(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-12-12
(45)【発行日】2022-12-20
(54)【発明の名称】自動採点装置及び自動採点システム
(51)【国際特許分類】
G09B 7/04 20060101AFI20221213BHJP
G09B 19/02 20060101ALI20221213BHJP
G06T 1/00 20060101ALI20221213BHJP
【FI】
G09B7/04
G09B19/02 G
G06T1/00 400Z
(21)【出願番号】P 2017142363
(22)【出願日】2017-07-24
【審査請求日】2020-06-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(72)【発明者】
【氏名】早川 裕二
(72)【発明者】
【氏名】合田 峻広
(72)【発明者】
【氏名】高田 怜
(72)【発明者】
【氏名】竹尾 信行
(72)【発明者】
【氏名】酒井 悠
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 直蔵
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 隆太
(72)【発明者】
【氏名】山本 寛
(72)【発明者】
【氏名】新井 寛高
【審査官】西村 民男
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-188212(JP,A)
【文献】特開2014-59663(JP,A)
【文献】特開2007-41177(JP,A)
【文献】特開2005-107164(JP,A)
【文献】特開平11-119635(JP,A)
【文献】特開平8-76681(JP,A)
【文献】特開平1-123278(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 1/00- 9/56,
17/00-19/26,
G06T 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
解答欄を有する記録媒体を読み取って前記記録媒体から解答情報を画像データとして入力する画像入力手段と、
前記記録媒体の不正解の解答欄を空欄の状態にして前記記録媒体に採点結果を追い刷りする画像形成手段と、を備え、
前記画像入力手段は、前記解答情報を印刷する際に前記記録媒体に追い刷り印刷された学習者ごとに設定された識別用画像を読み取った場合、前回読み取った正解の解答情報が記載された領域の文字認識処理を行わず、
前記画像形成手段は、前記記録媒体を再度読み取りした場合、前記記録媒体に印刷された前回の点数に取り消し線を重ねて印刷し、前記前回の点数が印刷された領域の近傍に再採点した今回の点数を追い刷り印刷する、
ことを特徴とする自動採点装置。
【請求項2】
前記画像形成手段は、前記記録媒体の前記不正解の解答欄を前記記録媒体の地色と同じ色で塗りつぶすようにして前記不正解の解答欄を空欄の状態にする、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動採点装置。
【請求項3】
前記画像形成手段は、前記記録媒体の前記不正解の解答欄を白塗りするように印刷して前記不正解の解答欄を空欄の状態にする、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動採点装置。
【請求項4】
前記画像形成手段は、前記記録媒体から読み取った前記解答情報に前記記録媒体の前記不正解の解答欄を空欄の状態にした解答情報を付加して新たな記録媒体に印刷する、
ことを特徴とする請求項1に記載の自動採点装置。
【請求項5】
前記画像形成手段は、採点結果が満点の場合、満点未満の場合に比べて、点数を大きく追い刷り印刷する、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の自動採点装置。
【請求項6】
前記画像形成手段は、採点結果が前回の採点よりも向上した場合、前回に比べて、点数をより大きく追い刷り印刷する、
ことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の自動採点装置。
【請求項7】
前記画像形成手段は、前記記録媒体を再採点した場合、正解を表す判定マークを、前回と異なる色で追い刷り印刷する、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の自動採点装置。
【請求項8】
前記記録媒体は、採点結果を印刷する位置と範囲を画定する枠が記録されている、
ことを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1項に記載の自動採点装置。
【請求項9】
前記枠は、不可視の色材で形成されている、
ことを特徴とする請求項8に記載の自動採点装置。
【請求項10】
前記枠は、使用者所持の蛍光ペンで塗られた蛍光色の領域を含む前記記録媒体の画像を読み取ることにより記録されている、
ことを特徴とする請求項8に記載の自動採点装置。
【請求項11】
前記解答情報が記載される領域には、前記解答情報の属性を示す属性情報が記録されている、
ことを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1項に記載の自動採点装置。
【請求項12】
前記記録媒体は、前記画像形成手段が備える記録手段に登録されて記録されている、
ことを特徴とする請求項8ないし11のいずれか1項に記載の自動採点装置。
【請求項13】
前記解答情報が記載される領域を空欄にした前記記録媒体と、前記解答情報が記載される領域に正答が記載された前記記録媒体と、を画像読み取りして取得したそれぞれの画像データの差分を抽出して正答情報として保持する、
ことを特徴とする請求項12に記載の自動採点装置。
【請求項14】
前記画像形成手段は、今回の採点が満点でなかった場合、新たな記録媒体を印刷する、
ことを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1項に記載の自動採点装置。
【請求項15】
前記画像形成手段は、画像読み取りして取得した前記解答情報が正解か否か判別されない場合、前記解答情報を採点者へ送信し、前記採点者が採点した前記解答情報を取得して採点結果を前記記
録媒体に追い刷り印刷する、
ことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1項に記載の自動採点装置。
【請求項16】
前記画像形成手段は、前記
画像読み取りして取得した前記解答情報に前記解答情報の特定の領域を指示するオブジェクト画像を付加して送信する、
ことを特徴とする請求項15に記載の自動採点装置。
【請求項17】
前記記録媒体は、画像データとして登録されている、
ことを特徴とする請求項1ないし16のいずれか1項に記載の自動採点装置。
【請求項18】
前記記録媒体は、問題と解答情報を記載する解答欄が設けられたテスト教材である、
ことを特徴とする請求項1ないし17のいずれか1項に記載の自動採点装置。
【請求項19】
登録されたテスト教材の画像データを保持する画像データ記憶手段と、
前記画像データを取得して前記テスト教材を印刷する第1画像形成手段と、
前記テスト教材を読み取って前記テスト教材から解答情報を画像データとして入力する画像入力手段と、
前記テスト教材の不正解の解答欄を空欄の状態にして前記テスト教材に採点結果を追い刷りする第2画像形成手段と、を備え、
前記画像入力手段は、前記解答情報を印刷する際に前記テスト教材に追い刷り印刷された学習者ごとに設定された識別用画像を読み取った場合、前回読み取った正解の解答情報が記載された領域の文字認識処理を行わず、
前記第2画像形成手段は、前記テスト教材を再度読み取りした場合、前記テスト教材に印刷された前回の点数に取り消し線を重ねて印刷し、前記前回の点数が印刷された領域の近傍に再採点した今回の点数を追い刷り印刷する、
ことを特徴とする自動採点システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動採点装置及び自動採点システムに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の問題と、これら複数の問題に対応する複数の解答欄と、これら複数の解答欄に記入された解答が正解か否かを示す正誤判定マークとを含むテスト教材を取り扱う教材処理装置の構成として、テスト教材の画像データを入力する画像入力部と、画像入力部によって入力されたテスト教材の画像データの中で、正誤判定マークで不正解とされた解答欄の位置を特定するとともに、当該位置の特定がなされた不正解の解答欄に対応する問題を含むテスト教材の画像データを、当該不正解の解答欄を空欄の状態にして生成する処理を行う画像処理部と、この画像処理部で生成されたテスト教材の画像データを印刷出力する印刷部とを備える教材処理装置が知られている(特許文献1)
【0003】
原稿を載置する原稿トレイと、原稿トレイに載置された原稿の画像情報を読み取るためのスキャナと、用紙に画像形成する画像形成部と、を備える画像形成装置であって、原稿トレイに用紙が載置された場合に当該用紙を画像形成部まで搬送する搬送路と、用紙が搬送路を搬送される過程においてスキャナを動作させて用紙の情報を読み取る状態情報読取手段と、状態情報読取手段により読み取られた用紙情報に基づいて、用紙の質を判断する用紙質判断手段と、用紙質判断手段により判断された用紙の質に応じた動作を、用紙が搬送路を搬送されて画像形成部に到達する前に実行する動作実行手段と、を備える画像形成装置も知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2007-041177号公報
【文献】特開2016-126084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、解答内容に応じて対応を変える自動採点装置及び自動採点システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の自動採点装置は、
解答欄を有する記録媒体を読み取って前記記録媒体から解答情報を画像データとして入力する画像入力手段と、
前記記録媒体の不正解の解答欄を空欄の状態にして前記記録媒体に採点結果を追い刷りする画像形成手段と、を備え、
前記画像入力手段は、前記解答情報を印刷する際に前記記録媒体に追い刷り印刷された学習者ごとに設定された識別用画像を読み取った場合、前回読み取った正解の解答情報が記載された領域の文字認識処理を行わず、
前記画像形成手段は、前記記録媒体を再度読み取りした場合、前記記録媒体に印刷された前回の点数に取り消し線を重ねて印刷し、前記前回の点数が印刷された領域の近傍に再採点した今回の点数を追い刷り印刷する、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の自動採点装置において、
前記画像形成手段は、前記記録媒体の前記不正解の解答欄を前記記録媒体の地色と同じ色で塗りつぶすようにして前記不正解の解答欄を空欄の状態にする、
ことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1に記載の自動採点装置において、
前記画像形成手段は、前記記録媒体から読み取った前記解答情報に前記記録媒体の不正解の解答情報が記載された領域を空欄の状態にした解答情報を付加して新たな記録媒体に印刷する、
ことを特徴とする。
【0011】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の自動採点装置において、
前記画像形成手段は、前記記録媒体の前記不正解の解答欄を白塗りするように印刷して前記不正解の解答欄を空欄の状態にする、
ことを特徴とする。
【0016】
請求項5記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の自動採点装置において、
前記画像形成手段は、採点結果が満点の場合、満点未満の場合に比べて、点数を大きく追い刷り印刷する、
ことを特徴とする。
【0017】
請求項6記載の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載の自動採点装置において、
前記画像形成手段は、採点結果が前回の採点よりも向上した場合、前回に比べて、点数をより大きく追い刷り印刷する、
ことを特徴とする。
【0018】
請求項7記載の発明は、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の自動採点装置において、
前記画像形成手段は、前記記録媒体を再採点した場合、正解を表す判定マークを、前回と異なる色で追い刷り印刷する、
ことを特徴とする。
【0019】
請求項8記載の発明は、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の自動採点装置において、
前記記録媒体は、採点結果を印刷する位置と範囲を画定する枠が記録されている、
ことを特徴とする。
【0020】
請求項9記載の発明は、請求項8に記載の自動採点装置において、
前記枠は、不可視の色材で形成されている、
ことを特徴とする。
【0021】
請求項10記載の発明は、請求項8に記載の自動採点装置において、
前記枠は、使用者所持の蛍光ペンで塗られた蛍光色の領域を含む前記記録媒体の画像を読み取ることにより記録されている、
ことを特徴とする。
【0022】
請求項11記載の発明は、請求項1ないし12のいずれか1項に記載の自動採点装置において、
前記解答情報が記載される領域には、前記解答情報の属性を示す属性情報が記録されている、
ことを特徴とする。
【0023】
請求項12記載の発明は、請求項8ないし11のいずれか1項に記載の自動採点装置において、
前記記録媒体は、前記画像形成手段が備える記録手段に登録されて記録されている、
ことを特徴とする。
【0024】
請求項13記載の発明は、請求項12に記載の自動採点装置において、
前記解答情報が記載される領域を空欄にした前記記録媒体と、前記解答情報が記載される領域に正答が記載された前記記録媒体と、を画像読み取りして取得したそれぞれの画像データの差分を抽出して正答情報として保持する、
ことを特徴とする。
【0025】
請求項14記載の発明は、請求項1ないし13のいずれか1項に記載の自動採点装置において、
前記画像形成手段は、今回の採点が満点でなかった場合、新たな記録媒体を印刷する、
ことを特徴とする。
【0026】
請求項15記載の発明は、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の自動採点装置において、
前記画像形成手段は、画像読み取りして取得した前記解答情報が正解か否か判別されない場合、前記解答情報を採点者へ送信し、前記採点者が採点した前記解答情報を取得して採点結果を前記記録媒体に追い刷り印刷する、
ことを特徴とする。
【0027】
請求項16記載の発明は、請求項15に記載の自動採点装置において、
前記画像形成手段は、前記画像読み取りして取得した前記解答情報に前記解答情報の特定の領域を指示するオブジェクト画像を付加して送信する、
ことを特徴とする。
【0028】
請求項17記載の発明は、請求項1ないし18のいずれか1項に記載の自動採点装置において、
前記記録媒体は、画像データとして登録されている、
ことを特徴とする。
【0038】
請求項18記載の発明は、請求項1ないし17のいずれか1項に記載の自動採点装置において、
前記記録媒体は、問題と解答情報を記載する解答欄が設けられたテスト教材である、
ことを特徴とする。
【0039】
前記課題を解決するために、請求項19に記載の自動採点システムは、
登録されたテスト教材の画像データを保持する画像データ記憶手段と、
前記画像データを取得して前記テスト教材を印刷する第1画像形成手段と、
前記テスト教材を読み取って前記テスト教材から解答情報を画像データとして入力する画像入力手段と、
前記テスト教材の不正解の解答欄を空欄の状態にして前記テスト教材に採点結果を追い刷りする第2画像形成手段と、を備え、
前記画像入力手段は、前記解答情報を印刷する際に前記テスト教材に追い刷り印刷された学習者ごとに設定された識別用画像を読み取った場合、前回読み取った正解の解答情報が記載された領域の文字認識処理を行わず、
前記第2画像形成手段は、前記テスト教材を再度読み取りした場合、前記テスト教材に印刷された前回の点数に取り消し線を重ねて印刷し、前記前回の点数が印刷された領域の近傍に再採点した今回の点数を追い刷り印刷する、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0041】
請求項1に記載の発明によれば、答案用紙の不正解の解答情報が記載された領域を空欄の状態にして、当該答案用紙を使って再テストを行えるようにすることができる。
【0042】
請求項2に記載の発明によれば、答案用紙の地色に合わせて不正解の解答欄を空欄にして、当該答案用紙を使って再テストを行えるようにすることができる。
【0043】
請求項3、4に記載の発明によれば、答案用紙が毀損した場合に、不正解の解答欄を空欄にして、再テストを行えるようにすることができる。
【0046】
請求項5、6に記載の発明によれば、学習者の学習意欲を向上させる情報を提供することができる。
【0047】
請求項7に記載の発明によれば、学習者の学習効果を向上させる情報を提供することができる。
【0048】
請求項8に記載の発明によれば、採点結果を表示する領域を予め指定することができる。
【0049】
請求項9に記載の発明によれば、学習者に不要な情報を隠蔽することができる。
【0050】
請求項10に記載の発明によれば、テスト教材の使用者が採点結果を表示する領域を予め設定することができる。
【0051】
請求項11に記載の発明によれば、解答欄に記入された文字の認識率を向上させることができる。
【0052】
請求項12、17に記載の発明によれば、必要に応じてテスト教材を使用者に提供することができる。
【0053】
請求項13に記載の発明によれば、テスト教材の採点精度を向上させることができる。
【0054】
請求項14に記載の発明によれば、追加テスト教材を提供することができる。
【0055】
請求項15、16に記載の発明によれば、採点の精度と効率を向上させることができる。
【0062】
請求項18に記載の発明によれば、テスト教材を使用して学習を行う学習者の自動採点を行い、当該テスト教材を使用して間違い直しができるように再テストを行うことができる。
【0063】
請求項19に記載の発明によれば、テスト教材の登録、テスト教材を使用したテスト、テスト教材の自動採点を一連のワークフローとして実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【
図1】自動採点装置の内部構成を示す断面模式図である。
【
図2】自動採点装置の機能構成の一例を示すブロック図である。
【
図3】自動採点装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図4】自動採点装置の動作の流れを説明する断面模式図である。
【
図5】画像読み取りが正常に行われない場合の動作を説明する断面模式図である。
【
図6】用紙詰まり時の用紙除去を説明する断面模式図である。
【
図7】変形例1に係る自動採点装置の内部構成を示す断面模式図である。
【
図8】変形例1に自動採点装置の動作の流れを示すフローチャートである。
【
図9】変形例1に係る自動採点装置の動作の流れを説明する断面模式図である。
【
図10】変形例1に係る自動採点装置において画像読み取りが正常に行われない場合の動作を説明する断面模式図である。
【
図11】変形例1に係る自動採点装置において用紙詰まり時の用紙除去を説明する断面模式図である。
【
図12】(a)は変形例2に係る自動採点装置の内部構成を示す断面模式図、(b)は変形例2に係る自動採点装置における用紙詰まり時の用紙除去を説明する断面模式図である。
【
図13】変形例2に係る自動採点装置の動作の流れを説明する断面模式図である。
【
図14】(a)は変形例2に係る自動採点装置において画像読み取りが正常に行われない場合の動作を説明する断面模式図、(b)は追加問題印刷時の用紙の搬送を示す断面模式図である。
【
図15】テスト教材の具体的な一例を示す概略図である。
【
図16】データベース部に登録されるテスト教材の例を示す概略図である。
【
図17】テスト教材の他の例を示すが概略図である。
【
図18】画像処理部の内部構成を示すブロック図である。
【
図19】再テスト用に採点結果が追い刷り印刷されたテスト教材の具体的な一例を示す概略図である。
【
図20】再テスト用に不正解の解答欄が白塗りされたテスト教材の具体的な例を示す概略図である。
【
図21】再テスト用に採点結果が追い刷り印刷されたテスト教材の具体的な例を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
【0066】
(1)自動採点装置の全体構成及び動作
図1は本実施形態に係る自動採点装置の内部構成を示す断面模式図、
図2は自動採点装置の機能構成の一例を示すブロック図、
図3は自動採点装置の動作の流れを示すフローチャート、
図4は自動採点装置の動作の流れを説明する断面模式図、
図5は画像読み取りが正常に行われない場合の動作を説明する断面模式図、
図6は用紙詰まり時の用紙除去を説明する断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、自動採点装置1の全体構成、機能構成及び動作を説明する。
【0067】
(1.1)自動採点装置の全体構成
自動採点装置1は、画像形成部10と、画像形成部10の下部に装着された給紙装置20と、画像形成部10の上部に装着された読取装置30と、操作表示部40と、画像処理部50と、システム制御装置60と、を備えて構成され、学習者によって解答欄に解答が記入された記録媒体の一例としてのテスト教材70を読み取って採点を行い、採点結果を読み取ったテスト教材70に追い刷り印刷する自動採点機能を有している。
また、使用者が作成するテスト教材70を登録して保持するとともに、登録されたテスト教材70を印刷する印刷機能も有している。
【0068】
画像形成部10は、露光装置12、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、定着装置16を備えて構成され、画像処理部50から受け取った画像情報を読み取ったテスト教材70上に追い刷り印刷する。また、給紙装置20から送り込まれた用紙P上に画像処理部50から受け取った画像情報をトナー像として形成する。
【0069】
画像形成部10の底部には給紙装置20が設けられ、用紙トレイ21から繰り出された用紙Pをレジストローラ対22で整列させて画像形成部10の転写装置15に向かって給送する。画像形成部10の左側には、手差し給紙装置23が設けられ、不定サイズの用紙、長尺用紙、厚紙等の用紙供給を行う。テスト教材70のサイズが定形サイズでない場合には、手差し給紙装置23から用紙供給を行う。
【0070】
画像形成部10の上部には、画像形成された用紙Pを装置上面である排出トレイ部T1へ導く用紙搬送路25と、画像形成された用紙Pを排出トレイT2へ導く用紙搬送路26と、印刷された用紙Pを反転させて両面搬送路27に向かって用紙Pの進行方向を切り替える反転ローラ28が配置されている。
【0071】
両面搬送路27の上方には、トレイT0と、送り出しローラ31、レジストローラ対32、複数のイメージセンサ素子群を用紙Pの搬送方向と交差する方向にライン上に配置したコンタクト・イメージ・センサ(以下、CISと記す)33からなる取得手段の一例としての読取装置30が配置されている。読取装置30は、トレイT0上に載置されたテスト教材70をレジストローラ対32で整列させてCIS33の読取面に密着させながら搬送してテスト教材70の画像読み取りを行う。
【0072】
操作表示部40は、いわゆるユーザーインターフェースに相当するもので、液晶表示パネル、各種操作ボタン、タッチパネル等を組み合わせて構成され各種の設定や指示の入力及び情報表示に用いられる。
【0073】
画像処理部50は、外部機器82(
図2に図示:例えばパーソナルコンピュータ等)から送信された印刷情報から画像データを生成するとともに、読取装置30によって入力されたテスト教材70の画像データを用いて種々の画像処理を行う。
【0074】
(1.2)自動採点装置の動作
このような構成の自動採点装置1では、テスト教材70をトレイT0の上に置いて、操作表示部40のスタートボタンを押すと送り出しローラ31が降下して(
図4(a)中 矢印2参照)テスト教材70を停止した状態のレジストローラ対32に向かって送り出す。そして、テスト教材70はレジストローラ対32でループを形成した後、レジストローラ対32が回転を開始して、CIS33に送り出される。
【0075】
CIS33は、通過するテスト教材70の表面を読み取り、正転する反転ローラ28で排出トレイT2上に向かって搬送する(S101:
図4(a)中 矢印3参照)。CIS33で読み取られた画像データは後述する画像処理部50で文字認識(OCR:Optical Character Recognition)処理される。
【0076】
CIS33でテスト教材70を読み取りした時点で、画像読み取りが正常か否か判断される(S102)。画像が正常に読み取られた場合(S102:Yes)、反転ローラ28を反転させてテスト教材70を両面搬送路27に向かって送り出す(S103:
図4(b)中 矢印4参照)。テスト教材70は、両面搬送路27を画像形成部10の転写装置15に向かって搬送され、テスト教材70の先端がレジストローラ対22に到達した時点で搬送を一旦停止して、両面搬送路27内で、画像処理部50での採点処理が終了するまで待機する(S104:
図4(c)中 矢印5参照)。
【0077】
画像処理部50での採点処理が終了すると(S105:Yes)、レジストローラ対22の回転が開始され、テスト教材70は転写装置15に向かって搬送され(S106)、採点結果が追い刷り印刷されて排出トレイ部T1上に排出される(S107:
図4(d)中 矢印6参照)。
【0078】
CIS33での画像読み取りが正常に行われなかった場合(S102:No)、テスト教材70に用紙ダメージがあるか否か判断される(S108)。用紙ダメージがない場合(S108:No)は、テスト教材70を両面搬送路27及び用紙搬送路26を経由して排出トレイT2に向かって送り出し(S109:
図5(a)中 矢印7参照)、再度反転ローラ28を反転させて両面搬送路27に向かって送り出すことによってテスト教材70の裏面の画像読み取りを行う(S110:
図5(b)中 矢印8参照))。
そして、テスト教材70は、両面搬送路27を画像形成部10の転写装置15に向かって搬送され、両面搬送路27内で、画像処理部50での採点処理が終了するまで待機する(S104:
図4(c)中 矢印5参照)。
【0079】
テスト教材70に用紙ダメージがある場合(S108:Yes)は、反転ローラ28を正転させてテスト教材70を、排出トレイT2にエラー排出する(S111:
図5(c) 矢印9参照)。
【0080】
このような自動採点装置1においては、学習者がテストで使用したテスト教材70(答案用紙)を搬送するために、通常の用紙Pを搬送する場合に比べて、用紙詰まり(ジャム)が発生しやすい虞がある。
用紙詰まり(ジャム)が発生した場合には、
図6に示すように、読取装置30のCIS33を含む上部30aを開放して、ジャム除去することができる。
また、両面搬送路27、転写装置15から排出トレイ部T1までの搬送路、用紙搬送路26から排出トレイT2までの搬送路で用紙詰まり(ジャム)が発生した場合には、
図6に示すように、両面搬送路27を開放して、ジャム除去することができる。
【0081】
「変形例1」
図7は変形例1に係る自動採点装置1Aの内部構成を示す断面模式図、
図8は自動採点装置1Aの動作の流れを説明する断面模式図、
図9は画像読み取りが正常に行われない場合の動作を説明する断面模式図、
図10は用紙詰まり時の用紙除去を説明する断面模式図である。
【0082】
自動採点装置1Aは、画像形成部10Aと、画像形成部10の下部に装着された給紙装置20Aと、給紙装置20Aの下部に装着された読取装置30Aと、操作表示部40(付図視)と、画像処理部50と、システム制御装置60と、を備えて構成され、学習者によって解答欄に解答が記入されたテスト教材70を読み取って採点を行い、採点結果を読み取ったテスト教材70に追い刷り印刷する自動採点機能を有している。
また、使用者が作成するテスト教材70を登録して保持するとともに、登録されたテスト教材70を印刷する印刷機能も有している。
【0083】
読取装置30Aは、トレイT0と、送り出しローラ31、レジストローラ対32、コンタクト・イメージ・センサ(以下、CISと記す)33、第1搬送ローラ対34、第2搬送ローラ対35、両面搬送路36、用紙排出口37、第1切替ゲートG1、第2切替ゲートG2から構成されている。
読取装置30Aは、トレイT0上に載置されたテスト教材70をレジストローラ対32で整列させてCIS33の読取面に密着させながら搬送してテスト教材70の画像読み取りを行う。
【0084】
このような構成の自動採点装置1Aでは、テスト教材70をトレイT0の上に置いて、操作表示部40のスタートボタンを押すと送り出しローラ31が降下して(
図7(a)中 矢印2参照)テスト教材70を停止した状態のレジストローラ対32に向かって送り出す。そして、テスト教材70はレジストローラ対32でループを形成した後、レジストローラ対32が回転を開始して、CIS33に送り出される。
【0085】
CIS33は通過するテスト教材70の表面を読み取り(S201:
図7(a)中 矢印3参照)、画像読み取りが正常か否か判断される(S202)。画像が正常に読み取られた場合(S202:Yes)、テスト教材70の後端が第1切替ゲートG1を通過した時点で第1切替ゲートG1を両面搬送路36方向に切り替えて第1搬送ローラ対34を反転させる(S203)。
第1搬送ローラ対34は、テスト教材70を両面搬送路36内に送り込み、テスト教材70がレジストローラ対32に到達した時点で搬送を一旦停止して、両面搬送路36内で、画像処理部50での採点処理が終了するまで待機する(S204:
図7(b)中 矢印4参照)。
【0086】
画像処理部50での採点処理が終了する(S205:Yws)と、テスト教材70を再度CIS33に向かって送り出し(S206)、テスト教材70の裏面の画像読み取りを行う(S207)。そして、テスト教材70の後端がCIS33を抜けた時点で搬送を一旦停止して、画像処理部50での裏面の採点処理が終了するまで待機する(S208:
図7(c)中 矢印5参照)。
【0087】
画像処理部50での採点処理が終了する(S209:Yes)と、レジストローラ対22の回転が開始され、テスト教材70は転写装置15に向かって搬送され、最初に裏面の採点結果が追い刷り印刷される(S210:
図7(d)中 矢印6参照)。そして、裏面が追い刷り印刷されたテスト教材70は両面搬送路27で反転されて(
図7(d)中 矢印7参照)、転写装置15で表面の採点結果が追い刷り印刷される(S211)。
【0088】
CIS33での画像読み取りが正常に行われなかった場合(S202:No)、第2切替ゲートG2を用紙排出口37方向に切り替えて(S212)、第1搬送ローラ対34を逆転させて、テスト教材70を用紙排出口37へ向かって排出する(S214:
図10中 矢印8参照)。
【0089】
用紙詰まり(ジャム)が発生した場合には、
図11に示すように、読取装置30AのCIS33を除く搬送路全体を装置本体から装置外に引き出した状態で必要に応じて両面搬送路36を上方に開放して、ジャム除去することができる。
また、両面搬送路27、転写装置15から排出トレイ部T1までの搬送路で用紙詰まり(ジャム)が発生した場合には、
図11に示すように、両面搬送路27を開放して、ジャム除去することができる。
【0090】
「変形例2」
図12(a)は変形例2に係る自動採点装置1Bの内部構成を示す断面模式図、(b)は自動採点装置1Bにおける用紙詰まり時の用紙除去を説明する断面模式図、
図13は自動採点装置1Bの動作の流れを説明する断面模式図、
図14(a)は自動採点装置1Bにおいて画像読み取りが正常に行われない場合の動作を説明する断面模式図、(b)は追加問題印刷時の用紙Pの搬送を示す断面模式図、
図15はテスト教材70の印刷を説明する断面模式図である。
【0091】
自動採点装置1Bは、インクジェット方式の画像形成部10Bと、画像形成部10の下部に装着された給紙装置20Bと、読取装置30Bと、操作表示部40(付図視)と、画像処理部50と、システム制御装置60と、を備えて構成され、学習者によって解答欄に解答が記入されたテスト教材70を読み取って採点を行い、採点結果を読み取ったテスト教材70に追い刷り印刷する自動採点機能を有している。
また、使用者が作成するテスト教材70を登録して保持するとともに、登録されたテスト教材70を印刷する印刷機能も有している。
【0092】
読取装置30Bは、トレイT0と、送り出しローラ31、レジストローラ対32、コンタクト・イメージ・センサ(以下、CISと記す)33、第1搬送ローラ対34、第2搬送ローラ対35から構成されている。
読取装置30Bは、トレイT0上に載置されたテスト教材70をレジストローラ対32で整列させてCIS33の読取面に密着させながら搬送してテスト教材70の画像読み取りを行う。
【0093】
このような構成の自動採点装置1Bでは、テスト教材70をトレイT0の上に置いて、操作表示部40のスタートボタンを押すと送り出しローラ31が降下して(
図13(a)中 矢印2参照)テスト教材70を停止した状態のレジストローラ対32に向かって送り出す。そして、テスト教材70はレジストローラ対32でループを形成した後、レジストローラ対32が回転を開始して、CIS33に送り出される(
図13(a)中 矢印3参照)。
【0094】
次に送り出しローラ31が上昇し(
図13(b)中 矢印4参照)、CIS33は第1搬送ローラ対34と第2搬送ローラ対35で搬送されるテスト教材70の表面を読み取り(
図13(a)中 矢印5参照)、画像読み取りが正常か否か判断される。
画像が正常に読み取られた場合、搬送ローラ38を回転させてテスト教材70を反転位置まで引き込む(
図13(b)中 矢印6参照)。CIS33で画像読み取りが正常に行われなかった場合には、引き込み動作を停止してテスト教材70をトレイT0へ排出し、操作表示部40にエラー表示を行う(
図14(a)参照)。
ここで、CIS33から反転位置までの距離L(
図13(c)中 L参照)は、テスト教材70の長さより長く設定されている。
【0095】
テスト教材70の後端がCIS33を通過して、画像読み取りが終了すると、搬送ローラ38を反転して、テスト教材70を画像形成部10へ向かって送り出す(
図13(c)中 矢印7参照)。
そして、画像形成部10で、送り出されるテスト教材70にインクジェット方式で追い刷り印刷され(
図13(d)中 矢印8参照)、トレイT0上に排出される(
図13(d)中 矢印9参照)。
【0096】
登録されたテスト教材70を印刷する場合には、操作表示部40から追加問題印刷を選択して、用紙トレイ21から用紙Pを給送して画像形成部10で追加問題を印刷する(
図14(b)参照)。
【0097】
(2)自動採点装置の機能構成と動作
図15はテスト教材70の具体的な一例を示す概略図、
図16はデータベース部63に登録されるテスト教材70の例を示す概略図、
図17はテスト教材の他の例を示すが概略図、
図18は画像処理部50の内部構成を示すブロック図、
図19は再テスト用に採点結果が追い刷り印刷されたテスト教材70の具体的な一例を示す概略図、
図20は再テスト用に不正解の解答欄が白塗りされたテスト教材70の具体的な例を示す概略図、
図21は再テスト用に採点結果が追い刷り印刷されたテスト教材70の具体的な例を示す概略図である。
以下、図面を参照しながら、自動採点装置1の機能構成と採点処理について説明する。
【0098】
(2.1)自動採点装置の機能構成
自動採点装置1は、
図2のブロック図に示すように、印刷制御部61、画像入力部62、データベース部63、データ管理部64を含むシステム制御装置60を備え、システム制御装置60はメモリに記憶された制御プログラムを実行して、自動採点装置1全体の動作制御を行う。
【0099】
(2.2)テスト教材
図15に示すように、テスト教材70は、学校や学習塾などの教育機関で用いられる、問題用紙やテスト用紙と呼ばれるもので、例えば問題として横列と縦列に0~9までの数字がランダムに記載され、それぞれの数字に対応する枠が解答欄71として設定されている百ます計算用紙が挙げられる。
また、テスト教材70には、上述した問題や解答欄71の他に、解答者情報欄72とテストの実施履歴等を管理するための管理情報欄73が設けられている。解答者情報欄72は、解答者となる学習者の氏名や学年、クラスなどに関する解答者情報が記入される欄である。管理情報欄73は、テスト教材70を一意に識別特定するための識別情報が記入される欄であり、本実施形態においては、二次元コードパーンとしてのQRコード(登録商標)の一部に埋め込まれていてもよい。
管理情報欄73は、登録される際に、予め記録されていてもよく、解答欄71に解答が記入されたテスト教材70を読取装置30で読み取って採点結果を追い刷り印刷する際に印刷することにより記録されてもよい。
【0100】
図16に示すように、解答者情報欄72を含む一定の領域には、採点結果の印刷する位置と範囲を画定するための枠72aが記録されている。枠72aは、不可視の色材(例えば、イエロードット)で印刷されるように設定されていてもよい。これにより、学習者に不要な情報を隠蔽して、採点結果を表示する領域を予め指定することができる。
また、枠72aは、テスト教材70の使用者(教師等)が所持する蛍光ペンで塗られた蛍光色の領域を含むテスト教材70を画像読み取りすることで記録されてもよく、テスト教材の使用者が解答欄の配置や解答の属性情報、採点結果を表示する領域を予め設定することができる。
【0101】
図17には、テスト教材の他の例を示す。図示のように、テスト教材70Aは、例えば連続番号が付された複数(図例では3個)の問題に対応する解答欄71Aを有するものである。問題と解答欄71Aの対応関係は、1つの問題に対して1つの解答欄71Aを設け、解答欄71Aには、解答の属性を表す属性情報71Aaが記録されている。
図例のテスト教材70Aの場合は、属性として、「人」、「匹」、「個」が記録されている。解答欄71Aに解答の属性情報が記録されている場合、解答欄71Aに記入された手書き文字を読み取ってOCR処理する際の認識率を向上させることができる。
【0102】
図例のテスト教材70Aにおいても、解答者情報欄72Aを含む一定の領域には、採点結果の印刷する位置と範囲を画定するための枠72aが記録されている。枠72aは、不可視の色材(例えば、イエロードット)で印刷されるように設定されていてもよい。これにより、学習者に不要な情報を隠蔽して、採点結果を表示する領域を予め指定することができる。
【0103】
このようなテスト教材70、70Aについては、解答欄71、71Aが未記入のテスト教材70、70Aと、解答欄71、71Aに正答を記入した状態のテスト教材70、70Aをそれぞれ画像読み取りすることで、それぞれの画像データの差分を抽出し、抽出データを正答の情報としてデータベース部63に蓄積することができる。
【0104】
(2.3)採点処理
印刷制御部61は、給紙装置20、手差し給紙装置23、画像形成部10が備える露光装置12、感光体ユニット13、現像装置14、転写装置15、定着装置16等に対して、動作制御指示を与える。具体的には、画像処理部50で生成された画像情報を画像形成部10に画像データとして送信し、採点したテスト教材70、70Aに採点結果を追い刷り印刷する。また、データベース部63に登録されたテスト教材70、70Aの情報を画像形成部10に画像データとして送信し、テスト教材70、70Aを印刷する。
【0105】
画像入力部62は、読取装置30との間の情報授受についての制御及び動作制御指示を与える。画像入力部62は、読み取り対象となるテスト教材70をスキャンして画像データを読み取る読取装置30を介してテスト教材70の画像データを入力するものである。
読取装置30は、例えば、テスト教材70の画像を光学的に読み取ることにより、テスト教材70の画像データ(スキャンデータ)を生成する、例えば、コンタクト・イメージ・センサを用いて構成されるものである。
【0106】
データベース部63は、種々のデータを保持蓄積するものである。データベース部63は、例えばハードディスク等の記憶装置を用いて構成され、データを蓄積する機能のほかに、蓄積したデータを処理(読み出し、更新、削除、検索等)する機能を備える。データベース部63には、テスト教材70に関する情報として、例えば、
図15、
図16、
図17に示すような、テスト教材70、70Aのオリジナル画像データ、テスト教材識別情報及びレイアウト情報等が相互に対応付けられて登録されている。
【0107】
テスト教材70、70Aのオリジナル画像データは、
図15、
図16、
図17に示すように、解答欄71、71A及び解答者情報欄72に何も記入(加筆)されていない、元の未記入状態のテスト教材70、70Aの画像データである。テスト教材70、70Aのオリジナル画像データは、例えば、このテスト教材70、70Aを作成した教材販売メーカ等から記録媒体に記録して提供されたものを読み出してデータベース部63に登録(蓄積)してもよいし、未記入状態のテスト教材70、70Aの画像を外部接続されたスキャナ装置や装置本体に装着された読取装置30等で読み取って得られた画像データをデータベース部63に登録してもよい。
【0108】
画像処理部50は、画像入力部62によって入力された画像データを用いて種々の画像処理を行う。本実施形態に係る画像処理部50は、通常の印刷画像データ生成機能のほか、テスト教材の採点処理機能画像処理機能として、
図18に示すように、解答者情報抽出部51と、正誤判定部52と、不正解位置特定部53と、教材データ生成部54と、管理情報抽出部55とを有している。
【0109】
解答者情報抽出部51は、読み取られた画像データの中から解答者情報を抽出するものである。解答者情報は、テストを受ける学習者によって解答者情報欄72に鉛筆等で記入されるものであるため、その解答者情報欄72の位置を指定することにより、例えば、画像入力部62から入力されたテスト教材70の画像データと、データベース部63に蓄積されている解答者データとを比較し、それらの差分データから解答者情報を抽出する。
また、解答者情報は、解答者情報欄72から抜き出したビットマップ形式の画像データのままで抽出してもよく、抜き出した画像データをOCR処理して得られるテキストデータで抽出してもよい。ビットマップ形式の画像データで解答者情報を抽出した場合は、その画像パターン又は画像の特徴に基づいて解答者を一意に識別することができる。
【0110】
正誤判定部52は、解答欄71、71Aに記入された解答が「正解(○)」であるか、「不正解(×)」であるかを判定するものである。具体的には、例えば、解答欄71、71Aに鉛筆等で記入された解答の画像形状を認識し、その認識した画像形状を、例えば予め登録してある「正解」の形状とのパターンマッチングを行い、この結果、「正解」の形状に類似する場合は「正解(○)」であると判定し、「正解」の形状に類似しない場合は「不正解(×)」であると判定する。
【0111】
パターンマッチングの結果、「正解」、「不正解」の判定ができない場合、システム制御装置60は、読取装置30で読み取った画像データを通信回線82を介して使用者(採点者)に送信し、その後、使用者が採点した採点結果を取得して採点結果とする。「正解」、「不正解」の判定ができない場合としては、読取装置30での読み取りエラー、記述式の解答、部分点が配点される不完全解答等が挙げられる。
【0112】
不正解位置特定部53は、不正解とされた解答欄71、71Aの位置を特定するものである。具体的には、データベース部63に登録してあるテスト教材70、70Aのレイアウト情報に含まれる解答欄71の位置情報(座標データ)の中から、正誤判定部52で不正解と判定された解答欄の位置情報を読み出すか、正誤判定部52で正解と判定された解答欄を除く、他の解答欄の位置情報を読み出すことにより、不正解の解答欄の位置を特定することができる。
【0113】
図19には、再テスト用に採点結果が追い刷り印刷されたテスト教材の具体的な例を示す。本実施形態における自動採点装置1においては、テスト教材70、70Aの採点で正解の解答が記入された解答欄71、71Aだけに「○」を付け、不正解の解答が記入された解答欄71、71Aには「×」を付けないように追い刷り印刷をする(
図19中 破線領域参照)。これにより、不正解の解答に対して、学習者が一度解答を記入したテスト教材70、70Aを使って再テストを行えるようにすることができる。
【0114】
教材データ生成部54は、不正解位置特定部53によって位置の特定がなされた不正解の解答欄に対応する問題を含むテスト教材70、70Aの画像データを生成するものである。
教材データ生成部54は、不正解の解答欄を元の空欄の状態に変換する処理を行う。変換処理の具体的な手法としては、不正解の解答が記入された解答欄の内部を、テスト教材70、70Aの地色と同じ色の画像で塗りつぶすように画像データを生成する。これにより、テスト教材70、70Aの地色に合わせて不正解の解答欄を空欄にして、学習者が一度解答を記入したテスト教材70、70Aを使って再テストを行えるようにすることができる。
【0115】
また、教材データ生成部54は、画像入力部62によって入力された画像データに不正解位置特定部53によって位置の特定がなされた不正解の解答欄を白塗りにしてテスト教材70、70Aの画像データを生成する。
図20に示すように、生成された画像データは、印刷制御部61を介して画像形成部10で新たな用紙Pに印刷され、テスト教材70、70Aが毀損した場合に、不正解の解答欄を空欄にして再テストを行えるようにすることができる。
【0116】
また、教材データ生成部54は、画像入力部62によって入力された画像データが当該テスト教材70、70Aの最初の画像データである場合、管理情報抽出部55で抽出されることになる管理情報の一例としてのQRコード(登録商標)を二次元コードパターンとして生成する。テスト教材70、70AにQRコード(登録商標)を付加することで、学習者ごとに採点結果を管理することができる。また、テスト教材70、70AにQRコード(登録商標)が付加されていた場合、テスト教材70、70Aを読取装置30で読み取る際に、前回読み取った正解の解答欄71、71AについてのOCR処理は行わないようにすることができる。これにより、採点の精度を向上させることができる。
【0117】
図21には、再テスト用に採点結果が追い刷り印刷されたテスト教材の具体的な例を示す。教材データ生成部54は、画像入力部62によって入力された画像データが当該テスト教材70、70Aの2回目以降の画像データである場合、テスト教材70、70Aの前回の点数に取り消し線を重ねて画像データを生成するとともに、前回の点数が印刷された領域の近傍に今回の点数を追い刷り印刷するように画像データを生成する。
また、教材データ生成部54は、採点結果が前回の採点よりも向上している場合には、前回に比べて、点数をより大きく追い刷り印刷できるように画像データを生成し、特に、採点結果が満点であった場合には、満点未満であった場合に比べて、点数を大きく追い刷り印刷できるように画像データを生成する。
また、教材データ生成部54は、学習者の属するクラスの平均点や学習者のクラス内での順位を追い刷り印刷するように画像データを生成してもよい。
これにより、テスト教材70、70Aを利用して学習する学習者の学習意欲を向上させる情報を提供することができる。
【0118】
教材データ生成部54は、追い刷り印刷する画像データは、前回と異なる色で印刷するように画像データを生成する。具体的には、正解を表す判定マーク、不正解を表す判定マーク及び点数を、前回と異なる色で追い刷り印刷することで、学習者の学習効果をより高めることができる。
【0119】
教材データ生成部54は、今回の採点結果が、満点でなかった場合には、データベース部63に登録(蓄積)されているテスト教材の中から、新たなテスト教材の画像データを生成して印刷するように画像データを生成する。これにより、採点結果が満点でなかった学習者に対して追加テスト教材を提供することができる。
【0120】
教材データ生成部54は、解答が一義的に確定しない問題の場合、画像入力部62によって入力された画像データに当該解答欄を特定するオブジェクト画像を付加して画像データを生成する。オブジェクト画像を付加して生成された画像データは、システム制御装置60が通信回線82を介して使用者(採点者)へ送信する。これにより、当該画像データを取得した使用者(採点者)は、当該解答欄を容易に認識することができる。
【0121】
データ管理部64は、データベース部63を用いて種々のデータ管理を行うものである。その管理項目の1つとして、データ管理部64は、解答者情報で区分される学習者一人ひとりにつき、テスト教材70、70Aに含まれる複数の問題ごとに、例えば、それぞれに対応する解答欄71、71Aに正解の解答が記入されるまでに実施したテスト実施回数(再テスト回数)とテストごとの点数を管理テーブルとして管理する。
管理テーブルは、解答者情報(学習者の学年及び氏名等)で特定される学習者ごとに、データベース部63に登録されるものである。
【0122】
このような機能構成を有する自動採点装置1、1A、1Bにおいては、テスト教材をデータベース部63に登録して、使用者(教師等)は必要に応じて画像形成部10でテスト教材として印刷して使用することができる。学習者(生徒等)によって、解答欄71、71Aに解答が記入されたテスト教材70、70Aは、読取装置30で読み取られ、画像処理部50で当該テスト教材70、70Aに不正解の解答欄を空欄の状態にした採点結果を追い刷り印刷できるように画像データが生成される。
これにより、不正解の解答に対して、当該テスト教材(答案用紙)を使って再テストを行えるようにする自動採点装置及び自動採点システムを提供することができる。
【符号の説明】
【0123】
1、1A、1B・・・自動採点装置
10・・・画像形成部
20・・・給紙装置
25・・・手差し給紙装置
30、30A、30B・・・読取装置
31・・・送り出しローラ
32・・・レジストローラ
33・・・CIS
40・・・操作表示部
50・・・画像処理部
51・・・解答者情報抽出部
52・・・正誤判定部
53・・・不正解位置特定部
54・・・教材データ生成部
55・・・管理情報抽出部
60・・・システム制御装置
61・・・印刷制御部
62・・・画像入力部
63・・・データベース部
64・・・データ管理部
70、70A・・・テスト教材
71、71A・・・解答欄
72、72A・・・解答者情報欄