(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】光照射モジュール、及びLED素子用配線基板
(51)【国際特許分類】
H01L 33/62 20100101AFI20221212BHJP
F21S 2/00 20160101ALI20221212BHJP
【FI】
H01L33/62
F21S2/00 110
(21)【出願番号】P 2021077906
(22)【出願日】2021-04-30
(62)【分割の表示】P 2019011766の分割
【原出願日】2019-01-28
【審査請求日】2022-01-18
(31)【優先権主張番号】P 2018065461
(32)【優先日】2018-03-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000113263
【氏名又は名称】HOYA株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100148895
【氏名又は名称】荒木 佳幸
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 浩明
【審査官】右田 昌士
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-076576(JP,A)
【文献】特開2014-027213(JP,A)
【文献】特開2013-251493(JP,A)
【文献】特開平08-204239(JP,A)
【文献】特開2016-178270(JP,A)
【文献】特開2008-251936(JP,A)
【文献】特開2014-027214(JP,A)
【文献】特開2001-168397(JP,A)
【文献】特開2011-009441(JP,A)
【文献】国際公開第2010/018682(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2013/0037833(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2010/0044742(US,A1)
【文献】特開2015-198139(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 33/00 - 33/64
H01S 5/00 - 5/50
F21S 2/00
F21K 9/00 - 9/90
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、前記基板上に並列に形成された複数の配線パターンと、前記配線パターン上に配置され前記基板の表面に直交する方向に光を出射する複数のLED(Light Emitting Diode)素子と、を備える光照射モジュールにおいて、
前記各配線パターンは、
前記基板の表面を第1の方向に直線状に延びる帯状部と、
前記帯状部から前記第1の方向と直交する第2の方向に突出する第1突出部と、
前記帯状部から前記第2の方向と相反する方向に突出する第2突出部と、
を有し、
前記第1突出部と前記第2突出部は、
台形状の形状を呈し、前記第1の方向に沿って交互に形成され、
前記複数のLED素子は、前記第1突出部上と、前記第2突出部に対応する位置の前記帯状部上に配置され、
前記各LED素子の第1電極は、直下の前記第1突出部又は前記帯状部と電気的に接続され、前記各LED素子の第2電極は、隣接する配線パターンの前記帯状部又は前記第2突出部にワイヤーを介して電気的に接続されている
ことを特徴とする光照射モジュール。
【請求項2】
前記第1突出部の先端部は、前記LED素子のサイズと略等しく、先端部以外の部分は前記LED素子の幅よりも細いことを特徴とする請求項1に記載の光照射モジュール。
【請求項3】
前記帯状部の前記第2の方向の幅が、前記LED素子の幅よりも広いことを特徴とする請求項1
又は請求項
2に記載の光照射モジュール。
【請求項4】
前記複数のLED素子は、前記基板上で全体として千鳥状となるように配置されていることを特徴とする請求項1から請求項
3のいずれか一項に記載の光照射モジュール。
【請求項5】
基板と、前記基板上に並列に形成され、前記基板上に配置される複数のLED素子に電力を供給する複数の配線パターンと、を備えるLED素子用配線基板であって、
前記各配線パターンは、
前記基板の表面を第1の方向に直線状に延びる帯状部と、
前記帯状部から前記第1の方向と直交する第2の方向に突出する第1突出部と、
前記帯状部から前記第2の方向と相反する方向に突出する第2突出部と、
を有し、
前記第1突出部と前記第2突出部は、
台形状の形状を呈し、前記第1の方向に沿って交互に形成され、
前記第1突出部上と、前記第2突出部に対応する位置の前記帯状部上に、前記複数のLED素子を配置可能なLED配置領域が形成されており、
前記複数のLED素子が前記LED配置領域に配置されたときに、前記各LED素子の第1電極は、直下の前記LED配置領域と電気的に接続され、前記各LED素子の第2電極は、隣接する配線パターンの前記帯状部又は前記第2突出部にワイヤーを介して電気的に接続される
ことを特徴とするLED素子用配線基板。
【請求項6】
前記第1突出部の先端部は、前記LED素子のサイズと略等しく、先端部以外の部分は前記LED素子の幅よりも細いことを特徴とする請求項
5に記載のLED素子用配線基板。
【請求項7】
前記帯状部の前記第2の方向の幅が、前記LED素子の幅よりも広いことを特徴とする請求項
5又は請求項
6に記載のLED素子用配線基板。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に複数のLED(Light Emitting Diode)素子を備えた光照射モジュール、及びLED素子に電力を供給するLED素子用配線基板に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オフセット枚葉印刷用のインキとして用いられる紫外線硬化型インキを硬化させるために、紫外光照射装置が用いられている。
【0003】
紫外光照射装置としては、従来、高圧水銀ランプや水銀キセノンランプ等を光源とするランプ型照射装置が知られているが、近年、消費電力の削減、長寿命化、装置サイズのコンパクト化の要請から、従来の放電ランプに替えて、紫外LED(Light Emitting Diode)を光源として利用した紫外光照射装置が実用に供されている(例えば、特許文献1)。
【0004】
図11は、特許文献1に記載の光源ユニット(紫外光照射装置)の構成を示す図であり、
図11(a)は、光源ユニットの平面図であり、
図11(b)は、光源ユニットの基板1上の配線パターン(斜線部)を示す図である。
図11に示すように、特許文献1に記載の光源ユニットは、基板1と、基板1上に配置された複数の帯状配線2と、各帯状配線2上に1列に配置された複数のLED素子3と、を備えている。各帯状配線2上のLED素子3は、隣接する帯状配線2上のLED素子3と配線方向において互いにずれるように配置され、基板1全体で千鳥状に配置されている。そして、各LED素子3の上面電極4に接続されたワイヤー5が、隣接する帯状配線2のLED素子3の間の領域に結線されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このように、LED素子3を千鳥配置にすることにより、光源ユニットが照射対象物(プリントメディア)に対して相対的に移動した際に、光源ユニットがたどる移動幅分の範囲に対して、隙間をあけず万遍なく紫外光を照射することができる。
【0007】
しかしながら、
図11の構成においては、配線方向(つまり、
図11の左右方向)に1列に並ぶ5個のLED素子3が並列に接続され、配線方向と直交する方向(つまり、
図11の上下方向)の8列のLED素子3が直列に接続される構成であるため、各LED素子3の動作電圧Vfを5(v)とすると、光源ユニット全体の駆動電圧Vpとしては、Vp=5(v)×8列=40(v)が必要となる。周囲部品や隣接する他の光照射モジュールとの沿面距離や空間距離に関する設計の自由度をより向上させるために、安全規格の観点から、駆動電圧Vpをより低いものとすることが望ましい。
【0008】
駆動電圧Vpを低下させるためには、1列あたりのLED素子3の個数(つまり、並列接続されるLED素子3の個数)を増やすことが考えられるが、
図11の構成においては、各帯状配線2のLED素子3間に、ワイヤー5を結線するためのスペース(ボンディング領域)を設ける必要があるため、1列あたりのLED素子3の個数を増やすには物理的な制約がある。
【0009】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、並列接続されるLED素子の個数を増やし、低い電圧で駆動可能な光照射モジュール(光源ユニット)を提供することである。また、このような光照射モジュールのLED素子に電力を供給するLED素子用配線基板を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の光照射モジュールは、基板と、基板上に並列に形成された複数の配線パターンと、配線パターン上に配置され基板の表面に直交する方向に光を出射する複数のLED(Light Emitting Diode)素子と、を備える光照射モジュールにおいて、各配線パターンは、基板の表面を第1の方向に直線状に延びる帯状部と、帯状部から第1の方向と直交する第2の方向に突出する第1突出部と、帯状部から第2の方向と相反する方向に突出する第2突出部と、を有し、第1突出部と第2突出部は、台形状の形状を呈し、第1の方向に沿って交互に形成され、複数のLED素子は、第1突出部上と、第2突出部に対応する位置の帯状部上に配置され、各LED素子の第1電極は、直下の第1突出部又は帯状部と電気的に接続され、各LED素子の第2電極は、隣接する配線パターンの帯状部又は第2突出部にワイヤーを介して電気的に接続されていることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、LED素子13が、各配線パターン上において、第2の方向に2列に分かれて配置され、並列に接続される。このため、従来よりも並列接続されるLED素子の個数を増やすことができ、複数のLED素子を低い電圧で駆動することが可能となる。
【0014】
また、第1突出部の先端部は、LED素子のサイズと略等しく、先端部以外の部分はLED素子の幅よりも細いことが望ましい。
【0015】
また、帯状部の第2の方向の幅が、LED素子の幅よりも広いことが望ましい。
【0017】
また、複数のLED素子は、基板上で全体として千鳥状となるように配置されていることが望ましい。
【0018】
また、別の観点からは、本発明のLED素子用配線基板は、基板と、基板上に並列に形成され、基板上に配置される複数のLED素子に電力を供給する複数の配線パターンと、備えるLED素子用配線基板であって、各配線パターンは、基板の表面を第1の方向に直線状に延びる帯状部と、帯状部から第1の方向と直交する第2の方向に突出する第1突出部と、帯状部から第2の方向と相反する方向に突出する第2突出部と、を有し、第1突出部と第2突出部は、台形状の形状を呈し、第1の方向に沿って交互に形成され、第1突出部上と、第2突出部に対応する位置の帯状部上に、複数のLED素子を配置可能なLED配置領域が形成されており、複数のLED素子がLED配置領域に配置されたときに、各LED素子の第1電極は、直下のLED配置領域と電気的に接続され、各LED素子の第2電極は、隣接する配線パターンの帯状部又は第2突出部にワイヤーを介して電気的に接続されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
以上のように、本発明によれば、LED素子を千鳥配置としながらも、低い電圧で駆動可能な光照射モジュールが実現される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
【
図2】本発明の第2の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
【
図3】本発明の第3の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
【
図4】本発明の第4の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
【
図5】本発明の第5の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
【
図6】本発明の第6の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
【
図7】本発明の第7の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
【
図8】本発明の第8の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
【
図9】本発明の第9の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
【
図10】本発明の第10の実施形態に係る光照射モジュールの構成を説明する図である。
【
図11】従来の光照射モジュールの構成を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図中同一又は相当部分には同一の符号を付してその説明は繰り返さない。
【0022】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る光照射モジュール10の概略構成を説明する図である。
図1(a)は、光照射モジュール10の平面図であり、
図1(b)は、光照射モジュール10の配線パターン図である。本実施形態の光照射モジュール10は、紫外光照射装置等に搭載されて紫外光を発する装置であり、一般に、1つ以上の光照射モジュール10が、不図示の基台(例えば、ヒートシンク)上に配置されて、紫外光照射装置内に収容されている。
【0023】
図1(a)に示すように、本実施形態の光照射モジュール10は、基板11と、基板11の表面に載置された複数(
図1(a)においては40個)のLED素子13と、を備えている。また、基板11上には、電源用パターン16と、接地用パターン17と、複数の配線パターン18が形成されている。なお、本明細書においては、光照射モジュール10から出射される紫外光の進行方向をZ軸方向とし、配線パターン18の延びる方向(
図1の左右方向)をX軸方向とし、X軸方向及びZ軸方向と直交する方向(
図1の上下方向)をY軸方向と定義して説明する。
【0024】
基板11は、例えば熱伝導率の高い窒化アルミニウムで形成された矩形状のセラミックス基板であり、そのY軸方向一端側(
図1(a)、(b)において上側)には、外部の電源装置(不図示)の電源端子(不図示)と電気的に接続される電源用パターン16が形成され、Y軸方向他端側(
図1(a)、(b)において下側)には、外部の電源装置の接地端子(不図示)と電気的に接続される接地用パターン17が形成されている。また、電源用パターン16と接地用パターン17との間には、3つの配線パターン18がX軸方向に並列に形成されている。
【0025】
電源用パターン16、接地用パターン17及び配線パターン18は、LED素子13に電力を供給する金属(例えば、銅、金)の薄膜である。
図1(b)に示すように、各配線パターン18は、X軸方向に直線状に延びる帯状部18aと、帯状部18aからY軸方向に台形状に突出する第1突出部18bと、帯状部18aからY軸方向と相反する方向に台形状に突出する第2突出部18cと、から構成されている。そして、本実施形態においては、各配線パターン18の第1突出部18bと第2突出部18cが、X軸方向に沿って交互に形成されており、各配線パターン18の第1突出部18b間に、隣接する配線パターン18の第2突出部18cが配置され、各配線パターン18の第2突出部18c間に、隣接する配線パターン18の第1突出部18bが配置されるようになっている。また、電源用パターン16は、X軸方向に直線状に延びる帯状部16aと、帯状部16aから、Y軸方向に隣接する配線パターン18の第2突出部18c間に台形状に突出する突出部16bとを有している。また、接地用パターン17は、X軸方向に直線状に延びる帯状部17aと、帯状部17aから、Y軸方向と相反する方向に隣接する配線パターン18の第1突出部18b間に台形状に突出する突出部17cとを有している。なお、本実施形態においては、電源用パターン16と接地用パターン17の形状が、配線パターン18の形状とは異なるものとして示しているが、電源用パターン16と接地用パターン17の形状は、配線パターン18の形状と同一とすることもできる。
【0026】
図1(a)に示すように、本実施形態の各配線パターン18には、5箇所の第1突出部18bに対応して5個のLED素子13が配置され、5箇所の第2突出部18cに対応する位置の帯状部18aに5個のLED素子13が配置されている。また、電源用パターン16には、5箇所の突出部16bに対応して5個のLED素子13が配置され、Y軸方向に隣接する配線パターン18の第2突出部18cに対応する位置に5個のLED素子13が配置されている。このように、各配線パターン18及び電源用パターン16には、10個のLED素子13がY軸方向に2列に分かれて配置されており、基板11上の40個のLED素子13は、全体として千鳥状配置となっている。
【0027】
各LED素子13は、例えば、2.0mm(X軸方向長さ)×2.0mm(Y軸方向長さ)の平面視矩形状の外形を有し(
図1(a))、上面にカソード端子14を備え、下面にアノード端子(不図示)を備えている。そして、アノード端子(第1電極)は、直下の配線パターン18(具体的には、第1突出部18b又は帯状部18a)又は電源用パターン16(具体的には、突出部16b又は帯状部16a)に対してダイボンド剤(不図示)を介して接合されている。ダイボンド剤は、LED素子13と配線パターン18又は電源用パターン16とを機械的及び電気的に接合するための部材であり、例えば、導電性を有する銀(Ag)ペーストが用いられている。また、各LED素子13のカソード端子14は、ワイヤー15を介して、隣接する配線パターン18の帯状部18a、第2突出部18c又は接地用パターン17の帯状部17a、突出部17cに電気的に接続されている。
【0028】
このように、本実施形態においては、各配線パターン18上及び電源用パターン16上においてY軸方向に2列に分かれて配置された10個のLED素子13が並列に接続される。そして、Y軸方向に隣接する配線パターン18上の10個のLED素子13同士が、互いに直列に接続されるようになっている。従って、外部の電源装置(不図示)の電源端子(不図示)を電源用パターン16に接続し、外部の電源装置の接地端子(不図示)を接地用パターン17に接続し、所定の駆動電圧Vpを印加すると、40個のLED素子13を同時に駆動することができる。なお、各LED素子13の動作電圧Vfを5(v)とすると、光照射モジュール10全体の駆動電圧Vpとしては、Vp=5(v)×4列=20(v)を印加すればよいため、従来の構成(
図11)と比較して、格段に低い電圧(つまり、50%の駆動電圧)で光照射モジュール10を駆動することが可能となる。
【0029】
以上が本発明の実施形態の説明であるが、本発明は、上記の実施形態の構成に限定されるものではなく、その技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。
【0030】
例えば、本実施形態の光照射モジュール10においては、40個のLED素子13が5個(X軸方向)×8列(Y軸方向)の態様で千鳥配置されるものとして説明したが、LED素子13の個数や列数に制限はなく、仕様に応じて適宜選択することができる。
【0031】
また、本実施形態のLED素子13は、紫外光を発するものとして説明したが、このような構成に限定されるものではなく、例えば、LED素子13は、可視域または赤外域の光を発するものであってもよい。
【0032】
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態に係る光照射モジュール20の概略構成を説明する図である。
図2(a)は、光照射モジュール20の平面図であり、
図2(b)は、光照射モジュール20の配線パターン図である。本実施形態の光照射モジュール20は、各配線パターン28の第1突出部28b及び第2突出部28cが、LED素子13と略等しい幅で帯状部28aから矩形状に突出する点、電源用パターン26の突出部26bが、LED素子13と略等しい幅で帯状部26aから矩形状に突出する点、および接地用パターン27の突出部27cが、LED素子13と略等しい幅で帯状部27aから矩形状に突出する点で第1の実施形態の光照射モジュール10と異なる。
【0033】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様、各配線パターン28上及び電源用パターン26上においてY軸方向に2列に分かれて配置された10個のLED素子13が並列に接続される。そして、Y軸方向に隣接する配線パターン28上の10個のLED素子13同士が、互いに直列に接続されるようになっている。従って、従来の構成(
図11)と比較して、格段に低い電圧(つまり、50%の駆動電圧)で光照射モジュール20を駆動することが可能となる。
【0034】
(第3の実施形態)
図3は、本発明の第3の実施形態に係る光照射モジュール30の概略構成を説明する図である。
図3(a)は、光照射モジュール30の平面図であり、
図3(b)は、光照射モジュール30の配線パターン図である。本実施形態の光照射モジュール30は、各配線パターン38の第1突出部38bの先端部及び電源用パターン36の突出部36bの先端部に、LED素子13のサイズと略等しい矩形状のパッドが形成されており、先端部以外の部分がLED素子13の幅よりも細く形成されている点、各配線パターン38の第2突出部38c及び接地用パターン37の突出部37cが細く形成されている点で第2の実施形態の光照射モジュール20と異なる。
【0035】
本実施形態においても、第2の実施形態と同様、各配線パターン38上及び電源用パターン36上においてY軸方向に2列に分かれて配置された10個のLED素子13が並列に接続される。そして、Y軸方向に隣接する配線パターン38上の10個のLED素子13同士が、互いに直列に接続されるようになっている。従って、従来の構成(
図11)と比較して、格段に低い電圧(つまり、50%の駆動電圧)で光照射モジュール30を駆動することが可能となる。また、本実施形態においては、第1突出部38bの先端部及び突出部36bの先端部に矩形状のパッド部が形成されており、先端部以外の部分が細く形成されているため、第1突出部38bの先端部及び突出部36bの先端部にLED素子13を搭載する際にダイボンド剤がパッド部に留まり、LED素子13の位置ずれを抑えることが可能となる。
【0036】
(第4の実施形態)
図4は、本発明の第4の実施形態に係る光照射モジュール40の概略構成を説明する図である。
図4(a)は、光照射モジュール40の平面図であり、
図4(b)は、光照射モジュール40の配線パターン図である。本実施形態の光照射モジュール40は、各配線パターン48上の第1突出部48bのLED素子13が配置される領域に近接して、矩形状の空白パターン48d(パターンが形成されていない領域)が形成されている点、各配線パターン48上の第2突出部48cの略中央部に矩形状の空白パターン48e(パターンが形成されていない領域)が形成されている点、電源用パターン46上の突出部46bのLED素子13が配置される領域に近接して、矩形状の空白パターン46d(パターンが形成されていない領域)が形成されている点、電源用パターン46上の帯状部46aのLED素子13が配置される領域に近接して、矩形状の空白パターン46e(パターンが形成されていない領域)が形成されている点、で第2の実施形態の光照射モジュール20と異なる。
【0037】
本実施形態においても、第2の実施形態と同様、各配線パターン48上及び電源用パターン46上においてY軸方向に2列に分かれて配置された10個のLED素子13が並列に接続される。そして、Y軸方向に隣接する配線パターン48上の10個のLED素子13同士が、互いに直列に接続されるようになっている。従って、従来の構成(
図11)と比較して、格段に低い電圧(つまり、50%の駆動電圧)で光照射モジュール40を駆動することが可能となる。また、本実施形態においては、LED素子13に近接して、矩形状の空白パターン48d、48e、46d、46eが形成されているため、配線パターン48上及び電源用パターン46上にLED素子13を搭載する際にダイボンド剤が所定の位置に留まり、LED素子13の位置ずれを抑えることが可能となる。
【0038】
(第5の実施形態)
図5は、本発明の第5の実施形態に係る光照射モジュール50の概略構成を説明する図である。
図5(a)は、光照射モジュール50の平面図であり、
図5(b)は、光照射モジュール50の配線パターン図である。本実施形態の光照射モジュール50は、各配線パターン58上の空白パターン58d(パターンが形成されていない領域)が、帯状部58aにおいてX軸方向及びX軸方向と相反する方向に広がり、帯状部58aに配置されるLED素子13に近接するように形成されている点、電源用パターン56上の空白パターン56d(パターンが形成されていない領域)が、帯状部56aにおいてX軸方向及びX軸方向と相反する方向に広がり、帯状部56aに配置されるLED素子13に近接するように形成されている点で第4の実施形態の光照射モジュール40と異なる。
【0039】
本実施形態においても、第4の実施形態と同様、各配線パターン58上及び電源用パターン56上においてY軸方向に2列に分かれて配置された10個のLED素子13が並列に接続される。そして、Y軸方向に隣接する配線パターン58上の10個のLED素子13同士が、互いに直列に接続されるようになっている。従って、従来の構成(
図11)と比較して、格段に低い電圧(つまり、50%の駆動電圧)で光照射モジュール50を駆動することが可能となる。また、本実施形態においては、LED素子13に近接して、空白パターン58d、58e、56d、56eが形成されているため、配線パターン58上及び電源用パターン56上にLED素子13を搭載する際にダイボンド剤が所定の位置に留まり、LED素子13の位置ずれを抑えることが可能となる。
【0040】
(第6の実施形態)
図6は、本発明の第6の実施形態に係る光照射モジュール60の概略構成を説明する図である。
図6(a)は、光照射モジュール60の平面図であり、
図6(b)は、光照射モジュール60の配線パターン図である。本実施形態の光照射モジュール60は、各配線パターン28の帯状部68aのY軸方向の幅がLED素子13の幅よりも狭く、第1突出部68bの突出量(
図6(b)のL1の長さ)及び第2突出部68cの突出量(
図6(b)のL2の長さ)も第1の実施形態に係る光照射モジュール10よりも少ない点、電源用パターン66の突出部66bの突出量が第1の実施形態に係る光照射モジュール10よりも少ない点、および接地用パターン67の突出部67cの突出量が第1の実施形態に係る光照射モジュール10よりも少ない点で第1の実施形態の光照射モジュール10と異なる。
【0041】
図6に示されるように、各配線パターン28の帯状部68aのY軸方向の幅がLED素子13の幅よりも狭く形成されている場合、第2突出部68cに対応する位置の帯状部68a上に配置されたLED素子13は、帯状部68aと第2突出部68cとに亘って配置されることとなる。このとき、
図6に示されるように、第1突出部68b上に配置されるLED素子13を、帯状部68aと第1突出部68bとに亘って配置してもよい。また、第1突出部68bの突出量(すなわちL1の長さ)と第2突出部68cの突出量(すなわちL2の長さ)とは同一であってもよく、異なっていてもよい。
【0042】
本実施形態においても、第1の実施形態と同様、各配線パターン68上及び電源用パターン66上においてY軸方向に2列に分かれて配置された10個のLED素子13が並列に接続される。そして、Y軸方向に隣接する配線パターン68上の10個のLED素子13同士が、互いに直列に接続されるようになっている。従って、従来の構成(
図11)と比較して、格段に低い電圧(つまり、50%の駆動電圧)で光照射モジュール60を駆動することが可能となる。なお、本実施形態においては、第1突出部68b、第2突出部68c、突出部66b、突出部67cの突出量が少なく、帯状部68aの幅も狭いため、LED素子13は、基板61のY軸方向中央部に密集して配置される。
【0043】
(第7の実施形態)
図7は、本発明の第7の実施形態に係る光照射モジュール70の概略構成を説明する図である。
図7(a)は、光照射モジュール70の平面図であり、
図7(b)は、光照射モジュール70の配線パターン図である。本実施形態の光照射モジュール70は、各配線パターン78の帯状部78aのY軸方向の幅がLED素子13の幅よりも狭く、第1突出部78b及び第2突出部78cの突出量も第2の実施形態に係る光照射モジュール20よりも少ない点、電源用パターン76の突出部76bの突出量が第2の実施形態に係る光照射モジュール20よりも少ない点、および接地用パターン77の突出部77cの突出量が第2の実施形態に係る光照射モジュール20よりも少ない点で第2の実施形態の光照射モジュール20と異なる。
【0044】
本実施形態においても、第2の実施形態と同様、各配線パターン78上及び電源用パターン76上においてY軸方向に2列に分かれて配置された10個のLED素子13が並列に接続される。そして、Y軸方向に隣接する配線パターン78上の10個のLED素子13同士が、互いに直列に接続されるようになっている。従って、従来の構成(
図11)と比較して、格段に低い電圧(つまり、50%の駆動電圧)で光照射モジュール70を駆動することが可能となる。なお、本実施形態においては、第1突出部78b、第2突出部78c、突出部76b、突出部77cの突出量が少なく、帯状部78aの幅も狭いため、LED素子13は、基板71のY軸方向中央部に密集して配置される。
【0045】
以上が、本発明の第1~第7の実施形態に係る光照射モジュールの説明であるが、本発明は、上記の実施形態の構成に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、第1~第7の実施形態において、各配線パターン(18等)の第1突出部(18b等)の突出量(Y軸方向の長さ)、第2突出部(18c等)の突出量(Y軸方向の長さ)、電源用パターン(16等)の突出部(16b等)の突出量(Y軸方向の長さ)、および接地用パターン(17等)の突出部(17c等)の突出量(Y軸方向の長さ)は、同一であってもよく、またそれぞれ異なるように構成してもよい。
【0046】
また、本発明の第1~第7の実施形態に係る光照射モジュールにおいては、40個のLED素子13が5個(X軸方向)×8列(Y軸方向)の態様で千鳥配置されるものとして説明したが、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。
【0047】
(第8の実施形態)
図8は、本発明の第8の実施形態に係る光照射モジュール80の概略構成を説明する平面図である。本実施形態の光照射モジュール80は、第1の実施形態に係る光照射モジュール10と共通の基板11を備えるものであるが、LED素子13が間引かれて配置されている点で第1の実施形態に係る光照射モジュール10と異なる。
【0048】
つまり、本実施形態の光照射モジュール80は、第1の実施形態に係る光照射モジュール10において、5個(X軸方向)×8列(Y軸方向)の態様で並ぶLED素子13(
図1参照)を、X軸方向に1つおきに間引き、20個のLED素子13が配置されている点で第1の実施形態に係る光照射モジュール10と異なる。なお、
図8に示すように、本実施形態のLED素子13は、斜め方向に平行に延びる仮想直線A1、A2、A3、A4に沿って配置されており、例えば、X軸方向又はY軸方向に相対的に移動する照射対象物(プリントメディア)に対して、万遍なく紫外光を照射することができるようになっている。
【0049】
本実施形態の光照射モジュール80のように、LED素子13を適宜間引くことにより、照射対象物で必要とされる光の照射強度を自由に設定することができる。換言すると、求められる光の照射強度に応じて、LED素子13を適宜間引けばよく、必ずしも仮想直線A1、A2、A3、A4に沿って配置する必要もない。
【0050】
(第9の実施形態)
図9は、本発明の第9の実施形態に係る光照射モジュール90の概略構成を説明する平面図である。本実施形態の光照射モジュール90は、4つの配線パターン18に、6箇所の第1突出部18bと、6箇所の第2突出部18cが形成され、電源用パターン16には、6箇所の突出部16bが形成され、60個のLED素子13が6個(X軸方向)×10列(Y軸方向)の態様で千鳥配置される点で、第1の実施形態に係る光照射モジュール10と異なる。
【0051】
このように、本実施形態においては、各配線パターン18上及び電源用パターン16上においてY軸方向に2列に分かれて配置された12個のLED素子13が並列に接続される。そして、Y軸方向に隣接する配線パターン18上の12個のLED素子13同士が、互いに直列に接続されるようになっている。従って、外部の電源装置(不図示)の電源端子(不図示)を電源用パターン16に接続し、外部の電源装置の接地端子(不図示)を接地用パターン17に接続し、所定の駆動電圧Vpを印加すると、60個のLED素子13を同時に駆動することができる。なお、各LED素子13の動作電圧Vfを5(v)とすると、光照射モジュール90全体の駆動電圧Vpとしては、Vp=5(v)×5列=25(v)を印加すればよいため、従来の構成(
図11)と比較して、格段に低い電圧(つまり、62.5%の駆動電圧)で光照射モジュール90を駆動することが可能となる。
【0052】
(第10の実施形態)
図10は、本発明の第10の実施形態に係る光照射モジュール100の概略構成を説明する図であり、
図10(a)は平面図であり、
図10(b)は3つの光照射モジュール100をX軸方向に連結した状態を示す平面図である。本実施形態の光照射モジュール100は、第9の実施形態に係る光照射モジュール90と共通の基板91を備えるものであるが、LED素子13が間引かれて配置されている点で第9の実施形態に係る光照射モジュール90と異なる。
【0053】
つまり、本実施形態の光照射モジュール90は、第9の実施形態に係る光照射モジュール90において、6個(X軸方向)×10列(Y軸方向)の態様で並ぶLED素子13(
図9参照)を、X軸方向に1つおきに間引き、30個のLED素子13が配置されている点で第9の実施形態に係る光照射モジュール90と異なる。なお、
図8に示すように、本実施形態のLED素子13は、斜め方向に平行に延びる仮想直線B1、B2、B3、B4に沿って配置されており、例えば、X軸方向又はY軸方向に相対的に移動する照射対象物(プリントメディア)に対して、万遍なく紫外光を照射することができるようになっている。
【0054】
また、
図10(b)に示すように、本実施形態の光照射モジュール90は、X軸方向に連結可能に構成されており、光照射モジュール90がX軸方向に連結されたときに、LED素子13は、斜め方向に平行に延びる仮想直線C1~C11に沿って配置され、X軸方向及びY軸方向において、LED素子13の配置の規則性が維持されるようになっている。従って、本実施形態の構成によれば、複数の光照射モジュール90を連結することによって、X軸方向の照射幅を自由に設定することができ、例えば、X軸方向又はY軸方向に相対的に移動する照射対象物(プリントメディア)に対しても、万遍なく紫外光を照射することができる。
【0055】
本実施形態の光照射モジュール90のように、LED素子13を適宜間引くことにより、照射対象物で必要とされる光の照射強度を自由に設定することができる。換言すると、求められる光の照射強度に応じて、LED素子13を適宜間引けばよく、必ずしも仮想直線C1~C11に沿って配置する必要もない。
【0056】
また、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0057】
1、11、21、31、41、51、61、71、91 基板
2 帯状配線
3、13 LED素子
4 上面電極
5、15 ワイヤー
10、20、30、40、50、60、70、80、90、100 光照射モジュール
14 カソード端子
16、26、36、46、56、66、76 電源用パターン
16a、26a、36a、46a、56a、66a、76a 帯状部
16b、26b、36b、46b、56b、66b、76b 突出部
17、27、37、47、57、67、77 接地用パターン
17a、27a、37a、47a、57a、67a、77a 帯状部
17c、27c、37c、47c、57c、67c、77c 突出部
18、28、38、48、58、68、78 配線パターン
18a、28a、38a、48a、58a、68a、78a 帯状部
18b、28b、38b、48b、58b、68b、78b 第1突出部
18c、28c、38c、48c、58c、68c、78c 第2突出部
46d、46e、48d、48e、56d、56e、58d、58e 空白パターン