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特許7192136コミュニケーション支援方法、プログラムおよびコミュニケーションサーバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-09
(45)【発行日】2022-12-19
(54)【発明の名称】コミュニケーション支援方法、プログラムおよびコミュニケーションサーバ
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/131 20220101AFI20221212BHJP
   H04L 51/04 20220101ALI20221212BHJP
   A24F 40/50 20200101ALI20221212BHJP
   A24F 40/60 20200101ALI20221212BHJP
   A24F 40/65 20200101ALI20221212BHJP
【FI】
H04L67/131
H04L51/04
A24F40/50
A24F40/60
A24F40/65
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2021541381
(86)(22)【出願日】2019-08-20
(86)【国際出願番号】 JP2019032432
(87)【国際公開番号】W WO2021033261
(87)【国際公開日】2021-02-25
【審査請求日】2021-09-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000004569
【氏名又は名称】日本たばこ産業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100140958
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 学
(74)【代理人】
【識別番号】100137888
【弁理士】
【氏名又は名称】大山 夏子
(74)【代理人】
【識別番号】100198845
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 善喬
(72)【発明者】
【氏名】板橋 将人
(72)【発明者】
【氏名】猿谷 政義
(72)【発明者】
【氏名】若松 美紀
(72)【発明者】
【氏名】千住 雅俊
【審査官】小林 義晴
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-508026(JP,A)
【文献】特表2011-510409(JP,A)
【文献】特開2002-229920(JP,A)
【文献】特開2003-250509(JP,A)
【文献】特表2008-542833(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/131
H04L 51/04
A24F 40/50
A24F 40/60
A24F 40/65
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
香味吸引具が使用された場合に使用者端末が送信した、当該香味吸引具が使用されたことを示すと共に前記香味吸引具の使用者に関する情報を含む使用情報を受信する受信ステップと、
受信した前記使用情報に基づいて複数の仮想空間の中から決定された仮想空間を、前記使用者端末割り当てる割当ステップと、
前記仮想空間を表示するための表示情報を、前記使用者端末に送信する送信ステップと、
前記使用者端末が送信したメッセージを、前記仮想空間に割り当てられた他の使用者端末に配信する配信ステップと
を含むコミュニケーション支援方法。
【請求項2】
前記配信ステップにおいて、前記メッセージのオブジェクトが配置された前記仮想空間を表示するための表示情報を、前記他の使用者端末に配信する
請求項1に記載のコミュニケーション支援方法。
【請求項3】
前記仮想空間に、前記使用者又は前記使用者端末に対応するキャラクタのオブジェクトを配置する配置ステップを、さらに含み、
前記送信ステップにおいて、前記オブジェクトが配置された仮想空間を表示するための表示情報を、前記使用者端末に送信する
請求項1又は2に記載のコミュニケーション支援方法。
【請求項4】
前記配信ステップにおいて、前記メッセージのオブジェクトが前記キャラクタのオブジェクトの周辺に配置された仮想空間を表示するための表示情報を、前記他の使用者端末に配信する
請求項3に記載のコミュニケーション支援方法。
【請求項5】
前記割当ステップにおいて、前記使用者端末を、複数の仮想空間のいずれか1つに割り当て、
前記配信ステップにおいて、前記使用者端末が送信したメッセージを、当該使用者端末と同じ仮想空間に割り当てられた他の使用者端末に配信する
請求項1から請求項4の何れか1項に記載のコミュニケーション支援方法。
【請求項6】
前記受信ステップにおいて、通信部前記香味吸引具から吸引情報を受信したことに基づいて使用者端末が送信した使用情報を受信するステップと、
前記割当ステップにおいて、前記吸引情報の受信時刻から現在時刻までの経過時間が所定時間以内の前記使用者端末を、前記仮想空間に割り当てる
請求項1から請求項5の何れか1項に記載のコミュニケーション支援方法。
【請求項7】
コンピュータに、
香味吸引具が使用されたことに基づいて使用者端末が送信した、前記香味吸引具の使用者に関する情報を含む使用情報を受信する受信ステップと、
受信した前記使用情報に基づいて複数の仮想空間の中から決定された仮想空間を、前記使用者端末割り当てる割当ステップと、
前記仮想空間を表示するための表示情報を、前記使用者端末に送信する送信ステップと、
前記使用者端末から受信したメッセージを、前記仮想空間に割り当てられた他の使用者端末に配信する配信ステップと
を実行させるためのプログラム。
【請求項8】
香味吸引具が使用されたことに基づいて使用者端末が送信した、前記香味吸引具の使用者に関する情報を含む使用情報を受信する通信部と、
受信した前記使用情報に基づいて複数の仮想空間の中から決定された仮想空間を、前記使用者端末割り当てる割当部と、を備え、
前記通信部は、
前記仮想空間を表示するための表示情報を、前記使用者端末に送信し、
前記使用者端末から受信したメッセージを、前記仮想空間に割り当てられた他の使用者端末に配信する
コミュニケーションサーバ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、コミュニケーション支援方法、プログラムおよびコミュニケーションサーバに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、喫煙と仮想空間とを組み合わせる技術が開示されている。具体的には、特許文献1には、ヘッドマウントユニットを装着した使用者が香味吸引具を用いた喫煙を行ったときに、そのヘッドマウントユニットに、シガレットの喫煙に伴う煙の三次元オブジェクトを表示させることで、使用者にシガレットの喫煙体験を疑似的に提供する技術である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】国際公開第2017/121979号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、近年、喫煙可能な場所の減少により、香味吸引具の使用者は限られた使用環境を余儀なくされることがある。そのため、使用者からは、他人と一緒に香味吸引具を使用しているような使用体験が求められている。特許文献1には、香味吸引具を用いて疑似的な喫煙体験を可能とするが、他の喫煙者と一緒に喫煙しているような喫煙体験を提供するには、ヘッドマウントユニットのカメラの撮像範囲内に他の喫煙者が存在する必要がある。
本発明の目的は、香味吸引具の使用者の使用環境に関わらず、その使用者に他人と一緒に香味吸引具を使用しているような使用体験を提供することができるコミュニケーション支援方法、プログラムおよびコミュニケーションサーバを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様によれば、コミュニケーション支援方法は、香味吸引具が使用された場合に使用者端末が送信した、当該香味吸引具が使用されたことを示す使用情報を受信する受信ステップと、受信した前記使用情報に基づいて、前記使用者端末に仮想空間を割り当てる割当ステップと、前記仮想空間を表示するための表示情報を、前記使用者端末に送信する送信ステップと、前記使用者端末が送信したメッセージを、前記仮想空間に割り当てられた他の使用者端末に配信する配信ステップとを含む。
【0006】
本発明の第2の態様によれば、プログラムは、コンピュータに、香味吸引具が使用されたことに基づいて使用者端末が送信した使用情報を受信する受信ステップと、受信した前記使用情報に基づいて、前記使用者端末に仮想空間を割り当てる割当ステップと、前記仮想空間を表示するための表示情報を、前記使用者端末に送信する送信ステップと、前記使用者端末から受信したメッセージを、前記仮想空間に割り当てられた他の使用者端末に配信する配信ステップとを実行させる。
【0007】
本発明の第3の態様によれば、コミュニケーションサーバは、香味吸引具が使用されたことに基づいて使用者端末が送信した使用情報を受信する通信部と、受信した前記使用情報に基づいて、前記使用者端末に仮想空間を割り当てる割当部と、を備え、前記通信部は、前記仮想空間を表示するための表示情報を、前記使用者端末に送信し、前記使用者端末から受信したメッセージを、前記仮想空間に割り当てられた他の使用者端末に配信する。
【発明の効果】
【0008】
上記態様のうち少なくとも1つの態様によれば、コミュニケーション支援方法等は、香味吸引具の使用者に様々な使用体験を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】第1の実施形態に係るコミュニケーションシステムの例を示す図である。
図2】第1の実施形態に係るコミュニケーションシステムの動作例を示すシーケンス図である。
図3】第1の例に係る香味吸引具の概略構成を示すブロック図である。
図4】第2の例に係る香味吸引具の概略構成を示すブロック図である。
図5】香味吸引具の概略的な外観の一例を示す図である。
図6】エアロゾル生成基材を保持した状態の香味吸引具の概略的な外観の一例である。
図7】第1の実施形態に係る香味吸引具の動作例を示すフローチャートである。
図8】第1の実施形態に係る使用者端末の概略構成を示すブロック図である。
図9】第1の実施形態に係る使用者端末に表示される表示態様の例である。
図10】第1の実施形態に係るコミュニケーションサーバの構成を示す概略ブロック図である。
図11】第1の実施形態に係る仮想空間記憶部が記憶する情報の例である。
図12】第1の実施形態に係る使用者情報記憶部が記憶する情報の例である。
図13】第1の実施形態に係るコミュニケーションサーバの動作例を示すフローチャートである。
図14】第1の実施形態に係るコミュニケーションサーバの他の動作例を示すフローチャートである。
図15】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
〈第1の実施形態〉
《コミュニケーションシステムの構成》
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
図1は、第1の実施形態に係るコミュニケーションシステムの例を示す図である。
第1の実施形態に係るコミュニケーションシステム1は、香味吸引具100と、使用者端末200と、コミュニケーションサーバ300とを備える。香味吸引具100と、使用者端末200とは、例えば近距離無線通信を介して、互いに通信する。また、使用者端末200と、コミュニケーションサーバ300とは、例えば無線通信を介して、互いに通信する。
香味吸引具100は、例えば、近距離無線通信を介して、使用者が当該香味吸引具100を使用したことを示す使用情報を、使用者端末200に送信する。また、使用者端末200は、例えば、受信した使用情報を、無線通信を介して、コミュニケーションサーバ300に送信する。
【0011】
コミュニケーションサーバ300は、使用情報を受信した場合、使用者端末200に対して仮想空間を割り当て、当該仮想空間を表示するための表示情報を、無線通信を介して、使用者端末200に送信する。また、コミュニケーションサーバ300は、他の使用者端末200に対しても、無線通信を介して、当該仮想空間を表示するための表示情報を送信する。そして、使用者端末200は、受信した表示情報に基づいて、当該仮想空間を表示する。
また、使用者端末200は、メッセージを、無線通信を介して、コミュニケーションサーバ300に送信する。また、コミュニケーションサーバ300は、メッセージを受信した場合、仮想空間に当該メッセージを表示するための表示情報を、無線通信を介して、当該仮想空間に割り当てられた他の使用者端末200に送信する。そして、使用者端末200は、受信した表示情報に基づいて、当該仮想空間に当該メッセージを表示する(より具体的には、当該仮想空間に、当該メッセージを示すオブジェクトであるコミュニケーション情報を表示する。)。
【0012】
第1の実施形態によれば、コミュニケーションサーバ300が香味吸引具100の使用を検知すると、コミュニケーションサーバ300は、仮想空間Vに使用者のアバターV1を配置し、その仮想空間Vの表示画像等を使用者端末200に表示させる。当該仮想空間Vには、同時に香味吸引具100を使用している他の使用者のアバターV1も配置される。また、仮想空間Vには各使用者が発するメッセージなどのコミュニケーション情報V2も表示される。これにより、使用者の各々は、香味吸引具の使用環境によらず他の使用者と一緒に使用しているような使用体験を得ることができる。
【0013】
なお、「使用情報」は、香味吸引具100によって収集可能な、各種の使用情報であってもよい。使用情報は、香味吸引具の使用に関する情報であり、例えば、使用頻度、使用量、及び/又は、使用した事実を含む。また、使用情報は、これらに限られず、香味吸引具100の使用状況に関する情報を含む。香味吸引具100の使用状況に関する情報は、例えば、香味吸引具100の使用時間、香味吸引具100に含まれるバッテリーの充電状況や残量状況、香味吸引具100(ユーザ)の位置、香味吸引具100において所定のカプセルを装着したこと、又は、香味吸引具100を持ち歩いていた時間や保持していた時間等の情報を含む。また、使用情報は、例えば、パフ回数や、リフィルの交換回数、リキッドの消費量や残量に関する情報等であってもよい。なお、リフィルは、交換可能な部材であり、例えば、香味吸引具100に含まれるリザーバや香味源、喫煙物品140、各種のアトマイザーなどである。なお、使用情報は、香味吸引具100が備える各種センサ等で測定することが可能である。
【0014】
また、「仮想空間」は、使用者端末200に表示される仮想的な空間であり、例えば、喫煙所や景勝地などを模した三次元又は二次元の空間である。また、仮想空間Vは、喫煙所や景勝地などに限られず、どのような領域や場所であってもよい。また、仮想空間Vは、実在する場所である必要はなく、実在しない架空の領域や場所など、どのような領域や場所であってもよい。また、仮想空間Vは、必ずしも三次元空間である必要はなく、二次元空間であってもよい。このように、仮想空間Vは、使用者端末200に表示可能であれば、どのようなものであってもよい。
【0015】
また、「メッセージ」は、使用者端末200が送信する各種情報であり、例えば、テキスト情報、音声情報、動画情報又は画像情報を含む。メッセージは、所定のキャラクタ(以下で説明するアバターを含む)に対応する画像情報、動画情報、又は、音声情報等を含んでもよい。また、メッセージは、インターネット上の所定のホームページに関するURL(Uniform Resource Locator)やQRコード(登録商標)等を含んでいてもよい。また、メッセージは、モールス信号や所定の暗号化された信号などを含むものであってもよい。また、メッセージは、使用者端末200の使用者が、他の使用者端末200の使用者に対して伝達するための各種情報であってもよい。メッセージは、これらの例に限られず、広告情報や故障情報、香味吸引具100の付属品等の割引等を示すクーポンなどを含んでいてもよい。
【0016】
≪コミュニケーションシステムの動作≫
図2は、第1の実施形態に係るコミュニケーションシステム1の動作例を示すシーケンス図である。なお、図2に例示するシーケンス図では、コミュニケーションサーバ300が使用情報を受信したことをトリガとして、使用者端末200に対して、仮想空間を割り当てる。ただし、図2に例示するシーケンス図は、あくまでもコミュニケーションシステム1の動作の一例にすぎず、仮想空間の割り当てるためのトリガは、使用情報を受信したことに限定されない。例えば、コミュニケーションサーバ300は、使用者端末200がコミュニケーションシステム1にログインすることをトリガとして、当該使用者端末200に仮想空間を割り当ててもよい。また、コミュニケーションサーバ300は、例えば、使用情報の代わりに所定の情報をトリガとして、使用者端末200に対して、仮想空間を割り当ててもよい。所定の情報は、例えば、香味吸引具100及び/又は使用者端末200が所定の空間(例えば、現実の喫煙所など)に存在することを示す情報や、予め定められた時刻になったことを示す情報、香味吸引具100のスイッチが押下されたことを示す情報などである。なお、所定の空間は、例えば、現実の喫煙所や住居その他の香味吸引具100を使用可能な建物内、自動車その他の香味吸引具100を使用可能な乗り物内、香味吸引具100を使用可能な店舗、各種店舗に設定される香味吸引具100を使用可能な喫煙室、香味吸引具100を使用可能な区域や地域など、香味吸引具100の使用が禁止されていない場所であれば、どのような場所であってもよい。また、所定の空間は、緯度及び経度で地点や地域として指定されてもよいし、所定の地図上で領域として示されてもよい。
【0017】
香味吸引器100は、使用者の吸引動作(パフ)を検知したことに基づいて(S1001)、例えば近距離無線通信を介して、使用情報を使用者端末200に対して送信する(S1002)。使用者端末200は、例えば無線通信を介して、使用情報をコミュニケーションサーバ300に送信する(S1003)。
コミュニケーションサーバ300は、使用情報を受信したことに基づいて、使用者端末200に対して仮想空間を割り当て(S1004)、当該仮想空間を表示するための表示情報を、無線通信を介して、使用者端末200に送信する(S1005)。使用者端末200は、受信した表示情報に基づいて、当該仮想空間を表示する(S1006)。
同じ仮想空間に割り当てられた他の使用者端末200が、使用者が入力したメッセージを受け付け(S1007)、無線通信を介して、当該メッセージをコミュニケーションサーバ300に送信する(S1008)。
コミュニケーションサーバ300は、メッセージを受信した場合(S1009)、同じ仮想空間に割り当てられた使用者端末200に対して、無線通信を介して、仮想空間に当該メッセージを表示するための表示情報を送信する(S1010)。使用者端末200は、受信した表示情報に基づいて、仮想空間に当該メッセージを表示する(S1011)。
【0018】
以下、コミュニケーションシステム1に含まれる香味吸引具100と、使用者端末200と、コミュニケーションサーバ300について説明する。
【0019】
《香味吸引具の構成》
香味吸引具100は、香味を吸引するための器具のことであり、限定するわけではないが、例えば、電子たばこや加熱式たばこ、従来のたばこを意図したものである。また、香味吸引具100は、生成されたエアロゾルを吸引するためのエアロゾル生成装置を含み、エアロゾル生成装置は、例えば電子たばこや加熱式たばこ、医療用のネブライザーを意図したものである。より具体的には、エアロゾル生成装置は、例えば、電力を用いてリキッド(エアロゾル源)を霧化し、エアロゾルを生成する装置である。エアロゾルは、エアロゾル源を霧化したものであり、気体中を浮遊する程度に微小な粒子である。エアロゾル生成装置が発生させるエアロゾルは香味を伴うものであってよい。エアロゾル生成装置の例としては、加熱式たばこ(T-vaporやInfused)および電子たばこ(E-vapor)などが挙げられる。また、エアロゾル生成装置は、たばこを直接加熱する(直接加熱)タイプや、たばこを間接的に加熱する(間接加熱)タイプ、液体(リキッド)を加熱するタイプを含む。また、エアロゾル生成装置は、櫛形電極対を有する圧電素子基板を用いてSAW(Surface Acoustic Wave)を発生させることによって液体を霧化するものであってもよい。
【0020】
図3は、第1の例に係る香味吸引具の概略構成を示すブロック図である。図3に示されるように、第1の例に係る香味吸引具100Aは、第1の部材102及び第2の部材104を備える。図示されるように、一例として、第1の部材102は、制御部106、通信部108、バッテリー110、センサ112及びメモリ114を含んでもよい。
【0021】
一例として、第2の部材104は、リザーバ116、霧化部118、空気取込流路120、エアロゾル流路121及び吸口部122を含んでもよい。第1の部材102内に含まれるコンポーネントの一部が第2の部材104内に含まれてもよい。第2の部材104内に含まれるコンポーネントの一部が第1の部材102内に含まれてもよい。第2の部材104は、第1の部材102に対して着脱可能に構成されてもよい。あるいは、第1の部材102及び第2の部材104内に含まれるすべてのコンポーネントが、第1の部材102及び第2の部材104に代えて、同一の筐体内に含まれてもよい。
【0022】
リザーバ116は、エアロゾル源を保持する。例えば、リザーバ116は、繊維状又は多孔質性の素材から構成され、繊維間の隙間や多孔質材料の細孔に液体としてのエアロゾル源を保持する。前述した繊維状又は多孔質性の素材には、例えばコットンやガラス繊維、またはたばこ原料などを用いることができる。リザーバ116は、液体を収容するタンクとして構成されてもよい。エアロゾル源は、例えば、グリセリンやプロピレングリコールといった多価アルコール、水などの液体である。香味吸引具100Aがネブライザー等の医療用吸入器である場合、エアロゾル源はまた、患者が吸入するための薬剤を含んでもよい。別の例として、エアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含んでいてもよい。リザーバ116は、消費されたエアロゾル源を補充することができる構成を有してもよい。あるいは、リザーバ116は、エアロゾル源が消費された際にリザーバ116自体を交換することができるように構成されてもよい。また、エアロゾル源は液体に限られるものではなく、固体でも良い。エアロゾル源が固体の場合のリザーバ116は、例えば繊維状又は多孔質性の素材を用いない空洞の容器であっても良い。
【0023】
霧化部118は、エアロゾル源を霧化してエアロゾルを生成するように構成される。センサ112によって吸引動作が検知されると、霧化部118はエアロゾルを生成する。例えば、ウィック(図示せず)が、リザーバ116と霧化部118とを連結するように設けられてもよい。この場合、ウィックの一部はリザーバ116の内部に通じ、エアロゾル源と接触する。ウィックの他の一部は霧化部118へ延びる。エアロゾル源は、ウィックの毛細管効果によってリザーバ116から霧化部118へと運ばれる。一例として、霧化部118は、バッテリー110に電気的に接続されたヒータを備える。ヒータは、ウィックと接触又は近接するように配置される。吸引動作が検知されると、制御部106は、霧化部118のヒータを制御し、ウィックを通じて運ばれたエアロゾル源を加熱することによって当該エアロゾル源を霧化する。霧化部118の別の例は、エアロゾル源を超音波振動によって霧化する超音波式霧化器であってもよい。霧化部118には空気取込流路120が接続され、空気取込流路120は香味吸引具100Aの外部へ通じている。霧化部118において生成されたエアロゾルは、空気取込流路120を介して取り込まれた空気と混合される。エアロゾルと空気の混合流体は、矢印124で示されるように、エアロゾル流路121へと送り出される。エアロゾル流路121は、霧化部118において生成されたエアロゾルと空気との混合流体を吸口部122まで輸送するための管状構造を有する。
【0024】
吸口部122は、エアロゾル流路121の終端に位置し、エアロゾル流路121を香味吸引具100Aの外部に対して開放するように構成される。ユーザは、吸口部122を咥えて吸引することにより、エアロゾルを含んだ空気を口腔内へ取り込む。
【0025】
通信部108は、ユーザ端末や他のコンピュータと通信する。通信部108は、少なくともハードウエア資源としてのネットワーク・インターフェース等を用いて実現されてよい。
【0026】
バッテリー110は、通信部108、センサ112、メモリ114、霧化部118などの香味吸引具100Aの各コンポーネントに電力を供給する。バッテリー110は、香味吸引具100Aの所定のポート(図示せず)を介して外部電源に接続することにより充電することができてもよい。バッテリー110のみを第1の部材102又は香味吸引具100Aから取り外すことができてもよく、新しいバッテリー110と交換することができてもよい。また、第1の部材102全体を新しい第1の部材102と交換することによってバッテリー110を新しいバッテリー110と交換することができてもよい。
【0027】
センサ112は、空気取込流路120およびエアロゾル流路121の少なくとも一方の内圧の変動を検知する圧力センサ又は流量を検知する流量センサを含んでもよい。センサ112はまた、リザーバ116等のコンポーネントの重量を検知する重量センサを含んでもよい。センサ112はまた、香味吸引具100Aを用いたユーザによるパフの回数を計数するように構成されてもよい。センサ112はまた、霧化部118への通電時間を積算するように構成されてもよい。センサ112はまた、リザーバ116内の液面の高さを検知するように構成されてもよい。センサ112はまた、バッテリー110のSOC(State of Charge、充電状態)、電流積算値、電圧などを検知するように構成されてもよい。電流積算値は、電流積算法やSOC-OCV(Open Circuit Voltage、開回路電圧)法等によって求められてもよい。センサ112はまた、ユーザが操作可能な操作ボタンなどであってもよい。
【0028】
制御部106は、マイクロプロセッサ又はマイクロコンピュータとして構成された電子回路モジュールであってもよい。制御部106は、メモリ114に格納されたコンピュータ実行可能命令に従って香味吸引具100Aの動作を制御するように構成されてもよい。メモリ114は、ROM、RAM、フラッシュメモリなどの記憶媒体である。メモリ114には、上記のようなコンピュータ実行可能命令のほか、香味吸引具100Aの制御に必要な設定データ等が格納されてもよい。例えば、メモリ114は、通信部108の制御方法(発光、発声、振動等の態様等)、センサ112により検知された値、霧化部118の加熱履歴等の様々なデータを格納してもよい。制御部106は、必要に応じてメモリ114からデータを読み出して香味吸引具100Aの制御に利用し、必要に応じてデータをメモリ114に格納する。
【0029】
図4は、第2の例に係る香味吸引具の概略構成を示すブロック図である。図示されるように、第2の例に係る香味吸引具100Bは、図3の香味吸引具100Aが備える構成に加えて、第3の部材126を備える。第3の部材126は、香味源128を含んでもよい。一例として、香味吸引具100Bが電子たばこである場合、香味源128は、たばこに含まれる香喫味成分を含んでもよい。図示されるように、エアロゾル流路121は、第2の部材104及び第3の部材126にわたって延在する。吸口部122は、第3の部材126に備えられる。
【0030】
香味源128は、エアロゾルに香味を付与するためのコンポーネントである。香味源128は、エアロゾル流路121の途中に配置される。霧化部118によって生成されたエアロゾルと空気との混合流体(以下、混合流体を単にエアロゾルと呼称する場合もあることに留意されたい)は、エアロゾル流路121を通って吸口部122まで流れる。このように、香味源128は、エアロゾルの流れに関して霧化部118よりも下流に設けられている。換言すれば、霧化部118よりも香味源128の方が、エアロゾル流路121の中で吸口部122に近い側に位置する。したがって、霧化部118によって生成されたエアロゾルは、香味源128を通過してから吸口部122へ達する。エアロゾルが香味源128を通過する際、香味源128に含まれる香喫味成分がエアロゾルに付与される。一例として、香味吸引具100Bが電子たばこである場合、香味源128は、刻みたばこ、又はたばこ原料を粒状、シート状もしくは粉末状に成形した加工物などの、たばこ由来のものであってもよい。香味源128はまた、たばこ以外の植物(例えばミントやハーブ等)から作られた非たばこ由来のものであってもよい。一例として、香味源128は、たばこ成分を含む。香味源128は、メントールなどの香料成分を含有してもよい。香味源128に加えて、リザーバ116も香喫味成分を含んだ物質を有してもよい。例えば、香味吸引具100Bは、香味源128にたばこ由来の香味物質を保持し、リザーバ116には非たばこ由来の香味物質を含むように構成されてもよい。
【0031】
ユーザは、吸口部122を咥えて吸引することにより、香味が付与されたエアロゾルを含んだ空気を口腔内へ取り込むことができる。
【0032】
制御部106は、本開示の実施形態に係る香味吸引具100を様々な方法で制御するように構成される。また、制御部106は、香味吸引具100の使用情報を生成し、使用者端末200に送信する。香味吸引具100と使用者端末200とは、互いに関連づけられており、例えばBluetooth(登録商標)やBLE(Bluetooth Low Energy)通信等の近距離無線通信を実行することで双方でのデータの送受信が可能となる。なお、香味吸引具100と使用者端末200の間のデータの送受信は、BLE通信に限られず、例えば、無線LAN(Local Area Network)やLPWAN(Low Power Wide Area Network)、NFC(Near Field Communication)など、どのような通信で実行されてもよい。また、香味吸引具100と使用者端末200の間のデータの送受信は、必ずしも無線通信に限られず、USB(Universal Serial Bus)やMini USB、Micro USB、Lightningなどの有線通信であってもよい。使用情報には、香味吸引具100の種類、フレーバーの種類、パフ回数、位置情報などが含まれていてよい。
【0033】
図5は、香味吸引具の概略的な外観の一例を示す図である。図6は、エアロゾル生成基材を保持した状態の香味吸引具の概略的な外観の一例である。
本実施形態において、香味吸引具100は、例えば、エアロゾル源及び香味源を含む充填物などの香味発生基材を有する、喫煙物品などのエアロゾル生成基材を加熱することによって、香味を含むエアロゾルを生成するように構成される。なお、喫煙物品140がエアロゾル生成基材として用いられてもよい。
【0034】
当業者に理解されるように、喫煙物品140はエアロゾル生成基材の一例にすぎない。エアロゾル生成基材に含まれるエアロゾル源は固体であってもよいし、液体であってもよい。エアロゾル源は、例えば、グリセリン、プロピレングリコールといった多価アルコールや、水などの液体であってもよい。エアロゾル源は、加熱することによって香喫味成分を放出するたばこ原料やたばこ原料由来の抽出物を含んでいてもよい。香味吸引具100がネブライザーなどの医療用吸入器である場合、エアロゾル源は、患者が吸入するための薬剤を含んでもよい。用途によっては、エアロゾル生成基材は香味源を含まなくてもよい。
【0035】
図5及び図6に示すように、香味吸引具100は、トップハウジング131Aと、ボトムハウジング131Bと、カバー132と、スイッチ133と、蓋部134とを有する。トップハウジング131Aおよびボトムハウジング131Bは、互いに接続されることで、香味吸引具100の最外のハウジング131を構成する。ハウジング131は、使用者の手に収まるようなサイズであってもよい。この場合、使用者が香味吸引具100を使用するときに、使用者は香味吸引具100を手で保持して、エアロゾルを吸引することができる。
【0036】
トップハウジング131Aは、開口(図示せず)を有し、カバー132は当該開口を閉じるようにトップハウジング131Aに結合される。図6に示すように、カバー132は、喫煙物品140を挿入可能な開口132Bを有する。蓋部134は、カバー132の開口132Bを開閉するように構成される。具体的には、蓋部134は、カバー132に取り付けられ、開口132Bを閉じる第1位置と開口132Bを開放する第2位置との間を、カバー132の表面に沿って移動可能に構成される。
【0037】
スイッチ133は、香味吸引具100の作動のオンとオフを切り替えるために使用される。例えば、使用者は、図6に示すように喫煙物品140を開口132Bに挿入した状態でスイッチ133を操作することにより、バッテリ(図示せず)から加熱部(図示せず)に電力を供給し、喫煙物品140を燃焼させずに加熱することができる。喫煙物品140が加熱されると、喫煙物品140に含まれるエアロゾル源からエアロゾルが発生し、香味源の香味が当該エアロゾルに取り込まれる。使用者は、香味吸引具100から突出した喫煙物品140の部分(図6において図示された部分)を吸引することにより、香味を含むエアロゾルを吸引することができる。なお、本明細書において、喫煙物品140などのエアロゾル生成基材が開口132Bに挿入される方向を、香味吸引具100の長手方向と呼ぶ。
【0038】
図5及び図6に示される香味吸引具100の構成は、本開示に係る香味吸引具の構成の一例にすぎない。本開示に係る香味吸引具は、エアロゾル源を含むエアロゾル生成基材を加熱することによってエアロゾルを生成することができ、生成されたエアロゾルを使用者が吸引することができるような、様々な形態で構成することができる。
【0039】
《香味吸引具の動作》
図7は、第1の実施形態に係る香味吸引具の動作例を示すフローチャートである。
使用者が吸口部122から吸引動作(パフ)を開始すると、香味吸引具100の内部に圧力が生じ、センサ112によって当該圧力が検出される。センサ112が所定値以上の圧力を検出すると(ステップS1)、バッテリー110は、制御部106に電力の供給を開始する(ステップS2)。電力の供給を開始された制御部106が起動すると、バッテリー110に霧化部118のヒータへの電力の供給を開始させる(ステップS3)。これによりヒータは霧化部118のエアロゾル源を加熱する。また、制御部106は、香味吸引具100の使用情報を使用者端末200に送信する(ステップS4)。
【0040】
制御部106は、センサ112が検出する圧力が所定値未満になったか否かを判定する(ステップS5)。センサ112が検出する圧力が所定値以上である場合(ステップS5:NO)、ヒータへの電力供給を継続する。他方、制御部106は、センサ112が検出する圧力が所定値未満になった場合(ステップS5:YES)、バッテリー110にヒータへの電力の供給を停止させる(ステップS6)。
【0041】
制御部106は、ステップS4における使用情報の送信が完了したか否かを判定する(ステップS7)。使用情報の送信が完了していない場合(ステップS7:NO)、制御部106への電力供給を継続する。他方、使用情報の送信が完了している場合(ステップS7:YES)、制御部106は、バッテリー110に制御部106への電力の供給を停止させる(ステップS8)。すなわち、制御部106は、センサ112が所定の圧力未満になったタイミング、または使用情報の送信が完了したタイミングのうち遅いタイミングにおいて、制御部106への電力の供給を停止させる。
このように、第1の実施形態に係る制御部106は、使用者の吸引(パフ)動作ごとに使用情報を使用者端末200に送信する。つまり使用情報は、香味吸引具100の吸引(パフ)動作ごとに発せられる吸引情報(パフデータ)を含む。
【0042】
《使用者端末》
使用者端末200は、例えばスマートフォンやタブレット端末などの通信機能を有する端末である。使用者端末200は、例えば、Bluetooth(登録商標)やNFCなどの近距離無線通信機能と、インターネットなどの広域通信網を介した無線通信機能とを有する。例えば、使用者端末200と香味吸引具100とは近距離無線通信により通信し、使用者端末200とコミュニケーションサーバ300とは広域通信網を介した無線通信機能により通信する。なお、使用者端末200と香味吸引具100間のデータの送受信は、近距離無線通信に限られず、無線LANやLPWANなどの無線通信であってもよい。また、使用者端末200は、USBなどの有線通信機能を有していてもよく、香味吸引具100と有線通信機能を介して通信してもよいし、コミュニケーションサーバ300と有線通信機能を介して通信してもよい。
【0043】
使用者端末200は、上述したように、例えばスマートフォンやタブレット端末であるが、これらに限られず、コンピュータ(例えば、デスクトップ、ラップトップなど)、PDA(Personal Digital Assistant)、携帯電話、腕時計型端末装置、眼鏡型端末装置、あるいは他種のコンピュータであってもよい。また、使用者端末200は、スマートスピーカー(AIスピーカー;「AI」は「人工知能」の略。)や、ヘッドマウントディスプレイ(HMD:Head Mounted Display)であってもよい。なお、使用者端末200は、これらの例に限定されない。
【0044】
図8は、第1の実施形態に係る使用者端末の構成を示す概略ブロック図である。
使用者端末200は、表示部201と、通信部202と、メモリ203と、記憶部204と、情報処理部205と、操作部206を備える。なお、各構成要素は、アドレスバスやデータバスなどのバスラインによって、互いに電気的に接続されている。
【0045】
表示部201は、各種の表示情報を表示するための手段である。表示部201は、例えばディスプレイであるが、各種の表示情報を表示できればどのようなものであってもよい。表示部201は、例えば、コミュニケーションサーバ300から受信した表示情報に基づいて、仮想空間Vを表示する。
【0046】
通信部202は、通信モジュールによって実現される。具体的には、通信部202は、近距離無線通信、無線LAN、LTE等の無線通信技術で無線通信を行う無線デバイスなどによって構成される。また、通信部202は、有線通信を行うデバイスによって構成されてもよい。通信部202は、香味吸引具100との間で、例えば近距離無線通信を介して互いに通信する。通信部202は、例えば、近距離無線通信を介して、使用者が香味吸引具100を使用したことを示す使用情報を、使用者端末200に送信する。また、通信部202は、コミュニケーションサーバ300との間で、例えば無線通信を介して互いに通信する。通信部202は、受信した使用情報やメッセージなどを、無線通信を介して、コミュニケーションサーバ300に送信する。また、通信部202は、無線通信を介して、コミュニケーションサーバ300から、表示情報を受信する。
【0047】
メモリ203は、半導体素子を使用した揮発性のメモリなどのRAMによって構成され、情報処理部205のワークメモリとして使用される。メモリ203は、例えばフラッシュメモリ等によって構成される。なお、メモリ203は、記憶部204の一部であってもよい。
【0048】
記憶部204は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。記憶部204には、例えば、情報処理部205により実行されるプログラム207や、アプリ208などが記憶される。
【0049】
プログラム207は、例えば、オペレーティングシステムであり、ユーザやアプリケーションプログラムとハードウエアの中間に位置し、ユーザやアプリケーションプログラムに対して標準的なインタフェースを提供すると同時に、ハードウエアなどの各リソースに対して効率的な管理を行う。
【0050】
アプリ208は、仮想空間Vを介した他の使用者とのコミュニケーションを図るためのアプリケーションプログラムである。使用者端末200は、アプリケーションプログラムの実行により、香味吸引具100から使用情報を受信し、当該使用情報をコミュニケーションサーバ300に送信する。また、使用者は、コミュニケーションサーバ300から受信する表示情報に基づいて、仮想空間Vを表示することができる。また、使用者は、使用者端末200の操作により、コミュニケーションサーバ300に他の使用者とのコミュニケーションのためのメッセージを送信することができる。なお、使用者端末200は、ネイティブアプリケーションプログラムの代わりに、PWA(Progressive Web Apps)によって、これらの機能を実現してもよい。
【0051】
情報処理部205の全部または一部は、例えば、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサが記憶部204に格納されたプログラム207とアプリ208とを実行することにより実現される機能部(以下、ソフトウェア機能部と称する)である。なお、情報処理部205の全部または一部は、LSI(Large Scale Integration)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、またはFPGA(Field-Programmable Gate Array)などのハードウエアにより実現されてもよく、ソフトウェア機能部とハードウエアとの組み合わせによって実現されてもよい。
【0052】
情報処理部205は、香味吸引具100から受信した使用情報を、通信部202を介して、コミュニケーションサーバ300に転送する処理を実行する。また、情報処理部205は、コミュニケーションサーバ300から受信した表示情報を、表示部201に表示するための処理を実行する。また、情報処理部205は、使用者が操作部206を用いて入力したメッセージを、通信部202を介して、コミュニケーションサーバ300に表示する処理を実行する。
【0053】
操作部206は、例えば、タッチパネルなどによって構成され、表示部201に表示される画面に対するタッチ操作を検出し、タッチ操作の検出結果を、情報処理部205へ出力する。
【0054】
≪使用者端末の表示態様≫
図9は、第1の実施形態に係る使用者端末200の表示部201に表示される表示態様の例である。
使用者端末200の表示部201には、仮想空間Vが表示される。表示部201には、例えば、喫煙所を模した仮想的な三次元空間が表示される。
また、表示部201には、仮想空間V内において、使用者のアバターV1が表示される。アバターV1は、仮想空間Vに割り当てられた使用者端末200の使用者のアバターである。アバターV1は、例えば、人を模したオブジェクトとして表示される。なお、アバターV1は、人を模したオブジェクトに限られず、架空のキャラクタのオブジェクトなど、どのようなオブジェクトとして表示されてもよい。
また、アバターV1は、仮想空間V内の少なくとも一領域を移動可能であってもよい。この場合において、アバターV1の移動する領域は、仮想空間Vごとに予め定められた領域であってもよいし、仮想空間V全体であってもよい。
また、表示部201には、仮想空間V内に、メッセージV2を示すオブジェクトであるコミュニケーション情報が表示(配置)される。なお、以下では、メッセージV2を示すオブジェクトであるコミュニケーション情報を表示する意味で、メッセージを表示すると表現する場合もある。
【0055】
図9の例において、メッセージV2は、アバターV1の周辺に表示される。メッセージV2は、例えば、そのメッセージV2を送信した使用者に対応するアバターV1の周辺に表示される。メッセージV2は、例えば吹き出し状で表示されても良いし、単にテキストメッセージとして表示されてもよい。なお、アバターV1が仮想空間V内を移動する場合には、メッセージV2は、移動するアバターV1とともに仮想空間V内を移動してもよい。
また、メッセージV2は、必ずしも仮想空間V内に表示される必要はなく、使用者端末200の表示部201において仮想空間Vとは異なる領域に表示されてもよい。この場合において、メッセージV2の表示形式は、例えば時系列ごとに表示されても、チャット形式で表示されてもよい。また、メッセージV2は、音声メッセージとして音声で出力されてもよいし、他の形式や態様で出力されてもよい。
また、表示部201には、メッセージ入力部Mが表示される。メッセージ入力部Mは、使用者端末200の使用者がメッセージを入力可能な複数のアイコンと、入力したメッセージを表示する領域などから構成される。なお、メッセージ入力部Mは、ユーザがメッセージを入力可能であれば、どのような態様であってもよい。また、メッセージは、手入力に限られず、音声入力などであってもよい。
【0056】
《コミュニケーションサーバ》
コミュニケーションサーバ300は、使用者端末200から受信した香味吸引具100の使用情報に基づいて、使用者端末200に仮想空間Vを割り当てる。また、コミュニケーションサーバ300は、その仮想空間Vの表示情報(動画や画像など)を使用者端末200に送信する。また、コミュニケーションサーバ300は、使用者のアバターV1を仮想空間Vに配置する。アバターV1は、使用者に対応付けられている。なお、アバターV1は、使用者の使用者端末200に対応付けられてもよい。また、コミュニケーションサーバ300は、使用者端末200から受信したメッセージを表示するための表示情報を、仮想空間Vに割り当てられた使用者端末200に送信する。
【0057】
図10は、第1の実施形態に係るコミュニケーションサーバの構成を示す概略ブロック図である。
コミュニケーションサーバ300は、仮想空間記憶部301、使用者情報記憶部302、通信部303、特定部304、割当部305、配置部306、メッセージ受信部307、配信部308を備える。
【0058】
仮想空間記憶部301は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。
図11は、第1の実施形態に係る仮想空間記憶部が記憶する情報の例である。
仮想空間記憶部301は、複数の仮想空間Vのそれぞれに関連付けて、当該仮想空間Vの背景データ、当該仮想空間Vにおけるオブジェクトデータおよびその配置情報(位置および傾き)、並びに当該仮想空間Vにログインしている使用者およびそのアバターV1の配置情報を記憶する。仮想空間Vの背景データは、例えば喫煙所や景勝地などを表すものであってよい。なお、仮想空間Vは三次元空間であってもよいし、二次元空間であってもよい。
【0059】
使用者情報記憶部302は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。
図12は、第1の実施形態に係る使用者情報記憶部が記憶する情報の例である。
使用者情報記憶部302は、使用者ごとに、状態情報(ログイン状態またはログアウト状態)、使用者端末200の識別情報、アバターV1のモデルデータ、割り当てられた仮想空間V、最後に使用情報を受信した時刻、および最後に受信した使用情報を記憶する。
【0060】
通信部303は、通信モジュールによって実現される。具体的には、通信部303は、無線LAN、LTE等の無線通信技術で無線通信を行う無線デバイスなどによって構成される。また、通信部303は、有線通信を行うデバイスによって構成されてもよい。通信部303は、使用者端末200から香味吸引具100の使用情報を受信する。通信部303は、受信した使用情報および受信時刻を使用者情報記憶部302に記録する。
特定部304は、使用者情報記憶部302が記憶する各使用者の最後に使用情報を受信した時刻に基づいて、使用者(又は使用者端末200)が香味吸引具100を使用中であるか否かを特定する。具体的には、特定部304は、複数の使用者のうち、最後に使用情報を受信した時刻からの経過時間が所定時間以内の使用者を、香味吸引具100を使用中であると特定する。すなわち特定部304は、受信した使用情報に基づいて使用中の香味吸引具100に係る使用者端末200を特定する。特定部304は、使用中の香味吸引具100に係る使用者(又は使用者端末200)の状態情報をログイン状態と決定する。
【0061】
割当部305は、新たにログインした使用者を、複数の仮想空間Vの何れかに割り当てる。割当部305は、例えば使用者による選択、使用者の位置、人数、または使用情報に基づいて割り当てる仮想空間Vを決定する。また割当部305は、例えば割り当てる仮想空間Vを乱数に基づいて(すなわち、ランダムに)決定してもよい。
例えば、仮想空間Vが地域ごとに設けられる場合、割当部305は、使用情報に含まれる位置情報に基づいて、使用者を割り当てる仮想空間Vを決定してもよい。この場合、使用者は、現在位置が近い他の使用者と同じ仮想空間Vに割り当てられる。
また例えば、仮想空間Vが属性ごとに設けられる場合、割当部305は、使用情報に含まれる属性情報に基づいて、使用者を割り当てる仮想空間Vを決定してもよい。属性の例としては、使用者の年齢、性別、香味吸引具100のフレーバー、趣味、国籍、職業などが挙げられる。
また例えば、割当部305は、当該使用者に関連付けられた他の使用者(例えば、友人など)に割り当てられている仮想空間Vに使用者を割り当ててもよい。
また例えば、割当部305は、使用者数が上限値未満の仮想空間Vであって、使用者数が最も多いものに使用者を割り当ててもよい。また例えば、割当部305は、使用者に複数の仮想空間Vを提示し、使用者によって選択された仮想空間に使用者を割り当ててもよい。また例えば、割当部305は、乱数に基づいて使用者を割り当てる仮想空間を決定してもよい。
【0062】
配置部306は、各使用者(又は各使用者端末200)に対応付けられたアバターV1を、割当部305によって割り当てられた仮想空間Vに配置する。仮想空間VにおいてアバターV1が配置される位置は、予め定められた位置であってもよいし、任意に配置されてもよい。また、アバターV1は、仮想空間V内の少なくとも一領域を移動可能であってもよい。
【0063】
メッセージ受信部307は、使用者端末200からメッセージを受信する。なお、メッセージはコミュニケーション情報の一例である。なお、メッセージ受信部307は、通信部303により実現されてもよい。
配信部308は、仮想空間記憶部301が記憶する情報に基づいて仮想空間Vを描画した表示情報を、各仮想空間Vに割り当てられた使用者の使用者端末200に配信する。また配信部308は、メッセージ受信部307が受信したメッセージを、当該メッセージの差出人(送信元)と同じ仮想空間Vに割り当てられた使用者の使用者端末200に配信する。メッセージの配信は、図1に示すように仮想空間Vにオブジェクトとして配置されてもよいし、仮想空間Vとは別個のチャット画面によってなされてもよい。なお、配信部308が配信する表示情報によって使用者端末200に表示される表示態様は、例えば、上述した図9に例示する表示態様と同様である。また、配信部308は、通信部303により実現されてもよい。
【0064】
《コミュニケーションサーバの動作》
図13は、第1の実施形態に係るコミュニケーションサーバの動作例を示すフローチャートである。図13は、コミュニケーションサーバ300が使用情報を受信したことをトリガとして、使用者端末200に対して、仮想空間を割り当てる場合の動作例である。
コミュニケーションサーバ300は、以下の処理を一定時間ごとに実行する。
コミュニケーションサーバ300の特定部304は、使用者端末200からの使用情報の受信の有無を判定する(ステップS101)。使用情報の受信がある場合(ステップS101:YES)、特定部304は、受信した使用情報の送信元の使用者ID(Identification)を特定する(ステップS102)。特定部304は、ステップS102で特定した使用者IDに関連付けられた状態情報が、ログアウト状態であるか否かを判定する(ステップS103)。状態情報がログイン状態である場合(ステップS103:NO)、当該使用者IDに係る使用者は既に仮想空間Vにログインしている。この場合、特定部304は、ステップS102で特定した使用者IDに関連付けられた最後に使用情報を受信した時刻、および最後に受信した使用情報を更新する(ステップS104)。
【0065】
他方、状態情報がログアウト状態である場合(ステップS103:YES)、当該使用者IDに係る使用者(又は使用者端末200)はまだ仮想空間Vにログインしていない。この場合、割当部305は、仮想空間記憶部301が記憶する複数の仮想空間Vの1つに当該使用者(又は使用者端末200)を割り当てる(ステップS105)。
【0066】
割当部305は、使用者情報記憶部302がステップS102で特定した使用者IDに関連付けられて記憶する状態情報を、ログイン状態に書き換える(ステップS106)。また割当部305は、仮想空間記憶部301がステップS105で割り当てた仮想空間Vに関連付けて記憶する使用者(又は使用者端末200)として、ステップS102で特定した使用者IDを追加する(ステップS107)。また、特定部304は、ステップS102で特定した使用者端末200の識別情報に関連付けられた最後に使用情報を受信した時刻、および最後に受信した使用情報を更新する(ステップS104)。
【0067】
使用者情報記憶部302を更新した場合、または使用情報を受信していない場合(ステップS101:NO)、コミュニケーションサーバ300の割当部305は、仮想空間記憶部301が記憶する仮想空間Vを1つずつ選択し、すべての仮想空間Vについて、以下のステップS109からステップS113の処理を実行する(ステップS108)。
配置部306は、仮想空間記憶部301が記憶するステップS108で選択された仮想空間Vの情報に基づいて、各仮想空間Vの表示情報を生成する(ステップS109)。具体的には、配置部306は、以下の手順で表示情報を生成する。まず配置部306は、仮想空間記憶部301が記憶する仮想空間Vに、背景データおよびオブジェクトを配置する。配置部306は、当該仮想空間Vに関連付けられた使用者のアバターV1のモデルデータを使用者情報記憶部302から読み出す。配置部306は、読み出したモデルデータに基づいて、仮想空間VにアバターV1を配置する。そして、配置部306は、仮想空間Vをレンダリングすることで表示情報を生成する。
【0068】
特定部304は、仮想空間記憶部301からステップS108で選択された仮想空間Vに割り当てられた使用者を特定し、使用者情報記憶部302から当該使用者の使用者端末200を特定する(ステップS110)。
次に、メッセージ受信部307は、ステップS110で特定した使用者端末200からメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS111)。ステップS110で特定した使用者端末200からメッセージを受信した場合(ステップS111:YES)、配置部306は、受信したメッセージを表示情報に追加する(ステップS112)。例えば、配置部306は、受信したメッセージを示すオブジェクトであるコミュニケーション情報V2を表示情報に配置する。
配信部308は、コミュニケーション情報V2を仮想空間に配置した場合には、当該コミュニケーション情報V2が仮想空間に配置された表示情報を、または、使用者端末200からメッセージを受信していない場合(ステップS111:NO)にはコミュニケーション情報V2が配置されていない表示情報を、ステップS110で特定した使用者端末200に配信する(ステップS113)。
これにより、使用者端末200には、仮想空間Vにおいて、自分のアバターV1を含む複数のアバターV1が共に香味吸引器100を使用しながらメッセージのやり取りをしている表示情報が表示される。
【0069】
また、コミュニケーションサーバ300の特定部304は、使用者情報記憶部302を参照し、最後に使用情報を受信した時刻から現在時刻までの経過時間が所定時間(例えば1時間)以上のものを特定する(ステップS114)。なお、所定時間は、例えば30秒や1分、5分など、どのような時間であってもよい。また、所定時間は、使用者が任意に設定可能であってもよい。最後に受信した時刻から所定時間が経過している場合、当該使用者は既に香味吸引器100の使用を終えている可能性が高い。そのため特定部304は、使用者情報記憶部302がステップS114で特定した使用者に関連付けて記憶する状態情報をログアウト状態に書き換える(ステップS115)。また特定部304は、仮想空間記憶部301からステップS114で特定した使用者の使用者IDを削除する(ステップS116)。
なお、特定部304が状態情報をログアウト状態に書き換える際には、書き換える前に、使用者にその旨を確認してもよい。例えば、特定部304は、使用者端末200に書き換えの可否を問い合わせ、書き換えを指示された場合に、状態情報をログアウト状態に書き換えてもよい。このような構成とすることで、使用者が他の使用者とコミュニケーションしている最中にログアウトする事態を回避することができる。
【0070】
図14は、第1の実施形態に係るコミュニケーションサーバの他の動作例を示すフローチャートである。図14は、コミュニケーションサーバが、使用者端末200がコミュニケーションシステム1にログインすることをトリガとして、当該使用者端末200に仮想空間を割り当てる場合の動作例である。
【0071】
コミュニケーションサーバ300の特定部304は、使用者端末200からコミュニケーションシステム1へログインを要求するためのログイン要求があった場合(ステップS201)、当該ログイン要求した使用者端末200に対応する使用者IDに関連付けられた状態情報を、ログイン状態に書き換える(ステップS202)。その後、割当部305は、仮想空間記憶部301が記憶する複数の仮想空間Vの1つに使用者(又は使用者端末200)を割り当てる(ステップS203)。また、割当部305は、仮想空間記憶部301がステップS203で割り当てた仮想空間Vに関連付けて記憶する使用者(又は使用者端末200)として、ログイン要求した使用者端末200に対応する使用者IDを追加する(ステップS204)。
【0072】
その後、コミュニケーションサーバ300は、使用者端末200からコミュニケーションシステム1からのログアウトを要求するためのログアウト要求を受信するまで、又は、使用情報を所定時間(例えば1時間)受信しない間、ステップS206乃至ステップS211の処理を繰り返し実行する(ステップS205)。なお、所定時間は、例えば30秒や1分、5分など、どのような時間であってもよい。また、所定時間は、使用者が任意に設定可能であってもよい。最後に受信した時刻から所定時間が経過している場合、当該使用者は既に香味吸引具100の使用を終えている可能性が高い。そのため特定部304は、使用者情報記憶部302がステップS202で使用者IDに関連付けて記憶する状態情報を、ログアウト状態に書き換える(ステップS212)。
【0073】
コミュニケーションサーバ300の特定部304は、使用者端末200からの使用情報の受信の有無を判定する(ステップS206)。使用情報の受信がある場合(ステップS206:YES)、特定部304は、受信した使用情報の送信元の使用者ID(Identification)を特定する(ステップS207)。その後、配置部306は、仮想空間記憶部301が記憶するステップS203で割り当てた仮想空間Vの情報に基づいて、仮想空間Vの表示情報を生成する(ステップS208)。一方、使用情報の受信がない場合(ステップS206:NO)、ステップS209に進む。
【0074】
メッセージ受信部307は、ステップS207で特定した使用者端末200からメッセージを受信したか否かを判定する(ステップS209)。使用者端末200からメッセージを受信した場合(ステップS209:YES)、配置部306は、受信したメッセージを表示情報に追加する(ステップS210)。例えば、配置部306は、受信したメッセージを示すオブジェクトであるコミュニケーション情報V2を表示情報に配置する。一方、メッセージの受信がない場合(ステップS209:NO)、メッセージの追加は行わない。
【0075】
配信部308は、コミュニケーション情報V2を仮想空間に配置した場合には、当該コミュニケーション情報V2が仮想空間に配置された表示情報を、または、使用者端末200からメッセージを受信していない場合(ステップS209:NO)にはコミュニケーション情報V2が配置されていない表示情報を、使用者端末200に配信する(ステップS211)。
【0076】
その後、コミュニケーションサーバ300は、使用者端末200からコミュニケーションシステム1からのログアウトを要求するためのログアウト要求を受信した場合、又は、使用情報を所定時間(例えば1時間)受信しない場合、、ステップS206乃至ステップS211の処理の繰り返しを終了し、ステップS212に進む。そして、特定部304は、使用者情報記憶部302が使用者IDに関連付けて記憶する状態情報をログアウト状態に書き換える(ステップS212)。また、特定部304は、仮想空間記憶部301から当該使用者IDを削除する。
【0077】
《作用・効果》
このように、第1の実施形態によれば、コミュニケーションサーバ300は、香味吸引具100の使用情報に基づいて使用者端末200に仮想空間Vを割り当て、当該仮想空間Vの表示画像等を使用者端末200に表示させる。また、コミュニケーションサーバ300は、当該仮想空間Vに、使用者端末200の少なくとも1つが発したメッセージを示すオブジェクトであるコミュニケーション情報を表示する。そして、コミュニケーションサーバ300は、このような仮想空間Vを、当該仮想空間Vに割り当てられた他の使用者端末200にも送信する。これにより、コミュニケーションサーバ300は、使用者による香味吸引具100の使用を契機に、当該使用者と他の使用者とのコミュニケーションを仲介することができる。したがって、コミュニケーションサーバ300は、使用者の使用環境に関わらず、その使用者に他人と一緒に使用しているような使用体験を提供することができる。
【0078】
また、第1の実施形態によれば、コミュニケーションサーバ300は、使用者に係るアバターV1を配置した仮想空間Vおよびメッセージを示すオブジェクトであるコミュニケーション情報に係る表示情報を、使用者端末200に配信する。これにより、コミュニケーションサーバ300は、使用者端末200に、他の使用者と一緒に使用している状況を表す表示情報を表示させることができる。したがって、コミュニケーションサーバ300は、使用者に他人と一緒に香味吸引具を使用しているような視覚的な使用体験を提供することができる。
【0079】
また、第1の実施形態によれば、コミュニケーションサーバ300は、吸引(パフ)情報である使用情報の出力時刻から現在時刻までの経過時間が所定時間以内の使用者端末200に対して、仮想空間Vを割り当てる。これにより、コミュニケーションサーバ300は、香味吸引具100を使用中の使用者に対して、適切に仮想空間Vを割り当てることができる。
【0080】
以上、図面を参照して第1の実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、様々な設計変更等をすることが可能である。
上述した第1の実施形態に係るコミュニケーションサーバ300は、コミュニケーション情報V2として吹き出し状のオブジェクトを仮想空間Vに配置するが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係るコミュニケーション情報V2は、仮想空間Vと別個に設けられたタイムライン形式の表示欄などに配置されてもよい。また他の実施形態に係るコミュニケーション情報V2は音声データであってもよい。
また、上述の第1の実施形態に係る使用者端末200は、スマートフォンなどの端末であるが、これに限られない。例えば、他の実施形態に係る使用者端末200は、ヘッドマウントユニットであってもよい。この場合、コミュニケーションサーバ300は、表示情報として、使用者のアバターV1の目線でレンダリングしたステレオ画像を生成してよい。
また、上述の第1の実施形態では、香味吸引具100の使用者について説明したが、コミュニケーションシステム1は、通信機能を備えるマウスピースを装着したシガレットの喫煙者にも適用できる。この構成によれば、マウスピースが、センサによって検知されたシガレットの喫煙情報などの各種の情報を、喫煙者の端末(使用者端末200に該当)やコミュニケーションサーバ300に送信可能である。
【0081】
〈コンピュータ構成〉
図15は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
コンピュータ90は、プロセッサ91、メインメモリ92、ストレージ93、インタフェース94を備える。
上述の香味吸引具100、使用者端末200、およびコミュニケーションサーバ300は、それぞれコンピュータ90に実装される。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でストレージ93に記憶されている。プロセッサ91は、プログラムをストレージ93から読み出してメインメモリ92に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、プロセッサ91は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域をメインメモリ92に確保する。プロセッサ91の例としては、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphic Processing Unit)、マイクロプロセッサなどが挙げられる。
【0082】
プログラムは、コンピュータ90に発揮させる機能の一部を実現するためのものであってもよい。例えば、プログラムは、ストレージに既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせ、または他の装置に実装された他のプログラムとの組み合わせによって機能を発揮させるものであってもよい。なお、他の実施形態においては、コンピュータ90は、上記構成に加えて、または上記構成に代えてPLD(Programmable Logic Device)などのカスタムLSI(Large Scale Integrated Circuit)を備えてもよい。PLDの例としては、PAL(Programmable Array Logic)、GAL(Generic Array Logic)、CPLD(Complex Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)が挙げられる。この場合、プロセッサ91によって実現される機能の一部または全部が当該集積回路によって実現されてよい。このような集積回路も、プロセッサの一例に含まれる。
【0083】
ストレージ93の例としては、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD-ROM(Digital Versatile Disc Read Only Memory)、半導体メモリ等が挙げられる。ストレージ93は、コンピュータ90のバスに直接接続された内部メディアであってもよいし、インタフェース94または通信回線を介してコンピュータ90に接続される外部メディアであってもよい。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータ90に配信される場合、配信を受けたコンピュータ90が当該プログラムをメインメモリ92に展開し、上記処理を実行してもよい。少なくとも1つの実施形態において、ストレージ93は、一時的でない有形の記憶媒体である。
【0084】
また、当該プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、当該プログラムは、前述した機能をストレージ93に既に記憶されている他のプログラムとの組み合わせで実現するもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0085】
なお、図15のコンピュータが、例えばコミュニケーションサーバ300の場合、当該コミュニケーションサーバ300は、メモリに記憶されている命令を実行するよう構成されているプロセッサ及び当該メモリと、を備え、当該命令は、香味吸引具が使用されたことに基づいて使用者端末が送信した使用情報を受信する受信ステップと、受信した当該使用情報に基づいて、当該使用者端末に仮想空間を割り当てる割当ステップと、当該仮想空間を表示するための表示情報を、当該使用者端末に送信する送信ステップと、当該使用者端末が送信したメッセージを、当該仮想空間に割り当てられた他の使用者端末に配信する配信ステップを含む。
【産業上の利用可能性】
【0086】
コミュニケーションサーバは、香味吸引具の使用者の使用環境に関わらず、その使用者に他人と一緒に使用しているような使用体験を提供することができる。
【符号の説明】
【0087】
1 コミュニケーションシステム
100 香味吸引具
200 使用者端末
201 表示部
202 通信部
203 メモリ
204 記憶部
205 情報処理部
206 操作部
300 コミュニケーションサーバ
301 仮想空間記憶部
302 使用者情報記憶部
303 通信部
304 特定部
305 割当部
306 配置部
307 メッセージ受信部
308 配信部
V 仮想空間
V1 アバター
V2 コミュニケーション情報
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図10
図11
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図14
図15