか確認する。ここで依存関係のある場合にその設定を関連設定とする。例えば、リボン設定をインポート対象とする場合、リボン設定と関連する設定であるアウトプットバーの設定を対象とし、リボンの設定中にアウトプットバーのボタンの定義を含むか、含む場合その定義がアウトプットバー中に存在するかを確認する。そして、存在する場合に関連設定とみなす。
S1109で設定移行部305は、S1108で取得した関連設定情報を参照し、関連設定が存在する場合はS1110へ進み、存在しない場合はS1117へ進む。
【0070】
S1110で設定移行部305は、S1108で取得した関連設定情報を参照し、関連設定情報の内1つを処理対象とする。
S1111で設定移行部305は、S1110で処理対象とした関連設定が既にインポート対象リストに含まれるか否かを判断する。リストに含まれる場合は、S1115へ進み、リストに含まれない場合はS1112へ進む。
【0071】
S1112で設定移行部305は、画面表示管理部302に指示し、関連設定が存在する旨を通知しこの設定をインポート対象に含めるか否かを確認するメッセージを表示する。この一例が、図15(C)に示される設定移行画面1004である。設定移行画面1004の画面で、はいボタン1005を実行することで関連する設定を合わせてインポートする。
S1113で入力管理部301は、設定移行画面1004のメッセージに対するユーザー操作を受け付けると、画面表示管理部302を介してメッセージの選択結果を参照し、はいボタン1005が実行されたと判断する場合にS1114へ進む。S1113で、いいえボタン1006が実行されたと判断する場合は関連設定をインポートの対象に含めないでS1115へ進む。キャンセルボタン1007が実行された場合はエクスポート処理を中止し、本処理フローを終了する。
S1114で設定移行部305は、関連設定をインポートの対象に追加する。
【0072】
S1115で設定移行部305は、S1108で取得した関連設定のすべてに対して確認が済んだか判断する。未確認の関連設定が存在する場合は、S1110へ進み次の関連設定に対して同様に確認処理を実行する。すべて確認済みの場合はS1116へ進む。
S1116で設定移行部305は、すべてのエクスポート対象に対して確認済みか否かを判断し、未確認のエクスポート対象が存在する場合は、S1107へ進み、次のエクスポート対象に対して同様に関連設定の有無を確認する。すべて確認済みの場合は、S802に進む。
【0073】
以降の処理は、図13に示すフローと同一である。ただし、インポート対象の設定が「一部」であるか「全て」であるかのS1117の判断が、図13のS809の判断とは異なる。そのためその差異のみ説明し、その他の処理は省略する。図13に示す処理フローはインポート時にインポート対象を選択するフローではないため、S809ではインポートが一部の設定または全てはエクスポートファイルに含まれるエクスポート種別の参照で判断する。一方、本実施形態はインポート時にインポート対象を選択する場合の処理であり、S1117の判断はS1106によって取得したユーザーが指定したインポート対象の範囲が「一部」もしくは「全て」を示すものであるかによって判断する。よって、S1117では、図15(A)のチェックボックス1001がON(設定項目の一部をインポートする)と指定されている場合に設定の一部をインポートするものと判断する。
【0074】
以上説明したように、本実施形態において一部の設定を選択してインポートする場合に、そのインポート対象と関連する設定を確認し、関連する設定が有る場合にその設定もインポート対象とすることで依存関係のある設定も合わせてエクスポートできる。また、インポート先の既存の設定に追加する移行方法をとることで、既存の設定に依存している関連設定が正常に動作しなくなる恐れを抑制できる。したがって、本実施形態によると、アプリケーションの一部の設定情報のみを移行する場合の不整合の発生を抑制することができる。
【0075】
(第3実施形態)
第3実施形態では、インポート対象の設定の選択時に表示される設定移行画面の遷移が、第2実施形態と異なる。以下、第2実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
図18は文書管理アプリケーション300のUI画面の一例であり、インポート実行時の設定移行画面の画面遷移を示す図である。
図18(A)は、一部の設定のみをインポートする選択がなされた場合に表示される画面の一例である。設定移行画面1200は、設定移行画面600にてインポート対象のチェックボックス1001がONの状態で実行ボタン604が実行された場合に表示する選択リスト1201を備えている。選択リスト1201では、インポート対象の設定が未選択の状態を示している。ここで選択されたアウトプットバーの設定に関してその関連する設定の有無を確認し、関連設定が存在する場合は、関連する設定が存在する旨を通知してその設定も含めてインポートするか否かをユーザーに問う。関連する設定が存在する旨を通知する画面として、例えば、図15(C)の設定移行画面1004が表示される。
例えば、設定移行画面1200でアウトプットバーの設定にチェックを入れると、関連する設定である印刷テンプレートの設定も含めてインポートするか否かをユーザーに問う画面が表示される。ここで印刷テンプレートの設定も含めてインポートする選択を行うと、図18(B)に示される設定移行画面1202が表示される。設定移行画面1202の選択リスト1203では、アウトプットバーの設定に加え印刷テンプレートの設定のチェックボックスもONの状態になっている。
【0076】
図19は、文書管理アプリケーション300の設定移行画面における関連設定の確認処理に係るフローチャートの一例を示す図である。本処理は、設定移行画面1000において、インポートボタン601が選択され、かつ、チェックボックス1001がONの状態で実行ボタン604が押下された場合に処理が開始される。
S1301で画面表示管理部302は、設定移行画面1200を表示し、ユーザー操作を待機する。設定移行画面1200には、インポート対象の選択リスト1201が表示されている。
S1302で入力管理部301は、設定移行画面600にてインポート対象の選択リスト1201へ実行操作を受け付けると、管理部306にその実行指示を通知する。通知を受けた管理部306は、インポート対象の選択リスト1201にて項目のチェックボックスがONに指定されたかどうか判断する。ONに指定された場合はS1303へ進み、選択された設定項目に関連する設定を確認する。それ以外はS1301でユーザー操作を待機する。
【0077】
S1303で管理部306は、画面表示管理部302を介して設定移行画面1200上の指定値を取得し、設定移行部305に関連設定の確認処理の実行を指示する。ここで指定される値は、インポート対象の選択リスト1201にて選択された設定項目を示す。
S1304で設定移行部305は、インポート対象の選択リスト1003にて選択された設定項目を確認対象とし、その設定に関連する設定を取得する。具体的には、図14に示される関連設定テーブルを参照し、その設定に関連付く設定を取得する。また、アプリケーション情報管理部303を介してエクスポートファイルに含まれる関連設定の定義を参照し、インポート対象との間に依存関係が存在するか確認する。ここで依存関係のある場合にその設定を関連設定とする。例えば、リボン設定をインポート対象とする場合、リボン設定と関連する設定であるアウトプットバーの設定を対象に、リボンの設定中にアウトプットバーのボタンの定義を含むか、含む場合その定義がアウトプットバー中に存在するかを確認する。そして、存在する場合に関連設定とみなす。
【0078】
S1305で設定移行部305は、S1304で取得した関連設定情報を参照し、関連設定が存在する場合はS1306へ進む。関連設定が存在しない場合は確認処理を終了し、本処理フローを終了する。
S1306で設定移行部305は、S1304で取得した関連設定情報を参照し、関連設定情報の内1つを処理対象とする。
S1307で設定移行部305は、S1306で処理対象とした関連設定が既にインポートの対象に含まれるか否かを判断する。インポートの対象に含まれる場合は、S1308以降の処理は実行せずにS1311へ進む。インポートの対象に含まれない場合は、S1308へ進む。
【0079】
S1308で設定移行部305は、画面表示管理部302に指示し、関連設定が存在する旨を通知しこの設定をインポート対象に含めるか否かを確認するメッセージを表示する。この一例が、図15(C)に示される図である。
S1309で入力管理部301は、該メッセージに対するユーザー操作を受け付けると画面表示管理部302を介してメッセージの選択結果を参照する。はいボタン1005が実行されたと判断する場合にS1310へ進み、関連設定をインポートの対象に追加する。いいえボタン1006が実行されたと判断する場合は、関連設定をエクスポートの対象に含めないでS1311へ進む。
S1311で設定移行部305は、S1304で取得した関連設定情報に含む関連設定のすべてに対して確認が済んだか判断する。未確認の関連設定が存在する場合は、S1306へ進み次の関連設定に対して同様に確認処理を実行する。すべて確認済みの場合はS1312へ進む。
【0080】
S1312で設定移行部305は、画面表示管理部302に指示し、選択リスト1201上でS1310において追加した設定のチェックボックスがONとなるように設定移行画面600のインポート対象の選択リスト1003の表示を更新する。例えば、設定移行画面1200においてアウトプットバーの設定のチェックボックスをONにした場合、その関連設定である印刷テンプレートの設定をインポート対象に含めるかを問うメッセージが表示される。そこで印刷テンプレートの設定をインポート対象に含める選択をした場合、図18(B)に示される印刷テンプレートの設定のチェックボックスもONになった選択リスト1203を有する設定移行画面1202が表示される。
【0081】
以上説明したように、本実施形態において一部の設定を選択してインポートする場合に、そのインポート対象と関連する設定を確認し、関連する設定が有る場合にその設定もインポート対象とすることで依存関係のある設定も合わせてエクスポートできる。また、インポート先の既存の設定に追加する移行方法をとることで、既存の設定に依存している関連設定が正常に動作しなくなる恐れを抑制できる。したがって、本実施形態によると、アプリケーションの一部の設定情報のみを移行する場合の不整合の発生を抑制することができる。
【0082】
(第4実施形態)
第1実施形態~第3実施形態では、文書管理アプリケーション300の設定間の関連について考慮し、関連する設定が存在する場合にその設定も合わせてエクスポートまたはインポートすることで設定間の整合性が保たれるように処理する例を示した。しかし、文書管理アプリケーション300の設定以外に関連する構成が必要となるケースがある。具体的には、印刷やファクス送信を行う画像処理装置が挙げられる。画像処理装置の一例であるOSのプリンタを使用する機能の設定で、設定の移行先のOSに該当するプリンタが登録されていない場合に文書管理アプリケーション300の該当機能が使用できない。
本実施形態は、そのような構成を考慮したもので、文書管理アプリケーション300のインポート処理において、OSのプリンタを参照する設定のインポート時に、そのプリンタの存在確認及びその対処方法に関する処理例を説明する。具体的には、ドライバは存在するが、同一構成のプリンタが存在する場合の該プリンタへの参照変更の例、同一構成のプリンタが存在しない場合のOSにプリンタを登録する例を示す。さらに、ドライバも存在しない場合のドライバインストールの処理の例を示す。
【0083】
以下、図20図22を用いて説明する。特に明示していない構成及び処理は、すべて第1実施形態または第2実施形態と同じものとする。
図20は、クライアントPC101及びクライアントPC110で実行される文書管理アプリケーション300のソフトウェアの構成の一例を示す図である。文書管理アプリケーション300は、クライアントPC101にインストールされ、そのプログラムはクライアントPC101のROM204または外部メモリ206に記憶されている。すなわち、CPU201がRAM203にプログラムをロードして実行することで、文書管理アプリケーション300の機能及び後述するフローチャートに係る処理が実現される。
【0084】
文書管理アプリケーション300は、入力管理部301、画面表示管理部302、出力制御部304、アプリケーション情報管理部303、設定移行部305、管理部306及びプリンタ管理部1401を備える。入力管理部301、画面表示管理部302、出力制御部304、アプリケーション情報管理部303、設定移行部305、管理部306は図3の構成と同一とし、その説明は省略する。
【0085】
プリンタ管理部1401は、OSのプリンタの情報取得やプリンタの登録、ドライバのインストール等のプリンタに関する操作を実行する。プリンタの登録は、OSによって提供されるAPIを使用して行う。例えば、Windows(登録商標)の場合、WindowsAPIのAddPrinterを使用して行う。またドライバのインストールは、文書管理アプリケーション300がドライバのインストールの必要なインストールパッケージを同梱し、それを実行することで行う。プリンタの登録処理やプリンタドライバのインストール処理は、特に文書管理アプリケーション300の構成に特化するものではなく一般的な構成を適用できるものとする。
【0086】
図21及び図22は、文書管理アプリケーション300のインポート処理時のプリンタの確認処理の一例を示すフローチャートである。本処理は文書管理アプリケーション300の設定情報のインポート処理の過程で実行される。具体的には、本処理は図13におけるS824の設定ファイルのインポート処理において実行される。なお、下記では区別のため、インポート処理対象の設定に含まれるプリンタをプリンタA、インポート先に存在するプリンタをプリンタBと記載することがある。
S1501で設定移行部305は、インポート対象リストの内1つの設定を処理対象とし、該設定に関してS1502~S1515の確認処理を実行する。
【0087】
S1502で設定移行部305は、現在処理対象の設定にプリンタと関連する設定が含まれるか否かを判断する。具体的には、プリンタと関連する設定情報もしくは設定ファイル名の一覧、及び該設定情報の関連設定名称(XMLの属性名等)をテーブルとして保持し、それに該当するか否かを判断する。S1502で関連すると判断された場合はS1503へ進み、該当しないと判断された場合はS1516へ進む。
【0088】
S1503で設定移行部305は、処理対象の設定のプリンタと同一のプリンタがインポート先に存在するか判断する。具体的には、S1502にて関連設定と判断するプリンタ名(プリンタキュー名)を参照し、プリンタ管理部307へ問い合わせ該プリンタがインポート先のOSに登録されているかを判断する。ここで存在すると判断された場合はS1516へ進み、存在しないと判断する場合はS1504へ進む。
S1504で設定移行部305は、処理対象の設定のプリンタのドライバ名、アドレス情報(IPアドレス)を参照し、プリンタ管理部307を介してインポート先のOSに同一のドライバ名及びアドレス情報で構成されるプリンタが存在するか確認する。ここで同構成のプリンタがOSに登録されていると判断する場合はS1505へ進む。存在しないと判断する場合はS1508へ進む。
【0089】
S1505で設定移行部305は、画面表示管理部302へ指示し、現在対象としている設定のプリンタAの参照をインポート先に存在する同一構成のプリンタBに変更するか、同一構成のプリンタBを追加するか確認するメッセージを表示する。メッセージの選択肢としては「参照変更」、「プリンタ追加」、「いいえ」のボタンがあるものとする。
S1506で設定移行部305は、画面表示管理部302を介してメッセージのボタン結果を参照する。「参照変更」ボタンが実行されたと判断する場合はS1507へ進み、「プリンタ追加」ボタンもしくは「いいえ」ボタンが実行されたと判断する場合は、S1510へ進む。
S1507で設定移行部305は、設定ファイル内の現在対象としている設定情報のプリンタ名をS1504で同一構成と判断するプリンタのプリンタ名に書き換えて変更する。
【0090】
S1504でインポート先のOSに同一のドライバ名及びアドレス情報で構成されるプリンタが存在しないと判断された場合は、S1508へ進む。
S1508で設定移行部305は、プリンタ管理部307へ指示し、現在対象としている設定のプリンタAに割り当てられているドライバがインポート先のOSにインストールされているか否かを確認する。ここでインストールされていると判断する場合は、S1509へ進む。
S1509では、画面表示管理部302に指示し、インポート先に同名のプリンタを追加するか確認するか否かを問うメッセージを表示する。メッセージの選択肢としては、プリンタを追加する「プリンタ追加」ボタンと、プリンタの追加を行わない「いいえ」ボタンがあるものとする。
【0091】
S1510で設定移行部305は、S1505もしくはS1509のメッセージ結果を参照し、「プリンタ追加」ボタンが実行されたと判断する場合はS1511へ進み、「いいえ」ボタンの実行が実行されたと判断する場合は、何もせずS1516へ進む。
S1511で設定移行部305は、プリンタ管理部307へ指示し、現在対象としている設定情報内のプリンタAと同名のプリンタをインポート先のOSに登録し、S1516へ進む。
【0092】
S1508でドライバが未インストールと判断された場合にはS1512へ進む。
S1512で設定移行部305は、プリンタ管理部307へ指示し、プリンタAに割り当てられているドライバが文書管理アプリケーション300に同梱されているかを判断する。具体的にはドライバ名を参照し、文書管理アプリケーション300で同梱するドライバのリストに存在するか否かを判断する。なお、同梱するドライバは文書管理アプリケーション300との連携に適したドライバで文書管理アプリケーション300の機能を使用する上で推奨するドライバを想定する。文書管理アプリケーション300にプリンタAに割り当てられているドライバが同胞されていると判断された場合は、S1513に進む。一方、同胞されていないと判断された場合はS1516に進む。
【0093】
S1513で設定移行部305は、画面表示管理部302へ指示し、OSにドライバを追加(合わせて該プリンタ追加)するか否かを確認するメッセージを表示する。メッセージの選択肢としてはドライバを追加する「はい」ボタンと、ドライバの追加を行わない「いいえ」ボタンがあるものとする。
S1514で設定移行部305は、画面表示管理部302を介してメッセージに対するボタン結果を参照し、ドライバ追加する「はい」ボタンの実行と判断された場合には、S1515へ進む。さらにS1511で該ドライバのプリンタを追加する。一方、ドライバを追加しない「いいえ」ボタンの実行と判断された場合は、何もせずにS1516へ進む。
S1515で設定移行部305は、プリンタ管理部307へ指示しドライバのインストールを実行する。そしてS1511に進み、OSにプリンタを追加する。
【0094】
S1516で設定移行部305は、現在対象としている設定の設定ファイルをインポート先にインポートする。具体的にはエクスポートファイル中の該設定ファイルをインポート先へコピーする。
S1517で設定移行部305は、すべてのインポート対象をインポート済みであるか否か判断する。すべてのインポート対象を処理済みと判断する場合は、インポート処理を終了し、本処理フローを終了する。未処理の対象がある場合は、S1501で次の設定を対象とし、上述の確認処理を実行する。
【0095】
以上説明したように、本実施形態によると、インポートする設定がOSのプリンタなどアプリケーションの設定以外の設定値を参照する設定である場合でも、設定内の参照先を変更したり、インポート先にプリンタやドライバを追加したりすることができる。したがって、本実施形態によると、アプリケーションの設定情報を移行する場合の不整合の発生を抑制することができる。
【0096】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
【0097】
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、これらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
図1
図2
図3
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図16
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図19
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